説明

コンテンツ記憶装置および譲渡制御方法

【課題】一度ライセンスの譲渡を行った外部記憶媒体に再譲渡を行うことができるコンテンツ記憶装置および譲渡制御方法を提供する。
【解決手段】譲渡制御ソフトウェア200によって使用可能回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された光ディスクDに対して、使用可能回数情報の4回のうち3回を譲渡する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶したコンテンツの使用権の譲渡技術に係り、特にコンテンツの使用権の譲渡を行った記憶媒体に対して使用権の再譲渡を行うことが可能なコンテンツ記憶装置および譲渡制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、著作権保護されたコンテンツを録画可能なレコーダ機器においては、光ディスク等の外部記憶媒体に回数制限付きでコピー(またはムーブ)することができる。この場合、例えば特許文献1に示すように、回数制限をライセンス情報としてコピー先の外部記憶媒体に譲渡する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−110816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ライセンス情報をコピー先の外部記憶媒体に譲渡した後に、著作権保護されたコンテンツが元々備えていた回数制限が残っていた場合は、一度ライセンスの譲渡を行った外部記憶媒体に再譲渡を行うことができなかった。
【0004】
そこで、本発明は、一度ライセンスの譲渡を行った外部記憶媒体に再譲渡を行うことができるコンテンツ記憶装置および譲渡制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様によれば、所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権の使用可能回数を表す第1の回数情報とが記憶された第1の記憶部と、前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記第1の記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡する譲渡処理部と、前記譲渡処理部により譲渡された前記外部記憶媒体の第2のメディアID、前記所定の鍵、および第2の回数情報を記憶する第2の記憶部と、前記第2の記憶部に記憶された前記外部記憶媒体のメディアIDを参照し、前記譲渡処理部によって前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記外部記憶媒体に対して、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として譲渡する再譲渡処理部とを具備することを特徴とするコンテンツ記憶装置が提供される。
【0006】
また、所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権を表す第1の回数情報とが記憶された記憶部と、前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡する譲渡処理部と、前記外部記憶媒体に記憶されている前記コンテンツおよび前記所定の鍵を参照し、前記譲渡処理部によって前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として譲渡する再譲渡処理部とを具備することを特徴とするコンテンツ記憶装置が提供される。
【0007】
さらに、所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権の使用可能回数を表す第1の回数情報とが記憶された第1の記憶部を備えたコンテンツ記憶装置で用いられる譲渡制御方法であって、前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記第1の記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡し、前記譲渡された前記外部記憶媒体の第2のメディアID、前記所定の鍵、および第2の回数情報を第2の記憶部に記憶し、前記第2の記憶部に記憶されている前記外部記憶媒体のメディアIDを参照し、前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記外部記憶媒体に対して、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として再譲渡することを特徴とする譲渡制御方法が提供される。
【0008】
