説明

シリコンベースモジュールアレイ及びその形成方法

【課題】省スペース且つ高精細なシリコンベースモジュール及びその形成方法を提供する。
【解決手段】基板106にチップアセンブリ102及び104を固定する。アセンブリ102上にはシリコンチップ108と電気回路付のドライバダイ110とを設け、アセンブリ104にはシリコンチップ112と電気回路付のドライバダイ114とを設ける。更に、これらのアセンブリ102及び104の相応する構成部分同士を基板長手方向Lに沿い且つその方向Lに対し直交する基板幅方向Pに沿い整列させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンベースモジュールアレイ及びその形成方法、特に複数個のシリコンベースモジュールが連なるアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
図7に、複数個のチップ302を単一の基板304上に連ねた従来型マルチチップアレイ300の構成を示す。この構成では、チップ302同士の境目に生じる不要な隙間がチップ302の動作に悪影響が及ぶことがある。例えば、インク吐出器に係るチップならチップ302同士の境目でジェット補間が必要になるし、感光チップならチップ302同士の境目で像が乱れることがある。更に、このマルチチップ(シリコンベース)アレイ300を長尺にするには、精度問題を抑えるため高コストな装置・処理を使用することが必要となる。加えて、個々のチップ302が期待通りに動作するかどうかが、チップ302を並べてアレイ300を作成しそれを検査するまでは判然としない。そして、この種のアレイ300では、問題のあるチップ302を簡単に補修することができない。補修するとその隣のチップ302が損傷することもしばしばである。
【0003】
図8に、複数個のプリントヘッドモジュール402が(一行横並びにではなく)複数行に亘り互い違いに並ぶ従来型配列400、特にイエロー用、シアン用、マゼンタ用及びブラック用を併せ都合四組のモジュール402を有するものの構成を示す。この互い違い配列400では、プロセス方向P沿いに見てモジュール402同士が部分的に重なり合っているため、モジュール402同士の境目で不要な間隔が生じることがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4860075号明細書
【特許文献2】米国特許第5753959号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図8に示した構成には、プリントヘッドモジュール402を複数行に亘り設けるのに大きなプロセス方向P沿いスペースが要る、という問題がある。例えば、解像度=600spi(スポット/インチ)のプリントヘッドであれば、その幅404が3インチ程あるのが普通である(1インチ=約2.5×10-2m)。図示例では、そうしたプリントヘッドをモジュール402として使用し、方向Pに沿った間隔を1インチ程とっている。フルカラーにするには、モジュール402の互い違い配列を図示の通り四組設ける必要があるので、フルカラー解像度=600spiの装置を実現するには方向P沿いに約31インチ(約787mm)以上のスペースが必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに、本発明の一実施形態に係るシリコンベースモジュール形成方法は、第1シリコンチップ及び電気回路付第1ドライバダイを併有する第1チップアセンブリを基板上に配置するステップと、第2シリコンチップ及び電気回路付第2ドライバダイを併有する第2チップアセンブリを同じ基板上に配置するステップと、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士を基板長手方向に沿い整列させるステップと、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士を基板長手方向に対し直交する基板幅方向に沿い整列させるステップと、を有する。
【0007】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイ形成方法は、第1シリコンチップ及び電気回路付第1ドライバダイを併有する第1チップアセンブリを第1基板上に配置するステップと、第2シリコンチップ及び電気回路付第2ドライバダイを併有する第2チップアセンブリを第1基板上に配置するステップと、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士を第1基板長手方向に沿い整列させるステップと、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士を第1基板長手方向に対し直交する第1基板幅方向に沿い整列させるステップと、第1基板をベースに固定することで本アレイの第1部分を形成するステップと、を有する。
【0008】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイ形成方法は、第1チップを第1基板上に配置するステップと、第2チップを第1基板上に配置するステップと、第1及び第2チップの相応する構成部分同士を第1基板幅方向に沿い整列させるステップと、第3チップを第2基板上に配置するステップと、第4チップを第2基板上に配置するステップと、第3及び第4チップの相応する構成部分同士を第2基板幅方向に沿い整列させるステップと、第1及び第3チップの相応する構成部分同士を第1及び第2基板幅方向に対し直交する長手方向に沿い整列させるステップと、第2及び第3チップの相応する構成部分同士を第1及び第2基板幅方向に沿い整列させるステップと、第1及び第2基板を本アレイ用のベースに固定するステップと、を有する。
