説明

シクロデキストリン系ナノスポンジの超音波を利用した合成

本発明は、超音波処理下及び溶媒の不存在下での天然シクロデキストリン及び架橋剤として有機炭酸エステルとの反応によって得られる実質的に球形のナノスポンジを提供する。本発明によれば、貧しい水溶性、不安定性、分解、保護及び毒性のような活性成分の固有の問題を解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然シクロデキスロリン(CD)と有機炭酸エステルとを反応させることによって得られるナノスポンジ及び医薬又は化粧用活性成分用の担体としての又は汚染除去剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
投与された医薬活性成分は、それらの化学的及び物理的特長及びそれらの分子構造に照らした全てを超えて生体中で分布する。ほとんどの場合、この分布は最適ではなく、作用部位に到達する薬物の量は、投与された用量のほんのわずかにすぎない。この理由のために、薬物を運ぶための重合又は脂質特性のリポソーム、ミセル、マイクロ及びナノ粒子のような種々の治療システムが開発されている。これらのシステムの主な目的は、活性成分の化学的及び物理的ならびに生物薬剤的特性(例えば、生物学的利用能、投与経路及び用量)を最適化することである。
【0003】
経口投与は、体循環へのアクセスのための最も容易かつ最も都合のよい経路であるが、例えば、酵素による又は胃腸pHによる分解のような、生物学的利用能とリンクした問題と並行する若干の欠点があるかもしれない。経口投与の後、薬物の吸収に影響を及ぼすプロセスは、通常、分解現象のために、医薬形態からのその放出及び腸バリアを通しての浸透性のその能力のみならず、胃腸管におけるその安定性も含む。体循環における活性形態に到着することができる薬物の一部は、薬物の生物学的利用率又は生体利用能を生じさせる。吸収を可能にし、治療効果をもたらすために、活性成分は、分子レベルで分散するか、または体液中で完全に溶解しなければならない。従って、溶解性が低い薬物は、製剤化され、治療作用を実行するために本当に必要なものより高用量で投与される。これは、毒性及び患者の遵守の問題を招くかもしれない。
【0004】
これらの背景において、医薬分野で解決される主な問題の1つは、生理的液体のような水溶液に溶解性が低い活性成分の溶解性を増大することである。
興味深い薬力学的特性を有する場合でも、物質の溶解性は、治療においてその適用を制限している要因である。従って、活性成分の溶解性及び放出の動力学を改善するために、ますます新しい戦略が調査されている。
医薬分野での溶解性を改善するために、共溶媒、界面活性剤、微粒子システム及び複合体の使用のような種々の製剤アプローチが採用されている。包接化合物(活性成分及びシクロデキストリン)は、最も興味深いアプローチの1つである。
【0005】
シクロデキストリン(CD)は1,4−αグルコシド結合で結合した6〜8グルコース分子によって形成される非還元型環状オリゴサッカライドであり、特徴的な円錐台構造を有する。グルコース分子の官能基の配列は、分子の表面が極性であり、内部の空洞が親油性であるようなものである。
親油性の空洞は、CDに、適当な極性とサイズの有機分子を含有する溶液中で安定な包接化合物を形成する能力を与える。
この理由のために、CDは、すでに研究されており、包接化合物の特性が利用される種々の化学分野(製薬、分析、触媒、化粧品など)において、多数適用されている。
【0006】
製薬技術では、薬物の溶解速度、溶解性及び安定性の増加のため又は不快な味のマスキングのため又は液体物質から固体への変換のために、これらの複合体を採用することができる。
それらの使用は、近年、包接定数の値を増加し、それらを水不溶性にするために必要な重合の後、有機汚染物質(例えばPOP、PCB)から、汚染除去にまで広げられている。重合は、ジイソシアネート、エピクロルヒドリン又は有機炭酸エステルを用いて達成された。薬物及び/又は活性成分の担体としてそれらを使用することは、これまで報告されていない。
【0007】
架橋剤として有機炭酸エステルを使用して得られたシクロデキストリン系ナノスポンジの使用は、実際、ppb−ppmのオーダーでの濃度レベルで汚染物質として、水中で微量存在する塩素化芳香族化合物を除去すること、一般に土壌及び空気にも存在する塩素化疎水性有機分子を除去することを首尾よく狙ったものであった(WO03/085002号)。
