説明

グルタミニルシクラーゼの新規阻害剤

本発明は、式(I)の化合物、疾患治療のためのその組合せ及び使用に関する:
【化1】


(式中、R1は、ヘテロアリール、-カルボシクリル-ヘテロアリール、-アルケニルヘテロアリール又は-アルキルヘテロアリールを表し;R2は、アルキル;アルキルによって任意に置換され得るカルボシクリル;アルケニル;アルキニル(三重結合は、Xと隣接していないことを条件とする);-アルキル-アリール;-アルキル-ヘテロアリール;ヘテロシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-ヘテロシクリル;カルボシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-カルボシクリル;アリール;ヘテロアリール;又はHを表し;Xは、S又はNR3を表し;R3はH又はC1-4アルキルを表す。)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、アンモニアを遊離しながらのN-末端グルタミン残基のピログルタミン酸(5-オキソ-プロリル、pGlu*)への分子内環化、及び水を遊離しながらのN-末端グルタミン酸残基のピログルタミン酸への分子内環化を触媒する、グルタミニルシクラーゼ(QC、EC 2.3.2.5)に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
グルタミニルシクラーゼ(QC、EC 2.3.2.5)は、アンモニアを遊離しながらの、N-末端グルタミン残基のピログルタミン酸(pGlu*)への分子内環化を触媒する。QCは、1963年にMesserにより熱帯植物カリカ・パパイヤ(Carica papaya)のラテックスから最初に単離された(Messer, M.の論文, 1963 Nature 4874, 1299)。24年後、対応する酵素活性が、動物の下垂体で発見された(Busby, W. H. J.らの論文、1987 J Biol Chem 262, 8532-8536;Fischer, W. H.及びSpiess, J.の論文、1987 Proc Natl Acad Sci USA 84, 3628-3632)。哺乳類のQCに関して、QCによるGlnのpGluへの転換が、TRH及びGnRHの前駆体について示されている(Busby, W. H. J.らの論文, 1987 J Biol Chem 262, 8532-8536;Fischer, W. H.及びSpiess, J.の論文, 1987 Proc Natl Acad Sci USA 84, 3628-3632)。加えて、最初のQC局在化実験は、ウシ下垂体におけるその触媒の推定上の生成物との同時局在を明らかにし、ペプチドホルモン合成において示唆された機能を更に強化した(Bockers, T. M.らの論文, 1995 J Neuroendocrinol 7, 445-453)。対照的に、植物のQCの生理機能は、余り明確ではない。C.パパイヤ由来の酵素の場合、病原性微生物に対する植物防御における役割が示唆された(El Moussaoui, A.らの論文, 2001 Cell Mol Life Sci 58, 556-570)。他の植物に由来する推定上のQCが、最近の配列比較により同定された(Dahl, S. W.らの論文, 2000 Protein Expr Purif 20, 27-36)。しかしこれらの酵素の生理機能は依然曖昧である。植物及び動物由来の公知のQCは、それらの基質のN-末端位置でのL-グルタミンに対する厳密な特異性を示し、かつそれらの反応速度論的挙動は、ミカエリス-メンテン式に従うことがわかった(Pohl, T.らの論文, 1991 Proc Natl Acad Sci USA 88, 10059-10063;Consalvo, A. P.らの論文, 1988 Anal Biochem 175, 131-138;Gololobov, M. Y.らの論文, 1996 Biol Chem Hoppe Seyler 377, 395-398)。しかしC.パパイヤ由来のQCの一次構造と哺乳類由来の高度に保存されたQCの一次構造との比較は、いかなる配列相同性も明らかにしなかった(Dahl, S. W.らの論文, 2000 Protein Expr Purif 20, 27-36)。植物QCは新たな酵素ファミリーに属するように見える(Dahl, S. W.らの論文, 2000 Protein Expr Purif 20, 27-36)のに対し、哺乳類のQCは、細菌のアミノペプチダーゼと顕著な配列相同性を有することがわかり(Bateman, R. C.らの論文、2001 Biochemistry 40、11246-11250)、このことは植物及び動物に由来するQCは、進化の起源が異なるという結論に繋がっている。
【0003】
最近、組み換えヒトQCに加え、脳抽出物由来のQC-活性は、N-末端グルタミニルに加えグルタミン酸の両方の環化を触媒することが示された。シクラーゼが触媒したGlu1-転換は、およそpH6.0で好ましいのに対し、pGlu-誘導体へのGln1-転換は、最適pH約8.0で生じるという知見は、最も特筆すべきことである。pGlu-Aβ-関連ペプチドの形成は、組み換えヒトQCの阻害及びブタ下垂体抽出物由来のQC-活性の阻害により抑制することができるので、酵素QCは、アルツハイマー病治療のための薬物開発の標的である。
【0004】
最初のQC阻害薬は、WO 2004/098625、WO 2004/098591、WO 2005/039548及びWO 2005/075436に開示されている。
【0005】
EP 02 011 349.4は、昆虫グルタミニルシクラーゼをコードしているポリヌクレオチドに加え、これらによりコードされたポリペプチド、及びグルタミニルシクラーゼ活性を低下する作用物質のスクリーニング法におけるそれらの使用を開示している。このような作用物質は、殺虫薬として有用である。
【発明の概要】
【0006】
(定義)
用語「ki」又は「KI」及び「KD」は、結合定数であり、これは阻害薬の酵素への結合及び引き続きの酵素からの放出を説明している。別の測定値は、「IC50」値であり、これは、所定の基質濃度で、50%酵素活性を生じる阻害薬濃度を反映している。
【0007】
用語「DP IV-阻害薬」又は「ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬」は、当業者に一般に公知であり、DP IV又はDP IV-様酵素の触媒活性を阻害する酵素阻害薬を意味する。
【0008】
「DP IV-活性」は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP IV)及びDP IV-様酵素の触媒活性として定義される。これらの酵素は、腎臓、肝臓及び小腸を含む哺乳類の体の様々な組織において見つかったポスト-プロリン(より少ない程度にポスト-アラニン、ポスト-セリン又はポスト-グリシン)開裂セリンプロテアーゼであり、それらの場所でこれらは、プロリン又はアラニンがそれらの配列のN-末端アミノ酸に隣接している残基を形成する場合に、高い特異性で生物学的活性ペプチドのN-末端からジペプチドを除去する。
【0009】
用語「PEP-阻害薬」又は「プロリルエンドペプチダーゼ阻害薬」は、一般に当業者に公知であり、かつプロリルエンドペプチダーゼ(PEP、プロリルオリゴペプチダーゼ、POP)の触媒活性を阻害する、酵素阻害薬を意味する。
【0010】
「PEP-活性」は、ペプチド又はタンパク質内のポストプロリン結合を加水分解することが可能であるエンドプロテアーゼの触媒活性として定義され、このプロリンは、ペプチド又はタンパク質基質のN-末端から数えて、3位又はより高い位置のアミノ酸にある。
【0011】
本明細書において使用される用語「QC」は、グルタミニルシクラーゼ(QC)及びQC-様酵素を含む。QC及びQC-様酵素は、同じ又は類似した酵素活性を有し、更にQC活性として定義される。これに関して、QC-様酵素は、基本的にそれらの分子構造がQCとは異なる。QC-様酵素の例は、ヒト(GenBank NM_017659)、マウス(GenBank BC058181)、カニクイザル(GenBank AB168255)、アカゲザル(GenBank XM_001110995)、イヌ(GenBank XM_541552)、ラット(GenBank XM_001066591)、マウス(GenBank BC058181)及びウシ(GenBank BT026254)由来の、グルタミニル-ペプチドシクロトランスフェラーゼ-様タンパク質(QPCTL)がある。
【0012】
本明細書において使用される用語「QC活性」は、N-末端グルタミン残基のピログルタミン酸(pGlu*)への、又はN-末端L-ホモグルタミンもしくはL-β-ホモグルタミンの環状ピロ-ホモグルタミン誘導体への、アンモニアを遊離しながらの分子内環化として定義される。従ってスキーム1及び2を参照されたい。
【0013】
スキーム1:QCによるグルタミンの環化
【化1】

【0014】
スキーム2:QCによるL-ホモグルタミンの環化
【化2】

【0015】
本明細書において使用される用語「EC」は、更にEC活性として定義される、グルタミン酸シクラーゼ(EC)としてのQC及びQC-様酵素の活性を含む。
【0016】
本明細書において使用される用語「EC活性」は、QCによるN-末端グルタミン酸残基のピログルタミン酸(pGlu*)への分子内環化として定義される。従ってスキーム3を参照されたい。
【0017】
スキーム3:QC(EC)による非帯電のグルタミルペプチドのN-末端環化
【化3】