【0009】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールは、基板と、その基板に固定されており第1シリコンチップ及び電気回路付第1ドライバダイを有する第1チップアセンブリと、同じ基板に固定されており第2シリコンチップ及び電気回路付第2ドライバダイを有する第2チップアセンブリと、を備え、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士が基板長手方向に沿い整列する一方、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士が基板長手方向に対し直交する基板幅方向に沿い整列しているものである。
【0010】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイは、本アレイ用のベースに固定された第1基板上にあり第1シリコンチップ及び電気回路付第1ドライバダイを有する第1チップアセンブリと、その第1基板上にあり第2シリコンチップ及び電気回路付第2ドライバダイを有する第2チップアセンブリと、を備え、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士がアレイ長手方向に沿い整列する一方、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士がアレイ長手方向に対し直交するアレイ幅方向に沿い整列しているものである。
【0011】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイは、第1基板上にあり相応する構成部分同士がアレイ幅方向に沿い整列している第1及び第2シリコンチップと、第2基板上にあり相応する構成部分同士がアレイ幅方向に沿い整列している第3及び第4シリコンチップと、を備え、第1及び第2シリコンチップの相応する構成部分同士がアレイ幅方向に対し直交するアレイ長手方向に沿い整列する一方、第2及び第3シリコンチップの相応する構成部分同士がアレイ幅方向に沿い整列しているものである。
【0012】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイ形成方法は、第1シリコンチップが第1基板の一端に面することとなるよう第1及び第2シリコンチップを少なくとも1個ずつ第1基板上に交互配置するステップと、第3シリコンチップが第2基板の一端に面することとなるよう第3及び第4シリコンチップを少なくとも1個ずつ第2基板上に交互配置するステップと、第1及び第2基板の相応する構成部分同士をアレイ長手方向に沿い整列させるステップと、第1基板の一端に面する第1シリコンチップ及び第2基板の一端に面する第3シリコンチップの相応する構成部分同士をアレイ長手方向に対し直交するアレイ幅方向に沿い整列させるステップと、第1及び第2基板を本アレイ用のベースに固定するステップと、を有する。
【0013】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイは、本アレイ用のベースに固定された第1基板上に、第1シリコンチップが第1基板の一端に面することとなるよう少なくとも1個ずつ交互配置された第1及び第2シリコンチップと、本アレイ用のベースに固定された第2基板上に、第3シリコンチップが第2基板の一端に面することとなるよう少なくとも1個ずつ交互配置された第3及び第4シリコンチップと、を備え、第1及び第2基板の相応する構成部分同士をアレイ長手方向に沿い整列させる一方、第1基板の一端に面する第1シリコンチップ及び第2基板の一端に面する第3シリコンチップの相応する構成部分同士をアレイ長手方向に対し直交するアレイ幅方向に沿い整列させたものである。
【0014】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールは、基板と、第1基板上にある第1及び第2シリコンチップと、第1シリコンチップに付随する第1シリコンベース反復構造と、第2シリコンチップに付随する第2シリコンベース反復構造と、を備え、第1シリコンベース反復構造が、相応する構成部分同士がモジュール長手方向に沿い並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、第2シリコンベース反復構造が、相応する構成部分同士がモジュール長手方向に沿い並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、第1シリコンベース反復構造と第2シリコンベース反復構造の位置関係が、モジュール長手方向に沿い隣り合う反復構造又は本モジュールが性能パラメタに従い機能するようそれら反復構造間の相対位置を指定する制限条件を満たしているものである。
【0015】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイは、ベース及びそのベースに固定された複数個のモジュールを備え、個々のモジュールが、基板と、第1及び第2シリコンチップと、第1シリコンチップに付随する第1シリコンベース反復構造と、第2シリコンチップに付随する第2シリコンベース反復構造と、を有し、第1シリコンベース反復構造が、対応するモジュールの長手方向に沿い整列するよう並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、第2シリコンベース反復構造が、対応するモジュールの長手方向に沿い整列するよう並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、第1シリコンベース反復構造と第2シリコンベース反復構造の位置関係が、本アレイが性能パラメタに従い機能するよう隣接反復構造間の相対位置を指定する制限条件を満たしているものである。
