説明

コンバータレンズ

【課題】 所望の変倍比を得つつも、小型のズームコンバータレンズを実現すること。
【解決手段】 マスターレンズMの前方に装着し、マスターレンズMの焦点距離を変換可能なコンバータレンズCにおいて、前方より順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3とを有し、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍に際し、第1レンズ群L1が単調に前方へ、第2レンズ群L2が単調に後方へ移動する。そして、この変倍の際の第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2の移動量を適切に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンバータレンズに関し、例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮影レンズをマスターレンズとして、その物体側に装着するコンバータレンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮影レンズの物体側に装着して、撮影範囲を変えられるコンバータレンズには、焦点距離を長くし、望遠効果を高めるテレコンバータレンズや、焦点距離を短くし、撮影画角を広くするワイドコンバータレンズがある。
【0003】
これら2つの機能を1つの系で実現するコンバータレンズが、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたコンバータレンズは、マスターレンズへの装着する向きを逆にすることにより、テレコンバータレンズとワイドコンバータレンズとを切り替えるものである。
【0004】
また、特許文献2では、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群の3群構成のコンバータレンズで、第1レンズ群と第2レンズ群を移動させることで、アフォーカル倍率を1.6〜2倍まで変倍を行う例が開示されている。
【0005】
特許文献3では、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群の3群構成のコンバータレンズで、第2レンズ群のみを移動させることで変倍を行う例が開示されている。
【0006】
特許文献4では、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群の3群構成のコンバータレンズで、少なくとも2つの群を移動させることで変倍を行う例が開示されている。
【特許文献1】特開平7−64164号公報
【特許文献2】特開2000−292695号公報
【特許文献3】特開昭53−27044号公報
【特許文献4】特開平9−5625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、ワイドコンバータレンズとテレコンバータレンズとを使い分ける際にマスターレンズに装着しなおす手間があり、使い勝手の点で課題がある。
【0008】
特許文献2は、等倍を含んだ変倍ができる構成となっていないことや、変倍比が1.25倍と小さい等の課題がある。
【0009】
特許文献3は、第2レンズ群だけを移動させて変倍を行っているため、アフォーカル系を維持しながら連続的にアフォーカル倍率を変えることができない。また、第1レンズ群が1枚構成であるため、倍率色収差補正の点でも課題がある。
【0010】
特許文献4は、正・負・正の3群構成において、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍に際し、第2レンズ群が不動で、第1レンズ群及び第3レンズ群を物体側へ移動させて変倍する例が開示されている。この例では、第2レンズ群が固定となっているため、最も高いアフォーカル倍率を大きくしようとすると、第1レンズ群の移動量が大きくなる。その結果、最も高いアフォーカル倍率の状態での全長が長くなる。また、前玉径は最も高いアフォーカル倍率の状態での軸外光線が通過する高さで決まるため、全長が長くなることは前玉径が大きくなることにつながる。このため、高い変倍比の実現にあたって、全長及び前玉径の小型化の点で課題がある。
【0011】
また特許文献4には、正・負・正の3群構成において、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍に際し、第1レンズ群が不動で、第2レンズ群を像側へ移動させ、第3レンズ群を像側に凸の軌跡を描くように移動させて変倍する例も開示されている。この例では、第1レンズ群が固定であるため、第2レンズ群が変倍機能を有する群となる。このような構成で、最も高いアフォーカル倍率を大きくしようとすると、第2レンズ群が像側へ大きく移動しなければならなくなるため、最も低いアフォーカル倍率の状態での第2レンズ群と第3レンズ群の間隔を縮めることができなくなる。その結果、全長を縮めることが困難となり、このときの軸外光線が通過する高さが大きくなるため、前玉径の小型化の点でも課題がある。
【0012】
本発明は、これらの従来例を考慮してなされたもので、所望の変倍比を得つつも、小型のズームコンバータレンズを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、マスターレンズの前方(撮影レンズがマスターレンズの場合は物体(被写体)側)に装着し、マスターレンズの焦点距離を変換可能なコンバータレンズにおいて、前方より順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群とを有し、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍に際し、第1レンズ群が単調に前方へ、第2レンズ群が単調に後方(マスターレンズ側、撮影レンズがマスターレンズの場合は像側)へ移動することを特徴としている。そして、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍の際の第1レンズ群と第2レンズ群の移動量をそれぞれM,Mとするとき、
【0014】
【数1】

