説明

コンセント

【課題】プラグの端子をコンセントの対応する差込口に差込みしない限りプラグ端子が接片に接触しないコンセントを提供する。
【解決手段】コンセントは、コンセント本体2と、プラグの端子が挿脱可能な挿入孔を有するプラグ受け3とを備えている。コンセント本体2は、プラグ受け3を収容するプラグ受け収容部6と、プラグ端子を収容するプラグ端子収容部7とを有している。プラグ端子収容部7には、プラグ端子が挿入孔を貫通して接触可能なプラグ端子接触部15が配置され、プラグ受け3は、コンセント本体2に出没可能に設けられ、プラグ端子の挿入孔への差込み後にプラグ受け収容部6に没入可能である。これにより、プラグ端子は、プラグ受け3のプラグ受け収容部6への没入により、プラグ端子接触部15に接触できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセント本体と、プラグの端子が挿脱可能な挿入孔を有するプラグ受けとを備えたコンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、2端子(一対の電源端子)の電源プラグが差込可能な2極コンセントの2差込口に、ピンセット、クリップなどプラグ以外のものが差込まれることによるショートの発生を防止することができるコンセントが開発されている。かかるコンセントは、電源プラグをコンセントのプラグ差込口に差込みしただけでは、電気的に導通しないような構造であり、これにより、ショートの発生を未然に防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−241809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の接地端子用差込口付の3極コンセントである接地極付コンセントの構造では、電源プラグの3端子(一対の電源端子と接地端子)を、コンセントの間違った差込口に差込むおそれがあった。例えば、電源プラグの接地端子をコンセントの電源端子用差込口に誤って差込むおそれがあった。その場合、電源の電圧が電源プラグの接地端子に印加され、電源ケーブルのアース線を介して電気機器の接地部に印加されることにより、電気機器の故障を招く。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のコンセントは、コンセント本体と、プラグの端子が挿脱可能な挿入孔を有するプラグ受けとを備えている。
【0006】
前記コンセント本体は、前記プラグ受けを収容するプラグ受け収容部と、プラグ端子を収容するプラグ端子収容部とを有し、前記プラグ端子収容部には、前記プラグ端子が前記挿入孔を貫通して接触可能なプラグ端子接触部が配置され、前記プラグ受けは、前記コンセント本体に出没可能に設けられ、前記プラグ端子の前記挿入孔への差込み後に前記プラグ受け収容部に没入可能であり、前記プラグ端子は、前記プラグ受けの前記プラグ受け収容部への没入により、前記プラグ端子接触部に接触することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プラグの各端子をプラグ受けの対応する各挿入孔に差込みした後、コンセント本体に出没可能に設けられたプラグ受けをコンセント本体に形成したプラグ受け収容部に没入できるようにしたので、各プラグ端子を間違った挿入孔に差込みしたとき、プラグ受けはプラグ受け収容部に没入することができない。これにより、プラグ端子が間違ったプラグ端子接触部に接触することは、回避される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の実施例1におけるコンセントの概略を示す外観図である。
【図2】図2は図1のA―A線に沿った縦断面図である。
【図3】図3は図1のコンセントの平面図である。
【図4】図4は図1の接続途中時のコンセントの縦断面図である。
【図5】図5は図1の接続完了時のコンセントの縦断面図である。
【図6】図6は本発明の実施例2の接続前におけるコンセントの縦断面図である。
【図7】図7は図6のコンセントの平面図である。
【図8】図8は実施例2の接続途中時のコンセントの縦断面図である。
