説明

ケモカイン受容体活性のアミノ複素環式調節物質

式I及び式IIの化合物


(式中、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R15、R16、R17、R18、R19、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R33、R34、R35、R36、R37、R38、A、j、k、m、n、X、Y及びZは本明細書に定義されたとおりである。)。これらは、ケモカイン受容体活性の調節物質であり、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、結膜炎及び喘息を含めたある種の炎症性及び免疫調節性障害及び疾患、アレルギー疾患、アトピー性症状並びにリウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症などの自己免疫病の予防又は治療に有用である。本発明は、これらの化合物を含む薬剤組成物並びにケモカイン受容体が関与するかかる疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用も対象とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ケモカインは、強力な走化活性を有する小さな(70から120アミノ酸)炎症誘発性サイトカインファミリーである。ケモカインは、多種多様な細胞によって遊離されて、単球、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球、好中球などのさまざまな細胞を炎症部位に引き寄せる走化性サイトカインである(Schall, Cytokine, 3, 165−183(1991)及びMurphy, Rev.Immun., 12, 593−633(1994)に概説されている。)。これらの分子は、最初に4個の保存的システインによって定義され、第1のシステイン対の配列に基づいて2つのサブファミリーに分類された。IL−8、GRO、NAP−2及びIP−10を含めたCXC−ケモカインファミリーにおいては、これらの2個のシステインは単一のアミノ酸によって分離され、一方、RANTES、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MIP−1α、MIP−1β及びエオタキシンを含めたCC−ケモカインファミリーにおいては、これらの2個の残基は隣接している。
【0002】
インターロイキン−8(IL−8)、好中球活性化タンパク質−2(NAP−2)、メラノーマ成長刺激活性タンパク質(MGSA)などのβ−ケモカインは、主に好中球に対して走化性であるのに対して、RANTES、MIP−1α、MIP−1β、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)、MCP−2、MCP−3、エオタキシンなどのβ−ケモカインは、マクロファージ、単球、T細胞、好酸球及び好塩基球に対して走化性である(Deng, et al., Nature, 381, 661−666(1996))。
【0003】
ケモカインは、多種多様な細胞タイプによって分泌され、白血球などの細胞上に存在する特定のG−タンパク質共役受容体(GPCR)に結合する(Horuk, Trends Pharm. Sci., 15, 159−165(1994)に概説されている。)。これらのケモカイン受容体は、GPCRサブファミリーを形成し、これは、現在、特徴の明らかな15個のメンバーといくつかのオーファンからなる。C5a、fMLP、PAF、LTB4などの不特定多数の化学誘引物質に対する受容体とは異なり、ケモカイン受容体は、白血球のサブセット上でより選択的に発現される。したがって、特定のケモカインの発生は、特定の白血球サブセットを動員する機序を提供するものである。
【0004】
ケモカイン受容体は、その同族リガンドに結合すると、関連する三量体Gタンパク質を介して細胞内シグナルを伝達し、細胞内カルシウム濃度を迅速に上昇させる。以下の特徴的パターンを有する、β−ケモカインに結合又は応答する少なくとも7種類のヒトケモカイン受容体、すなわち、CCR−1(又は「CKR−1」若しくは「CC−CKR−1」)[MIP−1α、MIP−1β、MCP−3、RANTES](Ben−Barruch et al., J. Biol. Chem., 270, 22123−22128(1995);Beote et al., Cell, 72, 415−425(1993));CCR−2A及びCCR−2B(又は「CKR−2A」/「CKR−2A」若しくは「CC−CKR−2A」/「CC−CKR−2A」)[MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4];CCR−3(又は「CKR−3」若しくは「CC−CKR−3」)[エオタキシン、エオタキシン2、RANTES、MCP−2、MCP−3](Rollins et al., Blood, 90, 908−928(1997));CCR−4(又は「CKR−4」若しくは「CC−CKR−4」)[MIP−1α、RANTES、MCP−1](Rollins et al., Blood, 90, 908−928(1997));CCR−5(又は「CKR−5」若しくは「CC−CKR−5」)[MIP−1α、RANTES、MIP−1β](Sanson et al., Biochemistry, 35, 3362−3367(1996))及びダフィ式血液型抗原[RANTES、MCP−1](Chaudhun et al., J. Biol. Chem., 269, 7835−7838(1994))がある。β−ケモカインとしては、他のケモカインの中でも、エオタキシン、MIP(「マクロファージ炎症性タンパク質」)、MCP(「単球化学走化性タンパク質」)、RANTES(「regulation−upon−activation, normal T expressed and secreted」)などがある。
【0005】
CCR−1、CCR−2、CCR−2A、CCR−2B、CCR−3、CCR−4、CCR−5、CXCR−3、CXCR−4などのケモカイン受容体は、喘息、鼻炎及びアレルギー疾患を含めた炎症性及び免疫調節性障害及び疾患並びにリウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症などの自己免疫病の重要なメディエータとされてきた。CCR−5遺伝子中の32−塩基対欠失について同型接合的であるヒトは、リウマチ様関節炎に罹患しにくいと考えられる(Gomez, et al., Arthritis & Rheumatism, 42, 989−992(1999))。アレルギー性炎症における好酸球の役割についての総説は、Kita, H., et al., J. Exp. Med. 183, 2421−2426(1996)にある。アレルギー性炎症におけるケモカインの役割についての一般的総説は、Lustger, A.D., New England J. Med., 338(7), 426−445(1998)にある。
【0006】
ケモカインのサブセットは、単球及びマクロファージに対する強力な化学誘引物質である。これらのうち最も特性が明らかなのはMCP−1(単球化学走化性タンパク質−1)であり、その主な受容体はCCR2である。MCP−1は、げっ歯類及びヒトを含めてさまざまな種における炎症性刺激に応答してさまざまな細胞タイプにおいて産生され、単球、及びリンパ球のサブセットにおいて化学走性を刺激する。特に、MCP−1産生は、炎症部位における単球及びマクロファージの浸潤と相関がある。マウスにおける相同組換えによるMCP−1又はCCR2が欠失すると、チオグリコール酸注射及びリステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)感染に応答した単球の動員が著しく減少する(Lu et al., J. Exp. Med., 187, 601−608(1998);Kurihara et al. J. Exp. Med., 186, 1757−1762(1997);Boring et al. J. Clin. Invest., 100, 2552−2561(1997);Kuziel et al. Proc. Natl. Acad. Sci., 94, 12053−12058(1997))。また、これらの動物では、住血吸虫抗原又はマイコバクテリア抗原の注射によって誘発される肉芽腫病変部への単球の浸潤が減少する(Boring et al. J. Clin. Invest., 100, 2552−2561(1997);Warmington et al. Am J. Path., 154, 1407−1416(1999))。これらのデータによれば、MCP−1によって誘導されるCCR2活性化は、炎症部位への単球動員に主要な役割を果たし、この活性の拮抗作用によって、免疫応答が十分抑制され、免疫炎症性疾患及び自己免疫疾患において治療上の利点が得られる。
【0007】
したがって、CCR−2受容体などのケモカイン受容体を調節する薬剤は、かかる障害及び疾患において有用なはずである。
【0008】
また、血管壁中の炎症性病変部への単球の動員は、アテローム生成的なプラーク形成の主原因である。MCP−1は、高コレステロール血症における血管壁への傷害後に内皮細胞及び内膜平滑筋細胞によって産生され分泌される。放出されたMCP−1に応答して傷害部位に動員された単球は血管壁に浸潤し、泡沫細胞へと分化する。いくつかのグループが、高脂肪食で飼育されたAPO−E −/−、LDL−R −/−又はApo Bトランスジェニックマウスと戻し交配されたMCP−1 −/−又はCCR2 −/−マウスにおいて、大動脈病変サイズ、マクロファージ含量及び壊死が減少することを示した(Boring et al. Nature, 394, 894−897(1998);Gosling et al. J. Clin. Invest., 103, 773−778(1999))。したがって、CCR2拮抗物質は、動脈壁における単球動員及び分化を抑制することによって、アテローム硬化型病変形成及び病態の進行を阻害するかもしれない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、さらに、式I及び式IIの化合物を対象とする。
【0010】
【化8】

【0011】
(式中、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R15、R16、R17、R18、R19、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R33、R34、R35、R36、R37、R38、A、j、k、m、n、X、Y及びZは本明細書に定義されたとおりである。)。これらは、ケモカイン受容体活性の調節物質であり、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、結膜炎及び喘息を含めたある種の炎症性及び免疫調節性障害及び疾患、アレルギー疾患、アトピー性症状並びにリウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症などの自己免疫病の予防又は治療に有用である。本発明は、これらの化合物を含む薬剤組成物並びにケモカイン受容体が関与するかかる疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用も対象とする。
【0012】
本発明は、式I及び式IIの化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマーを対象とする。
【0013】
【化9】

【0014】
式中、
Aは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−N(SO14)−及び−N(COR13)−から選択され、
Xは、O、N、S、SO及びCから選択され、
Yは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−C(R21)(R22)−、−N(SO14)−、−N(COR13)−、−C(R21)(COR11)−、−C(R21)(OCOR14)−及び−CO−から選択され、
ZはC又はNであって、3個以下のZはNであり、
は、水素、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−S−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、−(C0−6アルキル)−(C3−7シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、−CN、−NR1212、−NR12COR13、−NR12SO14、−COR11、−CONR1212、−NR12CONR1212、−O−CO−C1−6アルキル、−O−CO−C1−6アルキル、ヒドロキシ、複素環及びフェニルから選択され、
前記アルキル及びシクロアルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、−CONR1212、−NR12CONR1212、−COR11、−SO14、−NR12COR13、−NR12SO14、−複素環、=O、−CN、フェニル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル及び−O−COR13から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
前記フェニル及び複素環は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルコキシ、NHCOH及びNHCO(C1−3アルキル)から独立に選択される1から3個の置換基で置換され、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、非置換若しくは1から6個のフルオロ及びヒドロキシルから選択される1個以上の置換基で置換されたC1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−CO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−ピリジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、−C4−6シクロアルキル、−O−C4−6シクロアルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換されたフェニル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−O−フェニル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−C3−6シクロアルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C3−6シクロアルキル、−複素環、−CN並びに−COR11から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、XがC若しくはNであるときには、水素、(C0−6アルキル)−フェニル、(C0−6アルキル)−複素環、(C0−6アルキル)−C3−7シクロアルキル、(C0−6アルキル)−COR11、(C0−6アルキル)−(アルケン)−COR11、(C0−6アルキル)−SOH、(C0−6アルキル)−W−C0−4アルキル、(C0−6アルキル)−CONR12−フェニル及び(C0−6アルキル)−CONR23−V−COR11から選択され、又はXがO、S若しくはSOであるときにはRは存在せず、
Wは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−、CONR12−及び−NR12−から選択され、
Vは、C1−6アルキル及びフェニルから選択され、
前記C0−6アルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−C0−6アルキル、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及び−C0−2アルキル−フェニルから独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
前記フェニル、複素環、シクロアルキル又はC0−4アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換され、又は前記フェニル若しくは前記複素環は第2の複素環と縮合しており、前記第2の複素環は、非置換であるか、若しくはヒドロキシ、ハロ、−COR11及び−C1−3アルキルから独立に選択される1から2個の置換基で置換されており、
前記アルケンは、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、C1−3アルキル、フェニル及び複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、XがCであるときには、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CONR1212及び−CNから選択され、又はXがO、S、SO若しくはNであるとき又はR及びR10が結合した各炭素を二重結合が連結するときにはRは存在せず、
又は、RとRは結合して1H−インデン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾチオフラン、6H−シクロペンタ[d]イソキサゾル−3−オル、シクロペンタン及びシクロヘキサンから選択される環を形成し、前記環は、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
及びR10は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、=O(R又はR10が二重結合によって環に連結されているとき)及びハロから独立に選択され、
又は、RとR若しくはRとR10は結合してフェニル若しくは複素環である環を形成し、前記環は、非置換であるか、若しくはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CN、−NR1212及び−CONR1212から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
11は、ヒドロキシ、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
12は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、同じ若しくは隣接原子上に一緒に存在する別個のR12基は、環を形成するC1−7アルキルであり、前記C1−7アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
13は、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
14は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル、及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
15は、水素及びC1−6アルキルから選択され、非置換若しくはハロ、ヒドロキシ、−COH、−CO1−6アルキル及び−O−C1−3アルキルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
16は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、フルオロ、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、C3−6シクロアルキル、−O−C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、−COR11並びに−OCOR13から選択され、
又は、R15とR16は結合して5から7員環を形成し、R15とR16はともにC2−4アルキル若しくはC0−2アルキル−O−C1−3アルキルであり、
17は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、COR11、ヒドロキシ並びに非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから選択され、又はR28が二重結合を介して環炭素に結合したOであるときにはR17は存在せず、
又は、R16とR17は結合して3から6員環を形成し、ここに、R16とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
又は、R24とR17は結合して3から6員環を形成し、ここに、R24とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
18は、水素、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、フルオロ、−O−C3−6シクロアルキル及び非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキルから選択され、
又は、R16とR18は結合して5から6員環を形成し、ここに、R16とR18はともにC2−3アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から8員環を形成し、R16とR18はともにC1−2アルキル−O−C1−2アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から7員環を形成し、R16とR18はともに−O−C1−2アルキル−O−であり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
19は、水素、フェニル並びに非置換若しくは−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
又は、RとR19は結合して複素環を形成し、ここに、RとR19は−CH(CR31311−1−、−CH−NR32−、−NR20−CR3131−、−CHO−、−CHSO−、−CHSO−、−CHS−及び−CR3131−から選択され(リンカーの左側は、R19においてアミド窒素に結合している)、
20は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル、C3−6シクロアルキルから選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換とすることができ、又は1から6個の置換基で置換することができ、該置換基はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択され、
21及びR22は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
23は水素若しくはC1−4アルキルであり、又はR23はC1−5アルキルを介してVの炭素の1個に結合して環を形成し、
24は、水素、COR11、ヒドロキシル、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
25及びR26は、=O(R25及び/又はR26は酸素であり、二重結合によって結合している)、水素、フェニル並びに非置換又は−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され、
27、R28、R29及びR30は、水素、COR11、ヒドロキシ、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから独立に選択され、
31は、水素、非置換若しくはフルオロ及びヒドロキシから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキル、COR13、SO14、SONR1212、ヒドロキシ、ハロ、−NR1212、−COR11、−CONR1212、−NR12COR13、−OCONR1212、−NR12CONR1212、−複素環、−CN、−NR12−SO−NR1212、−NR12−SO−R14、−SO−NR1212並びに=O(R31は二重結合によって環に結合し、その場合それ以外のR31はない。)から独立に選択され、
32は、水素、COR13、SO14、SONR1212並びに非置換又はフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキルから選択され、
33及びR34は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、又はそれらが結合している炭素が不飽和であるときにはR33及びR34は存在せず、
35及びR38は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、
36及びR37は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、ハロ及び水素から独立に選択され、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、R36とR37は結合して環を形成し、R36とR37はともに−C1−4アルキル−、−C0−2アルキル−O−C1−3アルキル−及び−C1−3アルキル−O−C0−2アルキル−から選択され、前記アルキルは、非置換であるか、又はオキシ(酸素は二重結合によって環に結合している。)、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、メチル若しくはトリフルオロメチルから選択される1から2個の置換基で置換されており、
j、k及びmは独立に0、1又は2であり、
nは1又は2であり、
破線は任意選択の単結合であり、したがって実線と一緒に使用される破線は単結合又は二重結合である。
【0015】
本発明は、式I及び式IIの化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマーも対象とする。
【0016】
【化10】

