説明

コンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置

【課題】 移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供すること。
【解決手段】 制御手段が、端末側指令手段にて指令される指令情報BU,BD,BR,BLに基づいて昇降用アクチュエータ及び旋回用アクチュエータの作動を制御する場合の方が、機体側指令手段にて指令される指令情報CU,CD,CR,CLに基づいて昇降用アクチュエータ及び旋回用アクチュエータの作動を制御する場合よりも低速で穀粒排出用オーガが昇降作動及び旋回作動するように、昇降用アクチュエータ及び旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されているコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒排出用オーガを機体に対して昇降駆動する昇降用アクチュエータ及び穀粒排出用オーガを機体に対して旋回駆動する旋回用アクチュエータと、機体の運転搭乗部に設けられ、前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する手動操作式の機体側指令手段と、前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する手動操作式の端末側指令手段と、前記機体側指令手段及び前記端末側指令手段にて指令される指令情報に基づいて、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御する制御手段とが備えられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のコンバインにおける穀粒排出用オーガの位置制御装置は、作業者が機体の運転搭乗部に位置している場合でも、排出対象箇所付近等の搭乗運転部から離れた位置に位置している場合でも、機体に設けられた穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令できるものである。
【0003】
コンバインにおける穀粒排出用オーガは、穀粒排出作業を行わない場合、例えば刈取作業中は、収納位置に位置させ、穀粒排出作業を行う場合は、穀粒運搬車両の荷台等の排出対象箇所に対応した使用位置に位置させて使用するものであるため、穀粒排出作業の前後においては、穀粒排出用オーガは、収納位置と使用位置とに亘って大きく昇降作動及び旋回作動させることがある。一方、穀粒排出作業においては、穀粒がこぼれないように排出対象箇所に対して穀粒排出用オーガを適正な位置に適確に位置させる必要があるため、実際に排出対象箇所に穀粒を排出させて、その状況を見ながら、排出穀粒排出用オーガを微量だけ昇降作動及び旋回作動させて、使用位置の微調整をすることがある。
【0004】
このような穀粒排出用オーガの使用位置についての微調整は、実際の穀粒排出状況や穀粒排出用オーガと排出対象箇所との相対位置関係を確認し易い位置で行うことが望ましく、そのため、作業者は、そのような位置に位置した状態で端末側指令手段にて穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令して行われるのが一般的である。
【0005】
上記のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置の一例として、昇降用アクチュエータとしての油圧シリンダと、旋回用アクチュエータとしての旋回モータと、運転搭乗部に設けられた機体側指令手段としての機体側の操作部と、端末側指令手段としての無線式操作装置と、機体側の操作部及び無線式操作装置にて指令される指令情報に基づいて、油圧シリンダ及び旋回モータの作動を制御する制御手段としての制御装置とが備えられたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
特許文献1には明記されていないが、上記従来のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置では、制御手段は、機体側指令手段にて指令情報が指令された場合も、端末側指令手段にて指令情報が指令された場合も同じ速度で昇降作動及び旋回作動するべく、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されていた。
【0007】
そして、昇降作動及び旋回作動するときの昇降速度及び旋回速度は、穀粒排出用オーガを収納位置と使用位置とに亘って大きく移動させる場合に実用的な移動時間で移動させることができるような速度に設定されていた。
【0008】
【特許文献1】特開2003−325032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置の構成であると、機体側指令手段にて指令情報が指令された場合も、端末側指令手段にて指令情報が指令された場合も、粒排出用オーガは、大きく移動させる場合を考慮した設定速度で、昇降作動及び旋回作動するため、上述したように端末側指令手段にて使用位置を微調整しようとすると、昇降作動及び旋回作動させる加減が難しく、穀粒排出用オーガの使用位置の微調整がうまくできないといった問題があった。
【0010】
ちなみに、昇降作動及び旋回作動するときの昇降速度及び旋回速度を、穀粒排出用オーガの使用位置の微調整が行い易いような低速度に設定にすることも考えられるが、そのように設定すると、使用位置の微調整は行い易くなるが、大きい範囲で移動させるときには、所要時間が掛かり過ぎて、実用的でないものになってしまう。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置は、穀粒排出用オーガを機体に対して昇降駆動する昇降用アクチュエータ及び穀粒排出用オーガを機体に対して旋回駆動する旋回用アクチュエータと、機体の運転搭乗部に設けられ、前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する手動操作式の機体側指令手段と、前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する手動操作式の端末側指令手段と、前記機体側指令手段及び前記端末側指令手段にて指令される指令情報に基づいて、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御する制御手段とが備えられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、
その第1特徴構成は、前記制御手段が、前記端末側指令手段にて指令される指令情報に基づいて前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御する場合の方が、前記機体側指令手段にて指令される指令情報に基づいて前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御する場合よりも低速で前記穀粒排出用オーガが昇降作動及び旋回作動するように、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されている点にある。
【0013】
