説明

ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造、およびその応用

【課題】表面プラズモンポラリトンベースデバイスと誘電体ベースデバイスとの高度混合集積を実現し、多種類の制御可能な光電気集積デバイスを実現すること。
【解決手段】本発明は、誘電体基板層と、前記誘電体基板層上に位置する誘電体導波路層と、前記誘電体導波路層上に位置する結合整合層と、前記結合整合層上に形成された、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンを伝導するためのショートレンジ表面プラズモン導波路部とを含むことを特徴とする、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造である。また、本発明は、下から上に向けて、それぞれ、誘電体基板層と、誘電体導波路層と、結合整合層と、ロングレンジ表面プラズモン導波路部とを含むことを特徴とする、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光電子技術分野に関するものであり、具体的にはショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造、および、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造、ならびに、当該構造に基づく屈折率センサ、TM偏光変調器などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton、SPP)は、金属と誘電体との界面に沿って伝播する電磁界である。図1に示されている通り、1は金属(または金属と誘電体との混合物)、2は金属周囲の誘電体、3は界面箇所の表面プラズモンポラリトンであり、金属が十分に薄いと上下表面のSPPに結合が発生し、対称モード、つまりロングレンジ表面プラズモンポラリトン4、または反対称モード、つまりショートレンジ表面プラズモンポラリトン5を形成する。
【0003】
SPPは表面波であり、その電磁界エネルギは金属と誘電体との界面付近に集中し、誘電体中において、その電磁界の振幅は界面から離間する距離に伴い指数的に減衰する。金属膜が比較的薄い場合、上下表面のプラズモンポラリトンは結合を生じて、2種類の新たな表面プラズモンポラリトンモードを生成する。
【0004】
図2に示されている通り、そのうち1種のモードは対称モードであり、そのモードフィールドの大部分は金属以外の誘電体中に分布し、伝播損失は比較的小さく、金属フィルムに沿って比較的長距離伝播可能であり、この種のモードはロングレンジ表面プラズモンポラリトン(long range surface plasmon polariton、LRSPP)と称される。
【0005】
別の1種のモードは反対称モードであり、金属により近接しており、伝播損失が比較的大きく、金属フィルムに沿って非常に短い距離を伝播可能なだけであるため、ショートレンジ表面プラズモンポラリトン(short range surface plasmon polariton、SRSPP)と称される。
【0006】
このように、薄い金属または金属ストリップが表面プラズモン導波路(SPP導波路)となる。ロングレンジまたはショートレンジの表面プラズモンポラリトンを伝播する際に、ロングレンジまたはショートレンジ表面プラズモン導波路と称される。
【0007】
金属導波路と誘電体導波路との距離が十分に近いと、一定の条件下で、一般誘電体導波路モードはSPPモードと結合を生じる。SRSPPはSPPおよびLRSPPモードに比べて高度に金属に近接する特徴を有しているため、この種のSRSPPが誘電体導波路と混合結合する新型の結合現象はデバイスの結合長さをより短く、寸法をより小さくさせ、高度集積のフォトンデバイス、光通信面で広範な応用の用途を有している。
【0008】
また、SPPの電磁界エネルギは金属と誘電体との界面付近に集中しているため、金属表面の電磁界は非常に強く、表面の形態、特に屈折率の変化に対して非常に敏感であり、バイオセンサ分野において広範な応用の用途を有している。
【0009】
しかし、ショートレンジのSPP波は一般のSPP波に比べて、ウェーブフィールドがさらに高度に金属表面に近接しており、そのモード特性は金属フィルム周囲の超薄範囲内の誘電体の屈折率変化に対して非常に敏感であるため、金属膜上方の超薄層物質の屈折率に変化が生じると(大多数の生体反応はこの種の超薄層反応に属する)、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンモードと一般誘電体導波路モードとの結合には明らかな変化が生じて、誘電体導波路の出力パワーの激烈な変化が引き起こされる。これは超薄層物質の屈折率の高精度検出のために新たな道を提供している。
【0010】
従来の表面プラズモンポラリトンのバイオセンサは、プリズム、回転テーブルなどの分離した部品が必要であるため、体積は大きく、調節は困難であるばかりではなく、超薄層物質に対する検知感度が低く、安定性は劣り、コストが高いため、その普及応用が厳しく制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
<ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造>
本発明の目的は、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造を提供して、表面プラズモンポラリトンベースデバイスと誘電体ベースデバイスとの高度混合集積を実現し、多種類の制御可能な光電気集積デバイスを実現することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、高度集積のショートレンジ表面プラズモンポラリトン混合カプラを提供し、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路のTM波との高効率結合を利用して、2種類の波の相互転換を実現可能とすることにある。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、高度集積のショートレンジ表面プラズモンポラリトン混合偏光子を提供し、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンの高損失および超短の混合結合長さに基づき、ごく短い伝播距離内でTM波を消去して、TE偏光波を出力する目的を達成することにある。
【0014】
本発明のさらにもう1つ別の目的は、高度集積のショートレンジ表面プラズモンポラリトン混合結合センサを提供し、超薄層誘電体屈折率の高感度リアルタイム検出を実現して、従来からの表面プラズモンポラリトン屈折率検出方法における体積が大きく、必要とする部品デバイスが多く、調節は困難で、安定性は劣り、超薄層物質の検知感度が低いなどの問題を解決することにある。
【0015】
<ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造>
本発明の目的は、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を提供し、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンベースデバイスと誘電体ベースデバイスとの高度な集積を実現し、屈折率検知および制御可能な光電気集積デバイスを実現することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、屈折率センサを提供し、屈折率の高感度リアルタイム検出を実現して、従来からの表面プラズモンポラリトンの屈折率検出方法における体積が大きく、必要とする部品デバイスが多く、調節は困難で、安定性が劣るなどの問題を解決することにある。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、低電力消費、高性能な光電気強度変調器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
<ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造>
上記発明目的を達成するため、本発明では、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造が提供されており、上記結合構造には、
誘電体基板層と、上記誘電体基板層上に位置する誘電体導波路層と、上記誘電体導波路層上に位置する結合整合層と、上記結合整合層上に形成された、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンを伝導するためのショートレンジ表面プラズモン導波路部とが含まれている。
【0019】
上記誘電体導波路層の屈折率は、上記誘電体基板層の屈折率よりも大きく、上記結合整合層の屈折率は、上記誘電体導波路層の屈折率よりも小さいことが好ましい。
【0020】
上記誘電体導波路層の屈折率の選択は、上記誘電体導波路層のTM偏光状態のベースモードの等価屈折率を上記ショートレンジ表面プラズモンポラリトンの等価屈折率と等しくさせるものであることが好ましい。
【0021】
上記誘電体導波路層の屈折率は1.2〜3.8であり、上記誘電体導波路層の厚みは10nm〜5000nmであることが好ましい。
【0022】
上記結合整合層の厚みは0.01μm〜10μmであり、上記結合整合層の屈折率は1.2〜3.8であることが好ましい。
【0023】
上記ショートレンジ表面プラズモン導波路部は、下から順次形成される誘電体バッファ層と、金属層と、誘電体カバー層とを含むことが好ましい。
【0024】
上記金属層は、金、銀、アルミニウム、銅、鉄、クロム、ニッケル、チタンのうちの1種または複数種からなる合金であることが好ましい。
【0025】
上記金属層の厚みは10nm〜100nmであり、上記誘電体バッファ層の厚みは10nm〜5000nmであることが好ましい。
【0026】
上記誘電体カバー層の屈折率は1.0〜3.8であり、上記誘電体バッファ層の屈折率は1.0〜3.8であることが好ましい。
【0027】
上記結合整合層と上記誘電体バッファ層との全厚みは、誘電体導波路とショートレンジ表面プラズモンポラリトンとの結合発生を停止させる臨界厚みよりも大きいことが好ましい。
【0028】
本発明では、さらに上記混合結合構造を応用した混合カプラが提供されており、上記誘電体導波路のTM偏光状態モードは、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと結合を発生し、上記結合長さは10μm〜2000μmである。
【0029】
本発明では、さらに上記混合結合構造を応用した混合偏光子が提供されており、TM、TE偏光状態混合入力光が上記誘電体導波路層の端面から入射されると、TM波はショートレンジ表面プラズモンポラリトンとエネルギ結合を発生して減衰し、出力波はTE偏光波である。
【0030】
本発明では、さらに上記混合結合構造を応用したTM偏光変調器が提供されており、上記誘電体カバー層上は、金、クロムからなる電極で被覆され、電極とショートレンジ表面プラズモンポラリトン導波路部中の金属層との間に変調電圧を印加し、さらに誘電体導波路のパワー出力に対して変調を実施してTM偏光の変調を実現する。
【0031】
そのうち、上記誘電体カバー層には、電気光学誘電体材料を採用することが好ましい。
本発明では、さらに上記混合結合構造を応用したセンサが提供されており、誘電体カバー層の屈折率に変化が生じると、誘電体導波路のTMモードとショートレンジ表面プラズモンポラリトンとの結合効率に改変が生じ、誘電体導波路の出力パワーの変化を測定することにより上記金属表面上方の誘電体カバー層の屈折率の変化を検出する。
【0032】
そのうち、上記誘電体カバー層の屈折率の微小な変化には、生体反応または物理的、化学的作用により引き起こされる屈折率の微小な変化が含まれることが好ましい。
【0033】
そのうち、上記誘電体バッファ層の屈折率および厚みを調整することにより、検知可能な上記誘電体カバー層の屈折率範囲を調節することが好ましい。
【0034】
そのうち、上記センサが検知可能な誘電体カバー層の厚みは、使用する波長の1/15〜500μmであることが好ましい。
【0035】
<ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造>
上記目的を実現するため、本発明では以下の技術案を採用する。
【0036】
本発明は、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造であり、上記構造は、下から上に向けて、それぞれ、誘電体基板層と、誘電体導波路層と、結合整合層と、ロングレンジ表面プラズモン導波路部を含んでいる。
【0037】
上記誘電体導波路層の屈折率は、上記誘電体基板層および上記結合整合層の屈折率よりも大きいことが好ましい。
【0038】
上記誘電体導波路層の誘電体導波路のTMモード等価屈折率は、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンの等価屈折率と等しいことが好ましい。
【0039】
上記誘電体導波路層の屈折率は1.2〜3.8であり、上記誘電体導波路層の厚みは10nm〜5000nmであることが好ましい。
【0040】
上記結合整合層の屈折率は1.2〜3.8であり、上記結合整合層の厚みは0.01μm〜10μmであることが好ましい。
【0041】
上記ロングレンジ表面プラズモン導波路部は、下から上に向けて、さらに、誘電体バッファ層と、金属層と、誘電体カバー層とを含むことが好ましい。
【0042】
上記金属層は、白金、金、銀、アルミニウム、銅、鉄、クロム、ニッケル、チタンのうちの1種または複数種が組み合わされた合金、もしくは上記金属各々の合金、もしくは金属セラミックであることが好ましい。
【0043】
そのうち、上記金属層の厚みは5nm〜100nmであり、上記誘電体バッファ層の厚みは1nm〜20μmであることが好ましい。
【0044】
上記誘電体バッファ層の屈折率は1.0〜3.8であり、上記誘電体カバー層の屈折率は1.0〜3.8であることが好ましい。
【0045】
上記結合整合層と上記誘電体バッファ層との全厚みは誘電体導波路TMモードとロングレンジ表面プラズモンポラリトンモードとの結合発生を停止させる臨界厚みよりも大きいことが好ましい。
【0046】
また、本発明は、上記ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサであり、上記屈折率センサは、主に上記結合構造により構成され、上記構造は、下から上に向けて、それぞれ、誘電体基板層と、誘電体導波路層と、結合整合層と、ロングレンジ表面プラズモン導波路部である。
【0047】
そのうち、上記誘電体バッファ層の屈折率および厚みを調整することにより、検知可能な上記誘電体カバー層の屈折率範囲を調節することが好ましい。
【0048】
また、本発明は、上記ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気強度変調器であり、上記光電気強度変調器は、主に上記結合構造により構成され、上記結合構造の誘電体カバー層上は金属電極で被覆されている。
【0049】