【0017】
式中、
Aは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−N(SO14)−及び−N(COR13)−から選択され、
Xは、O、N、S、SO及びCから選択され、
Yは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−C(R21)(R22)−、−N(SO14)−、−N(COR13)−、−C(R21)(COR11)−、−C(R21)(OCOR14)−及び−CO−から選択され、
ZはC又はNであって、3個以下のZはNである。
【0018】
は、水素、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−S−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、−(C0−6アルキル)−(C3−7シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、−CN、−NR1212、−NR12COR13、−NR12SO14、−COR11、−CONR1212、−NR12CONR1212、−O−CO−C1−6アルキル、−O−CO−C1−6アルキル、ヒドロキシ、複素環及びフェニルから選択され、
前記アルキル及びシクロアルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、−CONR1212、−NR12CONR1212、−COR11、−SO14、−NR12COR13、−NR12SO14、−複素環、=O、−CN、フェニル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル及び−O−COR13から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
前記フェニル及び複素環は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、非置換若しくは1から6個のフルオロ及びヒドロキシルから選択される1個以上の置換基で置換されたC1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−CO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−ピリジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、−C4−6シクロアルキル、−O−C4−6シクロアルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換されたフェニル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−O−フェニル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−C3−6シクロアルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C3−6シクロアルキル、−複素環、−CN並びに−COR11から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、XがC若しくはNであるときには、水素、(C0−6アルキル)−フェニル、(C0−6アルキル)−複素環、(C0−6アルキル)−C3−7シクロアルキル、(C0−6アルキル)−COR11、(C0−6アルキル)−(アルケン)−COR11、(C0−6アルキル)−SOH、(C0−6アルキル)−W−C0−4アルキル、(C0−6アルキル)−CONR12−フェニル及び(C0−6アルキル)−CONR23−V−COR11から選択され、又はXがO、S若しくはSOであるときにはRは存在せず、
Wは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−、CONR12−及び−NR12−から選択され、
Vは、C1−6アルキル及びフェニルから選択され、
前記C0−6アルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−C0−6アルキル、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及び−C0−2アルキル−フェニルから独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
前記フェニル、複素環、シクロアルキル又はC0−4アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換され、又は前記フェニル若しくは前記複素環は第2の複素環と縮合しており、前記第2の複素環は、非置換であるか、若しくはヒドロキシ、ハロ、−COR11及び−C1−3アルキルから独立に選択される1から2個の置換基で置換されており、
前記アルケンは、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、C1−3アルキル、フェニル及び複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、XがCであるときには、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CONR1212及び−CNから選択され、又はXがO、S、SO若しくはNであるとき又はR及びR10が結合した各炭素を二重結合が連結するときにはRは存在せず、
又は、RとRは結合して1H−インデン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾチオフラン、6H−シクロペンタ[d]イソキサゾル−3−オル、シクロペンタン及びシクロヘキサンから選択される環を形成し、前記環は、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
及びR10は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、=O(R又はR10が二重結合によって環に連結されているとき)及びハロから独立に選択され、
又は、RとR若しくはRとR10は結合してフェニル若しくは複素環である環を形成し、前記環は、非置換であるか、若しくはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CN、−NR1212及び−CONR1212から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
11は、ヒドロキシ、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
12は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、同じ若しくは隣接原子上に一緒に存在する別個のR12基は、環を形成するC1−7アルキルであり、前記C1−7アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
13は、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
14は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル、及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
15は、水素及びC1−6アルキルから選択され、非置換若しくはハロ、ヒドロキシ、−COH、−CO1−6アルキル及び−O−C1−3アルキルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
16は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、フルオロ、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、C3−6シクロアルキル、−O−C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、−COR11並びに−OCOR13から選択され、
又は、R15とR16は結合して5から7員環を形成し、ここに、R15とR16はともにC2−4アルキル若しくはC0−2アルキル−O−C1−3アルキルであり、
17は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、COR11、ヒドロキシ並びに非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから選択され、又はR28が二重結合を介して環炭素に結合したOであるときにはR17は存在せず、
又は、R16とR17は結合して3から6員環を形成し、ここに、R16とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
又は、R24とR17は結合して3から6員環を形成し、ここに、R24とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
18は、水素、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、フルオロ、−O−C3−6シクロアルキル及び非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキルから選択され、
又は、R16とR18は結合して5から6員環を形成し、ここに、R16とR18はともにC2−3アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から8員環を形成し、ここに、R16とR18はともにC1−2アルキル−O−C1−2アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から7員環を形成し、ここに、R16とR18はともに−O−C1−2アルキル−O−であり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
19は、水素、フェニル並びに非置換若しくは−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
又は、RとR19は結合して複素環を形成し、ここに、RとR19は−CH(CR31311−1−、−CH−NR32−、−NR20−CR3131−、−CHO−、−CHSO−、−CHSO−、−CHS−及び−CR3131−から選択され(リンカーの左側は、R19においてアミド窒素に結合している)、
20は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル、C3−6シクロアルキルから選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換とすることができ、又は1から6個の置換基で置換することができ、該置換基はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択され、
21及びR22は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
23は水素若しくはC1−4アルキルであり、又はR23はC1−5アルキルを介してVの炭素の1個に結合して環を形成し、
24は、水素、COR11、ヒドロキシル、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
25及びR26は、=O(R25及び/又はR26は酸素であり、二重結合によって結合している)、水素、フェニル並びに非置換又は−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され、
27、R28、R29及びR30は、水素、COR11、ヒドロキシ、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから独立に選択され、
31は、水素、非置換若しくはフルオロ及びヒドロキシから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキル、COR13、SO14、SONR1212、ヒドロキシ、ハロ、−NR1212、−COR11、−CONR1212、−NR12COR13、−OCONR1212、−NR12CONR1212、−複素環、−CN、−NR12−SO−NR1212、−NR12−SO−R14、−SO−NR1212並びに=O(R31は二重結合によって環に結合し、その場合それ以外のR31はない。)から独立に選択され、
32は、水素、COR13、SO14、SONR1212並びに非置換又はフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキルから選択され、
33及びR34は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、又はそれらが結合している炭素が不飽和であるときにはR33及びR34は存在せず、
35及びR38は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、
36及びR37は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、ハロ及び水素から独立に選択され、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、R36とR37は結合して環を形成し、ここに、R36とR37はともに−C1−4アルキル−、−C0−2アルキル−O−C1−3アルキル−及び−C1−3アルキル−O−C0−2アルキル−から選択され、前記アルキルは、非置換であるか、又はオキシ(酸素は二重結合によって環に結合している。)、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、メチル若しくはトリフルオロメチルから選択される1から2個の置換基で置換されており、
j、k及びmは独立に0、1又は2であり、
nは1又は2であり、
破線は任意選択の単結合であり、したがって実線と一緒に使用される破線は単結合又は二重結合である。
【0019】
本発明の化合物は式Iaの化合物も含む。
【0020】
【化11】

【0021】
式中、R、R、R、R、R15、R16、R18、R19、A、Y及びZは本明細書に記載されている。
【0022】
本発明のさらなる化合物は式IIaの化合物を含む。
【0023】
【化12】

【0024】
式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R19、A、X及びZは本明細書に記載されている。
【0025】
本発明のさらなる化合物は式Ibの化合物を含む。
【0026】
【化13】