【0008】
DE10008508号は、有機溶媒(例えば、ピリジン又はブタノン)中で、有機炭酸エステル化合物又はその活性誘導体(例えば、ホスゲン)とシクロデキストリンとの反応で得られたシクロデキストリン単位を含むポリカーボネートを開示している。特に、D1の実施例3は、溶媒(ブタノン)の存在下、ジフェニルカーボネートで非−天然シクロデキストリン(ジメチル−β−シクロデキストリン)を架橋して、粉末を得ることを言及している。得られた粉末の粒径及び形状についての情報はないが、用いた特定のシクロデキストリン(ジメチル誘導体)を考慮すると、架橋の程度は、遊離HO基のみを有し、メチル基を有さない天然シクロデキストリンを用いて得られたものよりも低いこと推測される。
【0009】
EP502194号は、シクロデキストリンとポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド又はポリスルホンの線形共重合体の製造を開示している。そのポリマーは、浸透性膜として又はクロマトグラフィの固定相としての粉末又はビーズとして有効である。
【0010】
線形共重合体の製造のために使われるシクロデキストリン誘導体は、2つの遊離OH基のみを有し、他のものは、二官能基の原料を提供するために保護されている(図中、基R)。
WO03/041095号は、フェライト、水酸化物及びシクロデキストリンの金属塩の水溶液を蒸発させることによって得られる磁気粒子の形態の複合体を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
WO03/085002号で開示された先行技術の材料と比較して特性が改善されたナノスポンジを、溶媒の不存在下、かつ超音波処理下において有機二炭酸エステルと天然シクロデキストリンとを反応させることによって得ることができることを見出している。
本発明によって得ることができるナノスポンジは、多くの特性、つまり、実質的に球形である粒子の形状ならびに粒子サイズの均一性において、既知の材料と区別することができる。
本発明のナノスポンジは、構造的特徴を考慮すると、先にこの種の材料に対して明らかにされない適用のために、例えば、医薬活性成分のエアゾール投与のための担体として使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
それらの特徴を前提として、本発明のナノスポンジは、例えば、貧しい水溶性、不安定性、分解、保護及び毒性のような活性成分の固有の問題を解決することに有用である。
また、本発明のナノスポンジは、シクロデキストリンの疎水性空洞における疎水性分子と、単一のシクロデキストリン間の空間における親水性分子との双方を同時に有しているかもしれない。
【0013】
ナノスポンジは、コロイドの寸法で、水中で明るい乳白色の懸濁液を形成する。
それらの製造のために開発された合成プロセスの後で、ナノシポンジは、光学顕微鏡での観察で球状である粒子に固化する。
合成されたナノスポンジのこの特徴は、適当な密度とともに、経口投与に加えて吸入経路のための担体としてそれらの適用を可能とする。
【0014】
高温で、溶液中にて有機炭酸エステルを用いるナノスポンジの合成は、双方の剤が溶解するDMF、ブタノン、ピリジン又はDMSO等の溶媒の使用を必要とする既知のプロセスである。その反応は、130〜140℃より高温で行われ、多数の有機分子の複合において活性化することが確認された網目の形成をもたらす。
【0015】
本発明の目的である生成物は、超音波処理下、周囲温度から900℃の間の種々の温度の操作で、溶媒の不存在下、天然シクロデキストリン(すなわち、α、β又はγ-シクロデキストリン、好ましくはβ-シクロデキストリン)と二炭酸エステル(好ましくはジフェニルカーボネート(DPC))とを反応させることによって得ることができる。
【0016】
これらの条件下で得られる生成物は、光学顕微鏡の下で独特な形態学を示す。図1の実施例の方法によって示されるように、5ミクロン未満の規則的な寸法を有する球形(spheroidal)粒子からなる。
個々の粒子の球形は、非常に先進で革新的な医薬適用のために使われるポリマーの重要な条件である。
【0017】
