説明

コンバインにおけるエンジンカバーの除塵装置

【課題】除塵用軸流ファンの中心側でも、防塵網に向けた送風を行い、防塵網の除塵効果を高める。
【解決手段】エンジン12の冷却ファン13を、エンジンカバー11が備える防塵網11cを介して外気を吸い込むように設けると共に、防塵網11cと冷却ファン13との間に、防塵網11cに向けて送風可能な除塵用軸流ファン19を設け、冷却ファン13を停止させた状態で除塵用軸流ファン19を作動させることにより、防塵網11cの外側に付着した屑を吹き飛ばすコンバイン1において、除塵用軸流ファン19の下流側に、除塵用軸流ファン19で起した風を除塵用軸流ファン19の中心側に導風する導風部材25を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防塵網の外側に付着した屑を吹き飛ばす除塵用軸流ファンを備えるコンバインにおけるエンジンカバーの除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの冷却ファンを、エンジンカバーが備える防塵網を介して外気を吸い込むように設けると共に、防塵網と冷却ファンとの間に、防塵網に向けて送風可能な除塵用軸流ファンを設け、冷却ファンを停止させた状態で除塵用軸流ファンを作動させることにより、防塵網の外側に付着した屑を吹き飛ばすコンバインが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7−16028号公報
【特許文献2】特開2005−153643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、除塵用軸流ファンでは、ファンの中心側で風が起きないため、防塵網におけるファン中心部との対向領域で除塵が行われず、屑が残るという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、エンジンの冷却ファンを、エンジンカバーが備える防塵網を介して外気を吸い込むように設けると共に、防塵網と冷却ファンとの間に、防塵網に向けて送風可能な除塵用軸流ファンを設け、冷却ファンを停止させた状態で除塵用軸流ファンを作動させることにより、防塵網の外側に付着した屑を吹き飛ばすコンバインにおいて、前記除塵用軸流ファンの下流側に、除塵用軸流ファンで起した風を除塵用軸流ファンの中心側に導風する導風部材を設けたことを特徴とする。
また、前記導風部材を、除塵用軸流ファンの支持部材に固定したことを特徴とする。
また、前記導風部材を、複数の湾曲プレートで構成すると共に、除塵用軸流ファンの支持部材を、除塵用軸流ファンが固定されるファン固定部と、該ファン固定部をエンジンカバーで支持させる複数の脚部とで構成し、湾曲プレートの一端を、ファン固定部又は脚部のファン固定部側に固定する一方、湾曲プレートの他端を、脚部のファン固定部とは反対側に固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、除塵用軸流ファンの下流側に、除塵用軸流ファンで起した風を除塵用軸流ファンの中心側に導風する導風部材を設けたので、除塵用軸流ファンの中心側でも、防塵網に向けた送風を行い、防塵網の外側に付着した屑を吹き飛ばすことができる。
また、請求項2の発明によれば、導風部材を、除塵用軸流ファンの支持部材に固定したので、導風部材の支持部材を別途設ける場合に比べ、構造の簡略化及び部品点数の削減が図れる。
また、請求項3の発明によれば、導風部材を構成する複数の湾曲プレートを、除塵用軸流ファンの支持部材が備えるファン固定部や脚部を利用して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの全体右側面図である。
【図2】エンジン部の右側面図である。
【図3】エンジン部の正面図である。
【図4】シュラウドの作用を示すエンジン部の平面図である。
【図5】シュラウドが無い場合の説明図であり、(A)は、エンジン部の要部右側面図、(B)は、エンジン部の要部平面図である。
【図6】エンジンカバーを開いた状態を示すエンジン部の右側面図である。
【図7】除塵装置の右側面図である。
【図8】除塵装置の斜視図である。
【図9】除塵装置の分解斜視図である。
【図10】クラッチ入り状態の冷却ファンクラッチを示す右側面図である。
【図11】クラッチ切り状態の冷却ファンクラッチを示す右側面図である。
【図12】クラッチ駆動部の左側面図である。