そのうち、上記金属電極とロングレンジ表面プラズモン導波路部中の金属層との間に変調電圧を印加することが好ましい。
【0050】
そのうち、上記誘電体カバー層には、光電子誘電体材料を採用することが好ましい。
【発明の効果】
【0051】
<ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造>
本発明が提供するョートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造は、薄層物質の屈折率の高精度検出を実現し、上記構造はカプラ、偏光子および屈折率検知コアチップに応用され、従来からの検出方法における体積が大きく、必要とする部品デバイスが多く、調節は困難で、安定性は劣り、超薄層物質の検知感度が低いなどの問題を解決する。
【0052】
<ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造>
1.本発明が提供するロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造は、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンベースデバイスと誘電体ベースデバイスとの高度な集積の実現、並びに屈折率検知および制御可能な光電気集積デバイスの実現のために基礎を提供する。
【0053】
2.本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサコアチップは、感度が高く、上記結合構造を応用することにより、上記センサは、体積が小さく、必要とする部品デバイスが少なく、調節が容易で、安定性が高くなる。
【0054】
3.本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気強度変調器は、感度が高く、低い駆動電圧により出力パワーに対して効果的な変調を実施可能で、電力消費は低く、性能は高い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】表面プラズモンポラリトンの概念図である。
【図2】表面プラズモンポラリトンの概念図である。
【図3】ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合カプラの核心導波路構造を示す図である。
【図4】本発明における1つのショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合集積カプラの立体構造見取図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】本発明における別のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合集積カプラの立体構造見取図である
【図7】図6の側面図である。
【図8】本発明における別の制御可能なショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合集積カプラの立体構造見取図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】本発明における1つのショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合屈折率検出コアチップの立体構造見取図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】本発明における1つのショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合屈折率検出コアチップの出力パワーの被測定物質の屈折率に伴う変化関係図である。
【図13】本発明における別のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合屈折率検出コアチップの出力パワーの被測定物質の屈折率に伴う変化関係図である。
【図14】本発明におけるさらに別のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合屈折率検出コアチップの出力パワーの被測定物質の屈折率に伴う変化関係図である。
【図15】本発明におけるロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造の構造見取図である。
【図16】本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造における金属層と誘電体導波路層との構造見取図である。
【図17】本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造における金属層と誘電体導波路層との構造見取図である。
【図18】本発明におけるロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造の屈折率センサの構造見取図である。
【図19】本発明におけるロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造の屈折率センサの構造見取図である。
【図20】ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサの出力パワーの被測定物質の屈折率に伴う変化関係図である。
【図21】別のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサの出力パワーの測定対象物質の屈折率に伴う変化関係図である。
【図22】ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気可変減衰器の構造見取図である。
【図23】ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気可変減衰器の構造見取図である。
【図24】本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気強度変調器の構造見取図である。
【図25】本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気強度変調器の構造見取図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
<ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造>
以下においては実施例に基づき本発明について説明するが、それは本発明の範囲を制限するものではない。
【0057】
本発明ではショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造が提供されており、上記結合構造には、誘電体基板層と、当該誘電体基板層上に位置する誘電体導波路層と、当該誘電体導波路層上に位置する結合整合層と、当該結合整合層上に形成された、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンを伝導するためのショートレンジ表面プラズモン導波路部とが含まれている。
【0058】
そのうち、上記誘電体導波路層の屈折率は、上記誘電体基板層の屈折率よりも大きく、上記結合整合層の屈折率は、上記誘電体導波路層の屈折率よりも小さい。
【0059】
また、上記誘電体導波路層の屈折率の選択は、当該誘電体導波路層のTM偏光状態のベースモードの等価屈折率を当該ショートレンジ表面プラズモンポラリトンの等価屈折率と近接または等しくさせるものである。
【0060】
好適には、上記誘電体導波路層の屈折率は1.2〜3.8であり、上記誘電体導波路層の厚みは10nm〜5000nmである。