また、所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権を表す第1の回数情報とが記憶された記憶部とを備えたコンテンツ記憶装置で用いられる譲渡制御方法であって、前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡し、前記外部記憶媒体の前記コンテンツおよび前記所定の鍵を参照し、前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として再譲渡することを特徴とする譲渡制御方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1に、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の構成の一例を示す。
【0011】
映像記録装置1は、記録/再生部10、データ処理部20、映像入力部30、映像出力部40、譲渡情報制御部60、表示制御部70および主制御部50等を含む。
【0012】
記録/再生部10は、例えばハードディスク記録装置を有し、公衆向けに、テレビ放送として放送局から送信される映像(番組)を100時間程度記録可能な容量が与えられたハードディスクドライブ部(以下、HDDと示す)12、HDD12と同様の規格で圧縮されたデータ(番組)が記録可能で、外部へのデータ(番組)の持ち出しと、外部からの持ち込みを可能とする記録媒体、例えば光ディスクへのデータの記録と再生に利用される光ディスクドライブ部13、およびHDD12および/または光ディスクドライブ部13とデータ処理部20との間で、圧縮されたデータ(映像コンテンツ、すなわち番組)の転送を行うデータ転送制御部11を含む。
【0013】
記録/再生部10においては、データ処理部20において圧縮されたデジタル信号が、例えばユーザによる指示に応じ、データ転送制御部11を経由して、HDD12内の所定の記録領域または光ディスクドライブ部13にセットされた光ディスクDに記録される。もちろん、再生要求があった場合には、要求に応じて再生されたデータがデータ処理部20に出力される。また、上記記録/再生部10は、AACSに規定されている記録処理や再生処理を実行する機能も備えている。また、HDD12に録画された著作権保護がされたコンテンツ(デジタル信号)を光ディスクDに記録(コピーおよび移動:ムーブ)する場合には、コンテンツの使用権の使用可能回数を表す回数情報等を光ディスクDに譲渡する。また、コンテンツの使用権の使用可能回数がHDD12に録画された著作権保護がされたコンテンツに残っている場合は、一度譲渡を行った光ディスクDに対して再譲渡することができる。
【0014】
データ処理部20は、データ編集部21、エンコーダ22、デコーダ23、および音声映像処理部24等を含み、映像入力部30から供給されるデータ(番組)を所定形成に圧縮したのち記録/再生部10に転送するとともに、再生要求に従って記録/再生部10から出力されたデータを復号して、映像出力部40に出力する。また、上記データ処理部20は、AACSに規定されている暗号化処理や複合化処理などを実行する機能も備えている。
【0015】
データ編集部21においては、圧縮されたデータを記録/再生部10に転送する際に、記録するための区分、例えば図示しないが、任意数のフォルダ(ディレクトリ)のうちの特定されたフォルダに対して、記録対象の番組(データ)を記録が指示されるとともに、その番組に「番組名」や「映画」あるいは「音楽」等の「ジャンル識別名」、「アーティスト(出演者)名」等のデータ特定項目が付加可能である。
【0016】
エンコーダ22は、データの符号化(圧縮)を行う装置であり、映像入力部30を経由して供給されるデータ(番組)は、予め指定された圧縮方法(規格)および圧縮率で(エンコーダ22により)圧縮される。なお、エンコーダ22には、周知の多重化部が組み込まれてもよい。
【0017】
デコーダ23は、データの復号化(伸長)を行う装置であり、エンコーダ22による圧縮方法(規格)に対応する復号方法(規格)で、記録/再生部10から供給されるデータ(番組)を復号(伸長)して、映像出力部40に向けて出力する。また、デコーダ23には、周知の分離部が組み込まれてもよい。
【0018】
音声映像処理部24においては、デコーダ23において復号された映像データと(通常は、映像信号と独立に復号される)音声データとが、合成される(出力タイミングが整合される)。なお、映像出力部40に向けて出力されるデータには、音声映像処理部24により、必要に応じて、OSD(On Screen Display)ユニット54により生成される操作用画面表示(OSD)が合成される。
【0019】
映像入力部30は、例えば外部からの映像信号/入力信号の入力を受け入れる外部入力部31、例えば放送衛星(BS)もしくは通信衛星(CS)を通じて提供される番組(データ)を受け入れるためのBS/CSチューナ部32、例えば放送局からの公衆向け放送を受け入れるための地上波チューナ部33、およびネットワーク網を経由して配信元から供給される(視聴可能な)データ(番組)を受け入れるネットワークコントローラ34等を有する。なお、ネットワークコントローラ34は、例えば公衆通信網(電話回線)と接続可能であり、通信網を介して、外部との間で任意に、データの授受が可能である。