【図9】図9は実施例2の接続完了時のコンセントの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面は、専ら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1におけるコンセントの概略を示す外観図である。図2は、図1のコンセント1におけるA―A線に沿った縦断面図である。更に、図3は、図1のコンセント1の平面図である。
【0011】
本実施例1のコンセント1は、3端子101(=一対の電源端子101aと接地端子101b)の所謂接地形電源プラグ100を差込むことができる接地極付コンセントである。コンセント1は、コンセント本体2とプラグ受け3とから構成されている。なお、本実施例1では、接地形電源プラグ100として、接地端子101bが電源端子101aよりも若干長尺に形成されている一般的な差込みプラグを使用する。
【0012】
プラグ受け3は、プラグ100の各端子101の長さよりも厚みが薄い円柱状に形成されたプラグ受け本体4からなる。プラグ受け本体4は、コンセント本体2に出没可能に設けられ、その中央部に形成された断面矩形の3つの挿入孔40(=一対の40a,40b)と、各端子101が差込みされたことを検知する3つのプラグ端子検知機構5(=5a,5b)とを有している。各挿入孔40は、プラグ100の各プラグ端子101が挿脱可能に形成されており、プラグ受け本体4の上面に、一対の電源端子101aが差込可能な一対の電源端子用差込口41aと接地端子101bが差込可能な接地端子用差込口41bとを有している。
【0013】
各プラグ端子検知機構5は、プラグ端子検知部材51と、プラグ端子検知部材51の中間部510に設けたプラグ端子検知部材回転軸52と、プラグ端子検知部材回転軸52の下部に対応する位置に設けたばね部材53と、ばね部材収容部54と、プラグ端子検知部材収容部55とから構成されている。
【0014】
プラグ端子検知部材51は、コ字形に形成されており、各プラグ端子101が対応する各挿入孔40に差込みされたことを検知するものである。プラグ端子検知部材回転軸52は、プラグ端子検知部材51をプラグ受け本体4において回転可能に支持する役目を有し、プラグ端子検知部材51が動作する際の軸となるものである。ばね部材収容部54は、ばね部材53を収容可能な空所であり、プラグ受け本体4の外周面近傍の内部に形成された空間である。ばね部材53は、例えば、コイルばねからなり、一端がプラグ端子検知部材51に、他端がばね部材収容部54の底部540にそれぞれ固定されており、プラグ端子検知部材51の下部512を押圧している。プラグ端子検知部材収容部55は、プラグ端子検知部材51が動作可能な空所であり、プラグ受け本体4の外周面に形成された凹部である。
【0015】
コンセント本体2は、ケース21と、コンセント本体2に没入したプラグ受け3を収容するプラグ受け収容部6と、プラグ端子収容部7と、プラグ受け初期固定部8と、プラグ受け差込固定部9とを有している。
【0016】
プラグ受け収容部6は、プラグ受け本体4の直径より若干大きな直径を有している。プラグ受け収容部6は、プラグ100の各プラグ端子101をプラグ受け3の対応する各差込口41(=41a,41b)に差込みした後、各プラグ端子101を差込みした状態でプラグ受け本体4の上面を押圧することにより、没入したプラグ受け3をコンセント本体2内に収容できるように構成されている。
【0017】
プラグ端子収容部7には、各プラグ端子101を対応する各挿入孔40に差込んで挿入した後、プラグ受け本体4の下面から突出した各プラグ端子101の各先端部102(=102a,102b)が接触可能な位置に、プラグ端子接触部として、3つの接片10(=一対の電源端子用接片10aと接地端子用接片10b)が取付けられている。各接片10は、板状の導電性弾性材料を折り曲げて形成されており、その中の一対の電源端子用接片10aが図示しない電源線と接続されている。
【0018】
プラグ受け初期固定部8は、プラグ受け収容部6の周面61に形成された凹部である。プラグ受け初期固定部8は、プラグ100の差込み前にコ字形のプラグ端子検知部材51の横方向に延出した上端部511がこの凹部に係合することにより、プラグ受け本体4をプラグ差込み前の状態である初期位置に保持している。
【0019】
