説明

グループ通信のためにグループメンバーシップを管理するための方法及び装置

【課題】無線環境によく適合する改良されたグループ通信方法の提供。
【解決手段】エンドノードは、アクセスノードが、そのアクセスノードにおいて維持されているグループメンバーシップ情報の変更を行うことを要求し、アクセスノードは、その要求の受諾または拒否を示す応答信号によって要求に応答する。要求は、その要求信号において特定された特定のグループメンバーシップリストに移動無線端末等のエンドノードを追加し、あるいはそこから除去することができる。アクセスノードは、グループメンバーシップの詳細リストを維持し、その情報を使用して、たとえば、パケット等の信号がそのグループメンバーにどのようにして送信されるかを制御する。グループメンバーシップ情報は、ハンドオフの時および、またはエンドノードがセルに入った時、あるいは、そうでなければ、そのネットワーク接続点を変更した時に、そのノードで更新されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに関し、より詳しくは、グループ通信のためにグループメンバーシップを管理するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なセルラー(cellular)通信ネットワークにおいて、1組の地理的に分散された基地局は、通信インフラストラクチャへの無線アクセスを提供する。無線通信装置、あるいは端末を有するユーザは、適切な基地局とのダイレクト(direct)通信リンクを構築することができ、そして通信ネットワーク全域に渡って、他のユーザおよび、またはエンドシステムと情報を交換することができる。
【0003】
IPマルチキャスト技術はグループ通信(例えば、1対多数、多数対多数)のための効率的なパケット配信サービスを提供する。IPマルチキャストの使用はグループ通信のための帯域幅利用を低減する。このことは、帯域幅が乏しい資源である、無線媒体によるグループ通信のサポートに特に重要である。
【0004】
IPマルチキャストを使用するときに、受信側のグループはIPマルチキャストアドレスと関連付けられる。データソースは、その受信側のグループ用の各IPデータグラム(datagram)の単一のコピーを、IPマルチキャストグループアドレスに宛てて送信する。ルートが決定された(routed)ネットワークは、必要に応じて各データグラムを複製して転送し、それを、グループメンバーの全てを相互接続するルーターに配信する。マルチキャストデータグラムをコピーして転送するために必要な配信(delivery)ツリーを形成するために、専用のIPマルチキャストルート決定(routing)プロトコルが使用される。
【0005】
IPマルチキャストは、対応するIPマルチキャストグループアドレスに送信されたデータグラムを受信するために与えられたマルチキャストグループに受信者が加入するという点で、受信者向けサービスである。エンドシステムとアクセスルーターとは互いに、例えばインターネットグループ管理プロトコル(IGMP)のようなグループメンバーシッププロトコルを介して通信して、アクセスルーターが、配信ツリーを構築するために必要な活動(active)マルチキャストグループメンバーシップに関する情報を維持することを可能にする。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、グループ通信を実施するための方法及び装置、例えばマルチキャスト通信方法及び装置、に関している。本発明の方法及び装置は、本願に記載され、請求項に記載されたサブジェクトマター(subject matter)に関する。
【0007】
本発明の方法及び装置は、無線通信システム中での使用に特に適している。このようなシステムにおいて、異なる個々のユーザによって使用される無線端末でもよい異なるエンドノードには、異なる通信要求、例えば、電力、符号化レート、変調、タイミングおよび、または他の信号要求がある。これらの異なる信号要求はしばしば、異なるエンドノードと1つのアクセスノードとの間に存在するエンドノード位置(location)および、または通信路条件の差の関数である。通信路の状態及び位置を含む条件は、時間にわたって、そしてアクセスノードのカバレージエリア内でエンドノードが移動するにつれ、変化しうる。各エンドノードは、任意の時点で0、1、またはそれ以上のマルチキャストグループのメンバーとなることができる。アクセスノードは、例えばセルラーネットワークのような通信システムへの、例えば無線通信リンクを経由しての、エンドノードの接続点として機能する。グループメンバーシップは時間と共に変化することができる。
【0008】
異なるマルチキャストアプリケーションは異なるエンドノード上で実行していることが可能であり、各エンドノードは任意の時点で1つのまたはマルチプル(multiple)のマルチキャストグループのメンバーであり、あるいはマルチキャストグループのメンバーではない。例えばアクセスノードのセクターやセル送信機のような送信機によってサービスが提供されるエリア内においては、グループメンバーシップは、例えば、エンドノードのユーザがひとつのグループに加入すること、またはひとつのグループを脱会することを、例えば、マルチキャストアプリケーションにシグナリングして(signaling)、その所望のグループメンバーシップを変更させることにより、あるいはマルチキャストアプリケーションを終わらせることにより、決定する際のような、グループメンバーによるアクション(action)によって変化する可能性がある。メンバーシップはまた、セルに入った、あるいはセルを出た、例えば移動(mobile)ノード等の、エンドノードのダイナミックス(dynamics)の結果として変化することができる。
【0009】
1つの例示的なシステムにおいて、無線送信機と無線受信機を有するエンドノードは、アクセスノード(例えば、エンドノードのアタッチメントの(attachment)ネットワークポイントとして機能する基地局)と対話する(interact)。エンドノードは、例えば、アクセスノードのセルまたはセクター送信機のような送信機の範囲内にとどまるが、マルチキャストグループに随意に入る、あるいはマルチキャストグループを出ることができる。無線端末において、グループへの入退は、例えば、ユーザがキーを押すことによって、あるいは別のタイプの入力装置を使用して無線端末入力信号を発生することによって発生されたマルチキャストアプリケーションへの信号のような、ユーザ入力に応答するマルチキャストアプリケーションによって制御可能である。本発明によれば、ユーザの、マルチキャストグループへの入退要求を、無線通信リンクによってエンドノードが結合されるアクセスノードに信号で知らせる(signal)ことができる。
【0010】
アクセスノードは、例えば認証課金許可(Authentication Accounting Authorization)(AAA)サーバからの、アクセスノードが利用できるあるいはアクセスノードに保存されているサービス情報に例えば基づいて、エンドノードのマルチキャストグループへの追加要求を認めること、および、または拒否することを決定することができる。例えば、無線端末が、その無線端末が加入を試みているグループに対応するマルチキャストサービスに対して許可されない場合(例えば加入していない場合)、そのグループへの追加要求はそのアクセスノードによって拒否される可能性があり、そしてしばしば拒否される。
【0011】