【0027】
式中、R、R、R、R16及びZは本明細書に記載されている。
【0028】
本発明のある実施形態は、AがN又はOである化合物を含む。
【0029】
本発明の別の実施形態は、AがOである化合物を含む。
【0030】
本発明のある実施形態は、XがN、O又はCである化合物を含む。
【0031】
本発明のある別の実施形態は、XがCである化合物を含む。
【0032】
本発明のある実施形態は、YがO又はCである化合物を含む。
【0033】
本発明のある別の実施形態は、YがOである化合物を含む。
【0034】
本発明の実施形態は、ZがN又はCである化合物を含む。
【0035】
本発明の実施形態は、Rが、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C1−6アルキル、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−O−C1−6アルキル−、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−S−C1−6アルキル−、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から7個の置換基で置換された−(C3−5シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されたフェニル並びに非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、トリフルオロメチルから独立に選択される1から3個の置換基で置換された複素環から選択される、化合物を含む。
【0036】
本発明の実施形態は、Rが、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C1−6アルキル、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−O−C1−6アルキル−、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−S−C1−6アルキル−、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から7個の置換基で置換された−(C3−5シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されたフェニル並びに非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、トリフルオロメチル、NHCOH並びにNHCO(C1−3アルキル)から独立に選択される1から3個の置換基で置換された複素環から選択される、化合物も含む。
【0037】
本発明のさらなる実施形態は、Rが、C1−6アルキル、C1−6アルキル−ヒドロキシ及び1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキルから選択される、化合物を含む。
【0038】
本発明の別の実施形態は、RがHであり、又はR及びR19がともにC−アルキル鎖である、化合物を含む。
【0039】
本発明の別の実施形態は、ZがCであるときに、Rが、水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びフェニルから選択される、化合物を含む。
【0040】
本発明の実施形態は、ZがNであるときに、Rが(N−酸化物を形成する)Oから選択され、又は存在しない、化合物を含む。
【0041】
本発明の実施形態は、RがHである化合物も含む。
【0042】
本発明の別の実施形態は、Rが水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びフェニルから選択される化合物を含む。
【0043】
本発明のさらなる実施形態は、Rがトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びフェニルから選択される化合物を含む。
【0044】
本発明のある実施形態においては、Rは、フェニル、複素環、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキル、−COR11及び−CONH−V−COR11から選択され、VはC1−6アルキル又はフェニルであり、前記フェニル、複素環、C3−7シクロアルキル及びC1−6アルキルは、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CN、−複素環及び−CONR1212から独立に選択される1から5個の置換基で置換されている。
【0045】
本発明のある別の実施形態においては、Rは、フェニル、複素環、C1−4アルキル、−COR11及び−CONH−V−COR11から選択され、VはC1−6アルキル又はフェニルであり、前記フェニル、複素環及びC1−4アルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11及び−複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態においては、Rは、水素、−COR11、−CONHCH、フェニル及び複素環から選択される。
【0047】
本発明のある実施形態においては、XがCであるときに、Rは、水素、ヒドロキシ、−CN及びフルオロから選択される。
【0048】
本発明のさらに別の実施形態においては、RとRは結合して1H−インデン及び2,3−ジヒドロ−1H−インデンから選択される環を形成し、前記環は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11及び−複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0049】
本発明のある実施形態においては、R及びR10は、水素、ヒドロキシ、−CH、−O−CH及び=O(R及び/又はR10は二重結合によって環に結合している。)から独立に選択される。
【0050】
本発明のある別の実施形態においては、R及びR10は水素である。
【0051】
本発明のある実施形態においては、R15はメチル又は水素である。
【0052】
本発明のある実施形態においては、R16は、水素、−O−C1−3アルキル、フルオロ、ヒドロキシル及び非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキルから選択される。
【0053】
本発明のさらなる実施形態においては、R16は、水素、トリフルオロメチル、メチル、メトキシ、エトキシ、エチル、フルオロ及びヒドロキシから選択される。
【0054】
本発明のある実施形態においては、R18は、水素、メチル及びメトキシから選択される。
【0055】
本発明の実施形態においては、R16及びR18はともに−CHCH−又は−CHCHCH−である(シクロペンチル環又はシクロヘキシル環を形成する。)。
【0056】
本発明のある実施形態においては、R26は=Oである(Oは二重結合によって結合している。
【0057】
本発明のある実施形態においては、R、R、R17、R18、R19、R25、R27、R28、R29、R30、R33、R34、R35、R36及びR38の1個以上は水素である。
【0058】
本発明のある実施形態においては、m=0又は1である。
【0059】
本発明のある実施形態においては、n=1又は2である。
【0060】
ジアステレオマー及び鏡像異性体又はそれらのクロマトグラフィー分離物の個々の合成は、当分野で知られているように、本明細書に開示される方法を適切に改変することによって実施することができる。それらの絶対立体配置は、絶対配置が知られている不斉中心を含む試薬を必要に応じて用いて誘導体化された結晶性生成物又は結晶性中間体のx線結晶学によって決定することができる。
【0061】
ジアステレオマー及び鏡像異性体又はそれらのクロマトグラフィー分離物の個々の合成は、当分野で知られているように、本明細書に開示される方法を適切に改変することによって実施することができる。それらの絶対立体配置は、絶対配置が知られている不斉中心を含む試薬を必要に応じて用いて誘導体化された結晶性生成物又は結晶性中間体のx線結晶学によって決定することができる。
【0062】
本明細書ではハロ、すなわちハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを含むことを当業者は理解されたい。
【0063】
本明細書では「アルキル」は、二重結合も三重結合も持たない線状、分枝及び環式炭素構造を意味するものとする。C1−8アルキルにおけるようにC1−8は、線状又は分枝状配列の1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素を有する基であると定義される。具体的には、C1−8アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられる。より広義には、Ca−bアルキル(a及びbは整数である。)は、線状又は分枝配列のaからbの炭素を含む基であると定義される。CアルキルにおけるようにCは、直接の共有結合が存在すると定義される。「シクロアルキル」は、その一部又は全部が3原子以上の環を形成するアルキルである。
【0064】
本明細書では「複素環」という用語は、以下の基、すなわち、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフタピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンズオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロチエニル並びにこれらのN−酸化物を含むものとする。
【0065】
「環」という用語は、本明細書では、独立した環、縮合環、及び既存の環上に形成された架橋構造を含めて、任意のタイプの環式構造の形成又は存在を表すのに使用される。環は非芳香族でも芳香族でもよい。さらに、環構造の存在又は形成は、本明細書では、「R16とR18はともにC1−2アルキル−O−C1−2アルキルである」のように複数の置換基が「ともに」定義される場合に明らかになることがある。この場合、環は、「環」という用語が使用されていてもいなくても、必然的に形成される。
【0066】
「薬剤として許容される」という句は、本明細書では、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー性応答又は他の問題若しくは合併症がなく、妥当な利点/リスク比でヒト及び動物の組織と接触して使用するのに、健全な医学的判断の範囲内で適切である化合物、材料、組成物及び/又は剤形を意味するものとする。
【0067】
本明細書では「薬剤として許容される塩」とは、親化合物が、その酸塩又は塩基塩を生成することによって改変された誘導体を指す。薬剤として許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などが挙げられるが、これらだけに限定されない。薬剤として許容される塩としては、例えば、無毒の無機酸又は有機酸から形成された親化合物の従来の無毒の塩又は四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、かかる従来の無毒の塩としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された塩及び酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製される塩が挙げられる。
【0068】
本発明の薬剤として許容される塩は、塩基性又は酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法によって調製することができる。一般に、かかる塩は、遊離酸又は塩基の形のこれらの化合物を、適切な塩基又は酸の水溶液又は有機溶液又は2つの混合溶液の化学量論的量と反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリルなどの非水系媒体が使用される。適切な塩は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985, p.1418にある。
【0069】
本発明内の具体的化合物としては、実施例で開示される化合物、薬剤として許容されるそれらの塩及びそれらの個々のジアステレオマーからなる群から選択される化合物などが挙げられる。
【0070】
本化合物は、本化合物の有効量を投与することを含む、かかる調節を必要とする患者においてケモカイン受容体活性を調節する方法に有用である。
【0071】
本発明は、ケモカイン受容体活性の調節物質としての上述の化合物の使用を対象とする。特に、これらの化合物は、ケモカイン受容体、特にCCR−2の調節物質として有用である。
【0072】
ケモカイン受容体活性の調節物質としての本発明の化合物の有用性は、Van Riper, et al., J. Exp. Med., 177, 851−856(1993)によって開示された、CCR−2結合の測定に容易に適合させることができるケモカイン結合に対するアッセイなどの当分野で公知の方法によって示すことができる。
【0073】
CCR−2結合アッセイにおける受容体親和性は、単球、THP−1細胞を含めたさまざまな細胞タイプ上の内在性CCR−2受容体に対する125I−MCP−1の阻害を測定することによって、又は真核細胞における受容体クローンの異種発現後に求められた。これらの細胞を、結合緩衝剤(50mM HEPES、pH7.2、5mM MgCl、1mM CaCl及び0.50%BSA)中で試験化合物又はDMSO及び125I−MCP−1とともに懸濁し、かつ試験化合物又はDMSO及び125I−MCP−1に室温で1時間添加して結合させた。次いで、これらの細胞をGFBフィルター上に回収し、500mM NaClを含む25mM HEPES緩衝剤で洗浄し、細胞に結合した125I−MCP−1を定量した。
【0074】
化学走性アッセイにおいては、化学走性は、静脈の全血液又は白血球除去血液から単離され、フィコール−ハイパック遠心分離によって精製され、続いてノイラミニダーゼで処理されたヒツジ赤血球でロゼット形成させたT細胞枯渇PBMCを用いて実施された。単離後、細胞を、0.1mg/ml BSAを含むHBSSで洗浄し、1×10細胞/mlで懸濁させた。細胞は、暗所で2□M Calcien−AM(Molecular Probes)を用いて37℃で30分間蛍光標識された。標識された細胞を2回洗浄し、RPMI 1640中に0.1mg/ml BSAを含むL−グルタミン(フェノールレッドなし。)とともに5×10細胞/mlで懸濁した。同じ培地で10ng/mlに希釈したMCP−1(Peprotech)、又は培地のみを底部のウェル(27□l)に添加した。DMSO又はさまざまな濃度の試験化合物と一緒に15分間プレインキュベーションした後に、単球(150,000細胞)をフィルター上面に添加した(30□l)。拡散による希釈を防止するために、等濃度の試験化合物又はDMSOを底部のウェルに添加した。37℃、5%COで60分間インキュベーション後、フィルターを取り出し、0.1mg/ml BSAを含むHBSSで上面を洗浄して、フィルター中に移動しなかった細胞を除去した。化学誘引物質の非存在下で自然遊走(ケモキネシス)を求めた。
【0075】
特に、以下の実施例の化合物は、上記アッセイにおいてCCR−2受容体に対する結合活性を有し、一般にIC50は約1□M未満であった。かかる結果は、ケモカイン受容体活性の調節物質として使用される本化合物の固有の活性を示している。
【0076】
哺乳動物のケモカイン受容体は、ヒトなどの哺乳動物における好酸球及び/又はリンパ球機能を妨害又は促進する標的となる。ケモカイン受容体機能を阻害又は促進する化合物は、治療目的で好酸球及び/又はリンパ球機能を調節するのに特に有用である。したがって、ケモカイン受容体機能を阻害又は促進する化合物は、アレルギー性鼻炎、皮膚炎、結膜炎及び喘息を含めた多種多様の炎症性及び免疫調節性障害及び疾患、アレルギー疾患、アトピー性症状並びにリウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症などの自己免疫病の治療、予防、改善、管理及び/又はそれらのリスク軽減に有用である。
【0077】
例えば、哺乳動物のケモカイン受容体(例えば、ヒトケモカイン受容体)の1つ以上の機能を阻害する本化合物を投与して、炎症を阻害(すなわち、軽減又は防止)することができる。その結果、白血球遊出、化学走性、(例えば、酵素、ヒスタミンの)エキソサイトーシス、炎症性メディエータ放出などの1つ以上の炎症性プロセスが阻害される。
【0078】
ヒトなどの霊長類に加えて、さまざまな他の哺乳動物を本発明の方法によって治療することができる。例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット又は他のウシ科、ヒツジ科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、げっ歯類若しくはネズミ種を含めて、ただしこれらだけに限定されない哺乳動物を治療することができる。しかし、本方法は、鳥類(例えば、ヒヨコ)などの他の種においても実施することができる。
【0079】
本発明の化合物を用いて、炎症及び感染に伴う疾患及び症状を治療することができる。ある実施形態においては、疾患又は症状は、炎症反応を調節するためにリンパ球の作用を阻害又は促進すべきものである。
【0080】
ケモカイン受容体機能の阻害剤によって治療することができるヒト又は他の種の疾患又は症状としては、喘息、特に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性間質性肺炎、好酸球性肺炎(例えば、レフレル症候群、慢性好酸球性肺炎)、遅延型過敏、間質性肺疾患(ILD)(例えば、突発性肺線維症、又はリウマチ様関節炎に付随するILD、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、全身性硬化症、シェーグレン症候群、多発性筋炎又は皮膚筋炎)などの呼吸器アレルギー疾患;全身アナフィラキシー又は過敏性応答、(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対する)薬物アレルギー、昆虫刺傷アレルギー;リウマチ様関節炎、乾せん性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、若年発症糖尿病などの自己免疫疾患;糸球体腎炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェット病;同種移植片拒絶又は移植片対宿主病を含めた(例えば、移植における)移植片拒絶;クローン病、潰よう性大腸炎などの炎症性腸疾患;脊椎関節症;強皮症;(T細胞媒介乾せんを含めた)乾せん、及び皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、じんま疹などの炎症性皮膚疾患;血管炎(例えば、壊死性血管炎、皮膚血管炎及び過敏性血管炎);好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎;皮膚又は器官の白血球浸潤を伴う癌などを含めた炎症性又はアレルギー疾患及び症状などが挙げられるが、これらだけに限定されない。再灌流傷害、アテローム性動脈硬化症、ある種の血液悪性腫瘍、サイトカイン誘導毒性(例えば、敗血症ショック、内毒素ショック)、多発性筋炎、皮膚筋炎を含めて、ただしこれらだけに限定されない望ましくない炎症反応を阻害すべき他の疾患又は症状を治療することができる。
【0081】
ケモカイン受容体機能の調節物質によって治療することができるヒト又は他の種の疾患又は症状としては、AIDS、他のウイルス感染症などの免疫不全症患者、免疫抑制を起こす放射線療法、化学療法、自己免疫疾患治療又は薬物治療(例えば、コルチコステロイド療法)を受ける個体などにおける免疫抑制;受容体機能の先天性欠損又は他の原因による免疫抑制及び線虫(回虫)、(べん虫症、ぎょう虫症、回虫症、鈎虫、糞線虫症、旋毛虫症、フィラリア症)、吸虫(trematode)(吸虫(fluke))(住血吸虫病、肝吸虫症)、条虫(サナダムシ)(エキノコックス症、無鉤条虫症、嚢虫症)、内臓の虫、臓器幼虫移行症(例えば、トキソカラ(Toxocara))、好酸球性胃腸炎(例えば、アニサキ(Anisaki)種、フォカネマ(Phocanema)種)、皮膚幼虫移行症(ブラジル鉤虫、イヌ鉤虫)などのぜん虫感染症を含めて、ただしこれらだけに限定されない寄生虫症などの感染症などがあるが、これらだけに限定されない。また、上記炎症性、アレルギー性及び自己免疫疾患の治療は、ケモカイン受容体内部移行の誘導によって、又は間違った細胞遊走をもたらすような化合物の送達によって、細胞上での受容体発現を消失させるのに十分な化合物の送達を企図する場合には、ケモカイン受容体機能のプロモーターとして企図することもできる。
【0082】
したがって、本発明の化合物は、多種多様な炎症性及び免疫調節性障害及び疾患、アレルギー性疾患、アトピー性疾患並びに自己免疫病の治療、予防、改善、管理及び/又はそれらのリスク軽減に有用である。特定の実施形態においては、本発明は、リウマチ様関節炎、乾せん性関節炎などの自己免疫疾患の治療、予防、改善、管理及び/又はそれらのリスク軽減のための本化合物の使用を対象とする。
【0083】
別の側面においては、本発明は、CCR−2を含めたケモカイン受容体の想定される特異的作用物質又は拮抗物質を評価するために使用することができる。したがって、本発明は、ケモカイン受容体の活性を調節する化合物の調製及びスクリーニングアッセイの実施におけるこれらの化合物の使用を対象とする。例えば、本発明の化合物は、より強力な化合物の優れたスクリーニングツールである受容体突然変異体を単離するのに有用である。また、本発明の化合物は、例えば競合阻害によって、ケモカイン受容体への他の化合物の結合部位を設け、又は決定するのに有用である。本発明の化合物は、CCR−2を含めたケモカイン受容体の想定される特異的調節物質の評価にも有用である。上記ケモカイン受容体の特異的作用物質及び拮抗物質の徹底した評価は、これらの受容体に対する結合親和性が高い非ペプチジル(代謝抵抗性)化合物が入手不能なために阻まれていることが当分野では知られている。したがって、本発明の化合物は、これらの目的で販売される市販品である。
【0084】
本発明は、さらに、本発明の化合物と薬剤担体又は希釈剤とを組み合わせることを含む、ヒト及び動物においてケモカイン受容体活性を調節する医薬品を製造する方法を対象とする。
【0085】
本発明は、さらに、レトロウイルス、特に、ヘルペスウイルス又はヒト免疫不全症ウイルス(HIV)による感染症の治療、予防、改善、管理又はリスク軽減並びにその結果として起きるAIDSなどの病的症状の治療及び発症遅延における本化合物の使用を対象とする。AIDSの治療又はHIV感染症の予防若しくは治療は、これらだけに限定されないが、HIV感染症の多種多様な状態、すなわち、AIDS、ARC(エイズ関連症候群)、症候性と無症候性の両方及びHIVへの実際的又は潜在的暴露の治療を含むと定義される。例えば、本発明の化合物は、例えば、輸血、器官移植、体液交換、かみ傷(bites)、偶発的針刺し又は手術中の患者血液への暴露などによって過去にHIVに暴露された恐れがあるHIV感染症の治療に有用である。
【0086】
本発明のさらなる一側面においては、本化合物は、ケモカイン受容体へのケモカインの結合を阻害するのに有効な量の化合物と標的細胞を接触させることを含む、標的細胞のCCR−2などのケモカイン受容体にケモカインが結合するのを阻害する方法に使用することができる。
【0087】
上記方法において治療を受ける対象は、ケモカイン受容体活性を調節することが望ましい、例えばヒトなどのオス又はメスの哺乳動物である。本明細書において使用される「調節」とは、拮抗作用、作用(agonism)、部分的拮抗作用、逆作用及び/又は部分的作用(partial agonism)を包含するものとする。本発明の一側面においては、調節とはケモカイン受容体活性の拮抗作用を指す。
【0088】
「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって求められる、組織、系、動物又はヒトの生物学的若しくは医学的応答を誘発する本化合物の量を意味する。
【0089】
本明細書では「組成物」という用語は、指定成分を指定量で含む生成物及び各指定成分を指定量で組み合わせて直接的又は間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。「薬剤として許容される」とは、担体、希釈剤又は賦形剤が、製剤の他の成分と適合性があり、かつそのレシピエントに無害でなければならないことを意味する。
【0090】
化合物の「投与」及び化合物を「投与すること」という用語は、治療を必要とする個体に本発明の化合物を与えることを意味すると理解すべきである。
【0091】
本明細書では「治療」という用語は、上記症状の治療と予防又は予防的治療の両方を指す。
【0092】
ケモカイン受容体活性を調節し、それによって喘息及びアレルギー疾患を含めた炎症性及び免疫調節性障害及び疾患、リウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症などの自己免疫病並びに上記病態を治療し、予防し、改善し、管理し、又はそれらのリスクを軽減する併用療法は、本発明の化合物とかかる有用性が知られている他の化合物との組合せによって例証される。
【0093】
例えば、炎症の治療、予防、改善、管理又はリスク軽減においては、本化合物は、オピエート作用物質などの抗炎症剤又は鎮痛剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤などのリポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤、インターロイキン−1阻害剤などのインターロイキン阻害剤、NMDA拮抗物質、一酸化窒素阻害剤又は一酸化窒素合成阻害剤、非ステロイド抗炎症剤又はサイトカイン抑制抗炎症剤、例えば、アセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、エンブレル、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルフィン、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛薬、スフェンタニル、スリンダク、テニダップなどの化合物と併用することができる。同様に、本化合物は、鎮痛剤;カフェイン、H2−拮抗物質、シメチコン、アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの増強剤;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、レボ−デゾキシエフェドリンなどのうっ血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、デキストロメトルファンなどの鎮咳薬;利尿薬及び鎮静性又は非鎮静性抗ヒスタミン薬と一緒に投与することができる。
【0094】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患又は症状の治療/予防/抑制又は改善に使用される他の薬物と併用することができる。かかる他の薬物は、本発明の化合物と同時に又は連続して、そのために一般に使用される経路及び量で投与することができる。本発明の化合物を1種類以上の他の薬物と同時に使用するときには、本発明の化合物に加えてかかる他の薬物を含む薬剤組成物を使用することができる。したがって、本発明の薬剤組成物は、本発明の化合物に加えて1種類以上の他の活性成分も含む薬剤組成物を含む。
【0095】
個別に投与しても、又は同じ薬剤組成物として投与しても、本発明の化合物と組み合わせることができる他の活性成分の例としては、(a)米国特許第5,510,332号、国際公開第95/15973号、同第96/01644号、同第96/06108号、同第96/20216号、同第96/22966号、同第96/31206号、同第96/40781号、同第97/03094号、同第97/02289号、同第98/42656号、同第98/53814号、同第98/53817号、同第98/53818号、同第98/54207号及び同第98/58902号に記載されたものなどのVLA−4拮抗物質、(b)ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾンなどのステロイド、(c)シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、他のFK−506タイプ免疫抑制薬などの免疫抑制薬、(d)ブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、デキスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジンなどの抗ヒスタミン薬(H1−ヒスタミン拮抗物質)、(e)β2−作用物質(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール及びピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエン拮抗物質(ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジロートン、BAY−1005)などの非ステロイド性抗喘息薬、(f)プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナック、イソキセパク、オクスピナク(oxpinac)、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン及びゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサル及びフルフェニサール)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカム)、サリシレート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)及びピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)などの非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、(g)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、(h)ホスホジエステラーゼタイプIV(PDE−IV)阻害剤、(i)ケモカイン受容体、特にCCR−1、CCR−2、CCR−3、CXCR−3及びCCR−5の他の拮抗物質、(j)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン及びプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン及び他のスタチン類)、金属イオン封鎖剤(コレスチラミン及びコレスチポール)、コレステロール吸収阻害剤(エゼチマイブ)、ニコチン酸、フェノフィブリック酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベンザフィブラート)、プロブコールなどのコレステロール降下剤、(k)インスリン、スルホニル尿素、ビグアナイド(メトホルミン)、α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース)及びグリタゾン(トログリタゾン及びピオグリタゾン)などの抗糖尿病薬、(l)インターフェロンベータ製剤(インターフェロンベータ−1α、インターフェロンベータ−1β、(m)5−アミノサリチル酸及びそのプロドラッグ、アザチオプリン、6−メルカプトプリンなどの代謝拮抗剤、細胞障害性癌化学療法剤などの他の化合物などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0096】
本発明の化合物と第2の活性成分との重量比は変動し得るものであり、各成分の有効量によって決まる。一般には、各々の有効量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物をNSAIDと組み合わせるときには、本発明の化合物とNSAIDの重量比は、一般に、約1000:1から約1:1000又は約200:1から約1:200である。本発明の化合物と他の活性成分の組合せは一般に上記範囲内にあるが、各場合において各活性成分の有効量を使用すべきである。
【0097】
かかる組合せにおいては、本発明の化合物と他の活性薬剤は別々に又は一緒に投与することができる。また、1個の要素の投与は、他の薬剤の投与前、投与と同時、投与後とすることができる。
【0098】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射若しくは注入、皮下注射又は移植片)、吸入噴霧、経鼻、経膣、経直腸、舌下又は局所的投与経路で投与することができ、各投与経路に適切な、薬剤として許容される従来の無毒の担体、アジュバント及びビヒクルを含む適切な単位用量製剤中に単独で又は一緒に処方することができる。本発明の化合物は、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどの温血動物の治療に加えてヒトにおける使用に有効である。
【0099】
本発明の化合物を投与するための薬剤組成物は、好都合には単位用量の形とすることができ、薬学分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。すべての方法は、1種類以上の副成分を構成する担体と活性成分を会合させる段階を含む。一般に、これらの薬剤組成物は、液体担体又は細かく分割された固体担体又はその両方と活性成分を均一かつ十分に会合させ、次いで、必要に応じて、その生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。薬剤組成物においては、活性な目的化合物は、疾患プロセス又は状態に所望の効果をもたらすのに十分な量で含まれる。本明細書では「組成物」という用語は、指定成分を指定量で含む生成物及び各指定成分を指定量で組み合わせて直接的又は間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0100】
活性成分を含む薬剤組成物は、経口用途、例えば、錠剤、トローチ剤、舐剤、水性若しくは油性懸濁液剤、分散性散剤若しくは顆粒剤、乳剤、硬若しくは軟カプセル剤又はシロップ剤若しくはエリキシル剤に適切な剤形とすることができる。経口用組成物は薬剤組成物製造分野で公知の任意の方法によって調製することができ、かかる組成物は、薬剤的に優れた口当たりの良い製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1種類以上の薬剤を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適切である、薬剤として許容される無毒の賦形剤と混合された活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアラビアゴム及び潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクとすることができる。錠剤は被覆されていなくてもよく、又は消化管内での崩壊及び吸収を遅らせ、それによって長時間の持続作用をもたらす公知の技術によって被覆することもできる。例えば、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリンなどの遅延材料を使用することができる。これらは、米国特許第4,256,108号、同4,166,452号及び同4,265,874号に記載の技術によって被覆して、放出を制御する浸透圧治療錠剤(osmotic therapeutic tablet)を形成することもできる。
【0101】
経口製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル剤又は活性成分が水若しくは油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤とすることができる。
【0102】
水性懸濁液剤は、水性懸濁液剤の製造に適切な賦形剤と混合された活性材料を含む。かかる賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然リン脂質、例えばレシチン、又はアルキレンオキサイドと脂肪酸の縮合物、例えばポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物、例えばヘプタデカエチレン−オキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートなどの脂肪酸とヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、又は脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレアートとすることができる。水性懸濁液剤は、1種類以上の防腐剤、例えば、エチル又はn−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸、1種類以上の着色剤、1種類以上の香味剤及びスクロース、サッカリンなどの1種類以上の甘味剤を含むこともできる。
【0103】
油性懸濁液剤は、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油又は流動パラフィンなどの鉱物油中に活性成分を懸濁させることによって調剤することができる。油性懸濁液剤は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコールを含むことができる。上述したものなどの甘味剤、及び香味剤は、口当たりの良い経口製剤を提供するために添加することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することによって保存することができる。
【0104】
水を添加することによって水性懸濁液剤を調製するのに適切な分散性散剤及び顆粒剤によって、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種類以上の防腐剤と混合された活性成分が提供される。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は上述のものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤及び着色剤が存在してもよい。
【0105】
本発明の薬剤組成物は水中油型乳剤の形とすることもできる。油層は、植物油、例えばオリーブ油若しくは落花生油、鉱物油、例えば流動パラフィン又はこれらの混合物とすることができる。適切な乳化剤は、天然ゴム、例えばアラビアゴム又はトラガカントゴム、天然リン脂質、例えばダイズ、レシチン、及び脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導されるエステル又は部分エステル、例えばソルビタンモノオレアート、及び前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートとすることができる。乳剤は甘味剤及び香味剤を含むこともできる。
【0106】
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースと一緒に処方することができる。かかる製剤は、粘滑薬、防腐剤、香味剤及び着色剤を含むこともできる。
【0107】
薬剤組成物は、無菌注射用水性又は油脂性懸濁液剤の形とすることができる。この懸濁液剤は、上述の適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて公知の技術によって処方することができる。無菌注射用製剤は、非経口的に許容される無毒の希釈剤又は溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液の無菌注射液又は懸濁液とすることもできる。使用可能な許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。また、従来、無菌不揮発性油が溶媒又は分散媒体として使用されている。このため、合成モノ又はジグリセリドを含めてあらゆる無刺激性不揮発性油を使用することができる。また、オレイン酸などの脂肪酸も注射用製剤に使用される。
【0108】
本発明の化合物は、薬物を直腸投与するための坐剤の形で投与することもできる。常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって、これらの組成物を調製することができる。かかる材料はカカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0109】
局所に使用する場合は、本発明の化合物を含むクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤、懸濁液剤などが使用される。(本願では局所適用は洗口及びうがいを含むものとする。)。
【0110】
本発明の薬剤組成物及び方法は、さらに、上述の病的症状の治療に通常適用される、本明細書に記載の他の治療上活性な化合物を含むことができる。
【0111】
ケモカイン受容体の調節を必要とする症状の治療、予防、改善、管理又はリスク低減においては、適切な投与量レベルは、一般に、約0.01から500mg/kg患者体重/日であり、これを単回又は複数回投与することができる。ある実施形態においては、投与量レベルは、約0.1から約250mg/kg/日又は約0.5から約100mg/kg/日である。適切な投与量レベルは、約0.01から250mg/kg/日、約0.05から100mg/kg/日又は約0.1から50mg/kg/日とすることができる。この範囲内で投与量を0.05から0.5、0.5から5又は5から50mg/kg/日とすることができる。経口投与の場合には、本組成物は、活性成分1.0から1000ミリグラム、又は活性成分2.0から500、又は3.0から200、特に1、5、10、15、20、25、30、50、75、100、125、150、175、200、250、300、400、500、600、750、800、900及び1000ミリグラムを含む錠剤の形で提供することができ、治療すべき患者の症候にあわせて投与量を調節することができる。本化合物は、1から4回/日又は1回若しくは2回/日の投与計画で投与することができる。
【0112】
しかし、任意の特定の患者に対する具体的用量レベル及び投与頻度は変わることがあり、使用される具体的化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用期間、年齢、体重、全般的健康状態、性別、食餌、投与形式及び時間、排出速度、薬物組合せ、特定の症状の重篤度並びに治療を受ける患者を含めてさまざまな要因に応じて決まることを理解されたい。
【0113】
本発明の化合物を調製するいくつかの方法を以下のスキーム及び実施例に示す。出発材料は、市販されているか、又は文献の公知手順によって、若しくは図示されたように製造することができる。本発明は、さらに、式(IV)、式(V)及び式(III)又は式(VI)、式(V)及び式(III)の化合物を構築する多数の異なる順序を含む、上記式I又は式IIの化合物の調製プロセスを提供する。
【0114】
【化14】

