説明

コンテンツ配信システム、情報端末、およびコンテンツ配信方法

【課題】デジタルコンテンツの利用者制限が可能な配信技術を提供する。
【解決手段】情報端末41は、認証用ICカード51から読取ったユーザIDおよびユーザから受付けたパスワードを認証サーバ21に送信する。また、配信依頼用ICカード52から読取ったサービスIDを認証サーバ21に送信して、コンテンツ配信サーバ31からデジタルコンテンツを受信し出力する。一方、認証サーバ21は、情報端末41から受信したユーザIDおよびパスワードを用いてユーザ認証を行う。そして、認証成立した情報端末41からサービスIDを受信したならば、このサービスIDとユーザが利用可能なジャンルとをコンテンツ配信サーバ31に通知する。コンテンツ配信サーバ31は、このサービスIDに対応するデジタルコンテンツのジャンルと、ユーザが利用可能なジャンルとを比較して応否を判断し、応諾と判断した場合にこのデジタルコンテンツを情報端末41に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコンテンツの配信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、映像配信サービス提供時における、ユーザによる利用料金の確認が可能な映像配信システムが開示されている。
【0003】
この映像配信システムでは、ユーザの受信機からの映像視聴要求に対して認証サーバでそのユーザが認証され、映像サーバから、認証されたユーザへ映像がIPマルチキャスト配信される。そして、課金サーバにおいて、配信された映像の視聴料金がユーザ毎に計算される。認証サーバは、ユーザ認証に伴って、そのユーザによる映像の視聴開始時および終了時に認証履歴を作成してデータベースに蓄積し、課金サーバは、この認証履歴および番組情報サーバから提供される番組データおよび課金種別を参照して、視聴料金を計算する。
【特許文献1】特開2003−333580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の映像配信システムでは、認証されたユーザであれば、配信された全ての映像を視聴可能である。つまり、認証されたユーザに対する配信映像の利用者制限を考慮していない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、認証されたユーザに対するデジタルコンテンツの利用者制限が可能な、デジタルコンテンツの配信技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、ユーザ認証のためのユーザIDが記憶された認証用ICカードと、所望のデジタルコンテンツの配信サービスを受けるためのサービスIDが記憶された配信依頼用ICカードとを使って、コンテンツ配信システムから情報端末にデジタルコンテンツを配信させる。
【0007】
情報端末は、認証用ICカードから読み取ったユーザIDおよびユーザから受け付けたパスワードをコンテンツ配信システムの認証サーバに送信して、ユーザ認証を要求する。そして、認証成立したならば、配信依頼用ICカードから読み取ったサービスIDを認証サーバに送信して、コンテンツ配信システムのコンテンツ配信サーバからデジタルコンテンツを受信し出力する。
【0008】
一方、コンテンツ配信システムにおいて、認証サーバは、情報端末から受信したユーザIDおよびパスワードを用いてユーザ認証を行う。そして、認証成立した情報端末からサービスIDを受信したならば、このサービスIDと、この情報端末のユーザが利用可能なデジタルコンテンツのジャンルと、この情報端末のアドレスとを、コンテンツ配信サーバに通知して、コンテンツの配信を依頼する。これを受けて、コンテンツ配信サーバは、このサービスIDに対応するデジタルコンテンツのジャンルと、この情報端末のユーザが利用可能なデジタルコンテンツのジャンルとを比較して、このデジタルコンテンツの配信の応否を判断し、応諾と判断した場合に、このデジタルコンテンツをこの情報端末に配信する。
【0009】
例えば、本発明のコンテンツ配信システムは、
ネットワークを介して前記情報端末に接続された認証サーバおよび少なくとも一つのコンテンツ配信サーバを有し、
前記認証サーバは、
ユーザ毎に、対象となるユーザのユーザID、パスワード、および利用可能なデジタルコンテンツのジャンルを含むユーザ情報が記憶されたユーザ情報記憶手段と、
前記コンテンツ配信サーバ毎に、対象となる前記コンテンツ配信サーバのサーバIDおよびアドレスを含む配信サーバ情報が記憶された配信サーバ情報記憶手段と、
前記情報端末から受信したユーザIDを含むユーザ情報を前記ユーザ情報記憶手段から検索し、検索されたユーザ情報に含まれているパスワードと、当該情報端末から受信したパスワードとを用いて、前記情報端末のユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段により認証された前記情報端末から受信したサーバIDを含む配信サーバ情報を前記配信サーバ情報記憶手段から検索し、検索された配信サーバ情報に含まれているアドレスを持つ前記コンテンツ配信サーバに対して、当該サーバIDと共に当該情報端末から受信したサービスID、前記検索されたユーザ情報に含まれているジャンル、および当該情報端末のアドレスを含むコンテンツ配信依頼を送信する配信依頼手段と、を有し、
前記コンテンツ配信サーバは、
配信サービス毎に、対象となる配信サービスのサービスID、配信するデジタルコンテンツのジャンル、および当該デジタルコンテンツの格納場所を含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、
前記認証サーバから受信したコンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDを含むサービス情報を前記サービス情報記憶手段から検索し、検索されたサービス情報に含まれているジャンルと、当該コンテンツ配信依頼に含まれているジャンルとを用いて、当該コンテンツ配信依頼に対する応否を判断する応否判断手段と、
前記応否判断手段により応諾すると判断されたコンテンツ配信依頼に含まれているアドレスにより特定される前記情報端末に対して、前記検索されたサービス情報に含まれている格納場所からデジタルコンテンツを読み出して送信する配信手段と、を有する。
【0010】
また、本発明の情報端末は、
ユーザIDが記憶されている認証用ICカードを装着するための認証用ICカード装着手段と、
サーバIDおよびサービスIDが記憶されている配信依頼用ICカードを装着するための配信依頼用ICカード装着手段と、
前記認証用ICカード装着手段に装着されている前記認証用ICカードから前記ユーザIDを読み取るユーザID読取手段と、