有線通信システムと比較してしばしば割合高価であり、送信帯域幅および他の送信資源が制限される無線環境において、システム効率及び資源割当ての目的のために、正確なマルチキャストグループメンバーシップ情報は大変役立つ。例えば、アクセスノードのカバレージエリア内にグループのメンバーがもはや存在しないときにそのグループのメンバーに対してマルチキャストメッセージを送信していることは望ましくなく、無駄である。従って、正確でタイムリーなマルチキャストグループメンバーシップ情報は、無線環境における効率的なアクセスノード動作のために重要である。正確でタイムリーなマルチキャストグループメンバーシップ情報はまた、グループメンバーの組に対するマルチキャスト送信の最適化を可能にする。
【0012】
不運にも、既知のマルチキャスト通信プロトコルは、例えばエッジルーターのような特定のアクセスノードにおけるグループメンバーシップについての比較的制限された情報を提供しがちである。一般的に、本発明を用いずに既知のグループ通信方法を使用すると、マルチキャストグループに含まれるエンドノードの組は確実には知られておらず、従ってマルチキャスト送信は予め決定されたカバレージエリアに届くようにされなければならない。またこの情報の更新は、比較的ゆっくりした時間スケール(scale)で行われる可能性があり、従ってもはやそのアクセスノードのカバレージエリアにないエンドノードに送信されている信号による無線環境における無駄を引き起こすこともある。
【0013】
本発明の方法及び装置は、改良されたマルチキャスト通信技術に関するものである。本発明の様々な特徴は、ネットワーク接続点としてアクセスノードを使用するマルチキャストグループメンバーに関するそのアクセスノードで利用可能な情報の量、確実性(reliability)、及びタイムリーであること(timeliness)、を改良することに関するものである。これらの特徴のいくつかは、本発明の1以上のシグナリング(signaling)方法を使用することで達成される。アクセスノードにおいてグループメンバーシップ情報を提供するために使用されるエンドノードに対する、および、またはエンドノードからの新規マルチキャストシグナリングに加えて、アクセスノードはハンドオフおよび、または他のタイプの情報を使用して、そのアクセスノードにおいてマルチキャストグループメンバーシップ情報を生成し、および、または更新することができる。例えば、1つのアクセスノードから別のアクセスノードへのハンドオフが生じると、そのハンドオフが生じたアクセスノードは、それのグループメンバーシップ情報を更新して、アクセスノードにおいて維持されているマルチキャストグループメンバーシップリストからハンドオフされている無線端末を取り除くことができる。無線端末の新しいネットワーク接続点として機能するアクセスノードは、ハンドオフ動作の一部として通信された情報、あるいはハンドオフ動作の一部としてコア状態(state)管理ノードから受信された情報に基づいて、マルチキャストグループメンバーシップ情報を更新することができる。
【0014】
本発明の例示的な実施形態によると、新規のグループ通信シグナリングは、例えば無線端末のようなエンドノードにおける無線インターフェースとアクセスノードとの間で使用される。そのシグナリングは、アクセスノードに正確で信頼性のあるマルチキャストグループメンバーシップ情報を提供し、要求されたグループメンバーシップの承認/拒絶についての確認をそのエンドノードに提供するように設計されている。例示的な実施形態において、アクセスノードに信号を送信し、及びアクセスノードから信号を受信するために、無線インターフェースはエンドノードによって使用される。無線インターフェースはエンドノードの内部にあってもよく、エンドノードの外部にあって接続によってエンドノードに結合されてもよく、あるいは、例えば、無線インターフェースが、ノートコンピュータやPDAのような、エンドノード中に部分的に挿入可能なカードとして実施される場合のように、無線インターフェースは部分的にエンドノードの内部にあってもよい。ある実施形態においては、無線インターフェースは単一のエンドノードにサービスを提供し(serves)、物理的な、例えば無線ではなく有線接続によってそのエンドノードの1以上の内部部品に結合される。様々な実施形態におけるエンドノードは、無線インターフェースが、例えば、有線接続によって結合されるグループ通信モジュールを含んでいる。
【0015】
本発明の例示的な実施形態によると、エンドノードによって使用される無線インターフェースは、無線端末がマルチキャストグループに追加されるか、あるいはそこから除去されようとするときに、グループメンバーシップ情報変更要求信号をアクセスノードに送信するために使用される。これは、例えばエンドノードのユーザから受信された入力に応答して動作するところのエンドノードにおいて実行される1以上のマルチキャストアプリケーションによって発生された信号に応答して行われてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態においては、グループメンバーシップ情報変更要求信号は、エンドノード識別子と、マルチキャストグループ識別子と、及びエンドノードがメッセージに含まれているグループ識別子に対応するマルチキャストグループに追加されようとしているのか、あるいはそこから除去されようとしているのかを示す情報とを含む。
【0017】
グループメンバーシップ情報変更要求信号の受信に応答して、そのエンドノードがマルチキャストグループへ追加されることをその信号が要求している場合、いくつかの実施形態においては、その信号を受信したアクセスノードは、そのメッセージを送信したエンドノードがその示されたグループのメンバーであることを認証されているか否かを判断する。
【0018】
エンドノードがそのグループのメンバーであることを認証されている場合、アクセスノードはそのエンドノードを、グループ信号を受信するために前記アクセスノードを使用しているマルチキャストグループのメンバーを列記したグループメンバーシップリストに追加する。異なるメンバーシップリストは、異なるマルチキャストグループに関するアクセスノードにおいて保存される。1つのエンドノードは、任意の時点で、1つまたはマルチプルのマルチキャストグループのメンバーであることができ、あるいはマルチキャストグループのメンバーでないことが可能である。アクセスノードが要求に従ってグループメンバーシップリストにエンドノードを追加すると仮定すると、そのアクセスノードはそのエンドノードに対して、グループへの追加要求が認められたことを示す応答信号を送信する。
【0019】
エンドノードが要求信号において示されたグループのメンバーであることを認証されていない場合、アクセスノードは、要求メッセージにおいて特定されたグループに対応するグループメンバーシップリストにそのエンドノードを追加しない。異なるメンバーシップリストは、異なるマルチキャストグループに関するアクセスノードにおいて保存される。エンドノードが要求どおりにグループに追加されることを認められなかった場合、アクセスノードはエンドノードに対して、グループへの追加要求が拒否されたことを示す応答信号を送信することによりその要求に応答する。
【0020】
様々な例示的実施形態において、エンドノードにおけるグループ通信モジュールは、前記エンドノードに送信された各グループメンバーシップ情報変更要求信号への応答を無線インターフェースモジュールにより受信したことを監視する。いくつかの実施形態において、通常はその要求への応答が受信されると期待される予め選択された時間期間内に無線インターフェースモジュールによって応答が受信されていなかった場合、グループ通信モジュールは、グループメンバーシップ情報変更要求信号を再送信するよう、無線インターフェースモジュールに指示する。この時間は、特定のシステムインプリメンテーション(implementation)しだいで変化する可能性があるが、通常は定められた時間期間である。
【0021】
