説明

コラーゲン合成及び/又はKGF発現の促進方法

本発明はコラーゲン合成及び/又はKGF発現の促進方法に関し、より詳しくは、AIMP1蛋白質又はこれの断片を利用してコラーゲン合成及び/又はKGF発現を促進する方法に関する。本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片はこれらを必要とする個体でコラーゲン合成及び/又はKGF発現の促進;皮膚老化の治療;弛んだり及び/又は皺のよった皮膚の治療;皮膚のなめらかさ及び/又は弾力の増進;閉経期の逆皮膚効果の治療;及びコラーゲンによる閉経期の逆効果の治療に効果的に利用できる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2005年2月1日付で出願された国際特許出願番号第PCT/KR2005/000300号に基づく優先権主張を行うものである。
本発明はコラーゲン合成及び/又はKGF発現の促進方法に関し、より詳細にはAIMP1蛋白質又はこれの断片を利用してコラーゲン合成及び/又はKGF発現を促進する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の身体は全て皮膚で覆われている。従って、皮膚は身体を形成しているものの中で、最大の器官と言え、一般的に表皮(epidermis)と真皮(dermis)の2層で構成されている。表皮は皮膚の最外側に位置した最も薄い層であり、皮膚の保湿及び保護を担当する重要な機能を有する。詳しくは表皮は人体内にある物質が体外に抜け出せないように塞ぎ、さらに、外部から侵入する紫外線、ウィルス、細菌等有害物質の侵入を防いでくれる。さらに、皮脂腺の脂と汗腺の水を自然的に乳化させ、弱酸性の皮脂膜を作り有害物質の侵入から保護し、細菌を殺菌させる。このような表皮は主に角質形成細胞(keratinocytes)で構成されており、角質形成細胞の増殖及び分化が互いに調和を成して一定に維持される。角質形成細胞は分化して基底層、有棘層、顆粒層及び角質層の4層を成す。特に、角質形成細胞は主に物理的障壁により外部から個体を保護する役割を担当し、免疫学的反応を調節するサイトカイン等を初め、多様な生物学的反応調節物質を生成及び/又は分泌することにより、皮膚の免疫反応と炎症反応を調節する。角質形成細胞が正常的な生理機能を果たす時、健康で美しい皮膚を維持することができる。
【0003】
真皮は表皮に栄養分を供給して皮膚を保持し外部の損傷から身体を保護し、水分を貯蔵する能力と体温調節の機能を有する。真皮は繊維芽細胞(fibroblasts)とその細胞外基質(extracellular matrix)から成り、その中に神経、血管、リンパ管、筋肉と皮脂腺、アポクリン、エクリン腺等皮膚付属器官を内包している。真皮の構造的な組立ての為の主要な構成要素である繊維芽細胞はコラーゲン、プロテオグリカン及び他の構造的糖蛋白質等細胞外基質を合成する。その中でもコラーゲンは真皮の70% を占める繊維蛋白質として皮膚の機械的堅固性(弾力性)、結合組織の抵抗力と組織の結合力、細胞接着の支え、細胞分割と分化誘導等の機能を有する(Van der M. Rest et al., Biometerials., 11:28-31, 1990; Shimokomaki M. et al., Ann. N. Y. Acad. Sci., 580:1-7, 1990; Van der Rest M. et al., Biochimie., 72(6-7):473-484, 1990)。このようなコラーゲンは高齢化及び紫外線照射による光老化により減少し、年を取るにつれてコラーゲン含量が減少して皮膚の厚さが薄くなり、このような現象は皮膚の皺形成を招来する(Artheu K. Balin et al., "Aging and the skin", 1998)。逆に皮膚のコラーゲン合成促進により、コラーゲン代謝が活発になると真皮基質の成分が増加され、皺改善、弾力増進、皮膚強化等の効果が現れる。
【0004】
人間の皮膚は年を取りながら種々の内外的な要因によりその機能が低下する。皮膚細胞の代謝過程又は紫外線により生成される活性酸素等により細胞構成成分等(例:細胞膜にある脂質等)が酸化され、これらの活性及び生合成が阻害される。その結果、皮膚老化が生ずるようになる。皮膚老化が進行するにつれて皮膚は表皮の厚さが全体的に薄くなり、細胞と組織に脱水現象が生じ乾燥して小皺が増え漸次皺が深くなる。さらに、真皮の大部分を占めるコラーゲンの量が減少してコラーゲンを合成する繊維芽細胞の活性も又減少して新たなコラーゲンの合成も減ってくる。真皮内コラーゲンの量が減少するに従い真皮の厚さも減少して、結局は皮膚に皺が生じ柔軟性と弾力性が落ちる。従って、このような皮膚老化を効果的に抑制するためには、表皮細胞及び真皮細胞を2つ共に活性化及び/又は再生させなければならない。
【0005】
一方、AIMP1(ARS-interacting multi-functional protein 1)蛋白質は従来p43蛋白質として知られたものであり、本発明者等により再命名されたものである(Kim S.H. et al., Trends in Biochemical Sciences., 30:569-574, 2005)。AIMP1は312個のアミノ酸からなる蛋白質で、多重-tRNA合成酵素複合体(multi-tRNA synthetase complex)に結合して前記多重-tRNA 合成酵素の触媒的活性(catalytic activity)を増進させる蛋白質である。前記AIMP1は脳脊椎炎、神経炎及び葡萄膜炎のような実験上の自家免疫疾患部位にある微細神経細胞から高い水準に発現するものの、このように特定発生段階及び組織からAIMP1の発現水準が高く現れる現象はAIMP1が炎症反応と細胞枯死に関与することを暗示する(Berger, A. C. et al., J. Immunother. 23:519-527, 2000)。本発明者等はAIMP1及びこのN-末端断片が効果的にサイトカイン、抗癌剤及び血管新生抑制剤として利用し得ることを発見した(Park H. et al., J. Leukoc. Biol., 71:223-230, 2002; Park S.G. et al., J. Biol. Chem., 277:45243-45248, 2002; Park H. et al., Cytokine, 21:148-53, 2002)。しかしながら、AIMP1がコラーゲン合成及びKGF発現と関連していることは今まで明らかにされていない。
【非特許文献1】Kim S.H. et al., Trends in Biochemical Sciences., 30:569-574, 2005
【非特許文献2】Berger, A. C. et al., J. Immunother. 23:519-527, 2000
【非特許文献3】Park H. et al., J. Leukoc. Biol., 71:223-230, 2002; Park S.G. et al., J. Biol. Chem., 277:45243-45248, 2002; Park H. et al., Cytokine, 21:148-53, 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は同一の生理活性を有するその断片の有効量をこれらが必要とする個体(subject in need thereof)に投与することを含む、試験管(in vitro)又は生体内(in vivo)でコラーゲン合成及び/又はKGF(keratinocyte growth factor)の発現を促進する方法;皮膚老化を治療する方法;弛んだり(flaccid)及び/又は皺がよった皮膚を治療する方法;皮膚のなめらかさ(smoothing)及び/又は弾力(firming)を増進させる方法;閉経期(menopause)の逆皮膚効果(adverse cutaneous effects)を治療する方法;及びコラーゲンによる閉経期の逆効果(adverse effects)を治療する方法を提供することである。
