サセプタ
【課題】伝熱プレートと押さえ板の接合面の気密性を向上し、かつ製造時に変形や特性変化することなく、製造コストを低減したサセプタを提供する。
【解決手段】押さえ板4の接合面に突起部8を設けると共に、伝熱プレート3の接合面の突起部8に対向する位置に断面が略T字状の溝部9を設けて、突起部8を溝部9に嵌入させかしめることにより伝熱プレート3と押さえ板4とを接合してサセプタ1を製造する。
【解決手段】押さえ板4の接合面に突起部8を設けると共に、伝熱プレート3の接合面の突起部8に対向する位置に断面が略T字状の溝部9を設けて、突起部8を溝部9に嵌入させかしめることにより伝熱プレート3と押さえ板4とを接合してサセプタ1を製造する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を加熱又は冷却処理するサセプタに関し、詳しくは半導体素子や液晶パネルの製造工程において、半導体ウェハや液晶用ガラスなどの基板を加熱又は冷却処理する基板熱処理装置に用いられるサセプタに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子や液晶パネルの製造工程においては、図26に示すような基板熱処理装置30を用いて、半導体ウェハや液晶用ガラスなどの基板31の加熱処理や冷却処理が行われている。この基板熱処理装置30において、基板31を加熱又は冷却するサセプタ32は、加熱源又は冷却源33を上下から伝熱プレート34と押え板35により挟み込んで接合した構造を有しており、伝熱プレート34及び押え板35の材料には、熱伝導性に優れたアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金などが用いられている。それら伝熱プレート34と押さえ板35は、外周部を溶接又はろう付けすることにより接合されるが、その際にピンホールやガスの巻き込みが発生するため、接合部の強度が低下するという問題があった。また、基板熱処理装置30内部を真空状態にしたときに、ピンホールからガス等が漏れ出て真空度を低下させてしまい、基板31の熱処理に悪影響を与えるという問題もあった。
【0003】
これらの問題を解決するため、特許文献1は、伝熱プレートと押さえ板の接合面の対向位置に環状突出部と溝部を設け、それらを組み合わせて鍛圧圧縮して締結したサセプタを提案している。
【0004】
しかし、このサセプタは、環状突出部と溝部の形状が単純であるため、サセプタの気密性を高真空度や液体中での熱処理に対応できる程度にまで向上するのは困難であるという問題があった。また、ヒータープレートとして使用される加熱領域の温度近傍(例えば、400℃)まで昇温して鍛圧するので、伝熱プレートと押さえ板の材質によっては変形したり組織変化して特性が変化してしまう可能性があると共に、特別な設備と作業が必要となるため、製造コストが高くなってしまうという問題もあった。
【特許文献1】特開2002−270347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、気密性を向上すると共に、製造時において変形したり特性が変化したりすることがなく、かつ製造コストを低減したサセプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明のサセプタは、金属製の第1プレートと第2プレートとの間に基板加熱手段又は基板冷却手段を挟んでなるサセプタであって、前記第1プレートの接合面に、上面に凹部を有する突起部を設けると共に、前記第2プレートの接合面に、断面が略T字状の溝部を前記突起部に対向するように設け、前記突起部を前記溝部に嵌入してかしめることにより前記第1プレートと前記第2プレートとを接合したことを特徴とするものである。
【0007】
前記突起部の凹部の底面又は前記溝部の底面に細溝を形成し、該細溝にシール材を載置し、そのシール材は、Oリング又はメタルシールとすることが望ましい。
【0008】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板加熱手段が前記突起部の内側に設置された金属箔ヒーター、マイカ巻付ヒーター又はシーズヒータからなることが望ましい。
【0009】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板冷却手段が、前記突起部の内側であって前記第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方の接合面に形成された断面が略矩形、略半円状若しくは略U字状の溝からなる冷却材流路、又は該溝内に設置された冷却パイプからなることが望ましい。
【0010】
前記突起部の凹部の底面及び/又は前記溝部の底面に、断面略半円状又は断面略U字状の溝を形成し、該溝内に前記基板加熱手段又は基板冷却手段を設置し、その溝は、一端から他端までが連続する同心円状又は蛇行状に設けることが望ましい。
【0011】
前記基板加熱手段をシーズヒータとし、前記基板冷却手段を冷却パイプとすることが望ましい。
【0012】
