コネクタ、光伝送装置およびコネクタ接続方法
【課題】コネクタ接続時の伝送品質の向上を図る。
【解決手段】コネクタは、電極シート、カバーおよび抵抗体シートを備える。電極シートには、電極が装着されている。カバーは、電極シートを覆う。抵抗体シートは、電気抵抗性を有し、カバーと電極シートとの間に設けられる。コネクタによる基板への接続では、電極は、フレキシブル基板上で対となる一方の伝送路および他方の伝送路に対し、一方の伝送路をプリント基板に接続し、他方の伝送路をプリント基板に接続する。
【解決手段】コネクタは、電極シート、カバーおよび抵抗体シートを備える。電極シートには、電極が装着されている。カバーは、電極シートを覆う。抵抗体シートは、電気抵抗性を有し、カバーと電極シートとの間に設けられる。コネクタによる基板への接続では、電極は、フレキシブル基板上で対となる一方の伝送路および他方の伝送路に対し、一方の伝送路をプリント基板に接続し、他方の伝送路をプリント基板に接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、光伝送装置およびコネクタ接続方法に関し、電気的接続を行うコネクタ、光伝送を行う光伝送装置およびコネクタにより電気的接続を行うコネクタ接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス機器の実装設計において、プリント基板とデバイス間を、コネクタを介してフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)により信号接続することが広く行われている。
【0003】
フレキシブル基板は、柔軟性を持ったプリント基板であり、プリント基板の折り曲げが可能なことから、実装スペースの限られる携帯電話やデジタルカメラなどの小型製品に多用されている。
【0004】
一方、近年のエレクトロニクス機器では、小型軽量化、デバイスの薄型化が急速に進められ、半導体部品や受動部品などの微細化が進んでおり、高密度な実装が要求されている。
【0005】
このような状況の中で、プリント基板とフレキシブル基板との配線を接続するコネクタも多ピン化しており、コネクタ部の狭ピッチ化および広帯域化の要求が増加している。
従来技術として、伝導ノイズの抑制を図った配線回路基板が提案されている(特許文献1)。また、広帯域のフラットケーブル結合器が提案されている(特許文献2)。さらに、フレキシブル基板向けの高屈曲なカバーレイフィルムが提案されている(特許文献3)。さらにまた、導体層が高速信号線路と抵抗体層との間に配置されたプリント配線板が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−38250号公報
【特許文献2】特開2005−044769号公報
【特許文献3】特開2009−283901号公報
【特許文献4】特開2010−73786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のコネクタでは、信号線間を通るGNDに接続するコネクタの電極箇所などで、ノイズが発生して高周波特性が劣化するおそれがあり、高速信号(例えば、25Gb/s以上)の伝送を高品質に行うことができないといった問題があった。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、高周波特性の劣化を抑制して伝送品質の向上を図ったコネクタを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、高周波特性の劣化を抑制して伝送品質の向上を図った光伝送装置を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の他の目的は、高周波特性の劣化を抑制して伝送品質の向上を図ったコネクタ接続方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、コネクタが提供される。コネクタは、複数の電極が装着された電極シートと、前記電極シートを覆うカバーと、前記カバーと前記電極シートとの間に設けられた、電気抵抗性を有する抵抗体シートとを備える。
【発明の効果】
【0011】
コネクタ接続時の伝送品質の向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】コネクタの構成例を示す図である。
【図2】光伝送装置の構成例を示す図である。
【図3】図2のA1−A2断面図である。
【図4】バンプ接続部分を示す図である。
【図5】損失特性を示す図である。
【図6】バンプ接続部分を示す図である。
【図7】抵抗体シートの配置位置を説明するための図である。
【図8】損失特性を示す図である。
【図9】抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。
【図10】抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。
【図11】抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。
【図12】バンプ接続部分を示す図である。
【図13】バンプ接続部分を示す図である。
【図14】バンプ接続部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はコネクタの構成例を示す図である。コネクタ1は、電極シート10、カバー20および抵抗体シート30を備え、例えば、高周波信号の電気的接続を行う高周波コネクタである。
【0014】
電極シート10には、電極11が装着されている。カバー20は、電極シート10を覆う。抵抗体シート30は、電気抵抗性を有するシートであって、カバー20と電極シート10との間に設けられる。
【0015】
コネクタ1による基板への接続では、電極(以下、バンプと呼ぶ)11は、例えば、フレキシブル基板4上で対となる一方の伝送路および他方の伝送路に対し、一方の伝送路をプリント基板5に接続し、他方の伝送路をプリント基板5に接続する。
【0016】
次にコネクタ1の配線接続の一例として、光インターコネクトで用いられる光伝送装置にコネクタ1を適用した場合について説明する。光インターコネクトとは、半導体チップ内部の回路間やコンピュータ内部の部品間、コンピュータ間等で、短い距離のデータ伝送を光によって行う通信の総称である。光インターコネクトは、従来の銅配線等による電気通信に対して、より広帯域・低消費電力を実現できる。
【0017】
