説明

ケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグ

【課題】ケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグであり、近端漏話をより低減するように改良したモジュラ・プラグを提供する。
【解決手段】このモジュラ・プラグ100は、ケーブル引き込み案内突起と複数の仕分け通路とを有する導線仕分け部材20と、複数の貫通孔と複数のスロットとを有する接点端子担持部材40と、複数の接点端子とを備えており、これらによってツイスト・ペア信号線の撚りをほどいた個々の位置を規定することによって近端漏話を低減する。本発明は更に、ハウジング60と、応力遮断用嵌合部材82と、応力緩和用ブーツ90とを備えたものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグの技術分野に関するものである。より詳しくは、本発明は、複数本の導線を備えそれら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線としたケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグであって、それらツイスト・ペア信号線の撚りをほどいた個々の導線の位置を規定することによって近端漏話を低減するようにした、改良したモジュラ・プラグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信網を介して高い周波数帯域でデータ通信を行うためのケーブルとして、複数本の導線を備えそれら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線としたケーブルが広く使用されている。例えば、現在、標準規格となっている性能規格によれば、「カテゴリ5」に該当する製品は100MHzまでの周波数帯域で動作可能なものと規定され、また、「カテゴリ6」に該当する製品は250MHzまでの周波数帯域で動作可能なものと規定されており、更に、それらカテゴリの製品が通信を行う際に使用するケーブルとして、8本の導線を備えそれら導線を2本ずつ撚り合わせて4対のツイスト・ペア信号線としたアンシールデッド・ツイスト・ペア(UIP)ケーブルが規定されている。
このような高い周波数帯域で電流の極性を切り換えながら、通常の通信アプリケーションを実行すると、各導線が発生する電磁場が隣接する導線上の信号に干渉し、その結果として、互いに隣接する信号線ペアどうしの間で信号の干渉が生じるおそれがある。互いに隣接する信号線ペアどうしの間で生じる、この不都合な電磁的エネルギの結合は、漏話(クロストーク)と呼ばれており、通信網に様々な通信上の問題を引き起こす原因となっている。
【0003】
複数本の導線を備えた通信ケーブルの内部で、それら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線とするのは、そうすることによって、漏話を効果的に抑制できるからである。即ち、導線を2本ずつ撚り合わせてツイスト・ペア信号線とすれば、1対の信号線ペアを成す2本の導線の周囲に夫々に発生する電磁場どうしが互いに相殺することから、ケーブル内のその信号線ペアに隣接する他の信号線ペアへ信号を伝達させてしまう外部電磁場を、略々ゼロにすることができるのである。しかしながら、このようなツイスト・ペア・ケーブルの末端にコネクタを装着することによって発生する近端漏話(NEXT)は、それほど簡単に抑制することができない。ツイスト・ペア・ケーブルの末端にプラグを装着するには、そのケーブルの末端部分において、撚り合わされていた信号線ペアの撚りをほどいて2本の個別の導線に戻さなければならず、そのため、そのコネクタの内部において送信信号の一部が受信信号に電磁結合することによって、高レベルのNEXTが発生するのである。
【0004】
複数本の導線を備えそれら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線とした通信ケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグに関しては、これまで、NEXTを抑制することを目的として、様々な種類のモジュラ・プラグが開発されている。しかしながら、通信技術が進歩して、より高い周波数帯域で通信が行われるようになった結果、従来公知のモジュラ・プラグでは、NEXTのレベルを米国の標準規格となっている性能規格に規定されているレンジ内に維持することは、もはや不可能となっている。例えば「カテゴリ6」に該当する製品に関しては、商業ビルディング通信配線規格(ANSI/TIA/EIA-568)に、「カテゴリ6」の相互動作性能を確保する上で全てのパッチ・コード・プラグが満たさねばならない、デエンベッデッドNEXT試験用テスト・プラグのレンジが規定されている。そして、TIA/EIA 568B-2.1規格に適合するためには、パッチ・コード・プラグを設計する際に、そのパッチ・コード・プラグのNEXTの値が十分に小さくなるように、しかもその中央値が、規定されたデエンベッデッドNEXT試験用テスト・プラグのレンジ内にくるようにする必要がある。しかしながら、標準的な構造のプラグでは、ペア・ツー・ペア・ディストーション、ツイスト・レート、及び個々の導線の位置が、高精度で規定されるようにはなっていない。そのため、NEXTに関する性能に大きなばらつきが発生している。更に、従来のモジュラ・プラグの構造では、プラグ・ハウジング内でケーブルが移動するのを防止するための応力遮断部材として、ケーブルのジャケットを挟圧するようにした係止バーを使用しており、そのことによってデエンベッデッドNEXTの値が増大している。この係止バーの形態とした応力遮断部材は、十分な係止力を発生させるためにはケーブルのジャケットを大きく変形させざるを得ず、そのため、ジャケットの内部にある導線を2本ずつ撚り合わせたツイスト・ペア信号線も大きく変形させてしまう。