前記配信依頼用ICカード装着手段に装着されている前記配信依頼用ICカードから前記サーバIDおよび前記サービスIDを読み取るサービスID読取手段と、
ユーザからパスワードの入力を受け付けるパスワード受付手段と、
前記ユーザID読取手段により読み取った前記ユーザIDおよび前記パスワード受付手段により受け付けた前記パスワードを、前記コンテンツ配信システムを構成する認証サーバに送信して、自情報端末のユーザ認証を要求する認証要求手段と、
前記認証サーバによる自情報端末のユーザ認証が成立した場合に、前記サービスID読取手段により読み取った前記サーバIDおよび前記サービスIDを当該認証サーバに送信して、デジタルコンテンツの配信を要求する配信要求送信手段と、
前記コンテンツ配信システムを構成し、前記サーバIDに対応するコンテンツ配信サーバから、前記サービスIDに対応する配信サービスにより提供されるデジタルコンテンツを受信して出力するコンテンツ出力手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、認証されたユーザに対するデジタルコンテンツの利用者制限が可能な、デジタルコンテンツの配信技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態が適用されたネットワークシステムの概略図である。
【0014】
図示するように、本実施の形態のネットワークシステムは、デジタルコンテンツ配信システム1およびユーザシステム4が、NGN(Next Generation Network)等のIP網6に接続されて構成される。
【0015】
本実施の形態のネットワークシステムでは、認証用ICカード51と、配信依頼用ICカード52とを使って、デジタルコンテンツ配信システム1からユーザシステム4に映像データ、音楽データ等のデジタルコンテンツを配信させる。
【0016】
デジタルコンテンツ配信システム1は、デジタルコンテンツ配信システム1のインフラを提供するインフラプロバイダのシステムであるインフラプロバイダシステム2と、デジタルコンテンツの配信サービスを提供するサービスプロバイダのシステムであるサービスプロバイダシステム3と、を有する。なお、図1では、サービスプロバイダシステム3を複数示しているが、サービスプロバイダシステム3は、少なくとも一つあればよい。
【0017】
ここで、インフラプロバイダは、ユーザシステム4のユーザからの申し込みに従い、このユーザに認証用ICカード51を発行する。認証用ICカード51には、このユーザを識別するためのユーザIDと、このインフラプロバイダが運用するインフラプロバイダシステム2のアドレス(認証サーバ21のURL)とが記憶される。また、インフラプロバイダは、このユーザIDと対のパスワードを、郵便等により、このユーザに秘密裏に知らせる。
【0018】
また、インフラプロバイダは、サービスプロバイダからの申し込みに従い、このサービスプロバイダに配信依頼用ICカード52を発行する。配信依頼用ICカード52には、このサービスプロバイダを識別するためのプロバイダIDと、デジタルコンテンツの配信サービスを識別するためのサービスIDとが記憶される。
【0019】
一方、サービスプロバイダは、インフラプロバイダから入手した配信依頼用ICカード52に記憶されているサービスIDに、ユーザシステム4のユーザがこの配信依頼用ICカード52を使って受けることができるデジタルコンテンツの配信サービスのサービス内容を対応付ける。そして、この配信依頼用ICカード52を、販売店等を介して、ユーザシステム4のユーザに販売する。
【0020】
図1に示すように、インフラプロバイダシステム2は、LAN等のネットワーク24に接続された認証サーバ21および案内サーバ22と、このネットワーク24をIP網6に接続するためのゲートウェイ(GW)23と、を有する。
【0021】
認証サーバ21は、ユーザシステム4がデジタルコンテンツ配信システム1を利用するために必要なユーザ認証処理を行う。案内サーバ22は、デジタルコンテンツ配信システム1の利用が許可されたユーザシステム4に対して、デジタルコンテンツ配信システム1の操作案内処理を行う。
【0022】
図2は、認証サーバ21の概略図である。
【0023】
図示するように、認証サーバ21は、ネットワークIF部210と、ユーザ情報記憶部211と、サービスプロバイダ情報記憶部212と、認証処理部213と、配信依頼部214と、を有する。
【0024】
ネットワークIF部210は、自認証サーバ21をネットワーク24に接続するためのインターフェースである。
【0025】
ユーザ情報記憶部211には、認証用ICカード51毎に、ユーザがデジタルコンテンツ配信システム1を利用するために必要な情報であるユーザ情報が登録されている。図3は、ユーザ情報記憶部211の登録内容を模式的に表した図である。
【0026】
図示するように、ユーザ情報記憶部211には、認証用ICカード51毎にレコード2110が記憶されている。レコード2110は、対象の認証用ICカード51に記憶されているユーザIDを登録するフィールド2111と、このユーザIDと対のパスワードを登録するフィールド2112と、この認証用ICカード51の発行先のユーザが視聴可能なデジタルコンテンツのジャンル(ALL(全ジャンル)、教育、ニュース、スポーツ、映画、音楽、子供向け等)を登録するためのフィールド2113と、この認証用ICカード51の発行先のユーザの氏名を登録するためのフィールド2114と、この認証用ICカード51の発行先のユーザの連絡先を登録するためのフィールド2115と、この認証用ICカード51の発行先のユーザが使用しているユーザシステム4のアドレスを登録するためのフィールド2116と、を有する。
【0027】
サービスプロバイダ情報記憶部212には、サービスプロバイダ毎に、対象のサービスプロバイダが運用するサービスプロバイダシステム3を特定するためのサービスプロバイダ情報が記憶されている。図4は、サービスプロバイダ情報記憶部212の登録内容を模式的に表した図である。
【0028】
図示するように、サービスプロバイダ情報記憶部212には、サービスプロバイダ毎にレコード2120が記憶されている。レコード2120は、対象のサービスプロバイダを識別するためのプロバイダIDを登録するフィールド2121と、このサービスプロバイダが運用するサービスプロバイダシステム3のアドレス(URL)を登録するフィールド2122と、このサービスプロバイダシステム3の稼動状態(稼動、停止)を登録するためのフィールド2123と、このサービスプロバイダの会社名を登録するためのフィールド2124と、このサービスプロバイダの連絡先を登録するためのフィールド2125と、を有する。
【0029】
認証処理部213は、ユーザシステム4から受け取ったユーザIDおよびパスワードをユーザ情報記憶部211に登録されているユーザ情報と比較することによりユーザ認証を行う。