【0020】
外部入力部31、BS/CSチューナ部32、地上波チューナ部33、ならびにネットワークコントローラ34等は、セレクタ部35と接続され、先に説明したエンコーダ22(データ処理部20)に供給されるデータ(番組)は、エンコーダ22が同時に処理可能なタイトル(番組)数または容量もしくは転送レート等に基づいて、(セレクタ部35により)規定される。
【0021】
映像出力部40は、音声映像処理部24(データ処理部20)から出力された復号済み信号(再生映像および音声)を、セレクタ41を経由して、外部出力部42、I/F(インターフェイス43、広く一般に普及しているテレビ(モニタ)Mに出力する映像/音声出力端44等を含む。なお、l/F43の出力は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や、家庭内あるいは企業内等において普及している小規模ネットワークや、IEEE1394等に代表される特定のプロトコルに従うデータ転送システムとして利用可能である。
【0022】
主制御部50は、上述した記録/再生部10、データ処理部20、映像入力部30および映像出力部40のそれぞれに加え、以下に説明する譲渡情報制御部60と表示制御部70とを含む映像記録装置1の動作を制御するもので、個々の要素間における制御信号の伝送に利用される制御バス51、主制御装置であるMPU(Main Processing Unit)52、ワーク(キャッシュ)メモリ(RAM)53、OSD(On Screen Display)ユニット54、ならびにMPU52のファームウエアとして(もしくは図示しないが、独立して)設けられ、映像記録装置1を動作させるためのイニシャルプログラムや、個々の制御コマンドに対応する動作や信号処理の方法、通信のための手続き等が記録されているROMを含む。また、上記MPU52は、必要に応じて、AACSに規定されているアプリケーションやドライバなどのソフトウェアを実行することが可能である。
【0023】
譲渡情報制御部60は、HDD12に録画された著作権保護がされたコンテンツを光ディスクDに記録(コピーおよび移動)する場合、コンテンツの使用権の使用可能回数(コピーおよび移動の合計使用可能回数、例えばコピー9回、移動1回等)を表す回数情報等を光ディスクDに譲渡する。また、コンテンツの使用権の使用可能回数がHDD12に録画された著作権保護がされたコンテンツに残っている場合は、一度譲渡を行った光ディスクDに対して再譲渡することができる。
【0024】
表示制御部70は、例えば映像記録装置1の詳述しない表示パネルに設けられる時計部への時刻および年月日の表示や、装置の動作状態、録画予約の有無、録画時の録画モード等が表示される表示部72と、表示パネル(もしくは装置1の所定の位置)に設けられる操作部73、および表示部72への表示ならびに操作部73を経由してユーザにより入力される制御コマンドあるいは入力情報を授受するための、パネル制御部71等を含む。
【0025】
なお、例えばリモコン端末Rにより入力される制御コマンドおよび入力情報は、図1に示す本件の映像記録装置1においては、操作部73または表示部72の所定の位置に設けられる(図示しない)リモコン信号受信部において受け入れられ、パネル制御部71を通じて主制御部50に入力される。もちろん、リモコン(端末)Rからの信号(コマンド)は、図示しないが専用の受信部を経由してそのまま主制御部50に供給されてもよい。
【0026】
リモコン端末Rは、映像記録装置1による映像の録画やダビング(コピー、移動)に際して、録画先やダビング先、例えばHDD12または光ディスクD(光ディスクドライブ部13)の特定、既に記録されている映像(番組)やそのタイトルまたはデータ特定項目の編集、映像供給元の切り替えおよび予約録画の設定等に代表される各種、制御コマンドならびに入力すべき情報の入力に利用される。
【0027】
なお、映像記録装置1は、ネットワークコントローラ34を経由して接続可能なネットワーク網、例えば広く利用されているインターネットを介して接続されるサーバ(情報供給元)101と接続可能である。サーバ(情報供給元)101には、例えば番組情報登録部111、番組情報記憶部112、および通信部(通信制御部)113等が用意されている。なお、サーバ101には、例えば直接(専用線)またはインターネットを通じて、映像供給元である放送局T等が情報を提供可能に接続されている。もちろん、EPG向けの情報としては、放送波そのものに重畳されている信号も利用可能である。
【0028】