図2は光伝送装置の構成例を示す図である。図3は図2のA1−A2断面図である。光伝送装置1aは、フレキシブル基板4とコネクタ1とを含み、光伝送処理として、例えば、光送受信と、O/EまたはE/O変換とを行う装置である。図では、フレキシブル基板4が、コネクタ1によってプリント基板5に接続されている状態を示している。
【0018】
フレキシブル基板4には、光伝送処理部として、例えば、発光素子41(例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser))、受光素子42(例えば、PD(Photodiode))、V/I変換機能を有するドライバであるIC43およびI/V変換機能を有して、トランスインピーダンス増幅を行うIC44が実装されている。また、発光素子41および受光素子42には、フレキシブル基板4に積層可能なシート状の光導波路であるポリマー導波路4aが接続される。
【0019】
なお、IC43、44とプリント基板5との間の伝送では、差動伝送が行われる。したがって、IC43、44では、1チャネルの信号に対して、1対の信号線を使って互いに逆位相となるP(positive)チャネルとN(negative)チャネルとの信号を用いた伝送を行う。
【0020】
一方、コネクタ1は、バンプシート10、カバー20および抵抗体シート30を備える。バンプシート10には、突起状電極のバンプ11が2次元配置で形成されており、フレキシブル基板4の位置合わせを正確に行うと同時に、相手接続側のプリント基板5または電子部品との間で確実な接続を行う。なお、バンプシート10自体は、絶縁材質で作られており、バンプシート10の片面側に金属性のバンプ11が装着される。
【0021】
また、バンプ11が装着されていないバンプシート10の背面側に、抵抗体シート30を挟んで、カバー20が位置する。カバー20は、薄い板状を有しており、両端に着脱可能なフック部21−1、21−2の機構が設けられている。
【0022】
コネクタ接続時には、フック部21−1、21−2によって、プリント基板5に設けられたガイド穴g1、g2と機械的にロックして、複数のバンプ11に対して均一に圧力を加えてプリント基板5と接続する。
【0023】
フレキシブル基板4とプリント基板5とが接続する場合、まず、プリント基板5上の複数のPAD上に、フレキシブル基板4の複数のPADが重ねられる。さらに、フレキシブル基板4のPAD上に、バンプシート10上に形成されているバンプ11が重ねられる。
【0024】
そして、カバー20を上方から押し付けることで、コネクタ1のバンプ11と、フレキシブル基板4のPADと、プリント基板5のPADとが圧着する。これにより、フレキシブル基板4のPADと、プリント基板5のPADとが接続して、フレキシブル基板4とプリント基板5とのそれぞれの配線が接続する(なお、図2では、コネクタ1を透視化して、バンプ11を通じて、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインとの接続状態を見えるように図示している)。
【0025】
信号の流れとして、プリント基板5から伝送された電気信号は、コネクタ1のバンプ11を介してフレキシブル基板4上のIC43で受信される。IC43は、V/I変換を行って、電圧信号を電流信号に変換する。発光素子41は、E/O変換を行って、IC43から出力された電流信号を光信号に変換する。光信号はポリマー導波路4aを通じて外部へ出力される。
【0026】
一方、ポリマー導波路4aを通じて伝送された光信号は、受光素子42で受光されて光電流信号に変換される。IC44は、光電流信号を電圧信号に変換して出力する。IC44から出力された電圧信号は、コネクタ1のバンプ11を介して、プリント基板5上の伝送ラインに接続される。
【0027】
次に抵抗体シート30について説明する。コネクタ1の基本的な接続動作は、バンプ11を介し、2枚の基板として例えば、フレキシブル基板4とプリント基板5のそれぞれのPADを電気的に接続し、バンプ11が配列されたバンプシート10をカバー20で押圧して固定するものである。
【0028】
この場合、金属性のカバー20で押圧すると、伝送ラインと接続する金属性のバンプ11の上部にカバー20の金属部分が近接することになるので、この金属部分とバンプ11との間でノイズが生じてしまう。すると、高周波特性が劣化してしまい、高速信号の伝送が実現できなくなる。
【0029】
このため、本技術では上述したように、バンプシート10とカバー20との間に、厚さ数ミクロンの抵抗体シート30を挿入する。特に、抵抗体シート30は、基板に接続するバンプ11を通じて発生するノイズを抑制する位置に設ける。これにより、ノイズの発生を低減し、高周波特性の劣化を抑制して伝送信号の広帯域化を図るものである。
【0030】
次に抵抗体シート30を備えていないコネクタおよび抵抗体シート30を備えたコネクタ1それぞれの伝送特性のシミュレーション結果について説明する。最初に抵抗体シート30を備えていないコネクタ(コネクタ100と呼ぶ)について説明する。
【0031】
コネクタ100で配線接続をしてシミュレーションをした結果、ノイズ発生箇所は、GND線に接続するバンプとカバーとの近接部において、最も高レベルなノイズ成分を検出した。
【0032】
図4はバンプ接続部分を示す図である。なお、図4では、コネクタ100を透視化して、バンプ11−1〜11−4を通じて、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインとの接続状態を見えるように図示している。
【0033】
バンプ接続部分として、フレキシブル基板4上の差動伝送路L1p、L1nの信号線をGND線Lg1、Lg2で挟み、このようなGSSGの高速信号線配置を、バンプ11−1〜11−4を介して、プリント基板5に接続するものとする。
【0034】
接続関係を記すと、コネクタ100のバンプ11−1〜11−4において、バンプ11−1を通じて、フレキシブル基板4上のGND線Lg1と、プリント基板5上のGND線Lg1−1とが接続する。
【0035】
バンプ11−2を通じて、フレキシブル基板4上の信号線L1pと、プリント基板5上の信号線L1p−1とが接続する。バンプ11−3を通じて、フレキシブル基板4上の信号線L1nと、プリント基板5上の信号線L1n−1とが接続する。バンプ11−4を通じて、フレキシブル基板4上のGND線Lg2と、プリント基板5上のGND線Lg2−1とが接続する。
【0036】
図5は損失特性を示す図である。コネクタ100で配線接続したときのS11パラメータ(反射損失特性)とS21パラメータ(挿入損失特性)を示している。横軸は周波数(GHz)、左側縦軸は反射損失レベル(dB)、右側縦軸は挿入損失レベル(dB)である。
【0037】