グループメンバーシップ情報変更要求信号はしばしば、前記エンドノードを動作させているマルチキャストグループ通信アプリケーションによって提供された(例えば実行された)情報に応答して、直接的にあるいは間接的に生成される。マルチキャストグループ通信アプリケーションは、グループ通信モジュールと直接的に相互接続していてもよい。一方、1以上のマルチキャストグループ通信アプリケーションとの相互接続時に標準マルチキャストシグナリングを実施する標準グループメンバーシップクライアントモジュールは、本発明のグループ通信モジュールとアプリケーションとの間のインターフェースとして動作する。従って、本発明の方法は、従来のグループ通信アプリケーションと共に、本発明に従ったグループ通信シグナリングをサポートすることをそれらに要求せずに使用されることができる。このような実施形態において、標準グループメンバーシップクライアントモジュールは、本発明に従って使用される新規の要求およびオプションの(optional)応答シグナリングと、ならびに標準グループ通信プロトコルシグナリングと間で変換をする(convert)ための役目を果たす。
【0022】
グループへの追加要求への応答が発生されるとすれば、本発明を実施するシステムにおけるエンドノードとアクセスノードの両方は、信頼性のあるグループメンバーシップ情報を与えられる。
【0023】
本発明のグループメンバーシップシグナリングは、いくつかのシナリオにおいては既知のグループ通信プロトコルよりも多くのシグナリングを伴うが、アクセスノードにおけるグループメンバーシップに関する詳細情報の不足およびその信頼性の無さのために既知のシステムにおいて発生しうるマルチキャスト信号の不要な無線送信を低減し、および、または排除する可能性がある。
【0024】
下記の詳細な記述において論じられるように、アクセスノードにおける詳細なグループメンバーシップ情報は、アクセスノードにおいて利用可能な限られた無線通信資源の割当や使用に関して多くの付加的な利益を提供する。
【0025】
本発明の上述した方法及び装置に関して多くのバリエーションが可能である。以下の詳細な説明は、本発明の更なる例示的実施形態、特徴および利益のみならず、本発明の追加の説明を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本願の例示的な通信システムのネットワークの概略図。
【図2A】本願に従って実施される装置、例えば例示的なエンドノードを示す概略図。
【図2B】本願に従って実施される装置、例えば例示的なエンドノードを示す概略図。
【図2C】本願に従って実施される装置、例えば例示的なエンドノードを示す概略図。
【図3】本願に従って実施される例示的なアクセスノードを示す概略図。
【図4】アクセスノードとエンドノードとの間のグループメンバーシップシグナリングと典型的に関連した機能的エンティティを示す概略図。
【図5】本願に従って実施されるアクセスノードとエンドノードとの間のグループメンバーシップシグナリングと関連した機能的エンティティを示す概略図。
【図6】本願に従って実施されるアクセスノードとエンドノードとの間の例示的なグループメンバーシップシグナリングを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、通信リンクによって相互接続されている複数のノードを備える例示的な通信システム100、例えばセルラー通信ネットワーク、を示している。例示的な通信システム100におけるノードは、例えばインターネットプロトコル(IP)等の、通信プロトコルに基づいて、信号、例えばメッセージ、を使用して情報を交換することができる。システム100の通信リンクは、例えばワイア、光ファイバケーブル、および、または無線通信技術を用いて実施される。例示的な通信システム100は、複数のアクセスノード130、140、150を経由して通信システムにアクセスする複数のエンドノード134、136、144、146、154、156を含んでいる。エンドノード134、136、144、146、154、156は、例えば無線通信装置または端末であってもよく、アクセスノード130、140、150は、例えば無線アクセスルーターや基地局であってもよい。例示的な通信システム100はまた、相互接続性を提供するために、あるいは特定のサービスや機能を提供するために必要とされる可能性のある多くの別のノードを含んでいる。特に、例示的な通信システム100は、アクセスノード間のエンドノードのモビリティ(mobility)をサポートするために必要とされる可能性のある、例えば、移動IPホームエージェントノード等の、モビリティエージェントノード108と、エンドノード間の通信セッションの設定(establishment)と維持をサポートするために必要とされる可能性のある、例えばセッション開始プロトコル(SIP)プロキシ(proxy)サーバ等の、セッションシグナリングサーバノード106と、特定のアプリケーション層サービスをサポートするために必要とされる可能性のある、例えばマルチメディアサーバ等の、アプリケーションサーバノード104とを含んでいる。
【0028】
図1の例示的なシステム100は、それぞれがそれぞれ対応するネットワークリンク105、107、109によって中間ネットワークノード110に接続されている、アプリケーションサーバノード104とセッションシグナリングサーバノード106とモビリティエージェントノード108とを含むネットワーク102を示している。ネットワーク102における中間ネットワークノード110はまた、ネットワーク102から見て外部であるネットワークノードへの、ネットワークリンク111を経由しての相互接続性を提供する。ネットワークリンク111は、複数のアクセスノード130、140、150への、それぞれネットワークリンク131、141、151を経由しての、後続の接続性を提供する、もう一つの中間ネットワークノード112に接続されている。
【0029】
各アクセスノード130、140、150は、対応するアクセスリンク(135、137)、(145、147)、(155、157)をそれぞれ経由して複数のNのエンドノード(134、136)、(144、146)、(154、156)への接続性をそれぞれ提供するものとして図示されている。例示的な通信システム100において、各アクセスノード130、140、150は、アクセスを提供するために無線技術、例えば無線アクセスリンク等、を使用するものとして示されている。無線電話のカバレージエリア、例えば各アクセスノード130、140、150のそれぞれの通信セル138、148、158等、は対応するアクセスノードを囲む円として図示されている。
【0030】
例示的な通信システム100を本発明の説明の基礎として引き続き使用する。本発明の別の実施形態は、ネットワークノードの数とタイプ、リンクの数とタイプ、およびノード間の相互接続性が図1に示した例示的な通信システム100のものとは異なることのできる様々なネットワークトポロジー(topologies)を含んでいる。
【0031】
図2A、2B、2Cは、本発明によるグループ通信シグナリングをサポートすることができる装置、例えば、無線通信インターフェースモジュールを有する例示的なエンドノード、を示している。同一の参照番号を用いて図2A、2B、2Cにおいて特定されているアイテムは、同一あるいは類似の要素を使用して実施されることができる。
【0032】
