説明

ケモカイン結合複素環式化合物の塩及びその使用方法

【課題】 とりわけ化学的及び温度安定性、及び吸湿性が改善されたケモカイン結合複素環式化合物の塩及びその使用方法を提供すること。
【解決手段】 式1の化合物の塩。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2004年9月29日に提出された米国仮特許出願第60/614,790号に関連する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ケモカイン結合複素環化合物の塩、その使用方法、及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
走化性サイトカイン(chemotactic cytokines)即ちケモカイン(chemokines)は、刺激剤に応答したリンパ系細胞の運動及び白血球の血管外遊走及び組織侵入のために重要な一群の複雑かつ重複した生物学的活性を調節することによって少なくとも部分的に機能する凡そ8〜10kDaの大きさのタンパク質のファミリーである(例えば、P. Ponath, Exp. Opin. Invest. Drugs, 7:1-18, 1998参照)。これらのタンパク質の細胞受容体は、ケモカイン天然リガンドに基づいて分類される。β−ケモカインの受容体は、接頭辞“CCR”を用いて命名され、α−ケモカインの受容体は接頭辞“CXCR”を用いて命名される。CXCR4受容体のための天然ケモカインリガンドは、ストロマ細胞由来因子1(SDF−1)である。
【0004】
CXCR4へのSDF−1の結合に対する特異的小分子阻害剤による阻害は、モデルにおいて、コラーゲンII誘発関節炎の病原(発生)の重症度を低減することが示されている(P. Matthys, S. Hatse, K. Vermiere, A. Wuyts, G. Bridger, G.W. Henson, E. De Clercq, A. Billiau and D. Schols, J. Immunol. 107: 4686-4692, 2001)。このモデルは、人間の関節リウマチの病原(発生)の研究モデルとして使用されるものであるが、SDF−1は、マウスコラーゲン誘発関節炎の病原(発生)において中心的役割を担うことを示している。同様に、小分子CXCR4阻害剤の使用は、マウスモデルにおいて、アレルギン誘発炎症のうちの喘息型炎症に関連する多数の病理学的要因(パラメータ)を低減することが示されている(N. W. Lukacs, A. Berlin, D. Schols, R.T. Skerlj, G. J. Bridger, Am. J. Pathology, 160 (4): 1353-1360, 2002)。
【0005】
2つの特異的ケモカイン受容体即ちCXCR4及びCCR5は、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)の感染の病因に関係付けられている。HIVのT細胞株指向性(T指向性:T-tropic)ウイルス表現型は、感染のために、免疫系の特定の細胞の表面に発現されるCXCR4受容体との会合(結合)を必要とする(Carroll et al., Science, 276: 274-276, 1997)。とりわけ、HIVとCXCR4受容体との間の相互作用は、宿主免疫細胞の感染に必要なステップである膜融合に必要とされる。
【0006】
米国特許第5,583,131号、米国特許第5,698,546号及び米国特許第5,817,807号に開示された複素環化合物は、CXCR4受容体に選択的に結合し、天然SDF−1リガンドの結合を阻害する。この結合は、抗炎症効果を示すかもしれない。更に、該結合は、T指向性HIVの該受容体との結合を競合的に阻止し、その結果、HIV感染に対する予防的効果を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
式1の化合物即ち(S)−(N’−(1H-ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−8−イル−1,4−ブタンジアミンは、その塩、プロドラッグ及び立体異性体と共に、WO03055876に開示されかつクレームされている。この刊行物の全内容は引用を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。WO03055876に記載された医薬的に許容可能な塩及び該刊行物において調製された唯一の塩の中でも好ましいのは、臭化水素酸塩である。式1の化合物は、HIV感染の治療において経口投与される医薬剤として使用されることが意図されているが、式1の既存の塩は、吸湿性に関連する問題を孕んでいる。

【0008】
なお、上記各文献の引用は、当該文献をいわゆる公知技術として自認することを意図したものでない。これらの文献の日付及び内容描出に関するすべての記載は、出願人に入手可能な情報に基づいており、当該文献の日付又は内容の正確性に関する如何なる承認も構成するものではない。更に、本書において引用するすべての文献の内容は、本書の一部を構成するものとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式1の新規な医薬的に許容可能な塩、及び該塩の調製方法を提供する。更に、本発明は、本発明の医薬的に許容可能な塩の使用方法を提供する。
【0010】
本発明は、1つの視点において、有機酸を対イオンとして使用する式1の結晶塩の調製方法を提供する。特別な一実施形態では、本発明は、式1の塩の調製方法であって、溶媒中で式1の化合物と酸とを接触し、式1の化合物の塩を得ることを含む、ここに、該塩は、クエン酸塩、エデト酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、テレフタル酸塩、置換又は非置換安息香酸塩、オロト酸塩、置換ベンゼンスルホン酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩又はトシル酸塩である、調製方法を提供する。
【0011】
特別な一実施形態では、酸は、当業者に既知の有機又は無機置換基によって任意的に置換される安息香酸である。例えば、酸は、水酸基又はアミノ基で置換された安息香酸である。
【0012】
上記方法では、有機酸と式1の化合物の比(割合)は、凡そ1:1であってもよい。或いは、有機酸と式1の化合物の比(割合)は、凡そ2:1又は3:1であってもよい。
【0013】
上記方法では、溶媒は、アルコールを含んでもよく、更に、水性媒質を含んでもよい。一実施形態では、式1の化合物と酸の溶液は、(濃縮の)結果として生じる溶液が濃縮前の当該溶液に比べてより混濁するまで濃縮される。更に、式1の化合物と酸との溶液は、塩によって種晶添加されてもよい。特別な例では、酸は、アルコールと水とを含む溶媒中の4−ヒドロキシ安息香酸である。アルコールは、水を添加する前に加熱してもよく、水は、(水の添加の)結果として生じる混合物が水の添加前の溶液に比べてより混濁するまで添加されてもよい。本発明の方法において使用可能なアルコールの例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。特別な実施形態では、アルコールはメタノールである。
【0014】
特別な実施形態では、式1の化合物を4−ヒドロキシ安息香酸に接触させて、凡そ0.5Mのモル濃度を有するメタノール溶液を生成してもよい。メタノール溶液は、30〜80℃の温度、好ましくは45〜60℃の温度、より好ましくは凡そ50℃に加熱してもよい。特別な実施形態では、凡そ3体積の水がメタノール溶液に添加され、結果として生じた溶液が凡そ50℃に加熱される。メタノール溶液には、少量の式1の化合物の結晶4−ヒドロキシ安息香酸塩によって種晶添加してもよい。また、メタノール溶液を冷却して、式1の化合物を結晶4−ヒドロキシ安息香酸塩として沈殿させてもよい。