【0018】
用語「QC-阻害薬」、「グルタミニルシクラーゼ阻害薬」は、一般に当業者に公知であり、かつグルタミニルシクラーゼ(QC)の触媒活性又はそのグルタミルシクラーゼ(EC)活性を阻害する酵素阻害薬を意味する。
【0019】
(QC阻害の効能)
好ましい実施態様において、QC阻害との相関関係を考慮し、本対象となる方法及び医学的用途は、QC阻害のIC50が10μM以下、より好ましくは1μM以下、更により好ましくは0.1μM以下もしくは0.01μM以下、又は最も好ましくは0.001μM以下である作用物質を利用する。実際、Ki値が低いマイクロモル、好ましくはナノモル、更により好ましくはピコモルの範囲である阻害薬が意図されている。従って本明細書においては便宜上「QC阻害薬」として本活性作用物質が説明されているが、そのような命名は、本発明の対象を特定の作用機構に制限することを意図するものではないことは理解されるであろう。
【0020】
(QC阻害薬の分子量)
一般に、目的の方法又は医学的用途のQC阻害薬は、例えば、500g/mole以下、400g/mole以下、好ましくは350g/mole以下、更により好ましくは300g/mole以下、及び更には250g/mole以下である分子量を伴う小型分子であろう。
【0021】
本明細書において使用される用語「被験者」は、治療、観察又は実験の対象である、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトをいう。
【0022】
本明細書において使用される用語「治療的有効量」は、治療される疾患又は障害の症状を緩和することを含む、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により探求される組織システム、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘起する活性化合物又は医薬品の量を意味する。
【0023】
本明細書において使用される用語「医薬として許容し得る」は、臨床及び獣医学の両方の用途を包含しており:例えば、用語「医薬として許容し得る」は、獣医学的に許容し得る化合物又は臨床薬及び健康管理において許容し得る化合物を包含している。
【0024】
本説明及び「特許請求の範囲」を通じて、表現「アルキル」は、特に限定しない限りは、C1-12アルキル基、好適にはC1-6アルキル基、例えばC1-4アルキル基を意味する。アルキル基は、直鎖、又は分岐鎖であってもよい。好適なアルキル基は、例えばメチル、エチル、プロピル(例えばn-プロピル及びイソプロピル)、ブチル(例えばn-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル)、ペンチル(例えばn-ペンチル)、ヘキシル(例えばn-ヘキシル)、ヘプチル(例えばn-ヘプチル)及びオクチル(例えばn-オクチル)を含む。例えば、表現「アルコキシ」、「ハロアルキル」、「ヒドロキシアルキル」及び「チオアルキル」の表現「アルク(alk)」は、「アルキル」の定義に従って解釈されなければならない。アルコキシ基の例を挙げると、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えばn-プロポキシ)、ブトキシ(例えばn-ブトキシ)、ペントキシ(例えばn-ペントキシ)、ヘキソキシ(例えばn-ヘキソキシ)、ヘプトキシ(例えばn-ヘプトキシ)及びオクトキシ(例えばn-オクトキシ)がある。チオアルキル基の例を挙げると、メチルチオ-がある。典型的なハロアルキル基は、CF3-を含む。
【0025】
表現「アルケニル」は、特に限定しない限りは、C2-12アルケニル基、好適にはC2-6アルケニル基、例えばC2-4アルケニル基を意味し、これは任意の所望の位置に少なくとも1個の二重結合を含み、かつ三重結合は含まない。アルケニル基は、直鎖、又は分岐鎖であってもよい。1個の二重結合を含むアルケニル基の例を挙げると、ビニル(すなわちエテニル)、プロペニル及びブテニルがある。2つの二重結合を含む典型的なアルケニル基には、ペンタジエニル、例えば、(1E,3E)-ペンタジエニルが含まれる。
【0026】
表現「アルキニル」は、特に限定しない限りは、C2-12アルキニル基、好適にはC2-6アルキニル基、例えばC2-4アルキニル基を意味し、これは任意の所望の位置に少なくとも1個の三重結合を含み、かつ同じく1個以上の二重結合を含んでも含まなくともよい。アルキニル基は、直鎖、又は分岐鎖であってもよい。アルキニル基の例を挙げると、エチニル、プロピニル及びブチニルがある。
【0027】
表現「シクロアルキル」は、特に限定しない限りは、C3-10シクロアルキル基(すなわち、3〜10個の環炭素原子)、より好適にはC3-8シクロアルキル基、例えばC3-6シクロアルキル基を意味する。シクロアルキル基の例を挙げると、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルがある。環炭素原子の最も好適な数は、3〜6個である。
【0028】
表現「シクロアルケニル」は、特に限定しない限りは、C5-10シクロアルケニル基(すなわち5〜10個の環炭素原子)、より好適にはC5-8シクロアルケニル基、例えばC5-6シクロアルケニル基を意味する。シクロアルケニル基の例を挙げると、シクロプロペニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル及びシクロオクテニルがある。環炭素原子の最も好適な数は、5〜6個である。
【0029】
表現「カルボシクリル」は、特に限定しない限りは、全ての環原子が炭素であり、かつ3〜12個の環炭素原子を、好適には3〜10個の炭素原子を、より好適には3〜8個の炭素原子を含む、任意の環システムを意味する。カルボシクリル基は、飽和又は部分的に不飽和であってよいが、芳香環は含まない。炭素環式基の例を挙げると、単環式、二環式、及び三環式の環システムを含み、特に単環式及び二環式の環システムがある。他のカルボシクリル基は、架橋された環構造(例えばビシクロ[2.2.1]ヘプテニル)を含む。カルボシクリル基の具体例は、シクロアルキル基である。カルボシクリル基の更なる例は、シクロアルケニル基である。
【0030】
表現「ヘテロシクリル」は、特に限定しない限りは、1個以上(例えば1、2又は3個)の環原子が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子により交換されているカルボシクリル基をいう。ヘテロシクリル基の具体例は、1個以上(例えば1、2又は3個、特に1又は2個、特別には1個)の環原子が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子により交換されているシクロアルキル基(例えばシクロペンチル、より特定するとシクロヘキシル)である。1個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル基の例を挙げると、ピロリジン、テトラヒドロフラン及びピペリジンがあり、並びに2個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル基の例を挙げると、モルホリン及びピペラジンがある。ヘテロシクリル基の更なる具体例は、1個以上(例えば1、2又は3個、特に1又は2個、特別には1個)の環原子が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子により交換されているシクロアルケニル基(例えばシクロヘキセニル基)である。このような基の例は、ジヒドロピラニル(例えば3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル-)である。
【0031】
表現「アリール」は、特に限定しない限りは、C6-12アリール基、好適にはC6-10アリール基、より好適にはC6-8アリール基を意味する。アリール基は、少なくとも1個の芳香環(例えば1、2又は3個の環)を含むが、部分的又は完全に不飽和の環も含んでよい。1個の芳香環を伴う典型的アリール基の例は、フェニルである。2個の芳香環を伴う芳香族基の例は、ナフチルを含む。部分的又は完全に不飽和の環を含むアリール基の例は、ペンタレン、インデン及びインダンを含む。
【0032】
表現「ヘテロアリール」は、特に限定しない限りは、1個以上(例えば、1、2、3又は4個、好適には1、2又は3個)の環原子が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子により交換されているか、さもなければ5-員の芳香環が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子により交換されている1個以上(例えば、1、2、3又は4個、好適には1、2又は3個)の環原子を含む、アリール残基を意味する。単環式ヘテロアリール基の例を挙げると、ピリジン(例えば、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル又はピリジン-4-イル)、ピリミジン、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール(例えば、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル又はイミダゾール-4-イル)、チアゾール、イソオキサゾール、ピラゾール(例えば、ピラゾール-3-イル)、トリアゾール(例えば、1,2,3-トリアゾール又は1,2,4-トリアゾール)、テトラゾール、ピリダジン、ピラジン及びイソチアゾールがある。典型的な二環式ヘテロアリール基は、キノリン、ベンゾチオフェン、インドール(例えば1H-インドール-6-イル)、ベンズイミダゾール、インダゾール、プリン、クロメン、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン(例えば2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)及びベンゾジオキセピンを含む。
【0033】
前述のアリール基及びヘテロアリール基は、適宜、1個以上(例えば、1、2又は3個、好適には1又は2個)の一価又は多価の官能基により任意に置換されてよい。好適な置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、-チオアルキル(例えば-チオメチル)、-SO2アルキル(例えばSO2Me)、アルコキシ-(例えばOMe)、シクロアルキル、-SO2シクロアルキル、アルケニルオキシ-、アルキニルオキシ-、-C(O)-アルキル(例えばCOMe)、アルコキシアルキル-、ニトロ、ハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ及びブロモ)、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、-C(O)OH、-C(O)Oアルキル(例えば-C(O)OMe)、-NH2、-NHアルキル(例えば-NHMe)、-N(アルキル)2(例えばジメチルアミノ-)、-C(O)N(アルキル)2、-C(O)NH2、及び-C(O)NH(アルキル)を含む。より典型的には、置換基は、アルキル(例えばMe)、フルオロアルキル(例えばCF3)、アルコキシ(例えばOMe)、ハロゲン及びヒドロキシから選択されるであろう。更に好適な置換基は、-SOアルキル(例えばSOMe)及び-SOシクロアルキルを含む。別のヘテロアリール基に好適な置換基は、-C(NH)NH2である。
【0034】
従って置換アリール基の例を挙げると、フルオロフェニル-(例えば、4-フルオロ-フェニル-又は3-フルオロ-フェニル-)、ペンタフルオロ-フェニル-、4-ヒドロキシフェニル-、3-ニトロ-フェニル-、4-(トリフルオロメチル)-フェニル-及び4-アニリニル-基がある。置換された単環式ヘテロアリール基の例を挙げると、メチルフラニル-がある。典型的な置換された二環式ヘテロアリール基には、クロメン-4-オン、クロメン-2-オン及びメチルベンゾチオフェニルが含まれる。
【0035】
表現「-アルキル-アリール」は、特に限定しない限りは、アルキレン部分、例えばC1-4アルキレン部分を介して結合されているアリール残基を意味する。-アルキル-アリールの例を挙げると、以下のものがある:-メチルアリール、及び-エチルアリール(例えば1-アリールエチル-又は2-アリールエチル-);又は、任意に置換されてよいフェニルアルキル-。-アルキル-アリール官能基の具体例を挙げると、以下のものがある:フェニルメチル-(すなわちベンジル)、フェニルエチル-(例えば2-フェニル-エチル又は1-フェニル-エチル)、p-トリル-メチル-、(p-トリル)-エチル-、(m-トリル)-メチル-、(m-トリル)-エチル-、(o-トリル)-メチル-、(o-トリル)-エチル-、2-(4-エチル-フェニル)-エタ-1-イル-、(2,3-ジメチル-フェニル)-メチル-、(2,4-ジメチル-フェニル)-メチル-、(2,5-ジメチル-フェニル)-メチル-、(2,6-ジメチル-フェニル)-メチル-、(3,4-ジメチル-フェニル)-メチル-、(3,5-ジメチル-フェニル)-メチル-、(2,4,6-トリメチル-フェニル)-メチル-、(2,3-ジメチル-フェニル)-エチル-、(2,4-ジメチル-フェニル)-エチル-、(2,5-ジメチル-フェニル)-エチル-、(2,6-ジメチル-フェニル)-エチル-、(3,4-ジメチル-フェニル)-エチル-、(3,5-ジメチル-フェニル)-エチル-、(2,4,6-トリメチル-フェニル)-エチル-、(2-エチル-フェニル)-メチル-、(3-エチル-フェニル)-メチル-、(4-エチル-フェニル)-メチル-、(2-エチル-フェニル)-エチル-、(3-エチル-フェニル)-エチル-、(4-エチル-フェニル)-エチル-、2-フルオロ-ベンジル、(1-メチル-2-フルオロ-フェン-6-イル)-メチル-、(1-メチル-2-フルオロ-フェン-4-イル)-メチル-、(1-メチル-2-フルオロ-フェン-6-イル)-エチル-、(1-メチル-2-フルオロ-フェン-4-イル)-エチル-、1H-インデニル-メチル-、2H-インデニル-メチル-、1H-インデニル-エチル-、2H-インデニル-エチル-、インダニル-メチル-、インダン-1-オン-2-イル-メチル-、インダン-1-オン-2-イル-エチル-、テトラリニル-メチル-、テトラリニル-エチル-、フルオレニル-メチル-、フルオレニル-エチル-、ジヒドロナフタリニル-メチル-、ジヒドロナフタリニル-エチル-、又は(4-シクロヘキシル)-フェニル-メチル-、(4-シクロヘキシル)-フェニル-エチル-。
【0036】
表現「-アルキルヘテロアリール」は、特に限定しない限りは、アルキレン部分、例えばC1-4アルキレン部分を介して結合されているヘテロアリール残基を意味する。-アルキルヘテロアリールの例を挙げると-メチルヘテロアリール、及び-エチルへテロアリール(例えば1-へテロアリールエチル-、及び2-ヘテロアリールエチル-)がある。-アルキルヘテロアリール基の具体例を挙げると、ピリジニルメチル-、N-メチル-ピロール-2-メチル-N-メチル-ピロール-2-エチル-、N-メチル-ピロール-3-メチル-、N-メチル-ピロール-3-エチル-、2-メチル-ピロール-1-メチル-、2-メチル-ピロール-1-エチル-、3-メチル-ピロール-1-メチル-、3-メチル-ピロール-1-エチル-、4-ピリジノ-メチル-、4-ピリジノ-エチル-、2-(チアゾール-2-イル)-エチル-、2-エチル-インドール-1-メチル-、2-エチル-インドール-1-エチル-、3-エチル-インドール-1-メチル-、3-エチル-インドール-1-エチル-、4-メチル-ピリジン-2-メチル-、4-メチル-ピリジン-2-イル-エチル-、4-メチル-ピリジン-3-メチル-、4-メチル-ピリジン-3-エチル-がある。
【0037】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素(F)、塩素(Cl)及び臭素(Br)を含む。
【0038】
(立体異性体:)
主張された化合物の全ての可能性のある立体異性体が、本発明に含まれる。
【0039】
本発明の化合物が少なくとも1個のキラル中心を有する場合、従ってこれらはエナンチオマーとして存在し得る。本化合物が2個以上のキラル中心を有する場合、これらは加えてジアステレオマーとして存在し得る。全てのそのような異性体及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含されることは理解されるべきである。
【0040】
(立体異性体の調製及び単離:)
本発明の化合物の調製プロセスが立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの通常の技術により分離されてよい。本化合物は、ラセミ体の形状で調製されるか、又は個別のエナンチオマーが、エナンチオ特異的合成によるかもしくは分割によるかのいずれかにより、調製されてよい。本化合物は、例えば、(-)-ジ-p-トルオイル-d-酒石酸及び/又は(+)-ジ-p-トルオイル-l-酒石酸のような光学活性のある酸との塩形成によるジアステレオマー対の形成、それに続く分別結晶及び遊離塩基の再生などの、標準技術により、それらの成分エナンチオマーに分割されてよい。本化合物は、ジアステレオマー的エステル又はアミドの形成、それに続くクロマトグラフィーによる分離及びキラル補助基の除去により、分割されてもよい。あるいは本化合物は、キラルHPLCカラムを用い、分割されてよい。
【0041】
(医薬として許容し得る塩:)
遊離化合物とそれらの塩又は溶媒和物の形の化合物の間の密接な関係を考慮し、化合物がこの文脈において言及される限りは、対応する塩又は溶媒和物も、但しその状況下で可能又は適切であることを条件とし、意図されている。
【0042】
式(I)の化合物の塩及び溶媒和物並びに医薬品中での使用に適しているそれらの生理的に機能する誘導体は、対イオン又は会合した溶媒が医薬として許容し得るようなものである。しかし、医薬として許容し得ない対イオン又は会合した溶媒を有する塩及び溶媒和物は、例えば、他の化合物並びにそれらの医薬として許容し得る塩及び溶媒和物の調製における中間体として使用するために、本発明の範囲内である。
【0043】
本発明に適した塩は、有機及び無機の両方の酸又は塩基で形成されたものを含む。医薬として許容し得る酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アリールスルホン酸(例えばp-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸又はナフタレンジスルホン酸)、サリチル酸、グルタル酸、グルコン酸、トリカルバリル酸、ケイヒ酸、置換ケイヒ酸(例えば、フェニル、メチル、メトキシ又はハロ置換されたケイヒ酸、4-メチル及び4-メトキシケイ皮酸を含む)、アスコルビン酸、オレイン酸、ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば、1-又は3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、ナフタレンアクリル酸(例えば、ナフタレン-2-アクリル酸)、安息香酸、4-メトキシ安息香酸、2-もしくは4-ヒドロキシ安息香酸、4-クロロ安息香酸、4-フェニル安息香酸、ベンゼンアクリル酸(例えば、1,4-ベンゼンジアクリル酸)、イセチオン酸、過塩素酸、プロピオン酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、パモ酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、サッカリン酸及びトリフルオロ酢酸から形成されたものを含む。医薬として許容し得る塩基付加塩は、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウムのもののようなアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウムのもののようなアルカリ土類金属塩、並びにジシクロヘキシルアミン及びN-メチル-D-グルカミンなどの有機塩基との塩を含む。
【0044】
本発明の化合物の医薬として許容し得る酸付加塩の形の全ては、本発明の範囲により包含されることが意図されている。
【0045】
(多形結晶形:)
更に本化合物の結晶形の一部は、多形体として存在してよく、かつそのようなものは、本発明に含まれることが意図されている。加えて一部の本化合物は、水と(すなわち水和物)又は一般的有機溶媒と溶媒和物を形成することができ、そのような溶媒和物も、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。それらの塩を含む本化合物は同じく、それらの水和物の形で得られるか、又はそれらの結晶化に使用された他の溶媒を含むことができる。
【0046】
(プロドラッグ:)
本発明は更に、その範囲内に、本発明の化合物のプロドラッグを含む。概してそのようなプロドラッグは、所望の治療的活性化合物へインビボにおいて容易に転換可能である化合物の官能基誘導体であろう。従ってこれらの場合、本発明の治療法で、用語「投与する」は、1種以上の主張された化合物のプロドラッグ型であるが、被験者への投与後に前述の特定された化合物へインビボで転換する型による、説明された様々な障害の治療を包含している。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製の通常の手順は、例えば、H. Bundgaard編集の文献「プロドラッグデザイン(Design of Prodrugs)」(Elsevier、1985年)に説明されている。
【0047】
(保護基:)
本発明の化合物の調製プロセスの間に、関心のある任意の分子上の感応性のある基又は反応基を保護することが必要及び/又は望ましいことがある。これは、「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」J.F.W McOmie編集,McOmie、Plenum Press、1973;並びに、T.W.Greene及びP.G.M.Wutsの文献「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(John Wiley & Sons、1991年)に説明されているもののような、従来の保護基により実現することができ、これらの文献は引用により本明細書中に完全に組み込まれている。これらの保護基は、都合の良い引き続きの工程において、当該技術分野において公知の方法を用い除去することができる。
【0048】
本明細書において使用される用語「組成物」は、治療的有効量の主張される化合物を含有する製品に加え、主張される化合物の組合せから直接又は間接に生じた任意の製品を包含することが意図されている。
【0049】
(ガレン製剤のための担体及び添加剤:)
従って、例えば懸濁剤、エリキシル剤及び液剤などの液体経口調製物に関して、好適な担体及び添加剤は、有利なことに、水、グリコール、油類、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などを含み;例えば散剤、カプセル剤、ゲルキャップ剤及び錠剤などの固形経口調製物に関しては、好適な担体及び添加剤は、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを含む。
【0050】
前述の混合物へ添加することができる担体は、好適な結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、香味料、甘味料、保存剤、コーティング、崩壊剤、色素及び着色剤を含むが、これらに限定されるものではない、必要かつ不活性の医薬賦形剤を含む。
【0051】
ターゲティング可能な薬物担体としての可溶性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミド-フェノール、又はパルミトイル残基により置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを含むことができる。更に本発明の化合物は、薬物の制御放出の実行に有用である生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸(polyactic acid)、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲルの架橋した又は両親媒性ブロックコポリマーと組み合わせることができる。
【0052】
好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、ブドウ糖又はβ乳糖のような天然の糖、トウモロコシ甘味料、例えばアカシアゴム、トラガカントゴムのような天然及び合成ゴム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0053】
崩壊薬は、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0054】
(本発明の要旨)
本発明によって、全ての互変異生体及び立体異性体を含む、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、多形体若しくは溶媒和物を提供する:
【化4】

(式中、R1は、ヘテロアリール、-カルボシクリル-ヘテロアリール、-アルケニルヘテロアリール又は-アルキルヘテロアリールを表し;
R2は、アルキル;アルキルによって任意に置換され得るカルボシクリル;アルケニル;アルキニル(三重結合は、Xと隣接していないことを条件とする);-アルキル-アリール;-アルキル-ヘテロアリール;ヘテロシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-ヘテロシクリル;カルボシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-カルボシクリル;アリール;ヘテロアリール;又はHを表し;
Xは、S又はNHを表す;
但し、以下の化合物は式(I)の範囲から除外される:
(a) 5-[5-(メチルチオ)-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;(b) 5-[5-[(フェニルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;(c) 5-[5-[[(テトラヒドロフラン-2-イル)メチル]チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;(d) 5-[5-[(ピリジン-3-イルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;(e) 5-[5-[(ピリジン-4-イルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール及び(f) 5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール。
【0055】
本発明の化合物は、グルタミニルシクラーゼ(QC、EC 2.3.2.5)及びQC-様酵素の阻害薬として作用する。
【0056】
但し書(a)〜(f)によって式(I)の範囲から除外される6つの化合物は、それ自体は公知であるが、医薬用途が公知又は医薬組成物が公知であるとは考えられない。従って、本発明の医薬用途、方法及び組成物は、但し書のない式(I)の化合物を含む。
【0057】
一実施態様において、以下の化合物も、式(I)の範囲から除外される:
【化5】

その化合物はSAWNEYらの文献、Indian Journal of Chemistry (1991)、p407-412に開示されている;
【0058】
【化6】

その化合物はPANKINAらの文献、Khimiko-Farmatesevticheskii Zhurnal (1969)、p15-18に開示されている;
【0059】
【化7】

それらの化合物はDONIAの文献、Egyptian journal of chemistry (1987)、p259-263に開示されている;
【0060】
【化8】

その化合物はMISHRAらの文献、Biosci. Biotech. Biochem. (1993)、p989-991に開示されている;
【0061】
【化9】

それらの化合物はSULEらの文献、Bulletin of Haffkine Institute (1979)、p17-21に開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0062】
(発明の詳細な説明)
本発明によって、全ての互変異性体及び立体異性体を含む、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、多形体もしくは溶媒和物を提供する:
【化10】

(式中、R1は、ヘテロアリール、-カルボシクリル-ヘテロアリール、-アルケニルヘテロアリール又は-アルキルヘテロアリールを表し;
R2は、アルキル;アルキルによって任意に置換され得るカルボシクリル;アルケニル;アルキニル(三重結合は、Xと隣接していないことを条件とする);-アルキル-アリール;-アルキル-ヘテロアリール;ヘテロシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-ヘテロシクリル;カルボシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-カルボシクリル;アリール;ヘテロアリール;又はHを表し;
Xは、S又はNHを表す;
但し、以下の化合物は式(I)の範囲から除外される:
5-[5-(メチルチオ)-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;5-[5-[(フェニルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;5-[5-[[(テトラヒドロフラン-2-イル)メチル]チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;5-[5-[(ピリジン-3-イルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;5-[5-[(ピリジン-4-イルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール及び5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール。
【0063】
R1がヘテロアリールを表す場合、例を挙げると、単環(例えば、5及び6員)及び二環(例えば、9及び10員、特に9員)のヘテロアリール環、特に窒素原子(例えば、1又は2個の窒素原子)を含む環がある。好適な二環式ヘテロアリール環は、1又は2個の窒素原子を含む、9-員のヘテロアリール環、特に1又は2個の窒素原子を含む5-員環に縮合されたベンゼン環(例えば、1H-ベンゾイミダゾリル)である。最も好適には結合部位は、ベンゼン環を介し、例えばこの基は、1H-ベンゾイミダゾール-5-イルである。前述のヘテロアリール基は、非置換であってよいか(これはより典型的である)、又は好適にはアルキル(例えば、MeなどのC1-4アルキル)、アルコキシ-(例えば、OMeなどのC1-4アルコキシ-)及びハロゲン(例えば、F)から選択される1個以上(例えば、1又は2個)の置換基により置換されてよい。
【0064】
R1が-カルボシクリル-ヘテロアリールを表す場合、カルボシクリルの例を挙げると、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)及びシクロアルケニル(例えば、シクロヘキセニル)を含み、ヘテロアリール基の例は、単環(例えば、5及び6員、特に5員)の環、特に窒素原子、例えば、1又は2個の窒素原子を含む環がある。前述のヘテロアリール基は、非置換であってよいか(これはより典型的である)、又は好適にはアルキル(例えば、MeなどのC1-4アルキル)、アルコキシ-(例えば、OMeなどのC1-4アルコキシ-)及びハロゲン(例えば、F)から選択される1個以上(例えば、1又は2個)の置換基により置換されてよい。好適なヘテロアリール基は、イミダゾール-1-イルである。-カルボシクリル-ヘテロアリール基の例は、3-イミダゾール-1-イル-シクロヘキシル-である。
【0065】
R1が-アルケニルヘテロアリール、例えばC2-6アルケニルヘテロアリールを表す場合、アルケニルの例を挙げると、C2-6アルケニル、特にC2-4アルケニル、特にプロペニルを含み、ヘテロアリール基の例は、単環(例えば、5及び6員、特に5員)の環、特に窒素原子、例えば、1又は2個の窒素原子を含む環がある。前述のヘテロアリール基は、非置換であってよいか(これはより典型的である)、又はアルキル(例えば、MeなどのC1-4アルキル)、アルコキシ-(例えば、OMeなどのC1-4アルコキシ-)及びハロゲン(例えば、F)から選択される1個以上(例えば、1又は2個)の置換基により置換されてよい。好適なヘテロアリール基は、イミダゾリル、特にイミダゾール-1-イルである。-アルケニルヘテロアリール基の例は、3-イミダゾール-1-イル-プロパ-2-エニル-である。
【0066】
R1が-アルキルヘテロアリール、例えばC1-6アルキルヘテロアリールを表す場合、アルキルの例を挙げると、C1-6アルキル、特にC2-4アルキル、特にプロピルを含み、ヘテロアリール基の例は、単環(例えば、5及び6員、特に5員)の環、特に窒素原子、例えば、1又は2個の窒素原子を含む環がある。前述のヘテロアリール基は、非置換であってよいか(これは最も典型的である)、又は好適にはアルキル(例えば、MeなどのC1-4アルキル)、アルコキシ-(例えば、OMeなどのC1-4アルコキシ-)及びハロゲン(例えば、F)から選択される1個以上(例えば、1又は2個)の置換基により置換されてよい。好適なヘテロアリール基は、イミダゾール-1-イルである。特に好適な-アルキルヘテロアリール基は、3-イミダゾール-1-イル-プロピル-である。
【0067】
R1ヘテロアリール基の特定の例を挙げると、2又は3個の窒素原子を含む5-員環があり、この環は、任意に例えば下記式により置換されてよい(例えば、特にメチル又は-C(NH)NH2などの、1又は2個の基により):
【化11】