本発明の超音波の助けによって産生されるナノスポンジは、PCB、塩素化芳香族有機溶媒、フタル酸エステル、POP(持続性有機汚染物)及びPAH(持続性芳香族炭化水素)のような多数の有機化合物と結合することができ、よって、例えば、空気、水、土壌及び地表等の環境マトリックスの処理のために、例えば、US5425881号、WO03/085002号及びDE 10008508号で開示されたことと同様に、汚染除去剤として用いることができる。
【0018】
また、本発明のナノスポンジは、以下の分野及び適用で用いることができる。
−クロマトグラフィのための固定相として、分析化学で、
−錠剤、ピル、0.5mmから20mmのサイズの顆粒、粉末製造用又は吸入投与用賦形剤として、
−植物性及び/又は動物性活性成分の抽出において、
−活性成分の複合のための磁気形態において
−有機及び無機放射性物質、特に放射性元素であるヨウ素の除去、
−化学的な攻撃及び剤に対する個々の保護システムにおいて
−液体及びガス状の排出の処理の脱臭において。
【0019】
本発明のナノスポンジは、簡便な昇温脱離、溶媒での抽出及び/又はマイクロ波及び超音波の使用によって再生させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下の実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
4.54g(0.001モル)の無水β-CD及びジフェニルカーボネート0.856g(0.004モル)を250mlのフラスコ中で混合する。フラスコを、水を充填した超音波浴中に入れ、90℃に加熱する。混合物を5時間超音波処理する。
反応混合物を放冷し、得られた生成物を、ざっとバラバラする。フェノールの多数の針状結晶が透明な表面及びフラスコの首に認められ、生成したフェノールの一部は、生成物を凝集させる。
【0021】
生成物は、未反応シクロデキストリンを除去するために水洗され、次いで、エタノールで、ソックスレー中で洗浄され、生成したフェノール及び残部のDPCを除去する。
得られた生成物は、水不溶性の微細な白色粉末である。光学顕微鏡での観察(図1)は、完全な球形の粉末を示し、それらの平均粒径は、5ミクロンより小さく、低率の多分散系である。さらに、微小球体のナノスポンジは、実施例3(図2)におけるようなサンプルのX線分析から分かるように、低θ値の高度な結晶性を有する。
【0022】
実施例2
100mlのDMF、4.54g(0.001モル)の無水β-CD及びジフェニルカーボネート0.856g(0.004モル)を250mlのフラスコ中に入れる。フラスコを、水を充填した超音波浴中に入れ、90℃に加熱する。混合物を5時間超音波処理する。
反応混合物を放冷し、回転気相器(rotavapor)で少量に濃縮する。最終的に、過剰な水を加え、ろ過し、長時間水洗し、得られた生成物を乾燥する。
得られた生成物は、微細な白色粉末で、水不溶性である。
【0023】
実施例3
4.54g(0.001モル)の無水β-CD及びジフェニルカーボネート0.428 g (0.002 モル)を250mlのフラスコ中で混合する。フラスコを、水を充填した超音波浴中に入れ、90℃に加熱する。混合物を5時間超音波処理する。
反応混合物を放冷し、得られた生成物を、ざっとバラバラする。フェノールの多数の針状結晶が透明な表面及びフラスコの首に認められ、生成したフェノールの一部は、生成物を凝集させる。
生成物は、未反応シクロデキストリンを除去するために水洗され、次いで、130℃の窒素流中で蒸発させることによって、得られたフェノールを清浄化する。
得られた生成物は、微細な白色粉末で、水及び通常の有機溶媒に不溶性である。
【0024】
実施例4
20g (0.0176 モル)の無水β-CD及びジフェニルカーボネート7.54 g (0.0352モル)を100mlのビーカー中で混合する。ビーカーを、二重釜油浴中に入れ、90℃に加熱する。混合物を、19kHzで250Wの最大出力を供給することができる超音波プローブを用いて、4時間、19kHzにて超音波処理する。
反応混合物を放冷し、得られた生成物を、ざっとバラバラする。フェノールの多数の針状結晶が、ビーカーの透明な表面に認められ、生成したフェノールの一部は、生成物を凝集させる。
生成物を、未反応シクロデキストリンを除去するために水洗し、次いで、アセトンにてソックスレー中で洗浄し、得られたフェノール及び残部のDPCを除去する。