【0007】
さらに、本発明の他の目的は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は同一の生理活性を有するその断片を有効成分として含む、コラーゲン合成及び/又はKGF発現促進用組成物;及び皮膚老化防止用化粧料組成物を提供することである。
【0008】
また、本発明のさらに他の目的は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は同一の生理活性を有するその断片を有効成分として含む、コラーゲン合成及び/又はKGF発現促進用組成物;及び皮膚老化防止用化粧料組成物を製造する為の用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成する為に、本発明は
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つの有効量をこれらが必要とする個体(subject in need thereof)に投与することを含む、試験管内(in vitro)又は生体内(in vivo)でコラーゲン合成及び/又はKGF(keratinocyte growth factor)の発現を促進する方法;皮膚老化を治療する方法;弛んだり(flaccid)及び/又はは皺がよった皮膚を治療する方法;皮膚のなめらかさ(smoothing)及び/又は弾力(firming)を増進させる方法;閉経期(menopause)の逆皮膚効果(adverse cutaneous effects)を治療する方法;及びコラーゲンによる閉経期の逆効果(adverse effects)を治療する方法を提供する。
【0010】
さらに、本発明は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は同一の生理活性を有するその断片を有効成分とする、コラーゲン合成及び/又はKGF発現促進用組成物;及び皮膚老化防止用化粧料組成物を提供する。
【0011】
さらに、本発明は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は同一の生理活性を有するその断片を有効成分として含む、コラーゲン合成及び/又はKGF発現促進用組成物;及び皮膚老化防止用化粧料組成物を提供する為の用途を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明はコラーゲン合成及びKGF(keratinocyte growth factor)発現と関係のあるAIMP1の新規用途を提供することに特徴がある。
【0013】
AIMP1蛋白質は312個のアミノ酸からなる蛋白質であり、前立腺癌、免疫及び形質転換細胞を含む多様な形態の細胞から分泌され、分泌されたAIMP1は単核球/ミクロファージ、内皮細胞及び繊維芽細胞のような多様な標的細胞に作用するものとして知られている。前記AIMP1蛋白質は3箇所のSNPが知られている(NCBIのSNPデータベース参照)。つまり、全長AIMP1蛋白質のアミノ酸配列(配列番号1)の内79番目のアミノ酸であるアラニン(Ala)がプロリン(Pro)で置換された場合(配列番号24、SNP accession no. rs3133166)、104番目のアミノ酸であるトレオニン(Thr)がアラニン(Ala)で置換された場合(配列番号25、SNP accession no. rs17036670)、117番目のアミノ酸であるトレオニンがアラニン(配列番号26、SNP accssion no. rs2230255)に置換された場合が知られている。
【0014】
本発明者らは前記AIMP1蛋白質がそれぞれ異なる多様な標的細胞に対して多様で複雑な活性を有している為、AIMP1は各活性を現わし、それぞれ異なる構造的モチブ又はドメイン等を使用すると仮定した。このような可能性を確認するべく本発明者らはコラーゲン合成及びKGF(keratinocyte growth factor)発現促進に関わるAIMP1蛋白質の機能ドメインを決定する為にAIMP1のN末端断片及びC末端断片を製造して、各断片等のコラーゲン合成及びKGF(keratinocyte growth factor)発現促進に対する活性を調査した(実施例5参照)。その結果、コラーゲン合成及びKGF発現を促進する活性がAIMP1蛋白質のC末端断片にはないものの、N末端断片には有効に存在することが示された(図5参照)。
【0015】
さらに、本発明者らはAIMP1蛋白質のN末端断片において、どのようなドメインが前記のような活性があるのか否かを確認する為に欠損断片を製作して実験した結果、AIMP1の6-46番のアミノ酸域がコラーゲン合成及びKGF発現を促進する活性のあることを確認した(図6及び図7参照)。前記のような実験結果により、AIMP1蛋白質の6-46番アミノ酸域を含み、少なくとも192個のアミノ酸からなる断片、つまり、配列番号2、配列番号12、配列番号13及び配列番号14からなるペプチドにより、コラーゲン合成及びKGF発現を促進する活性を有することを確認できた。さらに、AIMP1蛋白質の1-192番のアミノ酸からなる断片(配列番号27)及びAIMP1蛋白質の6-192番のアミノ酸からなる断片(配列番号28)によってもコラーゲン合成及びKGF発現を促進する活性を有することを確認できた(結果未図示)。
【0016】
コラーゲンは真皮の繊維芽細胞より生産され、真皮の70%を占める繊維状蛋白質であり皮膚になめらかさと弾力をもたらす。従って、コラーゲンの合成が減少すると皮膚が老化して皮膚の弾力性となめらかさが急激に減少し、結局は皮膚が弛んだり又は皺が生ずる。逆に皮膚内のコラーゲン合成促進により、コラーゲン代謝が活発化すると真皮基質の成分が増加され、皺の改善、弾力増進、皮膚強化等の効果が現れる。前記の通り本発明のAIMP1蛋白質及びこれの断片はコラーゲン合成を促進させる活性を有する(図1乃至図3及び図5乃至図7参照)。
【0017】
KGF(keratinocyte growth factor)は皮膚の表皮を構成する主成分である角質形成細胞の成長因子であり、真皮の繊維芽細胞から生産される外分泌因子(paracrine factor)である。KGFは上皮細胞の再生と回復に関与し、上皮細胞を成長させ皮膚の表皮層を再生させる(Moore T. et al, Lab. Invest. 60:237-244, 1989; Han DS et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 279:G1011-1022, 2000)。
【0018】
