説明

コネクタ装置

【課題】固定ハウジングと可動ハウジングとを備え、可動ハウジングに設けられた嵌合部に相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易く、可動ハウジングが相手方コネクタを伴って固定ハウジングに対して移動自在とされるコネクタ装置を提供する。
【解決手段】回路基板に取り付けられる固定ハウジング(20)と、嵌合部(23A,23B)が設けられた可動ハウジング(21)と、固定ハウジングと可動ハウジングとを連結する導電コンタクト部材(22)と、可動ハウジングの一部と固定ハウジングの一部とを含んで構成され、可動ハウジングに、嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に対してそれと交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジングに固定される状態と、上記嵌合方向が回路基板に略平行となる姿勢をもって固定ハウジングに対して移動自在とされる状態とをとらせる係合機構部(24A,25A,26A)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと導電コンタクト部材により固定ハウジングとの連結がなされた可動ハウジングとを有し、可動ハウジングに相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられるコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化されたATA(AT Attachment) 規格の拡張仕様の一つであるSATA(Serial AT Attachment)に適合した比較的小型なハードディスクドライブ装置等を、各種の電気部品が取り付けられるソリッド印刷配線基板等の回路基板に接続するにあたっては、所定の範囲内で移動自在とされる浮動嵌合部を有したコネクタ装置が用いられる。斯かる浮動嵌合部を有したコネクタ装置は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと導電コンタクト部材により固定ハウジングとの連結がなされた可動ハウジングとを有し、可動ハウジングに、例えば、ハードディスクドライブ装置に設けられたコネクタとされる相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられて構成される。そして、可動ハウジングに設けられた嵌合部が浮動嵌合部を形成する。
【0003】
このようなコネクタ装置にあっては、可動ハウジングに設けられた嵌合部において、それとの嵌合が行われた相手方コネクタを備えたハードディスクドライブ装置等に加えられる振動や衝撃が吸収される。それにより、ハードディスクドライブ装置等についての振動や衝撃からの保護が図られる。
【0004】
従来、浮動嵌合部を有したコネクタ装置として、回路基板上に固着される固定ハウジングに対して、浮動嵌合部を形成する嵌合部が設けられた可動ハウジングが、嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に平行な方向とされる姿勢をもって、所定の範囲内で移動可能とされたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1に示される従来の浮動嵌合部を有したコネクタ装置にあっては、嵌合部が設けられた可動ハウジング(可動インシュレータ)は、常時、それに設けられた嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向が固定ハウジング(固定インシュレータ)が固着された回路基板に平行な方向となる姿勢を維持する。斯かるもとで、可動ハウジングが、固定ハウジングに対して、嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向及びそれに直交する2方向の合計3方向に移動可能とされる。
【0006】
そして、嵌合部が相手方コネクタとの嵌合状態にないときには、可動ハウジングが、嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向において固定ハウジングに固定されることになるロック状態におかれる。一方、嵌合部が相手方コネクタとの嵌合状態をとるときには、自動的に、可動ハウジングがロック状態から解放され、固定ハウジングに対する可動ハウジングの3方向への移動が可能とされる。
【0007】
即ち、嵌合部が相手方コネクタとの嵌合状態になく、可動ハウジングが相手方コネクタの嵌合方向において固定ハウジングに固定されるロック状態におかれているもとで、相手方コネクタが、固定ハウジングが固着された回路基板に平行な嵌合方向をもって嵌合部に嵌合せしめられ、それによりロック状態から解放された可動ハウジングが、嵌合部に嵌合した相手方コネクタを伴い、姿勢を変えることなく、固定ハウジングに対して3方向に移動可能な状態とされるのである。可動ハウジングの固定ハウジングへの固定及びその解除は、可動ハウジングと固定ハウジングとの両者が関わるロック機構によってなされる。
【0008】
【特許文献1】特開2006−59788号公報(第5〜9頁、図1〜4及び図7〜13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような、従来提案されている浮動嵌合部を有したコネクタ装置にあっては、可動ハウジングに設けられた嵌合部に相手方コネクタを嵌合させるとき、可動ハウジングは、嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向においては固定されているが、相手方コネクタの嵌合方向に沿う方向に直交する2方向、あるいは、それらのうちの一方には、移動し得る状態におかれている。それゆえ、相手方コネクタを嵌合部に嵌合させる際に嵌合部が変位してしまい、相手方コネクタの嵌合部への嵌合が行い難いものとなってしまうという問題がある。
【0010】
また、可動ハウジングに設けられた嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向が、固定ハウジングが固着された回路基板に平行な方向とされるので、嵌合部に相手方コネクタを嵌合させるにあたり、相手方コネクタを嵌合部に向けて回路基板と平行に移動させる作業を行わなければならない。ところが、可動ハウジングにおける嵌合部が設けられた部分は、固定ハウジングが固着された回路基板に近い位置にあり、嵌合部と回路基板との間の空隙は比較的小なるものとされる。また、通常、回路基板における嵌合部の周囲となる部分には、各種の回路部品等が取り付けられている。そのため、相手方コネクタを嵌合部に向けて回路基板と平行に移動させる作業が、行い難いものとなるという不都合もある。
【0011】
さらに、従来提案されている浮動嵌合部を有したコネクタ装置は、その全体を構成する部品点数が多数であり、それに加えて、可動ハウジングを嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向において固定するための機構が複雑であるため、製造時における組立て性が良好でないという問題を伴うものでもある。
【0012】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと導電コンタクト部材により固定ハウジングとの連結がなされた可動ハウジングとを有し、可動ハウジングに相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられて構成されるもとで、嵌合部に相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされて、嵌合部に相手方コネクタを容易かつ確実に嵌合させることができ、しかも、可動ハウジングが、嵌合部に嵌合した相手方コネクタを伴って、固定ハウジングに対して移動自在とされる状態をとることができるコネクタ装置、さらには、斯かるコネクタ装置であって、比較的簡単な構成をもって組み立てられ、製造時における組立て性が良好であるものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項16までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係るコネクタ装置は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと、相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部が設けられた可動ハウジングと、固定ハウジングと可動ハウジングとを連結し、各々の一部が回路基板に接続されるとともに、各々の他の一部が嵌合部内に配されて相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる、配列配置された複数の導電コンタクト部材と、可動ハウジングの部分と固定ハウジングの部分とを含んで構成され、可動ハウジングに、相手方コネクタの嵌合方向が上述の回路基板に対して当該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジングに固定される状態と、相手方コネクタの嵌合方向が上述の回路基板に略平行となる姿勢をもって固定ハウジングに対して移動自在とされる状態と、を選択的にとらせる係合機構部と、を備えて構成される。
【0014】
特に、請求項2に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、複数の導電コンタクト部材が、弾性を有し、可動ハウジングに固定ハウジングから離隔させる方向の力を作用させるものとされる。
【0015】
また、請求項3に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、係合機構部が、可動ハウジングを、相手方コネクタの嵌合方向の回路基板に対する角度変化を生じさせる、固定ハウジングに対しての回動を行い得るものとなす。
【0016】
さらに、請求項12に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、係合機構部が、固定ハウジングの端部に設けられた、一部に係合凹部が形成された案内孔及びそれと固定ハウジング外とを連結するスリット部と、可動ハウジングの端部に設けられ、固定ハウジング外からスリット部を通じて案内孔内に移動でき、係合凹部に係合する突起係合部と、を含んで構成され、可動ハウジングに、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に対して当該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジングに固定される状態をとらせるロック機構が、係合凹部と突起係合部とを含んで構成される。
【0017】
上述のように構成される本発明に係るコネクタ装置においては、係合機構部によって、可動ハウジングが、それに設けられた嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合方向が固定ハウジングが取り付けられた回路基板に対して当該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジングに固定される状態と、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に略平行となる姿勢をもって固定ハウジングに対して移動自在とされる状態と、を選択的にとるものとされる。そして、例えば、可動ハウジングが、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に対して当該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジングに固定される状態におかれたもとで、可動ハウジングに設けられた嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合が行われる。また、その後、嵌合部に相手方コネクタが嵌合せしめられた可動ハウジングが、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に略平行となる姿勢をもって固定ハウジングに対して移動自在とされる状態におかれる。
