コネクタ
【課題】嵌合操作力を軽減させるとともに半田付け部分にかかる応力を軽減させる。
【解決手段】本発明は、フード部34の外周下面が半田付けによりプリント基板Pの上面に固定されてなる第2コネクタ30に対して嵌合可能な第1コネクタ10であって、嵌合に伴ってフード部34の内部に嵌合する第1ハウジング11と、第1ハウジング11に対して初期位置と嵌合位置との間を移動可能とされ、初期位置にて第1ハウジング11がフード部34に内嵌した後に、嵌合位置へ押し込まれてフード部34に外嵌し、嵌合位置ではフード部34の外周上面とプリント基板Pの下面とに接触するスライダ50とを備える構成としたところに特徴を有する。
【解決手段】本発明は、フード部34の外周下面が半田付けによりプリント基板Pの上面に固定されてなる第2コネクタ30に対して嵌合可能な第1コネクタ10であって、嵌合に伴ってフード部34の内部に嵌合する第1ハウジング11と、第1ハウジング11に対して初期位置と嵌合位置との間を移動可能とされ、初期位置にて第1ハウジング11がフード部34に内嵌した後に、嵌合位置へ押し込まれてフード部34に外嵌し、嵌合位置ではフード部34の外周上面とプリント基板Pの下面とに接触するスライダ50とを備える構成としたところに特徴を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田付けにより基板の上面に固定される基板用コネクタと嵌合可能なコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板用コネクタとして、フード部の左右両側面に一対の固定金具が装着されたものが知られている。この基板用コネクタは、固定金具を基板に対して半田付けすることによって基板の上面に固定されている。一方、基板用コネクタのフード部の内部に嵌合可能なコネクタは、一般にハウジングの後方に電線が引き出されている。このコネクタがフード部の内部に嵌合した状態で電線が上下に振られると、フード部が上方に移動しようとし、半田付け部分に応力が集中してしまう。そこで、下記特許文献1に記載のコネクタでは、嵌合に伴って基板の下面に係止する規制部を設けており、この規制部が応力を受けることで半田付け部分にかかる応力を軽減している。
【特許文献1】特開2005−317357公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のコネクタは、基板用コネクタとの嵌合に伴って規制部が基板の下面に係止する構成であるため、操作力が大きくなってしまう。つまり、1アクションでコネクタ同士の嵌合と規制部の係止とを完了させる必要があるため、嵌合操作力が大きくなる。また、電線が上下に振られた場合には、規制部によって半田付け部分にかかる応力を軽減できるものの、例えば電線が左右に振られた場合には、半田付け部分にかかる応力を軽減できない。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、嵌合操作力を軽減させるとともに半田付け部分にかかる応力を軽減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、フード部の外周下面が半田付けにより基板の上面に固定されてなる基板用コネクタに対して嵌合可能なコネクタであって、嵌合に伴ってフード部の内部に嵌合するハウジングと、ハウジングに対して初期位置と嵌合位置との間を移動可能とされ、初期位置にてハウジングがフード部に内嵌した後に、嵌合位置へ押し込まれてフード部に外嵌し、嵌合位置ではフード部の外周上面と基板の下面とに接触するスライダとを備える構成としたところに特徴を有する。
【0006】
このような構成によると、スライダを初期位置にセットした状態でフード部の内部にハウジングを嵌合させた後、スライダを初期位置から嵌合位置へ押し込むことができる。すなわち、両コネクタの嵌合とスライダの押し込みを2アクションに分けて行うことができるので、嵌合操作力を軽減できる。
【0007】
また、ハウジングから引き出された電線が上下に振られた場合にハウジングが上方に移動しようとし、フード部を介してスライダが上方に移動しようとする。しかしながら、スライダが基板の下面に接触しているため、スライダの上方への移動が規制され、フード部の上方への移動が規制される。したがって、半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0008】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
スライダにおいて基板の下面と接触する面から上方に突出して設けられ、嵌合位置にあるときに基板の下面に設けられた凹部に対してスライダの移動方向に係止する係止突部を備える構成としてもよい。
このような構成によると、係止突部が凹部に係止することによって嵌合位置にあるスライダが初期位置へ移動することが規制される。したがって、スライダを嵌合位置に保持することができ、半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0009】
スライダは、嵌合位置ではフード部の外周両側面に接触し、係止突部は、凹部に対してスライダとフード部の外周両側面との接触方向に係止する構成としてもよい。
このような構成によると、電線が左右に振られた場合にハウジングが基板に対して相対的に左右方向に移動しようとし、フード部を介してスライダが基板に対して相対的に左右方向に移動しようとする。しかしながら、係止突部が基板の凹部に対して左右方向(スライダとフード部の外周両側面との接触方向)に係止しているため、スライダが基板に対して相対的に左右方向に移動することが規制され、フード部が基板に対して相対的に左右方向に移動することが規制される。したがって、半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0010】
ハウジングの嵌合方向とスライダの移動方向とは、同じである構成としてもよい。
このような構成によると、ハウジングをフード部の内部に嵌合させた後、続けてスライダを移動しやすくなる。
【0011】
スライダには、少なくとも嵌合位置にて基板の端部を収容する切欠部が設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、基板の端部とスライダとの干渉を回避するために、基板側に切欠部などを設けなくてもよい。
【0012】
切欠部は、初期位置にて基板の端部を収容する構成としてもよい。
このような構成によると、スライダの移動に伴って基板の端部とスライダとが干渉することを回避できる。
【0013】
スライダは、ハウジングに対してスライダの移動方向に係止する保持突起を備えている構成としてもよい。
このような構成によると、保持突起によってスライダを初期位置に保持することができる。したがって、両コネクタの嵌合時にスライダを手で初期位置に保持しておく必要がない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、嵌合操作力を軽減させることができ、半田付け部分にかかる応力を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12の図面を参照しながら説明する。本実施形態における第1コネクタ(本願発明の「コネクタ」に相当する。)10は、図1ないし図3に示すように、第2コネクタ30と嵌合可能である。一方、第2コネクタ(本願発明の「基板用コネクタ」に相当する。)30は、半田付けによってプリント基板Pの上面に固定されている。また、第2コネクタ30は、ケース(図示しない)内に収容されており、ケース外の第1コネクタ10と嵌合可能とされている。なお、以下の説明においては第1コネクタ10と第2コネクタ30との嵌合方向を前後方向とし、互いの嵌合面側を前側とする。
