説明

コンバイン

【課題】中折れ式の排出オーガを伸長位置又は屈折位置の何れかに電動で切り換え得るコンバインにおいて、排出オーガの伸長/屈折動作時において周囲との干渉を防止することができるコンバインを提供する。
【解決手段】横オーガ7bは、先端部側の第2横オーガ7b2が基端部側の第1横オーガ7b1の側方に配置された回動軸330回りに回動することで、前記第2横オーガ7b2が前記第1横オーガ7b1に対して並列配置となる屈折位置Q1及び前記第2横オーガ7b2が前記第1横オーガ7b1と同軸配置となる伸長位置Q2の間を移動する。屈伸駆動機構X3は、前記第2横オーガ7b2を前記屈折位置Q1及び前記伸長位置Q2の間で移動させる。前記横オーガ7bが収納位置P2に位置した状態でのみ前記第2横オーガ7b2を前記屈折位置Q1及び前記伸長位置Q2の間で移動させるように前記屈伸駆動機構X3を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレンタンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガを有するコンバインに関し、特に、排出オーガを伸長位置及び屈折位置の何れかに切り換え得るコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
穀粒を排出する排出オーガの構成として、グレンタンクの後部に略垂直に立設され、基端部がグレンタンクの後方下部と連通した縦オーガと、基端部が前記縦オーガの先端部と連通した状態で前記縦オーガの軸線回りに回動することで、機外に穀粒を排出可能な所定の排出作業位置及び所定の収納位置の間で移動可能な横オーガであって、基端部側の第1横オーガと先端部側の第2横オーガとを有し、前記第2横オーガが前記第1横オーガの側方に配置された回動軸回りに回動することで、前記第1横オーガ及び前記第2オーガが並列配置された屈折位置及び前記第1横オーガ及び第2横オーガが同軸配置された伸長位置の間で移動可能な横オーガとを有する中折れ式の排出オーガを備えたコンバインが公知である。
このようなコンバインにおいては、先端側の第2横オーガを基端側の第1横オーガに対して屈伸可能とすることにより、穀粒の排出作業時には伸長位置にする一方、刈取作業時や路上走行時においては屈折位置にすることができる。
【0003】
上記中折れ式の排出オーガにおいて、伸長位置と屈折位置との間の移動を手動で行うと相当の力が必要となるため、作業者負担が大きかった。これに対して横オーガの屈伸動作を電動で行う構成が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のコンバインにおいては、穀粒の排出作業を開始する際、横オーガが屈折位置を保った状態で所定の収納位置から所定の排出作業位置まで縦オーガの軸線回りに旋回した後、先端側の第2横オーガが自動的に伸長して伸長位置に位置される。また、穀粒の排出作業を終了すると、横オーガが伸長位置から屈折位置に自動的に位置された後、縦オーガの軸線回りに旋回して前記収納位置に位置される。なお、穀粒の排出作業の終了は、排出クラッチを切ることにより自動的に検出される。
【0004】
このように特許文献1の構成においては、横オーガが屈折位置を保持した状態で横オーガを縦オーガの軸線回りに旋回させるため、以下の問題が生じ得る。
即ち、まず、屈折位置にある横オーガから伸長時の横オーガ(第2横オーガ)の先端部に設けられた排出口の位置が把握し難いため、縦オーガの軸線回りの旋回位置の調整が困難である。
また、伸長/屈折時において先端側の第2横オーガの屈伸動作範囲が走行機体に対して一定でない(縦オーガの軸線回りの旋回位置に応じて走行機体に対する前記第2横オーガの回動軸の位置が変化する)ため、前記縦オーガの軸線回りの旋回位置によっては、第2横オーガを伸長/屈折させる際に、横オーガと略同じ高さ又はより高い高さを有するグレンタンク等のコンバインの他の構成物に第2横オーガが干渉する場合が生じ得る。
【特許文献1】特開2005−160345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、中折れ式の排出オーガを伸長位置又は屈折位置の何れかに電動で切り換え得るコンバインにおいて、排出オーガの伸長/屈折動作時において周囲との干渉を防止することができるコンバインの提供を一の目的とする。
また、本発明は、中折れ式の排出オーガを伸長位置及び屈折位置の何れかに電動で切り換え得るコンバインにおいて、排出オーガの旋回時において排出作業時における排出口の位置を容易に把握することができるコンバインの提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係るコンバインは、グレンタンクの後部に略垂直に立設され、基端部がグレンタンクの後方下部と連通した縦オーガと、基端部が前記縦オーガの先端部と連通した状態で前記縦オーガの軸線回りに旋回することで、機外に穀粒を排出可能な所定の排出作業位置及び所定の収納位置の間を移動可能な横オーガであって、基端部側の第1横オーガと先端部側の第2横オーガとを有し、前記第2横オーガが前記第1横オーガの側方に配置された回動軸回りに回動することで、前記第2横オーガが前記第1横オーガに対して並列配置となる屈折位置及び前記第2横オーガが第1横オーガに対して同軸配置となる伸長位置の間を移動可能な横オーガと、前記第2横オーガを前記屈折位置及び前記伸長位置の間で移動させる屈伸駆動機構と、前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させて、前記排出作業位置及び前記収納位置の間で移動させる旋回駆動機構と、前記屈伸駆動機構及び前記旋回駆動機構を制御する制御装置とを備えたコンバインであって、前記制御装置は、前記横オーガが収納位置に位置した状態でのみ前記第2横オーガを前記屈折位置及び前記伸長位置の間で移動させるように前記屈伸駆動機構を制御することを特徴とするものである。
【0007】
上記構成のコンバインによれば、横オーガが収納位置に位置し且つ第2横オーガが第1横オーガに対して並列配置となる屈折位置に位置した状態から穀粒排出作業に移行する場合、制御装置は、横オーガが収納位置に位置した状態でのみ、屈伸駆動機構を介して先端部側の第2横オーガを第1横オーガに対して略直交する回動軸回りに回動させて伸長位置へ伸長させる伸長動作を許容する。
また、穀粒排出作業が終了した後、横オーガを収納する場合、制御装置は、旋回駆動機構を介して横オーガ全体を前記縦オーガの軸線回りに回動させて排出作業位置から収納位置へと旋回させた状態でのみ、屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガを前記第1横オーガに対して前記回動軸回りに回動させて屈折位置へ屈折させる屈折動作を許容する。
つまり、横オーガが排出作業位置及び収納位置の何れか一方から何れか他方へ旋回する際には、第2横オーガは、必ず伸長位置に位置されている。
【0008】
このように、横オーガが収納位置に位置した状態でのみ第2横オーガを伸長又は屈折させるため、走行機体に対する屈伸動作範囲が常に一定となり、何れの位置に旋回させる場合でも周囲との干渉を気にする必要がない。