【0016】
本発明の他の実施形態に係るシリコンベースモジュールアレイは、ベースと、そのベースに固定された複数個のモジュールと、第1及び第2シリコンベース反復構造と、を備え、個々のモジュールが、そのモジュールの長手方向に沿って延びる第1及び第2張出部を有する基板と、第1シリコンベース反復構造が付随する第1シリコンチップと、第2シリコンベース反復構造が付随する第2シリコンチップと、を有し、第1シリコンベース反復構造が、相応する構成部分同士が対応するモジュールの長手方向に沿い整列するよう、且つ、そのうち幾つかの単位構造が対応する基板の第1張出部内に位置するよう並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、第2シリコンベース反復構造が、相応する構成部分同士が対応するモジュールの長手方向に沿い整列するよう、且つ、そのうち幾つかの単位構造が対応する基板の第2張出部内に位置するよう並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、同じモジュールに属する第1シリコンベース反復構造と第2シリコンベース反復構造の位置関係、第1シリコンベース反復構造と第1張出部の位置関係、並びに第2シリコンベース反復構造と第2張出部の位置関係が、本アレイが性能パラメタに従い機能するよう隣接反復構造間の相対位置を指定する制限条件を満たしているものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】シリコンベースモジュールの一例構成を示す平面図である。
【図2】シリコンベースモジュールの別例構成を示す平面図である。
【図3】図1に示したシリコンベースモジュールを複数個有するアレイの一例構成を示す平面図である。
【図4】図2に示したシリコンベースモジュールを複数個有するアレイの一例構成を示す平面図である。
【図5】シリコンベースモジュールを複数個有するアレイの別例構成を示す平面図である。
【図6】図1に示したシリコンベースモジュールを複数個有する四行型アレイの一例構成を示す端面図である。
【図7】複数個のチップが単一の基板上に横並びに並ぶ従来型マルチチップアレイの構成を示す図である。
【図8】複数個のプリントヘッドモジュールが複数行をなし互い違いに並ぶ従来型配列の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1にシリコンベースモジュールの一例構成100を平面図により示す。このモジュール100はチップアセンブリ102及び104を基板106上に配した構成であり、アセンブリ102はシリコンチップ108及びドライバダイ110を、またアセンブリ104はシリコンチップ112及びドライバダイ114をそれぞれ備えている。図示しないがダイ110及び114は電気回路を備えており、その回路はフレキシブル配線を介し外部の回路や電源へと接続されている。アセンブリ102及び104は互いに同種、即ち同じ機能を有するアセンブリであり、相応する構成部分同士が基板長手方向Lに沿い整列し且つ相応する構成部分同士が基板幅方向Pに沿い整列するよう配置されている。なお、「基板長手方向」とは基板106の長軸に沿った方向、「基板幅方向」とは基板106が搭載されるプリンタ、スキャナ等の装置におけるプロセス方向のことであり、両者は互いに直交する関係にある。図示例の基板106では、方向Lに沿った寸法(基板長122)に比べ方向Pに沿った寸法(基板幅120)の方が短くなっている。
【0019】
図2にシリコンベースモジュールの別例構成100を平面図により示す。このモジュール100におけるチップアセンブリ102及び104はシリコンチップをドライバダイ抜きで基板106上に固着したものである。それらのチップは互いに同種即ち同機能のチップであり、相応する構成部分同士がプロセス方向Pに沿い整列するよう配置されている。
【0020】
これら、図1及び図2に示した諸構成では、そのシリコンチップとして本件技術分野で既知のあらゆるシリコンチップを使用することができる。例えばトランスデューサ、微細電気機械システムチップ、センサチップ、感光チップ、発光チップ、電荷結合素子内感光部、発光ダイオード内発光部、CMOS撮像チップ、毛管チップ、プリントヘッドチップ等である。これらのうちプリントヘッドチップは、インク吐出器を複数個備えるチップである。「インク吐出器」とは、ディジタル信号の印加に応じその吐出口例えばノズルから着色剤の液滴を吐出乃至放出し、その液滴をシート上の所要小区画に付着させることで画素又はその一部分を発現させる装置のこと、言い換えれば着色剤液滴を“オンデマンド”で発生させうる装置のことである。
【0021】
また、基板106はチップやそのアセンブリの機械的支持材として機能している。必要なら、チップやそのアセンブリに係る熱伝達/熱絶縁材、チップやそのアセンブリへの流体/気体通流材等としても機能させることができる。熱伝達/熱絶縁材として機能させる際には、搭載先モジュール100の熱収支管理やそのモジュール100の搭載先アレイ乃至装置の熱収支管理がうまくいくよう、具体的な熱伝達/熱絶縁性能を数量的に決めて具体化すればよい。例えば、基板106に対し構造的に連結されているシリコンベースチップ乃至ダイと好適に熱整合させうる素材の基板106を使用するとよい。その素材のCTE(coefficient of thermal expansion)がチップやダイのそれに近い程、熱整合性が高くなる。基板形成素材としては本件技術分野で既知の様々な素材、例えば窒化アルミニウムを初めとするセラミクス、銅/タングステン合金、ニッケル/鉄合金を初めとする合金、アルミニウムを初めとする金属、ガラス等を使用することができる。基板106にチップやダイを固定する手段としては、半導体ダイボンディングの分野で既知の諸手段、例えばエポキシを初めとする接着剤、共晶半田を初めとする半田等を使用することができる。