上記のいずれかに記載のサセプタから選ばれる複数のサセプタを積層することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、金属製の第1プレートと第2プレートとの間に基板加熱手段又は基板冷却手段を挟んでなるサセプタであって、第1プレートの接合面に、上面に凹部を有する突起部を設けると共に、第2プレートの接合面に、断面が略T字状の溝部を前記突起部に対向するように設け、突起部を溝部に嵌入してかしめることにより第1プレートと第2プレートとを接合するようにしたので、突起部が塑性変形して溝部内を埋めて互いに固定されると共に、その凹部の両壁部が拡開して溝部の底面の幅広部へ侵入してラビリンスを形成するので、サセプタの気密性を向上することができる。また、かしめは一般のプレス機を用いて室温で行うことができるため、製造時においてサセプタが変形したり特性が変化したりすることがなく、かつ製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態からなるサセプタの組立端面図を示す。なお、ここでは基板加熱源を備える場合を例に取る。
【0016】
このサセプタ1は、基板加熱源である面状ヒーター2を上下からそれぞれ第2プレートである伝熱プレート3と第1プレートである押さえ板4とにより挟み、接合部Aにおいて接合することにより構成される。面状ヒーター2には、金属箔ヒーター又はマイカ巻付ヒーターが用いられ、伝熱プレート3の接合面7に熱遮へい板5とともに図示しないネジ等により固定される。伝熱プレート3及び押さえ板4の材料には、熱伝導性に優れたアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金などが用いられる。半導体ウェハや液晶用ガラスなどの基板は、伝熱プレート3上に直接に又は複数のプロキシミティピン(図示せず)を介して載置され、面状ヒーター2によって伝熱プレート3を通じて加熱処理される。従って、サセプタ1の平面形状は、基板が半導体ウェハの場合には円形となり、液晶用ガラスの場合には矩形となる。
【0017】
このようなサセプタ1において、接合部Aは、押さえ板4の接合面6に外周に沿って環状に設けられた突起部8と、その突起部8に対向するように伝熱プレート3の接合面7に環状に設けられた溝部9とから構成される。
【0018】
図2に示すように、押さえ板4の突起部8の断面は、上面に形成された凹部8aによる2つの壁部8bを有する先割れ状になっており、また伝熱プレート3の溝部9の断面は、底面9aに幅広部9bを有する略T字状となっている。この突起部8を溝部9に嵌入させ、垂直方向に圧力を加えてかしめることにより伝熱プレート3と押さえ板4を接合して、図3に示すようにサセプタ1が製造される。
【0019】
この接合工程を詳細に説明すると、図4(a)のように互いを突き合わせてから突起部8を溝部9に嵌入させて圧力を加えると、図4(b)のように突起部8は溝部9の底面9aにぶつかり圧縮されて塑性変形する共に、壁部8bが拡開して溝部9の幅広部9b内へ侵入して、図4(c)のように溝部9が突起部8により埋められ互いに固定されると共に、サセプタ径方向にラビリンス10が形成される。
【0020】
このように、上面に凹部8aが形成された突起部8を、断面が略T字状の溝部9に嵌入してかしめることにより、伝熱プレート3と押さえ板4とを接合してサセプタ1を製造するようにしたので、突起部8が塑性変形して溝部9を埋めて互いに固定されると共に、径方向にラビリンス10が形成されるため、サセプタ1の気密性を向上することができる。また、かしめは一般のプレス機を用いて室温で行うことができるため、サセプタ1が変形したりその特性が変化することがなく、かつ製造コストを低減することができる。更に、接合部Aにラビリンスが形成されるので、突起部8の高さと溝部9の深さを小さくしても高い気密性を得ることができるため、突起部8と溝部9の加工が容易なものとなると共に、狭いスペースでもサセプタ1の製造を行うことができるので、製造コストをより低減することができる。
【0021】
突起部8については、図5に示す全体幅W1に対して凹部8aの底面幅W2は0.4〜0.8倍の大きさとすることが好ましい。0.4未満であると壁部8bの幅が太くなって拡開しにくくなり、0.8を超えると壁部8bの幅が細くなって折損するおそれがある。また、壁部8bが折損するおそれを減らすと共に、溝部9の幅広部9b内へ侵入しやすくするために、壁部8bの内側にテーパー8cを形成して先細の形状となるようにし、テーパー8cの垂直方向に対する角度αを5〜45°、より好ましくは5〜30°とする。なお、全体幅W1に対する底面幅W2が0.8を超えるような場合には、図6に示すように、テーパー8cを壁部8bの先端にのみ形成するのがよく、テーパー8cの垂直方向からの角度βは10〜80°、より好ましくは15〜60°とするのがよい。
【0022】
また、溝部9については、突起部8が嵌入できるように、図7に示す入口幅W3を突起部8の全体幅W1よりもわずかに大きくすることが好ましい。更に、かしめ後に溝部9の内容積の少なくとも90%が突起部8によって埋められるように、突起部8の全体高さH1と凹部8aの深さH2、及び溝部9の開口幅W3と全体深さH3を設定することが好ましい。特に、溝部9における幅広部9bが、突起部8の壁部8bにより埋められるように、幅広部9bの高さH4及び奥行きW4を設定することが好ましい。
【0023】
図8は、本発明の第2の実施形態からなるサセプタの接合部を示す。
【0024】
この実施形態は、突起部8の凹部8aの底面の一部に角溝8dを形成し、その中にシール材11を載置したものである。シール材11としては、天然ゴム、フッ素ゴム又はシリコンゴム製のOリングや、インコネル又はステンレス製のメタルシールが例示される。また、メタルシールの一種として、中空の薄肉パイプを用いてもよい。このようにシール材11を載置することにより、かしめ後に突起部8と溝部9との間にシール材11が介在して間隙が埋められるため、サセプタ1の気密性を更に向上することができると共に、突起部8や溝部9の寸法精度に余裕を持たせられるので製造コストを低減することができる。