抵抗体シート30を有していないコネクタ100を用いて、図4のようなバンプ接続を行って、信号線L1p、L1nに信号を伝送する。すると、GND線Lg1、Lg1−1に接続するバンプ11−1とカバー20との近接部分およびGND線Lg2、Lg2−1に接続するバンプ11−4とカバー20との近接部分において、高いレベルのノイズが発生する。
【0038】
すなわち、バンプ11−1とカバー20との近接部分およびバンプ11−4とカバー20との近接部分において、不要な自己共振周波数による渦電流とみなせるノイズが高いレベルで発生する。
【0039】
この場合、図5のシミュレーション結果に示されるように、伝送信号の周波数が25GHz付近でカットオフが生じることが検出され、25GHz以上の広帯域化伝送が妨げられることがわかる。
【0040】
次に抵抗体シート30を備えているコネクタ1について説明する。コネクタ1では、バンプシート10とカバー20との間に抵抗体シート30を配置する。ただし、バンプシート10の全面に抵抗体シート30を配置すると、信号線と接続するバンプに対しても、抵抗体シート30が近接することになり、高速伝送に悪影響を与えることになる。
【0041】
したがって、抵抗体シート30は、基板に接続する電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けることにする。具体的には、上述したように、GND線に接続するバンプとカバーとの近接部において、高レベルなノイズ成分が生じるため、信号線に接続するバンプを除いた、GND線に接続するバンプとカバーとの近接部において、抵抗体シート30を配置するようにする。
【0042】
図6はバンプ接続部分を示す図である。なお、図6では、コネクタ1を透視化して、バンプ11−1〜11−4を通じて、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインとの接続状態を見えるように図示している。
【0043】
バンプ接続部分として、フレキシブル基板4上の差動伝送路L1p、L1nの信号線をGND線Lg1、Lg2で挟み、このようなGSSGの高速信号線配置を、バンプ11−1〜11−4を介して、プリント基板5に接続するものとする。配線の仕方は図4と同じである。
【0044】
また、GND線Lg1、Lg1−1と接続するバンプ11−1の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート31を設ける。さらに、GND線Lg2、Lg2−1と接続するバンプ11−4の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート32を設ける。
【0045】
図7は抵抗体シートの配置位置を説明するための図である。図中のGは、GND線に接続するバンプを示し、Sは信号線に接続するバンプを示す。
GND線と接続するバンプ11−1の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート31を設け、GND線と接続するバンプ11−4の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート32を設ける。このとき、抵抗体シート31、32は、信号線と接続しているバンプ11−2、11−3の上方のバンプシート10の部分に接しないように配置する。
【0046】
図8は損失特性を示す図である。コネクタ1で配線接続したときのS11パラメータ(反射損失特性)とS21パラメータ(挿入損失特性)を示している。横軸は周波数(GHz)、左側縦軸は反射損失レベル(dB)、右側縦軸は挿入損失レベル(dB)である。
【0047】
抵抗体シート30を図6、図7で示したように配置したコネクタ1を用いてバンプ接続を行って、信号線L1p、L1nに信号を伝送する。すると、GND線Lg1、Lg1−1に接続するバンプ11−1とカバー20との近接部分に生じるノイズが抵抗体シート31によって低減される。同様に、GND線Lg2、Lg2−1に接続するバンプ11−4とカバー20との近接部分に生じるノイズが抵抗体シート32によって低減される。
【0048】
この場合、図8のシミュレーション結果に示されるように、伝送信号の周波数が25GHz付近においてもカットオフが生じることがなく、25GHz以上の広帯域化伝送が可能になっていることがわかる。
【0049】
以上説明したように、コネクタ1では、バンプシート10とカバー20との間に、電気抵抗性を有する抵抗体シート30を設けた構成とした。これにより、ノイズを効果的に低減して、伝送信号を広帯域化することができ、高速信号の伝送品質の向上を図ることが可能になる。
【0050】
次に抵抗体シート30の実装パターンについて説明する。抵抗体シート30は、信号線に接続するバンプの上方を除いて、GND線に接続するバンプの上方のバンプシート10上に配置する。したがって、実装形状としては複数のパターンが考えられる。
【0051】
図9〜図11は抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。図中のGは、GND線に接続するバンプを示し、Sは信号線に接続するバンプを示す。
図9の抵抗体シート30−1の場合は、図6、図7で示した形状パターンと同じである。GND線に接続するバンプ11−1、11−4、11−7の上方のバンプシート10の位置に、四辺形の形状をした抵抗体シート30a−1、30b−1、30c−1を配置する。
【0052】
図10の抵抗体シート30−2の場合は、信号線に接続するバンプ11−2、11−3、11−5、11−6の上方位置の抵抗体シート部分をくり抜いた形状である。図11の抵抗体シート30−3は、信号線に接続するバンプ11−2、11−3、11−5、11−6の上方を除き、GND線に接続するバンプ11−1、11−4、11−7の上方に抵抗体シートが配置するような櫛形にした実装パターンである。
【0053】
なお、図9〜図11は実装パターンの一例であって、上記以外の形状であってもよい。一方、上記の説明では、バンプシート10とカバー20との間の所定位置に抵抗体シート30を挟んで実装する構成としたが、抵抗体シート30をバンプシート10に段差なく装着させてもよい。
【0054】
例えば、図9の場合では、3枚の抵抗体シートが配置されるバンプシート10の所定位置に、抵抗体シート30a−1、30b−1、30c−1を段差なく装着させて、抵抗体シート30−1とバンプシート10とを一体化させる。
【0055】
ここで、抵抗体シート30を、GND線に接続するバンプの上方のバンプシート10のみに配置して、カバー20の押圧によるコネクタ接続を行うと、抵抗体シートが配置されている箇所と配置されていない箇所とで圧力が不均一になるおそれがある。