【0022】
更に、モジュール100をアレイ内に固定するのに先立ち、チップアセンブリ102、104又はその双方の動作をほぼ全面的に検査することができる。「検査」とは、そのアセンブリ102又は104が例えばプリントヘッドチップ又はそれを有するアセンブリなら、それらのチップから吐出される流体の速度乃至体積が所要水準か否かを調べること等である。そうした検査を事前に行えるので、モジュール100がアレイに組み込まれるのに先立ちそのモジュール100に潜む問題を検知することができる。問題が検知されたモジュール100を交換することもできる。従って、チップに潜む問題の発見がアレイへの組込後まで遅れてしまい、その問題への対処に多大な費用、長大な時間がかかるようなことは生じにくくなる。即ち、問題を抱えるチップをアレイに組み込んでしまうことが少なくなるので、困難なチップ取り外し作業に多大な時間とリソースが費やされる、チップを取り外せなくて組み上がったアレイを捨てざるを得ない、といったことが生じにくくなる。
【0023】
そして、チップやそのアセンブリを整列させる工程では、フリップチップ装置やカスタムダイボンディング装置を使用することができる。マシンビジョンを併用すれば、必要な公差を好適に実現することができる。また、チップやダイに組み込まれている形状的な特徴を高精度基準ツールとして用い、受動的な形態でそれらを実装することができる。更に、チップやそのアセンブリがプロセス方向P沿いに見て重なり合っており、また基板106がユニークな形状を有しているので、チップやダイを容易に大域配置することができ、また相互干渉を引き起こすことなく複数個のモジュール100を連ねて大規模なリニアアレイを形成することができる。
【0024】
図3に、図1に示したモジュール100を複数個備えるアレイの一例構成130を平面図により示す。このアレイ130は、本アレイ130用のベース132にモジュール100を2個(図中の100A及び100B)、本件技術分野で既知の諸手段で固定した構成である。モジュール100A及び100Bはそれぞれ基板106A及び106Bを有しており、それらの一端134及び136は互いに近接した位置関係にある(符号同順)。図示しないが両者を接触させてもかまわない。また、モジュール100A及び100B上にはチップアセンブリ102A、104A、102B及び104Bがあり、アセンブリ102A及び102Bの相応する構成部分同士はアレイ長手方向L、アセンブリ104A及び104Bの相応する構成部分同士も方向L、アセンブリ104A及び102Bの相応する構成部分同士はアレイ幅方向Pに沿い整列している。「アレイ長手方向」とはアレイ130の長軸に沿った方向、「アレイ幅方向」とはアレイ130が搭載されるプリンタ、スキャナ等の装置におけるプロセス方向Pのことであり、両者は互いに直交する関係にある。特に、図示例の場合、アセンブリ102A及び102Bの全幅同士、アセンブリ104A及び104Bの全幅同士が、いずれも方向Lに沿い整列している。
【0025】
図4に、図2に示したモジュール100を複数個備えるアレイの一例構成130を平面図により示す。このアレイ130は、ベース132にモジュール100を2個(図中の100A及び100B)、本件技術分野で既知の諸手段で固定した構成である。モジュール100A及び100B上にはチップアセンブリ102A、104A、102B及び104Bがあり、アセンブリ102A及び102Bの相応する構成部分同士はアレイ長手方向L、アセンブリ104A及び104Bの相応する構成部分同士も方向L、アセンブリ104A及び102Bの相応する構成部分同士はアレイ幅方向Pに沿い整列している。特に、図示例の場合、アセンブリ102A及び102Bの全幅同士、アセンブリ104A及び104Bの全幅同士が、いずれも方向Lに沿い整列している。
【0026】
モジュール100をベース132に固定する手段としては、本件技術分野で既知の諸手段を使用することができる。接着剤を使用してもよいし、半田付け、熔接、熔着等の熱処理を実行してもよい。固定したモジュール100をベース132から事後的に除去可能なタイプの固定手段を使用して固定すれば、ベース132に固定した後も、そのモジュール100を取り外して修理、交換等することができる。例えば、剥離可能型接着剤や、プラスチック熔着等の熔着法を用い固定しておけば、モジュール100やベース132に損傷を負わせることなく、接着個所を切り離したり熔着個所を剥がしたりすることができる。
【0027】
また、チップ、チップアセンブリ又はモジュールから形成されるアレイ乃至アレイ群に対しては、多くの分野で、幅方向に沿い全幅をカバーできるようにすることが期待又は要請されている。例えば、印刷/スキャン先シート等の全幅をカバーすることである。その点、上掲の構成をプリンタに適用した場合、プリントヘッドのモジュール100がプロセス方向P沿いに見て重なり合った構成になる。即ち、アレイ130を形成しているチップ群に対応するインク吐出器群によって、方向P沿いに過ぎゆくシートの全幅がカバーされる構成になる。更に、アレイ130で全幅をカバーできるのでチップ間補間が必要なく、後述の通り方向P沿いのスペースも小さくて済む。
【0028】