【0025】
また、この実施形態の別の例として、図9に示すように、溝部9の底面9aに角溝9cを形成して、シール材11を載置するようにしてもよい。
【0026】
上記の第1及び第2の実施形態における基板加熱源は、面状ヒータ2に限られるものではなく、図10に示すように、接合面に形成した溝部内に設置したシーズヒータ14でもよい。このシーズヒータ14は伝熱プレート3又は押さえ板4を貫通して、図示しない外部の電源等に接続される。
【0027】
また、基板加熱源の代わりに基板冷却源を伝熱プレート3と押さえ板4の間に挟むようにすることができる。基板冷却源としては、図11に示すような、伝熱プレート3と押さえ板4の少なくとも一方の接合面に形成された断面が略矩形の溝12a、略半円状の溝12b又は略U字状の溝12cからなる冷却材流路や、図12に示すようなそれらの溝内に設置された内部を冷却材が流れる冷却パイプ15を用いることができる。なお、図12は、両接合面の対向する位置に形成された断面が略半円状の溝12b、及び伝熱プレート3の接合面のみに形成した断面が略U字状の溝12c内に、それぞれ冷却パイプ15を設置した場合を例示するものである。これらの冷却流路及び冷却パイプ15は、伝熱プレート3又は押さえ板4を貫通して、図示しない外部の冷却材供給装置等に接続される。
【0028】
突起部8及び溝部9は一対に限られるものではなく、例えば直径が12インチ以上となる大型の半導体ウェハ用サセプタの場合には、図13に示すように中心部付近にも突起部8と溝部9を環状に設けることが好ましい。また、基板をサセプタ1と搬送治具との間で移し替えるリフタピンを設置するような場合には、サセプタ1に設けられるリフタピンの挿通孔の周囲に突起部8と溝部9を設けることが好ましい。
【0029】
図14及び図15は、本発明の第3の実施形態からなるサセプタを示す。
【0030】
この実施形態は、接合部Bにおける突起部8の凹部8aの底面と溝部9の底面9aに、断面略半円状又は断面略U字状の取付溝13を形成し、基板加熱源であるシーズヒータ14又は基板冷却源である冷却パイプ15を取付溝13内に載置したものである。取付溝13は、図16に示すように、突起部8の凹部8aの底面にのみ形成してもよく、あるいは図17に示すように、溝部9の底面9aにのみ形成してもよい。これら突起部8と溝部9とは、シーズヒータ14又は冷却パイプ15の配置に沿って、図18に示すように、一端から他端まで連続する円心状、又は図19に示すような連続する蛇行状に設けられる。なお、シーズヒータ14又は冷却パイプ15の外部接続部16は、図20に示すように、接合面6を平行な方向へ延びるようにしてもよい。
【0031】
このように、シーズヒータ14又は冷却パイプ15を、突起部8と溝部9との間に挟むようにすることで、かしめによる伝熱プレート3と押さえ板4の接合と、シーズヒータ14又は冷却パイプ15の気密性向上及び取付けとを同時に行うことができるため、サセプタ1の製造工程を簡略化して製造コストを更に低減することができる。
【0032】
なお、本実施形態においても、大型の半導体ウェハ用サセプタに適用する場合には、気密性を向上するために、図21に示すように、中心部付近に第1の実施形態における突起部8と溝部9を設けることが好ましい。
【0033】
本実施形態においては、基板加熱源と基板冷却源を同時に備えたサセプタ1を構成することができる。図22は、突起部8と溝部9との間にシーズヒータ14を挟むと共に、その径方向内側の接合面に溝を形成して冷却パイプ15を設置して構成したサセプタ1を示す。このように、基板加熱源と基板冷却源を組み合わせるに際しては、熱効率を向上するために、熱エネルギーロスが大きい基板加熱源を伝熱プレート3の径方向外側に配置し、基板冷却源を径方向内側に配置することが好ましい。
【0034】
以上に説明した全ての実施形態においては、突起部8を伝熱プレート3に、溝部9を押さえ板4に、それぞれ設けるようにしてもよいことはもちろんである。
【0035】
また、それぞれの実施形態を組み合わせて1台のサセプタを構成することができる。例えば図23に示すように、伝熱プレート3の径方向外側に面状ヒータ2を備えた第1の実施形態を配置し、径方向内側に冷却パイプ15を備えた第3の実施形態を配置することによりサセプタ1を構成することができる。
【0036】
更に、複数の実施形態を積層してサセプタを構成することができる。例えば図24は、押さえ板4を共有して上方から順に面状ヒータ2を備えた第1の実施形態と、冷却パイプ15を備えた第3の実施形態とを積層したサセプタ1の例を示す。また、図25は、同様にして、シーズヒータ14を備えた第3の実施形態と、冷却パイプ15を備えた第3の実施形態とを積層したサセプタ1の例を示す。なお、加工性を向上するために、共有される押さえ板4には溝部9(又は突起部8)のみを形成すると共に、サセプタ1全体の厚みを薄くするために、押さえ板4の両面に形成される溝部9(又は突起部8)は径方向に互いに重ならないようにすることが好ましい。
【0037】
このような積層構造のサセプタとすることにより、広い温度範囲の熱処理を行うことができたり、加熱処理と冷却処理を1台のサセプタで行うことができるため、サセプタの性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態の第1の例からなるサセプタの組立端面図である。