【0030】
配信依頼部214は、ユーザシステム4のユーザ認証が成立した場合に、このユーザシステム4から受け取ったプロバイダIDを持つサービスプロバイダのサービスプロバイダシステム3に、このプロバイダIDと共にユーザシステム4から受け取ったサービスIDにより特定されるデジタルコンテンツの配信サービスをユーザシステム4に提供するためのコンテンツ配信依頼を送信する。
【0031】
図5は、案内サーバ22の概略図である。
【0032】
図示するように、案内サーバ22は、ネットワークIF部220と、案内画面データ記憶部221と、広告データ記憶部222と、案内処理部223と、を有する。
【0033】
ネットワークIF部220は、自案内サーバ22をネットワーク24に接続するためのインターフェースである。
【0034】
案内画面データ記憶部221には、デジタルコンテンツの配信サービスを受けるために必要な操作を案内するための案内画面データ等の画面データが記憶されている。広告データ記憶部222には、広告データが記憶されている。
【0035】
案内処理部223は、案内画面データ記憶部221に記憶されている案内画面データをユーザシステム4の表示画面に表示して、ユーザシステム4のユーザに、デジタルコンテンツの配信サービスを受けるために必要な操作を案内する。また、案内処理部223は、広告データ記憶部222に記憶されている広告データを、案内画面データと共に、ユーザシステム4の表示画面に表示する。
【0036】
図6は、インフラプロバイダシステム2の動作を説明するためのフロー図である。
【0037】
認証サーバ21において、認証処理部213は、ネットワークIF部210を介してユーザシステム4からユーザIDを受信すると(S101でYES)、このユーザIDをキーにしてユーザ情報記憶部211からレコード2110を検索する(S102)。
【0038】
このユーザIDがフィールド2111に登録されているレコード2110をユーザ情報記憶部211から検索できなかった場合(S103でNO)、認証処理部213は、ユーザ登録されていない旨のエラーメッセージを、ネットワークIF部210を介して、このユーザシステム4に送信するなどの所定のエラー処理を行って(S110)、処理を終了する。
【0039】
一方、このユーザIDがフィールド2111に登録されているレコード2110をユーザ情報記憶部211から検索できた場合(S103でYES)、認証処理部213は、ネットワークIF部210を介して、このユーザシステム4にパスワード(PW)の受付画面データを送信し、このユーザシステム4からパスワードを受け付ける(S104)。
【0040】
次に、認証処理部213は、S104で受け付けたパスワードが、S102で検索したレコード2110のフィールド2112に登録されているパスワードと一致するか否かを判断する(S105)。
【0041】
一致しない場合(S105でNO)、認証処理部213は、ユーザ認証不成立と判断し、パスワードが一致しない旨のエラーメッセージを、ネットワークIF部210を介して、このユーザシステム4に送信するなどの所定のエラー処理を行って(S110)、処理を終了する。
【0042】
一方、一致する場合(S105でYES)、認証処理部213は、ユーザ認証成立と判断し、S102で検索したレコード2110のフィールド2116の登録内容をこのユーザステム4のアドレスで更新すると共に、ネットワークIF部210を介して、このユーザシステム4のアドレスを案内サーバ22に通知して、コンテンツ視聴のための操作案内を指示する(S106)。
【0043】
さて、案内サーバ22において、案内処理部223は、ネットワークIF部220を介して認証サーバ21から、コンテンツ視聴のための操作案内の指示を受け付けると、この指示と共に認証サーバ21から受け付けたアドレスにより特定されるユーザシステム4に、案内画面データ記憶部221から読み出したメニュー画面データを送信し、指示を受け付ける(S201)。ここで、メニュー画面には広告データの表示枠を設け、この表示枠内に、広告データ記憶部222に記憶されている任意の広告データを表示する。
【0044】
次に、案内処理部223は、ネットワークIF部220を介してユーザシステム4からコンテンツ視聴の指示を受け付けたならば、ユーザシステム4内の情報端末(後述の情報端末41)への配信依頼用ICカード52の装着を促すための案内画面データを案内画面データ記憶部221から読み出し、それを、このユーザシステム4に送信する(S202)。そして、このユーザシステム4からプロバイダIDおよびサービスIDを受信したならば(S203でYES)、これらのIDをユーザシステム4のアドレスと共に認証サーバ21へと送信する(S204)。
【0045】
さて、認証サーバ21において、配信依頼部214は、案内サーバ22からユーザシステム4のアドレスと共にプロバイダIDおよびサービスIDを受信すると(S107)、このプロバイダIDをキーにして、サービスプロバイダ情報記憶部212からレコード2120を検索する。そして、検索したレコード2120のフィールド2123に登録されている稼動状態が「稼動」であるか否かを判断する(S108)。
【0046】
稼動状態が「稼動」でない場合、つまり「停止」である場合(S108でNO)、配信依頼部214は、プロバイダIDおよびサービスIDと共に案内サーバ22から受け取ったアドレスにより特定されるユーザシステム4に対して、ネットワワークIF部210を介して、コンテンツ配信元のサーバが利用できない旨のエラーメッセージを送信するなどの所定のエラー処理を行って(S110)、処理を終了する。
【0047】
一方、稼動状態が「稼動」である場合、配信依頼部214は、案内サーバ22からプロバイダIDおよびサービスIDと共に受け取ったユーザシステム4のアドレスをキーにして、ユーザ情報記憶部211からレコード2110を検索する。そして、検索したレコード2110のフィールド2113に登録されているジャンルと、案内サーバ22から受け取ったサービスIDと、このユーザシステム4のアドレスとを含むコンテンツ配信依頼を作成する。それから、配信依頼部214は、S108で検索したレコード2120のフィールド2122のプロバイダIDにより特定されるサービスプロバイダシステム3に対して、この作成したコンテンツ配信依頼を送信する(S109)。
【0048】
図1に戻って説明を続ける。図1に示すように、サービスプロバイダシステム3は、LAN等のネットワーク33に接続されたコンテンツ配信サーバ31と、このネットワーク33をIP網6に接続するためのゲートウェイ(GW)32と、を有する。
【0049】
コンテンツ配信サーバ31は、デジタルコンテンツの配信処理を行う。
【0050】
図7は、コンテンツ配信サーバ31の概略図である。
【0051】