【0061】
そのうち、上記ショートレンジ表面プラズモン導波路部は、下から順次形成される誘電体バッファ層と、金属層と、誘電体カバー層とを含む。
【0062】
上記金属層は、金、銀、アルミニウム、銅、鉄、クロム、ニッケル、チタンのうちの1種または複数種からなる合金である。
【0063】
上記金属層の厚みは10nm〜100nmであり、上記誘電体バッファ層の厚みは10nm〜5000nmである。
【0064】
上記誘電体バッファ層の屈折率は1.2〜3.8であり、上記誘電体カバー層の屈折率は1.2〜3.8である。
【0065】
上記結合整合層は均一の誘電体材料であり、上記結合整合層と上記誘電体バッファ層との全厚みは、誘電体導波路とショートレンジ表面プラズモンポラリトンとの結合発生を停止させる臨界厚みよりも大きい。
【0066】
好適には、上記結合整合層の厚みは0.1μm〜10μmであり、上記結合整合層の屈折率は1.2〜3.8である。
【0067】
また、誘電体導波路のTM偏光状態モードとショートレンジ表面プラズモンポラリトンとが結合を生じる結合長さは10μm〜2000μmである。
【0068】
図3に示されているのは、上記混合結合構造を利用したカプラの核心導波路構造である。図内の金属導波路(SRSPP)ストリップ6と誘電体ストリップ7とは垂直に配列され、金属導波路ストリップ6および誘電体ストリップ7の幅および厚みが一定の条件を満足すると、金属導波路および誘電体導波路により伝導されるモードの伝播定数は基本的に等しくなり、中間の結合整合層および誘電体バッファ層の厚みを調節することにより、2つのモードに結合が生じて、エネルギが金属導波路ストリップ6と誘電体ストリップ7との間で転移する。
【0069】
複数の結合長さを経過した後、SRSPPモードの損失が比較的大きくなるため、TM波のエネルギは急速に減衰する。また金属ストリップのSRSPP導波路が伝導するのはTM偏光モードであるため、誘電体導波路モードとSRSPP導波路とのエネルギ結合はTM偏光だけに限られ、誘電体ストリップから入力されるTE偏光波については、金属アームに結合せず、当該誘電体ストリップに沿って伝送されるだけであり、最終的には誘電体導波路から出力される。
【0070】
そのため、混合カプラの2種類の偏光状態に対する異なる伝送特性を利用すると、非常に容易に新型の偏光子を実現することができる。また、そのうち1つのアームは金属ストリップであるため、SRSPP導波路として以外に、電気的な金属導線と見なすこともできる。このように、金属導線に対して電圧を印加することにより、金属膜周囲の誘電体の電気光学効果または熱光学効果を利用してその屈折率を改変して、TM偏光の2つのアーム間における結合を制御し、TM偏光の出力に対する制御を実現することができる。
【0071】
他方、金属膜上方の誘電体の屈折率に変化が生じると、誘電体アームから出力される光パワーに変化が生じ、それに加えてSRSPPのモードフィールドが金属膜表面に高度に近接するため、金属周囲の比較的薄い範囲内における屈折率の変化を効果的に検知することができ、高感度の超薄誘電体屈折率センサのために可能性を提供している。その他、SRSPPのモードフィールド特性が金属導波路の上下誘電体の屈折率差から受ける影響が比較的大きいため、金属フィルムの上下誘電体の屈折率差が比較的大きいとSRSPPモードは停止される。そのため、金属膜下方の誘電体バッファ材料層の屈折率または厚みを改変することにより、SRSPPモード非停止条件の等価屈折率およびモードフィールド分布を改変することができるとともに、誘電体導波路モードとSRSPPモードとの結合効率も改変することができ、さらに当該センサの金属上方における誘電体材料の屈折率の検知中心および動的範囲を調整することができる。
【0072】
図4に示されているのは、ショートレンジ表面プラズモン導波路と誘電体導波路との混合カプラの立体構造見取図である。選択される誘電体基板層10および誘電体カバー層11の材料はSiO2であり、基板上にスパッタリングまたは蒸着およびフォトエッチング法により幅1μm、厚み220nmのSi34ストリップ7と、材料がいずれもSiO2で、厚みが1.2μmの結合整合層8および誘電体バッファ層9と、幅2μm、厚み15nmのAuストリップ6とが作製される。カプラの長さは50μmである。入射されたTM(実線矢印)およびTE(破線矢印)光が同時に下辺の誘電体ストリップ7から入力されると、TMモードのエネルギが距離十数から数十μm内において上辺の金属導波路中に迅速に結合する。TE光は結合を生じることができず、下辺の誘電体ストリップを直接通過する。そのため、混合カプラにより極めて短い距離内においてTM光とTE光とを分離することができ、高度集積可能な偏光子となる。図5に示されているのは、図4の側面図である。
【0073】
本実施例におけるAuストリップは、銀、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、クロム、鉄のうちのいずれか1種またはそれらの合金に替えることができ、金属セラミックストリップとすることもでき、つまり上記金属および合金とSiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどの誘電体との混合物である。誘電体導波路ストリップと基板、カバー層および誘電体バッファ層の誘電体材料は、樹脂材料、SiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどに替えることができるが、誘電体導波路ストリップの屈折率は周囲の誘電体の屈折率よりも大きいことが要求される。材料を変更する際には、金属(セラミック)ストリップおよび誘電体ストリップの幾何学的パラメータは一定の調整を施す必要がある。
【0074】
図6に示されているのは、別のショートレンジ表面プラズモン導波路と誘電体導波路との混合カプラの立体構造見取図である。選択される誘電体基板層10および誘電体カバー層11の材料はBCB(ベンゾシクロブテン)であり、その上にスパッタリングまたは蒸着およびフォトエッチング法により幅1.5μm、厚み260nmのSi34ストリップ7を作製し、1層の材料は同一で、厚みが1μmの結合整合層8および誘電体バッファ層9を硬化し、その上に幅2μm、厚み15nmのAuストリップ6をスパッタリングする。カプラの長さは20μmである。金属導波路ストリップ6に電圧を印加しないと、下辺の誘電体導波路のTMモードは上面金属ストリップのSRSPPモード(実線矢印に示されている通り)に転化する。金属ストリップに電圧を印加する場合は、導線の発熱により周囲の樹脂材料BCBの金属ストリップの周囲領域における屈折率が変化するため、SRSPPモード特性に変化が生じる。電圧を印加した場合、入射光はSRSPP導波路に再度結合せず、破線の矢印に沿い下辺の誘電体導波路に沿って出力される。そのため、金属ストリップに対して電圧を印加することによりエネルギの出力を制御することができる。その際、混合カプラは変調器、またはスプリッタ、偏光器として使用することができる。図7は図6の側面図である。
【0075】
図8に示されているのは、別のショートレンジ表面プラズモン導波路と誘電体導波路との混合カプラの立体構造見取図である。選択される基板誘電体材料10はBCBであり、その上にスパッタリングまたは蒸着およびフォトエッチング法により幅1.5μm、厚み260nmのSi34ストリップ7を作製し、1層の材料は同一で、厚みが1μmの結合整合層8および誘電体バッファ層9を硬化し、その上に幅2μm、厚み15nmのAuストリップ6をスパッタリングするとともに接地し、Auストリップの上方に1層の電気光学ポリマー材料を誘電体カバー層11として硬化し、最後に1層のAu膜12を正電極として再度蒸着する。カプラの長さは20μmである。金属導波路ストリップ6と金属膜12との間に印加される電圧が変化すると、誘電体カバー層11材料の屈折率が電気光学効果によりそれに伴い変化を生じ、下辺の誘電体導波路のTMモードと金属導波路ストリップ6とのSRSPPモードの転化効率は改変されて、誘電体導波路のパワー出力を改変する。そのため、カバー層に対する電圧の印加により、パワーの出力を制御することができる。その際、混合カプラは変調器、またはスプリッタ、偏光器として使用することができる。図9は図8の側面図である。