【0056】
したがって、GND線に接続するバンプ上部のバンプシート10の所定位置に、抵抗体シート30とバンプシート10とを段差なく装着して、抵抗体シート30とバンプシート10とを一体化させる。このような構成にすることにより、コネクタ接続時のカバー20による押圧力を均一化することができ、よりコンタクト性の向上を図ることが可能になる。
【0057】
次にバンプの接続部分について説明する。図12〜図14はバンプ接続部分を示す図であり、バンプ接続部分のバリエーションを示している。
図12は、フレキシブル基板4およびプリント基板5にスルーホールを設けた場合である。図13は、フレキシブル基板4にスルーホールを設け、プリント基板5には、スルーホールの金属箔メッキのない切り穴を設けた場合である。図14は、フレキシブル基板4にスルーホールを設け、プリント基板5にはスルーホールも切り穴も設けていない場合である。
【0058】
図12〜図14におけるバンプ接続では、いずれの場合も、プリント基板5のPADにフレキシブル基板4のPADが重なり、フレキシブル基板4のPAD上にバンプ11が重ねられて、抵抗体シート30を介してカバー20の上方から押圧される。これにより、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインが導通する。
【0059】
ここで、図12に示すように、フレキシブル基板4にスルーホールを設け、プリント基板5にスルーホールを設けてバンプ接続することにより、フレキシブル基板4とプリント基板5とのコンタクト性は向上する。
【0060】
一方、図13のように、プリント基板5の接続箇所を切り穴にした場合や、図14のようにフレキシブル基板4のみにスルーホールを設けた場合では、信号線ランド径を小さくすることができるので、高周波特性を向上させることができる。また、オープンスタブ(主伝送路から枝分かれして、先端がオープンなマイクロストリップライン)の形成を抑制することができるので、スタブによる特性劣化も低減することが可能になる。
【0061】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 コネクタ
4 フレキシブル基板
5 プリント基板
10 電極シート
11 電極
20 カバー
30 抵抗体シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、光伝送装置およびコネクタ接続方法に関し、電気的接続を行うコネクタ、光伝送を行う光伝送装置およびコネクタにより電気的接続を行うコネクタ接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス機器の実装設計において、プリント基板とデバイス間を、コネクタを介してフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)により信号接続することが広く行われている。
【0003】
フレキシブル基板は、柔軟性を持ったプリント基板であり、プリント基板の折り曲げが可能なことから、実装スペースの限られる携帯電話やデジタルカメラなどの小型製品に多用されている。
【0004】
一方、近年のエレクトロニクス機器では、小型軽量化、デバイスの薄型化が急速に進められ、半導体部品や受動部品などの微細化が進んでおり、高密度な実装が要求されている。
【0005】
このような状況の中で、プリント基板とフレキシブル基板との配線を接続するコネクタも多ピン化しており、コネクタ部の狭ピッチ化および広帯域化の要求が増加している。
従来技術として、伝導ノイズの抑制を図った配線回路基板が提案されている(特許文献1)。また、広帯域のフラットケーブル結合器が提案されている(特許文献2)。さらに、フレキシブル基板向けの高屈曲なカバーレイフィルムが提案されている(特許文献3)。さらにまた、導体層が高速信号線路と抵抗体層との間に配置されたプリント配線板が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−38250号公報
【特許文献2】特開2005−044769号公報
【特許文献3】特開2009−283901号公報
【特許文献4】特開2010−73786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のコネクタでは、信号線間を通るGNDに接続するコネクタの電極箇所などで、ノイズが発生して高周波特性が劣化するおそれがあり、高速信号(例えば、25Gb/s以上)の伝送を高品質に行うことができないといった問題があった。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、高周波特性の劣化を抑制して伝送品質の向上を図ったコネクタを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、高周波特性の劣化を抑制して伝送品質の向上を図った光伝送装置を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の他の目的は、高周波特性の劣化を抑制して伝送品質の向上を図ったコネクタ接続方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、コネクタが提供される。コネクタは、複数の電極が装着された電極シートと、前記電極シートを覆うカバーと、前記カバーと前記電極シートとの間に設けられた、電気抵抗性を有する抵抗体シートとを備える。
【発明の効果】
【0011】
コネクタ接続時の伝送品質の向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】コネクタの構成例を示す図である。
【図2】光伝送装置の構成例を示す図である。
【図3】図2のA1−A2断面図である。
【図4】バンプ接続部分を示す図である。
【図5】損失特性を示す図である。
【図6】バンプ接続部分を示す図である。
【図7】抵抗体シートの配置位置を説明するための図である。
【図8】損失特性を示す図である。
【図9】抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。
【図10】抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。
【図11】抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。
【図12】バンプ接続部分を示す図である。
【図13】バンプ接続部分を示す図である。