【0015】
本発明は、量産前とりわけ錠剤生産前にバルクで保存する際により安定な式1の(化合物の)塩の生成方法を提供する。更に、本発明の方法は、保存時に湿気の吸収が生起する吸湿性に関連する問題を回避する。薬剤は少ない投薬量でも効果があり得るので、用量正確性はとりわけ重要である。量産及び分析目的とりわけ錠剤生産目的でのバルク化合物の計量(ないし計り分け)の正確性は、該化合物の重さが部分的にでも水和の水の重さを含み得ると影響を受け得るので、吸湿性の傾向が小さいことは重要である。従って、有効な薬剤が適切な量で供されることを保証するために一定性試験(constant assaying)が必要とされ得る。
【0016】
本発明は、更に、他の塩よりも改善された化学的及び温度安定性を有する医薬塩を提供する。特別な実施形態では、本発明は、式1の化合物の医薬的に許容可能な塩であって、該塩がクエン酸塩、エデト酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、テレフタル酸塩、置換又は非置換安息香酸塩、オロト酸塩、置換ベンゼンスルホン酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩又はトシル酸塩であるものを提供する。特別な実施形態では、塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩、4−アミノ安息香酸塩、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩、4−アミノベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩又はオロト酸塩である。更に特別な実施形態では、塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩、4−アミノ安息香酸塩、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩又は4−アミノベンゼンスルホン酸塩である。一層特別な実施形態では、塩は4−ヒドロキシ安息香酸塩である。本発明は、更に、式1の化合物の塩と、医薬的に許容可能な希釈剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0017】
更に、本発明は、式1の化合物の臭化水素酸塩又は塩化水素酸塩よりも小さい吸湿性を有する、式1の化合物の安息香酸塩を提供する。安息香酸塩は、式1の化合物の臭化水素酸塩又は塩化水素酸塩よりも、保存中、より安定である。更に、安息香酸塩は、凡そ30℃以上又は凡そ40℃以上で測定した場合、遊離塩基と比べて改善された安定性を有する。特別な一実施形態では、安息香酸塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩であってもよい。
【0018】
更に、本発明は、CXCR4受容体、CCR5受容体又はこの両者を調節する方法であって、そのような受容体を有する細胞と、上述したような式1の化合物の塩と医薬的に許容可能な希釈剤を含む医薬組成物の有効量とを接触させることを含む方法を提供する。特別な実施形態では、本発明は、CXCR4受容体、CCR5受容体又はこの両者によって媒介される状態を処置(治療)する方法であって、そのような処置(治療)を必要とする被検体に対し、本発明の医薬塩及び組成物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0019】
CXCR4受容体又はCCR5受容体媒介性の状態の例には、以下のものが含まれるがそれらに限定されない:血管形成、アテローム硬化症又は急性血栓症、HIVのようなレトロウイルス感染、関節リウマチのような関節炎、アレルギー、好中球媒介急性呼吸窮迫症候群のような炎症性疾患及び喘息のような慢性疾患に至る虚血−再灌流傷害、又はグリア芽細胞腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫)のような血液関連癌・悪性腫瘍、骨髄腫、線維腫、星細胞腫、急性及び慢性白血病及び中枢神経系(CNS)の腫瘍即ち上衣芽神経膠腫(epenymoglioma)、髄芽腫、乏突起膠腫(oligodendoglioma)及び神経海綿芽細胞腫を含むがこれらに限定されない腫瘍(固形又は転移)。腫瘍は、脳、乳房、前立腺、肺又は造血組織の腫瘍であり得る。CXCR4受容体又はCCR5受容体媒介性の状態の他の例には、以下のものが含まれるがそれらに限定されない:アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺臓炎、好酸球性肺炎、遅延型過敏症、間質性肺炎(肺疾患)、全身アナフィラキシー又は過敏性反応、薬剤アレルギー、昆虫刺傷アレルギー、自己免疫疾患、乾癬性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、重症筋無力症、若年性糖尿病、糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、同種移植片拒絶又は移植片対宿主病のような移植片拒絶、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、脊椎関節症、強皮症、乾癬、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、蕁麻疹、血管炎、好酸球性筋炎又は好酸球性筋膜炎、又は免疫抑制に関連する状態。
【0020】
上記処置(治療)方法では、被検体は人間又は動物であり得る。特別な実施形態では、被検体は、化学療法、放射線療法、創傷治癒、火傷治療又は自己免疫疾患治療を受けてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、式1の化合物の新規な塩の作成方法を開示する。一般的に、本発明の方法は、式1の塩基性の化合物と酸性の対イオンとを混合した後、塩を単離することを含む。
【0022】
一実施形態では、本発明は、式1の化合物と一連の無機酸との間で塩を形成するための簡単な方法を提供する。酸対式1の化学量論比は変更可能である。式1の化合物との塩の形成に使用される好適な酸を表す好適な無機イオンの以下の非限定的なリストは、例えば、塩素イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、臭素イオン、フッ素イオン、ヨウ素イオンを含む。
【0023】
他の一実施形態では、本発明は、有機酸と式1の化合物との間で塩を形成するための方法を開示する。本発明において開示される方法に応じて塩を形成するために使用され得る好適な酸を表す有機イオンの以下の非限定的なリストは、例えば、酢酸イオン、アスパラギン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、クエン酸イオン、エデト酸イオン、乳酸イオン、マレイン酸イオン、マンデル酸イオン、メシル酸イオン、D−酒石酸イオン、L−酒石酸イオン、テレフタル酸イオン、4−ヒドロキシ安息香酸イオン、4−アミノ安息香酸イオン、オロト酸イオン、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸イオン、4−アミノベンゼンスルホン酸イオン、安息香酸イオン、ナフトエ酸イオン、ナプシル酸イオン、トシル酸イオンを含む。
【0024】