図5に、シリコンベースモジュールを複数個備えるアレイの別例構成200を平面図により示す。この例から判るように、単一のモジュール内にシリコンチップ又はそのアセンブリを3個以上配置することや、そうしたモジュールでアレイを形成することも可能である。図示例では2個のモジュールそれぞれに3個のチップが設けられているが、アレイを構成するモジュールの個数やモジュール1個当たりのチップ個数はこの例にこだわらずに定めることができる。また、このアレイ200は、2個のシリコンベースモジュール202及び204を本件技術分野で既知の諸手段でベース132に固定した構成である。モジュール202及び204は、先に定義したアレイ長手方向Lに沿い整列している。モジュール202の基板206やモジュール204の基板208の上には、1個又は複数個のチップアセンブリ102と1個又は複数個のチップアセンブリ104が交互配列されている。即ち、アセンブリ102及び104は方向Lに沿って交番的に出現している。図示例の場合、モジュール202側にはチップアセンブリ104A、102A及び104B、モジュール204側にはチップアセンブリ102B、104C及び102Cがある。それらのアセンブリは互いに同種のチップで構成されており、その機能は互いに同じ機能となっている。
【0029】
基板206の一端136と基板208の一端138は互いに近接した位置関係にある。図示しないが、両者が接触する構成にすることもできる。また、チップアセンブリ102A〜102Cの相応する構成部分同士は長手方向L、チップアセンブリ104A〜104Cの相応する構成部分同士も方向Lに沿い整列している。特に、図示例の場合、アセンブリ102A〜102Cの全幅同士、アセンブリ104A〜104Cの全幅同士が、いずれも方向Lに沿い整列している。
【0030】
そして、モジュール202及び204のどちらでも、チップアセンブリ102又は104のうち1個が、そのモジュールに係る基板206又は208の一端134又は136に近接している。一方の基板の一端に面しているアセンブリの構成部分は、その隣のモジュールに係る基板の一端に面しているアセンブリのそれに対し、長手方向Lと直交する方向Pに沿い整列している。即ち、アセンブリ102B及び104Bの相応する構成部分同士が方向Pに沿い整列している。
【0031】
更に、図1〜図5に示した諸構成においては、隣り合う基板同士を非常に緊密に配置できるよう基板106、206又は208の形状が工夫されている。例えば、基板106には相補的な窪み138及び140があり、基板206及び208には相補的な窪み210及び212がある。従って、その窪み同士を嵌め合わせつつ長手方向L沿いに基板を並べることで、チップ又はチップアセンブリを上記の如くに配列することができる。
【0032】
また、アレイ130における1モジュール当たりチップ又はチップアセンブリ個数を2個から増やして2より大きい偶数にすることや、アレイ200における1モジュール当たりチップ又はチップアセンブリ個数を3個から増やして3より大きい奇数にすることもできる。
【0033】
また、図6にその端面を示すように、図1に示したモジュール100を複数個使用し四行型のアレイ130を構成することができる。図示の通り、この四行型アレイ130は、順にイエロー用、シアン用、マゼンタ用及びブラック用のアレイ4個(130A〜130D)で構成されている。個々のアレイ130A〜130Dはいずれも図1に示したモジュール100で構成されている。但し、これは一例であり、アレイ130の行数を4以外の行数とすることや、色の組合せを別の組合せにすることや、図2に示したモジュール100を使用することもできる。アレイ130A〜130D内に設けるモジュールの個数は何個にしてもよい。図1及び図2を参照して説明した事柄は個々のアレイ130A〜130Dにも当てはまる。また、個々の基板106の幅120は例えば6mm、アレイ130A〜130Dを構成するモジュール同士のプロセス方向P沿い間隔150は幅120の1/3以下、例えば2mmである。こうした寸法及び間隔であれば、前述した互い違い配置の従来技術に比べ“川幅”、即ち方向Pに沿ったアレイ配列に必要なスペースの方向P沿い寸法を大きく減らすことができる。
【0034】
例えば、アレイ130A〜130Dを構成する個々のモジュール100の印刷解像度が180spiであるとする。この場合、フルカラー解像度720spiのプリントヘッドを得るには、アレイ130A〜130Dで構成されている四行型アレイ130を方向Pに沿い4個並べる必要がある。上掲の寸法及び間隔であれば、そのためのスペースの方向P沿い寸法は僅かに126mmとなる。これは、前掲の互い違い配置型プリントヘッドと対照的である。後者では、方向P沿い寸法が787mmもあるのに600spiなる低解像度でしか印刷できなかった。
【0035】
更に、図1及び図2に示した諸構成では(ここでは図1に示した構成を例に説明するがその適用対象を図1に限る意図ではない)、モジュール100上にシリコンベース反復構造152及び154が生じている。反復構造152はチップアセンブリ102に付随する構造であり、そのアセンブリ102上に反復的に出現している都合複数個のシリコンベース単位構造によって構成されている。反復構造154はチップアセンブリ104に付随する構造であり、そのアセンブリ104上に反復的に出現している都合複数個のシリコンベース単位構造によって構成されている。なお、図1では単位構造の個数が少数であるが、これは図示の簡略化のためであり、モジュール100を構成する単位構造の個数を特定個数に限定する趣旨ではない。また、図示例では、反復構造152及び154が互いに同種の構造となっている。図示例では、反復構造152を構成する単位構造の相応する構成部分同士は方向L、反復構造154を構成する単位構造の相応する構成部分同士も方向Lに沿い整列している。図示例では、単位構造の個数は反復構造152及び154のどちらでも同じとなっている。
【0036】
それら、反復構造152及び154はある制限条件に従い形成されている。その制限条件は、長手方向L沿いに隣り合っている反復構造の相対位置を、隣り合う反復構造乃至モジュール100がある種の性能パラメタに応じ機能することとなるよう指定する条件である。例えば、プリンタ用アレイ、スキャナ用アレイ等のマシンにモジュール100を組み込んだときに、その反復構造乃至モジュール100が所定の性能パラメタに応じ機能するような条件である。