プラグ受け差込固定部9は、プラグ受け固定部材91とばね部材92とばね部材収容部93とから構成されている。ばね部材92は、例えば、コイルばねからなり、一端がプラグ受け固定部材91に、他端がばね部材収容部93の底部930に固定されている。プラグ受け固定部材91は、断面三角形に形成された傾斜面910を有し、外力が加わるとそれをばね部材92に伝えるものである。ばね部材収容部93は、ばね部材92を収容可能な凹部であり、プラグ受け収容部6の周面61に形成されている。
【0020】
プラグ端子収容部7には、更に、3つのプラグ受け浮上ばね部材31がプラグ端子収容部7の周囲に等間隔で配置されている。又、プラグ受け浮上ばね部材31は、例えば、コイルばねからなり、一端がプラグ端子収容部7の底面71に垂直に固定され、他端がプラグ受け本体4の下面45に取り付けられている。
【0021】
(実施例1の動作)
図4は、各プラグ端子101が対応する図示しない電源線やアース線に接続途中時の図1のコンセント1を示す縦断面図である。更に、図5は、接続完了時の図1のコンセント1を示す縦断面図である。
【0022】
プラグ100の各プラグ端子101がプラグ受け3の対応する各差込口41に差込みされる前は、図2に示すように、プラグ端子検知部材51の上端部511は、プラグ受け初期固定部である凹部8に係合している。そのため、プラグ受け3は、上から押圧してもコンセント本体2の方向に下降しない。
【0023】
先ず、プラグ100の各プラグ端子101は、プラグ受け3の対応する各差込口41に差込みされ、各挿入孔40に挿入されると、図4に示すように、プラグ端子検知部材51に接触する。これにより、各プラグ端子101は、プラグ端子検知部材51の下部512をばね部材53の付勢力に抗して矢印方向Aに押圧する。これにより、プラグ端子検知部材51は、プラグ端子検知部材回転軸52を中心として反時計方向Bに回転し、プラグ端子検知部材51の上端部511がプラグ受け初期固定部である凹部8への係合を解かれ、凹部8から外れる。
【0024】
この動作中では、各プラグ端子101は、電源線及びアース線と接続されている各接片10には接触していない状態である。従って、接続途中の状態では、電源から供給される電力は、電源ケーブルへは供給されていない。
【0025】
次に、各プラグ端子101が上記接続途中の状態のプラグ受け本体4をその上面から押圧することにより、プラグ受け3を下降させていくと、プラグ端子検知部材51は、その下部512がプラグ受け差込固定部9のプラグ受け固定部材91の傾斜面910に押し当る。これにより、プラグ受け固定部材91は、ばね部材92と共にばね部材収容部93の底部930の方向に移動する。そのため、プラグ端子検知部材51の下部512は、プラグ受け固定部材91を越えてその下方に移動可能となる。同時に、プラグ受け3は、プラグ受け収容部6の下端60まで下降可能となる。
【0026】
図5に示すように、プラグ受け3がコンセント本体2に没入してプラグ受け収容部6に収容されると、各挿入孔40を貫通しプラグ受け本体4の下面45から突出した各プラグ端子101は、プラグ端子収容部7に収容される。この動作中では、各プラグ端子101は、プラグ端子収容部7内に配置した図示しない電源線及びアース線と接続されている各接片10に接触する。
【0027】
本実施例1の上記動作により、電源から供給される電力は、プラグ100の電源端子101aと接片10aとを介して電源ケーブルの電源線へ供給される。
【0028】
又、プラグ受け3がプラグ受け収容部6の下端60まで下降して没入すると、プラグ受け差込固定部9のプラグ受け固定部材91は、ばね部材92の復帰力により矢印方向Cに押圧され、元の位置まで移動する。これにより、プラグ受け固定部材91は、コ字形のプラグ端子検知部材51の横方向に延出した下部512に係止し、プラグ受け3を固定する。
【0029】
プラグ100の各プラグ端子101は、プラグ受け3の対応する各差込口41から引き抜かれることにより、各接片10との接続が解かれる。そのため、電源ケーブルへの電力の供給は止まる。即ち、各プラグ端子101が各差込口41から引き抜かれると、プラグ端子検知部材51は、ばね部材53の復帰力によりプラグ端子検知部材回転軸52を中心として時計方向Dに回転する。これにより、プラグ端子検知部材51の下部512がプラグ受け固定部材91との係止を解かれ、プラグ受け3は、プラグ受け浮上ばね部材31の付勢力により上昇する。
【0030】