本発明の第1特徴構成によると、端末側指令手段にて指令された指令情報に基づいて穀粒排出用オーガを昇降作動及び旋回作動させる場合には、機体側指令手段にて指令された指令情報に基づいて穀粒排出用オーガを昇降作動及び旋回作動させる場合よりも穀粒排出用オーガを低速で昇降作動及び旋回作動させることができるので、穀粒排出用オーガで穀粒の排出を行うときの使用位置を微調整する場合には、実際の穀粒排出状況や穀粒排出用オーガと排出対象箇所との相対位置関係を確認し易い位置で端末側指令手段にて指令情報を指令することにより穀粒排出用オーガを低速作動させて、適確な使用位置の微調整を行い得るとともに、穀粒排出用オーガを使用位置から収納位置へ、又は収納位置から使用位置へ大きく移動させる場合には、機体側指令手段にて指令情報を指令することにより穀粒排出用オーガを高速作動させて、迅速に移動させることができる。
【0014】
このように、本発明の第1特徴構成によると、穀粒排出用オーガを移動させる場合に、機体側指令手段と端末側指令手段とを移動の目的に応じて使い分けることにより、移動の目的に適した作動速度にて穀粒排出用オーガを移動させることができ、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を得るに至った。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、
前記端末側指令手段が、前記穀粒排出用オーガを昇降作動させる昇降指令を指令する昇降用指令操作具と前記穀粒排出用オーガを旋回作動させる旋回指令を指令する旋回用指令操作具との双方又は何れか一方を備え、
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が、昇降又は旋回を互いに異なる速度となる形態で指令するための複数の作動指令用操作位置に切換自在に構成され、
前記端末側指令手段が、前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が前記複数の作動指令用操作位置のうちの何れかの作動指令用操作位置に操作されると、その作動指令用操作位置に対応した速度で前記穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させる操作位置対応指令を指令するように構成され、
前記制御手段が、前記端末側指令手段にて前記操作位置対応指令が指令されると、その操作位置対応指令に対応した速度で前記穀粒排出用オーガが昇降作動又は旋回作動するように、前記昇降用アクチュエータ又は前記旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されている点にある。
【0016】
本発明の第2特徴構成によると、端末側指令手段の昇降用指令操作具又は旋回用指令操作具の作動指令用操作位置が切換えられて、その作動指令用操作位置に対応した操作位置対応指令が端末側指令手段から指令されると、制御手段が、その操作位置対応指令に対応した複数の異なる速度で穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させるので、端末側指令手段の昇降用指令操作具又は旋回用指令操作具の操作位置を選択することにより、穀粒排出用オーガを複数の異なる速度で昇降作動又は旋回作動させることができる。
【0017】
したがって、操作位置対応指令に対応した速度を、例えば、穀粒排出用オーガを使用位置から収納位置へ又は収納位置から使用位置へ大きく移動させる場合や使用位置の微調整のための僅かに移動させる場合等の想定される移動目的に応じた適切な速度とすることにより、端末側指令手段を使って穀粒排出用オーガを旋回作動又は昇降作動させるときに、複数の異なる速度から夫々の場合に適した速度を選択して移動目的に応じた速度で穀粒排出用オーガを旋回作動又は昇降作動させることがきる。
【0018】
このように、本発明の第2特徴構成によると、機体側指令手段を使用せずに端末側指令手段だけを操作して穀粒排出用オーガを移動させる場合でも、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を得るに至った。
【0019】
本発明の第3特徴構成は、本発明の第2特徴構成において、
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が、停止指令用操作位置に復帰付勢された状態で設けられ、
前記端末側指令手段が、前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が前記停止指令用操作位置に位置する場合は、昇降又は旋回を行わせる指令を指令しないように構成され、
前記制御手段が、前記端末側指令手段にて昇降又は旋回を行わせる指令が指令されないときは、前記穀粒排出用オーガの昇降作動又は旋回作動を停止するように、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されている点にある。
【0020】
本発明の第3特徴構成によると、停止指令用操作位置に復帰付勢された状態で設けられた昇降用指令操作具又は旋回用指令操作具を、付勢力に抗して手指にて作動指令用操作位置に操作することにより、穀粒排出用オーガを、作動指令用操作位置に対応した速度で旋回作動又は昇降作動させることができる。
【0021】
また、昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が前記停止指令用操作位置に位置すると、端末側指令手段から昇降又は旋回を行わせる指令が指令されず、制御手段が穀粒排出用オーガの昇降作動又は旋回作動を停止するので、付勢力に抗して昇降用指令操作具又は旋回用指令操作具を作動指令用操作位置に操作している手指を離すだけの簡単な操作により、昇降作動又は旋回作動している穀粒排出用オーガを停止させることができる。
【0022】
このように本発明の第3特徴構成によると、端末側指令手段の簡単な操作により穀粒排出用オーガを異なる速度で昇降作動又は旋回作動させて移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいものであり、しかも、昇降作動又は旋回作動している穀粒排出用オーガを簡単に停止させることができるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を得るに至った。
【0023】
本発明の第4特徴構成は、本発明の第3特徴構成において、
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が、往復移動操作される往復移動式に構成され、
前記停止指令用操作位置及び複数の前記作動指令用操作位置が、前記昇降用指令装具又は、前記旋回用指令操作具の往復移動経路の一端から他端に向けて、一端に前記停止指令用操作位置を位置させ且つその停止指令用操作位置から離れるほど複数の前記作動指令用操作位置のうちの高速を指令する作動指令用操作位置を位置させて並ぶように構成されている点にある。
【0024】
本発明の第4特徴構成によると、昇降用指令装具又は旋回用指令操作具を、往復移動経路の一端に位置する停止指令用操作位置から、より遠く離れた作動指令用操作位置に位置させることで、より高速で穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させることができる。
【0025】
