説明

シグマ受容体化合物

本発明は、化学式(I)の化合物、その調製方法及び当該化合物を含む医薬に関し、同様に、ヒト及び動物の治療のための医薬の製造における当該化合物の使用方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明分野〕
本発明は、シグマ受容体に対する薬理活性を有する化合物、当該化合物の調製方法、これらを含む薬剤、治療及び予防とりわけ精神病又は痛みの治療におけるこれらの使用、に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
近年、ターゲットとなる疾患に関連するタンパク質及び他の生体分子の立体構造に対する理解が進み、新規な治療剤の探索が非常に促進された。これらのタンパク質の中でも重要なクラスの一つがシグマ受容体である。シグマ受容体は、中枢神経系(Central nerve system:CNS)の細胞表面受容体であって、オピオイドによる不快性の刺激効、幻覚誘発性の刺激効、及び心臓性の刺激効に関係していると考えられる。シグマ受容体に関する生物学的及び機能的な研究から、シグマ受容体のリガンドは、精神病の治療、及び、ジストニー、遅発性ジスキネジア、並びにハンチントン舞踏病やトゥーレット症候群に関連する運動障害や、パーキンソン病における運動障害、等の動作障害の治療、に有用でありうるという証拠が提示されてきた(Walker, J.M.ら,Parmacological Reviews, 1990,42,355)。既知のシグマ受容体リガンドであるリムカゾールが、精神病の治療に臨床病理学的な効果を示したことが報告された(Snyder, S.H., Largent,B.L., J.Neuropsychiatry 1989,1,7)。シグマ結合部位は、例えば、(+)−SKF10047、(+)−シクラゾシン、(+)−ペンタゾシンなどの特定の鎮痛性ベンゾモルファンにおける右旋性の異性体、及びハロペリドールなどの特定の睡眠剤に対して、選択的な親和性を有する。シグマ受容体は少なくとも二種のサブタイプを有し、当該サブタイプは、これら薬理活性のある薬剤の立体選択的な異性体により弁別されうる。SKF10047は、シグマ−1部位に対してナノモルレベルでの親和性を示し、シグマ−2部位に対してマイクロモルレベルでの親和性を示す。ハロペリドールは両方のサブタイプに対して同等の親和性を示す。内生的なシグマリガンドは知られていないが、プロゲステロンは、内生的なシグマリガンドではないかと示唆されている。シグマ部位介在性の薬剤候補が示す効果には、グルタミン酸受容体の機能、神経伝達系の応答、神経保護、行動、及び認識、を調節することが包含される(Quirion,R.et.al. Trends Pharmacol, Sci.,1992,13:85-86)。多くの研究は、シグマ結合部位(受容体)は、シグナル伝達カスケードにおける原形質膜性の要素であると暗示している。選択性のあるシグマリガンドとして報告された薬剤は、抗精神病薬として評価されてきた(Hanner, M.et.al.Proc.Natl.Acad.Sci.,1996,93:8072-8077)。中枢神経系(CNS)、免疫系、及び内分泌系にシグマ受容体が存在することは、当該シグマ受容体がこれら三つの系をつなぐものとして機能している可能性を示唆する。
【0003】
シグマ受容体のアゴニスト又はアンタゴニストの治療への応用可能性という観点から、選択性のあるリガンドの探索に多大な努力が向けられてきた。その結果として、従来技術は、様々なシグマ受容体リガンドを開示している。
【0004】
国際特許出願WO91/09594号は、様々なクラスに属するシグマ受容体リガンドを包括的に記述している。その中には、4−フェニルピペリジン、−テトラヒドロ−ピリジン、又は−ピペラジン化合物であって、環内の窒素原子上に、置換がなされていてもよい、アリール又はヘテロアリール;アルキル;アルケニル;アルキニル;アルコキシ;又はアルコキシアルキル;の置換基を有するものが記述されている。ここで、アリール及びヘテロアリールという用語は、そのような置換基の数に言及することで定義付けられている。
【0005】
ヨーロッパ特許公開EP0414289A1号は、ピペリジンの窒素原子において炭化水素基による置換が生じてなる、1,2,3,4−テトラヒドロ−スピロ(ナフタレン−1,4’−ピペリジン)、及び1,4−ジヒドロ−スピロ(ナフタレン−1,4’−ピペリジン)誘導体、の化合物群を包括的に記述し、これらが選択性のあるシグマ受容体アンタゴニスト活性を有すると主張する。上記特許において、炭化水素という用語は、とりうる全ての、直鎖状、環式、複素環式、等の基として定義される。しかしながら、ピペリジンの窒素原子における置換基として、ベンジル基;フェネチル基;シクロアルキルメチル基;フリル基又はチエニルメチル基;又は低級アルキル基;又はアルケニル基;を有する化合物のみが具体的に開示される。これらの化合物は、200nMより優れた効力で、トリチウム化されたジトリルグアニジン(DTG)をシグマ部位から置換すると言及されている。とりわけ好適な化合物として、1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−スピロ(ナフタレン−1,4’−ピペリジン)が言及されている。
【0006】
ヨーロッパ特許公開EP0445974A2号は、対応するスピロ(インダン(indane)−1,4’−ピペリジン)誘導体と、スピロ(ベンゾシクロヘプテン−5,4’−ピペリジン)誘導体とを、包括的に記述する。また同様に、これらの化合物は、200nMより優れた効力で、トリチウム化されたジトリルグアニジン(DTG)をシグマ部位から置換することのみが言及されている。
【0007】
ヨーロッパ特許出願 EP0431943A2号は、さらに極度に広い群の、ピペリジンの窒素原子において置換のあるスピロピペリジン化合物に関し、かつ、これら化合物が抗不整脈薬剤として有用であること、及び心筋のポンプ機能障害に対して有用であることが主張されている。当該出願は、幾つかの化合物を例示しており、その大部分は、スピロ環系にオキソ及び/又はスルフォニルアミノ置換基を含む。残りの化合物は、その主要部にスピロ核に付随する他の極性の置換基を有し、又は、当該化合物はピペリジンの窒素原子上の置換基内に幾つかの極性の置換基を有する。これら化合物のシグマ受容体に対する効果の示唆、又は暗示はなされていない。
【0008】
有効かつ選択性があり、さらに薬剤になりうる好適な特性、すなわち、投与、送達、代謝および排出に関して優れた薬剤特性を有する、シグマ受容体に対する薬理活性を持つ化合物を見出す必要性がいまだ存在する。
【0009】
〔発明の要旨〕
我々は、シグマ受容体のとりわけ優れた選択的阻害剤である化合物ファミリーを見出した。当該化合物は、5、6又は7個の炭素原子を有するシクロアルキル環と縮合をした、フラン及び/又はピロール環を示す。
【0010】
本発明の一側面は、一般式(I)の化合物に係る発明であり、
【0011】
【化1】

AはNR基又はOを表し、
mは、0、1、又は2から選ばれ、
nは、0、1、2、3、又は4から選ばれ、
点線は、一つの単結合、又は二重結合の何れかを表し、
1及びR2は、互いに同一又は異なり、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;(C=O)−R7基;(C=O)−O−R7基;(SO)−R7基;NR77a基;(C=O)−NR77a基;O−R7基;を表し、
又は、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む複素環基を形成し、当該複素環基は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよく、及び/又は直鎖状のアルキレン基を介して結合してもよく、及び/又はスピロ環結合を介して、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と結合してもよい;を表し、
tは0、1、2又は3から選択され、
3は、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;を表し、
4及びR5は、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
又は、
4及びR5は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、3員から6員でなる環系を形成し、
6は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
7及びR7aは、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
8は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
立体異性体の一種の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー又はジアステレオマーであり、ラセミ体又は少なくとも二種類の立体異性体の混合物の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー及び/又はジアステレオマーであり、混合割合は特に限定されず、あるいは対応する塩でもよく、又は対応する溶媒和化合物であってもよい。
【0012】
tは1、2又は3から選択されることが好ましい。
【0013】
一の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがOを表し、
かつnが0、1又は2から選択される場合、
1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共にイミダゾール基を形成しないものであってよい。
【0014】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがOを表す場合、mとnとが共に1であり、R8はメチル基であり、点線は二重結合を表し、R4及びR5は共に水素である。
【0015】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5及びR6は水素を表し、R8はCH2OHであり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよい。
【0016】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5及びR6は水素を表し、R8はC(O)Hであり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよい。
【0017】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5、R6、及びR8は水素を表し、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよい。
【0018】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、R4、R5及びR6は水素を表し、点線は単結合を表し、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成し、R8がCH=Het(ここでHetは、フェニル−置換1,3−ジヒドロインドール−2−オン)でないものであってよい。
【0019】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mが1でnが0であり、R4、R5、R6、及びR8は水素を表し、点線は二重結合を表し、R1又はR2の他方がC(O)−シクロヘキシルである場合に、残りの一方が水素でなくてもよい。
【0020】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5及びR6は水素を表し、R8はCH2OHであり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよく、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5、R6及びR8は水素を表し、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよく、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、R4、R5、及びR6は水素を表し、点線は単結合を表し、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成し、R8がCH=Het(ここでHetは、フェニル−置換1,3−ジヒドロインドール−2−オン)でないものであってよく、
AがNR3を、R3がHを表す場合、mが1でnが0であり、R4、R5、R6及びR8は水素を表し、点線は二重結合を表し、R1又はR2の他方がC(O)−シクロヘキシルである場合に、残りの一方が水素でなくてもよく、
AがOを表し、nが0、1、又は2から選択される場合、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共にイミダゾール基を形成しないものであってよく、
AがOを表す場合、mとnとが共に1であり、R8はメチルであり、点線は二重結合を表し、R4とR5とは共に水素である。
【0021】
他の観点では、この発明は、一般式(I)で表される化合物を指し、
【0022】
【化2】

