説明

コンテンツ配信システム

【課題】保護が要求されるコンテンツデータのサーバにおける格納場所を隠すことができるコンテンツ配信システムを提供する。
【解決手段】インターネット端末10から第2サーバ装置30の第2コンテンツデータ配信サーバ31に第2コンテンツデータを特定する第2コンテンツデータ特定キー情報を送信し、第2コンテンツデータ配信サーバ31でその第2コンテンツデータ特定キー情報に基づいて該当する第2コンテンツデータを検索取得してリクエスト元のインターネット端末10に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システムに関し、特に、ネットワークを介してサーバからクライアントにコンテンツデータを配信するコンテンツ配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来のコンテンツ配信システムを示すシステム構成図である。
【0003】
図中のコンテンツ配信システム100は、クライアント・サーバシステムによって構成されている。クライアント110は、インターネットやイントラネットなどのネットワーク101を介してサーバ120との間で双方向通信可能なネットワーク端末であり、汎用の閲覧ソフトであるWebブラウザ111を有している。サーバ120は、ネットワーク101上に公開されたWebサイトを有するWebサーバであり、その内部には、HTMLやXMLなどの所定の記述言語で作成されたWebサイトを構成するコンテンツデータが格納されている。
【0004】
サーバ120とクライアント110との間におけるコンテンツデータの配信は、HTTPやFTPなどの一般的なインターネットプロトコルを使用して行われ、HTML標準の記述方式が採用されている。
【0005】
例えば、サーバ120からクライアント110にコンテンツデータの配信を受ける場合、クライアント110のWebブラウザ上でコンテンツデータの格納場所を示す情報、例えばサーバ120のWebサイトを指定するURLを入力し、クライアント110からサーバ120にコンテンツデータの配信を要求するリクエストを送信する。
【0006】
サーバ120は、コンテンツデータの格納場所を示す情報に基づいて、要求されたコンテンツデータをサーバ120の記憶手段121や他のデータベース等から検索・取得し、そのままのファイル形式でリクエスト元のクライアントに配信する。サーバ120から配信されたコンテンツデータは、Webブラウザ111によってWebサイトとしてクライアント110の表示部に表示される。
【0007】
クライアント110の表示部に表示されるWebサイトは、HTML標準の記述方式に沿ってリンク先を示すファイルパスを記載することによって、他のコンテンツデータへのリンクを貼ることができ、いわゆるハイパーテキスト化することができる。
【0008】
Webサイトをハイパーテキスト化すると、マウスポインタの位置をリンクに合わせてクリックするだけで、リンク先に飛んで他のコンテンツデータを表示することができる。
【0009】
汎用のWebブラウザ111は、マウスポインタをイメージ上に移動させると、リンク先を示す配信元情報がファイルパスとしてWebブラウザ111のステータスバーやメニューバーに表示されるように構成されている。
【0010】
また、ファイルパスは、Webページをソースコードで表示することによって、例えば<img src="http://www.***/**/**.gif">のように見ることができ、リンク先のコンテンツデータが格納されている場所を容易に特定することができた。
【0011】
尚、従来より、ハイパーテキストを利用した種々の技術が複数提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】特開平7−44447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のように、従来のコンテンツ配信システム100では、サーバ120は、クライアント110からコンテンツデータが格納されている場所を示す情報の提供を受けることで、リクエストされた第2コンテンツデータを特定して配信していた。したがって、コンテンツデータが格納されている場所の情報をクライアントに示す必要があった。
【0014】
しかしながら、コンテンツデータが格納されている場所の情報がクライアント側で明らかになると、HTTPなどの一般的なインターネットプロトコルを利用して、そのコンテンツデータをオリジナルと同等のファイル形式で入手することができる。したがって、コンテンツデータを流出・流用される危険性があり、コンテンツデータの二次的な利用を有効に防ぐことが困難であった。
【0015】
尚、Webブラウザ上でのソース表示を禁止することによってWebブラウザ上でコンテンツデータの配信元情報の表示を禁止することは可能であったが、例えば専用のツールを用いてネットワーク上のトラフィックを監視することにより容易に入手することができた。