【図2】図1におけるA部の拡大端面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態からなるサセプタの断面図である。
【図4】接合部の作用を説明する説明図である。
【図5】突起部の形状寸法を説明する説明図である。
【図6】突起部の別の例の形状寸法を説明する説明図である。
【図7】溝部の形状寸法を説明する説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の別の例からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の第2の例からなるサセプタの端面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の第3の例からなるサセプタの端面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の第4の例からなるサセプタの端面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態からなる大型のサセプタの組立端面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態からなるサセプタの組立端面図である。
【図15】図14におけるB部の拡大断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の第2の例からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態の第3の例からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図18】図14におけるC−C矢視であるシーズヒータ又は冷却パイプの配置を示す平面図である。
【図19】図14におけるC−C矢視であるシーズヒータ又は冷却パイプの配置の別の例を示す平面図である。
【図20】図14におけるC−C矢視であるシーズヒータ又は冷却パイプの配置の更に別の例を示す平面図である。
【図21】本発明の第3の実施形態からなる大型のサセプタの組立端面図である。
【図22】本発明の第3の実施形態の第4の例からなるサセプタの組立端面図である。
【図23】本発明の第1及び第3の実施形態からなるサセプタを組合せて構成したサセプタの組立端面図である。
【図24】本発明の第1及び第3の実施形態からなるサセプタを積層して構成したサセプタの組立端面図である。
【図25】本発明の第3の実施形態からなるサセプタを積層して構成したサセプタの組立端面図である。
【図26】サセプタを内蔵した基板熱処理装置の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 サセプタ
2 面状ヒーター
3 伝熱プレート
4 押さえ板
5 熱遮へい板
6 押さえ板の接合面
7 伝熱プレートの接合面
8 突起部
8a 凹部
8b 壁部
8c テーパ
8d 角溝
9 溝部
9a 底面
9b 幅広部
9c 角溝
10 ラビリンス
11 シール材
12 冷却剤流路用溝
13 取付溝
14 シーズヒーター
15 冷却パイプ
16 外部接続部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を加熱又は冷却処理するサセプタに関し、詳しくは半導体素子や液晶パネルの製造工程において、半導体ウェハや液晶用ガラスなどの基板を加熱又は冷却処理する基板熱処理装置に用いられるサセプタに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子や液晶パネルの製造工程においては、図26に示すような基板熱処理装置30を用いて、半導体ウェハや液晶用ガラスなどの基板31の加熱処理や冷却処理が行われている。この基板熱処理装置30において、基板31を加熱又は冷却するサセプタ32は、加熱源又は冷却源33を上下から伝熱プレート34と押え板35により挟み込んで接合した構造を有しており、伝熱プレート34及び押え板35の材料には、熱伝導性に優れたアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金などが用いられている。それら伝熱プレート34と押さえ板35は、外周部を溶接又はろう付けすることにより接合されるが、その際にピンホールやガスの巻き込みが発生するため、接合部の強度が低下するという問題があった。また、基板熱処理装置30内部を真空状態にしたときに、ピンホールからガス等が漏れ出て真空度を低下させてしまい、基板31の熱処理に悪影響を与えるという問題もあった。
【0003】
これらの問題を解決するため、特許文献1は、伝熱プレートと押さえ板の接合面の対向位置に環状突出部と溝部を設け、それらを組み合わせて鍛圧圧縮して締結したサセプタを提案している。
【0004】
しかし、このサセプタは、環状突出部と溝部の形状が単純であるため、サセプタの気密性を高真空度や液体中での熱処理に対応できる程度にまで向上するのは困難であるという問題があった。また、ヒータープレートとして使用される加熱領域の温度近傍(例えば、400℃)まで昇温して鍛圧するので、伝熱プレートと押さえ板の材質によっては変形したり組織変化して特性が変化してしまう可能性があると共に、特別な設備と作業が必要となるため、製造コストが高くなってしまうという問題もあった。