【0115】
式中、R、R、R、R、R、R8、R9、R10、R16、R18、R19、A、Y、Z及びXは式Iにおいて定義されたとおりであり、Pは水素又は保護基として働くメチル、エチル、t−ブチル、ベンジルなどのアルキル基である(Greene, T;Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY 1991)。
【0116】
化合物Iの式V、III及びIVの中間体並びに化合物IIの式V、VI及びIIの中間体を利用して目標化合物I及びIIを構築する一般的な方法の一つをスキーム1に示す。N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基及びDMAPなどの触媒の存在下のPyBropなどの標準アミド結合形成反応条件下で、酸VaとアミンIIIをカップリングさせると、中間体1−1が生成する。エキソオレフィンのオゾン分解によってケトアミド1−2が生成する。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのホウ化水素の存在下におけるアミンIVを用いた1−2の還元的アミノ化によって、式Iの化合物が生成する。R16又はR18が水素以外であるときには、ジアステレオマーの混合物(Eliel E.E., Wilen S.H., Stereochemistry of Organic Compounds, John Wiley & Sons, Inc., New York)が還元的アミノ化段階で生じることに注意されたい。これらは、分離の性質に応じて、順相、逆相又はキラルカラムを用いたクロマトグラフィーによって、それらの成分に分離することができる。化合物Iは、アルデヒドとの還元的アルキル化又は例えばハロゲン化アルキルを用いたアルキル化によって、さらに式Iの化合物にすることができる。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのホウ化水素の存在下におけるアミンVIを用いた1−2の還元的アミノ化によって、式IIの化合物が生成する。
【0117】
スキーム1
【0118】
【化15】

【0119】
化合物I及びを構築する別法をスキーム2に示す。N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基及びDMAPなどの触媒の存在下のPyBropなどの標準アミド結合形成反応条件下で、酸VbとアミンIIIをカップリングさせると、中間体1−2が生成する。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのホウ化水素の存在下におけるアミンIVを用いた1−2の還元的アミノ化によって、式Iaの化合物が生成する。化合物Iは、アルデヒドとの還元的アルキル化又は例えばハロゲン化アルキルを用いたアルキル化によって、さらに式Iの化合物にすることができる。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのホウ化水素の存在下におけるアミンVIを用いた2−1の還元的アミノ化によって、式Iaの化合物が生成する。
【0120】
スキーム2
【0121】
【化16】

【0122】
式Vの中間体及びそれらの酸誘導体(Va及びVb)は、スキーム3に示されたように合成することができる。(AがOH又はNHBocである)α−ヘテロエステル3−1は、DMFなどの溶媒中で水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペンを用いて2重アルキル化して、環状エステル3−2を生成することができる。(Pがエチル又はメチルの場合には)塩基性加水分解によるエステルの脱保護又は(Pがt−ブチルの場合には)酸性条件下でのエステルの脱保護によって、酸Vaが生成する。或いは、オレフィン3−2は、オゾン化し、硫化ジメチル、トリフェニルホスフィンなどの還元剤を用いて、ケトエステル3−3に還元することができる。次いで、エステル3−3は、脱保護して酸Vbを形成することができる。エステルの脱保護は、保護基に応じて、いくつかの方法によって実施することができる。Pがメチル又はエチルの場合には、脱保護は、塩基性加水分解によって実施することができる。Pがt−ブチルの場合には、脱保護は、酸性条件下で実施することができる。Pがベンジルの場合には、脱保護は、水素化分解によって実施することができる。
【0123】
スキーム3
【0124】
【化17】

【0125】
上述の反応スキームを実施する順序は、反応を促進し、又は望ましくない反応生成物を回避するために変わることがある。
【0126】
以下は、以下の実施例に使用される化合物、又は以下の実施例において使用される化合物を置換することができる市販されていなくてもよい化合物を調製するための代表的な手順である。
【0127】
中間体1
【0128】
【化18】

【0129】
マンデル酸メチル(10.0mmol、1.66g)、3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン(10.0mmol、1.25g)の0℃ DMF(30mL)溶液に水素化ナトリウム(油中60%、600mg)を添加した。反応物を室温に加温すると、わずかに発熱し、溶液が約40℃に加温されることが観察された。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を希薄HCl水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。溶液を脱水し、蒸発させ、次いでMPLC(20%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、所望の生成物820mg(38%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl) δ 7.54−7.30(m,5H)、5.06−5.02(m,1H)、4.95−4.93(m,1H)、4.57−4.54(m,2H)、3.71(s,3H)、3.49(d,J=16Hz,1H)、2.93(d,J=16Hz,1H)。
【0130】
中間体2
【0131】
【化19】

【0132】
中間体2は、実施例1、段階Fの生成物が中間体1で置換された以外は、実施例1、段階Eに記載の手順に従って合成された。
【0133】
中間体3
【0134】
【化20】

【0135】
中間体3は、乳酸メチル(R)がマンデル酸メチルの代わりに使用された以外は、中間体1の合成で説明された手順に従って合成された。
H−NMR(300MHz,CDCl) δ 5.00−4.97(m,1H)、4.93−4.90(m,1H)、4.47−4.45(m,2H)、3.74(s,3H)、2.98(d,J=16Hz,1H)、2.52(d,J=16Hz,1H)、1.51(s,3H)。
【0136】
中間体4
【0137】
【化21】

【0138】
中間体4は、N−Boc−Ala−OBnがマンデル酸メチルの代わりに使用された以外は、中間体1の合成で説明された手順に従って合成された。
【0139】
中間体5
【0140】
【化22】

【0141】
中間体5は、N−Boc−Gly−OBnがマンデル酸メチルの代わりに使用された以外は、中間体1の合成で説明された手順に従って合成された。
【0142】
中間体6
【0143】
【化23】

