説明

サイトカインを含有する医薬組成物

【解決手段】本発明は、(i)サイトカイン、及び(ii)一般式(Ih)の化合物、又は酸もしくは塩基とそれとの医薬的に許容な塩、医薬的に許容なプロドラッグ、又はそれらの立体異性体を含有する医薬組成物に関する。サイトカインの例は、(a)IL-2サブファミリー、(b)インターフェロン(IFN)サブファミリー、及び(c)IL-10サブファミリー、からなる(i)4つのα−へリックスのサイトカインファミリー、(ii)IL-1ファミリー、(iii)IL-17ファミリー、並びに(iv)ケモカイン、のサイトカインファミリーの群から選ばれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療、より具体的には、B型もしくはC型肝炎のようなウィルス感染症、インフルエンザもしくはHIV感染症、多発性硬化症等の炎症もしくは自己免疫疾患、リウマチ性関節炎、炎症性大腸炎疾患、乾癬、並びに脳卒中又は心筋梗塞及び種々の腫瘍のような再かん流傷害等の疾病の治療の分野に関する。本発明は、特に、サイトカイン及び一般式(Ih)の化合物を含有する組成物の、治療の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、近年、一般式(Ih)の化合物、酸もしくは塩基とそれとの医薬的に許容な塩、医薬的に許容なプロドラッグ、又はその立体異性体が、予期せぬ、有益な効果を示し、及び動物もしくは人間の疾病の治療のために使用できることを示した。
【0003】
一方、サイトカインは、細胞から分泌され、免疫、炎症及び造血を仲介もしくは調節する蛋白質である。それらは、免疫刺激に反応して初めから(de novo)生成されなければならない。サイトカインへの反応は、膜タンパク(サイトカイン受容体を含む)の発現を増加もしくは減少すること、並びにエフェクト分子の分泌及び増殖を含んでいる。インターフェロン、IL-2もしくはTNF−αのような種々のサイトカインは、種々の疾病において、治療薬として用いられている。
【発明の概要】
【0004】
本発明者らは、より驚くべきことに、(i)サイトカインと、 (ii)一般式(Ih)の化合物、酸もしくは塩基とそれとの医薬的に許容な塩、医薬的に許容なプロドラッグ、又はそれらの立体異性体と、を含む医薬用組成物が、予期せぬ、有益な効果を示すことを、今回見出した。一般式(Ih)の化合物をサイトカインとともに投与することは、ウィルス複製及びPBMC増殖アッセイにおいて、予期せぬ相乗的な効果を発揮することが見出された。さらに驚くべきことに、双方の物質の細胞毒性は軽減され、よって、拮抗細胞毒性作用を示したことを、本発明者は示すことができる。双方の結果はともに、双方の物質群、即ち式(Ih)の化合物とサイトカイン、が、仮に共に適用されると、効果の相互強化及び毒性の軽減によって、適用性を拡大する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、化合物273(表参照)及びINF-αのMBVDVウィルスに感染したDBK細胞中での抗BVDV活性を示す。データ計算に関するさらなる詳細は、BVDVアッセイ−データ分析に関する節で概説している。要約すると、2つの化合物の付加的挙動は水平面によって、相乗的挙動は面上部ピークによって、及び拮抗的挙動は面下部のくぼみによって示される。実験的用量反応面周囲の95%の信頼区間を、統計学的にデータを評価するのに用い、ピーク/くぼみを、産生された相乗効果/拮抗効果の量を定量化するのに用いる。
【図2】図2は、BVDVウィルス感染したMDBK細胞における化合物273及びINF-αの抗BVDV細胞毒性を示す。データ計算に関するさらなる詳細は、BVDVアッセイ−データ分析に関する節で概説している。要約すると、2つの化合物の付加的挙動は水平面によって、相乗的挙動は上部ピークによって、及び拮抗的挙動は下部くぼみによって示される。実験的用量反応面周囲の95%の信頼区間を、統計学的にデータを評価するのに用い、ピーク/くぼみを、産生された相乗効果/拮抗効果の量を定量化するのに用いる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
・一般式(Ih)の化合物群
本発明は、一般式(Ih)の化合物、酸もしくは塩基とそれとの医薬的に許容な塩、医薬的に許容なプロドラッグ、又はそれらの立体異性体、を含む医薬用組成物に関する。
【0007】
【化1】

【0008】
式中、
Aは、NR2'、S 又はOであり;
tは、0から4であり;
rは、0、又は1であり;
【0009】
R2aは独立に、H、OH、SH、NH2、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、アリール、又はヘテロアリールであり;
【0010】
R3aは、H、OH、SH、NH2、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒロドキシアルキルアミノ、ハロゲン、アリール、又はヘテロアリールであり;
【0011】
Rdは、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)paryl、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
【0012】
R1は、-C(O)R7a、-C(O)CHR7R8、-C(O)NR7R8、-C(O)OR7、-R7C(O)R8、又は-C(S)R7bであり;
R2は、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、又はヘテロアリールであり;又は
R1及びR2は一緒になって、N-原子又はC-原子とともに、3〜8員の飽和もしくは少なくとも部分的に不飽和の単環又は多環系を形成し、ここで、少なくとも1つ又はそれ以上の環中の炭素原子は、O、N、及びSから選択されるヘテロ原子によって置換され、環は、1以上のR9によって置換可能であり;
【0013】
R4aは、H、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、ハロゲン、ヘテロアリール、又はアリールであり;
【0014】
R3は、H、-C(O)NRaRb、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、SH、NR4'OR5'、NH2、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキロキシであり;
【0015】
Raは、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
【0016】
Rbは独立に、H、-CN、-OH、-SH、-CO2R4'、-C(O)R4'、-SO2NR4'、NR4'R5'、-C(O)NR7R8、-SO2-alkyl、-SO2R4'、SO3R4'、-N=CR4'R5'、-NR4'C(O)R4''、NR4'-CO-ハロアルキル、NO2、-NR4'-SO2-ハロアルキル、-NR4'-SO2-アルキル、-NR4'-CO-アルキル、-NR4'(CH2)pへテロアリール、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、O(CH2)p[O(CH2)p]qOCH3、-C(NR4'')NR4'ベンズイミダゾリル、C(NR4'')NR4'ベンズチアゾリル、-C(NR4'')NR4'ベンズオキサゾリル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ-シクロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールを表し;
【0017】
R4'、R4''、 R5'は独立に、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、ハロアルキル、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
【0018】
R7、R7'、R8は独立に、H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ ヘテロアリール、又はアリールであり;
【0019】
R7aは、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリール;
【0020】
R7bは、H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
【0021】
Xは、NR2'、O、又はSであり;
Zは、N、又はCR2'であり;
R2'は、H、アルキル、-C(O)NR7、-C(O)Rb、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
【0022】
pは、1から6であり;
qは、1から6であり;
【0023】
R9は独立に、H、-CN、-OH、-SH、アルコキシ、アルキルチオ、-CO2R4'、-C(O)R4a、C(O)NR7R8、SO2NR4'、NR4'R5'、SO2-アルキル、-SO2R4'、SO3R4'、-N=CR4'R5'、NR4'C(O)R4''、-NR4'-CO-ハロアルキル、NO2、-NR4'-SO2-ハロアルキル、-NR4'-SO2-アルキル、NR4'CO-アルキル、NR4'(CH2)pへテロアリール、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルアミノ、O(CH2)p[O(CH2)p]qOCH3、-C(NR4'')NR4'ベンズイミダゾリル、C(NR4'')NR4'ベンズチアゾリル、C(NR4'')NR4'ベンズオキサゾリル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロアルキロキシ、ヘテロシクロアルキル、(CH2)pNR7COR8、アリール、又はヘテロアリールを表し;
【0024】
ここで、
C1-C6-アルキル基が、他の記載がない場合には、直鎖又は分岐鎖のC1-C6-アルキルを表し、好ましくは、1から5の炭素原子の直鎖又は分岐鎖であり、それらは1以上の置換基R'で任意に置換可能であり;
C2-C6-アルケニル基は、他の記載がない場合は、直鎖又は分岐鎖のC2-C6-アルケニルを表し、好ましくは、2から6の炭素原子の直鎖又は分岐鎖であり、それらは1以上の置換基R'によって任意に置換可能であり;
アルキル基は、他の記載がない場合は、直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6-アルキル基、好ましくは、1から6の炭素原子の直鎖もしくは分岐鎖、直鎖もしくは分岐鎖のC2-C6アルケニル基、又は直鎖もしくは分岐鎖のC2-C6-アルキニル基を表し、これらは1以上の置換基R'によって任意に置換可能であり;
【0025】
R’は独立に、H、-CO2R"、-CONHR"、-CR"O、-SO2NR"、-NR"-CO-haloalkyl、NO2、NR"-SO2-ハロアルキル、-NR"-SO2-アルキル、-SO2-アルキル、NR"-CO-アルキル、-CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、アリール、又はヘテロアリールであり;
【0026】
R"は独立に、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり;
【0027】
シクロアルキル基は、3から8の炭素原子、好ましくは4から8の炭素原子を含む非芳香性環系を表し、環中の1以上の炭素原子は、上記で定義された基R'によって置換可能であり;C3-C8-シクロアルキル残基は、-シクロ-C3H5、-シクロ-C4H7、-シクロ-C5H9、-シクロ-C6H11、-シクロ-C7H13、-シクロ-C8H15を含む群から選択されてもよく;
【0028】
ヘテロシクロアルキル基は、2から10の炭素原子及び少なくとも一つのO、N、及びSから選択されるヘテロ原子を含む、非芳香性環系を表し、環中の1以上の炭素原子は、上記で定義された基R'によって置換可能であり;好ましいヘテロシクロアルキル基は、モルホリン-4-イル、ピペラジニル、1-アルキルピペラジン-4-イル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼパン-1-イルであり;
【0029】
アルコキシ基は、O-アルキル基を表し、該アルキル基は上記で定義されたアルキル基であり;前記アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基、又はペントキシ基であり;
【0030】
アルキルチオ基は、S-アルキル基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
