説明

コンテンツ処理装置および割込み制御プログラム

【課題】不用意な割込み処理を事前に防止し、コンテンツ処理を安定した状態で実行可能とする。
【解決手段】CPU13は、再生すべきコンテンツのビットレートが所定ビットレート以上である場合、「通信オフモード対象」のメッセージを表示部7に表示し、コンテンツの再生開始が指示されると、現在の通信モードを一時退避させ、通信オフモードを選択し、着信割込みを禁止する。その後、コンテンツのデコード処理を開始し、コンテンツの再生を開始する。コンテンツの再生中に、一時停止指示または終了指示があると、コンテンツの再生を一時停止、または再生を終了した後、退避した通信モードに復帰し、着信割込みを有効とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ処理装置および割込み制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽再生や、動画再生、録画などの機能を備えた携帯電話が普及しつつある。該携帯電話では、音楽再生中に着信があった場合、その再生を停止して着信報知を行うようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。該従来技術では、着信が検出された時点での、再生経過時間や未再生時間などに応じて着信に対する処理(着信優先、再生優先)を変更するものであるが、その変更は、再生対象となるコンテンツの状況(種類や、再生時間、属性など)によらず、単純にそれまでの再生経過時間や、残り再生時間に応じた制御を行っている。
【特許文献1】特開2002−271452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、再生対象のコンテンツには、着信割込みによって再生が停止(または一時停止)しても、さほど気にならないコンテンツ(例えば、ポップスや、歌謡曲など)もあれば、着信割込みによって停止していた場合、不快感を与えてしまうようなコンテンツ(例えば、クラシック音楽など)など、コンテンツ内容(ジャンル種)に応じて、再生中に着信割込みを行いたくないものもある。また、再生時間が長時間であるか短時間であるかが分かっているような場合、長時間再生の場合には、じっくりと聞きたいので、できれば着信割込みを行ってほしくないコンテンツもある。
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、再生対象のコンテンツ内容(ジャンル種)や、再生時間などに関係なく、音楽データの再生中に着信が検出された場合、着信時における、それまでの再生経過時間、または残り再生時間に応じて着信に対する処理を制御しているため、コンテンツ内容や、再生時間によっては、再生中に着信が検出された場合、ユーザに不快感を与えてしまうという問題がある。
【0005】
また、再生対象が音楽コンテンツではなく、動画コンテンツの場合も考えられるが、各種コンテンツは、画質の応じたビットレートで圧縮されている。再生時には、デコードを行いながら再生するので、コンテンツのビットレートが低い場合には、特に問題ないが、高ビットレートのコンテンツの場合には、その再生処理にかなりの負荷がかかる。このような高負荷の処理中に着信割込みなどがあると、再生のコマ落ちや、ノイズの原因になってしまうという問題がある。
【0006】
このような高負荷の処理中に着信割込みを禁止するためには、ユーザがマニュアル設定で、電波受信しない設定(電波オフ)などを行う必要がある。しかしながら、一般のユーザにあっては、そのコンテンツが高ビットレートであるのか否かを意識していないため、このようなマニュアル設定を行うことすら気づかない。このことは、コンテンツ再生に限らず、デジタル放送を受信して、その番組を記録する場合に、その記録する際にビットレートを高くした場合(高画質)での、着信割込みについても同様の問題が生じる。
【0007】
そこで本発明は、不用意な割込み処理を事前に防止することができ、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができるコンテンツ処理装置および割込み制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、請求項1、15記載の発明は、所定のコンテンツ処理が行われるコンテンツの記録状態を判別し、前記所定のコンテンツ処理の開始に先立って、記録状態の判別結果に基づいて、当該装置における割込み処理を禁止することを特徴とする。
【0009】
また、好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、請求項1記載のコンテンツ処理装置において、前記コンテンツ処理手段は、放送で配信されてくる番組の内容を記録する記録手段であってもよい。
【0010】
また、好ましい態様として、例えば請求項3記載のように、請求項1記載のコンテンツ処理装置において、前記コンテンツ処理手段は、当該コンテンツ処理装置、あるいは当該コンテンツ処理装置に接続された記録メディアに記録されたコンテンツを再生出力する再生手段であってもよい。
【0011】
