説明

ザラゴジン酸およびその誘導体を得る方法

本発明の目的は、ザラゴジン酸およびその誘導体を得る方法、この合成の中間化合物およびこれらの中間化合物のザラゴジン酸の調製における使用を提供することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ザラゴジン酸およびその誘導体の合成方法およびその合成の中間体に関する。また、本発明は、前記中間体のザラゴジン酸の合成における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ザラゴジン酸類[Nadin,A.;Nicolaou,K.C.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1996,35,1622−1656]は、天然物に属するものであり、最初に単離されたのはザラゴジン酸A(IA、スキーム1)であった。1991年から1992年の間に、3つの独立したグループにより同時に単離された。Merckグループはそれをザラゴジン酸Aと称したのに対して、グラクソおよび東京農工大/三菱化成グループはスクアレスタチンS1と称した。
【化1】

【0003】
WO93/16066およびWO93/17557は、種々の真菌培養物からザラゴジン酸の誘導体を分離することを記載している。同様に、得られた化合物の化学的修飾およびコレステロール値減少剤としての有効性が示されている。また、WO94/04144は、種々のザラゴジン酸の類似体、さらにはそれらのスクアレンシンターゼ酵素阻害活性を開示している。
【0004】
ザラゴジン酸類は、それらの構造において、共通の二環グループ、2,8−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン(環Aおよび環B、スキーム1)を有し、それは6個の連続した立体中心(炭素C3、C4、C5、C6、C7およびC1)を有し、それらのうちの3個が四級(炭素C1、C4およびC5)である。ザラゴジン酸類に属するものの間の構造的な差異は、共通の二環骨格のC6の位置およびC1の位置にそれぞれ有する異なる置換基RおよびRにある(スキーム2参照)。
【化2】

【0005】
コレステロール減少に有効である薬剤としてのこれらの生物活性が顕著であるとともに、構造が非常に複雑であることから、ザラゴジン酸は、多数の研究グループの注目を集めた。ザラゴジン酸A(IA)の合計3つの合成法が、これまでに文献に記載されている。一つは、Nicolaou博士[a)Nicolaou,K.C.;Yue,E.W.;Naniwa,Y.;DeRiccardis,F.;Nadin,A.;Leresche,J.E.;La Greca,S.;Yang,Z.Angew.Chem. Int. Ed. Engl.1994,33,2184−2187;b)Nicolaou,K.C.;Nadin,A.;Leresche,J.E.;La Greca,S.;Tsuri,T.;Yue,E.W.;Yang,Z.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1994,33,2187−2190;c)Nicolaou,K.C.;Nadin,A.;Leresche,J.E.;Yue,E.W.;La Greca,S.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1994,33,2190−2191;d)Nicolaou,K.C.;Yue,E.W.;La Greca,S.;Nadin,A.;Yang,Z.;Leresche,J.E.;Tsuri,T.;Naniwa,Y.De Riccardis,F.Chem.Eur.J.1995,1,467−494;e)Nicolaou,K.C.;Sorensen,E.J.Classics in Total Synthesis;VCH Publishers:New York,1996.pp.:673−709]により開発されたものであり;もう一つは、Heathcock博士[a)Stoermer,D.;Caron,S.;Heathcock,C.H.J.Org.Chem.1996,61,9115−9125;b)Caron,S.;Stoermer,D.;Mapp,A.K.;Heathcock,C.H.J.Org.Chem.1996,61,9126−9134]により開発されたものであり;そして別のもう一つは、Tomooka博士[Tomooka,K.;Kikuchi,M.;Igawa,K.;Suzuki,M.;Keong,P.−H.;Nakai,T.Angew.Chem.Int.Ed.2000,39,4502−4505]により開発されたものである。ザラゴジン酸C(IC)について、合計5つの合成法が開発されており、それらは、Carreira博士のグループ[a)Carreira,E.M.;Du Bois,J.J.Am.Chem.Soc.1994,116,10825−10826;b)Carreira,E.M.;Du Bois,J.J.Am.Chem.Soc.1995,117,8106−8125],Evans博士のグループ,[Evans,D.A.;Barrow,J.C.;Leighton,J.L.;Robichaud,A.J.;Sefkow,M.J.Am.Chem.Soc.1994,116,12111−12112]、Armstrong博士のグループ[a)Armstrong,A.;Jones,L.H.;Barsanti,P.A.Tetrahedron Lett.1998,39,3337−3340;b)Armstrong,A.;Barsanti,P.A.;Jones,L.H.;Ahmed,G.J.Org.Chem.2000,65,7020−7032]、そして2つがHashimoto博士のグループ[a)Kataoka,O.;Kitagaki,S.;Watanabe,N.;Kobayashi,J.;Nakamura,S.;Shiro,M.;Hashimoto,S.Tetrahedron Lett.1998,39,2371−2374;b)Nakamura,S.;Hirata,Y.;Kurosaki,T.;Anada,M.;Kataoka,O.;Kitagaki,S.;Hashimoto,S.Angew.Chem.Int.Ed.2003,42,5351−5355;a)Sato,H.;Nakamura,S.;Watanabe,N.;Hashimoto,S.Synlett1997,451−454;b)Nakamura,S.;Sato,H.;Hirata,Y.;Watanabe,N.;Hashimoto,S.Tetrahedron2005,61,11078−11106;c)Nakamura,S.Chem.Pharm.Bull.2005,53,1−10])による。
【0006】
一方、Johnsonグループは、シクロヘプタトリエンからザラゴジン酸の共通骨格を調製した[Xu,Y.;Johnson,C.R.Tetrahedron Lett.1997,38,1117−1120]。
【0007】
これらは、その利用の際に多数の工程を必要とし、低収率および多数の保護基を必要とするなどの課題を有する。したがって、好ましくは以下の特性を満足するザラゴジン酸およびその誘導体を得る方法を提供する必要がある:
−保護基の数が少数であること;
−可能であり且つ安価な市販原料;
−妥当な工程数;
−高度でない実験プロセス;または
−最終収率が良いこと。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明による合成法により、少ない工程数で且つ高収率で式(II)または式(III)の化合物から式(I)の化合物を得ることができることが見出された。前記式(I)の化合物は、全てのザラゴジン酸に共通の二環構造2,8−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン(この共通構造を介して公知のザラゴジン酸の種々の誘導体を得ることができる)を含むので、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体の調製において汎用性のある中間体である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の第一の態様によれば、式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る方法であって、酸性媒体中において、式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(II)の化合物と式(III)の化合物との混合物を反応させることを特徴とする方法が提供される。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIIa)、式(VIIb)、式(VIII)、式(VIIa)、式(VIIIb)、式(IX)、式(IXa)、式(IXb) 式(X)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)および式(XV)、それらの立体異性体、とりわけ鏡像異性体、またはそれらの混合物、ならびにそれらを得る方法が提供される。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体、それらの立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物を調製する方法であって、以下の工程を含んでなることを特徴とする方法が提供される:
(i) 酸性媒体中において、式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(II)の化合物と式(III)の化合物との混合物を反応させて、式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程;
(ii) 塩基性媒体中において、前記式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を加水分解して、式(XXV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程;そして
(iii) 前記式(XXV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を式(XXII)の化合物と、塩基の存在下で反応させて、式(XXVI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIIa)、式(VIIb)、式(VIII)、式(VIIa)、式(VIIIb)、式(IX)、式(IXa)、式(IXb)、式(X)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XV)および/または式(XVI)の化合物、その立体異性体、とりわけ鏡像異性体もしくはそれらの混合物の、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体、それらの立体異性体、とりわけ鏡像異性体もしくはそれらの混合物の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第一の態様によれば、式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る方法であって:
【化3】

[式中、
はいずれかの位置がC〜Cアルキル、C〜Cアルキリデン、C〜Cアルキルカルボキシヒドロキシル、ヒドロキシルおよび保護されたヒドロキシルからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換されていないか置換されており;および/または鎖の末端位置が、C〜C10アリール、C〜Cアルキルからなる群から選択される少なくとも一つの基またはハロゲンにより置換されていないかまたは置換されていてもよい、各環が5もしくは6員環である単環もしくは二環ヘテロアリールからなる群から選択される基で選択されている、C〜C20アルキルおよびC〜C20アルケニルからなる群から選択されるものであり;そして
、RおよびRは独立してC〜Cアルキルからなる群から選択されるものである]
該方法が、
酸性媒体中において、式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(II)の化合物と式(III)の化合物の混合物:
【化4】

[式中、
、R、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
はC〜Cアルキル基である]
を反応させることを特徴とする方法が提供される。
【0014】
好ましい実施態様によれば、RおよびRが、同一のものであり、より好ましくはR、RおよびRが同一のものであり、好ましくはメチルである。式(II)および式(III)の化合物は、予めザラゴジン酸およびその誘導体の立体中心を含んでいる。以下の理論に拘束されることを意図するわけではないが、まず、OR基が、同時または続いてのオキソニウムイオンの形成および続いての転位で失われて、式(I)の化合物が形成される。したがって、式(I)の化合物の形成は、式(II)および(III)の化合物のテトラヒドロフラン環のアセタール位置における立体化学とは無関係である。
【0015】
好ましい実施態様によれば、酸性媒体は、無機プロトン酸、例えば、HCl、HSOまたはHNOを添加物として含んでなる。好ましくは酸性媒体は希釈酸性媒体であり、好ましくは反応総容積に対する容積濃度が0.1〜20%、より好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜5%である。別の好ましい実施態様によれば、溶媒は、式ROHのアルコールである。別の好ましい実施態様によれば、反応を0〜100℃、より好ましくは25〜90℃、より好ましくは50〜80℃の温度でおこなう。反応は好ましくは密閉容器(例えば、キンブル(Kimble)(登録商標)中でおこなう。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、式(II)および式(III)の化合物、それらの鏡像異性体またはそれらの混合物が提供される。
【0017】
本発明のさらなる態様によれば、式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物の合成方法であって、
式(IV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化5】

[式中、
、R、RおよびRは上記定義の通りであり;そして
はC〜Cアルキル基である]
をジヒドロキシル化することを含んでなる方法が提供される。
【0018】
したがって、式(IV)の化合物からの2つの合成工程において、簡単な反応(ジヒドロキシル化および酸性媒体)および高いまたは満足できる収率により、そしてさらに保護基を必要としないというさらなる利点とともに、ザラゴジン酸およびその誘導体の核を生成することができた。式(IV)の化合物のジヒドロキシル化は、同じ反応媒体において、前工程でのジオールの形成、続いての保護および続いての環化前の脱保護の必要なく、転位により進行する。
【0019】
ジヒドロキシル化反応は、有機分子の合成において広く使用されている反応であり、Smith,M.B.;March,J.March’s Advanced Organic Chemistry;John Wiley & Sons:New York,2001.pp.:1048−1051に記載されているような当業者に公知の条件下でおこなうことができる。好ましい実施態様によれば、ジヒドロキシル化は、四酸化オスミウム/N−メチルモルホリン−N−オキシドまたは過マンガン酸カリウムの存在下でおこなう。より好ましくは、ヒドロキシル化は、RuCl/NaIOの存在下(この転換をおこなうのに有用な条件;a)Shing,T.K.M.;Tai,V.W.−F.;Tam,E.K.W.Angew.Chem. Int.Ed.Engl.1994,33,2312−2313;b)Shing,T.K.M.;Tai,V.W.−F.;Tam,E.K.W.;Chung,I.H.F.;Jiang,Q.Chem.Eur.J.1996,2,50−57;or c)Plietker,B.;Niggemann,M.Org. Lett.2003,5,3353−3356参照)でおこなう。
【0020】
好ましい実施態様によれば、合成方法は、式(IVa)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、RuClの存在下でジヒドロキシル化して、式(II)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を生成させることを含んでなる:
【化6】