さらに、KGFは繊維芽細胞成長因子ファミリーの1つである繊維芽細胞成長因子7(fibroblast growth factor 7)としても知られており、KGFを暗号化する遺伝子が導入されて形質転換した鼠は、厚くなった表皮(thickened epidermis)を有することが示された(Guo L. et al., EMBO J., 12(3):973-986, 1993)。現在KGFは国際化粧品登録協会(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association)に化粧品原料物質として登録されている。さらに、KGFとコラーゲンが互いに結合して角質形成細胞の細胞分裂を促進するものとして知られている(Ruehl M. et al., J Biol Chem., 277:26872-8, 2002)。前記の通り、本発明のAIMP1蛋白質及びこれの断片はKGFの発現を促進させる活性を有する(図4、図5及び図6参照)。
【0019】
前記のような活性を有するAIMP1蛋白質及びこれの断片を、皮膚においてコラーゲン合成及び/又はKGF発現の促進の為の用途に使用できる。さらに、コラーゲン合成及び/又はKGF発現を促進させることにより、皮膚老化又はこれによる皮膚症状(cutaneous signs)を抑制、治療、改善及び/又は予防する為の用途にも利用できる。
【0020】
従って、本発明はAIMP1蛋白質又はこれの断片の有効量をこれらが必要な個体に投与することを含む、試験管内又は生体内でコラーゲン合成及び/又はKGF発現を促進する方法;皮膚老化を治療する方法;弛んだり及び/又は皺のよった皮膚を治療する方法;及び皮膚のなめらかさ及び/又は弾力を増進させる方法を提供する。
【0021】
一方、閉経期(menopause)においてコラーゲン水準(level)が減少したり、真皮の厚さが減少する等、真皮において重要な変化が起こる。閉経期以後コラーゲン代謝の変化と関連した研究等によれば、骨密度の減少と皮膚の厚さの減少、さらに、毎年コラーゲン水準の平行した減少が観察されると報告されている(C. Castelo-Braance et al., Maturitas., 18(3):199-206, 1994)。つまり、閉経後皮膚コラーゲンの減少は初期の閉経年度に最も急激に訪れ、閉経後20年まで毎年皮膚コラーゲンが2.1%ずつ減少し、閉経後5年間で皮膚コラーゲンが30%程減少する。これにより、皮膚の厚さが急激に減少し、さらに、皮脂(sebum)が減少するにつれて皮膚が粗くなり皺が増加し、皮膚の弾力が急激に減少するなど多様な皮膚老化の現象が促進すると報告されている。さらに、閉経後の女性の尿失禁頻度増加と関連して膀胱壁のコラーゲン減少による弾力性減少が主要な原因として提案されている(Bergman A et al., Gynecol Obstet Invest., 37(1):48-51, 1994)。そこで、コラーゲン合成及びKGF発現の促進活性を有する、本発明のAIMP1蛋白質及びこれの断片を閉経期における皮膚老化、閉経期におけるコラーゲン代謝異常による異常症状(abnormal condition or abnormal symptom)等を抑制、治療、改善及び/又は予防する為の用途にも利用できる。従って、本発明はAIMP1蛋白質及びこれの断片の有効量をこれを必要とする個体に投与することを含む閉経期の逆皮膚効果及びコラーゲンによる閉経期の逆効果を治療する方法を提供する。
【0022】
本発明の方法に使用されるAIMP1蛋白質は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するものとすることができる。さらに、本発明のAIMP1蛋白質にはその機能的同等物も含まれる。本発明で‘機能的同等物’とは、配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有する、AIMP1と実施的に同等な生理活性を示すポリペプチドをいう。
【0023】
前記において‘同等な生理活性’とは、コラーゲンの合成及び/又はKGF発現を促進させる活性をいう。前記機能的同等物は配列番号1で表示されるアミノ酸配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の配列相同性(homology)を有するポリペプチドでもあり得る。好ましくはAIMP1のSNPで知られた配列番号24、配列番号25及び配列番号26であるポリペプチドでもあり得る。前記‘機能的同等物’とは、アミノ酸の付加、置換又は欠失の結果、配列番号1のペプチドと少なくとも70%以上の、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の配列相同性(つまり、同一性)を有するもので、例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%の配列相同性を有するものを含み、配列番号1のペプチドと実質的に同一な生理活性を示すペプチドをいう。本明細書において配列相同性及び同質性は配列番号1のアミノ酸配列と候補配列を整列し、ギャップ(gaps)を導入した後、配列番号1のアミノ酸配列に対する候補配列のアミノ酸残基の百分率として定義される。必要な場合、最大百分率配列同質性を収得する為、配列同質性の部分として上述した保存的置換は考慮しない。配列番号1のアミノ酸配列のN末端、C末端又は内部伸長、欠損又は挿入は配列同質性又は相同性に影響を及ぼす配列として解釈されない。さらに、前記配列同質性は2つのポリペプチドのアミノ酸配列の類似した部分を比較する為に使用される一般的な標準方法により決定することができる。BLAST又はFASTAと同じコンピュータプログラムは2つのポリペプチドをそれぞれのアミノ酸が最適にマッチング(matching)されるように整列する(1つ又は2つの配列の全長配列に従い、又は1つ又は2つの配列の予測された部分に従い)。前記プログラムはディファルトオプニングペナルティー(default opening penalty)及びディファルトギャップペナルティー(default gap penalty)を提供し、コンピュータプログラムと共に、連係して使用できるPAM250(標準スコアリングマトリックス;Dayhoff et al., in Atlas of Protein Sequence and Structure, vol 5, supp. 3, 1978)のようなスコアリングマトリックスを提供する。例えば、百分率同質性は次のように計算することができる:一致する配列(indentical matches)の総数に100を掛け対応するスパン(machted span)内のより長い配列の長さと、2つの配列より長い配列内に導入されたギャップ(gaps)の数の和で分ける。本発明の機能的同等物の範囲には、本発明におけるポリペプチドの基本骨格及びこれの生理活性を維持しながらポリペプチドの一部化学構造が変更されたポリペプチド誘導体も含まれる。例えば、本発明のポリペプチドの安定性、貯蔵性、揮発性又は溶解度等を変更させる為に構造変更したものがこれに含まれる。
【0024】
さらに、本発明ではAIMP1の断片も利用できる。前記AIMP1の断片は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド又は、これと少なくとも70%の配列相同性を有するポリペプチドの一部断片の場合もあり得る。さらに、前記断片はAIMP1のアミノ酸配列の一部と100%の同一性(identity)を有し、本発明のAIMP1と同等な生理活性を示す。前記断片は配列番号1のアミノ酸配列又はこれと少なくとも70%以上の相同性を有するアミノ酸配列の中で選ばれた少なくとも10個以上、好ましくは41個、より好ましくは100個以上の連続する(contiguous)アミノ酸からなり得る。本発明の断片は好ましくもAIMP1のアミノ酸配列(配列番号1)の中で選ばれた41個の連続するアミノ酸配列(配列番号12)を含み、少なくとも192個のアミノ酸からなるペプチドの場合もあり得る。最も好ましくは配列番号2、配列番号12、配列番号13、配列番号14及び配列番号27乃至配列番号34からなるグループの中で選ばれた、いずれか1つのアミノ酸配列からなるペプチドでもあり得る。前記配列番号29乃至31のアミノ酸配列は前記配列番号27のアミノ酸配列の公知のSNPであり、前記配列番号32乃至34のアミノ酸配列は配列番号28のアミノ酸配列の公知のSNPである。