したがって、昇降用指令操作具又は旋回用指令操作具を複数の作動指令用操作位置に位置させて、異なる作動速度のうち所望の作動速度で穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させる場合に、復帰付勢された停止指令用操作位置からの操作量が大きいほど高速で穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させることができる。つまり、昇降用指令操作具又は旋回用指令操作具の停止指令用操作位置からの操作量の大小が、穀粒排出用オーガの作動速度の大小に対応するので、感覚に合った操作により昇降作動又は旋回作動における作動速度を異ならせることができ、端末側指令手段により操作位置対応指令を指令する場合の操作性が向上する。
【0026】
このように本発明の第4特徴構成によると、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいものであり、しかも、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させるべく端末側指令手段にて操作位置対応指令を指令する場合に、操作性の良い状態で指令することができるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を得るに至った。
【0027】
本発明の第5特徴構成は、本発明の第4特徴構成において、
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令装具が、前記端末側指令手段のケーシングの内外方向に往復移動し且つ前記ケーシングの外方側に復帰付勢された押し込み操作式に構成され、
前記停止指令用操作位置及び複数の前記作動指令用操作位置が、前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具の往復移動経路の一端を前記ケーシングの外方側としかつ往復移動経路の他端を前記ケーシングの内方側として並ぶように構成されている点にある。
【0028】
本発明の第5特徴構成によると、ケーシングの外方側に復帰付勢されて停止指令用操作位置に位置する昇降用指令操作具又は前記旋回用指令装具を、端末側指令手段のケーシングを握っている手の指にて、ケーシングの内方側に押し込み操作することで、複数の前記作動指令用操作位置の何れかの位置に位置させることができる。また、停止指令用操作位置に位置するようにケーシングの外方側に復帰付勢されているので、押し込み操作する手指の操作力の強弱によりケーシングの内方側への押し込み操作量を異ならせることができる。
【0029】
したがって、昇降用指令操作具又は前記旋回用指令装具を、ケーシングを握っている手の指にて、強い操作力で深く押し込み操作して、その押し込み操作量が多いほど高速で穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させ、弱い操作力で浅く押し込み操作して、その押し込み操作量が少ないほど低速で穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させることができる。
【0030】
このように、本発明の第5特徴構成によると、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいものであり、しかも、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させるべく端末側指令手段にて操作位置対応指令を指令する場合に、ケーシングを握っている手の指の自然な動きにて指令することができるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を得るに至った。
【0031】
本発明の第6特徴構成は、本発明の第1〜第5特徴構成の何れかにおいて、前記端末側指令手段が、無線信号にて前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する無線式のリモコンとして構成されている点にある。
【0032】
本発明の第6特徴構成によると、端末側指令手段が無線式のリモコンで構成されているので、端末側指令手段とコンバインの本機側とを接続する配線ケーブルを設ける必要がなく、端末側指令手段により穀粒排出用オーガの昇降指令や旋回指令を指令することができる範囲は、配線ケーブルの長さによる制約を受けず、端末側指令手段が出力する無線信号の強度により設定することができる。したがって、端末側指令手段により穀粒排出用オーガの昇降指令や旋回指令を指令することができる範囲を設定する場合の自由度が増す。
【0033】
また、端末側指令手段が無線式のリモコンで構成されているので、端末側指令手段により穀粒排出用オーガの昇降指令や旋回指令を指令する位置を無線信号が届く範囲内で自由に変更することができる。したがって、端末側指令手段を携帯して移動する際の配線ケーブルの引き回しや、端末側指令手段を使用した後における配線ケーブルの巻取り等の面倒な作業を要せず、作業能率を向上させることができる。
【0034】
このように、本発明の第6特徴構成によると、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいものでありながら、しかも、端末側指令手段により穀粒排出用オーガの昇降指令や旋回指令を指令することができる範囲を設定する場合の自由度が増すとともに、端末側指令手段により穀粒排出用オーガの昇降指令や旋回指令を指令する場合の作業能率を向上させることができるコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置を得るに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明のコンバインにおける穀粒排出用オーガの位置制御装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0036】
図1及び図2に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1の上部に設けた機体Vの前部に、刈取部3が横軸心周りに揺動操作自在な状態で付設され、機体Vには、運転搭乗部2、刈取穀稈を脱穀・選別する脱穀部4、脱穀部4にて選別回収された穀粒を貯留する穀粒タンク5、及び穀粒タンク5に貯留された穀粒を機外に排出するための穀粒排出用オーガ9(以下、単にオーガ9という。)等が装備されている。
【0037】
穀粒タンク5の底部に前後方向に沿う状態で底部スクリューコンベア7が設けられ、その底部スクリューコンベア7の搬送終端部から上方に向けてベベルギア連動される状態で縦送りスクリューコンベア8が延設され、この縦送りスクリューコンベア8の上部には、ベベルギア連動される状態でオーガ9が、横軸心P1周りに揺動操作自在で、且つ、縦軸心P2周りに旋回操作自在に装備されている。
【0038】
底部スクリューコンベア7の搬送始端部には、機体右前部に設けたエンジンEから底部スクリューコンベア7への動力伝達を断続するベルトテンション式の排出クラッチ13の出力プーリ13Aが装着されている。排出クラッチ13は、クラッチ操作用電動モータM1(図5参照)を正転駆動させると入り状態とすることができ、クラッチ操作用電動モータM1を逆転駆動させると切り状態とすることができるようになっている。
【0039】
オーガ9は、オーガスクリュー9Aとこれを覆う外装ケース9Bとからなり、外装ケース9Bの先端部には穀粒排出口10が設けられている。外装ケース9Bには、縦コンベアスクリュー8Aの円筒ケース8Bに回動ケース6を介して連通接続されており、回動ケース6が、縦送りスクリューコンベア8の円筒ケース8Bに縦軸心P2周りに相対回動可能に接続されるとともに、オーガ9の外装ケース9Bに横軸心P1周りに相対回動可能に接続されている。