【0016】
第2コネクタ30は、合成樹脂製の第2ハウジング31を有している。第2ハウジング31は、端子32、端子32を保持する端子保持部33、略方形の角筒状をなして端子32を包囲するフード部34などを備えて構成されている。また、第2ハウジング31の左右方向両側には、図10に示すように、一対の装着溝35が凹設されている。両装着溝35には、それぞれ基板固定部36が抜け止め状態で保持されている。基板固定部36がプリント基板P上に形成された固定ランド(図示せず)に半田付けされることによって、第2コネクタ30がプリント基板Pの上面に固定されている。
【0017】
端子保持部33は、図9に示すように、左右方向に長い横長のブロック状をなしている。端子保持部33には、上下2段で左右方向に並んで配置された複数の端子32が保持されている。これらの端子32のうち左右方向中央には、小端子32Aが配置され、左右方向両側には、小端子32Aよりも大きめの大端子32Bが配置されている。具体的には、上段側に4個の大端子32Bと3個の小端子32Aとが配置され、下段側に4個の大端子32Bと9個の小端子32Aとが配置されている。
【0018】
下段側中央に配置された4個の小端子32Aおよび下段側右端に配置された1個の小端子32Aと対応する上段側には、小端子32Aが配置されていない。下段側中央の小端子32Aと対応する上段側には、両コネクタ10,30の嵌合時に第1コネクタ10に設けられたロックアーム20が進入する進入空間が形成されている。この進入空間には、ロックアーム20と係止して両コネクタ10,30を正規嵌合状態に保持するロック部39が設けられている。
【0019】
また、下段側右端の小端子32Aと対応する上段側には、両コネクタ10,30が上下反転した姿勢で誤って組み付けられることを防ぐ誤組防止用リブ38が設けられている。また、ロック部39の左右両側には、両コネクタ10,30の嵌合時の案内を行う一対のガイドリブ40が前後方向に沿って設けられている。
【0020】
端子32は、端子保持部33を前後方向に貫通した状態で保持されている。つまり、端子保持部33には、端子32を圧入するための圧入孔(図示せず)が前後方向に貫通して形成されており、この圧入孔に対して端子32を圧入することによって端子32が端子保持部33に保持される。端子32の前端側は、端子保持部33から前方に突出する形態をなしている。端子32の前端は、フード部34の前縁よりも後方に位置している。一方、端子32の後端側は、図10に示すように、端子保持部33から後方に延びた後、プリント基板Pの上面に向けて下方に屈曲され、さらにプリント基板Pの上面で再び後方に屈曲された後、プリント基板Pの上面に沿って後方に延びる形態をなしている。つまり、端子32のうちプリント基板Pの上面に沿って後方に延びる部分がプリント基板Pの上面に設けられた接続ランド(図示せず)に半田付けされることによって、端子32の後端側と接続ランドとが導通可能に接続される。なお、端子32の後端側は、第2ハウジング31の後部に設けられた一対の保護壁37によって左右方向両側から覆われた状態で保護されている。
【0021】
フード部34は、図9に示すように、端子保持部33の外周縁部から前方に延びる形態をなしている。具体的には、フード部34は、プリント基板Pの上面に接触する底壁34Aと、底壁34Aの左右方向両側縁から上方に立ち上がる一対の側壁34Bと、両側壁34Bの上縁同士を連結する天井壁34Cとから構成されている。なお、前記したロック部39とガイドリブ40は、ともに天井壁34Cの内面における左右方向中央に設けられている。また、前記した保護壁37は、図10に示すように、側壁34Bの後方に突出して設けられている。
【0022】
装着溝35は、図10に示すように、側壁34Bを上下方向に貫通して形成されている。一方、基板固定部36は、金属板を所定形状に打ち抜くとともに曲げ加工などを施すことで成形されている。基板固定部36は、上下方向に沿う略平板状をなす本体部36Aと、本体部36Aの下端から左右方向に沿って側方に突出する半田付け部36Bとから構成されている。このため、基板固定部36は、全体として、前後方向から見て略L字形に形成されている。このうち半田付け部36Bが、プリント基板Pの固定ランドに載せられた状態で半田付けされるようになっている。
【0023】
装着溝35は、詳細には、基板固定部36の本体部36Aがその板面方向に沿って挿入される本体部収容部35Aと、半田付け部36Bがその板面方向と直交する方向に沿って挿入される半田付け部収容部35Bとから構成されている。半田付け部収容部35Bは、側壁34Bの外面に向けて側方に開口している。このように装着溝35は、側壁34Bの板厚内に設けられている。さらに、装着溝35の内部に保持された基板固定部36も、側壁34Bの板厚内に配置されている。
【0024】
基板固定部36の下部には、図1ないし図3に示すように、下方に向けて開口するスリット36Cが形成されている。このスリット36Cによって、本体部36Aの下部と半田付け部36Bとが前後に2分割されている。つまり、基板固定部36の下部には、スリット36Cを挟んで前側脚部36Fと後側脚部36Rとが形成されている。このような構成によると、フード部34の前縁がプリント基板Pの上面から離間する方向に力を受けたときに、まず、前側脚部36Fが力を受けてプリント基板Pの上面から離間する方向に作用する。一方、後側脚部36Rは、スリット36Cが開き変形することによって半田付け部36Bにかかる応力が軽減される。これとは逆に、フード部34の後縁(端子保持部33)がプリント基板Pの上面から離間する方向に力を受けたときには、前側脚部36Fの半田付け部36Bにかかる応力が軽減される。
【0025】
第1コネクタ10は、合成樹脂製の第1ハウジング11を有している。第1ハウジング11は、図7および図8に示すように、左右方向に長い横長扁平のブロック状をなしている。第1ハウジング11は、フード部34の内部に嵌合可能とされている。第1ハウジング11には、複数のキャビティ12が前後方向に貫通して形成されている。これらのキャビティ12は、第2コネクタ30の端子32と対応して上下2段で左右方向に並んで配置されている。
【0026】
第1ハウジング11の上面における図7に示す図示左側には、両コネクタ10,30の嵌合時に誤組防止用リブ38が進入する検知溝13が前後方向に沿って凹設されている。また、第1ハウジング11の上面における左右方向中央には、前記したロックアーム20が前後方向に沿って形成されている。さらに、第1ハウジング11の上面におけるロックアーム20の左右方向両側には、両コネクタ10,30の嵌合時にガイドリブ40が進入するガイド溝14が前後方向に沿って凹設されている。
【0027】
キャビティ12の内部には、箱形端子(図示せず)が収容されている。箱形端子は、小端子32Aと接続される小箱形端子と、大端子32Bと接続される大箱形端子とから構成されている。これに伴って、キャビティ12も、小箱形端子を収容する小キャビティ12Aと、大箱形端子を収容する大キャビティ12Bとから構成されている。箱形端子は、キャビティ12の内部に形成されたランス15によってキャビティ12の内部で抜け止め状態に保持されている。箱形端子は、電線(図示せず)の端末に接続されており、この電線は、キャビティ12の後方に引き出されている。
【0028】
第1ハウジング11の左右両側面には、図8に示すように、前後方向に延びる一対の案内突部16が設けられている。案内突部16は、第1ハウジング11の後端部から前方に延びる形態をなしている。案内突部16は、両コネクタ10,30の嵌合に伴ってフード部34の側壁34Bの内面に凹設されたガイド溝41に進入する。したがって、両コネクタ10,30は、図6に示すように、両ガイドリブ40が両ガイド溝14に進入し、誤組防止用リブ38が検知溝13に進入し、両案内突部16が両ガイド溝41に進入することによって安定して正規嵌合状態に案内される。なお、図6においては、図面の簡略化のため、第1ハウジング11の内部構造については図示を省略している。