【0144】
段階A
【0145】
【化23】

【0146】
塩化チオニル(15.5mL)を−60℃のメタノール(30mL)に滴下した。生成した溶液は、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸(42mmol、5.0g)のメタノール(100mL)溶液に添加された。生成した反応混合物は、室温で終夜撹拌され、その後減圧濃縮されて所望の生成物4.5gを生成した。生成物はさらに精製せずに次の段階に直接使用された。
【0147】
段階B
【0148】
【化24】

【0149】
中間体6は、段階Aの生成物がマンデル酸メチルの代わりに使用された以外は、中間体1に記載の手順に従って合成された。
【0150】
中間体7
【0151】
【化25】

【0152】
段階A
【0153】
【化26】

【0154】
5−トリフルオロメチル−2−ピリジナル(51g、310mmol)及び酢酸ナトリウム(26.2g、319mmol)の氷酢酸(200mL)溶液に臭素(16.7mL、325mmol)を添加し、生成した混合物を80℃で2.5時間加熱した。反応物を室温に冷却し、次いで減圧濃縮した。残渣を飽和NaHCO溶液で中和し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。各有機層を混合し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧乾燥して粗生成物74.45g(98%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl) δ 8.04(d,J=2.6Hz,1H)、7.89(m,1H)。
【0155】
段階B
【0156】
【化27】

【0157】
窒素下で、中間体8、段階Aに記載の置換ピリジン(48.8g、202mmol)をNaH(8.9g、220mmol)の無水テトラヒドロフラン(500mL)懸濁液に少量添加した。中間体を添加終了後、反応混合物を−78℃に冷却し、シリンジによって滴下されたtert−ブチルリチウム(260mL、444mmol)で処理した。5分間撹拌後、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL、707mmol)を、温度を−50℃未満に維持するために徐々に添加した。次いで、生成した混合物を10時間撹拌し、室温に加温した。混合物を2N HClを用いてクエンチし、次いで酢酸エチル(1000mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、MGSO4を用いて脱水し、減圧乾燥させた。所望の生成物は、酢酸エチル及びヘキサンから沈殿した。これをろ過して、淡褐色固体(28.55g、74%)を得た。H NMR(500MHz,CDOD) δ 10.13(s,1H)、8.21(s,2H)。
【0158】
段階C
【0159】
【化28】

【0160】
中間体8、段階Bから得られた中間体(18g、95mmol)、ギ酸ナトリウム(7.1g、110mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.3g、110mmol)及びギ酸(150mL)の混合物を室温で2時間撹拌し、次いで終夜加熱還流させた。反応混合物を冷却し、室温で7日間静置した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(3×)。混合有機層を水(2×)、飽和NaHCO及び塩水で洗浄し、NaSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮して、褐色粉体の所望の生成物(17.84g、90%)を得た。H NMR(400MHz,CDOD) δ 8.37(d,J=2.7Hz,1H)、8.19(q,J=0.7Hz,0.3Hz,1H)。
【0161】
段階D
【0162】
【化29】

【0163】
オキシ塩化リン(13.4mL、144mmol)及びキノリン(8.7mL,73mmol)の混合物に中間体8、段階Cの生成物(24.6g、131mmol)を添加し、生成した混合物を3時間加熱還流させた。反応物を100℃に冷却した後、水(70mL)を徐々に添加した。混合物をさらに室温に冷却し、飽和NaHCO溶液で慎重に中和した。水層を酢酸エチルで抽出し(3×)、各有機層を混合し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧乾燥させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して所望の化合物(23.5g、87%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl) δ 8.88(d,J=2.0Hz,1H)、8.26(d,J=2.5Hz,1H)。
【0164】
段階E
【0165】
【化30】

【0166】
窒素下のNaH(7.8g、200mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)懸濁液に、マロン酸tert−ブチルメチル(20mL、120mmol)の無水テトラヒドロフラン(100mL)溶液をシリンジで滴下した。反応混合物を0.5時間撹拌した後、中間体8、段階Dで調製された中間体(20.1g、97.6mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液をシリンジで徐々に添加した。反応物を室温で終夜撹拌し、次いでNHCl飽和溶液でクエンチした。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(3×)。混合有機層を水で洗浄し(3×)、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィーによって、純粋な所望の生成物31.76g(95%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl) δ 9.03(d,J=1.5Hz,1H)、8.25(d,J=2.0Hz,1H)、5.25(s,1H)、3.86(s,3H)、1.52(s,9H)。
【0167】
段階F
【0168】
【化31】

【0169】
ラネーNi(1g)及び中間体8、段階Eの生成物(18.2g、52.9mmol)のエタノール(130mL)懸濁液をParr装置に入れ、H 40psi(300kPa)で終夜水素化した。懸濁液をセライトを通してろ過し、ろ液を減圧乾燥して粗生成物16.35g(98%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl) δ 8.83(s,1H)、7.89(s,1H)、7.82(s,1H)、4.83(d,J=16Hz,1H)、4.72(s,1H)、4.49(d,J=16Hz,1H)、1.45(s,9H)。
【0170】
段階G
【0171】
【化32】

【0172】
中間体8、段階Fの生成物(16g、51mmol)のジクロロメタン(60mL)混合物にTFA(30mL)を添加し、生成した混合物を室温で0.5時間撹拌した。溶液を減圧蒸発させ、残渣をジクロロメタンに溶解させた。混合物に飽和炭酸水素ナトリウム溶液を徐々に添加して中和し、有機層を除去した。水層をジクロロメタンで抽出し(4×)、混合有機層をNaSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧蒸発させて、所望の生成物10.42g(95%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.81(s,1H)、7.78(s,1H)、7.30(s,1H)、4.63(s,2H)、3.90(s,2H)。
【0173】
段階H
【0174】
【化33】

【0175】
中間体8、段階Gの生成物(18.0g、83.3mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に1.0Mボランのテトラヒドロフラン溶液(417mL、420mmol)を添加し、生成した溶液を室温で終夜撹拌した。溶液を減圧乾燥し、残渣を1%HCl/メタノール溶液で処理した。生成した混合物を50℃で終夜加熱してボラン錯体を分解した。酸性メタノールでの処理を2回繰り返して、ボラン錯体を確実に除去した。この粗生成物(100%転化として83.3mmol)とジイソプロピルエチルアミン(43mL、250mmol)のジクロロメタン溶液をジ−tert−ブチルジカーボネート(36.4g、167mmol)で処理し、生成した混合物を室温で終夜撹拌した。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及び塩水で洗浄した。各水層を混合し、ジクロロメタンで逆洗した(2×)。次いで、混合有機層をNaSOを用いて脱水し、ろ過し、蒸発乾固させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー及びMPLCによって精製して黄色固体(11.89g、47%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl) δ 8.69(s,1H)、7.66(s,1H)、4.67(s,2H)、3.79(t,J=6.0Hz,2H)、3.08(t,J=5.5Hz,2H)、1.51(s,9H)。
【0176】
段階I
【0177】
【化34】

【0178】
中間体8、段階Hに記載の生成物(11.89g)を4N HClのジオキサン溶液で処理した。溶液を室温で2時間撹拌し、次いで減圧乾燥させて、黄色粉体の中間体8(10.85g、99%)を得た。C10のLC−MS計算値202.07、実測値[M+H]203.0。
【0179】
中間体8
【0180】
【化35】

【0181】
中間体6(700mg、3.8mmol)を水酸化リチウム(1水和物、240mg、5.8mmol)のTHF(8mL)とメタノール(6mL)の溶液と混合した。反応混合物を85℃に終夜加熱した後、冷却し、濃縮して少量にした。エチルエステル及び水を添加し、水層を2N HClで酸性化した。次いで、生成物を酢酸エチルで抽出した(3×)。混合有機抽出物を塩水で洗浄し、脱水し、蒸発乾固して所望の生成物530mg(82%)を得た。
【0182】
中間体9
【0183】
【化36】

【0184】
中間体8(530mg、3.11mmol)を中間体7(855mg、3.11mmol)、PyBrop(1.52g、3.26mmol)及びトリエチルアミン(2.61mL、18.7mmol)のDCM(20mL)溶液と混合した。生成した反応混合物を室温で終夜撹拌後、ろ過した。ろ液を乾燥させ、生成物をMPLC(15%EA/ヘキサン)によって精製して、所望の生成物719mg(65%)を得た。LC−MS C18H21DF3N2O2:354.37 実測値355
【0185】
中間体10
【0186】
【化37】

【0187】
中間体6(719mg、2.03mmol)をピリジン(573μL)及びDCM(12mL)に溶解させた。生成した溶液を−78℃に冷却し、溶液を通してオゾンを15分間バブリングさせた後、オゾン化物を硫化メチル(3mL)でクエンチした。生成した混合物を室温で終夜静置した後、蒸発乾固させた。粗製物をMPLC(25%EA/ヘキサン)によって精製して所望の生成物445mgを得た。
【0188】
中間体11
【0189】
【化38】

【0190】
中間体11は、中間体13が中間体7の代わりに使用された以外は、中間体9の合成で記載された手順に従って合成された。
【0191】
中間体12
【0192】
【化39】

【0193】
中間体12は、中間体11が中間体9の代わりに使用された以外は、中間体10で記載された手順に従って合成された。
【0194】
中間体13
【0195】
【化40】

【0196】
段階A
【0197】
【化41】

【0198】
4−トリフルオロメチルフェニルアセトニトリル(40g、215mmol)の2N NH3/MeOH(400mL)溶液にラネーNi(約4.0g)を添加した。反応混合物をpar振とう機に置き、圧力50Lb(20kg)下で終夜振とうした。溶液をセライトでろ過し、減圧濃縮して所望のアミン(38g、95%)を得た。C9H10F3NのESI−MS計算値:189、実測値:190(M+H)。
【0199】
段階B
【0200】
【化42】

【0201】
上記アミン(中間体13、段階A)(38g、200mmol)及びDIEA(52mL、300mmol)をDCM(300mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却した後、TFAA(36mL,250mmol)を徐々に添加した。反応混合物を氷浴中でさらに10分間撹拌した後、室温に加温した。反応は30分で完了し、水に投入され、DCMで抽出された(2×)。有機層を1N HCl及び飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで脱水し、減圧濃縮して、所望のアミン(56g、98%)を得た。C11H9F6NOのESI−MS計算値:285、実測値:286(M+H)。
【0202】
段階C
【0203】
【化43】

【0204】
アミド(中間体13、段階B)(73g、256mmol)とパラホルムアルデヒド(11.5g、385mmol)の混合物に酢酸200mLを添加した。反応混合物は、濃硫酸(200mL)前に室温で5分間撹拌された。発熱反応が認められた。30分後、TLCによって転化が終了したことが確認された。混合物を室温に冷却した後、氷水(2000mL)上に注ぎ、EtOAc(3×500mL)で抽出した。混合有機層を水(2×)、飽和NaHCO及び塩水で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、濃縮し、減圧乾燥させた。淡黄色固体の所望のアミド(72.7g、96%)が得られた。1H NMR(400MHz,CDCl) δ 7.22(q,J=11.67Hz,8.46Hz,1H)、7.11(t,J=10.53Hz,1H)、7.03(d,J=11.67Hz,1H)、4.79(d,J=23.57Hz,2H)、3.91(t,J=6.18Hz,1H)、3.87(t,J=5.72Hz,1H)、2.97(m,2H)。C12H9F6NOのESI−MS計算値:297、実測値:298(M+H)。
【0205】
段階D
【0206】
【化44】

【0207】
アミド(中間体13、段階C)(50g、168mmol)をEtOH(200mL)に溶解させた後、固体KCO(50g、360mmol)及びHO(50mL)を添加した。反応混合物を15時間還流した後、減圧濃縮した。濃縮物をHO(100mL)で希釈し、DCMで抽出した(5×)。混合有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、濃縮し、FC(10%[NH4OH水溶液/MeOH 1/9]/DCM)によって精製して、アミン(30g、89%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl) δ 7.11(d,J=8.4Hz,1H)、7.01(bd,J=8.4Hz,1H)、6.89(s,1H)、4.03(s,2H)、3.15(t,J=6.1Hz,2H)、2.80(t,J=5.6Hz,2H)、1.80(s,1H)。C10H10F3NのESI−MS計算値:201、実測値:202(M+H)。
【0208】
中間体14
【0209】
【化45】

【0210】
段階A
【0211】
【化46】

【0212】
冷却(0℃)されたエタノールアミン(41.8g、0.685mol)の水(90mL)溶液に、純粋な(R)−プロピレンオキシド(4.97g、85.6mmol)を滴下した。0℃で1時間後、反応物を室温に昇温し、終夜撹拌した。反応混合物を約80℃で減圧濃縮して水及び大部分のエタノールアミンを除去して、いくらかの残留エタノールアミンを含む粗生成物11.79gを得た。この物質をさらに精製せずに段階Bに使用した。
【0213】
段階B
【0214】
【化47】

【0215】
段階Aで調製されたジオール(粗製物[純度約86%]11.8g、約83mmol)をDCM(150mL)に溶解させ、BocO(23.4g、107mmol)のDCM(75mL)溶液で15分間処理した。反応混合物を週末にわたって撹拌し、濃縮し、MPLCで精製し、5%MeOH/EtOAcで溶出させて生成物14.8g(81%)を得た。
【0216】
段階C
【0217】
【化48】

【0218】
段階Bで調製されたBoc保護ジオール(13.2g、60.3mmol)及びトリエチルアミン(21.0mL、15.3g、151mmol)の0℃ DCM(150mL)溶液に、塩化メタンスルホニル(9.56mL、14.1g、125mmol)を滴下した。次いで、反応混合物を1.5時間撹拌し、追加のDCM(100mL)で希釈し、3N HCl(250mL)で洗浄した。水層をDCM(200mL)で再度抽出し、各有機層を混合し、1N HCl(250mL)、飽和NaHCO溶液(250mL)及び塩水(250mL)で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、濃縮して粗製ビス−メシレート22.8gを得た。これをすぐに使用した。すぐに使用しないと、ビス−メシレートは分解した。
【0219】
段階D
【0220】
【化49】

【0221】
インデン(7.03mL、7.00g、60.3mmol)を、LHMDS(127mL、127mmol)の1.0M THF溶液に0℃で4分間滴下した。さらに30分間撹拌した後、この溶液は、上記段階Cに記載されたとおりに調製されたビス−メシレート(22.6g、60.3mmol)のTHF(75mL)溶液にカニューレを用いて0℃で移された。この混合物を2時間撹拌し、室温に加温し、終夜撹拌した。反応混合物をある程度濃縮し、次いで酢酸エチルと水に分配した。有機層を酢酸エチルで再度抽出し、各有機層を混合した。次いで、有機相を塩水で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、濃縮して粗生成物17.3gを得た。MPLCによって15%酢酸エチル/へキサンで溶出させて精製して、ピペリジン9.51g(53%)を(H NMRで測定して)トランスとシスの約3:1混合物として得た。混合物を熱いへキサンから結晶化させて、純粋なトランス異性体6g(33%)(H NMRで>20:1)を得た。
H NMR(CDCl,400MHz):7.29(dt,J=6.4,1.6Hz,1H)、7.20(m,3H)、6.83(d,J=6.0Hz,1H)、6.67(d,J=5.6Hz,1H)、4.20(br s,2H)、2.97(br t,J=3.2Hz,1H)、2.69(br t,J=2.4Hz,1H)、2.16(m,1H)、2.07(dt,J=4.4,13.2Hz,1H)、1.49(s,9H)、1.25(m,1H)、0.31(d,J=6.8Hz,3H)。
【0222】
段階E
【0223】
【化50】