【0040】
図1には、オーガ9が収納位置に位置した状態が示されている。このときのオーガ9の旋回位置は収納用旋回位置CE(図2参照)となっており、昇降位置は収納用昇降位置Horgとなっている。また、図2に示すように、予め昇降可能範囲が設定され、後述する昇降位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9が昇降可能範囲内で昇降するように、後述する制御装置Hにより昇降用アクチュエータとしての昇降用電動シリンダ15の作動が制御される。なお、上昇作動しているオーガ9がその昇降可能範囲の上限界位置Htopに達したときには、自動的にオーガ9の旋回を停止するように、制御装置Hにより昇降電動シリンダ15の作動が停止される。
【0041】
図2には、オーガ9が収納用旋回位置CEに旋回した状態が示されており、この収納用旋回位置CEに旋回した状態でオーガ9を上述の収納用昇降位置Horgに下降させて受止具30に受け止めさせて、オーガ9を収納することになる。また、図2に示すように、予め旋回可能範囲が設定され、後述する旋回位置検出センサRxの検出情報に基づいて、オーガ9が旋回可能範囲内で旋回するように、制御装置Hにより旋回用アクチュエータとしての旋回用電動モータM2(図2及び図5参照)の作動が制御される。なお、旋回作動しているオーガ9がその旋回可能範囲の左限界位置LE及び右限界位置REに達したときには、自動的にオーガ9の旋回を停止するように、制御装置Hにより旋回用電動モータM2の作動が停止される。
【0042】
オーガ9の旋回操作の駆動構成について説明すると、図3に示すように、回動ケース6の外側面に、旋回駆動用の大径ギア11が固着され、その大径ギア11に咬合するピニオンギア12を回転駆動する旋回用電動モータM2が縦送りスクリューコンベヤ8に固定され、この旋回用電動モータM2を正逆転駆動するに伴って、オーガ9が縦軸心P2周りに旋回操作され、かつ、旋回用電動モータM2を作動停止させるに伴って旋回停止するように構成されている。図中、Rxはオーガ9の旋回位置を検出する多回転型のポテンショメータを利用した旋回位置検出センサであって、旋回用電動モータM2で駆動されるギア16によって旋回駆動用の大径ギア11と同時に回動操作されるようになっている。
【0043】
次に、オーガ9の昇降操作の駆動構成について説明すると、図3に示すように、オーガ9の基端部と、回動ケース6との間に、昇降用電動シリンダ15が設けられ、この昇降用電動シリンダ15を伸長させるに伴ってオーガ9が横軸心P1周りで上昇操作され、かつ、昇降用電動シリンダ15を短縮させるに伴ってオーガ9が横軸心P1周りで下降操作されるように構成されている。図中、Ryはオーガ9の昇降位置を検出する直線型のポテンショメータを利用した昇降位置検出センサであって、昇降用電動シリンダ15のピストンロッドの出没量を検知することによりオーガ9の昇降位置を検出するようになっている。また、オーガ9が昇降操作範囲の上限位置Htopにあるときにオン作動する上限スイッチ14が設けられている。
【0044】
運転搭乗部2には、オーガ9の昇降作動及び旋回作動を指令する手動操作式の機体側指令手段としてのレバー式の操作部20が設けられている。操作部20は、図4に示すように、中央位置に復帰するように付勢されて前後方向並びに左右方向夫々に十字揺動操作自在な操作レバー20Aが備えられ、操作レバー20Aの揺動支点付近には、図5に示すように制御装置Hに接続されたマイクロスイッチで構成された上昇指令スイッチS1等が設けられている。
【0045】
そして、操作レバー20Aを前方側に倒した状態では上昇指令スイッチS1がオン作動して機体側上昇指令CUが指令され、操作レバー20Aを手前側に倒した状態では下降指令スイッチS2がオン作動して機体側下降指令CDが指令され、操作レバー20Aを左側に倒した状態では右旋回指令スイッチS3がオン作動して機体側右旋回指令CRが指令され、操作レバー20Aを右側に倒した状態では左旋回指令スイッチS4がオン作動して機体側左旋回指令CLが指令される。操作レバー20Aが中央位置になった状態では、オーガ9の旋回操作及び昇降操作についての指令は指令されないので、操作レバー20Aを手指にて左右前後のいずれかの方向に倒した状態から手指を離すことにより中央位置に復帰させて、機体側上昇指令CU、機体側下降指令CD、機体側右旋回指令CR、及び機体側左旋回指令CLを指令することを中止させることができる。
【0046】
また、図2に示すように、操作部20の近くには、オーガ9を自動的に収納位置に移動させ、また、オーガ9を排出位置設定ボリューム23にて設定された目標排出位置に自動的に移動させる機体側自動移動指令Cautoを指令するための押しボタン式の自動スイッチ21と、機体側自動移動指令Cautoにより移動しているオーガ9を強制的に停止させる移動停止指令を指令するための停止スイッチ22と、オーガ9の穀粒排出作動の開始を指令する穀粒排出指令又はオーガ9の穀粒排出作動の停止を指令する排出停止指令を指令するための2位置切換式のトグルスイッチで構成されたクラッチ入切スイッチ24とが設けられている。クラッチ入切スイッチ24は、オフ位置に位置していると排出クラッチ13を切り状態にし、オン位置に位置していると排出クラッチ13を入り状態にできるようになっている。
【0047】
図5に示すように、コンバインの機体Vには、昇降位置検出センサRy及び旋回位置検出センサRxの検出情報に基づいて昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御する制御手段としての制御装置Hが設けられている。制御装置Hは、マイクロコンピュータを利用して構成されており、図5に示すように、前述の昇降位置検出センサRy、旋回位置検出センサRx、上限スイッチ14、操作部20の各指令スイッチS1,S2,S3,S4、自動スイッチ21、停止スイッチ22、排出位置設定ボリューム23、及びクラッチ入切スイッチ24の各信号が電線を通して入力されている。
【0048】
図1及び図2に示すように、機体Vの操作部20の周辺箇所には、後述する手動操作式の端末側指令手段としての無線リモコン42から送信される電波による無線信号を受信する受信アンテナ57及び受信器58が備えられるとともに、受信した信号をその受信周波数に応じていずれの指令情報であるかを判別して、その指令情報に対応する制御用信号に変換する信号処理装置59が備えられている。信号処理装置59は、制御装置Hに接続されており、無線リモコン42から送信される指令情報が信号処理装置59を介して制御装置Hに入力される構成となっている。
【0049】
以上のような構成により、制御装置Hは、無線リモコン42からの指令される指令情報及び操作部20等の操作による機体側からの指令される指令情報に基づいて、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2並びにクラッチ操作用電動モータM1の作動を制御することができるようになっている。
【0050】
次に、無線リモコン42について説明する。無線リモコン42は、オーガ9の旋回作動及び昇降作動並びに穀粒排出作動等についての指令を無線信号にて指令するものであり、穀粒運搬車両Nへの穀粒排出作業を行うときに、穀粒運搬車両Nの近くにいる作業者が操作する場合に主に利用するものである。
【0051】