【0076】
図10に示されているのは、ショートレンジ表面プラズモン導波路と誘電体導波路との混合結合検知コアチップの構造図である。選択される誘電体基板層10の材料はSiO2であり、その上にスパッタリングまたは蒸着およびフォトエッチング法により幅8μm、厚み220nmのSi34ストリップ7、1層の厚み1.5μmのSiO2結合整合層8を作製した後、1層の厚み500nmの低屈折率樹脂材料を硬化して誘電体バッファ層9を形成し、その上に1層の厚み30nmのAu膜6をスパッタリングする。コアチップの伝播方向長さは80μmである。金属膜6の上方は水環境下における被検知物質であり、その屈折率に物理的(温度、湿度、圧力、電磁界など)または生物的、化学的要因(生化学反応)に伴い変化が生じると、下辺の誘電体アームが上辺の金属膜に結合するエネルギが金属膜上方の被検知物質の屈折率変化に伴い変化を生じる。誘電体カバー層11の屈折率は誘電体のTMモードとショートレンジ表面プラズモンポラリトンとの間の結合に影響を及ぼし、さらに誘電体導波路のTM出力パワーの大きさに影響を及ぼすため、当該誘電体導波路の出力パワーの変化を測定することにより当該金属表面上方の誘電体カバー層11の屈折率の変化を検出することができる。上記誘電体カバー層の屈折率の微小な変化は等価な厚みの抗体、抗原などの生体反応により引き起こされるか、または物理的、化学的などの作用により引き起こされる当該誘電体カバー層11の屈折率の微小な変化であるとすることができる。当該誘電体バッファ層の屈折率および厚みを調整することにより検知可能な当該誘電体カバー層の屈折率範囲を調節することができる。ショートレンジ表面プラズモンポラリトンのウェーブモードフィールドが高度に金属膜表面に近接しており、金属周囲の比較的薄い範囲内における屈折率変化を効果的に検知することができるため、被検出誘電体が薄層物質であると、検知感度は依然として非常に高く、測定対象誘電体の厚みは100nm以下まで薄くすることができる。
【0077】
例えば、誘電体バッファ層の材料CYTOPの屈折率が1.42、誘電体カバー層11の厚みが300nmであると、誘電体導波路の入力が0dBmの条件下において、誘電体導波路から出力されるパワーの誘電体カバー層11の屈折率変化に伴う関係は図12中の丸点曲線に示されている通りであり、誘電体アームが出力する光強度の変化に基づき被検知誘電体の屈折率変化の情報を得ることができ、その際、検知中心の位置は1.538であり、バッファ層の材料を基板材料および結合整合層と同一とする、つまり1.444であると、検知中心は1.52に移動し、同時に検知の動的範囲も増大するが、感度は、図12内の三角曲線に示されている通り、一部低下する。引き続き誘電体バッファ層材料の屈折率を1.46まで増大させると、検知中心は引き続き低屈折率方向に向けて、図12内の四角曲線に示される通り、1.48に移動し、かつ、動的範囲は引き続き増大し、感度はさらに低下する。
【0078】
本実施例におけるAuストリップは、銀、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、クロム、鉄のうちのいずれか1種またはそれらの合金に替えることができ、金属セラミックストリップとすることもでき、つまり上記金属および合金とSiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどの誘電体との混合物である。誘電体導波路ストリップと基板、カバー層および誘電体バッファ層の誘電体材料は、樹脂材料、SiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどに替えることができるが、誘電体導波路ストリップの屈折率は周囲の誘電体の屈折率よりも大きいことが要求される。材料を変更する際には、金属(セラミック)ストリップおよび誘電体ストリップの幾何学的パラメータは一定の調整を施す必要がある。
【0079】
ショートレンジ表面プラズモン導波路と誘電体導波路との混合結合検知の例は以下に述べる通りである。第7、8、10層は図10と同一である。第6層の金属膜の厚みは15nmで、第9層の結合整合層の屈折率は1.38である。誘電体カバー層11の厚みは依然として300nmであり、伝播方向長さは70μmである。出力パワーの被検知物の屈折率に伴う変化は図13に示されている通りである。その際、検知中心は1.38付近まで低下している。
【0080】
さらに別のショートレンジ表面プラズモン導波路と誘電体導波路との混合結合検知の例は以下に述べる通りである。入射光の波長は633nmであり、誘電体基板層10の材料の選択は屈折率が1.4のポリマー材料であり、基板上にフォトエッチングおよびスパッタリングまたは堆積法を運用して幅10μm、厚み150nmのAl23ストリップ7を作製する。Al23ストリップ上に1層の厚み250nmで第10層と同一材料のポリマーを結合整合層として硬化し、その上にさらに1層の厚み50nm、屈折率1.36の樹脂材料(CYTOP)をバッファ層9として硬化する。最後に厚み15nmのアルミニウム膜を第9層の上にスパッタリングし、アルミニウム膜の上方は水環境下における厚み50nmの測定対象物であり、コアチップの伝播方向長さは50μmである。出力パワーの被検知物の屈折率に伴う変化は図14に示されている通りである。当該検知波長がさらに短く、検知物がさらに薄い場合にも、依然として高い感度を得ることができ、相応の検知中心は1.37付近に位置する。
【0081】
以上の実施方式は本発明について説明するためだけのものであり、本発明を制限するものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲から乖離することなく、各種の変化を施すことは可能であるため、すべての同等な技術案はいずれも本発明の範疇に属するものとし、本発明の特許保護範囲は特許請求範囲により限定されるものとする。
【0082】
<ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造>
本発明が提供するロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造およびその応用について、添付図および実施例に基づき以下の通り詳細に説明する。
【0083】
(実施例1)
本発明が提供するロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造について、図16、図17に示されている通り、当該構造は、下から上に向けて、誘電体基板層10と、誘電体導波路層7と、結合整合層8と、当該結合整合層上に形成された、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンを伝導するためのロングレンジ表面プラズモン導波路部とを含む。
【0084】
そのうち、誘電体導波路層7の屈折率は、誘電体基板層10の屈折率よりも大きく、また結合整合層8の屈折率よりも大きい。誘電体導波路層7の屈折率の選択は、当該誘電体導波路のTM偏光ベースモードの等価屈折率を、当該ロングレンジ表面プラズモンポラリトンの等価屈折率と等しいかまたは比較的近接させるものである。好適には、誘電体導波路層7の屈折率は1.2〜3.8、厚みは10nm〜5000nmであり、結合整合層8の屈折率は1.2〜3.8、厚みは0.01μm〜10μmである。