【0016】
また、従来のコンテンツ配信システム100は、サーバ120がクライアント110からリクエストされたコンテンツデータをそのままのファイル形式でクライアント110に配信していた。
【0017】
したがって、配信されるコンテンツデータが、例えば一般的なファイル形式のデータである場合には、クライアント110側でエディタを使用して内容を改ざん・流用することができ、重要なデータの漏洩や、著作権の侵害を防ぐことはできないという問題があった。
【0018】
本発明は、これらの問題に鑑みなされたものであり、その目的は、保護が要求されるコンテンツデータのサーバにおける格納場所を隠すことができるコンテンツ配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決する請求項1に記載のコンテンツ配信システムの発明は、クライアントと、第1コンテンツデータ配信サーバと、第2コンテンツデータ配信サーバと、メタファイル配信サーバを互いにネットワーク接続したコンテンツ配信システムであって、クライアントは、第1ブラウザ及び第2ブラウザを有し、第1コンテンツデータ配信サーバは、メタファイル配信サーバの配信元情報を含む第1コンテンツデータを格納した第1コンテンツデータ記憶手段を有し、メタファイル配信サーバは、第2コンテンツデータ配信サーバの配信元情報及び第2コンテンツデータを特定する第2コンテンツデータ特定キー情報を有したメタファイルを格納するメタファイル記憶手段を有し、第2コンテンツデータ配信サーバは、第2コンテンツデータをオリジナルのファイル形式で第2コンテンツデータ特定キー情報に関連づけして記憶する第2コンテンツデータ記憶手段を有する。
【0020】
そして、クライアントの第1ブラウザは、第1コンテンツデータ配信サーバに対して第1コンテンツデータの配信を要求するリクエストを送信し、第1コンテンツデータ配信サーバは、クライアントからの第1コンテンツデータの配信を要求するリクエストに応じて第1コンテンツデータ記憶手段から該当する第1コンテンツデータを検索取得し、その検索取得した第1コンテンツデータをクライアントに配信する。
【0021】
クライアントの第1ブラウザは、第1コンテンツデータ配信サーバから配信を受けた第1コンテンツデータをクライアントの表示部に表示すると共に、第1コンテンツデータに含まれているメタファイル配信サーバの配信元情報を用いてメタファイル配信サーバにメタファイルの配信を要求するリクエストを生成し、その生成したリクエストをメタファイル配信サーバに送信する。
【0022】
メタファイル配信サーバは、クライアントからのメタファイルの配信を要求するリクエストに応じてメタファイル記憶手段から該当するメタファイルを検索取得し、クライアントに配信する。
【0023】
クライアントの第2ブラウザは、メタファイル配信サーバから配信を受けたメタファイルに含まれている第2コンテンツデータ配信サーバの配信元情報及び第2コンテンツデータ特定キー情報を用いて第2コンテンツデータ配信サーバに第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを生成し、その生成したリクエストを第2コンテンツデータ配信サーバに送信する。
【0024】
第2コンテンツデータ配信サーバは、クライアントからの第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを受けると、そのリクエストに含まれている第2コンテンツデータ特定キー情報に基づき第2コンテンツデータ記憶手段から該当する第2コンテンツデータを検索取得し、その検索取得した第2コンテンツデータをオリジナルのファイル形式から独自のファイル形式に変換し暗号化してクライアントに配信する。
【0025】
クライアントの第2ブラウザは、第2コンテンツデータ配信サーバから配信を受けた第2コンテンツデータを独自のファイル形式に復号化し、表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明によると、第2コンテンツデータ配信サーバは、第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストに含まれている第2コンテンツデータ特定キー情報に基づいて第2コンテンツデータ記憶手段から該当する第2コンテンツデータを検索取得してクライアントに配信する処理を行う。
【0027】
したがって、従来のように第2コンテンツデータが格納されている場所を直接示す情報をクライアントに教えることなく、第2コンテンツデータ配信サーバ側でクライアントからリクエストされた第2コンテンツデータを特定することができ、リクエスト元のクライアントに配信することができる。
【0028】