【0018】
可動ハウジングに設けられた嵌合部に嵌合せしめられた相手方コネクタは、各々の一部が回路基板に接続されるとともに、各々の他の一部が嵌合部内に配されて相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる複数の導電コンタクト部材を通じて、回路基板に電気的に連結される。
【0019】
そして、本発明に係るコネクタ装置の一例においては、可動ハウジングに、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に対して当該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジングに固定される状態をとらせるロック機構が、係合機構部を構成するものとされた、一部に係合凹部が形成された案内孔,案内孔に通じたスリット部及び係合凹部に係合する突起係合部のうちの、係合凹部と突起係合部とを含んで構成される。
【発明の効果】
【0020】
上述の本発明に係るコネクタ装置にあっては、可動ハウジングに設けられた嵌合部に対する相手方コネクタの嵌合を、可動ハウジングが、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に対して当該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって、嵌合部が変位しないように固定ハウジングに固定される状態におかれたもとで、行うことができる。それゆえ、嵌合部に相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされ、嵌合部に相手方コネクタを容易かつ確実に嵌合させることができる。
【0021】
また、嵌合部に相手方コネクタが嵌合せしめられた後には、可動ハウジングを、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジングに対して移動自在とされる状態におくことができる。それにより、嵌合部との嵌合が行われた相手方コネクタを備えた装置等に加えられる振動や衝撃を吸収して、相手方コネクタを備えた装置等についての振動や衝撃からの保護を図れることになる。
【0022】
特に、請求項2に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、複数の導電コンタクト部材が、弾性を有し、可動ハウジングに固定ハウジングから離隔させる方向の力を作用させるものとされるので、可動ハウジングを、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に対して傾斜角を成すことになる姿勢をもって固定ハウジングに固定される状態、及び、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に略平行となる姿勢をもって固定ハウジングに対して移動自在とされる状態、のいずれにおくことも容易とされる。
【0023】
また、請求項3に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっても、係合機構部が、可動ハウジングを、相手方コネクタの嵌合方向の回路基板に対する角度変化を生じさせる、固定ハウジングに対しての回動を行い得るものとなすので、可動ハウジングを、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に対して傾斜角を成すことになる姿勢をもって固定ハウジングに固定される状態、及び、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板に略平行となる姿勢をもって固定ハウジングに対して移動自在とされる状態、のいずれにおくことも容易とされる。
【0024】
さらに、請求項12に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、可動ハウジングの端部に設けられた突起係合部が、固定ハウジング外から、固定ハウジングの端部に設けられたスリット部を通じて、固定ハウジングの端部に設けられた案内孔内に移動でき、その案内孔の一部に設けられた係合凹部に係合することができるものとされる。それにより、請求項12に記載された本発明に係るコネクタ装置は、比較的簡単な構成をもって組み立てられ、しかも、製造時における組立て性が良好なものとされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施するための最良の形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
【実施例1】
【0026】
図1(正面図),図2(図1におけるIV−IV線より右方の部分を切除した状態を示す斜視図)及び図3(図1における V−V 線より右方の部分を切除した状態を示す斜視図)は、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を、選択された状態をとるものとして示す。
【0027】
図1〜図3において、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を成すコネクタ装置11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、ソリッド印刷配線基板等の回路基板15に取り付けられた固定ハウジング20と、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された可動ハウジング21とを備えている。固定ハウジング20と可動ハウジング21とは、配列配置された複数の導電コンタクト部材22によって連結されている。複数の導電コンタクト部材22の夫々は、例えば、弾性を有した金属材料によって形成されたものとされ、その一部は回路基板15に接続される。そして、配列配置された複数の導電コンタクト部材22は、可動ハウジング21に固定ハウジング20から離隔させる方向の力を作用させる。
【0028】
可動ハウジング21における正面側端面部には、例えば、ハードディスクドライブ装置に備えられたものとされる相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部23A及び23Bが設けられている。嵌合部23A及び23B内には、一部が回路基板15に接続された複数の導電コンタクト部材22の夫々における他の一部が配されており、この導電コンタクト部材22の他の一部は、嵌合部23A及び23Bとの嵌合がなされた相手方コネクタに設けられた接続端子部に押圧接触する。それにより、嵌合部23A及び23Bとの嵌合がなされた相手方コネクタが、複数の導電コンタクト部材22を通じて、回路基板15に電気的に連結される。
【0029】
固定ハウジング20における複数の導電コンタクト部材22の配列方向における一方の端部20Aと、それに対応する可動ハウジング21における複数の導電コンタクト部材22の配列方向における一方の端部21Aとに、第1の係合機構部が形成されており、また、固定ハウジング20における複数の導電コンタクト部材22の配列方向における他方の端部20Bと、それに対応する可動ハウジング21における複数の導電コンタクト部材22の配列方向における他方の端部21Bとに、第2の係合機構部が形成されている。
【0030】
これらの第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング21に、図1〜図3に示されるような、それに設けられた嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に対して傾斜角を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング20に固定される状態と、嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に略平行となる姿勢をもって固定ハウジング20に対して移動自在とされる状態と、を選択的にとらせる。また、第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング21を、嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板15に対する角度変化を生じさせる、固定ハウジング20に対しての回動を行い得るものとなす。
【0031】
固定ハウジング20の端部20Aと可動ハウジング21の端部21Aとに形成される第1の係合機構部は、図2及び図1におけるIV−IV線断面をあらわす図4に示される、端部20Aに形成された案内孔24Aと端部21Aに設けられた突起係合部25Aとを含んで構成される第1のロック機構を備えている。この第1のロック機構にあっては、案内孔24Aの一部に係合凹部26Aが設けられており、突起係合部25Aは、図2及び図4に示されるように係合凹部26Aに係合する状態を選択的にとる。係合凹部26Aに対する突起係合部25Aの係合は、突起係合部25Aが回路基板15から離隔する方向をもって移動して、係合凹部26Aに当接係合することにより行われる。
【0032】
また、第1のロック機構は、端部20Aに設けられた、回路基板15に略直交する方向に伸び、その一部が案内孔24Aに通じた透孔27A、及び、透孔27A内に配され、係合凹部26Aに係合した突起係合部25Aに当接して、突起係合部25Aの係合凹部26Aとの係合状態の維持に貢献するばね部材28Aも含んでいる。但し、突起係合部25Aが係合凹部26Aとの係合状態を維持するにあたり、ばね部材28Aの存在は必ずしも必要ではない。
【0033】
固定ハウジング20の端部20Bと可動ハウジング21の端部21Bとに形成される第2の係合機構部も、上述の第1の係合機構部と同様に構成される。即ち、第2の係合機構部は、上述の第1のロック機構に相当する第2のロック機構を備え、その第2のロック機構は、上述の案内孔24A,突起係合部25A,係合凹部26A,透孔27A及びばね部材28Aに夫々相当する、図示されていない案内孔,突起係合部,係合凹部,透孔及びばね部材を含んで構成される。
【0034】
第1のロック機構において突起係合部25Aが係合凹部26Aに係合する状態がとられるとともに、第2のロック機構において突起係合部が係合凹部に係合する状態がとられるとき、図1〜図4及び図1における V−V 線断面をあらわす図5の夫々に示されるように、可動ハウジング21が、それに設けられた嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング20に固定される状態におかれる。その際、図3及び図5に示されるように、固定ハウジング20に形成された係止面部29A及び29Bが、可動ハウジング21の背面側端面部30を係止する。それにより、可動ハウジング21は、それに設けられた嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に対して傾斜角を成すことになる姿勢を安定に維持することができる。斯かる可動ハウジング21の固定ハウジング20への固定にあたり、可動ハウジング21に設けられた嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向についてのその回路基板15に対して成す傾斜角は、部分的な形状を変えることで任意に設定できる。さらに、図1に示されるように、可動ハウジング21の端部21A及び21Bに案内斜面21AF及び21BFが夫々設けられるとともに、固定ハウジング20の端部20A及び20Bに案内斜面20AF及び20BFが夫々設けられて、案内斜面21AFが案内斜面20AFに案内され、また、案内斜面21BFが案内斜面20BFに案内されるようになされていることにより、可動ハウジング21は、固定ハウジング20に対して、複数の導電コンタクト部材22の配列方向において安定した位置決めがなされる。