【0025】
本発明のポリペプチドは遺伝工学的方法により製作できる。まず、一般的な方法により前記AIMP1蛋白質又はこれの断片をコーティングするDNA配列を製作する。DNA配列は適切なプライマーを利用してPCR増幅することにより製作できる。他の方法で当業界に公知の標準方法により、例えば、自動DNA合成機(Biosearch又はApplied Biosystems社で販売するもの)を利用してDNA配列を合成することもできる。製作されたDNA配列はこのDNA配列に作動可能に連結され(operatively linked)そのDNA配列の発現を調節する1つ又はそれ以上の発現調節配列(expression control sequence)(例:プロモーター、エンハンサー等)を含むベクターに挿入させ、これより形成された組替え発現ベクターで宿主細胞を形質転換させる。生成された形質転換体を前記DNA配列が発現されるように適切な培地及び条件下で培養して培養物から前記DNA配列により、コーディングされた実質的に純粋なポリペプチドを回収する。前記回収は当業界に公知の方法(例えば、クロマトグラフィー)を利用して行える。前記にて‘実質的に純粋なポリペプチド’とは、本発明におけるポリペプチドが宿主細胞から由来した如何なる蛋白質も実質的に含まないことを意味する。本発明のポリペプチド合成の為の遺伝工学的方法は下記の文献を参考にできる(Maniatis et al., Molecular Cloning; A laboratory Manual, Cold Spring Harbor laboratory, 1982; Sambrook et al., supra; Gene Expression Technology, Method in Enzymology, Genetics and Molecular Biology, Method in Enzymology, Guthrie & Fink (eds.), Academic Press, San Diego, Calif, 1991; Hitzeman et al., J. Biol. Chem., 255:12073-12080, 1990.)。
【0026】
さらに、本発明のペプチドは当分野に公知の技術により、化学的に合成できる(Creighton, Proteins: Structures and Molecular Principles, W.H. Freeman and Co., NY (1983))。つまり、本発明のペプチドは通常の段階的な液体又は固体状合成、断片凝縮、F-MOC又はT-BOC化学法を利用して製造できる(Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins, Williams et al., Eds., CRC Press, Boca Raton Florida, (1997); A Practical Approach, Atherton & Sheppard, Eds., IRL Press, Oxford, England, (1989))。特に、好ましい製造方法は固体状合成方法(solid phase synthesis)を利用することである。本発明におけるペプチドは保護されたアミノ酸間の凝縮反応(condensation reaction)により、通常の固体状方法で、C末端から開始して明らかにされたアミノ酸配列に従って、順次合成できる。凝縮反応後保護基及びC末端アミノ酸が連結された担体を酸分解(acid decomposition)又はアミノリジス(aminolysis)のような公知の方法により除去できる。前記言及されたペプチド合成法は関連書籍に詳細に記述されている(Gross and Meienhofer's, The Peptides, vol 2., Academic Press, 1980)。
【0027】
本発明におけるペプチドの合成の為に用いられる固体状の担体は、この分野で通常使用される担体、例えば、置換されたベンジル形態のポリスチレンレジン(polystyrene resins of substituted benzyl type)、ヒドロキシメチルペニルアセチックアミド形態のポリスチレンレジン、置換されたベンズヒドリルポリスチレンレジン、ペプチドに結合できる機能基を有するポリアクリルアミドレジン等を利用できる。また、アミノ酸凝縮は通常の方法、例えば、ジシクロヘキシルカボジイミド(DDC)方法、酸無水物(acid anhydride)方法及び活性化エステル(activated ester)方法を用いて行うことができる。
【0028】
本発明のペプチド合成に用いられた保護基等は、通常のペプチド合成に用いられる保護基等であり、酸分解、還元又はアミノリシスと同じ通常の方法により容易に除去されるもの等である。アミノ保護基等の具体的な例としてはホルミル;トリフルオロアセチル;ベンジルオキシカルボニル;(オルソ-又はパラ-)クロロオキシカルボニル及び(オルソ-又はパラ-)ブロモベンジルオキシカルボニルと同じ、置換されたベンジルオキシカルボニル;t-ブトキシカルボニル及びt-アミロキシカルボニルと同じ脂肪族オキシカルボニル等がある。アミノ酸のカルボキシル基等はエステル基に転換させることにより保護できる。エステル基にはベンジルエステル、メトキシベンジルエステルと同じ置換されたベンジルエステル;シクロヘキシルエステル、シクロヘプチルエステル又はt−ブチルエステルと同じアルキルエステル等がある。グアニジノ基は保護基が不要であり、ニトロ;又はトシル、メトキシベンゼンスルホニル又はメシチレンスルホニルのようなアリルスルホニルにより保護される。イミダゾールの保護基としてはトシル、ベンジル及びジニトロフェリル等がある。トリプトファンのインドール基は保護基がなくてもホルミル等で保護基を付着させることもできる。
【0029】
脱保護及び担体からペプチドを分離することは、種々のスカベンジャー(scavenger)下に無水ハイドロフルオライドにより行える。スカベンジャーの例としては、アニソール、(オルソ-、メタ-、パラ-)クレソール、ジメチルスルフィド、シオクレソール、エタンエンジオール及びメルカプトピリジン等を挙げることができる。これらはペプチド合成で通常用いられるものである。
【0030】
遺伝工学的方法により製造された組換えペプチド又は化学的に合成されたペプチドは例えば、抽出法、再結晶法、多様なクロマトグラフィー(ゲル濾過法、イオン交換、沈殿、吸着、逆転相)、電気泳動、逆流分配法等当業界に公知の方法により分離及び精製できる。
【0031】
本発明で‘有効量’とは、試験管内又は生体内でコラーゲン合成及び/又はKGF発現を促進するか又は、これを通じて皮膚老化の治療;弛んだり及び/又は皺のよった皮膚の治療;皮膚の柔軟性及び/又は弾力の増進;閉経期の逆皮膚効果の治療;及びコラーゲンによる閉経期の逆効果の治療からなる群より選ばれる効果を現す量をいう。
【0032】
本発明において、‘個体(subject)’とは、哺乳動物、特に人間を含む動物又は前記動物の皮膚細胞、皮膚組織を意味する。前記個体は治療が必要な患者(patient)の場合もあり得る。さらに、前記皮膚細胞は好ましくは繊維芽細胞でもあり得る。