図2Aは、本発明の実施形態に従って実施される例示的なエンドノード200の詳細な図である。図2Aの実施例において、無線通信インターフェースモジュール230はノード230の内部部品として図示されている。無線通信インターフェースモジュール230はエンドノード200中の他の要素に配線されていてもよく、また時として配線されている。図2Aに示されている例示的なエンドノード200は、図1に図示されているエンドノード134、136、144、146、154、156の任意の1つとして使用されてもよい装置の詳細図である。図2Aの実施形態において、エンドノード200は、バス206によって互いに結合されている、プロセッサ204と、無線通信インターフェースモジュール230と、ユーザ入力/出力インターフェース240と、メモリ210とを含んでいる。従ってバス206を経由して、エンドノード200の様々な部品が情報や信号やデータを交換することができる。エンドノード200の部品204、206、210、240は筐体202の内部に配置されている。本発明の実施形態には、無線インターフェースモジュール230の少なくとも一部がエンドノード筐体の中に設置されているものもある。例えば図2Cの例のような他の実施形態において、無線インターフェースモジュールはエンドノード筐体の外部にあり、通信接続によって、例えば銅線またはケーブルを介して等、エンドノードに結合される。図2Bに示されているような他の実施形態において、無線通信モジュールは、ユーザがエンドノード筐体202中の開口部を通してそのエンドノードから挿入・取出し可能であるプラグインカード、例えばPCMCIAカード等、として実施されている。
【0033】
メモリ210中に含まれている、例えばルーチンのような、様々なモジュールの制御下にあるプロセッサ204は、以下に説明する様々なシグナリングおよび処理を行うためにエンドノード200の動作を制御する。メモリ210中に含まれているモジュールは、スタートアップ時、あるいは他のモジュールに呼出されると、実行される。モジュールは実行時にデータ、情報、および信号を交換することができる。モジュールはまた、実行時に、データおよび情報を共有することができる。
【0034】
無線通信インターフェースモジュール230は、エンドノード200の内部部品が、例えばアクセスノード等の、ネットワークノードおよび外部装置へ/から信号を送受信することのできるメカニズムを提供する。無線通信インターフェースモジュール230は、例えば、エンドノード200を、例えば無線通信路を経由して、他のネットワークノードに結合するために使用される対応した送信アンテナ238を有する送信機回路234と、対応した受信アンテナ236を有する受信機回路232とを含んでいる。本発明のいくつかの実施形態において、無線通信インターフェースモジュール230は、図2に図示されているように、インターフェースプロセッサ231とインターフェースメモリ233とを含んでいる。インターフェースメモリ233に含まれている、例えばルーチンのような、様々なモジュールの制御下にあるインターフェースプロセッサ231は、以下に説明する様々なシグナリングや処理を行うために無線通信インターフェースモジュール230の動作を制御している。インターフェースメモリ233中に含まれているモジュールは、スタートアップ時、あるいは他のモジュールに呼出されると、実行される。モジュールは実行時にデータ、情報、および信号を交換することができる。モジュールはまた、実行時にデータおよび情報を共有することができる。
【0035】
例示的なエンドノード200はまた、ユーザ入力/出力インターフェース240を経由してバス206に結合されている、ユーザ入力装置242、例えばキーパッド、と、ユーザ出力装置244、例えばディスプレイ、とを含んでいる。従って、ユーザ入力/出力装置242、244は、ユーザ入力/出力インターフェース240とバス206とを経由してエンドノード200の他の部品と情報、信号、およびデータを交換することができる。ユーザ入力/出力インターフェース240と関連装置242、244は、ユーザがあるタスクを達成するためにエンドノード200を動作させることのできるメカニズムを提供する。特に、ユーザ入力装置242とユーザ出力装置244は、エンドノード200と、そのエンドノード200のメモリ210内で実行するアプリケーション、例えばモジュール、プログラム、ルーチンおよび、または関数等、とをユーザが制御することを可能にする機能性を提供する。
【0036】
図2Aの実施形態において、エンドノードメモリ210は1以上のマルチキャストグループ通信アプリケーション215、216を含んでいる。本発明に従って実行されるいくつかのエンドノードの実施形態はまた、標準グループメンバーシップクライアントモジュール213と対応する標準グループメンバーシップクライアント情報214とを含んでいる。標準グループメンバーシップクライアントモジュール213は、例えばインターネットグループ管理プロトコル(IGMP)、マルチキャストリスナーディスカバリー(MLD)などの、様々なグループ管理プロトコルのうちの任意の1つをサポートすることができる。標準グループメンバーシップクライアントモジュール213を含むエンドノードの実施形態において、マルチキャストグループ通信アプリケーション215、216は、本発明の様々な観点を実行する1以上のモジュールを含むインターフェースメモリ233とアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を経由して標準グループメンバーシップクライアントモジュール213に対してグループ通信要求(例えばアプリケーションがトラフィックを受信すべきマルチキャストグループ)を指すことができる。様々な実施形態において、標準グループメンバーシップクライアントモジュール213は、IGMPやMLDに従ったシグナリングを用いて、グループ通信モジュール211および、または211’と対話することができ、そのグループ通信モジュール211または211’はその時プロキシとして動作して、無線通信インターフェースモジュール230に含まれている送信機によって送信される非IGMP及び非MLDに従ったグループメンバーシップ変更要求信号を発生する。このように、標準グループメンバーシップクライアントモジュール213を含むいくつかの実施形態において、そこに結合されるグループ通信モジュール211、211’はプロキシとしての役割を果たし、その標準グループメンバーシップクライアントモジュール213は、アプリケーションが標準APIと従来のシグナリングを用いてこのグループメンバーシップモジュール213と対話することを可能にする。
【0037】
図2Aの実施形態において、エンドノードメモリ210とインターフェースメモリ233はさらに、本発明の様々な観点を実行するグループ通信モジュール211/211’と、グループ通信情報212/212’とを含んでいる。本発明によると、グループ通信モジュール211/211’ とグループ通信情報212/212’は、エンドノードメモリ210(符号211、212が付されているブロックによって示されている)、またはインターフェースメモリ(符号211’、212’が付されているブロックによって示されている)のいずれかにおいて実施可能である。グループ通信モジュール211/211’は、例えばマルチキャストグループの入退(joining and leaving)を制御するために、アクセスノードとグループメンバーシップ情報シグナリングを交換する。マルチキャストグループ通信アプリケーション215、216は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を経由してグループ通信モジュール211/211’にグループ通信要求(例えばそのアプリケーションがトラフィックを受信すべきマルチキャストグループ)を示すことができる。標準グループメンバーシップクライアントモジュール213を含むエンドノードの実施形態において、グループ通信モジュール211、211’は、前記標準グループメンバーシップクライアントモジュール213によってアクセスノードに向けられたグループメンバーシップシグナリングを受信する(例えば傍受する(intercept))ことができ、そのグループ通信モジュール211、211’はまた、アクセスノードから前記標準グループメンバーシップクライアントモジュール213に向けられるグループメンバーシップシグナリングのためのプロキシとしての役目を果たすことができる。