【図14】バンプ接続部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はコネクタの構成例を示す図である。コネクタ1は、電極シート10、カバー20および抵抗体シート30を備え、例えば、高周波信号の電気的接続を行う高周波コネクタである。
【0014】
電極シート10には、電極11が装着されている。カバー20は、電極シート10を覆う。抵抗体シート30は、電気抵抗性を有するシートであって、カバー20と電極シート10との間に設けられる。
【0015】
コネクタ1による基板への接続では、電極(以下、バンプと呼ぶ)11は、例えば、フレキシブル基板4上で対となる一方の伝送路および他方の伝送路に対し、一方の伝送路をプリント基板5に接続し、他方の伝送路をプリント基板5に接続する。
【0016】
次にコネクタ1の配線接続の一例として、光インターコネクトで用いられる光伝送装置にコネクタ1を適用した場合について説明する。光インターコネクトとは、半導体チップ内部の回路間やコンピュータ内部の部品間、コンピュータ間等で、短い距離のデータ伝送を光によって行う通信の総称である。光インターコネクトは、従来の銅配線等による電気通信に対して、より広帯域・低消費電力を実現できる。
【0017】
図2は光伝送装置の構成例を示す図である。図3は図2のA1−A2断面図である。光伝送装置1aは、フレキシブル基板4とコネクタ1とを含み、光伝送処理として、例えば、光送受信と、O/EまたはE/O変換とを行う装置である。図では、フレキシブル基板4が、コネクタ1によってプリント基板5に接続されている状態を示している。
【0018】
フレキシブル基板4には、光伝送処理部として、例えば、発光素子41(例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser))、受光素子42(例えば、PD(Photodiode))、V/I変換機能を有するドライバであるIC43およびI/V変換機能を有して、トランスインピーダンス増幅を行うIC44が実装されている。また、発光素子41および受光素子42には、フレキシブル基板4に積層可能なシート状の光導波路であるポリマー導波路4aが接続される。
【0019】
なお、IC43、44とプリント基板5との間の伝送では、差動伝送が行われる。したがって、IC43、44では、1チャネルの信号に対して、1対の信号線を使って互いに逆位相となるP(positive)チャネルとN(negative)チャネルとの信号を用いた伝送を行う。
【0020】
一方、コネクタ1は、バンプシート10、カバー20および抵抗体シート30を備える。バンプシート10には、突起状電極のバンプ11が2次元配置で形成されており、フレキシブル基板4の位置合わせを正確に行うと同時に、相手接続側のプリント基板5または電子部品との間で確実な接続を行う。なお、バンプシート10自体は、絶縁材質で作られており、バンプシート10の片面側に金属性のバンプ11が装着される。
【0021】
また、バンプ11が装着されていないバンプシート10の背面側に、抵抗体シート30を挟んで、カバー20が位置する。カバー20は、薄い板状を有しており、両端に着脱可能なフック部21−1、21−2の機構が設けられている。
【0022】
コネクタ接続時には、フック部21−1、21−2によって、プリント基板5に設けられたガイド穴g1、g2と機械的にロックして、複数のバンプ11に対して均一に圧力を加えてプリント基板5と接続する。
【0023】
フレキシブル基板4とプリント基板5とが接続する場合、まず、プリント基板5上の複数のPAD上に、フレキシブル基板4の複数のPADが重ねられる。さらに、フレキシブル基板4のPAD上に、バンプシート10上に形成されているバンプ11が重ねられる。
【0024】
そして、カバー20を上方から押し付けることで、コネクタ1のバンプ11と、フレキシブル基板4のPADと、プリント基板5のPADとが圧着する。これにより、フレキシブル基板4のPADと、プリント基板5のPADとが接続して、フレキシブル基板4とプリント基板5とのそれぞれの配線が接続する(なお、図2では、コネクタ1を透視化して、バンプ11を通じて、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインとの接続状態を見えるように図示している)。
【0025】
信号の流れとして、プリント基板5から伝送された電気信号は、コネクタ1のバンプ11を介してフレキシブル基板4上のIC43で受信される。IC43は、V/I変換を行って、電圧信号を電流信号に変換する。発光素子41は、E/O変換を行って、IC43から出力された電流信号を光信号に変換する。光信号はポリマー導波路4aを通じて外部へ出力される。
【0026】
一方、ポリマー導波路4aを通じて伝送された光信号は、受光素子42で受光されて光電流信号に変換される。IC44は、光電流信号を電圧信号に変換して出力する。IC44から出力された電圧信号は、コネクタ1のバンプ11を介して、プリント基板5上の伝送ラインに接続される。
【0027】
次に抵抗体シート30について説明する。コネクタ1の基本的な接続動作は、バンプ11を介し、2枚の基板として例えば、フレキシブル基板4とプリント基板5のそれぞれのPADを電気的に接続し、バンプ11が配列されたバンプシート10をカバー20で押圧して固定するものである。
【0028】
この場合、金属性のカバー20で押圧すると、伝送ラインと接続する金属性のバンプ11の上部にカバー20の金属部分が近接することになるので、この金属部分とバンプ11との間でノイズが生じてしまう。すると、高周波特性が劣化してしまい、高速信号の伝送が実現できなくなる。
【0029】
このため、本技術では上述したように、バンプシート10とカバー20との間に、厚さ数ミクロンの抵抗体シート30を挿入する。特に、抵抗体シート30は、基板に接続するバンプ11を通じて発生するノイズを抑制する位置に設ける。これにより、ノイズの発生を低減し、高周波特性の劣化を抑制して伝送信号の広帯域化を図るものである。
【0030】
次に抵抗体シート30を備えていないコネクタおよび抵抗体シート30を備えたコネクタ1それぞれの伝送特性のシミュレーション結果について説明する。最初に抵抗体シート30を備えていないコネクタ(コネクタ100と呼ぶ)について説明する。
【0031】
コネクタ100で配線接続をしてシミュレーションをした結果、ノイズ発生箇所は、GND線に接続するバンプとカバーとの近接部において、最も高レベルなノイズ成分を検出した。
【0032】
図4はバンプ接続部分を示す図である。なお、図4では、コネクタ100を透視化して、バンプ11−1〜11−4を通じて、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインとの接続状態を見えるように図示している。