得られた生成物は、微細な白色粉末で、水及び通常の有機溶媒に不溶性である。
【0025】
実施例5
20g (0.0176 モル)の無水β-CD及びジフェニルカーボネート11.30 g (0.0528モル)を100mlのビーカー中で混合する。ビーカーを、二重釜油浴中に入れ、90℃に加熱する。混合物を、19kHzで250Wの最大出力を供給することができる超音波プローブを用いて、4時間、19kHzにて超音波処理する。
反応混合物を放冷し、得られた生成物を、ざっとバラバラする。フェノールの多数の針状結晶が、ビーカーの透明な表面に認められ、生成したフェノールの一部は、生成物を凝集させる。
生成物を、未反応シクロデキストリンを除去するために水洗し、次いで、アセトンにてソックスレー中で洗浄し、得られたフェノール及び残部のDPCを除去する。
得られた生成物は、微細な白色粉末で、水及び通常の有機溶媒に不溶性である。
【0026】
実施例6
10g (0.0088 モル)の無水β-CD及びジフェニルカーボネート9.4160 g (0.044モル)を100mlのビーカー中で混合する。混合物を、19kHzで250Wの最大出力を供給することができる超音波プローブを用いて、5時間、19kHzにて超音波処理する。
反応混合物を放冷し、得られた生成物を、ざっとバラバラする。フェノールの多数の針状結晶が、ビーカーの透明な表面に認められ、生成したフェノールの一部は、生成物を凝集させる。
生成物を、未反応シクロデキストリンを除去するために水洗し、次いで、アセトンにてソックスレー中で洗浄し、得られたフェノール及び残部のDPCを除去する。
得られた生成物は、微細な白色粉末で、水及び通常の有機溶媒に不溶性である。
【0027】
実施例7
実施例1で得られたポリマー0.25gを、19ppmのクロロベンゼン含有水10mlに添加する。種々のサンプルを所要時間に採取し、各サンプルをUV−可視分光器で分析する。クロロベンゼンの濃度は、30分後に8.2ppmに、180分後に3.1ppmとなったことを見出した。
3時間後の減少は、約84%であることが分かった。
【0028】
実施例8
実施例3で得られたポリマー2gを、クロロベンゼン(820ppb)、4−クロロトルエン(830ppb)、2,6−ジクロロトルエン(770ppb)、1,3,5−トリクロロベンゼン(540ppb)及びヘキサクロロベンゼン(225ppb)の混合物を含有する水50mlに添加する。種々のサンプルを所要時間に採取し、各サンプルをガスクロマトグラフィー−質量分析器で分析する。有機物の総濃度は、50分後に、約94%の減少である180ppbとなる。
個々の成分を考慮すると、97%を超える減少が得られるために、さらなる塩素化化合物に対して、高効率が得られる。
【0029】
実施例9
実施例4で得られたポリマー2gを、316ppbのPCB(市販の混合物Aroclor 1242)を含有する水50mlに添加する。
種々のサンプルを所要時間に採取し、各サンプルをガスクロマトグラフィー−質量分析器で分析する。PCBの総濃度は、50分後に、約90%の減少である32ppbとなった。
【0030】
実施例10
実施例3で得られたナノスポンジ100mgを、20mgのフルルビプロフェンを含有する水3mlに加える。これを、周囲温度で、一晩、磁気攪拌しながら放置する。最終的に、ろ過し、固相を回収し、凍結乾燥する。ナノスポンジは、10mgのフルルビプロフェン/100mgを取り入れる。
凍結乾燥された物質を、pH7.4の緩衝液中で、攪拌しながら、30℃の温度で、放出試験に付す。図3は、得られた結果を示し、考慮された活性成分の連続的かつ一定の放出が明確に観察できる。
【0031】
実施例11
実施例3で得られたナノスポンジ50mgを、3mgのドクソルビシンを含有する水3mlに加える。これを、周囲温度で、一晩、磁気攪拌しながら放置する。最終的に、ろ過し、固相を回収し、凍結乾燥する。凍結乾燥された物質は、1重量%mgのドクソルビシンを取り入れる。凍結乾燥された物質を、異なる2つの水性緩衝液中で、放出試験に付す。図4は、得られた結果を示し、考慮された活性成分の連続的かつ一定の放出が明確に観察できる。放出は、主に使われたpHに依存する点に留意する必要がある。明らかに酸性のpH(胃環境)で、放出の動力学は遅い。pH7.4で、放出は、顕著により速い放出動力学を示す。この実験は、ナノスポンジが活性成分を運ぶことができ、人間の胃の胃環境によっては変化せず通り、腸で活性成分を放出することを証明する。従って、ナノスポンジは、活性成分の担体を構成する。制御され、所要の時間で長期化された放出の結果は、実施例12で非常に詳細に説明するように、用いられたナノスポンジの貧しい溶血活性を考慮すると、きわめて重要である。