図2は、映像記録装置1に備えられる譲渡機能を実現するソフトウェアの機能構成の一例を示す図である。なお、以下に示す各種機能の一部をハードウェアで実現してもよい。譲渡制御部60によってHDD12等からRAM53にロードされる譲渡制御ソフトウェア200は、複製出力制御部201およびコンテンツ同一性検査制御部202を備えている。また、HDD12は、コンテンツ記憶領域12aおよび複製先履歴記憶領域12bを備えている。
【0029】
コンテンツ記憶領域12aは、録画されたTV番組等のデジタル信号を記憶する。放送波がスクランブルされているような場合には、デスクランブルの処理も行うものとする。また、コンテンツソースはTVチューナに限らず、例えばインターネット等からのコンテンツのダウンロードであっても良いし、ディスクメディアからの読み込みインターフェイスであっても良い。これらの録画されたコンテンツは、固有のコンテンツID、タイトル鍵(コンテンツごとに映像記録装置で作成される鍵:例えばハッシュ関数やCRC等を用いる)、および使用可能回数情報を備えており、著作権保護がなされている。使用可能回数情報は、HDD12から光ディスク等の外部記憶媒体へのコピーおよび移動(ムーブ)の合計回数を定めたものである。例えば、コピー9回および移動1回(合計の使用可能回数10回)等である。複製先履歴記憶領域12bは、HDD12からの外部記憶媒体(例えば光ディスク)へのコピーおよび移動(ムーブ)を行った場合、複製先の光ディスクの固有のメディアID、コンテンツID(+タイトル鍵)、使用可能回数情報等を記憶する。例えば、HDD12から光ディスクDに著作権保護がなされているコンテンツ(使用可能回数10回)をコピーする場合、コンテンツおよび使用可能回数は6回の情報をHDD12から光ディスクDに譲渡する。この場合、HDD12に記憶されているコンテンツの残りの使用可能回数は4回となる。さらに、同一の光ディスクDに再譲渡を行うことができる。例えば、使用可能回数3回の情報をHDD12から光ディスクDに再譲渡する。この場合、HDD12に記憶されているコンテンツの残りの使用可能回数は1回となる。HDD12に記憶されているコンテンツの残りの使用可能回数は1回となった場合は(最後の1回は、「移動:ムーブ」のみ可能となる)、例えば、ユーザに対して表示を行う等の手段を用いてこの旨を通知する。なお、これら記憶領域12a、12b、光ディスクDは、ハードディスクドライブのような大容量の記憶媒体でも良いし、不揮発性のメモリなどでもよく、種類は問わない。また、当該実施形態では4つに分けて記載しているが、これらの幾つか、または全てについて、同一の記憶媒体上にそれぞれの記憶領域を確保しても良い。また光ディスクDは外部記憶媒体と記しているが、内蔵の記憶媒体でもかまわない。
【0030】
複製出力制御部201は、HDD12から光ディスク等の外部記憶媒体へのコピーおよび移動(ムーブ)の制御を行う。コンテンツ同一性検査制御部202は、コンテンツ記憶領域12aおよび光ディスクDに記憶されているコンテンツが同一のコンテンツか否かを判別する。コンテンツ同一性検査制御部202は、リモコンR等からの指示をユーザインターフェイス部101を介して受信する。複製出力制御部201は、入出力インターフェイス部100部101部を介して光ディスクドライブ部13にアクセスを行う。
【0031】
また複製出力制御部201は、ユーザからのコンテンツを複製ないしは移動の指示をユーザインターフェイス部101およびコンテンツ同一性検査制御部201を介して、またはコンテンツ同一性検査制御部を介さずに入力され、コンテンツ記憶領域12a上に記憶されているコンテンツを光ディスクDに複製ないしは移動する。また必要があればコンテンツの加工を行い複製ないしは移動を制御するものである。また、コンテンツ記憶領域12aに記憶されているコンテンツの複製の可否の判定、複製回数管理、複製を行ったコンテンツのステータス情報の管理等によって、コンテンツの著作権を管理する機能を持つ。
【0032】
入出力インターフェイス部100は、複製ないしは移動する場合にコンテンツを出力する。また外部記憶媒体やコンテンツ記憶装置と通信する機能を持つ。また、接続された外部記憶媒体やコンテンツ記憶装置が複製を許諾される機器であるかを認証する機能を有する。例えばDTCP(Digital Transmission Content Protection)保護機能付きのIEEE1394インターフェイスなどが例として挙げられる。また入出力ユーザインターフェイス部101はユーザに対し、メニュー等のGUI(Graphical User Interface)を表示し、またユーザからの指示を受けて、ユーザインターフェイス部101、コンテンツ同一性検査制御部202を介して、またはコンテンツ同一性検査制御部202を介さずに入力され、複製出力制御部201に指示を渡すためのユーザの操作に対する入出力を管理する機能を持つ。
【0033】
外部記憶媒体は本実施形態における複製先となる機器であり、ハードディスクや不揮発性メモリを内蔵した携帯メディアプレイヤーなどが考えられるが、HD DVD-R/RWやSDメモリカードなどのリムーバブルメディアであっても構わない。また外部記憶媒体と記しているが、内蔵の記憶媒体でもかまわない。当該実施形態では、光ディスクDとして説明している。