[式中、
、R、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
はC〜Cアルキル基である]。
【0021】
別の好ましい実施態様によれば、式(IVb)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、RuClの存在下でジヒドロキシル化して、式(III)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を生成させることを含んでなる:
【化7】

[式中、
、R、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
はC〜Cアルキル基である]。
【0022】
したがって、本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物、それらの鏡像異性体またはそれらの混合物および、したがって、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体を得ることができる中間体である、前記で定義した式(IV)、式(IVa)または式(IVb)、それらの立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物が提供される。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、式(IV)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、式(V)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物を、酸性媒体中において処理することを含んでなる方法が提供される:
【化8】

[式中、
、R、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
およびRの各々は、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択されるものであり;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにC〜Cアルキリデン基を形成するものである]。
【0024】
この方法の条件は、アセタール類の除去には典型的なものであり、この場合には、驚くべきことに、付随して環化を伴い、式(IV)の化合物に特徴的なアセタールテトラヒドロフラン環を形成する。この転換に有用な条件は、a)Lu,W.;Zheng,G.;Cai,J.Tetrahedron 1999,55,4649−4654;またはb)Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis;John Wiley & Sons:Hoboken,2007.pp.:306−321(これらは、引用することにより本明細書の開示の一部とされる)に記載されている。好ましい実施態様によれば、反応を、p−トルエンスルホン(p−TsOH)の存在下でおこなう。別の好ましい実施態様によれば、溶媒は、式ROH、好ましくは式ROHで表されるアルコールである。
【0025】
したがって、本発明の別の態様によれば、上で定義されている、式(V)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体の合成に有用な中間体が提供される。
【0026】
本発明のさらなる態様は、式(V)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、
(i)式(VII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物から、前記トリアルキルシリル基を除去して、式(VI)の化合物,その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化9】

[式中、
、R、R、R、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
はトリアルキルシリル基である]
を生成する工程、および
(ii)式(VI)の化合物,その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物のヒドロキシル基を酸化する工程と
を含んでなることを特徴とする、方法に関する。
【0027】
明らかなように、工程(i)は、トリアルキルシリル基の除去、すなわち、Rを水素に転換することを含んでなる。前記転換は、通常脱保護として理解され、そして種々の条件下でおこなう(例えば、Kocienski,P.J.Protecting Groups;Thieme:Stuttgart,2000.pp.:188−230参照)。好ましい実施態様によれば、トリアルキルシリル基を、式(VII)の化合物から除去して、例えば、1%HClなどの希釈酸性媒体において式(VI)の化合物を生じさせる。
【0028】
好ましい実施態様によれば、工程(ii)を、PCCまたはIBX、好ましくはIBXの存在下でおこなう。好適な条件は、a)Frigerio,M.;Santagostino,M.;Sputore,S.;Palmisano,G.J. Org. Chem.1995,60,7272−7276;b)Frigerio,M.;Santagostino,M. Tetrahedron Lett.1994,35,8019−8022;c)Corey,E.J.;Palani,A.Tetrahedron Lett.1995,36,3485−3488;d)Wirth,T.Angew.Chem.Int.Ed.2001,40,2812−2814に記載されている。好ましくは、酢酸エチルを溶媒として使用し、反応のワークアップにおいて、過剰の試薬およびそれらの誘導体副生成物を、反応が完了した後の濾過により除去できる(More,J.D.;Finney,N.S.Org.Lett.2002,4,3001−3003)。
【0029】
したがって、本発明の別の態様によれば、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体を得ることができる中間体である、前記で定義した式(VI)または式(VII)の化合物、それらの立体異性体、とりわけそれらの鏡像異性体またはそれらの混合物が提供される。
【0030】
本発明のさらなる態様によれば、式(VII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、式(VIII)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物と、式(XX)の化合物:
【化10】

[式中、
、R、R、R、R、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
Ar基の各々は、独立して、C〜C10アリール基から選択されるものである]
とを、反応させることを含んでなる方法が提供される。
【0031】
式(XX)で表されるイリドは、当該技術分野において公知の条件で調製してもよいし(Villa,M.J.;Warren,S.J.Chem.Soc.P.T 1 1994,12,1569−1572)、または市販品を購入してもよい。好ましい実施態様によれば、前記イリドは、[(メトキシカルボニル)メチレン]トリフェニルホスホランである。
【0032】
式(VII)の化合物と式(VIII)の化合物の両方は、炭素C7の配置とは無関係にザラゴジン酸を得るのに有用である。前記t−ヒドロキシルの配置は、例えば、Shi,Y.−J.;Hughes,D.L.;McNamara,J.M.Tetrahedron Lett.2003,44,3609−3611;またはMukaiyama,T.;Shintou,T.;Fukumto,K.J.Am.Chem.Soc.2003,125,10538−10539に記載の条件で反転させることができる。したがって、好ましい実施態様によれば、式(VII)の化合物、それらの立体異性体、とりわけそれらの鏡像異性体またはそれらの混合物は、式(VIIa)または式(VIIb)の化合物、それらの立体異性体、とりわけそれらの鏡像異性体またはそれらの混合物である:
【化11】

【0033】
別の好ましい実施態様によれば、式(VIII)の化合物、その立体異性体、とりわけそれらの鏡像異性体またはそれらの混合物は、式(VIIIa)または式(VIIIb)、それらの立体異性体、とりわけそれらの鏡像異性体またはそれらの混合物である:
【化12】

【0034】
好ましい実施態様によれば、式(VIIb)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物を、光延配置反転反応により、式(VIIa)の化合物、その立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物に転換する。好ましくは、この転換は、Mukaiyama,T.;Shintou,T.;Fukumto,K.J.Am.Chem.Soc.2003,125,10538−10539(引用することによりその全体が本明細書の開示の一部とされる)に記載の条件下、より好ましくは別のクロロジフェニルホスフィンおよびカルボン酸の存在下でおこなう。別の好ましい実施態様によれば、前記転換を、Shi,Y.−J.;Hughes,D.L.;McNamara,J.M.Tetrahedron Lett.2003,44,3609−3611(引用することによりその全体が本明細書の開示の一部とされる)に記載の条件下、より好ましくはアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)/トリフェニルホスフィン(TPP)の存在下でおこなう。
【0035】
好ましくは、前記式(VIII)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物は、好ましくはIBXの存在下で、式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を酸化することにより得る:
【化13】

[式中、
、R、R、R、R、RおよびRは前記定義の通りである]。
【0036】
好ましくは、IBXによる酸化は、得られた式(VIII)の化合物を精製する必要なく、直接以下の反応工程に附することができる酢酸エチルの存在下でおこなう。したがって、好ましい実施態様によれば、式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、式(VII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物に、前記式(VIII)の化合物を単離することなく転換する。
【0037】
したがって、本発明の別の態様によれば、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体を得ることができる中間体である、前記で定義される式(VIII)または式(IX)の化合物、それらの鏡像異性体またはそれらの混合物が提供される。
【0038】
好ましい実施態様によれば、式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物は、式(IXa)または式(IXb)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物である:
【化14】

[式中、
、R、R、R、R、RおよびRは前記定義の通りである]。
【0039】
本発明のさらなる態様によれば、式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、式(X)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化15】

[式中、
、R、R、R、RおよびRは前記定義の通りである]
を、好ましくはOsOの存在下でジヒドロキシル化することを含んでなることを特徴とする方法が提供される。
【0040】
式(X)の化合物のジヒドロキシル化は、アルファまたはベータ側への攻撃により進行し、上記した式(IX)の2種の可能な化合物、それらの鏡像異性体またはそれらの混合物、とりわけ式(IXa)または式(IXb)の化合物、それらの鏡像異性体またはそれらの混合物を生成することができる。
【0041】
上記から明らかなように、光延反応により式(VII)または式(VII)の化合物における炭素C7の配置を反転することが可能であるので、両方の化合物は本発明の目的に有用である。
【0042】
別法として、前記ヒドロキシル化は、エナンチオ選択的な方法でおこなうことができる。この場合、原料がラセミ体である場合には、可能なジアステレオマーの一つが好ましくは生成する。したがって、それは、原料ラセミ体の速度論的分割であろう。Kolb,H.C.;VanNievwenhze,M.S.;Sharpless,K.B.Chem.Rev.1994,94,2483参照。したがって、本発明の別の態様によれば、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体を得ることができる中間体である、前記で定義されているような、式(X)の化合物またはそれらの混合物が提供される。
【0043】
本発明のさらなる態様によれば、式(X)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、式(XI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化16】

[式中、
、R、R、R、RおよびRは前記定義の通りである]
を、式(R)(R)C=Oの化合物またはその水和物もしくはアリールもしくはアルキルアセタールもしくはヘミアセタールの存在下で、アセタール化またはヘミアセタール化することを含んでなることを特徴とする方法が提供される。
【0044】
アセタールまたはヘミアセタールとしての式(XI)の化合物の1,2−ジオール基の保護は、当該技術分野において公知である以下の方法によりおこなうことができ、そして合成の全体を通じてこの基を安定に維持することができる。本発明に有用な1,2−ジオールを保護するための条件については、a)Konno,H.;Makabe,H.;Tanaka,A.;Oritani,T. Tetrahedron1996,52,9399−9408;またはb)Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Greene’sProtective Groups in Organic Synthesis;JohnWiley&Sons:Hoboken,2007.pp.:306−321(これらは引用することにより本明細書の一部とされる)を参照されたい。好ましい実施態様によれば、RおよびRはメチルであるか、または水素もしくはフェニルであるか;またはそれらが結合している炭素原子とともに、シキロヘキサンまたはシクロペンタン環を形成する。別の好ましい実施態様によれば、Rはメチルであり、Rはフェニルである。式(R)(R)C=Oの化合物を、ケトン型またはアセタール型もしくはセミアセタール型で使用することができる。別の好ましい実施態様によれば、式(XI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、触媒量の酸、好ましくはp−トルエンスルホン酸の存在下で2,2−ジメトキシプロパンと反応させる。
【0045】
したがって、本発明の別の態様によれば、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体を得ることできる中間体である、前記で定義される式(XI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物が提供される。
【0046】
本発明のさらなる態様によれば、式(XI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、以下の工程を含んでなることを特徴とする方法が提供される:
(i) 式PYの化合物の存在下で式(XXI)の化合物を反応させ、続いて式(XVI)の化合物、その立体異性体またはそれらの混合物を添加して、式(XV)の化合物、その立体異性体またはそれらの混合物を得る工程
【化17】

(ii) 好ましくはm−クロロ過安息香酸(m−CPBA)で前記式(XV)の化合物をエポキシ化して、式(XIV)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程
【化18】

(iii) 塩基、好ましくはDBUの存在下で、前記式(XIV)の化合物を異性化して、式(XIII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程
【化19】