【図13】クラッチ駆動部の平面図である。
【図14】エンジン部の背面斜視図である。
【図15】エンジン部の背面要部拡大斜視図である。
【図16】第二実施形態を示す図であり、エンジンカバーを開いた状態を示すエンジン部の右側面図である。
【図17】第三実施形態を示す図であり、エンジン部の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈り取る前処理部2、刈り取った茎稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部(図示せず)、選別した穀粒を貯溜する穀粒タンク3、脱穀済の排稈を後処理する後処理部4と、運転席5や各種の操作具が配置される操作部6、クローラ式の走行部7などを備えて構成されている。
【0009】
図1〜図6に示すように、運転席5を支える運転フレーム8の下方には、エンジン部9が構成されている。エンジン部9は、左右両側部が開口したエンジンルーム10と、エンジンルーム10の右側開口部を開閉自在に覆うエンジンカバー11とを備えている。本実施形態のエンジンカバー11は、後端部のヒンジ11aを回動支点として機体外側方に開閉動作する片開き扉であり、扉枠11bに防塵網11cを張設して構成されている。
【0010】
エンジンルーム10内には、エンジン12と、該エンジン12の動力で回転し、防塵網11cを介して外気を吸い込む冷却ファン13と、該冷却ファン13に対する動力伝動を入り切りする冷却ファンクラッチ14と、冷却ファン13の外方に配置されるラジエータ15と、ラジエータ15の周囲に逃げる冷却風を遮断する冷却用シュラウド16と、ラジエータ15の外方に配置されるオイルクーラ17と、該オイルクーラ17と防塵網11cの間に配置される除塵装置18が設けられている。
【0011】
除塵装置18は、冷却ファン13による外気の吸い込みに伴って防塵網11cの外側に付着した屑を取り除くための装置であり、具体的には、防塵網11cの内側から外側に向けて送風可能な除塵用軸流ファン19を備え、該除塵用軸流ファン19を、冷却ファン13を停止させた状態で作動させることにより、防塵網11cの外側に付着した屑を吹き飛ばすように構成されている。
【0012】
しかしながら、従来の除塵装置では、図5に示すように、除塵用軸流ファン19の作動時に、除塵用軸流ファン19と防塵網11cの間の空間から除塵用軸流ファン19の上流側に回り込む吸引風が発生するため、除塵用軸流ファン19の外周側では、防塵網11cに向けた送風が行われず、逆に外気を吸い込む状態となり、その結果、防塵網11cにおけるファン対向領域のみが除塵され、その外周側では除塵が行われず、屑が残るという問題があった。
【0013】
そこで、本発明の実施形態に係る除塵装置18は、除塵用軸流ファン19の作動時に、除塵用軸流ファン19と防塵網11cの間の空間から除塵用軸流ファン19の上流側に回り込む吸引風を遮断する除塵用シュラウド20を備える。このようにすると、図4に示すように、除塵用軸流ファン19の作動時に、除塵用軸流ファン19と防塵網11cの間の空間から除塵用軸流ファン19の上流側に回り込む吸引風が遮断されることにより、除塵用軸流ファン19の外周側でも、防塵網11cに向けた送風を行うことができ、その結果、防塵網11cにおけるファン対向領域のみでなく、防塵網11cの広い範囲で除塵を行うことが可能になる。
【0014】
本実施形態の除塵用シュラウド20は、除塵用軸流ファン19の外周を囲む筒部20aと、該筒部20aの防塵網側端部から防塵網11cに向かってラッパ状に延出し、除塵用軸流ファン19の送風範囲を拡張する拡張部20bとを備えて構成されている。
【0015】
除塵用シュラウド20は、防塵網11cの少なくとも略半分を覆うことが好ましい。例えば、本実施形態の除塵用シュラウド20は、図2に示すように、防塵網11cの下側半分を覆うように配置されている。このようにすると、防塵網11cの少なくとも略半分の領域で定期的に除塵を行うことができるので、防塵網11cの目詰まりによるエンジン12の冷却効率の低下を抑えることができる。
【0016】