【0035】
なお、可動ハウジング21に設けられた、嵌合部23A及び23Bを挟むようにして伸びる二つの柱状部31A及び31Bは、嵌合部23A及び23Bに嵌合せしめられる相手方コネクタに対する案内を行う案内部分を形成している。さらに、可動ハウジング21には、柱状部31Aの背後側部分に浮動案内部32Aが設けられているとともに、柱状部31Bの背後側部分に浮動案内部32Bが設けられている。そして、浮動案内部32Aは、固定ハウジング20に設けられた案内孔33A(図1〜図5には表れていない。)内に配されており、また、浮動案内部32Bは、固定ハウジング20に設けられた案内孔33B内に配されている。
【0036】
相手方コネクタの嵌合部23A及び23Bへの嵌合は、図1〜図5の夫々に示されるように、可動ハウジング21が、それに設けられた嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング20に固定される状態におかれたもとで行われる。その際、当該相手方コネクタは、その一部が可動ハウジング21に設けられた柱状部31A及び31Bに係合して、それらによる案内を受けつつ、嵌合部23A及び23B内に挿入される。
【0037】
このとき、嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すものとされていて、相手方コネクタを嵌合にあたって回路基板15と平行に移動させる必要がなく、しかも、可動ハウジング21が固定ハウジング20に固定されていて、嵌合部23A及び23Bは変位しない。それゆえ、嵌合部23A及び23Bに相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされて、嵌合部23A及び23Bに相手方コネクタを容易かつ確実に嵌合させることができる。
【0038】
相手方コネクタと嵌合部23A及び23Bとの嵌合がなされると、可動ハウジング21は、嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板15に対する角度変化を生じさせるべく、固定ハウジング20に対して回動せしめられる。その際には、固定ハウジング20の端部20Aと可動ハウジング21の端部21Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部25Aが、係合凹部26Aとの係合状態から解放され、同様に、固定ハウジング20の端部20Bと可動ハウジング21の端部21Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、突起係合部が、係合凹部との係合状態から解放される。さらに、可動ハウジング21の背面側端面部30が固定ハウジング20に設けられた係止面部29A及び29Bによる係止から解放される。
【0039】
それにより、可動ハウジング21は、図6(正面側からの斜視図),図7(背面側からの斜視図),図8(正面図)及び図9(背面図)の夫々に示されるように、嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング20に対して移動自在とされる状態におかれる。なお、図7〜図9においては、相手方コネクタは図示が省略されている。
【0040】
可動ハウジング21が、嵌合部23A及び23Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング20に対して移動自在とされる状態におかれるときには、図10(側面図)に示されるように、固定ハウジング20の端部20Aと可動ハウジング21の端部21Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部25Aが、係合凹部26Aとの係合を解除して、係合凹部26A及びばね部材28Aから離隔した位置をとるものとされる。同様に、固定ハウジング20の端部20Bと可動ハウジング21の端部21Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、突起係合部が、係合凹部との係合を解除して、係合凹部及びばね部材から離隔した位置をとるものとされる。それにより、可動ハウジング21は、各々の一部が回路基板15に接続されて配列配置された複数の導電コンタクト部材22によってのみ、支持されることになる。
【0041】
その結果、可動ハウジング21は、嵌合部23A及び23Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング20に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれる。それにより、嵌合部23A及び23Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを備えた装置等に加えられる振動や衝撃を可動ハウジング21において吸収し、相手方コネクタを備えた装置等を振動や衝撃から保護できることになる。
【0042】
複数の導電コンタクト部材22の配列方向をX方向とし、回路基板15に平行でX方向に直交する方向をY方向とし、回路基板15に直交する方向をZ方向とすると、嵌合部23A及び23Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板15に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング20に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれた可動ハウジング21の、X方向,Y方向及びZ方向における移動範囲は次のようになる。
【0043】
先ず、X方向における移動範囲は、図9から理解されるように、固定ハウジング20に設けられた案内孔33A内における可動ハウジング21に設けられた浮動案内部32AのX方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング20に設けられた案内孔33B内における可動ハウジング21に設けられた浮動案内部32BのX方向における移動範囲)によって定まる。浮動案内部32Aの案内孔33A内におけるX方向の最大移動距離は、図9に示される距離X1と図9に示される距離X2との和、即ち、X1+X2である。従って、可動ハウジング21のX方向の最大移動距離もX1+X2とされ、可動ハウジング21のX方向の移動範囲は、この最大移動距離X1+X2内とされる。
【0044】
次に、Y方向における移動範囲は、図10から理解されるように、固定ハウジング20の端部20Aに設けられた案内孔24A内における可動ハウジング21の端部21Aに設けられた突起係合部25AのY方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング20の端部20Bに設けられた案内孔内における可動ハウジング21の端部21Bに設けられた突起係合部のY方向における移動範囲)によって定まる。突起係合部25Aの案内孔24A内におけるY方向の最大移動距離は、図10に示される距離Y1と図10に示される距離Y2との和、即ち、Y1+Y2である。従って、可動ハウジング21のY方向の最大移動距離もY1+Y2とされ、可動ハウジング21のY方向の移動範囲は、この最大移動距離Y1+Y2内とされる。
【0045】
さらに、Z方向における移動範囲は、可動ハウジング21のY方向における中央部については、図10から理解されるように、固定ハウジング20の端部20Aに設けられた案内孔24A内における可動ハウジング21の端部21Aに設けられた突起係合部25AのZ方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング20の端部20Bに設けられた案内孔内における可動ハウジング21の端部21Bに設けられた突起係合部のZ方向における移動範囲)によって定まり、また、可動ハウジング21に設けられた浮動案内部32A及び32Bについては、図8におけるXI−XI線断面をあらわす図11から理解されるように、固定ハウジング20に設けられた案内孔33A内における浮動案内部32AのZ方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング20に設けられた案内孔33B内における浮動案内部32BのZ方向における移動範囲)によって定まる。
【0046】
突起係合部25Aの案内孔24A内におけるZ方向の最大移動距離は、図10に示される距離Z1と図10に示される距離Z2との和、即ち、Z1+Z2である。従って、可動ハウジング21のY方向における中央部についてのZ方向の最大移動距離もZ1+Z2とされ、可動ハウジング21のY方向における中央部についてのZ方向の移動範囲は、この最大移動距離Z1+Z2内とされる。また、浮動案内部32Aの案内孔33A内におけるZ方向の最大移動距離は、図11に示される距離Z3と図11に示される距離Z4との和、即ち、Z3+Z4である。従って、可動ハウジング21に設けられた浮動案内部32A及び32BについてのZ方向の最大移動距離もZ3+Z4とされ、可動ハウジング21に設けられた浮動案内部32A及び32BについてのZ方向の移動範囲は、この最大移動距離Z3+Z4内とされる。
【実施例2】
【0047】
図12(斜視図),図13(正面図),図14(背面図)及び図15(側面図)は、本発明に係るコネクタ装置の第2の例を、選択された状態をとるものとして示す。
【0048】
図12〜図15において、本発明に係るコネクタ装置の第2の例を成すコネクタ装置41は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、ソリッド印刷配線基板等の回路基板45に取り付けられた固定ハウジング50と、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された可動ハウジング51とを備えている。固定ハウジング50と可動ハウジング51とは、配列配置された複数の導電コンタクト部材52によって連結されている。複数の導電コンタクト部材52の夫々は、例えば、弾性を有した金属材料によって形成されたものとされ、その一部は回路基板45に接続される。そして、配列配置された複数の導電コンタクト部材52は、可動ハウジング51に固定ハウジング50から離隔させる方向の力を作用させる。
【0049】
可動ハウジング51における正面側端面部には、例えば、ハードディスクドライブ装置に備えられたものとされる相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部53A及び53Bが設けられている。嵌合部53A及び53B内には、一部が回路基板45に接続された複数の導電コンタクト部材52の夫々における他の一部が配されており、この導電コンタクト部材52の他の一部は、嵌合部53A及び53Bとの嵌合がなされた相手方コネクタに設けられた接続端子部に押圧接触する。それにより、嵌合部53A及び53Bとの嵌合がなされた相手方コネクタが、複数の導電コンタクト部材52を通じて、回路基板45に電気的に連結される。
【0050】
固定ハウジング50における複数の導電コンタクト部材52の配列方向における一方の端部50Aと、それに対応する可動ハウジング51における複数の導電コンタクト部材52の配列方向における一方の端部51Aとに、第1の係合機構部が形成されており、また、固定ハウジング50における複数の導電コンタクト部材52の配列方向における他方の端部50Bと、それに対応する可動ハウジング51における複数の導電コンタクト部材52の配列方向における他方の端部51Bとに、第2の係合機構部が形成されている。
【0051】