ここで、AはNR基を表し、
mは、0、1、又は2から選ばれ、
nは、0、1、2、3、又は4から選ばれ、
点線は、一つの単結合、又は二重結合の何れかを表し、
1及びR2は、互いに同一又は異なり、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;(C=O)−R7基;(C=O)−O−R7基;(SO)−R7基;NR77a基;(C=O)−NR77a基;O−R7基;を表し、
又は、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む複素環基を形成し、当該複素環基は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよく、及び/又は直鎖状のアルキレン基を介して結合してもよく、及び/又はスピロ環結合を介して、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と結合してもよい;を表し、
tは0、1、2又は3から選択され、
3は、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;を表し、
4及びR5は、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
又は、
4及びR5は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、3員から6員でなる環系を形成し、
6は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
7及びR7aは、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
8は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
立体異性体の一種の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー又はジアステレオマーであり、ラセミ体又は少なくとも二種類の立体異性体の混合物の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー及び/又はジアステレオマーであり、混合割合は特に限定されず、あるいは対応する塩でもよく、又は対応する溶媒和化合物であってもよい。
【0023】
tは1、2又は3から選択されることが好ましい。
【0024】
一の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5及びR6は水素であり、R8はCH2OHであり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよい。
【0025】
一の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5及びR6は水素であり、R8はC(O)Hであり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよい。
【0026】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は二重結合を表し、R4、R5、R6及びR8は水素であり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよい。
【0027】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、R4、R5及びR6は水素であり、点線は単結合を表し、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成し、R8がCH=Het(ここでHetは、フェニル−置換1,3−ジヒドロインドール−2−オン)でないものであってよい。
【0028】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
3がHを表す場合、mが1でnが0であり、R4、R5、R6及びR8は水素であり、点線は二重結合を表し、R1又はR2の他方がC(O)−シクロヘキシルである場合に、残りの一方が水素でなくてもよい。
【0029】
他の具体例では、次の条件が適用され、その条件とは、
3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5及びR6は水素であり、R8はCH2OHであり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよく、
3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、点線は単結合を表し、R4、R5、R6及びR8は水素であり、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成しないものであってよく、
3がHを表す場合、mとnとが共に1であり、R4、R5及びR6は水素であり、点線は単結合を表し、R1及びR2が、両者を架橋する窒素原子と共に、置換がなされていないピロリジンを形成し、R8がCH=Het(ここでHetは、フェニル−置換1,3−ジヒドロインドール−2−オン)でないものであってよく、
3がHを表す場合、mが1でnが0であり、R4、R5、R6及びR8は水素であり、点線は二重結合を表し、R1又はR2の他方がC(O)−シクロヘキシルである場合に、残りの一方が水素でなくてもよい。
【0030】
式(I)の化合物のプロドラッグとなる如何なる化合物も、本発明の範疇に属する。「プロドラック」という用語は最も広義な意味で使用され、生体内(in vivo)で本発明の化合物に転化するこれら誘導体も包含する。そのような誘導体は、当業者が容易に想起できるものであり、限定されないが、分子に含まれる官能基の種類により、当該化合物にかかる以下の誘導体が含まれる;エステル類、アミノ酸エステル類、リン酸エステル類、金属硫酸塩エステル類、カルバミン酸エステル類、及びアミド類。活性ある化合物のプロドラッグの製法としてよく知られた例は、当業者に知られており、例えば、Krogsgaard-Larsenらの「Textbook of Drug design and Discovery(Taylor&Francis(2002年4月))」に見出される。
【0031】
本発明においては、アルキルラジカル又はアルキル基とは、飽和及び不飽和で、直鎖状又は分岐状の炭化水素類であって、置換がなされておらず、又は一つ又は複数の置換がなされていてもよいものを意味すると解される。したがって、不飽和のアルキルとは、例えば、−CH=CH−CH3、−CH≡CH−CH3等の、アルケニル基及びアルキニル基を包含するものと解される。一方、飽和のアルキルとは、例えば、−CH3、−CH2−CH3を包含するものと解される。これらのラジカルにおいて、C1-2−アルキルとはC1−又はC2−アルキルを表し、C1-3−アルキルとはC1−、C2−、又はC3−アルキルを表し、C1-4−アルキルとはC1−、C2−、C3−、又はC4−アルキルを表し、C1-5−アルキルとはC1−、C2−、C3−、C4−、又はC5−アルキルを表し、C1-6−アルキルとはC1−、C2−、C3−、C4−、C5−、又はC6−アルキルを表し、C1-7−アルキルとはC1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、又はC7−アルキルを表し、C1-8−アルキルとはC1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−、又はC8−アルキルを表し、C1-10−アルキルとはC1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−、C8−、C9−、又はC10−アルキルを表し、C1-18−アルキルとはC1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−、C8−、C9−、C10−、C11−、C12−、C13−、C14−、C15−、C16−、C17−、又はC18−アルキルを表す。これらアルキルラジカルは、好ましくは、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、プロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、である。置換がなされている場合には、CHF2、CF3、CH2OH等でもある。
【0032】
本発明においては、脂肪族基又は脂肪族ラジカルとは、アルキル(飽和)、アルケニル(不飽和のアルキル)、及びアルキニル(不飽和のアルキル)が含まれ、すなわち飽和又は不飽和のアルキル(上記参照)と同義語である。
【0033】
本発明においては、シクロアルキルラジカル又はシクロアルキル基とは、飽和及び不飽和(ただし芳香族ではない)な環式炭化水素(環内にヘテロ原子を有しない)を意味すると解され、これらは置換がなされておらず、又は一つ又は複数の置換がなされていてもよい。さらに、C3-4シクロアルキルとはC3−、又はC4−シクロアルキルを表し、C3-5シクロアルキルとはC3−、C4−、又はC5−シクロアルキルを表し、C3-6シクロアルキルとはC3−、C4−、C5−、又はC6−シクロアルキルを表し、C3-7シクロアルキルとはC3−、C4−、C5−、C6−、又はC7−シクロアルキルを表し、C3-8シクロアルキルとはC3−、C4−、C5−、C6−、C7−、又はC8−シクロアルキルを表し、C4-5シクロアルキルとはC4−、又はC5−シクロアルキルを表し、C4-6シクロアルキルとはC4−、C5−、又はC6−シクロアルキルを表し、C4-7シクロアルキルとはC4−、C5−、C6−、又はC7−シクロアルキルを表し、C5-6シクロアルキルとはC5−、又はC6−シクロアルキルを表し、C5-7シクロアルキルとはC5−、C6−、又はC7−シクロアルキルを表す。しかしながら、芳香族環系でない限りにおいて、一つ又は複数箇所が不飽和な、好ましくは一箇所が不飽和なシクロアルキルは、特に、上記「シクロアルキル」という用語の範囲内に含まれる。アルキルラジカル及びシクロアルキルラジカルは好ましくは、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、プロピル、アリル(2−プロペニル)、1−プロピニル、メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、及びまたアダマント(adamantly)である。
【0034】
本発明においては、アルキル−シクロアルキルとは、アルキル基(上記参照)を介して他の原子と結合しているシクロアルキル基(上記参照)を意味すると解され、ただしアルキルという場合は当該アルキルは常に飽和でかつ直鎖状又は分岐状である。
【0035】
アルキル基又は脂肪族基に関して、他に定義付けの無い限り、本発明において、「置換がなされた」との用語は、少なくとも一つの水素ラジカルがF;Cl;Br;I;NH2;SH;又はOH;により置き換えられたことを意味すると解される。「複数の置換がなされた」ラジカルとの用語は、上記の置き換えが、数回にわたり、同一の又は異なる置換基によって異なる原子上及び同一の原子上に生じることを意味すると解される。例えば、CF3の場合のように同一のC原子上に3回生じること、又は、例えば−CH(OH)−CH=CH−CHCl2等の場合のように異なる場所に3回生じることが挙げられる。
【0036】
(CH23-6という用語は−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−、及び−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−を意味すると解され、(CH21-4という用語は−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、及び−CH2−CH2−CH2−CH2−を意味すると解され、(CH24-5という用語は−CH2−CH2−CH2−CH2−、及び−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−を意味すると解され、その他同様である。
【0037】
アリールラジカル又はアリール基とは、少なくとも一つの芳香族環を有する環系であって、ただし当該環のただ一つにおいてさえヘテロ原子を含まないものを意味すると解される。例としては、フェニル、ナフチル、フルオランテニル(fluoranthenyl)、フルオレニル、テトラリニル(tetralinyl)又はインダニル(indanyl)があり、特に9H−フルオレニルラジカル又はアントラセニルラジカルであり、これらは置換がなされていなくても、一つの置換がなされていても、複数の置換がなされていてもよい。
【0038】
本発明においては、アルキル−アリールとは、アルキル基(上記参照)を介して他の原子と結合しているアリール基(上記参照)を意味すると解され、ただしアルキルという場合は当該アルキル基は常に飽和でかつ直鎖状又は分岐状である。
【0039】
複素環ラジカル又は複素環基とは、複素環式の環系であって、窒素、酸素及び/又は硫黄からなる群より選択される一つ又は一を超えるヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の環であり、一つ又は複数の置換がなされていてもよいもの、を意味すると解される。ヘテロアリール基から例を挙げると、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール(thiadiazole)、ベンゾチアゾール、インドール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、カルバゾール及びキナゾリンがある。
【0040】
本発明においては、アルキル−複素環とは、アルキル基(上記参照)を介して他の原子と結合している複素環基(上記参照)を意味すると解され、ただしアルキルという場合は当該アルキルは常に飽和でかつ直鎖状又は分岐状である。
【0041】
アリール又はアルキル−アリール、シクロアルキル又はアルキル−シクロアルキル、複素環式又はアルキル−複素環式に関して、他に定義付けの無い限り、「置換がなされた」との用語は、アリール又はアルキル−アリール、シクロアルキル又はアルキル−シクロアルキル、複素環式又はアルキル−複素環式における環系が、OH;SH;=O;ハロゲン(F、Cl、Br、I);CN;NO2;COOH;NR(ここで、R及びRは独立して、H、又は、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、置換がなされた又は置換がなされていないC1-6−アルキル;飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、置換がなされた又は置換がなされていないC1-6−アルキル;飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、置換がなされた又は置換がなされていない、−O−C1-6−アルキル(アルコキシ);飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、置換がなされた又は置換がなされていない、−S−C1-6−アルキル;飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、置換がなされた又は置換がなされていない、−C(O)−C1-6−アルキル基;飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の、置換がなされた又は置換がなされていない、−C(O)−O−C1-6−アルキル基;飽和又は不飽和のアリール又はアルキル−アリール;飽和又は不飽和のシクロアルキル又はアルキル−シクロアルキル;飽和又は不飽和の複素環式又はアルキル−複素環式;である);により置換がなされていることを意味すると解される。
【0042】
本発明に関して「環系」という用語は、N、O又はSから選択される少なくとも一つのヘテロ原子を環の構成要素として含んでよく、また少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和炭素環系、不飽和炭素環系、又は芳香族炭素環系、を含む環系を指す。当該環系は、例えば、アリール基、複素環基、シクロアルキル基などの他の炭素環系と縮合していてもよい。
【0043】
本発明に関して「縮合」という用語は、環、又は環系が、他の環、又は環系に連結する(attach)ことを指す。ここで、「環状化された(annulated or annelated)」という用語もまた、この種の連結(attachment)を指し示すものとして当業者に使用される。
【0044】
「スピロ環結合を介して、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と結合する」という用語は、二つの環系間にある一つのC原子を介した結合を意味し、例えば、下記の構造においてスピロ環結合とは矢印で示したものである。
【0045】
【化3】