【0038】
図2Bの実施形態は図2Aの実施形態に類似している。しかし図2Bにおいて、エンドノード200’は、本実施形態ではプラグインカードとして実施されている、無線通信インターフェースモジュール230’が挿入可能な開口部を有するエンドノード筐体102’を含んでいる。図示されているように、完全に挿入されると、カード230’の一部分は筐体202’の外部に伸延し、前記筐体によって遮断されることなく無線信号を送受信することができる。カード230’は図2Bの実施形態において、プラグインコネクタ231’によって、バス206に結合されており、このプラグインコネクタ231’は、そのカードがバス206と電気的に接触することを可能にするが、しかし、ユーザが筐体202’を分解する必要なくそのカード230’を挿入すること、および取出すことを依然としてを可能にしている。
【0039】
図2Cは、無線通信インターフェースモジュール230’’がケーブル229’’とケーブルコネクタ231’’によってエンドノード200’’に結合される外部装置として実施されている実施形態を図示している。図2Cの実施形態において、無線通信インターフェースモジュール230’’は、単にケーブル229’’をコネクタ231’’から外すだけで容易に接続され、接続を切断されることができる。図2Cの実施形態は、図2Bの実施形態に示されたタイプのカードを挿入するために利用できるスロットまたは開口部を有していないパーソナルコンピュータ等の装置に大変適している。
【0040】
図3は、本発明に従って実施される例示的なアクセスノード300の詳細図である。図3に図示されている例示的なアクセスノード300は、図1に図示されているアクセスノード130、140、150の任意の1つとして用いられてもよい装置の詳細図である。図3の実施形態において、アクセスノード300は、バス306によって互いに結合されている、プロセッサ304と、ネットワーク/インターネットワークインターフェース320と、無線通信インターフェース330と、メモリ310とを含んでいる。従って、バス306を経由して、アクセスノード300の様々な部品は情報、信号、およびデータを交換することができる。アクセスノード300の部品304、306、310、320、330は筐体302の内部に配置されている。
【0041】
メモリ310中に含まれている、例えばルーチンのような、様々なモジュールの制御下にあるプロセッサ304は、以下に説明する様々なシグナリングや処理を行うためにアクセスノード300の動作を制御している。メモリ310中に含まれているモジュールはスタートアップ時、あるいは他のモジュールに呼出されると実行される。モジュールは実行時にデータ、情報、および信号を交換することができる。モジュールはまた、実行時にデータおよび情報を共有することができる。
【0042】
ネットワーク/インターネットワークインターフェース320は、アクセスノード300の内部部品が外部装置およびネットワークノードに/から信号を送受信することができるメカニズムを提供する。ネットワーク/インターネットワークインターフェース320は、例えば銅線または光ファイバラインを経由して、他のネットワークノードにノード300を結合するために使用される受信機回路322と送信機回路324とを含んでいる。無線通信インターフェース330はまた、アクセスノード300の内部部品が外部装置やネットワークノード、例えばエンドノード、に/から信号を送受信することができるメカニズムを提供する。無線通信インターフェース330は、例えば、アクセスノード300を、例えば無線通信通信路を経由して、他のネットワークノードに結合するために使用される、対応する送信アンテナ338を有する送信機回路334および対応する受信アンテナ336を有する受信機回路332を含んでいる。
【0043】
図3の実施形態において、アクセスノード300のメモリ310は、マルチキャストルーティング(routing)/転送モジュール311と、マルチキャストルーティング/転送情報312と、グループメンバーシップサーバモジュール313と、グループメンバーシップ情報314と、マルチキャストグループ通信アプリケーション315とを含んでいる。
【0044】
マルチキャストルーティング/転送モジュール311は、マルチキャストトラフィックパケットのルーティング/転送をサポートするためにアクセスノード300の動作を制御している。マルチキャストルーティング/転送モジュール311は、例えばディスタンスベクトルマルチキャストルーティングプロトコル(Distance Vector Multicast Routing Protocol)(DVMRP)、プロトコル独立マルチキャスト(Protocol Independent Multicast)(PIM)などの、様々なマルチキャストルーティングプロトコルの任意の1つを使用することができる。マルチキャストルーティング/転送情報312は、例えば特定のグループに対応するマルチキャストパケットがコピー・転送されるべきインターフェースを示すマルチキャストルーティングおよび/または転送表を含んでいる。
【0045】
グループメンバーシップサーバモジュール313は、アクセスノード300のインターフェースに関するグループメンバーシップ情報の管理をサポートするためにアクセスノード300の動作を制御している。グループメンバーシップ情報314は、例えば、無線インターフェース330を経由してアクセスノード300に接続されている活動中のメンバーが存在するグループの組と、そのようなグループのそれぞれに関する特定の情報と、無線インターフェース330を経由してアクセスノード300に接続されている各グループメンバーに関する特定の情報とを含んでいる。グループメンバーシップサーバモジュール313は、例えばマルチキャストグループの入退を制御するために、グループメンバーシップ情報シグナリングをエンドノードと交換する。本発明によると、アクセスノード300におけるグループメンバーシップサーバモジュール313は、エンドノード200におけるグループ通信モジュール211とグループメンバーシップ情報シグナリングを交換する。
【0046】
図4は、本発明との比較をする際の基礎として、従来のアクセスノードと従来のエンドノードとの間のグループメンバーシップシグナリングに典型的に関連している機能的エンティティ(entities)を図示している。図4のブロック図400は、従来のアクセスノード430と従来のエンドノード420とを含んでいる。アクセスノード430は標準グループメンバーシップサーバモジュール432を含んでいる。エンドノード420は標準グループメンバーシップクライアントモジュール422と、1以上のマルチキャストグループ通信アプリケーション424、426とを含んでいる。マルチキャストグループ通信アプリケーション424、426は、API410、412を経由して標準グループメンバーシップクライアントモジュール422にグループ通信要求(例えばアプリケーションがトラフィックを受信すべきマルチキャストグループ)を示す。例えば、アプリケーションが特定のマルチキャストグループに関連したセッションを開始すると、そのアプリケーション(例えば424)はAPI(例えば410)を経由して標準グループメンバーシップクライアントモジュール422に対してその特定のグループへの加入要求を示し、それによりアプリケーションはそのマルチキャストグループに予定されている(destined)トラフィックを受信することができる。
【0047】