【0033】
本発明のAIMP1蛋白質及びこれの断片は前記記載した効果の中で望む効果が導き出されるまで投与できる。本発明のAIMP1蛋白質及びこれの断片は、当業界に公知の方法により多様な経路で投与できる。つまり、経口又は非経口、例えば口腔、筋肉内、静脈内、皮内、動脈内、骨髄内、境膜内、腹腔内、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下又は皮下投与されるか又は、胃腸管、粘膜又は呼吸器に投与できる。例えば、本発明におけるポリペプチドを皮膚に直接的に塗布する方法又は、前記ポリペプチドを注射用剤形に製造してこれを30ケージの細い注射針で皮膚下層に一定量を注入するか又は、注射針で皮膚を軽く短刺(prick)する方法で投与できる。好ましくは皮膚に直接塗布することもできる。さらに、本発明におけるAIMP1蛋白質及びこれの断片は標的細胞や組織(例:皮膚細胞又は皮膚組織)に高親和性結合を誘発する分子と結合するか又は、前記分子内にカプセル化された形態で投与することもできる。本発明のAIMP1蛋白質及びこれの断片は当業界に公知の技術を利用してステロール(例:コレステロール)、脂質(例:陽イオン脂質、ビロソーム又はリポソーム)又は標的細胞特異的結合剤(例:標的細胞特異的受容体により認知されるリガンド)と結合できる。適切なカップリング剤又は架橋剤としては例えば、蛋白質A、カルボジイミド、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)等を含み得る。
【0034】
本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片を前記記載された用途等の為の、薬学的(pharmaceutical)、皮膚学的(dermatological)又は化粧料(cosmetic)組成物の有効成分として用いられる。
【0035】
前記組成物は当業界で製造される如何なる剤形にも製造できる。好ましくは皮膚塗布用剤形に製造し得る。例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファウンデーション、乳濁液ファウンデーション、ワックスファウンデーション及びスプレー等に製造でき、これらに限られるものではない。より好ましくは柔軟化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、スプレー又はパウダーの形態で製造できる。
【0036】
本発明における組成物の剤形がペースト、クリーム又はゲルである場合には担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク又は酸化亜鉛等が用いられる。さらに、本発明における組成物の剤形がパウダー又はスプレーの場合には、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキサイド、カルシウムシリケート又はポリアミドパウダーを利用することもでき、特に、スプレーの場合にはクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタン又はジメチルエーテルのような推進剤を追加的に含み得る。本発明における組成物の剤形が懸濁液の場合には、担体成分として、水、エタノール又はプロピレングリコールのような液状希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天又はトラガカント等が利用できる。さらに、本発明における組成物の剤形が界面活性剤含有クレンジングの場合には、担体成分として脂肪族アルコールスルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、スルホスクシン酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリニウム誘導体、脂肪酸アミドエテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体又はエトキシル化グリセロール脂肪酸エステル等が利用できる。
【0037】
さらに、本発明における組成物はメソテラフィー(mesotherapy)の為の注射用剤形として製造できる。前記注射用剤形は適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて当業界に公知の技術により製造できる。例えば、本発明のポリペプチドを食塩水又は緩衝液に溶解させ、注射用として剤形化でき得る。
【0038】
さらに、本発明の組成物は経口投与用剤形としても製造できる。経口投与用の場合、本発明におけるポリペプチドは賦形剤と混合されて、摂取型錠剤、頬側錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、サスペンション、シロップ及びウエハー等の形態で剤形化でき得る。これらの剤形は有効成分以外に希釈剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン)と滑濁剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム又はカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール)を含み得る。前記錠剤はマグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び/又はポリビニルピロリドンのような結合体を含むことができ、場合よっては澱粉、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩のような崩解剤、吸収剤、着色剤、香味剤及び/又は甘味剤を追加して含み得る。前記剤形は一般的な混合、顆粒化又はコーティング方法により製造できる。
【0039】
さらに、本発明の組成物は本発明の効果をさらに強化させる為、コラーゲン合成促進、繊維芽細胞増殖促進、皮膚老化抑制/改善、皮膚保湿、皮膚の弾力/柔軟増進、皺の改善、皮膚機能強化等の効果を有する公知の物質を追加して含み得る。前記物質にはこれらに限られるものではないが、レチノイン酸(retinoic acid)、TGF(trans-forming growth factor)、ベツリン酸(betulinic acid)、桂皮酸(cinnamic acids)、ハイドロスチルベン(hydrostilbene)、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、赤葡萄抽出粉末等を使用できる。この他皮膚への蛋白質の吸収を促進する物質、防腐剤、水化剤、乳化促進剤、緩衝剤等その他薬学的、皮膚学的及び/又は化粧品学的に許容可能な媒質又は基材をさらに含み得る。
【0040】
本発明により投与されるAIMP1蛋白質又はこれの断片の量は組成物総重量に対して0.001%乃至20%、好ましくは0.005%乃至10%の範囲でもあり得る。
【0041】