【0034】
次に、以上のように構成された本発明の実施形態に係る映像記録装置を適用した譲渡制御方法について図3のフローチャートを参照して説明する。なお、以下は、例えば所定のコンテンツ(例えば特定のコンテンツであるコンテンツα)をHDD12から光ディスクDに複製する場合を説明するものであるが、これに限定されるものではなく、複製可能な記憶媒体であれば問わない。
【0035】
コンテンツを複製する場合、ユーザが複製先の光ディスクDを、入出力インターフェイス部100部101に接続し、リモコンRなどを介して複製するコンテンツを選択する。ユーザの操作情報はユーザインターフェイス部101から取り込まれて複製出力制御部201に渡される。
【0036】
譲渡制御部60によってHDD12等からRAM53にロードされる譲渡制御ソフトウェア200は、ユーザインターフェイス部101を介して録画されたコンテンツ(特定のコンテンツα:例えばコンテンツαの使用可能回数を10回とする。以下、単にコンテンツという)の例えば光ディスクDへのコピー指示を受信すると(ステップS101のYES)、コピー先の外部記憶媒体、例えば光ディスクDの複製履歴が複製先履歴記憶領域12bにあるか否かを判別する(ステップS102)。ステップS102で複製履歴が複製先履歴記憶領域12bにあるか否かを判別する場合、複製先履歴記憶領域12bに記憶されている複製先の光ディスクの固有のメディアID、コンテンツID(+タイトル鍵)、使用可能回数情報の3つの情報が光ディスクDに記憶されている情報(メディアID、コンテンツID(+タイトル鍵)、使用可能回数情報)と対応するか否かで判別する。
【0037】
譲渡制御部60によって、ステップS102で複製履歴が複製先履歴記憶領域12bにないと判別された場合(ステップS102のNO)、図4に示すように、コンテンツ記憶領域12aに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が10回で、光ディスクDは複製履歴がない状態であるので、新規に履歴情報をコンテンツ記憶領域12aに作成する(ステップS103)。この場合、必要であれば光ディスクDを所定のフォーマットで初期化を行う。なお、ステップS102で複製履歴が複製先履歴記憶領域12bにないと判別された場合で、かつコンテンツがコピーネヴァー(コピー不可)の設定がなされているもの等については、ユーザにその旨を表示して終了する。
【0038】
一方、譲渡制御部60によって、ステップS102で複製履歴が複製先履歴記憶領域12bにあると判別された場合(ステップS102のYES)、以前にコンテンツの使用可能回数情報の譲渡を行った光ディスクDであった場合は、コンテンツ記憶領域12aに記憶されている複製を行うコンテンツの使用可能回数情報が残り1回であるかを判別する(ステップS104)。この場合、例えば図5に示すように、コンテンツ記憶領域12aに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が4回で、光ディスクDに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が6回であれば、コンテンツの使用可能回数情報が残り1回でない(2回以上残っている場合。例えば残り4回)と判別され(ステップS104のNO)、コンテンツの使用可能回数情報の回数を所定回数、例えば残り4回中の3回を光ディスクに譲渡処理を行う。この場合、図6に示すように、コンテンツ記憶領域12aに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が1回で、光ディスクDに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が9回となる。すなわち、コンテンツ記憶領域12aから譲渡するコンテンツの使用可能回数情報は、光ディスクDに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報に合算される。また、合算しないようにしてもよい。
【0039】
一方、ステップS104で、例えば図6に示すように、コンテンツ記憶領域12aに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が1回で、光ディスクDに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が9回であれば、コンテンツの使用可能回数情報が残り1回と判別され(ステップS104のYES)、ユーザに対して、表示を行う等の方法によりコンテンツの使用可能回数情報が残り1回の旨の通知を行う(ステップS106)。ユーザによりユーザインターフェイス部101を介して、残り1回のコンテンツの使用可能回数情報を光ディスクDに譲渡するとの指示を受信した場合は(ステップS107のYES)、残り1回のコンテンツの使用可能回数情報を光ディスクDに譲渡する処理を行う(ステップS105)。この場合、コンテンツ記憶領域12aに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が0回で(HDD12から当該コンテンツは削除される)、光ディスクDに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報の残り回数が10回となる。すなわち、コンテンツ記憶領域12aから譲渡するコンテンツの使用可能回数情報は、光ディスクDに記憶されているコンテンツの使用可能回数情報に合算される。また、合算しないようにしてもよい。