(iv) トリアルキルシリル基を前記式(XIII)の化合物に導入して、式(XII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程
【化20】

(v) 前記式(XII)の化合物をジヒドロキシル化する工程
[式中、
、R、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
Y基の各々は、独立して、C〜C10アリール基またはC〜Cアルキル基から選択されるものである]。
【0047】
式(XV)の化合物の調製(工程(i))を、当該技術分野において記載されている方法にしたがっておこなうことができ、マルチグラムスケールでおこなわれている(Maryanoff, B.E.;Reitz,A.B.Chem.Rev.1989,89,863−927;Trost,B.M.;Melvin,L.S.Jr.J.Am.Chem.Soc.1976,98,1204−1212.)。好ましい実施態様によれば、式PYの化合物は、n−BuPである。化合物(XXI)および化合物(XVI)は、市販品を購入してもよいし、確立された方法に準じて得ることもできる。式(XXI)の化合物は、フマル酸エステル、好ましくはフマル酸ジメチルである。種々のフマル酸エステル、例えば、とりわけフマル酸ジメチルまたはフマル酸ジイソブチルを購入することができる。
【0048】
式(XVI)の種々の化合物も、容易に得ることができる。市販で入手できない式(XVI)の他の化合物は、例えば、a)Evans,D.A.;Barrow,J.C.;Leighton,J.L.;Robichaud,A.J.;Sefkow,M.J.Am.Chem.Soc.1994,116,12111−12112(化合物4);b)Tomooka,K.;Kikuchi,M.;Igawa,K.;Suzuki,M.;Keong,P.−H.;Nakai,T.Angew.Chem.Int.Ed.2000,39,4502−4505(化合物14、15または16);b)Nicolaou,K.C.;Yue,E.W.;Naniwa,Y.;De Riccardis,F.;Nadin,A.;Leresche,J.E.;La Greca,S.;Yang,Z.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1994,33,2184−2187(化合物6);またはc)Armstrong,A.;Jones,L.H.;Barsanti,P.A. Tetrahedron Lett.1998,39,3337−3340(化合物6);またはd)Evans等、Tetrahedron Lett.1993,34,8403(化合物9の調製については、Carreira,E.M.;Du Bois,J.J.Am.Chem.Soc.1994,116,10825−10826における文献4b参照)(これらの全ては引用することにより本明細書の開示の一部とされる)に記載されているのと同様な方法で調製できる。
【0049】
式(XV)の化合物のエポキシ化(工程(ii))は、m−クロロ過安息香酸等のエポキシ化剤の存在下でおこない、ラセミ型の式(XIV)の化合物を得ることができる。別法として、エポキシ化を、キラル試薬によりおこなって、式(XIV)の鏡像異性的に純粋または鏡像異性的に濃縮された化合物を生じさせ、続いてこれも鏡像異性的に純粋または鏡像異性的に濃縮された形態で得られる式(XIII)〜式(I)ならびに式(XXV)および式(XXVI)(以下で定義する)の中間体を生じさせることができる。したがって、キラルエポキシ化剤をこの時点で使用すると、鏡像異性的に純粋または鏡像異性的に濃縮された形態で式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体を得ることができる。エポキシ化を鏡像異性的におこなうのに有用なある条件が、Jacobsen−Katsuki(Katsuki,T.Adv.Synth.Catal.2002,344,131−147)2参照);またはShi(Wang,Z.X.;Tu,Y.;Frohn,M.;Zhang,J.R;Shi,Y.J.Am.Chem.Soc.1997,119,11224−11235参照)に挙げられている。
【0050】
式(XIV)の化合物を異性化(工程(iii))することにより、エポキシドを開環することができ、そして二重結合を異性化して、式(XIII)の化合物を提供することができる。使用される塩基は、好ましくはDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン)である。
【0051】
式(XIII)の化合物(工程(iv))のヒドロキシル基を保護して式(XII)の化合物を得ることができる条件についての説明のない例が、例えば、Dalla,V.;Catteau,J.P.Tetrahedron 1999,55,6497−6510に記載されており、この反応に使用できるトリアルキルシリル基およびそれらの導入および除去に好適な試薬が、当業者には公知である(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis;JohnWiley & Sons:Hoboken,2007参照)。
【0052】
特定の実施態様によれば、使用される塩基はイミダゾールであり、シリル化剤はTBDMSCl(塩化t−ブチルジメチルシリル)である。別の好ましい実施態様によれば、シリル化剤は、TBDMSOTf(t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート)である。
【0053】
前記したように、ジヒドロキシル化(工程(v))は、Smith,M.B.;March,J.March’s Advanced Organic Chemistry;John Wiley & Sons:New York,2001.pp.:1048−1051に記載のような、当業者に公知の条件下でおこなうことができる。好ましい実施態様によれば、ジヒドロキシル化は、四酸化オスミウム/N−メチルモルホリン−N−オキシドまたは過マンガン酸カリウムの存在下でおこなう。
【0054】
したがって、本発明のさらなる態様によれば、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体を得ることができる中間体である、前記で定義した式(XII)、式(XIII)、式(XIV)または式(XV)の化合物またはそれらの鏡像異性体またはそれらの混合物が提供される。
【0055】
さらなる態様によれば、本発明は、式(XXVI)で表されるザラゴジン酸およびその誘導体、それらの立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物の調製方法であって、以下の工程を含んでなることを特徴とする方法が提供される:
(i) 酸性媒体中において、前記で定義されている式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(II)の化合物と式(III)の化合物との混合物を反応させて、前記で定義したような式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程;
(ii) 塩基性媒体中において、前記式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物のエステル基を加水分解して、式(XXV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化21】

[式中、
は前記定義の通りである]
を得る工程;そして
(iii) 前記式(XXV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を式(XXII)の化合物と、塩基の存在下で反応させて、式(XXVI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化22】

[式中、
はC〜C20アルキルまたはC〜C20アルケニルからなる群から選択され、該基は、置換されていないか、またはC〜Cアルキルからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換され;および/または該基の末端位置においてC〜C10アリールからなる群から選択される基で置換され;
Zはヒドロキシルおよびアルコキシルからなる群から選択され;そして
は前記定義の通りである]
を得る工程。
【0056】
エステル基を加水分解して対応の酸基とすることは、当業者には公知である(例えば、Kocienski,P.J.ProtectingGroups;Thieme:Stuttgart,2000.pp.:393−425参照)。本発明に使用される条件は、好ましくは、式(XXV)の化合物の加水分解を、アルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物の存在下、例えば、LiOH、NaOH、Ba(OH)の存在下、またはNaSの存在下でおこなうものであるが、これには限定されない。
【0057】
式(XXII)の化合物のカップリングでは、式(XXV)の化合物をエステル化して、式(XXVI)の化合物を得ることが含まれる。この転換に好適な条件は、当該技術分野において公知である。例えば、Carreira,E.M.;DuBois,J.J.Am.Chem.Soc.1994,116,10825−10826に記載の条件(式(XXII)の化合物が酸塩化物(Z=Cl)である)、Stoermer,D.;Caron,S.;Heathcock,C.H.J.Org.Chem.1996,61,9115−9125またはEvans,D.A.;Barrow,J.C.;Leighton,J.L.;Robichaud,A.J.;Sefkow,M.J.Am.Chem.Soc.1994,116,12111−12112に記載の条件(式(XXII)の化合物が酸(Z=OH)であり、反応がDMAPの存在下で進行する)に従っておこなうことができる。
【0058】
明らかなように、本発明による一連の工程により、有機化合物の合成において通常の試薬を用いて、わずか数工程で式(XXVI)のザラゴジン酸および誘導体を得ることができる。前記合成は、最初(式(XVI)の化合物)から完全鎖Rを用いておこなうことができる。別法として、完全鎖Rを含まず、その前駆体部分を含む式(XVI)の化合物を用いて合成を開始することができる。前記したような手順でおこなうことができ、完全鎖は、単一の合成工程によるか、または一連の工程を連続的あるいは非連続的に、最も都合のよいときに構築できる。
【0059】
したがって、好ましい実施態様によれば、RはC〜Cアルキル、またはヒドロキシルもしくは保護されたヒドロキシルで好ましくは末端位置が置換されたアルケニルである。鎖を構築するとき、アルキル化反応のために活性化されるように前記ヒドロキシルを官能化することができる。例えば、アルコールをアルデヒドに(例えば、PCCの存在下で)酸化し、その後得られた化合物をイリドの存在下(または逆)で反応させるか、またはその後塩基の存在下でアルキニルと反応させることができる。例えば、Nakamura,S.;Hirata,Y.;Kurosaki,T.;Anada,M.;Kataoka,O.;Kitagaki,S.;Hashimoto,S.Angew.Chem. Int.Ed.2003,42,5351−5355における化合物30の形成を参照;またはKataoka,O.;Kitagaki,S.;Watanabe,N.;Kobayashi,J.;Nakamura,S.;Shiro,M.;Hashimoto,S.Tetrahedron Lett.1998,39,2371−2374における化合物57および58における化合物の形成を参照されたい。
【0060】
例えば、対応のヒドロキシアルデヒドおよび好適なイリドから、式(XVI)(式中、Rはヒドロキシル基または保護されたヒドロキシル(アルファ、ベータ−未飽和アルデヒド)により末端位置が置換されたC〜Cアルキルまたはアルケニルである)の種々の化合物を調製できる(スキーム3:R=水素または保護基参照)。
【化23】

【0061】
式(XXXI)の化合物((ホルミルメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド)は、例えば、Phytochemistry 1995,38,1169−1173(引用することによりその全体が本明細書の開示の一部とされる)に記載の方法に準じて得ることができる。式(XXXI)の化合物と式(XXXII)の化合物とを反応させる条件は、Tetrahedron 1993,49,10643−10654に記載されている。また、前記文献は、ジオール(1,4−ブタンジオール)から式(XXXII)の化合物を調製する方法を教示している。
【0062】
上記したように、式(XVI)の化合物を、式(XXVI)の最終化合物の全ての官能基から構築することができる。例えば、スキーム3に示すのと同様の方法で、式(XXX)の化合物をCarreira等,J.Am.Chem.Soc.1995,117,8106−8125に記載の化合物32と反応させることにより、例えば、ザラゴジン酸C(スキーム4参照)を得るのに必要とする式(XVI)の化合物が得られる。
【化24】