【0068】
R1ヘテロアリール基の別の例を挙げると、2個の窒素原子を含む9-員の二環式環があり、この環は、任意に例えば下記式により置換されてよい:
【化12】

【0069】
明らかに、先に示されたヘテロアリール基は、-カルボシクリル-ヘテロアリール、-アルケニルヘテロアリール又は-アルキルヘテロアリールなどの、より大きいR1官能基の一部として存在してもよい。
【0070】
R2がアルキルを表す場合、R2は任意に分岐していてもよい。例を挙げるとメチルがある。また例を挙げると、C2-10アルキル(例えばエチル、プロピル(例えばn-プロピル、イソプロピル)、ブチル(例えばn-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル)、ペンチル(例えばn-ペンチル)、ヘキシル(例えばn-ヘキシル)、ヘプチル(例えばn-ヘプチル)、オクチル(例えばn-オクチル)、ノニル(例えばn-ノニル)及びデシル(例えばn-デシル))がある。
【0071】
R2がカルボシクリルを表す場合、例を挙げるとアルキルによって任意に置換され得るシクロアルキル及びシクロアルケニルがある。シクロアルキルの例を挙げると、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルがある。シクロアルケニルの例を挙げると、シクロヘキセニル(例えばシクロヘキサ-2-エニル、シクロヘキサ-3-エニル)がある。置換カルボシクリルの例を挙げると、2-メチル-シクロヘキシル-、3-メチル-シクロヘキシル-、4-メチル-シクロヘキシル-、2-メチル-シクロヘキサ-2-エニル、2-メチル-シクロヘキサ-3-エニル、3-メチル-シクロヘキサ-3-エニル、3-メチル-シクロヘキサ-3-エニルがある。
【0072】
R2がアルケニルを表す場合、例を挙げるとビニル(すなわちエテニル)、プロペニル(例えばプロペン-1-イル及びプロペン-2-イル)、ブテニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、特にプロペン-3-イルがある。
【0073】
R2がアルキニルを表す場合、例を挙げるとプロピニル(すなわちプロピン-2-イル)、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルがある。
【0074】
R2が-アルキル-アリールを表す場合、言及され得る特定の基は、-C2-4アルキルアリールである。別の特定の基は-アルキル(置換フェニル)、例えば、フェニルはアルキル、ハロゲン及びアルコキシ(例えばメチル、tert-ブチル、クロロ、フルオロ及びメトキシ)から選択される1つ以上の基によって置換され、かつアルキルは例えば、C1-4アルキルはある。別の特定の基は-アルキル(二環式アリール)であり、例えば、二環式アリールは任意に置換されたナフチルである。更に特定の基は、ベンジルである。
【0075】
更なる特定の例を挙げると、フェニル環が任意に置換され得る、-メチルフェニル、-エチル-フェニル、及び-プロピル-フェニルがある。更なる例を挙げると、ナフチルが任意に置換され得る、-メチル-ナフチル、-エチル-ナフチル、及び-プロピル-ナフチルがある。特定の例を挙げると、1-フェニル-エチル-、2-フェニル-エチル-、1-フェニル-プロピル、2-フェニル-プロピル、3-フェニル-プロピル-、トリル-メチル-、1-トリル-エチル-、2-トリル-エチル-、1-トリル-プロピル-、2-トリル-プロピル、3-トリル-プロピル、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-ベンジル-、1-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-フェニル)-エチル-、2-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-フェニル)-エチル-、1-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-フェニル)-プロピル-、2-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-フェニル)-プロピル-、3-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-フェニル)-プロピル-、2,3,4,5,6-ペンタメチル-ベンジル-、1-(2,3,4,5,6-ペンタメチル-フェニル)-エチル-、2-(2,3,4,5,6-ペンタメチル-フェニル)-エチル-、1-(2,3,4,5,6-ペンタメチル-フェニル)-プロピル-、2-(2,3,4,5,6-ペンタメチル-フェニル)-プロピル-、3-(2,3,4,5,6-ペンタメチル-フェニル)-プロピル-、3,4,5-トリフルオロ-ベンジル-、1-(3,4,5-トリフルオロ-フェニル)-エチル-、2-(3,4,5-トリフルオロ-フェニル)-エチル-、1-(3,4,5-トリフルオロ-フェニル)-プロピル-、2-(3,4,5-トリフルオロ-フェニル)-プロピル-,3-(3,4,5-トリフルオロ-フェニル)-プロピル-、2,4,6-トリフルオロ-ベンジル-、1-(2,4,6-トリフルオロ-フェニル)-エチル-、2-(2,4,6-トリフルオロ-フェニル)-エチル-、1-(2,4,6-トリフルオロ-フェニル)-プロピル-、2-(2,4,6-トリフルオロ-フェニル)-プロピル-、3-(2,4,6-トリフルオロ-フェニル)-プロピル-、2,4,6-トリメチル-ベンジル-、1-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-エチル-、2-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-エチル-、1-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-プロピル-、2-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-プロピル-、3-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-プロピル-、3,4,5-トリメチル-ベンジル-、1-(3,4,5-トリメチル-フェニル)-エチル-、2-(3,4,5-トリメチル-フェニル)-エチル-、1-(3,4,5-トリメチル-フェニル)-プロピル-、2-(3,4,5-トリメチル-フェニル)-プロピル-、3-(3,4,5-トリメチル-フェニル)-プロピル-、3,4,5-トリメトキシ-ベンジル-、1-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-エチル-、2-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-エチル-、1-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-プロピル-、2-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-プロピル-、3-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-プロピル-、4-クロロ-ベンジル-、1-(4-クロロ-フェニル)-エチル-、2-(4-クロロ-フェニル)-エチル-、1-(4-クロロ-フェニル)-プロピル-、2-(4-クロロ-フェニル)-プロピル-、3-(4-クロロ-フェニル)-プロピル-、4-フルオロ-ベンジル-、1-(4-フルオロ-フェニル)-エチル-、2-(4-フルオロ-フェニル)-エチル-、1-(4-フルオロ-フェニル)-プロピル-、2-(4-フルオロ-フェニル)-プロピル-、3-(4-フルオロ-フェニル)-プロピル-、4-メチル-ベンジル-、1-(4-メチル-フェニル)-エチル-、2-(4-メチル-フェニル)-エチル-、1-(4-メチル-フェニル)-プロピル-、2-(4-メチル-フェニル)-プロピル-、3-(4-メチル-フェニル)-プロピル-、4-tert-ブチル-ベンジル-、1-(4-tert-ブチル-フェニル)-エチル-、2-(4-tert-ブチル-フェニル)-エチル-、1-(4-tert-ブチル-フェニル)-プロピル-、2-(4-tert-ブチル-フェニル)-プロピル-、3-(4-tert-ブチル-フェニル)-プロピル-、ナフチル-メチル-、1-ナフチル-エチル-、2-ナフチル-エチル-、1-ナフチル-プロピル-、2-ナフチル-プロピル-、3-ナフチル-プロピル-、(2-メチルナフチル)-メチル-、1-(2-メチルナフチル)-エチル-、2-(2-メチルナフチル)-エチル-、1-(2-メチルナフチル)-プロピル-、2-(2-メチルナフチル)-プロピル-、3-(2-メチルナフチル)-プロピル-、(3-メチルナフチル)-メチル-、1-(3-メチルナフチル)-エチル-、2-(3-メチルナフチル)-エチル-、1-(3-メチルナフチル)-プロピル-、2-(3-メチルナフチル)-プロピル-、3-(3-メチルナフチル)-プロピル-がある。
【0076】
R2が-アルキル-ヘテロアリールを表す場合、言及され得る特定の例を挙げると、-C2-4アルキル-ヘテロアリール;-アルキル-(二環式ヘテロアリール);-アルキル-(ピリジニル以外の単環式ヘテロアリール);-アルキル-(置換単環式ヘテロアリール)、及び-アルキル-(非置換ピリジニル)がある。
【0077】
R2が-C2-4アルキル-ヘテロアリールを表す例を挙げると、-C2-4アルキル-(ピリジン-2-イル)、-C2-4アルキル-(ピリジン-3-イル)、-C2-4アルキル-(ピリジン-4-イル)、-C2-4アルキル-(ピロリル)、-C2-4アルキル-(フラニル)、-C2-4アルキル-(チオフェニル)がある。特定の例を挙げると、1-(ピリジン-2-イル)エチル-、2-(ピリジン-2-イル)エチル-、1-(ピリジン-2-イル)プロピル-、2-(ピリジン-2-イル)プロピル-、3-(ピリジン-2-イル)プロピル-、1-(ピリジン-3-イル)エチル-、2-(ピリジン-3-イル)エチル-、1-(ピリジン-3-イル)プロピル-、2-(ピリジン-3-イル)プロピル-、3-(ピリジン-3-イル)プロピル-、1-(ピリジン-4-イル)エチル-、2-(ピリジン-4-イル)エチル-、1-(ピリジン-4-イル)プロピル-、2-(ピリジン-4-イル)プロピル-、3-(ピリジン-4-イル)プロピル-、1-(ピロリル)エチル-、2-(ピロリル)エチル-、1-(ピロリル)プロピル-、2-(ピロリル)プロピル-、3-(ピロリル)プロピル-、1-(フラニル)エチル-、2-(フラニル)エチル-、1-(フラニル)プロピル-、2-(フラニル)プロピル-、3-(フラニル)プロピル-、1-(チオフェニル)エチル-、2-(チオフェニル)エチル-、1-(チオフェニル)プロピル-、2-(チオフェニル)プロピル-、及び3-(チオフェニル)プロピル-がある。
【0078】
R2が-アルキル-(二環式ヘテロアリール)を表す例を挙げると、(ベンゾフラン-2-イル)アルキル-、(インドール-2-イル)-アルキル-、及び(ベンゾチオフェン-2-イル)-アルキル-、並びに、対応するヘテロアリール基がアルキル、ハロゲン及びアルコキシから選択される1つ以上の基によって置換される誘導体がある。具体例を挙げると、(ベンゾフラン-2-イル)メチル-、1-(ベンゾフラン-2-イル)エチル-、2-(ベンゾフラン-2-イル)エチル-、1-(ベンゾフラン-2-イル)プロピル-、2-(ベンゾフラン-2-イル)プロピル-、3-(ベンゾフラン-2-イル)プロピル-、(インドール-2-イル)メチル-、1-(インドール-2-イル)エチル-、2-(インドール-2-イル)エチル-、1-(インドール-2-イル)プロピル-、2-(インドール-2-イル)プロピル-、3-(インドール-2-イル)プロピル-、(ベンゾチオフェン-2-イル)メチル-、1-(ベンゾチオフェン-2-イル)エチル-、2-(ベンゾチオフェン-2-イル)エチル-、1-(ベンゾチオフェン-2-イル)プロピル-、2-(ベンゾチオフェン-2-イル)プロピル-、及び3-(ベンゾチオフェン-2-イル)プロピル-がある。
【0079】
R2がピリジニル以外の-アルキル-(単環式ヘテロアリール)を表す例を挙げると、(ピロリル)アルキル-、(フラニル)アルキル-、(チオフェニル)アルキル-がある。具体例を挙げると、(ピロリル)メチル-、(フラニル)メチル-及び(チオフェニル)メチル-がある。
【0080】
R2がアルキル-(置換単環式ヘテロアリール)を表す例を挙げると、(4-メチル-ピリジン-2-イル)メチル-、1-(4-メチル-ピリジン-2-イル)エチル-、2-(4-メチル-ピリジン-2-イル)エチル-、1-(4-メチル-ピリジン-2-イル)プロピル-、2-(4-メチル-ピリジン-2-イル)プロピル-、3-(4-メチル-ピリジン-2-イル)プロピル-、(6-メチル-ピリジン-2-イル)メチル-、1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)エチル-、2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)エチル-、1-(6-メチル-ピリジン-2-イル)プロピル-、2-(6-メチル-ピリジン-2-イル)プロピル-、3-(6-メチル-ピリジン-2-イル)プロピル-がある。
【0081】
R2が-アルキル-(非置換ピリジニル)を表す例を挙げると、(ピリジン-2-イル)メチル-がある。更なる例を挙げると、(ピリジン-3-イル)メチル-及び(ピリジン-4-イル)メチル-がある。
【0082】
R2が、ヘテロシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-ヘテロシクリルを表す場合、例を挙げると、ヘテロシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-メチル-ヘテロシクリル、-エチル-ヘテロシクリル、及び-プロピル-ヘテロシクリルがある。言及され得る具体例を挙げると、-C2-4アルキル-(アルキルによって任意に置換されたヘテロシクリル);-アルキル-(アルキルによって置換されたヘテロシクリル);-アルキル(アルキルによって任意に置換された6員以上のヘテロシクリル);及び-アルキル(アルキルによって任意に置換された5員ヘテロシクリル)。
【0083】
R2が-C2-4アルキル-(アルキルによって任意に置換されたヘテロシクリル)を表す例を挙げると、-エチル(ピロリジン-2-イル)、-プロピル(ピロリジン-2-イル)、-エチル(ピペリジン-4-イル)、-エチル(テトラヒドロフラン-2-イル)、及び-エチル(テトラヒドロフラン-3-イル)がある。
【0084】
R2が-アルキル-(アルキルによって置換されたヘテロシクリル)の例を挙げると、(3-メチル-ピペリジン-2-イル)メチル-、1-(3-メチル-ピペリジン-2-イル)エチル-、2-(3-メチル-ピペリジン-2-イル)エチル-、(3-メチル-ピペリジン-3-イル)メチル-、1-(3-メチル-ピペリジン-3-イル)エチル-及び2-(3-メチル-ピペリジン-3-イル)エチル-、(3-メチル-テトラヒドロフラン-2-イル)メチル-、1-(3-メチル-テトラヒドロフラン-2-イル)エチル-、2-(3-メチル-テトラヒドロフラン-2-イル)エチル-、及び-メチル-(N-1-メチル-ピペリジン-4-イル)がある。
【0085】
R2が-アルキル(アルキルによって任意に置換された6員以上のヘテロシクリル)を表す例を挙げると、-アルキル-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン)、-アルキル-(ピペリジン-2-イル)がある。具体例を挙げると、(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン)-メチル-、1-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン)-エチル-、2-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン)-エチル-、1-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン)-プロピル-、2-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン)-プロピル-、3-(3,4-ジヒドロ-2H-ピラン)-プロピル-、(ピペリジン-2-イル)-メチル-、1-(ピペリジン-2-イル)-エチル-、2-(ピペリジン-2-イル)-エチル-、1-(ピペリジン-2-イル)-プロピル-、2-(ピペリジン-2-イル)-プロピル-、3-(ピペリジン-2-イル)-プロピル-、及び-メチル-(N-1-メチル-ピペリジン-4-イル)がある。
【0086】
R2が-アルキル(アルキルによって任意に置換された5員ヘテロシクリル)の例を挙げると、ヘテロシクリルが窒素を含むそれらの基、例えば-アルキル-(ピロリジン-2-イル)、及びヘテロシクリルが酸素を含むそれらの基、例えば-アルキル-(テトラヒドロフラン-2-イル)、及び-アルキル-(テトラヒドロフラン-3-イル)がある。
【0087】
窒素を含む部位の具体例を挙げると、(ピロリジン-2-イル)メチル-、1-(ピロリジン-2-イル)-エチル-、2-(ピロリジン-2-イル)-エチル-、1-(ピロリジン-2-イル)-プロピル-、2-(ピロリジン-2-イル)-プロピル-、3-(ピロリジン-2-イル)-プロピル-がある。酸素を含む部位の具体例を挙げると、1-(テトラヒドロフラン-2-イル)-エチル-、2-(テトラヒドロフラン-2-イル)-エチル-、1-(テトラヒドロフラン-2-イル)-プロピル-、2-(テトラヒドロフラン-2-イル)-プロピル-、3-(テトラヒドロフラン-2-イル)-プロピル-、(テトラヒドロフラン-3-イル)-メチル-、1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-エチル-、2-(テトラヒドロフラン-3-イル)-エチル-、1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-プロピル-、2-(テトラヒドロフラン-3-イル)-プロピル-、3-(テトラヒドロフラン-3-イル)-プロピル-がある。更なる具体例は、(テトラヒドロフラン-2-イル)-メチル-である。
【0088】
R2が、カルボシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-カルボシクリルを表す場合、例を挙げると、カルボシクリルがアルキルによって任意に置換され得る、-メチル-カルボシクリル、-エチル-カルボシクリル、及び-プロピル-カルボシクリルがある。カルボシクリルが置換されていない具体例を挙げると、-メチルシクロヘキシル、2-シクロヘキシル-エチル-、-メチルシクロペンチル、及び2-シクロペンチル-エチル-がある。カルボシクリルが置換されている具体例を挙げると、-メチル((2-メチル)シクロヘキシル)、2-((4-メチル)シクロヘキシル)-エチル-、((2-メチル)シクロペンチル)-メチル-、及び2-((2-メチル)シクロペンチル)-エチル-がある。
【0089】
R2が-アリールを表す場合、例を挙げると、任意に置換されたフェニルがある。具体例を挙げると、フェニル、2-メチル-フェニル-、3-メチル-フェニル-、4-メチル-フェニル-、2-メトキシ-フェニル-、3-メトキシ-フェニル、4-メトキシ-フェニル-、3,4-ジメトキシ-フェニル-、3,5-ジメトキシ-フェニル-、2,6-ジメトキシ-フェニル、2-クロロ-フェニル、4-クロロ-フェニル-、2,4-ジクロロ-フェニル-、2,6-ジクロロ-フェニル-、2-フルオロ-フェニル-、4-フルオロ-フェニル-、2,4-ジフルオロ-フェニル-、2,6-ジフルオロ-フェニル-がある。更なる例は、ナフチルである。
【0090】
R2が-ヘテロアリールを表す場合、例を挙げると、フラン-2-イル、チオフェン-2-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、及びイミダゾリルなどの単環式基、並びにインドール-2-イルなどの二環式基を含む。
【0091】
好適には、R1は、ヘテロアリール(例えば二環式ヘテロアリール、特に9員の二環式ヘテロアリール)を表す。より好適には、特にオキサジアゾール環への結合位置がフェニル環上にある場合、R1は1つ以上(例えば1又は2、好適に1)の窒素原子を含む5員のヘテロアリール環に縮合されたフェニル環を表す。好適にはR1は、非置換のヘテロアリールを表す。特に、R1は好適には、1H-ベンゾイミダゾリル、特に1H-ベンゾイミダゾール-5-イルを表す。
【0092】
好適には、R2は、アルキル、アルケニル、-アルキル-アリール、-アルキル-ヘテロアリール、アリール又はHを表す。より好適に、R2は、アルケニル、-アルキル-アリール又はHを表す。最も好適には、R2は-アルキル-アリール、例えばアリールがハロゲン(例えばF又はCl)、アルキル(例えばC1-4アルキル)及びアルコキシ(例えばC1-4アルコキシ)から選択される1つ以上の基によって置換されたフェニルを表す、C1-2アルキルアリールを表すか、又はR2はベンジルを表すか、又はR2はC2-4アルキルフェニルを表す。他の適切な実施態様において、R2は、アルケニルを表す。
【0093】
他の適切な実施態様において、R2は、Hを表す。この種の化合物は、後述するように式(I)の他の化合物の合成にも特に役立つ。
【0094】
本発明の一実施態様において、R2は、アルキル、好適にはC1-8アルキル、好適にはメチル、エチル又はオクチルを表す。本発明の他の実施態様において、R2は、アルケニル、好適にはプロペン-2-イルを表す。本発明の他の実施態様において、R2は、-アルキル-アリール、好適は-メチル-アリール、-エチル-アリール又は-プロピル-アリール。好適には、R2が-アルキル-アリールを表す場合、例を挙げると2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-ベンジル-、2,3,4,5,6-ペンタメチル-ベンジル-、2,4,6-トリメチル-ベンジル-、2-フェニル-エチル-、3,4,5-トリフルオロ-ベンジル、3,4,5-トリメトキシベンジル、3-フェニル-プロピル-、4-クロロ-ベンジル-、4-フルオロ-ベンジル-、4-メチル-ベンジル-、4-tert-ブチル-ベンジル-、ベンジル、ナフチル-メチル-がある。より最適には、R2は、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-ベンジル-、2,4,6-トリメチル-ベンジル-、2-フェニル-エチル-、3-フェニル-プロピル-、4-クロロ-ベンジル-、4-フルオロ-ベンジル-、4-tert-ブチル-ベンジル-、ベンジル、ナフチル-メチル-を表す。より最適には、R2は、ベンジル、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-ベンジル-、4-tert-ブチル-ベンジル-又は4-フルオロ-ベンジル-を表す。最も好適には、R2は、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-ベンジル-を表す。本発明の別の実施態様において、R2が-アルキル-ヘテロアリール、好適にはピリジン-2-イル-メチル-を表す。本発明の別の実施態様において、R2は、アリール、好適には3,4-ジメトキシフェニル、4-クロロ-フェニル-又は4-フルオロ-フェニル-を表す。本発明の他の一実施態様において、R2は、Hを表す。
【0095】
好適には、Xは、Sを表す。
【0096】
(製法)
式(I)の化合物の製造方法は、以下を含む:
【化13】