【0040】
上述した実施形態によれば、過去にコンテンツの使用可能回数情報を譲渡処理した履歴のある外部記憶媒体に対して、コンテンツの使用可能回数情報を再譲渡することができる。
【0041】
次に、上述した実施形態の変形例としては、以下のような形態が考えられる。
【0042】
例えば、図7は変形例の構成を示したブロック図である。この変形例と上述した実施形態との相違点は、HDD12内に複製先履歴記憶領域12bがない点である。上述した実施形態では、複製先の履歴情報の判別を複製先履歴記憶領域12bに記憶されている複製先の光ディスクの固有のメディアID、コンテンツID(+タイトル鍵)、使用可能回数情報の3つの情報が光ディスクDに記憶されている情報(メディアID、コンテンツID(+タイトル鍵)、使用可能回数情報)と対応するか否かで判別を行っている。一方、当該変形例では、光ディスクDに記憶されている情報(メディアID、コンテンツID(+タイトル鍵)、使用可能回数情報)のみを参照することにより、過去にコンテンツの複製を行ったか否かを判別する。HDD12のコンテンツ記憶領域12aに記憶されている暗号化されたコンテンツ情報と、光ディスクDに記憶されている情報(メディアID、コンテンツID(+タイトル鍵)、使用可能回数情報)を比較することで、コンテンツ記憶領域12aに記憶されているコンテンツを複製した光ディスクDであるかを判別することができる。
【0043】
上述した変形例によれば、HDD12内に複製先履歴記憶領域12bがない場合でも過去にコンテンツの複製を行ったか否かを判別することができる。
【0044】
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではない。本発明は、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変更して具現化できる。
【0045】
また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることで、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像記録装置他の構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係る映像記録装置の主要な構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る映像記録装置の譲渡制御方法を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明の一実施形態に係る映像記録装置の使用可能回数情報の管理を示す概念図。
【図5】本発明の一実施形態に係る映像記録装置の使用可能回数情報の管理を示す概念図。
【図6】本発明の一実施形態に係る映像記録装置の使用可能回数情報の管理を示す概念図。
【図7】本発明の変形例に係る映像記録装置の主要な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0047】
1…映像記録装置、10…記録/再生部、11…データ転送制御部、12…ハードディスクドライブ部、12a…複製先履歴記憶領域、12b…コンテンツ記憶領域、13…光ディスクドライブ部、D…光ディスク、20…データ処理部、30…映像入力部、40…映像出力部、50…主制御部、60…譲渡情報制御部、70…表示制御部、100…入出力インターフェイス部、101…ユーザインターフェイス部、200…譲渡制御ソフトウェア、201…複製出力制御部、202…コンテンツ同一性検査制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権の使用可能回数を表す第1の回数情報とが記憶された第1の記憶部と、
前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記第1の記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡する譲渡処理部と、
前記譲渡処理部により譲渡された前記外部記憶媒体の第2のメディアID、前記所定の鍵、および第2の回数情報を記憶する第2の記憶部と、