このように、挟圧によってツイスト・ペア信号線が変形することにより、ツイスト・ペア信号線の歪み及び移動が発生し、その結果として、デエンベッデッドNEXTの値が増大している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、ケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグを、改良することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグを改良して、従来構造のこの種のモジュラ・プラグに付随していた上述の短所を克服したものである。本発明に係るケーブルの末端に装着して用いる改良したモジュラ・プラグは、ケーブル内の個々の導線、並びに、ケーブル内の導線を2本ずつ撚り合わせた信号線ペアに関して、そのツイスト・レート、撚りをほどいた部分の長さ、及び個々の導線の位置を、規制するための構造を備えており、それらを規制することによって、ケーブル末端近傍において信号線ペアの撚りをほぐし始めた位置からその先端に至るまでの部分の導線が、常に所定の位置に位置付けられるようにしたものである。そのため、本発明に係るケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグは、従来構造のその種のモジュラ・プラグと比べて、より広範な用途に使用することができ、NEXTの値をより低減することができ、より優れた性能を発揮し得るものとなっている。
【0007】
本発明によれば、ケーブルの末端に装着して用いる改良したモジュラ・プラグは、ケーブル引き込み案内突起と複数の導線仕分け通路とを備えた導線仕分け部材と、複数の貫通孔を備えた接点端子担持部材と、高さ寸法を交互に異ならせた複数の接点端子とを備えている。本発明の1つの実施の形態においては、導線仕分け部材及び接点端子担持部材が、複数本の導線を互いに高さの異なる3つの平面上に保持するようにしており、それによって、互いに隣接する信号線ペアの導線どうしの間の漏話を低減している。本発明の1つの実施の形態においては、モジュラ・プラグが更にハウジングを備えており、また、接点端子担持部材が、複数の接点端子を夫々に挿入する複数のスロットを備えている。この実施の形態では、複数のスロットが接点端子担持部材に一体に形成されているため、ケーブルのうちのツイスト・ペアの撚りをほどいたハウジング内の部分の長さを、従来構造のモジュラ・プラグと比べて短縮できるという利点が得られる。
【0008】
本発明の更なる特徴として、ケーブルから加わる応力を遮断するための応力遮断手段を備えているということがある。1つの実施の形態においては、応力遮断用嵌合部材によって、接点端子担持部材と、導線仕分け部材と、ケーブルとを、ハウジングの内部に固定するようにしている。本発明のもう1つの実施の形態においては、応力緩和用ブーツによって、ケーブルの屈曲半径が所定半径以下になるのを防止している。
【0009】
本発明の更なる特徴として、2本ずつ撚り合わされて複数対の信号線ペアを構成している複数本の導線を、1本ずつの導線に分離して配列することにより、モジュラ・プラグ内で発生する漏話レベルを低減する方法を提供するということがある。この方法によれば、撚りをほどいた複数対の信号線ペアを1対ずつの信号線ペアに分離して3つの所定平面上に配列し、更に、複数本の導線を1本ずつの導線に分離して3つの所定平面上に配列し、そして、それら複数本の導線の各々に、高さ寸法の異なる接点端子が混在した複数の接点端子を1つずつ接続する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
これより図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明して行く。当業者であれば、以下の詳細な説明を参照することによって、本発明の上述した特徴及び利点並びにその他の特徴及び利点を明瞭に理解できるはずである。
【0011】
添付図面中、図1は、本発明に係るモジュラ・プラグ100の分解斜視図である。この図1に示したモジュラ・プラグ100は、本発明の好適な実施の形態に係るモジュラ・プラグであり、応力緩和用ブーツ90と、応力遮断用嵌合部材82と、導線仕分け部材20と、接点端子担持部材40と、ハウジング(プラグ・ハウジング)60とを備えている。図1Aは、この好適な実施の形態に係るモジュラ・プラグ100の組立てが完了した状態を示した断面図である。図1Aに示したように、導線仕分け部材20及び接点端子担持部材40は、プラグ・ハウジング60の内部キャビティ68に収容される部材として構成されている。導線仕分け部材20及び接点端子担持部材40は、応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83によって、プラグ・ハウジング60内の取付位置に固定されている。組立てが完了した状態においては、導線仕分け部材20と、接点端子担持部材40と、応力遮断用嵌合部材82とが、一体的に組付けられてスナップ式に嵌合しており、それによって、それら部材20、40、82が殆どガタ付くことなく取付けられている。応力遮断用嵌合部材82は一対の水平係止突起87を備えており、それら水平係止突起87は、プラグ・ハウジング60の下面70に形成されている係合ポケット72に係合するようにしてある。同様にして、応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83には一対の垂直係止突起が86が形成されており、それら垂直係止突起86を、応力緩和用ブーツ90に形成されている一対の係合ポケット94の縁部に係合することによって、モジュラ・プラグ100の組立てが完了する。
【0012】