他の一実施形態では、本発明は、有機酸と式1の化合物との間で結晶塩を形成するための新規な方法を開示する。好適な有機アニオンには、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸イオン、4−アミノ安息香酸イオン、4−アミノベンゼンスルホン酸イオン、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸イオン、安息香酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、オロト酸イオンが含まれるがこれらに限定されない。
【0025】
式1の化合物の4−ヒドロキシ安息香酸塩の形成を例として上記方法を説明する。一実施形態では、式1の化合物は、好適な溶媒に溶解される。好適な溶媒は、典型的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール又はそれらの混合物を含むがこれらに限定されないアルコールである。他の好適な溶媒の非限定的例には、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジン、エチレングリコールが含まれる。好ましい溶媒は、メタノール又はエタノール又はイソプロパノールである。次いで、4−ヒドロキシ安息香酸が、固体として又は同じ溶媒中の溶液として添加される。酸は、典型的には、式1の化合物に対し、1.0:1〜1.2:1のモル比で使用される。選択した溶媒中における式1の化合物の濃度は、典型的には、凡そ0.5モル/L、又は凡そ4.5溶媒当量である。次いで、混合物を撹拌・加熱して溶媒和する。これは、通常、30〜80℃で、好ましくは凡そ45〜60℃で生じる。次いで、第2の溶媒、典型的には水、を添加する。通常、凡そ8〜10当量が添加され、微かな濁りが生じる(微かに混濁する)。この時点で、任意的に、水酸化ナトリウム水及び/又は塩酸を用いて7〜8の範囲に溶液のpHを調節してもよい。次いで、混合物を撹拌しながら冷却すると、塩の沈殿が、通常結晶として生成する。冷却中に混合物の種晶添加を行ってもよい。塩は、濾過によって単離する。
【0026】
上述の方法によって調製された塩は、結晶遊離塩基と比べた場合、向上された化学的及び温度安定性のような、所望の性質を示す。
【0027】
有用性及び投与
本発明は、ケモカイン受容体活性を調節する式1の化合物の医薬的に許容可能な塩及び組成物に向けられている。ケモカイン受容体には、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CXCR3及びCXCR4が含まれるがこれらに限定されない。
【0028】
一実施形態では、本発明は、ケモカイン受容体に特異的に結合することにより標的細胞のCCR5及び/又はCXCR4への天然リガンドの結合に影響を及ぼすことによって、HIV感染に対する標的細胞の保護効果を示す式1の化合物の医薬的に許容可能な塩及び組成物を提供する。
【0029】
他の一実施形態では、本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CXCR3及びCXCR4のようなケモカイン受容体に影響を及ぼす剤として有用である。これらのケモカイン受容体は、多くの炎症及び免疫調節性疾患の重要な媒介物であるとして相互に関連付けられてきたものである。
【0030】
媒介物としてのケモカイン(受容体)と関係付けられる他の疾患には、(腫瘍起因性)血管形成、及び脳腫瘍及び乳癌のような腫瘍形成が含まれる。従って、そのようなケモカイン受容体の活性を調節する化合物は、そのような疾患の治療又は予防に有用である。
【0031】
本書において、用語「調節剤(モジュレータ)」は、拮抗剤(アンタゴニスト)、作用剤(アゴニスト)、部分拮抗剤及び/又は部分作用剤、即ち阻害剤(インヒビタ)及び活性化剤(アクティベータ)を含むものとする。本発明の一実施形態では、式1の化合物の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、CCR5及び/又はCXCR4のような標的細胞のケモカイン受容体にHIVが結合することを阻害することにより、HIV感染に対する保護効果を示す。そのような調節因子は、標的細胞と、ケモカイン受容体への該ウイルスの結合の阻害に有効な該化合物の量とを接触させること、を含む方法によって得られる。
【0032】
ケモカイン受容体の活性及び機能を阻害する本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺臓炎、好酸球性肺炎、遅延型過敏、間質性肺炎(ILD)(例えば、特発性肺線維症、又は関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、強直性脊椎炎、全身性硬化症、シェーグレン症候群、多発性筋炎又は皮膚筋炎に関連するILD)のような炎症性又はアレルギー性疾患;全身アナフィラキシー又は過敏性反応、薬物アレルギー、昆虫刺傷アレルギー;関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、重症筋無力症、若年性糖尿病のような自己免疫疾患;糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、同種移植片拒絶又は移植片対宿主病を含む移植片拒絶;クローン病及び潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患;脊椎関節症;強皮症;(T細胞媒介乾癬を含む)乾癬及び皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、蕁麻疹のような炎症性皮膚疾患;血管炎(例えば、壊死性、皮膚性、及び過敏性血管炎);好酸球性筋炎、好酸球性筋膜炎;及び癌を含むがこれらに限定されない炎症に関連する疾患の治療に使用することができる。
【0033】
更に、ケモカイン受容体の機能を活性化ないし促進する本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、化学療法、放射線療法、高度(enhanced)創傷治癒及び火傷治療、自己免疫疾患治療又は他の薬剤治療(例えば、コルチコステロイド療法)又は免疫抑制を引き起こす自己免疫疾患及び移植片/移植拒絶において使用される伝統的な薬剤の組み合せ療法を受ける個体のような免疫抑制;受容体機能の先天性不全又はその他の原因に基づく免疫抑制;及び線虫(回虫)のような蠕虫感染;鞭虫症、蟯虫症、回虫症、鈎虫症、糞線虫症、旋毛虫症、糸状虫症;吸虫症;内蔵寄生虫(visceral worms)、内蔵幼虫移行症(例えば、トキソカラ症)、好酸球性胃腸炎(例えば、アニサキス(Anisaki spp.)、Phocanema ssp.)、皮膚幼虫移行症(ブラジル鉤虫、イヌ鉤虫);マラリア発症原虫である三日熱マラリア原虫、ヒトサイトメガロウイルス、リスザルヘルペスウイルス、及びヒトヘルペスウイルス8としても知られるカポジ肉腫ヘルペスウイルス、及び伝染性軟属腫ポックスウイルスを含むがこれらに限定されない寄生虫病のような感染性疾患に関連する疾患の治療に使用される。
【0034】
本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、他の任意の活性剤又は医薬組成物と組み合わせて使用することも可能である。そのような組み合せ療法は、ケモカイン受容体活性の調節及びそれによる炎症性及び免疫調節性疾患の予防及び治療に有用である。
【0035】
本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、更に、HIVの予防又は治療に有用な1又は2以上の剤と組み合わせて使用することも可能である。そのような剤の例には以下のものが含まれる:
(1)フマル酸テノホビル ジソプロキシル;ラミブジン/ジドブジン;アバカビル/ラミブジン/ジドブジン;エムトリシタビン;アムドキソビル(amdoxovir);アロブジン(alovudine);DPG−817;SPD−756;SPD−754;GS7340;ACH−126,443β−L−F d4C;ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アデフォビル、アデフォビルジピビキシル(dipivoxil)、フォジブジントドキシル(fozivudine todoxil)等のようなヌクレオチド逆転写酵素阻害剤;
(2)ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン、エファビレンツ、ロビルド(loviride)、イムノカル、オルチプラズ、TMC−125;DPC−083;カプラバリン(capravarine);カラノライドA;SJ−3366シリーズ等のような(イムノカル、オルチプラズ等のような抗酸化活性を有する剤を含む)非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤;
(3)サキナビル、ロピナビル/リトナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、チプラナビル、TMC−114、DPG−684、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、パリナビル(palinavir)、ラシナビル(lasinavir)等のようなプロテアーゼ阻害剤;
(4)T−20;T−1249;PRO−542;PRO−140;TNX−355;BMS−806シリーズ;及び5−ヘリックスのような流入阻害剤;
(5)Sch−C(ないしSCH351125);Sch−D及びSCH350634;TAK779;UK427,857 TAK449;及びGSK−873,140(ONO−4128)のようなCCR5受容体阻害剤;
(6)L−870,810;GW−810781(S−1360)のようなインテグラーゼ阻害剤;及び
(7)PA−344;及びPA−457のような出芽阻害剤。
【0036】
本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物とHIV剤との組み合せは、(1)、(2)及び/又は(3)に限定されず、HIVの治療に有用な任意の剤との組み合せも含む。本発明の化合物と他のHIV剤との組み合せ(複数)は、別々に投与することも、併用することも可能である。1つの剤の投与は、(1又は2以上の)他の剤の投与の前、同時又は後の何れであってもよい。
【0037】
本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、経口投与、筋肉内投与、腹腔内投与、静脈内投与、嚢内注射又は注入、皮下注射、経皮ないし経粘膜投与によって又はインプラントによって投与することができる。また、吸入スプレー、鼻、膣、直腸、舌下、又は局所的ルートによって投与してもよい。更に、投与の各ルートに適切な伝統的な非毒性医薬的に許容可能な担体、佐剤及び賦形剤を含有する好適な用量単位剤形で、単独で又は一緒に、処方してもよい。
【0038】
本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ及びサルを含む動物の治療に使用される。本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、人間に使用する場合にも効力を有する。
【0039】
本発明の医薬的に許容可能な塩及び組成物は、単独で、又は、医薬的に許容可能な担体との混合剤(例えば、タブレット、カプセル、顆粒、散剤のような固体剤形;シロップ、注射剤等のような液体剤形)として投与することができ、経口的又は非経口的に投与することができる。非経口的剤形の例には、注射、点滴、坐剤、膣坐剤が含まれる。
【0040】
ケモカイン受容体調節を必要とする状態の治療又は予防において、適切な投与量レベルは、一般的に、凡そ0.01〜500mg/kg被検体体重/日であり、単回投与又は複数回投与が可能である。好ましくは、投与量レベルは、凡そ0.1〜250mg/kg/日である。任意の特定の患者(被検体)に対する特定の投与量レベル及び投与頻度は変更可能であり、使用される特定の化合物の活性、当該化合物の作用の代謝安定性及び期間、年齢、体重、健康状態、性別、食餌、投与の方法及び時間、排泄割合(速度)、薬剤の組み合せ、特定の状態重症度、及び患者が受ける療法を含む種々の要因に応じて決定することができると理解されるべきである。
【0041】
上に本発明を概説したが、本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解することができる。なお、以下の実施例は、単なる説明のためのものに過ぎず、特に明示しない限り、本発明を限定するものと解すべきではない。
【実施例】
【0042】
以下の実施例は、本発明の説明を目的としており、本発明を限定することは意図していない。説明する塩の調製及び単離のための反応条件の修正・変更が可能であることは、当業者には自明である。そのような修正・変更は、本発明の教示の範囲内において行われることが意図されている。
【0043】
以下に、実施例で使用される略語を示す:
g=グラム
mg=ミリグラム
μL=マイクロリットル
mL=ミリリットル
L=リットル
mmol=ミリモル
当量(equiv.)=化学当量
N=規定濃度
ee=鏡像体過剰率
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
GC=ガスクロマトグラフィー
mp=融点
DSC=示差走査熱量測定(法)
NMR=核磁気共鳴分析(法)
rt=室温(周囲)
EtOAc=酢酸エチル
MeOH=メタノール
EtO=ジエチルエーテル
nBuOH=n−ブタノール
iPrOH=イソプロパノール
【0044】
1. 式1の化合物の塩酸塩:
塩酸塩はすべて同じ一般的方法を用い塩酸の当量(等価物)を変更することによって合成されたことに注意すべきである。
【0045】
50mLの丸底フラスコ中で、式1の化合物(0.258g、0.738mmol)を試薬級メタノール(5mL)に溶解したところ無色の溶液が得られた。この溶液を水(15mL)で希釈した後、塩酸水(0.0978N、7.56mL、1当量)一部を添加した。得られた混合物を70℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して得られた透明なガラス状残滓を水(5mL)に溶解し、30mLプラスチックボトルに移した。この溶液を液体窒素で凍結した後2日間凍結乾燥したところ、綿毛状の白色固体が得られた。次いで、この固体を粉砕して式1の化合物の塩酸塩の白色微粉末(0.280g、98%)を得た。HPLC:98%(>99%ee)。GC:CHCl(5ppm)、EtOAc(4ppm)、MeOH(0ppm)。Anal.Calcd. for C2127・1.1HCl・1.4HO:C, 60.81;H, 7.51;N, 16.88;Cl, 9.40。Found:C, 60.80;H, 7.20;N, 16.81;Cl, 9.40。
【0046】
2. 式1の化合物の硫酸塩:
50mLの丸底フラスコ中で、式1の化合物(0.513g、1.47mmol)を試薬級メタノール(5mL)に溶解したところ無色の溶液が得られた。硫酸水(2N、0.735mL、1当量)一部を添加し、反応混合物を室温で50分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して得られた透明なガラス状残滓をメタノール(3mL)に溶解し、室温でジエチルエーテル(150mL)に滴下した(15分間)。得られた白色のスラリーを20分間撹拌し、(窒素の定常流下)吸引濾過によって白色固体を単離した。濾過ケークに窒素を10分間強制通流した後、その固体をスパチュラで粉砕し、熱窒素装置(hot nitrogen apparatus)に移した。該白色固体を装填したチャンバに熱窒素(〜75℃)を72時間通流したところ、白色微粉末(0.637g、97%)が得られた。この式1の化合物の硫酸塩のスペクトルデータは以下のとおりである:HPLC:98%(>99%ee)。GC:EtO(1839ppm)、CHCl(11ppm)、MeOH(0ppm)。Anal. Calcd. for C2127・1.1HSO・1.3HO:C, 52.46;H, 6.67;N, 14.57;S, 7.34。Found:C, 52.60;H, 6.67;N, 14.62;S, 7.19。
【0047】
三硫酸塩は、3当量の硫酸を添加することにより、上記の方法と同じ方法で合成することができる。
【0048】
3. 式1の化合物のリン酸塩:
50mLの丸底フラスコ中で、式1の化合物(0.393g、1.13mmol)を試薬級メタノール(3mL)に溶解したところ無色の溶液が得られた。この溶液を水(2mL)で希釈した後、リン酸水(14.7N、77μL、1当量)一部を添加し、更に、水(15mL)を添加した。得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して得られた透明なガラス状残滓を水(5mL)に再溶解した後、再び溶媒を減圧下で除去した(更に2回繰り返した)。最後に得られた無色のガラス状残渣を粉砕して微粉末とし、これを40℃で終夜減圧乾燥したところ、式1の化合物のリン酸塩(0.441g、87%)が得られた。HPLC:99%(>99%ee)。GC:CHCl(3ppm)、MeOH(0ppm)。Anal.Calcd. for C2127・1.0HPO・0.6HO:C, 55.04;H, 6.86;N, 15.28。Found:C, 55.16;H, 6.66;N, 15.03。
【0049】
4. 式1の化合物の安息香酸塩:
メタノール(25mL)中の式1の化合物(1.40g、4.01mmol)の溶液に、安息香酸(0.488g、4.00mmol)を添加した。次いで、この溶液に、水(25mL)を添加した。得られた溶液は、微かな濁りが生じる(微かに混濁する)まで、ロータリーエバポレータ(rotary evaporation)によって減圧濃縮した。次いで、少量のメタノール(凡そ0.2mL)を添加して溶液を清澄した。次いで、この溶液を周囲条件下でゆっくりと蒸発させた。種晶添加はこの時点で実行してもよい。48時間で結晶が生成した。この結晶を濾過で単離した。この式1の化合物の安息香酸塩0.995g(51%:C2127・C・HO)はオフホワイトの固体(mp90℃(DSC))として得られた:H NMR(300MHz, CDOD, δppm) 1.35−1.70(m, 5H), 1.80−2.04(m, 2H), 2.25(m, 1H), 2.46(m, 1H), 2.60−2.90(m, 5H), 3.95(d, 1H, J=15.6Hz), 4.00(d, 1H, J=15.6Hz), 4.11(m, 1H), 7.15−7.21(m, 3H), 7.35−7.45(m, 3H), 7.50−7.54(m, 3H), 7.75−7.95(m, 2H), 8.49(d, 1H,J=4.5Hz); 13C NMR(75.5MHz, CDOD, δppm) 22.57, 23.79, 26.65, 26.86, 30.27, 40.59, 51.19, 52.04, 63.49, 115.81, 123.55, 123.77, 128.89, 130.37, 131.50, 137.00, 139.00, 139.36, 139.59, 147.87, 156.26, 157.97, 175.50;Anal. Calcd. C2833・HO:C, 68.69;H, 7.20;N, 14.30;S;Found:C, 68.64;H, 7.18;N, 14.35。
【0050】
5. 式1の化合物のベンゼンスルホン酸塩:
式1の化合物(2.43g、6.95mmol)をエタノール(20mL)に溶解した。ベンゼンスルホン酸(1.10g、6.95mmol)を添加し、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。残渣にエタノール(10mL)を添加した溶液を0℃に冷却した。この溶液が乳濁するまで水を添加した。この混合物を40℃に加温して完全に溶解したのち、撹拌しながら0℃に除冷した。このプロセス中、温度が30℃に達したとき、溶液に対し、凡そ10mgの式1の化合物の結晶安息香酸塩によって種晶添加を実行した。この混合物を撹拌し、0℃で数時間、固体を濾過で回収した。最後に、この固体を1日間40℃で減圧乾燥したところ式1の化合物の結晶ベンゼンスルホン酸塩(2.58g、74%、C2127・CS 0.5HO)がオフホワイトの固体(mp87℃(DSC))として得られた:H NMR(300MHz, CDOD, δppm) 1.35−1.60(m, 4H), 1.70(m, 1H), 1.80−2.10(m, 2H), 2.25(m, 1H), 2.46(m, 1H), 2.60−2.90(m, 5H), 3.95(d, 1H, J=15.5Hz), 4.02(d, 1H, J=15.5Hz), 4.14(m, 1H), 7.15−7.30(m, 3H), 7.35−7.45(m, 2H), 7.50−7.60(m, 3H), 7.75−7.85(m, 2H), 8.49(d, 1H, J=4.5Hz); 13C NMR(75.5MHz, CDOD, δppm) 22.84, 24.04, 26.89, 27.03, 30.54, 40.85, 51.41, 52.30, 63.76, 116.00, 123.86, 124.09, 127.31, 129.73, 131.71, 137.32, 139.70, 146.74, 148.13, 156.46, 158.21; Anal. Calcd. C2127・CS・0.5HO: C, 62.77;H, 6.63;N, 13.56;S, 6.21;Found:C, 62.93;H, 6.66;N, 13.61;S, 6.10。
【0051】
6. 式1の化合物の4−アミノ安息香酸塩:
メタノール(25mL)中の式1の化合物(2.80g、8.01mmol)の溶液に、メタノール(25mL)中の4−アミノ安息香酸(1.00g、8.01mmol)の溶液を添加した。次いで、水(50mL)を添加して得た混合物を減圧下に置き、この溶液に濁りが生じるまで濃縮した。次いで、少量のメタノールを添加してこの溶液を清澄した後、濾紙で濾過した。次いで、溶液に対し、少量の結晶4−アミノ安息香酸塩によって種晶添加を実行し、30分間0℃に冷却した。次いで、混合物を濾過し、濾過ケークを室温で減圧乾燥した。式1の化合物の4−アミノ安息香酸塩のオフホワイトの結晶が得られた(mp139℃(DSC)): 3.15g(81%)。 H NMR(300MHz, CDOD, δppm) 1.35−1.65(m, 5H), 1.80−2.10(m, 2H), 2.18(m, 1H), 2.40(m, 1H), 2.57−2.85(m, 5H), 3.92(d, 1H, J=15.5Hz), 4.02(d, 1H, J=15.5Hz), 4.05(m, 1H), 6.58(d, 2H, J=8.4Hz), 7.18(m, 3H), 7.48−7.54(m, 3H), 7.72(d, 2H, J=8.4Hz), 8.49(d, 1H, J=3.6Hz); 13C NMR(75.5MHz, CDOD, δppm) 22.56, 23.78, 26.67, 27.03, 30.27, 40.57, 51.21, 52.03, 63.47, 114.80, 115.81, 123.53, 123.74, 127.16, 132.20, 136.98, 139.32, 139.60, 147.86, 152.00, 156.27, 157.97, 176.07;Anal. Calcd. C2127・CNO・0.5HO:C, 67.86;H, 7.12;N, 16.96;Found:C, 68.02; H, 7.04;N, 16.96。