【0097】
(a)式(II)の化合物
【化14】

を二硫化炭素と反応させることを含む方法によって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素を表す)を製造すること;
【0098】
(b)式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素を表す)を式(III)の化合物
【化15】

(Lは脱離基を表す)と反応させることを含む方法によって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素、アリール又はヘテロアリール以外を表す)を製造すること;
【0099】
(c)式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素を表す)を式(III')の化合物
【化16】

(R2はアリール又はヘテロアリールを表す)とCuIの存在下で反応させることを含む方法によって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が-アリール又は-ヘテロアリールを表す)を製造すること;
【0100】
(d)式(I)の化合物(XがSを表し、R2がHを表す)を適当なハロゲン化ビニルと反応させることによって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が-CH=CH2又は長い炭素鎖を有するその同族体を表す)を製造すること;或いは
【0101】
(e)式(II)の化合物を式(IV)の化合物
【化17】

と反応させ、続いて閉環を促進にする試薬を添加することよって、式(I)の化合物(XがNHを表す)を製造すること。
【0102】
方法(a)において、該反応は、塩基性条件下で好適に実行される。典型的には、式(II)の化合物及び二硫化炭素は、極性プロトン性溶媒(例えばエタノール)などの有機溶媒に溶解され、水性水酸化物(例えば水酸化カリウム)とともに加熱される。好適には、該反応は、J prakt. Chem., 337, 239-241, 1995(M.Parraらの文献)に記載されている方法と類似の方法によって、高温(例えば10時間の還流下)で実行される。
【0103】
方法(b)において、該試薬は、極性プロトン性溶媒(例えばエタノール)などの有機溶媒に好適に混合される。好適には、該反応は、塩基性条件下(例えばトリエチルアミンなどの適切なアミンの存在下)で実施される。適切な脱離基Lは、J prakt. Chem., 337, 239-241, 1995(M.Parraらの文献)に記載されている方法と類似の方法によって、ハロゲン(例えば臭素又は塩素)を含む。
【0104】
方法(c)において、該試薬は、Org. Lett., 4(20), 3517-3520, 2002(F. Kwongらの文献)に記載されている方法と類似の方法によって、K2CO3などの塩基性条件を用いてエチレングリコールなどの有機溶媒中、高温で好適に混合される。
【0105】
方法(d)において、該試薬は、Org. Lett., 6 (26), 5005 -5008, 2004 (D. Venkataramanらの文献)に記載されている方法と類似の方法によって、塩基(例えばK3PO4)及び適切な触媒(Cu(I)触媒など、例えば[Cu(phen)(PPh3)2]NO3)の存在下、有機溶媒(例えばトルエン)中、高温で好適に混合される。
【0106】
方法(e)において、該試薬は、極性プロトン性溶媒(例えばエタノール)などの有機溶媒に好適に混合される。好適には、閉環を促進する試薬の添加前に、該溶媒を除去し、残留物質を非プロトン有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン)に再溶解する。閉環を促進する典型的な試薬は、Alex. J. Pharm. Sci., 18(2), 141-150, 2004(Omarらの文献)に記載されている方法と類似のジアルキルカルボジイミド又はジシクロアルキルカルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド)などのカルボジイミドを含む。別の例証的試薬は、J. Org.Chem. asap article, September 2006(Dolmanらの文献)に記載されている方法と類似の塩化トシルである。
【0107】
式(II)、(III)及び(III')の化合物は、公知であるか、又はそれ自体公知の従来の方法によって調製されることもできる。
【0108】
(治療的用途)
哺乳類におけるQC(EC)の生理的基質は、例えば、アミロイドβ-ペプチド(3-40)、(3-42)、(11-40及び(11-42)、ABri、ADan、ガストリン、ニューロテンシン、FPP、CCL2、CCL7、CCL8、CCL16、CCL18、フラクタルキン、オレキシンA、[Gln3]-グルカゴン(3-29)、[Gln5]-サブスタンスP(5-11)及びペプチドQYNADである。更なる詳細については、表1を参照されたい。これらの化合物及び/又は本発明の組合せ及び少なくとも1種のQC(EC)阻害薬を含有する医薬組成物は、QC活性の変調により治療することができる状態の治療に有用である。
【0109】
表1:最終のpGluへ環化される傾向があるN-末端グルタミン残基を持つ生理活性ペプチドのアミノ酸配列
【表1】