図2〜図5は、本発明に係るモジュラ・プラグに使用している導線仕分け部材20を詳細に示した図である。導線仕分け部材20は、ケーブル引き込み案内突起28と、複数の仕分け通路30、31、32、33とを備えている。ケーブル引き込み案内突起28は、通信ケーブル10の中に根本まで嵌挿できるように構成されており、このケーブル引き込み案内突起28を備えたことにより、従来構造のモジュラ・プラグにおいて、ケーブルの全く歪んでいない部分とケーブルの導線を所定配列にするためのデバイスとの間に存在していたこれまでの遷移領域が、格段に短縮されている。当業者には周知のごとく、ケーブルのツイスト・ペア信号線の撚りをほどいた部分の長さを短縮することによって、漏話を低減することができる。従って、本発明においては、ケーブル10と導線仕分け部材20との間の遷移領域が格段に短縮されており、それによって、本発明に係るモジュラ・プラグ100では、従来構造のモジュラ・プラグの内部に存在していた漏話発生源が排除されているのである。ケーブル引き込み案内突起28は、図2Bに示したように、2本の棒状突起を並べた二連型棒状突起から成るものとすることが好ましく、なぜならば、二連型棒状突起から成るケーブル引き込み案内突起は、内部スプラインを備えたケーブルを接続するのにも使用でき、内部スプラインを備えないケーブルを接続するのにも使用できるからである。内部スプラインを備えたケーブル10を接続する場合には、二連型棒状突起の2本の棒状突起の各々が、そのケーブル10の末端部分に露出した内部スプラインの2つのコーナの各々に嵌挿される。これによって導線仕分け部材20が、ケーブルの末端に係止
されるため、ケーブルの末端にモジュラ・プラグを装着する作業を行う作業者は、2本ずつの導線が撚り合わされた信号線ペアの撚りをほどき、そして、撚りをほどいた信号線ペア12の2本ずつの導線を仕分け通路30、31、32、33に嵌合する作業を行う間、導線仕分け部材20から指を離しておくことができ、それによって、ケーブルの末端にモジュラ・プラグを装着する作業が容易化されている。尚、ケーブル引き込み案内突起28は、二連型棒状突起とすることが好ましいが、当業者には容易に理解されるように、本発明を実施する上では、図2Aに示したような、単一の棒状突起から成るケーブル引き込み案内突起28を使用することも可能であり、また更に、その他の様々な構造のものを使用することも可能である。
【0013】
図2〜図5に示した導線仕分け部材20は更に、複数の仕分け通路30、31、32、33を備えており、それら仕分け通路は、通信ケーブル10の複数本の導線から成る複数対の信号線ペア12を1対ずつの信号線ペアに分離して配列するためのものである。図示した本発明の好適な実施の形態に係るモジュラ・プラグは、8本の導線を備えそれら導線を2本ずつ撚り合わせて4対のツイスト・ペア信号線としたアンシールデッド・ツイスト・ペア(UTP)ケーブルの末端に装着して用いる「カテゴリ6」のモジュラ・プラグであ
るため、図示例の導線仕分け部材20は、4つの仕分け通路30、31、32、33を備えている。図4及び図5に示したように、仕分け通路30、31、32、33は、その各々が、撚りをほどいた1対の信号線ペアの2本の導線が嵌合され、それら2本の導線を保持するように構成されている。特に、本発明の好適な実施の形態に係る図示例のモジュラ・プラグ100においては、上部仕分け通路30は、斜面付き分離突起34を備えており、2つの側部仕分け通路32、33は、傾斜側壁面35、36と、係止突起37とを備えている。これら斜面付き分離突起34、傾斜側壁面35、36、及び係止突起37はいずれも、撚りをほどいた1対の信号線ペアの2本の導線を、それら仕分け通路の中に安定して保持する機能を果たすものである。
【0014】
図6〜図10は、本発明に係るモジュラ・プラグ100に使用している接点端子担持部材40を詳細に示した図である。接点端子担持部材40は、複数の貫通孔42を備えており、それら貫通孔42は、ケーブル10の8本の導線1、2、3、4、5、6、7、8を1本ずつの導線に分離して配列するためのものである。図示例では、それら複数の貫通孔42は、各々の導線を個別に、3つの所定平面のうちの1つの所定平面上に保持することによって、NEXTを抑制できるようにしたものである。接点端子担持部材40は更に、複数のスロット44を備えており、それらスロット44はこの接点端子担持部材40に一体に形成されている。また、複数のスロット44は、その各々が複数の貫通孔42の各々に対して位置を揃えて形成されている。それら複数のスロット44は、その各々に1つずつの接点端子50を挿入するためのスロットである。
【0015】
本発明に係るモジュラ・プラグ100は、現場において容易に組立て得るものである。これについて図1及び図11を参照して説明すると、先ず、ケーブル10を、応力緩和用ブーツ90の挿通口92から挿入して、応力遮断用嵌合部材82に挿通する。次に、2本ずつ撚り合わされてツイスト・ペア信号線とされている導線の撚りをほどき、撚り合わされていない状態とした信号線ペア12の2本ずつの導線を、導線仕分け部材20に形成されている複数の仕分け通路30、31、32、33の1つずつに挿入する。
【0016】
導線仕分け部材20は、その2つの側面のどちらを上面とし、どちらを下面としてもよいように形成してあるため、ケーブルの向きに合わせて導線仕分け部材20の上下をひっくり返すことで、ケーブル10のどちら側にも装着することができる。これによって、現場で実行するケーブル10の末端にモジュラ・プラグを装着する作業が、従来のモジュラ・プラグの場合と比べて格段に容易化されており、なぜならば、ケーブルの向きに応じて導線仕分け部材20を装着できるため、信号線ペア12の状態を大きく乱さずに済むから
である。特に、図示例においては、導線3と導線6とから成る信号線ペア12が上部仕分け通路30に嵌合され、導線4と導線5とから成る信号線ペア12が下部仕分け通路31に嵌合され、導線1と導線2とから成る信号線ペア12と、導線7と導線8とから成る信号線ペア12とが、夫々に側部仕分け通路32、33に嵌合されている。側部仕分け通路32、33に形成されている係止突起37は、それら仕分け通路に嵌合された信号線ペア12を保持するように機能し、そのため作業者は、それら仕分け通路32、33に信号線ペアを嵌合したならば、その他の信号線ペア12を別の仕分け通路30、31に収めることに集中することができ、これによって、モジュラ・プラグの装着作業がスピードアップされている。
【0017】