【0063】
定義
本発明の理解を容易にする目的で、本発明に関連して使用されるいくつかの用語および表現の意味を以下に示す。
【0064】
「アルキル」は、炭素および水素原子からなり、未飽和を含まず、そして単結合により分子の他の部分に結合した線状または分岐炭化水素鎖を有するラジカル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはn−ブチルを指す。
【0065】
「アルケニル」は、炭素および水素原子からなり、少なくとも一つの未飽和を含み、そして単結合により分子の他の部分に結合した線状または分岐炭化水素鎖を有するラジカル、例えば、エテニル、n−プロペニル、i−プロペニル、n−ブテニル、n−ペンテニルなどを指す。
【0066】
「アルキリデン」は、炭素および水素原子からなり、そして同じ炭素原子に対する単結合により2つの末端から分子の他の部分に結合し、したがって、環を環形成する線状炭化水素鎖を有するラジカル、例えば、エチレン(−CH−CH−)、n−プロピレン(−CH−CH−CH−)、n−ブチレン(−CH−CH−CH−CH−)、n−ペンチレン(−CH−CH−CH−CH−CH−)などを指す。メチレン基の場合には、=CH基を指す。
【0067】
「ハロゲン化物」または「ハロゲン」は−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味する。
【0068】
本明細書における「立体異性体」は、同じ結合配列により結合された同じ原子により形成されているが、互いに置き換えができない異なる三次元構造を有する化合物を指す。
【0069】
「鏡像異性体」は、立体異性体的に純粋な化合物の鏡像として理解される。本発明の目的には、鏡像異性体は、鏡像体過剰率が95%超、好ましくは98%超、さらに好ましくは99%超、さらに好ましくは99.5%超である2つの鏡像異性体の混合物として考えることができる。
【0070】
「ヘテロアリール」は、好ましくは1個または2個の芳香核であって、前記核が互いに結合および/または共有結合しており、このような核の少なくとも一つがN、OおよびSからなる群から独立して選択される1個、2個、3個または4個の異種原子を含むものである、芳香核を含む単環または二環炭化水素の一部、例えば、−ピロリル、−フリル、−チエニル、−ピリジル、−キノリル、−イソキノリル、−インドリル、−オキサゾリル、−イソキサゾリル、−ジアジニルなどを意味する。
【0071】
「アリール」は、フェニルまたはナフチルなどの芳香族炭化水素基を指す。
【0072】
「アリールアルキル」は、アルキル基を介して分子の他の部分に結合したアリール基、例えば、ベンジル(「−(CH)−フェニル」または「Bn」)を指す。
【0073】
「アルコキシル」は、式−O−R10(式中、R10は、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アリールおよび置換もしくは未置換アリールアルキルからなる群から選択される基を表す)のラジカルを指す。
【0074】
「アルキルカルボキシヒドロキシル」は、式R11(C=O)O−(式中、R11はC〜C アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C10アリールおよびC〜C15アリールアルキルからなる群から選択されるものである)のラジカルを指す。
【0075】
本発明において、「保護されたヒドロキシル」は、定められた反応に対して不活性であるようにブロックされ、後に制御された条件下で除去することができるヒドロキシル基を示す。前記基は、当業者には公知であり、最も好適なものは、ヒドロキシル基が不活性でなければならない反応および/または前記保護基が除去される条件、すなわち、ヒドロキシル基を除去する条件に応じて選択できる。好適なヒドロキシル保護基およびそれらの除去条件は、例えば、Greene and Wuts、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、John Wiley & Sons社、ニューヨーク、第4版,2007などの参考文献に記載されている。
【0076】
本発明の目的に好ましい保護基には、以下のものがある:
−式−Si(R12のシリル誘導体(一般的に「トリアルキルシリル」と称される)、例えば、トリメチルシリル(「TMS」)、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル(「TBDMS」)、t−ブチルジフェニルシリル、t−イソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、テキシルジメチルシリルエーテル、トリフェニルシリル、ジ−t−ブチルメチルシリル;
−式−R12のエーテル類、例えば、メチルエーテル、t−ブチルエーテル、ベンジルエーテル、p−メトキシベンジルエーテル、3,4−ジメトキシベンジルエーテル、トリチルエーテル、アリルエーテル;
−式−CH−O−R12のアルコキシメチルエーテル類、例えば、メトキシメチルエーテル、2−メトキシエトキシメチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルエーテル。酸素原子をイオウ原子に置き換えて、式−CH−S−R12のアルキルチオメチルエーテル、例えば、メチルチオメチルエーテルを形成することができる。テトラヒドロピラニルエーテル類およびそれらの誘導体も、一般的にヒドロキシル保護基として使用される;
−式−C(=O)R12のエステル類、酢酸エステル、安息香酸エステル;ピバル酸エステル;メトキシ酢酸エステル;クロロ酢酸エステル;レブリン酸エステル;
−式−C(=O)−O−R12の炭酸エステル、例えば、炭酸ベンジル、炭酸p−ニトロベンジル、炭酸t−ブチル、炭酸2,2,2−トリクロロエチル、炭酸2−(トリメチルシリル)エチルまたは炭酸アリル;または
−式SO−O−R12の硫酸エステルまたはそれらの塩、例えば、SOピリジン。
【0077】
前記の全ての式において、R12は、置換または未置換C〜C12アルキル、置換または未置換C〜C12アルケニル、置換または未置換C〜C10アリールおよび置換または未置換C〜C15アリールアルキルからなる群から選択される基を表す。
【0078】
本明細書において本発明の化合物における置換された基に言及する場合は、シアノ;アルカノール、例えば、C〜Cアルカノイル基、例えば、アシルなど;カルボキサミド(−(C=O)NH);トリアルキルシリル;炭素数が6以上である炭素環式アリール、特にフェニルまたはナフチルおよび(C〜C)アルキルアリール、例えば、トリルからなる群から独立して選択される1個、2個または3個の好適な基により1個、2個または3個の有効な位置が置換されていてもよい特定の部分を指す。「置換アルキル」には、例えば、シナノエチル、アセチルメチル、カルボキサミドメチル(−CHCONH)、2−トリメチルシリルエチル、ベンジル、ジフェニルメチルなどを含むが、これらには限定されない。
【0079】
各場合において、対応の「Cx〜Cy」基の炭素原子数が特定されるとき、その基が、炭素原子数が「x」と「y」との間であることを示す。例えば、「C〜Cアルキル」と示されていたとき、炭素原子数が1個、2個または3個であるアルキル基、すなわち、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであることを示す。例えば、「C10〜C15アルキル」と示されているとき、炭素原子数が10個、11個、12個、13個、14個または15個であるアルキル基、例えば、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシルまたはペンタデシルを指す。
【0080】
特にことわらない限り、本発明の化合物は、1つ以上の同位体的に濃縮された原子が存在することだけが異なる化合物を含むものも指す。例えば、水素がデューテリウムまたはトリチウムで置換されているか、または炭素が13Cまたは14C濃縮炭素で置換されていることを除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内のものである。
【0081】
以下、実施例により本発明の種々の実施態様を説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0082】
一般的方法および材料
各場合について特記した以外は、全ての反応をアルゴン雰囲気下でおこなった。使用する溶媒は、アルゴン雰囲気下で蒸留且つ乾燥した。試薬および溶媒は、Aldrich社、Fluka社、Merck社、Sigma社、Acros社、Lancaster社、SDS社またはScharlau社から入手し、必要に応じて通常の方法で精製した。反応生成物は、固定相として60Merckシリカゲル(粒度:230〜400メッシュ)を用いて、加圧下でカラムクロマトグラフィー(フラッシュクロマトグラフィー)により精製した。
【0083】
(完全デカップリング)Hおよび13C核磁気共鳴スペクトルを、以下の装置を用いて、各場合において示した溶媒(CDClおよびCDOD)中、室温でおこなった:Varian Gemini−200(200MHz),Varian INOVA−300(300MHz),Bruker Avance−300(300MHz)およびVarian INOVA−400(400MHz)。化学シフトの値を、内部標準として溶媒の残留信号を用いて百万分の一(δ,ppm)で示す:CDCl,7.26ppm(H−NMR)および77.0ppm(13C−NMR);CDOD,3.31ppm(H−NMR)および49.0ppm(13C−NMR)。H−NMR スペクトルは、プロトン数および各信号の見掛け多重度で示す。結合定数(J)は、見掛け結合定数であり、単位Hzで表す。以下の略号を用いた:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、c(四重項)、q(五重項)およびm(多重項)。
【0084】
融点(m.p.)は、ReichertブランドKofler顕微鏡で測定した。赤外線(IR)スペクトルは、Perkin−Elmer分光光度計(モデル681およびFT−IRスペクトル分光光度計)で記録した。低解像度質量スペクトル(LRMS)を、(1)電子衝撃(EI)イオン化法を用いて、Hewlett Packard 5973 MSD分光光度計に試料を直接注入することによるか、または(2)エレクトロスプレー化学イオン化法(API−ES)をポジティブまたはネガティブモードで用いて、Hewlett Packard LCMS 1100MSD分光光度計(HPLC結合四重極解析器)で記録した。元素分析(E.A.)を、Perkin−Elmer240CおよびHeraus CHN−O−Rapid分析器を用いておこなった。
【0085】
特にことわらない限り、実施例に示す全ての生成物はラセミ化合物(rac)である。
【0086】
実施例1:(3E,5E)−3−(メトキシカルボニル)−3,5−トリデカジエン酸メチル(58)の調製
【化25】

【0087】
フマル酸ジメチル(3.97g、27.6ミリモル)および(E)−2−デセナール(3.89g、25.2ミリモル)をTHF(44ml)に添加して調製した溶液に、n−BuP(7.12g、35.2ミリモル)を添加した。混合物を室温で48時間攪拌した。その後、AcOEt(30ml)およびHO(30ml)を添加した。相分離し、水相をAcOEt(3×25ml)で抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、20:1)により精製して、(3E,5E)−3−(メトキシカルボニル)−3,5−トリデカジエン酸メチル(58)(5.03g、収率71%)を透明油状物質として得た。
【0088】
IR(NaCl):n2949,2928,2856,1744,1714,1641,1436,1324,1258,1198,1170,1085,975cm−1
H−NMR(200MHz,CDCl)。d7.33(1H,d,J=10.4Hz,H−4),6.22(1H,dt,J=7.0,15.1Hz,H−6),6.20(1H,dd,J=10.4,15.1Hz,H−5),3.75(3H,s,−OCH),3.68(3H,s,−OCH),3.43(2H,s,H−2),2.18(2H,m,H−7),1.40−1.20(10H,m,−CH−),0.87(3H,m,−CH
13C−NMR(50MHz,CDCl)。d171.0,167.6,145.8,141.5,124.9,121.5,51.7,51.6,33.1,32.0,31.5,28.9,28.8,28.5,22.4,13.9
LRMS(EI):m/z282(M,28),251(16),222(12),190(8),183(100),166(12),137(43)。
元素分析(C1626):実測値:C,68.20,H,9.30;計算値:C,68.06,H,9.28
【0089】
実施例2:rac−(E,5S,6S)−5,6−エポキシ−3−(メトキシカルボニル)−3−トリデセノン酸メチル(60)の調製
【化26】

【0090】
CCl(120ml)に(3E,5E)−3−(メトキシカルボニル)−3,5−トリデカジエン酸メチル(58)(3.0g、10.62ミリモル)を添加して調製した溶液に、m−CPBA(3.66g、21.2ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で24時間攪拌した。その後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、AcOEt(50ml)に溶解し、飽和NaHCO(10×10ml)溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、7:1)により精製して、rac−(E,5S,6S)−5,6−エポキシ−3−(メトキシカルボニル)−3−トリデセノン酸メチル(60)(1.93g、収率61%)を透明油状物として得た。
【0091】
IR(NaCl):n3468,2949,2857,1738,1721,1655,1575,1437,1315,1265,1202,1173,1080,1012,932,865,776cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl)。d6.55(1H,d,J=8.3Hz,H−4),3.75(3H,s,−OCH),3.70(3H,s,−OCH),3.57(1H,d,J=16.6Hz,H−2),3.44(1H,d,J=16.6Hz,H−2),3.28(1Hdd,J=2.1,8.3Hz,H−5),2.97(1H,dt,J=2.1,5.3Hz,H−6),1.59(2H,m,−CH−),1.44(2H,m,−CH−),1.26(8H,sブロード,−CH−),0.87(3H,t,J=5.1Hz,−CH
13C−NMR(75MHz,CDCl)。d170.7,166.4,141.8,131.2,60.4,54.3,52.2,52.2,32.3,31.8,31.6,29.2,29.1,25.7,22.5,14.0
LRMS(EI):m/z298(M,0),282(0),266(1),237(2),206(2),179(3),170(100),139(10),111(80)
元素分析(C1626):実測値:C,64.25,H,8.95;計算値:C,64.41,H,8.78
【0092】
実施例3:rac−(E,5S,6S)−5,6−エポキシ−3−(メトキシカルボニル)−3−トリデセノン酸メチル(60)とDBUとの反応
【化27】