エンドノード420における標準グループメンバーシップクライアントモジュール422は、例えばアクセスノード430に対してアプリケーションからAPIを経由して学習したグループメンバーシップ情報を中継するために、アクセスノード430における標準グループメンバーシップサーバモジュール432とグループメンバーシップ情報シグナリング402、404を交換する。標準グループメンバーシップクライアントモジュール422と標準グループメンバーシップサーバモジュール432との間のシグナリング402、404は、例えばインターネットグループ管理プロトコル(IGMP)、マルチキャストリスナーディスカバリー(MLD)などの、様々なグループ管理プロトコルの任意の1つに従ったものであることができる。シグナリング402、404は、アクセスノード430の特定のインターフェースを経由して接続されている特定のマルチキャストグループと関連しているメンバーが存在するか否かをアクセスノード430が判断することを可能にするので、アクセスノード430は、必要に応じてマルチキャストルーティング/転送を設定して維持するための手続(procedures)を実行することが可能になる。標準グループメンバーシップシグナリングアプローチは、アクセスノードが特定のマルチキャストグループと関連しているメンバーの数を判断できることを保証するものでもなく、特定のグループと関連しているグループメンバーの明確な(explicit)リストをアクセスノードが維持することを可能にするものでもないことに注意されたい。さらに、標準グループメンバーシップシグナリングアプローチは、グループメンバーシップ要求がアクセスノードによって受信された、および、または受諾されたという確認をエンドノードに提供するものではない。
【0048】
図5は、本発明に従って実施されるアクセスノードとエンドノードとの間のグループメンバーシップシグナリングに関連している機能的エンティティを図示している。図5のブロック図500は、本発明に従って実施されるアクセスノード300と本発明に従って実施されるエンドノード200とを含んでいる。図5に図示されているアクセスノード300とエンドノード200は、図3および図2にそれぞれ示されているものを簡単に表した図である。アクセスノード300は、グループメンバーシップサーバモジュール313を含んでいる。エンドノード200はグループ通信モジュール211と、1以上のマルチキャストグループ通信アプリケーション215、216とを含んでいる。標準グループメンバーシップクライアント213をさらに含んでいるエンドノードの実施形態もある。標準グループメンバーシップクライアント213を含んでいるエンドノードの実施形態において、マルチキャストグループ通信アプリケーション215、216は、API510、512を経由して標準グループメンバーシップクライアントモジュール213にグループ通信要求(例えばアプリケーションがトラフィックを受信すべきマルチキャストグループ)を示す。例えば、アプリケーションが特定のマルチキャストグループに関連したセッションを開始すると、アプリケーション(例えば215)は、そのマルチキャストグループに予定されているトラフィックをそのアプリケーションが受信することができるように、API(例えば510)を経由して標準グループメンバーシップクライアントモジュール213に対して特定のグループへの加入要求を示す。
【0049】
エンドノード200中の標準グループメンバーシップクライアントモジュール213は、例えばアクセスノード300に対してアプリケーションからAPIを経由して学習したグループメンバーシップ情報を中継することを意図されたグループメンバーシップ情報シグナリング508、506を送受信する。本発明によると、前記シグナリングは標準グループメンバーシップクライアントモジュール213とグループ通信モジュール211との間で交換される。従って、グループ通信モジュール211は、標準グループメンバーシップクライアントモジュール213によってアクセスノードに対して向けられているグループメンバーシップシグナリングを受信し(例えば、傍受し)、そして、そのグループ通信モジュール211は、アクセスノードから前記標準グループメンバーシップクライアントモジュール213に向けられるグループメンバーシップシグナリングのためのプロキシとしての役目を果たす。
【0050】
標準グループメンバーシップクライアントモジュール213とグループ通信モジュール211との間で交換されるシグナリング506、508は、インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)、マルチキャストリスナーディスカバリー(MLD)などの、様々なグループ管理プロトコルの任意の1つに基づいていてもよい。前記シグナリング506、508は、マルチキャストグループ通信アプリケーション215、216からAPI510、512を経由して標準グループメンバーシップクライアントモジュール213によって学習されたグループ通信要求(例えばアプリケーションがトラフィックを受信すべきマルチキャストグループ)をグループ通信モジュール211が判断することを可能にする。標準グループメンバーシップクライアントモジュール213を含んでいない実施形態において、マルチキャストグループ通信アプリケーション215、216は、APIを経由してグループ通信モジュール211に対して直接、グループ通信要求(例えばアプリケーションがトラフィックを受信すべきマルチキャストグループ)を示す。
【0051】
エンドノード200におけるグループ通信モジュール211は、アクセスノード300内のグループメンバーシップサーバモジュール313とシグナリング502、504を交換する。シグナリング502、504は、エンドノード200が、例えば、グループメンバーシップ要求及び情報をアクセスノード300に示すことを可能にする。従って、アクセスノード300は、そのアクセスノード300の特定のインターフェースを経由して接続されている特定のマルチキャストグループと関連しているメンバーが存在するか否かを判断することができるので、アクセスノード300は必要に応じてマルチキャストルーティング/転送を設定して維持するための手続を実行することができる。必ずしも全てではないがいくつかの実施形態においては、アクセスノード300は特定のマルチキャストグループと関連しているメンバーの数を判断し、メモリにその数を保存している。さらに、グループ通信モジュール211とグループメンバーシップサーバモジュール313との間のシグナリング502、504は、アクセスノード300が特定のグループと関連しているグループメンバーの明確なリストを保持する(maintain)ことを可能にし、グループメンバーシップ要求がアクセスノード300によって受信された、および/または承諾されたという確認をエンドノード200に提供する。
【0052】
図6は、本発明に従って実施されるエンドノード200と関連しているグループ通信モジュール211と、本発明に従って実施されるアクセスノード300内のグループメンバーシップサーバモジュール313との間で交換される例示的なシグナリングを図示したメッセージフロー図600を示している。図6の例において、グループメンバーシップサーバモジュール313は通知(グループ広告)信号602をグループ通信モジュール211に送信する。この通知信号は、例えばアクセスノード300が相互接続しているネットワークによりサポートされているサービスのために使用されるサポートされているマルチキャストグループのリストを含んでいる。通知(グループ広告)信号は、ユニキャスト(例えば特定のエンドノード向けの)またはマルチキャスト(例えば複数のエンドノード向けの)のいずれか一方を用いて、アクセスノード300における無線インターフェース330を経由して送信されてもよい。いくつかの実施形態においては、通知(グループ広告)信号602は、アクセスノード300内のグループメンバーシップサーバモジュール313によって、前記アクセスノード300に接続されている1以上のエンドノードに対して定期的に送信される。いくつかの実施形態においては、通知(グループ広告)信号602は、エンドノードからの信号の受信に応答して、アクセスノード300内のグループメンバーシップサーバモジュール313によって、前記アクセスノード300に接続されている1以上のエンドノードに対して送信される。