4対の信号線ペア12を夫々の仕分け通路に挿入して嵌合したならば、続いて図11に示したように、導線仕分け部材20のケーブル引き込み案内突起28を、その根本までケーブル10の中へ挿入する。これによってケーブル10と仕分け通路30、31、32、33との間に遷移領域が存在しなくなる。こうしてケーブル10に取付けた導線仕分け部材20の仕分け通路30、31、32、33の中に、4対の信号線ペア12がどのように収まっているかを示したのが、図4及び図5である。図4に示したように、4対の信号線ペア12がケーブル10から導線仕分け部材20の中へ入る箇所では、1対の信号線ペア12を構成している2本の導線3、6は互いに水平に並んだ状態にあり、別の1対の信号線ペア12を構成している2本の導線4、5も互いに水平に並んだ状態にある。これら2対の信号線ペア12のうち、下側仕分け通路31に挿入された信号線ペア12の2本の導線4、5は、その仕分け通路31の全長に亘って互いに並んだ状態が維持されるのに対して、上側仕分け通路30に挿入された信号線ペア12の2本の導線3、6は、最初のうちだけ互いに並んだ状態とされ、後の方では図5に示したように、斜面付き分離突起34によって互いから分離される。更に、図4に示したように、1対の信号線ペア12を構成している2本の導線1、2は一方の側部仕分け通路32に挿入され、別の1対の信号線ペア12を構成している2本の導線7、8は他方の側部仕分け通路33に挿入されており、それら2対の信号線ペア12の2本ずつの導線は、最初のうちは互いに垂直に並んだ状態とされている。そして、夫々の側部仕分け通路32、33の中に形成されている傾斜側壁面35、36が、当該仕分け通路32、33に挿入された1対の信号線ペア12の2本の導線の位置を徐々に変化させるようにしてあり、これによって、その2本の導線が、導線仕分け部材20の先端27から外へ出る箇所では、図5に示したように、互いに水平に並んだ状態となるようにしている。
【0018】
従来構造のモジュラ・プラグでは、撚り合わされていた信号線ペア12の撚りをほどいた個々の導線の位置を正確に規定するということは行われていなかった。これに対して、本発明においては、撚り合わされていた信号線ペア12の撚りをほどいた個々の導線を所定位置に安定して保持することによって、モジュラ・プラグの内部における漏話を低減するようにしており、これによって従来構造のモジュラ・プラグでは得られなかった優れた利点を有するものとなっている。更に、本発明に係るモジュラ・プラグにおいては、ケーブルと導線仕分け通路との間の遷移領域をなくしており、また、8本の導線1、2、3、4、5、6、7、8の相対配置を、ケーブル10の内部における円形状相対配置からモジュラ・プラグ100の内部における平面状相対配置へと移行させる際に、複数対の信号線ペア12を1対ずつの信号線ペアに分離して夫々の信号線ペア12の位置を規定するようにしており、それらによってもNEXTが低減されている。また更に、複数対の信号線ペア12を、導線仕分け部材20の前面27の箇所において、複数の所定平面上に配列することによっても、NEXTを更に低減できるようにしている。これに関しては、図5に示したように、複数対の信号線ペア12の導線を、互いに高さの異なる3つの所定平面上に配列することが好ましく、なぜならば、互いに高さの異なる3つの所定平面上に導線を配列するトリレベル型の導線仕分け部材20は、導線3、6から成る信号線ペア12と導線4、5から成る信号線ペア12との間のNEXTも、また、導線3、6から成る信号線ペア12と導線
1、2から成る信号線ペア12との間のNEXTも、また、導線3、6から成る信号線ペア12と導線7、8から成る信号線ペア12との間のNEXTも、いずれも低減することができるからである。当業者には容易に理解されるように、複数の仕分け通路30、31、32、33の間の相対位置や、それら仕分け通路30、31、32、33の形状を適宜変更することによって、複数対の信号線ペア12どうしの間のNEXTの値を好適に許容レベル内に収めることができる。例えば、側部仕分け通路32、33の位置を上下方向にずらしてもよく、上部仕分け通路30と下部仕分け通路31との間の離隔距離を増減してもよく、上部仕分け通路30内の斜面付き分離突起34の幅を増減するようにしてもよい。
【0019】
図12、図13、及び図14に示したように、ケーブルに導線仕分け部材20を取付けたならば、それに続いて、接点端子担持部材40を取付けるようにする。図12に示したように、導線仕分け部材20に挿入して保持した各々の信号線ペア12の2本ずつの導線を夫々に分離することで、個別の導線1、2、3、4、5、6、7、8に分離し、それら複数本の導線の各々を、接点端子担持部材40に形成されている複数の貫通孔42の1つずつに挿通する。図示例では、米国における標準規格に従って、図8、図10A、及び図10Bに示したように、導線1、2、3、4、5、6、7、8を、それらの番号順に配列している。接点端子担持部材40は更に、図6〜図10に示したように、それら複数本の導線を、互いに高さの異なる3つの所定平面上に配列することによって、それら導線の高さ位置を上下方向に交互に変化させるものとすることが好ましい。図示例では、接点端子担持部材40に保持された導線1、2、3、4、5、6、7、8の高さ位置が、上下方向に交互に変化するようにすることによって、NEXTを低減している。このようにすることでNEXTを低減し得るのは、それによって、異なった信号線ペア12どうしの間で伝達される電磁的エネルギを相殺させることができるからである。例えば、導線2を挿通する貫通孔42は、導線1を挿通する貫通孔42と、導線3を挿通する貫通孔42とのいずれに対しても、相対的に下方へ変位した位置に形成してあり、これによって、導線3が、みずからに隣接している導線2上に誘起する電磁エネルギの振幅と、導線2より遠くにある導線1上に誘起する電磁エネルギの振幅とが、同程度の大きさとなるようにしている。更に、当業者には容易に理解されるように、接点端子担持部材40に保持された個々の導線1、2、3、4、5、6、7、8が占める位置を適宜変更することによって、信号線ペア12どうしの間のNEXTの値を好適に許容レベル内に収めることができる。これについては、図6、図7、図8、及び図10Aに示した具体例の接点端子担持部材40と、図9及び図10Bに示した具体例の接点端子担持部材40とを見比べれば、接点端子担持部材40に保持される個々の導線の位置をどのように変更し得るかについての1つの典型例を見て取ることができる。即ち、これら具体例から明らかなように、導線3及び6と、導線4及び5との間の距離を変更することで、モジュラ・プラグ100のNEXT特性を調整することができる。