【0224】
段階Dで調製されたBoc−ピペリジン(4.35g、14.5mmol)を無水4N HClのジオキサン溶液に溶解し、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮して生成物3.81gを得た。C14H17NのEI−MS計算値:199、実測値:200(M)
【0225】
(実施例1)
【0226】
【化51】

【0227】
段階A
【0228】
【化52】

【0229】
窒素雰囲気下で氷/水浴で0℃に冷却された、N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリンメチルエステル(5g、22.7mmol)と3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン(2.63mL、22.7mmol)の無水DMF(60mL)溶液に、NaH(1.1g、22.7mmol)を添加し、生成した混合物を15分間撹拌した。次いで、さらにNaH 1.1gを添加し、次いで反応物を終夜撹拌し、室温に加温した。反応は、その内容物を1N HCl溶液(100mL)に注ぐことによってクエンチされた。水層を酢酸エチル(250mL)で抽出し、次いで有機層を硫酸マグネシウムを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ、5%酢酸エチル/ヘキサンから20%酢酸エチル/ヘキサンの段階的勾配溶離剤を用いて精製して、無色油状の標記化合物を得た。(収率5.25g、85%)。H NMR(500MHz,CDCl):4.98−4.92(m,2H)、4.27(d,J=14.8Hz,1H)、4.02(br d,J=14.9Hz,1H)、3.68(s,3H)、2.82(br d,J=16.3Hz,1H)、2.80−2.72(m,1H)、2.67(dd,J=1.0,16.3Hz,1H)、1.45(s,9H)、1.08(d,J=6.6Hz,3H)、0.86(d,J=6.8Hz,3H)。
【0230】
段階B
【0231】
【化53】

【0232】
ドライアイス/アセトン浴で−78℃に冷却された、実施例1、段階Aの生成物(4.3g、15.18mmol)の無水DCM(200mL)溶液を、溶液が淡青色を維持するまで、オゾン中でバブリングさせた。次いで、窒素ガスをバブリングさせて、溶液を青色から退色させて透明にする過剰のオゾンを置換した。ドライアイス/アセトン浴を除去し、次いで硫化メチル(16.8mL、227.73mmol)を添加し、生成した溶液を、反応混合物が室温に加温されるまで撹拌した。これは、形成されたオゾン化物をケトンに還元するために行われた。混合物を減圧濃縮し、次いで硫化メチルの臭気が除去されるまでトルエンと共沸させた。さらに精製せず、その物質を次の反応にそのまま使用した。
【0233】
段階C
【0234】
【化54】

【0235】
実施例1、段階Bに記載の化合物(1.10g、3.68mmol)、4−フルオロフェニルピペリジンHCl塩(0.79g、3.68mmol)、モレキュラーシーブ(4Å、0.5g)及びDIEA(642μL、3.68mmol)の混合物のDCM(50mL)溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.90g、18.38mmol)を添加し、生成した混合物を室温で終夜撹拌した。反応物をDCMで希釈し、セライトを通してろ過し、減圧乾燥させた。残渣を分取TLC(6×1000ミクロン、溶離剤:0.5%NHOH水溶液:5%MeOH:94.5%DCM)によって精製して、黄色油状の標記化合物を得た。(収率 710mg、43%)。LC−MS:C2537FNの計算値448.27、実測値471.1(MNa)及び349(MH−Boc)
【0236】
段階D
【0237】
【化55】

【0238】
実施例1、段階Cの生成物(270mg、0.60mmol)のTHF:メタノール:水(1:1:1溶液、10mL)溶液に固体LiOH(73mg、3.00mmol)を添加し、生成した混合物を油浴で60℃に加熱し、終夜撹拌した。加熱を停止し、反応混合物を室温に冷却した。混合物のpHが中性(pH約7)になるまで2N HCl溶液を徐々に添加した。混合物を減圧濃縮し、次いで残渣を97%DCM:3%イソプロパノールに取った。次いで、溶液を硫酸ナトリウムを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮してオフホワイト泡状の標記化合物を得た。(収率:224mg、86%)。LC−MS:C2435FNの計算値434.27、実測値457.2(MNa)及び335.2(MH−Boc)
【0239】
段階E
【0240】
【化56】

【0241】
(実施例1、段階Dに記載された)酸(100mg、0.23mmol)、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン塩酸塩(64mg、0.23mmol)、DMAP(2mg、0.015mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(40μL、0.23mmol)の混合物のジクロロメタン(10mL)溶液を、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、88mg、0.46mmol)で処理し、室温で終夜撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×10mL)、塩水(1×15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、溶媒を蒸発させた。分取TLC、溶離剤:40%酢酸エチル/60%ヘキサンによって精製して、分離した2種類の単一異性体(より低極性の異性体1、25mg、18%;より高極性の異性体2、53mg、37%)を得た。異性体1と異性体2の両方でC3340のLC−MS計算値659.3、実測値660.2(MH)及び560.2(MH−Boc)である。H NMR(CDCl,500MHz)(異性体1) δ 9.22(t,J=5.5Hz,1H)、7.78(s,1H)、7.69(s,2H)、7.19(dd,J=5.5,8.5Hz,2H)、6.99(app t,J=8.5Hz,2H)、4.61(dd,J=6.4,15.8Hz,1H)、4.51(dd,J=6.4,15.8Hz,1H)、3.73(dd,J=7.3,9.4Hz,1H)、3.22(br d,11Hz,1H)、3.15(t,J=10.2Hz,1H)、3.06(p,7.1Hz,1H)、2.96−2.86(m,2H)、2.70−2.60(m,4H)、1.66−1.56(m,1H)、1.45(s,9H)、0.90(d,J=6.6Hz,3H)、0.84(d,J=6.8Hz,3H)。
【0242】
NMR(CDCl,500MHz)(異性体2) δ 9.23(br s,1H)、7.72(s,2H)、7.13−7.06(m,2H)、6.98(app t,J=8.3Hz,2H)、4.65(ddd,J=5.6,15.6,23Hz,1H)、4.50(ddd,J=5.6,15.5,22.9Hz,1H)、4.30(d,J=12.3Hz,1H)、3.78−3.70(m,1H)、3.44−3.35(m,1H)、3.23(br d,10.5Hz,1H)、3.20−3.00(m,2H)、2.85(dd,J=6.7,13.5Hz,1H)、2.74−2.68(m,1H)、2.51−2.42(m,1H)、2.12−1.96(m,2H)、1.88−1.72(m,1H)、1.45(s,9H)、0.88(d,J=8.0Hz,3H)、0.86(d,J=8.0Hz,3H)。
【0243】
段階F
(実施例1−A)
【0244】
【化57】

【0245】
実施例1、段階Eの生成物(異性体1、25mg、0.038mmol)のDCM(1mL)溶液にTFA(1mL)を添加し、生成した溶液を2時間撹拌した。TLCによって出発物質が残留していないことが確認されたので、混合物を減圧濃縮した。残渣を5%ヘキサン含有DCMに取り、再度濃縮乾固させて、白色固体の標記化合物を得た。(収率 17mg、58%)。LC−MS:C2832の計算値559.27、実測値560.2(MH)
【0246】
(実施例1−B)
【0247】
段階G
【0248】
【化58】

【0249】
実施例GJM−1、段階Eの生成物(異性体2、60mg、0.091mmol)のDCM(1mL)溶液にTFA(1mL)を添加し、生成した溶液を2時間撹拌した。TLCによって出発物質が残留していないことが確認されたので、混合物を減圧濃縮した。残渣を5%ヘキサン含有DCMに取り、再度濃縮乾固させて、白色固体の標記化合物を得た。(収率 42mg、70%)。LC−MS:C2832の計算値559.27、実測値560.2(MH)
【0250】
(実施例2)
【0251】
【化59】

【0252】
段階A
【0253】
【化60】

【0254】
実施例1、段階Aの生成物(1.0g、3.53mmol)のTHF:メタノール:水(1:1:1溶液、40mL)溶液に固体LiOH(424mg、17.65mmol)を添加し、生成した混合物を油浴で60℃に加熱し、終夜撹拌した。加熱を停止し、反応混合物を室温に冷却した。混合物のpHが中性(pH約7)になるまで2N HCl溶液を徐々に添加した。混合物を減圧濃縮し、次いで残渣を97%DCM:3%イソプロパノールに取った。次いで、溶液を硫酸ナトリウムを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮して油状の標記化合物を得た。(収率:826mg、87%)。H NMR(500Hz,CDCl):4.98−4.92(m,2H)、4.27(d,J=14.6Hz,1H)、4.04(br d,J=14.6Hz,1H)、2.82(br d,J=15.8Hz,1H)、2.80−2.72(m,1H)、2.67(br d,J=16Hz,1H)、1.45(s,9H)、1.08(d,J=6.8Hz,3H)、0.88(d,J=6.8Hz,3H)。
【0255】
段階B
【0256】
【化61】

【0257】
(実施例2、段階Aに記載された)酸(2,270mg、1.00mmol)、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン塩酸塩(280mg、1.00mmol)、DMAP(12mg、0.10mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(175、1.00mmol)の混合物のジクロロメタン(10mL)溶液を、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、383mg、2.00mmol)で処理し、室温で終夜撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(2×10mL)、塩水(1×15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、溶媒を蒸発させた。分取TLC、溶離剤:20%酢酸エチル/80%ヘキサンによって精製して、白色泡状の標記化合物を得た。(収率360mg、68%)。C2328のLC−MS計算値494.2、実測値517.2(NMa)H NMR(CDCl3,500MHz) δ 9.04(br s,1H)、7.76(s,1H)、7.67(s,2H)、5.05(s,1H)、4.96(s,1H)、4.58(dd,J=6.7,15.6Hz,1H)、4.51(dd,J=6.6,15.7Hz,1H),4.08(d,J=14.6Hz,1H)、3.94(d,J=14.6Hz,1H)、3.34(d,15.2Hz,1H)、3.14(p,6.8Hz,1H)、2.48(br d,J=15.0Hz,1H)、1.45(s,9H)、0.90(d,J=6.7Hz,3H)、0.84(d,J=6.8Hz,3H)。
【0258】
段階C
【0259】
【化62】

【0260】
ドライアイス/アセトン浴で−78℃に冷却された、実施例2、段階Bの生成物(300mg、0.67mmol)の無水DCM(5mL)溶液を、溶液が淡青色を維持するまで、オゾン中でバブリングさせた。次いで、窒素ガスをバブリングさせて、溶液を青色から退色させて透明にする過剰のオゾンを置換した。ドライアイス/アセトン浴を除去し、次いで硫化メチル(74μL、10.05mmol)を添加し、生成した溶液を、反応混合物が室温に加温されるまで撹拌した。これは、形成されたオゾン化物をケトンに還元するために行われた。混合物を減圧濃縮し、次いで硫化メチルの臭気が除去されるまでトルエンと共沸させた。さらに精製せず、その物質を次の反応にそのまま使用した。
【0261】
段階D:
【0262】
【化63】

【0263】
実施例2、段階Cに記載の化合物(240mg、0.455mmol)、4−アミノテトラヒドロフランHCl塩(63mg、0.455mmol)、モレキュラーシーブ(4Å、200mg)及びDIEA(70μL、0.455mmol)の混合物のDCM(15mL)溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(482mg、2.275mmol)を添加し、生成した混合物を室温で終夜撹拌した。反応物をDCMで希釈し、セライトを通してろ過し、減圧乾燥させた。残渣を分取TLC(1000ミクロン、溶離剤:6%MeOH:94%DCM)によって精製して、分離した2種類の単一異性体(より低極性の異性体1、75mg、28%;より高極性の異性体2、58mg、22%)を得た。異性体1と異性体2の両方で、C2737のLC−MS計算値581.27、実測値582.3(MNa)及び482.2(MH−Boc)
【0264】
(実施例2−A)
段階E:
【0265】
【化64】

【0266】
実施例2、段階Dの生成物(異性体1、70mg、0.120mmol)のDCM(1.5mL)溶液にTFA(1.5mL)を添加し、生成した溶液を2時間撹拌した。TLCによって出発物質が残留していないことが確認されたので、混合物を減圧濃縮した。残渣を5%ヘキサン含有DCMに取り、再度濃縮乾固させて、白色固体の標記化合物を得た。(収率 79mg、93%)。LC−MS:C2229の計算値481.27、実測値482.2(MH)
【0267】
(実施例2−B)
段階F
【0268】
【化65】

【0269】
実施例2、段階Dの生成物(異性体2、53mg、0.90mmol)のDCM(1.5mL)溶液にTFA(1.5mL)を添加し、生成した溶液を2時間撹拌した。TLCによって出発物質が残留していないことが確認されたので、混合物を減圧濃縮した。残渣を5%ヘキサン含有DCMに取り、再度濃縮乾固させて、白色固体の標記化合物を得た。(収率 60mg、94%)。LC−MS:C2229の計算値481.27、実測値482.3(MH)
【0270】
(実施例3)
【0271】
【化66】

【0272】
中間体2(410mg、0.68mmol)を標準オゾン分解条件に供した。生成したオゾン化物は、DCM中で4−スピロインデン−ピペリジン塩酸塩(150mg、0.68mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(237μL、1.36mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(721mg、3.40mmol)及び4Åモレキュラシーブと混合された。生成した反応混合物を室温で4日間撹拌した後、セライトを通してろ過し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液でクエンチした。生成した混合物を水(3×)及び塩水で洗浄し、MgSOを用いて脱水した。生成した物質を分取TLC(60%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、所望の生成物11mgを得た。
【0273】
(実施例4)
【0274】
【化67】

【0275】
実施例2は、4−フェニル−ピペリジン塩化塩が4−スピロインデン−ピペリジン塩酸塩の代わりに使用された以外は、実施例1に記載の手順に従って合成された。
【0276】
(実施例5)
【0277】
【化68】

【0278】
中間体9(192mg、0.538mmol)を4−アミノテトラヒドロピラン塩酸塩(81.4mg、0.592mmol)とジイソプロピルエチルアミン(113μL、0.946mmol)のTi(OiPr)(3.5mL)溶液と混合した。生成した溶液を室温で終夜撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(41mg、1.1mmol)及びメタノール(2mL)を添加し、その混合物を室温で30分間撹拌した。水を添加し、固体をろ別し、メタノールで洗浄した。混合ろ液を蒸発乾固させ、粗生成物をEAで抽出し(×3)、分取TLC(10%MeOH/DCM)によって精製して、標記化合物12.5mgを得た。LC−MSは441(M+H)であった。4種類の個々の立体異性体は、HPLCによってChrialPak ADカラムにより単離された。
【0279】
(実施例6)
【0280】
【化69】