【0031】
ハロアルキル基は、1〜5のハロゲン原子で置換されたアルキル基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり; 前記は路アルキル基は、好ましくは、-C(R10)3、CR10(R10')2、-CR10(R10')R10''、-C2(R10)5、-CH2C(R10)3、-CH2CR10(R10')2、CH2CR10(R10')R10''、-C3(R10)7、又は-C2H4C(R10)3であって、R10、R10'、R10''は、F、Cl、Br 又はIを表し、好ましくはFであり;
【0032】
ヒドロキシアルキル基は、HO-アルキル基であり、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
【0033】
ハロアルキロキシ基は、1から5のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;前記ハロアルキロキシは、好ましくは、-OC(R10)3、-OCR10(R10')2、 -OCR10(R10')R10''、-OC2(R10)5、-OCH2C(R10)3、OCH2CR10(R10')2、-OCH2CR10(R10')R10''、-OC3(R10)7、又は-OC2H4C(R10)3であって、R10、R10'、R10''は、F、Cl、Br 又はIを表し、好ましくはFであり;
【0034】
ヒドロキシアルキルアミノ基は、(HO-アルキル)2-N-基、又はHO-アルキル-NH- 基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
【0035】
アルキルアミノ基は、HN-アルキル基、又はN-ジアルキル基を表し;該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
【0036】
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であり;
【0037】
アリール基は、5から15の炭素原子を有する芳香性基であり、それらの原子は、1以上のR’で置換可能であり、R’は上記で定義された通りであり;前記アリール基は、好ましくは、ベンジル基、フェニル基、-o-C6H4-R’、-m-C6H4-R’、-p-C6H4-R’、1-ナフチル、2-ナフチル、1アントラセニル又は2-アントラセニルであり、R’は上記で定義された通りであり;
【0038】
アリールアミノ基は、HN-アリール基、又はN-ジアリール基を表し、前記アリール基は、上記で定義されたアリール基であり;
【0039】
ヘテロアリール基は、O、N、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、5- もしくは6-員のヘテロ環系である。前記へテロ環基は、他の芳香環と縮合することができる。例えば、前記基は、チアジアゾール、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、チアゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、オキサゾール-5-イル、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イル、イソオキサゾール-5-イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾオキサゾール-4-イル、ベンゾオキサゾール-5-イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,5-オキサジアゾール-3-イル、1,2,5-オキサジアゾール-4-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2,5-チアジアゾール-3-イル、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、1,2,5-チアジアゾール-4-イル、4-イミダゾリル、ベンゾイミダゾール-4-イル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-フラニル、3-フラニル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラニル、3-ピラニル、4-ピラニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル、1,3,5-トリアゾール-6-イル、2,4-ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6-イル、1H-テトラゾール-2-イル、1H-テトラゾール-3-イル、テトラゾリル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル、1-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、2-インドリニル、3-インドリニル、4-インドリニル、5-インドリニル、6-インドリニル、7-インドリニル、ベンゾ [b]フラニル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール-1-イル、ベンゾトリアゾール-4-イル、ベンゾトリアゾール-5-イル、ベンゾトリアゾール-6-イル、ベンゾトリアゾール-7-イル、ベンゾトリアジン、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、シンノリン、キノリニル、テトラハイドロキノリニル、イソキノリニル、テトラハイドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-2-オン、ピラゾロ [5,1-c][1,2,4]トリアジン、2,3-ジハイドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジハイドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジハイドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジハイドロベンゾ[1,4]-dioxin-6-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-3-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-4-イル、テトラハイドロイソキノリニル、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾ-ピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、4-[1,2,4]トリアゾロ [4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ [2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ [2,3-c]ピリジン-3-イル、及びトリアゾロピリダジンの基から選択することができる。前記へテロ環基は、1以上のR'によって置換されていてもよく、R’は上記で定義した通りである。
【0040】
式(Ih)中、以下の置換基が、単独でもしくは組み合わせで、好ましい。
【0041】
Xは、好ましくはS又はOであり、より好ましくはSである。
【0042】
R3aは、好ましくはHである。
【0043】
好ましい一態様では、ZはCR2'であり、並びにR1及びR2は一緒に、C-原子とともに、6員の飽和環を形成する。他の好ましい態様では、ZはNであり、並びにR1及びR2は一緒に、N-原子とともに、6員の飽和環を形成する。
【0044】
R9は、好ましくは、ヘテロアリール、アリール、又はベンジルであり、より好ましくは、ヘテロアリールである。R9は、より好ましくは、チエノピリミジン、キナゾリン、プリン、ピラゾロピリミジン又はトリアゾールピリミジンであり。さらにより好ましくは、R9は、チエノピリミジンである。
【0045】
tは、好ましくは、0である。
【0046】
rは、好ましくは、1である。
【0047】
R2aは、好ましくは、OH、アルキル、アリール又はヘテロアリールであり、より好ましくは、アルキルであり、特にはメチルである。
【0048】
本発明の一つの好ましい態様は、前記組成物中の前記化合物(Ih)が、式(Iha)の化合物である。
【0049】
【化2】

【0050】
式中、
R1は、COR7aであり;
R2及びR3aは、Hであり;
Aは、NHであり;
R7は、上記の定義の通りであり;
Zは、Nであり;
Xは、NR2'、O又はSであり;
R3は、H、メチル、エチル、メトキシ、アミン、アルキルアミン、モルフォリノ、N-メチルピペラジン、CF3、又はOCF3であり;
tは、0であり;
rは、1であり;並びに
R2aは、任意に置換される、アリール、ベンジル又はヘテロアリールである。
【0051】
本発明の他の好ましい態様では、式(Ih)の化合物中、式(Iha)の化合物であって、R7aが、任意に置換されている、アリール、ベンジル又はヘテロアリールである。
【0052】
本発明の他の好ましい態様では、式(Ih)の化合物中、式(Ihb)の化合物である。
【0053】
【化3】

【0054】
式中、
R3aは、Hであり;
AはNHであり;
Xは、NR2'、O又はSであり;
Y'は、O又はNR2'であり;
R2'は、上記で定義した通りであり;
R3は、H、メチル、エチル、メトキシ、アミン、アルキルアミン、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CF3、又はOCF3であり;
tは、0であり;
rは、1であり;並びに
R2aは、任意に置換されている、アリール、ベンジル、又はヘテロアリールであり;
Zは、上記で定義された通りである。
【0055】
式(Ihb)中、以下の置換基が、単独でもしくは組み合わせて、好ましい。
【0056】
Zは、好ましくはCR2'である。
【0057】
Y'は、好ましくはNR2'である。一つの好ましい形態では、Y'のNR2'中のR2'は、好ましくは置換されたもしくは無置換のヘテロアリールである。他の好ましい形態では、Y'のNR2'中のR2'はアリールである。さらに、他の好ましい形態では、Y'のNR2'中のR2'はベンジルである。より好ましい形態では、Y'のNR2'中のR2'はピリミジン又はトリアジンである。他のより好ましい形態では、Y'のNR2'中のR2'は、置換もしくは無置換のビシクロへテロアリールであり、より好ましくは、チエノピリミジン、キナゾリン、プリン、ピラゾロピリミジン又はトリアゾールピリミジンであり、よりさらに好ましくは、チエノピリミジンである。
【0058】
一つの好ましい形態では、XはSである。他の好ましい形態では、XはOである。さらに、他の好ましい形態では、XはNR2'である。
【0059】
R3は、好ましくはHである。
【0060】
R2aは、好ましくは、アリール又はヘテロアリールであり、より好ましくはフェニルである。
【0061】
本発明の他の好ましい形態では、式(Ih)の化合物中、式(Ihe)の化合物である。
【0062】
【化4】

【0063】
式中、
R3aは、Hであり;Aは、NHであり;Xは、NR2'、O又はSであり;
R11及びR12独立に、H、-CN、-OH、-SH、CO2R4'、-C(O)R4'、-SO2NR4'、NR4'R5'、SO2-alkyl、-SO2R4'、SO3R4'、-N=CR4'R5'、NR4'C(O)R4''、-NR4'-CO-ハロアルキル、NO2、-NR4'-SO2-ハロアルキル、-NR4'-SO2-アルキル、-NR4'-CO-アルキル、-NR4' (CH2)pへテロアリール、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、O(CH2)p[O(CH2)p]qOCH3、-C(NR4'')NR4'ベンズイミダゾリル、C(NR4'')NR4'ベンズチアゾリル、C(NR4'')NR4'ベンゾキサゾリル ヒドロキシアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、アリール、アリールアルキル又はへテロ環を表し;
R4'、R4''、R5'は、上記の定義の通りであり;
R2'は、上記の定義の通りであり;
R3は、H、メチル、エチル、メトキシ、アミン、アルキルアミン、モルホリノ、N-メチルピペリジン、CF3、又はOCF3であり;
tは、0であり;
rは、1であり;並びに
R2aは、任意に置換されたアリール、ベンジル又はヘテロアリールである。
【0064】