【0015】
なる条件を満足するように適切に設定している。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、所望の変倍比を得つつ、小型のズームコンバータレンズを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1を用いて、本発明のコンバータレンズの基本構成について説明する。
【0018】
図1において、Cはコンバータレンズ、Mは撮影レンズであるマスターレンズを示している。コンバータレンズCは、図1に示すように、マスターレンズMの前方(撮影レンズの物体側)に装着することで、マスターレンズMの焦点距離を変換する役割を果たしている。マスターレンズM中のGは光学的ローパスフィルターや赤外カットフィルター等の各種光学フィルター、フェースプレート等に対応して光学設計上設けられたの光学ブロックである。IPは像面であり、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子が配置される。
【0019】
コンバータレンズCは、正の屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3から構成される。本実施例では、アフォーカル系を維持しながら、連続的にアフォーカル倍率を変化させるために、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2とを移動させることで変倍を行っている。具体的には、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍に際し、第1レンズ群L1を単調に前方へ、第2レンズ群L2を単調に後方(マスターレンズ側、撮影レンズの場合は像側)へ移動させている。
【0020】
本実施例のコンバータレンズは、最も低いアフォーカル倍率のとき、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2とで全体として負の屈折力の前群LFwを構成し、第3レンズ群L3で正の屈折力の後群LRwを構成すると考えると、ワイドコンバータレンズと同様のパワー配置とみなせる。また、最も高いアフォーカル倍率のとき、第1レンズ群L1で正の屈折力の前群LFtを構成し、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3とで全体として負の屈折力の後群LRtを構成すると考えると、テレコンバータレンズと同様のパワー配置とみなせる。このように、本実施形態のコンバータレンズは、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2とを適切に移動させることにより、ワイドコンバータレンズとテレコンバータレンズの効果を両立させるコンバータレンズを実現できる。以後、最も低いアフォーカル倍率を最小倍率、最も高いアフォーカル倍率を最大倍率と呼ぶこととする。
【0021】
次に、移動群と移動方向の作用効果について説明する。
【0022】
最小倍率から最大倍率への変倍に際し、第1レンズ群L1を固定とし、第2レンズ群L2を後方へ移動させた場合、前玉径は画角の広い最小倍率での軸外光線が通過する高さ(光軸からの距離)で決定される。前玉径の小型化と高変倍比化を両立させるためには、第2レンズ群L2の移動量を十分大きく取る必要がある。その結果、最小倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔を短縮することができないため、最小倍率の状態でコンバータレンズの全長を短縮することができない。この結果、最小倍率の状態で軸外光線の高さを小さくすることができなくなるため、前玉径の小型化が困難となる。
【0023】
そこで、本実施例では、前述したごとく、第1レンズ群L1を最小倍率から最大倍率への変倍に際して前方へ移動させる構成とした。第1レンズ群L1が前方へ移動することで、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が広がるため、第2レンズ群L2の移動量を短縮することができる。第2レンズ群L2の移動量が短縮される分、最小倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔を短縮することができる。その結果、最小倍率の状態でのコンバータレンズCの全長が短縮され、第1レンズ群L1の軸外光線の高さを小さくすることができるため、前玉径の小型化が図れる。
【0024】
ただし、第1レンズ群L1の移動量を大きくしすぎると、最大倍率の状態でのコンバータレンズCの全長が長くなるため、最大倍率の状態での軸外光線の高さが最小倍率の状態での軸外光線の高さより高くなり、前玉径は最大倍率で決定され、前玉径の小型化の点で課題が生じてくる。
【0025】
そこで、本実施例では、第2レンズ群L2を、変倍機能を有するレンズ群、第1レンズ群L1を、アフォーカル系を維持する機能を有するレンズ群とし、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動量を以下の条件を満たすようにした。
【0026】
【数2】