図7〜図9に示すように、本実施形態の除塵用軸流ファン19は、ファン19aと、該ファン19aを回転させる電動モータ19bとからなる電動ファンであり、図9に示すように、ファン固定ナット21を用いてファン支持部材22に固定されている。また、ファン支持部材22は、防塵網11cと除塵用シュラウド20の間に挟まれる状態で、シュラウド固定ボルト24を用いて除塵用シュラウド20と共にエンジンカバー11に固定されている。このようにすると、エンジンカバー11を開放することにより、除塵用軸流ファン19や除塵用シュラウド20を機体外方に移動させることができるので、これらを容易にメンテナンスすることが可能になる。尚、図9において符号Sで示す部材は、除塵用シュラウド20と防塵網11cとの隙間を気密的に塞ぐシール材である。
【0017】
また、従来の除塵装置では、図5に示すように、除塵用軸流ファン19の中心側で風が起きないことに起因し、防塵網11cにおけるファン中心部との対向領域で十分な除塵が行われず、屑が残るという問題があった。
【0018】
そこで、本発明の実施形態に係る除塵装置18では、除塵用軸流ファン19の下流側に、除塵用軸流ファン19で起した風を除塵用軸流ファン19の中心側に導風する導風部材25が設けられている。このようにすると、図7に示すように、除塵用軸流ファン19の中心側に風を導き、ファン中心部から防塵網11cに向けた送風を行うことができるので、防塵網11cにおけるファン中心部との対向領域でも効果的な除塵を行うことが可能になる。
【0019】
導風部材25は、図7〜図9に示すように、除塵用軸流ファン19を支持するファン支持部材22に固定することが好ましい。このようにすると、導風部材25の支持部材を別途設ける場合に比べ、構造の簡略化及び部品点数の削減が図れる。
【0020】
本実施形態の導風部材25は、複数の湾曲プレート25aで構成されると共に、各湾曲プレート25aがそれぞれ独立した状態でファン支持部材22に固定されている。ここで、本実施形態のファン支持部材22は、除塵用軸流ファン19が固定されるファン固定部22aと、エンジンカバー11に固定されるカバー固定部22bと、ファン固定部22aから放射方向に延出し、カバー固定部22bに一体的に連結される複数の脚部22cとを備えて構成されている。そして、各湾曲プレート25aは、その一端がファン固定部22a又は脚部22cのファン固定部側に固定される一方、その他端が隣接する脚部22cのファン固定部側とは反対側に固定される。このようにすると、導風部材25を構成する複数の湾曲プレート25aを、ファン支持部材22が備えるファン固定部22aや脚部22cを利用して固定することが可能になる。
【0021】
本実施形態の除塵装置18では、脚部22cの本数と湾曲プレート25aの個数を同数としている。このようにすると、同一形状の湾曲プレート25aを均等な間隔でバランス良く配置することが可能になるので、導風部材25のコストを低減できるだけでなく、ファン支持部材22の剛性も均等にすることができる。
【0022】
次に、本実施形態の冷却ファンクラッチ14について、図10〜図15を参照して説明する。これらの図に示すように、エンジン12の右側部には、図示しないクランク軸に連結されるクランクプーリ26と、その上方に配置されるファンプーリ27とが設けられており、両プーリ26、27間には、ファンベルト28が懸回されている。ファンプーリ27は、冷却ファン13と一体的に連結されており、クランクプーリ26からベルト伝動される動力で冷却ファン13を回転駆動させる。また、ファンプーリ27の後方には、オルタネータ用プーリ29が配置されており、ベルト30を介してクランクプーリ26からオルタネータ用プーリ29に伝動される動力でオルタネータ31が回転駆動されるようになっている。
【0023】
冷却ファンクラッチ14は、ファンベルト23を弛緩させることにより、ファンプーリ27への動力伝動を断つベルトテンションクラッチであり、ファンベルト23に当接するテンションプーリ32と、該テンションプーリ32を進退自在に支持するタイトアーム33と、該タイトアーム33をクラッチ入り方向に付勢するテンションスプリング34と、タイトアーム33をクラッチ駆動ワイヤ35を介してクラッチ切り方向に作動させるクラッチ駆動モータ36とを備えて構成されている。
【0024】
クラッチ駆動モータ36は、モータブラケット37に取り付けられると共に、エンジンルーム10の後端部に配置されている。エンジンルーム10の後端部は、図14及び図15に示すように、開放可能な部位であり、ここに配置することでクラッチ駆動モータ36のメンテナンス性が確保される。モータブラケット37の配置部分を開放するには、まず、エンジン部9の後方に配置されている穀粒タンク3を、その後端側を支点として機体外側方へ回動させ、エンジン部9の後方を開放させる。次に、エンジンルーム10の背面を覆っているエンジン背面カバー38と前述した冷却用シュラウド16を取り外すことにより、モータブラケット37の配置部分が開放される。