式(Ihe)中、以下の置換基が、単度でもしくは組合せで、好ましい。
【0065】
Zは、好ましくはCR2'である。
【0066】
一つの好ましい形態では、Xは、Sである。他の好ましい形態では、X は、Oである。さらに、他の好ましい形態では、Xは、NR2'である。
【0067】
R11は、好ましくは、-H、-CN、-OH、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキロキシであり、より好ましくは、-CNである。
【0068】
R12は、好ましくはHである。
【0069】
R2aは、好ましくは、アリール又はヘテロアリールであり、より好ましくはフェニルである。
【0070】
式(Ih)の化合物について、「立体異性体」の用語は、シス/トランス又はE/Z異性を意味する。より具体的には、本発明の化合物の種々の置換基中に一つもしくは複数の二重結合が存在する可能性は、E又はZ配置になる場合がある。これらの純品のもしくは純品ではない立体異性体は、単独でもしくは混合物として、式(Ih)の化合物の不可欠な部分を形成する。「立体異性体」の用語は、また、分子中に1以上の軸及び/又は対称中心が存在することによって生じる異性体、及び偏光ビームの回転を生じる異性体を、単独でもしくは混合物として、いずれも含む。より具体的には、前記用語は、エナンチオマー及びジアステレオマーを、それだけとして又は混合物として、含む。
【0071】
本発明に用いられる式(Ih)の化合物は、無機もしくは有機の酸又は塩基とともに塩を形成している場合がある。医薬的に許容される塩の例は、酢酸から誘導される酢酸塩、アコニット酸から誘導されるアコニット塩、アスコルビン酸から誘導されるアスコルビン酸塩、安息香酸から誘導される安息香酸塩、桂皮酸から誘導される桂皮酸塩、クエン酸から誘導されるクエン酸塩、embonate derived from embonic acid、ヘプタン酸から誘導されるヘプタン酸塩(enantate)、蟻酸から誘導される蟻酸塩、グルタミン酸から誘導されるグルタミン酸塩、グリコール酸から誘導されるグリコール塩、塩酸から誘導される塩素化合物、臭化水素酸塩から誘導される臭素化合物、乳酸から誘導される乳酸塩、マレイン酸から誘導されるマレイン酸塩、マロン酸から誘導されるマロン酸塩、マンデル酸から誘導されるマンデル酸塩、メタンスルホン酸塩から誘導されるメタンスルホン酸塩、ナフタリン-2-スルホン酸から誘導されるナフタリン-2-スルホン酸塩、硝酸から誘導される硝酸塩、過塩素酸から誘導される過塩素酸塩、リン酸から誘導されるリン酸塩、フタル酸から誘導されるフタル酸塩、サリチル酸から誘導されるサリチル酸塩、ソルビック酸から誘導されるソルビック酸塩、ステアリン酸から誘導されるステアリン酸塩、コハク酸から誘導されるコハク酸塩、硫酸から誘導される硫酸塩、酒石酸から誘導される酒石酸塩、p-トルエンスルホン酸から誘導されるp-トルエンスルホン酸塩、及びその他等の無毒の無機塩又は有機塩が制限なしで含まれる。この様な塩は、当業者に知られた方法によって、及び先行技術に記載の方法によって製造することができる。
【0072】
医薬的に許容される塩とみなされない、例えばシュウ酸から誘導されるシュウ酸塩等の他の塩は、式(Ih)の化合物、その医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるプロドラッグ、又はその立体異性体の製造において、中間体として適している場合がある。
【0073】
本発明は、上記で示した様な、医薬的に許容される塩をカバーし、但しまた、式(Ih)の化合物の好適な分離又は結晶化を可能とする塩であって、例えば、キラルアミンとともに得られる塩等の塩にも及ぶものである。
【0074】
上記式(Ih)の化合物は、これらの化合物のプロドラッグを含むものである。ここで用いられる「プロドラッグ」の用語は、一旦患者に投与されても、それ自体(「プロドラッグ」)は医薬的に活性ではないが、化学的に及び/又は生物学的にそれらの医薬的に活性な形態(式(Ih)の化合物)に、生体内で、即ちその化合物が投与されると、変換される化合物を示すものとする。プロドラッグは、例えば、本発明の化合物の水酸基、アミン基又はスルフヒドリル基が任意の基に結合し、患者に投与されると開裂して、ヒドロキシ基、アミン基又はスルフヒドリル基を形成する化合物が含まれる。よって、プロドラッグの代表的な例には、本発明の化合物のアルコール、スルフヒドリル及びアミン官能基の、アセテート、ホルメート及びベンゾエート誘導体が含まれるが、但し、これらに限定されるものではない。さらに、カルボン酸(-COOH)の場合には、メチルエステル、エチルエステル、2エステル等のエステルが用いられてもよい。エステルは、それ自体が活性であるかもしれないし、及び/又は、人体中の生体内条件下で加水分解可能かもしれない。
【0075】
・本発明に係るサイトカイン
サイトカインは、細胞から分泌され、免疫、炎症及び造血を仲介もしくは調節する蛋白質である。それらは、免疫刺激に反応して初めから(de novo)生成されなければならない。サイトカインへの反応は、膜タンパク(サイトカイン受容体を含む)の発現を増加もしくは減少すること、並びにエフェクト分子の分泌及び増殖を含んでいる。
【0076】
本発明の組成物は、(a)自己分泌サイトカイン、(b) 傍分泌サイトカイン、(c)内分泌サイトカインの群から選択されるサイトカインを含む。自己分泌サイトカインはそれを分泌する細胞に作用する。傍分泌サイトカインの作用は、サイトカインの分泌の近傍に制限され、及び内分泌サイトカインは、体の離れた部分に拡散します。前記組成物はまた、1以上のサイトカインを含んでいてもよい。
【0077】
本発明の組成物は、(i)4つのα−へリックスのサイトカインファミリーであって、(a)IL-2サブファミリー、(b)インターフェロン(IFN)サブファミリー、及び(c)IL-10サブファミリー(エリスロポエチン(EPO)及びトロンボポエチン(THPO)等のいくつかの非免疫学的サイトカインを含む)からなるサイトカインファミリー、(ii)IL-1ファミリー(例えば、IL-1及びIL-18)、(iii)IL-17ファミリー、並びに(iv)ケモカインのサイトカインファミリーの群から選択されるサイトカインを含んでいるのが好ましい。
【0078】
IL-1ファミリーは好ましい。インターロイキン-2は、サイトカインのファミリーに属し、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15及びIL-21を含む。IL-2は、IL-2に特異的なIL-2受容体α(CD25)、IL-2受容体β(CD122)、及び、このサイトカインファミリーの全構成員によって共有される、共通γ鎖(γc)からなる受容体複合体を介して、シグナルを送る。IL-2の結合は、Ras/MAPK、JAK/Stat及びPI 3-kinase/Aktシグナル伝達モジュールを活性化する。
【0079】
インターフェロンファミリーは、さらに好ましい。当該ファミリーは、タイプIインターフェロン、タイプIIインターフェロン、及びタイプIIIインターフェロンを含む。タイプIインターフェロンは、IFN-α(アルファ)、IFN-β(ベータ)、IFN-κ(カッパ)、IFN-δ(デルタ)、IFN-ε(イプシロン)、IFN-τ(タウ)、IFN-ω(オメガ)及びIFN-ζ(ゼータ、リミチンとしても知られている)。タイプIIは唯一の構成員IFN-γ(ガンマ)を含む。タイプIIIインターフェロンは、IFN-λ1、IFN-λ2及びIFN-λ3と呼ばれる(それぞれ、IL29、IL28A及びIL28Bとも呼ばれる)、IFN-λ(ラムダ)分子を含む。タイプI及びIIが好ましい。より好ましくは、IFN-α(アルファ)、IFN-β(ベータ)及びIFN-γ(ガンマ)である。
【0080】
腫瘍壊死因子(TNF)は、さらに好ましい。ここで、これは、TNF-α(アルファ)及びTNF-β(ベータ)を含む。
【0081】
・IFN-α
特に好ましい態様では、IFN-αが、前記組成物中のサイトカインである。13ヒトIFN-α遺伝子は、12の異なる蛋白質をコードする。IFN-α蛋白質は、76-99%の配列相同性を共有し、それらの生物学的活性の相違はわずかであり、そのため、市販のTFN-αは、TFN-α1である。皮下に投与されたIFN-αは、推定されるB-細胞、T-細胞及び骨髄細胞系列の腫瘍を含む血液系の悪性腫瘍において、予期せぬ広範囲の薬効を示した。ヘアリー細胞白血病及び慢性骨髄性白血病のようないくつかの疾病において、IFN-αは、広く効果的であった。しかしながら、現在、IFN-αは、ヘアリー細胞白血病の治療においてあまり効果がなく、限られた役割を担っていて、ヌクレオシド治療がうまくいかなかった選択された患者のためのものである。
【0082】
商業的に、最も重要なINF-αの用途は、C型肝炎(HCV)の治療のための使用である。HCV感染は、世界中に普及している。WHOは、世界の人口の約3%がHCVキャリアーであると見積もっている。個々の患者内のウィルス準種間で、HCVの遺伝子異質性があり、さらにかなりの抗原性変異がプラスされていることが、恐らくワクチンの開発の困難性を説明している。
【0083】
慢性C型肝炎患者のIFN-α治療は、患者の15-20%において、持続的抗ウィルス性反応を達成したに過ぎない。リバビリンとの組合わせ治療では、38-43%の持続的反応が得られた。HCV治療における付加的改善は、薬物動態プロファイルを改善するために、ペグIFN-αの開発とともに達成された。ペグIFN-αの反応割合は、IFN-α リバビリン併用治療の範囲である。
【0084】
現在の治療は、ペグIFN-αとリバビリンである。ブランド名は、コペガス(Copegus)(ホフマン・ラ・ロッシュ)及びレベトール(Rebetol)(シェーリング-プラウ)である。この治療では、50-60%の平均反応が得られた。HCV遺伝子1型は、42-45%のみの応答割合である。
【0085】
標準治療に対する非反応者の高い割合のため、HCV治療の改良はなお著しく必要である
【0086】
一つの好ましい態様では、本発明は、サイトカインがIFN-αであり、前記化合物が一般式(Ih)の化合物である本発明の組成物を、HCV治療、初期及び後期の慢性C型肝炎、並びに慢性B型肝炎、慢性D型肝炎、bunyamweraウィルス、ポジティブ-センスssRNAウィルス、ピコルナウィルス、フラビウイルス、コロナウィルス、インフルエンザウィルス、鳥インフルエンザウィルス、ヒト固体(human solid)及び血液系の悪性腫瘍、ヘアリー細胞白血病、腎癌、基底細胞癌、悪性骨髄腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、慢性及び悪性白血病、非―ホジキンズリンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、、クリプトコックス髄膜炎、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、ブドウ膜炎、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、尖圭コンジローマ、多発性硬化症、慢性肉芽腫症、骨粗しょう症、感染症、マイコバクテリア感染症、ハンセン病、トリ型結核菌感染症、結核症、リーシュマニア症、HIV感染症におけるヒトの日和見感染症、脳卒中、心筋虚血等のウィルス感染症の群から選択される疾病の治療のための薬剤の製造のために、使用することに関する。
【0087】
以下の表示は好ましい:慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、慢性D型肝炎、インフルエンザ感染症、HIV感染症、脳卒中、心筋虚血症、多発性硬化症、骨粗しょう症。
【0088】
以下の表示は、特に好ましい:慢性C型肝炎。
【0089】
・IFN-β
IFN-βは、前記組成物において好ましい。IFN-γの使用は、多発性硬化症(MS)を大幅に制限する。MSは、全世界で約250万人に作用している。MSは、男性より女性で2倍普及している。IFN-βは、多発性硬化症(MS)の再発頻度を減少し、実験的自己免疫性神経炎を改善する抗炎症性で且つ免疫調節性のインターフェロンである。
【0090】
その結果として、ヒト組み換えインターフェロンβは、FDAが、寛解したMSが再発した患者に対して治療を承認したものであり、その安全性プロフィールはよく特徴付けられている。
【0091】