【特許文献1】特開2002−270347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、気密性を向上すると共に、製造時において変形したり特性が変化したりすることがなく、かつ製造コストを低減したサセプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明のサセプタは、金属製の第1プレートと第2プレートとの間に基板加熱手段又は基板冷却手段を挟んでなるサセプタであって、前記第1プレートの接合面に、上面に凹部を有する突起部を設けると共に、前記第2プレートの接合面に、断面が略T字状の溝部を前記突起部に対向するように設け、前記突起部を前記溝部に嵌入してかしめることにより前記第1プレートと前記第2プレートとを接合したことを特徴とするものである。
【0007】
前記突起部の凹部の底面又は前記溝部の底面に細溝を形成し、該細溝にシール材を載置し、そのシール材は、Oリング又はメタルシールとすることが望ましい。
【0008】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板加熱手段が前記突起部の内側に設置された金属箔ヒーター、マイカ巻付ヒーター又はシーズヒータからなることが望ましい。
【0009】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板冷却手段が、前記突起部の内側であって前記第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方の接合面に形成された断面が略矩形、略半円状若しくは略U字状の溝からなる冷却材流路、又は該溝内に設置された冷却パイプからなることが望ましい。
【0010】
前記突起部の凹部の底面及び/又は前記溝部の底面に、断面略半円状又は断面略U字状の溝を形成し、該溝内に前記基板加熱手段又は基板冷却手段を設置し、その溝は、一端から他端までが連続する同心円状又は蛇行状に設けることが望ましい。
【0011】
前記基板加熱手段をシーズヒータとし、前記基板冷却手段を冷却パイプとすることが望ましい。
【0012】
上記のいずれかに記載のサセプタから選ばれる複数のサセプタを積層することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、金属製の第1プレートと第2プレートとの間に基板加熱手段又は基板冷却手段を挟んでなるサセプタであって、第1プレートの接合面に、上面に凹部を有する突起部を設けると共に、第2プレートの接合面に、断面が略T字状の溝部を前記突起部に対向するように設け、突起部を溝部に嵌入してかしめることにより第1プレートと第2プレートとを接合するようにしたので、突起部が塑性変形して溝部内を埋めて互いに固定されると共に、その凹部の両壁部が拡開して溝部の底面の幅広部へ侵入してラビリンスを形成するので、サセプタの気密性を向上することができる。また、かしめは一般のプレス機を用いて室温で行うことができるため、製造時においてサセプタが変形したり特性が変化したりすることがなく、かつ製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態からなるサセプタの組立端面図を示す。なお、ここでは基板加熱源を備える場合を例に取る。
【0016】
このサセプタ1は、基板加熱源である面状ヒーター2を上下からそれぞれ第2プレートである伝熱プレート3と第1プレートである押さえ板4とにより挟み、接合部Aにおいて接合することにより構成される。面状ヒーター2には、金属箔ヒーター又はマイカ巻付ヒーターが用いられ、伝熱プレート3の接合面7に熱遮へい板5とともに図示しないネジ等により固定される。伝熱プレート3及び押さえ板4の材料には、熱伝導性に優れたアルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金などが用いられる。半導体ウェハや液晶用ガラスなどの基板は、伝熱プレート3上に直接に又は複数のプロキシミティピン(図示せず)を介して載置され、面状ヒーター2によって伝熱プレート3を通じて加熱処理される。従って、サセプタ1の平面形状は、基板が半導体ウェハの場合には円形となり、液晶用ガラスの場合には矩形となる。
【0017】
このようなサセプタ1において、接合部Aは、押さえ板4の接合面6に外周に沿って環状に設けられた突起部8と、その突起部8に対向するように伝熱プレート3の接合面7に環状に設けられた溝部9とから構成される。
【0018】
図2に示すように、押さえ板4の突起部8の断面は、上面に形成された凹部8aによる2つの壁部8bを有する先割れ状になっており、また伝熱プレート3の溝部9の断面は、底面9aに幅広部9bを有する略T字状となっている。この突起部8を溝部9に嵌入させ、垂直方向に圧力を加えてかしめることにより伝熱プレート3と押さえ板4を接合して、図3に示すようにサセプタ1が製造される。
【0019】
この接合工程を詳細に説明すると、図4(a)のように互いを突き合わせてから突起部8を溝部9に嵌入させて圧力を加えると、図4(b)のように突起部8は溝部9の底面9aにぶつかり圧縮されて塑性変形する共に、壁部8bが拡開して溝部9の幅広部9b内へ侵入して、図4(c)のように溝部9が突起部8により埋められ互いに固定されると共に、サセプタ径方向にラビリンス10が形成される。
【0020】