【0033】
バンプ接続部分として、フレキシブル基板4上の差動伝送路L1p、L1nの信号線をGND線Lg1、Lg2で挟み、このようなGSSGの高速信号線配置を、バンプ11−1〜11−4を介して、プリント基板5に接続するものとする。
【0034】
接続関係を記すと、コネクタ100のバンプ11−1〜11−4において、バンプ11−1を通じて、フレキシブル基板4上のGND線Lg1と、プリント基板5上のGND線Lg1−1とが接続する。
【0035】
バンプ11−2を通じて、フレキシブル基板4上の信号線L1pと、プリント基板5上の信号線L1p−1とが接続する。バンプ11−3を通じて、フレキシブル基板4上の信号線L1nと、プリント基板5上の信号線L1n−1とが接続する。バンプ11−4を通じて、フレキシブル基板4上のGND線Lg2と、プリント基板5上のGND線Lg2−1とが接続する。
【0036】
図5は損失特性を示す図である。コネクタ100で配線接続したときのS11パラメータ(反射損失特性)とS21パラメータ(挿入損失特性)を示している。横軸は周波数(GHz)、左側縦軸は反射損失レベル(dB)、右側縦軸は挿入損失レベル(dB)である。
【0037】
抵抗体シート30を有していないコネクタ100を用いて、図4のようなバンプ接続を行って、信号線L1p、L1nに信号を伝送する。すると、GND線Lg1、Lg1−1に接続するバンプ11−1とカバー20との近接部分およびGND線Lg2、Lg2−1に接続するバンプ11−4とカバー20との近接部分において、高いレベルのノイズが発生する。
【0038】
すなわち、バンプ11−1とカバー20との近接部分およびバンプ11−4とカバー20との近接部分において、不要な自己共振周波数による渦電流とみなせるノイズが高いレベルで発生する。
【0039】
この場合、図5のシミュレーション結果に示されるように、伝送信号の周波数が25GHz付近でカットオフが生じることが検出され、25GHz以上の広帯域化伝送が妨げられることがわかる。
【0040】
次に抵抗体シート30を備えているコネクタ1について説明する。コネクタ1では、バンプシート10とカバー20との間に抵抗体シート30を配置する。ただし、バンプシート10の全面に抵抗体シート30を配置すると、信号線と接続するバンプに対しても、抵抗体シート30が近接することになり、高速伝送に悪影響を与えることになる。
【0041】
したがって、抵抗体シート30は、基板に接続する電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けることにする。具体的には、上述したように、GND線に接続するバンプとカバーとの近接部において、高レベルなノイズ成分が生じるため、信号線に接続するバンプを除いた、GND線に接続するバンプとカバーとの近接部において、抵抗体シート30を配置するようにする。
【0042】
図6はバンプ接続部分を示す図である。なお、図6では、コネクタ1を透視化して、バンプ11−1〜11−4を通じて、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインとの接続状態を見えるように図示している。
【0043】
バンプ接続部分として、フレキシブル基板4上の差動伝送路L1p、L1nの信号線をGND線Lg1、Lg2で挟み、このようなGSSGの高速信号線配置を、バンプ11−1〜11−4を介して、プリント基板5に接続するものとする。配線の仕方は図4と同じである。
【0044】
また、GND線Lg1、Lg1−1と接続するバンプ11−1の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート31を設ける。さらに、GND線Lg2、Lg2−1と接続するバンプ11−4の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート32を設ける。
【0045】
図7は抵抗体シートの配置位置を説明するための図である。図中のGは、GND線に接続するバンプを示し、Sは信号線に接続するバンプを示す。
GND線と接続するバンプ11−1の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート31を設け、GND線と接続するバンプ11−4の上方のバンプシート10の部分に抵抗体シート32を設ける。このとき、抵抗体シート31、32は、信号線と接続しているバンプ11−2、11−3の上方のバンプシート10の部分に接しないように配置する。
【0046】
図8は損失特性を示す図である。コネクタ1で配線接続したときのS11パラメータ(反射損失特性)とS21パラメータ(挿入損失特性)を示している。横軸は周波数(GHz)、左側縦軸は反射損失レベル(dB)、右側縦軸は挿入損失レベル(dB)である。
【0047】
抵抗体シート30を図6、図7で示したように配置したコネクタ1を用いてバンプ接続を行って、信号線L1p、L1nに信号を伝送する。すると、GND線Lg1、Lg1−1に接続するバンプ11−1とカバー20との近接部分に生じるノイズが抵抗体シート31によって低減される。同様に、GND線Lg2、Lg2−1に接続するバンプ11−4とカバー20との近接部分に生じるノイズが抵抗体シート32によって低減される。
【0048】
この場合、図8のシミュレーション結果に示されるように、伝送信号の周波数が25GHz付近においてもカットオフが生じることがなく、25GHz以上の広帯域化伝送が可能になっていることがわかる。
【0049】
以上説明したように、コネクタ1では、バンプシート10とカバー20との間に、電気抵抗性を有する抵抗体シート30を設けた構成とした。これにより、ノイズを効果的に低減して、伝送信号を広帯域化することができ、高速信号の伝送品質の向上を図ることが可能になる。
【0050】
次に抵抗体シート30の実装パターンについて説明する。抵抗体シート30は、信号線に接続するバンプの上方を除いて、GND線に接続するバンプの上方のバンプシート10上に配置する。したがって、実装形状としては複数のパターンが考えられる。
【0051】
図9〜図11は抵抗体シートの実装パターンの一例を示す図である。図中のGは、GND線に接続するバンプを示し、Sは信号線に接続するバンプを示す。
図9の抵抗体シート30−1の場合は、図6、図7で示した形状パターンと同じである。GND線に接続するバンプ11−1、11−4、11−7の上方のバンプシート10の位置に、四辺形の形状をした抵抗体シート30a−1、30b−1、30c−1を配置する。