一つの好ましい態様では、本発明は、サイトカインがIFN-βであり、前記化合物が一般式(Ih)の化合物である本発明の組成物を、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、慢性D型肝炎、bunyamweraウィルス、ポジティブ-センスssRNAウィルス、ピコルナウィルス、フラビウイルス、コロナウィルス、インフルエンザウィルス、鳥インフルエンザウィルス、ヒト固体(human solid)及び血液系の悪性腫瘍、ヘアリー細胞白血病、腎癌、基底細胞癌、悪性骨髄腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、慢性及び悪性白血病、非―ホジキンズリンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、、クリプトコックス髄膜炎、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、ブドウ膜炎、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、尖圭コンジローマ、多発性硬化症、慢性肉芽腫症、骨粗しょう症、感染症、マイコバクテリア感染症、ハンセン病、トリ型結核菌感染症、結核症、リーシュマニア症、HIV感染症におけるヒトの日和見感染症、脳卒中、心筋虚血等のウィルス感染症の群から選択される疾病の治療のための薬剤の製造のために、使用することに関する。
【0092】
以下の表示は好ましい:慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、慢性D型肝炎、インフルエンザ感染症、HIV感染症、脳卒中、心筋虚血症、多発性硬化症、骨粗しょう症。
【0093】
以下の表示は特に好ましい:多発性硬化症
【0094】
・IFN-γ
ヒトIFN-γは、前記組成物において好ましいサイトカインである。これは、糖化蛋白質であり、IFN-α及びIFN-βとはわずかな配列相同性を有する。IFN-γは、特異的増殖刺激に反応して、活性化したT細胞及びナチュラルキラー細胞によって産生される。IFN-γは、タイプIインターフェロンと多くの活性を共有する一方で、その本来の役割は免疫系の調整であるという結果を引き起こす、他の多くの活性を有する。IFN-γの臨床応用は、珍しい疾病に限られている。IFN-γは、慢性肉芽腫症(CGD)に対してFDAの承認がある。CDGは、患者、主には子供に起こる稀な先天異常であり、重症の反復性細菌性及び新規性感染症が脆弱であるために起こる。
【0095】
第2のFDAが承認した臨床応用は、congenial骨粗鬆症、生命にかかわる小児疾患に対するものである。IFN-γ治療中の最も一般的な有害事象は、発熱、頭痛、吐き気及び嘔吐である。
【0096】
一つの好ましい態様では、本発明は、サイトカインがIFN-γであり、前記化合物が一般式(Ih)の化合物である本発明の組成物を、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、慢性D型肝炎、bunyamweraウィルス、ポジティブ-センスssRNAウィルス、ピコルナウィルス、フラビウイルス、コロナウィルス、インフルエンザウィルス、鳥インフルエンザウィルス、ヒト固体(human solid)及び血液系の悪性腫瘍、ヘアリー細胞白血病、腎癌、基底細胞癌、悪性骨髄腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、慢性及び悪性白血病、非―ホジキンズリンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、、クリプトコックス髄膜炎、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、ブドウ膜炎、喉頭乳頭腫症、菌状息肉腫、尖圭コンジローマ、多発性硬化症、慢性肉芽腫症、骨粗しょう症、感染症、マイコバクテリア感染症、ハンセン病、トリ型結核菌感染症、結核症、リーシュマニア症、HIV感染症におけるヒトの日和見感染症、脳卒中、心筋虚血等のウィルス感染症の群から選択される疾病の治療のための薬剤の製造のために、使用することに関する。
【0097】
以下の表示は好ましい:慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、慢性D型肝炎、インフルエンザ感染症、HIV感染症、脳卒中、心筋虚血症、多発性硬化症、骨粗しょう症、CDG。
【0098】
以下の表示は特に好ましい:CDG、congenial osteoporosis(骨粗しょう症)。
【0099】
・TNF
腫瘍壊死因子α(TNF)は、前記組成物において好ましいサイトカインであり、それは、30年前に単離され、炎症と免疫と同様にアポトーシスと細胞生存にも重要な役割を果たす多機能サイトカインである。その抗腫瘍性に対して名付けれているが、TNFは、広範囲な他の疾病に関わっている。癌においては、現在、TNFは、手足の切断の回避のために、部分的進行性の軟組織肉腫及び転移性黒色腫、並びに他の切除不可の任意の組織の腫瘍の局部療法に使用されている。患肢分離潅流において、TNFが、細胞増殖抑制剤とともに相乗的に作用することが示されている。IFN-γとともにもしくはINF-γなしで、高量のTNF-αがさらに化学療法を加えて、患肢分離潅流を通じて、安全に局部的に投与可能である。この処置は、黒色腫転移の場合においては、70%と80%の間の完全寛解を生じ、及び根絶不可の軟組織肉腫の場合においては、25%と36%との間の完全寛解を生じた。二重の標的にすることが含まれ;TNF-α及びIFN-gは、血管細胞のアポトーシスを引き起こし、一方メルファランは腫瘍細胞のアポトーシスを引き起こす(Curr Opin Immunol1998 Oct;10(5):573-80)。
【0100】
一つの好ましい態様では、本発明は、サイトカインがTNFであり、前記化合物が一般式(Ih)の化合物である本発明の組成物を、固形癌及び造血系癌の群から選択される疾病の治療のための薬剤の製造のために、使用することに関する。
【0101】
以下の表示は好ましい:固形癌。
【0102】
以下の表示は特に好ましい:軟組織肉腫及び転移性黒色腫
【0103】
・IL-2
IL-2は、前記組成物において好ましいサイトカインである。ヒト免疫不全ウィルスタイプ1(HIV-1)遺伝子発現および転写は、ウィルスのライフサイクルにおいて絶対不可欠な工程であり、HIV-1複製の抑制のためには、有力なターゲットである。HIV-1に感染すると、進行性のCD4 T-細胞の死を招き、結果として、AIDSが発症する。このCD4 T-細胞の死が引き起こされるメカニズムは、未だ完全には理解されていないが、HIV-1が引き起こしたCD4 T-細胞の死が、現在では、免疫欠損の中心として認識されている。IL-2と組合わされた抗レトロウィルス療法(ART)は、ART単独よりも、CD4細胞を実質的により激増させ、ウィルス量をより激減させた(Davey RT et al.、JAMA. 2000 Oct 25;284(16):2055-6)。
【0104】
一つの好ましい形態では、本発明は、サイトカインがIL-2であり、前記化合物が一般式(Ih)の化合物である本発明の組成物を、ウィルス感染症、特にHIV感染症、の群から選択される疾病の治療のための薬剤の製造のために、使用することに関する。
【0105】
本発明の一つの態様では、本発明に係る活性物質、即ち、一般式(Ih)の化合物及びサイトカインは、一つの組成物中に存在せず、別々に但し同時に投与される。ここで、本発明において同時にとは、(i)複数の物質が別々に且つ全く同時に投与されること、又は(ii)一つ又は他の物質がまず最初に投与され、及び2番目の物質がその後すぐに投与されることを意味するが、ここで示した付加的及び/又は相乗的効果が維持されるタイミングである。前記の記述の一つの好ましい態様では、例えば、サイトカインが注射投与され、一方、一般式(Ih)の化合物が、別の及び同一の方法で、別々に、但し同時に(ここで、同時には、上記で概説された意味である)投与される。
【0106】
本発明では、「治療」は、疾病を完全にもしくは部分的に癒すこと、又は疾病を緩和すること、又は与えられた疾病の進行を止めることを意味することを目的とする。
【0107】
よって、一つの態様では、本発明は、本発明の組成物、即ち、サイトカインと、式(Ih)の化合物、その医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるプロドラッグ、又はその立体異性体とを含み、所望により適切な補助剤及び添加剤を含む組成物を、薬剤の製造のために使用することに関する。
【0108】
式(Ih)の化合物は、医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるプロドラッグ、又はその立体異性体として、組成物中に存在していてもよく、所望により、適切な補助剤及び添加剤とともに、組成物中に存在していてもよい。
【0109】
さらに、本発明は、サイトカイン、式(Ih)の化合物、その医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるプロドラッグ、又はその立体異性体、及び上記概説したサイトカインを含む、本発明の組成物を、有効量投与することを含む、疾病の治療方法又は予防方法に関する。
【0110】
サイトカインと、遊離型の、又は医薬的に許容される塩型及び医薬的に許容されるプロドラッグ型の式(Ih)の化合物とを含む組成物は、医薬的に許容される、その希釈剤またはキャリアを含んでいてもよい。
【0111】
サイトカイン及び一般式(Ih)の化合物、それらの医薬的に許容される塩、を含有する本発明の組成物は、動物、好ましくは哺乳類、及び特には人、犬及びニワトリに、治療そのものとして、他との混合物として、又は医薬品、即ち、経腸もしくは非経口使用を可能とし、慣習的な医薬的に無害の賦形剤及び添加剤に加えて、活性成分として式(Ih)の化合物もしくはその塩の少なくとも一種の有効量含む、医薬品の形態で、投与することができる。サイトカイン及び式(Ih)の化合物を含む前記組成物は、生理的に許容される酸及び塩基と、それぞれの化合物とを反応させることによって得られるそれらの塩の態様でも、投与することができる。
【0112】
本発明の組成物を含む薬剤の製造及びその応用は、周知の調剤方法に従って実施することができる。
【0113】
サイトカインと式(Ih)の化合物とを含む本発明の組成物は、治療への使用の際に、粗化合物の形態で投与されてもよく、活性成分を導入することが好ましく、任意に、
一つ又は複数の、補助剤、賦形剤、キャリア、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の慣習的な医薬の助剤を含む医薬組成物中に、生理学的に許容される塩の形態で、投与されるのが好ましい。その様な化合物の塩は、無水物であっても溶媒和していてもよい。
【0114】
一つ又は複数のキャリアは、組成物の他の成分と相溶性があり、且つその受容者に有害でないという意味で、許容されなくてはならない。
【0115】
本発明の薬剤は、経口性、直腸性、気管支性、経鼻性、局所吸収性、口腔性、舌下性、経皮性、膣内性、又は非経口性(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼球内注入又は点滴を含む)の投与に適する態様であってもよく、又、粉末及び液体エアロゾルを含む吸入もしくは吹送による、又は持続放出製剤による投与に適する態様でもよい。持続放出製剤の適する例は、本発明の化合物を含む疎水性固体ポリマーの半浸透性のマトリックスを含み、当該マトリックスは、例えば、フィルム又はマイクロカプセル等の成形品の形態であってもよい。
【0116】
本発明の組成物は、従来の、補助剤、キャリア、又は希釈剤とともに、薬剤の形態で、その投薬量単位に投与されてもよい。その様な形態には、固体、具体的には、錠剤、充填カプセル、粉末状及び丸薬状等、並びに液体、具体的には、水性もしくな非水性溶液、懸濁液、乳化液、特に及びタブレット、エリキシル剤、及びそれを充填したカプセルであって、全て、経口用、直腸投与のための坐薬、及び非経口用のために殺菌された注入可能な溶液として使用されるものが、含まれる。この様な薬剤及びその投薬量単位の形態は、従来の成分を、従来の割合で、付加的な活性化合物及び主要物とともに、又はそれらなしで、含んでいてもよく、並びにそのような投薬量単位の形態は、用いられるべき、目的とする毎日の投与量の範囲に見合った、活性成分の任意の有効量を含んでいてもよい。
【0117】
本発明に使用可能な組成物は、広範囲な種々の、経口及び非経口用量の形態で、投与される。
【0118】
本発明の組成物から薬剤を調製するためには、サイトカイン及び式(Ih)の化合物又はその医薬的に許容されるキャリアを含む組成物が、固体であっても液体であってもよい。固体の形態の製剤は、粉末、錠剤、丸薬、カプセル、坐薬、及び分散性の顆粒を含む。固体キャリアは、希釈剤、香味用剤、可溶化剤、滑剤、懸濁化剤、バインダ、防腐剤、保存剤、崩壊錠剤、又は封入材料として作用してもよい1又は複数の物質を含むことができる。
【0119】