【0027】
ここで、M,Mはそれぞれ、最小倍率から最大倍率への変倍の際の第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動量である。ただし、光軸上の後方(像側)への移動を正方向とする。
【0028】
条件式(1)は、最小倍率から最大倍率への変倍の際の第2レンズ群L2の移動量に対する第1レンズ群L1の移動量を規定した式である。
【0029】
条件式(1)の下限を超えると、第1レンズ群L1の移動量が過大となり、最大倍率の状態での全長が大きくなるだけでなく、最小倍率の状態での第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さより最大倍率の状態での第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さが高くなるため、最大倍率の状態で前玉径が決定され、前玉径の小型化の点で好ましくない。
【0030】
一方、条件式(1)の上限を超えると、第1レンズ群L1の移動量が小さくなり、所望の変倍比を得るためには、第2レンズ群L2の移動量を確保するため、最小倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔を増大させなければならない。この結果、最小倍率の状態での全長が大きくなるだけでなく、第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さが高くなるため、最小倍率の状態で前玉径が決定され、前玉径の小型化の点で好ましくない。
【0031】
本実施例のコンバータレンズは、このように第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の移動量を適切に設定することにより、アフォーカル系を維持しながら、連続的にアフォーカル倍率を変化させ、前玉径の小型化と高変倍比化の両立を図っている。
【0032】
マスターレンズMが単焦点レンズであった場合、本実施例のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着することで、全体としてズームレンズとして使用することが可能となる。また、本実施例のコンバータレンズは、等倍を含むアフォーカル倍率が可変のコンバータであるため、マスターレンズMとしてズームレンズに装着した場合、ズームレンズの広角端をさらに広角化させることができると共に、ズームレンズの望遠端ではさらに望遠効果を高めることが可能となる。後述する数値実施例では、マスターレンズMとして、物体側から順に、負・正・正の屈折力の3つのレンズ群で構成された図2に示すようなズームレンズを用いている。
【0033】
なお、以上の説明では第2レンズ群L2の移動によりくずれたアフォーカルの度合いを、第1レンズ群L1を物体側へ移動させることで補償する形態を示している。しかし本発明のコンバータレンズはこのような形態に限らず、第3レンズ群L3を移動させることにより、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の距離と第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の距離の大小関係を変え、最小倍率から最大倍率へ変倍することも可能である。
【0034】
後述する数値実施例1〜7に示すコンバータレンズの各レンズ群の構成について説明する。
【0035】
まず、各数値実施例で共通する点について説明する。本実施例のコンバータレンズは、最大倍率の状態で第1レンズ群L1は独立群となるため、レンズ群内で軸上色収差及び倍率色収差の補正が必要となる。そこで、各数値実施例では第1レンズ群L1に少なくとも1枚の負レンズを有するように構成している。これにより、軸上色収差、倍率色収差が補正され、コンバータレンズCを装着したことによる色にじみの増加を最低限に抑えられるというメリットがある。
【0036】
また、負の屈折力の第2レンズ群L2は少なくとも2枚の負レンズを有するように構成している。第2レンズ群L2の負の屈折力を2枚の負レンズで分担することで、各レンズの屈折力が弱まり、ペッツバール和がマイナス側に増大するのを抑え、像面湾曲を良好に補正している。
【0037】
次に各数値実施例のコンバータレンズの具体的な構成について説明する。
【0038】
図3は、数値実施例1のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着した状態での断面図である。
【0039】
図3において、第1レンズ群L1は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ11と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ12で構成している。負メニスカスレンズ11は、画角変化の大きい光学系において、高変倍比化したとき、コマ収差・非点収差・像面湾曲など諸収差の発生を抑えるために有効である。
【0040】
第2レンズ群L2は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ21、両凹形状の負レンズ22、前方に凸面を向けた正メニスカスレンズ23で構成している。このように第2レンズ群L2中に正レンズ(正メニスカスレンズ23)を配置することで、最大倍率の状態での軸上色収差や変倍領域全体の倍率色収差補正を行っている。
【0041】
第3レンズ群L3は、前方から後方へ順に、両凸形状の正レンズ31、前方に凹面を向けた負メニスカスレンズ32で構成している。第3レンズ群L3は、最小倍率の状態で第1レンズ群L1と同様に独立群となるため、負レンズを含むよう構成し、レンズ群内で軸上色収差及び倍率色収差の補正を行っている。
【0042】
図9は、数値実施例2のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着した状態での断面図である。
【0043】
図9において、第1レンズ群L1は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ11と前方に凸面を向けた正メニスカスレンズ12で構成している。
【0044】
第2レンズ群L2は、前方から後方へ順に、前方に凸面を向けた2つの負メニスカスレンズ21,22、前方に凸面を向けた正メニスカスレンズ23で構成している。数値実施例2では、負レンズ22の屈折力をメニスカス形状とすることで、負レンズ21,22の間隔を短くし、第2レンズ群L2の厚みを減少させている。
【0045】
第3レンズ群L3は、両凸形状の正レンズで構成している。第3レンズ群L3を1枚のレンズのみで構成することで、コスト削減を図っている。
【0046】
図15は、数値実施例3のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着した状態での断面図である。
【0047】
数値実施例3は、基本構成は数値実施例1と同様であるが、最大倍率の状態での全長短縮を図ると共に、第1レンズ群L1の硝材を安価なものに変更してコスト削減した例である。
【0048】
図21は、数値実施例4のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着した状態での断面図である。数値実施例4は、パワー配置を変えることで、最大倍率の状態での全長短縮を図った例である。
【0049】
図21において、第1レンズ群L1は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ11、前方に凸面を向けた正メニスカスレンズ12で構成している。
【0050】
第2レンズ群L2は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ21、両凹形状の負レンズ22、両凸形状の正レンズ23で構成している。
【0051】
第3レンズ群L3は、前方より後方へ順に、両凸形状の正レンズ31、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ32で構成している。負レンズ32を前方に凸面を向けたメニスカス形状とすることで、前方に凹面を向けたメニスカス形状に比べ、最小倍率の状態で像面湾曲のオーバー傾向を補正することが可能である。
【0052】
図27は、数値実施例5のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着した状態での断面図である。数値実施例5は、パワー配置を変えることで最小倍率の状態での全長短縮及び前玉径の小型化を図った例である。
【0053】
図27において、第1レンズ群L1は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ11、前方に凸面を向けた正メニスカスレンズ12とで構成している。
【0054】
第2レンズ群L2は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた2つの負メニスカスレンズ21,22、前方に凸面を向けた正メニスカスレンズ23で構成している。
【0055】
第3レンズ群L3は、前方より後方へ順に、両凸形状の正レンズ31、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ32で構成している。負レンズ32を前方に凸面を向けた負メニスカス形状とすることで、最小倍率の状態での像面湾曲のアンダー傾向を補正している。
【0056】
図33は、数値実施例6のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着した状態での断面図である。
【0057】
図33において、第1レンズ群L1は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ11、両凹形状の負レンズ12、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ22で構成している。
【0058】
第2レンズ群L2は、前方から後方へ順に、前方に凸面を向けた2つの負メニスカスレンズ21,22で構成される。第2レンズ群L2を2枚にすることで、コスト削減を図っている。
【0059】
第3レンズ群L3は、前方より後方へ順に、両凸形状の正レンズ31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ32で構成している。負レンズ32を前方に凸面を向けた負メニスカス形状とすることで、最小倍率の状態での像面のアンダー傾向を補正している。
【0060】
図39は、数値実施例7のコンバータレンズCをマスターレンズMに装着した状態での断面図である。
【0061】
図39において、第1レンズ群L1は、前方より後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ11、両凹形状の負レンズ12、前方に凸面を向けた正メニスカスレンズ22で構成している。
【0062】
第2レンズ群L2は、前方から後方へ順に、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ21、両凹形状の負レンズ22、前方に凸面を向けた正レンズ23で構成している。数値実施例7では、前玉径の小型化と歪曲収差補正のため、第2レンズ群L2に非球面を用いている。具体的には、負レンズ21の前方の面を非球面としている。
【0063】
第3レンズ群L3は、前方より後方へ順に、両凸形状の正レンズ31、前方に凸面を向けた負メニスカスレンズ32で構成している。
【0064】
次に本発明のコンバータレンズが満足すべき好ましい条件について説明する。本実施例のコンバータレンズは以下の条件式を満足している。
【0065】
【数3】