「塩」という用語は、本発明に関連して使用される活性ある化合物の如何なる形態をも意味するものとして解され、イオンの形態、帯電しかつ対イオン(カチオン又はアニオン)と結合した形態、又は溶液中に存在する形態をとる。また、これにより、当該活性ある化合物と、他の分子及びイオンとからなる複合体、特に、イオン性の相互作用を介して複合した複合体も指すと解される。
【0046】
本発明においては、「生理的に受け入れうる(acceptable)塩」という用語は、治療に適切に用いられた場合、特にヒト及び/又は哺乳動物に用いられ又は適用された場合に、「生理的に許容される(tolerated)塩(多くの場合、毒性がない、特に対イオンに起因した毒性がない、ことを意味する)」を指す。
【0047】
これら、生理的に受け入れうる塩は、カチオン又は塩基とともに調製することもでき、本発明では、本発明に関連して使用される化合物の少なくとも一つをアニオンとし、当該アニオンと、特にヒト及び/又は哺乳動物に用いられる場合に生理的に許容される少なくとも一つのカチオンと、からなる塩を意味するものと解される。ここで、本発明に関連して使用される上記化合物は、通常、アニオンとしての(脱プロトン化された)酸であり、上記カチオンとしては無機のカチオンが好ましい。また、アルカリ金属の塩、及びアルカリ土類金属の塩が特に好適であり、またこれらとNH4とを共存させたものも特に好適であるが、中でもとりわけ(モノ)−又は(ジ)ナトリウム塩、(モノ)−又は(ジ)カリウム塩、マグネシウム塩、又はカルシウム塩、が好適である。
【0048】
これら、生理的に受け入れうる塩は、アニオン又は酸とともに調製することもでき、本発明では、本発明に関連して使用される化合物の少なくとも一つをカチオンとし、当該カチオンと、特にヒト及び/又は哺乳動物に用いられる場合に生理的に許容される少なくとも一つのアニオンと、からなる塩を意味するものと解される。ここで、本発明に関連して使用される上記化合物は、通常、カチオンとしてのプロトン化されたもの、例えばその窒素原子がプロトン化されたもの、である。また、本発明において、これが特に意味するのは、生理的に許容される酸とともに調製された塩、すなわち、特定の活性ある化合物と、特にヒト及び/又は哺乳動物に用いられる場合に生理的に許容される無機酸又は有機酸と、からなる塩、である。生理学的に受け入れうる、特定の酸にかかる塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、マンデル酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、又はクエン酸塩、が挙げられる。
【0049】
本発明にかかる化合物は結晶の形態であってもよく、又は遊離化合物(free compound)、又は溶媒和化合物であってもよい。そしてこれらの形態は、本発明の範疇に入るということを意図する。溶媒和化合物の調製方法は、当該分野で一般的に知られている。好適な溶媒和化合物は、薬剤として受け入れうる溶媒和化合物である。本発明に関して「溶媒和化合物」という用語は、本発明に関連する活性のある化合物が、非共有結合を介して他の分子(特に極性の溶媒でありうる)と結合した如何なる形態をも意味するものと解され、特に、水和物、アルコラート、例えばメタノラートを含むものである。
【0050】
式(I)の化合物のプロドラッグとなる如何なる化合物も、本発明の範疇に属する。「プロドラック」という用語は最も広義な意味で使用され、生体内(in vivo)で本発明の化合物に転化するこれら誘導体も包含する。そのような誘導体は、当業者が容易に想起できるものであり、限定されないが、分子に含まれる官能基の種類により、当該化合物にかかる以下の誘導体が含まれる;エステル類、アミノ酸エステル類、リン酸エステル類、金属硫酸塩エステル類、カルバミン酸エステル類、及びアミド類。活性ある化合物のプロドラッグの製法としてよく知られた例は、当業者に知られており、例えば、Krogsgaard-Larsenらの「Textbook of Drug design and Discovery(Taylor&Francis(2002年4月))」に見出される。
【0051】
他に言及の無い限り、本発明の化合物はまた、1又は1を超える同位性元素が存在するという点のみで異なる化合物を含むことを意図する。例えば、水素が重水素又は三重水素にて置換がなされたことを除いては現在ある構造を有する化合物や、炭素が13C又は14C化した炭素、又は15N化した窒素にて置換がなされたことを除いては現在ある構造を有する化合物は、本発明の範疇に属する。
【0052】
式(I)の化合物、又はその塩、又はその溶媒和化合物は、好適には、薬剤として受け入れうる形態、又は実質的に純粋な形態、である。「薬剤として受け入れうる形態」とは、とりわけ、希釈剤や担体等の通常の薬剤用添加剤を除いた状態で薬剤として受け入れうる純度レベルを有し、かつ、通常の服用量のレベルで毒性があると考えられる物質を含まない、ことを意味する。医薬性の物質としての純度レベルは、好ましくは50%以上であり、より好ましくは70%以上であり、最も好ましくは90%以上である。ある好適な実施形態では、式(I)の化合物、又はその塩や溶媒和化合物、又はプロドラッグは、当該純度レベルが95%以上である。
【0053】
「薬学的ツール」とは、本発明の化合物の特徴点に言及するものであり、当該化合物はシグマ受容体の特に選択的なリガンドであることから、本発明における式(I)で示される化合物は、他の化合物がシグマリガンドであるかの試験をする際のモデル、例えば、放射性(radiactive)リガンドの置換など、として用いることができることを示唆する。また、当該化合物は、シグマ受容体に関連した生理学的な作用をモデリングするために用いることができることを示唆する。
【0054】
好適なものは、上記一般式(I)で示される化合物において、
ここで、AはNR基又はOを表し、
mは、0、1、又は2から選ばれ、
nは、0、1、2、3、又は4から選ばれ、
点線は、一つの単結合、又は二重結合の何れかを表し、
1及びR2は、互いに同一又は異なり、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;(C=O)−R7基;(C=O)−O−R7基;(SO)−R7基;NR77a基;(C=O)−NR77a基;O−R7基;を表し、
tは0、1、2又は3から選択され、
又は、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む複素環基を形成し、当該複素環基は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよく、及び/又は直鎖状のアルキレン基を介して結合してもよく、及び/又はスピロ環結合を介して、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と結合してもよい;を表し、
3は、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;を表し、
4及びR5は、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
6は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
7及びR7aは、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
8は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
立体異性体の一種の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー又はジアステレオマーであり、ラセミ体又は少なくとも二種類の立体異性体の混合物の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー及び/又はジアステレオマーであり、混合割合は特に限定されず、あるいは対応する塩でもよく、又は対応する溶媒和化合物であってもよい。
【0055】
tは0、1、2又は3から選択されることが好ましい。
【0056】
本発明に関する化合物として好適なものは、また、
ここで、AはNR基を表し、
mは、0、1、又は2から選ばれ、
nは、0、1、2、3、又は4から選ばれ、
点線は、一つの単結合、又は二重結合の何れかを表し、
1及びR2は、互いに同一又は異なり、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;(C=O)−R7基;(C=O)−O−R7基;(SO)−R7基;NR77a基;(C=O)−NR77a基;O−R7基;を表し、
tは0、1、2又は3から選択され、
又は、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む複素環基を形成し、当該複素環基は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよく、及び/又は直鎖状のアルキレン基を介して当該環系と結合してもよく、及び/又はスピロ環結合を介して、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と結合してもよい;を表し、
3は、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされた一つ又は複数の環からなる他の環系と縮合してもよく;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基であり、当該アリール基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基であり、当該複素環基は少なくとも一つの置換がなされていてもよく、及び/又は一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよい;を表し、
4及びR5は、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
6は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
7及びR7aは、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
8は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
立体異性体の一種の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー又はジアステレオマーであり、ラセミ体又は少なくとも二種類の立体異性体の混合物の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー及び/又はジアステレオマーであり、混合割合は特に限定されず、あるいは対応する塩でもよく、又は対応する溶媒和化合物であってもよい。
【0057】
tは1、2又は3から選択されることが好ましい。
【0058】
上記一般式(I)の化合物として好適なものは、また、
ここで、AはNR基又はOを表し、
mは、0、1、又は2から選ばれ、
nは、0、1、2、3、又は4から選ばれ、
点線は、一つの単結合、又は二重結合の何れかを表し、
1及びR2は、互いに同一又は異なり、水素原子;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
又は、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む、次の群から選択される複素環基を形成し、
【0059】
【化4】