【0281】
実施例4は、中間体11が中間体9の代わりに使用された以外は、実施例3で記載された手順に従って合成された。シス異性体とトランス異性体は、分取TLC(10%MeOH/DCM)によって分離された。LC−MSは440(M+H)であった。
【0282】
(実施例7)
【0283】
【化70】

【0284】
段階A
【0285】
【化71】

【0286】
中間体4(502mg、1.52mmol)をDCMに溶解し、−78℃に冷却した。透明/無色溶液が青みがかった色に変わるまで(約20分)、Oを溶液を通してバブリングさせた。次いで、溶液を窒素パージし、硫化ジメチル(1.11mL、15.2mmol)を添加し、その混合物を室温に加温し、室温で1時間撹拌した後、濃縮乾固させた。485mgを回収した。
【0287】
段階B
【0288】
【化72】

【0289】
段階Aの生成物(485mg、1.52mmol)を中間体14(538mg、2.28mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(644mg、3.04mmol)、4Åモレキュラシーブ及びトリエチルアミン(316μL、2.28mmol)のDCM(20mL)溶液と混合した。生成した反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物をセライトを通してろ過し、飽和炭酸水素ナトリウム及び塩水で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、濃縮した。生成物を分取TLC(0.2%NHOH/1.8%MeOH/98%DCM)によって精製して、所望の生成物367mgを得た。C32H40M2O4のESI−MS計算値=516、実測値517.3。
【0290】
段階C
【0291】
【化73】

【0292】
段階Bの生成物(359mg、0.696mmol)をMeOH(3mL)とTHF(3mL)に溶解させた。水酸化リチウム(一水和物)(33mg、0.79mmol)の水(3mL)溶液を添加した。生成した反応混合物を60℃に加熱した。24時間後、追加の水酸化リチウム(17mg、0.41mmol)を添加した。生成した反応混合物をさらに24時間撹拌した後、0℃に冷却し、1.0M HClのエーテル(1.2mL)溶液を添加した。溶液を濃縮して、所望の生成物296mgを得た。
【0293】
段階D
【0294】
【化74】

【0295】
段階Cの生成物(148mg、0.347mmol)を3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン塩酸塩(195mg、0.695mmol)、EDC(133mg、0.695mmol)及びトリエチルアミン(96μL、0.70mmol)のDCM(10mL)溶液と混合した。生成した溶液を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、生成物を分取TLC(0.5%NHOH/4.5%MeOH/95%DCM)によって精製して、所望の生成物128mgを得た。C34H39N3O3F6のESI−MS計算値=651、実測値652.3。
【0296】
(実施例8)
【0297】
【化75】

【0298】
実施例8は、段階Dにおいて3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミン塩酸塩が3−フルオロ−5−トリフルオロメチルベンジルアミン塩酸塩で置換された以外は、実施例7に記載の手順に従って調製された。123mgを回収した。C33H39N3O3F4のESI−MS計算値=601、実測値602.35。
【0299】
(実施例9)
【0300】
【化76】

【0301】
実施例7(120mg、0.184mmol)を4M HClのジオキサン(1mL)溶液に溶解し、室温で数時間撹拌した後、濃縮乾固させた。所望のHCl塩114mgを回収した。C29H31N3OF6のESI−MS計算値=551、実測値552.25。
【0302】
(実施例10)
【0303】
【化77】

【0304】
実施例8(116mg、0.193mmol)を4M HClのジオキサン(1mL)溶液に溶解し、室温で数時間撹拌した後、濃縮乾固させた。所望のHCl塩82mgを回収した。C29H31N3OF6のESI−MS計算値=501、実測値502.3。
【0305】
(実施例11)
【0306】
【化78】

【0307】
実施例9(20mg、0.36)をDCM(2mL)に溶解し、ピリジン(51μL、0.73)、続いて無水酢酸(34μL、0.36mmol)を添加した。反応混合物を室温で撹拌した。約18時間後、混合物を濃縮し、生成物を分取TLC(0.2%NHOH/1.8%MeOH/98%DCM)によって精製して、所望の生成物17mgを得た。C31H33N3O2F6のESI−MS計算値=593、実測値594.2。
【0308】
(実施例12)
【0309】
【化79】

【0310】
実施例12は、実施例9が実施例10で置換された以外は、実施例11に記載の手順に従って調製された。18mgを回収した。C30H33N3O2F4のESI−MS計算値=543、実測値544.3。
【0311】
ある具体的な実施態様を参照して本発明を記述し説明したが、当業者は、手順及びプロトコルの様々な手直し、変更、改変、置換、削除又は追加が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解されたい。例えば、本発明の上記化合物による適応症のいずれかについて治療を受ける哺乳動物の応答性にばらつきがあることから、本明細書に示される特定の投与量以外の有効投与量が適用可能となる場合がある。同様に、認められる特異的薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、或いは医薬担体が現在存在するかどうか、並びに使用される製剤タイプ及び投与方法によって、また、それらに応じて変わることがあり、こうした予想される結果の変動又は差異も、本発明の目的及び実施によって企図される。したがって、本発明は以下の特許請求の範囲によって規定され、かかる特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマー。
【化1】

(式中、
Aは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−N(SO14)−及び−N(COR13)−から選択され、
Yは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−C(R21)(R22)−、−N(SO14)−、−N(COR13)−、−C(R21)(COR11)−、−C(R21)(OCOR14)−及び−CO−から選択され、
ZはC又はNであって、3個以下のZはNである。
は、水素、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−S−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、−(C0−6アルキル)−(C3−7シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、−CN、−NR1212、−NR12COR13、−NR12SO14、−COR11、−CONR1212、−NR12CONR1212、−O−CO−C1−6アルキル、−O−CO−C1−6アルキル、ヒドロキシ、複素環及びフェニルから選択され、
前記アルキル及びシクロアルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、−CONR1212、−NR12CONR1212、−COR11、−SO14、−NR12COR13、−NR12SO14、−複素環、=O、−CN、フェニル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル及び−O−COR13から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
前記フェニル及び複素環は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルコキシ、NHCOH及びNHCO(C1−3アルキル)から独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、−複素環、−CN、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロ及びヒドロキシルから選択される1個以上の置換基で置換されたC1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−CO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−ピリジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、−C4−6シクロアルキル、−O−C4−6シクロアルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換されたフェニル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−O−フェニル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−C3−6シクロアルキル並びに非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C3−6シクロアルキルから選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
11は、ヒドロキシ、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
12は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、同じ若しくは隣接原子上に一緒に存在する別個のR12基は、環を形成するC1−7アルキルであり、前記C1−7アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
13は、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
14は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
15は、水素及びC1−6アルキルから選択され、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COH、−CO1−6アルキル及び−O−C1−3アルキルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
16は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、フルオロ、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、C3−6シクロアルキル、−O−C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、−COR11並びに−OCOR13から選択され、
又は、R15とR16は結合して5から7員環を形成し、ここに、R15とR16はともにC2−4アルキル若しくはC0−2アルキル−O−C1−3アルキルであり、
17は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、COR11、ヒドロキシ並びに非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから選択され、又はR28が二重結合を介して環炭素に結合したOであるときにはR17は存在せず、
又は、R16とR17は結合して3から6員環を形成し、R16とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
又は、R24とR17は結合して3から6員環を形成し、R24とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
18は、水素、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、フルオロ、−O−C3−6シクロアルキル及び非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキルから選択され、
又は、R16とR18は結合して5から6員環を形成し、ここに、R16とR18はともにC2−3アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から8員環を形成し、R16とR18はともにC1−2アルキル−O−C1−2アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から7員環を形成し、R16とR18はともに−O−C1−2アルキル−O−であり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
19は、水素、フェニル並びに非置換若しくは−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
又は、RとR19は結合して複素環を形成し、ここに、RとR19は−CH(CR31311−3−、−CH−NR32−、−NR20−CR3131−、−CHO−、−CHSO−、−CHSO−、−CHS−及び−CR3131−から選択され、
20は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル、C3−6シクロアルキルから選択され、ここに、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換とすることができ、又は1から6個の置換基で置換することができ、該置換基はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択され、
21及びR22は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
24は、水素、COR11、ヒドロキシル、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
25及びR26は、=O、水素、フェニル並びに非置換又は−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され、
27、R28、R29及びR30は、水素、COR11、ヒドロキシ、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから独立に選択され、
31は、水素、非置換若しくはフルオロ及びヒドロキシから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキル、COR13、SO14、SONR1212、ヒドロキシ、ハロ、−NR1212、−COR11、−CONR1212、−NR12COR13、−OCONR1212、−NR12CONR1212、−複素環、−CN、−NR12−SO−NR1212、−NR12−SO−R14並びに−SO−NR1212から独立に選択され、又は一方のR31が存在しないときには他方のR31は=Oであり、
32は、水素、COR13、SO14、SONR1212並びに非置換又はフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキルから選択され、
j及びkは独立に0、1又は2であり、
破線は任意選択の単結合であり、したがって実線と一緒に使用される破線は単結合又は二重結合である。)
【請求項2】
式IIの化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマー。
【化2】

(式中、
Aは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−N(SO14)−及び−N(COR13)−から選択され、
Xは、O、N、S、SO及びCから選択され、
ZはC又はNであって、3個以下のZはNである。
は、水素、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−S−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、−(C0−6アルキル)−(C3−7シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、−CN、−NR1212、−NR12COR13、−NR12SO14、−COR11、−CONR1212、−NR12CONR1212、−O−CO−C1−6アルキル、−O−CO−C1−6アルキル、ヒドロキシ、複素環及びフェニルから選択され、
前記アルキル及びシクロアルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、−CONR1212、−NR12CONR1212、−COR11、−SO14、−NR12COR13、−NR12SO14、−複素環、=O、−CN、フェニル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル及び−O−COR13から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
前記フェニル及び複素環は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルコキシ、NHCOH及びNHCO(C1−3アルキル)から独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、非置換若しくは1から6個のフルオロ及びヒドロキシルから選択される1個以上の置換基で置換されたC1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−CO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−ピリジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、−C4−6シクロアルキル、−O−C4−6シクロアルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換されたフェニル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−O−フェニル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−C3−6シクロアルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C3−6シクロアルキル、−複素環、−CN並びに−COR11から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、XがC若しくはNであるときには、水素、(C0−6アルキル)−フェニル、(C0−6アルキル)−複素環、(C0−6アルキル)−C3−7シクロアルキル、(C0−6アルキル)−COR11、(C0−6アルキル)−(アルケン)−COR11、(C0−6アルキル)−SOH、(C0−6アルキル)−W−C0−4アルキル、(C0−6アルキル)−CONR12−フェニル及び(C0−6アルキル)−CONR23−V−COR11から選択され、又はXがO、S若しくはSOであるときにはRは存在せず、
Wは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−、CONR12−及び−NR12−から選択され、
Vは、C1−6アルキル及びフェニルから選択され、
前記C0−6アルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−C0−6アルキル、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及び−C0−2アルキル−フェニルから独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
前記フェニル、複素環、シクロアルキル又はC0−4アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換され、又は前記フェニル若しくは前記複素環は第2の複素環と縮合しており、前記第2の複素環は、非置換であるか、若しくはヒドロキシ、ハロ、−COR11及び−C1−3アルキルから独立に選択される1から2個の置換基で置換されており、
前記アルケンは、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、C1−3アルキル、フェニル及び複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、XがCであるときには、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CONR1212及び−CNから選択され、又はXがO、S、SO若しくはNであるとき又はR及びR10が結合した各炭素を二重結合が連結するときにはRは存在せず、
又は、RとRは結合して1H−インデン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾチオフラン、6H−シクロペンタ[d]イソキサゾル−3−オル、シクロペンタン及びシクロヘキサンから選択される環を形成し、前記環は、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
及びR10は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、=O及びハロから独立に選択され、
又は、RとR若しくはRとR10は結合してフェニル若しくは複素環である環を形成し、前記環は、非置換であるか、若しくはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CN、−NR1212及び−CONR1212から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
11は、ヒドロキシ、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
12は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、同じ若しくは隣接原子上に一緒に存在する別個のR12基は、環を形成するC1−7アルキルであり、前記C1−7アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
13は、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
14は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
19は、水素、フェニル並びに非置換若しくは−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
又は、RとR19は結合して複素環を形成し、ここに、RとR19は−CH(CR31311−3−、−CH−NR32−、−NR20−CR3131−、−CHO−、−CHSO−、−CHSO−、−CHS−及び−CR3131−から選択され、
20は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル、C3−6シクロアルキルから選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換とすることができ、又は1から6個の置換基で置換することができ、該置換基はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択され、
23は水素若しくはC1−4アルキルであり、又はR23はC1−5アルキルを介してVの炭素の1個に結合して環を形成し、
25及びR26は、=O、水素、フェニル及び非置換又は−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され、
31は、水素、非置換若しくはフルオロ及びヒドロキシから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキル、COR13、SO14、SONR1212、ヒドロキシ、ハロ、−NR1212、−COR11、−CONR1212、−NR12COR13、−OCONR1212、−NR12CONR1212、−複素環、−CN、−NR12−SO−NR1212、−NR12−SO−R14、−SO−NR1212並びに=Oから独立に選択され、
32は、水素、COR13、SO14、SONR1212並びに非置換又はフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキルから選択され、
33及びR34は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、又はそれらが結合している炭素が不飽和であるときにはR33及びR34は存在せず、
35及びR38は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、
36及びR37は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、ハロ及び水素から独立に選択され、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、R36とR37は結合して環を形成し、R36とR37はともに−C1−4アルキル、−C0−2アルキル−O−C1−3アルキル−及び−C1−3アルキル−O−C0−2アルキル−から選択され、前記アルキルは、非置換であるか、又はオキシ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、メチル若しくはトリフルオロメチルから選択される1から2個の置換基で置換されており、
mは0、1又は2であり、
nは1又は2であり、
破線は任意選択の単結合であり、したがって実線と一緒に使用される破線は単結合又は二重結合である。)
【請求項3】
式Iの化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマー。
【化3】