【0066】
【数4】

【0067】
【数5】

【0068】
【数6】

【0069】
【数7】

【0070】
【数8】

【0071】
ここで、fは第1レンズ群L1の焦点距離、f1Nは第1レンズ群中の負レンズの焦点距離、mは最小アフォーカル倍率、mは最大アフォーカル倍率、fは第2レンズ群L2の焦点距離、e2wは最小アフォーカル倍率の状態での第2レンズ群L2の後側主点と第3レンズ群L3の前側主点の間隔、TDは最大アフォーカル倍率の状態でのコンバータレンズCの全長、TDは最小アフォーカル倍率の状態でのコンバータレンズCの全長、fFwは最小アフォーカル倍率の状態での第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離、fRTは最大アフォーカル倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の合成焦点距離である。
【0072】
条件式(2)は、第1レンズ群L1中の負レンズの焦点距離を規定する条件、すなわち第1レンズ群L1中の負レンズの屈折力を規定する条件である。
【0073】
条件式(2)の下限を超えると、第1レンズ群L1中の負レンズの屈折力が過大となるため、ペッツバール和がマイナス側に増大し、像面のオーバー傾向を強める。一方、条件式(2)の上限を超えると、負レンズの屈折力が小さすぎるため、色収差補正が不十分となり、色にじみの原因となる。
【0074】
条件式(3)は、第2レンズ群L2の焦点距離に対する第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔を規定する条件である。
【0075】
条件式(3)の下限を超えると、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔が小さいため、所望の最小倍率を得るためにはfFw,fRwが共に小さくなり、最小倍率の状態での歪曲収差補正が困難となる。一方、条件式(3)の上限を超えると、所望の最小アフォーカル倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔が長くなり、最小倍率の状態でのコンバータレンズCの全長が過大となるだけでなく、第1レンズ群L1を通過する軸外光線の位置が高くなり、前玉径を小型化する上で好ましくない。
【0076】
条件式(4)は、最小倍率の状態での全長に対する最大倍率の状態での全長を規定する式である。最小倍率の状態での全長と最大倍率の状態での全長の関係は、最大倍率と最小倍率に依存しない関係であるため、最大倍率と最小倍率で規格化している。
【0077】
条件式(4)の下限を超えると、最大倍率の状態でのコンバータレンズCの全長が短いため、所望の変倍比を得るためには、最小倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔を長くしなければならない。この結果、最小倍率の状態でのコンバータレンズCの全長が過大となるだけでなく、第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さが高くなるため、最小倍率の状態で前玉径が決定され、前玉径小型化の点で好ましくない。
【0078】
一方、条件式(4)の上限を超えると、最大倍率の状態でのコンバータレンズCの全長が過大となり、最小倍率の状態での第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さより最大倍率の状態での軸外光線の高さが高くなるため、前玉径小型化の点で好ましくない。
【0079】
特に、前玉径の小型化のためには、条件式(1)と条件式(4)を両立することが好ましい。
【0080】
条件式(5)は、第2レンズ群L2の焦点距離に対する第1レンズ群L1の焦点距離を規定する式である。第1レンズ群L1の焦点距離と第2レンズ群L2の焦点距離の関係は、最大倍率と最小倍率に依存しない関係であるため、最大倍率と最小倍率で規格化している。
【0081】
条件式(5)の下限を超えると、第1レンズ群L1の屈折力が強くなりすぎるため、ペッツバール和がプラス側に増大し、像面湾曲がアンダー傾向となり好ましくない。一方、条件式(5)の上限を超えると、第1レンズ群L1の屈折力が弱まるため、所望の最大倍率を得るためには、最大倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔が大きくなり、最大倍率の状態での全長が大きくなる。これにより、最大倍率の状態での第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さが高くなり、前玉径の小型化の点で好ましくない。
【0082】
条件式(6)は、最小倍率の状態での第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離に対する第1レンズ群L1の焦点距離を規定した式である。
【0083】
条件式(6)の下限を超えると、第1レンズ群L1の屈折力が大きくなり過ぎ、ペッツバール和がプラス側に増大するため、像面湾曲のアンダー傾向が強まり好ましくない。
【0084】
一方、条件式(6)の上限を超えると、第1レンズ群L1の屈折力が小さくなり過ぎる。第1レンズ群L1は、最大倍率の状態ではテレコンバータレンズにおける前群に相当(図1におけるLFt)するため、第1レンズ群L1の屈折力が小さくなり過ぎると、最大倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔を十分確保しなければならなくなり、最大倍率の状態での全長が過大となる。更に、最大倍率の状態での全長が増大することにより、第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さが最小倍率の状態より最大倍率の状態で高くなるため、前玉径の小型化の点でも好ましくない。
【0085】
条件式(7)は、最大倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の合成焦点距離に対する第3レンズ群L3の焦点距離の占める割合を規定した式である。
【0086】
条件式(7)の下限を超えると、第3レンズ群L3の屈折力が増大するため、非点収差補正が困難となる。
【0087】
一方、条件式(7)の上限を超えると、第3レンズ群L3の屈折力が小さくなり過ぎる。第3レンズ群L3は、最小倍率の状態ではワイドコンバータレンズにおける後群に相当(図1におけるLRw)するため、第3レンズ群L3の屈折力が小さくなり過ぎると、最小倍率の状態での第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔を十分確保しなければならなくなり、最小倍率の状態での全長が過大となる。更に、最小倍率の状態での全長が増大することにより、第1レンズ群L1を通過する軸外光線の高さが増大し、前玉径の小型化の点でも好ましくない。
【0088】
次に数値実施例1〜7の数値データを示す。各数値実施例において、iは前方(物体側)からの面の順番を表し、Riは第i番目の面(第i面)の曲率半径、Diは第i面と第(i+1)面の間隔、Niとνiはそれぞれ第i番目の部材のd線を基準とした屈折率、アッベ数である。f,Fno,ωは、それぞれ焦点距離、Fナンバー、半画角を表すが、マスターレンズMに装着した状態でのものである。
【0089】
また、マスターレンズMの数値実施例において、第i面はコンバータレンズCを装着しない状態での第i番目の面であり、RMiは第i面の曲率半径、DMiは第i面と第(i+1)面の間隔、NMiとνMiは各々第i番目の部材のd線を基準とした屈折率、アッベ数である。f,Fno,ωは、それぞれマスターレンズ単体での焦点距離、Fナンバー、半画角である。マスターレンズの数値データにおいて、像側の複数の平面は光学ブロックGを構成する面である。なお、マスターレンズの数値データは数値実施例1〜7で共通である。
【0090】
非球面形状は、光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、B,C,D,Eを各々非球面係数としたとき、
【0091】
【数9】