図示するように、コンテンツ配信サーバ31は、ネットワークIF部310と、デジタルコンテンツ記憶部311と、広告データ記憶部312と、サービス情報記憶部313と、応否判定部314と、配信部315と、利用実績更新部316と、を有する。
【0052】
ネットワークIF部310は、自コンテンツ配信サーバ31をネットワーク33に接続するためのインターフェースである。
【0053】
デジタルコンテンツ記憶部311には、デジタルコンテンツが記憶されている。広告データ記憶部312には、広告データが記憶されている。
【0054】
サービス情報記憶部313には、自サービスプロバイダシステム3のサービスプロバイダに対して、インフラプロバイダシステム2のインフラプロバイダが発行した配信依頼用ICカード52毎に、所望のデジタルコンテンツの配信サービスを受けるために必要な情報であるサービス情報が登録されている。図8は、サービス情報記憶部313の登録内容を模式的に表した図である。
【0055】
図示するように、サービス情報記憶部313には、自サービスプロバイダシステム3のサービスプロバイダに対してインフラプロバイダシステム2のインフラプロバイダが発行した配信依頼用ICカード52毎に、レコード3130が記憶されている。レコード3130は、対象の配信依頼用ICカード52に記憶されているサービスIDを登録するフィールド3131と、このサービスIDが割り当てられた配信サービスで配信されるデジタルコンテンツのジャンルを登録するフィールド3132と、このデジタルコンテンツのタイトルを登録するフィールド3133と、このデジタルコンテンツの格納先(デジタルコンテンツ記憶部311へのパス)を登録するフィールド3134と、この配信サービスの利用限度(回数、期限等)を登録するフィールド3135と、この配信サービスの利用実績(回数)を登録するフィールド3136と、を有する。
【0056】
応否判定部314は、インフラプロバイダシステム2から受け取ったコンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDおよびジャンルと、サービス情報記憶部313に登録されているサービス情報とを用いて、インフラプロバイダシステム2から受け取ったコンテンツ配信依頼に対する応否を判断する。
【0057】
配信部315は、コンテンツ配信依頼を応諾する場合に、このコンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDにより特定されるデジタルコンテンツを、このコンテンツ配信依頼に含まれているアドレスにより特定されるユーザシステム4に送信する。
【0058】
利用実績更新部316は、配信部315によって、コンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDにより特定されるデジタルコンテンツが、このコンテンツ配信依頼に含まれているアドレスにより特定されるユーザシステム4に送信された場合に、サービス情報記憶部313において、このサービスIDに対応する配信サービスの利用実績を更新する。
【0059】
図9は、コンテンツ配信サーバ31の動作を説明するためのフロー図である。
【0060】
コンテンツ配信サーバ31において、応否判定部314は、ネットワークIF部310を介してインフラプロバイダシステム2からコンテンツ配信依頼を受信すると(S301でYES)、このコンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDをキーにしてサービス情報記憶部313からレコード3130を検索する(S302)。
【0061】
次に、応否判定部314は、検索されたレコード3130のフィールド3132に登録されているジャンルが、このコンテンツ配信依頼に含まれているジャンルを包含しているか否かを調べる(S303)。包含している場合(S303でYES)、応否判定部314は、今回の利用が、検索されたレコード3130のフィールド3135に登録されている利用限度以内であるか否かをさらに調べる(S304)。具体的には、検索されたレコード3130のフィールド3135に登録されている利用限度が回数である場合、このレコード3130のフィールド3136に登録されている利用実績(回数)を一つインクリメントした値が、その利用限度が示す回数以内であるか否かを判断する。また、検索されたレコード3130のフィールド3135に登録されている利用限度が期限である場合、現在日時が、その利用限度が示す期限以内であるか否かを判断する。
【0062】
今回の利用が、検索されたレコード3130のフィールド3135に登録されている利用限度以内であると判断した場合(S304でYES)、応否判定部314は、検索したレコード3130のフィールド3134に登録されているデジタルコンテンツの格納先およびコンテンツ配信依頼に含まれているユーザシステム4のアドレスを配信部315に通知する。これを受けて、配信部315は、応否判定部314より通知された格納先により特定されるデジタルコンテンツをデジタルコンテンツ記憶部311から読み出して、応否判定部314より通知されたアドレスにより特定されるユーザシステム4に、ネットワークID部310を介して送信する。この際、広告データ記憶部312から任意の広告データを読み出し、これを、ユーザシステム4の表示画面に表示させるバナー広告データあるいはポップアップ広告データとして、デジタルコンテンツと共に送信する(S305)。また、応否判定部314は、コンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDを利用実績更新部316に通知する。これを受けて、利用実績更新部316は、このサービスIDをキーにしてサービス情報記憶部313からレコード3130を検索し、検索されたレコード3130のフィールド3136に登録されている利用実績を一つインクリメントする(S306)。
【0063】
また、応否判定部314は、検索されたレコード3130のフィールド3132に登録されているジャンルが、コンテンツ配信依頼に含まれているジャンルを包含していないと判断した場合(S303でNO)、あるいは今回の利用が、検索されたレコード3130のフィールド3135に登録されている利用限度外であると判断した場合(S304でNO)、ネットワークIF部310を介して、デジタルコンテンツの配信サービスを利用できない旨のエラーメッセージを、コンテンツ配信依頼に含まれているアドレスにより特定されるユーザシステム4に送信するなどの所定のエラー処理を行う(S307)。
【0064】
図1に戻って説明を続ける。図1に示すように、ユーザシステム4は、LAN等のネットワーク43に接続された情報端末41と、このネットワーク43をIP網6に接続するためのゲートウェイ(GW)42と、を有する。
【0065】