【0025】
モータブラケット37には、テンション調整機構39が設けられると共に、このテンション調整機構39を介してテンションスプリング34の基端側が連結されている。このようにすると、メンテナンス性が確保されたモータブラケット37に、テンション調整機構39及びテンションスプリング34を設けることにより、これらのメンテナンス性も向上させることが可能になる。
【0026】
テンション調整機構39は、テンションスプリング34の基端位置を変更することにもとづいて、クラッチ入り時におけるファンベルト28の張り具合を調整する機構であり、テンションスプリング34の基端部が連結されるテンション調整アーム40を備えて構成されている。
【0027】
テンション調整アーム40は、モータブラケット37に回動支点ボルト41を介して前後回動自在に設けられており、その回動に応じてテンションスプリング34の基端位置を変更することができる。また、テンション調整アーム40には、任意の回動位置でテンション調整アーム40の回動を固定する回動固定ボルト42が設けられている。この回動固定ボルト42は、モータブラケット37に形成される長孔37a(回動支点ボルト41を中心とする円弧状の長孔)に挿通され、その締め付けによりテンション調整アーム40をモータブラケット37に回動不能に固定するようになっている。このようなアーム式のテンション調整機構39によれば、テンションスプリング34の張り方向に延長状に設けられるボルトアジャスタ式のテンション調整機構に比べ、テンションスプリング34の張り方向に必要なスペースを縮小することができる。
【0028】
アーム式のテンション調整機構39を構成するにあたり、本実施形態では、テンション調整アーム40の先端側に延長部を形成し、該延長部を取っ手部40aとしている。このようにすると、テンション調整に際し、取っ手部40aを握ってテンション調整アーム40を任意の回動位置に保持できるので、回動固定ボルト42を緩めたり、締め付ける作業が容易になる。また、テンション調整に際しては、長孔37aによってテンション調整アーム40の回動範囲が制限されているので、テンション調整アーム40をベルト緩み側の初期回動位置で仮保持し、その後にテンション調整を行うという工程を組むことにより、組立性を向上させることができる。
【0029】
本実施形態のテンション調整機構39には、テンション調整アーム40のベルト緩み側への回動を任意の回動位置で規制可能なストッパボルト43が設けられている。ストッパボルト43は、モータブラケット37に前後位置調整自在に設けられており、後端部のボルト頭がベルト緩み側からテンション調整アーム40に当接することにより、テンション調整アーム40のベルト緩み側への回動を規制するようになっている。このようにすると、回動固定ボルト42が緩んでも、テンション調整アーム40の回動位置を維持することができるので、回動固定ボルト42の緩みに伴うテンション調整アーム40の回動によって、ファンベルト28のテンション不良が生じるという問題を解消することができる。
【0030】
本実施形態では、ストッパボルト43が当接するストッパピン44をテンション調整アーム40に設けるにあたり、該ストッパピン44をテンションスプリング34の取付ピンに兼用している。このようにすると、部品点数の削減および構造の簡略化が図れる。また、ストッパボルト43とストッパピン44は、長孔37aで規定されるテンション調整アーム40の全回動範囲において当接するように取付位置が設定されている。これにより、全てのテンション調整範囲において、回動固定ボルト42の緩みに伴うテンション調整アーム40の回動を規制することができる。
【0031】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、エンジン12の冷却ファン13を、エンジンカバー11が備える防塵網11cを介して外気を吸い込むように設けると共に、防塵網11cと冷却ファン13との間に、防塵網11cに向けて送風可能な除塵用軸流ファン19を設け、冷却ファン13を停止させた状態で除塵用軸流ファン19を作動させることにより、防塵網11cの外側に付着した屑を吹き飛ばすコンバイン1において、除塵用軸流ファン19の下流側に、除塵用軸流ファン19で起した風を除塵用軸流ファン19の中心側に導風する導風部材25を設けたので、除塵用軸流ファン19の中心側でも、防塵網11cに向けた送風を行い、防塵網11cの外側に付着した屑を吹き飛ばすことができる。