【0110】
グルタミン酸は、アミロイドβ-ペプチドの3、11及び22位に認められる。
それらの中で、22位のグルタミン酸(E)からグルタミン(Q)への変異(アミロイド前駆体タンパク質APP 693、Swissprot P05067に対応)は、いわゆるオランダ型脳動脈アミロイドーシス変異として説明されている。
【0111】
3、11及び/又は22位にピログルタミン酸残基を伴うβ-アミロイドペプチドは、アミロイドβ-ペプチド1-40(42/43)よりも、より細胞毒性があり、かつより疎水性であることが説明されている(Saido T.C.の論文, 2000 Medical Hypotheses 54(3):427-429)。
【0112】
複数のN-末端変種、例えばAβ(3-40)、Aβ(3-42)、Aβ(11-40)及びAβ(11-42)は、β-セクレターゼ酵素である異なる部位でのβ-位アミロイド前駆体タンパク質-切断酵素(BACE)によるか (Huse JT.らの論文, 2002 J. Biol. Chem. 277 (18):16278-16284)、及び/又は完全長ペプチドAβ(1-40)及びAβ(1-42)からのアミノペプチダーゼもしくはジペプチジルアミノペプチダーゼプロセシングにより、作製することができる。全ての場合において、その後N-末端に生じるグルタミン酸残基の環化は、QCにより触媒される。
【0113】
経上皮輸送細胞(transepithelial transducing cell)、特にガストリン(G)細胞は、胃酸分泌を、胃内の食品到達と調和させる。最近の研究は、複数の活性生成物が、ガストリン前駆体から形成されること、及びガストリン生合成において複数の制御ポイントが存在することを示した。生合成前駆体及び中間体(プロガストリン及びGly-ガストリン)は、増殖因子と推定され;それらの生成物であるアミド化されたガストリンは、上皮細胞増殖、酸生成する壁細胞及びヒスタミン分泌するエンテロクロマフィン様(ECL)細胞の分化、並びにECL細胞におけるヒスタミン合成及び貯蔵に関連した遺伝子の発現、更には酸分泌の急性の刺激を調節する。ガストリンは同じく、上皮増殖因子(EGF)ファミリーの一員の生成を刺激し、これは次に壁細胞機能を阻害するが、表面上皮細胞の成長は刺激する。十二指腸潰瘍疾患及び胃癌のリスクが高いことがわかっているヘリコバクターピロリに感染した被験者において、血漿ガストリン濃度は上昇する(Dockray, G.J.の論文, 1999 J Physiol 15 315-324)。
【0114】
ペプチドホルモンガストリンは、幽門洞G細胞から放出され、CCK-2受容体を介し、酸分泌粘膜中のECL細胞からのヒスタミンの合成及び放出を刺激することがわかっている。動員されたヒスタミンは、壁細胞上に局在したH(2)受容体に結合することにより、酸分泌を誘導する。最近の研究は、ガストリンは、その完全にアミド化された型又はより少なくプロセシングされた型(プロガストリン及びグリシル化ガストリン(glycine-extended gastrin))の両方も胃腸管の増殖因子であることを示唆している。アミド化されたガストリンの主要な栄養作用は、胃の酸分泌粘膜に関してであり、ここでこれは胃幹細胞及びECL細胞の増殖の増加を引き起こし、結果的に壁細胞及びECL細胞の体積の増加を生じることは確立されている。他方で、より少なくプロセシングされたガストリン(例えばグリシル化ガストリン)の主要な栄養標的は、結腸粘膜であるように見える(Koh, TJ.及びChen, D.の論文, 2000 Regul Pept 9337-44)。
【0115】
ニューロテンシン(NT)は、精神分裂病において誤調節されることが先に明らかにされた、神経伝達物質系を特異的に変調する精神分裂病の病態生理に関与した神経ペプチドである。脳脊髄液(CSF)NT濃度が測定された臨床試験は、分裂病患者のサブセットのCSF NT濃度の低下が、有効な抗精神病薬治療により回復したことを明らかにした。抗精神病薬の作用機序におけるNTシステムの関与と調和した考えられ得る証拠も存在する。中枢性に投与されたNTの行動的及び生化学的作用は、全身性に投与された抗精神病薬の作用に極めて類似しており、かつ抗精神病薬は、NT神経伝達を増強した。この知見の結びつけは、NTは内在性抗精神病薬として機能するという仮説に繋がる。更に定型又は非定型抗精神病薬は、黒質線条体及び中脳辺縁系ドパミン末端領域におけるNT神経伝達を示差的に変更し、かつこれらの作用は、各々の副作用の易罹病性及び有効性を予測する(Binder, E.B.らの論文, 2001 Biol Psychiatry 50 856-872)。
【0116】
受精促進ペプチド(FPP)は、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)に関連したトリペプチドであり、これは精漿中に認められる。最近インビトロ及びインビボにおいて得られた証拠は、FPPは、精子受精能の調節において重要な役割を果たすことを示した。詳細には、FPPは最初に、受精していない(受精能未獲得の)精子を「スイッチを入れる」よう刺激し、より迅速に受精するようにするが、次に受精能獲得を停止し、その結果精子は、自然誘発的な先体の喪失を受けず、従って受精能を失わない。これらの反応は、アデニリルシクラーゼ(AC)/cAMPシグナル伝達経路を調節することがわかっているアデノシンにより模倣され及び事実上増強される。FPP及びアデノシンの両方は、受精能未獲得の細胞においてcAMP生成を刺激するが、受精能獲得細胞においてはこれを阻害することが示されており、FPP受容体は何らかの形でアデノシン受容体及びGタンパク質と相互作用し、ACの調節を実現している。これらの事象は、一部は最初の「スイッチを入れる」際に重要であり、他は恐らく先体反応それ自身に関与しているような、様々なタンパク質のチロシンリン酸化状態に影響を及ぼす。カルシトニン及びアンジオテンシンIIも精漿中に認められるが、これらはインビトロにおいて受精能未獲得の精子に対し類似した作用を有し、かつFPPに対する反応を増強することができる。これらの分子は、インビボにおいて同様の作用を有し、受精能を刺激しかつその後維持することにより、受胎率に影響を及ぼす。FPP、アデノシン、カルシトニン、及びアンジオテンシンIIの利用可能性の低下又はそれらの受容体の欠損のいずれかが、男性不妊に寄与している(Fraser, L. R.及びAdeoya-Osiguwa, S. A.の論文, 2001 Vitam Horm 63, 1-28)。
【0117】
CCL2、CCL7、CCL8、CCL16、CCL18及びフラクタルキンは、骨髄前駆細胞の増殖の抑制、新生物形成、炎症性宿主反応、癌、乾癬、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、血管炎、体液性及び細胞性免疫反応、内皮での白血球接着及び遊走プロセス、炎症性腸疾患、再狭窄、肺線維症、肺高血圧症、肝線維症、肝硬変、腎硬化症、心室リモデリング、心不全、臓器移植後の動脈疾患及び静脈移植血管の不全などの、病態生理学的状態において重要な役割を果たす。
【0118】
最近B型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス及びメラノーマに対する細胞傷害性Tリンパ球ペプチド-ベースのワクチンがいくつか、臨床試験において研究された。単独で又は他の腫瘍抗原と組み合わせた、ひとつの興味深いメラノーマワクチン候補は、デカペプチドELAである。このペプチドは、N-末端グルタミン酸を伴う、Melan-A/MART-1抗原免疫優性ペプチドアナログである。グルタミン酸のアミノ基及びγ-カルボキシル基に加え、グルタミンのアミノ基及びγ-カルボキシアミド基は、容易に縮合し、ピログルタミン酸誘導体を形成することが報告されている。この安定性の問題点を克服するために、薬理学的特性を失うことなく、N-末端グルタミン又はグルタミン酸の代わりにピログルタミン酸を持つ、医薬として興味深いいくつかのペプチドが、開発されている。残念ながらELAと比べ、ピログルタミン酸誘導体(PyrELA)及び同じくN-末端にアセチル-キャップが付いた誘導体(AcELA)は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性を誘起することに失敗した。PyrELA及びAcELAには明らかに小さい修飾が導入されたにもかかわらず、これらふたつの誘導体は、恐らく、特異的主要組織適合遺伝子複合体クラスIに関して、ELAよりもより低い親和性を有するであろう。結果的に、ELAの完全な活性を保存するためには、PyrELAの形成は避けなけばならない(Beck A.らの論文, 2001, J Pept Res 57(6): 528-38)。
【0119】
オレキシンAは、恐らくこれらの相補的恒常性維持機能の複雑な行動的及び生理的反応の調整により、食物摂取及び睡眠-覚醒の調節において重要な役割を果たす神経ペプチドである。これは、エネルギー代謝、自律神経機能、ホルモン平衡の恒常性調節、及び体液の調節においても役割を果たす。
【0120】
最近、多発性硬化症又はギラン・バレー症候群に罹患した患者の脳脊髄液(CSF)中で、健常者と比べ、上昇したレベルのペンタペプチドQYNADが同定された(Brinkmeier H.らの論文, 2000, Nature Medicine 6, 808-811)。ペンタペプチドGln-Tyr-Asn-Ala-Asp(QYNAD)の作用機序に関する文献には、特に中枢神経系の炎症性自己免疫疾患に関連している、軸索機能障害の促進を生じるナトリウムチャネルとの相互作用及びそのブロックにおけるQYNADの有効性において、大きな矛盾が存在する。しかし最近になって、QYNADではなく、その環化されたピログルタミン酸型pEYNADが活性型であり、これがナトリウムチャネルをブロックし、軸索機能障害の促進をもたらすことが明らかにされた。ナトリウムチャネルは、髄鞘形成された軸索において高密度で発現し、哺乳類の脳及び脊髄内で軸索に沿った活動電位の伝達という必須の(obligatory)役割を果たす。従ってこれらは、炎症性自己免疫疾患、特に多発性硬化症、ギラン・バレー症候群及び慢性炎症性脱髄性多発神経根障害の病態生理のいくつかの面に関与していることが、推測される。
【0121】
更にQYNADは、酵素グルタミニルシクラーゼ(QC、EC 2.3.2.5)の基質であり、これは同じく哺乳類の脳、特にヒト脳内に存在する。グルタミニルシクラーゼは、pEYNADのその前駆体QYNADからの形成を効果的に触媒する。
【0122】
従って本発明は、軽度認識障害、アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群、ハンチントン舞踏病、ケネディ病、潰瘍疾患、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない十二指腸癌、結腸直腸癌、ゾリンジャー-エリソン症候群、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない胃癌、病的精神病的状態、精神分裂病、不妊、新生物形成、炎症性宿主反応、癌、悪性転移、メラノーマ、乾癬、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、体液性及び細胞性免疫反応障害、内皮内の白血球接着及び遊走プロセス、摂食障害、睡眠-覚醒障害、エネルギー代謝の恒常性制御障害、自律神経機能障害、ホルモン平衡障害又は体液の調節障害、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群及び慢性炎症性脱髄性多発神経根障害からなる群から選択される疾患を予防又は緩和又は治療するための医薬品の調製のための式(I)の但し書のない化合物の使用を提供する。
【0123】
更に、本発明の化合物を哺乳類へ投与することにより、骨髄前駆細胞の増殖を刺激することが可能である。
【0124】
加えて、本発明のQC阻害薬の投与は、男性不妊の抑制を導くことができる。
【0125】
好ましい実施態様において、本発明は、特にニューロン疾患、アテローム性動脈硬化症及び多発性硬化症を治療するための、他の作用物質と併用する、QC(EC)活性の阻害薬の使用を提供する。
【0126】
本発明はまた、少なくとも1種の式(I)の但し書のない化合物の治療的有効量を、哺乳類、好ましくはヒトへ投与することを含む、前述の疾患を治療する方法を提供する。
【0127】
最も好ましくは、前記方法及び対応する使用は、少なくとも1種の式(I)の但し書のない化合物の治療的有効量を、哺乳類、好ましくはヒトへ投与することを含む、軽度認識障害、アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群、パーキンソン病及びハンチントン舞踏病からなる群から選択される疾患の治療のためである。
【0128】
更に好ましくは、本発明は、関節リウマチ又はアテローム性動脈硬化症の治療のための、治療法及び対応する使用を提供する。
【0129】
更に好ましくは、本発明は、膵炎及び再狭窄の治療のための、治療法及び対応する使用を提供する。
【0130】
(医薬組合せ:)
好ましい実施態様において、本発明は、少なくとも1種のQC阻害薬を、向知性薬、神経保護薬、抗パーキンソン薬、アミロイドタンパク質沈着阻害薬、βアミロイド合成阻害薬、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬及び多発性硬化症治療薬からなる群から選択される少なくとも1種の他の作用物質と任意に組み合わせて含有する、組成物、好ましくは医薬組成物を提供する。
【0131】
最も好ましくは、前記QC阻害剤は、本発明の但し書のない式(I)の化合物である。
【0132】
より詳細には、前述の他の作用物質は、PEP-阻害薬、LiCl、ジペプチジルアミノペプチダーゼの阻害薬、好ましくはDP IV酵素又はDP IV-様酵素の阻害薬;アセチルコリンエステラーゼ(ACE)阻害薬、PIMTエンハンサー、βセクレターゼの阻害薬、γセクレターゼの阻害薬、中性エンドペプチダーゼの阻害薬、ホスホジエステラーゼ-4(PDE-4)の阻害薬、TNFα阻害薬、ムスカリン性M1受容体アンタゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、シグマ-1受容体阻害薬、ヒスタミンH3アンタゴニスト、免疫調節薬、免疫抑制薬、又はアンテグレン(ナタリズマブ)、Neurelan(ファムプリジン-SR)、カンパス(アレムツズマブ)、IR 208、NBI 5788/MSP 771(チプリモチド)、パクリタキセル、Anergix.MS(AG 284)、SH636、ディフリン(Differin)(CD 271、アダパレン)、BAY 361677(インターロイキン-4)、マトリックス-メタロプロテイナーゼ-阻害薬(例えば、BB 76163)、インターフェロン-τ(トロホブラスチン(trophoblastin))及びSAIK-MSからなる群から選択される。
【0133】
更に、前述の他の作用物質は、中性エンドペプチダーゼ、ベータ-アミロイド抗体、システインプロテアーゼ阻害薬、及びMCP-1アンタゴニストの活性のエンハンサーからなる群から選択されることができる。
【0134】
更に他の作用物質は、例えば、以下からなる群から選択される、抗不安薬又は抗うつ薬であってよい:
(a)ベンゾジアゼピン、例えば、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、フルジアゼパム、ロフラゼプ酸、ロラゼパム、メタカロン、オキサゼパム、プラゼパム、トランゼン、
(b)選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、例えば、シタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、エスシタロプラム、セルトラリン、パロキセチン、
(c)三環系抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、
(d)モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬、
(e)アザピロン系薬、例えば、ブスピロン、タンドスピロン(tandopsirone)、
(f)セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、例えば、ベンラファキシン、デュロキセチン、
(g)ミルタザピン、
(h)ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)、例えば、レボキセチン、
(i)ブプロピオン、
(j)ネファゾドン、
(k)β-遮断薬、
(l)NPY-受容体リガンド:NPYアゴニスト又はアンタゴニスト。
【0135】
更なる実施態様において、他の作用物質は、例えば、以下からなる群から選択される、多発性硬化症治療薬である:
a)ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、例えば、SC-12267、テリフルノミド、MNA-715、HMR-1279(HMR-1715、MNA-279へ合成)、
b)自己免疫抑制薬、例えば、ラキニモド、
c)パクリタキセル、
d)抗体、例えば、AGT-1、抗-顆粒球-マクロファージコロニー-刺激因子(GM-CSF)モノクローナル抗体、Nogo受容体モジュレーター、ABT-874、アレムツズマブ(CAMPATH)、抗-OX40抗体、CNTO-1275、DN-1921、ナタリズマブ(AN-100226、Antegren、VLA-4 Mabへ合成)、ダクリツマブ(Zenepax、Ro-34-7375、SMART抗-Tacへ合成)、J-695、プリリキシマブ(Centara、CEN-000029、cM-T412へ合成)、MRA、Dantes、抗-IL-12-抗体、
e)ペプチド核酸(PNA)調製物、例えば、レチキュロース(reticulose)、
f)インターフェロンα、例えば、Alfaferone、ヒトαインターフェロン(Omniferon、Alpha Leukoferonへ合成)、
g)インターフェロンβ、例えば、Frone、インターフェロンβ-1a様Avonex、Betron(レビフ)、インターフェロンβアナログ、インターフェロンβ-トランスフェリン融合タンパク質、組み換えインターフェロンβ-1b様ベタセロン、
h)インターフェロンτ、
i)ペプチド、例えば、AT-008、AnergiX.MS、Immunokine(α-Immunokine-NNSO3)、環状ペプチド様ZD-7349、
j)治療的酵素、例えば、可溶性CD8(sCD8)、
k)多発性硬化症-特異的自己抗原をコードしているプラスミド及びサイトカインをコードしているプラスミド、例えば、BHT-3009;
l)TNF-αの阻害薬、例えば、BLX-1002、サリドマイド、SH-636、
m)TNFアンタゴニスト、例えば、ソリマスタット、レネルセプト(RO-45-2081、Tenefuseへ合成)、オネルセプト(sTNFR1)、CC-1069、
n)TNFα、例えば、エタネルセプト(エンブレル、TNR-001へ合成)、
o)CD28アンタゴニスト、例えば、アバタセプト、
p)Lckチロシンキナーゼ阻害薬、
q)カテプシンK阻害薬、
r)ニューロン-ターゲティング膜輸送体タンパク質タウリンのアナログ及び植物由来のカルパイン阻害薬ロイペプチン、例えば、Neurodur、
s)ケモカイン受容体-1(CCR1)アンタゴニスト、例えば、BX-471、
t)CCR2アンタゴニスト、
u)AMPA受容体アンタゴニスト、例えば、ER-167288-01及びER-099487、E-2007、タランパネル、
v)カリウムチャネル遮断薬、例えば、ファムプリジン、
w)VLA-4A/VCAM相互作用のトシル-プロリン-フェニルアラニン小型-分子アンタゴニスト、例えば、TBC-3342、
x)細胞接着分子阻害薬、例えば、TBC-772、
y)アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、EN-101、
z)マスト細胞受容体へ結合する遊離免疫グロブリン軽鎖(IgLC)のアンタゴニスト、例えば、F-991、
【0136】
aa)アポトーシス誘導性抗原、例えば、Apogen MS、
bb)アドレナリンα-2受容体アゴニスト、例えば、チザニジン(ザナフレックス、テルネリン、Sirdalvo、シルダルード、Mionidineへ合成)、
cc)L-チロシン、L-リシン、L-グルタミン酸及びL-アラニンのコポリマー、例えば、酢酸ガラティラメル(コパクソン、COP-1、コポリマー-1へ合成)、
dd)トポイソメラーゼIIモジュレーター、例えば、塩酸ミトキサントロン、
ee)アデノシンデアミナーゼ阻害薬、例えば、クラドリビン(ロイスタチン、Mylinax、RWJ-26251へ合成)、
ff)インターロイキン-10、例えば、イロデカキン(テノビル、Sch-52000、CSIFへ合成)、
gg)インターロイキン-12アンタゴニスト、例えば、リソフィリン(CT-1501 R、LSF、リソフィリンへ合成)、
hh)エタナミウム(Ethanaminum)、例えばSRI-62-834(CRC-8605、NSC-614383への合成))
ii)免疫調節物質、例えば、SAIK-MS、PNU-156804、α-フェトプロテインペプチド(AFP)、IPDS、
jj)レチノイド受容体アゴニスト、例えば、アダパレン(ディフリン、CD-271へ合成)、
kk)TGF-β、例えば、GDF-1(増殖及び分化因子1)、
ll)TGF-β-2、例えば、ベタカイン、
mm)MMP阻害薬、例えば、グリコメド(glycomed)、
nn)ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬、例えば、RPR-122818、
oo)プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害薬、例えば、9-(3-ピリジルメチル)-9-デアザグアニン、ペルデシン(BCX-34、TO-200へ合成)、
pp)α-4/β-1インテグリンアンタゴニスト、例えば、ISIS-104278、
qq)アンチセンスα4インテグリン(CD49d)、例えば、ISIS-17044、ISIS-27104、
rr)サイトカイン-誘導性物質、例えば、ヌクレオシド、ICN-17261、
ss)サイトカイン阻害薬、
tt)熱ショックタンパク質ワクチン、例えば、HSPPC-96、
uu)ニューレグリン増殖因子、例えば、GGF-2(ニューレグリン、グリア成長因子2へ合成)、
vv)カテプシンS-阻害薬、
ww)ブロピリミンアナログ、例えば、PNU-56169、PNU-63693、
xx)単球走化性タンパク質-1阻害薬、例えば、ベンズイミダゾール様MCP-1阻害薬、LKS-1456、PD-064036、PD-064126、PD-084486、PD-172084、PD-172386。
【0137】
更に、本発明は、但し書のない少なくとも1種の式(I)のQC阻害薬を、少なくとも1種の他の前述の作用物質と任意に組み合わせて含有する、例えば、非経口、経腸又は経口投与のための、医薬組成物を提供する。
【0138】
これらの組合せは、特定の有利な効果を提供する。このような組合せは、前述の疾患の治療に効果がありかつ有用であることが示されている。従って、本発明は、これらの状態を治療する方法を提供する。
【0139】
本方法は、但し書のない少なくとも1種の式(I)のQC阻害薬及び少なくとも1種の他の作用物質の同時投与、又はそれらの連続投与を含む。
【0140】
同時投与は、但し書のない少なくとも1種の式(I)のQC阻害薬及び少なくとも1種の他の作用物質を含有する製剤の投与、又は各作用物質の個別の製剤の本質的に同時の投与を含む。
【0141】
好適なPIMTエンハンサーの例は、WO 98/15647及びWO 03/057204に各々開示された、10-アミノアリファチル-ジベンズ[b,f]オキセピンである。本発明に従い更に有用であるのは、WO 2004/039773に開示されたPIMT活性のモジュレーターである。
【0142】
βセクレターゼの阻害薬及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO03/059346、WO2006/099352、WO2006/078576、WO2006/060109、WO2006/057983、WO2006/057945、WO2006/055434、WO2006/044497、WO2006/034296、WO2006/034277、WO2006/029850、WO2006/026204、WO2006/014944、WO2006/014762、WO2006/002004、US 7,109,217、WO2005/113484、WO2005/103043、WO2005/103020、WO2005/065195、WO2005/051914、WO2005/044830、WO2005/032471、WO2005/018545、WO2005/004803、WO2005/004802、WO2004/062625、WO2004/043916、WO2004/013098、WO03/099202、WO03/043987、WO03/039454、US 6,562,783、WO02/098849及びWO02/096897に開示されている。
【0143】