これらの第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング51に、図12〜図15に示されるような、それに設けられた嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に対して傾斜角を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング50に固定される状態と、嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に略平行となる姿勢をもって固定ハウジング50に対して移動自在とされる状態と、を選択的にとらせる。また、第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング51を、嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板45に対する角度変化を生じさせる、固定ハウジング50に対しての回動を行い得るものとなす。
【0052】
固定ハウジング50の端部50Aと可動ハウジング51の端部51Aとに形成される第1の係合機構部は、端部50Aに設けられた、V字溝を形成する案内溝部54A及び一対の係合凹部55A及び56Aと、端部51Aに設けられた、案内溝部54Aに当接してそれによる案内を受ける当接部57A,一対の係合凹部55A及び56Aに係合して位置決めされる板状係合部58A、及び、端部50Aに形成された当接面部59Aに当接する板状当接部60Aと、を含んで構成される第1のロック機構を備えている。この第1のロック機構にあっては、当接部57Aが、案内溝部54Aが形成するV字溝に対応するV字状稜部を有しており、また、板状係合部58Aは対向端面部が一対の係合凹部55A及び56Aに夫々対応する形状を有している。
【0053】
固定ハウジング50の端部50Bと可動ハウジング51の端部51Bとに形成される第2の係合機構部も、上述の第1の係合機構部と同様に構成される。即ち、第2の係合機構部は、上述の第1のロック機構に相当する第2のロック機構を備え、その第2のロック機構は、上述のV字溝を形成する案内溝部54A,一対の係合凹部55A及び56A,当接部57A,板状係合部58A,当接面部59A及び板状当接部60Aに夫々相当する、V字溝を形成する案内溝部54B,一対の係合凹部55B及び56B(図12〜図15には表れていない),当接部57B,板状係合部58B,当接面部59B(図12〜図15には表れていない)及び板状当接部60Bを含んで構成されている。
【0054】
第1のロック機構において当接部57Aが案内溝部54Aに当接してそれによる案内を受ける状態におかれ、板状係合部58Aが一対の係合凹部55A及び56Aに係合して位置決めされ、さらに、板状当接部60Aが当接面部59Aに当接する状態におかれるとともに、第2のロック機構において当接部57Bが案内溝部54Bに当接してそれによる案内を受ける状態におかれ、板状係合部58Bが一対の係合凹部55B及び56B(係合凹部56Bは図に表れない。)に係合して位置決めされ、さらに、板状当接部60Bが当接面部59Bに当接する状態におかれるとき、図12〜図15の夫々に示されるように、可動ハウジング51が、それに設けられた嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング50に固定される状態におかれる。斯かる可動ハウジング51の固定ハウジング50への固定にあたり、可動ハウジング51に設けられた嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向についてのその回路基板45に対して成す傾斜角は、部分的な形状を変えることで任意に設定できる。また、可動ハウジング51が固定ハウジング50に固定される際、可動ハウジング51におけるV字状稜部を有した当接部57A及び57Bが、固定ハウジング50における案内溝部54A及び54Bが形成するV字溝に沿って案内されるので、可動ハウジング51は、固定ハウジング50に対して、複数の導電コンタクト部材52の配列方向における所定の位置に位置決めされる。なお、可動ハウジング51に設けられた、嵌合部53A及び53Bを挟むようにして伸びる二つの柱状部61A及び61Bは、嵌合部53A及び53Bに嵌合せしめられる相手方コネクタに対する案内を行う案内部分を形成している。
【0055】
相手方コネクタの嵌合部53A及び53Bへの嵌合は、図12〜図15の夫々に示されるように、可動ハウジング51が、それに設けられた嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング50に固定される状態におかれたもとで行われる。その際、当該相手方コネクタは、その一部が可動ハウジング51に設けられた柱状部61A及び61Bに係合して、それらによる案内を受けつつ、嵌合部53A及び53B内に挿入される。
【0056】
このとき、嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すものとされていて、相手方コネクタを嵌合にあたって回路基板45と平行に移動させる必要がなく、しかも、可動ハウジング51が固定ハウジング50に固定されていて、嵌合部53A及び53Bは変位しない。それゆえ、嵌合部53A及び53Bに相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされて、嵌合部53A及び53Bに相手方コネクタを容易かつ確実に嵌合させることができる。
【0057】
相手方コネクタの嵌合部53A及び53Bへの嵌合がなされると、可動ハウジング51は、嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板45に対する角度変化を生じさせるべく、固定ハウジング50に対して回動せしめられる。その際には、固定ハウジング50の端部50Aと可動ハウジング51の端部51Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、板状係合部58Aが一対の係合凹部55A及び56Aによる位置決め状態から解放される。同様に、固定ハウジング50の端部50Bと可動ハウジング51の端部51Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、板状係合部58Bが一対の係合凹部55B及び56Bによる位置決め状態から解放される。さらに、当接部57Aが案内溝部54Aによる案内を受ける状態から解放されるとともに、当接部57Bが案内溝部54Bによる案内を受ける状態から解放される。
【0058】
それにより、可動ハウジング51は、図16(斜視図),図17(正面図),図18(背面図),図19(平面図)及び図20(側面図)の夫々に示されるように、嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング50に対して移動自在とされる状態におかれる。なお、図16〜図20においては、相手方コネクタは図示が省略されている。
【0059】
可動ハウジング51が、嵌合部53A及び53Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング50に対して移動自在とされる状態におかれるときには、板状係合部58Aが一対の係合凹部55A及び56Aによる位置決め状態から解放されるとともに、板状係合部58Bが一対の係合凹部55B及び56Bによる位置決め状態から解放され、当接部57Aが案内溝部54Aによる案内を受ける状態から解放されるとともに、当接部57Bが案内溝部54Bによる案内を受ける状態から解放される。さらに、板状当接部60Aが当接面部59Aから離隔するとともに、板状当接部60Bが当接面部59Bから離隔する。それにより、可動ハウジング51は、各々の一部が回路基板45に接続されて配列配置された複数の導電コンタクト部材52によってのみ、支持されることになる。
【0060】
その結果、可動ハウジング51は、嵌合部53A及び53Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング50に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれる。それにより、嵌合部53A及び53Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを備えた装置等に加えられる振動や衝撃を可動ハウジング51において吸収し、相手方コネクタを備えた装置等を振動や衝撃から保護できることになる。
【0061】
このようなコネクタ装置41においても、複数の導電コンタクト部材52の配列方向をX方向とし、回路基板45に平行でX方向に直交する方向をY方向とし、回路基板45に直交する方向をZ方向とすると、嵌合部53A及び53Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板45に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング50に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれた可動ハウジング51の、X方向,Y方向及びZ方向における移動範囲は次のようになる。
【0062】
先ず、X方向における移動範囲は、図18から理解されるように、固定ハウジング50の端部50Aに設けられた案内溝部54A内における可動ハウジング51の端部51Aに設けられた当接部57AのX方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング50の端部50Bに設けられた案内溝部54B内における可動ハウジング51の端部51Bに設けられた当接部57BのX方向における移動範囲)によって定まる。当接部57Aの案内溝部54A内におけるX方向の最大移動距離は、図18に示される距離X11と図18に示される距離X12との和、即ち、X11+X12である。従って、可動ハウジング51のX方向の最大移動距離もX11+X12とされ、可動ハウジング51のX方向の移動範囲は、この最大移動距離X11+X12内とされる。
【0063】
次に、Y方向における移動範囲は、図19から理解されるように、固定ハウジング50に設けられた当接面部59Aとそれに対向する当接面部62Aとの間における、可動ハウジング51に設けられた板状当接部60AのY方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング50に設けられた当接面部59Bとそれに対向する当接面部62Bとの間における、可動ハウジング51に設けられた板状当接部60BのY方向における移動範囲)によって定まる。板状当接部60Aの当接面部59Aと当接面部62Aとの間におけるY方向の最大移動距離は、図19に示される距離Y11と図19に示される距離Y12との和、即ち、Y11+Y12である。従って、可動ハウジング51のY方向の最大移動距離もY11+Y12とされ、可動ハウジング51のY方向の移動範囲は、この最大移動距離Y11+Y12内とされる。
【0064】
さらに、Z方向における移動範囲は、可動ハウジング51の板状係合部58A及び58Bが設けられた部分については、図17から理解されるように、固定ハウジング50の端部50Aにおける係合凹部55Aが設けられた部分と係合凹部56Aが設けられた部分との間での、可動ハウジング51の端部51Aに設けられた板状係合部58AのZ方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング50の端部50Bにおける係合凹部55Bが設けられた部分と係合凹部56Bが設けられた部分との間での、可動ハウジング51の端部51Bに設けられた板状係合部58BのZ方向における移動範囲)によって定まり、また、可動ハウジング51に設けられた当接部57A及び57Bについては、図18から理解されるように、固定ハウジング50の端部50Aに設けられた案内溝部54A内及びその外方における当接部57AのZ方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング50の端部50Bに設けられた案内溝部54B内及びその外方における当接部57BのZ方向における移動範囲)によって定まる。