情報端末41は、デジタルコンテンツ配信システム1からデジタルコンテンツを入手して出力する。
【0066】
図10は、情報端末41の概略図である。
【0067】
図示するように、情報端末41は、ネットワークIF部410と、マンマシンインターフェース(MMIF)部411と、認証用ICカード装着部412と、配信依頼用ICカード装着部413と、認証用ICカード読取部414と、配信依頼用ICカード読取部415と、認証要求部416と、配信要求部417と、コンテンツ受信部418と、を有する。
【0068】
ネットワークIF部410は、自情報端末41をネットワーク43に接続するためのインターフェースである。
【0069】
MMIF部411は、LCD等の表示部、スピーカ等の音声出力部、および操作パネル等の入力部を備えたマンマシンインターフェースである。
【0070】
認証用ICカード装着部412は、認証用ICカード51を物理的に保持して電気的に接続するためのインターフェースである。
【0071】
配信依頼用ICカード装着部413は、配信依頼用ICカード52を物理的に保持して電気的に接続するためのインターフェースである。
【0072】
認証用ICカード読取部414は、認証用ICカード装着部412に装着された認証用ICカード51からユーザIDおよびインフラプロバイダシステム2のアドレス(認証サーバ21のURL)を読み取る。
【0073】
配信依頼用ICカード読取部415は、配信依頼用ICカード装着部413に装着された配信依頼用ICカード52からプロバイダIDおよびサービスIDを読み取る。
【0074】
認証要求部416は、認証用ICカード読取部414により認証用ICカード51から読み取られたユーザIDおよびMMIF部411を介してユーザより受け付けたパスワードを用いて、認証用ICカード読取部414により認証用ICカード51から読み取られたURLにより特定される認証サーバ21にユーザ認証を要求する。
【0075】
配信要求部417は、配信依頼用ICカード読取部415により配信依頼用ICカード52から読み取られたプロバイダIDおよびサービスIDを用いて、認証用ICカード51から読み取られたURLにより特定される認証サーバ21に対してデジタルコンテンツの配信を要求する。
【0076】
コンテンツ受信部418は、デジタルコンテンツ配信システム1からデジタルコンテンツを受信し、MMIF部411(表示部および音声出力部)から出力する。
【0077】
図11は、ユーザシステム4の動作を説明するためのフロー図である。
【0078】
情報端末41において、認証用ICカード読取部414は、認証用ICカード装着部412に認証用ICカード51が装着されると(S401でYES)、この認証用ICカード51からユーザIDおよびアクセス先のURLを読み取って認証要求部416に通知する。これを受けて、認証要求部416は、ネットワークIF部410を介して、このユーザIDを、このURLにより特定されるデジタルコンテンツ配信システム1(インフラプロバイダシステム2の認証サーバ21)に送信する(S402)。
【0079】
それから、認証要求部416は、デジタルコンテンツ配信システム1からパスワード受付画面データを受信したならば(S403でYES)、このパスワード受付画面データが表すパスワード受付画面をMMIF部411に表示して、ユーザからパスワードの入力を受け付ける。そして、受け付けたパスワードを、ネットワークIF部410を介してデジタルコンテンツ配信システム1に送信する(S405)。ただし、デジタルコンテンツ配信システム1から、ユーザ登録されていない旨等のエラーメッセージを受信した場合は(S404でYES)、このエラーメッセージをMMIF部411に表示して(S414)、このフローを終了する。
【0080】
次に、認証要求部416は、デジタルコンテンツ配信システム1からメニュー画面データを受信したならば(S406でYES)、このメニュー画面データをMMIF部411に表示して、ユーザからデジタルコンテンツの配信指示を受け付ける。そして、受け付けた指示を、ネットワークIF部410を介してデジタルコンテンツ配信システム1に送信する(S408)。ただし、デジタルコンテンツ配信システム1から、パスワードが一致しない旨等のエラーメッセージを受信した場合は(S407でYES)、このエラーメッセージをMMIF部411に表示して(S414)、このフローを終了する。
【0081】
それから、認証要求部416は、デジタルコンテンツ配信システム1から、コンテンツの配信サービスを受けるための操作を説明するための案内画面データを受信し、これをMMIF部411に表示する(S409)。また、認証要求部416は、配信要求部417に、案内画面データ送信元のデジタルコンテンツ配信システム1のURLを通知してデジタルコンテンツの配信要求の送信を依頼する。これを受けて、配信要求部417は、配信依頼用ICカード読取部415からプロバイダIDおよびサービスIDが送られてくるのを待つ。
【0082】
さて、配信依頼用ICカード読取部415は、配信依頼用ICカード装着部413に配信依頼用ICカード52が装着されたことを検知すると、この配信依頼用ICカード52からプロバイダIDおよびサービスIDを読み取り配信要求部417に通知する。これを受けて、配信要求部417は、ネットワークIF部410を介してデジタルコンテンツ配信システム1にプロバイダIDおよびサービスIDを送信する(S410)。
【0083】
それから、コンテンツ受信部418は、デジタルコンテンツ配信システム1からデジタルコンテンツを受信したならば(S411でYES)、このデジタルコンテンツをMMIF部411の表示部および/または音声出力部から出力する(S413)。この際、デジタルコンテンツと共に広告データを受信したならば、この広告データをバナー広告、ポップアップ広告等によりMMIF部411の表示部に表示する。ただし、デジタルコンテンツ配信システム1からデジタルコンテンツの配信サービスを利用できない旨等のエラーメッセージを受信した場合は(S412でYES)、このエラーメッセージをMMIF部411に表示して(S414)、このフローを終了する。
【0084】
次に、図1に示すネットワークシステムの動作例を説明する。
【0085】
図12は、図1に示すネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図である。また、図13(A)−(F)は、情報端末41の表示画面例を示す図である。
【0086】
ユーザシステム4において、情報端末41は、認証用ICカード51が装着されると(S501)、この認証用ICカード51からユーザIDおよびURLを読み取り(S502)、このURLにより特定されるデジタルコンテンツ配信システム1(インフラプロバイダシステム2の認証サーバ21)にこのユーザIDを送信する(S503)。
【0087】