【0032】
実施例12
溶血活性を測定するために、ドナーから得た250μlの血液を試験管のセットに添加し、NANO−CDの量を増やし、次いで、10mM、pH=7.4のPBSの無菌緩衝液で1mlとした。考慮されたNANO−CDの量は、0.5mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、5.0mg、7.5mg、10.0mg、15.0mg、20.0mg及び25.0mgである。これら試験管のセットに対して、対照として、血液250μl及び750μlの10mM、pH=7.4のPBSの無菌緩衝液を含む1本の試験管と、存在する赤血球の全ての溶血を得るために過剰の塩化アンモニウムが添加された、血液250μl及び750μlの10mM、pH=7.4のPBSの無菌緩衝液を含む試験管とを加えた。
【0033】
次いで、試験管を37℃の温度で90分間インキュベートする。90分後、遠心分離を10分間2000rpmで行い、上澄を250μl取り、10mM,pH7.4の無菌のリン酸緩衝液2.5mlを含有する石英キュベット中に入れる。参照として、血液サンプルを用い、塩化アンモニウムを添加することによって、全てに溶血が引き起こされている。全サンプルを、次いで、543nmの波長で分光器(Lambda 2, Perkin Elmer)で分析する。上澄にヘモグロビンの存在によって、溶血の割合を吸収から算出する。100%の溶血は、完全に溶血したサンプル(参照)の543nmの吸光度と一致する。溶血活性は、6mg/ml の濃度まで起こらなかった。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のナノスポンジの光学顕微鏡による形態を示す図である。
【図2】本発明のナノスポンジのX線回折図である。
【図3】本発明のナノスポンジからのフルルビプロフェンの放出を示すグラフである。
【図4】本発明のナノスポンジからのドクソルビシンの放出を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波処理下及び溶媒の不存在下で、天然シクロデキストリン及び架橋剤としての有機炭酸エステルとの反応によって得られる実質的に球形のナノスポンジ。
【請求項2】
球形で、5ミクロン未満の寸法の請求項1のナノスポンジ。
【請求項3】
シクロデキスロチンがβシクロデキスロチンであり、炭酸エステルがジフェニルカーボネートである請求項1又は2のナノスポンジ。
【請求項4】
医薬、食品、化粧品及び農業対象物(植物医薬)の活性成分の担体としての請求項1、2又は3のナノスポンジの使用。
【請求項5】
ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩素化芳香族有機溶媒、フタル酸エステル、持続性有機汚染物質(POP)、PHA及び無機型の汚染除去剤としての請求項1又は2のナノスポンジの使用。
【請求項6】
請求項1から3のナノスポンジに含有される活性成分を含む組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−503624(P2008−503624A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517194(P2007−517194)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006747
【国際公開番号】WO2006/002814
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(504373060)シー マルコニ テクノロジーズ ディ ダヴリュー. ツミアッティ エス.エー.エス. (1)
【氏名又は名称原語表記】SEA MARCONI TECHNOLOGIES  DI W.TUMIATTI S.A.S.
【住所又は居所原語表記】Via Principi d’Acaja,11, I−10143 Torino Italy
【Fターム(参考)】