【0052】
7. 式1の化合物の4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩:
メタノール中の式1の化合物(1.40g、4.01mmol)の溶液(30mL)に、メタノール中の4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸(0.10M溶液が40mL、4.0mmol)の溶液を添加した。この微かに淡紅色の溶液を濾紙で濾過した後、この混合物を減圧下に置き、この溶液に濁りが生じるまで濃縮した。次いで、溶液に対し、少量の結晶4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩によって種晶添加を実行し、2時間0℃に冷却した。次いで、混合物を濾過し、濾過ケークを室温で減圧乾燥した。式1の化合物の4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩の微かに淡紅色の結晶が得られた(mp152℃(DSC)):1.11g(50%)。 H NMR(300MHz, CDOD, δppm) 1.38−1.57(m, 4H), 1.65(m, 1H), 1.80−2.10(m, 2H), 2.21(m, 1H), 2.43(m, 1H), 2.62−2.85(m, 5H), 3.92(d, 1H, J=15.5Hz), 4.00(d, 1H, J=15.5Hz), 4.12(m, 1H), 6.75(d, 2H, J=8.4Hz), 7.18−7.24(m, 3H), 7.51−7.55(m, 3H), 7.64(d, 2H, J=8.4Hz), 8.47(d, 1H, J=4.2Hz); 13C NMR(75.5MHz, CDOD, δppm) 22.56, 23.78, 26.62, 26.76, 30.27, 40.58, 51.12, 52.05, 63.49, 115.85, 123.59, 123.80, 128.87, 137.03, 137.39, 139.40, 147.86, 156.18, 157.93, 160.72;Anal. Calcd. C2127・CSO・1.5HO:C, 58.89;H, 6.59;N, 12.72;S, 5.82;Found:C, 58.84;H, 6.62;N, 12.69;S, 5.76。
【0053】
8. 式1の化合物の4−アミノベンゼンスルホン酸塩:
メタノール(25mL)中の式1の化合物(2.00g、5.72mmol)の溶液に、4−アミノベンゼンスルホン酸(0.991g、5.72mmol)を添加した。次いで、水(25mL)を添加した。次いで、この混合物を減圧下に置き、この溶液に濁りが生じるまで濃縮した。次いで、溶液を大気に曝し、室温でゆっくりと蒸発させて晶析を開始した。24時間後、混合物を濾過し、濾過ケークを室温で減圧乾燥した。母液を回収し、種晶添加を実行し、蒸発して第2段階の結晶を得た。式1の化合物の4−アミノベンゼンスルホン酸塩のオフホワイトの結晶が得られた(mp137−139℃):2.21g(両段階合せて71%)。 H NMR(300MHz, CDOD, δppm) 1.38−1.54(m, 4H), 1.65(m, 1H), 1.80−2.10(m, 2H), 2.18(m, 1H), 2.46(m, 1H), 2.62−2.85(m, 5H), 3.92(d, 1H, J=15.5Hz), 4.00(d, 1H, J=15.5Hz), 4.12(m, 1H), 6.61(d, 2H, J=8.1Hz), 7.18(m, 3H), 7.52−7.54(m, 5H), 8.47(d, 1H, J=4.2Hz); 13C NMR(75.5MHz, CDOD, δppm) 22.57, 23.78, 26.62, 26.78, 30.26, 40.58, 51.12, 52.05, 63.47, 114.76, 115.93, 123.57, 123.79, 128.43, 134.59, 137.03, 139.37, 147.87, 151.68, 156.21, 157.94;Anal. Calcd. C2127・CNSO・HO:C, 59.98;H, 6.71;N, 15.54;S, 5.93;Found:C, 60.06;H, 6.65;N, 15.59;S, 5.79。
【0054】
9a. 式1の化合物の4−ヒドロキシ安息香酸塩(方法A):
メタノール(50mL)中の式1の化合物(6.99g、20.0mmol)の溶液に、4−ヒドロキシ安息香酸(2.76g、20.0mmol)を添加した。次いで、水(30mL)を添加した。次いで、この混合物を減圧下に置き、この溶液に濁りが生じるまで濃縮した。次いで、少量のメタノール(凡そ1mL)を添加してこの溶液を再清澄した後、濾紙で濾過した。次いで、溶液に対し、少量の結晶4−ヒドロキシ安息香酸塩によって種晶添加を実行し、30分間0℃に冷却したが、その間に、白色結晶が生じた。次いで、混合物を濾過した。次いで、母液を再濾過して、2つの段階の式1の化合物の4−ヒドロキシ安息香酸塩の結晶が得られた(mp151℃(DSC)): 8.86g(両段階合せて91%)。 H NMR(300MHz, CDOD, δppm) 1.38−1.54(m, 4H), 1.65(m, 1H), 1.84−2.05(m, 2H), 2.18(m, 1H), 2.46(m, 1H), 2.62−2.85(m, 5H), 3.93(d, 1H, J=15.6Hz), 4.03(d, 1H, J=15.5Hz), 4.12(dd, 1H, J=10.8, 3.0Hz), 6.70(d, 2H, J=8.7Hz), 7.17−7.22(m, 3H), 7.52−7.54(m, 3H), 7.80(d, 2H, J=8.4Hz), 8.47(d, 1H, J=4.2Hz); 13C NMR(75.5MHz, CDOD, δppm) 22.56, 23.74, 26.65, 26.94, 30.28, 40.57, 51.22, 52.04, 63.51, 115.48, 115.81, 123.56, 123.79, 129.83, 132.43, 137.03, 139.38, 147.86, 156.26, 157.95, 161.15, 175.60; Anal. Calcd. C2127・C・0.4HO:C, 67.97;H, 6.88;N, 14.15;Found:C, 68.02; H, 6.93;N, 14.24。
【0055】
9b. 式1の化合物の4−ヒドロキシ安息香酸塩(方法B):