さらに、第2横オーガが伸長位置に位置した状態で横オーガ全体を旋回させるため、横オーガの先端部に位置する排出口の位置の把握が容易となる。
従って、穀粒の排出作業における作業性をより向上させることができる。
【0009】
好ましくは、前記横オーガは、基端部を支点として上下方向に揺動可能に構成されるとともに、前記横オーガを上下方向に揺動させる上下揺動駆動機構を備え、前記制御装置は、前記横オーガが所定位置まで上昇した状態でのみ前記第2横オーガを前記屈折位置及び前記伸長位置の間で移動させるように前記屈伸駆動機構を制御するように構成される。
【0010】
この場合、制御装置は、横オーガ全体が縦オーガの軸線回りの旋回方向に関して収納位置に位置し、且つ、横オーガが上下揺動駆動機構によって所定位置まで上昇した状態において第2横オーガを第1横オーガに対して伸長/屈折させる。
即ち、穀粒排出作業開始時においては、制御装置は、横オーガを前記所定位置まで上昇させた後、第2横オーガを第1横オーガに対して伸長させ、その後横オーガ全体を旋回させる。また、穀粒排出作業終了時においては、制御装置は、横オーガ全体を収納位置まで旋回させる前若しくは旋回させ、横オーガを前記所定位置まで上昇させた後、第2横オーガを第1横オーガに対して屈折させる。
このように、横オーガを上昇させた状態で屈伸動作させることにより、より周囲との干渉を防止することができる。
【0011】
好ましい一態様として、前記屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガを屈折位置から伸長位置へ移動させた後、前記旋回駆動機構を介して伸長した前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させて所定の排出作業位置に位置させる作業開始移動、又は、前記旋回駆動機構を介して前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させて所定の収納位置に位置させた後、前記屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガを伸長位置から屈折位置へ移動させる作業終了移動の何れかを開始させるための人為操作可能なオートスイッチを備え得る。
【0012】
この場合、横オーガが収納位置に位置し且つ第2横オーガが第1横オーガに対して並列配置となる屈折位置に位置した状態から穀粒排出作業に移行する場合、横オーガが収納位置に位置した状態でオートスイッチを作動させることにより、作業開始移動が行われる。即ち、制御装置は、まず、屈伸駆動機構を介して先端部側の第2横オーガを第1横オーガに対して略垂直する回動軸回りに回動させて横オーガを伸長させる。前記第2横オーガが基端部側の第1横オーガに対して同軸配置となる伸長位置となるまで伸長した後、続けて、制御装置は、旋回駆動機構を介して横オーガ全体をグレンタンクの後部に略垂直に立設された縦オーガの軸線回りに旋回させて所定の排出作業位置まで移動させる。
また、穀粒排出作業の終了後横オーガを収納する場合、横オーガが排出作業位置に位置した状態でオートスイッチを作動させることにより、作業終了移動が行われる。即ち、制御装置は、まず、旋回駆動機構を介して横オーガ全体を前記縦オーガの軸線回りに旋回させて前記排出作業位置から収納位置へと移動させる。横オーガ全体が前記収納位置に位置した後、続けて、制御装置は、屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガを前記第1横オーガに対して前記回動軸回りに回動させて横オーガを屈折させ、第2横オーガを屈折位置に位置させる。
このように、オートスイッチを人為操作することにより、横オーガが収納位置に位置し且つ第2横オーガが屈折位置に位置した穀粒排出非作業状態と、横オーガが排出作業位置に位置し且つ第2横オーガが伸長位置に位置した穀粒排出作業状態との切り換えを一操作で連続して行うことができるため、作業者の手間をより少なくすることができる。
【0013】
より好ましくは、前記オートスイッチは、運転席近傍又は前記横オーガに備えられたリモコン装置であって、前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させるオーガ作動スイッチを少なくとも有するリモコン装置に設けられ、前記第2横オーガが屈折位置又は伸長位置への移動中に、前記リモコン装置に設けられたスイッチの何れかが操作された際、前記屈折位置又は伸長位置への移動を中止するように構成される。
【0014】
この場合、第2横オーガが伸長位置に位置している状態で、運転席近傍又は横オーガに備えられたリモコン装置に備えられたオーガ作動スイッチが操作されることにより、横オーガが縦オーガの軸線回りの旋回動作を開始する。
ここで、第2横オーガの屈伸動作中に、運転席近傍又は横オーガに備えられたリモコン装置に設けられた何れかのスイッチが操作されると、当該操作されたスイッチの種類に拘わらず、前記屈伸動作が中断される。
このように、第2横オーガの屈伸動作中に、第2横オーガの回動範囲に人が侵入してきた場合等の緊急時において、リモコン装置に設けられた何れかのスイッチを操作すれば、第2横オーガの移動が中止されるため、リモコン装置に設けられたスイッチの種類を目視により確認した上で操作する必要がなく、第2横オーガをより迅速に停止させることができ、周囲への安全性をより高めることができる。
【0015】
好ましい他の態様として、前記屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガの屈折位置又は伸長位置への移動を開始させるための屈伸スイッチを備え、前記屈伸スイッチは、運転席近傍に備えられたリモコン装置であって、前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させるオーガ作動スイッチを少なくとも有するリモコン装置に設けられ、前記第2横オーガの屈折位置又は伸長位置への移動中に、前記リモコン装置に設けられたスイッチの何れかが操作された際、前記屈折位置又は伸長位置への移動を中止するように構成され得る。
【0016】
この場合、運転席近傍に備えられたリモコン装置に備えられた屈伸スイッチが操作されることにより、第2横オーガが屈伸動作を開始し、第2横オーガが伸長位置に位置している状態で、同じくリモコン装置に備えられたオーガ作動スイッチが操作されることにより、横オーガが縦オーガの軸線回りの旋回動作を開始する。
ここで、第2横オーガの屈伸動作中に、リモコン装置に設けられた何れかのスイッチが操作されると、当該操作されたスイッチの種類に拘わらず、前記屈伸動作が中断される。
このように、第2横オーガの屈伸動作中に、第2横オーガの回動範囲に人が侵入してきた場合等の緊急時において、リモコン装置に設けられた何れかのスイッチを操作すれば、第2横オーガの移動が中止されるため、リモコン装置に設けられたスイッチの種類を目視により確認した上で操作する必要がなく、第2横オーガをより迅速に停止させることができ、周囲への安全性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るコンバインによれば、横オーガが収納位置に位置した状態でのみ第2横オーガを伸長又は屈折させるため、走行機体に対する屈伸動作範囲が常に一定となり、何れの位置に旋回させる場合でも周囲との干渉を気にする必要がない。