【0037】
また、反復構造152及び154を構成する単位構造、例えばチップアセンブリ102上にある単位構造(の一部)は、互いに同じ構成乃至機能を有している。即ち、チップ又はそのアセンブリの機能的構成要素が、同じ構成乃至機能を有する単位構造が反復的に現れる列(の一部)で実現されている。
【0038】
例えば、吐出器/プリンタチップをチップアセンブリ102及び104として用いる場合の反復構造152及び154は、インク吐出器が反復する列である。そのモジュール100をプリンタ内に配置する際の制限条件は、それらインク吐出器の相対位置を、チップから吐出されるインク乃至着色剤が所定の部位に所定の付着面積率で付着することとなるよう指定する条件となる。例えば、プロセス方向Pに沿いプリンタ内を通過していくシート状媒体のうちモジュール100を通過中の部位等に付着させるようにする条件である。なお、こうした例でアセンブリ内又はチップ内の単位構造により実現されるのは、そのインク吐出器の一部、例えばインク通流路や加熱用抵抗器である。
【0039】
感光チップをチップアセンブリ102及び104として用いる場合の反復構造152及び154は、感光部が反復する列である。そのモジュール100をスキャナ内に配置する際の制限条件は、それら感光部の相対位置を、プロセス方向Pに沿いスキャナ内を通過していくシート状媒体のうちモジュール100を通過中の部位がその全幅に亘りスキャンされることとなるよう指定する条件となる。例えばチップの境目にスキャン漏れ部分が発生しないようにする条件である。更に、吐出器/プリンタチップ上のインク吐出器、感光チップ上の感光部等、チップ上における単位構造の配置間隔を指定間隔に揃えておけば、反復構造152及び154を然るべく配置することで、隣り合う反復構造152及び154上にある単位構造同士の間隔をその指定間隔に揃えることができる。
【0040】
例えば、反復構造152を構成する単位構造のうち少なくとも1個(例えば152A)と反復構造154を構成する単位構造のうち少なくとも1個(例えば154A)とがプロセス方向Pに沿い整列し、反復構造152を構成する単位構造のうち少なくとも1個(例えば152B)と反復構造154を構成する単位構造のうち少なくとも1個(例えば154B)とが上掲の制限条件に従い整列するような位置に、それら反復構造152及び154を設ければよい。こうすることで、例えば単位構造152Bと単位構造154Aの間隔を、反復構造152及び154向けの指定間隔に揃えることができる。
【0041】
更に、図3及び図4に示した諸構成にも(ここでは図3に示した構成を例に説明するがその適用対象を図3に限る意図ではない)、反復構造152及び154に関する説明が当てはまる。アレイ130にモジュール100が複数個備わっていること、個々の反復構造152及び154がいずれも同じ制限条件に従い配置されていること、そのアレイを性能パラメタに従い機能させうるよう隣り合う反復構造同士の相対位置を指定する条件がその制限条件として使用されていること等である。制限条件に関する前掲の説明もこのアレイ130によく当てはまっている。例えば、隣り合うモジュールの対(例えば100Aと100Bの対)を然るべく配置することで、隣り合う個々のモジュールの端部に位置する単位構造同士が上掲の制限条件を満たせる点である。
【0042】
例えば、吐出器/プリンタチップをチップアセンブリ102及び104として用いる場合の反復構造152及び154は、インク吐出器が反復する列である。そのアレイ130をプリンタ内に配置する際の制限条件は、それらインク吐出器の相対位置を、チップから吐出されるインク乃至着色剤が所定の部位に所定の付着面積率で付着することとなるよう指定する条件となる。例えば、プロセス方向Pに沿いプリンタ内を通過していくシート状媒体のうちアレイ130を通過中の部位等に付着させるようにする条件である。また、感光チップをチップアセンブリ102及び104として用いる場合の反復構造152及び154は、感光部が反復する列である。そのアレイ130をスキャナ内に配置する際の制限条件は、それら感光部の相対位置を、プロセス方向Pに沿いスキャナ内を通過していくシート状媒体のうちアレイ130を通過中の部位がその全幅に亘りスキャンされることとなるよう指定する条件となる。例えばアレイ130内のモジュールの境目にスキャン漏れ部分が発生しないようにする条件である。更に、吐出器/プリンタチップ上のインク吐出器、感光チップ上の感光部等、チップ上における単位構造の配置間隔を指定間隔に揃えておけば、モジュール100並びに反復構造152及び154を然るべく配置することで、隣り合うモジュール100上にある単位構造同士の間隔をその指定間隔に揃えることができる。
【0043】
例えば、あるモジュール上で反復構造152を構成している単位構造のうち少なくとも1個(例えば152C)と、アレイ130内でその隣にある別のモジュール上で反復構造154を構成している単位構造のうち少なくとも1個(例えば154B)とが方向Pに沿い整列し、あるモジュール上で反復構造152を構成している単位構造のうち少なくとも1個(例えば152D)と、アレイ130内でその隣にある別のモジュール上で反復構造154を構成している単位構造のうち少なくとも1個(例えば154B)とが上掲の制限条件に従い整列するような位置に、それら反復構造152及び154を設ければよい。こうすることで、例えば単位構造152Dと単位構造154Bの間隔を、反復構造152及び154向けの指定間隔に揃えることができる。
【0044】