【0065】
固定ハウジング50の端部50Aにおける係合凹部55Aが設けられた部分と係合凹部56Aが設けられた部分との間での、板状係合部58AのZ方向の最大移動距離は、図17に示される距離Z11と図17に示される距離Z12との和、即ち、Z11+Z12である。従って、可動ハウジング51の板状係合部58A及び58Bが設けられた部分についてのZ方向の最大移動距離もZ11+Z12とされ、可動ハウジング51の板状係合部58A及び58Bが設けられた部分についてのZ方向の移動範囲は、この最大移動距離Z11+Z12内とされる。また、当接部57Aの案内溝部54A内及びその外方におけるZ方向の最大移動距離は、図18に示される距離Z13と図18に示される距離Z14との和、即ち、Z13+Z14である。従って、可動ハウジング51に設けられた当接部57A及び57BについてのZ方向の最大移動距離もZ13+Z14とされ、可動ハウジング51に設けられた当接部57A及び57BについてのZ方向の移動範囲は、この最大移動距離Z13+Z14内とされる。
【実施例3】
【0066】
図21(斜視図),図22(正面図),図23(背面図)及び図24(側面図)は、本発明に係るコネクタ装置の第3の例を、選択された状態をとるものとして示す。
【0067】
図21〜図24において、本発明に係るコネクタ装置の第3の例を成すコネクタ装置71は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、ソリッド印刷配線基板等の回路基板75に取り付けられた固定ハウジング80と、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された可動ハウジング81とを備えている。固定ハウジング80と可動ハウジング81とは、配列配置された複数の導電コンタクト部材82によって連結されている。複数の導電コンタクト部材82の夫々は、例えば、弾性を有した金属材料によって形成されたものとされ、その一部は回路基板75に接続される。そして、配列配置された複数の導電コンタクト部材82は、可動ハウジング81に固定ハウジング80から離隔させる方向の力を作用させる。
【0068】
可動ハウジング81における正面側端面部には、例えば、ハードディスクドライブ装置に備えられたものとされる相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部83A及び83Bが設けられている。嵌合部83A及び83B内には、一部が回路基板75に接続された複数の導電コンタクト部材82の夫々における他の一部が配されており、この導電コンタクト部材82の他の一部は、嵌合部83A及び83Bとの嵌合がなされた相手方コネクタに設けられた接続端子部に押圧接触する。それにより、嵌合部83A及び83Bとの嵌合がなされた相手方コネクタが、複数の導電コンタクト部材82を通じて、回路基板75に電気的に連結される。
【0069】
固定ハウジング80における複数の導電コンタクト部材82の配列方向における一方の端部80Aと、それに対応する可動ハウジング81における複数の導電コンタクト部材82の配列方向における一方の端部81Aとに、第1の係合機構部が形成されており、また、固定ハウジング80における複数の導電コンタクト部材82の配列方向における他方の端部80Bと、それに対応する可動ハウジング81における複数の導電コンタクト部材82の配列方向における他方の端部81Bとに、第2の係合機構部が形成されている。
【0070】
これらの第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング81に、図21〜図24に示されるような、それに設けられた嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に対して傾斜角を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング80に固定される状態と、嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に略平行となる姿勢をもって固定ハウジング80に対して移動自在とされる状態と、を選択的にとらせる。また、第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング81を、嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板75に対する角度変化を生じさせる、固定ハウジング80に対しての回動を行い得るものとなす。
【0071】
固定ハウジング80の端部80Aと可動ハウジング81の端部81Aとに形成される第1の係合機構部は、端部80Aに形成された案内孔84Aと端部81Aに設けられた突起係合部85A(図24)とを含んで構成される第1のロック機構を備えている。この第1のロック機構にあっては、案内孔84Aの一部に係合凹部86Aが設けられており、突起係合部85Aは、図24に示されるように、係合凹部86Aに係合する状態を選択的にとる。係合凹部86Aに対する突起係合部85Aの係合は、突起係合部85Aが回路基板75に向かう方向をもって移動して、係合凹部86Aに当接係合することにより行われる。
【0072】
また、第1のロック機構は、固定ハウジング80の端部80Aに設けられた、V字溝を形成する案内孔87Aと、可動ハウジング81の端部81Aに設けられた、案内孔87Aに当接してそれによる案内を受ける当接部88Aとを備えている。この第1のロック機構にあっては、当接部88Aが、案内孔87Aが形成するV字溝に対応するV字状稜部を有している。
【0073】
固定ハウジング80の端部80Bと可動ハウジング81の端部81Bとに形成される第2の係合機構部も、上述の第1の係合機構部と同様に構成される。即ち、第2の係合機構部は、上述の第1のロック機構に相当する第2のロック機構を備え、その第2のロック機構は、上述の案内孔84A,突起係合部85A,係合凹部86A,V字溝を形成する案内溝孔87A及び当接部88Aに夫々相当する、図示されていない案内孔,突起係合部,係合凹部,V字溝を形成する案内孔87B及び当接部88Bを含んで構成される。
【0074】
第1のロック機構において突起係合部85Aが係合凹部86Aに係合する状態がとられるとともに、当接部88AがV字溝を形成する案内孔87Aに係合してそれによる案内を受ける状態がとられ、それとともに、第2のロック機構において突起係合部が係合凹部に係合する状態がとられるとともに、当接部88BがV字溝を形成する案内孔87Bに係合してそれによる案内を受ける状態がとられるとき、図21〜図24の夫々に示されるように、可動ハウジング81が、それに設けられた嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング80に固定される状態におかれる。その際、固定ハウジング80の端部80Aに設けられた係止部89Aに可動ハウジング80の端部81Aが当接するとともに、固定ハウジング80の端部80Bに設けられた係止部89Bに可動ハウジング81の端部81Bが当接し、それにより、可動ハウジング81が係止部89A及び89Bによって係止される。斯かる可動ハウジング81の固定ハウジング80への固定にあたり、可動ハウジング81に設けられた嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向についてのその回路基板75に対して成す傾斜角は、部分的な形状を変えることで任意に設定できる。また、可動ハウジング81が固定ハウジング80に固定される際、可動ハウジング81におけるV字状稜部を有した当接部88A及び88Bが、固定ハウジング80における案内孔87A及び87Bが形成するV字溝に沿って案内されるので、可動ハウジング81は、固定ハウジング80に対して、複数の導電コンタクト部材82の配列方向における所定の位置に位置決めされる。
【0075】
なお、可動ハウジング81に設けられた、嵌合部83A及び83Bを挟むようにして伸びる二つの柱状部90A及び90Bは、嵌合部83A及び83Bに嵌合せしめられる相手方コネクタに対する案内を行う案内部分を形成している。
【0076】
相手方コネクタの嵌合部83A及び83Bへの嵌合は、図21〜図24の夫々に示されるように、可動ハウジング81が、それに設けられた嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング80に固定される状態におかれたもとで行われる。その際、当該相手方コネクタは、その一部が可動ハウジング81に設けられた柱状部90A及び90Bに係合して、それらによる案内を受けつつ、嵌合部83A及び83B内に挿入される。
【0077】
このとき、嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に対して、例えば、略30度とされる傾斜角を成すものとされていて、相手方コネクタを嵌合にあたって回路基板75と平行に移動させる必要がなく、しかも、可動ハウジング81が固定ハウジング80に固定されていて、嵌合部83A及び83Bは変位しない。それゆえ、嵌合部83A及び83Bに相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされて、嵌合部83A及び83Bに相手方コネクタを容易かつ確実に嵌合させることができる。
【0078】
相手方コネクタの嵌合部83A及び83Bへの嵌合がなされると、可動ハウジング81は、嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板75に対する角度変化を生じさせるべく、固定ハウジング80に対して回動せしめられる。その際には、固定ハウジング80の端部80Aと可動ハウジング81の端部81Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部85Aが、係合凹部86Aとの係合状態から解放されるとともに、当接部88Aが案内孔87Aによる案内を受ける状態から解放される。同様に、固定ハウジング80の端部80Bと可動ハウジング81の端部81Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、突起係合部が、係合凹部との係合状態から解放されるとともに、当接部88Bが案内孔87Bによる案内を受ける状態から解放される。
【0079】
それにより、可動ハウジング81は、図25(斜視図),図26(正面図),図27((背面図)及び図28(側面図)の夫々に示されるように、嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング80に対して移動自在とされる状態におかれる。なお、図25〜図28においては、相手方コネクタは図示が省略されている。
【0080】
可動ハウジング81が、嵌合部83A及び83Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング80に対して移動自在とされる状態におかれるときには、固定ハウジング80の端部80Aと可動ハウジング81の端部81Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部85Aが、係合凹部86Aとの係合を解除して、係合凹部86Aから離隔した位置をとるものとされるとともに、当接部88Aが案内孔87Aによる案内を受ける状態から解放される。また、固定ハウジング80の端部80Bと可動ハウジング81の端部81Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構において、突起係合部が、係合凹部との係合を解除して、係合凹部から離隔した位置をとるものとされるとともに、当接部88Bが案内孔87Bによる案内を受ける状態から解放される。それにより、可動ハウジング81は、各々の一部が回路基板75に接続されて配列配置された複数の導電コンタクト部材82によってのみ、支持されることになる。