本発明の組成物において、本発明のポリペプチドの総有効量は単一投与量(single dose)で個体に投与でき、多重投与量(multiple dose)が長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)により投与できる。本発明のポリペプチドを含む組成物は投与目的により、有効成分の含量を異にすることができ、一般的に1回投与時 0.1μg乃至10mgの有効容量で1日数回繰返し投与できる。しかしながら、前記ポリペプチドの濃度は投与経路及び治療回数のみならず、治療が必要な個体の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び排泄率等多様な要因等を考慮して、各個体に対する有効投与量が決定されるので、このような点を考慮する時、当分野の通常の知識を有する者であれば、本発明のポリペプチドの前記記載された特定の用途に伴う適切な有効投与量を決定できるであろう。本発明における組成物は本発明の効果を呈する限り、その剤形、投与経路及び投与方法に特に制限されない。
【実施例】
【0042】
以下本発明を実施例により詳細に説明する。
但し、下記実施例は本発明を例示するものであり、本発明の内容はこれに限定されない。
【0043】
<参考例1>
AIMP1及び断片の製造
312個のアミノ酸から成るAIMP1蛋白質(配列番号1)、これのN−末端断片(1-147);配列番号2)及びC−末端断片(148-312;配列番号3)は、当業界に公知の方法(Park S.G. et al., J. Biol. Chem., 277:45243-45248, 2002)により製造した。
【0044】
<参考例2>
AIMP1のN−末端欠損断片等及びC−末端欠損断片の製造
AIMP1のN−末端欠損断片等及びC−末端欠損断片、つまり、AIMP1-(6-46;配列番号12)、AIMP1-(1-46;配列番号13)、AIMP1-(1-53;配列番号14)、AIMP1-(193-312;配列番号15)、AIMP1-(1-192;配列番号27)及びAIMP1-(6-192;配列番号28)断片をそれぞれ製造した。前記各断片はAIMP1のcDNAを鋳型にして各断片に対する特異的なプライマーセット(表1)を利用してPCR増幅で合成した。PCR反応条件は下記の通りである;95℃で2分間加熱して鋳型DNAを前変性させ、95℃で30秒;56℃で30秒;及び72℃で1分を1サイクルにして総25サイクルを行い、72℃で5分間最終反応させた。前記PCR産物をEcoRI及びXhoIで切断して、同一の酵素により切断したpGEX4T3ベクター(アマシャムバイオサイエンス社)にライゲートした。前記ベクターでE.coli BL21(DE3)を形質転換してこれを培養し、ペプチドの発現を誘導した。GST-tag融合蛋白質に発現される各ペプチドをGSHアガロースに精製した。リポポリサッカライドを除去する為に、蛋白質溶液をパイロジェン無添加緩衝液(10mMリン酸カルシウム緩衝液、pH6.0,100mM塩化ナトリウム)で透析した。透析後蛋白質を同一の緩衝液に平衡させたポリマイシン樹脂(Bio-Red)にローディングして20分間培養し、溶出させ、各AIMP1の欠損断片を製造した。
【0045】
【表1】

【0046】
<実施例1>
AIMP1の処理濃度に伴うコラーゲンの合成促進
<1-1>包皮繊維芽細胞の培養及びAIMP1処理
AIMP1によるコラーゲンの転写RNAを測定する為に、包皮繊維芽細胞(5×104 cells/well,会社名:MTT、寄託番号:MC1232)を6ウェルプレートにおける10%血清含有DMEM培地で12時間培養後、さらに無血清培地で3時間培養した。以降、AIMP1蛋白質(配列番号1)を濃度別(0、20、50、100及び200nM)にそれぞれ6時間(RT-PCR)又は12時間(ウェスタンブロット)処理した。
【0047】
<1-2> RT-PCR分析
前記実施例<1-1>でAIMP1が濃度別に処理された細胞を回収した後、TRIzo1(invitrogen)で溶解させた。細胞溶解液に10%量のクロロホルム(chloroform)を添加して混合した。混合液を12,000gで15分間遠心分離して上澄液を収得した。収得した上澄液にエタノールを最終濃度が70%になるように添加した。以降、さらに26,000gで5分間遠心分離して沈殿物を収得した。前記沈殿物を乾燥し滅菌された蒸留水で溶解して総RNAを抽出した。3μgの総RNAを利用してcDNAを製造した。以降、コラーゲン特異的プライマー(配列番号4及び配列番号5)を利用してPCRを行った。この際、対照群はGADPH特異的プライマー(配列番号6及び配列番号7)を利用してPCRを行った。PCR反応条件は下記の通りである:95℃で5分間加熱して鋳型DNAを前変性させ、95℃で1分;52℃で1分;及び72℃で1分を1サイクルにして総25サイクルを行い、72℃で5分間最終反応させた。その結果、図1の上の部分(upper)から見る通り、AIMP1が繊維芽細胞からコラーゲンの合成を濃度依存的に促進することを確認できた。
【0048】
<1-3>ウェスタンブロット分析
前記実施例<1-1>でAIMP1の濃度別に処理された細胞を回収し、細胞溶解緩衝液(lysis buffer)(50 mM HEPES, pH 7.5, 150 mM NaCl, 10% glycerol, 5 mM EGTA, 1 mM sodium orthovanadate, 10 mM NaF, 12 mM b-glycerophosphate, 1 mM DTT, 1 mM PMSF, 5 mg/ml aprotinin, and 1% NP40)で細胞を溶解させた。溶解された細胞を26,000gで15分間遠心分離して細胞抽出物を分離した。細胞抽出物30μgを 8%SDS-PAGEで分離し、抗-コラーゲンI抗体(Abcam)を利用して当業界に公知の一般的な方法により免疫分析法(immunoblotting)を実施した。この時対照群には抗チューブリン抗体(Sigma)を利用した。
その結果、図1の下の部分(bottom)で見る通り、AIMP1が繊維芽細胞からコラーゲンの合成を濃度依存的に促進することを蛋白質水準からも確認できた。
【0049】
<実施例2>
AIMP1の処理時間に伴うコラーゲン濃度合成促進
<2-1>包皮繊維芽細胞の培養及びAIMP1処理
包皮繊維芽細胞(5×104cells/well)を6ウェルプレートにおける10%血清含有DMEM培地で12時間培養後、さらに無血清培地で3時間程培養した。以降、100nMのAIMP1を時間別(0、2、4、6、12及び24h)に処理した。
【0050】
<2-2>RT-PCR分析
前記実施例<2-1>でAIMP1が処理された細胞を指定された時間に回収し、前記実施例<1-2>と同一の方法によりRT-PCRを行った。その結果、図2の上の部分(upper)に示される通り、AIMP1の繊維芽細胞においてコラーゲンの合成を時間依存的に促進することを確認できた。
【0051】
<2-3>ウェスタンブロット分析
前記実施例<2-1>でAIMP1が処理された細胞を指定された時間に回収し、前記実施例<1-3>と同一の方法によりウェスタンブロットを行った。その結果、図2の下の部分(bottom)に示される通り、AIMP1が繊維芽細胞からコラーゲンの合成を促進することを蛋白質水準でも確認できた。
【0052】
<実施例3>
生体内でAIMP1のコラーゲン合成促進