【0092】
なる式で表している。
【0093】
マスターレンズMがズームレンズの場合、本実施例のコンバータレンズは、広角端から望遠端までマスターレンズMの焦点距離が変化するのに対し、最小アフォーカル倍率からアフォーカル倍率1をはさみ、最大アフォーカル倍率まで変化するため、光学系全体としての焦点距離はこれらの組み合わせにより決定される。この組み合わせを以下の表1に示す。
【0094】
表1において、コンバータレンズCが最も低いアフォーカル倍率の状態で、マスターレンズMが広角端の場合をzoom1としている。zoom1の組み合わせでは、マスターレンズMの広角端をさらに広角化させることが可能となる。また、コンバータレンズCが最も高いアフォーカル倍率の状態で、マスターレンズが望遠端の場合をzoom3としている。zoom3の組み合わせは、マスターレンズMの望遠端の焦点距離を更に長くすることが可能となる。
【0095】
【表1】

【0096】
図4〜8,10〜14,16〜20,22〜26,28〜32,34〜38,40〜44はそれぞれ、表1のzoom1〜zoom5の各組み合わせの状態での数値実施例1〜7のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態での諸収差図である。
【0097】
また、前述の各条件式と数値実施例の関係を表10に示す。
【0098】
(数値実施例1)
f=5.62〜 31.99 Fno= 2.87 〜 5.06 2ω=15.8゜〜76.6゜
R 1 = 86.964 D 1 = 4.06 N 1 = 1.922860 ν 1 = 18.9
R 2 = 70.033 D 2 = 1.50
R 3 = 77.411 D 3 = 7.81 N 2 = 1.772499 ν 2 = 49.6
R 4 = 226.283 D 4 = 可変
R 5 = 131.804 D 5 = 2.75 N 3 = 1.487490 ν 3 = 70.2
R 6 = 25.694 D 6 = 11.00
R 7 = -103.979 D 7 = 2.02 N 4 = 1.487490 ν 4 = 70.2
R 8 = 29.095 D 8 = 2.50
R 9 = 53.170 D 9 = 3.00 N 5 = 1.846660 ν 5 = 23.9
R10 = 175.970 D10 = 可変
R11 = 50.519 D11 = 3.50 N 6 = 1.603112 ν 6 = 60.6
R12 = -46.869 D12 = 0.20
R13 = -58.331 D13 = 1.06 N 7 = 1.846660 ν 7 = 23.9
R14 = -237.086 D14 = 可変
【0099】
【表2】