【0093】
EtO(190ml)にrac−(E,5S,6S)−5,6−エポキシ−3−(メトキシカルボニル)−3−トリデセノン酸メチル(60)(5.64g、18.90ミリモル)を添加して調製した溶液に、DBU(4.31g、28.35ミリモル)を添加した。混合物を、室温で20分間攪拌した。その後、セライトを添加し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、4:1)により精製して、rac−(2Z,4E,S)−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(61−cis)およびrac−(2E,4E,S)−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(61−trans)(3.46g、収率61%)を2:1の比で両方とも無色油状物として得た。
【0094】
rac−(2Z,4E,S)−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(61−cis)
【化28】

【0095】
IR(NaCl):n3431,2949,2928,2856,1738,1722,1634,1613,1436,1375,1275,1203,1170,1152,1018,968,843cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl).d6.32(1H,d,J=15.7Hz,H−4),5.98(1H,dd,J=5.3,15.7Hz,H−5),5.84(1H,s,H−2),4.24(1H,m,H−6),3.89(3H,s,−OCH),3.72(3H,s,−OCH),1.84−1.52(4H,m,−CH−),1.25(8H,sブロード,−CH−),0.86(3H,t,J=6.5Hz,−CH
13C−NMR(75MHz,CDCl).d167.7,165.4,147.2,143.2,125.1,118.7,71.7,52.5,51.8,36.8,31.7,29.3,29.1,25.2,22.5,14.0
LRMS(EI):m/z298(M,0),280(0),266(6),234(24),167(41),153(10),139(100),127(58)
元素分析(C1626):実測値:C,64.30,H,8.90;計算値:C,64.41,H,8.78
【0096】
rac−(2E,4E,S)−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(61−trans)
【化29】

【0097】
IR(NaCl):n3431,2928,2856,1723,1634,1600,1435,1206,1125,1019,980,883cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl).d7.38(1H,d,J=16.1Hz,H−4),6.46(1H,dd,J=6.1,16.1Hz,H−5),6.33(1H,s,H−2),4.25(1H,m,H−6),3.82(3H,s,−OCH),3.75(3H,s,−OCH),1.85−1.56(4H,m,−CH−),1.26(8H,sブロード,−CH−),0.86(3H,m,−CH
13C−NMR(75MHz,CDCl).d166.7,165.8,144.3,143.0,122.5,121.2,72.7,52.5,51.7,36.9,31.7,29.4,29.1,25.2,22.6,14.1
LRMS(EI):m/z298(M,0),281(0),267(7),234(18),207(7),179(4),169(90),139(100),127(41)
元素分析(C1626):実測値:C,64.32,H,8.87;計算値:C,64.41,H,8.78
【0098】
実施例4:rac−(2Z,4E,S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(62−cis)の調製
【化30】

【0099】
CHCl(13.5ml)にrac−(2Z,4E,S)−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(61−cis)(0.380g、1.27ミリモル)およびEtN(0.167g、1.65ミリモル)を添加して調製した溶液に、0℃でTBDMSOTf(0.403g、1.52ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間攪拌した。その後、AcOEt(10ml)およびセライトを添加し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、10:1)で精製して、rac−(2Z,4E,S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(62−cis)(0.430g、収率82%)を無色油状物として得た。
【0100】
IR(NaCl):n3426,2949,2929,2857,1744,1723,1634,1614,1461,1438,1375,1271,1253,1202,1169,1152,1094,967,837,807,777cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl).d6.27(1H,d,J=15.8Hz,H−4),5.97(1H,dd,J=5.1,15.8Hz,H−5),5.80(1H,s,H−2),4.22(1H,m,H−6),3.89(3H,s,−OCH),3.73(3H,s,−OCH),1.57(2H,m,−CH−),1.25(10H,sブロード,−CH−),0.89(9H,s,t−BuSi),0.87(3H,t,J=6.5Hz,−CH),0.04(3H,s,MeSi),0.01(3H,s,MeSi)
13C−NMR(75MHz,CDCl).d167.8,165.6,147.6,144.4,124.5,118.0,72.2,52.4,51.8,37.6,31.7,29.5,29.1,25.8,25.3,24.9,22.6,18.2,14.1,14.0,−4.5,−4.8
LRMS(EI):m/z412(M,0),397(2),380(5),355(100),323(58),313(60),191(39)
元素分析(C2240Si):実測値:C,64.10,H,9.85;計算値:C,64.04,H,9.77
【0101】
実施例5:rac−(2Z,4E,S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(62−cis)とOsO/NMOとの反応
【化31】

【0102】
5:1アセトン/HO混合物(4.8ml)にrac−(2Z,4E,S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(62−cis)(0.430g、1.042ミリモル)およびNMO(0.134g、1.14ミリモル)を添加して調製した溶液に、OsO(t−BuOH中2.5%、0.015g、0.062ミリモル)を添加した。混合物を、室温で24時間攪拌した。その後、AcOEt(10ml)およびセライトを添加し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、5:1)により精製して、rac−(Z,4S,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5−ジヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(63a)およびrac−(Z,4R,5S,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5−ジヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(63b)を、両方とも無色油状物として、4:1の比の混合物(0.270g、収率65%)として得た。
【0103】
IR(NaCl):n3463,2949,2929,2857,1730,1654,1436,1360,1258,1201,1170,1089,837,776cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl).d6.27(1H,d,J=1.9Hz,H−263a),6.17(1H,d,J=1.4Hz,H−263b),4.76(1H,sブロード,H−463a),4.35(1H,ddd,J=1.4,3.6,5.1Hz,H−463b),3.94(1H,dt,J=3.9,6.6Hz,H−663a),3.91(1H,d,J=2.9Hz,−OH63a),3.82(3H,s,−OCH63b),3.81(3H,s,−OCH63a),3.78(1H,m,H−663b),3.73(3H,s,−OCH63a,63b),3.64(1H,m,H−563b),3.58(1H,dd,J=3.9,7.8Hz,H−563a),3.27(1H,d,J=4.8Hz,−OH63b),2.71(1H,d,J=6.8Hz,−OH63b),2.55(1H,d,J=7.8Hz,−OH63a),1.57(2H,m,H−763a,63b),1.26(10H,sブロード,−CH−),0.89(9H,s,t−BuSi),0.88(3H,m,−CH),0.12(3H,s,MeSi63a),0.11(3H,s,MeSi63b),0.10(3H,s,MeSi63a),0.09(3H,s,MeSi63b)
13C−NMR(75MHz,CDCl).d167.7,167.5,165.7,165.2,148.6,148.1,121.9,121.7,76.0,73.1,72.2,71.4,70.4,52.5,52.5,52.0,51.9,33.9,31.7,29.6,29.1,25.8,25.7,24.9,22.5,21.0,17.9,14.1,14.0,−4.5,−4.7
LRMS(EI):m/z445(M−1,0),415(3),389(2),357(16),297(5),243(92),215(100),142(34)
【0104】
実施例6:rac−(Z,4S,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(64)の調製
【化32】

【0105】
アセトン(6ml)にrac−(Z,4S,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5−ジヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(63a)(1.36g、3.04ミリモル)および2,2−ジメトキシプロパン(0.951g、9.13ミリモル)を添加して調製した溶液に、TsOH(0.020g、触媒)を0℃で添加した。混合物を、室温で5時間攪拌した。その後、EtO(20ml)を添加し、混合物を飽和NaHCO(2×10ml)溶液で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、5:1)で精製して、rac−(Z,4S,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(64)(1.34g、収率91%)を無色油状物として得た。
【0106】
IR(NaCl):n3444,2985,2949,2930,2857,1734,1655,1461,1436,1381,1256,1167,1068,836,776cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl).d6.08(1H,s,H−2),4.68(1H,d,J=7.5Hz,H−4),4.23(1H,dd,J=3.1,7.5Hz,H−5),3.86(1H,m,H−6),3.84(3H,s,−OCH),3.74(3H,s,−OCH),1.42(3H,s,−CH),1.32(3H,s,−CH),1.24(12H,sブロード,−CH−),0.89(9H,s,t−BuSi),0.88(3H,m,−CH),0.07(6H,s,MeSi)
13C−NMR(75MHz,CDCl).d167.0,164.7,149.0,121.3,109.7,81.3,76.5,71.5,52.3,52.0,33.9,31.7,29.1,29.1,27.1,26.3,25.9,25.1,22.6,18.1,14.0,−4.4,−4.4
LRMS(EI):m/z486(M,0),471(4),455(0),429(44),411(6),397(1),371(7),339(34),321(3),311(7),279(7),243(100),156(36)
元素分析(C2546Si):実測値:C,61.60,H,9.60;計算値:C,61.69,H,9.53
【0107】
実施例7:rac−(Z,4S,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(64)とOsOとの反応
【化33】

【0108】
5:1アセトン/HO混合物(9.2ml)にrac−(Z,4S,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(64)(0.980g、2.01ミリモル)およびNMO(0.518g、4.43ミリモル)を添加して調製した溶液に、OsO(t−BuOH中2.5%、0.030g、0.12ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で5日間攪拌した。その後、5%Na(0.5ml)水溶液、AcOEt(20ml)およびセライトを添加し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、10:1)で精製して、rac−(2S,3S,4R,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジヒドロキシ−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)トリデカノン酸メチル(65a)(0.320g、収率31%)およびrac−(2R,3R,4R,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジヒドロキシ−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)トリデカン酸メチル(65b)(0.322g、収率31%)を両方とも無色油状物として得た。
【0109】
rac−(2S,3S,4R,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジヒドロキシ−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)トリデカン酸メチル(65a)
【化34】

【0110】
IR(NaCl):n3490,2949,2930,2857,1748,1461,1439,1379,1367,1255,1213,1109,1088,1000,837,775cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl).d4.75(1H,d,J=5.8Hz,H−4),4.43(1H,s,H−2),4.41(1H,dd,J=5.8,9.7Hz,H−5),3.85(3H,s,−OCH),3.80(1H,m,H−6),3.76(3H,s,−OCH),1.73(1H,m),1.59(1H,m),1.36(3H,s,−CH),1.35(3H,s,−CH),1.26(10H,sブロード,−CH−),0.92(9H,s,t−BuSi),0.91(3H,m,−CH),0.16(3H,s,MeSi),0.14(3H,s,MeSi)
13C−NMR(75MHz,CDCl).d172.0,170.7,110.1,80.8,79.6,78.0,74.7,73.2,52.8,52.5,33.3,31.6,29.6,29.0,27.7,27.0,26.9,25.7,22.8,22.4,18.0,13.8,0.8,−4.3,−4.6
LRMS(EI):m/z520(M,0),463(0),431(1),405(4),369(13),327(5),295(5),243(100),187(18),73(60)
元素分析(C2548Si):実測値:C,57.60,H,9.35;計算値:C,57.66,H,9.29
【0111】
rac−(2R,3R,4R,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジヒドロキシ−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)トリデカン酸メチル(65b)
【化35】