粉末では、キャリアは、微細に分割された活性化合物との混合物中の、微細に分割された固体である。錠剤では、活性成分は、必要な、好適な割合での結合能力を有するキャリアと混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。好適なキャリアは、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、でんぷん、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター等である。「製剤」の用語は、キャリアとしてカプセル(その中で活性化合物はキャリアとともに又はキャリアなしで、キャリアによって取り囲まれている、よってそれに関連している)を提供する封入材料を伴う、活性化合物の剤型を含む。同様に、カプセル(cachets)及び薬用キャンディーも含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カプセル(cachets)、及び薬用キャンディーは、経口投与に適する固体形態として用いることができる。
【0120】
坐薬の調製のために、脂肪酸グリセライド又はココアバター等の低融点ワックスが、まず溶融され、及び前記活性成分が、攪拌によって、その中に均一に分散される。前記溶融均一混合物は、その後、使いやすい大きさの型に流し込まれ、冷却され、それによって固化する。膣投与に適する組成物は、当該技術分野で適することが知られているキャリア等の活性成分を含む、ペッサリ、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト又はスプレイとして提供されてもよい。液体製剤は、溶液、懸濁液、及び乳化液、例えば、水又は水−プロピレングリコール溶液等の、溶液、懸濁液、及び乳化液を含む。例えば、注射剤の液体製剤は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として調製することができる。
【0121】
サイトカイン及び本発明に係る式(Ih)の化合物を含む前記組成物は、非経口投与(例えば、静脈内ボーラス又は持続注入といった注射による投与)として調製されてもよいし、アンプル、前もって充填された注射器、少量の点滴といった投薬量単位の形態で、又は添加された防腐剤とともに複数の投薬量の形態で提供されてもよい。前記組成物は、油性又は水性のベヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳化液等の形態をとっていてもよく、及び懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤といった製剤助剤を含んでいてもよい。又は、前記活性成分は、無菌固体の無菌的分離によって又は、使用前に、例えば、無菌の、ピロゲンフリーの水等の適切なベヒクルが形成されている溶液を凍結乾燥することによって、粉末の形態としてもよい。
【0122】
経口使用に適する水性溶液は、前記活性成分を水中に溶解し、所望により、適切な着色剤、フレーバー、安定化剤、及び増粘剤を添加することによって、調製することができる。経口使用に適切な水性懸濁液は、天然もしくは合成増粘剤、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の公知の懸濁化剤等の粘性材料とともに、水中に、微細に分割された前記活性成分を分散することによって調製することができる。
【0123】
また、使用直前に、経口投与用に液体製剤に変換される、固体製剤も含まれる。その様な液体の形態は、溶液、懸濁液、及び乳化液を含む。これらの製剤は、前記活性成分に加えて、着色剤、フレーバー、安定化剤、緩衝剤、人口及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含んでいてもよい。
【0124】
本発明の一つの形態では、前記薬剤は、局所的に、全身的に、又は前記2つのルートの組み合わせによって、与えられる。
【0125】
好ましくは、前記薬剤は、軟膏、ゲル、こう薬、乳化液、ローション、泡、混合相もしくは両親媒性乳化性(オイル/水−水/オイル 混合相)のクリーム、リポソーム、トランスフェルソーム(transfersome)、ペースト又は粉末の形態で調製される。
【0126】
軟膏及びクリームは、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤が添加された水性もしくは油性基材を用いて調製されてもよい。ローションは、水性もしくは油性基材を用いて調製されてもよく、一般的には、一つのもしくは複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤又は着色剤も含むであろう。
【0127】
口中に局所的に投与するのに適する組成物は、前記活性剤を風味付けされた、一般的には、スクロース及びアカシア又はトラガカントといった基材中に含む薬用キャンディー;前記活性剤を、ゼラチン、グリセリン又はスクロース、及びアカシア又はトラガカントのような不活性基材中に含むトローチ;及び前記活性成分を適切な液体キャリア中に含むマウスウォッシュ;を含む。
【0128】
溶液もしくは懸濁液は、例えば、点滴器、ピペットもしくはスプレイといった、従来の手段によって、直接、鼻腔中に与えられる。前記組成物は、1回分量又は複数回分量の形態で提供されてもよい。後者の点滴器もしくはピペットの場合は、患者が、溶液もしくは懸濁液の適量であって、あらかじめ決められた量を投与することで達成されてもよい。スプレイの場合は、例えば、計量散布ポンプの手段によって、達成されてもよい。
【0129】
又、気道への投与は、前記活性成分が、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタン等のクロロフルオロカーボン(CFC)、二酸化炭素、又はその他の好適なガス等の好適な推進剤とともに、圧縮された状態にある、アエロゾル剤形の手段によって、達成されてもよい。前記アエロゾルは、レシチン等の界面活性剤を都合よく含んでいてもよい。薬剤の量は、測定バルブの条件によって調整されてもよい。
【0130】
又は、前記活性成分は、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)等のデンプン誘導体のような好適な粉末基材中に、前記化合物を混合した混合粉末といった、乾燥粉末の形態で提供されてもよい。都合よくは、前記粉末キャリアは、鼻腔中では、ゲルを形成するであろう。前記粉末組成物は、例えば、前記組成物が、ゼラチン等のカプセルもしくは薬包中に、又は吸入器の手段で投与されるブリスターパック中に、投与量単位の態様で、提供されてもよい。
【0131】
気道中に投与されるための組成物は、経鼻投与の組成物を含んでいるが、当該組成物中では、前記化合物は、一般的には、例えば、5ミクロン以下のオーダーの小さな粒子サイズであろう。そのような粒子サイズを、例えば、当該技術分野で公知の手段、例えば、微粉化処理によって、得てもよい。
【0132】
所望により、前記活性成分の持続性放出に適合する組成物を用いてもよい。
【0133】
医薬剤形は、好ましくは、投薬量単位の形態である。そのような形態では、前記剤形では、前記活性成分の適量を含む投薬量単位に細かく分割される。前記投薬量単位の形態は、包装剤形、パッケージされた錠剤、カプセルのような分離された剤形量を含むパッケージ、及び小瓶もしくはアンプルに入った粉末の場合がある。又、前記投与量単位は、カプセル(capsule)、錠剤、カプセル(cachet)、もしくは薬用キャンディーそのものである場合があり、又はこれらのいくつかの適切な個数がパッケージされた形態の場合がある。経口投与用の錠剤もしくはカプセル、静脈注射用及び持続点滴用の液体は、好ましい組成物である。
【0134】
一つの好ましい形態では、前記組成物は、ヒトへの静脈内投与に適用される医薬用組成物として、慣習的手順に従って調製される。典型的には、静脈内投与用の組成物は、無菌等張水性緩衝液の溶液である。必要であれば、前記組成物は、可溶化剤、及び注射部位における痛みを和らげるためにリドカリンといった局所麻酔薬を含んでいてもよい。一般的には、成分は、活性剤量を示すアンプル又は小袋のような密封容器中の、例えば、凍結乾燥粉末又は水−フリー濃縮物等の、投薬量単位の形態で、別々に又は混合されて供給される。前記組成物が、点滴によって投与される場合は、無菌の医薬等級の水又は食塩水を含む点滴ボトルを用いて調剤することができる。前記組成物が、注射によって投与される場合は、前記成分が投与前に混合されてもよいように、無菌食塩水のアンプルを提供することができる。
【0135】
本発明は、本発明の医薬組成物の一つ又は複数の成分で充填された、一つ又は複数の容器を含む医薬用パック又はキットを提供する。任意に、そのような一つ又は複数の容器とともに、医薬又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する行政機関によって規定された掲示がなされる場合があり、当該掲示は、ヒトへの投与に対して、製造、使用又は販売が、前記機関によって認可されたことを示す。よって、本発明は、サイトカイン、及び分離して前記一般式(Ih)の化合物をそこに含む、パック又はキットにも関する。
【0136】
他の態様では、例えば、前記組成物中のサイトカインは、制御された放出系において投与される場合がある。例えば、前記ポリペプチドは、静脈内点滴、インプラント可能な浸透圧ポンプ、経皮貼布、リポソーム、又は他の投与態様等を用いて投与される。一つの態様では、ポンプが用いられるであろう(Sefton (1987) CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14: 201; Buchwald et al. (1980) Surgery 88:507; Saudek et al. (1989) N. Eng. J. Med. 321: 574を参照)。他の態様では、前記化合物(Ih)を、ベシクル状態で、特にリポソームとして、投与することができる (Langer (1990) Science 249:1527-1533; Treat et al. (1989) in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer、Lopez-Berestein and Fidler (eds.)、Liss、N.Y.、353-365; WO 91/04014; U.S. 4,704,355を参照).他の態様では、重合体材料が用いられる場合がある(Medical Applications of Controlled Release (1974) Langer and Wise (eds.)、CRC Press: Boca Raton、Fla.; Controlled Drug Bioavailability、Drug Product Design and Performance、(1984) Smolen and Ball (eds.)、Wiley: N.Y.; Ranger and Peppas (1953) J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23: 61; see also Levy et al. (1985) Science 228:190; During et al. (1989) Ann. Neurol. 25: 351; Howard et al. (1989) J. Neurosurg. 71: 105を参照)。
【0137】
さらに他の態様では、制御された放出系は、治療標的、即ち、標的細胞、組織又は臓器の近くに置かれ、よって、全身投与量のうち極わずかが必要とされる(例えば、Goodson (1984) 115-138 in Medical Applications of Controlled Release、vol. 2参照)、他の制御された放出系は、ランガー(Langer)による総説(1990、Science 249: 1527-1533)中で議論されている。
【0138】
特定の態様では、本発明の医薬組成物を、治療が必要な領域に局物的に投与することが好ましく;これは、例えば、外科手術中の局所注入、例えば、手術後の創傷包帯と併用される局所適用、注射、カテーテルの手段、坐薬の手段、又はインプラントの手段(ここでインプラントは、シラスティック膜のような膜、又は繊維を含む、多孔性、非多孔性、又はゲル状の材料である)によって達成されてもよく、但し、これらに限定されるものではない。
【0139】
剤形及び投与の技術のより詳細については、レミングトンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)(Maack Publishing Co. Easton、Pa.)の最新版中に記載があるであろう。