また、好ましい態様として、例えば請求項4記載のように、請求項1記載のコンテンツ処理装置において、前記記録状態判別手段は、前記コンテンツのビットレートを判別し、所定ビットレート以上であるか否かを判別し、前記割込み禁止手段は、前記記録状態判別手段により、前記コンテンツのビットレートが所定ビットレート以上であると判別された場合、当該装置における割込み処理を禁止するようにしてもよい。
【0012】
また、好ましい態様として、例えば請求項5記載のように、請求項1記載のコンテンツ処理装置において、他の装置と通信を行う際に、他の装置からの着信による着信割込みを発生する通信手段を具備し、前記割込み禁止手段は、前記通信手段による着信割込みを禁止するようにしてもよい。
【0013】
また、好ましい態様として、例えば請求項6記載のように、請求項1記載のコンテンツ処理装置において、キー操作に応じてキー入力割込みを発生するキー入力手段を具備し、前記割込み禁止手段は、前記キー入力手段によるキー入力割込みを禁止するようにしてもよい。
【0014】
また、好ましい態様として、例えば請求項7記載のように、請求項1記載のコンテンツ処理装置において、前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の終了後、前記割込み禁止手段により割込み処理が禁止されている場合、該割込み処理の禁止を解除する割込み禁止解除手段を具備するようにしてもよい。
【0015】
また、上記目的達成のため、請求項8、16記載の発明は、所定のコンテンツ処理が行われるコンテンツの記録内容を判別し、コンテンツ処理の開始に先立って、記録内容の判別結果に基づいて、他の装置と通信を行う通信機能による着信割込みを禁止する。
【0016】
また、好ましい態様として、例えば請求項9記載のように、請求項8記載のコンテンツ処理装置において、前記記録内容判別手段は、前記コンテンツを処理した際の全体時間長が所定時間長以上であるか否かを判別し、前記割込み禁止手段は、前記記録内容判別手段により前記全体時間長が所定時間長以上であると判別された場合に、前記通信手段による着信割込みを禁止するようにしてもよい。
【0017】
また、好ましい態様として、例えば請求項10記載のように、請求項8記載のコンテンツ処理装置において、前記記録内容判別手段は、前記コンテンツのジャンル種別が所定のジャンル種別であるか否かを判別し、前記割込み禁止手段は、前記記録内容判別手段により前記ジャンル種別が所定のジャンル種別であると判別された場合に、前記通信手段による着信割込みを禁止するようにしてもよい。
【0018】
また、好ましい態様として、例えば請求項11記載のように、請求項8記載のコンテンツ処理装置において、前記割込み禁止手段は、着信割込みの禁止として、前記通信手段による通信動作を停止して着信処理を行わせなくするか、あるいは前記通信手段により着信が検出された際の着信報知を停止して留守録動作を行うようにしてもよい。
【0019】
また、好ましい態様として、例えば請求項12記載のように、請求項8記載のコンテンツ処理装置において、前記割込み禁止手段は、前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の実行開始時、または一時停止状態にあるコンテンツ処理の実行再開時に、前記通信手段による着信割込みを禁止するようにしてもよい。
【0020】
また、好ましい態様として、例えば請求項13記載のように、請求項8記載のコンテンツ処理装置において、前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理が停止しているときに、前記割込み禁止手段により割込み処理が禁止されている場合、前記通信手段による着信割込みの禁止を解除する割込み禁止解除手段を具備するようにしてもよい。
【0021】
また、好ましい態様として、例えば請求項14記載のように、請求項13記載のコンテンツ処理装置において、前記割込み禁止解除手段は、前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理が終了したとき、あるいは前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理が一時停止されたときに、前記通信手段による着信割込みの禁止を解除するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、所定のコンテンツ処理が行われるコンテンツの記録内容を判別し、コンテンツ処理の開始に先立って、記録内容の判別結果に基づいて、他の装置と通信を行う通信機能による着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツ処理中の不用意な割込み処理を事前に防止することができ、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
A.第1実施形態の構成
図1は、本発明の第1実施形態による携帯電話の構成を示すブロック図である。図において、通信部1は、図示しない無線基地局を介して、発着信を制御して通話やデータ通信などを行う。テレビ受信部2は、アンテナによって受信された放送信号(ワンセグ)から、所望のチャンネルに対応したテレビ信号を受信するとともに、ラジオ放送を受信する。カメラ撮影部3は、光学系(レンズ等)を介してCCDなどの撮像素子に結像した映像を取り込む。キー操作部4は、電話番号その他の情報を入力する入力部であり、携帯電話100の電源をON/OFFするとき、各種アプリケーションを起動するとき、カメラ撮影部3による撮影を指示するときなど、ユーザが携帯電話に入力を与える際に使用する。