【0085】
そのうち、ロングレンジ表面プラズモン導波路部は、下から順次、誘電体バッファ層9と、金属層6と、誘電体カバー層11とに区分される。金属層6は、白金、金、銀、アルミニウム、銅、鉄、クロム、ニッケル、チタンのうちの1種または複数種からなる合金であり、金属セラミックでもよく、つまり上記金属および合金とSiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどの誘電体との混合物であり、誘電体導波路層7と誘電体基板層10、誘電体カバー層11および誘電体バッファ層9の誘電体材料は、樹脂材料、SiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどとすることができる。金属層6の厚みは5nm〜100nmであり、誘電体バッファ層9の厚みは10nm〜20μmであり、誘電体カバー層11および誘電体バッファ層9の屈折率は1.0〜3.8である。結合整合層8と誘電体バッファ層9との全厚みは誘電体導波路のTMモードとロングレンジ表面プラズモンポラリトンモードとの結合発生を停止させる臨界厚みよりも大きい。
【0086】
図15に示されている通り、金属層(LRSPP導波路)6を構成する金属導波路ストリップと、誘電体導波路層7を構成する誘電体ストリップとの、2本のストリップは垂直に配列される。両層の幅および厚みを調節してLRSPP導波路および誘電体導波路伝導モードの伝播定数が基本的に同一であることを満足している場合は、誘電体導波路層7および誘電体バッファ層9の厚みを調節することにより、LRSPPモードと誘電体導波路のTMモードとの間に結合を生じさせて、エネルギを両層の間で転移させることができる。
【0087】
金属層6上方の誘電体の屈折率に変化が発生すると、LRSPPモードの損失およびモードフィールド特性は金属層6下方の誘電体の屈折率が劣ることの影響を受け、かつ、金属層6の上下誘電体の屈折率の差が若干大きいとLRSPPモードは停止される。LRSPPの存在および特性の変化は誘電体導波路のTMモードとLRSPPモードとの間の結合に直接影響を及ぼし、さらに誘電体導波路のTM出力パワーの大きさを改変する。そのため、当該誘電体導波路の出力パワーの変化を測定することにより、当該金属層6上方の誘電体カバー層11の屈折率の変化を検出することができる。金属層6の上下誘電体の屈折率が非常に接近しているとモード間の結合効率が最大となるため、金属層6下方の誘電体バッファ層9の材料の屈折率を改変する事ことにより、本発明の結合構造を応用した屈折率センサの金属層上方の誘電体材料の屈折率の検知中心を調整することができる。
【0088】
また、金属層上方の誘電体の屈折率を能動的に改変すると、誘電体導波路のTMモードも制御することができる。金属層6はLRSPP導波路として以外に、電気の金属導線であると見なすこともできるため、金属導線に電圧を印加することにより、金属層6周囲の誘電体の電気光学効果または熱光学効果などを利用してその屈折率を改変して、TM偏光の2つの層の間における結合を制御し、TM偏光の出力に対する制御を実現することができる。
【0089】
(実施例2)
図18および図19に示されているのは、本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサの構造図であり、当該屈折率センサは、主に上記結合構造により構成される。そのうち、誘電体基板層10の材料はSiO2であり、誘電体基板層10上に紫外線フォトエッチングおよび化学気相成長法により作製された誘電体導波路層7は幅2μm、厚み220nmのSi34ストリップであり、結合整合層8および誘電体バッファ層9はいずれも屈折率1.45のSiO2で、全厚みは6μmであり、さらに紫外線フォトエッチングおよびスパッタリング法により作製された金属層6は、幅5μm、長さ640μm、厚み25nmのAlストリップである。
【0090】
金属層6の上方は測定対象物質、つまり誘電体カバー層であり、その屈折率に物理的(温度、湿度、圧力、電磁界など)、化学的(生化学反応)などの要因に伴い変化が生じると、下辺の誘電体導波路層7が上辺のAlストリップに結合するエネルギがAlストリップ上方の被検知物質の屈折率変化に伴い変化を生じる。
【0091】
波長1.55μm、強度0dBmのTM波が誘電体導波路層7から入力された際の、出力パワーPoutの金属層6上方の誘電体カバー層11に伴う屈折率の変化ndetは図20に示されている通りである。当該屈折率センサの検知中心、つまり曲線中の最低点は、1.45付近に位置し、つまり誘電体バッファ層9の屈折率付近に位置する。検知領域は1.444〜1.446で、検知感度は5×10−7に達することが可能である。
【0092】
本実施例における金属層6で示されるAlストリップは、金、銀、銅、チタン、ニッケル、クロム、鉄のうちの1種またはそれらの合金に替えることができ、金属セラミックストリップ、つまり上記金属および合金とSiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどの誘電体との合金とすることもできる。誘電体導波路層7と誘電体基板層10、誘電体カバー層11および誘電体バッファ層9の誘電体材料は、樹脂材料、SiO2、MgF2、Al23、Si、GaAs、InPなどに替えることができるが、誘電体導波路層7の材料の屈折率は周囲の誘電体の屈折率よりも大きいことが要求される。材料を変更する際には、金属(セラミック)ストリップおよび誘電体ストリップの幾何学的パラメータは一定の調整を施す必要がある。
【0093】
(実施例3)
図18および図19に示されているのは、本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサの構造図であり、当該屈折率センサは、主に上記結合構造により構成される。そのうち、誘電体基板層10の材料はSiO2であり、基板上に紫外線フォトエッチングおよび化学気相成長法により作製された誘電体導波路層7は、幅5μm、厚み120nmのSi34ストリップであり、結合整合層8は厚み3μmのSiO2であり、誘電体バッファ層9は厚み4μmで、屈折率1.38のCYTOP樹脂層であり、金属層6は、幅20μm、長さ1050μm、厚み30nmのAuストリップである。
【0094】
金属層6上方の誘電体カバー層11の屈折率に物理的(温度、湿度、圧力、電磁界など)、化学的(生化学反応)などの要因に伴い変化が生じると、下辺の誘電体導波路層7が上辺の金属層6に結合するエネルギが金属層6上方の誘電体カバー層11の屈折率変化に伴い変化を生じる。
【0095】
波長1.55μm、強度0dBmのTM波が誘電体導波路層から入力された際の、出力パワーPoutの金属上方の誘電体カバー層11に伴う屈折率の変化ndetは図21に示されている通りである。その検知中心、つまり曲線中の最低点は、1.38付近に位置し、つまり誘電体バッファ層9の屈折率付近に位置する。検知領域は1.380〜1.382で、検知感度は6×10−7に達することが可能である。
【0096】
材料のその他の選択は、実施例2と同一である。
(実施例4)
図18および図19に示されているのは、本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサの構造図である。そのうち、誘電体基板層10の材料には屈折率1.45のガラス材料を選択し、基板上にフォトエッチングおよびイオン交換法を運用して幅2μm、屈折率1.46の誘電体導波路層7を作製する。結合整合層8は厚み1μmのSiO2であり、その上に厚み1μm、屈折率1.36の樹脂材料を誘電体バッファ層9として堆積し、金属層6は長さ640μm、厚み30nmのAl膜である。