このように、上面に凹部8aが形成された突起部8を、断面が略T字状の溝部9に嵌入してかしめることにより、伝熱プレート3と押さえ板4とを接合してサセプタ1を製造するようにしたので、突起部8が塑性変形して溝部9を埋めて互いに固定されると共に、径方向にラビリンス10が形成されるため、サセプタ1の気密性を向上することができる。また、かしめは一般のプレス機を用いて室温で行うことができるため、サセプタ1が変形したりその特性が変化することがなく、かつ製造コストを低減することができる。更に、接合部Aにラビリンスが形成されるので、突起部8の高さと溝部9の深さを小さくしても高い気密性を得ることができるため、突起部8と溝部9の加工が容易なものとなると共に、狭いスペースでもサセプタ1の製造を行うことができるので、製造コストをより低減することができる。
【0021】
突起部8については、図5に示す全体幅W1に対して凹部8aの底面幅W2は0.4〜0.8倍の大きさとすることが好ましい。0.4未満であると壁部8bの幅が太くなって拡開しにくくなり、0.8を超えると壁部8bの幅が細くなって折損するおそれがある。また、壁部8bが折損するおそれを減らすと共に、溝部9の幅広部9b内へ侵入しやすくするために、壁部8bの内側にテーパー8cを形成して先細の形状となるようにし、テーパー8cの垂直方向に対する角度αを5〜45°、より好ましくは5〜30°とする。なお、全体幅W1に対する底面幅W2が0.8を超えるような場合には、図6に示すように、テーパー8cを壁部8bの先端にのみ形成するのがよく、テーパー8cの垂直方向からの角度βは10〜80°、より好ましくは15〜60°とするのがよい。
【0022】
また、溝部9については、突起部8が嵌入できるように、図7に示す入口幅W3を突起部8の全体幅W1よりもわずかに大きくすることが好ましい。更に、かしめ後に溝部9の内容積の少なくとも90%が突起部8によって埋められるように、突起部8の全体高さH1と凹部8aの深さH2、及び溝部9の開口幅W3と全体深さH3を設定することが好ましい。特に、溝部9における幅広部9bが、突起部8の壁部8bにより埋められるように、幅広部9bの高さH4及び奥行きW4を設定することが好ましい。
【0023】
図8は、本発明の第2の実施形態からなるサセプタの接合部を示す。
【0024】
この実施形態は、突起部8の凹部8aの底面の一部に角溝8dを形成し、その中にシール材11を載置したものである。シール材11としては、天然ゴム、フッ素ゴム又はシリコンゴム製のOリングや、インコネル又はステンレス製のメタルシールが例示される。また、メタルシールの一種として、中空の薄肉パイプを用いてもよい。このようにシール材11を載置することにより、かしめ後に突起部8と溝部9との間にシール材11が介在して間隙が埋められるため、サセプタ1の気密性を更に向上することができると共に、突起部8や溝部9の寸法精度に余裕を持たせられるので製造コストを低減することができる。
【0025】
また、この実施形態の別の例として、図9に示すように、溝部9の底面9aに角溝9cを形成して、シール材11を載置するようにしてもよい。
【0026】
上記の第1及び第2の実施形態における基板加熱源は、面状ヒータ2に限られるものではなく、図10に示すように、接合面に形成した溝部内に設置したシーズヒータ14でもよい。このシーズヒータ14は伝熱プレート3又は押さえ板4を貫通して、図示しない外部の電源等に接続される。
【0027】
また、基板加熱源の代わりに基板冷却源を伝熱プレート3と押さえ板4の間に挟むようにすることができる。基板冷却源としては、図11に示すような、伝熱プレート3と押さえ板4の少なくとも一方の接合面に形成された断面が略矩形の溝12a、略半円状の溝12b又は略U字状の溝12cからなる冷却材流路や、図12に示すようなそれらの溝内に設置された内部を冷却材が流れる冷却パイプ15を用いることができる。なお、図12は、両接合面の対向する位置に形成された断面が略半円状の溝12b、及び伝熱プレート3の接合面のみに形成した断面が略U字状の溝12c内に、それぞれ冷却パイプ15を設置した場合を例示するものである。これらの冷却流路及び冷却パイプ15は、伝熱プレート3又は押さえ板4を貫通して、図示しない外部の冷却材供給装置等に接続される。
【0028】
突起部8及び溝部9は一対に限られるものではなく、例えば直径が12インチ以上となる大型の半導体ウェハ用サセプタの場合には、図13に示すように中心部付近にも突起部8と溝部9を環状に設けることが好ましい。また、基板をサセプタ1と搬送治具との間で移し替えるリフタピンを設置するような場合には、サセプタ1に設けられるリフタピンの挿通孔の周囲に突起部8と溝部9を設けることが好ましい。
【0029】
図14及び図15は、本発明の第3の実施形態からなるサセプタを示す。
【0030】
この実施形態は、接合部Bにおける突起部8の凹部8aの底面と溝部9の底面9aに、断面略半円状又は断面略U字状の取付溝13を形成し、基板加熱源であるシーズヒータ14又は基板冷却源である冷却パイプ15を取付溝13内に載置したものである。取付溝13は、図16に示すように、突起部8の凹部8aの底面にのみ形成してもよく、あるいは図17に示すように、溝部9の底面9aにのみ形成してもよい。これら突起部8と溝部9とは、シーズヒータ14又は冷却パイプ15の配置に沿って、図18に示すように、一端から他端まで連続する円心状、又は図19に示すような連続する蛇行状に設けられる。なお、シーズヒータ14又は冷却パイプ15の外部接続部16は、図20に示すように、接合面6を平行な方向へ延びるようにしてもよい。
【0031】
このように、シーズヒータ14又は冷却パイプ15を、突起部8と溝部9との間に挟むようにすることで、かしめによる伝熱プレート3と押さえ板4の接合と、シーズヒータ14又は冷却パイプ15の気密性向上及び取付けとを同時に行うことができるため、サセプタ1の製造工程を簡略化して製造コストを更に低減することができる。
【0032】