本発明の目的に適したβセクレターゼ阻害薬の例は、WY-25105(Wyeth社);Posiphen、(+)-フェンセリン(TorreyPines/NIH社);LSN-2434074、LY-2070275、LY-2070273、LY-2070102(Eli Lilly社);PNU-159775A、PNU-178025A、PNU-17820A、PNU-33312、PNU-38773、PNU-90530(Elan/Pfizer社);KMI-370、KMI-358、kmi-008(京都大学);OM-99-2、OM-003(Athenagen社);AZ-12304146(AstraZeneca/Astex社);GW-840736X(GlaxoSmithKline社)、及びDNP-004089(De Novo Pharmaceuticals社)である。
【0144】
γセクレターゼ阻害薬及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO2005/008250、WO2006/004880、US 7,122,675、US 7,030,239、US 6,992,081、US 6,982,264、WO2005/097768、WO2005/028440、WO2004/101562、US 6,756,511、US 6,683,091、WO03/066592、WO03/014075、WO03/013527、WO02/36555、WO01/53255、US 7,109,217、US 7,101,895、US 7,049,296、US 7,034,182、US 6,984,626、WO2005/040126、WO2005/030731、WO2005/014553、US 6,890,956、EP1334085、EP1263774、WO2004/101538、WO2004/00958、WO2004/089911、WO2004/073630、WO2004/069826、WO2004/039370、WO2004/031139、WO2004/031137、US 6,713,276、US 6,686,449、WO03/091278、US 6,649,196、US 6,448,229、WO01/77144及びWO01/66564に開示されている。
【0145】
本発明の目的に適したγセクレターゼ阻害薬は、GSI-953、WAY-GSI-A、WAY-GSI-B(Wyeth社);MK-0752、MRK-560、L-852505、L-685-458、L-852631、L-852646(Merck社);LY-450139、LY-411575、AN-37124(Eli Lilly社);BMS-299897、BMS-433796(Bristol-Myers Squibb社);E-2012(エーザイ社);EHT-0206、EHT-206(ExonHit Therapeutics SA社);及び、NGX-555(TorreyPines Therapeutics社)である。
【0146】
本発明の目的に適したβアミロイド合成阻害剤は、例えば、Bisnorcymserine(Axonyx社);(R)-フルルビプロフェン(MCP-7869;フルリザン)(Myriad Genetics社);ニトロフルルビプロフェン(NicOx);BGC-20-0406(三共製薬)、及びBGC-20-0466(BTG社)である。
【0147】
本発明の目的に適したアミロイドタンパク質沈着阻害薬は、例えば、SP-233(Samaritan Pharmaceuticals社);AZD-103(Ellipsis Neurotherapeutics社);AAB-001(バピネオズマブ)、AAB-002、ACC-001(Elan社);Colostrinin (ReGen Therapeutics社);AdPEDI-(アミロイド-β1-6)11)(Vaxin社);MPI-127585、MPI-423948(メイヨー財団);SP-08(ジョージタウン大学);ACU-5A5(Acumen/Merck社);Transthyretin(ニューヨーク州立大学);PTI-777、DP-74、DP 68、Exebryl(ProteoTech社);m266(Eli Lilly社);EGb-761(Dr.Willmar Schwabe社);SPI-014(Satori Pharmaceuticals社);ALS-633、ALS-499(Advanced Life Sciences社);AGT-160(ArmaGen Technologies社);TAK-070(武田薬品工業);CHF-5022、CHF-5074、CHF-5096及びCHF-5105(Chiesi Farmaceutici社)がある。
【0148】
本発明の目的に適したPDE-4阻害薬は、例えば、ドキソフィリン(Instituto Biologico Chemioterapica ABC社);イズジラスト(idudilast)点眼薬、チペルカスト(tipelukast)、イブジラスト(杏林製薬);テオフィリン(Elan社);シロミラスト(GlaxoSmithKline社);Atopik(Barrier Therapeutics社);トフィミラスト、CI-1044、PD-189659、CP-220629、PDE 4d阻害薬BHN(Pfizer社);アロフィリン、LAS-37779(Almirall Prodesfarma社);ロフルミラスト、ヒドロキシプマフェントリン(Altana AG)、テトミラスト(大塚製薬);CC-10004(Celgene社);HT-0712、IPL-4088(Inflazyme Pharmaceuticals社);MEM-1414、MEM-1917(Memory Pharmaceuticals社);オグレミラスト、GRC-4039(Glenmark Pharmaceuticals社);AWD-12-281、ELB-353、ELB-526(Elbion社);EHT-0202(ExonHit Therapeutics社);ND-1251(Neuro3d社);4AZA-PDE4(4 AZA Bioscience社);AVE-8112(Sanofi-Aventis社);CR-3465(Rottapharm社);GP-0203、NCS-613(Centre National de la Recherche Scientifique社);KF-19514(協和醗酵工業);ONO-6126(小野薬品工業);OS-0217(大日本製薬);IBFB-130011、IBFB-150007、IBFB-130020、IBFB-140301(IBFB Pharma社);IC-485(ICOS社);RBx-14016、及びRBx-11082(Ranbaxy Laboratories社)である。好ましいPDE-4-阻害薬は、ロリプラムである。
【0149】
MAO阻害薬及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO2006/091988、WO2005/007614、WO2004/089351、WO01/26656、WO01/12176、WO99/57120、WO99/57119、WO99/13878、WO98/40102、WO98/01157、WO96/20946、WO94/07890、及びWO92/21333に開示されている。
【0150】
本発明の目的に適したMAO-阻害薬は、例えば、リネゾリド(Pharmacia社);RWJ-416457(RW Johnson Pharmaceutical Research Institute);ブジピン(Altana AG社);GPX-325(BioResearch Ireland社);イソカルボキサジド;フェネルジン;トラニルシプロミン;インダンタドール(indantadol)(Chiesi Farmaceutici社);モクロベミド(Roche Holding AG社);SL-25.1131(Sanofi-Synthelabo社);CX-1370(Burroughs Wellcome社);CX-157(Krenitsky Pharmaceuticals社);デソキシペガニン(desoxypeganine)(HF Arzneimittelforschung社);ビフェメラン(三菱東京製薬);RS-1636(三共製薬);エスプロン(BASF AG社);ラサジリン(Teva Pharmaceutical Industries社);ラドスチギル(エルサレムヘブライ大学);サフィナミド(Pfizer社)、及びNW-1048(Newron Pharmaceuticals社)である。
【0151】
本発明の目的に適したヒスタミンH3アンタゴニストは、例えば、A-331440、A-349821(Abbott Laboratories社);3874-H1(Aventis Pharma社);UCL-2173(ベルリン自由大学)、UCL-1470(BioProjet、Societe Civile de Recherche);DWP-302(Daewoong Pharmaceutical社);GSK-189254A、GSK-207040A(GlaxoSmithKline社);シプラリサント、GT-2203(Gliatech社);(1S,2S)-2-(2-アミノエチル)-1-(1H-イミダゾール-4-イル)シクロプロパン(北海道大学);JNJ-5207852(Johnson & Johnson社);NNC-0038-0000-1049(Novo Nordisk社);及び、Sch-79687(Schering-Plough社)がある。
【0152】
この種の阻害剤を含むPEP阻害剤及び組成物は、下記文献に記載されている:例えば、JP 01042465、JP 03031298、JP 04208299、WO 00/71144、US 5,847,155;JP09040693、JP10077300、JP05331072、JP05015314、WO95/15310、WO93/00361、EP0556482、JP06234693、JP01068396、EP0709373、US 5,965,556、US 5,756,763、US 6,121,311、JP63264454、JP64000069、JP63162672、EP0268190、EP0277588、EP0275482、US 4,977,180、US 5,091,406、US 4,983,624、US 5,112,847、US 5,100,904、US 5,254,550、US 5,262,431、US 5,340,832、US 4,956,380、EP0303434、JP03056486、JP01143897、JP1226880、EP0280956、US 4,857,537、EP0461677、EP0345428、JP02275858、US5506256、JP06192298、EP0618193、JP03255080、EP0468469、US5118811、JP05025125、WO93/13065、JP05201970、WO94/12474、EP0670309、EP0451547、JP06339390、US 5,073,549、US 4,999,349、EP0268281、US 4,743,616、EP0232849、EP0224272、JP62114978、JP62114957、US 4,757,083、US 4,810,721、US 5,198,458、US 4,826,870、EP0201742、EP0201741、US 4,873,342、EP0172458、JP61037764、EP0201743、US 4,772,587、EP0372484、US 5,028,604、WO91/18877、JP04009367、JP04235162、US 5,407,950、WO95/01352、JP01250370、JP02207070、US 5,221,752、EP0468339、JP04211648、WO99/46272、WO2006/058720、及びPCT/EP2006/061428である。
【0153】
本発明の目的に適したプロリルエンドペプチダーゼ阻害薬は、例えば、Fmoc-Ala-Pyrr-CN、Z-Phe-Pro-ベンゾチアゾール(Probiodrug)、Z-321(ゼリア新薬工業);ONO-1603(小野薬品工業);JTP-4819(日本タバコ産業)、及びS-17092(Servier社)である。
【0154】
好適なβ-アミロイド抗体の例は、ACU-5A5、huC091(Acumen/Merck社);PF-4360365、RI-1014、RI-1219、RI-409、RN-1219(Rinat Neuroscience Corp (Pfizer社));Ablynx/Boehringer Ingelheim社のナノボディ治療薬;Intellect Neurosciences/IBL社のβ-アミロイド-特異的ヒト化モノクローナル抗体;m266、m266.2(Eli Lilly社);AAB-02(Elan社);バピネオズマブ(Elan社);BAN-2401(Bioarctic Neuroscience AB社);ABP-102(Abiogen Pharma社);BA-27、BC-05(武田薬品工業);R-1450(Roche社);ESBA-212(ESBATech AG社);AZD-3102(AstraZeneca社)、及びMindset BioPharmaceuticals社のβ-アミロイド抗体である。
【0155】
好適なシステインプロテアーゼ阻害薬は、カテプシンBの阻害薬である。カテプシンB阻害薬及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO2006/060473、WO2006/042103、WO2006/039807、WO2006/021413、WO2006/021409、WO2005/097103、WO2005/007199、WO2004/084830、WO2004/078908、WO2004/026851、WO2002/094881、WO2002/027418、WO2002/021509、WO1998/046559、WO1996/021655に開示されている。
【0156】
MCP-1アンタゴニストは、例えば、抗-MCP-1抗体、好ましくはモノクローナル抗体又はヒト化モノクローナル抗体、MCP-1発現阻害薬、CCR2-アンタゴニスト、TNF-α阻害薬、VCAM-1遺伝子発現阻害薬、及び抗-C5aモノクローナル抗体から選択されてよい。
【0157】
MCP-1アンタゴニスト及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO02/070509、WO02/081463、WO02/060900、US2006/670364、US2006/677365、WO2006/097624、US2006/316449、WO2004/056727、WO03/053368、WO00/198289、WO00/157226、WO00/046195、WO00/046196、WO00/046199、WO00/046198、WO00/046197、WO99/046991、WO99/007351、WO98/006703、WO97/012615、WO2005/105133、WO03/037376、WO2006/125202、WO2006/085961、WO2004/024921、WO2006/074265に開示されている。
【0158】
好適なMCP-1アンタゴニストは、例えば、C-243(Telik社);NOX-E36(Noxxon Pharma AG社);AP-761(Actimis Pharmaceuticals社);ABN-912、NIBR-177(Novartis AG社);CC-11006(Celgene社);SSR-150106(Sanofi-Aventis社);MLN-1202(Millenium Pharmaceuticals社);AGI-1067、AGIX-4207、AGI-1096(AtherioGenics社);PRS-211095、PRS-211092(Pharmos社);抗-C5aモノクローナル抗体、例えば、ニュートラツマブ(neutrazumab)(G2 Therapies社);AZD-6942(AstraZeneca社);2-メルカプトイミダゾール(Johnson & Johnson社);TEI-E00526、TEI-6122(Deltagen社);RS-504393(Roche Holding AG社);SB-282241、SB-380732、ADR-7(GlaxoSmithKline社);抗-MCP-1モノクローナル抗体(Johnson & Johnson社)がある。
【0159】
QC-阻害薬のMCP-1アンタゴニストとの組合せは、概して神経変性疾患を含む炎症疾患の治療に有用であってよい。
【0160】
QC-阻害薬のMCP-1アンタゴニストとの組合せは、アルツハイマー病の治療に好ましい。
【0161】
QC-阻害薬と組み合わせて本発明に従い使用することができる他の好適な化合物は、NPY、NPY模倣薬又はNPYアゴニストもしくはアンタゴニスト又はNPY受容体のリガンドである。
【0162】
本発明に好ましいのは、NPY受容体のアンタゴニストである。
【0163】
好適なNPY受容体のリガンド又はアンタゴニストは、WO 00/68197に開示されたような、3a,4,5,9b-テトラヒドロ-1h-ベンズ[e]インドール-2-イルアミン-誘導体化された化合物である。
【0164】
言及され得るNPY受容体アンタゴニストは、欧州特許出願EP 0 614 911、EP 0 747 357、EP 0 747 356及びEP 0 747 378;国際特許出願WO 94/17035、WO 97/19911、WO 97/19913、WO 96/12489、WO 97/19914、WO 96/22305、WO 96/40660、WO 96/12490、WO 97/09308、WO 97/20820、WO 97/20821、WO 97/20822、WO 97/20823、WO 97/19682、WO 97/25041、WO 97/34843、WO 97/46250、WO 98/03492、WO 98/03493、WO 98/03494及びWO 98/07420;WO 00/30674、米国特許US 5,552,411、US 5,663,192及びUS 5,567,714;US 6,114,336、日本国特許出願JP 09157253;国際特許出願WO 94/00486、WO 93/12139、WO 95/00161及びWO 99/15498;米国特許US 5,328,899;独国特許出願DE 393 97 97;欧州特許出願EP 355 794及びEP 355 793;並びに、日本国特許出願JP 06116284及びJP 07267988に開示されたものを含む。好ましいNPYアンタゴニストは、これらの特許文献に具体的に開示されたそのような化合物を含む。より好ましい化合物は、アミノ酸及び非-ペプチド-ベースのNPYアンタゴニストを含む。言及され得るアミノ酸及び非-ペプチド-ベースのNPYアンタゴニストは、欧州特許出願EP 0 614 911、EP 0 747 357、EP 0 747 356及びEP 0 747 378;国際特許出願WO 94/17035、WO 97/19911、WO 97/19913、WO 96/12489、WO 97/19914、WO 96/22305、WO 96/40660、WO 96/12490、WO 97/09308、WO 97/20820、WO 97/20821、WO 97/20822、WO 97/20823、WO 97/19682、WO 97/25041、WO 97/34843、WO 97/46250、WO 98/03492、WO 98/03493、WO 98/03494、WO 98/07420及びWO 99/15498;米国特許US 5,552,411、US 5,663,192及びUS 5,567,714;並びに、日本国特許出願JP 09157253に開示されたものを含んでよい。好ましいアミノ酸及び非-ペプチド-ベースのNPYアンタゴニストは、これらの特許文献に具体的に開示されたそのような化合物を含む。
【0165】
特に好ましい化合物は、アミノ酸-ベースのNPYアンタゴニストを含む。言及され得るアミノ酸-ベースの化合物は、国際特許出願WO 94/17035、WO 97/19911、WO 97/19913、WO 97/19914、又は好ましくはWO 99/15498に開示されているものである。好ましいアミノ酸-ベースのNPYアンタゴニストは、これらの特許文献に具体的に開示されたものを含み、例えば、BIBP3226であり、特に(R)-N2-(ジフェニルアセチル)-(R)-N-[1-(4-ヒドロキシ-フェニル)エチル]アルギニンアミドである(国際特許出願WO 99/15498の実施例4)。
【0166】
M1受容体アゴニスト及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO2004/087158、WO91/10664に開示されている。
【0167】
本発明の目的に適したM1受容体アンタゴニストは、例えば、CDD-0102(Cognitive Pharmaceuticals社);セビメリン(Evoxac)(雪印乳業);NGX-267(TorreyPines Therapeutics社);サブコメリン(GlaxoSmithKline社);アルバメリン(H Lundbeck社);LY-593093(Eli Lilly社);VRTX-3(Vertex Pharmaceuticals社);WAY-132983(Wyeth社)、及びCI-101/(PD-151832)(Pfizer社)である。
【0168】
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO2006/071274、WO2006/070394、WO2006/040688、WO2005/092009、WO2005/079789、WO2005/039580、WO2005/027975、WO2004/084884、WO2004/037234、WO2004/032929、WO03/101458、WO03/091220、WO03/082820、WO03/020289、WO02/32412、WO01/85145、WO01/78728、WO01/66096、WO00/02549、WO01/00215、WO00/15205、WO00/23057、WO00/33840、WO00/30446、WO00/23057、WO00/15205、WO00/09483、WO00/07600、WO00/02549、WO99/47131、WO99/07359、WO98/30243、WO97/38993、WO97/13754、WO94/29255、WO94/20476、WO94/19356、WO93/03034及びWO92/19238に開示されている。
【0169】
本発明の目的に適したアセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、例えば、ドネペジル(エーザイ社);リバスチグミン(Novartis AG社);(-)-フェンセリン(TorreyPines Therapeutics社);ラドスチギル(エルサレムヘブライ大学);ヒューペルジンA(メイヨー財団);ガランタミン(Johnson & Johnson社);Memoquin(Universita di Bologna);SP-004(Samaritan Pharmaceuticals社);BGC-20-1259(三共製薬);フィゾスチグミン(Forest Laboratories社);NP-0361(Neuropharma社);ZT-1(Debiopharm);タクリン(Warner-Lambert社);メトリホナート(Bayer社)、及びINM-176(Whanln社)である。
【0170】
NMDA受容体アンタゴニスト及びそのような阻害薬を含有する組成物は、例えば、WO2006/094674、WO2006/058236、WO2006/058059、WO2006/010965、WO2005/000216、WO2005/102390、WO2005/079779、WO2005/079756、WO2005/072705、WO2005/070429、WO2005/055996、WO2005/035522、WO2005/009421、WO2005/000216、WO2004/092189、WO2004/039371、WO2004/028522、WO2004/009062、WO03/010159、WO02/072542、WO02/34718、WO01/98262、WO01/94321、WO01/92204、WO01/81295、WO01/32640、WO01/10833、WO01/10831、WO00/56711、WO00/29023、WO00/00197、WO99/53922、WO99/48891、WO99/45963、WO99/01416、WO99/07413、WO99/01416、WO98/50075、WO98/50044、WO98/10757、WO98/05337、WO97/32873、WO97/23216、WO97/23215、WO97/23214、WO96/14318、WO96/08485、WO95/31986、WO95/26352、WO95/26350、WO95/26349、WO95/26342、WO95/12594、WO95/02602、WO95/02601、WO94/20109、WO94/13641、WO94/09016及びWO93/25534に開示されている。
【0171】