さらに、第2横オーガが伸長位置に位置した状態で横オーガ全体を旋回させるため、横オーガの先端部に位置する排出口の位置の把握が容易となる。
従って、穀粒の排出作業における作業性をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るコンバイン1の側面図、正面図及び伝動模式図である。
【0019】
図1〜図3に示すように、前記コンバイン1は、走行機体2と、前記走行機体2に支持された駆動源としてのエンジン9と、前記走行機体2に連結された左右一対の走行装置(本実施形態においては、クローラ式走行装置)10と、前記エンジン9からの回転動力を変速して前記一対の走行装置10へ出力する走行系トランスミッション100と、前記走行機体2の前方において該走行機体2に昇降可能に支持された刈取装置30と、前記刈取装置30によって刈り取られた穀稈を前記走行機体2の左側方において後方へ搬送するフィードチェーン装置20と、前記フィードチェーン装置20によって搬送される穀稈に対して脱穀処理を行うように、前記走行機体2の左部分に配設された脱穀装置40と、前記脱穀装置40の下方に配設された揺動選別装置50と、前記エンジン9から作動的に定速動力を入力し且つ前記走行系トランスミッション100の下記走行側HST120から作動的に車速同調動力を入力して、前記刈取装置30、前記フィードチェーン装置20、前記脱穀装置40及び前記揺動選別装置50を含む作業機に向けて回転動力を出力する作業機系トランスミッション200と、前記走行機体2の右前方部分に配設された運転席5と、前記揺動選別装置50によって選別された穀粒を収容するグレンタンク6であって、前記運転席5の後方に配設されたグレンタンク6と、前記グレンタンク6の後部から延出され、グレンタンク6内の穀粒を外部に排出する排出オーガ7と、前記フィードチェーン装置20から脱穀済の排藁を受け継ぎ、該排藁を後方へ搬送する排藁搬送装置60とを備えている。
【0020】
ここで、前記コンバイン1における伝動構造について説明する。
前記コンバイン1の伝動構造は、前記エンジン9から前記走行装置10へ至る走行系伝動経路に介挿された前記走行系トランスミッション100と、前記エンジン9から前記作業機へ至る作業機系伝動経路に介挿された前記作業機系トランスミッション200とを備えている。
【0021】
図3に示すように、前記走行系トランスミッション100は、前記エンジン9に作動連結された走行側HST120及び旋回側HST130と、前記両HST120,130の出力を合成して一対の走行系出力軸55a,55bに伝達する走行系伝動機構(図示せず)と、前記走行系伝動機構を収容すると共に、前記走行側HST120及び前記旋回側HST130を支持するミッションケース110とを備えている。
【0022】
また、前記作業機系トランスミッション200は、カウンターケース210と、脱穀クラッチ機構45を介して前記エンジン9に作動連結される定速入力軸220と、前記定速入力軸220に作動連結され、前記脱穀装置40の扱胴駆動軸41へ向けて回転動力を出力する脱穀出力軸221と、前記定速入力軸220に作動連結された定速伝動軸223と、前記走行系伝動機構からの車速同調出力を入力する車速同調入力軸224と、変速伝動軸225と、前記車速同調入力軸224及び前記変速伝動軸225の間で変速を行う車速同調側変速機構240と、前記定速伝動軸223及び前記変速伝動軸225の間で変速を行う定速側変速機構250と、前記変速伝動軸225に作動連結され、前記刈取部30へ向けて出力する刈取出力軸226と、前記定速伝動軸223の回転動力及び前記変速伝動軸225の回転動力を合成するFC変速機構280と、前記FC変速機構280の出力部に作動連結され、前記フィードチェーン部20へ向けて回転動力を出力するフィードチェーン出力軸227とを備えている。
【0023】
前記定速入力軸220には、定速入力プーリー201,701が装着されており、該定速入力プーリー201,701にそれぞれ巻き回された定速入力ベルト202,702を介して前記エンジン9から前記作業機系トランスミッション200及び前記排出オーガ7の各排出コンベア72,73,74(後述)へ定速回転動力が入力されるようになっている。
前記脱穀用出力軸221には、脱穀出力プーリー203が装着されており、該脱穀出力プーリー203に巻き回された脱穀出力ベルト204を介して前記脱穀部40へ前記エンジン9からの定速回転動力を伝達するようになっている。
【0024】
本実施形態において、前記脱穀クラッチ機構45は、前記定速入力ベルト202に対してテンションを付加/解除させることで、前記エンジン9から前記定速入力軸220への動力伝達を係合又は遮断させ得るように構成されている。
【0025】
前記定速伝動軸223は、一端部が前記脱穀用出力軸221に作動連結し且つ他端部が前記カウンターケース210から外方へ突出するように、車輌幅方向に沿って前記カウンターケース210に支持されている。
前記定速伝動軸223の前記他端部は、前記揺動選別装置50へ向けて定速回転動力を出力する揺動選別用出力軸228を形成している。
前記揺動選別用出力軸228(前記定速伝動軸223の前記他端部)には揺動出力プーリー205が装着されている。
【0026】
また、本実施形態において、前記オーガクラッチ機構71は、前記定速入力ベルト702に対してテンションを付加/解除させることで、前記エンジン9から前記排出オーガ7の各排出コンベア72,73,74への動力伝達を係合又は遮断させ得るように構成されている。
【0027】
続いて、前記コンバイン1における排出オーガ7の構成について説明する。
排出オーガ7は、グレンタンク6の後部に略垂直に立設され、基端部がグレンタンク6の後方下部と連通した縦オーガ7aと、前記縦オーガ7aに対して略垂直(走行機体2に対して略水平)に配置され、基端部が前記縦オーガ7aの先端部と連通した状態で前記縦オーガ7aの軸線回りに旋回可能且つ上下方向に揺動可能な横オーガ7bと、横オーガ7bの先端部近傍に設けられ、穀粒を下方に排出する排出ケース7cとを備えている。
【0028】
より具体的には、縦オーガ7aは、当該縦オーガ7aの軸線回りに旋回可能に走行機体2に設けられており、縦オーガ7aが当該縦オーガ7aの軸線回りに旋回することにより、横オーガ7bも縦オーガ7aと一体的に縦オーガ7aの軸線回りに旋回される。
図4に、図1のコンバイン1における横オーガ7bの旋回領域を例示した上面図を示す。
図4に示すように、横オーガ7bが縦オーガ7aの軸線回りに旋回することにより、機外に穀粒を排出可能な所定の排出作業位置P1及び所定の収納位置P2の間で移動可能とされている。