当業界に公知のジーントラップ方法(Zambrowicz, B. P., et al., Nature 392:608-611, 1998; Kim JY et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:7912-7916, 2002)で雄C57BL6マウスにAIMP1構造遺伝子内突然変異を誘発させ、AIMP1が欠如された同形接合性マウス(AIMP1-/-マウス、Ho)を製造した(Park S.G. et al., Am. J. Pathol., in press:, 2005)。以降、8週令の同形接合性マウスと野生型マウス(AIMP1+/+マウス、WT)の背に鋏を利用して径0.5cm大の円形切除創を設けた。傷部位はドレシング(dressing)しないまま放置した。前記参考例1で製造されたAIMP1蛋白質4μgを20%グリセロール含有PBS 5μlに溶解させ傷部位に塗布した。前記塗布は傷をつけた後、3日まで2日に1度ずつ12時間置きに行った。対照群(AIMP1蛋白質無処理群)には20%グリセロール含有PBSを処理した。以降、傷部位の組織を鋏を利用して切除し、4%パラホルムアルデヒドで一夜固定させた。固定された組織をPBSで洗浄して30%のショ糖液に4時間培養後、最後にOCT(optimal cutting temperature)合成物に混合して-70℃に冷凍させた。
6μmの凍結切片(frozen section)をシラン(silane)がコーティングされたスライドに付着させ、PBSで洗浄した。以降、0.1%tween20と1%脱脂粉乳を含むPBSでブロッキング(blocking)し、抗-コラーゲンI抗体(Abcam)と37℃で2時間反応させた。前記スライドを0.1%tween20を含むPBSで3回洗浄した後、FITCが連結された2次抗体を添加して37℃で1時間反応させた。前記切片を蛍光顕微鏡(confocal immunofluorescence microscopy, μRadiance, BioRad)下で観察した。
その結果、図3に示した通り、AIMP1が欠如された同形接合性マウス(Ho)よりは、野生型マウス(WT)において、より多量のコラーゲンが観察され、これはAIMP1の外部処理(exogenous treatment)によりさらに増加した。これによりAIMP1がコラーゲンの合成を促進させることを生体内条件下でも確認できた。
【0053】
<実施例4>
AIMP1によるKGF発現促進
100nMのAIMP1を2時間処理して培養した包皮繊維芽細胞において、前記実施例<1-2>に記載された同一の方法により総RNAを抽出した。以降、KGF特異的プライマー(配列番号8及び9)を利用してRT-PCRを行った。この際、対照群はサイクリン(cyclin)D特異的プライマー(配列番号10及び11)及びGADPH特異的プライマー(配列番号6及び7)を利用してRT-PCRをそれぞれ行った。PCR反応条件は下記の通りである;95℃で5分間加熱して鋳型DNAを前変性させ、95℃で1分;52℃で1分;72℃で1分を1サイクルにして総25サイクルを行ない、72℃で5分間最終反応させた。
その結果、図4に示した通り、包皮繊維芽細胞においてAIMP1の処理により、KGFの発現が増加した。これはAIMP1がKGFの発現を増加させることを通じて、皮膚の表皮層の再生に関与することを示すものである。
【0054】
<実施例5>
p43断片によるコラーゲン合成及びKGF発現促進
包皮繊維芽細胞(5×104 cells/well)を6ウェルプレートにおける10%血清含有DMEM培地で12時間培養し、さらに無血清培地で3時間程培養した。以降、前記参考例1で製造されたp43のN-末端及びC-末端断片を100nM濃度で時間別(0、1、2、4及び6h)に処理した。以降、コラーゲン特異的プライマー(配列番号4及び5)、KGF特異的プライマー(配列番号8及び9)及びGADPH特異的プライマー(配列番号6及び7)を利用して前記実施例<1-2>と同一の方法によりRT-PCRを行った。
その結果、図5に示した通り、コラーゲン及びKGFの合成がp43のN-末端の断片により促進された。しかしながら、C-末端断片の場合、有意的な効果がなかった。
【0055】
<実施例6>
AIMP1N-末端欠損断片及びC-末端欠損断片によるコラーゲン合成及びKGF発現促進
包皮繊維芽細胞(5×104 cells/well)を6ウェルプレートにおける10%血清含有DMEM培地で12時間培養し、さらに無血清培地で3時間程培養した。以降、前記参考例2で製造されたAIMP1のN-末端断片(配列番号12、配列番号13及び配列番号14)及びAIMP1のC-末端断片(配列番号15)を100nM濃度でそれぞれ2時間及び6時間処理し、コラーゲン特異的プライマー(配列番号4及び5)、KGF特異的プライマー(配列番号8及び9)及び、GADPH特異的プライマー(配列番号6及び7)を利用して前記実施例<1-2>と同一の方法によりRT-PCRを行った。
その結果、図6に示した通り、AIMP1のN-末端欠損断片である6-46(配列番号12)及びこれを含むペプチド(配列番号13、配列番号14)を処理した時に、コラーゲン及びKGFの合成が、AIMP1のC-末端断片である193-312(配列番号15)を処理した場合よりさらに促進されたことを確認できた。
【0056】
<実施例7>
AIMP1及びこれのN-末端断片によるコラーゲン合成促進
包皮繊維芽細胞(5×105cells/well)を6ウェルプレートにおける10%血清含有DMEM培地で48時間培養し、さらに無血清培地で3時間程培養した。以降、AIMP1蛋白質(配列番号1)とAIMP1N-末端断片(配列番号2及び配列番号12)を200nMの濃度で12時間処理した。対照群としては何の処理も施していない細胞を用いた。
前記AIMP1及びこれのN-末端断片が処理された細胞と対照群細胞を指定された時間に回収し、前記実施例<1-3>と同一の方法によりウェスタンブロットを行った。
その結果、図7に示した通り、AIMP1が処理されていない包皮繊維芽細胞よりも、AIMP1(配列番号1)及びAIMP1 N-末端切片(配列番号2及び配列番号12)が処理された包皮繊維芽細胞において、コラーゲンの合成がより促進されたことを蛋白質水準から確認できた。
【0057】
<剤形例1>
柔軟化粧水
本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片を含む柔軟化粧水は下記表2のような成分及び含量により製造した。
【0058】
【表2】

【0059】
<剤形例2>
栄養化粧水
本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片を含む栄養化粧水は下記表3のような成分及び含量により製造した。
【0060】
【表3】

【0061】
<剤形例3>
栄養クリーム
本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片を含む栄養クリームは下記表4のような成分及び含量により製造した。
【0062】
【表4】

【0063】
<剤形例4>
エッセンス
本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片を含むエッセンスは下記表5のような成分及び含量により製造した。
【0064】
【表5】

【0065】
<剤形例5>
パック
本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片を含むパックは下記表6のような成分及び含量により製造した。
【0066】
【表6】

【産業上の利用可能性】
【0067】
上述の通り、本発明のAIMP1蛋白質及びこれの断片は皮膚において、コラーゲン合成及びKGF発現を促進させる。従って、本発明のAIMP1蛋白質又はこれの断片はこれらを必要とする個体でコラーゲン合成及び/又はKGF発現の促進;皮膚老化の治療;弛んだり及び/又は皺のよった皮膚の治療;皮膚の柔軟性及び/又は弾力の増進;閉経期の逆皮膚効果の治療;及びコラーゲンによる閉経期の逆効果の治療に効果的に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】包皮繊維芽細胞からAIMP1により誘導されるコラーゲン合成を濃度別に調査したRT-PCR(上の部分)及びウェスタンブロット(下の部分)の分析結果である。 GADPH:RT-PCR分析の為の対照群 チューブリン:ウェスタンブロット分析の為の対照群