インフラプロバイダシステム2において、認証サーバ21は、ユーザシステム4からユーザIDを受信すると、このユーザIDを持つユーザ情報がユーザ情報記憶部211に記憶されていることを確認する。それから、図13(A)に示すようなユーザにパスワードの入力を求めるパスワード受付画面を情報端末41に表示させるためのパスワード受付画面データをユーザシステム4に送信する(S504)。
【0088】
ユーザシステム4において、情報端末41は、デジタルコンテンツ配信システム1からパスワード受付画面データを受信すると、このデータに従ってパスワード受付画面を表示して、ユーザからパスワードが入力されるのを待つ。そして、ユーザよりパスワードが入力されたならば(S505)、このパスワードをデジタルコンテンツ配信システム1に送信する(S506)。
【0089】
インフラプロバイダシステム2において、認証サーバ21は、ユーザシステム4よりパスワードを受け取ると、先にユーザシステム4から受信したユーザIDを持つユーザ情報をユーザ情報記憶部211から検索する。そして、ユーザシステム4より受信したパスワードが、このユーザ情報に含まれているパスワードと一致しているか否かを調べることにより、ユーザ認証を行う(S507)。そして、ユーザ認証が成立したならば、案内サーバ22にユーザシステム4のアドレスを通知して操作案内を指示する(S508)。これを受けて、案内サーバ22は、ユーザシステム4に、図13(B)に示すようなメニュー画面を情報端末41に表示させるためのメニュー画面データを、広告データと共に、ユーザシステム4に送信する(S509)。なお、図13(B)において、符号501は広告データを表示するための表示枠である。この表示枠501に、メニュー画面データと共にユーザシステム4に送信された広告データが表示される。
【0090】
ユーザシステム4において、情報端末41は、デジタルコンテンツ配信システム1からメニュー画面データを受信すると、このデータに従ってメニュー画面を表示して、ユーザから指示が入力されるのを待つ。そして、ユーザよりデジタルコンテンツの配信指示が入力されたならば(S510)、この配信指示をデジタルコンテンツ配信システム1に送信する(S511)。
【0091】
インフラプロバイダシステム2において、案内サーバ22は、ユーザシステム4からデジタルコンテンツの配信指示を受信すると、図13(C)に示すような、デジタルコンテンツの配信サービスを受けるための操作を説明するための案内画面データをユーザシステム4に送信する(S512)。
【0092】
ユーザシステム4において、情報端末41は、デジタルコンテンツ配信システム1から案内画面データを受信すると、この操作案内データに従って案内画面を表示して、配信依頼用ICカード52が装着されるのを待つ。そして、ユーザが、案内画面上の操作案内に促されて配信依頼用ICカード52を装着すると(S513)、この配信依頼用ICカード52からプロバイダIDおよびサービスIDを読み取り(S514)、デジタルコンテンツ配信システム1に、このプロバイダIDおよびサービスIDを送信する(S515)。
【0093】
インフラプロバイダシステム2において、案内サーバ22は、ユーザシステム4からプロバイダIDおよびサービスIDを受信すると、これらを認証サーバ21に通知する(S516)。認証サーバ21は、このプロバイダIDを持つサービスプロバイダ情報をサービスプロバイダ情報記憶部212から検索する。そして、このサービスプロバイダ情報に含まれている稼動状態が「稼動」であることを確認し(S517)、このサービスプロバイダ情報に含まれているアドレスにより特定されるサービスプロバイダシステム3に対して、ユーザシステム4のアドレス、ユーザシステム4のユーザIDを持つユーザ情報に含まれているジャンル、およびこのサービスIDを含むコンテンツ配信依頼を送信する(S518)。なお、サービスプロバイダ情報に含まれている稼動状態が「停止」である場合、認証サーバ21は、図13(D)に示すようなサービスプロバイダが停止中であることを説明するための画面データをユーザシステム4に送信し、ユーザシステム4の情報端末41に表示させる。
【0094】
サービスプロバイダシステム3において、コンテンツ配信サーバ31は、認証サーバ21からコンテンツ配信依頼を受信すると、このコンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDを持つサービス情報をサービス情報記憶部313から検索する。そして、このサービス情報に含まれているジャンルが、コンテンツ配信依頼に含まれているジャンルを包含するか否かを調べると共に、今回の配信サービスの利用が、このサービス情報に含まれている利用限度内であるか否かを調べることにより、コンテンツ配信依頼に対する応否を判断する(S519)。そして、応諾すると判断したならば、このサービス情報に含まれている格納先からデジタルコンテンツを読み出して、広告データと共に、このサービス情報に含まれているアドレスにより特定されるユーザシステム4に送信する(S520)。なお、拒否すると判断した場合、コンテンツ配信サーバ31は、図13(E)に示すような拒否理由を説明するための画面データをユーザシステム4に送信し、ユーザシステム4の情報端末41に表示させる。
【0095】
ユーザシステム4において、情報端末41は、デジタルコンテンツ配信システム1からデジタルコンテンツを広告データと共に受信したならば、これらのデータを、図13(F)に示すような表示画面に表示する。なお、図13(F)において、符号502はデジタルコンテンツの表示枠、符号503は広告データの表示枠である。
【0096】
以上、本発明の一の実施の形態について説明した。
【0097】
本実施の形態では、ユーザ認証のためのユーザIDが記憶された認証用ICカード51と、所望のデジタルコンテンツの配信サービスを受けるためのサービスIDが記憶された配信依頼用ICカード52とを使って、デジタルコンテンツ配信システム1からユーザシステム4にデジタルコンテンツを配信させる。
【0098】
ユーザシステム4において、情報端末41は、認証用ICカード51から読み取ったユーザIDおよびユーザから受け付けたパスワードをデジタルコンテンツ配信システム1のインフラプロバイダシステム2の認証サーバ21に送信して、ユーザ認証を要求する。そして、認証成立したならば、配信依頼用ICカード52から読み取ったサービスIDをこの認証サーバ21に送信して、デジタルコンテンツ配信システム1のサービスプロバイダシステム3のコンテンツ配信サーバ31からデジタルコンテンツを受信し出力する。
【0099】