なお、本実施形態において、排出作業位置P1及び収納位置P2は、前記横オーガ7bの前記縦オーガ7aの軸線回りの旋回成分(上面視における横オーガ7bの位置)のみを規定するものであり、上下方向成分を含むものではない。即ち、本実施形態においては、横オーガ7bが後述するオーガレスト8のレスト部8a上に位置すれば、横オーガ7aがレスト部8aに当接していない状態であっても前記収納位置P2に位置していると表記する。
前記コンバイン1は、前記横オーガ7bを縦オーガ7aとともに一体的に縦オーガ7aの軸線回りに旋回させる旋回駆動機構X1を有しており、本実施形態における旋回駆動機構X1は、図1に示すように、縦オーガ7aの軸線回りに外嵌固定された平歯車75と、オーガ旋回モータ76と、前記オーガ旋回モータ76の回転軸に嵌設され、前記平歯車75に噛合する平歯車77とを有している。前記オーガ旋回モータ76を正転/逆転駆動させることにより、縦オーガ7aを中心として横オーガ7bを一体的に左右旋回可能としている。なお、本実施形態の前記オーガ旋回モータ75は、例えば、サーボモータ等により実現され、横オーガ7bの旋回角度は、旋回駆動機構X1のオーガ旋回モータ75の旋回角度を検出するレゾルバ、回転式ポテンショメータ、ロータリーエンコーダ等により構成される旋回角度センサ91(後述する図8参照)により検出可能とされる。
また、本実施形態の横オーガ7bは、基端部を支点として上下方向に揺動可能に構成され、前記横オーガ7bを上下方向に揺動させる上下揺動駆動機構X2を備えている。前記上下揺動駆動機構X2は、公知のアクチュエータにより実現可能である。また、横オーガ7bの上昇角度も前記旋回角度センサ91と同様の構成により検出可能である。
【0029】
また、横オーガ7bの先端に設けられた排出ケース7cは、その下面が開口しており、該開口部の縁に沿って筒形状のスリーブ7dが取り付けられている。スリーブ7dは可撓性の樹脂等で形成され、スリーブ7dの下端が穀粒排出口7eとなっている。
このように構成することにより、排出ケース7dの下面から落下した穀物を周囲に飛散させず、穀粒排出口7eの直下近傍に集中して排出することが可能である。
【0030】
本実施形態においては、グレンタンク6に蓄積された穀粒を排出オーガ7の穀粒排出口7eへ導くために、グレンタンク6の底部に前後方向に沿って配設されたスクリュー式の下部コンベア72と、前記下部コンベア72と作動連結された状態で縦オーガ7a内に配設された縦コンベア73と、前記縦コンベア73と作動連結された状態で横オーガ7b内に配設された横コンベア74とを有している(図3参照)。エンジン9の回転動力を利用して各排出コンベア72,73,74を回転させることにより、グレンタンク6内の穀粒を排出オーガ7の穀粒排出口7eから排出させる。
なお、好ましくは、グレンタンク6は、底部の左右方向略中央部が左右両端部よりも低くなるように傾斜しており、前記左右方向略中央部に前記下部コンベア73が配設されている。これにより、グレンタンク6内の穀粒を効率よく外部に排出することができる。
【0031】
運転席5の後側方には、排出オーガ7の横オーガ7bを支持するオーガレスト8が設けられている。オーガレスト8は、横オーガ7bを保持するレスト部8a及び先端部がレスト部8aを支持し、基端部が走行機体2に支持される支柱部8bを有している。レスト部8aは正面視略U字型に形成され、排出オーガ7の横オーガ7aが載置可能に構成される。当該レスト部8aの上面(U字型に形成された内面)にはゴムや樹脂等の弾性部材が取り付けられており、横オーガ7bが載置されていても走行中に振動音を発生することが防止される。
本実施形態において、支柱部8bは正面視において上半分がコンバイン1の左側方にやや屈曲した形状をした角パイプであり、走行機体2より立設される。また、オーガレスト8上に横オーガ7bが位置した状態が横オーガ7bの旋回方向に関する収納位置P2として制御装置400(後述する図8参照)に記憶される。
【0032】
ここで、本実施形態における横オーガ7bは、基端部側の第1横オーガ7b1と先端部側の第2横オーガ7b2とを有し、前記第2横オーガ7b2が前記第1横オーガ7b1の側方に配置された回動軸330回りに回動することで、前記第2横オーガ7b2が前記第1横オーガ7b1に対して並列配置となる屈折位置Q1(図1及び図4において破線で示す)及び前記第2横オーガ7b2が前記第1横オーガ7b1と同軸配置となる伸長位置Q2(図1及び図4において実線で示す)の間で移動可能とされている。そして、前記第1横オーガ7b1の先端部と前記第2横オーガ7b2の基端部とを連結し、且つ、前記第2横オーガ7b2を前記屈折位置Q1及び前記伸長位置Q2の間で移動させる屈伸駆動機構X3が、前記第1横オーガ7b1及び前記第2横オーガ7b2の連結部に設けられている。
本実施形態において、前記回動軸330の軸線は、前記横オーガ7bが走行機体2に対して水平な状態のとき、走行機体2に対して垂直方向に位置される。
【0033】
本実施形態の前記屈伸駆動機構X3は、所定の回動速度で前記第2横オーガ7b2の回動駆動を開始した後、前記第2横オーガ7b2が屈折位置Q1又は伸長位置Q2への移動完了前の所定位置を過ぎると前記回動速度より低い速度で回動駆動するように制御される。
具体的には、後述する制御装置400において、前記屈伸駆動機構X3の駆動開始から外付けのタイマまたは内部クロック(図示せず)により計時し、所定時間が経過するまでの間は、所定の速度までは増速制御し且つ所定の速度到達後は定速制御し、所定時間経過後は、減速制御することにより第2横オーガ7b2を屈折位置Q1又は伸長位置Q2で停止させる。
あるいは、タイマ等による計時に代えて、前記第2横オーガ7b2が移動完了前の所定位置に位置したことを検出する屈伸位置センサ92(後述する図8参照)を設けることとしてもよい。前記屈伸位置センサ92は、第2横オーガ7b2の回動軸330回りの回転角を検知することとしてもよいし、第2横オーガ7b2が前記所定位置に位置したときに信号を送信可能な位置センサとして構成することとしてもよい。
【0034】
図5及び図6に第2横オーガ7b2が伸長位置Q2に位置したときの第1横オーガ7b1及び第2横オーガ7b2の連結部近傍の側面図及び平面図を示す。また、図7及び図8に第2横オーガ7b2が屈折位置Q1に位置したときの第1横オーガ7b1及び第2横オーガ7b2の連結部近傍における平面図及び屈伸駆動機構X3の側方断面図を示す。
【0035】
順に詳しく説明する。
前記第1横オーガ7b1と前記第2横オーガ7b2とは、図5及び図6に示すように、第1横オーガ7b1の先端部外周に形成されたフランジ350と第2横オーガ7b2の基端部外周に形成されたフランジ340とが合わせられた状態で連結される。
第1横オーガ7b1の先端部外周の上部及び下部には、図5〜図8に示すように、それぞれ側方(左側方)へ突出する上下支持ステー360,370が固着されており、前記上下支持ステー360,370の先端部に前記回動軸330が軸受を介して回動自在に支持されている。また、第2横オーガ7b2の基端部外周の上部及び下部には、前記上下支持ステー360,370と同一方向に突出する上下アーム380,390が形成されており、前記上下アーム380,390の先端部が前記上下支持ステー360,370の間に配置されて回動軸330に枢支されている。