したがって、保護が要求されるコンテンツデータを第2コンテンツデータとした場合に、第2コンテンツデータの第2コンテンツデータ配信サーバにおける格納場所をクライアント側から隠すことができる。
【0029】
よって、第2コンテンツデータの格納場所の推測、断定を不可能とし、第2コンテンツデータがオリジナルと同等のファイル形式で第2コンテンツデータ配信サーバから取り出されてクライアント側に流出するのを防ぐことができる。
【0030】
また、第2コンテンツデータ配信サーバは、第2コンテンツデータを独自のファイル形式に変換し、更に暗号化してからクライアントに配信し、クライアントは、第2ブラウザによって第2コンテンツデータを独自のファイル形式に復号化してクライアントの表示部に表示する。
【0031】
したがって、クライアントに対して、従来のようなオリジナルのファイル形式ではなく、独自のファイル形式に変換された第2コンテンツデータを受け渡すことができる。したがって、クライアント側でエディタ等の使用による内容の改ざんを防ぎ、例えば悪意のある利用者あるいは第三者による情報の漏洩や著作権の侵害から第2コンテンツデータを適切に保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態におけるコンテンツ配信システムのシステム構成図、図2は、コンテンツ配信システムのブロック図、図3は、コンテンツ配信方法を説明するフローチャートである。
【0034】
本実施の形態におけるコンテンツ配信システム1は、図1に示すように、インターネット端末(クライアント)10と、第1サーバ装置(第1コンテンツデータ配信サーバ及びメタファイル配信サーバ)20と、第2サーバ装置30(第2コンテンツデータ配信サーバ)を有している。
【0035】
インターネット端末10は、モニターなどの表示部、キーボードやマウス等の入力手段、演算処理を行う制御手段、ハードディスクやメモリなどの記憶手段、モデムやLANなどのインターネット(ネットワーク)2への接続手段等を有した、例えばパソコンやPDA、ブラウザフォン等のハードウエアとOS等のソフトウエアによって構成されており、汎用ブラウザ(第1ブラウザ)11と専用ブラウザ(第2ブラウザ)12の2つの閲覧ソフトがそれぞれ起動可能な状態でインストールされている。
【0036】
汎用ブラウザ11は、いわゆるWebブラウザであり、HTTPやFTPなどの一般的なインターネットプロトコルを利用してインターネット2上に公開されたWebサーバのWebサイトにアクセスし、HTMLやXML等の所定の記述言語により記述されたテキスト文書や画像データなどのコンテンツデータを取得し、表示部に表示する処理を行う。また、汎用ブラウザ11は、HTTPS等の一般的な暗号化プロトコルを利用して第1サーバ装置20のメタファイル配信サーバ25にメタファイルの配信を要求し、配信されたメタファイルを復号化する処理を行う。
【0037】
専用ブラウザは、インターネット端末10がメタファイル配信サーバ25からメタファイルの配信を受けることによって自動的に起動し、配信されたメタファイルの解析を行い、そのメタファイルの情報に基づき第2サーバ装置30の第2コンテンツデータ配信サーバ31にアクセスし、第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを行い、そのリクエストに応じて配信された第2コンテンツデータを復号化してインターネット端末10の表示部に表示する処理を行う。
【0038】
第1サーバ装置20は、第1コンテンツデータ配信サーバ21と、メタファイル配信サーバ25の2つのサーバとして機能するように構成されている。
【0039】
第1コンテンツデータ配信サーバ21は、第1コンテンツデータを記憶する第1コンテンツデータ記憶手段22と、汎用ブラウザ11によってインターネット端末10から第1コンテンツデータの配信を要求するHTTPリクエストを受けた場合に第1コンテンツデータ記憶手段22から該当する第1コンテンツデータを検索取得する第1コンテンツデータ検索取得手段23と、その検索取得した第1コンテンツデータをHTTPレスポンスとしてリクエスト元のインターネット端末に配信する第1コンテンツデータ配信手段24を有する。
【0040】
第1コンテンツデータは、汎用ブラウザ11によってインターネット端末10に表示される、HTMLにより記述されたテキスト文書や画像データなどのデジタルデータによって構成されており、メタファイル配信元情報が含まれている。
【0041】
メタファイル配信元情報は、従来のファイルパスとは異なり、メタファイル配信サーバ31に対してメタファイルの配信を要求するのに必要な情報を独自のフォーマットによってファイル化したものであり、HTML、スクリプト、あるいはプログラムを利用して第1コンテンツデータのページ定義内でメタファイルを配信する記述がなされており、第1コンテンツデータをインターネット端末10に表示した場合に、ページ定義されたリンク情報として表示されるように構成されている。