【0025】
GPS部5は、複数の人工衛星からの電波を受信し、その受信時間差に従って、自身の現在位置(緯度、経度など)を取得する。表示部7は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)等で構成され、例えば、電源状態、電波強度、電池残量、サーバ接続状態もしくは未読メール等の動作状態、入力した電話番号、メール宛先、メール送信文書等や、動画および静止画、着信時の発呼者の電話番号、着信メール文書、接続されたインターネット画面等の受信データの表示、また、携帯電話100の機能を利用するために必要な画面を表示する。
【0026】
スピーカ8は、テレビ信号に含まれる音声データや、音楽データ、通話時における相手の音声などを出力する。マイク9は、通話時におけるユーザの音声を入力する。ROM10は、上記所定のプログラムや各種パラメータなどを記憶する。RAM11は、カメラ撮影部部3により撮影された撮影画像データや、通信部1によりネットワークを介してダウンロードされたり、パーソナルコンピュータなどから転送された音楽データや、動画データなど、テレビ受信部2により受信されたチャンネル番組を録画した録画データなどのコンテンツを記憶する。記録メディア12は、例えば、着脱可能なminiSDカードなどからなり、上記RAM11と同様に管理され、各種コンテンツが記憶されてもよく、RAM11と同等に取り扱うことが可能である。
【0027】
CPU13は、携帯電話100の各部の動作を所定のプログラムに従って制御する。特に、本実施形態では、CPU13は、再生するコンテンツの内容(種類)や、再生するコンテンツの再生時間、再生または録画するコンテンツのビットレート(再生の際は、そのコンテンツの記録済みビットレート、記録の際は、その記録モードで選択されているビットレート)などに応じて、その時点の通信モードを一時的に退避して、コンテンツの再生中における着信割込みや、キー操作によるキー入力割込みを禁止するようになっている。
【0028】
A−1.第1実施形態の動作
次に、上述した第1実施形態による携帯電話のコンテンツ再生時の動作について説明する。ここで、図2および図3は、本第1実施形態による携帯電話100のメイン動作を説明するためのフローチャートである。まず、ユーザに再生すべきコンテンツを選択させ(ステップS10)、選択されたコンテンツのビットレートを取得する(ステップS12)。次に、取得したビットレートが所定ビットレート以上であるか否かを判断する(ステップS14)。
【0029】
そして、選択されたコンテンツのビットレートが所定ビットレート以上でない場合には、コンテンツの再生開始が指示されると(ステップS16)、コンテンツのデコード処理を開始し(ステップS26)、コンテンツの再生を開始する(ステップS28)。その後、後述するステップS30以降へ進む。
【0030】
一方、選択されたコンテンツのビットレートが所定ビットレート以上であった場合には、「通信オフモード対象」のメッセージを表示部7に表示し(ステップS18)、コンテンツの再生開始が指示されると(ステップS20)、現在の通信モードを一時退避させ(ステップS22)、通信オフモードを選択し(ステップS24)、着信割込みを禁止する。次に、コンテンツのデコード処理を開始し(ステップS26)、コンテンツの再生を開始する(ステップS28)。その後、ステップS30以降へ進む。
【0031】
コンテンツの再生中は、コンテンツ再生の一時停止指示の有無の判断(ステップS30)、コンテンツ再生の終了指示の判断(ステップS32)、コンテンツの再生終了の有無の判断(ステップS34)を行う。そして、いずれの指示もない場合には、ステップS30〜S34を繰り返し行う。すなわち、コンテンツの再生を継続する。
【0032】
コンテンツの再生中に、一時停止指示があると、コンテンツの再生を一時停止し(ステップS36)、通信モードの一時退避があるか否かを判断する(ステップS38)。そして、通信モードが一時退避されている場合には、退避した通信モードに復帰して着信割込みを有効とする(ステップS40)。一方、通信モードが一時退避されていない場合には、通信モードを復帰することなく、次のステップに進む。
【0033】
次に、コンテンツ再生の再開指示の有無の判断(ステップS42)、コンテンツ再生の終了指示の判断(ステップS44)を行う。いずれの指示もない場合には、ステップS42、S44を繰り返す。一方、コンテンツ再生が再開指示された場合には、前述したステップS24に戻り、再び、現在の通信モードを一時退避した後、コンテンツの再生を再開する。
【0034】
また、一時停止後に終了指示があった場合には、コンテンツのデコード処理を終了し(ステップS46)、再生を終了する(ステップS48)。その後、通信モードの一時退避があるか否かを判断し(ステップS50)、通信モードが一時退避されている場合には、退避した通信モードを選択して着信割込みを有効とし(ステップS52)、退避内容をクリアし(ステップS54)、当該処理を終了する。一方、通信モードが一時退避されていない場合には、そのまま当該処理を終了する。
【0035】