【0029】
スライダ50は、図11に示すように、略方形の枠状をなす枠状本体部51と、枠状本体部51の下面後部から片持ち状に前方に突出する受部52とから構成されている。スライダ50は、第1ハウジング11に対して前後方向に移動可能に装着されている。枠状本体部51と受部52との間には、プリント基板Pの端部が収容される切欠部56が形成されている。切欠部56は、プリント基板Pの板厚とほぼ同じ寸法とされている。
【0030】
枠状本体部51は、略前半側に配置された大径部53と、略後半側に配置された小径部54とから構成されている。大径部53は、左右方向に対向配置された一対の側壁53Aと、両側壁53Aの上縁同士を連結する天井壁53Bとから構成されている。一方、小径部54は、底壁54Aと、底壁54Aの左右方向両側縁から立ち上がる一対の側壁54Bと、両側壁54Bの上縁同士を連結する天井壁54Cとから構成されている。なお、大径部53の天井壁53Bと小径部54の天井壁54Cとは上下面ともに面一をなして一体に形成されている。
【0031】
小径部54は、第1ハウジング11の外周面に外嵌されている。具体的には、小径部54は、第1ハウジング11の外周上面および外周下面と両案内突部16の両側面とに接触する。一方、大径部53は、フード部34の外周面に外嵌される。具体的には、大径部53は、フード部34の外周上面(天井壁34Cの外面)および外周両側面(両側壁34Bの外面)に接触する。これにより、スライダ50は、図4に示す初期位置と、図5に示す嵌合位置との間を前後方向に移動可能とされている。
【0032】
両案内突部16の両側面には、一対の保持溝16Aが上下方向に切り欠かれている。一方、大径部53の両側壁53Aの内面には、図12に示すように、一対の保持突起58が突出して形成されている。両保持突起58は、図4に示すように、スライダ50が初期位置にあるときに両保持溝16Aと嵌合する。これにより、スライダ50は、初期位置に保持される。
【0033】
大径部53の内面と小径部54の内面との間には、段差面55が形成されている。この段差面55は、図5に示すように、スライダ50が嵌合位置にあるときにフード部34の前縁と接触する。これにより、スライダ50を初期位置から嵌合位置に移動したときに、スライダ50の嵌合位置における位置決めが可能である。
【0034】
受部52の上面(切欠部56を構成する下面)には、係止突部57が上方に突出して設けられている。係止突部57は、後方に向かうにつれて上方に傾斜する案内面57Aと、案内面57Aの後方に水平をなして連なる水平面57Bと、水平面57Bの後端から受部52の上面に向けて垂直に下降する垂直面57Cとを備えて構成されている。係止突部57は、図11に示すように、第2ハウジング31の左右方向におけるほぼ全長に亘って横長に形成されている。
【0035】
一方、プリント基板Pには、係止突部57を収容可能な係止孔(本発明の「凹部」の一例)Hが板厚方向に貫通して形成されている。係止孔Hの内面のうちプリント基板Pの端部側の面は、上下方向に延びる前後係止面H1とされている。前後係止面H1は、スライダ50が嵌合位置にあるときに係止突部57の垂直面57Cと前後方向、すなわちスライダ50の移動方向に係止可能である。これにより、スライダ50は、嵌合位置に保持され初期位置へ移動することが規制される。
【0036】
係止孔Hの内面のうち左右方向両側の面は、上下方向に延びる左右係止面H2とされている。この左右係止面H2は、図6に示すように、係止突部57の左右両側面57Dと左右方向に係止可能である。これにより、スライダ50は、嵌合位置にてプリント基板Pに対して左右方向へ相対的に移動することが規制される。
【0037】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。まず、図1に示すように、スライダ50を初期位置にセットする。スライダ50を初期位置にセットすると、図4に示すように、両保持突起58が両保持溝16Aの内部に嵌合し前後方向に係止するため、スライダ50が初期位置に保持される。
【0038】
次に、両コネクタ10,30の嵌合を行う。第1ハウジング11をフード部34の内部に嵌合させていくと、図2に示すように、両コネクタ10,30が正規嵌合状態に至るとともに、ロックアーム20がロック部39に係止して両コネクタ10,30が正規嵌合状態に保持される。このとき、プリント基板Pの端部は、切欠部56の内部に収容される。これにより、スライダ50を初期位置から嵌合位置へ押し込む際に、プリント基板Pの端部と受部52の前端とが干渉し合うことを回避できる。
【0039】
また、両コネクタ10,30の正規嵌合状態では、図4に示すように、フード部34の前縁部は、大径部53の内部に浅く嵌合する。この浅い嵌合によって、大径部53の両側壁53A(大径部53の内周両側面)は、フード部34の両側壁34B(フード部34の外周両側面)と接触する。これにより、スライダ50を初期位置から嵌合位置に押し込む際に、大径部53の両側壁53Aの前端とフード部34の両側壁34Bの前端とが干渉し合うことを回避できる。
【0040】
次に、スライダ50を初期位置から嵌合位置へ押し込む。すると、図2の状態から係止突部57の案内面57Aがプリント基板Pの端部に摺接しつつ受部52が下方に撓み変形し、プリント基板Pの下面に水平面57Bが乗り上げた状態となって、さらにスライダ50を押し込んでいくと、図3に示すように、受部52が復帰するとともに係止突部57が係止孔Hに嵌り込む。
【0041】
これと併行して、図4に示す両保持突起58は、両保持溝16Aの内面に乗り上げつつ小径部54の両側壁54Bが左右方向両側に撓み変形し、両保持溝16Aの前面を構成する両前方リブを乗り越え、両前方リブの前方に配設された両挿通溝16Bの内部に入り込む。すると、小径部54の両側壁54Bが復帰し、さらにスライダ50を押し込んでいくと段差面55がフード部34の両側壁34Bの前縁に接触し、スライダ50が嵌合位置に至る。スライダ50が嵌合位置に至ると、大径部53の内部にフード部34の前縁部が深く嵌合する。
【0042】
一方、プリント基板Pの端部は、図3に示すように、切欠部56の内部に収容され、受部52がプリント基板Pの下面に接触する。また、係止突部57の垂直面57Cが係止孔Hの前後係止面H1に対して前後方向に係止することにより、スライダ50が嵌合位置に保持される。また、図6に示すように、係止突部57の両側面57Dが係止孔Hの左右両係止面H2に対して左右方向に係止することにより、スライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することが規制される。
【0043】
以上のように両コネクタ10,30の嵌合とスライダ50の押し込みを2アクションに分けて行っているのは、嵌合操作力を軽減するためである。すなわち、両コネクタ10,30を嵌合させるには、端子32と箱形端子が互いに接触する際の摩擦抵抗によって大きな嵌合力が必要となる上、スライダ50の押し込み力が加わると、極めて大きな嵌合操作力が必要になる。その点、本実施形態では両コネクタ10,30の嵌合とスライダ50の押し込みを別々に行っているから、嵌合操作力を軽減できる。
【0044】
また、第1コネクタ10の第2コネクタ30に対する嵌合方向とスライダ50の押し込み方向がともに前方であって、同じであるため、第1コネクタ10を第2コネクタ30に嵌合させた後、続けてスライダ50を押し込みやすい。また、係止突部57と係止孔Hとの係止によってスライダ50を嵌合位置に保持できるため、スライダ50が不意に初期位置へ移動することを規制できる。
【0045】