【0053】
図6はさらに、グループ通信モジュール211からグループメンバーシップサーバモジュール313に対して送信されている要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604を示している。要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604は、例えば、エンドノード200を特定し、エンドノード200がメンバーシップを要求している(例えば加入)および、またはメンバーシップを終わらせている(例えば脱会)しようとしているマルチキャストグループを示す情報を含んでいる。要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604は、例えばマルチキャストグループ通信アプリケーションによって示されたグループメンバーシップ要求の変更に応答して、グループ通信モジュール211によって送信される。いくつかの実施形態において、グループ通信モジュール211は要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604の送信時に要求再送信タイマー612を起動させ、その要求再送信タイマーの有効期限が切れる前に対応する応答信号606が受信されなかった場合に要求(グループメンバーシップ情報変更)信号608を再送信する。
【0054】
グループメンバーシップサーバモジュール313は、グループ通信モジュール211からの要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604の受信に応答して、そのグループ通信モジュール211に応答信号606を送信する。応答信号606は、例えば、対応する要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604が受信されたという確認、対応する要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604の1以上の面(aspects)が受諾されたという表示、および、または対応する要求(グループメンバーシップ情報変更)信号604の1以上の面が受諾されなかったという表示を含んでいる。
【0055】
いくつかの実施形態において、アクセスノード300内のグループ通信サーバモジュール313は、そのアクセスノード300内のグループメンバーシップ情報がエンドノード200による要求なしに変更されると、通知(グループメンバーシップ情報変更)信号610を送信する。このような変更は、例えばエンドノード200が加入していた特定のマルチキャストサービスが管理上終了されるか、あるいはもはやサポートされることができないときに生じる可能性がある。通知(グループ広告)信号610は、ユニキャスト(例えば特定のエンドノード向けの)またはマルチキャスト(例えば複数のエンドノード向けの)のいずれかを用いてアクセスノード300内の無線インターフェース330を経由して送信されてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態において、ノード間の通信は全てあるいは部分的にインターネットプロトコル(IP)に基づいている。従って、ネットワークノード間のデータおよび、または制御シグナリングのいずれの通信も、例えばデータグラムのようなIPパケットを使用することができる。
【0057】
本発明の様々な特徴は、モジュールを使用して実施される。このようなモジュールは、ソフトウェア、ハードウェアあるいはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実施されてもよい。上述した方法または方法ステップの多くは、上述の方法の全てもしくは一部を実行するために、追加のハードウェアを使用する、あるいは使用しない、例えば汎用コンピュータなどの、機械を制御するために、例えばRAM、フロッピー(登録商標)ディスクなどの、メモリ装置のような機械可読媒体に含まれている、ソフトウェアのような機械実行可能命令を用いて実施可能である。従って、本発明は、特に、機械、例えばプロセッサや関連するハードウェア、に上述の方法の1以上のステップを実行させるための機械実行可能命令を含む機械可読媒体に関するものである。
【0058】
上述した本発明の方法及び装置に関する更なる多くのバリエーションは、本発明の上記の説明から当業者に明らかであろう。このようなバリエーションは本発明の技術的範囲内のものであると考えるべきである。本発明の方法及び装置は、符号分割多元接続(CDMA)、直交周波数分割多重(OFDM)、またはアクセスノードと移動ノードとの間の無線通信リンクを提供するために使用可能な様々な他のタイプの通信技術を用いて利用されてもよく、また多くの実施形態においては利用されている。いくつかの実施形態においては、アクセスノードはOFDMおよび、またはCDMAを使用して移動ノードとの通信リンクを構築する基地局として実施されている。様々な実施形態において、移動ノードは本発明の方法を実施するために、ノートブックコンピュータ、パーソナルデータアシスタント(PDAs)、または送信機/受信機回路や論理および、またはルーチンを含むその他の可搬装置として実施される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドノード及びアクセスノードを含むグループ通信環境中で使用のための通信方法、前記方法は、
前記エンドノード中の要素への接続を有する無線インターフェースモジュールから、グループメンバーシップ情報変更要求信号を送信することと、
前記グループメンバーシップ情報変更要求信号に対する応答を、前記無線インターフェースモジュールが受信したことを監視するためにグループ通信モジュールを動作させることと、を含む。
【請求項2】
前記接続は前記エンドノード中の要素への有線接続である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信されたグループメンバーシップ情報変更要求信号に対する応答が予め選択された時間期間内に前記無線インターフェースモジュールによって受信されないとき、前記グループ通信モジュールは前記グループメンバーシップ情報変更要求信号を再送信するよう前記無線インターフェースモジュールに指示する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記グループメンバーシップ情報変更要求信号は、前記アクセスノードが前記エンドノードを前記グループメンバーシップ情報変更要求信号において特定されたグループへメンバーとして追加することを要求する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グループ通信モジュールは、前記エンドノードにおいて動作しているマルチキャストグループ通信アプリケーションから得られた情報の関数として、前記グループメンバーシップ情報変更要求信号の送信を開始する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記グループ通信モジュールは、マルチキャストグループ通信アプリケーションから情報を受信する標準グループメンバーシップクライアントモジュールから、前記グループメンバーシップ情報を受信する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記標準グループメンバーシップクライアントモジュールはマルチキャストリスナーディスカバリープロトコルモジュールである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