【0140】
医薬用組成物は、前記式(Ih)の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の2種以上、及びさらに他の治療的に活性な物質を含むことができる。医薬用組成物はまた、2種以上のサイトカイン、及びさらに他の治療的に活性な物質を含むことができる。
【0141】
ヒトに投与される化合物(Ih)の好適な量は、5から500mgの範囲であろう。
【0142】
前記医薬用剤形を調製するために、医薬的に不活性な無機又は有機の賦形剤を用いることができる。丸薬、錠剤、被覆錠剤及び硬ゼラチンカプセルを調製するために、例えば、乳糖、コーンスターチもしくはその誘導体、タルク、ステアリン酸もしくはその塩等を、用いることができる。軟ゼラチンカプセル及び坐薬用の賦形剤は、例えば、油脂、ワックス、半固体及び液体ポリオール、天然もしくは固化油等である。溶液及びシロップ製品において適切な賦形剤は、例えば、水、スクロース、転化糖、グルコース、ポリオール等である。注射溶液の製品において適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、グリセロール、ポリオール、又は植物油である。
【0143】
組成物中の式(Ih)の量は、広い範囲内で変えることができ、及び個々の場合それぞれにおいて、個々の状態に適合するようにする。前記使用では、投与量は、投与の態様、治療される具体的な状態、及び要求される効果に依存して、変化するであろう。しかし、一般的には、満足できる結果は、約1から100mg/kg動物の重さ、好ましくは、1から50mg/kg動物の重さ、の量割合で達成される。一般的に、より大きな動物、例えばヒト、に対する好適な量割合は、都合よく1回の投与で、1日に2から4回の分割量で、又は持続的放出の形態で、約10mgから3g/日のオーダーである。
【0144】
前記組成物中の化合物(Ih)に関して、ヒト1人当たり、一日当たりの量が、約10mgから500mg、好ましくは50から500mgが、経口投与では適切である。他の投与の形態でも、一日当たりの量は、類似範囲である。局所投与においては、皮膚浸透性、疾病の種類及び重症度に依存して、並びに剤形の種類及び頻度に依存して、局所投与によって治療効果が生じる、薬剤中の活性化合物の濃度が、異なる場合がある。好ましくは、本発明の薬剤中の、活性化合物、医薬的に許容されるその塩、生理学的に機能するその誘導体又はその立体異性体の濃度は、1 μmol/l及び100 mmol/lの間である。
【0145】
以下の例及び図面は、本発明の好ましい形態を示すために含まれている。実施例で開示されている技術が、本発明の実施においてよく機能するために、本発明者によって発見された本技術に従っていること、及びそれらがその実施には好ましい態様であると認識され得ることを、当業者は理解するはずである。しかしながら、当業者は、本開示を考慮して、添付のクレームに記載された発明の範囲及び趣旨から逸脱することなしに、開示された所定の態様に適宜変更を加えることができることを理解するはずである。引用された全ての参照は、参照としてここに取り込まれる。
【実施例】
【0146】
略語:min、分; h、時間; r.t.、室温; t-、tert-。
【0147】
NMR spectra:Bruker Avance 300 MHz。スペクトルは、内部標準として残留溶媒のピーク(DMSO-d6、(H = 2.49; CD3OD、(H = 3.31; CDCl3、(H = 7.26; CD3CN、(H = 1.93; (CD3)2CO、(H = 2.05)を用いて、300 MHzでそれぞれ記録された(1H-NMR)。
分析LC/ESI-MS: 2×Waters 600 マルチソルベントデリバリーシステム。50 μl サンプルループ。カラム、Chromolith Speed ROD RP18e (Merck、Darmstadt)、50 x 4.6 mm、2 μm 付属前置フィルター (Merck)。溶出液A、H2O + 0.1% HCO2H; 溶出液B、MeCN。勾配、5分以内で、5 % Bから100 % B;流速、3 ml/min。Waters LCZ single quadrupol 質量分析計 付属電気スプレイ光源。MS 方法、MS8minPM-80-800-20V; 正/負イオンモードスキャニング、1秒間でm/z 80 - 800;キャピラリー、3.5 kV;コーン電圧、20 V;増倍電圧、400 V;プローブ及び脱溶媒和ガス温度、それぞれ120℃及び350℃。Waters 2487 デュアルλ 吸光度検出器、254 nmに設定。
【0148】
準備HPLC-MS: Waters 600 マルチソルベントデリバリーシステム 付属準備用ポンプヘッド。2000μl又は5000μlサンプルループ。カラム、Waters X-Terra RP18、7 μm、19 x 150 mm 付属X-Terra RP18 保護カートリッジ 7 μm、19 x 10 mm; 使用時の流速20 ml/min、 又はYMC ODS-A、120 A、40 x 150 mm 付属X-Terra RP18 保護カートリッジ 7 μm、19 x 10 mm; 使用時の流速50 ml/min。準備用溶媒:MeCN-H2O -HCO2H 80 : 20 : 0.05 (v:v:v)。溶出液A、H2O + 0.1% HCO2H;溶出液B、MeCN。試料に適合させて異なる直線状勾配5-100% 溶出液B。注入体積: 試料に応じて500 μl-2000μl。Waters ZQ single quadrupol質量分析計 付属電気スプレイ光源。正/負イオンモードスキャニング1秒間でm/z 80 - 800; キャピラリー、3.5 kV又は3.0 kV;コーン電圧、20 V; 増倍電圧、400 V; プローブ及び脱溶媒和ガス温度、それぞれ120℃及び350℃。Waters Fraction Collector II 付属mass-triggered fraction collection。Waters 996 フォトダイオードアレイ検出器。
【0149】
・(Ih)の合成
式(Ih)の化合物は、種々の方法で得られるであろう。
ピペリジン-4イル-チアゾール-4-カルボキシアミドは、文献に記載されている種々の方法によって調製可能である。Houben-Weyl、2002、730に記載されている様に、一例は、適切な2,5-ジヒドロチアゾール類の酸化である。ジヒドロチアゾール類はまた、上記の文献、又はYou、S.、Razavi、H.、Kelly、J.W. Angew. Chem. 2003、115、87、もしくはKatritzky、AR.、Cai、C.、Suzuki、K.、Singh、SK. J. Org. Chem. 2004、69、811-814、及びそれらの参照文献に記載の方法によって製造することができる。代替方法は、Yasuchika、S. et. al. Heterocycles、Vol. 57、No. 5、2002に記載されている。
【0150】
チアゾール環の2-位に、ピペリジン-4-イル置換基を有する本発明の化合物は、例えば、以下のスキームに従って合成することができる。この合成ルートは、WO2004/058750に部分的に記載されている。
【0151】
【化5】

【0152】
2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル)チアゾール-4-カルボン酸は、DMF中でのHBTU、DIPEAとのカップリングによって、適切なR1アミドに変換され得る。異なるR1-アミン類は、市販品として入手可能であるか、又は容易に合成できる。Boc-保護基は、TFAとともに0°で2から3時間、又はジオキサン中で4N HClとともに2から3時間といった、標準的な条件下で、除去できる。脱保護されたピペリジノ誘導体塩酸塩は、その後、以下の通り、対応するアミド類、ウレア類、及びN-へテロ環類縁体に変換され得る。
【0153】
ウレア置換ピペリジノ化合物は、DIPEAの存在下で、市販されているイソシアネート類とともにカップリングすることで合成可能である。ヘテロ環で置換されたピペリジノ化合物は、塩基の存在下で対応するクロロへテロ環とともにカップリングするといった、標準的手段によって合成することができる。それに代えて、ヘテロ環で置換されたピペリジノ化合物は、パラジウム媒介クロスカップリングによっても得られる。他の代替手段として、ヒドロキシピリジン誘導体を、HBTUカップリング法によって、ピペリジノ化合物とカップリングされることもできる。
【0154】
チアゾール環の2位にピペリジン-4-イルが置換している本発明の化合物の一つの合成ルートを、以下のスキームに示す。
【0155】
【化6】

【0156】
Boc-保護基は、TFAとともに0°で2から3時間、又はジオキサン中で4N HClとともに2から3時間といった、標準的な条件下で、除去できる。脱保護されたピペリジノ誘導体塩酸塩は、その後、上記したような種々の方法で、対応するN-へテロ環類縁体に変換することができる。
【0157】
4-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルエステルの合成
ピペリジン-1,4-ジカルボン酸モノ-tert-ブチルエステル(1.0 eq、21.8 mmol)を35mlの乾燥N, N-ジメチルホルムアミド中に、不活性条件下で溶解した。O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン ハイドロクロライド(1.03 eq、22.5 mmol)、ベンゾトリアゾール-1-オール モノハイドレート(1.03 eq、22.5 mmol)及びトリエチルアミン (1.5 eq、32.7 mmol)が添加された。反応混合物を0℃まで冷却し、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド ハイドロクロライド (1.0 eq、21.8 mmol)を10分間かけて添加し、並びに混合物を0℃で1時間及び室温で18時間、強く攪拌した。
【0158】
溶媒を、真空下で除去し、残渣をエチルアセテート中に懸濁した。有機層を、100 mlの1Mのクエン酸で3回、炭酸ナトリウム水溶液、100 mlの食塩水で2回抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過した。溶媒を除去し、残渣を蒸留で精製し、80%の収量を得た。
【0159】
・4-ホルミル-ピペリジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルの合成
4-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.0 eq、16.4 mmol)を不活性雰囲気下で、100 ml 乾燥テトラハイドロフラン中に溶解した。溶液を、70 mlの乾燥テトラハイドロフラン中にリチウマラネート(lithiumalanate) (3.0 eq、49.6 mmol)を懸濁した懸濁液中に、-50℃で1時間かけて滴下添加した。混合物の添加中、温度を-50℃に維持し、3時間以内に0℃まで温めた。
【0160】
前記混合物を-78℃まで冷却し、100mlの1Mクエン酸で注意深く急冷した。混合物を室温まで温め、400mlの酢酸エチルで希釈した。層に分離し、水層を酢酸エチル70mlで3回抽出した。有機層を、100mlの1Mのクエン酸で3回、炭酸ナトリウム水溶液、及び100ml食塩水で2回抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過した。溶媒を除去し、残渣を蒸留により精製し、85%の収量を得た。
【0161】
4-(4-エトキシカルボニル-4,5-ジヒドロ-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルの合成
4-ホルミル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.0 eq、13 mmol)を不活性条件下で、40mlのトルエンに溶解した。この溶液に、L-システインエチルエステル ハイドロクロライド(1.6 eq、21 mmol)及びトリエチルアミン(1.6 eq、21 mmol)を添加した。混合物を14時間還流した。生じた水をDean & Starkトラップで除去した。
【0162】
溶媒を除去し、残渣を100mlの酢酸エチルに溶解した。有機層を50mlの1Mクエン酸で3回、炭酸水素カリウム水溶液、及び50ml食塩水で2回抽出し、MgSO4で乾燥して、ろ過した。溶媒を除去し、残渣を、PE/ EAの4:1グラジエントを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。収量:75%。
【0163】