詳述すると、図6及び図7に示すように、無線リモコン42は、作業者が容易に持ち運び可能なように小型軽量の装置として構成され、また、互いに異なる周波数の電波を下記の各指令スイッチによる夫々の指令に対応する無線信号として送信するように構成されている。
【0052】
無線リモコン42には、オーガ9を上昇作動させる端末側上昇指令BUを指令する上昇指令スイッチ43、オーガ9を下降作動させる端末側下降指令BDを指令する下降指令スイッチ44、オーガ9を右旋回作動させる端末側右旋回指令BRを指令する右旋回指令スイッチ45、オーガ9を左旋回作動させる端末側左旋回指令BLを指令する左旋回指令スイッチ46、オーガ9を自動的に収納位置又は目標排出位置に移動させる移動指令を指令する端末側自動スイッチ47、機体Vの運転搭乗部2に設けられた図外の呼出アラームを鳴動させる呼出指令を指令する呼出スイッチ48、オーガ9の穀粒排出作動を開始させる穀粒排出指令を指令する排出スイッチ49、オーガ9の旋回昇降作動を停止させ、かつ、オーガ9の穀粒排出作動を停止させる端末側停止指令を指令する停止スイッチ50が設けられている。
【0053】
つまり、無線リモコン42は、オーガ9を昇降作動させる昇降指令を指令する昇降用指令操作具として上昇指令スイッチ43及び下降指令スイッチ44を備え、オーガ9を旋回作動させる旋回指令を指令する旋回用指令操作具として右旋回指令スイッチ45及び左旋回指令スイッチ46を備えている。
【0054】
これらのスイッチは、指で押し操作してオンさせる押ボタンスイッチにて構成されており、指を離すとオフするようにオフ状態に復帰付勢された状態で設けられている。また、無線リモコン42には、電源オン状態で点灯するパイロットランプ52を備えた電源スイッチ51が設けられており、電源スイッチ51を押し操作することにより、無線リモコン42を電源オン状態とオフ状態とに切換えることができ、パイロットランプ52の点灯及び消灯により電源オン状態か電源オフ状態かを確認できるようになっている。
【0055】
さらに、上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回指令スイッチ45及び左旋回指令スイッチ46のそれぞれは、いずれも同じ構造のスイッチとなっている。以下、上昇指令スイッチ43を例に、これらのスイッチの構成について説明する。
【0056】
図8に示すように、上昇指令スイッチ43は、無線リモコン42のケーシング42aの内外方向に往復移動し、且つ、ケーシング42aの外方側に位置する停止指令用操作位置Pz(図8の(イ)及び(ロ)に仮想線で示す位置)に付勢バネ25により復帰付勢された押し込み操作式に構成されており、押し込み方向で並ぶ2つのスイッチ回路、第1スイッチ回路Z1及び第2スイッチ回路Z2を内蔵している。第1スイッチ回路Z1は、可動接点Tcと第1固定接点T1からなり、第2スイッチ回路Z2は、可動接点Tcと第2固定接点T2からなる。
【0057】
そして、スイッチハウジング43hに設けられた板バネ26に当接するまで付勢バネ25の弾性力による付勢に抗して押し込み操作して第1の押し込み量L1だけケーシング42aの内方側に押し込むと、低速作動指令用操作位置Ps(図8の(イ)に実線で示す位置)に位置して第1スイッチ回路Z1が閉成し、その状態からさらに付勢バネ25及び板バネ26の弾性力による付勢に抗して内方側に押し込むと、上昇指令スイッチ43の内方側端部43bがスイッチハウジング43hの底部に当接し、停止指令用操作位置Pzから第2の押し込み量L2だけケーシングの内方側に押し込まれた高速作動指令用操作位置Pf(図8の(ロ)に実線で示す位置)に位置決めされた状態となって、第2スイッチ回路Z2が閉成するようになっている。なお、板バネ26を設けることにより、上昇指令スイッチ43を、押し込み操作する手指にて低速作動指令用操作位置Ps付近で位置保持し易くなっている。
【0058】
このような構成により、上昇指令スイッチ43は、端末側上昇指令BUとして、上昇指令スイッチ43の押し込み操作量に応じて異なる速度でオーガ9を上昇させる2つの指令を選択的に指令することができる。説明を加えると、上昇指令スイッチ43を第1の押し込み量L1だけ押し込んで第1スイッチ回路Z1が閉成されると、後述する信号送信器53が、オーガ9を極低速昇降速度Vy1で上昇させる微速上昇作動用指令BUs(図9参照)を無線信号にて出力し、上昇指令スイッチ43を第2の押し込み量L2だけ押し込んで第2スイッチ回路Z2が閉成されると、信号送信器53が、オーガ9を極低速昇降速度Vy1より速い低速昇降速度Vy2で上昇させる低速上昇作動用指令BUf(図9参照)を無線信号にて出力する。なお、上昇指令スイッチ43が押し込み操作されず、停止指令用操作位置Pzに位置している状態では、信号送信器53は無線信号を出力しない。
【0059】
つまり、無線リモコン42の上昇指令スイッチ43は、オーガ9の昇降を互いに異なる速度となる形態で指令するための複数の作動指令用操作位置としての低速作動指令用操作位置Ps及び高速作動指令用操作位置Pfに切換自在に構成され、停止指令用操作位置Pzに復帰付勢された状態で設けられている。
【0060】
そして、上昇指令スイッチ43は、往復移動操作される往復移動式に構成され、停止指令用操作位置Pz並びに低速作動指令用操作位置Ps及び高速作動指令用操作位置Pfが、上昇指令スイッチ43の往復移動経路の一端から他端に向けて、一端に停止指令用操作位置Pzを位置させ且つ停止指令用操作位置Pzから離れるほど低速作動指令用操作位置Ps及び高速作動指令用操作位置Pfのうちの高速を指令する作動指令用操作位置である高速作動指令用操作位置Pfを位置させて並ぶように構成されている。
【0061】
さらに、停止指令用操作位置Pz並びに低速作動指令用操作位置Ps及び高速作動指令用操作位置Pfが、上昇指令スイッチ43の往復移動経路の一端をケーシング42aの外方側としかつ往復移動経路の他端をケーシング42aの内方側として並ぶように構成されている。
【0062】
無線リモコン42には、指令用の各スイッチの操作に対応させて、これらのスイッチのいずれか1つのスイッチがオンすると、各スイッチ毎に異ならせて対応して設定された特定の周波数f1〜f12(図9参照)の信号を発振してその信号を一定出力の電波として送信アンテナ54を介して送信する信号送信器53と、電源スイッチ51による入切指令に基づいて信号送信器53への電力の供給を断続する電源制御回路56と、信号送信器53及び電源制御回路56の動作電力源となるバッテリー55とが備えられている。
【0063】
無線リモコン42により指令される指令について、具体的に説明すると、例えば、上昇指令スイッチ43を指で押し込み操作して、低速作動指令用操作位置Psに位置させて第1回路スイッチ回路Z1をオンする(図8の(イ)に示す状態)と、低速作動指令用操作位置Psに対応した周波数f1の無線信号が送信されることで、オーが9を極低速昇降速度Vy1で上昇させる微速上昇作動用指令BUsが指令される。同様に、上昇指令スイッチ43を指で押し込み操作して、高速作動指令用操作位置Pfに位置させて第2回路スイッチ回路Z2をオンする(図8の(ロ)に示す状態)と、高速作動指令用操作位置Pfに対応した周波数f5の無線信号が送信されることで、オーガ9を低速昇降速度Vy2で上昇させる低速上昇作動用指令BUfが指令される。
【0064】
同様に、下降指令スイッチ44を低速作動指令用操作位置Psに押し込み操作すると、オーが9を極低速昇降速度Vy1で下降させる微速下降作動用指令BDsが指令され、高速作動指令用操作位置Pfに押し込み操作すると、オーが9を低速昇降速度Vy2で下降させる低速下降作動用指令BDfが指令される。