当該複素環基は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよく;又は、スピロ環結合を介して、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と結合してもよい;を表し、
3は、水素原子;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
4及びR5は、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
6は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
7は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
8は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
9及びR10は、互いに同一又は異なり、水素原子;ハロゲン;OR7;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリールラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;を表し、
又は、
9及びR10は、同じ員環(ring-member)に結合して、この員環とともに、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系を形成する、
又は、
9及びR10は、異なる隣接する複数の員環に結合して、これら員環とともに、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系を形成する、
11は、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリールラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;を表し、
立体異性体の一種の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー又はジアステレオマーであり、ラセミ体又は少なくとも二種類の立体異性体の混合物の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー及び/又はジアステレオマーであり、混合割合は特に限定されず、あるいは対応する塩でもよく、又は対応する溶媒和化合物であってもよい。
【0060】
上記一般式(I)の化合物として好適なものは、また、
ここで、AはNR基を表し、
mは、0、1、又は2から選ばれ、
nは、0、1、2、3、又は4から選ばれ、
点線は、一つの単結合、又は二重結合の何れかを表し、
1及びR2は、互いに同一又は異なり、水素原子;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
又は、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む、次の群から選択される複素環基を形成し、
【0061】
【化5】

当該複素環基は、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と縮合してもよく;又は、スピロ環結合を介して、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系と結合してもよい;を表し、
3は、水素原子;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
4及びR5は、互いに同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
6は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
7は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
8は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF3;OH;CN;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいC1-6のアルコキシ基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状又は分岐の無い、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;分岐状又は分岐の無い、飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;を表し、
9及びR10は、互いに同一又は異なり、水素原子;ハロゲン;OR7;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリールラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;を表し、
又は、
9及びR10は、同じ員環に結合して、この員環とともに、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系を形成し、
又は、
9及びR10は、異なる隣接する複数の員環に結合して、これら員環とともに、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系を形成し、
11は、水素原子;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリールラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;を表し、
立体異性体の一種の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー又はジアステレオマーであり、ラセミ体又は少なくとも二種類の立体異性体の混合物の形態であってもよく、この場合、好ましくはエナンチオマー及び/又はジアステレオマーであり、混合割合は特に限定されず、あるいは対応する塩でもよく、又は対応する溶媒和化合物であってもよい。
【0062】
上記一般式(I)の化合物として好適なものは、また、
ここで、R1及びR2は、互いに同一又は異なり、水素原子;分岐の無い又は分岐状の、置換がなされたC1-6のアルキル基であり、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基を有するもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により少なくとも一つの置換がなされていてもよい、飽和又は不飽和のシクロアルキル基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基;分岐状の又は分岐の無いアルキル−シクロアルキル基であり、当該シクロアルキル基が、互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよいもの;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−アリール基;互いに独立に、F、Cl、Br、I、NH2、SH、OH、又はCF3からなる群から選択された置換基により、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、分岐状又は分岐の無いアルキル−複素環基;を表し、
又は、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む、次の群から好適に選択される複素環基を形成し、
【0063】
【化6】

7は、上で定義した意味であり、
9及びR10は、互いに同一又は異なり、水素原子;ハロゲン;OR7;直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの置換がなされていてもよい脂肪族ラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよいシクロアルキル基;フェニル又はナフチルからなる群より選択される、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアリールラジカル;少なくとも一つの置換がなされていてもよい複素環基であり、次の群から好適に選択されるもの;
【0064】
【化7】

;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−アリール基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−複素環基;直鎖状又は分岐状の、少なくとも一つの置換がなされていてもよいアルキル−シクロアルキル基;を表し、
又は、
9及びR10は、同じ員環に結合して、この員環とともに、少なくとも一つの置換がなされていてもよいスピロ環系であって、好適にはメタ、オルト、又はパラ位に位置するものを形成し、
又は、
9及びR10は、異なる隣接する複数の員環に結合して、これら員環とともに、少なくとも一つの置換がなされていてもよい一つ又は複数の環からなる環系を形成する。
【0065】
上記一般式(I)の化合物として好適なものは、また、
1及びR2が両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの環からなり少なくとも一つの置換がなされていてもよい、少なくとも一つのヘテロ原子を含む、次の群から選択される複素環基を形成し、
【0066】
【化8】

9及びR10は、互いに同一又は異なり、互いに独立に、水素原子、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH2、CF3、CH3、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH3、C1-4のアルキル基、(CO)−O−メチル、CO2H、オキソ;少なくとも一つの置換がなされていてもよいベンジル基、少なくとも一つの置換がなされていてもよいフェニル基、少なくとも一つの置換がなされていてもよいナフチル基、少なくとも一つの置換がなされていてもよいベンゾフラン基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいベンゾイミダゾール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいインドール基;少なくとも一つの置換がなされていてもよいピリジン基;を表し、
9及びR10は、好適には、パラ、メタ、又はオルト位に位置する。
【0067】
上記一般式(I)の化合物として好適なものは、また、
ここで、
9及びR10は、両者を架橋する窒素原子と共に、少なくとも1つの置換がなされたスピロ化合物を形成し、当該スピロ化合物は、オキソ置換(oxo-substituted)がなされていてもよく、及び/又は、異なる隣接する複数の員環と結合してもよく;これら員環とともに、少なくとも一つの置換がなされていてもよい、一つ又は複数の環からなる環系を形成してもよく;
9及びR10は、好適には、パラ、メタ、又はオルト位に位置する。
【0068】
また、上記一般式(I)の化合物として好適なものは、ここで、mが0又は1から選択され、好適には1である。
【0069】
好ましくは、また、上述した一般式(I)の化合物おいて、
AはNR基又はOを示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を、示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より選択される複素環基ヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【0070】
【化9】

は、水素原子;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;NH;SH;OH;CF;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基;ベンゾフラン基;ベンゾイミダゾール基;インドール基;又はピリジン基であり、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい。
【0071】
好ましくは、また、上述した一般式(I)において、mが0又は1から選択され、より好ましくは1から選択される。
【0072】
好ましくは、また、上述した一般式(I)の化合物において、
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より選択される複素環基ヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【0073】
【化10】

は、水素原子;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基;ベンゾフラン基;ベンゾイミダゾール基;インドール基;又は、ピリジン基であり、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい。
【0074】
好ましくは、また、上述した一般式(I)の化合物において、
AはNR基又はOを示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より好ましくは選択されるヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており;
【0075】
【化11】

オキソ置換されていてもよく、及び/又は少なくとも単一置換されていてもよいアリール基からなる群より選択される、異なる隣接環部分に結合しており、
は、水素原子;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又はF、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基;ベンゾフラン基;ベンゾイミダゾール基;インドール基;又は、ピリジン基であり、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい。
【0076】
好ましくは、また、上述した一般式(I)の化合物において、
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より好ましくは選択されるヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【0077】
【化12】

オキソ置換されていてもよく、及び/又は少なくとも単一置換されていてもよいアリール基からなる群より選択される、異なる隣接環部分に結合しており、
は、水素原子;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基;ベンゾフラン基;ベンゾイミダゾール基;インドール基;又は、ピリジン基であり、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい。
【0078】
好ましくは、また、上述した一般式(I)の化合物において、
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より好ましくは選択されるヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【0079】
【化13】

は、水素原子;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基;ベンゾフラン基;ベンゾイミダゾール基;インドール基;又は、ピリジン基であり、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい。
【0080】
好ましくは、また、上述した一般式(I)の化合物において、
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より選択される複素環基ヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【0081】
【化14】