これにより、第1横オーガ7b1と前記第2横オーガ7b2とが相対回動可能に連結され、第2横オーガ7b2を第1横オーガ7b1に対して屈折又は伸長させることが可能となる。こうして、横オーガ7bは不使用時(穀粒排出非作業時)には第2横オーガ7b2が第1横オーガ7b1に対して屈折されて、前記第1横オーガ7b1及び前記第2オーガ7b2が並列配置された屈折位置Q1に位置し(図7及び図8)、使用時(穀粒排出作業時)には第2横オーガ7b2が第1横オーガ7b1に対して伸長されて、前記第1横オーガ7b1及び第2横オーガ7b2が同軸配置された伸長位置Q2に位置する(図5及び図6)ことができる。
【0036】
なお、横コンベア74は、前記第1横オーガ7b1及び第2横オーガ7b2にそれぞれ内挿されるスクリュー式の排出コンベア(図示せず)から構成されており、第2横オーガ7b2が伸長位置に位置した際に、前記縦オーガ7a内の縦コンベア73によって送られる穀粒を穀粒排出口7eへ向けて搬送するようにそれぞれ駆動される。
【0037】
前記第1横オーガ7b1と第2横オーガ7b2との連結部には、図7及び図8に示すように、第2横オーガ7b2を回動軸330回りに回動させて第1横オーガ7b1に対して屈折又は伸長させるための屈伸駆動機構X3が設けられている。屈伸駆動機構X3は、前記第1横オーガ7b1に取り付けられる回動用アクチュエータや駆動体、第2横オーガ7b2に取り付けられる従動体等から構成されている。
本実施形態においては、前記屈伸駆動機構X3は、回動用アクチュエータとして機能するモータ510と、駆動体として機能するウォーム520と、従動体として機能するウォームホイール530と、前記ウォーム520及びウォームホイル530を内装し、前記モータ510が固定される駆動ケース540と、前記回動軸330及び前記第2横オーガ7b2の外周部を連結する駆動アーム550とを有する。
【0038】
前記駆動ケース540は、第1横オーガ7b1の前記上下支持ステー360,370間に配置されて支持されるとともに、前記第2横オーガ7b2と第1横オーガ7b1とを連結する回動軸330に枢支されている。そして、該駆動ケース540内において、ウォーム520がモータ510より突出する出力軸に連動連結される一方、前記回動軸330の上下中央部にウォームホイール530が固設され、ウォーム520とウォームホイール530とが噛合されている。
【0039】
さらに、前記回動軸330の上端には、駆動アーム550の一端が固設され、該駆動アーム550の他端と第2横オーガ7b2の外周部に固設された支持ステー560とが軸体である連結ピン570により着脱可能に連結されている。前記連結ピン570は、駆動アーム550及び支持ステー560にそれぞれ設けられた孔550a,550bに着脱可能に嵌合されており、該連結ピン570を孔550a,550bから外すことで駆動アーム550と支持ステー560、即ち第2横オーガ7b2との連結を解除可能としている。よって、屈伸駆動機構X3のモータ510が故障したり、駆動ケース540内で噛み込み等の不具合が生じたりした時に、この連結を解除することにより第2横オーガ7b2を手動で屈伸移動させることができる。
【0040】
次に、第2横オーガ7b2を伸長位置Q2で確実に保持するためのロック機構660について説明する。
本実施形態においては、図5及び図6に示すように、前記第1横オーガ7b1と第2横オーガ7b2との連結部におけるオーガ軸線を基準として屈伸駆動機構X2と反対側に、ロックレバー700が第1横オーガ7b1の軸線方向と略平行に配置されている。このロックレバー700の基端部には、ねじ部が形成され、支持部材710に形成された貫通孔に摺動自在に挿入された状態で前記ねじ部にナット720,730が螺合されて固定されている。該ナット730と支持部材710との間のねじ部上には、ワッシャを介して圧縮ばね740が介設されている。
【0041】
前記支持部材710は、第2横オーガ7b2の基端部外周面より側方に突設された支軸770回りに回動自在に枢支され、該支持部材710を介してロックレバー700が支軸770回りに回動可能に構成されている。なお、支持部材710の第2横オーガ7b2側面にはストッパが設けられ、最大回動量を規制している。
【0042】
前記ロックレバー700の前記支持部材710より軸方向先端側には、係合凹部750aを有する係合部材750が前記ロックレバー700に垂直且つ支軸770に垂直な方向(下方)に突設されている。また、前記第1横オーガ7b1の先端部外周面には、支軸770に略平行に回転軸を有するローラ760が回転自在に支持されており、前記係合部材750の係合凹部750aと係合可能に構成されている。前記ローラ760が回転自在とされることにより、係合凹部650aとの係合時における抵抗を小さくしている。
ここで、ロックレバー700は、前記圧縮ばね740により軸線方向基端部側へ付勢されており、前記ローラ760と係合凹部750aとの係合時において、前記ローラ760が前記係合凹部750aと当接することにより、前記圧縮ばね740の付勢力に抗してロックレバー700は、軸線方向先端部側へ摺動され、係合される。前記係合凹部750aは、ロックレバー700の軸線方向基端部側且つ支軸770の軸線回りローラ760側に開いた形状とされているため、前記係合状態において、圧縮ばね740の付勢力により、係合部材750がローラ760側へ付勢され、その係合が保持される。
また、ロックレバー700の先端部には、把持部700aが形成されている。
【0043】
このような構成において、前述のように第2横オーガ7b2が回動され伸長位置Q2に達した際、図5に示すように、ロックレバー700を反時計方向に回動させることにより、ロックレバー700に設けた係合部材750の係合凹部750aがローラ760と係合される。このとき、係合凹部750aは、圧縮ばね740の付勢力によりローラ760側に付勢されており、その状態が保持される結果、容易にロックレバー700が外れないようになっている。なお、係合凹部750aの形状は、ローラ760の外形に合わせた形状とし、ロックする時とロック解除するときにロックレバー700が圧縮ばね740に抗して支持部材710に対して摺動する。
【0044】
続いて、第2横オーガ7b2を屈折位置で確実に保持するためのロック機構670について、図7を用いて説明する。
前記第2横オーガ7b2の中途部の前記ロックレバー700とオーガ軸線に対して反対側(前記第2横オーガ7b2が屈折位置に位置した際に前記第1横オーガ7b1に近接する側)の外周側部には、支持ステー810が側方に突出して固設されている。支持ステー810には、鉛直方向に枢支軸820が固定され、該枢支軸820にロックレバー830が枢支されている。該ロックレバー830は、枢支軸820上に設けられたばねにより前記支持ステー810と係合する方向(図6においては枢支軸820回り反時計回り方向)に付勢されている。
【0045】