【0100】
(マスターレンズ)
fm=8.03〜 22.85 FNom= 2.87 〜 5.06 2ω=22.0゜ 〜 57.9゜
RM 1 = 63.353 DM 1 = 1.60 NM 1 = 1.683430 νM1 = 52.4
RM 2 = 5.800 DM 2 = 2.37
RM 3 = 9.820 DM 3 = 2.00 NM 2 = 1.761821 νM 2 = 26.5
RM 4 = 20.460 DM 4 = 可変
RM 5 = 絞り DM 5 = 0.80
RM 6 = 5.974 DM 6 = 2.80 NM 3 = 1.802380 νM 3 = 40.7
RM 7 = 58.781 DM 7 = 0.70 NM 4 = 1.805181 νM 4 = 25.4
RM 8 = 5.189 DM 8 = 0.87
RM 9 = 18.702 DM 9 = 1.80 NM 5 = 1.603112 νM 5 = 60.6
RM10 = -18.469 DM10 = 可変
RM11 = 17.220 DM11 = 1.90 NM 6 = 1.487490 νM 6 = 70.2
RM12 = -136.717 DM12 = 可変
RM13 = ∞ DM13 = 0.38 NM 7 = 1.544270 νM 7 = 70.6
RM14 = ∞ DM14 = 0.80 NM 8 = 1.494000 νM 8 = 75.0
RM15 = ∞ DM15 = 0.40 NM 9 = 1.544270 νM 9 = 70.6
RM16 = ∞ DM16 = 0.38 NM10 = 1.544270 νM10 = 70.6
RM17 = ∞ DM17 = 0.50
RM18 = ∞ DM18 = 0.50 NM11 = 1.516330 νM11 = 64.1
RM19 = ∞

非球面係数
RM2
k=-2.06688e+00
B=9.18231e-04 C=-6.44332e-06 D=6.14727e-08 E=0.00000e+00
RM6
k=-4.03021e-01
B=1.55298e-05 C=2.08342e-06 D=0.00000e+00 E=0.00000e+00
【0101】
【表3】

【0102】
(数値実施例2)
f=5.62〜 31.99 Fno= 2.87 〜 5.06 2ω=15.8゜〜76.6゜
R 1 = 98.549 D 1 = 4.06 N 1 = 1.922860 ν 1 = 18.9
R 2 = 78.128 D 2 = 1.50
R 3 = 88.135 D 3 = 7.81 N 2 = 1.772499 ν 2 = 49.6
R 4 = 347.567 D 4 = 可変
R 5 = 240.734 D 5 = 2.75 N 3 = 1.487490 ν 3 = 70.2
R 6 = 38.772 D 6 = 7.00
R 7 = 664.277 D 7 = 2.02 N 4 = 1.487490 ν 4 = 70.2
R 8 = 25.419 D 8 = 3.00
R 9 = 39.588 D 9 = 3.00 N 5 = 1.846660 ν 5 = 23.9
R10 = 47.821 D10 = 可変
R11 = 62.353 D11 = 3.50 N 6 = 1.603112 ν 6 = 60.6
R12 = -141.500 D12 = 可変
【0103】
【表4】

【0104】
マスターレンズのデータは数値実施例1と同じ
【0105】
(数値実施例3)
f=5.62〜 31.99 Fno= 2.87 〜 5.06 2ω=15.8゜〜76.6゜
R 1 = 65.862 D 1 = 4.06 N 1 = 1.846660 ν 1 = 23.9
R 2 = 52.913 D 2 = 1.50
R 3 = 58.672 D 3 = 8.50 N 2 = 1.603112 ν 2 = 60.6
R 4 = 236.334 D 4 = 可変
R 5 = 120.390 D 5 = 2.70 N 3 = 1.487490 ν 3 = 70.2
R 6 = 32.943 D 6 = 9.00
R 7 = -263.295 D 7 = 2.02 N 4 = 1.487490 ν 4 = 70.2
R 8 = 20.382 D 8 = 6.00
R 9 = 51.432 D 9 = 3.00 N 5 = 1.846660 ν 5 = 23.9
R10 = 145.442 D10 = 可変
R11 = 104.666 D11 = 3.00 N 6 = 1.603112 ν 6 = 60.6
R12 = -35.609 D12 = 0.20
R13 = -71.485 D13 = 1.06 N 7 = 1.846660 ν 7 = 23.9
R14 = -569.809 D14 = 可変
【0106】
【表5】

【0107】
マスターレンズのデータは数値実施例1と同じ
【0108】
(数値実施例4)
f=5.62〜 31.99 Fno= 2.87 〜 5.06 2ω=15.8゜〜76.6゜
R 1 = 56.735 D 1 = 3.00 N 1 = 1.922860 ν 1 = 18.9
R 2 = 46.744 D 2 = 3.00
R 3 = 53.400 D 3 = 10.00 N 2 = 1.772499 ν 2 = 49.6
R 4 = 139.492 D 4 = 可変
R 5 = 152.465 D 5 = 2.75 N 3 = 1.487490 ν 3 = 70.2
R 6 = 25.283 D 6 = 15.00
R 7 = -171.469 D 7 = 2.02 N 4 = 1.487490 ν 4 = 70.2
R 8 = 30.154 D 8 = 5.00
R 9 = 100.966 D 9 = 3.00 N 5 = 1.846660 ν 5 = 23.9
R10 = -487.740 D10 = 可変
R11 = 43.484 D11 = 3.00 N 6 = 1.603112 ν 6 = 60.6
R12 = -73.865 D12 = 0.20
R13 = 91.588 D13 = 1.80 N 7 = 1.846660 ν 7 = 23.9
R14 = 40.278 D14 = 可変
【0109】
【表6】