【0112】
IR(NaCl):n3489,2949,2929,2857,1748,1461,1438,1380,1367,1252,1216,1101,1050,1003,836,775cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl)。d4.65(1H,m,H−4),4.36(1H,s,H−2),4.34(1H,m,H−5),3.80(3H,s,−OCH),3.79(3H,s,−OCH),3.76(1H,m,H−6),1.61(2H,m),1.41(3H,s,−CH),1.39(3H,s,−CH),1.26(10H,sブロード,−CH−),0.90(9H,s,t−BuSi),0.89(3H,m,−CH),0.09(3H,s,MeSi),0.08(3H,s,MeSi)
13C−NMR(75MHz,CDCl)。d171.1,170.9,110.2,78.9,78.8,76.9,72.7,71.1,52.8,31.6,29.4,29.0,27.6,26.5,25.7,24.8,22.4,18.0,13.8,−4.4,−4.6
LRMS(EI):m/z520(M,0),505(2),463(0),431(1),387(9),327(4),299(6),243(100),187(19),73(69)
元素分析(C2548Si):実測値:C,57.58,H,9.37;計算値:C,57.66,H,9.29
【0113】
実施例8:rac−(Z,4S,5R,6R,7S)−7−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(76a)の調製
【化36】

【0114】
AcOEt(5ml)にrac−(2S,3S,4R,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジヒドロキシ−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)トリデカン酸メチル(65a)(0.294g、0.564ミリモル)を添加して調製した溶液を、IBX(0.474g、1.69ミリモル)を添加した。得られた混合物を、80℃で8時間加熱した。その後、混合物を、真空下、セライトで濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をCHCl(10ml)に溶解し、[(メトキシカルボニル)メチレン]トリフェニルホスホラン(0.451g、1.34ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で24時間攪拌した。その後、AcOEt(10ml)およびセライトを添加し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、5:1)により精製して、rac−(Z,4S,5R,6R,7S)−7−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(76a)(0.220g、収率71%)を、無色油状物として得た。
【0115】
IR(NaCl):n3477,2949,2929,2854,1743,1642,1461,1435,1367,1252,1213,1166,1095,1062,836,774cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d6.49(1H,s,H−2),4.45(1H,d,J=7.3Hz,H−5),4.28(1H,dd,J=2.6,7.3Hz,H−6),4.00(1H,s,−OH),3.85(3H,s,−OCH),3.81(3H,s,−OCH),3.77(1H,m,H−7),3.73(3H,s,−OCH),1.63−1.42(2H,m,H−8),1.38(6H,s,−CH),1.28(10H,sブロード,−CH−),0.89(3H,m,−CH),0.88(9H,s,t−BuSi),0.02(3H,s,MeSi),0.02(3H,s,MeSi)
13C−NMR(100MHz,CDCl).d171.0,166.3,164.5,147.1,122.5,110.1,79.9,79.8,78.4,72.7,53.9,52.5,52.0,31.8,31.2,29.8,29.3,27.7,26.3,25.9,25.7,25.4,22.6,18.2,14.0,−4.4
LRMS(EI):m/z574(M,0),517(3),485(2),409(5),335(14),257(13),243(100),215(31),171(16)
元素分析(C285010Si):実測値:C,58.60,H,8.85;計算値:C,58.51,H,8.77
【0116】
実施例9:rac−(Z,4R,5R,6R,7S)−7−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(76b)の調製
【化37】

【0117】
AcOEt(6ml)にrac−(2R,3R,4R,5R,6S)−6−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジヒドロキシ−4,5−(ジメチルメチレンジオキシ)−3−(メトキシカルボニル)トリデカン酸メチル(65b)(0.322g、0.618ミリモル)を添加して調製した溶液に、IBX(0.519g、1.85ミリモル)を添加した。得られた混合物を、80℃で8時間加熱した。その後、混合物を、真空下、セライトで濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をCHCl(10ml)に溶解し、[(メトキシカルボニル)メチレン]トリフェニルホスホラン(0.483g、1.44ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で24時間攪拌した。その後、AcOEt(10ml)およびセライトを添加し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、5:1)により精製して、rac−(Z,4R,5R,6R,7S)−7−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(76b)(0.270g、収率76%)を無色油状物として得た。
【0118】
IR(NaCl):n3471,2949,2930,2857,1735,1645,1461,1435,1368,1254,1167,1086,836,775cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d6.51(1H,s,H−2),4.60(1H,d,J=6.6Hz,H−5),4.50(1H,s,−OH),4.04(1H,dd,J=6.2,6.6Hz,H−6),3.81(3H,s,−OCH),3.78(3H,s,−OCH),3.74(3H,s,−OCH),3.68(1H,dt,J=6.2,10.9Hz,H−7),1.56(2H,m,H−8),1.39(6H,s,−CH),1.28(10H,sブロード,−CH−),0.90(12H,m,t−BuSi,−CH),0.10(6H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d170.2,166.1,165.0,145.9,124.0,110.6,79.5,78.7,76.3,73.4,53.3,52.1,51.8,33.1,31.6,29.5,29.0,27.0,26.8,26.1,25.6,23.5,17.9,13.8,−4.4,−4.7
LRMS(EI):m/z574(M,0),559(3),517(2),485(2),409(15),335(26),243(100),215(34)
元素分析(C285010Si):実測値:C,58.58,H,8.87;計算値:C,58.51,H,8.77
【0119】
実施例10:rac−(Z,4S,5R,6S)−4,5−エポキシ−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(82c)の調製
【化38】

【0120】
CCl(2.5ml)にrac−(2Z,4E,S)−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2,4−トリデカジエン酸メチル(3a)(0.080g、0.26ミリモル)を添加して調製した溶液に、m−CPBA(0.101g、0.59ミリモル)を添加した。得られた混合物を室温で3日間攪拌した。その後、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、4:1)で精製して、rac−(Z,4S,5R,6S)−4,5−エポキシ−6−ヒドロキシ−3−(メトキシカルボニル)−2−トリデセノン酸メチル(82c)(0.080g、収率95%)を無色油状物として得た。
【0121】
IR(NaCl):n3473,2929,2857,1730,1652,1574,1437,1372,1276,1204,1171,1020,870cm−1
H−NMR(300MHz,CDCl).d6.15(1H,s,H−2),3.86(1H,m),3.81(3H,s,−OCH),3.73(3H,s,−OCH),3.71(3H,s,−OCH),3.63(3H,s,−OCH),3.58(1H,m),3.05(1H,m),1.63(2H,m,−CH−),1.25(10H,sブロード,−CH−),0.85(3H,m,−CH).
13C−NMR(75MHz,CDCl).d165.6,165.6,165.0,164.9,144.5,144.1,122.0,121.8,70.1,67.8,63.9,63.4,53.8,52.6,52.6,52.2,52.1,34.3,33.0,31.6,29.4,29.3,29.0,25.1,24.9,22.5,14.0
LRMS(EI):m/z314(M,0),282(5),237(1),223(1),173(10),156(100),141(82),127(10)
元素分析(C1626):実測値:C,61.00,H,8.41;計算値:C,61.13,H,8.34
【0122】
実施例11:rac−(Z,4S,5R,6R)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−7−オキソ−2−テトラデセノン酸メチル(110a)の調製
【化39】

【0123】
MeOH(5ml)にrac−(Z,4S,5R,6R,7S)−7−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(76a)(0.220g、0.382ミリモル)を添加して調製した溶液に、EtN(HF)(0.492g、3.05ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で6日間攪拌した。その後、AcOEt(10ml)を添加し、混合物をHO(2×5ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。残留物をAcOEt(3.6ml)に溶解し、IBX(0.224g、0.801ミリモル、3当量)を添加した。混合物を、80℃で7時間加熱した。その後、混合物を、真空下、セライトで濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、4:1)により精製して、rac−(Z,4S,5R,6R)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−7−オキソ−2−テトラデセノン酸メチル(110a)(0.110g、収率63%)を無色油状物として得た。
【0124】
IR(NaCl):n3477,2949,2931,2854,1733,1645,1455,1436,1373,1201,1162,1083,985,876cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d6.45(1H,s,H−2),5.02(1H,d,J=4.6Hz,H−6),4.51(1H,d,J=4.6Hz,H−5),3.88(3H,s,−OCH),3.80(3H,s,−OCH),3.73(3H,s,−OCH),2.64(2H,m,H−8),1.57(2H,m,H−9),1.45(3H,s,−CH),1.25(13H,sブロード,−CH−,−CH),0.86(3H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d209.2,170.7,166.0,164.4,146.2,122.9,112.3,80.6,79.7,77.5,54.2,52.6,52.1,39.2,31.6,29.0,29.0,26.5,26.5,23.1,22.5,14.0
LRMS(EI):m/z458(M,0),443(1),427(0),399(0),369(12),331(7),313(14),273(92),227(32),127(100)
元素分析(C223410):実測値:C,57.70,H,7.50;計算値:C,57.63,H,7.47
【0125】
実施例12:rac−(Z,4R,5R,6R)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−7−オキソ−2−テトラデセノン酸メチル(110b)の調製
【化40】

【0126】
MeOH(6ml)にrac−(Z,4R,5R,6R,7S)−7−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(76b)(0.270g、0.469ミリモルを添加して調製した溶液に、EtN(HF)(0.605g、3.75ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で6日間攪拌した。その後、AcOEt(10ml)を添加し、混合物をHO(2×5ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。残留物を、AcOEt(4ml)に溶解し、IBX(0.324g、1.15ミリモル)を添加した。混合物を、80℃で7時間加熱した。その後、混合物を、真空下、セライトで濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、4:1)で精製して、rac−(2Z,4R,5R,6R)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−7−オキソ−2−テトラデセノン酸メチル(110b)(0.160g、収率74%)を無色油状物として得た。
【0127】
IR(NaCl):n3470,2985,2949,2930,2854,1732,1648,1436,1373,1352,1255,1166,1090,882cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl)。d6.45(1H,s,H−2),4.70(1H,d,J=6.6Hz,H−6),4.37(1H,d,J=6.6Hz,H−5),3.96(1H,s,−OH),3.83(3H,s,−OCH),3.81(3H,s,−OCH),3.74(3H,s,−OCH),2.66−2.61(2H,m,H−8),1.55(2H,m,H−9),1.47(3H,s,−CH),1.38(3H,s,−CH),1.27(8H,sブロード,−CH−),0.87(3H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d210.6,169.9,166.2,164.7,146.1,123.4,111.7,80.4,79.1,76.3,53.7,52.3,51.9,38.6,31.4,28.8,28.8,26.2,26.08,22.6,22.3,13.8
LRMS(EI):m/z459(M+1,0),443(2),399(1),369(4),331(10),313(11),299(7),273(50),255(32),127(100)
元素分析(C223410):実測値:C,57.72,H,7.55;計算値:C,57.63,H,7.47
【0128】
実施例13:rac−(Z,4S,5R,6R)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−7−オキソ−2−テトラデセノン酸メチル(110a)とp−TsOHおよびMeOHとの反応
【化41】