さて、第1コネクタ10の後方には複数の電線が束ねられた状態で引き出されており、この電線が上下左右に振られたり、後方に引っ張られたりする場合がある。電線が上下に振られた場合には、第1ハウジング11が上方に力を受けて上方に移動しようとし、フード部34を介してスライダ50が上方に移動しようとする。このとき、受部52がプリント基板Pの下面に接触することで、スライダ50の上方への移動が規制されているため、フード部34の上方への移動も規制される。したがって、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0046】
また、電線が左右に振られた場合には、第1ハウジング11が左右方向に力を受けてプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動しようとし、フード部34を介してスライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動しようとする。このとき、前記したように、スライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することが規制されているため、フード部34もプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することが規制される。したがって、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0047】
また、電線が後方に引っ張られた場合には、第1ハウジング11が後方に力を受けて後方に移動しようとし、ロックアーム20とロック部39との係止部分を介してフード部34が後方に移動しようとする。フード部34が後方に移動しようとすると、フード部34の両側壁34Bの前縁と段差面55との接触部分を介してスライダ50が後方へ移動しようとする。このとき、前記したように、係止突部57の垂直面と係止孔Hの前後係止面H1との係止によってスライダ50の後方への移動が規制されているため、フード部34の後方への移動も規制される。したがって、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0048】
以上のように本実施形態では両コネクタ10,30の嵌合とスライダ50の移動を2アクションに分けて行うようにしたから、嵌合操作力を軽減できる。また、スライダ50をプリント基板Pに対して上下方向、左右方向、および前後方向に相対的に移動しないように構成したから、フード部34をプリント基板Pに対して上下方向、左右方向、および前後方向に移動しないようにすることができ、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0049】
また、両コネクタ10,30の嵌合方向とスライダ50の押し込み方向を同じにしたから、両コネクタ10,30を嵌合させた後、続けてスライダ50を押し込むことができる。また、スライダ50側に切欠部56を設けたから、プリント基板P側に切欠部などを設けてなくてもよい。また、初期位置にてプリント基板Pの端部を切欠部56に収容したから、スライダ50の押し込みに伴うプリント基板Pの端部とスライダ50との干渉を回避できる。また、両保持突起58と両保持溝16Aとの嵌合によってスライダ50を初期位置に保持できるようにしたから、両コネクタ10,30の嵌合時にスライダ50を手で初期位置に保持しておく必要がない。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態では受部52に係止突部57を設けているものの、本発明によると、枠状本体部51に係止突部を設けてもよい。また、凹部として係止孔Hを例示しているものの、本発明によると、プリント基板Pの板厚方向に貫通しない有底の係止凹部としてもよい。
【0051】
(2)本実施形態では係止突部57の両側面57Dが係止孔Hの左右係止面H2に係止するようにしているものの、本発明によると、例えばプリント基板Pの端部を切り欠いて切欠部を形成し、この切欠部に大径部53の側壁53Aを進入させることにより、スライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することを規制してもよい。
【0052】
(3)本実施形態では両コネクタ10,30の嵌合方向とスライダ50の押し込み方向をともに前方にしているものの、本発明によると、スライダ50の押し込み方向を上下方向にしてもよい。
【0053】
(4)本実施形態では初期位置にてプリント基板Pの端部を切欠部56に収容しているものの、本発明によると、初期位置から嵌合位置に向かう途中でプリント基板Pの端部を切欠部56に収容してもよい。
【0054】
(5)本実施形態では保持突起58が保持溝16Aの内部に嵌合して前後方向に係止しているものの、本発明によると、プリント基板Pの端部に接触することによって前後方向に係止する保持突起を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】スライダを初期位置にセットして、第1コネクタを第2コネクタに嵌合させる前の状態を示した側面図
【図2】スライダを初期位置にセットして、第1コネクタを第2コネクタに嵌合させた後の状態を示した側面図
【図3】両コネクタを嵌合させた後、スライダを初期位置から嵌合位置に移動させた状態を示した側面図
【図4】スライダを初期位置にセットして、第1コネクタを第2コネクタに嵌合させた後の状態を示した一部切り欠き平面図
【図5】両コネクタを嵌合させた後、スライダを初期位置から嵌合位置に移動させた状態を示した一部切り欠き平面図
【図6】両コネクタの嵌合状態を前後方向から見た状態を簡易的に示した断面図
【図7】第1コネクタの正面図
【図8】第1コネクタの側面図
【図9】第2コネクタの正面図
【図10】第2コネクタの平面図
【図11】スライダの正面図
【図12】図11におけるA−A線断面図
【符号の説明】
【0056】
10…第1コネクタ(コネクタ)
11…第1ハウジング(ハウジング)
30…第2コネクタ(基板用コネクタ)
34…フード部
50…スライダ
56…切欠部
57…係止突部
58…保持突起
P…プリント基板
H…係止孔(凹部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田付けにより基板の上面に固定される基板用コネクタと嵌合可能なコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基板用コネクタとして、フード部の左右両側面に一対の固定金具が装着されたものが知られている。この基板用コネクタは、固定金具を基板に対して半田付けすることによって基板の上面に固定されている。一方、基板用コネクタのフード部の内部に嵌合可能なコネクタは、一般にハウジングの後方に電線が引き出されている。このコネクタがフード部の内部に嵌合した状態で電線が上下に振られると、フード部が上方に移動しようとし、半田付け部分に応力が集中してしまう。そこで、下記特許文献1に記載のコネクタでは、嵌合に伴って基板の下面に係止する規制部を設けており、この規制部が応力を受けることで半田付け部分にかかる応力を軽減している。