【0065】
同様に、右旋回指令スイッチ45を低速作動指令用操作位置Psに押し込み操作すると、オーが9を極低速旋回速度Vx1で右旋回させる微速右旋回作動用指令BRsが指令され、高速作動指令用操作位置Pfに押し込み操作すると、オーが9を低速旋回速度Vx2で右旋回させる低速右旋回作動用指令BRfが指令される。
【0066】
同様に、左旋回指令スイッチ46を低速作動指令用操作位置Psに押し込み操作すると、オーが9を極低速旋回速度Vx1で左旋回させる微速左旋回作動用指令BLsが指令され、高速作動指令用操作位置Pfに押し込み操作すると、オーが9を低速旋回速度Vx2で左旋回させる低速左旋回作動用指令BLfが指令される。
【0067】
上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回指令スイッチ45、左旋回指令スイッチ46を押し込み操作した場合に出力される無線信号と、その無線信号にて指令されるオーガ9の旋回及び昇降に関する指令との対応関係は、図9の表に示すようになっている。図9に示すように、無線リモコン42は、周波数f1の無線信号により微速上昇作動用指令BDsを、周波数f2の無線信号により微速下降作動用指令BDsを、周波数f3の無線信号により微速右旋回作動用指令BRsを、周波数f4の無線信号により微速左旋回作動用指令BLsを、周波数f5の無線信号により低速上昇作動用指令BUfを、周波数f6の無線信号により低速下降作動用指令BDfを、周波数f7の無線信号により低速右旋回作動用指令BRfを、周波数f8の無線信号により低速左旋回作動用指令BLfを指令する。また、端末側自動スイッチ47をオン操作した場合に出力される無線信号は周波数f9であり、この周波数の無線信号により、端末側自動移動指令Bautoが指令される。なお、これらの無線信号は、各指令スイッチがオン状態の間継続して出力され、指令スイッチが停止指令用操作位置Pzに位置して、指令スイッチがオフ状態となっている間は、信号送信器53が無線信号を出力しないので、無線リモコン42から無線信号は出力されない。
【0068】
つまり、無線リモコン42は、上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回指令スイッチ45及び左旋回指令スイッチ46が低速作動指令用操作位置Ps及び高速作動指令用操作位置Pfのうちの何れかの作動指令用操作位置に操作されると、その作動指令用操作位置に対応した極低速昇降速度Vy1若しくは極低速旋回速度Vx1又は低速昇降速度Vy2若しくは低速旋回速度Vx2で、オーガ9を昇降作動又は旋回作動させる操作位置対応指令(BUs,BDs,BRs及びBLs並びにBUf,BDf,BRf,BLf)を指令するように構成され、上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回指令スイッチ45及び左旋回指令スイッチ46が停止指令用操作位置Pzに位置する場合は、昇降又は旋回を行わせる指令を指令しないように構成されている。
【0069】
ちなみに、右旋回指令スイッチ45は無線リモコン42の正面において向って左側に設けられ、左旋回指令スイッチ46は無線リモコン42の正面において向って右側に設けられており、両指令スイッチ上に表示された夫々の内容が各指令スイッチの設置位置と反対となっている。これは、右旋回操作及び左旋回操作による旋回方向を、コンバインの前進方向を12時の方向とする基準により定義し、各指令スイッチにより旋回操作されるときのオーガ9の旋回方向をその旋回方向の定義に基づいて表示する一方、無線リモコン42を使用する作業者が、コンバイン本体から離れた位置でオーガ9の先端側からオーガ9の旋回作動を指令するときに、直感的に把握し易い方向に旋回操作されるように各指令スイッチを配置したことによる。
【0070】
次に、機体Vの操作部20及び無線リモコン42によりオーガ9の昇降作動及び旋回作動が指令された場合の、制御装置Hの制御動作について説明する。
【0071】
既に説明したように、オーガ9の昇降作動及び旋回作動についての指令情報としては、機体Vの操作部20から、機体側上昇指令CU、機体側下降指令CD、機体側右旋回指令CR、機体側左旋回指令CL、及び、機体側自動移動指令Cautoが指令され、無線リモコン42から、端末側上昇指令BU(微速上昇作動用指令BUs、低速上昇作動用指令BUf)、端末側下降指令BD(微速下降作動用指令BDs、低速下降作動用指令BDf)、端末側右旋回指令BR(微速右旋回作動用指令BRs、低速右旋回作動用指令BRf)、端末側左旋回指令BL(微速左旋回作動用指令BLs、低速左旋回作動用指令BLf)、及び、端末側自動移動指令Bautoが指令される。
【0072】
図10に示すように、制御装置Hは、上記各指令のうち、機体側自動移動指令Cauto及び端末側自動移動指令Bautoを除く何れかの指令(図10のCU,CD,CR,CL,BU,BD,BR,BC)が指令されると、その指令がされている間、各指令に対応した速度でオーガ9が昇降作動及び旋回作動するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2を作動させ、それらの指令が指令されていなければ、オーガ9の昇降作動又は旋回作動が停止するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を停止させる。
【0073】
具体的には、制御装置Hは、操作部20にて機体側上昇指令CUが指令されると、オーガ9が低速昇降速度Vy2より高速の高速昇降速度Vy3で上昇するように、昇降用電動シリンダ15を作動させ、操作部20にて機体側下降指令CDが指令されると、オーガ9が低速昇降速度Vy2より高速の高速昇降速度Vy3で下降するように、昇降用電動シリンダ15を作動させ、操作部20にて機体側右旋回指令CRが指令されると、オーガ9が低速旋回速度Vx2より高速の高速旋回速度Vx3で右旋回するように、旋回用電動モータM2を作動させ、操作部20にて機体側左旋回指令CLが指令されると、オーガ9が低速旋回速度Vx2より高速の高速旋回速度Vx3で左旋回するように、旋回用電動モータM2を作動させる。
【0074】
また、無線リモコン42にてオーガ9の昇降作動及び旋回作動が無線信号にて指令されると、その無線信号に対応した指令情報が信号処理装置59から出力され、制御装置Hにその指令情報が入力されることになる。そして、制御装置Hは、信号処理装置59が出力する指令情報に基づいて、その指令情報がある間は、極低速昇降速度Vy1又は低速昇降速度Vy2にてオーガ9が昇降し、極低速旋回速度Vx1又は低速旋回速度Vx2にてオーガ9が旋回するように昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2を作動させ、これらの指令が指令されていなければ、オーガ9の昇降作動又は旋回作動が停止するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を停止させる。
【0075】
つまり、制御装置Hは、無線リモコン42にて微速上昇作動用指令BUs等の操作位置対応指令が指令されると、その操作位置対応指令に対応した極低速昇降速度Vy1、極低速旋回速度Vx1又は低速昇降速度Vy2、低速旋回速度Vx2でオーガ9が昇降作動又は旋回作動するように、かつ、無線リモコン42にて昇降又は旋回を行わせる指令が指令されないときは、オーガ9の昇降作動又は旋回作動を停止するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御するように構成されている。