【0129】
MeOH(1.3ml)にrac−(Z,4S,5R,6R)−5,6−(ジメチルメチレンジオキシ)−4−ヒドロキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−7−オキソ−2−テトラデセノン酸メチル(110a)(0.045g、0.098ミリモル)を添加して調製した溶液に、p−TsOH(0.008g、触媒)を添加した。得られた混合物を、室温で6日間攪拌した。その後、NaHCO(0.03g)を添加し、混合物を10分間攪拌した。その後、混合物を、真空下、セライトで濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、3:1)により精製して、rac−(Z,4S,5R,6R,7S)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(111a)(0.030g、収率71%)およびrac−(Z,4S,5R,6R,7R)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(112a)(0.011g、収率26%)を両方とも無色油状物として得た。
【0130】
rac−(Z,4S,5R,6R,7S)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(111a)
【化42】

【0131】
IR(NaCl):n3466,2950,2926,2852,1758,1732,1642,1435,1258,1169,1080cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d6.47(1H,s,H−2),4.47(1H,dd,J=4.1,8.6Hz,H−5),4.21(1H,dd,J=8.6,10.7Hz,H−6),3.81(3H,s,−OCH),3.74(3H,s,−OCH),3.73(3H,s,−OCH),3.64(1H,d,J=4.1Hz,−OH),3.32(3H,s,−OCH),2.42(1H,d,J=10.7Hz,−OH),1.99(1H,m,H−8),1.83(1H,m,H−8),1.29(10H,sブロード,−CH−),0.88(3H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d169.5,167.6,165.6,144.0,122.8,105.6,85.0,82.5,78.0,52.9,52.9,52.2,49.1,32.9,31.7,29.7,29.0,23.0,22.6,14.0.
LRMS(EI):m/z432(M,0),401(0),383(0),369(1),333(6),323(9),255(2),213(73),181(100),143(16),99(3)
元素分析(C203210):実測値:C,55.60,H,7.55;計算値:C,55.55,H,7.46
【0132】
rac−(Z,4S,5R,6R,7R)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(112a)
【化43】

【0133】
IR(NaCl):n3491,2954,2855,1732,1650,1436,1351,1268,1173,1076,1030,783cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d6.41(1H,s,H−2),4.43(1H,d,J=11.7Hz,H−5),4.04(1H,d,J=8.5Hz,H−6),3.95(1H,d,J=11.7Hz,−OH),3.86(3H,s,−OCH),3.81(3H,s,−OCH),3.73(3H,s,−OCH),3.43(3H,s,−OCH),3.26(1H,d,J=8.5Hz,−OH),1.96(1H,m,H−8),1.70(1H,m,H−8),1.30(10H,sブロード,−CH−),0.88(3H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d168.2,168.2,164.5,148.3,122.5,114.9,91.5,86.2,78.9,53.1,53.1,52.1,49.2,31.7,29.5,29.1,28.1,23.7,22.6,14.0.
LRMS(EI):m/z432(M,0),383(0),333(4),301(1),255(1),213(72),181(100),173(39),99(9)
元素分析(C203210):実測値:C,55.62,H,7.53;計算値:C,55.55,H,7.46
【0134】
実施例14:rac−(Z,4S,5R,6R,7S)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(111a)とOsOとの反応
【化44】

【0135】
アセトン/HOの5:1混合物(0.6ml)に、rac−(Z,4S,5R,6R,7S)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(111a)(0.030g、0.069ミリモル)およびNMO(0.017g、0.15ミリモル)を添加して調製した溶液に、OsO(t−BuOH中2.5%、0.001g、0.004ミリモル)を添加した。得られた混合物を、室温で6日間攪拌した。その後、5%Na(0.5ml)水溶液、AcOEt(10ml)およびセライトを添加し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、1:1)により精製して、rac−(2S,3S,4R,5R,6R,7S)−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)−3,5,6−トリヒドロキシテトラデカン酸メチル4,2−カルボラクトン(120)とrac−(2R,3R,4R,5R,6R,7S)−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)−3,5,6−トリヒドロキシテトラデカン酸メチル4,2−カルボラクトン(121)の混合物(0.005g、収率17%)を1:11の比で両方とも無色油状物として得た。
【0136】
rac−(2S,3S,4R,5R,6R,7S)−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)−3,5,6−トリヒドロキシテトラデカン酸メチル4,2−カルボラクトン(120)
【化45】

【0137】
IR(KBr):n3426,2922,2853,1739,1636,1437,1375,1077cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d4.98(1H,s,H−2),4.77(1H,d,J=3.0Hz,−OH),4.65(1H,dd,J=3.0,7.9Hz,H−5),4.19(1H,dd,J=7.9,10.5Hz,H−6),3.91(3H,s,−OCH),3.86(3H,s,−OCH),3.82(1H,s,−OH),3.19(3H,s,−OCH),2.36(1H,d,J=10.5Hz,−OH),1.80(2H,m,H−8),1.25(10H,sブロード,−CH−),0.87(3H,t,J=5.1Hz,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d169.9,169.4,166.5,105.7,85.8,78.8,78.5,75.8,67.1,54.3,53.6,49.0,32.1,31.7,29.7,29.0,23.1,22.6,14.0
LRMS(EI):m/z434(M,0),335(48),315(16),290(2),275(10),247(52),229(78),201(23),159(100),101(53)
元素分析(C193011):実測値:C,52.60,H,7.00;計算値:C,52.53,H,6.96
【0138】
rac−(2R,3R,4R,5R,6R,7S)−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)−3,5,6−トリヒドロキシテトラデカン酸メチル4,2−カルボラクトン(121)
【化46】

【0139】
IR(KBr):n3433,2953,2922,2847,1804,1739,1630,1437,1148,1083,1055,800,499cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d5.43(1H,s,H−2),4.28(2H,m,H−5,H−6),3.94(3H,s,−OCH),3.83(3H,s,−OCH),3.62(1H,sブロード,−OH),3.26(3H,s,−OCH),2.36(1H,d,J=9.0Hz,−OH),1.89(2H,m,H−8),1.23(10H,sブロード,−CH−),0.89(3H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d169.0,167.5,165.6,106.1,94.9,80.9,78.4,77.7,77.5,53.1,52.9,49.2,32.0,31.6,29.8,29.0,23.2,22.5,14.1.
LRMS(EI):m/z385(1),355(1),335(11),303(1),290(2),278(4),247(15),217(4),159(40),101(15),83(100)
元素分析(C193011):実測値:C,52.45,H,6.90;計算値:C,52.53,H,6.96
【0140】
実施例14:rac−(Z,4S,5R,6R,7S)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(111a)とRuCl/NaIOとの反応
【化47】

【0141】
O(0.2ml)にRuCl・3HO(0.003g、0.014ミリモル)およびNaIO(0.018g、0.086ミリモル)を添加して調製した溶液を、AcOEt/MeCNの1:1混合物(1ml)にrac−(Z,4S,5R,6R,7S)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(111a)(0.025g、0.057ミリモル)を添加して調製した溶液に0℃で添加した。得られた混合物を、0℃で5分間攪拌した。その後、飽和NaHCO(1ml)溶液およびAcOEt(2ml)を添加した。相分離し、水相をAcOEt(2×1ml)で抽出した。有機相を、無水NaSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、1:1)により精製して、rac−(2S,3S,4R,5R,6R,7S)−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)−3,5,6−トリヒドロキシテトラデカン酸メチル4,2−カルボラクトン(120)(0.008g、収率32%)を無色油状物として得た。
【0142】
IR(KBr):n3426,2922,2853,1739,1636,1437,1375,1077cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d4.98(1H,s,H−2),4.77(1H,d,J=3.0Hz,−OH),4.65(1H,dd,J=3.0,7.9Hz,H−5),4.19(1H,dd,J=7.9,10.5Hz,H−6),3.91(3H,s,−OCH),3.86(3H,s,−OCH),3.82(1H,s,−OH),3.19(3H,s,−OCH),2.36(1H,d,J=10.5Hz,−OH),1.80(2H,m,H−8),1.25(10H,sブロード,−CH−),0.87(3H,t,J=5.1Hz,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d169.9,169.4,166.5,105.7,85.8,78.8,78.5,75.8,67.1,54.3,53.6,49.0,32.1,31.7,29.7,29.0,23.1,22.6,14.0
LRMS(EI):m/z434(M,0),335(48),315(16),290(2),275(10),247(52),229(78),201(23),159(100),101(53)
元素分析(C193011):実測値:C,52.60,H,7.00;計算値:C,52.53,H,6.96
【0143】
実施例15:rac−(Z,4S,5R,6R,7R)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(112a)とRuCl/NaIOとの反応
【化48】

【0144】
O(0.2ml)にRuCl・3HO(0.002g、0.010ミリモル)およびNaIO(0.013g、0.062ミリモル)を添加して調製した溶液を、AcOEt/MeCNの1:1混合物(1ml)にrac−(Z,4S,5R,6R,7R)−5,6−ジヒドロキシ−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2−テトラデセノン酸メチル(112a)(0.018g、0.041ミリモル)を添加して調製した溶液に0℃で添加した。混合物を、0℃で5分間攪拌した。その後、10%Na(0.2ml)水溶液、HO(2ml)およびAcOEt(2ml)を添加した。相分離し、水相をAcOEt(2×1ml)で抽出した。有機相を、無水NaSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、1:2)により精製して、rac−(2S,3S,4S,5R,6R,7R)−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2,3,5,6−テトラヒドロキシテトラデカン酸メチル(122)(0.014g、収率74%)を無色油状物として得た。
【0145】
IR(NaCl):n3435,2957,2926,2852,1643,1438,1074cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl).d5.25(1H,d,J=6.7Hz,H−2),5.06(1H,d,J=10.1Hz,H−5),4.51(1H,s,−OH),4.18(1H,d,J=10.7Hz,−OH),3.92(1H,d,J=10.7Hz,H−6),3.85(3H,s,−OCH),3.83(3H,s,−OCH),3.75(3H,s,−OCH),3.59(1H,d,J=6.7Hz,−OH),3.36(3H,s,−OCH),3.25(1H,d,J=10.1Hz,−OH),1.85(1H,m,H−8),1.66(1H,m,H−8),1.27(10H,sブロード,−CH−),0.87(3H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl)。d170.8,170.8,170.7,113.7,79.7,79.4,78.8,78.3,73.8,53.9,52.9,52.4,49.5,31.8,29.7,29.1,28.1,23.4,22.6,14.0.
LRMS(EI):m/z466(M,0),385(2),375(3),367(4),335(11),315(6),275(4),247(15),229(26),185(22),159(100),127(49)
元素分析(C203412):実測値:C,51.65,H,7.20;計算値:C,51.50,H,7.35
【0146】
実施例16:rac−(1R,3S,4S,5S,6R,7R)−1−ヘプチル−3,4,5−トリス(メトキシカルボニル)−4,6,7−トリヒドロキシ−2,8−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン(3)の調製
【化49】