一方、デジタルコンテンツ配信システム1において、インフラプロバイダシステム2の認証サーバ21は、ユーザシステム4から受信したユーザIDおよびパスワードを用いてユーザ認証を行う。そして、認証成立したユーザシステム4からサービスIDを受信したならば、このサービスIDと、このユーザシステム4のユーザが利用可能なデジタルコンテンツのジャンルと、このユーザシステム4のアドレスとを、サービスプロバイダシステム3に通知して、デジタルコンテンツの配信を依頼する。これを受けて、サービスプロバイダシステム3のコンテンツ配信サーバ31は、このサービスIDに対応するデジタルコンテンツのジャンルと、このユーザシステム4のユーザが利用可能なデジタルコンテンツのジャンルとを比較して、このデジタルコンテンツの配信の応否を判断し、応諾と判断した場合に、このデジタルコンテンツをこのユーザシステム4に配信する。
【0100】
したがって、本実施の形態によれば、認証されたユーザに対するデジタルコンテンツの利用者制限が可能なデジタルコンテンツの配信技術を提供することができる。これにより、例えば、所定の映画の配信サービスを受けるための配信依頼用ICカード52を家族で購入した場合に、親には全てのジャンルを視聴可能な認証用ICカード51を発行し、子供には子供向けのジャンルのみを視聴可能な認証用ICカード51を発行しておくことで、親のみがこの配信依頼用ICカード52を利用できるように制限することができる。
【0101】
また、本実施の形態では、サービス情報に配信サービスの利用限度の情報を含めておき、今回の配信サービスの利用が、この配信サービスのサービス情報に含まれている利用限度を超える場合に、この配信サービスの提供を拒否するようにしている。このため、デジタルコンテンツの配信サービスの範囲を柔軟に設定することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、サービスプロバイダ情報にサービスプロバイダの稼動状態を含めておき、サービスプロバイダが停止中の場合は、このサービスプロバイダシステム3にコンテンツ配信依頼を送信することなく、その旨をユーザに知らせるようにしている。このため、停止中のサービスプロバイダシステム3に情報が送信されることにより発生する通信トラフィックを少なくすることができる。
【0103】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、認証サーバ21、案内サーバ22、およびコンテンツ配信サーバ31各々の構成は、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。また、情報端末41は、上記の構成に、キーボード、マウス等の入力装置、およびLCD等の表示装置を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態が適用されたネットワークシステムの概略図である。
【図2】図2は、認証サーバ21の概略図である。
【図3】図3は、ユーザ情報記憶部211の登録内容を模式的に表した図である。
【図4】図4は、サービスプロバイダ情報記憶部212の登録内容を模式的に表した図である。
【図5】図5は、案内サーバ22の概略図である。
【図6】図6は、インフラプロバイダシステム2の動作を説明するためのフロー図である。
【図7】図7は、コンテンツ配信サーバ31の概略図である。
【図8】図8は、サービス情報記憶部313の登録内容を模式的に表した図である。
【図9】図9は、サービスプロバイダシステム3におけるコンテンツ配信サーバ31の動作を説明するためのフロー図である。
【図10】図10は、情報端末41の概略図である。
【図11】図11は、ユーザシステム4の動作を説明するためのフロー図である。
【図12】図12は、図1に示すネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図13】図13(A)−(F)は、情報端末41の表示画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1:デジタルコンテンツ配信システム、2:インフラプロバイダシステム、3:サービスプロバイダシステム、4:ユーザシステム、6:IP網、21:認証サーバ、22:案内サーバ、23:ゲートウェイ、24:LAN、31:コンテンツ配信サーバ、32:ゲートウェイ、33:ネットワーク、41:情報端末、42:ゲートウェイ、43:ネットワーク、51:認証用ICカード、52:配信依頼用ICカード、210:ネットワークIF部、211:ユーザ情報記憶部、212:サービスプロバイダ情報記憶部、213:認証処理部、214:配信依頼部、220:ネットワークIF部、221:案内画面データ記憶部、222:広告データ記憶部、223:案内処理部、310:ネットワークIF部、311:デジタルコンテンツ記憶部、312:広告データ記憶部、313:サービス情報記憶部、314:応否判定部、315:配信部、316:利用実績更新部、410:ネットワークIF部、411:MMIF部、412:認証用ICカード装着部、413:配信依頼用ICカード装着部、414:認証用ICカード読取部、415:配信依頼用ICカード読取部、416:認証要求部、417:配信要求部、418:コンテンツ受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末にデジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、
ネットワークを介して前記情報端末に接続された認証サーバおよび少なくとも一つのコンテンツ配信サーバを有し、
前記認証サーバは、
ユーザ毎に、対象となるユーザのユーザID、パスワード、および利用可能なデジタルコンテンツのジャンルを含むユーザ情報が記憶されたユーザ情報記憶手段と、
前記コンテンツ配信サーバ毎に、対象となる前記コンテンツ配信サーバのサーバIDおよびアドレスを含む配信サーバ情報が記憶された配信サーバ情報記憶手段と、
前記情報端末から受信したユーザIDを含むユーザ情報を前記ユーザ情報記憶手段から検索し、検索されたユーザ情報に含まれているパスワードと、当該情報端末から受信したパスワードとを用いて、前記情報端末のユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段により認証された前記情報端末から受信したサーバIDを含む配信サーバ情報を前記配信サーバ情報記憶手段から検索し、検索された配信サーバ情報に含まれているアドレスを持つ前記コンテンツ配信サーバに対して、当該サーバIDと共に当該情報端末から受信したサービスID、前記検索されたユーザ情報に含まれているジャンル、および当該情報端末のアドレスを含むコンテンツ配信依頼を送信する配信依頼手段と、を有し、
前記コンテンツ配信サーバは、
配信サービス毎に、対象となる配信サービスのサービスID、配信するデジタルコンテンツのジャンル、および当該デジタルコンテンツの格納場所を含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段と、