本発明の目的に適したNMDA受容体アンタゴニストは、例えば、メマンチン(Merz社);トピラマート(Johnson & Johnson社);AVP-923(Neurodex)(Center for Neurologic Study);EN-3231(Endo Pharmaceuticals Holdings社);ネラメキサン(MRZ-2/579)(Merz and Forest社);CNS-5161(CeNeS Pharmaceuticals社);デキサナビノール(HU-211;Sinnabidol;PA-50211)(Pharmos社);EpiCept NP-1(ダルハウジー大学);インダンタドール(V-3381;CNP-3381)(Vernalis社);ペルジンフォテル(EAA-090、WAY-126090、EAA-129)(Wyeth社);RGH-896(Gedeon Richter社);トラキソプロジル(CP-101606)、ベソンプロジル(besonprodil)(PD-196860、CI-1041)(Pfizer社);CGX-1007(Cognetix社);デルセミン(NPS-1506)(NPS Pharmaceuticals社);EVT-101(Roche Holding AG社);アカンプロサート(Synchroneuron社);CR-3991、CR-2249、CR-3394(Rottapharm社);AV-101(4-Cl-キヌレニン(4-Cl-KYN))、7-クロロ-キヌレン酸(7-Cl-KYNA)(VistaGen社);NPS-1407(NPS Pharmaceuticals社);YT-1006(Yaupon Therapeutics社);ED-1812(Sosei社);ヒマンタン(himantane)(塩酸N-2-(アダマンチル)-ヘキサメチレン-イミン)(RAMS);Lancicemine(AR-R-15896)(AstraZeneca社);EVT-102、Ro-25-6981及びRo-63-1908(Hoffmann-La Roche AG/Evotec社)である。
【0172】
この種の阻害剤を含んでいるDP IV-阻害剤及び組成物は、例えばUS6,011,155;US6,107,317;US6,110,949;US6,124,305;US6,172,081;WO99/61431、WO99/67278、WO99/67279、DE19834591、WO97/40832、WO95/15309、WO98/19998、WO00/07617、WO99/38501、WO99/46272、WO99/38501、WO01/68603、WO01/40180、WO01/81337、WO01/81304、WO01/55105、WO02/02560、WO01/34594、WO02/38541、WO02/083128、WO03/072556、WO03/002593、WO03/000250、WO03/000180、WO03/000181、EP1258476、WO03/002553、WO03/002531、WO03/002530、WO03/004496、WO03/004498、WO03/024942、WO03/024965、WO03/033524、WO03/035057、WO03/035067、WO03/037327、WO03/040174、WO03/045977、WO03/055881、WO03/057144、WO03/057666、WO03/068748、WO03/068757、WO03/082817、WO03/101449、WO03/101958、WO03/104229、WO03/74500、WO2004/007446、WO2004/007468、WO2004/018467、WO2004/018468、WO2004/018469、WO2004/026822、WO2004/032836、WO2004/033455、WO2004/037169、WO2004/041795、WO2004/043940、WO2004/048352、WO2004/050022、WO2004/052850、WO2004/058266、WO2004/064778、WO2004/069162、WO2004/071454、WO2004/076433、WO2004/076434、WO2004/087053、WO2004/089362、WO2004/099185、WO2004/103276、WO2004/103993、WO2004/108730、WO2004/110436、WO2004/111041、WO2004/112701、WO2005/000846、WO2005/000848、WO2005/011581、WO2005/016911、WO2005/023762、WO2005/025554、WO2005/026148、WO2005/030751、WO2005/033106、WO2005/037828、WO2005/040095、WO2005/044195、WO2005/047297、WO2005/051950、WO2005/056003、WO2005/056013、WO2005/058849、WO2005/075426、WO2005/082348、WO2005/085246、WO2005/087235、WO2005/095339、WO2005/095343、WO2005/095381、WO2005/108382、WO2005/113510、WO2005/116014、WO2005/116029、WO2005/118555、WO2005/120494、WO2005/121089、WO2005/121131、WO2005/123685、WO2006/995613;WO2006/009886;WO2006/013104;WO2006/017292;WO2006/019965;WO2006/020017;WO2006/023750;WO2006/039325;WO2006/041976;WO2006/047248;WO2006/058064;WO2006/058628;WO2006/066747;WO2006/066770、及びWO2006/068978に開示されている。
【0173】
本発明の目的に適したDP IV-阻害薬は、例えば、シタグリプチン、デス-フルオロ-シタグリプチン(Merck社);ビルダグリプチン、DPP-728、SDZ-272-070(Novartis社);ABT-279、ABT-341(Abbott Laboratories社);デナグリプチン、TA-6666(GlaxoSmithKline社);SYR-322(Takeda San Diego社);タラボスタット(Point Therapeutics社);Ro-0730699、R-1499、R-1438(Roche Holding AG社);FE-999011(Ferring Pharmaceuticals社);TS-021(大正製薬);GRC-8200(Glenmark Pharmaceuticals社);ALS-2-0426(Alantos Pharmaceuticals Holding社);ARI-2243(Arisaph Pharmaceuticals社);SSR-162369(Sanofi-Synthelabo社);MP-513(三菱ウェルファーマ);DP-893、CP-867534-01(Pfizer社);TSL-225、TMC-2A(田辺製薬);PHX-1149(Phenomenix社);サクサグリプチン(Bristol-Myers Squibb社);PSN-9301((OSI) Prosidion)、S-40755(Servier);KRP-104(ActivX Biosciences社);スルフォスチン(Zaidan Hojin);KR-62436(Korea Research Institute of Chemical Technology);P32/98(Probiodrug社);BI-A、BI-B(Boehringer Ingelheim社);SK-0403(三和化学研究所);及び、NNC-72-2138(Novo Nordisk社)である。
【0174】
他の好ましいDP IV-阻害薬は、以下である:
(i)WO 99/61431に開示されたジペプチド-様化合物、例えば、N-バリルプロリル、O-ベンゾイルヒドロキシルアミン、アラニルピロリジン、イソロイシルチアゾリジン様L-アロ-イソロイシルチアゾリジン、L-トレオ-イソロイシルピロリジン及びそれらの塩、特にフマル酸塩、並びにL-アロ-イソロイシルピロリジン及びそれらの塩;
(ii)WO 03/002593に開示されたペプチド構造、例えばトリペプチド;
(iii)WO 03/033524に開示されたペプチジルケトン;
(vi)WO 03/040174に開示された置換アミノケトン;
(v)WO 01/14318に開示された局所的活性DP IV-阻害薬;
(vi)WO 99/67278及びWO 99/67279に開示されたDP IV-阻害薬プロドラッグ;
並びに(v)WO 03/072556及びWO 2004/099134に開示されたグルタミニルベースのDP IV-阻害薬。
【0175】
最も好ましくは、QC阻害薬は、下記群から選択される1種以上の化合物と組み合わせられる:PF-4360365、m266、バピネオズマブ、R-1450、Posiphen、(+)-フェンセリン、MK-0752、LY-450139、E-2012、(R)-フルルビプロフェン、AZD-103、AAB-001(バピネオズマブ)、トラミプロセート、EGb-761、TAK-070、ドキソフィリン、テオフィリン、シロミラスト、トフィミラスト、ロフルミラスト、テトミラスト、チペルカスト、イブジラスト、HT-0712、MEM-1414、オグレミラスト、リネゾリド、ブジピン、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、インダンタドール、モクロベミド、ラサジリン、ラドスチギル、サフィナミド、ABT-239、ABT-834、GSK-189254A、シプロキシファン、JNJ-17216498、Fmoc-Ala-Pyrr-CN、Z-Phe-Pro-ベンゾチアゾール、Z-321、ONO-1603、JTP-4819、S-17092、BIBP3226;(R)-N2-(ジフェニルアセチル)-(R)-N-[1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アルギニンアミド、セビメリン、サブコメリン、(PD-151832)、ドネペジル、リバスチグミン、(-)-フェンセリン、ラドスチギル、ガランタミン、タクリン、メトリホナート、メマンチン、トピラマート、AVP-923、EN-3231、ネラメキサン、バルサルタン、ベナゼプリル、エナラプリル、ヒドロクロロチアジド、アムロジピン、ジルチアゼム、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベラパミル、アムロジピン、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、カルベジロール、エスモロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、チモロール、PLAVIX(登録商標)(クロピドグレル重硫酸塩)、PLETAL(登録商標)(シロスタゾール)、アスピリン、ZETIA(登録商標)(エゼチミブ)及びKT6-971、スタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン又はシムバスタチン;デキサメタゾン、クラドリビン、ラパマイシン、ビンクリスチン、タキソール、アリスキレン、C-243、ABN-912、SSR-150106、MLN-1202及びベタフェロン。
【0176】
特に下記の組合せが考慮される:
-アテローム性動脈硬化症の治療及び/又は予防のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、アトルバスタチンの組合せ
-再狭窄の予防及び/又は治療のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、免疫抑制薬、好ましくはラパマイシンの組合せ
-再狭窄の予防及び/又は治療のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、免疫抑制薬、好ましくはパクリタキセルの組合せ
-アルツハイマー病の予防及び/又は治療のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、AChE阻害薬、好ましくはドネペジルの組合せ
-多発性硬化症の予防及び/又は治療のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、インターフェロン、好ましくはAronexの組合せ
-多発性硬化症の予防及び/又は治療のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、インターフェロン、好ましくはベタフェロンの組合せ
-多発性硬化症の予防及び/又は治療のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、インターフェロン、好ましくはレビフの組合せ
-多発性硬化症の治療及び/又は予防のための、QC阻害薬、特に式(I)のQC阻害薬と、コパクソンの組合せ。
【0177】
このような併用療法は、軽度認識障害、アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群の神経変性、更にはアテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、再狭窄及び膵炎の治療に特に有用である。
【0178】
そのような併用療法は、いずれかの作用物質単独で生じるものよりも、より良い治療作用(より少ない斑形成、より少ない増殖、更にはより少ない炎症、増殖の刺激)を生じる。
【0179】
(医薬組成物)
本発明の医薬組成物を調製するために、但し書のない式(I)の化合物の少なくとも1種を、他の前述の作用物質の少なくとも1種と任意に組み合わせて、活性成分(類)として使用することができる。この活性成分(類)は、通常の医薬配合技術に従い、医薬担体と密に混合され、この担体は、例えば経口投与又は筋肉内などの非経口投与に望ましい調製物の形に応じ多種多様な形をとることができる。経口剤形での組成物の調製において、通常の医薬媒体のいずれかを使用してよい。従って、例えば懸濁剤、エリキシル剤及び液剤などの液体経口調製物に関して、好適な担体及び添加剤は、水、グリコール、油類、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などを含み;例えば散剤、カプセル剤、ゲルキャップ剤及び錠剤などの固形経口調製物に関しては、好適な担体及び添加剤は、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを含む。錠剤及びカプセル剤が、それらの投与の容易さのために、最も有利な経口単位剤形であり、この場合固形医薬担体が明らかに使用される。望ましいならば、錠剤は、標準の技術により、糖衣されるか、又は腸溶性にコーティングされてよい。非経口に関して、担体は通常、滅菌水を含むが、例えば溶解を補助するか又は保存のためなどの他の成分を含んでよい。
【0180】
注射用懸濁剤も調製されてよく、この場合、適当な液体担体、懸濁化剤などが使用されてよい。本明細書の医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、茶さじ量などの単位用量あたり、先に説明したような有効量を送達するために必要な活性成分(類)の量を含有するであろう。本明細書の医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、坐剤、茶さじ量などの単位用量あたり、約0.03mg〜100mg/kg(好ましくは0.1〜30mg/kg)を含有し、かつ各活性成分又はそれらの組合せが約0.1〜300mg/kg/日(好ましくは1〜50mg/kg/日)の用量で与えられ得る。しかしこれらの用量は、患者の必要要件、治療される状態の重症度及び使用される化合物に応じて変動してよい。毎日の投与又は定期的(post-periodic)投薬のいずれかの使用を、利用することができる。
【0181】
好ましくはこれらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下もしくは直腸投与に関して、又は吸入もしくは吸引による投与に関して;錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、無菌の非経口液剤又は懸濁剤、計量式エアロゾル又は液体スプレー、ドロップ、アンプル、自動噴霧装置又は坐剤などの、単位剤形である。あるいは、本組成物は、毎週1回又は毎月1回の投与に適した形で提供されてよく;例えば、デカン酸塩などの活性化合物の不溶性塩は、筋肉内注射のためのデポ剤を提供するために適合している。錠剤などの固形組成物を調製するために、主要な活性成分は、医薬担体、例えば通常の打錠成分、例えばトウモロコシデンプン、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム又はガム類など、並びに他の医薬希釈剤、例えば水と混合され、本発明の化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩の均質な混合物を含む、固形の予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物に関して均質であるという場合、これは、活性成分が、組成物全体に均等に分散され、その結果組成物は、同等の有効な剤形、例えば錠剤、丸剤及びカプセル剤などに、容易に分割することができることを意味する。この固形予備製剤組成物は次に、本発明の各活性成分又はそれらの組合せを0.1〜約500mg含有する、先に説明された種類の単位剤形に再分割される。
【0182】
本発明の組成物の錠剤又は丸剤は、コーティングされるか、又はそうでなければ延長された作用の利点をもたらす剤形を提供するように配合され得る。例えばこの錠剤又は丸剤は、内側用量構成要素及び外側用量構成要素を含むことができ、外側用量構成要素は、内側用量構成要素の周りを包む形である。これら2つの構成要素は、胃内での崩壊に抵抗し、かつ内側構成要素が無傷のまま十二指腸へ通過することを可能にし、放出を遅延するような、腸溶性の層により分離することができる。そのような腸溶性の層又はコーティングのために、様々な材料を使用することができ、そのような材料は、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースなどである。
【0183】
本発明の組成物が経口投与又は注射のために混合されているこの液体剤形は、水性溶液、好適には香味シロップ剤、水性又は油性懸濁液、及び綿実油、ゴマ油、ココナツ油もしくはピーナッツ油などの食用油による香味乳剤、更にはエリキシル剤及び同様の医薬溶媒を含む。水性懸濁剤のための好適な分散剤又は懸濁化剤は、合成及び天然のゴム、例えばトラガカントゴム、アカシアゴム、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含む。
【0184】
本医薬組成物は、各化合物を約0.01mg〜100mg、好ましくは約5〜50mg含有してよく、かつ選択された投与様式に適した任意の剤形に構成されてよい。担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、香味料、甘味料、保存剤、色素、及びコーティングを含むが、これらに限定されるものではない、必要かつ不活性の医薬賦形剤を含む。経口投与に適した組成物は、丸剤、錠剤、カプレット、カプセル剤(各々、即時放出製剤、間欠放出製剤及び持続放出製剤を含む)、顆粒剤、及び散剤などの固形剤形、並びに液剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤及び懸濁剤などの液体剤形を含む。非経口的投与に有用な剤形は、無菌の液剤、乳剤及び懸濁剤を含む。
【0185】
有利なことに、本発明の化合物は、1日1回投与量で投与することができるか、又は総1日量を、1日2、3又は4回の分割量にわけて投与することができる。更に本発明の化合物は、好適な鼻腔内溶媒の局所的使用による鼻腔内剤形か、又は当業者に周知の経皮的皮膚貼付剤により、投与することができる。経皮送達システムの剤形で投与されるためには、この用量投与は当然、その投薬計画を通じて間欠的であるよりもむしろ連続的であろう。
【0186】
例えば、錠剤又はカプセル剤の剤形での経口投与に関して、活性薬物構成要素は、経口用の無毒の医薬として許容し得る不活性担体、例えばエタノール、グリセロール、水などと組み合わせることができる。更に望ましいかもしくは必要な場合は、好適な結合剤;滑沢剤、崩壊剤及び着色剤も、この混合物へ混合することができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、ブドウ糖又はβ乳糖のような天然の糖、トウモロコシ甘味料、例えばアカシアゴム、トラガカントゴムのような天然及び合成ゴム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含むが、これらに限定されるものではない。崩壊薬は、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0187】
好適な香味懸濁剤又は分散剤の液体剤形は、例えばアカシアゴム、トラガカントゴムのような天然及び合成ゴム、メチル-セルロースなどを含む。非経口的投与に関して、無菌の懸濁剤及び液剤が望ましい。静脈内投与が望ましい場合は、一般に好適な保存剤を含有する等張調製物が利用される。
【0188】
本発明の化合物又は組合せは同じく、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクル、及び多層ベシクルなどの、リポソーム送達システムの剤形においても投与することができる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンなどの、様々なリン脂質から形成することができる。
【0189】
本発明の化合物又は組合せは、化合物分子が結合されている個々の担体としてのモノクローナル抗体の使用により送達されてもよい。本発明の化合物は、ターゲティング可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと組み合わせられてもよい。そのようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミド-フェノール、又はパルミトイル残基により置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを含むことができる。更に本発明の化合物は、薬物の制御放出の実行に有用である生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸(polyactic acid)、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲルの架橋した又は両親媒性ブロックコポリマーと組み合わせることができる。
【0190】
本発明の化合物又は組合せは、前述の組成物のいずれかにおいて、及び対処される障害の治療に必要な限りは、当該技術分野において確立された投薬計画に従い、投与することができる。
【0191】
本製品の1日量は、哺乳類1匹あたり1日に0.01〜1.000mgの広範な範囲にわたり変動してよい。経口投与に関して、本組成物は好ましくは、治療される患者への症状による用量調節のために、各活性成分又はそれらの組合せを0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250及び500mgを含有する錠剤の剤形で提供される。この薬物の有効量は、約0.1mg/kg〜約300mg/kg体重/日の用量レベルで通常供給される。好ましくは、この範囲は、約1〜約50mg/kg体重/日である。本化合物又は組合せは、1日1〜4回の投薬計画で投与されてよい。
【0192】
投与されるべき適量は、当業者により容易に決定され、かつ使用される特定の化合物、その投与様式、調製物の強度、その投与様式、及び病態の進行度により変動するであろう。加えて、患者の年齢、体重、食事及び投与回数を含む治療される特定の患者に関連した要因は、用量調節を必要とするであろう。
【0193】
更なる態様において、本発明は、但し書のない式(I)の化合物の少なくとも1種を、少なくとも1種のその他の前述の作用物質及び医薬として許容し得る担体と任意に組合せて含有する、医薬組成物の調製プロセスも提供する。
【0194】
本組成物は好ましくは、関連する1日用量に適した量の単位剤形である。
【0195】
本発明の化合物の、特に単位用量を含む、好適な用量は、「英国及び米国薬局方(British and US Pharmacopoeias)」、「レミントン薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(Mack Publishing社)、「マルチンダーレ薬局方(Martindale The Extra Pharmacopoeia)」(ロンドン、The Pharmaceutical Press社)(例えば、第31版の341頁及びそこに引用された頁を参照されたい)又は前述の刊行物などの参考文献に説明又は言及されたこれらの化合物に関する単位用量を含む、既知の用量を含む。
【実施例】
【0196】
【表2】