また、コンテンツ再生中において、終了指示があった場合(ステップS32のYES)、または再生が終了した場合(ステップS34のYES)には、上述したステップS46に進み、同様に、コンテンツのデコード処理を終了し(ステップS46)、再生を終了する(ステップS48)。その後、通信モードが一時退避されている場合には、その通信モードを選択し(ステップS52)、退避内容をクリアし(ステップS54)、当該処理を終了する一方、通信モードが一時退避されていない場合には、そのまま当該処理を終了する。
【0036】
上述した第1実施形態では、再生するコンテンツのビットレートが所定ビットレート以上である場合、すなわち、高ビットレートのコンテンツの場合には、その時点の通信モードを一時的に退避して、コンテンツの再生中における着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツ処理が高負荷になった場合でも、その高負荷処理を不安定にする要因である割込み処理を自動的に排除することで、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができ、再生のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0037】
また、当該携帯電話のRAM11、あるいは当該携帯電話に着脱可能に装着された記録メディア12に記録されたコンテンツを再生可能することで、RAM11や記録メディア12に記録された音楽データや動画データなどを再生する際に、コマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
また、コンテンツのビットレートが所定ビットレート以上であるか否かを判別し、コンテンツのビットレートが所定ビットレート以上であると判別された場合、当該携帯電話における割込み処理を禁止するようにしたので、コンテンツ再生処理が高負荷になった場合でも、コンテンツ再生処理を安定した状態で実行することができ、再生時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0038】
また、他の装置からの着信による着信割込みを発生する通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツ再生処理を安定した状態で実行することができ、再生のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
また、コンテンツ再生処理の終了後、割込み処理が禁止されている場合、該割込み処理の禁止を解除するようにしたので、コンテンツ再生処理が終了した場合、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行させることができる。
【0039】
また、着信割込みの禁止として、通信部1による通信動作を停止して着信処理を行わせなくするか、あるいは通信部1により着信が検出された際の着信報知を停止して留守録動作を行うようにしたので、コンテンツ再生処理中に着信処理あるいは着信報知による着信割込みが発生しないので、コンテンツ再生処理を安定した状態で実行することができ、再生時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができるとともに、コンテンツ再生中であっても、相手のメッセージを残すことができる。
また、コンテンツ再生処理の実行開始時、または一時停止状態にあるコンテンツ再生処理の実行再開時に、通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができ、再生のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0040】
また、コンテンツの再生動作が停止しているときに、割込み処理が禁止されている場合、通信部1による着信割込みの禁止を解除するようにすれば、コンテンツの再生処理が終了した場合、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行することができる。
また、コンテンツ再生処理が終了したとき、あるいはコンテンツ再生処理が一時停止されたときに、通信部による着信割込みの禁止を解除するようにしたので、コンテンツ再生処理が終了したとき、あるいは一時停止しているとき、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行することができる。
【0041】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、携帯電話100の構成については、図1と同様であるので説明を省略する。本第2実施形態では、再生するコンテンツの時間長、およびコンテンツ内容(ジャンル種)に応じて、自動的に着信報知を禁止することを特徴としている。
【0042】
図4は、本第2実施形態による携帯電話のコンテンツ再生時の動作を説明するためのフローチャートである。まず、ユーザに再生すべきコンテンツを選択させ(ステップS60)、選択されたコンテンツの時間長(再生時間)を取得する(ステップS62)。次に、取得した時間長が所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS64)。そして、選択されたコンテンツの時間長が所定時間以上でない場合には、コンテンツのデコード処理を開始し(ステップS76)、コンテンツの再生を開始する(ステップS78)。その後、後述するステップS30以降へ進む。
