説明

シリコーン皮膚接着ゲル

医療用基材を、ヒトもしくは動物に、水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を含有するシリコーンゲルを使用して、接着させる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用基材への、シリコーンゲルの接着を向上させる方法に関し、水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を、該ゲルの処方中に包含させることによる。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤(PSAs)は、シリコーンPSAsを包含しているが、このような接着剤およびこれを含有しているテープが当業界において知られており、多くが市販されている。典型的には、シリコーンPSAsは、シリコーン流動体およびシリコーン樹脂の縮合ブレンドを含む。典型的には、このようなシリコーンPSAsが、接着されて一緒にされるべき基材間の薄層コーティングとして応用される。
【0003】
同様に、当業界において、シリコーンPSAsを医療における応用において使用することが知られている。例えば、経皮ドラッグデリバリー装置および人工医療器官を、患者に接着させるのに、シリコーンPSAsを使用することが知られている。
【0004】
シリコーンPSAsはしかしながら、これらの医療における応用における使用を制限してしまう数多くの特性を持ち得る。例えば、シリコーンPSAsの接着強度はしばしば非常に大きいので、患者の皮膚もしくは接着されるべき対象が、PSA除去時に損傷され得る。加えて、シリコーンPSAsはしばしば、皮膚温度において、低温流動性を呈する。このように、結果的に得られてくる柔軟性のないPSA層は、当該患者の体には、非常に心地よくないことがあり得る。更に、シリコーンPSAsは、シリコーンゲルよりも硬く、ごわごわしている。このように、もしこの素材が、皮膚のような柔らかな体組織に適用されるものであれば、非常に薄い層が使用されて、当該組織の柔軟性を保持しなくてはならない。最後に、シリコーンPSAsはしばしば、その担体から剥離し、当該PSAコーティングを、当該皮膚および/または接着されるべき対象上に残してしまう。このことは、コスメティクスの問題であるだけでなく、この接着剤を再使用する能力をも制限してしまう。
【0005】
シリコーンゲルも、当業界において知られている。これらゲルは例えば、誘電体、振動緩衝材として、および、皮膚瘢痕もしくは創傷のための医療(例えば、擦傷、外科手術の箇所、もしくは火傷)において使用されてきた。この後者の使用において、シリコーンゲルはシートの形であり、患者の皮膚への接着用の1つの粘着表面、および、当該ゲルへの望まれない接着(例えば、当該患者の衣服の)を阻むための1つの非粘着表面を有する。これらシリコーンゲルは、PSAsよりも柔らかいので、皮膚のような組織に適用される場合、皮膚のようなきめの細かさを持ち、皮膚との界面をより崩さないようにする(例えば、より柔軟である)。
【0006】
シリコーンゲルが、プラスチックのような特定の基材と一緒にされる場合、しかしながら、該シリコーンゲルと該プラスチックとの間での接着強度はしばしば非常に弱く、剥離してしまう。このように、該シリコーンゲルが接着剤として使用され、医療用基材をヒトもしくは動物の体に接着させる場合、該ゲルが適用されるヒトもしくは動物の体から剥離する前に、該ゲルがしばしば該基材から剥離してしまう。
【0007】
この問題を解決するために、当業界では、プラスチック表面のような基材を、コロナ、炎、およびプラズマのような手段を用いて処理することが、示唆されてきた。このような処理は有益である一方、連続コーティング線上で履行するのが難しい。更に、該処理は精確に制御されなくてはならず、該基材に対する損傷(例えば、熱損傷)を防ぐか、もしくは、このシリコーン素材の硬化を阻む。最後に、このようなプロセスはしばしば、布もしくは有孔不織布素材には使用できないが、これは、硬化していないゲル素材が染み込み得るからである。
【0008】
基材、特にプラスチック基材に対する接着を向上させる第2のアプローチは、チタン酸素材のようなプライマー材料を、該基材に使用することである。このアプローチは、しかしながら、更なる加工ステップを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは今や、水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂をゲルの処方に包含させることにより、シリコーンゲルの医療用基材に対する接着を向上させた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、1態様において、本発明は、医療用基材を、ヒトもしくは動物に接着させる方法を提供する。本方法は、シリコーンゲル層を、医療用基材とヒトもしくは動物との間に固定することを含む。このプロセスにおいて使用されるシリコーンゲルは、約2〜約45重量%の水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を含有する。