【特許文献1】特開2005−317357公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のコネクタは、基板用コネクタとの嵌合に伴って規制部が基板の下面に係止する構成であるため、操作力が大きくなってしまう。つまり、1アクションでコネクタ同士の嵌合と規制部の係止とを完了させる必要があるため、嵌合操作力が大きくなる。また、電線が上下に振られた場合には、規制部によって半田付け部分にかかる応力を軽減できるものの、例えば電線が左右に振られた場合には、半田付け部分にかかる応力を軽減できない。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、嵌合操作力を軽減させるとともに半田付け部分にかかる応力を軽減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、フード部の外周下面が半田付けにより基板の上面に固定されてなる基板用コネクタに対して嵌合可能なコネクタであって、嵌合に伴ってフード部の内部に嵌合するハウジングと、ハウジングに対して初期位置と嵌合位置との間を移動可能とされ、初期位置にてハウジングがフード部に内嵌した後に、嵌合位置へ押し込まれてフード部に外嵌し、嵌合位置ではフード部の外周上面と基板の下面とに接触するスライダとを備える構成としたところに特徴を有する。
【0006】
このような構成によると、スライダを初期位置にセットした状態でフード部の内部にハウジングを嵌合させた後、スライダを初期位置から嵌合位置へ押し込むことができる。すなわち、両コネクタの嵌合とスライダの押し込みを2アクションに分けて行うことができるので、嵌合操作力を軽減できる。
【0007】
また、ハウジングから引き出された電線が上下に振られた場合にハウジングが上方に移動しようとし、フード部を介してスライダが上方に移動しようとする。しかしながら、スライダが基板の下面に接触しているため、スライダの上方への移動が規制され、フード部の上方への移動が規制される。したがって、半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0008】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
スライダにおいて基板の下面と接触する面から上方に突出して設けられ、嵌合位置にあるときに基板の下面に設けられた凹部に対してスライダの移動方向に係止する係止突部を備える構成としてもよい。
このような構成によると、係止突部が凹部に係止することによって嵌合位置にあるスライダが初期位置へ移動することが規制される。したがって、スライダを嵌合位置に保持することができ、半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0009】
スライダは、嵌合位置ではフード部の外周両側面に接触し、係止突部は、凹部に対してスライダとフード部の外周両側面との接触方向に係止する構成としてもよい。
このような構成によると、電線が左右に振られた場合にハウジングが基板に対して相対的に左右方向に移動しようとし、フード部を介してスライダが基板に対して相対的に左右方向に移動しようとする。しかしながら、係止突部が基板の凹部に対して左右方向(スライダとフード部の外周両側面との接触方向)に係止しているため、スライダが基板に対して相対的に左右方向に移動することが規制され、フード部が基板に対して相対的に左右方向に移動することが規制される。したがって、半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0010】
ハウジングの嵌合方向とスライダの移動方向とは、同じである構成としてもよい。
このような構成によると、ハウジングをフード部の内部に嵌合させた後、続けてスライダを移動しやすくなる。
【0011】
スライダには、少なくとも嵌合位置にて基板の端部を収容する切欠部が設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、基板の端部とスライダとの干渉を回避するために、基板側に切欠部などを設けなくてもよい。
【0012】
切欠部は、初期位置にて基板の端部を収容する構成としてもよい。
このような構成によると、スライダの移動に伴って基板の端部とスライダとが干渉することを回避できる。
【0013】
スライダは、ハウジングに対してスライダの移動方向に係止する保持突起を備えている構成としてもよい。
このような構成によると、保持突起によってスライダを初期位置に保持することができる。したがって、両コネクタの嵌合時にスライダを手で初期位置に保持しておく必要がない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、嵌合操作力を軽減させることができ、半田付け部分にかかる応力を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12の図面を参照しながら説明する。本実施形態における第1コネクタ(本願発明の「コネクタ」に相当する。)10は、図1ないし図3に示すように、第2コネクタ30と嵌合可能である。一方、第2コネクタ(本願発明の「基板用コネクタ」に相当する。)30は、半田付けによってプリント基板Pの上面に固定されている。また、第2コネクタ30は、ケース(図示しない)内に収容されており、ケース外の第1コネクタ10と嵌合可能とされている。なお、以下の説明においては第1コネクタ10と第2コネクタ30との嵌合方向を前後方向とし、互いの嵌合面側を前側とする。
【0016】
第2コネクタ30は、合成樹脂製の第2ハウジング31を有している。第2ハウジング31は、端子32、端子32を保持する端子保持部33、略方形の角筒状をなして端子32を包囲するフード部34などを備えて構成されている。また、第2ハウジング31の左右方向両側には、図10に示すように、一対の装着溝35が凹設されている。両装着溝35には、それぞれ基板固定部36が抜け止め状態で保持されている。基板固定部36がプリント基板P上に形成された固定ランド(図示せず)に半田付けされることによって、第2コネクタ30がプリント基板Pの上面に固定されている。
【0017】
端子保持部33は、図9に示すように、左右方向に長い横長のブロック状をなしている。端子保持部33には、上下2段で左右方向に並んで配置された複数の端子32が保持されている。これらの端子32のうち左右方向中央には、小端子32Aが配置され、左右方向両側には、小端子32Aよりも大きめの大端子32Bが配置されている。具体的には、上段側に4個の大端子32Bと3個の小端子32Aとが配置され、下段側に4個の大端子32Bと9個の小端子32Aとが配置されている。
【0018】
下段側中央に配置された4個の小端子32Aおよび下段側右端に配置された1個の小端子32Aと対応する上段側には、小端子32Aが配置されていない。下段側中央の小端子32Aと対応する上段側には、両コネクタ10,30の嵌合時に第1コネクタ10に設けられたロックアーム20が進入する進入空間が形成されている。この進入空間には、ロックアーム20と係止して両コネクタ10,30を正規嵌合状態に保持するロック部39が設けられている。
【0019】
また、下段側右端の小端子32Aと対応する上段側には、両コネクタ10,30が上下反転した姿勢で誤って組み付けられることを防ぐ誤組防止用リブ38が設けられている。また、ロック部39の左右両側には、両コネクタ10,30の嵌合時の案内を行う一対のガイドリブ40が前後方向に沿って設けられている。
【0020】
端子32は、端子保持部33を前後方向に貫通した状態で保持されている。つまり、端子保持部33には、端子32を圧入するための圧入孔(図示せず)が前後方向に貫通して形成されており、この圧入孔に対して端子32を圧入することによって端子32が端子保持部33に保持される。端子32の前端側は、端子保持部33から前方に突出する形態をなしている。端子32の前端は、フード部34の前縁よりも後方に位置している。一方、端子32の後端側は、図10に示すように、端子保持部33から後方に延びた後、プリント基板Pの上面に向けて下方に屈曲され、さらにプリント基板Pの上面で再び後方に屈曲された後、プリント基板Pの上面に沿って後方に延びる形態をなしている。つまり、端子32のうちプリント基板Pの上面に沿って後方に延びる部分がプリント基板Pの上面に設けられた接続ランド(図示せず)に半田付けされることによって、端子32の後端側と接続ランドとが導通可能に接続される。なお、端子32の後端側は、第2ハウジング31の後部に設けられた一対の保護壁37によって左右方向両側から覆われた状態で保護されている。