【0052】
図10の抵抗体シート30−2の場合は、信号線に接続するバンプ11−2、11−3、11−5、11−6の上方位置の抵抗体シート部分をくり抜いた形状である。図11の抵抗体シート30−3は、信号線に接続するバンプ11−2、11−3、11−5、11−6の上方を除き、GND線に接続するバンプ11−1、11−4、11−7の上方に抵抗体シートが配置するような櫛形にした実装パターンである。
【0053】
なお、図9〜図11は実装パターンの一例であって、上記以外の形状であってもよい。一方、上記の説明では、バンプシート10とカバー20との間の所定位置に抵抗体シート30を挟んで実装する構成としたが、抵抗体シート30をバンプシート10に段差なく装着させてもよい。
【0054】
例えば、図9の場合では、3枚の抵抗体シートが配置されるバンプシート10の所定位置に、抵抗体シート30a−1、30b−1、30c−1を段差なく装着させて、抵抗体シート30−1とバンプシート10とを一体化させる。
【0055】
ここで、抵抗体シート30を、GND線に接続するバンプの上方のバンプシート10のみに配置して、カバー20の押圧によるコネクタ接続を行うと、抵抗体シートが配置されている箇所と配置されていない箇所とで圧力が不均一になるおそれがある。
【0056】
したがって、GND線に接続するバンプ上部のバンプシート10の所定位置に、抵抗体シート30とバンプシート10とを段差なく装着して、抵抗体シート30とバンプシート10とを一体化させる。このような構成にすることにより、コネクタ接続時のカバー20による押圧力を均一化することができ、よりコンタクト性の向上を図ることが可能になる。
【0057】
次にバンプの接続部分について説明する。図12〜図14はバンプ接続部分を示す図であり、バンプ接続部分のバリエーションを示している。
図12は、フレキシブル基板4およびプリント基板5にスルーホールを設けた場合である。図13は、フレキシブル基板4にスルーホールを設け、プリント基板5には、スルーホールの金属箔メッキのない切り穴を設けた場合である。図14は、フレキシブル基板4にスルーホールを設け、プリント基板5にはスルーホールも切り穴も設けていない場合である。
【0058】
図12〜図14におけるバンプ接続では、いずれの場合も、プリント基板5のPADにフレキシブル基板4のPADが重なり、フレキシブル基板4のPAD上にバンプ11が重ねられて、抵抗体シート30を介してカバー20の上方から押圧される。これにより、フレキシブル基板4上の伝送ラインと、プリント基板5上の伝送ラインが導通する。
【0059】
ここで、図12に示すように、フレキシブル基板4にスルーホールを設け、プリント基板5にスルーホールを設けてバンプ接続することにより、フレキシブル基板4とプリント基板5とのコンタクト性は向上する。
【0060】
一方、図13のように、プリント基板5の接続箇所を切り穴にした場合や、図14のようにフレキシブル基板4のみにスルーホールを設けた場合では、信号線ランド径を小さくすることができるので、高周波特性を向上させることができる。また、オープンスタブ(主伝送路から枝分かれして、先端がオープンなマイクロストリップライン)の形成を抑制することができるので、スタブによる特性劣化も低減することが可能になる。
【0061】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 コネクタ
4 フレキシブル基板
5 プリント基板
10 電極シート
11 電極
20 カバー
30 抵抗体シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極が装着された電極シートと、
前記電極シートを覆うカバーと、
前記カバーと前記電極シートとの間に設けられた、電気抵抗性を有する抵抗体シートと、
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記抵抗体シートは、基板に接続する前記電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けられることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが設けられることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項4】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが前記電極シートに段差なく装着して、前記抵抗体シートと前記電極シートとが一体化していることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項5】
前記カバーは、基板にフックして、前記電極シートの背面から前記電極に均一に圧力を加えるフック部を備えることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項6】
光伝送装置において、
光信号の伝送処理を行う光伝送処理部が実装された基板と、
前記基板上に配線された前記光伝送処理部の伝送路を、相手側基板に接続するための複数の電極が装着された電極シートと、前記電極シートを覆うカバーと、前記カバーと前記電極シートとの間に設けられた、電気抵抗性を有する抵抗体シートとを含むコネクタと、
を備えることを特徴とする光伝送装置。
【請求項7】
前記抵抗体シートは、前記基板に接続する前記電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けられることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項8】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、前記基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが設けられることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項9】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、前記基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが前記電極シートに段差なく装着して、前記抵抗体シートと前記電極シートとが一体化していることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項10】