【0011】
もう1つ別の態様において、本発明は:
10〜80重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
2〜45重量%の水酸基シロキサン樹脂;
1〜30重量%の有機シロキサンであって、シリコン結合水素原子含有;および
ヒドロシリル化触媒
の反応生成物を含む、シリコーンゲルを提供する。
【0012】
このプロセスは、本シリコーンゲルの、プラスチック、天然巨大分子素材(例えば、コラーゲン、木、コルク、皮革)、金属、ガラス、セラミック、もしくは複合素材のような医療用基材に対する接着を向上させるのに使用され得る。
【0013】
本発明において使用されるゲルの接着性および物性は、該ゲルを修飾することにより、特定の末端使用へとテーラーメイドされ得る。更に、容易に除去できるので、また、除去後に該ゲルが一般的にその粘着性を維持するので、本発明の装置は再使用(再利用)され得る。加えて、この再利用可能性は、人工医療器官の容易で快適な位置取りを可能にする。最後に、シリコーンゲルは低温流動性を欠き、こうして、充分柔らかく、ヒトもしくは動物による快適な使用を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の方法は、シリコーンゲルにおいて、水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を使用することを含み、医療用基材に対する該ゲルの接着を増強させる。該基材は、プラスチック、天然巨大分子素材(例えば、コラーゲン、木、コルク、皮革)、金属、ガラス、セラミック、もしくは複合素材を含み得る。
【0015】
本明細書において使用される基材は、当業界において知られるプラスチックもしくは樹脂を含み得る。代表例は、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、および同様なもの)、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレン酢酸ビニル(EVA)およびこれらのコポリマー、ポリビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリウレタンおよびポリウレタン尿素、ポリ塩化ビニル誘導体(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニレン、塩化ビニル−プロピレン共重合体)、ポリスチレンおよびこれらのコポリマー(スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸誘導体(ポリメタクリル酸メチル、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体)、ポリアクリロニトリルも包含するポリオレフィン、ポリエステル(PETE、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸−グリコール酸誘導体も包含する)、セルロースフィルム(ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース)、ポリイミド、ポリアミド(ナイロン)、エポキシおよびフェノールプラスチック、シリコーンエラストマー、ポリカーボネート、フェノール性プラスチック、フッ素化ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン)、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン(PSU、PESU、PPSU)、ポリフェニルスルフィド、シリコーン、ならびに、多糖主体の素材を包含する。
【0016】
本発明において使用される基材は、連続もしくは有孔プラスチックフィルム、不織フィルム、ニット布、繊維網、泡、金属、ガラス、もしくはセラミック素材でもあり得る。
【0017】
もし望まれれば、これら素材は例えば、コロナ、炎、プラズマ、もしくは、チタナートのようなプライマーで処理され得、その接着を増強させる。
【0018】