さらに、グループメンバーシップ情報を求めて前記標準グループメンバーシップモジュールを定期的に照会することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記照会において特定されたグループに関するグループメンバーシップクライアント情報を求めて、前記グループ通信モジュールから前記標準グループメンバーシップモジュールに対して照会を送信することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記標準グループメンバーシップモジュールと前記グループ通信モジュールとの間のシグナリングは、IGMPに従ったシグナリングを用いて行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記グループ通信モジュールと前記マルチキャストグループ通信アプリケーションとの間のシグナリングは、非IGMPに従ったシグナリングを用いて行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記無線インターフェースモジュールは少なくとも部分的に、前記エンドノードの要素を収容するために使用されているエンドノード筐体の内部にある、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記無線インターフェースモジュールは前記エンドノードの外部にあり、任意の1つの時点で1つの有線接続によって多くても1つのエンドノードに結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記グループ通信モジュールは前記無線インターフェースモジュールの内部に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記グループ通信モジュールは、前記無線インターフェースモジュールの外部の1つの位置における前記エンドノードに配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
さらに、
前記グループメンバーシップ情報変更要求信号を受信するために前記アクセスノードを動作させることと、
要求に応じてマルチキャストグループから前記エンドノードを追加・削除するために、前記エンドノードに対応しているグループメンバーシップ情報を更新するために前記アクセスノードを動作させることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記応答を送信するために前記アクセスノード中の無線インターフェースを動作させることを含み、前記応答は前記要求された変更の受諾を示している、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、
前記エンドノードがマルチキャストグループに追加されることを要求する前記グループメンバーシップ情報変更要求信号を受信するために前記アクセスノードを動作させることと、
前記エンドノードが前記マルチキャストグループに追加される権利を与えられているか否かを判断するために前記アクセスノードを動作させることと、
前記エンドノードが前記マルチキャストグループに追加される権利を与えられていないことの判断に応答して、前記要求の拒否を示す応答を発生するために前記アクセスノードを動作させることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
さらに、
前記発生された応答を送信するために前記アクセスノード中の無線インターフェースを動作させることを含み、前記送信された応答は前記送信されたグループメンバーシップ情報変更要求信号への前記応答である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
グループ通信環境中での使用のための装置、前記装置は、
グループメンバーシップ情報変更要求信号の送信を可能にされた送信機モジュールと、
前記送信機モジュールによって以前に送信されたグループメンバーシップ情報変更要求信号に対する応答を受信可能な受信機モジュールと、
前記受信機に結合されたグループ通信モジュールとを含み、前記グループ通信モジュールは、前記送信機モジュールによって以前に送信されたグループメンバーシップ情報変更要求信号に対する応答を検出可能である。
【請求項21】
前記グループ通信モジュールと前記送信機モジュールと前記受信機モジュールとは、無線通信インターフェースモジュールに含まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記グループ通信モジュールは、プラグインカードとして実現される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記装置は無線端末であり、前記装置はさらに、
前記プラグインカードの挿入および取出しを行うことのできる開口を有する筐体を含み、前記プラグインカードの少なくとも一部は、プラグインカードが完全に挿入されると、前記筐体の外部に伸延する、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
さらに、
無線端末筐体を含み、
ここにおいて、前記グループ通信モジュールと前記送信機モジュールとは前記無線端末筐体の外側に配置され、前記筐体に含まれるインターフェースにケーブルによって結合される、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記グループ通信モジュールは、前記送信されたグループメンバーシップ情報変更要求信号に対する応答が予め選択された時間期間内に検出されないとき、前記グループメンバーシップ情報変更要求信号を再送信するように前記送信機を制御する制御モジュールを含んでいる、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記グループメンバーシップ情報変更要求信号は、前記グループ通信モジュールによってサービスを提供されるエンドノードが前記グループメンバーシップ情報変更要求信号において特定されたグループのメンバーとして追加されることを要求する、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
さらに、
マルチキャストグループ通信アプリケーションモジュールを含み、
ここにおいて、前記グループ通信モジュールは、前記マルチキャストグループ通信アプリケーションモジュールによって提供された、前記送信機による少なくとも1つのグループメンバーシップ情報変更要求信号の送信を開始すべきグループメンバーシップの変更を示す情報に応答する、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
さらに、
IGMP標準に従ったグループ通信モジュールを含み、
ここにおいて、前記マルチキャストグループ通信モジュールは、前記IGMP標準に従ったグループ通信モジュールと通信するためにIGMPに従った信号を使用する、
ここにおいて、前記グループメンバーシップ情報変更要求信号は非IGMPに従った信号である、請求項25に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−254498(P2011−254498A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−150862(P2011−150862)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【分割の表示】特願2007−527938(P2007−527938)の分割
【原出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】