【0020】
NEXTを低減する上では、図13に示したように、接点端子担持部材40を導線仕分け部材20に密接させて取付けることが好ましく、なぜならば、それによって、撚りをほどいた部分の導線1、2、3、4、5、6、7、8の長さを最大限に短縮することができるからである。更に、本発明に係るモジュラ・プラグでは、接点端子担持部材40に複数のスロット44を一体に形成することによって、モジュラ・プラグの全長をできる限り短縮するようにしている。即ち、本発明に係るモジュラ・プラグは、接点端子担持部材40にスロット44を一体に形成することで、従来構造のモジュラ・プラグと比べてコンパクトな構成とすることが可能となっており、それによって、モジュラ・プラグの全体としての性能を向上させているのである。接点端子担持部材40を取付けたならば、それに続いて、図13に示したように接点端子担持部材40から延出している導線の先端の余分な部分を、この接点端子担持部材40の切り揃え面46で切り揃え、それによって、図14に示したアセンブリが完成する。
【0021】
更に、図14に示したアセンブリを、図1A及び図15に示したハウジング60のキャビティ68の中に挿入して嵌合することによって、モジュラ・プラグ100の組立てが完了する。接点端子担持部材40、導線仕分け部材20、及びケーブル10は、応力遮断用嵌合部材82によって、ハウジング60のキャビティ68の内部に固定される。応力遮断用嵌合部材82は、モジュラ・プラグの装着作業の開始時に、予めケーブル10の周囲に嵌合しておくようにする。そして、その応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83を、ハウジング60のキャビティ68の両側の内壁に沿わせて挿入して行き、それによって、その応力遮断用嵌合部材82の一対の係止突起87を、ハウジング60の下面70に形成されている係合ポケット72の縁部に係合させる。こうしてハウジング60に係合した応力遮断用嵌合部材82は、ハウジング60のキャビティ68の内部に収容された導線仕分け部材20に対して押圧力を加え、それによって、導線仕分け部材20及び接点端子担持部材40がハウジング60内の所定位置に位置付けられると共に、それら導線仕分け部材20及び接点端子担持部材40がハウジング60から抜け出ることのないように固定される。
【0022】
シールド・ケーブルを使用する場合には、プラグ・ハウジング160をシールド・ハウジングとして構成して、ケーブル10とその末端に装着するプラグ・ハウジング160とを接地接続できるようにしておく。図16に示したように、シールド・ハウジングとして構成したプラグ・ハウジング160は、電磁干渉防止シールド163と、一対の接点突起165と、一対の支持突起168とを備えている。このシールド・モジュラ・プラグを組立てる際には、先ず、ケーブルの接地シールド編線を、ケーブル・ジャケットの外側へ折り返す。続いて、図14に示したアセンブリを、シールド・ハウジング160のキャビティ68に挿入すると、ケーブルの接地シールド編線が、シールド163の上面164と、一対の接点突起165とに接触して、そのケーブルからシールド163への連続した接地接続経路が形成される。
【0023】
応力遮断用嵌合部材82は、導線仕分け部材20及び接点端子担持部材40を固定する機能に加えて、ケーブル10に対して垂直押圧力及び剪断抵抗力を作用させることによって、ケーブル10を固定する機能も果たしている。図示した本発明の好適な実施の形態においては、応力遮断用嵌合部材82をケーブル10の周囲に嵌合する際に、その応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83が、内側からそのケーブル10によって押されて外側へ膨出するようにしてある。そして、このように応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83が外側へ膨出することによって、応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83の外側面と、ハウジング60のキャビティ68の両側の内壁面75とが、締り嵌め状態となるようにしてある。そのため、応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83をハウジング60のキャビティ68に挿入する際には、両者が締り嵌め状態となることによって、外側へ膨出していた側壁部83が内側へ押し戻され、更にそれに伴って、両者が圧入状態となる。これによって、一対の側壁部83の全長に亘ってケーブル10へ作用する垂直押圧力が発生すると共に、それら側壁部83の内側の縁部にケーブル10へ作用する剪断抵抗力が発生する。尚、図17に示したように、応力遮断用嵌合部材32の一対の側壁部83の内側面に、ケーブル係止突起180を形成しておくようにしてもよく、そうすることによって垂直押圧力及び剪断抵抗力を強化することができる。ただし、ケーブル係止突起180を形成するか否かに関わらず、垂直押圧力及び剪断抵抗力によってケーブル10を係止するようにした以上の係止方式は、優れたケーブル10の係止状態を実現し得るものであり、なぜならば、従来公知の係止バーから成る応力遮断手段を用いた場合には発生していた、ケーブル10内のツイスト・ペア信号線の導線の歪みや位置のずれが、この係止方式よれば発生しないからである。従って、本発明によれば、NEXTの値をより強力に抑制することができる。
【0024】
以上のようにして応力遮断用嵌合部材82をハウジング60のキャビティ68に挿入し