1実施形態において、使用される基材はプラスチックであり、あるいは、該プラスチックはポリウレタンである。
【0019】
該基材がほぼ全ての形状であり得る一方、本発明の1実施形態において、該基材は医療用基材の形状である。
【0020】
本明細書において使用される場合、<<医療用基材>>とは、ヒトもしくは動物の処置、維持、もしくは向上において使用される基材である。このような基材は、このような目的の他の素材と組み合わせて、使用され得る。
【0021】
本明細書において使用される場合、<<シリコーンゲル>>とは、弾性、ゼリー状の固形素材であり、軽度にシリコーンポリマーを架橋させることにより、形成される。対照的に、「PSA」は、低弾力性であるか、もしくは、弾力性を持たない。
【0022】
本発明において使用されるシリコーンゲルは、末端応用に望まれる特性を持つよう、選ばれるべきである。重要な特性は、柔らかさ、砕けやすさ、および強度を包含し得る。
【0023】
本発明において使用されるゲルは一般的に、その上に反応性基を持っている直鎖もしくは分岐シリコーンから形成される。このような反応性基は、硬化中に、架橋反応する。架橋反応例は、ヒドロシリル化反応を包含し、ここでは、シリコーンがSi−H反応性基を持っており、ヒドロシリル化触媒存在下に、脂肪族不飽和反応性基を持っているシリコーンと反応する。これらの素材は例えば、米国特許第5,656,279号明細書、米国特許第5,891,076号明細書、欧州特許第0,322,118号明細書、および米国特許第4,991,574号明細書に記載され、本明細書において、援用される。代わりの反応としては、縮合硬化があり、ここでは、アルコキシおよび/またはヒドロキシ含有シロキサンが、米国特許第4,831,070号明細書に記載されるような触媒を用いて硬化され、本明細書において、援用される。
【0024】
1実施形態において、ビニル、アリル、もしくはヘキセニル基のような、シリコン結合アルケニル基を持っているポリジメチルシロキサンのような、少なくとも1種のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン、シリコン結合水素原子を含有している少なくとも1種の有機シロキサン、水酸基を含有している少なくとも1種のシロキサン樹脂、ならびに、金属白金またはこれの化合物もしくは錯体のような、このSi−アルケニル基とのこのSiH基の反応用の少なくとも1種の触媒を反応させることにより、該ゲルが得られる。このような組成物は、常温において硬化するが、硬化は、上昇した温度、例えば約40℃〜約140℃に晒すことにより、エクスペディションされ得る。
【0025】
該アルケニル置換ポリジ有機シロキサンは、当業界において知られており、例えば、米国特許第3,983,298号明細書に記載されるようであり、本明細書において、援用される。適切なアルケニル基は、2〜約6炭素原子を含有し、ビニル、アリル、およびヘキセニルにより例えられるが、これらに限定されない。この成分におけるアルケニル基は、末端、中途(非末端)、もしくは末端と中途との両方の位置において、位置されてもよい。該アルケニル置換ポリジ有機シロキサン中の残りのシリコン結合有機基は独立に、脂肪族不飽和部分のない1価の炭化水素および1価のハロゲン化炭化水素基からなる群から選択される。これらの基は典型的に、1〜約20炭素原子、あるいは、1〜8炭素原子を含有し、メチル、エチル、プロピル、およびブチルのようなアルキル;フェニルのようなアリール;ならびに、3,3,3−トリフルオロプロピルのようなハロゲン化アルキルにより例えられるが、これらに限定されない。本発明の1実施形態において、該アルケニル置換ポリジ有機シロキサン中の少なくとも50%のこれら有機基が、メチルである。
【0026】
該アルケニル置換ポリジ有機シロキサンの構造は、典型的には直鎖であるが、3官能基を有するシロキサン単位の存在のために、ある幾つかの分岐を含有してもよい。該アルケニル置換ポリジ有機シロキサンの粘度は、望まれる如何なるものでもあり得る。例えば、100,000mm/秒未満、あるいは、80,000mm/秒未満、あるいは、300〜3,000mm/秒であり得る。更なるアルケニル置換が、下記のような樹脂の形では包含され得ることが、特記される。
【0027】
本発明のアルケニル置換ポリジ有機シロキサンを調製する方法は、対応しているハロシランの縮合、もしくは、環状ポリジ有機シロキサンの平衡のようなものであり、当業界においてよく知られている。
【0028】
該アルケニル置換ポリジ有機シロキサンは、本発明の組成物において、本組成物重量に基づき10〜90重量%、あるいは、40〜90重量%、あるいは、50〜80重量%の量で使用され得る。1実施形態において、該アルケニル置換ポリジ有機シロキサン中に存在するアルケニル基の量は、該アルケニル置換ポリジ有機シロキサン重量に基づき0.05〜1重量%、あるいは、0.05〜1重量%ビニルである。