【0110】
マスターレンズのデータは数値実施例1と同じ
【0111】
(数値実施例5)
f=5.62〜 31.98 Fno= 2.87 〜 5.06 2ω=15.8゜〜76.6゜
R 1 = 63.520 D 1 = 3.00 N 1 = 1.922860 ν 1 = 18.9
R 2 = 53.807 D 2 = 2.00
R 3 = 60.451 D 3 = 8.00 N 2 = 1.772499 ν 2 = 49.6
R 4 = 123.540 D 4 = 可変
R 5 = 305.221 D 5 = 1.50 N 3 = 1.487490 ν 3 = 70.2
R 6 = 21.462 D 6 = 9.00
R 7 = 539.235 D 7 = 1.50 N 4 = 1.487490 ν 4 = 70.2
R 8 = 27.085 D 8 = 2.50
R 9 = 49.976 D 9 = 2.00 N 5 = 1.846660 ν 5 = 23.9
R10 = 81.728 D10 = 可変
R11 = 31.045 D11 = 4.00 N 6 = 1.603112 ν 6 = 60.6
R12 = -87.032 D12 = 0.20
R13 = 42.959 D13 = 1.50 N 7 = 1.846660 ν 7 = 23.9
R14 = 29.024 D14 = 可変
【0112】
【表7】

【0113】
マスターレンズのデータは数値実施例1と同じ
【0114】
(数値実施例6)
f=5.62〜 31.99 Fno= 2.87 〜 5.06 2ω=15.8゜〜76.6゜
R 1 = 70.914 D 1 = 3.00 N 1 = 1.922860 ν 1 = 18.9
R 2 = 59.442 D 2 = 2.00
R 3 = 65.804 D 3 = 8.00 N 2 = 1.772499 ν 2 = 49.6
R 4 = 148.733 D 4 = 可変
R 5 = 300.542 D 5 = 2.50 N 3 = 1.487490 ν 3 = 70.2
R 6 = 26.577 D 6 = 7.00
R 7 = 170.285 D 7 = 2.02 N 4 = 1.487490 ν 4 = 70.2
R 8 = 27.805 D 8 = 可変
R 9 = 36.848 D 9 = 3.00 N 5 = 1.603112 ν 5 = 60.6
R10 = -137.883 D10 = 0.20
R11 = 11.191 D11 = 2.00 N 6 = 1.846660 ν 6 = 23.9
R12 = 9.686 D12 = 可変
【0115】
【表8】

【0116】
マスターレンズのデータは数値実施例1と同じ
【0117】
(数値実施例7)
f=5.62〜 31.99 Fno= 2.87 〜 5.06 2ω=15.8゜〜76.6゜
R 1 = 57.745 D 1 = 3.00 N 1 = 1.922860 ν 1 = 18.9
R 2 = 47.663 D 2 = 1.80
R 3 = 51.680 D 3 = 7.50 N 2 = 1.772499 ν 2 = 49.6
R 4 = 110.729 D 4 = 可変
R 5 = 252.703 D 5 = 2.00 N 3 = 1.487490 ν 3 = 70.2
R 6 = 25.378 D 6 = 10.00
R 7 = -85.678 D 7 = 2.00 N 4 = 1.487490 ν 4 = 70.2
R 8 = 19.395 D 8 = 5.00
R 9 = 55.566 D 9 = 3.00 N 5 = 1.846660 ν 5 = 23.9
R10 = 318.194 D10 = 可変
R11 = 29.721 D11 = 5.00 N 6 = 1.603112 ν 6 = 60.6
R12 = -51.002 D12 = 0.20
R13 = 312.072 D13 = 2.00 N 7 = 1.846660 ν 7 = 23.9
R14 = 49.750 D14 = 可変
【0118】
【表9】

【0119】
非球面係数
R5
k=-2.00000e+00
B=1.50000e-06 C=1.00000e-09 D=1.00000e-13 E=0.00000e+00
マスターレンズのデータは数値実施例1と同じ
【0120】
【表10】