【0097】
Al膜の上方は厚み0.5μmの誘電体カバー層11であり、その屈折率に物理的(温度、湿度、圧力、電磁界など)、化学的(生化学反応)などの要因に伴い変化が生じると、下辺の誘電体導波路層7が上辺のAl膜に結合するエネルギが金属膜上方の被検知物質の屈折率変化に伴い変化を生じる。
【0098】
波長0.633μm、強度0dBmのTM波が誘電体導波路層から入力された際の、出力パワーの金属上方の誘電体検知層に伴う屈折率の変化は図20、図21に類似している。異なる点は、その検知中心、つまり曲線中の最低点は、1.36付近に位置し、つまり誘電体バッファ層の屈折率付近に位置する点である。検知領域は1.359〜1.361で、検知感度は5×10−7に達することが可能である。
【0099】
材料のその他の選択は、実施例2と同一である。
(実施例5)
図22および図23に示されているのは、本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した熱光学可変減衰器の基本構造である。当該熱光学減衰器は主に上記結合構造により構成され、そのうち、誘電体基板層10の材料はSiO2であり、その上にスパッタリングまたは蒸着およびフォトエッチング法により幅2μm、厚み220nmのSi34ストリップを誘電体導波路層7として作製し、引き続き1層の厚み6μmのSiO2を結合整合層8および誘電体バッファ層9として堆積し、その上にスパッタリングされた金属層6は幅5μm、厚み25nmのAlストリップで、その長さは1140μmであり、最後に厚み10μmの屈折率がSiO2と非常に接近した屈折率が温度に伴い変化する樹脂材料を誘電体カバー層11として被覆する。
【0100】
波長1.55μm、強度0dBmのTM波を誘電体導波路層7から入力し、金属層6に電圧を印加しない場合、下辺の誘電体導波路のTMモードが上面のAlストリップのLRSPPモード(実践の矢印が示す通り)に転化する。Alストリップに電圧を印加した場合は、導線の発熱により周囲の誘電体カバー層11のAlストリップの周囲領域における屈折率が変化するため、LRSPPモード特性に変化が生じる。電圧を印加した場合、入射光はLRSPP導波路に再度結合せず、破線の矢印に沿い下辺の誘電体導波路に沿って出力される。そのため、Alストリップに対して電圧を印加することにより誘電体導波路層7の出力パワーPoutの大きさを制御することができる。
材料のその他の選択は、実施例2と同一である。
【0101】
(実施例6)
図24および図25に示されているのは、本発明のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気強度変調器の基本構造である。当該変調器は主に上記結合構造により構成される。そのうち、誘電体基板層10の材料はSiO2であり、その上にスパッタリングまたは蒸着およびフォトエッチング法により幅2μm、厚み220nmのSi34ストリップを誘電体導波路層7として作製し、引き続き1層の厚み6μmのSiO2を結合整合層8および誘電体バッファ層9として堆積し、その上にAlがスパッタリングされた金属層6は、幅5μm、厚み25nm、長さ1140μmであり、その後、厚み4μmの屈折率がSiO2と非常に接近した電気光学材料11を誘電体カバー層11とし、Au膜を金属電極12とする。
【0102】
波長1.55μm、強度0dBmのTM波を誘電体導波路層7から入力する。金属層6とAu膜金属電極12との間に印加される電力が変化すると、誘電体カバー層11の材料の屈折率が電気光学効果によりそれに伴い変化するため、下辺の誘電体導波路のTMモードが金属層6のLRSPPモードと結合し、さらに誘電体導波路のパワー出力を改変する。そのため、誘電体カバー層11に変調電圧を印加することにより誘電体導波路の出力パワーに対して強度変調を実施することができる。
【0103】
本実施例におけるロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造は、変調器、またはスプリッタ、偏光器としても使用することができる。
【0104】
材料のその他の選択は、実施例2と同一である。
以上の実施方式は本発明について説明するためだけのものであり、本発明を制限するものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲から乖離することなく、各種の変化および変形を施すことは可能であるため、すべての同等な技術案はいずれも本発明の範疇に属するものとし、本発明の特許保護範囲は特許請求範囲により限定されるものとする。
【符号の説明】
【0105】
1 金属(または金属と誘電体との混合物)、2 金属周囲の誘電体、3 (界面箇所における)表面プラズモンポラリトン、4 ロングレンジ表面プラズモンポラリトン、5 ショートレンジ表面プラズモンポラリトン、6 金属導波路ストリップ(金属層)、7 誘電体ストリップ(誘電体導波路層)、8 結合整合層、9 誘電体バッファ層、10 誘電体基板層、11 誘電体カバー層、12 金属膜(金属電極)、13 被検知物(測定対象誘電体層)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板層と、
前記誘電体基板層上に位置する誘電体導波路層と、
前記誘電体導波路層上に位置する結合整合層と、
前記結合整合層上に形成された、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンを伝導するためのショートレンジ表面プラズモン導波路部と
を含むことを特徴とする、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項2】
前記誘電体導波路層の屈折率は、前記誘電体基板層の屈折率よりも大きく、
前記結合整合層の屈折率は、前記誘電体導波路層の屈折率よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項3】
前記誘電体導波路層の屈折率の選択は、前記誘電体導波路層のTM偏光状態のベースモードの等価屈折率を前記ショートレンジ表面プラズモンポラリトンの等価屈折率と等しくさせるものであることを特徴とする、請求項2に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項4】
前記誘電体導波路層の屈折率は1.2〜3.8であり、前記誘電体導波路層の厚みは10nm〜5000nmであることを特徴とする、請求項3に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項5】
前記結合整合層の厚みは0.01μm〜10μmであり、前記結合整合層の屈折率は1.2〜3.8であることを特徴とする、請求項1に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項6】
前記ショートレンジ表面プラズモン導波路部は、さらに、下から順次形成される誘電体バッファ層と、金属層と、誘電体カバー層とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項7】
前記金属層は、金、銀、アルミニウム、銅、鉄、クロム、ニッケル、チタンのうちの1種または複数種からなる合金であることを特徴とする、請求項6に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項8】
前記金属層の厚みは10nm〜100nmであり、前記誘電体バッファ層の厚みは10nm〜5000nmであることを特徴とする、請求項6に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項9】