【0081】
その結果、可動ハウジング81は、嵌合部83A及び83Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング80に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれる。それにより、嵌合部83A及び83Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを備えた装置等に加えられる振動や衝撃を可動ハウジング81において吸収し、相手方コネクタを備えた装置等を振動や衝撃から保護できることになる。
【0082】
このようなコネクタ装置71においても、複数の導電コンタクト部材82の配列方向をX方向とし、回路基板75に平行でX方向に直交する方向をY方向とし、回路基板75に直交する方向をZ方向とすると、嵌合部83A及び83Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板75に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング80に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれた可動ハウジング81の、X方向,Y方向及びZ方向における移動範囲は次のようになる。
【0083】
先ず、X方向における移動範囲は、図27から理解されるように、固定ハウジング80に設けられた案内孔87A内における可動ハウジング81に設けられた当接部88AのX方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング80に設けられた案内孔87B内における可動ハウジング81に設けられた当接部88BのX方向における移動範囲)によって定まる。当接部88Aの案内孔87A内におけるX方向の最大移動距離は、図27に示される距離X21と図27に示される距離X22との和、即ち、X21+X22である。従って、可動ハウジング81のX方向の最大移動距離もX21+X22とされ、可動ハウジング81のX方向の移動範囲は、この最大移動距離X21+X22内とされる。
【0084】
次に、Y方向における移動範囲は、図28から理解されるように、固定ハウジング80の端部80Aに設けられた案内孔84A内における可動ハウジング81の端部81Aに設けられた突起係合部85AのY方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング80の端部80Bに設けられた案内孔内における可動ハウジング81の端部81Bに設けられた突起係合部のY方向における移動範囲)によって定まる。突起係合部85Aの案内孔84A内におけるY方向の最大移動距離は、図28に示される距離Y21と図28に示される距離Y22との和、即ち、Y21+Y22である。従って、可動ハウジング81のY方向の最大移動距離もY21+Y22とされ、可動ハウジング81のY方向の移動範囲は、この最大移動距離Y21+Y22内とされる。
【0085】
さらに、Z方向における移動範囲は、可動ハウジング81の突起係合部85Aが設けられた部分については、図28から理解されるように、固定ハウジング80の端部80Aに設けられた案内孔84A内における可動ハウジング81の端部81Aに設けられた突起係合部85AのZ方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング80の端部80Bに設けられた案内孔内における可動ハウジング81の端部81Bに設けられた突起係合部のZ方向における移動範囲)によって定まり、また、可動ハウジング81に設けられた当接部88A及び88Bについては、図27から理解されるように、固定ハウジング80に設けられた案内孔87A内における当接部88AのZ方向における移動範囲(あるいは、固定ハウジング80に設けられた案内孔87B内における当接部88BのZ方向における移動範囲)によって定まる。
【0086】
突起係合部85Aの案内孔84A内におけるZ方向の最大移動距離は、図28に示される距離Z21と図28に示される距離Z22との和、即ち、Z21+Z22である。従って、可動ハウジング81の突起係合部85Aが設けられた部分についてのZ方向の最大移動距離もZ21+Z22とされ、可動ハウジング81の突起係合部85Aが設けられた部分についてのZ方向の移動範囲は、この最大移動距離Z21+Z22内とされる。また、当接部88Aの案内孔87A内におけるZ方向の最大移動距離は、図27に示される距離Z23と図27に示される距離Z24との和、即ち、Z23+Z24である。従って、可動ハウジング81に設けられた当接部88A及び88BについてのZ方向の最大移動距離もZ23+Z24とされ、可動ハウジング81に設けられた当接部88A及び88BについてのZ方向の移動範囲は、この最大移動距離Z23+Z24内とされる。
【実施例4】
【0087】
図29(正面図),図30(図29における XXXII−XXXII 線より右方の部分を切除した状態を示す斜視図)及び図31(側面図)は、本発明に係るコネクタ装置の第4の例を、選択された状態をとるものとして示す。
【0088】
図29〜図31において、本発明に係るコネクタ装置の第4の例を成すコネクタ装置91は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されて、ソリッド印刷配線基板等の回路基板95に取り付けられた固定ハウジング100と、合成樹脂等の絶縁材料によって形成された可動ハウジング101とを備えている。固定ハウジング100と可動ハウジング101とは、配列配置された複数の導電コンタクト部材102によって連結されている。複数の導電コンタクト部材102の夫々は、例えば、弾性を有した金属材料によって形成されたものとされ、その一部は回路基板95に接続される。そして、配列配置された複数の導電コンタクト部材102は、可動ハウジング101に固定ハウジング100から離隔させる方向の力を作用させる。
【0089】
可動ハウジング101における端面部には、例えば、ハードディスクドライブ装置に備えられたものとされる相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部103A及び103Bが設けられている。嵌合部103A及び103B内には、一部が回路基板95に接続された複数の導電コンタクト部材102の夫々における他の一部が配されており、この導電コンタクト部材102の他の一部は、嵌合部103A及び103Bとの嵌合がなされた相手方コネクタに設けられた接続端子部に押圧接触する。それにより、嵌合部103A及び103Bとの嵌合がなされた相手方コネクタが、複数の導電コンタクト部材102を通じて、回路基板95に電気的に連結される。
【0090】
固定ハウジング100における複数の導電コンタクト部材102の配列方向における一方の端部100Aと、それに対応する可動ハウジング101における複数の導電コンタクト部材102の配列方向における一方の端部101Aとに、第1の係合機構部が形成されており、また、固定ハウジング100における複数の導電コンタクト部材102の配列方向における他方の端部100Bと、それに対応する可動ハウジング101における複数の導電コンタクト部材102の配列方向における他方の端部101Bとに、第2の係合機構部が形成されている。
【0091】
これらの第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング101に、図29〜図31に示されるような、それに設けられた嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング100に固定される状態と、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をもって固定ハウジング100に対して移動自在とされる状態と、を選択的にとらせる。また、第1の係合機構部及び第2の係合機構部は、可動ハウジング101を、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板95に対する角度変化を生じさせる、固定ハウジング100に対しての回動を行い得るものとなす。
【0092】
固定ハウジング100の端部100Aと可動ハウジング101の端部101Aとに形成される第1の係合機構部は、図29,図30,図31及び図29における XXXII−XXXII 線断面をあらわす図32に示される、端部100Aに形成された案内孔104A,この案内孔104Aと固定ハウジング100外とを連結するスリット部105A、及び、案内孔104Aとスリット部105Aとの両者に通じた透孔107Aと、端部101Aに設けられた突起係合部106Aと、を含んで構成されている。端部100Aに形成された案内孔104Aの一部には、係合凹部108Aが形成されている。
【0093】
端部101Aに設けられた突起係合部106Aは、固定ハウジング100外から端部100Aに形成されたスリット部105Aを通じて案内孔104A内に移動し、図30〜図32に示されるように、案内孔104Aの一部に形成された係合凹部108Aに係合する状態をとることができるものとされる。また、端部100Aに形成された透孔107A内には、ばね部材109Aが収容されており、このばね部材109Aは、スリット部105Aにそれを塞ぐ状態をもって係合したもとで、係合凹部108Aに係合する状態をとった突起係合部106Aに位置決め作用を及ぼし、突起係合部106Aに係合凹部108Aとの係合状態を維持させる役割を果たす。そして、案内孔104Aの一部に形成された係合凹部108Aと突起係合部106Aとばね部材109Aとが、可動ハウジング101に相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に対してそれと交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング100に固定される状態をとらせる、第1のロック機構を構成している。但し、突起係合部106Aに係合凹部108Aとの係合状態を維持させるばね部材109Aの存在は必ずしも必要ではない。
【0094】
固定ハウジング100の端部100Bと可動ハウジング101の端部101Bとに形成される第2の係合機構部も、上述の第1の係合機構部と同様に構成される。即ち、第2の係合機構部は、上述の案内孔104A,スリット部105A,透孔107A,ばね部材109A及び突起係合部106Aに夫々相当する、案内孔104B,スリット部105B,透孔(図に現れていない),ばね部材109B及び突起係合部106Bを含んで構成されている。また、第2の係合機構部においても、案内孔104Bの一部に形成された係合凹部108B(後述される図33に現れている。)と突起係合部106Bとばね部材109Bとが、第1のロック機構と共働して、可動ハウジング101に相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に対してそれと交わる角度を成すことになる姿勢をもって固定ハウジング100に固定される状態をとらせる、第2のロック機構を構成している。但し、スリット部105Bにそれを塞ぐ状態をもって係合したもとで、突起係合部106Bに係合凹部108Bとの係合状態を維持させるばね部材109Bは、その存在が必ずしも必要なものではない。
【0095】
第1のロック機構において、突起係合部106Aが係合凹部108Aに係合し、ばね部材109Aによってその係合状態が維持される状態がとられるとともに、第2のロック機構において、突起係合部106Bが係合凹部108Bに係合し、ばね部材109Bによってその係合状態が維持される状態がとられるとき、図29〜図32の夫々に示されるように、可動ハウジング101が、それに設けられた嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が、回路基板95に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング100に固定される状態におかれる。斯かる可動ハウジング101の固定ハウジング100への固定にあたり、可動ハウジング101に設けられた嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向についてのその回路基板95に対して成す角度は、部分的な形状を変えることで任意に設定できる。