前記ロックレバー083は、第2横オーガ7b2と平行に配置されるとともに平面視略J字状に構成され、一側端部に把持部830aが形成されている。一方、ロックレバー830の他側端部には、係合凹部830bが形成されている。また、前記第1横オーガ7b1の外周側部には、第2横オーガ7b2が屈折位置Q1に位置した状態で、第2横オーガ7b2の前記係合凹部830b側に突出する支持フレーム840が固設されている。該支持フレーム840は、平面視U字状に形成されており、その先端部に前記回動軸330と略平行に係合ピン850が設けられている。前記ロックレバー830の係合凹部830bは、前記係合ピン850に係合可能に構成されている。
【0046】
このような構成において、前述のように第2横オーガ7b2を屈折動作させた際、屈折位置Q1に達する直前位置において、ロックレバー830の当接部830cが係合ピン850に当接する。この際、ロックレバー830は、ばねの付勢力に抗して前記枢支軸820回り時計回り方向に押される。さらに、第2横オーガ7b2を屈折動作させて屈折位置Q1に達した際、ロックレバー830の先端は、係合ピン850から外れて、ばねの付勢力により図5において反時計回り方向に回動し、ロックレバー830の係合凹部830bが係合ピン850に係合する。こうして、屈折時にはロックレバー830により第2横オーガ7b2と第1横オーガ7b1とが相対移動不能にロックされる。したがって、第2横オーガ7b2を屈折動作させた際にロックレバー830を操作することなく、第2横オーガ7b2を屈折位置Q1に確実に保持することができる。なお、この状態でロックレバー830をバネに抗して、図5において枢支軸820回り時計回り方向に回動操作することで、ロックを解除することができる。
【0047】
本実施形態においては、前記旋回駆動機構X1、上下揺動駆動機構X2及び屈伸駆動機構X3を作動制御する制御装置400を有している。
図9に、本実施形態のコンバイン1の排出オーガ7に関する制御のための概略構成図を示す。
本実施形態のコンバイン1において、制御装置400は、図9に示すように、前記横オーガ7bの前記縦オーガ7aの軸線回りの旋回角度を検出する前記旋回角度センサ91及び前記第2横オーガ7b2の回動軸330回りの回動に応じた屈伸位置を検出する前記屈伸位置センサ92からの検出信号を受信し、各駆動機構X1,X2,X3に制御信号を送信可能に構成されている。
そして、前記制御装置400は、前記横オーガ7bが収納位置P2に位置した状態でのみ前記第2横オーガ7b2を前記屈折位置Q1又は前記伸長位置Q2に移動させるように前記屈伸駆動機構X3を制御する。
さらに、本実施形態における前記制御装置400は、前記横オーガ7bが所定位置(例えば、前記横オーガ7bが最も上昇した位置)まで上昇した状態でのみ前記第2横オーガ7b2を前記屈折位置Q1又は前記伸長位置Q2に移動させるように前記屈伸駆動機構X3を制御する。
【0048】
即ち、上記構成のコンバイン1によれば、横オーガ7bが収納位置P2に位置し且つ第2横オーガ7b2が第1横オーガ7b1に対して並列配置となる屈折位置Q1に位置した状態から穀粒排出作業に移行する場合、制御装置400は、横オーガ7bが収納位置P2に位置し、且つ、前記横オーガ7bが所定位置まで上昇した状態でのみ、屈伸駆動機構X3を介して先端部側の第2横オーガ7b2を第1横オーガ7b1に対して略直交する回動軸330回りに回動させて伸長位置Q2へ伸長させる伸長動作を許容する。
また、穀粒排出作業が終了した後、横オーガ7bを収納する場合、制御装置400は、旋回駆動機構X1を介して横オーガ7b全体を前記縦オーガ7aの軸線回りに回動させて前記排出作業位置P1から収納位置P2へと旋回させ、且つ、前記横オーガ7bが所定位置まで上昇した状態でのみ、屈伸駆動機構X3を介して前記第2横オーガ7b2を前記第1横オーガ7b1に対して前記回動軸330回りに回動させて屈折位置Q2へ屈折させる屈折動作を許容する。
つまり、横オーガ7bが排出作業位置P1及び収納位置P2の何れか一方から何れか他方へ旋回する際には、第2横オーガ7b2は、必ず伸長位置Q2に位置されている。
【0049】
このように、横オーガ7bが収納位置P2に位置した状態でのみ第2横オーガ7b2を伸長又は屈折させるため、走行機体2に対する屈伸動作範囲が常に一定となり、何れの位置に旋回させる場合でも周囲との干渉を気にする必要がない。
また、横オーガ7bを上昇させた状態で屈伸動作させることにより、より周囲との干渉を防止することができる。
さらに、第2横オーガ7b2が伸長位置Q2に位置した状態で横オーガ7b全体を旋回させるため、横オーガ7bの先端部に位置する穀粒排出口7eの位置の把握が容易となる。
従って、穀粒の排出作業における作業性をより向上させることができる。
【0050】
ここで、前記排出オーガ7の操作系の構成について説明する。
図10に、本実施形態のコンバイン1に備えられたリモコン装置410の全体図を示す。
本実施形態において、運転席5の近傍(前側方)には、図10に示すような、前記排出オーガ7に関する操作を行うためのリモコン装置410が設けられている。
本実施形態において、前記リモコン装置410は、前記オーガクラッチ機構71を作動させるオーガクラッチスイッチ420と、前記横オーガ7bを前記縦オーガ7aの軸線回りに旋回させるオーガ作動スイッチ430と、前記第2横オーガ7b2の屈折位置Q1又は伸長位置Q2への移動を開始させるための屈伸スイッチ440と、前記第2横オーガ7b2の屈伸動作と前記横オーガ7bの旋回動作とを連続して行わせるためのオートスイッチ450とを有している。
【0051】
前記オーガクラッチスイッチ420は、オーガクラッチ機構71を操作するためのスイッチであり、該オーガクラッチスイッチ420のON/OFF操作により、グレンタンク6から排出オーガ7の穀物排出口7eまでの穀物排出機構への駆動力の係合/遮断を行う。
前記オーガ作動スイッチ430は、長押している間、横オーガ7bを上下揺動及び左右旋回させる4つのスイッチ(即ち、上昇スイッチ431、下降スイッチ432、左旋回スイッチ433及び右旋回スイッチ434)を有している。なお、前記オーガ作動スイッチ430は、前記4つのスイッチに代えて、4方向に傾倒可能な操作レバーとして構成してもよい。
また、前記屈伸スイッチ440は、前記第2横オーガ7b2の伸長動作を開始させる伸長スイッチ441と、前記第2横オーガ7b2の屈折動作を開始させる屈折スイッチ442とを有する。
【0052】
前記オートスイッチ450は、前記屈伸駆動機構X3を介して前記第2横オーガ7b2を屈折位置Q1から伸長位置Q2へ移動させた後、前記旋回駆動機構X1を介して伸長した前記横オーガ7bを前記縦オーガ7aの軸線回りに旋回させて所定の排出作業位置に位置させる作業開始移動を開始させるオーガセットスイッチ451と、前記旋回駆動機構X1を介して前記横オーガ7bを前記縦オーガ7aの軸線回りに旋回させて所定の前記収納位置P2に位置させた後、前記屈伸駆動機構X3を介して前記第2横オーガ7b2を伸長位置Q2から屈折位置Q1へ移動させる作業終了移動を開始させるオーガリターンスイッチ452とを有している。