【0042】
本実施の形態では、第2コンテンツデータの取得を希望する場合にクリックするリンクボタンとして第1コンテンツデータ中に表示され、クリックすることによってメタファイル配信サーバ31にメタファイルの配信を要求するリクエストを暗号化して送信するように構成されている。
【0043】
メタファイル配信サーバ25は、暗号化されたメタファイルを記憶するメタファイル記憶手段26と、インターネット端末10からメタファイルの配信を要求するリクエストを受けた場合にメタファイル記憶手段26から該当するメタファイルを検索取得するメタファイル検索取得手段27と、その検索取得したメタファイルをリクエスト元のインターネット端末10に配信するメタファイル配信手段28を有している。
【0044】
復号化されたメタファイルは、第2サーバ装置30のサーバ装置名(例えば、HOST=www.***.com)及びアクセスポート番号(例えば、PORT=****2)を有した第2サーバ配信元情報と、第2コンテンツデータにアクセスするアクセスキー(例えば、KEY=mosquite212109)を有したオリジナルのキー情報(第2コンテンツデータ特定キー情報)を保持している。これらの第2サーバ配信元情報とキー情報は、専用ブラウザ12が第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを作成する際に用いられる。
【0045】
第2サーバ装置30の第2コンテンツデータ配信サーバ31は、複数の第2コンテンツデータをオリジナルのファイル形式でキー情報に関連づけして記憶する第2コンテンツデータ記憶手段32と、インターネット端末10から第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを受けた場合に、リクエストに含まれているキー情報に基づいて第2コンテンツデータ記憶手段32内を検索し、該当する第2コンテンツデータを取得する第2コンテンツデータ検索取得手段33と、その検索取得した第2コンテンツデータをオリジナルのファイル形式から独自のファイル形式に変換し、独自のプロトコルにより暗号化してリクエスト元のインターネット端末に配信する第2コンテンツデータ配信手段34を有している。
【0046】
第2コンテンツデータは、専用ブラウザ12によってインターネット端末の表示部に表示されるコンテンツデータであり、保護が要求されるコンテンツデータ、より詳細には、オリジナルと同等のファイル形式で流出したり、インターネット端末側でエディタ等を使用して内容が改ざん・流用されるのを防ぐ必要があるコンテンツデータである。
【0047】
第2コンテンツデータは、テキストデータや画像データ等のデジタルデータによって構成されており、そのオリジナルは、一般的なファイル形式、例えば、リッチtextファイル、cvsファイル、pdfファイル、gifファイルなどのファイル形式で第2コンテンツデータ記憶手段32に格納されている。したがって、コンテンツデータの管理者等は、エディタによってオリジナルのコンテンツデータの内容を修正等でき、サーバ側で第2コンテンツデータの登録や管理を容易に行うことができる。
【0048】
一方、第2サーバ装置30の第2コンテンツデータ配信サーバ31からインターネット端末10に配信される第2コンテンツデータは、第2コンテンツデータ配信サーバ31の第2コンテンツデータ配信手段34によってオリジナルのファイル形式から独自のファイル形式に変換されて更に暗号化されたものであり、専用ブラウザ12を使用しなければ復号化して表示部に表示することができない。したがって、インターネット端末10側では、オリジナルと同等のファイル形式で入手することや、エディタ等を使用して第2コンテンツデータの内容を改ざん・流用することができない状態となっている。
【0049】
次に、上記構成を有するコンテンツ配信システム1を用いたコンテンツ配信方法について図3のフローチャートに基づき以下に説明する。
【0050】
まず、インターネット端末10から第1サーバ装置20のWebサイトにアクセスする(ステップS1)。Webサイトへのアクセスは、汎用ブラウザを起動して第1サーバ装置20のURLを直接入力したり、表示部に表示されているリンクをクリックすることによって行われる。
【0051】
第1サーバ装置20は、インターネット端末10からWebサイトへのアクセスを要求するリクエストを受けると、第1コンテンツデータ配信サーバ21が第1コンテンツデータ記憶手段22から該当する第1コンテンツデータを検索取得し、リクエスト元のインターネット端末10に配信する(ステップS2)。
【0052】
インターネット端末10が第1サーバ装置20から第1コンテンツデータの配信を受けると、汎用ブラウザ11は、その第1コンテンツデータをインターネット端末10の表示部に表示させる処理を行う。この処理により、表示部には第1コンテンツデータが表示され、その第1コンテンツデータの中に、保護が要求される第2コンテンツデータの取得を希望する場合にクリックするように指示されたクリックボタンが表示される。