式1の化合物(37.2g、130mmol)を室温でMeOH(260mL)に溶解した。4−ヒドロキシ安息香酸(17.94g、0.9eq.理論収率に基づく)を添加し、比(割合)をNMRで調べた。更に、4−ヒドロキシ安息香酸を添加して確実にこの酸を5〜10%過剰にした。この混合物のpHを湿潤pH試験紙で調べ、必要に応じて更に酸又はNaOHを添加してpHを7〜8に調節した。この混合物を50℃に加熱し、水(720mL)を添加した。この混合物を除冷し、40℃以下で種晶添加を実行したところ、結晶の析出が開始した。室温で終夜撹拌した後、この混合物を濾過し、濾過ケークを氷冷MeOH水(3:1水−MeOH、2回の洗浄で500mL)で洗浄した。この固体をN通気下で乾燥し、更に、高真空下で終夜乾燥したところ、最終産物が微かにオフホワイトの粉末として得られた:43.3g(71%)。純度:HPLCで99.9%; キラル純度(chiral Purity)(HPLC):97.1%e.e. mp151℃(DSC)。スペクトルデータは、方法9aに示したものと一致している。
【0056】
9c. 式1の化合物の4−ヒドロキシ安息香酸塩(方法C):
式1の化合物(560g、1.6mol)のpH9〜10の水溶液(2.3L)をn−ブタノール(夫々2.3L)二部で抽出した。次いで、式1の化合物を含有するn−ブタノール画分を合せたものを、凡そ35℃の温度で減圧濃縮し、体積を凡そ1.5Lにした。次いで、イソプロパノール(3.5L)を添加して得た溶液を凡そ35℃で減圧濃縮して最終体積1.5Lとした。次いで、含水量を分析した(0.1%以下で合格:含水量が0.1%w/w超の場合、イソプロパノールの一画分を更に添加して蒸留を繰り返す。)。この溶液に、イソプロパノールを更に3.5L添加した。
【0057】
別の容器中で、4−ヒドロキシ安息香酸(110g、0.8mol、0.5eq.)をイソプロパノール(3.5L)に添加し、この酸溶液を、式1の化合物のイソプロパノール溶液に添加した。4−ヒドロキシ安息香酸対式1の化合物の相対比は、H NMRで調べた。式1の化合物に対し100〜110mol%4−ヒドロキシ安息香酸の目標が達成されるまで、更に複数部(0.1eq.)が添加される。次いで、この溶液を30〜50℃で減圧濃縮し、最終体積凡そ1.5Lとし、n−ブタノール対イソプロパノールの溶媒比をH NMRで調べた(イソプロパノールに対し凡そ25%n−ブタノールが予想される)。次いで、この溶液を濾過した後、イソプロパノール(0.75L)を添加する。この溶液を50〜55℃に加温した後、水(9L)をゆっくりと添加した。その間、温度は50〜55℃に維持した。次いで、この溶液のpHを10%w/w水酸化ナトリウムで7.5〜8に調節した。この溶液を38〜40℃に冷却した後、種晶(3.8g)を添加して晶析を開始した。38〜40℃で凡そ45分間撹拌した後、この混合物を2〜3時間0〜5℃に冷却した。次いで、スラリーを0〜5℃で1時間撹拌した。式1の化合物の4−ヒドロキシ安息香酸塩である生成物を濾過で単離し、含水量が2.0%w/w未満になるまで、真空乾燥器で40〜50℃で濾過ケークを乾燥した。式1の化合物の4−ヒドロキシ安息香酸塩620g(77%)が、綿毛状のオフホワイトの結晶固体として得られた:純度96.8%(HPLCによる無水塩基でのw/wアッセイ:総不純物0.14%w/w);キラル純度(Chiral Purity)>99%e.e.。スペクトルデータは方法9aに示したものと一致している。
【0058】
10. 式1の化合物のオロト酸塩:
50mLの丸底フラスコ中で、式1の化合物(2.00g、5.73mmol)を試薬級メタノール(20mL)に溶解したところ無色の溶液が得られた。この溶液を水(5mL)で希釈した後、オルト酸一水和物(1.00g、5.73mmol)を添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して得られた淡黄色のガラス状残滓を酢酸エチル(30mL)に懸濁した。淡黄色のスラリーを80℃に加熱し、固体が完全に溶解するまでメタノールをゆっくりと添加した(MeOH総量18mL)。次いで、晶出を促進するために水を5滴添加し、淡黄色の溶液を室温に除冷したところ、白色の結晶固体が形成された。室温で18時間置いた後、この固体をスパチュラで粉砕し、白色の微結晶固体を吸引濾過で単離した後、50℃で16時間減圧乾燥した(2.75g、95%)。HPLC:99.7%(>99%ee)。GC:EtOAc(45ppm)、MeOH(11ppm)。
【0059】
11. N−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリン−8−イル)−ブタン−1,4−ジアミン遊離塩基及び結晶塩(表1において特定した)安定性 サンプル調製及び保存状態:
凡そ100mgの物質を透明な4mlバイアルに入れた。バイアルに蓋をして手できつく締め、これらのバイアルを25℃/60%RH(相対湿度)、40℃/75%RH、及びデシケータ内70℃の条件で保存した。各時点において、凡そ0.3〜0.6mgのサンプルを取り出し、1:1 0.1M HCl:MeOHに溶解して、夫々、0.5mg/mL溶液を得た。各サンプルをHPLCで分析し、化合物N−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリン−8−イル)−ブタン−1,4−ジアミン及び分解産物のピーク面積パーセント値を安定性指標として用いた。
【0060】
表1は、N−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリン−8−イル)−ブタン−1,4−ジアミンの塩の種々の温度における安定性特性を示す。
表1

【0061】
以上の詳細な説明及び実施例は単なる説明のためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解すべきではない。開示した実施形態に対する種々の修正・変更態様は当業者には明らかである。そのような修正・変更形態は、中間体、合成、剤形及び/又は本発明の使用方法をこれらに限定されることなく含むが、本発明の教示及び範囲を逸脱しない限りにおいて実行することができる。本書において引用した米国特許及び刊行物は本書の一部を構成するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物の塩の調製方法であって、

溶媒中で式1の化合物を酸と接触し、式1の化合物の塩を得ることを含むこと、ここに、該塩は、クエン酸塩、エデト酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、テレフタル酸塩、置換又は非置換安息香酸塩、オロト酸塩、置換ベンゼンスルホン酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩又はトシル酸塩であること
を特徴とする調製方法。
【請求項2】
前記酸と前記式1の化合物の比は、凡そ1:1、1.1:1、2:1又は3:1である
請求項1の方法。
【請求項3】
前記酸は、任意的に置換される安息香酸又はベンゼンスルホン酸である
請求項1の方法。
【請求項4】
前記酸は、水酸基又はアミノ基で任意的に置換される
請求項3の方法。
【請求項5】
前記塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩、4−アミノ安息香酸塩、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩、4−アミノベンゼンスルホン酸塩又はオロト酸塩である
請求項1の方法。
【請求項6】
前記塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩である
請求項5の方法。
【請求項7】
前記溶媒は、アルコールを含み、更に任意的に水性媒質を含む
請求項1の方法。
【請求項8】
前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール又はそれらの混合物である
請求項7の方法。
【請求項9】
前記式1の化合物と前記酸との混合物は、(濃縮の)結果として生じる混合物が濃縮前の当該混合物に比べてより混濁するまで濃縮される;又は(水の添加の)結果として生じる混合物が水の添加前の前記混合物に比べてより混濁するまで水が添加される