前記誘電体カバー層の屈折率は1.0〜3.8であり、前記誘電体バッファ層の屈折率は1.0〜3.8であることを特徴とする、請求項6に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項10】
前記結合整合層と前記誘電体バッファ層との全厚みは、誘電体導波路とショートレンジ表面プラズモンポラリトンとの結合発生を停止させる臨界厚みよりも大きいことを特徴とする、請求項9に記載のショートレンジ表面プラズモンポラリトンと一般誘電体導波路との混合結合構造。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の混合結合構造を応用した混合カプラであり、前記誘電体導波路のTM偏光状態モードは、ショートレンジ表面プラズモンポラリトンと結合を発生し、前記結合の長さは10μm〜2000μmであることを特徴とする混合カプラ。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の混合結合構造を応用した偏光子であり、TM、TE偏光状態混合入力光が前記誘電体導波路層の端面から入射されると、TM波はショートレンジ表面プラズモンポラリトンとエネルギ結合を発生して減衰し、出力波はTE偏光波であることを特徴とする偏光子。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の混合結合構造を応用したTM偏光変調器であり、前記誘電体カバー層上は、金、クロムからなる電極で被覆され、電極とショートレンジ表面プラズモンポラリトン導波路部中の金属層との間に変調電圧を印加し、さらに誘電体導波路のパワー出力に対して変調を実施してTM偏光の変調を実現することを特徴とするTM偏光変調器。
【請求項14】
前記誘電体カバー層には、電気光学誘電体材料を採用することを特徴とする請求項13に記載のTM偏光変調器。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の混合結合構造を応用したセンサであり、誘電体カバー層の屈折率に変化が生じると、誘電体導波路のTMモードとショートレンジ表面プラズモンポラリトンとの結合効率に改変が生じ、誘電体導波路の出力パワーの変化を測定することにより前記誘電体カバー層の屈折率の変化を検出することを特徴とするセンサ。
【請求項16】
誘電体カバー層の屈折率の微小な変化には、生体反応または物理的、化学的作用により引き起こされる屈折率の微小な変化が含まれることを特徴とする、請求項15に記載のセンサ。
【請求項17】
前記誘電体バッファ層の屈折率および厚みを調整することにより、検知可能な前記誘電体カバー層の屈折率範囲を調節することを特徴とする、請求項15に記載のセンサ。
【請求項18】
前記センサが検知可能な誘電体カバー層の厚みは、使用する波長の1/15〜500μmであることを特徴とする、請求項15に記載のセンサ。
【請求項19】
下から上に向けて、それぞれ、誘電体基板層と、誘電体導波路層と、結合整合層と、ロングレンジ表面プラズモン導波路部とを含むことを特徴とする、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項20】
前記誘電体導波路層の屈折率は、前記誘電体基板層および前記結合整合層の屈折率よりも大きいことを特徴とする、請求項19に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項21】
前記誘電体導波路層の誘電体導波路のTMモード等価屈折率は、ロングレンジ表面プラズモンポラリトンの等価屈折率と等しいことを特徴とする、請求項19に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項22】
前記誘電体導波路層の屈折率は1.2〜3.8であり、前記誘電体導波路層の厚みは10nm〜5000nmであることを特徴とする、請求項19に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項23】
前記結合整合層の屈折率は1.2〜3.8であり、前記結合整合層の厚みは0.01μm〜10μmであることを特徴とする、請求項19に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項24】
前記ロングレンジ表面プラズモン導波路部は、下から上に向けて、さらに、誘電体バッファ層と、金属層と、誘電体カバー層とを含むことを特徴とする、請求項19に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項25】
前記金属層は、白金、金、銀、アルミニウム、銅、鉄、クロム、ニッケル、チタンのうちの1種または複数種が組み合わされた合金、もしくは前記金属各々の合金、もしくは金属セラミックであることを特徴とする、請求項24に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項26】
前記金属層の厚みは5nm〜100nmであり、前記誘電体バッファ層の厚みは1nm〜20μmであることを特徴とする、請求項24に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項27】
前記誘電体バッファ層の屈折率は1.0〜3.8であり、前記誘電体カバー層の屈折率は1.0〜3.8であることを特徴とする、請求項24に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項28】
前記結合整合層と前記誘電体バッファ層との全厚みは、誘電体導波路のTMモードとロングレンジ表面プラズモンポラリトンモードとの結合発生を停止させる臨界厚みよりも大きいことを特徴とする、請求項24に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造。
【請求項29】
請求項19〜28のいずれか1項に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した屈折率センサであり、前記屈折率センサは、主に前記結合構造により構成され、
前記結合構造は、下から上に向けて、それぞれ、誘電体基板層と、誘電体導波路層と、結合整合層と、ロングレンジ表面プラズモン導波路部とを備えることを特徴とする屈折率センサ。
【請求項30】
前記誘電体バッファ層の屈折率および厚みを調整することにより、検知可能な前記誘電体カバー層の屈折率範囲を調節することを特徴とする、請求項29に記載の屈折率センサ。
【請求項31】
請求項19〜28のいずれか1項に記載のロングレンジ表面プラズモンポラリトンと誘電体導波路との結合構造を応用した光電気強度変調器であり、前記光電気強度変調器は、主に前記結合構造により構成され、前記結合構造の誘電体カバー層上は金属電極でカバーされていることを特徴とする光電気強度変調器。
【請求項32】
前記金属電極とロングレンジ表面プラズモン導波路部中の金属層との間に変調電圧を印加することを特徴とする、請求項31に記載の光電気強度変調器。
【請求項33】
前記誘電体カバー層には、光電子誘電体材料を採用することを特徴とする、請求項31に記載の光電気強度変調器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−145399(P2010−145399A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283891(P2009−283891)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【出願人】(506162688)清華大學 (8)
【Fターム(参考)】