プラグ端子検知部材51は、プラグ受け3の上昇に伴い、上端部511がプラグ受け初期固定部である凹部8の位置の高さまで上昇すると、ばね部材53の下部512への横方向の付勢力により、プラグ端子検知部材回転軸52を中心として時計方向Dに回転する。これにより、プラグ端子検知部材51の上端部511がプラグ受け初期固定部である凹部8に係合し、プラグ受け3は、初期位置に固定される。プラグ受け3は、再度プラグ100の各端子101を対応する各差込口41に差込みしない限り、プラグ受け収容部6に向かって下降できない。
【0031】
(実施例1の変形例)
本実施例1では、コンセント1は3差込口41を有する3極コンセントである。しかし、コンセント1は2差込口を有する2極コンセントであってもよく、それに応じて構造を適宜変更すればよい。又、図1及び図4の構造は、他の構造に変形してもよい。
【0032】
(実施例1の効果)
本実施例1のコンセント1によれば、プラグ100の3端子101がプラグ受け41の対応する各差込口に確実に差込みされていなければ電源ケーブルに電力が供給されない構造にしたので、各プラグ端子101のコンセント1への誤った差込みによる電気機器の故障を未然に防止できる。
【0033】
(実施例1の比較例)
従来例のコンセントにおいては、電源プラグをコンセントのプラグ差込口に差込みした後、プラグ受けをコンセント本体内で回転させることにより、一対の電源端子が一対の接片に接触可能となり、これにより、電気的に導通するようにした構造の2極コンセントであり、3極コンセントには採用することができない。しかし、本実施例1では、プラグ受け3をコンセント本体2に向かって下降させることにより、一対の電源端子101aが一対の接片10aに接触可能となるようにしたので、3極コンセントにも採用することができる。
【実施例2】
【0034】
(実施例2の構成)
図6は、本発明の実施例2の接続前における図1のコンセント1のA―A線に沿った縦断面図である。更に、図7は、図6のコンセント1の平面図である。
【0035】
本実施例2におけるコンセント1は、図1に示す実施例1と同様の外観を有している。このコンセント1は、コンセント本体2とプラグ受け3とから構成されている。コンセント本体2とプラグ受け3の構造は実施例1と同一なので、説明を省略する。
【0036】
本実施例2におけるプラグ端子接触部15は、円盤状に形成された板151と、円盤状板151を中央で左右両側に揺動可能に支持する支持棒152と、各プラグ端子101に接触可能な各接片153(=153a,153b)と、ばね部材154とから構成されている。
【0037】
円盤状板151は、各プラグ端子101が接する部分に、各孔155(=155a,155b)を有している。各プラグ端子101に接触可能な各接片153は、各孔155の中で固定されている。支持棒152は、両端部152’がケース21に回転可能に取り付けられている。各接片153は、板状の導電性弾性材料を折り曲げて形成されており、その中の一対の電源端子用接片153aが図示しない電源線と接続されている。
【0038】
ばね部材154は、例えば、コイルばねであり、一端がプラグ端子収容部7の底面71に垂直に固定され、他端が円盤状板151の接地端子用接片153bが取り付けられている側の外周部下面1510に接続されている。これにより、円盤状板151は、接地端子用接片153bが取り付けられている側がばね部材154の付勢力により持上げられ、支持棒152を挟み電源端子用接片153aが取り付けられている側に向かって傾斜して保持される。
【0039】
(実施例2の動作)
図8は、各プラグ端子101が対応する図示しない電源線やアース線に接続途中時の本実施例2のコンセント1を示す縦断面図である。更に、図9は、接続完了時の本実施例2のコンセント1を示す縦断面図である。
【0040】
プラグ100の各プラグ端子101がプラグ受け3の対応する各差込口41に差込みされる前は、図6に示すように、プラグ端子検知部材51の上端部511は、プラグ受け初期固定部である凹部8に係合している。そのため、プラグ受け3は、上から押圧してもコンセント本体2に向かって下降しない。
【0041】