て取付けたならば、続いて、応力緩和用ブーツ90をモジュラ・プラグ100に嵌合して装着する。この応力緩和用ブーツ90も、モジュラ・プラグの装着作業の開始時に、予めケーブル10の周囲に嵌合しておくようにする。そして、その応力緩和用ブーツ90を、応力遮断用嵌合部材82の一対の側壁部83の外側面に被せるようにして嵌合すると、応力遮断用嵌合部材82の一対の係止突起86が、応力緩和用ブーツ90に形成されている一対の係合ポケット94の夫々の縁部に係合する。応力緩和用ブーツ90は、ラバー状の材料で製作することが好ましい。この応力緩和用ブーツ90は、モジュラ・プラグ100から延出している部分におけるケーブル10の屈曲半径が、所定最小半径以下にならないようにする機能を果たすものである。
【0025】
更に、複数の接点端子50を取付けることによって、モジュラ・プラグ100の電気的接続が完成する。接点端子50は、絶縁被覆穿刺型接点端子(IPC)とすることが好まし
い。それら複数の接点端子50を、ハウジング60に形成されている複数のスロット62に挿通し、そして、接点端子担持部材40に形成されている複数のスロット44に挿入して取付ける。ハウジング60の複数のスロット62と、接点端子担持部材40の複数のスロット44とは、互いに位置が揃うようにして形成されている。図1、図9、図10A、及び図10Bに示したように、ケーブルの導線をモジュラ・プラグ100に接続しているそれら複数の接点端子50は、高さ寸法の異なった接点端子が混在したものである。2通りの高さ寸法の接点端子を使用することもでき、また、3通りの高さ寸法の接点端子を使用することもできるが、図示例では、長寸IPC54と、並寸IPC53と、短寸IPC52との
3通りの高さ寸法の接点端子を、それらの高さ寸法が長短交互に変化するようにして使用しており、即ち、接点端子担持部材40によって高さ位置が交互に変化するようにして保持されている8本の導線1、2、3、4、5、6、7、8の、夫々の高さ位置に合わせて、それらIPC52、53、54を使用している。これに関して、複数のIPCを交互に変化するパターンで配列することで、接点端子どうしの間で結合する電磁的エネルギを相殺させてNEXTを低減し得るということは、従来公知の事項であるが、ただし、図6〜図10及び図15に示したように、複数本の導線を保持する位置を上下方向に交互に変化させると共に、高さ寸法が異なった複数のIPCを、それらの高さ寸法が長短交互に変化するようにし
て配設するという本発明に独特の構成は、斯かる効果を最大限に引き出し得るものである。具体的に、図示例においては、導線1に対応した長寸接点端子54と、導線3に対応した長寸接点端子54との間に、導線2に対応した短寸接点端子52を配設することによって、導線3から導線2への電磁結合と、導線3から導線1への電磁結合とを相殺させるようにしている。この構成によれば、導線1に対応した接点端子と導線3に対応した接点端子との間の離隔距離は、導線1に対応した接点端子と導線2に対応した接点端子との間の離隔距離の2倍となっているが、導線1に対応した長寸接点端子54の側面の面積が導線2に対応した短寸接点端子52の側面の面積より大きいことに起因するその分大きな電磁結合と、導線2に対応した短寸接点端子52の方が導線1に対応した長寸接点端子54よりも、導線3に対応した接点端子の近くに位置していることに起因するその分大きな電磁結合とが、ちょうど相殺するのである。更に、図示例においては、導線3に対応した長寸接点端子54に孔55を形成して、この接点端子の側面の面積を減少させてあるが、これも、NEXTを更に低減するためのものである。即ち、導線3に対応した長寸接点端子54に孔55を形成して側面の面積を減少させると、それによって、この導線3に対応した接点端子50と導線2に対応した接点端子50との間の電磁結合は低減するが、この導線3に対応した接点端子50と導線1に対応した接点端子50との間の電磁結合は低減することなく維持されるため、これによりNEXTを低減させることができるのである。
【0026】
図面に示して以上に説明した本発明の実施の形態は、あくまでも具体例を提示することを目的としたものであって、本発明の範囲がそれら実施の形態に限定されるというものではない。本発明の範囲を限定する構成要件は、特許請求の範囲に構成要件として明記したものに限られる。従って、特許請求の範囲の記載に該当し得る全ての実施の形態並びにそ
の均等物が、本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るモジュラ・プラグの分解斜視図である。
【図1A】本発明に係るモジュラ・プラグの断面図である。
【図2A】本発明における導線仕分け部材の第1の具体例を示した斜視図である。
【図2B】本発明における導線仕分け部材の第2の具体例を示した斜視図である。
【図3】本発明における導線仕分け部材の背面図である。
【図4】本発明における導線仕分け部材をケーブルと共に示した断面図である。
【図5】本発明における導線仕分け部材の正面図であり、複数の仕分け通路の各々に2本ずつの導線が嵌合された状態を示した図である。
【図6】本発明における接点端子担持部材の第1の具体例の正面側を示した斜視図である。
【図7】本発明における接点端子担持部材の第1の具体例の背面側を示した斜視図である。
【図8】本発明における接点端子担持部材の第1の具体例を示した正面図である。
【図9】本発明におけるIDC接点端子を取付けた接点端子担持部材の第2の具体例の正面側斜視図である。
【図10A】本発明におけるIDC接点端子を取付けた接点端子担持部材の第1の具体例の正面図である。
【図10B】本発明におけるIDC接点端子を取付けた接点端子担持部材の第2の具体例の正面図である。
【図11】本発明における導線仕分け部材をケーブルと共に示した斜視図である。
【図12】本発明における導線仕分け部材及び接点端子担持部材をケーブルと共に示した分解斜視図である。
【図13】本発明における導線仕分け部材及び接点端子担持部材をケーブルと共に示した斜視図である。
【図14】本発明における導線仕分け部材及び接点端子担持部材をケーブルと共に示した斜視図である。