は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHからなる群より独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基;ベンゾフラン基;ベンゾイミダゾール基;インドール基;又は、ピリジン基であり、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい。
【0082】
非常に好ましくは、上述した一般式(I)の化合物は、
・N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミンシュウ酸塩
・4−(4−クロロフェニル)−1−(2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エチル)ピペリジン−4−オルシュウ酸塩
・1−メチル−4−(2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドールシュウ酸
・N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミン
・4−(4−クロロフェニル)−1−(2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エチル)ピペリジン−4−オル、
・1−メチル−4−(2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール
からなる群より選択され、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオ異性体である立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい。
【0083】
本発明の他の局面は、上述した一般式(I)の化合物を調製するための工程に関する。
【0084】
〔方法A〕
上述の定義された一般式(I)の化合物は、利用可能な合成手段によって得ることができる。例えば、以下の式Iにより調整することができる。
【0085】
【化15】

方法Aによると、一般式(I)の化合物を、一般式(II)の化合物をHNRである一般式(III)の化合物と結合させるによって調製することができる。一般式(II)において、A、R、R、R、m及びnは一般式(I)における上述の定義と同様であり、Xは好ましくは塩素又は臭素の離脱基である。一般式(III)において、R及びRは一般式(I)における上述の定義と同様である。
【0086】
一般式(II)及び(III)の化合物の反応は、非プロトン性溶媒中で行われることが好ましいが、これに限定されない。非プロトン性溶媒として、例えば、KCOのような無機塩基又はトリエチルアミン若しくはエチルジイソプロピルアミンのような有機塩基の存在下におけるN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)がある。また、一般式(II)及び(III)の化合物の反応は、室温と溶媒の還流温度との間の適切な温度において行われることが好ましい。
【0087】
一般式(III)の化合物もまた、市販の利用可能なものであり、文献において公知の方法によって調製され得る。Berardi,F.;Giudice,G.;Perrone,R.;Tortorella,V.;Govoni,S.;Lucchi,L. J.Med,Chem.1996,39 4255−4260及びChristoph,J.;Frotscher,M.;Dannhardt,G.;Hartmann,R. J.Med,Chem.2000,43 1842〜1851を、参照のこと。
【0088】
〔方法B〕
上述した一般式(I)の化合物は、また、以下の式IIに示す合成工程によって得ることができる。
【0089】
【化16】

方法Bによると、水とメタノール又はエタノールのようなアルコールとの混合物中において、室温と溶媒の還流温度との間の適切な温度で、エステル基をNaOH、KOH又はLiOHのような基剤によって加水分解することによって、一般式(IV)の化合物から一般式(V)の化合物は、作製する。
【0090】
方法Bによると、塩化メチレンのような不活性溶媒中において、0℃と室温との間であってもよい温度で、一般式(V)の化合物と塩化チオニルとの反応、及びその後の一般式RNH(III)のアミンによる処理によって、一般式(VI)の化合物を作製する。不活性溶媒中において、0℃と室温との間の温度で、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン又はN−メチルモルホリンのような基の存在下において、一般式(V)の化合物とアルキルクロロホルムとの反応、及びその後の一般式RNH(III)のアミンによる処理によって、一般式(VI)の化合物を作製する。このようなアルキルクロロギ酸として例えば、メチルクロロギ酸、エチルクロロギ酸、イソプレニルクロロギ酸又はイソブチルクロロギ酸が挙げられる。このとき不活性溶媒として例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。また、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、又はジイソプロピルカルボジイミドのようなカルボニル基を活性化する反応基の存在下において、一般式(V)の化合物と一般式RNH(III)のアミンとから一般式(VI)の化合物を作製する。この反応は、また、カルボジイミドを用いて、1−ベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシスクシンイミドの存在下において行うことができる。また、N,N’−カルボニルジイミダゾールの存在下において、一般式(V)の化合物と一般式RNH(III)のアミンとから、化学式(VI)の化合物を作製することができる。
【0091】
方法Bによると、一般式(I)の化合物を、リチウムアルミニウム水素化物のような還元剤との反応によって、一般式(VI)の化合物から作製する。
【0092】
上述した処理の間、感受性基又は試薬の保護が必要及び/又は望ましいかもしれない。従来の保護基の導入は、その除去と同様に、当該技術分野において公知の方法によって行われてもよい。
【0093】
一般式(I)の化合物自身を、特にエナンチオマー又はジアステレオマーのような立体異性体の混合物の型で得た場合、この混合物を、当該技術分野において公知の標準的な方法によって分離する。このような方法として、例えば、クロマトグラフィー法又はキラル試薬を用いて分別結晶化が挙げられる。キラル中心がある場合、化合物をラセミ型に形成することができ、又はエナンチオ特異的若しくはラセミ体の分割のいずれかによってエナンチオマーを形成することができる。
【0094】
一般式(I)の化合物、対応する立体異性体、又は対応するその塩、の溶媒化合物(好ましくは水和物)をまた、当該技術分野において公知の標準的な方法によって得てもよい。
【0095】
一般式(I)の本発明に係る化合物、対応する立体異性体、又は塩若しくは溶媒化合物あるいはそのいずれかの中間体、の生成及び単離が必要であれば、当該技術分野において公知の従来方法によって行う。このような方法として、例えば、クロマトグラフィー法又は再結晶化がある。
【0096】
一般式(I)の化合物、並びに以下に与えられたその立体異性体、対応する塩及び対応する溶媒化合物は、シグマ受容体に対して高い親和性を有することが理解される。例えば、これらは、シグマ受容体の選択的リガンドであり、これらの受容体において、例えば、アンタゴニスト、逆アンタゴニスト又はアゴニストのようなモジュレーターとして作用するからである。
【0097】
以下に与えられた一般式(I)の化合物、その立体異性体、その対応する塩、及び対応する溶媒化合物は毒性的に許容され、それゆえに、薬品の製造のための医薬活性物質として適している。
【0098】
ある好ましい医薬許容型は、医薬化合物におけるそのような型を含む結晶型である。塩及び溶媒化合物の場合、イオンを含み溶解性の追加成分も非毒性でなければならない。本発明の化合物は、異なる同質異像型で存在してもよく、本発明は全てのこのような型を包含している。
【0099】
本発明の他の局面は、少なくとも1つの上述した一般式(I)の化合物を含む、医薬に関し、当該化合物は、好ましくはエナンチオマーもしくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、若しくはその対応する溶媒化合物、若しくはそのプロドラックであってもよい。
【0100】
本発明の選択的な実施形態において、医薬は少なくとも1つの一般式(I)の化合物を備えており、当該化合物は、好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、若しくはその溶媒化合物であってもよい。
【0101】
本発明の他の局面は、本発明による化合物の少なくとも1つの組合せを備え、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を備えていてもよい。
【0102】
本発明に係る実施形態において、医薬は、下痢、リポタンパク質障害、偏頭痛、肥満、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習力、記憶力及び注意力欠如、味覚認識機構障害、神経変性病、脱髄疾患、コカイン、アンフェタミン、エタノール及びニコチンを含む薬物及び化学物質依存症、遅発性ジスキネジー、虚血性脳卒中、癲癇、脳卒中、ストレス、癌、特に鬱病、不安症又は統合失調症である精神異常状態、炎症、又は自己免疫疾患からなる群より選択される1つ以上の疾患の予防のため及び/又は治療のためのものである。
【0103】
本発明による実施形態において、医薬は、中性脂肪レベルの上昇、乳糜血症、異βリポタンパク質、高リポタンパク質血症、高脂質血症、混合型高脂質血症、高コレステロール血症、リポタンパク質障害、トリグリセリド過剰血、散発性トリグリセリド過剰血、遺伝性トリグリセリド過剰血、及び/又は遺伝性異βリポタンパク質からなる群より選択される1つ以上の疾患の予防のため及び/又は治療のためのものである。
【0104】
本発明による実施形態において、医薬は、好ましくは神経障害性の痛みである痛み、炎症よる痛み、又は異痛及び/若しくは高痛覚を含む他の痛みの状態からなる群より選択される1つ以上の疾患の予防のため及び/又は治療のためのものである。
【0105】
上記医薬は、また、上述した一般式(I)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、又はその薬学的に許容される溶媒化合物の1つ以上のいずれかの組合せを備えていてもよい。
【0106】
本発明の他の局面は、少なくとも1つの上述した一般式(I)の化合物の適した活性物質としての使用方法であり、当該化合物は、好ましくは精神病の予防及び/又は治療のためである、シグマ受容体の調節のための医薬を調製するために、好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、若しくはその溶媒化合物であってもよく、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤であってもよい
本発明による医薬は、好ましくは幼児、小児及び成人を含むヒト及び/又は動物に投与するのに好ましいいずれの型であってもよく、当該技術分野において公知の標準的な方法によって製造することができる。医薬の化合物は、投与経路にかなり依存していてもよい。
【0107】
本発明の医薬は、例えば、水又は適したアルコールのような、従来の注入可能な液体媒体と組み合わせて非経口投与されてもよい。分解防止剤、可溶化剤及びバッファーのような、従来の注入のための薬学的賦形剤が、注入可能な化合物に含まれていてもよい。これらの医薬を、例えば、筋肉内、腹膜内又は静脈内に注入してもよい。
【0108】
固形の経口化合物(液体であることが好ましい)を、混合、充填又は錠剤化のような従来の方法によって調製してもよい。繰り返し行われる混合方法において、大容量のフィルターを用いてこれらの化合物の全体にわたって活性剤を分配してもよい。このような方法は、当該分野において慣用的である。錠剤を、例えば、湿式又は乾式造粒によって調製し、標準的な医薬実務における公知の方法によって、特に腸溶性のコーティングのようなコーティングを行ってもよい。
【0109】
上述した形成は、「the Spanish and US Pharmacopeias」及び同様の参照テキストに記載された又は参照した、標準的な方法を用いて行われる。
【0110】
本発明による医薬は、また、1つ以上の生理的に融和性のある基剤又は賦型剤を含む、固体又は液体型の経口投与可能な化合物に形成してもよい。これらの化合物は、結合物質、充填剤、潤滑剤及び許容される湿潤剤のような従来の成分を含んでいてもよい。化合物は、迅速な又は遅延した拡散のために、錠剤、粒剤、カプセル、甘味入りの錠剤、水性若しくは油性溶液、懸濁液、乳濁液、又は使用前に水又は他の適した液状媒体で再構築するのに適した乾燥粉末型のような、いずれかの使用しやすい型であることができる。
【0111】
経口投与のための液体型は、また、甘味料、香味剤、防腐剤及び乳化剤のような特定の添加剤を含んでいてもよい。経口投与のための非水溶性液体化合物は、また、食用油を含んで形成されてもよい。このような液体化合物は便利なように、例えばゼラチンカプセルに投薬量単位で封入していてもよい。
【0112】
本発明の化合物は、また、局所投与又は座薬を介して投与されてもよい。
【0113】
ヒト及び動物に対する一日の投与量は、それぞれの種又は年齢、性別、体重若しくは病気の程度等の他の因子における基準を有する因子に強く依存する可能性がある。ヒトの一日の投与量は、一日1回の摂取又は数回の摂取の間に投与される活性物質が好ましくは1mgから2000mgの範囲であってもよく、活性物質が1mgから1500mgであることが好ましく、活性物質が1mgから1000mgであることがより好ましい。
【0114】
本発明の他の局面は、下痢、リポタンパク質障害、偏頭痛、肥満、中性脂肪レベルの上昇、乳糜血症、異βリポタンパク質、高リポタンパク質血症、高脂質血症、混合型高脂質血症、高コレステロール血症、リポタンパク質障害、トリグリセリド過剰血、散発性トリグリセリド過剰血、遺伝性トリグリセリド過剰血、及び遺伝性異βリポタンパク質、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習力、記憶力及び注意力欠如、味覚認識機構障害、神経変性病、脱髄疾患、コカイン、アンフェタミン、エタノール及びニコチンを含む薬物及び化学物質依存症、遅発性ジスキネジー、虚血性脳卒中、癲癇、脳卒中、ストレス、癌、特に鬱病、不安症又は統合失調症である精神異常状態、炎症、又は自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための方法に関し、少なくとも1つの上述した一般式(I)の化合物を対象に投与する工程を包含し、このとき対象にさらに、少なくとも1つの活性物質及び/又は少なくとも1つの補助物質を投与してもよい。
【0115】
本発明の好ましい実施形態は、中性脂肪レベルの上昇、乳糜血症、異βリポタンパク質、高リポタンパク質血症、高脂質血症、混合型高脂質血症、高コレステロール血症、リポタンパク質障害、トリグリセリド過剰血、散発性トリグリセリド過剰血、遺伝性トリグリセリド過剰血、及び遺伝性異βリポタンパク質の予防及び/又は治療のための方法に関する。
【0116】
本発明を、実施例の目的で以下に説明する。これらの説明は単に、例示の目的で与えられるものであり、本発明の一般的な概念を制限するものではない。
【0117】
〔実施例〕
(実施例1:N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−イル)エタノアミンシュウ酸塩の合成)
<工程1:エチル2−(1−メチルー4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)酢酸塩の合成>
【0118】
【化17】