【図2】包皮繊維芽細胞からAIMP1により誘導されるコラーゲン合成を濃度別に調査したRT-PCR(上の部分)及びウェスタンブロット(下の部分)の分析結果である。
【図3】野生型マウス(WT)及び/又はAIMP1が欠如された同形接合性マウス(Ho)の再上皮化部位(re-epithelialization regions)からAIMP1処理に伴うコラーゲンの量を抗-コラーゲン抗体を利用した免疫蛍光染色法で比較した結果である。
【図4】包皮繊維芽細胞及びU2OS細胞からAIMP1により誘導されるKGFの発現を調査したRT-PCR分析結果である。 サイクリンD及びGADPH:対照群
【図5】AIMP1の断片(N−末端及びC−末端)によりコラーゲン及びKGFが誘導されるか否かを時間別に調査したRT-PCR分析結果である。 GADPH:対照群
【図6】包皮繊維芽細胞からAIMP1及びこれのN−末端断片である配列番号2(1-147)、配列番号12(6-46)、配列番号13(1-46)、配列番号14(1-53)で表示されるペプチドとAIMP1のC−末端断片(193-312;配列番号15)により誘導されたコラーゲン及びKGFの発現を調査したRT-PCR分析結果である。 GADPH:対照群
【図7】包皮繊維芽細胞からAIMP1及びAIMP1のN−末端断片(1-147;配列番号2及び6-46;配列番号12)より誘導されたコラーゲン合成を調査したウェスタンブロットの分析結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つの有効量をこれらが必要とする個体に投与することを含む、試験管内(in vitro)又は生体内(in vivo)でコラーゲン合成及び/又はKGF(keratinocyte growth factor)発現を促進する方法。
【請求項2】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つの有効量をこれらが必要とする個体に投与することを含む、皮膚老化を治療する方法。
【請求項3】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つの有効量をこれらが必要とする個体に投与することを含む、弛んだ(flaccid)及び/又は皺のよった皮膚を治療する方法。
【請求項4】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つの有効量をこれらが必要とする個体に投与することを含む、皮膚の柔軟(smoothing)及び/又は弾力(firming)を増進させる方法。
【請求項5】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つの有効量をこれらが必要とする個体に投与することを含む、閉経期(menopause)の逆皮膚効果(adverse cutaneous effects)を治療する方法。
【請求項6】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つの有効量をこれらが必要とする個体に投与することを含む、コラーゲンによる閉経期の逆皮膚効果を治療する方法。
【請求項7】
前記(b)段階のポリペプチドは配列番号24、配列番号25及び配列番号26からなる群より選ばれることを特徴とする、第1項乃至第6項の内いずれか1項に記載された方法。
【請求項8】
前記(c)断片は配列番号12で表示されるアミノ酸配列を含み、少なくとも192個のアミノ酸からなるペプチドであることを特徴とする、第1項乃至第6項の内いずれか1項に記載された方法。
【請求項9】
前記(c)断片は配列番号2、配列番号12、配列番号13、配列番号14及び配列番号27乃至配列番号34の中で選ばれたアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする、第8項記載の方法。
【請求項10】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つを有効成分として含む、コラーゲン合成及び/又はKGF発現促進用組成物。
【請求項11】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つを有効成分として含む、皮膚老化防止用化粧料組成物。
【請求項12】
前記(b)段階のポリペプチドは配列番号24、配列番号25及び配列番号26からなる群より選ばれることを特徴とする第10項又は第11項に記載された組成物。
【請求項13】
前記(c)断片は配列番号12で表示されるアミノ酸配列を含み、少なくとも192個のアミノ酸からなるペプチドであることを特徴とする第10項又は第11項に記載された組成物。
【請求項14】
前記(c)断片は配列番号2、配列番号12、配列番号13、配列番号14及び配列番号27乃至配列番号34の中で選ばれるアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする第13項記載の組成物。
【請求項15】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つを有効成分として含む、コラーゲン合成及び/又はKGF発現促進用組成物を製造する為の用途。
【請求項16】
(a)配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)前記(a)ポリペプチドと少なくとも70%以上のアミノ酸配列相同性を有する分離されたポリペプチド;及び
(c)前記(a)又は(b)ポリペプチドの断片からなる群より選ばれるいずれか1つを有効成分として含む、皮膚老化防止用化粧料組成物を製造する為の用途。
【請求項17】
前記(b)段階のポリペプチドは配列番号24、配列番号25及び配列番号26からなる群より選ばれることを特徴とする第15項又は第16項に記載の用途。
【請求項18】
前記(c)断片は配列番号12で表示されるアミノ酸配列を含み、少なくとも192個のアミノ酸からなるペプチドであることを特徴とする第15項又は第16項に記載の用途。
【請求項19】
前記(c)断片は配列番号2、配列番号12、配列番号13、配列番号14及び配列番号27乃至配列番号34の中で選ばれたアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする第18項記載の用途。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−528577(P2008−528577A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553030(P2007−553030)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/KR2006/000275
【国際公開番号】WO2006/083087
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507256429)イマジェネ カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】