なお、本実施形態においても、大型の半導体ウェハ用サセプタに適用する場合には、気密性を向上するために、図21に示すように、中心部付近に第1の実施形態における突起部8と溝部9を設けることが好ましい。
【0033】
本実施形態においては、基板加熱源と基板冷却源を同時に備えたサセプタ1を構成することができる。図22は、突起部8と溝部9との間にシーズヒータ14を挟むと共に、その径方向内側の接合面に溝を形成して冷却パイプ15を設置して構成したサセプタ1を示す。このように、基板加熱源と基板冷却源を組み合わせるに際しては、熱効率を向上するために、熱エネルギーロスが大きい基板加熱源を伝熱プレート3の径方向外側に配置し、基板冷却源を径方向内側に配置することが好ましい。
【0034】
以上に説明した全ての実施形態においては、突起部8を伝熱プレート3に、溝部9を押さえ板4に、それぞれ設けるようにしてもよいことはもちろんである。
【0035】
また、それぞれの実施形態を組み合わせて1台のサセプタを構成することができる。例えば図23に示すように、伝熱プレート3の径方向外側に面状ヒータ2を備えた第1の実施形態を配置し、径方向内側に冷却パイプ15を備えた第3の実施形態を配置することによりサセプタ1を構成することができる。
【0036】
更に、複数の実施形態を積層してサセプタを構成することができる。例えば図24は、押さえ板4を共有して上方から順に面状ヒータ2を備えた第1の実施形態と、冷却パイプ15を備えた第3の実施形態とを積層したサセプタ1の例を示す。また、図25は、同様にして、シーズヒータ14を備えた第3の実施形態と、冷却パイプ15を備えた第3の実施形態とを積層したサセプタ1の例を示す。なお、加工性を向上するために、共有される押さえ板4には溝部9(又は突起部8)のみを形成すると共に、サセプタ1全体の厚みを薄くするために、押さえ板4の両面に形成される溝部9(又は突起部8)は径方向に互いに重ならないようにすることが好ましい。
【0037】
このような積層構造のサセプタとすることにより、広い温度範囲の熱処理を行うことができたり、加熱処理と冷却処理を1台のサセプタで行うことができるため、サセプタの性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態の第1の例からなるサセプタの組立端面図である。
【図2】図1におけるA部の拡大端面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態からなるサセプタの断面図である。
【図4】接合部の作用を説明する説明図である。
【図5】突起部の形状寸法を説明する説明図である。
【図6】突起部の別の例の形状寸法を説明する説明図である。
【図7】溝部の形状寸法を説明する説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の別の例からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の第2の例からなるサセプタの端面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の第3の例からなるサセプタの端面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の第4の例からなるサセプタの端面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態からなる大型のサセプタの組立端面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態からなるサセプタの組立端面図である。
【図15】図14におけるB部の拡大断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の第2の例からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態の第3の例からなるサセプタの接合部の拡大断面図である。
【図18】図14におけるC−C矢視であるシーズヒータ又は冷却パイプの配置を示す平面図である。
【図19】図14におけるC−C矢視であるシーズヒータ又は冷却パイプの配置の別の例を示す平面図である。
【図20】図14におけるC−C矢視であるシーズヒータ又は冷却パイプの配置の更に別の例を示す平面図である。
【図21】本発明の第3の実施形態からなる大型のサセプタの組立端面図である。
【図22】本発明の第3の実施形態の第4の例からなるサセプタの組立端面図である。
【図23】本発明の第1及び第3の実施形態からなるサセプタを組合せて構成したサセプタの組立端面図である。
【図24】本発明の第1及び第3の実施形態からなるサセプタを積層して構成したサセプタの組立端面図である。
【図25】本発明の第3の実施形態からなるサセプタを積層して構成したサセプタの組立端面図である。
【図26】サセプタを内蔵した基板熱処理装置の断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 サセプタ
2 面状ヒーター
3 伝熱プレート
4 押さえ板
5 熱遮へい板
6 押さえ板の接合面
7 伝熱プレートの接合面
8 突起部
8a 凹部
8b 壁部
8c テーパ
8d 角溝
9 溝部
9a 底面
9b 幅広部
9c 角溝
10 ラビリンス
11 シール材
12 冷却剤流路用溝
13 取付溝
14 シーズヒーター
15 冷却パイプ