【0043】
一方、選択されたコンテンツの時間長が所定時間以上であった場合には、当該コンテンツが所定のジャンル種(再生が途中で中断された場合に特に不快なジャンル:例えば、クラシックなど)であるか否かを判断する(ステップS66)。そして、当該コンテンツがポップスなど、所定のジャンル種でない場合には、コンテンツのデコード処理を開始し(ステップS76)、コンテンツの再生を開始する(ステップS78)。その後、後述するステップS30以降へ進む。
【0044】
一方、当該コンテンツが所定のジャンル種(例えば、クラシック)である場合には、コンテンツの再生開始が指示されると(ステップS68)、現在の通信モードを一時退避させ(ステップS70)、着信報知を禁止し(ステップS72)、留守録モードを選択する(ステップS74)。次に、コンテンツのデコード処理を開始し(ステップS76)、コンテンツの再生を開始する(ステップS78)。
【0045】
コンテンツの再生中は、コンテンツ再生の再生が終了したか否かを判断し(ステップS0)、再生が終了すると、デコード処理を終了し(ステップS82)、再生を終了する(ステップS84)。そして、一時退避した通信モードを選択し(ステップS86)、着信報知を可能として当該処理を終了する。
【0046】
次に、図5は、本第2実施形態による携帯電話での着信割込み時の動作を説明するためのフローチャートである。着信割込みが発生すると、まず、着信報知禁止に設定されているか否かを判断し(ステップS90)、着信報知禁止に設定されていない場合、すなわち、コンテンツの時間長が所定時間長より短い、または、コンテンツ内容が所定のジャンル種でない、あるいは通常の待受け状態であった場合には、設定に応じて着信を報知する(ステップS92)。一方、着信報知禁止に設定されている場合、すなわち、コンテンツの時間長が所定時間長より長く、かつ、コンテンツ内容が所定のジャンル種である場合には、着信を報知しない。
【0047】
次に、着信報知の有無にかかわらず、留守録モードであるか否かを判断する(ステップS94)。そして、留守録モードに設定されている場合、すなわち、通常の操作により留守録モードに設定された場合、あるいは、コンテンツの時間長が所定時間長より長く、かつ、コンテンツ内容が所定のジャンル種で、前述したステップS74で留守録モードに設定されている場合には、自動的にオフフックし(ステップS96)、所定のメッセージを出力し(ステップS98)、相手の音声を録音する(ステップS100)。そして、音声の録音が終了したか否かを判断し(ステップS102)、終了すると、当該処理を終了する。
【0048】
一方、留守録モードに設定されていない場合、すなわち、通常の待受け状態であった場合、あるいはコンテンツの時間長が所定時間長より短い、または、コンテンツ内容が所定のジャンル種でない場合には、オフフック操作があったか否かを判断し(ステップS104)、オフフック操作がなく、相手が回線を切断した場合には、何もせずに当該処理を終了する。一方、オフフック操作があった場合には、回線を確立して通話を行う(ステップS106)。通話中は、通話が終了したか否かを判断し(ステップS108)、通話が終了すると、回線を切断して当該処理を終了する。
【0049】
上述した第2実施形態では、再生するコンテンツの時間長が所定時間長より長く、かつ、コンテンツ内容が所定のジャンル種(例えば、クラシック音楽など)であった場合に、自動的に着信報知を禁止するようにしたので、特別な操作をユーザに行わせることなく、コンテンツ内容に応じて不用意な割込処理を事前に禁止することができ、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができる。
【0050】
また、当該携帯電話のRAM11、あるいは当該携帯電話に着脱可能に装着された記録メディア12に記録されたコンテンツを再生可能することで、RAM11や記録メディア12に記録された音楽データや動画データなどを再生する際に、コマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0051】
また、他の装置からの着信による着信割込みを発生する通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツ再生処理中であっても、割込み処理を自動的に排除することで、コンテンツ再生処理を安定した状態で実行することができ、再生時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0052】
また、コンテンツ再生処理の終了後、割込み処理が禁止されている場合、該割込み処理の禁止を解除するようにしたので、コンテンツ再生処理が終了した場合、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行することができる。
【0053】
また、コンテンツを再生した際の全体時間長が所定時間長以上であるか否かを判別し、全体時間長が所定時間長以上であると判別された場合に、通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、途中で再生を中断されたくないコンテンツの再生であっても、特別な操作をユーザに行わせることなく、コンテンツ内容に応じて不用意な割込処理を事前に禁止することができ、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができる。