【0032】
また、本実施形態では、導風部材25を、除塵用軸流ファン19のファン支持部材22に固定したので、導風部材25の支持部材を別途設ける場合に比べ、構造の簡略化及び部品点数の削減が図れる。
【0033】
また、本実施形態では、導風部材25を、複数の湾曲プレート25aで構成すると共に、除塵用軸流ファン19のファン支持部材22を、除塵用軸流ファン19が固定されるファン固定部22aと、該ファン固定部22aをエンジンカバー11で支持させる複数の脚部22cとで構成し、湾曲プレート25aの一端を、ファン固定部22a又は脚部22cのファン固定部側に固定する一方、湾曲プレート25aの他端を、脚部22cのファン固定部側とは反対側に固定したので、導風部材25を構成する複数の湾曲プレート25aを、除塵用軸流ファン19のファン支持部材22が備えるファン固定部22aや脚部22cを利用して固定することができる。
【0034】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されないことは勿論であって、特許請求の範囲を逸脱しない限り、任意に変更できることは言うまでもない。
【0035】
例えば、前記実施形態のコンバインでは、キャビンを備えないため、エンジンルーム10内にキャビンの空調に必要なコンデンサ50やレシーバドライヤ51を備えていないが、図16に示す第二実施形態のように、エンジンルーム10内にコンデンサ50やレシーバドライヤ51を設ける場合は、機体右側面視における除塵装置18とコンデンサ50の重合範囲が可及的に小さくなるような配置構成とすることが好ましい。例えば、コンデンサ50を上側に配置し、除塵装置18を下側に配置する。このようにすると、コンデンサ50と重合しない広い範囲で防塵網11cの除塵を行うことができるので、冷却風の吸気効率を高めてエンジン12の冷却効率を高めることができる。
【0036】
また、前記実施形態では、防塵網11cの下側略半分に除塵装置18を設けていたが、図17に示す第三実施形態のように、防塵網11cの上側略半分にも除塵装置18を設け、防塵網11cの全域で除塵を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 コンバイン
9 エンジン部
10 エンジンルーム
11 エンジンカバー
11c 除塵網
12 エンジン
13 冷却ファン
14 冷却ファンクラッチ
18 除塵装置
19 除塵用軸流ファン
20 除塵用シュラウド
22 ファン支持部材
22a ファン固定部
22c 脚部
25 導風部材
25a 湾曲プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの冷却ファンを、エンジンカバーが備える防塵網を介して外気を吸い込むように設けると共に、防塵網と冷却ファンとの間に、防塵網に向けて送風可能な除塵用軸流ファンを設け、冷却ファンを停止させた状態で除塵用軸流ファンを作動させることにより、防塵網の外側に付着した屑を吹き飛ばすコンバインにおいて、
前記除塵用軸流ファンの下流側に、除塵用軸流ファンで起した風を除塵用軸流ファンの中心側に導風する導風部材を設けたことを特徴とするコンバインにおけるエンジンカバーの除塵装置。
【請求項2】
前記導風部材を、除塵用軸流ファンの支持部材に固定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインにおけるエンジンカバーの除塵装置。
【請求項3】
前記導風部材を、複数の湾曲プレートで構成すると共に、除塵用軸流ファンの支持部材を、除塵用軸流ファンが固定されるファン固定部と、該ファン固定部をエンジンカバーで支持させる複数の脚部とで構成し、湾曲プレートの一端を、ファン固定部又は脚部のファン固定部側に固定する一方、湾曲プレートの他端を、脚部のファン固定部とは反対側に固定したことを特徴とする請求項2記載のコンバインにおけるエンジンカバーの除塵装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−201487(P2011−201487A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72835(P2010−72835)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】