先ず、プラグ100の各プラグ端子101は、プラグ受け3の対応する各差込口41に差込みされ、各挿入孔40に挿入されると、図8に示すように、プラグ端子検知部材51に接触する。これにより、各プラグ端子101は、プラグ端子検知部材51の下部512をばね部材23の付勢力に抗して矢印方向Aに押圧する。これにより、プラグ端子検知部材51は、プラグ端子検知部材回転軸52を中心として反時計方向Bに回転する。これにより、プラグ端子検知部材51の上端部511がプラグ受け初期固定部である凹部8への係合を解かれ、凹部8から外れる。
【0042】
この動作中では、各プラグ端子101は、電源線及びアース線と接続されている各接片153には接触していない状態である。従って、接続途中の状態では、電源から供給される電力は、電源ケーブルへは供給されていない。
【0043】
次に、各プラグ端子101が上記接続途中の状態のプラグ受け本体4をその上面から押圧することにより、プラグ受け3を下降させていくと、プラグ端子検知部材51は、その下部512がプラグ受け差込固定部9のプラグ受け固定端子部材91の傾斜面910に押し当る。これにより、プラグ受け固定部材91は、ばね部材92と共にばね部材収容部93の底部930の方向に移動する。そのため、プラグ端子検知部材51の下部512は、プラグ受け固定部材91を越えてその下方に移動可能となる。同時に、プラグ受け3は、プラグ受け収容部6の下端60まで下降可能となる。
【0044】
図9に示すように、プラグ受け3がコンセント本体2に没入してプラグ受け収容部6に収容されると、各挿入孔40を貫通しプラグ受け本体4の下面45から突出した各プラグ端子101は、プラグ端子収容部7に収容される。この動作中では、各プラグ端子101は、プラグ端子収容部7内に配置したプラグ端子接触部15の円盤状板151に接触する。一般的な差込みプラグの場合、図6に示すように、接地端子101bが電源を供給する一対の電源端子101aよりも若干長尺に形成されている。そのため、プラグ受け3を下降させていくと、最初にプラグの接地端子101bが円盤状板151の片側に設けられた接地端子用接片153bに接触する。
【0045】
更に、プラグ受け3を下降させると、接地端子用接片153bが接地端子101bにより押圧される。これにより、円盤状板151は、支持棒152を軸として時計方向Dに回転し、電源端子用接片153aが取り付けられている側が上方に揺動する。そのため、一対の電源端子101aは、図示しない電源線と接続されている電源端子用接片153aに接触する。
【0046】
本実施例2の上記動作により、電源から供給される電力は、プラグ100の電源端子101aと電源端子用接片153aとを介して電源ケーブルの電源線へ供給される。
【0047】
又、プラグ受け3がプラグ受け収容部6の下端60まで下降して没入すると、プラグ受け差込固定部9のプラグ受け固定部材91は、ばね部材92の復帰力により矢印方向Cに押圧され、元の位置まで移動する。これにより、プラグ受け固定部材91は、コ字形のプラグ端子検知部材51の横方向に延出した下部512に係止し、プラグ受け3を固定する。
【0048】
プラグ100の各プラグ端子101は、プラグ受け3の対応する各差込口41から引き抜かれることにより、各接片153との接続が解かれる。これにより、電源ケーブルへの電力の供給は止まる。即ち、各プラグ端子101が各差込口41から引き抜かれると、プラグ端子検知部材51は、ばね部材53の復帰力によりプラグ端子検知部材回転軸52を中心として時計方向Dに回転する。そのため、プラグ端子検知部材51の下部512がプラグ受け固定部材91との係止を解かれ、プラグ受け3は、プラグ受け浮上バネ部材31の付勢力により上昇する。
【0049】
プラグ端子検知部材51は、プラグ受け3の上昇に伴い、上端部511がプラグ受け初期固定部である凹部8の位置の高さまで上昇すると、ばね部材53の下部512への付勢力により、プラグ端子検知部材回転軸52を中心として時計方向Dに回転する。これにより、プラグ端子検知部材51の上端部511がプラグ受け初期固定部である凹部8に係合し、プラグ受け3は、初期位置に固定される。プラグ受け3は、再度プラグ100の各端子101を対応する各差込口41に差込みしない限り、プラグ受け収容部6の方向に下降できない。
【0050】
(実施例2の変形例)
本実施例2のコンセント1は、図1及び図6以外の構造に変形してもよい。
【0051】
(実施例2の効果)