16 外部接続部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の第1プレートと第2プレートとの間に基板加熱手段又は基板冷却手段を挟んでなるサセプタであって、
前記第1プレートの接合面に、上面に凹部を有する突起部を設けると共に、前記第2プレートの接合面に、断面が略T字状の溝部を前記突起部に対向するように設け、前記突起部を前記溝部に嵌入してかしめることにより前記第1プレートと前記第2プレートとを接合したサセプタ。
【請求項2】
前記突起部の凹部の底面又は前記溝部の底面に細溝を形成し、該細溝にシール材を載置した請求項1に記載のサセプタ。
【請求項3】
前記シール材が、Oリング又はメタルシールである請求項2に記載のサセプタ。
【請求項4】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板加熱手段が前記突起部の内側に設置された金属箔ヒーター、マイカ巻付ヒーター又はシーズヒータからなる請求項1〜3のいずれかに記載のサセプタ。
【請求項5】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板冷却手段が、前記突起部の内側であって前記第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方の接合面に形成された断面が略矩形、略半円状若しくは略U字状の溝からなる冷却材流路、又は該溝内に設置された冷却パイプからなる請求項1〜3のいずれかに記載のサセプタ。
【請求項6】
前記突起部の凹部の底面及び/又は前記溝部の底面に、断面略半円状又は断面略U字状の溝を形成し、該溝内に前記基板加熱手段又は基板冷却手段を設置した請求項1に記載のサセプタ。
【請求項7】
前記溝を、一端から他端までが連続する同心円状又は蛇行状に設けた請求項6に記載のサセプタ。
【請求項8】
前記基板加熱手段がシーズヒータである請求項6又は7に記載のサセプタ。
【請求項9】
前記基板冷却手段が冷却パイプである請求項6又は7に記載のサセプタ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のサセプタから選ばれる複数のサセプタを積層してなるサセプタ。
【請求項1】
金属製の第1プレートと第2プレートとの間に基板加熱手段又は基板冷却手段を挟んでなるサセプタであって、
前記第1プレートの接合面に、上面に凹部を有する突起部を設けると共に、前記第2プレートの接合面に、断面が略T字状の溝部を前記突起部に対向するように設け、前記突起部を前記溝部に嵌入してかしめることにより前記第1プレートと前記第2プレートとを接合したサセプタ。
【請求項2】
前記突起部の凹部の底面又は前記溝部の底面に細溝を形成し、該細溝にシール材を載置した請求項1に記載のサセプタ。
【請求項3】
前記シール材が、Oリング又はメタルシールである請求項2に記載のサセプタ。
【請求項4】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板加熱手段が前記突起部の内側に設置された金属箔ヒーター、マイカ巻付ヒーター又はシーズヒータからなる請求項1〜3のいずれかに記載のサセプタ。
【請求項5】
前記突起部を前記接合面に環状に設けると共に、前記基板冷却手段が、前記突起部の内側であって前記第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方の接合面に形成された断面が略矩形、略半円状若しくは略U字状の溝からなる冷却材流路、又は該溝内に設置された冷却パイプからなる請求項1〜3のいずれかに記載のサセプタ。
【請求項6】
前記突起部の凹部の底面及び/又は前記溝部の底面に、断面略半円状又は断面略U字状の溝を形成し、該溝内に前記基板加熱手段又は基板冷却手段を設置した請求項1に記載のサセプタ。
【請求項7】
前記溝を、一端から他端までが連続する同心円状又は蛇行状に設けた請求項6に記載のサセプタ。
【請求項8】
前記基板加熱手段がシーズヒータである請求項6又は7に記載のサセプタ。
【請求項9】
前記基板冷却手段が冷却パイプである請求項6又は7に記載のサセプタ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のサセプタから選ばれる複数のサセプタを積層してなるサセプタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
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【図4】
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【図9】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2009−117486(P2009−117486A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286620(P2007−286620)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(390008497)日本電熱株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(390008497)日本電熱株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
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