【0029】
シリコン結合水素原子を含有している前記有機シロキサンも、当業界において知られており、例えば、米国特許第3,983,298号明細書に記載されるようである。この成分中の水素原子は、末端、中途(非末端)、もしくは末端と中途との両方の位置において、位置されてもよい。この成分中の残りのシリコン結合有機基は独立に、脂肪族不飽和部分のない1価の炭化水素および1価のハロゲン化炭化水素基からなる群から選択される。これらの基は典型的に、1〜約20炭素原子、あるいは、1〜8炭素原子を含有し、メチル、エチル、プロピル、およびブチルのようなアルキル;フェニルのようなアリール;ならびに、3,3,3−トリフルオロプロピルのようなハロゲン化アルキルにより例えられるが、これらに限定されない。本発明の1実施形態において、シリコン結合水素原子を含有している該有機シロキサン中の少なくとも50%のこれら有機基が、メチルである。
【0030】
シリコン結合水素原子を含有している該有機シロキサンの構造は、典型的には直鎖であるが、3官能基を有するシロキサン単位の存在のために、ある幾つかの分岐を含有してもよい。シリコン結合水素原子を含有している該有機シロキサンの粘度は、望まれる如何なるものでもあり得る。例えば、100,000mm/秒未満、あるいは、5〜500mm/秒であり得る。
【0031】
シリコン結合水素原子を含有している該有機シロキサンは、本発明の組成物において、本組成物重量に基づき1〜30重量%、あるいは、5〜20重量%、あるいは、5〜15重量%の量で使用され得る。1実施形態において、シリコン結合水素原子を含有している該有機シロキサン中に存在する水素基の量は、シリコン結合水素原子を含有している該有機シロキサン重量に基づき0.05〜1.44重量%である。
【0032】
本発明のシリコン結合水素原子を含有している該有機シロキサンを調製する方法は、適切なクロロシランの共加水分解により、当業界において知られている。Clark に対する米国特許第2,877,255号;特開昭62−39660、Mogiら;ならびに、Cobbらに対する米国特許第5,446,185号および米国特許第5,493,040号が全て、本明細書において、援用される。
【0033】
(SiHとしてのH)/(Si−アルケニルとしてのアルケニル)比は一般的に、0.1:1〜10:1の範囲中にある。
【0034】
前記ヒドロシリル化触媒は、シリコン結合水素を含有している該有機シロキサンとの、前記アルケニル置換ポリジ有機シロキサンの付加反応を促進させる。該ヒドロシリル化触媒は、よく知られたヒドロシリル化触媒のいずれでもあり得、白金族金属、白金族金属を含有している化合物、または、マイクロカプセル入り白金族金属もしくはこれを含有している化合物を含む。これらの白金族金属は、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、およびイリジウムを包含する。白金および白金化合物が好ましい触媒であり、ヒドロシリル化反応におけるそれらの高い活性レベルに拠る。白金触媒の1クラス(分類)は、特定のビニル含有有機シロキサン化合物との塩化白金酸錯体であり、Willigによる米国特許第3,419,593号明細書に開示され、本明細書において、援用される。このタイプの特定の触媒は、塩化白金酸と1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの反応生成物である。
【0035】
該ヒドロシリル化触媒は、本発明の組成物を硬化させるに充分な量で存在する。典型的には、本触媒濃度は、0.1〜500ppm、あるいは、1〜100ppm、あるいは、1〜50ppmの白金族金属を与えるに充分なであり、他成分と合わせた重量に基づく。
【0036】
本発明のゲルは、少なくとも1種の水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂をも含有する。この樹脂は、本ゲルの、前記医療用基材および皮膚に対する接着を増強させる。この樹脂は、RSiO1/2単位(M単位)およびSiO4/2単位(Q単位)を含み。式中、各Rは独立に、直鎖、分岐、もしくは環状炭化水素基であり、1〜20炭素原子を持っている。Rは、無置換、もしくは、ハロゲン原子で置換され得る。各Rは望まれるように、同一、もしくは、異なり得る。Rの炭化水素基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロメチル、およびデシルのようなアルキル基;ビニルおよびヘキセニルのようなアルケニル基;シクロヘキシルのような脂環式基;フェニル、トリル、およびキシリルのようなアリール基;クロロフェニル;ならびに、ベンジル、スチリル、およびα−メチルスチリルのようなアラルキル基により例えられ得る。あるいは、各R基は独立に選択されるアルキルもしくはアルケニル基であり、1〜8炭素原子を含んでおり、または、アリール基であり、6〜9炭素原子を含んでいる。あるいは、各R基は独立に、メチルおよびビニルから選択される。