(式中、
Aは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−N(SO14)−及び−N(COR13)−から選択され、
Yは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−C(R21)(R22)−、−N(SO14)−、−N(COR13)−、−C(R21)(COR11)−、−C(R21)(OCOR14)−及び−CO−から選択され、
ZはC又はNであって、ここに、3個以下のZはNである。
は、水素、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−S−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、−(C0−6アルキル)−(C3−7シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、−CN、−NR1212、−NR12COR13、−NR12SO14、−COR11、−CONR1212、−NR12CONR1212、−O−CO−C1−6アルキル、−O−CO−C1−6アルキル、ヒドロキシ、複素環及びフェニルから選択され、
前記アルキル及びシクロアルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、−CONR1212、−NR12CONR1212、−COR11、−SO14、−NR12COR13、−NR12SO14、−複素環、=O、−CN、フェニル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル及び−O−COR13から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
前記フェニル及び複素環は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、−複素環、−CN、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロ及びヒドロキシルから選択される1個以上の置換基で置換されたC1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−CO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−ピリジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、−C4−6シクロアルキル、−O−C4−6シクロアルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換されたフェニル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−O−フェニル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−C3−6シクロアルキル並びに非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C3−6シクロアルキルから選択され、又はRに結合したZがNであるときにはRは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
11は、ヒドロキシ、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
12は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、同じ若しくは隣接原子上に一緒に存在する別個のR12基は、環を形成するC1−7アルキルであり、前記C1−7アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
13は、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
14は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル、及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
15は、水素及びC1−6アルキルから選択され、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COH、−CO1−6アルキル及び−O−C1−3アルキルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
16は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、フルオロ、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、C3−6シクロアルキル、−O−C3−6シクロアルキル、ヒドロキシ、−COR11並びに−OCOR13から選択され、
又は、R15とR16は結合して5から7員環を形成し、R15とR16はともにC2−4アルキル若しくはC0−2アルキル−O−C1−3アルキルであり、
17は、水素、非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル、COR11、ヒドロキシ並びに非置換若しくはフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから選択され、又はR28が二重結合を介して環炭素に結合したOであるときにはR17は存在せず、
又は、R16とR17は結合して3から6員環を形成し、ここに、R16とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
又は、R24とR17は結合して3から6員環を形成し、ここに、R24とR17はともにC1−4アルキル若しくはC0−3アルキル−O−C0−3アルキルであり、
18は、水素、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、フルオロ、−O−C3−6シクロアルキル及び非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキルから選択され、
又は、R16とR18は結合して5から6員環を形成し、ここに、R16とR18はともにC2−3アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から8員環を形成し、ここに、R16とR18はともにC1−2アルキル−O−C1−2アルキルであり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
又は、R16とR18は結合して6から7員環を形成し、ここに、R16とR18はともに−O−C1−2アルキル−O−であり、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、−COR11、C1−3アルキル及びC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
19は、水素、フェニル並びに非置換若しくは−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
又は、RとR19は結合して複素環を形成し、ここに、RとR19は−CH(CR31311−3−、−CH−NR32−、−NR20−CR3131−、−CHO−、−CHSO−、−CHSO−、−CHS−及び−CR3131−から選択され、
20は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル、C3−6シクロアルキルから選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換とすることができ、又は1から6個の置換基で置換することができ、該置換基はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択され、
21及びR22は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
24は、水素、COR11、ヒドロキシル、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシ及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
25及びR26は、=O、水素、フェニル及び非置換又は−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され、
27、R28、R29及びR30は、水素、COR11、ヒドロキシ、非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキル並びに非置換又はフルオロ、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル及び−COR11から選択される1から6個の置換基で置換された−O−C1−6アルキルから独立に選択され、
31は、水素、非置換若しくはフルオロ及びヒドロキシから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキル、COR13、SO14、SONR1212、ヒドロキシ、ハロ、−NR1212、−COR11、−CONR1212、−NR12COR13、−OCONR1212、−NR12CONR1212、−複素環、−CN、−NR12−SO−NR1212、−NR12−SO−R14並びに−SO−NR1212から独立に選択され、又は一方のR31が存在しないときには他方のR31は=Oであり、
32は、水素、COR13、SO14、SONR1212並びに非置換又はフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキルから選択され、
j及びkは独立に0、1又は2であり、
破線は任意選択の単結合であり、したがって実線と一緒に使用される破線は単結合又は二重結合である。)
【請求項4】
式IIの化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマー。
【化4】

(式中、
Aは、−O−、−N(R20)−、−S−、−SO−、−SO−、−N(SO14)−及び−N(COR13)−から選択され、
Xは、O、N、S、SO及びCから選択され、
ZはC又はNであって、ここに、3個以下のZはNである。
は、水素、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−S−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SO−C1−6アルキル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、−(C0−6アルキル)−(C3−7シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、−CN、−NR1212、−NR12COR13、−NR12SO14、−COR11、−CONR1212、−NR12CONR1212、−O−CO−C1−6アルキル、−O−CO−C1−6アルキル、ヒドロキシ、複素環及びフェニルから選択され、
前記アルキル及びシクロアルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−6アルキル、−CONR1212、−NR12CONR1212、−COR11、−SO14、−NR12COR13、−NR12SO14、−複素環、=O、−CN、フェニル、−SONR1212、−NR12−SO−NR1212、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−SO−C1−6アルキル及び−O−COR13から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
前記フェニル及び複素環は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−COR11、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルコキシから独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、非置換若しくは1から6個のフルオロ及びヒドロキシルから選択される1個以上の置換基で置換されたC1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−CO−C1−6アルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−S−C1−6アルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−ピリジル、フルオロ、クロロ、ブロモ、−C4−6シクロアルキル、−O−C4−6シクロアルキル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換されたフェニル、非置換若しくはハロ、トリフルオロメチル、C1−4アルキル及びCOR11から選択される1個以上の置換基で置換された−O−フェニル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−C3−6シクロアルキル、非置換若しくは1から6個のフルオロで置換された−O−C3−6シクロアルキル、−複素環、−CN並びに−COR11から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、Rに結合したZがCであるときには、水素、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換されたC1−3アルキル、非置換若しくは1から3個のフルオロで置換された−O−C1−3アルキル、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、フェニル及び複素環から選択され、又はRに結合したZがNであるときには、Rは存在しないか、若しくはOであり、
は、XがC若しくはNであるときには、水素、(C0−6アルキル)−フェニル、(C0−6アルキル)−複素環、(C0−6アルキル)−C3−7シクロアルキル、(C0−6アルキル)−COR11、(C0−6アルキル)−(アルケン)−COR11、(C0−6アルキル)−SOH、(C0−6アルキル)−W−C0−4アルキル、(C0−6アルキル)−CONR12−フェニル及び(C0−6アルキル)−CONR23−V−COR11から選択され、又はXがO、S若しくはSOであるときにはRは存在せず、
Wは、単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−、CONR12−及び−NR12−から選択され、
Vは、C1−6アルキル及びフェニルから選択され、
前記C0−6アルキルは、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、−C0−6アルキル、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及び−C0−2アルキル−フェニルから独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
前記フェニル、複素環、シクロアルキル又はC0−4アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換され、又は前記フェニル若しくは前記複素環は第2の複素環と縮合しており、前記第2の複素環は、非置換であるか、若しくはヒドロキシ、ハロ、−COR11及び−C1−3アルキルから独立に選択される1から2個の置換基で置換されており、
前記アルケンは、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、C1−3アルキル、フェニル及び複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換されており、
は、XがCであるときには、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CONR1212及び−CNから選択され、又はXがO、S、SO若しくはNであるとき又はR及びR10が結合した各炭素を二重結合が連結するときにはRは存在せず、
又は、RとRは結合して1H−インデン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−ベンゾチオフラン、1,3−ジヒドロ−イソベンゾチオフラン、6H−シクロペンタ[d]イソキサゾル−3−オール、シクロペンタン及びシクロヘキサンから選択される環を形成し、前記環は、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−C0−3−COR11、−CN、−NR1212、−CONR1212及び−C0−3−複素環から独立に選択される1から5個の置換基で置換されており、
及びR10は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、=O及びハロから独立に選択され、
又は、RとR若しくはRとR10は結合してフェニル若しくは複素環である環を形成し、
前記環は、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CN、−NR1212及び−CONR1212から独立に選択される1から7個の置換基で置換されており、
11は、ヒドロキシ、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから独立に選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
12は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、同じ若しくは隣接原子上に一緒に存在する別個のR12基は、環を形成するC1−7アルキルであり、前記C1−7アルキルは、非置換であるか、若しくはハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
13は、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
14は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ベンジル、フェニル及びC3−6シクロアルキルから選択され、前記アルキル、フェニル、ベンジル、及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
19は、水素、フェニル並びに非置換若しくは−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択され、
又は、RとR19は結合して複素環を形成し、ここに、RとR19は−CH(CR31311−3−、−CH−NR32−、−NR20−CR3131−、−CHO−、−CHSO−、−CHSO−、−CHS−及び−CR3131−から選択され、
20は、水素、C1−6アルキル、ベンジル、フェニル、C3−6シクロアルキルから選択され、該アルキル、フェニル、ベンジル及びシクロアルキル基は、非置換とすることができ、又は1から6個の置換基で置換することができ、該置換基はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、−COH、−CO−C1−6アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択され、
23は水素若しくはC1−4アルキルであり、又はR23はC1−5アルキルを介してVの炭素の1個に結合して環を形成し、
25及びR26は、=O、水素、フェニル及び非置換又は−COR11、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ及び−O−C1−3アルキルから選択される1から6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され、
31は、水素、非置換若しくはフルオロ及びヒドロキシから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキル、COR13、SO14、SONR1212、ヒドロキシ、ハロ、−NR1212、−COR11、−CONR1212、−NR12COR13、−OCONR1212、−NR12CONR1212、−複素環、−CN、−NR12−SO−NR1212、−NR12−SO−R14、−SO−NR1212並びに=Oから独立に選択され、
32は、水素、COR13、SO14、SONR1212並びに非置換又はフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されたC1−3アルキルから選択され、
33及びR34は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、又はそれらが結合している炭素が不飽和であるときにはR33及びR34は存在せず、
35及びR38は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びハロから独立に選択され、
36及びR37は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−COR11、C1−6アルキル−ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル、ハロ及び水素から独立に選択され、前記アルキルは、非置換であるか、若しくはフルオロ及びヒドロキシルから独立に選択される1から6個の置換基で置換されており、
又は、R36とR37は結合して環を形成し、ここに、R36とR37はともに−C1−4アルキル−、−C0−2アルキル−O−C1−3アルキル−及び−C1−3アルキル−O−C0−2アルキル−から選択され、前記アルキルは、非置換であるか、又はオキシ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、メチル若しくはトリフルオロメチルから選択される1から2個の置換基で置換されており、
mは0、1又は2であり、
nは1又は2であり、
破線は任意選択の単結合であり、したがって実線と一緒に使用される破線は単結合又は二重結合である。)
【請求項5】
式Iaの請求項1に記載の化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマー。
【化5】

【請求項6】
式IIaの請求項2に記載の化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマー。
【化6】

【請求項7】
式Ibの請求項1に記載の化合物並びに薬剤として許容されるその塩及び個々のジアステレオマー。
【化7】

【請求項8】
AがN又はOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
AがN又はOである、請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
XがN、O又はCである、請求項2に記載の化合物。
【請求項11】
YがO又はCである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
ZがN又はCである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
ZがN又はCである、請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
が、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C1−6アルキル、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−O−C1−6アルキル−、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−S−C1−6アルキル−、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から7個の置換基で置換された−(C3−5シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されたフェニル並びに非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から3個の置換基で置換された複素環から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
が、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C1−6アルキル、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−O−C1−6アルキル−、非置換又はハロ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から6個の置換基で置換された−C0−6アルキル−S−C1−6アルキル−、非置換又はハロ、ヒドロキシ、−O−C1−3アルキル及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から7個の置換基で置換された−(C3−5シクロアルキル)−(C0−6アルキル)、非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から3個の置換基で置換されたフェニル並びに非置換又はハロ、ヒドロキシル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ及びトリフルオロメチルから独立に選択される1から3個の置換基で置換された複素環から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項16】
がHであり、又はRとR19がともにC−アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
がHであり、又はRとR19がともにC−アルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項18】
ZがCであるときに、Rが、水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びフェニルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
ZがCであるときに、Rが、水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びフェニルから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項20】
ZがNであるときに、RがOであり、又は存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
ZがNであるときに、RがOであり、又は存在しない、請求項2に記載の化合物。
【請求項22】
が、水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びフェニルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
が、水素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ及びフェニルから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項24】
がフェニル、複素環、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキル、−COR11及び−CONH−V−COR11から選択され、ここに、VがC1−6アルキル又はフェニルであり、前記フェニル、複素環、C3−7シクロアルキル及びC1−6アルキルが、非置換であるか、又はハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11、−CN、−複素環及び−CONR1212から独立に選択される1から5個の置換基で置換された、請求項2に記載の化合物。
【請求項25】
がフェニル、複素環、C1−4アルキル、−COR11及び−CONH−V−COR11から選択され、ここに、VがC1−6アルキル又はフェニルであり、前記フェニル、複素環及びC1−4アルキルが、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11及び−複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換された、請求項2に記載の化合物。
【請求項26】
が、水素、−COR11、−CONHCH、フェニル及び複素環から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項27】
XがCであるときに、Rが水素、ヒドロキシ、−CN及びフルオロから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項28】
とRが結合して1H−インデン及び2,3−ジヒドロ−1H−インデンから選択される環を形成し、ここに、前記環が、非置換であるか、又はハロ、ヒドロキシ、C1−3アルキル、−O−C1−3アルキル、−COR11及び−複素環から独立に選択される1から3個の置換基で置換された、請求項2に記載の化合物。
【請求項29】
及びR10が、水素、ヒドロキシ、−CH、−O−CH及び=Oから独立に選択された、請求項2に記載の化合物。
本発明のある実施形態においては、R16は、水素、−O−C1−3アルキル、フルオロ、ヒドロキシル及び非置換若しくは1から6個のフルオロで置換されたC1−3アルキルから選択される。
【請求項30】
16が、水素、トリフルオロメチル、メチル、メトキシ、エトキシ、エチル、フルオロ及びヒドロキシから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
18が、水素、メチル及びメトキシから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
16とR18がともに−CHCH−又は−CHCHCH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
26が=Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
26が=Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
mが0又は1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項36】
nが1又は2である、請求項2に記載の化合物。
【請求項37】
【表1】


から選択される化合物並びに薬剤として許容されるその塩及びその個々のジアステレオマー。
【請求項38】
不活性担体と請求項1に記載の化合物とを含む薬剤組成物。
【請求項39】
請求項1に記載の化合物の有効量の投与を含む、哺乳動物においてケモカイン受容体活性を調節する方法。
【請求項40】
請求項1に記載の化合物の有効量の患者への投与を含む、炎症性及び免疫調節性障害又は疾患を治療し、改善し、管理し、又はそのリスクを軽減する方法。
【請求項41】
請求項1に記載の化合物の有効量の患者への投与を含む、リウマチ様関節炎を治療し、改善し、管理し、又はそのリスクを軽減する方法。
【請求項42】
不活性担体と請求項2に記載の化合物とを含む薬剤組成物。
【請求項43】
請求項2に記載の化合物の有効量の投与を含む、哺乳動物においてケモカイン受容体活性を調節する方法。
【請求項44】
請求項2に記載の化合物の有効量の患者への投与を含む、炎症性及び免疫調節性障害又は疾患を治療し、改善し、管理し、又はそのリスクを軽減する方法。
【請求項45】
請求項2に記載の化合物の有効量の患者への投与を含む、リウマチ様関節炎を治療し、改善し、管理し、又はそのリスクを軽減する方法。

【公表番号】特表2007−522219(P2007−522219A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553179(P2006−553179)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/003849
【国際公開番号】WO2005/080371
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】