【0054】
また、コンテンツのジャンル種別が所定のジャンル種別であると判別された場合に、通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、途中で再生を中断されたくないコンテンツ、例えば、音楽の場合にはクラシック音楽、動画の場合には特定のスポーツなどの再生であっても、特別な操作をユーザに行わせることなく、コンテンツ内容に応じて不用意な割込処理を事前に禁止することができ、コンテンツ再生処理を安定した状態で実行することができる。
【0055】
また、着信割込みの禁止として、通信部1による通信動作を停止して着信処理を行わせなくするか、あるいは通信部1により着信が検出された際の着信報知を停止して留守録動作を行うようにしたので、コンテンツ再生処理中に着信処理あるいは着信報知による着信割込みが発生しないので、コンテンツ再生処理を安定した状態で実行することができ、再生時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができるとともに、コンテンツ再生中であっても、相手のメッセージを残すことができる。
【0056】
また、コンテンツ再生処理の実行開始時、または一時停止状態にあるコンテンツ再生処理の再開時に、通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツ再生処理を安定した状態で実行することができ、再生のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0057】
また、コンテンツ再生処理が停止しているときに、割込み処理が禁止されている場合、通信部1による着信割込みの禁止を解除するようにすれば、コンテンツ再生処理が終了した場合、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行することができる。
【0058】
また、コンテンツ再生処理が終了したとき、あるいはコンテンツ再生処理が一時停止されたときに、通信部1による着信割込みの禁止を解除するようにしたので、コンテンツ再生処理が終了したとき、あるいは一時停止しているとき、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行することができる。
【0059】
C.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、携帯電話100の構成については、図1と同様であるので説明を省略する。本第3実施形態は、テレビ放送を録画する際に、録画対象のコンテンツの圧縮率(ビットレート)が所定圧縮率以下(高ビットレート)である場合には、自動的に、その時点の通信モードを一時的に退避して、コンテンツの再生中における着信などの割込みや、キー操作を禁止することを特徴としている。
【0060】
図6は、本第3実施形態による携帯電話のコンテンツ録画時の動作を説明するためのフローチャートである。まず、ユーザ操作により指定されたチャンネルの放送を受信し(ステップS110)、録画モード(圧縮率)をユーザにより選択させ(ステップS112)、選択された圧縮率が所定圧縮率以下(高ビットレート)であるか否かを判断する(ステップS114)。そして、選択された圧縮率が所定圧縮率以下(高ビットレート)でない場合、すなわち低ビットレートである場合には、受信チャンネルの録画処理を開始する(ステップS122)。その後、後述するステップS124以降へ進む。
【0061】
一方、選択された圧縮率が所定圧縮率以下(高ビットレート)である場合、すなわち録画処理が高負荷である場合には、現在の通信モードを一時退避させる(ステップS116)。次に、通信オフモードを選択し(ステップS118)、キー操作を禁止する操作キーロックモード(終了キーを除く)を選択し(ステップS120)、受信チャンネルの録画処理を開始する(ステップS122)。
【0062】
受信チャンネルの録画中は、録画終了操作があったか否かを判断し(ステップS124)、終了操作がなければ、受信チャンネルの録画を継続する。一方、録画終了操作があった場合には、受信チャネルの録画を終了する(ステップS126)。次に、通信モードの一時退避があるか否かを判断し(ステップS128)、通信モードが一時退避されている場合には、退避した通信モードを選択し(ステップS130)、退避内容をクリアし(ステップS132)、操作キーロックモードを解除し(ステップS134)、当該処理を終了する。一方、通信モードが一時退避されていない場合、すなわち、選択された圧縮率が所定圧縮率以下(高ビットレート)でない場合、すなわち低ビットレートである場合には、そのまま当該処理を終了する。
【0063】
上述した第3実施形態では、録画対象のコンテンツの圧縮率(ビットレート)が所定圧縮率以下(高ビットレート)である場合には、自動的に、その時点の通信モードを一時的に退避して、コンテンツの録画中における着信などの割込みや、キー操作を禁止するようにしたので、録画処理が高負荷になった場合でも、その高負荷処理を不安定にする要因である割込み処理を自動的に排除することで、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができ、録画時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0064】