前記第2の記憶部に記憶された前記外部記憶媒体のメディアIDを参照し、前記譲渡処理部によって前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記外部記憶媒体に対して、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として譲渡する再譲渡処理部と
を具備することを特徴とするコンテンツ記憶装置。
【請求項2】
所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権を表す第1の回数情報とが記憶された記憶部と、
前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡する譲渡処理部と、
前記外部記憶媒体に記憶されている前記コンテンツおよび前記所定の鍵を参照し、前記譲渡処理部によって前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として譲渡する再譲渡処理部と
を具備することを特徴とするコンテンツ記憶装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載のコンテンツ記憶装置において、
前記再譲渡処理部は、前記第3の回数情報として前記第2の回数情報に合算させるように譲渡を行うことを特徴とするコンテンツ記憶装置。
【請求項4】
請求項1または2のいずれかに記載のコンテンツ記憶装置において、
前記再譲渡処理部は、前記第3の回数情報を前記外部記憶媒体に譲渡する場合、前記第1の回数情報の残り回数が1回である場合は、この旨をユーザに通知することを特徴とするコンテンツ記憶装置。
【請求項5】
請求項1または2のいずれかに記載のコンテンツ記憶装置において、
前記再譲渡処理部は、前記第3の回数情報を前記外部記憶媒体に譲渡する場合、前記第1の回数情報の残りのすべての回数を譲渡することを特徴とするコンテンツ記憶装置。
【請求項6】
所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権の使用可能回数を表す第1の回数情報とが記憶された第1の記憶部を備えたコンテンツ記憶装置で用いられる譲渡制御方法であって、
前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記第1の記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡し、
前記譲渡された前記外部記憶媒体の第2のメディアID、前記所定の鍵、および第2の回数情報を第2の記憶部に記憶し、
前記第2の記憶部に記憶されている前記外部記憶媒体のメディアIDを参照し、前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記外部記憶媒体に対して、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として再譲渡することを特徴とする譲渡制御方法。
【請求項7】
所定の鍵により暗号化されたコンテンツと、前記所定の鍵と、自身を特定する第1のメディアIDと、前記コンテンツの使用権を表す第1の回数情報とが記憶された記憶部とを備えたコンテンツ記憶装置で用いられる譲渡制御方法であって、
前記コンテンツと、前記所定の鍵と、前記第1の回数情報の一部の回数である第2の回数情報とを前記記憶部から読み出し、前記コンテンツの複製先である自身を特定する第2のメディアIDが記憶された外部記憶媒体に譲渡し、
前記外部記憶媒体の前記コンテンツおよび前記所定の鍵を参照し、前記回数情報の譲渡を以前に行っていると判別された場合は、前記第1の回数情報のうち、任意の回数を第3の回数情報として再譲渡することを特徴とする譲渡制御方法。
【請求項8】
請求項6または7のいずれかに記載の譲渡制御方法において、
前記再譲渡は、前記第3の回数情報として前記第2の回数情報に合算させるように譲渡を行うことを特徴とする譲渡制御方法。
【請求項9】
請求項6または7のいずれかに記載の譲渡制御方法において、
前記再譲渡は、前記第3の回数情報を前記外部記憶媒体に譲渡する場合、前記第1の回数情報の残り回数が1回である場合は、この旨をユーザに通知することを特徴とする譲渡制御方法。
【請求項10】
請求項6または7のいずれかに記載の譲渡制御方法において、
前記再譲渡は、前記第3の回数情報を前記外部記憶媒体に譲渡する場合、前記第1の回数情報の残りのすべての回数を譲渡することを特徴とする譲渡制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−181313(P2009−181313A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19363(P2008−19363)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】