前記コネクタは、前記相手側基板にフックして、前記電極シートの背面から前記電極に均一に圧力を加えるフック部を前記カバーに備えることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項11】
コネクタ接続方法において、
複数の電極が装着された電極シートと、カバーとの間に、電気抵抗性を有する抵抗体シートを配置し、
前記カバーを上方から押圧して、前記電極を備えたコネクタによって接続を行う、
ことを特徴とするコネクタ接続方法。
【請求項12】
前記抵抗体シートは、基板に接続する前記電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けられることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【請求項13】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが設けられることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【請求項14】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが前記電極シートに段差なく装着して、前記抵抗体シートと前記電極シートとが一体化していることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【請求項15】
前記コネクタは、前記電極シートの背面から前記電極に均一に圧力を加えるフック部を備えて相手側基板にフックすることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【請求項1】
複数の電極が装着された電極シートと、
前記電極シートを覆うカバーと、
前記カバーと前記電極シートとの間に設けられた、電気抵抗性を有する抵抗体シートと、
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記抵抗体シートは、基板に接続する前記電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けられることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが設けられることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項4】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが前記電極シートに段差なく装着して、前記抵抗体シートと前記電極シートとが一体化していることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項5】
前記カバーは、基板にフックして、前記電極シートの背面から前記電極に均一に圧力を加えるフック部を備えることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項6】
光伝送装置において、
光信号の伝送処理を行う光伝送処理部が実装された基板と、
前記基板上に配線された前記光伝送処理部の伝送路を、相手側基板に接続するための複数の電極が装着された電極シートと、前記電極シートを覆うカバーと、前記カバーと前記電極シートとの間に設けられた、電気抵抗性を有する抵抗体シートとを含むコネクタと、
を備えることを特徴とする光伝送装置。
【請求項7】
前記抵抗体シートは、前記基板に接続する前記電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けられることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項8】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、前記基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが設けられることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項9】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、前記基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが前記電極シートに段差なく装着して、前記抵抗体シートと前記電極シートとが一体化していることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項10】
前記コネクタは、前記相手側基板にフックして、前記電極シートの背面から前記電極に均一に圧力を加えるフック部を前記カバーに備えることを特徴とする請求項6記載の光伝送装置。
【請求項11】
コネクタ接続方法において、
複数の電極が装着された電極シートと、カバーとの間に、電気抵抗性を有する抵抗体シートを配置し、
前記カバーを上方から押圧して、前記電極を備えたコネクタによって接続を行う、
ことを特徴とするコネクタ接続方法。
【請求項12】
前記抵抗体シートは、基板に接続する前記電極を通じて発生するノイズを抑制する位置に設けられることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【請求項13】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが設けられることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【請求項14】
前記電極シートの前記電極が装着されていない側の面であって、基板上に配線されたGND線に接続する前記電極の上部の位置に、前記抵抗体シートが前記電極シートに段差なく装着して、前記抵抗体シートと前記電極シートとが一体化していることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【請求項15】
前記コネクタは、前記電極シートの背面から前記電極に均一に圧力を加えるフック部を備えて相手側基板にフックすることを特徴とする請求項11記載のコネクタ接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−59536(P2012−59536A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201530(P2010−201530)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]