請求項1の方法。
【請求項10】
前記式1の化合物と前記酸との混合物は、塩によって種晶添加される
請求項1の方法。
【請求項11】
溶媒中で4−ヒドロキシ安息香酸を前記式1の化合物に接触させて混合物を生成し、任意的に該混合物のpHを凡そ7〜8に調節する
請求項1の方法。
【請求項12】
前記溶媒は、アルコールを含み、更に任意的に水性媒質を含む
請求項11の方法。
【請求項13】
前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール又はそれらの混合物である
請求項12の方法。
【請求項14】
前記アルコールは、イソプロパノールである
請求項13の方法。
【請求項15】
前記混合物は加熱され、該加熱された混合物に水が添加される
請求項11の方法。
【請求項16】
(水の添加の)結果として生じる混合物が、水の添加前の混合物に比べてより混濁するまで水が添加される
請求項11の方法。
【請求項17】
前記4−ヒドロキシ安息香酸と前記式1の化合物との比は、凡そ1:1である
請求項11の方法。
【請求項18】
前記酸と前記式1の化合物とのアルコール及び水の溶液は、(濃縮の)結果として生じる溶液が、濃縮前の当該溶液に比べてより混濁するまで濃縮される
請求項11の方法。
【請求項19】
イソプロパノール中の4−ヒドロキシ安息香酸と前記式1の化合物とを接触させ、凡そ0.7Mのモル濃度の溶液を生成することを含む
請求項1の方法。
【請求項20】
前記イソプロパノール溶液は、30〜80℃の間の温度;又は45〜60℃の間の温度;又は凡そ50℃の温度に加熱される
請求項19の方法。
【請求項21】
アルコール溶液の1体積に対し凡そ4体積の水を前記イソプロパノール溶液に添加し、任意的に該溶液のpHを7〜8に調節し、そして結果として生じる溶液を凡そ50℃に加熱する
請求項19の方法。
【請求項22】
前記イソプロパノール溶液は、前記式1の化合物のヒドロキシ安息香酸塩によって種晶添加され、及び/又は任意的に冷却して式1の化合物を4−ヒドロキシ安息香酸塩として沈殿させる
請求項19の方法。
【請求項23】
前記式1の化合物のアルコール溶液を前記酸のアルコール溶液に接触させる、ここに、各アルコール溶液は任意的に水性媒質を含む
請求項1の方法。
【請求項24】
前記各アルコール溶液はイソプロパノールである
請求項23の方法。
【請求項25】
式1の化合物の医薬的に許容可能な塩

ここに、前記塩は、クエン酸塩、エデト酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、テレフタル酸塩、置換又は非置換安息香酸塩、オロト酸塩、置換ベンゼンスルホン酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩又はトシル酸塩である。
【請求項26】
前記塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩、4−アミノ安息香酸塩、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩、4−アミノベンゼンスルホン酸塩又はオロト酸塩である
請求項25の塩。
【請求項27】
前記塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩である
請求項26の塩。
【請求項28】
請求項25の医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能な希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項29】
前記塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩、4−アミノ安息香酸塩、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩、4−アミノベンゼンスルホン酸塩又はオロト酸塩である
請求項28の組成物。
【請求項30】
前記塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩である
請求項29の組成物。
【請求項31】
式1の化合物の安息香酸塩であって、

前記式1の化合物の臭化水素酸塩又は塩化水素酸塩よりも小さい吸湿性を有する塩。
【請求項32】
前記安息香酸塩は、4−ヒドロキシ安息香酸塩である
請求項31の塩。
【請求項33】
前記塩は、前記式1の化合物の臭化水素酸塩又は塩化水素酸塩よりも保存安定性がより大きい
請求項31の塩。
【請求項34】
前記塩は、凡そ30℃以上;又は凡そ40℃以上;又は凡そ70℃以上において、遊離塩基に比べて改善された安定性を有する
請求項31の塩。
【請求項35】
CXCR4受容体、CCR5受容体又はこの両者を調節する方法であって、
前記受容体を有する細胞と、請求項25の医薬的に許容可能な塩の有効量又はその医薬組成物とを接触させ、該受容体を調節することを含む
調節方法。
【請求項36】
CXCR4受容体、CCR5受容体又はこの両者によって媒介される状態を処置(治療)する方法であって、
そのような処置(治療)を必要とする被検体に対し、請求項25の医薬的に許容可能な塩の有効量又はその医薬組成物を投与することにより、前記状態を処置(治療)することを含む
処置(治療)方法。
【請求項37】
前記被検体は、人間又は動物である
請求項36の方法。
【請求項38】
前記状態は、血管形成、HIV、関節炎、アレルギー、炎症性疾患、喘息又は腫瘍である
請求項36の方法。
【請求項39】
前記腫瘍は、脳、乳房、前立腺、肺又は造血組織の腫瘍である
請求項38の方法。
【請求項40】
前記関節炎は、関節リウマチである
請求項38の方法。
【請求項41】
前記状態は、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺臓炎、好酸球性肺炎、遅延型過敏症、間質性肺疾患、全身アナフィラキシー又は過敏性反応、薬剤アレルギー、昆虫刺傷アレルギー、自己免疫疾患、乾癬性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、重症筋無力症、若年性糖尿病、糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、移植片拒絶、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、脊椎関節症、強皮症、乾癬、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、蕁麻疹、血管炎、好酸球性筋炎又は好酸球性筋膜炎である;又は前記状態は、免疫抑制と関連する
請求項36の方法。
【請求項42】
前記被検体は、化学療法、放射線療法、創傷治癒、火傷治療又は自己免疫疾患治療を受ける
請求項36の方法。

【公表番号】特表2008−514708(P2008−514708A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534695(P2007−534695)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/034491
【国際公開番号】WO2006/039250
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(504233845)アノーメド インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】