さらに、オーガセットスイッチ451は、収納位置P2から所定の旋回角度(例えば、所定の第1角度θ1及び当該第1角度θ1を超えた第2角度θ2)まで旋回させる複数のオーガセットスイッチを有している。より具体的には、横オーガ7bの軸線が走行機体2の前後方向に略直交し、且つ先端部が右方を向くような第1角度θ1(第1作業位置P11。図4参照)まで旋回させるオーガ右セットスイッチ451a及び横オーガ7bの軸線が走行機体2の前後方向に略平行且つ先端部が後方を向くような第2角度θ2(第2作業位置P12。図4参照)まで旋回させるオーガ後セットスイッチ451bを有している。
なお、前記リモコン装置410等にオートセットスイッチ451の目標旋回角度を設定する設定ダイヤル等の設定手段を設けることとしてもよい。
【0053】
ここで、オートスイッチ450を操作した際の排出オーガ制御について説明する。
図11及び図12に、前記オートスイッチ450を操作した際の制御フローチャートを示す。図11は、作業開始移動に関する制御フローチャートであり、図12は、作業終了移動に関する制御フローチャートである。
本実施形態において、横オーガ7bが前記オーガレスト8に載置された状態(旋回方向に関しては収納位置P2に位置された状態)且つ第2横オーガ7b2が屈折位置Q1に位置した状態から穀粒排出作業に移行する場合、前記オーガセットスイッチ451(オーガ右セットスイッチ451a又はオーガ後セットスイッチ451b)を操作することにより、図10に示すように、作業開始移動が行われる。
【0054】
即ち、前記オーガセットスイッチ451の操作を受けて(ステップS1)、制御装置400は、上下揺動駆動機構X2を介して横オーガ7bを前記所定位置(最も上昇した位置)まで上昇させる(ステップS2)。前記制御装置400は、さらに、旋回角度センサ91により検出される横オーガ7bの位置が収納位置P2であるか否かを判定する(ステップS3)。
前記横オーガ7bが収納位置P2に位置している場合(ステップS3でYes)、屈伸駆動機構X3を介して第2横オーガ7b2を回動軸330回りに回動させて横オーガ7bを伸長させる(ステップS4)。また、前記横オーガ7bが収納位置P2に位置していない場合には、旋回駆動機構X1を介して横オーガ7を縦オーガ7aの軸線回りに旋回させて収納位置P2まで移動させてから(ステップS5)、第2横オーガ7b2を伸長させる。
【0055】
前記第2横オーガ7b2が伸長位置Q2に位置したことが前記屈伸位置センサ92により検出されると(ステップS6でYes)、続けて、制御装置400は、旋回駆動機構X1を介して横オーガ7b全体を縦オーガ7aの軸線回りに旋回させて所定の排出作業位置P1まで移動させる(ステップS7)。本実施形態においては、オーガ右セットスイッチ451aの操作時においては、横オーガ7bの先端部が作業機体2の右側方に位置する第1作業位置P11(前記旋回角度センサ91が第1角度θ1を検出する位置)まで旋回させ、オーガ後セットスイッチ451bの操作時においては、横オーガ7bの先端部が作業機体の後方に位置する第2作業位置P12(前記旋回角度センサ91が第2角度θ2を検出する位置)まで旋回させる。前記横オーガ7bが排出作業位置P1(P11,P12)に位置したことが前記旋回角度センサ91により検出されると(ステップS8でYes)、制御装置400は、上下揺動駆動機構X2を介して横オーガ7bが所定の高さとなるように制御する(ステップS9)。
【0056】
また、穀粒排出作業の終了後、横オーガ7bを収納する場合、横オーガ7bが排出作業位置P1に位置した状態でオーガリターンスイッチ452を操作することにより、図11に示すように、作業終了移動が行われる。
【0057】
即ち、前記オーガリターンスイッチ452の操作を受けて(ステップE1)、制御装置400は、上下揺動駆動機構X2を介して横オーガ7bを前記所定位置(最も上昇した位置)まで上昇させる(ステップE2)。前記制御装置400は、さらに、旋回角度センサ91により検出される横オーガ7bの位置が収納位置P2であるか否かを判定する(ステップE3)。
前記排出作業位置が伸長位置P2でない場合(ステップE4でYes)、旋回駆動機構X1を介して横オーガ7b全体を前記縦オーガ7aの軸線回りに旋回させて前記排出作業位置P1から収納位置P2へと移動させる(ステップE5)。横オーガ7b全体が前記収納位置P2に位置した場合(ステップE3でYes)、続けて、制御装置400は、屈伸駆動機構X3を介して前記第2横オーガ7b2を前記第1横オーガ7b1に対して前記回動軸330回りに回動させて横オーガ7bを屈折させる(ステップE4)。第2横オーガ7b2が屈折位置に位置すると(ステップE6でYes)、制御装置400は、上下揺動駆動機構X2を介して横オーガ7bをオーガレスト8のレスト部8aに当接する位置に下降させる(ステップE7)。
なお、他に干渉しない限り、前記ステップE2における横オーガ7bの上昇制御に代えて、前記横オーガ7bを収納位置P2に旋回させてから(ステップE3の後に)、収納位置P2において前記所定位置まで上昇させることとしてもよい。
【0058】
このように、オートスイッチ450を人為操作することにより、横オーガ7bが収納位置P2に位置し且つ第2横オーガ7b2が屈折位置Q1に位置した穀粒排出非作業状態と、横オーガ7bが排出作業位置P1に位置し且つ第2横オーガ7b2が伸長位置Q2に位置した穀粒排出作業状態との切り換えを一操作で連続して行うことができるため、作業者の手間をより少なくすることができる。
【0059】
なお、リモコン装置410は、運転席5近傍に加えて又はそれに替えて前記横オーガ7b(例えば、排出ケース7c近傍の側方部)に備えられていることとしてもよい。
また、これらのスイッチは、リモコン装置410上だけでなく、運転席5内の任意の位置(例えば前面パネル)に設けられることとしてもよい。
【0060】
また、本実施形態においては、前記横オーガ7bの屈折位置Q1又は伸長位置Q2への移動中(前記ステップS4及びE4実行中)に、当該移動を報知する報知手段460を備えている。前記報知手段460としては、運転席5の近傍又は走行機体2外部に取り付けられた報知ブザーや報知ランプ等が例示できる。
これにより、第2横オーガ7b2の移動を報知手段460を用いることにより、作業者はもちろん、周囲にいる作業者以外の人に対してもより明確に報知することができるため、第2横オーガ7b2の伸長位置Q2又は屈折位置Q1への移動中における周囲への安全性を向上させることができる。
【0061】
さらに、本実施形態においては、前記第2横オーガ7b2が屈折位置Q1又は伸長位置Q2への移動中(前記ステップS4及びE4実行中)に、前記リモコン装置410に設けられたスイッチの何れかが操作された際、前記屈折位置Q1又は伸長位置Q2への移動を中止するように構成される。
【0062】
この場合、第2横オーガ7b2の屈伸動作中に、前記リモコン装置410に設けられた何れかのスイッチ(本実施形態においては、オーガクラッチスイッチ420、オーガ作動スイッチ430、屈伸スイッチ440及びオートスイッチ450)が操作されると、当該操作されたスイッチの種類に拘わらず、前記屈伸動作が中断される。中断された状態で再び、屈伸スイッチ440又はオートスイッチ450を操作することにより、屈伸動作が再開される。