【0197】
(合成実施例)
(合成スキーム1:)
実施例1〜19の化合物は、一般の合成スキーム1に従って合成し、それらの同一性は質量分析、HPLC法による純度によって確認した。
【化18】

【0198】
(合成スキーム2:)
実施例20〜25の化合物は、一般の合成スキーム2に従って合成し、それらの同一性は質量分析によって確認した。
【化19】

【0199】
(一般合成の説明)
(3H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸エチルII)
ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸I(12.9g、0.08mmol)を100mLのEtOH及び5mLの濃H2SO4(0.088 mmol)に溶解した。溶液を24時間還流した。その後、混合物を氷に注ぎ、pHを中性にした。得られた混合物を酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。その後、溶媒を減圧下で除去した。収率:12.6g、83%。
【0200】
(3H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボヒドラジドIII)
II(12.6g、0.066mmol)を75mLのEtOHに溶解し、N2H4 x H2O(8.5g、0.364mmol)を加えた。混合物を2日間還流した。その後、形成された沈殿物をろ過し、ヘプタンで洗浄した。収率:10.2g、88%。
【0201】
(5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール 1)
III(9g、0.051mmol)を85mLのEtOHに溶解し、KOH(17mL中1.7g)の水溶液を滴下添加した。その後、CS2(3mL、0.05mmol)を加え、溶液を10時間還流した。溶媒を留去し、残渣を氷に注ぎ、HCl水溶液で中和した。形成された沈殿物をろ過し、乾燥した。
【0202】
(実施例2〜19)
1(1eq)、TEA(1eq)、及び対応するアルキル-ハロゲン化物(1eq、全ての実施例に対して臭化物を用いた。但し、実施例11、12、14、16、17、18、19は除く。これらは、対応する塩化アルキルを利用した。塩酸塩が存在する場合、塩酸塩を遊離させるために2eqのTEAを加えた。)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
【0203】
(実施例20〜25)
III(1eq)及び対応するイソチオシアネート(1eq)を、20mLのEtOHに溶解し、2時間、還流下を維持した。その後、溶媒を除去し、残留したオイルを30mLのTHFに再溶解した。DCC(1.5eq)を添加し、溶液を1時間還流した。溶媒を除去し、残留したオイルをAl2O3フラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を利用)で精製した。
【0204】
(本発明の実施例)
(詳細な合成の説明)
(実施例2)
5-(5-(ベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、臭化ベンジル(0.178mL、1.5mmol)を10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.182g(39%)、MS:m/z 309,5[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 7.91分(98.2 %)。
【0205】
(実施例3)
5-(5-(フェネチルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、フェニルエチルブロミド(0.206mL、1.5mmol)を10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.218g(45%)、MS:m/z 323,2[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 8.53分(93.7%)。
【0206】
(実施例4)
5-(5-(3-フェニルプロピルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及びフェニルプロピルブロミド(0.228mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.274g(54%)、MS:m/z 337,2[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 10,31分(96,1%)。
【0207】
(実施例5)
5-(5-((ナフタレン-2-イル)メチルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及びナフチルメチルブロミド(0.332g、1,5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.419mg(78%)、MS:m/z 359.2[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 10,64分(87.6%)。
【0208】
(実施例6)
5-(5-(メチルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及びヨウ化メチル(0.093mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.233g(67%)、MS:m/z 233.3[M+H]+、HPLC、方法[B](214nm):rt 7.38分(95.4%)。
【0209】
(実施例7)
5-(5-(アリルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び臭化アリル(0.093mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.233g(57%)、MS:m/z 247.3[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 3.45分(87.1%)。
【0210】
(実施例8)
5-(5-(エチルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び臭化エチル(0.112mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.231g(62%)、MS:m/z 247.3[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 2.51分(97.9%)
【0211】
(実施例9)
5-(5-(オクチルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び臭化オクチル(0.258mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.201g(40%)、MS:m/z 331.2[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 13.17分(100%)
【0212】
(実施例10)
5-(5-(4-tert-ブチル-ベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び4-tert-ブチルベンジルブロミド(0.292mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.305g(55%)、MS:m/z 365.4[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 13.17分(100%)
【0213】
(実施例11)
5-(5-(4-クロロベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び4-クロロベンジルクロリド(0.242mg、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.305g(59%)、MS:m/z 343.0[M+H]+、345.0(M+H)+(Cl-同位元素)、HPLC、方法[A](214nm):rt 9.84分(99.7%)
【0214】
(実施例12)
5-(5-(4-フルオロベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び4-フルオロベンジルクロリド(0.17mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.310g(63%)、MS:m/z 327.4[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 8.21分(94.7%)
【0215】
(実施例13)
5-(5-(3,4,5-トリフルオロベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び3,4,5-トリフルオロベンジルブロミド(0.20mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.413g(76%)、MS:m/z363.2[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 9.53分(98.3%)
【0216】
(実施例14)
5-(5-(ペンタフルオロベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及びペンタフルオロベンジルブロミド(0.204mL、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.474g(79%)、MS:m/z 399.1[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 10.18分(92.9%)
【0217】
(実施例15)
5-(5-(2,4,6-トリメチルベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び2,4,6-トリメチルベンジルブロミド(0.253g、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.332g(63%)、MS:m/z 351.3[M+H]+、HPLC(214nm):rt 12.37分(89.8%)
【0218】
(実施例16)
5-(5-(2,3,4,5,6-ペンタメチルベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び2,3,4,5,6-ペンタメチルベンジルブロミド(0.295g、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.278g(49%)、MS:m/z 379.3[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 14.14分(100%)
【0219】
(実施例17)
5-(5-(3,4,5-トリメトキシベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.209mL、1.5mmol)、及び3,4,5-トリメトキシベンジルクロリド(0.325g、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.310g(59%)、MS:m/z 399.2[M+H]+、HPLC、方法[A](214nm):rt 6.59分(100%)
【0220】
(実施例18)
5-(5-((ピリジン-2-イル)メチルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.418mL、3.0mmol)及び(ピリジン-2-イル)メチルクロリド塩酸塩(0.246g、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.271g(58%)、MS:m/z 155.7[M+2H]2+、310.1[M+H]+、HPLC 方法[B](214nm):rt 7.26分(100%)
【0221】
(実施例19)
5-(5-((ピリジン-3-イル)メチルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
1(0.33g、1.5mmol)、TEA(0.418mL、3.0mmol)及び(ピリジン-3-イル)メチルクロリド塩酸塩(0.246g、1.5mmol)を、10mLのEtOHに溶解し、一晩、還流下を維持した。溶媒を除去し、残留したオイルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を適用)で精製した。
収率:0.358g(77%)、MS:m/z 155.7[M+2H]2+、310.2[M+H]+、HPLC 方法[B]、(214nm)、rt 5.97分(100%)
【0222】
(実施例20)
5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-(3,4-ジメトキシフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミン
III(0.352g、2mmol))、及び3,4-ジメトキシフェニルイソチオシアナート(0.185g、2mmol)を、20mLのEtOHに溶解し、2時間、還流下を維持した。その後、溶媒を除去し、残留したオイルを30mLのTHFに再溶解した。DCC(1.5eq)の添加後、溶液を1時間還流した。溶媒を除去し、残留したオイルをAl2O3フラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を利用)で精製した。
収率:0.181g(27%)、MS:m/z 338.2[M+H]+、HPLC 方法[B]、(214nm):rt 9.31分(95.6%)
【0223】
(実施例21)
5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-(4-クロロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミン
III(0.352g、2mmol)、及び4-クロロフェニルイソチオシアナート(0.157g、2mmol)を、20mLのEtOHに溶解し、2時間、還流下を維持した。その後、溶媒を除去し、残留したオイルを30mLのTHFに再溶解した。DCC(1.5eq)の添加後、溶液を1時間還流した。溶媒を除去し、残留したオイルをAl2O3フラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を利用)で精製した。
収率:0.091g(15%)、MS:m/z 338.2[M+H]+、HPLC 方法[B]、(214nm):rt 1.14分(95.3%)
【0224】
(実施例22)
5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-(4-フルオロフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミン
III(0.352g、2mmol)、及び4-フルオロフェニルイソチオシアナート(0.121g、2mmol)を、20mLのEtOHに溶解し、2時間、還流下を維持した。その後、溶媒を除去し、残留したオイルを30mLのTHFに再溶解した。DCC(1.5eq)の添加後、溶液を1時間還流した。溶媒を除去し、残留したオイルをAl2O3フラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を利用)で精製した。
収率:0.162g(26%)、MS:m/z 296.4[M+H]+、HPLC 方法[B]、(214nm):rt 10.64分(99.4%)
【0225】
(実施例23)
N-(4-フルオロベンジル)-5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミン
III(0.352g、2mmol))、及び4-フルオロベンジルイソチオシアネート(0.274mL、2mmol)を、20mLのEtOHに溶解し、2時間、還流下を維持した。その後、溶媒を除去し、残留したオイルを30mLのTHFに再溶解した。DCC(1.5eq)の添加後、溶液を1時間還流した。溶媒を除去し、残留したオイルをAl2O3フラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を利用)で精製した。
収率:0.162g(26%)、MS:m/z 310.1[M+H]+、HPLC 方法[B]、(214nm):rt 9.83分(95.7%)
【0226】
(実施例24)
5-(5-(4-メチルベンジルチオ)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール
III(0.352g、2mmol)、及び4-メチルベンジルイソチオシアネート(0.302mL、2mmol)を、20mLのEtOHに溶解し、2時間、還流下を維持した。その後、溶媒を除去し、残留したオイルを30mLのTHFに再溶解した。DCC(1.5eq)の添加後、溶液を1時間還流した。溶媒を除去し、残留したオイルをAl2O3フラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を利用)で精製した。
収率:0.086g(14%)、MS:m/z 306.4[M+H]+、HPLC 方法[B]、(214nm):rt 10.63分(96.4%)
【0227】
(実施例25)
5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-ベンジル-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミン
III(0.352g、2mmol)、及びベンジルイソチオシアネート(0.265mL、2mmol)を、20mLのEtOHに溶解し、2時間、還流下を維持した。その後、溶媒を除去し、残留したオイルを30mLのTHFに再溶解した。DCC(1.5eq)の添加後、溶液を1時間還流した。溶媒を除去し、残留したオイルをAl2O3フラッシュクロマトグラフィ(CHCl3/MeOH勾配を利用)で精製した。
収率:0.161g(28%)、MS:m/z 292.4[M+H]+、HPLC 方法[B]、(214nm):rt 9.34分(95.9%)
【0228】
(分析方法)
HPLCシステムは、Li-Chrospher(登録商標)を利用するメルク-日立装置(モデルLaChrom(登録商標))、100 RP 18(5μm)、分析カラム(長さ:125mm、直径:4mm)、及び記録波長としてλ=214nmを有するダイオードアレイ検出器(DAD)で構成した。化合物は、1mL/分の流速で、勾配を用いて分析した;溶離液(A)をアセトニトリルとし、溶離液(B)を水とした。双方は0.1%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含み、以下の勾配を適用する:方法[A]:0分〜25分、20〜80%の(A);25分〜30分、80〜95%の(A);30分〜31分、95〜20%の(A);方法[B]:0分〜15分、5〜50%の(A);15分〜17分、50〜70%の(A);17分〜20分、70〜95%の(A);20分〜23分、95%の(A);23分〜24分、95〜5%の(A)。全ての記録された化合物の純度は、214nmでのピーク面積のパーセンテージによって測定した。ESI-質量スペクトルは、正イオン化モードを利用するSCIEX API 365分光器(Perkin Elmer)を用いて得た。
【0229】
(活性スクリーニング)
(蛍光定量的分析)
全ての測定は、マイクロプレート(Perkin Elmer)に対して、30℃で、BioAssay Reader HTS-7000Plusで行った。QC活性は、H-Gln-βNAを用いて、蛍光定量的に評価した。試料は、0.2mMの蛍光発生基質、20mM EDTAを含む0.2M Tris /HCl、pH 8.0中の0.25Uピログルタミルアミノペプチダーゼ(Unizyme、Horsholm、デンマーク)、及び最終容量250μlの適切に希釈されたQCのアリコートで構成した。励起/発光波長は320/410 nmとした。評価反応は、グルタミニルシクラーゼの添加により開始した。QC活性を、評価条件下、β-ナフチルアミンの検量線から測定した。1単位は、前記条件下、1分につきH-Gln-βNAから1μmol pGlu-βNAの形成を触媒するQCの量として規定した。
【0230】
2回目の蛍光定量的分析において、QCは、基質としてH-Gln-AMCを用いて決定される活性であった。反応を30℃で、マイクロプレート用NOVOStarリーダー(BMG labtechnologies)を利用して行った。試料は、異なる濃度の蛍光発生基質、5mM EDTAを含む0.05M Tris/HCl、pH 8.0中の0.1Uヒログルタミルアミノペプチダーゼ(Qiagen)、及び最終容量250μlの適切に希釈されたQCのアリコートで構成された。励起/発光波長は380/460 nmとした。評価反応は、グルタミニルシクラーゼの添加により開始した。QC活性を、評価条件下、7-アミノ-4-メチルクマリンの検量線から測定した。該速度データを、GraFitソフトウェアを用いて評価した。
【0231】
(QCの分光光度的評価法)
この新規評価法を、ほとんどの該QC基質に対して、速度パラメーターを測定するように使用した。QC活性を、連続的な方法を用いて、分光光度的に分析した。該方法は、補助的な酵素としてグルタメートデヒドロゲナーゼを利用した、以前の非連続的評価法(Batemanの論文、R.C.J.1989 J Neurosci Methods 30, 23-28)をアレンジすることにより得られる。試料は、最終容量250μlの各QC基質、0.3mM NADH、14mM α-ケトグルタル酸、及び30 U/mlグルタミン酸塩デヒドロゲナーゼで構成された。QCの添加によって反応を開始し、8〜15分間、340 nmの吸光度の減少をモニタリングすることによって追跡した。
【0232】
該初期速度を評価し、かつ該酵素活性を、評価条件下で、アンモニアの検量線から測定した。すべての試料を、マイクロプレート用のSPECTRAFluor Plus、又はSunrise(両方ともTECAN社)リーダーを用いて、30℃で測定した。速度データを、GraFitソフトウェアを用いて評価した。
【0233】
(阻害剤評価法)
阻害剤試験のために、該試料組成物を、添加される推定上の阻害性化合物を除き、前述と同様のものとした。QC-阻害の迅速試験のために、試料は、4 mMの個別の阻害剤、及び1KMで基質濃度を含む。該阻害の詳細な調査、及びKi-値の測定のために、初めに、補助的な酵素の該阻害剤の影響を調査した。全ての場合において、検出された酵素の影響はなかった。従って、該QC阻害の信頼できる測定を可能にする。該阻害定数を、GraFitソフトウェアを用いて、一連のプログレス曲線と、競合阻害の一般的な式とを一致させることにより評価した。
【0234】
(MALDI-TOF質量分析)
マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析を、飛行線形時間分析計を備えたHewlett-Packard G2025 LD-TOFシステムを用いて行った。該機器は、337 nm窒素レーザー、電位加速源(5 kV)、及び1.0 mの飛行管を備えている。検出操作は、正イオンモードであり、かつシグナルを、パーソナルコンピューターに接続したLeCroy 9350Mデジタルストレージオシロスコープを用いて記録し、かつフィルターに通した。試料(5μl)を、等量の該マトリックス溶液と混合した。マトリックス溶液として、水(1/1、v/v)の1 mlアセトニトリル/0.1% TFA中に、30 mgの2',6'-ジヒドロキシアセトフェノン(Aldrich)、及び44 mgのクエン酸水素2アンモニウム(Fluka)を溶解させて調製したDHAP/DAHCを使用した。該マトリックス-検体-混合物の少量(≒1μl)を、プローブチップに移動させ、かつ直ぐに減圧チャンバー(Hewlett-Packard G2024A sample prep accessory)内で留去し、迅速、かつ一様な試料の結晶を確保した。Glu1-環化の長期試験のために、Aβ-誘導化ペプチドを、100μl 0.1 M 酢酸ナトリウム緩衝液、pH 5.2、又は0.1 Mビス-トリス緩衝液、pH 6.5で。30℃に保温した。ペプチドを、0.5 mM[Aβ(3-11)a]、又は0.15 mM[Aβ(3-21)a]濃度とし、かつ0.2 U QCを、全24時間加える。Aβ(3-21)aの場合において、該評価法は、1%のDMSOを含んだ。異なる時間で、試料を分析管から取り出し、ZipTips(Millipore)を用いて製造業者推奨法に従ってペプチドを抽出し、マトリックス溶液(1:1 v/v)と混合し、続いて質量スペクトルを記録する。ネガティブコントロールは、QCを含まないか、又は加熱し不活性化した酵素を含む。阻害研究のために、試料組成は、加えられる阻害化合物(5mM又は2mMの試験化合物)を除いて上記のものと同じとした。
【0235】
第1のQC阻害剤は、WO 2004/098591及びWO 2005/075436に開示された。当該技術分野において公知の他の強力なQC阻害剤は存在しない。同じものは、QC阻害剤を含むニューロン疾患治療用組合せ及び組成物に有効である。本発明の化合物及び組合せは、従来技術に属する他の化合物に比べて、例えば、より強力、より選択的であり、副作用がより少なく、より良好な製剤及び安定性を有し、より良好な薬物動態特性を有し、生物学的により利用可能であり、血液脳関門を通過することが可能であり、動物の脳中でより効果的であり、他の薬物との組合せにおいてより適合性があるか又は効果的であり、或いは容易に合成されるという利点を有することができる。
【0236】
明細書及び添付する特許請求の範囲の全てを通して、文脈が別途要求しない限り、用語「含む(comprise)」並びに「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」などの変形体は、述べられた整数、ステップ、整数の群又はステップの群を包含するだけではなく、任意のその他の整数、ステップ、整数の群又はステップの群を除外しないことを意味すると解される。
【0237】
本発明の明細書中で言及された全ての特許及び特許出願は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。
本発明は、前に列挙された群の好ましい及びより好ましい群及び実施態様の全ての組合せを包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ての互変異生体及び立体異性体を含む、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩、多形体若しくは溶媒和物:
【化1】

(式中、R1は、ヘテロアリール、-カルボシクリル-ヘテロアリール、-アルケニルヘテロアリール又は-アルキルヘテロアリールを表し;
R2は、アルキル;アルキルによって任意に置換され得るカルボシクリル;アルケニル;アルキニル(三重結合は、Xと隣接していないことを条件とする);-アルキル-アリール;-アルキル-ヘテロアリール;ヘテロシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-ヘテロシクリル;カルボシクリルがアルキルによって任意に置換され得る-アルキル-カルボシクリル;アリール;ヘテロアリール;又はHを表し;
Xは、S又はNR3を表し;
R3は、H又はC1-4アルキルを表す;
但し、以下の化合物は式(I)の範囲から除外される:
(a) 5-[5-(メチルチオ)-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;
(b) 5-[5-[(フェニルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;
(c) 5-[5-[[(テトラヒドロフラン-2-イル)メチル]チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;
(d) 5-[5-[(ピリジン-3-イルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;
(e) 5-[5-[(ピリジン-4-イルメチル)チオ]-1,3,4-オキソジアゾール-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール;及び
(f) 5-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール。)。
【請求項2】
下記化合物が式(I)の定義から除外される、請求項1記載の化合物。
【化2】



【請求項3】
R1がヘテロアリールを表す、請求項1又は請求項2記載の化合物。
【請求項4】
ヘテロアリールが二環式である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1が1H-ベンゾイミダゾール-5-イルを表す、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R2がアルキル;アルケニル;-アルキル-アリール;-アルキル-ヘテロアリール;アリール;又はHを表す、請求項1〜5記載の化合物。
【請求項7】
R2がアルケニル、-アルキル-アリール、又はHを表す、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
R2が-アルキル-アリールを表す、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
アリールがハロゲン、アルキル、及びアルコキシから選択される1つ以上の基によって置換されたフェニルを表す、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
R2がベンジルを表す、請求項8記載の化合物。
【請求項11】
R2がHを表す、請求項7記載の化合物。
【請求項12】
XがS又はNHを表す、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
XがSを表す、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
実施例1〜25に定義された請求項1記載の化合物、又はそれらのいずれか1つの医薬として許容し得る塩、多形体もしくは溶媒和物。
【請求項15】
実施例1、2、3、4、5、7、10、11、12、14又は15に定義された請求項14記載の化合物、又はそれらのいずれか1つの医薬として許容し得る塩、多形体もしくは溶媒和物。
【請求項16】
医薬品として使用するための、(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項載の式(I)の化合物。
【請求項17】
任意に1以上の治療的に許容し得る希釈剤又は担体を組合せて、(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の式(I)の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項18】
神経保護薬、抗パーキンソン薬、アミロイドタンパク質沈着阻害薬、βアミロイド合成阻害薬、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬及び多発性硬化症治療薬からなる群から選択される少なくとも1種の化合物をさらに含む、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
PEP-阻害薬、LiCl、ジペプチジルアミノペプチダーゼの阻害薬、好ましくはDP IV酵素又はDP IV-様酵素の阻害薬、アセチルコリンエステラーゼ(ACE)阻害薬、PIMTエンハンサー、βセクレターゼの阻害薬、γセクレターゼの阻害薬、中性エンドペプチダーゼの阻害薬、ホスホジエステラーゼ-4(PDE-4)の阻害薬、TNFα阻害薬、ムスカリン性M1受容体アンタゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、シグマ-1受容体阻害薬、ヒスタミンH3アンタゴニスト、免疫調節薬、免疫抑制薬、βアミロイド抗体、システインプロテアーゼ阻害薬、MCP-1アンタゴニスト、又はアンテグレン(ナタリズマブ)、Neurelan(ファムプリジン-SR)、カンパス(アレムツズマブ)、IR 208、NBI 5788/MSP 771(チプリモチド)、パクリタキセル、Anergix.MS(AG 284)、SH636、ディフリン(CD 271、アダパレン)、BAY 361677(インターロイキン-4)、マトリックス-メタロプロテイナーゼ-阻害薬(例えば、BB 76163)、インターフェロン-τ(トロホブラスチン)及びSAIK-MSからなる群から選択される作用物質、からなる群から選択される少なくとも1種の化合物をさらに含む、請求項17又は18記載の医薬組成物。
【請求項20】
ケネディ病、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない十二指腸癌、結腸直腸癌、ゾリンジャー-エリソン症候群、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない胃癌、病的精神病的状態、精神分裂病、不妊、新生物形成、炎症性宿主反応、癌、悪性転移、メラノーマ、乾癬、体液性及び細胞性免疫反応障害、内皮内の白血球接着及び遊走プロセス、摂食障害、睡眠-覚醒障害、エネルギー代謝の恒常性制御障害、自律神経機能障害、ホルモン平衡障害又は体液の調節障害、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群及び慢性炎症性脱髄性多発神経根障害からなる群から選択される疾患の治療使用のための、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物又は請求項17〜19のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項21】
軽度認識障害、アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群、及びハンチントン舞踏病からなる群から選択される疾患の治療使用のための、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物又は請求項17〜19のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項22】
関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、再狭窄又は膵炎から選択される疾患の治療使用のための、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物又は請求項17〜19のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項23】
ケネディ病、潰瘍疾患、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない十二指腸癌、結腸直腸癌、ゾリンジャー-エリソン症候群、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない胃癌、病的精神病的状態、精神分裂病、不妊、新生物形成、炎症性宿主反応、癌、悪性転移、メラノーマ、乾癬、体液性及び細胞性免疫反応障害、内皮内の白血球接着及び遊走プロセス、摂食障害、睡眠-覚醒障害、エネルギー代謝の恒常性制御障害、自律神経機能障害、ホルモン平衡障害又は体液の調節障害、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群及び慢性炎症性脱髄性多発神経根障害からなる群から選択される疾患の治療又は予防方法であって、被験者に、有効量の(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物又は請求項17〜19のいずれか1項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
軽度認識障害、アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群、及びハンチントン舞踏病からなる群から選択される疾患の治療又は予防方法であって、被験者に、有効量の(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物又は請求項17〜19のいずれか1項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項25】
関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、膵炎又は再狭窄から選択される疾患の治療又は予防方法であって、有効量の(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物又は請求項17〜19のいずれか1項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
ケネディ病、潰瘍疾患、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない十二指腸癌、結腸直腸癌、ゾリンジャー-エリソン症候群、ヘリコバクターピロリ感染を伴う又は伴わない胃癌、病的精神病的状態、精神分裂病、不妊、新生物形成、炎症性宿主反応、癌、悪性転移、メラノーマ、乾癬、体液性及び細胞性免疫反応障害、内皮内の白血球接着及び遊走プロセス、摂食障害、睡眠-覚醒障害、エネルギー代謝の恒常性制御障害、自律神経機能障害、ホルモン平衡障害又は体液の調節障害、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群及び慢性炎症性脱髄性多発神経根障害からなる群から選択される疾患の治療のための医薬品の調製における、(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項27】
アルツハイマー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、ダウン症候群、及びハンチントン舞踏病からなる群から選択される疾患の治療のための医薬品の調製における、(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項28】
関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、膵炎又は再狭窄から選択される疾患の治療のための医薬品の調製における、(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項29】
(a)〜(f)の但し書のない請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物の製造方法であって、
(a)式(II)の化合物
【化3】

(式中、R1は請求項1〜15のいずれか1項に定義されたものである。)を二硫化炭素と反応させることを含む方法によって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素を表す)を製造すること;
(b)式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素を表す)を式(III)の化合物
【化4】

(R2は水素、アリール又はヘテロアリール以外を表し、請求項1〜15のいずれか1項に定義されたものである。Lは脱離基を表す)と反応させることを含む方法によって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素、アリール又はヘテロアリール以外を表す)を製造すること;
(c)式(I)の化合物(XがSを表し、R2が水素を表す)を式(III')の化合物
【化5】

(R2はアリール又はヘテロアリールを表し、請求項1〜15のいずれか1項に定義されたものである。)とCuIの存在下で反応させることを含む方法によって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が-アリール又は-ヘテロアリールを表す)を製造すること;
(d)式(I)の化合物(XがSを表し、R2がHを表す)を適当なハロゲン化ビニルと反応させることによって、式(I)の化合物(XがSを表し、R2が-CH=CH2又は長い炭素鎖を有するその同族体を表す)を製造すること;或いは
(e)式(II)の化合物を式(IV)の化合物
【化6】

(式中、R2は請求項1〜15のいずれか1項に定義されたものである。)と反応させ、続いて閉環を促進にする試薬を添加することよって、式(I)の化合物(XがNHを表す)を製造すること;
を含む、前記製造方法。

【公表番号】特表2010−511013(P2010−511013A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538704(P2009−538704)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062953
【国際公開番号】WO2008/065141
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(505403119)プロビオドルグ エージー (39)
【Fターム(参考)】