4-(4-エトキシカルボニル-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 t-ブチルエステルの合成
4-(4-エトキシカルボニル-4,5-ジヒドロ-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.0 eq、8.7 mmol)を、不活性条件下で、160mlのトルエンに溶解した。この溶液に、MnO2 (15.0 eq、130 mmol)を添加した。反応物を攪拌下で5時間70℃に加熱した。混合物をセリットでろ過し、ろ過物を30mlのトルエン及び酢酸エチルで3回洗浄した。有機層を真空中で蒸留した。残渣を、DCM/MeOH 95:5 グラジエントを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。収量: 30%
【0164】
・C-末端官能基化
4-(4-エトキシカルボニル-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.0 eq、2.9 mmol)を不活性ガス下で40mlのジオキサン中に溶解した。攪拌下で、1.5 mlの2N NaOH 水溶液を、10分間にわたって滴下添加した。その後、混合物Aを室温で2時間攪拌した。
【0165】
反応物を2N HClで中和し、及び溶媒を真空で蒸発させた。残渣を50mlの酢酸エチルに溶解した。有機層を、10mlの1M クエン酸及び水で3回抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過した。溶媒を除去し、残渣を真空で乾燥した。収量 95%。
【0166】
4-(4-カルボキシ-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1 eq)を、不活性条件下で、乾燥ジメチルアセトアミド (0,03 mmol/ml)中に溶解した。この溶液に、アリール-又はアルキルアミン (1 eq)、ジイソプロピルエチルアミン (2 eq)、及びO-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート (2 eq)を添加した。この反応混合物を室温で12時間攪拌した。
【0167】
溶媒を真空で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を1Mクエン酸で3回、炭酸水素カリウム水溶液、及び食塩水で2回抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過した。溶媒を除去し、残渣をDCM/MeOH 95:5 グラジエントを用いて、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。収量: 40-80%。
【0168】
・N-末端官能基化
N-保護化物質を不活性条件下で、4 M HCl/ジオキサン (濃度0,03 mmol 物質 1 mL HCl/ジオキサン中)で処理し、室温で2時間攪拌した。
【0169】
溶媒を真空で除去すると、さらに精製することないし、フリーアミンのHCl塩を生じた。
【0170】
フリーアミノ化合物 (1 eq)を、不活性条件下で、乾燥ジメチルアセトアミド (0,03 mmol/ml)中に溶解した。この溶液に、アリール-又はアルキルカルボン酸 (1 eq)、ジイソプロピルエチルアミン(2 eq)及びO-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(2 eq)を、この順番で添加し、及び反応混合物を室温で12時間攪拌した。
【0171】
溶媒を真空で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を1M クエン酸で3回、炭酸水素カリウム、及び食塩水で2回抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過した。溶媒を除去し、残渣を、DCM/MeOH 95:5 グラジエントを用いて、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。収量: 40-80%。
【0172】
本発明の式(Ih)の例示化合物は、以下の化合物を含むが、但し、これらに制限されない。
【0173】
【表1】






【0174】
・サイトカイン及び一般式(Ih)の化合物を含有する組成物
IFN-βは、MS患者及び健常人の末梢血単核細胞(PBMC)において、ConAによる末梢血単核細胞(PBMC)増殖を阻害する( J Neuroimmunol. 1993; 46(1-2):145-53)。我々は、健康なドナーのPBMCにおける、IFN-βと組み合わされた一般式(Ih)の物質の活性を試験した。
【0175】
ヒトPBMCをPHAで刺激し、増殖阻害を、IFN-β又は式(Ih)の物質の存在下で測定した。さらに、増殖阻害を、双方の物質の存在下で定量した。
【0176】
さらに、式(Ih)の物質とIFN-(との組合わせの、フラビウイルス感染した細胞株に対する活性を試験した。
【0177】
・牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)アッセイ:
・薬物製剤、即ち、本発明の組成物の一例の調製:
物質をDMSOに溶解した。ペグインターフェロン-アルファ (IFN)は、南部諸州研究学会によって提供され、殺菌dH2O 中に溶解した。アッセイに用いた最終的なDMSO濃度は、< 1% であり、記述される試験には影響しない。
【0178】
・BVDV 有効性評価:
薬物・薬物相互作用を、化合物とIFNとの組合わせの広範囲な濃度の、抗ウィルス性及び細胞毒性活性を試験することによって分析した。牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)NADL菌株抗ウィルス評価試験及び 薬剤・薬剤コンビネーション分析を、Antimicro. Agents Chemother. 2003; 47: 2293-8に記述の様に行った。BVDVは、しばしば抗ウィルス剤の研究において、C型肝炎ウィルス代用モデルとして用いられる (Antiviral Res. 2003; 60: 1-15)。マディン・ダービーウシ腎細胞(Madin-Darby bovine kidney cells)は、トリプシン処理され、ペレット化され、カウントされ、穴1個当たり100μl 体積の96穴の平底細胞培養プレート中の細胞培養媒体中に1x104/穴で再懸濁された。細胞を固定した後、穴を洗浄し、前記媒体を、媒体中で希釈された化合物を種々の濃度で含む完全培地(2% 血清)で置き換えた。ウィルスの事前に測定されたアリコート力価を、各試験の直前に、冷凍室(-80℃)で除去した。ウィルスは、各穴に添加されたウィルスの量が、6-7日ポスト感染で、完全な細胞死滅を与えるであろうように、細胞培養媒体中で希釈された。抗ウィルス性評価に対する試験プレートの構成は、南部諸州研究学会で標準化されている。各プレートは試験用穴(薬剤+細胞+ウィルス)と同様、細胞コントロール穴(細胞のみ)、ウィルスコントロール穴(細胞+ウィルスのみ)、薬剤細胞毒性穴(細胞+薬剤)、及び薬剤比色分析コントロール穴(薬剤のみ)を含む。薬剤・薬剤組合わせ分析は、格子状の希釈マトリックススキームを利用する。5種の物質濃度の試料を、9種のIFN濃度の試料との組合せで評価し、抗ウィルス効果及び細胞毒性を、実験的エンドポイントで、MTS染色によってモニターした。
【0179】
・細胞生存性のためのMTS染色
試験の終わりに、細胞生存能を決定し及び化合物の毒性を定量化するために、試験プレートを、可溶性テトラゾリウム系染料MTS(CellTiter Reagent Promega)で染色した。MTSは、代謝的に活性名細胞のミトコンドリア内酵素によって代謝され、可溶性 ホルマザン生成物を生じ、細胞生存性及び化合物毒性を迅速に定量分析することを可能とする。MTSは安定な溶液であり、使用前に調製することは必要ではない。試験の終わりに、10 μlのMTS試薬を、各穴に添加した。マイクロタイタープレートを37℃で4時間インキュベートした。接着性シーラーを、蓋に代えて使用し、可溶性ホルマザンと混合するために、封止されたプレートを数回逆さにし、及びプレートを、Molecular Devices Vmax plate reader を用いて、490nm及び650nmにおいて分光光度法的に読んだ。
【0180】
・データの分析
薬剤組コンビネーション試験データを、Prichard and Shipman (Mac Synergy II. Version 1.0 User's manual. 54pp.)の方法に従って、マックシナジー(Mac Synergy) II プログラムを、データ分析及び統計的評価のために用いて、分析した。概略は、マックシナジー(Mac Synergy) II プログラムで、薬剤−薬剤相互作用に対して期待される効果のBliss Independenceの数学的定義に基づいて、薬剤の論理的付加的相互作用を計算する。Bliss Independenceモデルは、統計的確率に基づき、薬剤の作用がウィルス複製に独立に作用すると仮定している。
【0181】
論理的加法的な値を、個々に使用された各基質についての用量反応曲線から算出した。予測される又は加法的な相互作用を示すこの計算された加法的面を、その後、非加法的活性領域を示す実験的に決定された用量反応面から、差し引く。その差し引いた後の面は、相互作用が単に加法的付加に過ぎないと、上記で計算されると、0%阻害の水平面として現れるであろう。この活性面の上部のいかなるピークも、相乗作用を示すであろう。同様に、この活性面の下部のいかなるくぼみも、拮抗作用を示すであろう。実験的用量反応面周囲の95%の信頼区間は、統計学的にデータを評価するのに用いられ、ピーク/くぼみの体積が算出され、生み出された相乗作用/拮抗作用の体積を定量化するのに用いられる。相乗作用プロット(濃度時間濃度時間パーセント:一般的にはμM2%)中に観察されるピークの体積は、プログラムによって計算される。このピーク体積は、三次元用量反応面下の三次元対応エリアであり、相乗作用又は拮抗作用の定量的尺度である。この研究では、相乗作用又は拮抗作用が25-50 μM2%の間であるとき、弱い相乗作用又は拮抗作用を示す。50-100 μM2%の相乗作用又は拮抗作用体積が中間的効果を示し、一方、相乗作用又は拮抗作用体積が100 μM2%を超える時に、強い効果を示す。薬剤相乗作用又は拮抗作用は、異なるプロットのゼロ面の上の又は下の、隣接細胞の複製可能なクラスタリングによって、追跡する。
【0182】
・T-リンパ球増殖分析:
刺激抹消血中単球(PBMC)の阻害。PBMCは、健常ボランティアの血液からチューブACCUSPINTM System HistopaqueR-1077を利用して単離し、洗浄し、10 %ウシ胎仔血清及び2 mM グルタミンを含む、Dulbecco's modified eagles medium中に、106 cells/mlで再懸濁した。細胞を2 μg/mlのフィトヘムアグルチニンによって、試験化合物又はブランク賦形剤の存在下で、72時間、活性化し、培養終了の4時間前に、5'-ブロモ-2'-デソキシウリジン(BrdU)を、急速に増殖する細胞の標識のために添加した。培養の後、細胞を遠心分離で分離し、培養上清を除去した。組み込まれたBrdUは、酵素免疫測定法(Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)によって定量化された。
【0183】
IC50値(50%阻害に必要な濃度)の決定のために、少なくとも4種の阻害濃度を適用した。各データの点を、3回記録した。曲線を適切なプログラムでフィッティングした。
【0184】
・結果:
・BVDVアッセイ:
化合物273は、INF-αとの組合わせにおいて、それらの抗ウィルス活性の結合に関して、高い相乗的挙動を示し、一方で、それらの細胞毒性の結合に関しては、高い拮抗的挙動を示した。よって、式(Ih)の化合物は、サイトカイン、即ちインターフェロンとの組合わせにおいて、ウィルス性疾患、特にフラビウイルス属によって引き起こされるウィルス性疾患の治療に適する。
【0185】
・PBMCアッセイ:
実施例の化合物は、コントロール実験と比較して50%を超える阻害結果となった。前記化合物の平均EC50は、3μM と40μMとの間であった。INF-αの同時投与では、少なくとも、活性に関する加法的効果が生じた。よって、式(Ih)の化合物は、サイトカイン、即ち、インターフェロンとの組み合わせにおいて、炎症性疾患又はT-細胞と関連付けられる疾患の治療に対して理想的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)サイトカイン及び、