【0021】
フード部34は、図9に示すように、端子保持部33の外周縁部から前方に延びる形態をなしている。具体的には、フード部34は、プリント基板Pの上面に接触する底壁34Aと、底壁34Aの左右方向両側縁から上方に立ち上がる一対の側壁34Bと、両側壁34Bの上縁同士を連結する天井壁34Cとから構成されている。なお、前記したロック部39とガイドリブ40は、ともに天井壁34Cの内面における左右方向中央に設けられている。また、前記した保護壁37は、図10に示すように、側壁34Bの後方に突出して設けられている。
【0022】
装着溝35は、図10に示すように、側壁34Bを上下方向に貫通して形成されている。一方、基板固定部36は、金属板を所定形状に打ち抜くとともに曲げ加工などを施すことで成形されている。基板固定部36は、上下方向に沿う略平板状をなす本体部36Aと、本体部36Aの下端から左右方向に沿って側方に突出する半田付け部36Bとから構成されている。このため、基板固定部36は、全体として、前後方向から見て略L字形に形成されている。このうち半田付け部36Bが、プリント基板Pの固定ランドに載せられた状態で半田付けされるようになっている。
【0023】
装着溝35は、詳細には、基板固定部36の本体部36Aがその板面方向に沿って挿入される本体部収容部35Aと、半田付け部36Bがその板面方向と直交する方向に沿って挿入される半田付け部収容部35Bとから構成されている。半田付け部収容部35Bは、側壁34Bの外面に向けて側方に開口している。このように装着溝35は、側壁34Bの板厚内に設けられている。さらに、装着溝35の内部に保持された基板固定部36も、側壁34Bの板厚内に配置されている。
【0024】
基板固定部36の下部には、図1ないし図3に示すように、下方に向けて開口するスリット36Cが形成されている。このスリット36Cによって、本体部36Aの下部と半田付け部36Bとが前後に2分割されている。つまり、基板固定部36の下部には、スリット36Cを挟んで前側脚部36Fと後側脚部36Rとが形成されている。このような構成によると、フード部34の前縁がプリント基板Pの上面から離間する方向に力を受けたときに、まず、前側脚部36Fが力を受けてプリント基板Pの上面から離間する方向に作用する。一方、後側脚部36Rは、スリット36Cが開き変形することによって半田付け部36Bにかかる応力が軽減される。これとは逆に、フード部34の後縁(端子保持部33)がプリント基板Pの上面から離間する方向に力を受けたときには、前側脚部36Fの半田付け部36Bにかかる応力が軽減される。
【0025】
第1コネクタ10は、合成樹脂製の第1ハウジング11を有している。第1ハウジング11は、図7および図8に示すように、左右方向に長い横長扁平のブロック状をなしている。第1ハウジング11は、フード部34の内部に嵌合可能とされている。第1ハウジング11には、複数のキャビティ12が前後方向に貫通して形成されている。これらのキャビティ12は、第2コネクタ30の端子32と対応して上下2段で左右方向に並んで配置されている。
【0026】
第1ハウジング11の上面における図7に示す図示左側には、両コネクタ10,30の嵌合時に誤組防止用リブ38が進入する検知溝13が前後方向に沿って凹設されている。また、第1ハウジング11の上面における左右方向中央には、前記したロックアーム20が前後方向に沿って形成されている。さらに、第1ハウジング11の上面におけるロックアーム20の左右方向両側には、両コネクタ10,30の嵌合時にガイドリブ40が進入するガイド溝14が前後方向に沿って凹設されている。
【0027】
キャビティ12の内部には、箱形端子(図示せず)が収容されている。箱形端子は、小端子32Aと接続される小箱形端子と、大端子32Bと接続される大箱形端子とから構成されている。これに伴って、キャビティ12も、小箱形端子を収容する小キャビティ12Aと、大箱形端子を収容する大キャビティ12Bとから構成されている。箱形端子は、キャビティ12の内部に形成されたランス15によってキャビティ12の内部で抜け止め状態に保持されている。箱形端子は、電線(図示せず)の端末に接続されており、この電線は、キャビティ12の後方に引き出されている。
【0028】
第1ハウジング11の左右両側面には、図8に示すように、前後方向に延びる一対の案内突部16が設けられている。案内突部16は、第1ハウジング11の後端部から前方に延びる形態をなしている。案内突部16は、両コネクタ10,30の嵌合に伴ってフード部34の側壁34Bの内面に凹設されたガイド溝41に進入する。したがって、両コネクタ10,30は、図6に示すように、両ガイドリブ40が両ガイド溝14に進入し、誤組防止用リブ38が検知溝13に進入し、両案内突部16が両ガイド溝41に進入することによって安定して正規嵌合状態に案内される。なお、図6においては、図面の簡略化のため、第1ハウジング11の内部構造については図示を省略している。
【0029】
スライダ50は、図11に示すように、略方形の枠状をなす枠状本体部51と、枠状本体部51の下面後部から片持ち状に前方に突出する受部52とから構成されている。スライダ50は、第1ハウジング11に対して前後方向に移動可能に装着されている。枠状本体部51と受部52との間には、プリント基板Pの端部が収容される切欠部56が形成されている。切欠部56は、プリント基板Pの板厚とほぼ同じ寸法とされている。
【0030】
枠状本体部51は、略前半側に配置された大径部53と、略後半側に配置された小径部54とから構成されている。大径部53は、左右方向に対向配置された一対の側壁53Aと、両側壁53Aの上縁同士を連結する天井壁53Bとから構成されている。一方、小径部54は、底壁54Aと、底壁54Aの左右方向両側縁から立ち上がる一対の側壁54Bと、両側壁54Bの上縁同士を連結する天井壁54Cとから構成されている。なお、大径部53の天井壁53Bと小径部54の天井壁54Cとは上下面ともに面一をなして一体に形成されている。
【0031】
小径部54は、第1ハウジング11の外周面に外嵌されている。具体的には、小径部54は、第1ハウジング11の外周上面および外周下面と両案内突部16の両側面とに接触する。一方、大径部53は、フード部34の外周面に外嵌される。具体的には、大径部53は、フード部34の外周上面(天井壁34Cの外面)および外周両側面(両側壁34Bの外面)に接触する。これにより、スライダ50は、図4に示す初期位置と、図5に示す嵌合位置との間を前後方向に移動可能とされている。
【0032】
両案内突部16の両側面には、一対の保持溝16Aが上下方向に切り欠かれている。一方、大径部53の両側壁53Aの内面には、図12に示すように、一対の保持突起58が突出して形成されている。両保持突起58は、図4に示すように、スライダ50が初期位置にあるときに両保持溝16Aと嵌合する。これにより、スライダ50は、初期位置に保持される。
【0033】
大径部53の内面と小径部54の内面との間には、段差面55が形成されている。この段差面55は、図5に示すように、スライダ50が嵌合位置にあるときにフード部34の前縁と接触する。これにより、スライダ50を初期位置から嵌合位置に移動したときに、スライダ50の嵌合位置における位置決めが可能である。
【0034】
受部52の上面(切欠部56を構成する下面)には、係止突部57が上方に突出して設けられている。係止突部57は、後方に向かうにつれて上方に傾斜する案内面57Aと、案内面57Aの後方に水平をなして連なる水平面57Bと、水平面57Bの後端から受部52の上面に向けて垂直に下降する垂直面57Cとを備えて構成されている。係止突部57は、図11に示すように、第2ハウジング31の左右方向におけるほぼ全長に亘って横長に形成されている。