前記認証サーバから受信したコンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDを含むサービス情報を前記サービス情報記憶手段から検索し、検索されたサービス情報に含まれているジャンルと、当該コンテンツ配信依頼に含まれているジャンルとを用いて、当該コンテンツ配信依頼に対する応否を判断する応否判断手段と、
前記応否判断手段により応諾すると判断されたコンテンツ配信依頼に含まれているアドレスにより特定される前記情報端末に対して、前記検索されたサービス情報に含まれている格納場所からデジタルコンテンツを読み出して送信する配信手段と、を有する
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ配信システムであって、
前記サービス情報は、
配信対象である前記デジタルコンテンツの利用限度およびユーザの利用実績をさらに含み、
前記応否判断手段は、
前記検索されたサービス情報に含まれているジャンルおよび前記コンテンツ配信依頼に含まれているジャンルに加え、当該サービス情報に含まれているデジタルコンテンツの利用限度およびユーザの利用実績を用いて、当該コンテンツ配信依頼に対する応否を判断し、
前記コンテンツ配信サーバは、
前記配信手段が、前記応否判断手段により応諾すると判断されたコンテンツ配信依頼に含まれているアドレスにより特定される前記情報端末に対して、前記検索されたサービス情報に含まれている格納場所からデジタルコンテンツが読み出して送信した場合に、前記サービス情報に含まれている、当該情報端末のユーザの利用実績を更新する利用実績更新手段をさらに有する
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツ配信システムであって、
前記配信サーバ情報は、
対象となる前記コンテンツ配信サーバの稼動状態をさらに含み、
前記配信依頼手段は、
前記検索された配信サーバ情報に含まれている稼動状態が稼働中である場合に、当該配信サーバ情報に含まれているアドレスを持つ前記コンテンツ配信サーバに対して前記コンテンツ配信依頼を送信する
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンテンツ配信システムからデジタルコンテンツを受信して出力する情報端末であって、
ユーザIDが記憶されている認証用ICカードを装着するための認証用ICカード装着手段と、
サーバIDおよびサービスIDが記憶されている配信依頼用ICカードを装着するための配信依頼用ICカード装着手段と、
前記認証用ICカード装着手段に装着されている前記認証用ICカードから前記ユーザIDを読み取るユーザID読取手段と、
前記配信依頼用ICカード装着手段に装着されている前記配信依頼用ICカードから前記サーバIDおよび前記サービスIDを読み取るサービスID読取手段と、
ユーザからパスワードの入力を受け付けるパスワード受付手段と、
前記ユーザID読取手段により読み取った前記ユーザIDおよび前記パスワード受付手段により受け付けた前記パスワードを、前記コンテンツ配信システムを構成する認証サーバに送信して、自情報端末のユーザ認証を要求する認証要求手段と、
前記認証サーバによる自情報端末のユーザ認証が成立した場合に、前記サービスID読取手段により読み取った前記サーバIDおよび前記サービスIDを当該認証サーバに送信して、デジタルコンテンツの配信を要求する配信要求送信手段と、
前記コンテンツ配信システムを構成し、前記サーバIDに対応するコンテンツ配信サーバから、前記サービスIDに対応する配信サービスにより提供されるデジタルコンテンツを受信して出力するコンテンツ出力手段と、を有する
ことを特徴とする情報端末。
【請求項5】
ネットワークを介して情報端末に接続された認証サーバおよび少なくとも一つのコンテンツ配信サーバを用いて、前記情報端末にデジタルコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、
前記情報端末は、
自情報端末に装着された認証用ICカードからユーザIDを読み取ると共に、自情報端末のユーザからパスワードの入力を受け付け、当該ユーザIDおよび当該パスワードを前記認証サーバに送信して、自情報端末のユーザ認証を要求し、
前記認証サーバによる自情報端末のユーザ認証が成立した場合に、自情報端末に装着された配信依頼用ICカードからサーバIDおよびサービスIDを読み取り、当該サーバIDおよび当該サービスIDを前記認証サーバに送信して、デジタルコンテンツの配信を要求し、
前記コンテンツ配信サーバからデジタルコンテンツを受信して出力し、
前記認証サーバは、
ユーザ毎に、対象となるユーザのユーザID、パスワード、および利用可能なデジタルコンテンツのジャンルを含むユーザ情報が記憶されたユーザ情報記憶手段から、前記情報端末から受信したユーザIDを含むユーザ情報を検索し、検索されたユーザ情報に含まれているパスワードと、当該情報端末から受信したパスワードとを用いて、前記情報端末のユーザ認証を行い、
前記コンテンツ配信サーバ毎に、対象となるサーバのサーバIDおよびアドレスを含む配信サーバ情報が記憶された配信サーバ情報記憶手段から、ユーザ認証された前記情報端末から受信したサーバIDを含む配信サーバ情報を検索し、検索された配信サーバ情報に含まれているアドレスを持つ前記コンテンツ配信サーバに対して、当該サーバIDと共に当該情報端末から受信したサービスID、前記検索されたユーザ情報に含まれているジャンル、および当該情報端末のアドレスを含むコンテンツ配信依頼を送信し、
前記コンテンツ配信サーバは、
配信サービス毎に、対象となる配信サービスのサービスID、配信するデジタルコンテンツのジャンル、および当該デジタルコンテンツの格納場所を含むサービス情報を記憶するサービス情報記憶手段から、前記認証サーバより受信したコンテンツ配信依頼に含まれているサービスIDを含むサービス情報を検索し、検索されたサービス情報に含まれているジャンルと、当該コンテンツ配信依頼に含まれているジャンルとを用いて、当該コンテンツ配信依頼に対する応否を判断し、
応諾すると判断されたコンテンツ配信依頼に含まれているアドレスにより特定される前記情報端末に対して、前記検索されたサービス情報に含まれている格納場所からデジタルコンテンツを読み出して送信する
ことを特徴とするコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−105718(P2009−105718A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276343(P2007−276343)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】