また、録画対象のコンテンツを記録するときの圧縮率(ビットレート)が所定ビットレート以上である場合、すなわち高画質での録画である場合、当該携帯電話における割込み処理を禁止するようにしたので、コンテンツ処理が高負荷になった場合でも、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができ、再生のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0065】
また、他の装置からの着信による着信割込みを発生する通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツの録画中であっても、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができ、録画時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0066】
また、録画対象のコンテンツを記録するときの圧縮率(ビットレート)が所定ビットレート以上である場合、すなわち高画質での録画である場合、キー操作部4が発生するキー入力割込みを禁止するようにしたので、コンテンツの録画中であっても、コンテンツ処理を安定した状態で実行することができ、録画時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0067】
また、コンテンツ録画処理の終了後、割込み処理が禁止されている場合、該割込み処理の禁止を解除するようにしたので、コンテンツ録画処理が終了した場合、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行させることができる。
【0068】
また、コンテンツ録画処理の実行開始時に、通信部1による着信割込みを禁止するようにしたので、コンテンツ録画中に着信処理あるいは着信報知による着信割込みが発生しないので、コンテンツ録画処理を安定した状態で実行することができ、録画時のコマ落ちや、ノイズ重畳などを防止することができる。
【0069】
また、コンテンツ処理が終了したときに、通信部1による着信割込みの禁止を解除するようにしたので、コンテンツ録画処理が終了したとき、ユーザに操作負担をかけることなく、自動的に割込み処理を許可して通常の待受け動作に移行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施形態による携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図2】本第1実施形態による携帯電話100のメイン動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本第1実施形態による携帯電話100のメイン動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本第2実施形態による携帯電話のコンテンツ再生時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本第2実施形態による携帯電話での着信割込み時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本第3実施形態による携帯電話のコンテンツ録画時の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 通信部
2 テレビ受信部
3 カメラ撮影部
4 キー操作部
5 GPS部
7 表示部
8 スピーカ
9 マイク
10 ROM
11 RAM
12 記録メディア
13 CPU
100 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツに対して所定のコンテンツ処理を行うコンテンツ処理手段を具備するコンテンツ処理装置であって、
前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の対象であるコンテンツの記録状態を判別する記録状態判別手段と、
前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の開始に先立って、前記記録状態判別手段による判別結果に基づいて、当該装置における割込み処理を禁止する割込み禁止手段と
を具備することを特徴とするコンテンツ処理装置。
【請求項2】
前記コンテンツ処理手段は、放送で配信されてくる番組の内容を記録する記録手段であることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ処理装置。
【請求項3】
前記コンテンツ処理手段は、当該コンテンツ処理装置、あるいは当該コンテンツ処理装置に接続された記録メディアに記録されたコンテンツを再生出力する再生手段であることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ処理装置。
【請求項4】
前記記録状態判別手段は、前記コンテンツのビットレートを判別し、所定ビットレート以上であるか否かを判別し、