【0035】
一方、プリント基板Pには、係止突部57を収容可能な係止孔(本発明の「凹部」の一例)Hが板厚方向に貫通して形成されている。係止孔Hの内面のうちプリント基板Pの端部側の面は、上下方向に延びる前後係止面H1とされている。前後係止面H1は、スライダ50が嵌合位置にあるときに係止突部57の垂直面57Cと前後方向、すなわちスライダ50の移動方向に係止可能である。これにより、スライダ50は、嵌合位置に保持され初期位置へ移動することが規制される。
【0036】
係止孔Hの内面のうち左右方向両側の面は、上下方向に延びる左右係止面H2とされている。この左右係止面H2は、図6に示すように、係止突部57の左右両側面57Dと左右方向に係止可能である。これにより、スライダ50は、嵌合位置にてプリント基板Pに対して左右方向へ相対的に移動することが規制される。
【0037】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。まず、図1に示すように、スライダ50を初期位置にセットする。スライダ50を初期位置にセットすると、図4に示すように、両保持突起58が両保持溝16Aの内部に嵌合し前後方向に係止するため、スライダ50が初期位置に保持される。
【0038】
次に、両コネクタ10,30の嵌合を行う。第1ハウジング11をフード部34の内部に嵌合させていくと、図2に示すように、両コネクタ10,30が正規嵌合状態に至るとともに、ロックアーム20がロック部39に係止して両コネクタ10,30が正規嵌合状態に保持される。このとき、プリント基板Pの端部は、切欠部56の内部に収容される。これにより、スライダ50を初期位置から嵌合位置へ押し込む際に、プリント基板Pの端部と受部52の前端とが干渉し合うことを回避できる。
【0039】
また、両コネクタ10,30の正規嵌合状態では、図4に示すように、フード部34の前縁部は、大径部53の内部に浅く嵌合する。この浅い嵌合によって、大径部53の両側壁53A(大径部53の内周両側面)は、フード部34の両側壁34B(フード部34の外周両側面)と接触する。これにより、スライダ50を初期位置から嵌合位置に押し込む際に、大径部53の両側壁53Aの前端とフード部34の両側壁34Bの前端とが干渉し合うことを回避できる。
【0040】
次に、スライダ50を初期位置から嵌合位置へ押し込む。すると、図2の状態から係止突部57の案内面57Aがプリント基板Pの端部に摺接しつつ受部52が下方に撓み変形し、プリント基板Pの下面に水平面57Bが乗り上げた状態となって、さらにスライダ50を押し込んでいくと、図3に示すように、受部52が復帰するとともに係止突部57が係止孔Hに嵌り込む。
【0041】
これと併行して、図4に示す両保持突起58は、両保持溝16Aの内面に乗り上げつつ小径部54の両側壁54Bが左右方向両側に撓み変形し、両保持溝16Aの前面を構成する両前方リブを乗り越え、両前方リブの前方に配設された両挿通溝16Bの内部に入り込む。すると、小径部54の両側壁54Bが復帰し、さらにスライダ50を押し込んでいくと段差面55がフード部34の両側壁34Bの前縁に接触し、スライダ50が嵌合位置に至る。スライダ50が嵌合位置に至ると、大径部53の内部にフード部34の前縁部が深く嵌合する。
【0042】
一方、プリント基板Pの端部は、図3に示すように、切欠部56の内部に収容され、受部52がプリント基板Pの下面に接触する。また、係止突部57の垂直面57Cが係止孔Hの前後係止面H1に対して前後方向に係止することにより、スライダ50が嵌合位置に保持される。また、図6に示すように、係止突部57の両側面57Dが係止孔Hの左右両係止面H2に対して左右方向に係止することにより、スライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することが規制される。
【0043】
以上のように両コネクタ10,30の嵌合とスライダ50の押し込みを2アクションに分けて行っているのは、嵌合操作力を軽減するためである。すなわち、両コネクタ10,30を嵌合させるには、端子32と箱形端子が互いに接触する際の摩擦抵抗によって大きな嵌合力が必要となる上、スライダ50の押し込み力が加わると、極めて大きな嵌合操作力が必要になる。その点、本実施形態では両コネクタ10,30の嵌合とスライダ50の押し込みを別々に行っているから、嵌合操作力を軽減できる。
【0044】
また、第1コネクタ10の第2コネクタ30に対する嵌合方向とスライダ50の押し込み方向がともに前方であって、同じであるため、第1コネクタ10を第2コネクタ30に嵌合させた後、続けてスライダ50を押し込みやすい。また、係止突部57と係止孔Hとの係止によってスライダ50を嵌合位置に保持できるため、スライダ50が不意に初期位置へ移動することを規制できる。
【0045】
さて、第1コネクタ10の後方には複数の電線が束ねられた状態で引き出されており、この電線が上下左右に振られたり、後方に引っ張られたりする場合がある。電線が上下に振られた場合には、第1ハウジング11が上方に力を受けて上方に移動しようとし、フード部34を介してスライダ50が上方に移動しようとする。このとき、受部52がプリント基板Pの下面に接触することで、スライダ50の上方への移動が規制されているため、フード部34の上方への移動も規制される。したがって、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0046】
また、電線が左右に振られた場合には、第1ハウジング11が左右方向に力を受けてプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動しようとし、フード部34を介してスライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動しようとする。このとき、前記したように、スライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することが規制されているため、フード部34もプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することが規制される。したがって、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0047】
また、電線が後方に引っ張られた場合には、第1ハウジング11が後方に力を受けて後方に移動しようとし、ロックアーム20とロック部39との係止部分を介してフード部34が後方に移動しようとする。フード部34が後方に移動しようとすると、フード部34の両側壁34Bの前縁と段差面55との接触部分を介してスライダ50が後方へ移動しようとする。このとき、前記したように、係止突部57の垂直面と係止孔Hの前後係止面H1との係止によってスライダ50の後方への移動が規制されているため、フード部34の後方への移動も規制される。したがって、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0048】
以上のように本実施形態では両コネクタ10,30の嵌合とスライダ50の移動を2アクションに分けて行うようにしたから、嵌合操作力を軽減できる。また、スライダ50をプリント基板Pに対して上下方向、左右方向、および前後方向に相対的に移動しないように構成したから、フード部34をプリント基板Pに対して上下方向、左右方向、および前後方向に移動しないようにすることができ、半田付け部36Bの半田付け部分にかかる応力を軽減できる。
【0049】