Pd−C(1.3g、5%)を、エチル2−(1−メチルー6,7−ジヒドロ−1H−インドール−4(5H)−イリデン)酢酸塩(3.4g、15.50mmol)のE/Z異性体の混合物溶液100mL エタノールに添加した。そして、得られた溶液を、Parr hydrogenator内で水素雰囲気下(25psi)において、8時間攪拌した。反応混合物を窒素で精製し、Celiteを介して濾過した。溶媒を減圧条件下で蒸発させ、エチル2−(1−メチルー4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)酢酸塩(3.4g、15.36mmol、99%、油状)を得た。
【0119】
H NMR(300MHz、CDCl):σ1.28(t、J=7.2Hz、3H)、1.39(m、1H)、1.75(m、1H)、1.94(m、2H)、2.32(dd、J=14.9Hz、J’=9.1Hz、1H)、2.49(m、2H)、2.68(dd、J=14.9Hz、J’=5.7Hz、1H)、3.46(s、3H)、4.17(q、J=7.2Hz、2H)、5.93(d、J=2.6Hz、1H)、6.48(d、J=2.6Hz、1H)。
【0120】
<2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタノールの合成>
【0121】
【化18】

無水THF内のエチル2−(1−メチルー4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)酢酸塩の溶液を、アイスバス中で冷却したTHF anh.(10mL)中のAlLiHの懸濁液(0.1g、2.63mmol)上にゆっくりと添加した。混合物を、室温で1時間攪拌状態で維持した後、3時間還流させた。混合物を氷及びNaOH(10%)で加水分解し、濾過して減圧下で溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄した。有機層を減圧により取り除き、得られた原料をカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタノール(0.15g、0.84mmol、84%、油状)。H NMR(300MHz、CDCl):σ1.37(m、1H)、1.68(m、3H)、1.92(m、3H)、2.49(m、2H)、2.78(m、1H)、3.46(s、3H)、3.81(m、2H)、5.99(d、J=2.5Hz、1H)、6.50(d、J=2.5Hz、1H)。
【0122】
<N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミンシュウ酸塩>
【0123】
【化19】

トリフェニルフォスフィン(2.46g、9.38mmol)を、室温のCCl/アセトニトリル 1:1(20mL)中の2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタノール(1.68g、9.38mmol)に添加した。そして、混合物を3時間攪拌状態で維持し、TLCによって反応を監視した。溶液を減圧下で半量に濃縮し、CHClを添加して水で洗浄した。有機層を分離して蒸発させて乾燥した。得られた原料をジエチルエタノールで処理し、沈殿物を濾過した。ジエチルエーテルを減圧下で蒸発させ、得られた原料をカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−(2−クロロエチル)−1−メチルー4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール(0.8g、4.05mmol、43%、油状)を得た(ESI−MS m/z 198(M+H))。
【0124】
DMF(5ml)中の、4−(2−クロロエチル)−1−メチルー4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール(0.1g、0.5mmol)、N−メチル−N−ベンジルアミン(0.07g、0.5mmol)、K2CO3(0.20g、1.45mmol)、及び触媒量のNalの混合物を、110℃で一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物にジエチルエーテルを添加して水で洗浄した。有機層を乾燥させて減圧により蒸発させ、得られた原料をカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミン(0.04g、0.14mmol、28%、油状)を得た(ESI−MS m/z 283(M+H)
N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミンシュウ酸塩を、わずかに過剰のHOCCOH・2HOを含むアセトン中のN−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミンの溶液から作製し、わずかにピンクがかった固体が得られた。M.p.=123〜125℃、H NMR(300MHz、CDCl):σ1.37(m、1H)、1.65−2.13(m、5H)、2.49(m、2H)、2.70(m、1H)、2.78(s、3H)、3.23(m、2H)、3.43(s、3H)、4.32(m、2H)、5.80(d、J=2.8Hz、1H)、6.46(d、J=2.8Hz、1H)、7.48(s、5H)。
【0125】
(実施例2:4−(4−クロロフェニル)−1−(2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エチル)ピペリジン−4−オル)
【0126】
【化20】

H NMR(300MHz、CDCl):σ1.36(m、1H)、1.46−2.16(m、9H)、2.46−3.06(m、7H)、3.20(m、2H)、3.46(s、3H)、5.95(d、J=2.6Hz、1H)、6.49(d、J=2.6Hz、1H)、7.30(d、J=8.6Hz、2H)、7.46(d、J=8.6Hz、2H)(54%、油状)。
【0127】
(実施例3:4−(4−クロロフェニル)−1−(2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エチル)ピペリジン−4−オルシュウ酸塩)
【0128】
【化21】

(m.p.=154−155℃、わずかにピンクがかった固体)。
【0129】
(実施例4:1−メチル−4−(2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール)
【0130】
【化22】

(5.8%、油状)。
【0131】
(実施例5:1−メチル−4−(2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドールシュウ酸塩)
【0132】
【化23】