【0147】
方法A
【化50】

【0148】
HCl(MeOH中2%、2.37ml)にrac−(2S,3S,4R,5R,6R,7S)−4,2−カルボラクトン4,7−エポキシ−7−メトキシ−3−(メトキシカルボニル)−3,5,6−トリヒドロキシ−2−テトラデセノン酸メチル(120)(0.008g、0.018ミリモル)を添加して調製した溶液を、キンブルにおいて、80℃で30時間加熱した。その後、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、1:1)により精製して、rac−(1R,3S,4S,5S,6R,7R)−1−ヘプチル−3,4,5−トリス(メトキシカルボニル)−4,6,7−トリヒドロキシ−2,8−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン(3)(0.006g、収率75%)を白色固体として得た。
【0149】
方法B
【化51】

【0150】
HCl(MeOH中2%、2.5ml)にrac−(2S,3S,4S,5R,6R,7R)−4,7−エポキシ−7−メトキシ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−2,3,5,6−テトラヒドロキシ−2−テトラデカン酸メチル(122)(0.026g、0.055ミリモル)を添加して調製した溶液を、キンブルにおいて、80℃で30時間加熱した。その後、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/AcOEt、1:1)により精製して、rac−(1R,3S,4S,5S,6R,7R)−1−ヘプチル−3,4,5−トリス(メトキシカルボニル)−4,6,7−トリヒドロキシ−2,8−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン(3)(0.019g、収率73%)を白色固体として得た。
【0151】
rac−(1R,3S,4S,5S,6R,7R)−1−ヘプチル−3,4,5−トリス(メトキシカルボニル)−4,6,7−トリヒドロキシ−2,8−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン(3)
【化52】

【0152】
融点:>220℃
H−NMR(400MHz,CDCl).d5.09(1H,s,H−3),5.08(1H,dd,J=2.4,5.4Hz,H−6),4.14(1H,dd,J=2.4,3.7Hz,H−7),3.84(3H,s,−OCH),3.74(3H,s,−OCH),3.68(3H,s,−OCH),3.67(1H,s,−OH),2.58(1H,d,J=5.4Hz,−OH),2.40(1H,d,J=3.7Hz,−OH),1.89(2H,m,H−1’),1.21(10H,sブロード,−CH−),0.81(3H,m,−CH
13C−NMR(100MHz,CDCl).d169.7,167.0,166.9,106.3,91.4,82.2,78.4,75.4,74.6,53.6,53.0,52.6,35.5,31.7,29.5,29.0,22.7,22.6,14.0
LRMS(EI):m/z434(M,0),336(0),314(0),278(0),243(0),219(1),149(3),83(100)
元素分析(C193011):実測値:C,52.50,H,6.90;計算値:C,52.53,H,6.96

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る方法であって:
【化1】

[式中、
はC〜C20アルキルおよびC〜C20アルケニルからなる群から選択されるものであり、該基は置換されていないか、またはそのいずれかの位置においてC〜Cアルキル、C〜Cアルキリデン、C〜Cアルキルカルボキシヒドロキシル、ヒドロキシルおよび保護されたヒドロキシルからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換されており;および/または該基の鎖の末端位置において、置換されていないか、またはC〜C10アリール、または各環が5もしくは6員環である単環もしくは二環ヘテロアリール(該環は置換されていないか、またはC〜Cアルキルからなる群から選択される少なくとも一つの基またはハロゲンにより置換されている)からなる群から選択される基で置換されており、そして
、RおよびRは、独立して、C〜Cアルキルからなる群から選択されるものである]
該方法が、
酸性媒体中において、式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(II)の化合物と式(III)の化合物の混合物を反応させることを特徴とする、方法:
【化2】

[式中、
、R、RおよびRは前記定義の通りであり、そして
はC〜Cアルキル基である]。
【請求項2】
およびRが、同一のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
、RおよびRが同一のもの、好ましくはメチルである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項で定義された式(II)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項で定義された式(III)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項で定義された式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物の合成方法であって、
式(IV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物のジヒドロキシル化を含んでなることを特徴とする、方法:
【化3】

[式中、
、R、RおよびRはそれぞれ請求項1〜3のいずれか一項で定義されている通りであり;そして
はC〜Cアルキル基である]。
【請求項7】
前記ジヒドロキシル化が、OsOまたはRuClの存在下で行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(IVa)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、RuClの存在下でジヒドロキシル化して、式(II)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を生成させる、請求項6および7のいずれか一項に記載の方法:
【化4】

[式中、
、R、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義された通りであり;そして
はC〜Cアルキル基である]。
【請求項9】
式(IVb)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、RuClの存在下でジヒドロキシル化して式(III)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を生成させる、請求項6および7のいずれか一項に記載の方法:
【化5】

[式中、
、R、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されている通りであり;そして
はC〜Cアルキル基である]。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか一項で定義されている式(IV)、式(IVa)または式(IVb)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項11】
式(IV)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、
式(V)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物を、酸性媒体中で処理することを含んでなる、方法:
【化6】

[式中、
、R、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されている通りであり;そして
およびRの各は、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択されるものであり;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにC〜Cアルキリデン基を形成するものである]。
【請求項12】
式(V)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物を、p−トルエンスルホン酸の存在下で反応させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項11で定義されている式(V)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項14】
式(V)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、
(i) 式(VII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物から前記トリアルキルシリル基を除去して、式(VI)の化合物,その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化7】

[式中、
、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されているものであり;
はC〜Cアルキル基であり;
およびRの各々は、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択されるものであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにC〜Cアルキリデン基を形成するものであり;そして
はトリアルキルシリル基である]
を生成し;
(ii) 式(VI)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物のヒドロキシル基を酸化すること
を含んでなることを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記酸化を、PCCまたはIBXの存在下で実施する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項14で定義されている式(VI)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項17】
請求項14で定義されている式(VII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項18】
請求項17で定義されている式(VII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、
式(VIII)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物と、式(XX)の化合物とを反応させることを含んでなる、方法:
【化8】

[式中、
、R、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されている通りであり;そして
およびRの各々は、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択されるものであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにC〜Cアルキリデン基を形成するものであり;
はトリアルキルシリル基であり;そして
Ar基の各々は、独立して、C〜C10アリール基から選択されるものである]。
【請求項19】
前記式(VIII)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物が、式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、好ましくはIBXの存在下で、酸化することにより得られたものである、請求項18に記載の方法:
【化9】

[式中、
、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されているものであり;
およびRの各々は、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択されるものか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにC〜Cアルキリデン基を形成するものであり;そして
はトリアルキルシリル基である]。
【請求項20】
式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、式(VII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物に転換することが、前記式(VIII)の化合物を単離することなく行われる、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
請求項18で定義されている式(VIII)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項22】
請求項19で定義されている式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項23】
式(IX)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、
式(X)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を、好ましくはOsOの存在下で、ジヒドロキシル化することを特徴とする、方法:
【化10】

[式中、
、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されている通りであり;
およびRの各々は、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択されるものであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにC〜Cアルキリデン基を形成するものであり;そして
はトリアルキルシリル基である]

【請求項24】
請求項23で定義されている式(X)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項25】
式(X)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、
式(XI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化11】

[式中、
、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されているものであり;
およびRの各々は、独立して、水素、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択されるものであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素原子とともにC〜Cアルキリデン基を形成するものであり;そして
はトリアルキルシリル基である]
を、式(R)(R)C=Oの化合物またはその水和物もしくはアリールもしくはアルキルアセタールもしくはヘミアセタールの存在下で、アセタール化またはヘミアセタール化することを含んでなることを特徴とする、方法。
【請求項26】
請求項25で定義されている式(XI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項27】
式(XI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物の合成方法であって、以下工程を含んでなることを特徴とする方法:
(i) 式PYの化合物の存在下で、式(XXI)の化合物を反応させ、続いて式(XVI)の化合物、その立体異性体またはそれらの混合物を添加して、式(XV)の化合物、その立体異性体またはそれらの混合物:
【化12】

[式中、
、RおよびRは請求項1〜3のいずれか一項で定義されている通りであり;
基Yの各々は、独立して、C〜C10アリール基またはC〜Cアルキル基から選択されるものである]
を生成する工程;
(ii) 好ましくはm−クロロ過安息香酸(m−CPBA)で前記式(XV)の化合物をエポキシ化して、式(XIV)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化13】

[式中、
、RおよびRは前記定義の通りである]
を得る工程;
(iii) 塩基、好ましくはDBUの存在下で、前記式(XIV)の化合物を異性化して、式(XIII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化14】

[式中、
、RおよびRは前記定義の通りである]
を得る工程;
(iv) トリアルキルシリル基を前記式(XIII)の化合物に導入して、式(XII)の化合物、その立体異性体、とりわけその鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化15】

、RおよびRは前記定義の通りであり;そして
はトリアルキルシリル基である]
を得る工程;そして
(v) 前記式(XII)の化合物をジヒドロキシル化する工程。
【請求項28】
請求項27で定義されている式(XV)の化合物、その立体異性体またはそれらの混合物。
【請求項29】
請求項27で定義されている式(XIV)の化合物、その立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項30】
請求項27で定義されている式(XIII)、その立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項31】
請求項27で定義されている式(XII)の化合物、その立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物。
【請求項32】
式(XXVI)で表されるザラゴジン酸およびその誘導体、それらの立体異性体、とりわけ鏡像異性体またはそれらの混合物の調製方法であって、以下の工程を含んでなることを特徴とする、方法:
(i) 酸性媒体中において、請求項1〜3のいずれか一項で定義されている式(II)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(III)の化合物、その鏡像異性体もしくはそれらの混合物、または式(II)の化合物と式(III)の化合物との混合物を反応させて、請求項1〜3のいずれか一項で定義されている式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を得る工程;
(ii) 塩基性媒体中において、前記式(I)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を加水分解して、式(XXV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化16】

[式中、
は請求項1で定義されている通りである]。
を得る工程;そして
(iii) 前記式(XXV)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物を式(XXII)の化合物と、塩基の存在下で反応させて、式(XXVI)の化合物、その鏡像異性体またはそれらの混合物:
【化17】

[式中、
はC〜C20アルキルまたはC〜C20アルケニルからなる群から選択され、該基は置換されていないか、またはC〜Cアルキルからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換されているか;および/または該基の末端位置が置換されていないかまたはC〜C10アリールからなる群から選択される基で置換されている;
Zはヒドロキシルおよびアルコキシルからなる群から選択され;そして
は請求項1で定義されている通りである]
を得る工程。
【請求項33】
式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(VII)、式(VIIa)、式(VIIb)、式(VIII)、式(VIIa)、式(VIIIb)、式(IX)、式(IXa)、式(IXb)、式(X)、式(XI)、式(XII)、式(XIII)、式(XIV)、式(XV)および/または式(XVI)の化合物、その立体異性体、とりわけ鏡像異性体もしくはそれらの混合物の、式(XXVI)のザラゴジン酸およびその誘導体、それらの立体異性体、とりわけ鏡像異性体もしくはそれらの混合物を合成するための使用。


【公表番号】特表2011−524856(P2011−524856A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507951(P2011−507951)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/ES2009/070140
【国際公開番号】WO2009/135979
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(508157886)コンセジョ スペリオール デ インベスティガショネス シエンティフィカス (21)
【Fターム(参考)】