また、両コネクタ10,30の嵌合方向とスライダ50の押し込み方向を同じにしたから、両コネクタ10,30を嵌合させた後、続けてスライダ50を押し込むことができる。また、スライダ50側に切欠部56を設けたから、プリント基板P側に切欠部などを設けてなくてもよい。また、初期位置にてプリント基板Pの端部を切欠部56に収容したから、スライダ50の押し込みに伴うプリント基板Pの端部とスライダ50との干渉を回避できる。また、両保持突起58と両保持溝16Aとの嵌合によってスライダ50を初期位置に保持できるようにしたから、両コネクタ10,30の嵌合時にスライダ50を手で初期位置に保持しておく必要がない。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態では受部52に係止突部57を設けているものの、本発明によると、枠状本体部51に係止突部を設けてもよい。また、凹部として係止孔Hを例示しているものの、本発明によると、プリント基板Pの板厚方向に貫通しない有底の係止凹部としてもよい。
【0051】
(2)本実施形態では係止突部57の両側面57Dが係止孔Hの左右係止面H2に係止するようにしているものの、本発明によると、例えばプリント基板Pの端部を切り欠いて切欠部を形成し、この切欠部に大径部53の側壁53Aを進入させることにより、スライダ50がプリント基板Pに対して相対的に左右方向に移動することを規制してもよい。
【0052】
(3)本実施形態では両コネクタ10,30の嵌合方向とスライダ50の押し込み方向をともに前方にしているものの、本発明によると、スライダ50の押し込み方向を上下方向にしてもよい。
【0053】
(4)本実施形態では初期位置にてプリント基板Pの端部を切欠部56に収容しているものの、本発明によると、初期位置から嵌合位置に向かう途中でプリント基板Pの端部を切欠部56に収容してもよい。
【0054】
(5)本実施形態では保持突起58が保持溝16Aの内部に嵌合して前後方向に係止しているものの、本発明によると、プリント基板Pの端部に接触することによって前後方向に係止する保持突起を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】スライダを初期位置にセットして、第1コネクタを第2コネクタに嵌合させる前の状態を示した側面図
【図2】スライダを初期位置にセットして、第1コネクタを第2コネクタに嵌合させた後の状態を示した側面図
【図3】両コネクタを嵌合させた後、スライダを初期位置から嵌合位置に移動させた状態を示した側面図
【図4】スライダを初期位置にセットして、第1コネクタを第2コネクタに嵌合させた後の状態を示した一部切り欠き平面図
【図5】両コネクタを嵌合させた後、スライダを初期位置から嵌合位置に移動させた状態を示した一部切り欠き平面図
【図6】両コネクタの嵌合状態を前後方向から見た状態を簡易的に示した断面図
【図7】第1コネクタの正面図
【図8】第1コネクタの側面図
【図9】第2コネクタの正面図
【図10】第2コネクタの平面図
【図11】スライダの正面図
【図12】図11におけるA−A線断面図
【符号の説明】
【0056】
10…第1コネクタ(コネクタ)
11…第1ハウジング(ハウジング)
30…第2コネクタ(基板用コネクタ)
34…フード部
50…スライダ
56…切欠部
57…係止突部
58…保持突起
P…プリント基板
H…係止孔(凹部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フード部の外周下面が半田付けにより基板の上面に固定されてなる基板用コネクタに対して嵌合可能なコネクタであって、
前記嵌合に伴って前記フード部の内部に嵌合するハウジングと、
前記ハウジングに対して初期位置と嵌合位置との間を移動可能とされ、前記初期位置にて前記ハウジングが前記フード部に内嵌した後に、前記嵌合位置へ押し込まれて前記フード部に外嵌し、前記嵌合位置では前記フード部の外周上面と前記基板の下面とに接触するスライダとを備えるコネクタ。
【請求項2】
前記スライダにおいて前記基板の下面と接触する面から上方に突出して設けられ、前記嵌合位置にあるときに前記基板の下面に設けられた凹部に対して前記スライダの移動方向に係止する係止突部を備える請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記スライダは、前記嵌合位置では前記フード部の外周両側面に接触し、前記係止突部は、前記凹部に対して前記スライダと前記フード部の外周両側面との接触方向に係止する請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングの嵌合方向と前記スライダの移動方向とは、同じである請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記スライダには、少なくとも前記嵌合位置にて前記基板の端部を収容する切欠部が設けられている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記切欠部は、前記初期位置にて前記基板の端部を収容する請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記スライダは、前記ハウジングに対して前記スライダの移動方向に係止する保持突起を備えている請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項1】
フード部の外周下面が半田付けにより基板の上面に固定されてなる基板用コネクタに対して嵌合可能なコネクタであって、
前記嵌合に伴って前記フード部の内部に嵌合するハウジングと、
前記ハウジングに対して初期位置と嵌合位置との間を移動可能とされ、前記初期位置にて前記ハウジングが前記フード部に内嵌した後に、前記嵌合位置へ押し込まれて前記フード部に外嵌し、前記嵌合位置では前記フード部の外周上面と前記基板の下面とに接触するスライダとを備えるコネクタ。
【請求項2】
前記スライダにおいて前記基板の下面と接触する面から上方に突出して設けられ、前記嵌合位置にあるときに前記基板の下面に設けられた凹部に対して前記スライダの移動方向に係止する係止突部を備える請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記スライダは、前記嵌合位置では前記フード部の外周両側面に接触し、前記係止突部は、前記凹部に対して前記スライダと前記フード部の外周両側面との接触方向に係止する請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングの嵌合方向と前記スライダの移動方向とは、同じである請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記スライダには、少なくとも前記嵌合位置にて前記基板の端部を収容する切欠部が設けられている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記切欠部は、前記初期位置にて前記基板の端部を収容する請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記スライダは、前記ハウジングに対して前記スライダの移動方向に係止する保持突起を備えている請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−113911(P2010−113911A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284578(P2008−284578)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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