【0053】
汎用ブラウザ11を操作してこのクリックボタンをクリックすると、汎用ブラウザ11は、第1コンテンツデータに含まれているメタファイル配信元情報に基づき第1サーバ装置10のメタファイル配信サーバ25にメタファイルの配信を要求するリクエストを作成し、そのリクエストをHTTPSなどの一般的な暗号化プロトコルを利用して暗号化し、インターネット端末10からメタファイル配信サーバ25に送信する処理を行う(ステップS3)。
【0054】
メタファイル配信サーバ25は、インターネット端末10からメタファイルの配信を要求するリクエストを受けると、そのリクエストを復号化し、リクエストに含まれている情報に基づいてメタファイル記憶手段26から該当するメタファイルを検索取得し、リクエスト元のインターネット端末に配信する(ステップS4)。
【0055】
インターネット端末10が第1サーバ装置20のメタファイル配信サーバ25からメタファイルの配信を受けると、専用ブラウザ12が自動的に立ち上がる。専用ブラウザ12は、メタファイルの解析を行い、メタファイルに含まれている第2サーバ配信元情報とキー情報を取得する。そして、その第2サーバ配信元情報とキー情報を用いて、第2サーバ装置30に第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを作成し、そのリクエストを独自のプロトコルにより暗号化してインターネット端末10から第2サーバ装置30に送信する(ステップS6)。
【0056】
第2サーバ装置30は、第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを受けると、復号化し、そのリクエストに含まれているキー情報を用いて第2コンテンツデータ記憶手段32内を検索し、該当する第2コンテンツデータを取得する。そして、その検索取得した第2コンテンツデータをオリジナルのファイル形式から独自のファイル形式に変換し、独自のプロトコルを利用して暗号化し、リクエスト元のインターネット端末10に配信する(ステップS7)。
【0057】
専用ブラウザ12は、インターネット端末10が第2サーバ装置30から暗号化された第2コンテンツデータの配信を受けると、その第2コンテンツデータを独自のファイル形式に復号化し、インターネット端末10の表示部に表示させる(ステップS8)。
【0058】
上記構成を有するコンテンツ配信システム1によれば、インターネット端末10から第2サーバ装置30の第2コンテンツデータ配信サーバ31に第2コンテンツデータを特定するキー情報を送信し、第2コンテンツデータ配信サーバ31でそのキー情報に基づいて該当する第2コンテンツデータを検索取得してリクエスト元のインターネット端末10に配信する処理を行う。
【0059】
したがって、従来のように第2コンテンツデータが格納されている場所を直接示す情報をインターネット端末10に教えることなく、第2コンテンツデータ配信サーバ31側でインターネット端末10からリクエストされた第2コンテンツデータを特定することができ、リクエスト元のインターネット端末10に配信することができる。
【0060】
したがって、保護が要求されるコンテンツデータである第2コンテンツデータの格納場所をインターネット端末10側から隠すことができ、第2コンテンツデータがオリジナルと同等のファイル形式で第2コンテンツデータ配信サーバ31から取り出されてインターネット端末10側に流出するのを防ぐことができる。
【0061】
また、第2コンテンツデータ配信サーバ31は、第2コンテンツデータ特定キー情報によってリクエストされた第2コンテンツデータを独自のファイル形式に変換し、更に独自のプロトコルによって暗号化してからインターネット端末10に配信し、インターネット端末10は、配信された第2コンテンツデータを専用ブラウザ12によって独自のファイル形式に復号化し、インターネット端末10の表示部に表示する。
【0062】
したがって、インターネット端末10に対して、従来のようなオリジナルではなく、独自のファイル形式に変換された第2コンテンツデータを受け渡すことができ、インターネット端末10側でエディタ等の使用による内容の改ざんを防ぐことができる。これにより、例えば悪意のある利用者あるいは第三者による情報の漏洩や著作権の侵害から第2コンテンツデータを適切に保護することができる。
【0063】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、インターネット2を利用した場合を例に説明したが、他のネットワークを利用したものであってもよい。
【0064】