【図15】本発明におけるハウジング及びIDC接点端子の分解斜視図である。
【図16】本発明におけるハウジングの別の具体例を示した斜視図である。
【図17】本発明における応力遮断部材の1つの具体例を示した斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の導線を備えそれら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線としたケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグにおいて、
導線仕分け部材と、接点端子担持部材と、複数の接点端子とを備え、
前記導線仕分け部材は、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの信号線ペアに分離して複数の所定平面上に配列するための複数の仕分け通路を備えており、
前記接点端子担持部材は、前記複数本の導線を1本ずつの導線に分離して複数の所定平面上に配列するための複数の貫通孔と、各々が1つずつの前記貫通孔に対して位置を揃えた複数のスロットとを備えており、
前記複数の接点端子は、その各々が、前記複数本の導線のうちの対応する1本の導線が配列されている所定平面に対応した高さ寸法に形成されており、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数のスロットの1つずつに挿入されており、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数本の導線のうちの対応する1本の導線に電気的に接続されている、
ことを特徴とするモジュラ・プラグ。
【請求項2】
前記導線仕分け部材が更にケーブル引き込み案内突起を備えている請求項1記載のモジュラ・プラグ。
【請求項3】
前記ケーブル引き込み案内突起が二連型棒状突起から成る請求項2記載のモジュラ・プラグ。
【請求項4】
前記複数の仕分け通路のうちの少なくとも1つが傾斜側壁面を備えている請求項1記載のモジュラ・プラグ。
【請求項5】
前記傾斜側壁面は、当該仕分け通路に挿入された1対の信号線ペアの2本の導線の位置を変化させるものである請求項4記載のモジュラ・プラグ。
【請求項6】
前記導線仕分け部材は、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの導線に分離して3つの所定平面上に配列するものである請求項1記載のモジュラ・プラグ。
【請求項7】
前記接点端子担持部材は、前記複数本の導線を1本ずつに分離して3つの所定平面上に配列するものである請求項1記載のモジュラ・プラグ。
【請求項8】
前記複数の接点端子は、第1高さ寸法を有する第1組の複数の接点端子と、第2高さ寸法を有する第2組の複数の接点端子と、第3高さ寸法を有する第3組の複数の接点端子とを含んでいる請求項1記載のモジュラ・プラグ。
【請求項9】
複数本の導線を備えそれら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線としたケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグにおいて、
導線仕分け部材と、接点端子担持部材と、複数の接点端子とを備え、
前記導線仕分け部材は、ケーブルの中に挿入するケーブル引き込み案内突起と、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの信号線ペアに分離して配列するための複数の仕分け通路とを備えており、
前記接点端子担持部材は、前記複数本の導線を1本ずつの導線に分離して複数の所定平面上に配列するための複数の貫通孔と、各々が1つずつの前記貫通孔に対して位置を揃えた複数のスロットとを備えており、
前記複数の接点端子は、第1高さ寸法を有する第1組の複数の接点端子と、第2高さ寸法を有する第2組の複数の接点端子と、第3高さ寸法を有する第3組の複数の接点端子とを含んでおり、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数のスロットの1つずつに挿入
されており、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数本の導線のうちの対応する1本の導線に電気的に接続されている、
ことを特徴とするモジュラ・プラグ。
【請求項10】
前記ケーブル引き込み案内突起が二連型棒状突起から成る請求項9記載のモジュラ・プラグ。
【請求項11】
前記複数の仕分け通路のうちの少なくとも1つが傾斜側壁面を備えている請求項9記載のモジュラ・プラグ。
【請求項12】
前記傾斜側壁面は、当該仕分け通路に挿入された1対の信号線ペアの2本の導線の位置を変化させるものである請求項11記載のモジュラ・プラグ。
【請求項13】
前記導線仕分け部材は、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの導線に分離して複数の所定平面上に配列するものである請求項9記載のモジュラ・プラグ。
【請求項14】
前記導線仕分け部材は、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの導線に分離して互いに高さの異なる3つの所定平面上に配列するものである請求項13記載のモジュラ・プラグ。
【請求項15】
前記接点端子担持部材は、前記複数本の導線を1本ずつに分離して互いに高さの異なる3つの所定平面上に配列するものである請求項9記載のモジュラ・プラグ。
【請求項16】
前記モジュラ・プラグが更にハウジングを備えており、該ハウジングは、前記導線仕分け部材及び前記接点端子担持部材を収容する内部キャビティと、前記接点端子担持部材の前記複数のスロットに対して位置を揃えた複数のスロットとを備えている請求項9記載のモジュラ・プラグ
【請求項17】
前記ハウジングがシールドを備えている請求項16記載のモジュラ・プラグ。
【請求項18】