前記割込み禁止手段は、前記記録状態判別手段により、前記コンテンツのビットレートが所定ビットレート以上であると判別された場合、当該装置における割込み処理を禁止することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ処理装置。
【請求項5】
他の装置と通信を行う際に、他の装置からの着信による着信割込みを発生する通信手段を具備し、
前記割込み禁止手段は、前記通信手段による着信割込みを禁止することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ処理装置。
【請求項6】
キー操作に応じてキー入力割込みを発生するキー入力手段を具備し、
前記割込み禁止手段は、前記キー入力手段によるキー入力割込みを禁止することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ処理装置。
【請求項7】
前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の終了後、前記割込み禁止手段により割込み処理が禁止されている場合、該割込み処理の禁止を解除する割込み禁止解除手段を具備することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ処理装置。
【請求項8】
他の装置と通信を行う通信手段とコンテンツに対して所定のコンテンツ処理を行うコンテンツ処理手段とを具備するコンテンツ処理装置であって、
前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の対象であるコンテンツの記録内容を判別する記録内容判別手段と、
前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の開始に先立って、前記記録内容判別手段による判別結果に基づいて、前記通信手段による着信割込みを禁止する割込み禁止手段と
を具備することを特徴とするコンテンツ処理装置。
【請求項9】
前記記録内容判別手段は、前記コンテンツを処理した際の全体時間長が所定時間長以上であるか否かを判別し、
前記割込み禁止手段は、前記記録内容判別手段により前記全体時間長が所定時間長以上であると判別された場合に、前記通信手段による着信割込みを禁止することを特徴とする請求項8記載のコンテンツ処理装置。
【請求項10】
前記記録内容判別手段は、前記コンテンツのジャンル種別が所定のジャンル種別であるか否かを判別し、
前記割込み禁止手段は、前記記録内容判別手段により前記ジャンル種別が所定のジャンル種別であると判別された場合に、前記通信手段による着信割込みを禁止することを特徴とする請求項8記載のコンテンツ処理装置。
【請求項11】
前記割込み禁止手段は、着信割込みの禁止として、前記通信手段による通信動作を停止して着信処理を行わせなくするか、あるいは前記通信手段により着信が検出された際の着信報知を停止して留守録動作を行うことを特徴とする請求項8記載のコンテンツ処理装置。
【請求項12】
前記割込み禁止手段は、前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理の実行開始時、または一時停止状態にあるコンテンツ処理の実行再開時に、前記通信手段による着信割込みを禁止することを特徴とする請求項8記載のコンテンツ処理装置。
【請求項13】
前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理が停止しているときに、前記割込み禁止手段により割込み処理が禁止されている場合、前記通信手段による着信割込みの禁止を解除する割込み禁止解除手段を具備することを特徴とする請求項8記載のコンテンツ処理装置。
【請求項14】
前記割込み禁止解除手段は、前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理が終了したとき、あるいは前記コンテンツ処理手段によるコンテンツ処理が一時停止されたときに、前記通信手段による着信割込みの禁止を解除することを特徴とする請求項13記載のコンテンツ処理装置。
【請求項15】
コンピュータに、
所定のコンテンツ処理が行われるコンテンツの記録状態を判別する記録状態判別機能、
前記所定のコンテンツ処理の開始に先立って、前記記録状態の判別結果に基づいて、当該装置における割込み処理を禁止する割込み禁止機能、
を実現することを特徴とする割込み制御プログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
所定のコンテンツ処理が行われるコンテンツの記録内容を判別する記録内容判別機能、
前記コンテンツ処理の開始に先立って、前記記録内容の判別結果に基づいて、他の装置と通信を行う通信機能による着信割込みを禁止する割込み禁止機能、
を実現することを特徴とする割込み制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−243569(P2007−243569A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62725(P2006−62725)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】