(ii)一般式(Ih)の化合物、又は酸もしくは塩基とそれとの医薬的に許容な塩、医薬的に許容なプロドラッグ、又はそれらの立体異性体、
【化1】

式中、
Aは、NR2'、S 又はOであり;
tは、0から4であり;
rは、0、又は1であり;
R2aは独立に、H、OH、SH、NH2、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、アリール、又はヘテロアリールであり;
R3aは、H、OH、SH、NH2、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、ヒロドキシアルキルアミノ、ハロゲン、アリール、又はヘテロアリールであり;
Rdは、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)paryl、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
R1は、-C(O)R7a、-C(O)CHR7R8、-C(O)NR7R8、-C(O)OR7、-R7C(O)R8、又は-C(S)R7bであり;
R2は、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、又はヘテロアリールであり;又は、R1及びR2は一緒になって、N-原子又はC-原子とともに、3〜8員の飽和もしくは少なくとも部分的に不飽和の単環又は多環系を形成し、ここで、少なくとも1つ又はそれ以上の環中の炭素原子は、O、N、及びSから選択されるヘテロ原子によって置換され、環は、1以上のR9によって置換可能であり;
R3は、H、-C(O)NRaRb、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、SH、NR4'OR5'、NH2、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロ−シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキロキシであり;
Raは、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、-(CH2)pNR7R8、アリール、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、又はヘテロアリールであり;
Rbは独立に、H、-CN、-OH、-SH、-CO2R4'、-C(O)R4'、-SO2NR4'、-NR4'R5'、-C(O)NR7R8、-SO2-alkyl、-SO2R4'、SO3R4'、-N=CR4'R5'、-NR4'C(O)R4''、-NR4'-CO-ハロアルキル、-NO2、-NR4'-SO2-ハロアルキル、-NR4'-SO2-アルキル、-NR4'-CO-アルキル、-NR4'(CH2)pへテロアリール、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、-O(CH2)p[O(CH2)p]qOCH3、-C(NR4'')NR4'ベンズイミダゾリル、-C(NR4'')NR4'ベンズチアゾリル、-C(NR4'')NR4'ベンズオキサゾリル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ-シクロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールを表し;
R4'、R4''、R5'は独立に、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、ハロアルキル、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
R7、R7'、R8は独立に、H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ ヘテロアリール、又はアリールであり;
R7aは、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
R7bは、H、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
Xは、NR2'、O、又はSであり;
Zは、N、又はCR2'であり;
R2'は、H、アルキル、-C(O)NR7、-C(O)Rb、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリール、又はアリールであり;
pは、1から6であり;
qは、1から6であり;
R9は独立に、H、-CN、-OH、-SH、アルコキシ、アルキルチオ、-CO2R4'、-C(O)R4a、-C(O)NR7R8、-SO2NR4'、-NR4'R5'、-SO2-アルキル、-SO2R4'、SO3R4'、-N=CR4'R5'、-NR4'C(O)R4''、-NR4'-CO-ハロアルキル、-NO2、-NR4'-SO2-ハロアルキル、-NR4'-SO2-アルキル、-NR4'-CO-アルキル、-NR4'(CH2)pへテロアリール、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルアミノ、-O(CH2)p[O(CH2)p]qOCH3、-C(NR4'')NR4'ベンズイミダゾリル、-C(NR4'')NR4'ベンズチアゾリル、-C(NR4'')NR4'ベンズオキサゾリル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシ-アルキルアミノ、ハロアルキロキシ、ヘテロシクロアルキル、-(CH2)pNR7COR8、アリール、又はヘテロアリールを表し;
R4aは、H、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、-C(NR7)NR7'R8、-(CH2)pアリール、-(CH2)pNR7R8、-C(O)NR7R8、-N=CR7R8、-NR7C(O)R8、ハロゲン、ヘテロアリール、又はアリールであり;
ここで、
C1-C6-アルキル基が、他の記載がない場合には、直鎖又は分岐鎖のC1-C6-アルキルを表し、それらは1以上の置換基R'で任意に置換可能であり;
R’は独立に、H、-CO2R"、-CONHR"、-CR"O、-SO2NR"、-NR"-CO-haloalkyl、-NO2、-NR"-SO2-ハロアルキル、-NR"-SO2-アルキル、-SO2-アルキル、-NR"-CO-アルキル、-CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキロキシ、アリール、又はヘテロアリールであり;
R"は独立に、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり;
C2-C6-アルケニル基は、他の記載がない場合は、直鎖又は分岐鎖のC2-C6-アルケニルを表しそれらは1以上の置換基R'によって任意に置換可能であり;
アルキル基は、他の記載がない場合は、直鎖もしくは分岐鎖のC1-C6-アルキル基、直鎖もしくは分岐鎖のC2-C6アルケニル基、又は直鎖もしくは分岐鎖のC2-C6-アルキニル基を表し、これらは1以上の置換基R'によって任意に置換可能であり、R'は上記で定義され;
シクロアルキル基は、3から8の炭素原子を含む非芳香性環系を表し、環中の1以上の炭素原子は、これらは1以上の置換基R'によって任意に置換可能であり、R'は上記で定義され;
ヘテロシクロアルキル基は、2から10の炭素原子及び少なくとも一つのO、N、及びSから選択されるヘテロ原子を含む、非芳香性環系を表し、環中の1以上の炭素原子は、上記で定義された基R'によって置換可能であり;
アルコキシ基は、O-アルキル基を表し、該アルキル基は上記で定義されたアルキル基であり;
アルキルチオ基は、S-アルキル基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
ハロアルキル基は、1〜5のハロゲン原子で置換されたアルキル基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
ヒドロキシアルキル基は、HO-アルキル基であり、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
ハロアルキロキシ基は、1から5のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
ヒドロキシアルキルアミノ基は、(HO-アルキル)2-N-基、又はHO-アルキル-NH- 基を表し、該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
アルキルアミノ基は、HN-アルキル基、又はN-ジアルキル基を表し;該アルキル基は、上記で定義されたアルキル基であり;
ハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素であり;
アリール基は、5から15の炭素原子を有する芳香性基であり、それらの原子は、1以上のR’で置換可能であり、R’は上記で定義された通りであり;
アリールアミノ基は、HN-アリール基、又はN-ジアリール基を表し、前記アリール基は、上記で定義されたアリール基であり;
ヘテロアリール基は、O、N、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、5-から10-員のヘテロ環系であり、当該へテロ環基は、他の環と縮合していてもよく、該へテロ環基又は縮合している環のいずれも、それぞれ上記で定義された1以上のR'によって置換されていてもよい;
を含有する医薬組成物。
【請求項2】
式(Ih)中、以下の置換基それぞれ、又は以下の置換基の組合わせ:
XはS又はOであり、及び
R3aはHである、請求項1の組成物。
【請求項3】
XがSである、請求項1又は2の組成物。
【請求項4】
ZがCR2'であり、並びにR1及びR2が一緒になって、C-原子とともに、飽和6員環を形成している、請求項1から3の組成物。
【請求項5】
ZがNであり、並びにR1及びR2が一緒になって、N-原子とともに、飽和6員環を形成している、請求項1から3の組成物。
【請求項6】
R9が、ヘテロアリール、アリール及びベンジルの群から選ばれる、請求項1から5の組成物。
【請求項7】
R9が、チエノピリミジン、キナゾリン、プリン、ピラゾロピリミジン又はトリアゾルピリミジンの群から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項8】
tが好ましくは0、及び
rが好ましく1である、上記請求項のいずれかの組成物。
【請求項9】
R2aが、OH、アルキル、アリール及びヘテロアリールの群から選ばれる、上記請求項のいずれかの組成物。
【請求項10】
前記サイトカイン(i)が、(a)自己分泌サイトカイン、(b) 傍分泌サイトカイン、及び(c)内分泌サイトカインの群から選択される、上記請求項のいずれかの組成物。
【請求項11】
前記サイトカインが、以下のサイトカインファミリー、
(a)IL-2サブファミリー、
(b)インターフェロン(IFN)サブファミリー、及び
(c)IL-10サブファミリー、からなる
(i)4つのα−へリックスのサイトカインファミリー、
(ii)IL-1ファミリー、
(iii)IL-17ファミリー、並びに
(iv)ケモカイン、
から選択される、請求項10の組成物。
【請求項12】
前記サイトカインが、
(i)IL-4、IL-7、IL-9、IL-15及びIL-21を含むIL-2ファミリー
(ii)タイプIインターフェロン、タイプIIインターフェロン、及びタイプIIIインターフェロンを含むインターフェロンファミリー、並びに
(iii)TNF-α(アルファ)及びTNF-β(ベータ)を含む腫瘍壊死因子(TNF)、
の群から選ばれる、請求項10及び11の組成物。
【請求項13】
前記サイトカインが、IFN-α(アルファ)、IFN-β(ベータ)、IFN-γ(ガンマ)、IL-2及びTNFの群から選ばれる、請求項12の組成物。
【請求項14】
請求項1から13の組成物の薬剤の製造への使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−522724(P2010−522724A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500282(P2010−500282)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053670
【国際公開番号】WO2008/116919
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(509042998)4エスツェー アクチェンゲゼルシャフト (3)
【Fターム(参考)】