(m.p.=86−90℃、75%、クリーム色の固体)。
【0133】
〔生物学的活性〕
本発明の代表的な化合物のいくつかについて、シグマ(シグマ−1及びシグマ−2)としてのその活性を実験した。次のプロトコルを以下に示す。
【0134】
(シグマ−1)
脳膜調製物及びσ1−受容体のための結合分析を、いくつか修正したDeHaven−Hudkinsらの文献(1992)にしたがって行った。簡単に説明すると、Tris−HCl 50mM及び0.32M スクロースの10 vols.中で、pH7.4において、Kinematica Polytron PT3000を用いて、15000r.p.m.で30秒間、モルモットの脳を、ホモジナイズした。組織粉末懸濁液を、1000g、4℃で10分間遠心分離した。回収した上清を再度、48000g、4℃で15分間遠心分離した。ペレットを新しいTris−HClバッファ(50mM、pH7.4)10容量中に再懸濁し、37℃で30分間インキュベートして48000g、4℃で20分間遠心分離した。この処理の後、粒状物質を、新しいTris−HClバッファー(50mM、pH7.4)に再懸濁し、使用するまで氷上にて保管した。
【0135】
各分析チューブには、[H](+)−ペンタゾシン(終濃度0.5nm) 10μLと組織懸濁液 900μLとを収容して、最終分析量を1mLとし、約30mgの組織実質重量/mLの最終組織濃度とした。非特異的結合を、終濃度1μMのハロペリドールを添加することによって決定した。全てのチューブを、37℃で150分間インキュベートした後、Schleicher & Schuell GF 3362ガラス繊維フィルターを用いてすばやく濾過して反応を停止させた。このフィルターは、前もって0.5%ポリエチレンイミン中に少なくとも1時間浸漬したものである。その後フィルターを冷却したTris−HClバッファ(50mM、pH7.4) 4mLを用いて4回洗浄した。シンチレーションカクテルを添加した後、サンプルを一晩平衡化させた。結合放射能量を、Wallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンターを用いた、液体シンチレーション分光分析によって決定した。タンパク質濃度をLowryら(1951)の方法によって決定した。
【0136】
(シグマ−2)
σ2−受容体のための結合調査を、いくつか修正したRadescaら(1991)の記載にしたがって行った。簡単に説明すると、シグマ受容体タイプI(σ1)ノックアウトマウスからの脳の正味組織量10mL/gを、スクロースを含み、氷冷したpH7.4の10mM Tris−HCl(Tris−スクロースバッファ)中でホモジナイズした。ホモジナイズは、Potter−Elvehjemホモジナイザー(500r.p.m.において10ストローク)を用いて行った。組織粉末懸濁液を、4℃で10分間、1000gで遠心分離し、上清を保存した。ペレットを、渦流によって2mL/gの氷冷したTris−スクロースバッファ中に再懸濁し、1000gで10分間、再度遠心分離した。一体とした1000gの上清を、4℃で15分間、31000gで遠心分離した。ペレットを、渦流によって、3mL/g、pH7.4の10mM Tris−HCl中に再懸濁し、懸濁液を25℃で15分間保持した。31000gで15分間の遠心分離の後、Potter Elvehjemホモジナイザーを用いた穏やかなホモジナイズによって、ペレットをpH7.4の10mMTris−HCl中に再懸濁し、量を1.53mL/gとした。
【0137】
分析チューブには、[H](+)−DTG(終濃度3nM) 10μLと組織懸濁液 400μL(pH8.0の50mM Tris−HCl 5.3mL/g)とを収容して、最終分析量を0.5mLとした。非特異的結合を、終濃度1μMのハロペリドールを添加することによって決定した。全てのチューブを、25℃で120分インキュベートした後、Schleicher & Schuell GF 3362ガラス繊維フィルターを用いてすばやく濾過して反応を停止させた。このフィルターは、前もって0.5%ポリエチレンイミン中に少なくとも1時間浸漬したものである。フィルターを、冷却したTris−HClバッファ(10mM、pH8.0) 5mLを用いて3回洗浄した。その後、シンチレーションカクテルを添加したサンプルを、一晩平衡化させた。結合放射能量を、Wallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンターを用いた、液体シンチレーション分光分析によって決定した。タンパク質濃度をLowryら(1951)の方法によって決定した。
【0138】
(参考文献)
DeHaven-Hudkins, D.L., L.C.Fleissner, and F.Y.Ford-Rice, 1992, "Characterization of the binding of [3H](+)pentazocine to σ recognition sites in guinea pig brain",Eur.J.Pharmacol.227,371-378.
Radesca, L., W.Dbowen, and L.Di Paolo, B.R. de Costa, 1991, Synthesis and Receptor Binding of Enantiomeric N-Substituted cis-N-[2-(3,4-Dischlorophenyl)ethyl]-2-(1-pyrrolidinyl)cyclohexylamines as High-Affinity σ Receptor Ligands, J.Med.Chem.34, 3065-3074.
Langa, F., Codony X., Tovar V., Lavado A., Gimenez E., Cozar P., Cantero M., Dordal A., Hernandez E., Perez R., Monroy X., Zamanillo D., Guitart X., Montoliu Ll., 2003, Generation and phenotypic analysis of sigma receptor type I(Sigma1) knockout mice, European Journal of Neuroscience, Vol.18, 2188-2196.
Lowry, O.H., N.J. Rosebrough, A.L. Farr, and R.J. Randall, 1951, Protein measurement with the Folin phenol reagent, J.Biol.Chem, 193,265.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物であって、
【化1】

AはNR基を示しており、
mは0、1、又は2から選択され、
nは0、1、2、3、又は4から選択され、
点線は一重結合又は二重結合のいずれかを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐構造の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和又は不飽和アルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−アリール基であって、当該アリール基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−ヘテロシクリル基であって、当該ヘテロシクリル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−ヘテロシクリル基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(SOt)−R基;NR7a基;(C=O)―NR7a基;O−R基、を示しており、又は
少なくと単一置換されていてもよく、少なくとも単環である、少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロシクリル基を架橋窒素原子により共に形成しており、当該ヘテロシクリル基は、少なくとも単一置換されていてもよい単環若しくは多環状化合物に縮合され、及び/若しくは直鎖アルキレン基を介して結合されていてもよく、ならびに/又は少なくとも単一置換されていてもよい単環若しくは多環状化合物に、スピロ環結合によって結合されていてもよく、
tは0、1、2、又は3から選択され、
は、水素原子;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐構造の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和又は不飽和アルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−アリール基であって、当該アリール基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−アリール基;又は少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−ヘテロシクリル基であって、当該ヘテロシクリル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、又は、
少なくとも単一置換されていてもよい、3から6個の環状化合物を共に形成していてもよく、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;又は少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
及びR7aは、同一又は異なっており、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和又は不飽和のアルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;又は少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和又は不飽和のアルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;又は少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており;
ただし、RがHであり、m及びnがそれぞれ1であり、点線が一重結合を示し、R、R及びRが水素であり、RがCHOHである場合、R及びRは、架橋窒素原子による非置換ピロリジンを共に形成しておらず、
がHであり、m及びnがそれぞれ1であり、点線が一重結合を示し、R、R、R及びRが水素である場合、R及びRは、架橋窒素原子による非置換ピロリジンを共に形成しておらず、
がHであり、m及びnがそれぞれ1であり、R、R及びRが水素であり、点線が一重結合を示し、R及びRが、架橋窒素原子により共に非置換ピロリジンを形成する場合、Rは、CH=Hetではなく、当該Hetはフェニル置換1,3−ジヒドロ−インドール−2−ワンであり、
がHであり、mが1であり、nが0であり、R、R、R及びRが水素であり、点線が二重結合を示す場合、R又はRの一方は水素ではなく、他方はC(O)−シクロヘキシルであり、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよい、化合物。
【請求項2】
AはNR基を示しており、
mは0、1、又は2から選択され、
nは0、1、2、3、又は4から選択され、
点線は一重結合又は二重結合のいずれかを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐構造の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和又は不飽和アルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−アリール基であって、当該アリール基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−ヘテロシクリル基であって、当該ヘテロシクリル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−ヘテロシクリル基;(C=O)−R基;(C=O)−O−R基;(SOt)−R基;NR7a基;(C=O)―NR7a基;O−R基、を示しており、
tは0、1、2、又は3から選択され、又は、
少なくと単一置換されていてもよく、少なくとも単環である、少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロシクリル基を架橋窒素原子により共に形成しており、当該ヘテロシクリル基は、少なくとも単一置換されていてもよい単環若しくは多環状化合物に縮合され、及び/若しくは直鎖アルキレン基を介して結合されていてもよく、ならびに/又は少なくとも単一置換されていてもよい単環若しくは多環状化合物に、スピロ環結合によって結合されていてもよく、
は、水素原子;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐構造の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換された他の単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和又は不飽和アルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−アリール基であって、当該アリール基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−アリール基;又は、少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐の無い飽和アルキル−ヘテロシクリル基であって、当該ヘテロシクリル基が少なくとも単一置換され、及び/又は単環若しくは多環状化合物に縮合されていてもよい、アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;又は、少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
及びR7aは、同一又は異なっており、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和又は不飽和のアルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和又は不飽和のアルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;又は、少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよいことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
AはNR基を示しており、
mは0、1、又は2から選択され、
nは0、1、2、3、又は4から選択され、
点線は一重結合又は二重結合のいずれかを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、飽和又は不飽和シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;分岐状又は分岐のないアルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、又は、
少なくとも単環で、少なくとも単一置換された、下記の化学式に示されるものからなる群より選択される、少なくとも1つのヘテロ原子を有するヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【化2】