【0076】
また、極低速昇降速度Vy1及び低速昇降速度Vy2は、高速昇降速度Vy3より低速であり、極低速旋回速度Vx1及び低速旋回速度Vx2は、高速旋回速度Vx3より低速である。つまり、制御装置Hは、無線リモコン42にて指令される指令情報に基づいて昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御する場合の方が機体Vに設けられた操作部20にて指令される指令情報に基づいて昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御する場合よりも低速でオーガ9が昇降作動及び旋回作動するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御するように構成されている。
【0077】
なお、機体Vに設けられた自動スイッチ21により機体側自動移動指令Cautoが、又は、無線リモコン42の端末側自動スイッチ47により端末側自動移動指令Bautoが指令されると、制御装置Hは、昇降位置検出センサRy及び旋回位置検出センサRxの検出情報に基づいてオーガ9が収納位置に位置するかどうかを判別した上で、オーガ9の位置に応じて自動的にオーガ9を収納位置又は目標排出位置に自動的に移動させるが、このようにオーガ9を自動的に移動させるときは、図10に示すように、制御装置Hは、機体側自動移動指令Cauto又は端末側自動移動指令Bautoのいずれの指令が指令された場合も同じ昇降速度(自動用昇降速度Vyauto)及び同じ旋回速度(自動用旋回速度Vxauto)でオーガ9が昇降作動及び旋回作動するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御するようになっている。ちなみに、自動用昇降速度Vyauto及び自動用旋回速度Vxautoは、夫々、高速昇降速度Vy3及び高速旋回速度Vx3より高速に設定されている。
【0078】
以上のような本実施形態の構成であると、オーガ9を大きく移動させる場合には、機体Vの操作部20の操作レバー20Aを傾倒操作して高速昇降速度Vy3及び高速旋回速度Vx3で昇降及び旋回させることにより、迅速にーガ9を移動させることが可能である。
【0079】
また、オーガ9を少しだけ移動させる場合には、無線リモコン42の上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回スイッチ45、及び、左旋回スイッチ46を、第2の押し込み量L2だけ押し込み操作して高速作動指令用操作位置Pfに位置させることにより、オーガ9を低速昇降速度Vy2及び低速旋回速度Vx2で昇降及び旋回させて、所望の移動量より大きく移動し過ぎないようにオーガ9を少しだけ移動させることを行い易くなる。
【0080】
ちなみに、上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回スイッチ45、及び、左旋回スイッチ46は、押し込めるだけ押し込み操作することで高速作動指令用操作位置Pfに位置させることができるものであるので、無線リモコン42でオーガ9を低速昇降速度Vy2及び低速旋回速度Vx2で昇降及び旋回させるに当たって、スイッチの操作位置を加減する煩わしさがない。
【0081】
さらに、オーガ9による穀粒の排出位置の微調整等を行う場合に、低速昇降速度Vy2及び低速旋回速度Vx2よりさらに低速でオーガ9を昇降及び旋回させたい場合には、上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回スイッチ45、及び、左旋回スイッチ46を、第1の押し込み量L1だけ押し込み操作して低速作動指令用操作位置Psに位置させることにより、オーが9を極低速昇降速度Vy1及び極低速旋回速度Vx1で昇降及び旋回させることができる。
【0082】
このように、本発明のコンバインにおける穀粒排出用オーガの位置制御装置であると、移動目的に適した速度で穀粒排出用オーガを移動させることができる使い勝手のよいものとなる。
【0083】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0084】
(1)上記実施形態では、無線リモコン42の上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回スイッチ45、及び、左旋回スイッチ46が、複数の作動指令用操作位置として低速作動指令用位置Ps及び高速作動指令用位置Pfに切換自在に構成されたものを例示したが、これに代えて、無線リモコン42の上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回スイッチ45、及び、左旋回スイッチ46が単一の作動指令用操作位置に位置させることができるように構成されたものであってもよい。
【0085】
この場合、無線リモコン42を、停止指令用操作位置Pzに復帰付勢された上昇指令スイッチ43が作動指令用操作位置に押し込み操作されると端末側上昇指令BUを無線信号にて指令するように構成し、制御装置Hを、端末側上昇指令BUに基づいてオーガ9を上昇させる場合には、機体Vの操作部20にて指令される機体側上昇指令CUに基づいてオーガ9を上昇させる場合より低速でオーガ9を上昇させるように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御するように構成すればよい。
【0086】
(2)上記実施形態では、複数の作動指令用操作位置として、オーガ9を2つの異なる速度で作動させるための低速作動指令用操作位置Ps及び高速速作動指令用操作位置Pfを設けたものを例示したが、これに代えて、オーガ9を3つ以上又は連続的に異なる速度で作動させるための3つ以上又は連続する作動指令用操作位置を設けたものであってもよい。
【0087】
(3)上記実施形態では、制御装置Hが、機体Vに設けられた自動スイッチ21にて機体側自動移動指令Cautoが指令された場合も、無線リモコン42に設けられた端末側自動スイッチ47にて端末側自動移動指令Bautoが指令された場合も、オーガ9が同じの昇降速度(自動用昇降速度Vyauto)及び同じ旋回速度(自動用旋回速度Vxauto)でオーガ9が昇降作動及び旋回作動するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御するように構成されているが、これに代えて、制御装置Hを、端末側自動スイッチ47にて端末側自動移動指令Bautoが指令された場合には、自動スイッチ21にて機体側自動移動指令Cautoが指令された場合よりも低速でオーガ9が昇降作動及び旋回作動するように、昇降用電動シリンダ15及び旋回用電動モータM2の作動を制御するように構成してもよい。
【0088】
(4)上記実施形態では、無線リモコン42の上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、右旋回スイッチ45、及び、左旋回スイッチ46を押し込み操作式の押しボタンスイッチで構成したものを例示したが、これに代えて、各スイッチ又は何れかのスイッチをスライドスイッチにて構成してもよい。この場合、各スイッチのスライド方向が、放射状に並ぶように配置して、放射方向の中心側に停止指令用操作位置Pzが位置するように、かつ、放射方向の外側に向うほど高速を指令する作動指令用操作位置が位置するよう低速作動指令用操作位置Ps及び高速速作動指令用操作位置Pfを設定するように構成してもよいし、各スイッチのスライド方向が平行に並ぶように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】オーガの旋回及び昇降の操作構成を示す要部拡大側面図