本実施例2のコンセント1によれば、プラグ100の3端子101がプラグ受け3の対応する各差込口41に確実に差込みされると共に、プラグ差込みのとき、最初に接地端子101bが接地端子用接片153bに接触する構造とし、プラグ引き抜きのとき、最後に接地端子が非接触となる構造にしたので、各プラグ端子101のコンセント1への誤った差込みによる電気機器の故障を未然に防止できる。
【符号の説明】
【0052】
1 コンセント
2 コンセント本体
3 プラグ受け
4 プラグ受け本体
5 プラグ端子検知機構
6 プラグ受け収容部
7 プラグ端子収容部
8 プラグ受け初期固定部
9 プラグ受け差込固定部
10 接片
15 プラグ端子接触部
40 挿入孔
41 差込口
51 プラグ端子検知部材
52 プラグ端子検知部材回転軸
53 ばね部材
54 ばね部材収容部
55 プラグ端子検知部材収容部
91 プラグ受け固定部材
92 ばね部材
93 ばね部材収容部
101 プラグ端子
151 円盤状板
152 支持棒
153 接片
154 ばね部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンセント本体と、プラグの端子が挿脱可能な挿入孔を有するプラグ受けとを備え、
前記コンセント本体は、前記プラグ受けを収容するプラグ受け収容部と、前記プラグ端子を収容するプラグ端子収容部とを有し、
前記プラグ端子収容部には、前記プラグ端子が前記挿入孔を貫通して接触可能なプラグ端子接触部が配置され、
前記プラグ受けは、前記コンセント本体に出没可能に設けられ、前記プラグ端子の前記挿入孔への差込み後に前記プラグ受け収容部に没入可能であり、
前記プラグ端子は、前記プラグ受けの前記プラグ受け収容部への没入により、前記プラグ端子接触部に接触することを特徴とするコンセント。
【請求項2】
請求項1記載のコンセントは、2極コンセント又は3極コンセントであることを特徴とするコンセント。
【請求項3】
前記プラグ受けは、更に、プラグ端子検知機構を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のコンセント。
【請求項4】
前記プラグ端子検知機構は、プラグ端子検知部材と、プラグ端子検知部材回転軸と、ばね部材と、ばね部材収容部と、プラグ端子検知部材とを有し、
前記コンセント本体は、更に、プラグ受け初期固定部を有することを特徴とする請求項3記載のコンセント。
【請求項5】
前記プラグ受け初期固定部は、前記プラグ受け収容部の周面の前記コンセント本体に形成された凹部であることを特徴とする請求項4記載のコンセント。
【請求項6】
前記コンセント本体は、更に、プラグ受け差込固定部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンセント。
【請求項7】
前記プラグ受け差込固定部は、プラグ受け固定部材と、ばね部材と、ばね部材収容部とを有することを特徴とする請求項6記載のコンセント。
【請求項8】
前記挿入孔は、一対の電源端子が差込可能な一対の電源端子用差込口と、接地端子が差込可能な接地端子用差込口とを有し、
前記プラグ端子接触部は、前記一対の電源端子と接触可能な一対の電源端子用接片と、前記接地端子と接触可能な接地端子用接片とを有し、
前記一対の電源端子と前記接地端子とを前記一対の電源端子用差込口と前記接地端子用差込口とに差込みした後、前記プラグ受けを前記プラグ受け収容部に没入させることにより、前記一対の電源端子と前記接地端子とは、前記挿入孔を貫通して前記一対の電源端子用接片と前記接地端子用接片とに接触することを特徴とする請求項1、3〜7のいずれか1項に記載のコンセント。
【請求項9】
前記プラグ端子接触部は、更に、円盤状板と、前記円盤状板を中央で支持する支持棒と、前記円盤状板の片側を持上げるばね部材とを有し、
前記支持棒は、前記円盤状板を左右両側に揺動可能に前記円盤状板の中央部で支持し、
前記円盤状板は、一側に前記一対の電源端子用接片を有し,他側に前記接地端子用接片と前記ばね部材とを有することを特徴とする請求項8記載のコンセント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−251198(P2010−251198A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101162(P2009−101162)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】