【0096】
なお、可動ハウジング101に設けられた、嵌合部103A及び103Bを挟むようにして伸びる二つの柱状部110A及び110Bは、嵌合部103A及び103Bに嵌合せしめられる相手方コネクタに対する案内を行う案内部分を形成している。
【0097】
相手方コネクタの嵌合部103A及び103Bへの嵌合は、図29〜図32の夫々に示されるように、可動ハウジング101が、それに設けられた嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が、回路基板95に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すことになる姿勢をもって、固定ハウジング100に固定される状態におかれたもとで行われる。その際、当該相手方コネクタは、その一部が可動ハウジング101に設けられた柱状部110A及び110Bに係合して、それらによる案内を受けつつ、嵌合部103A及び103B内に挿入される。
【0098】
このとき、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が、回路基板95に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すものとされていて、嵌合にあたり相手方コネクタを回路基板95と平行に移動させる必要がなく、しかも、可動ハウジング101が固定ハウジング100に固定されていて、嵌合部103A及び103Bは変位しない。それゆえ、嵌合部103A及び103Bに相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされて、嵌合部103A及び103Bに相手方コネクタを容易かつ確実に嵌合させることができる。
【0099】
相手方コネクタと嵌合部103A及び103Bとの嵌合がなされると、可動ハウジング101は、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向の回路基板95に対する角度変化を生じさせるべく、固定ハウジング100に対して回動せしめられる。その際には、固定ハウジング100の端部100Aと可動ハウジング101の端部101Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部106Aが、係合凹部108Aとの係合状態から解放され、同様に、固定ハウジング100の端部100Bと可動ハウジング101の端部101Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、突起係合部106Bが、係合凹部108Bとの係合状態から解放される。
【0100】
それにより、可動ハウジング101は、図33(斜視図),図34(正面図),図35(側面図)及び図34における XXXVI−XXXVI 線断面をあらわす図36の夫々に示されるように、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング100に対して移動自在とされる状態におかれる。なお、図33〜図36においては、相手方コネクタは図示が省略されている。
【0101】
可動ハウジング101が、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング100に対して移動自在とされる状態におかれるときには、固定ハウジング100の端部100Aと可動ハウジング101の端部101Aとに形成される第1の係合機構部が備える第1のロック機構において、突起係合部106Aが、係合凹部108Aとの係合を解除して、係合凹部108A及びばね部材109Aから離隔した位置をとるものとされる。同様に、固定ハウジング100の端部100Bと可動ハウジング101の端部101Bとに形成される第2の係合機構部が備える第2のロック機構においても、突起係合部106Bが、係合凹部108Bとの係合を解除して、係合凹部108B及びばね部材109Bから離隔した位置をとるものとされる。それにより、可動ハウジング101は、各々の一部が回路基板95に接続されて配列配置された複数の導電コンタクト部材102によってのみ、支持されることになる。このとき、スリット部105A及び105Bは、ばね部材109A及び109Bによって夫々塞がれているので、突起係合部106A及び106Bが、夫々スリット部105A及び105Bを通じて固定ハウジング100外に抜け出してしまうことはない。
【0102】
その結果、可動ハウジング101は、嵌合部103A及び103Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを伴い、相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をもって、固定ハウジング100に対し所定の範囲で自由に移動できる状態におかれる。それにより、嵌合部103A及び103Bとの嵌合がなされた相手方コネクタを備えた装置等に加えられる振動や衝撃を可動ハウジング101において吸収し、相手方コネクタを備えた装置等を振動や衝撃から保護できることになる。
【0103】
図37は、上述のコネクタ装置91が、係合凹部108A及び108Bが夫々設けられた案内孔104A及び104B,スリット部105A及び105B、及び、透孔107A及び107Bが設けられた固定ハウジング100(一部が切除されている。)と、突起係合部106A及び106Bと嵌合部103A及び103Bとが設けられた可動ハウジング101と、ばね部材109A及び109Bと、に分解された状態を示す。なお、固定ハウジング100と可動ハウジング101とを連結する複数の導電コンタクト部材102については、図示が省略されている。
【0104】
このように分解された状態におかれたコネクタ装置91が組み立てられるにあたっては、先ず、図38に示されるように、可動ハウジング101が、それに設けられた嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をとるものとされたもとで、その可動ハウジング101に設けられた突起係合部106Aが、固定ハウジング100外から、固定ハウジング100に設けられたスリット部105Aを通じて、固定ハウジング100に設けられた案内孔104A内へと移動するものとされる。また、それとともに、図示は省略されているが、可動ハウジング101に設けられた突起係合部106Bも、固定ハウジング100外から、固定ハウジング100に設けられたスリット部105Bを通じて、固定ハウジング100に設けられた案内孔104B内へと移動するものとされる。
【0105】
その後、図39に示されるように、可動ハウジング101が、それに設けられた嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をとるものとされたもとで、固定ハウジング100外からスリット部105Aを通じて案内孔104A内へと移動した突起係合部106Aが、案内孔104A内に留められる状態におかれる。また、それとともに、図示は省略されているが、固定ハウジング100外からスリット部105Bを通じて案内孔104B内へと移動した突起係合部106Bも、案内孔104B内に留められる状態におかれる。それにより、可動ハウジング101が固定ハウジング100に移動可能に取り付けられる。
【0106】
続いて、図39に示されるように、固定ハウジング100に設けられた透孔107A内にばね部材109Aが挿入される。このばね部材109Aの透孔107A内への挿入は、固定ハウジング100のスリット部105A側とは反対側において外部に臨むものとされた透孔107Aの開口部からスリット部105Aに向けてなされる。また、それとともに、図示は省略されているが、ばね部材109Bも固定ハウジング100に設けられた透孔107B内に挿入され、このばね部材109Bの透孔107B内への挿入も、固定ハウジング100のスリット部105B側とは反対側において外部に臨むものとされた透孔107Bの開口部からスリット部105Bに向けてなされる。
【0107】
そして、図40に示されるように、ばね部材109Aが、透孔107A内に、スリット部105Aにそれを塞ぐものとして係合する状態をもって収納される。その際、ばね部材109Aにおける一端は、固定ハウジング100のスリット部105A側とは反対側において外部に臨むものとされた透孔107Aの開口部に置かれ、また、ばね部材109Aにおけるスリット部105Aにおいて折り返した他端部は、案内孔104Aの一部に形成された係合凹部108Aに臨む位置に置かれる。また、図示は省略されているが、ばね部材109Bも、透孔107B内に、スリット部105Bにそれを塞ぐものとして係合する状態をもって収納される。その際、ばね部材109Bにおける一端が、固定ハウジング100のスリット部105B側とは反対側において外部に臨むものとされた透孔107Bの開口部に置かれ、また、ばね部材109Bにおけるスリット部105Bにおいて折り返した他端部は、案内孔104Bの一部に形成された係合凹部108Bに臨む位置に置かれる。
【0108】
このようにして、可動ハウジング101が、それに設けられた嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をとるものとされて、固定ハウジング100に移動可能に取り付けられ、ばね部材109Aが、透孔107A内に収納されてスリット部105Aにそれを塞ぐものとして係合するとともに、ばね部材109Bが、透孔107B内に収納されてスリット部105Bにそれを塞ぐものとして係合するもとで、導電コンタクト部材102が、固定ハウジング100と可動ハウジング101とを連結するものとされ、それらの一端部が、図40に示されるように、固定ハウジング100から突出し、回路基板95に接続され得るものとされる。それにより、コネクタ装置91の組立てが終了し、可動ハウジング101が、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が回路基板95に略平行となる姿勢をとって、固定ハウジング100に対して移動自在とされる状態と、嵌合部103A及び103Bに対する相手方コネクタの嵌合方向が、回路基板95に対して、それと、例えば、略直交して交わる角度を成すことになる姿勢をとって、固定ハウジング100に固定される状態とを、選択的にとることができるものとされる。
【0109】
上述のように、係合凹部108A及び108Bが夫々設けられた案内孔104A及び104B,スリット部105A及び105B、及び、透孔107A及び107Bが設けられた固定ハウジング100と、突起係合部106A及び106Bと嵌合部103A及び103Bとが設けられた可動ハウジング101と、ばね部材109A及び109Bと、複数の導電コンタクト部材102と、を含んで構成されるコネクタ装置91は、比較的簡単な構成をもって、容易に組み立てることができるものであり、製造時における組立て性が良好なものとされていることになる。なお、斯かる実施例4にあっても、固定ハウジング100に対して自由に移動できる状態に置かれた可動ハウジング101の各方向における移動範囲等については、前述の実施例1〜3の夫々の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
以上のような本発明に係るコネクタ装置は、回路基板に取り付けられる固定ハウジングと相手方コネクタとの嵌合が行われる嵌合部が設けられた可動ハウジングとを有して構成されるもとで、嵌合部に相手方コネクタを嵌合させる作業が行い易いものとされ、しかも、可動ハウジングが、嵌合部に嵌合した相手方コネクタを伴って、固定ハウジングに対して移動自在とされる状態をとることができるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す正面図である。