当該へテロシクリル基は、少なくとも単一置換されていてもよい単環又は多環状化合物に縮合されていてもよく、又は少なくとも単一置換されていてもよい単環又は多環状化合物にスピロ環結合によって結合されていてもよく、
は、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、飽和又は不飽和シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;分岐状又は分岐のないアルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−アリール基;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、飽和又は不飽和シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;分岐状又は分岐のないアルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−アリール基;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、飽和又は不飽和シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;分岐状又は分岐のないアルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−アリール基;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和又は不飽和アルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;又は、少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており;
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、C〜Cのアルコキシ基;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和又は不飽和のアルキル−シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−アリール基;又は、少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のない飽和アルキル−ヘテロシクリル基、を示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素原子;ハロゲン;OR;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリールラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状のアルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状のアルキル−ヘテロシクリル基;若しくは少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状のアルキル−シクロアルキル基、を示している、又は、
及びR10は、同一の環状化合物に結合しており、当該環状化合物と共に、少なくとも単一置換されていてもよい、単環若しくは多環状化合物を共に形成している、又は、
及びR10は、隣接する異なる環状化合物に結合しており、これらの環状化合物と共に、少なくとも単一置換されていてもよい、単環若しくは多環状化合物を共に形成しており、
11は、水素原子;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;少なくとも単一置換されていてもよい、アリールラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状のアルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状のアルキル−ヘテロシクリル基;又は、少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐状のアルキル−シクロアルキル基、を示しており、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、飽和又は不飽和シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;分岐状又は分岐のないアルキル−シクロアルキル基であって、当該シクロアルキル基は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、アルキル−シクロアルキル基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−アリール基;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により少なくとも単一置換されていてもよい、分岐状又は分岐のないアルキル−ヘテロシクリル基、を示しており;又は、少なくとも単環で、少なくとも単一置換された、下記の化学式に示されるものからなる群より選択される、少なくとも1つのヘテロ原子を有するヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【化3】

は請求項1に記載の意義を有しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素原子;ハロゲン;OR;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪族ラジカル;少なくとも単一置換されていてもよい、シクロアルキル基;フェニル又はナフチルからなる群より選択される、少なくとも単一置換されていてもよい、アリールラジカル;下記の化学式に示されるものからなる群より好ましくは選択される、少なくとも単一置換されていてもよい、ヘテロシクリル基;
【化4】

少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状のアルキル−アリール基;少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状のアルキル−ヘテロシクリル基;若しくは、少なくとも単一置換されていてもよい、直鎖又は分岐状のアルキル−シクロアルキル基、を示している、又は、
及びR10は、同一の環状化合物に結合しており、この環状化合物と共に、好ましくはメタ位、オルト位若しくはパラ位が少なくとも単一置換されていてもよい、スピロ環状化合物を共に形成している、又は、
及びR10は、隣接する異なる環状化合物に結合しており、これらの環状化合物と共に、少なくとも単一置換されていてもよい、単環若しくは多環状化合物を共に形成していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
及びRは、少なくとも単環で、少なくとも単一置換された、下記の化学式に示されるものからなる群より選択される、少なくとも1つのヘテロ原子を有するヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、及び
【化5】

及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、CH、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH3、C〜Cのアルキル、(CO)−O−メチル、COH、オキソ、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基、少なくとも単一置換されていてよいナフチル基、少なくとも単一置換されていてもよいベンゾフラン基、少なくとも単一置換されていてもよい、ベンゾイミダゾール基、少なくとも単一置換されていてもよいインドール基、少なくとも単一置換されていてもよいピリジン基、からなる群より独立して選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
及びR10は、パラ位、メタ位又はオルト位にあることを特徴とする請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
及びR10は、少なくともオキソ置換されていてもよく、少なくとも単一置換されたスピロ化合物を、架橋窒素原子により共に形成している、及び/又は隣接する異なる環状化合物に結合していてもよく、これらの環状化合物と共に、少なくとも単一置換されていてもよい、単環若しくは多環状化合物を共に形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
及びR10は、パラ位、メタ位又はオルト位にあることを特徴とする請求項1〜4及び7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
mは0又は1から選択され、好ましくは1であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を、示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より選択される複素環基ヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【化6】

は、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COH;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基、ベンゾフラン基、ベンゾイミダゾール基、インドール基、及びピリジン基、からなる群より独立して選択され、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より好ましくは選択され、オキソ置換されていてもよい、複素環基を、架橋窒素原子により共に形成している、及び/又は、
【化7】

少なくとも単一置換されていてもよいアリール基からなる群より選択される、隣接する異なる環状化合物に結合されており、
は、水素原子;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
は、水素原子;F;Cl;Br;I;CF;OH;CN;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシを示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COH;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基、ベンゾフラン基、ベンゾイミダゾール基、インドール基、ピリジン基からなる群より独立して選択され、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より選択される複素環基ヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【化8】

は、水素原子;又は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COH;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基、ベンゾフラン基、ベンゾイミダゾール基、インドール基、ピリジン基、からなる群より独立して選択され、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
AはNR基を示しており、
mは1から選択され、
nは1又は2から選択され、
点線は一重結合を示し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基により置換された、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群より選択される、分岐状若しくは分岐のないC〜Cのアルキル基;あるいは、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよく、好ましくはベンジル若しくはフェネチルである、分岐状若しくは分岐のないアルキル−アリール基を示している;又は、以下の化学式に示されるものからなる群より選択される複素環基ヘテロシクリル基を、架橋窒素原子により共に形成しており、
【化9】

は、F、Cl、Br、I、NH、SH、OH若しくはCFからなる群より独立して選択される置換基で少なくとも単一置換されていてもよい、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、フェネチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルを示しており、
及びRは、同一又は異なり、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
は、水素原子を示しており、
及びR10は、同一又は異なり、水素、OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COH;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいベンジル基;OH、F、Cl、Br、I、CN、NH、CF、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−ブチル、S−メチル、S−エチル、S−プロピル、O−CH、C〜C−アルキル、(CO)−O−メチル、COHから独立して選択される置換基で、オルト位、メタ位若しくはパラ位が、少なくとも単一置換されていてもよいフェニル基;ナフチル基、ベンゾフラン基、ベンゾイミダゾール基、インドール基、及びピリジン基からなる群より独立して選択され、
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
上記化合物は、
・N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミンシュウ酸塩、
・4−(4−クロロフェニル)−1−(2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エチル)ピペリジン−4−オルシュウ酸塩、
・1−メチル−4−(2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドールシュウ酸、
・N−ベンジル−N−メチル−2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エタンアミン、
・4−(4−クロロフェニル)−1−(2−(1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール−4−イル)エチル)ピペリジン−4−オル、
・1−メチル−4−(2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドールからなる群より選択され;
好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、あるいはその対応する溶媒化合物の型であってもよいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
以下の一般式(II)の化合物を以下の一般式(III)の化合物と結合するによって、一般式(I)の化合物を調製するための方法;
【化10】

Xは好ましくは塩素又は臭素であり、R、R及びRは、請求項1に記載の意義を有しており、
HNR・・・(III)
及びRは、請求項1に記載の意義を有している。
【請求項16】
上記化合物は、好ましくはエナンチオマー若しくはジアステレオマーである立体異性体の1つの型、ラセミ化合物、又は好ましくはエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーである立体異性体の少なくとも2つを、いずれかの混合比率で混合した混合物、若しくはその対応する塩、その対応する溶媒化合物、あるいはそのプロドラッグの型であってもよいことを特徴とする、請求項1〜14の1つ以上に記載の一般式(I)の化合物を少なくとも1つ備えた医薬。
【請求項17】
医薬の製造における、請求項1〜14の1つ以上に記載の一般式(I)の化合物の使用方法。
【請求項18】
シグマ受容体媒介の病気又は症状の治療又は予防のための医薬の製造における、請求項1〜14の1つ以上に記載の一般式(I)の化合物の使用方法。
【請求項19】
上記病気が、下痢、リポタンパク質障害、偏頭痛、肥満、中性脂肪レベルの上昇、乳糜血症、異βリポタンパク質、高リポタンパク質血症、高脂質血症、混合型高脂質血症、高コレステロール血症、リポタンパク質障害、トリグリセリド過剰血、散発性トリグリセリド過剰血、遺伝性トリグリセリド過剰血、遺伝性異βリポタンパク質、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習力、記憶力及び注意力欠如、味覚認識機構障害、神経変性病、脱髄疾患、コカイン、アンフェタミン、エタノール及びニコチンを含む薬物及び化学物質依存症、遅発性ジスキネジー、虚血性脳卒中、癲癇、脳卒中、ストレス、癌、特に鬱病、不安症又は統合失調症である精神異常状態、炎症、又は自己免疫疾患を含むことを特徴とする請求項18に記載の使用方法。
【請求項20】
上記病気が、好ましくは神経障害性の痛み、炎症よる痛み、又は異痛及び/又は高痛覚を含む他の痛みの状態を含むことを特徴とする請求項18に記載の使用方法。
【請求項21】
上記病気が、中性脂肪レベルの上昇、乳糜血症、異βリポタンパク質、高リポタンパク質血症、高脂質血症、混合型高脂質血症、高コレステロール血症、リポタンパク質障害、トリグリセリド過剰血、散発性トリグリセリド過剰血、遺伝性トリグリセリド過剰血、及び遺伝性異βリポタンパク質から選択されることを特徴とする請求項18及び19に記載の使用方法。
【請求項22】
薬理学的手段又は抗不安薬若しくは免疫抑制剤としての請求項1〜14の1つ以上に記載の一般式(I)の化合物の使用方法。

【公表番号】特表2009−528316(P2009−528316A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556724(P2008−556724)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001825
【国際公開番号】WO2007/098962
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(500031124)ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ (55)
【Fターム(参考)】