また、図1及び図2に示すように、基板106には、モジュール100の長手方向Lに沿って延びる張出部156及び158がある。その張出部156及び158の上には、反復構造152及び154の少なくとも一部分がある。例えば単位構造152Cは張出部156上にあり、単位構造154Bは張出部158上にある。反復構造152と反復構造154の位置関係、反復構造152と張出部156の位置関係、並びに反復構造154と張出部158の位置関係は、ある制限条件を満たしている。その制限条件は、例えば、隣り合う反復構造の相対位置を、性能パラメタに従いアレイが機能することとなるよう指定する条件である。
【0045】
更に、図1〜図5に示した諸構成では(ここでは図3に示した構成を例に説明するがその適用対象を図3に限る意図ではない)、基板形状例えば張出部156及び158との関係での制限条件として、隣り合う反復構造の相対位置を、そのモジュールが他のモジュールと共に配列例えばアレイ130に組み込まれたときにその配列がある性能パラメタに従い機能することとなるよう指定する条件を用いている。これは、反復構造のうちモジュールの張出部内にある部分に対し、一種の寸法制限として働く。
【0046】
一例として、隣り合うモジュール同士の対、例えばアレイ130内で隣り合っているモジュール100A及び100Bを考える。こうした対では、一方のモジュール100Bで反復構造152を構成している単位構造のうち張出部156内にあるもの(152C等)と、他方のモジュール100Aで反復構造154を構成している単位構造のうち張出部158内にあるもの(154B等)とが、ある同じ制限条件に従っている。具体的には、一方のモジュール100Bで反復構造152を構成している単位構造のうち張出部156内にあるもの(152C等)と、他方のモジュール100Aで反復構造154を構成している単位構造のうち張出部158内にあるもの(154B等)とが、プロセス方向P沿いに見て重なり合うようにする、という条件である。
【0047】
この制限条件を満たすモジュールは係合性形状となる。「係合性形状」とは、例えば、一方のモジュールの張出部156と他方のモジュールの張出部158とを係合させることでアレイ130を形成することができる形状のことであり、反復構造に係る上掲の寸法制限を満たすことは係合性形状たる要件の一つである。例えば、張出部156及び158のサイズ及び形状が寸法制限を満たしていないモジュールや、張出部156及び158に対する反復構造の位置関係が寸法制限を満たしていないモジュールは、係合性形状であるとはいえない。図示例のアレイ130は、単位構造152D及び154Bに係る寸法制限が満たされている例である。また、吐出器/プリンタチップ上のインク吐出器、感光チップ上の感光部等といった単位構造が指定間隔で設けられていれば、それらのモジュールを然るべく配置することで、隣り合うモジュール間で単位構造同士の間隔をその指定間隔に揃えることができる。例えば、チップアセンブリ102B上のインク吐出器又は感光部(単位構造152D)と、チップアセンブリ104A上のインク吐出器又は感光部(単位構造154B)との間隔を、その指定間隔に揃えることができる。
【0048】
好ましいことに、同じモジュールに属する反復構造同士、同じアレイに属する別のモジュール内の反復構造同士等がプロセス方向P沿いに見て重なり合うよう配置されていると、そのモジュール、アレイ等の機能的冗長性、特に方向Pに沿ったそれが高まることとなる。例えば、図3に示す例では、方向P沿いに見て重なり合うようチップアセンブリ102B及び104Aが配置されている。即ち、アセンブリ102B上の単位構造152Cによりカバーされる区画と、アセンブリ104A上の単位構造154Bによりカバーされる区画とが、方向P沿いに見て重なっている。こうしたアセンブリ間重複区画は、本件技術分野で既知の諸手段で制御すること、例えばソフトウェア的に制御することで、好適に利用することができる。例えば、一方のアセンブリの重複区画内部分を作動させるときに、他方のアセンブリの重複区画内部分を停止させることができる。また、一方のアセンブリの重複区画内部分で不調が生じている場合でも、他方のアセンブリの一部分、即ち方向P沿いに見て不調部分に重なっている部分を利用し、重複区画内部分で所要機能を提供することもできる。具体的には、方向P沿いに見て同じ区画をカバーしている単位構造152C及び154Bのうち一方が不調でも他方で所要機能を提供できる、といったことである。
【0049】
更に、このように反復構造同士が重なって見える構成では、長手方向L沿い隣接構造間隔に関し前掲の如き問題を(ほとんど)発生させることなく、その方向L沿い隣接構造間隔に関する制限条件を満たすことができる。例えば、上述の如く重ね合わせることで、隣接構造間又は隣接モジュール間で端同士を密着させなくても、その隣接構造間隔に係る公差を非常にタイトな値に保つことができる。これは、個々のモジュール内又は複数個のモジュールからなるアレイ内で方向Lに沿い無駄な間隔が構造間に生じることがなく、従ってそれへの対策も不要になる、ということである。また、構造同士又はモジュール同士が重なって見える区画では、例えば一方又は双方の構造乃至モジュールを用い所要機能を提供することができる。
【符号の説明】
【0050】
100,100A,100B,202,204 シリコンベースモジュール、102,102A〜102C,104,104A〜104C チップアセンブリ、106,106A,106B,206,208 基板、108,112 シリコンチップ、110,114 ドライバダイ、120 基板幅、122 基板長、130,130A〜130D,200 シリコンベースモジュールアレイ、132 ベース、134,136 基板端、138,140,210,212 窪み、150 モジュール間隔、152,154 シリコンベース反復構造、152A〜152D,154A,154B シリコンベース単位構造、156,158 張出部、L 長手方向、P プロセス方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シリコンチップ及び電気回路付第1ドライバダイを併有する第1チップアセンブリを基板上に配置するステップと、