前記モジュラ・プラグが更に応力遮断手段を備えており、該応力遮断手段は嵌合部材から成り、該嵌合部材は、ケーブルに係合して前記キャビティに嵌合する第1端と、ブーツを保持する第2端とを有する請求項16記載のモジュラ・プラグ。
【請求項19】
前記嵌合部材の前記第1端が複数の壁部を備えている請求項18記載のモジュラ・プラグ。
【請求項20】
前記複数の壁部が、前記導線仕分け部材及び前記接点端子担持部材を、前記ハウジング内の取付位置に固定するようにした請求項19記載のモジュラ・プラグ。
【請求項21】
前記複数の壁部の各々がケーブル係止突起を備えている請求項19記載のモジュラ・プラグ
【請求項22】
前記複数の接点端子のうちの少なくとも1つが孔を備えている請求項9記載のモジュラ・プラグ。
【請求項23】
複数本の導線を備えそれら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線としたケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグにおいて、
導線仕分け部材と、接点端子担持部材と、ハウジングと、複数の接点端子と、応力遮断手段とを備え、
前記導線仕分け部材は、ケーブルの中に挿入するケーブル引き込み案内突起と、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの信号線ペアに分離して少なくとも3つの所定平面上に配列するための複数の仕分け通路とを備えており、
前記接点端子担持部材は、前記複数本の導線を1本ずつの導線に分離して少なくとも3つの所定平面上に配列するための複数の貫通孔と、各々が1つずつの前記貫通孔に対して位置を揃えた複数の第1スロットとを備えており、
前記ハウジングは、前記導線仕分け部材及び前記接点端子担持部材を収容する内部キャビティと、前記接点端子担持部材の前記複数の第1スロットに対して位置を揃えた複数の第2スロットとを備えており、
前記複数の接点端子は、第1高さ寸法を有する第1組の複数の接点端子と、第2高さ寸法を有する第2組の複数の接点端子と、第3高さ寸法を有する第3組の複数の接点端子とを含んでおり、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数の第1スロットの1つずつに挿入されていると共に前記複数の第2スロットの1つずつに挿通されており、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数本の導線のうちの対応する1本の導線に電気的に接続されており、
前記応力遮断手段は嵌合部材から成り、該嵌合部材は、ケーブルに係合して前記キャビティに嵌合する第1端と、ブーツを保持する第2端とを有する、
ことを特徴とするモジュラ・プラグ。
【請求項24】
前記ハウジングがシールドを備えている請求項16記載のモジュラ・プラグ。
【請求項25】
前記ケーブル引き込み案内突起が二連型棒状突起から成る請求項23記載のモジュラ・プラグ。
【請求項26】
前記複数の仕分け通路のうちの少なくとも1つが傾斜側壁面を備えている請求項23記載のモジュラ・プラグ。
【請求項27】
前記傾斜側壁面は、当該仕分け通路に挿入された1対の信号線ペアの2本の導線の位置を変化させるものである請求項23記載のモジュラ・プラグ。
【請求項28】
前記嵌合部材の前記第1端が複数の壁部を備えている請求項23記載のモジュラ・プラグ。
【請求項29】
前記複数の壁部が、前記導線仕分け部材及び前記接点端子担持部材を、前記ハウジング内の取付位置に固定するようにした請求項28記載のモジュラ・プラグ。
【請求項30】
前記複数の壁部の各々がケーブル係止突起を備えている請求項28記載のモジュラ・プラグ
【請求項31】
前記複数の接点端子のうちの少なくとも1つが孔を備えている請求項23記載のモジュラ・プラグ。
【請求項32】
複数本の導線を備えそれら複数本の導線を2本ずつ撚り合わせて複数対のツイスト・ペア信号線としたケーブルの末端に装着して用いるモジュラ・プラグにおいて、
導線仕分け部材と、接点端子担持部材と、複数の接点端子とを備え、
前記導線仕分け部材は、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの信号線ペアに分離して複数の所定平面上に配列するための複数の仕分け通路を備えており、
前記接点端子担持部材は、前記複数本の導線を1本ずつの導線に分離して複数の所定平面上に配列するための複数の貫通孔と、各々が1つずつの前記貫通孔に対して位置を揃えた複数のスロットとを備えており、
前記複数の接点端子は、その各々が、前記複数本の導線のうちの対応する1本の導線が配列されている所定平面に対応した高さ寸法に形成されており、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数のスロットの1つずつに挿入されており、前記複数の接点端子は、その各々が前記複数本の導線のうちの対応する1本の導線に電気的に接続されており、
前記導線仕分け部材は、前記複数本の導線から成る複数対の信号線ペアを1対ずつの導線に分離して3つの所定平面上に配列するものである、
ことを特徴とするモジュラ・プラグ。

【図1】
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【図1A】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−26768(P2009−26768A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244419(P2008−244419)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【分割の表示】特願2003−586977(P2003−586977)の分割
【原出願日】平成15年4月22日(2003.4.22)
【出願人】(591186877)パンデュイット・コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】PANDUIT CORPORATION
【Fターム(参考)】