【0121】
以上説明した本実施例のコンバータレンズによれば、マスターレンズへの着脱を行わずとも、テレコンバータレンズとワイドコンバータの機能を両立させることができる。また、色収差、球面収差、像面湾曲等の諸収差が良好に補正されているので、高画素のデジタルスチルカメラやビデオカメラ等に対応可能な、高性能かつ小型な可変倍率コンバータレンズの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明のコンバータレンズの基本構成図である。
【図2】マスターレンズの構成図である。
【図3】数値実施例1のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態でのレンズ断面図である。
【図4】数値実施例1のzoom1の組み合わせでの収差図である。
【図5】数値実施例1のzoom2の組み合わせでの収差図である。
【図6】数値実施例1のzoom3の組み合わせでの収差図である。
【図7】数値実施例1のzoom4の組み合わせでの収差図である。
【図8】数値実施例1のzoom5の組み合わせでの収差図である。
【図9】数値実施例2のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態でのレンズ断面図である。
【図10】数値実施例2のzoom1の組み合わせでの収差図である。
【図11】数値実施例2のzoom2の組み合わせでの収差図である。
【図12】数値実施例2のzoom3の組み合わせでの収差図である。
【図13】数値実施例2のzoom4の組み合わせでの収差図である。
【図14】数値実施例2のzoom5の組み合わせでの収差図である。
【図15】数値実施例3のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態でのレンズ断面図である。
【図16】数値実施例3のzoom1の組み合わせでの収差図である。
【図17】数値実施例3のzoom2の組み合わせでの収差図である。
【図18】数値実施例3のzoom3の組み合わせでの収差図である。
【図19】数値実施例3のzoom4の組み合わせでの収差図である。
【図20】数値実施例3のzoom5の組み合わせでの収差図である。
【図21】数値実施例4のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態でのレンズ断面図である。
【図22】数値実施例4のzoom1の組み合わせでの収差図である。
【図23】数値実施例4のzoom2の組み合わせでの収差図である。
【図24】数値実施例4のzoom3の組み合わせでの収差図である。
【図25】数値実施例4のzoom4の組み合わせでの収差図である。
【図26】数値実施例4のzoom5の組み合わせでの収差図である。
【図27】数値実施例5のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態でのレンズ断面図である。
【図28】数値実施例5のzoom1の組み合わせでの収差図である。
【図29】数値実施例5のzoom2の組み合わせでの収差図である。
【図30】数値実施例5のzoom3の組み合わせでの収差図である。
【図31】数値実施例5のzoom4の組み合わせでの収差図である。
【図32】数値実施例5のzoom5の組み合わせでの収差図である。
【図33】数値実施例6のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態でのレンズ断面図である。
【図34】数値実施例6のzoom1の組み合わせでの収差図である。
【図35】数値実施例6のzoom2の組み合わせでの収差図である。
【図36】数値実施例6のzoom3の組み合わせでの収差図である。
【図37】数値実施例6のzoom4の組み合わせでの収差図である。
【図38】数値実施例6のzoom5の組み合わせでの収差図である。
【図39】数値実施例7のコンバータレンズをマスターレンズに装着した状態でのレンズ断面図である。
【図40】数値実施例7のzoom1の組み合わせでの収差図である。
【図41】数値実施例7のzoom2の組み合わせでの収差図である。
【図42】数値実施例7のzoom3の組み合わせでの収差図である。
【図43】数値実施例7のzoom4の組み合わせでの収差図である。
【図44】数値実施例7のzoom5の組み合わせでの収差図である。
【符号の説明】
【0123】
C コンバータレンズ
M マスターレンズ
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
IP 結像面
G ガラスブロック
△M メリディオナル像面
△S サジタル像面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスターレンズの前方に装着し、マスターレンズの焦点距離を変換可能なコンバータレンズにおいて、前方より順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群とを有し、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍に際し、前記第1レンズ群は単調に前方へ、前記第2レンズ群は単調に後方へ移動すると共に、最も低いアフォーカル倍率から最も高いアフォーカル倍率への変倍の際の前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の移動量をそれぞれM,Mとするとき、
【数1】

なる条件を満足することを特徴とするコンバータレンズ。
【請求項2】
前記第1レンズ群は少なくとも1つの負レンズを含み、前記第1レンズ群の焦点距離をf、前記第1レンズ群中の負レンズの焦点距離をf1N、最も低いアフォーカル倍率をm、最も高いアフォーカル倍率をmとするとき、
【数2】

なる条件を満足することを特徴とする請求項1のコンバータレンズ。
【請求項3】
前記第3レンズ群は2枚以下のレンズで構成されることを特徴とする請求項1又は2のコンバータレンズ。
【請求項4】
前記第1レンズ群は2枚以下のレンズで構成されることを特徴とする請求項1〜3いずれかのコンバータレンズ。
【請求項5】
前記第2レンズ群の焦点距離をf、最も低いアフォーカル倍率の状態での前記第2レンズ群の後側主点と前記第3レンズ群の前側主点の間隔をe2wとするとき、
【数3】

なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜4いずれかのコンバータレンズ。
【請求項6】
最も高いアフォーカル倍率での前記コンバータレンズの全長をTD、最も低いアフォーカル倍率の状態での前記コンバータレンズの全長をTD、最も低いアフォーカル倍率をm、最も高いアフォーカル倍率をmとするとき、
【数4】

なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜5いずれかのコンバータレンズ。
【請求項7】
前記第1レンズ群の焦点距離をf、第2レンズ群の焦点距離をf、最も低いアフォーカル倍率をm、最も高いアフォーカル倍率をmとするとき、
【数5】

なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜6いずれかのコンバータレンズ。
【請求項8】
前記第1レンズ群の焦点距離をf、最も低いアフォーカル倍率の状態での前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の合成焦点距離をfFwとするとき、
【数6】

なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜7いずれかのコンバータレンズ。
【請求項9】
前記第3レンズ群の焦点距離をf、最も高いアフォーカル倍率の状態での前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の合成焦点距離をfRTとするとき、
【数7】

なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜8いずれかのコンバータレンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2006−106537(P2006−106537A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−295831(P2004−295831)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】