また、上述の実施の形態では、第1コンテンツデータ配信サーバ21とメタファイル配信サーバ25を第1サーバ装置20に設けた場合を例に説明したが、2つのサーバ装置に分けて設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施の形態におけるコンテンツ配信システムのシステム構成図である。
【図2】コンテンツ配信システムのブロック図である。
【図3】コンテンツ配信方法を説明するフローチャートである。
【図4】従来のコンテンツ配信システムのシステム構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 コンテンツ配信システム
2 インターネット(ネットワーク)
10 インターネット端末(クライアント)
11 汎用ブラウザ(第1ブラウザ)
12 専用ブラウザ(第2ブラウザ)
20 第1サーバ装置
21 第1コンテンツデータ配信サーバ
25 メタファイル配信サーバ
30 第2サーバ装置
31 第2コンテンツデータ配信サーバ
32 第2コンテンツデータ記憶手段
33 第2コンテンツデータ検索取得手段
34 第2コンテンツデータ配信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントと、第1コンテンツデータ配信サーバと、第2コンテンツデータ配信サーバと、メタファイル配信サーバを互いにネットワーク接続したコンテンツ配信システムであって、
前記クライアントは、第1ブラウザ及び第2ブラウザを有し、
前記第1コンテンツデータ配信サーバは、前記メタファイル配信サーバの配信元情報を含む第1コンテンツデータを格納した第1コンテンツデータ記憶手段を有し、
前記メタファイル配信サーバは、前記第2コンテンツデータ配信サーバの配信元情報及び前記第2コンテンツデータを特定する第2コンテンツデータ特定キー情報を有したメタファイルを格納するメタファイル記憶手段を有し、
前記第2コンテンツデータ配信サーバは、第2コンテンツデータをオリジナルのファイル形式で前記第2コンテンツデータ特定キー情報に関連づけして記憶する第2コンテンツデータ記憶手段を有し、
前記クライアントの第1ブラウザは、前記第1コンテンツデータ配信サーバに対して第1コンテンツデータの配信を要求するリクエストを送信し、
前記第1コンテンツデータ配信サーバは、前記クライアントからの第1コンテンツデータの配信を要求するリクエストに応じて第1コンテンツデータ記憶手段から該当する第1コンテンツデータを検索取得し、該検索取得した第1コンテンツデータを前記クライアントに配信し、
前記クライアントの第1ブラウザは、前記第1コンテンツデータ配信サーバから配信を受けた第1コンテンツデータを前記クライアントの表示部に表示すると共に、前記第1コンテンツデータに含まれている前記メタファイル配信サーバの配信元情報を用いて前記メタファイル配信サーバに前記メタファイルの配信を要求するリクエストを生成し、該生成したリクエストを前記メタファイル配信サーバに送信し、
前記メタファイル配信サーバは、前記クライアントからの前記メタファイルの配信を要求するリクエストに応じて前記メタファイル記憶手段から該当するメタファイルを検索取得し、前記クライアントに配信し、
前記クライアントの第2ブラウザは、前記メタファイル配信サーバから配信を受けたメタファイルに含まれている前記第2コンテンツデータ配信サーバの配信元情報及び前記第2コンテンツデータ特定キー情報を用いて前記第2コンテンツデータ配信サーバに前記第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを生成し、該生成したリクエストを前記第2コンテンツデータ配信サーバに送信し、
前記第2コンテンツデータ配信サーバは、前記クライアントからの前記第2コンテンツデータの配信を要求するリクエストを受けると、該リクエストに含まれている前記第2コンテンツデータ特定キー情報に基づき前記第2コンテンツデータ記憶手段から該当する第2コンテンツデータを検索取得し、該検索取得した第2コンテンツデータをオリジナルのファイル形式から独自のファイル形式に変換し暗号化してクライアントに配信し、
前記クライアントの第2ブラウザは、前記第2コンテンツデータ配信サーバから配信を受けた第2コンテンツデータを独自のファイル形式に復号化し、前記表示部に表示することを特徴とするコンテンツ配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−120050(P2006−120050A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309325(P2004−309325)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(504397310)イーストラテジー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】