第2シリコンチップ及び電気回路付第2ドライバダイを併有する第2チップアセンブリを上記基板上に配置するステップと、
第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士を基板長手方向に沿い整列させるステップと、
第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士を基板長手方向に対し直交する基板幅方向に沿い整列させるステップと、
を有し、トランスデューサ、微細電気機械システムチップ、センサチップ、感光チップ、発光チップ、電荷結合素子内感光部、発光ダイオード内発光部、CMOS撮像チップ、毛管チップ及びプリントヘッドチップのうちいずれかを、第1及び第2シリコンチップのうち少なくとも一方として用いシリコンベースモジュールを形成する方法。
【請求項2】
基板と、上記基板に固定されており第1シリコンチップ及び電気回路付第1ドライバダイを有する第1チップアセンブリと、上記基板に固定されており第2シリコンチップ及び電気回路付第2ドライバダイを有する第2チップアセンブリと、を備え、
第1及び第2シリコンチップのうち一方又は双方が、トランスデューサ、微細電気機械システムチップ、センサチップ、感光チップ、発光チップ、電荷結合素子内感光部、発光ダイオード内発光部、CMOS撮像チップ、毛管チップ及びプリントヘッドチップのうちいずれかであり、
第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士が基板長手方向に沿い整列する一方、第1及び第2チップアセンブリの相応する構成部分同士が基板長手方向に対し直交する基板幅方向に沿い整列しているシリコンベースモジュール。
【請求項3】
本アレイ用のベースに固定された第1基板上にあり第1シリコンチップ及び電気回路付第1ドライバダイを有する第1チップアセンブリと、上記第1基板上にあり第2シリコンチップ及び電気回路付第2ドライバダイを有する第2チップアセンブリと、上記ベースに固定された第2基板上にあり第3シリコンチップ及び電気回路付第3ドライバダイを有する第3チップアセンブリと、第2基板上にあり第4シリコンチップ及び電気回路付第4ドライバダイを有する第4チップアセンブリと、を備え、
第1、第2、第3及び第4シリコンチップのうち少なくともいずれかが、トランスデューサ、微細電気機械システムチップ、センサチップ、感光チップ、発光チップ、電荷結合素子内感光部、発光ダイオード内発光部、CMOS撮像チップ、毛管チップ及びプリントヘッドチップのうちいずれかであり、
第1、第2、第3及び第4シリコンチップのうち少なくともいずれかの動作が、第1又は第2基板を上記ベースに固定する前に検査されており、
第1、第2、第3及び第4チップアセンブリが、第1及び第3チップアセンブリの相応する構成部分同士又は第2及び第4チップアセンブリの相応する構成部分同士がアレイ長手方向に沿い整列するよう、且つ、第2及び第3チップアセンブリの相応する構成部分同士がアレイ長手方向に対し直交するアレイ幅方向に沿い整列するよう、並んでいるシリコンベースアレイ。
【請求項4】
ベース及びそのベースに固定された複数個のモジュールを備え、
個々のモジュールが、そのモジュールの長手方向に沿って延びる第1及び第2張出部を有する基板と、第1及び第2シリコンチップと、第1シリコンチップに付随する第1シリコンベース反復構造と、第2シリコンチップに付随する第2シリコンベース反復構造と、を有し、
第1シリコンベース反復構造が、対応するモジュールの長手方向に沿い整列するよう、且つ、そのうち幾つかの単位構造が対応する基板の第1張出部内に位置するよう並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、
第2シリコンベース反復構造が、対応するモジュールの長手方向に沿い整列するよう、且つ、そのうち幾つかの単位構造が対応する基板の第2張出部内に位置するよう並ぶ互いに同種の単位構造複数個で構成されており、
同じモジュールに属する第1シリコンベース反復構造と第2シリコンベース反復構造の位置関係、第1シリコンベース反復構造と第1張出部の位置関係、並びに第2シリコンベース反復構造と第2張出部の位置関係が、本アレイが性能パラメタに従い機能するよう隣接反復構造間の相対位置を指定する制限条件を満たしており、
更に、隣り合うモジュール同士の間に、
その長手方向が互いに平行で、
一方のモジュールの第2張出部と他方のモジュールの第1張出部とが、それらのモジュールの長手方向に対し直交する幅方向に沿い整列しており、
一方のモジュールの第2張出部内にある第2シリコンベース反復構造内単位構造及び他方のモジュールの第1張出部内にある第1シリコンベース反復構造内単位構造が上記制限条件を満たし、
一方のモジュールの第2張出部内にある第2シリコンベース反復構造内単位構造及び他方のモジュールの第1張出部内にある第1シリコンベース反復構造内単位構造が幅方向に沿い整列している、
という関係があるシリコンベースアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−156864(P2011−156864A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5415(P2011−5415)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】