このように、第2横オーガ7b2の屈伸動作中に、第2横オーガ7b2の回動範囲に人が侵入してきた場合等の緊急時において、リモコン装置410に設けられた何れかのスイッチを操作すれば、第2横オーガ7b2の移動が中止されるため、リモコン装置410に設けられたスイッチの種類を目視により確認した上で操作する必要がなく、第2横オーガ7b2をより迅速に停止させることができ、周囲への安全性をより高めることができる。
【0063】
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0064】
例えば、上記実施形態においては、横オーガ7bが上下方向所定位置(最も上昇した位置)で屈伸及び旋回動作を行うこととしているが、オーガレスト8のレスト部8aの高さ位置で屈伸及び旋回動作を行うこととしてもよい。この場合、屈伸及び旋回動作の際の上下揺動駆動機構X2におけるモータ負荷を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るコンバインの側面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るコンバインの正面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るコンバインの伝動模式図である。
【図4】図4は、図1のコンバインにおける横オーガの旋回領域を例示した上面図である。
【図5】図5は、図1のコンバインにおける第2横オーガが伸長位置に位置したときの第1横オーガ及び第2横オーガの連結部近傍の側面図である。
【図6】図6は、図1のコンバインにおける第2横オーガが伸長位置に位置したときの第1横オーガ及び第2横オーガの連結部近傍の平面図である。
【図7】図7は、図1のコンバインにおける第2横オーガが屈折位置に位置したときの第1横オーガ及び第2横オーガの連結部近傍における平面図である。
【図8】図8は、図1のコンバインにおける第2横オーガが屈折位置に位置したときの第1横オーガ及び第2横オーガの連結部近傍における屈伸駆動機構の側方断面図である。
【図9】図9は、本実施形態のコンバインの排出オーガに関する制御のための概略構成図である。
【図10】図10は、本実施形態のコンバインに備えられたリモコン装置の全体図である。
【図11】図11は、図1のコンバインにおいてオートスイッチを操作した際の作業開始移動に関する制御フローチャートである。
【図12】図12は、図1のコンバインにおいてオートスイッチを操作した際の作業終了移動に関する制御フローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1 コンバイン
5 運転席
6 グレンタンク
7a 縦オーガ
7b 横オーガ
7b1 第1横オーガ
7b2 第2横オーガ
330 回動軸
400 制御装置
410 リモコン装置
430 オーガ作動スイッチ
440 屈伸スイッチ
450 オートスイッチ
X1 旋回駆動機構
X2 上下揺動駆動機構
X3 屈伸駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレンタンクの後部に略垂直に立設され、基端部がグレンタンクの後方下部と連通した縦オーガと、基端部が前記縦オーガの先端部と連通した状態で前記縦オーガの軸線回りに旋回することで、機外に穀粒を排出可能な所定の排出作業位置及び所定の収納位置の間を移動可能な横オーガであって、基端部側の第1横オーガと先端部側の第2横オーガとを有し、前記第2横オーガが前記第1横オーガの側方に配置された回動軸回りに回動することで、前記第2横オーガが前記第1横オーガに対して並列配置となる屈折位置及び前記第2横オーガが第1横オーガに対して同軸配置となる伸長位置の間を移動可能な横オーガと、前記第2横オーガを前記屈折位置及び前記伸長位置の間で移動させる屈伸駆動機構と、前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させて、前記排出作業位置及び前記収納位置の間で移動させる旋回駆動機構と、前記屈伸駆動機構及び前記旋回駆動機構を制御する制御装置とを備えたコンバインであって、
前記制御装置は、前記横オーガが収納位置に位置した状態でのみ前記第2横オーガを前記屈折位置及び前記伸長位置の間で移動させるように前記屈伸駆動機構を制御することを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記横オーガは、基端部を支点として上下方向に揺動可能に構成されるとともに、前記横オーガを上下方向に揺動させる上下揺動駆動機構を備え、
前記制御装置は、前記横オーガが所定位置まで上昇した状態でのみ前記第2横オーガを前記屈折位置及び前記伸長位置の間で移動させるように前記屈伸駆動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガを屈折位置から伸長位置へ移動させた後、前記旋回駆動機構を介して伸長した前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させて所定の排出作業位置に位置させる作業開始移動、又は、前記旋回駆動機構を介して前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させて所定の収納位置に位置させた後、前記屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガを伸長位置から屈折位置へ移動させる作業終了移動の何れかを開始させるための人為操作可能なオートスイッチを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記オートスイッチは、運転席近傍又は前記横オーガに備えられたリモコン装置であって、少なくとも伸長位置にある前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させるオーガ作動スイッチを有するリモコン装置に設けられ、
前記第2横オーガが屈折位置又は伸長位置への移動中に、前記リモコン装置に設けられたスイッチの何れかが操作された際、前記屈折位置又は伸長位置への移動を中止することを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記屈伸駆動機構を介して前記第2横オーガの屈折位置又は伸長位置への移動を開始させるための屈伸スイッチを備え、
前記屈伸スイッチは、運転席近傍に備えられたリモコン装置であって、伸長位置にある前記横オーガを前記縦オーガの軸線回りに旋回させるオーガ作動スイッチを少なくとも有するリモコン装置に設けられ、
前記第2横オーガの屈折位置又は伸長位置への移動中に、前記リモコン装置に設けられたスイッチの何れかが操作された際、前記屈折位置又は伸長位置への移動を中止することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−171925(P2009−171925A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16383(P2008−16383)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】