【図2】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を図1におけるIV−IV線より右方の部分を切除して示す斜視図である。
【図3】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を図1における V−V 線より右方の部分を切除して示す斜視図である。
【図4】図1におけるIV−IV線断面をあらわす断面図である。
【図5】図1における V−V 線断面をあらわす断面図である。
【図6】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す正面図である。
【図9】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す背面図である。
【図10】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す側面図である。
【図11】図8におけるXI−XI線断面をあらわす断面図である。
【図12】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す斜視図である。
【図13】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す正面図である。
【図14】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す背面図である。
【図15】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す側面図である。
【図16】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す斜視図である。
【図17】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す正面図である。
【図18】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す背面図である。
【図19】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す平面図である。
【図20】本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す側面図である。
【図21】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す斜視図である。
【図22】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す正面図である。
【図23】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す背面図である。
【図24】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す側面図である。
【図25】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す斜視図である。
【図26】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す正面図である。
【図27】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す背面図である。
【図28】本発明に係るコネクタ装置の第3の例を示す側面図である。
【図29】本発明に係るコネクタ装置の第4の例を示す正面図である。
【図30】本発明に係るコネクタ装置の第4の例を示す斜視図である。
【図31】本発明に係るコネクタ装置の第4の例を示す側面図である。
【図32】図29における XXXII−XXXII 線断面をあらわす断面図である。
【図33】本発明に係るコネクタ装置の第4の例を示す斜視図である。
【図34】本発明に係るコネクタ装置の第4の例を示す正面図である。
【図35】本発明に係るコネクタ装置の第4の例を示す側面図である。
【図36】図34における XXXVI−XXXVI 線断面をあらわす断面図である。
【図37】本発明に係るコネクタ装置の第4の例を分解して示す一部切断斜視図である。
【図38】本発明に係るコネクタ装置の第4の例の組立て工程の説明に供される一部破断側面図である。
【図39】本発明に係るコネクタ装置の第4の例の組立て工程の説明に供される一部破断側面図である。
【図40】本発明に係るコネクタ装置の第4の例の組立て工程の説明に供される一部破断側面図である。
【符号の説明】
【0112】
11,41,71,91・・・コネクタ装置, 15,45,75,95・・・回路基板, 20,50,80,100・・・固定ハウジング, 20AF,20BF,21AF,21BF・・・案内斜面, 21,51,81,101・・・可動ハウジング, 22,52,82,102・・・導電コンタクト部材, 23A,23B,53A,53B,83A,83B,103A,103B・・・嵌合部, 24A,33A,33B,84A,87A,87B,104A,104B・・・案内孔, 25A,85A,106A,106B・・・突起係合部, 26A,55A,55B,56A,56B,86A,108A,108B・・・係合凹部, 27A,107A,107B・・・透孔, 28A,109A,109B・・・ばね部材, 29A,28B・・・係止面部, 30・・・背面側端面部, 31A,31B,61A,61B,90A,90B,110A,110B・・・柱状部, 32A,32B・・・浮動案内部, 54A,54B・・・案内溝部, 57A,57B,88A,88B・・・当接部, 58A,58B・・・板状係合部, 59A,59B,62A,62B・・・当接面部, 60A,60B・・・板状当接部, 89A,89B・・・係止部, 105A,105B・・・スリット部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に取り付けられる固定ハウジングと、
相手方コネクタが嵌合せしめられる嵌合部が設けられた可動ハウジングと、
上記固定ハウジングと上記可動ハウジングとを連結し、各々の一部が上記回路基板に接続されるとともに、各々の他の一部が上記嵌合部内に配されて上記相手方コネクタの接続端子部に押圧接触するものとされる、配列配置された複数の導電コンタクト部材と、
上記可動ハウジングの部分と上記固定ハウジングの部分とを含んで構成され、上記可動ハウジングに、上記相手方コネクタの嵌合方向が上記回路基板に対して該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって上記固定ハウジングに固定される状態と、上記嵌合方向が上記回路基板に略平行となる姿勢をもって上記固定ハウジングに対して移動自在とされる状態と、を選択的にとらせる係合機構部と、
を備えて構成されるコネクタ装置。
【請求項2】
上記複数の導電コンタクト部材が、弾性を有し、上記可動ハウジングに上記固定ハウジングから離隔させる方向の力を作用させることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記係合機構部が、上記可動ハウジングを、上記嵌合方向の上記回路基板に対する角度変化を生じさせる、上記固定ハウジングに対しての回動を行い得るものとなすことを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ装置。
【請求項4】
上記係合機構部が、上記固定ハウジングの上記複数の導電コンタクト部材の配列方向における端部と該端部に対応する上記可動ハウジングの上記配列方向における端部とにおいて形成され、上記可動ハウジングに上記嵌合方向が上記回路基板に対して該回路基板と交わる角度を成すことになる姿勢をもって上記固定ハウジングに固定される状態をとらせるロック機構を含むことを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ装置。
【請求項5】
上記ロック機構が、上記固定ハウジングの上記端部に設けられた係合凹部と、上記可動ハウジングの上記端部に設けられ、上記係合凹部に係合する突起係合部と、を含んで構成されることを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上記突起係合部が上記回路基板から離隔する方向をもって上記係合凹部に係合することを特徴とする請求項5記載のコネクタ装置。
【請求項7】
上記ロック機構が、上記係合凹部に係合する状態をとった上記突起係合部に位置決め作用を及ぼすばね部材を含むことを特徴とする請求項5または6記載のコネクタ装置。
【請求項8】
上記ロック機構が、上記固定ハウジングの端部に設けられた案内溝部及び係合凹部と、上記可動ハウジングの端部に設けられ、上記案内溝部に当接して該案内溝部による案内を受ける当接部及び上記係合凹部に係合して位置決めされる板状係合部と、を含んで構成されることを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
【請求項9】
上記案内溝部が、上記当接部を案内するV字溝を形成することを特徴とする請求項8記載のコネクタ装置。
【請求項10】
上記ロック機構が、上記固定ハウジングの端部に設けられた係合凹部及び係止部と、上記可動ハウジングの端部に設けられ、上記係合凹部に係合する突起係合部及び上記係止部に当接して該係止部により係止される当接部と、を含んで構成されることを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
【請求項11】
上記突起係合部が上記回路基板に向かう方向をもって上記係合凹部に係合することを特徴とする請求項10記載のコネクタ装置。
【請求項12】
上記係合機構部が、上記固定ハウジングの上記端部に設けられた、一部に係合凹部が形成された案内孔及び該案内孔と固定ハウジング外とを連結するスリット部と、上記可動ハウジングの上記端部に設けられ、上記固定ハウジング外から上記スリット部を通じて上記案内孔内に移動でき、上記係合凹部に係合する突起係合部と、を含んで構成され、上記ロック機構が上記係合凹部と上記突起係合部とを含んで構成されることを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
【請求項13】
上記ロック機構が、上記スリット部に係合したもとで、上記係合凹部に係合する状態をとった上記突起係合部に位置決め作用を及ぼすばね部材を含むことを特徴とする請求項12記載のコネクタ装置。
【請求項14】
上記ばね部材が、上記スリット部に該スリット部を塞ぐ状態をもって係合することを特徴とする請求項13記載のコネクタ装置。
【請求項15】
上記係合機構部が、上記固定ハウジングの上記端部に設けられた、上記案内孔及び上記スリット部に通じ、上記ばね部材を収容する透孔を含んで構成されることを特徴とする請求項13または14記載のコネクタ装置。
【請求項16】
上記ロック機構が、上記可動ハウジングに上記嵌合方向が上記回路基板に対して略直交する角度を成すことになる姿勢をもって上記固定ハウジングに固定される状態をとらせることを特徴とする請求項12から請求項15までのいずれかに記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2007−317631(P2007−317631A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201863(P2006−201863)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(394009278)株式会社アイペックス (148)
【Fターム(参考)】