【図4】コンバイン本体側の操作部の平面図
【図5】コンバイン本体側の制御装置の制御ブロック図
【図6】無線リモコンの全体斜視図
【図7】無線リモコンの制御ブロック図
【図8】無線リモコンに設けられた上昇指令スイッチの縦断側面図
【図9】無線リモコンが送信する無線信号の周波数及び各周波数に対応する指令情報の一部を示した表
【図10】機体側の操作部及び無線リモコンにて指令される指令情報に対応するオーガの作動速度を示した表
【符号の説明】
【0090】
Pz 停止指令用操作位置
Ps,Pf 作動指令用操作位置
M2 旋回用アクチュエータ
H 制御手段
V 機体
CU,CD,CR,CL,Cauto 機体側指令手段にて指令される指令情報
BU,BD,BR,BL,Bauto 端末側指令手段にて指令される指令情報
BUs,BDs,BRs,BLs 指令情報(操作位置対応指令)
BUf,BDf,BRf,BLf 指令情報(操作位置対応指令)
2 運転搭乗部
9 穀粒排出用オーガ
15 昇降用アクチュエータ
20 機体側指令手段
42 端末側指令手段(無線式のリモコン)
42a ケーシング
43,44 昇降用指令操作具
45,46 旋回用指令操作具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒排出用オーガを機体に対して昇降駆動する昇降用アクチュエータ及び穀粒排出用オーガを機体に対して旋回駆動する旋回用アクチュエータと、
機体の運転搭乗部に設けられ、前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する手動操作式の機体側指令手段と、
前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する手動操作式の端末側指令手段と、
前記機体側指令手段及び前記端末側指令手段にて指令される指令情報に基づいて、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御する制御手段とが備えられたコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置であって、
前記制御手段が、
前記端末側指令手段にて指令される指令情報に基づいて前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御する場合の方が、前記機体側指令手段にて指令される指令情報に基づいて前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御する場合よりも低速で前記穀粒排出用オーガが昇降作動及び旋回作動するように、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されているコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項2】
前記端末側指令手段が、前記穀粒排出用オーガを昇降作動させる昇降指令を指令する昇降用指令操作具と前記穀粒排出用オーガを旋回作動させる旋回指令を指令する旋回用指令操作具との双方又は何れか一方を備え、
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が、昇降又は旋回を互いに異なる速度となる形態で指令するための複数の作動指令用操作位置に切換自在に構成され、
前記端末側指令手段が、前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が前記複数の作動指令用操作位置のうちの何れかの作動指令用操作位置に操作されると、その作動指令用操作位置に対応した速度で前記穀粒排出用オーガを昇降作動又は旋回作動させる操作位置対応指令を指令するように構成され、
前記制御手段が、前記端末側指令手段にて前記操作位置対応指令が指令されると、その操作位置対応指令に対応した速度で前記穀粒排出用オーガが昇降作動又は旋回作動するように、前記昇降用アクチュエータ又は前記旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されている請求項1記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項3】
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が、停止指令用操作位置に復帰付勢された状態で設けられ、
前記端末側指令手段が、前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が前記停止指令用操作位置に位置する場合は、昇降又は旋回を行わせる指令を指令しないように構成され、
前記制御手段が、前記端末側指令手段にて昇降又は旋回を行わせる指令が指令されないときは、前記穀粒排出用オーガの昇降作動又は旋回作動を停止するように、前記昇降用アクチュエータ及び前記旋回用アクチュエータの作動を制御するように構成されている請求項2記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項4】
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具が、往復移動操作される往復移動式に構成され、
前記停止指令用操作位置及び複数の前記作動指令用操作位置が、前記昇降用指令装具又は、前記旋回用指令操作具の往復移動経路の一端から他端に向けて、一端に前記停止指令用操作位置を位置させ且つその停止指令用操作位置から離れるほど複数の前記作動指令用操作位置のうちの高速を指令する作動指令用操作位置を位置させて並ぶように構成されている請求項3記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項5】
前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令装具が、前記端末側指令手段のケーシングの内外方向に往復移動し且つ前記ケーシングの外方側に復帰付勢された押し込み操作式に構成され、
前記停止指令用操作位置及び複数の前記作動指令用操作位置が、前記昇降用指令操作具又は前記旋回用指令操作具の往復移動経路の一端を前記ケーシングの外方側としかつ往復移動経路の他端を前記ケーシングの内方側として並ぶように構成されている請求項4記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。
【請求項6】
前記端末側指令手段が、無線信号にて前記穀粒排出用オーガの昇降作動及び旋回作動を指令する無線式のリモコンとして構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバインにおける穀粒排出用オーガの操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−267613(P2007−267613A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−94068(P2006−94068)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】