【0037】
もしアルケニル基が本樹脂中に存在する場合、典型的にはアルケニル基としてのR基のモル%は10%未満、あるいは、5%未満である。例えば、もし本樹脂がビニル基を含有する場合、典型的には本樹脂固形分の5重量%未満、あるいは、本樹脂固形分の2.5重量%未満、あるいは、本樹脂固形分の1.5〜2重量%の量で存在する。
【0038】
SiO1/2(M単位)のSiO4/2(Q単位)に対するモル比は、0.6:1〜4:1であり得る。あるいは、M:Qのモル比は、0.6:1〜1.9:1であり得る。あるいは、M:Qのモル比は、0.6:1〜1.0:1であり得る。本樹脂は、トリ有機シロキシ単位(T単位)をも含有し得、例えば、SiO4/2単位毎に0.5〜1トリ有機シロキシ基、あるいは、SiO4/2単位毎に0.6〜0.9トリ有機シロキシ基である。
【0039】
1種より多い樹脂が本発明に包含され得ることが、特記される。この場合、これら樹脂の少なくとも1種が、下記のようなシラノール含量を持つべきであるが、その証拠に、1種はそのシラノールをキャップされ得、実質的にシラノールが存在しない。他の樹脂も、本発明の組成物に加えられ得ることも、特記される。例えば、もし望まれれば、有機樹脂を加えようと思えば、加えることも可能である。1実施形態において、例えば、ビニル官能基を有する有機樹脂が、加えられ得る。
【0040】
1実施形態において、全R基の多くが、メチルであり、オレフィン不飽和部分を持つR基の合計数が、全R基の0.5%以下である。もう1つ別の実施形態において、実質的に全てのR基が、メチルである。もう1つ別の実施形態において、実質的に全てのR基が、実質的にオレフィン不飽和部分がない。本発明の尚もう1つ別の実施形態において、2種の樹脂が包含され、1種が、実質的に全てのR基が、メチルであり、その他が、3.5〜4モル%のR基が、ビニルであり、実質的に全ての残りのR基が、メチルである。
【0041】
該樹脂は、シリコン結合水酸(ヒドロキシル)基をも含有し、該樹脂の約0.01〜5重量%、あるいは、該樹脂の約1〜約5重量%の範囲である。
【0042】
SiO1/2単位とSiO4/2単位とを含む樹脂は、当業界においてよく知られている。これらコポリマー(共重合体)は例えば、米国特許第3,936,582号明細書、米国特許第2,676,182号明細書、および米国特許第2,857,356号明細書に記載され、全て本明細書において援用される。これら樹脂状コポリマーは、加水分解可能な基を4つ持っているシラン、例えば四塩化硅素と、加水分解可能な基を1つ持っているトリ有機シラン、例えばトリメチルクロロシランとの混合物の、適切な比での同時加水分解により、調製され得る。これら樹脂状コポリマーの調製のための特定の方法が、米国特許第2,676,182号明細書に記載され、本明細書において援用され、そこでは、シリカ水性ゾルが酸性条件下に、ヘキサ有機ジシロキサン、例えば、ヘキサメチルジシロキサンのようなトリ有機シロキシ単位源、もしくは、加水分解可能なトリ有機シラン、例えば、トリメチルクロロシラン、または、これらの混合物と、反応させられる。
【0043】
該樹脂は、本発明の組成物においては、本組成物重量に基づき2〜45重量%、あるいは、5〜40重量%、あるいは、10〜35重量%の量で、使用され得る。
【0044】
もし望まれれば、他の成分が、本発明のゲルに包含され得、充填剤、色素、低温硬化阻害剤、接着向上用添加剤、架橋剤(例えば、Si−H架橋剤)、鎖長伸長剤、医薬品、化粧料、天然抽出物、流動体、もしくは、ゲルにおいて従来から使用される他の素材を包含するが、これらに限定されない。他の任意成分は、シリコーン流動体、シリコーンワックス、シリコーンポリエーテル、および他のポリマーを包含し、これは例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、PVA、PVP、ポリアクリル酸接着剤、セルロース、および多糖のような親水性ポリマーを包含しており、これらは、本ゲルをより親水性にし、湿気に対してより透過性にする。更に他の任意成分は、増粘剤、チキソトロピー剤、および、本ゲルの成分と反応する蓖麻油のような素材、もしくは、該樹脂の水酸基(ヒドロキシル基)と反応し得るマレエートのような、レオロジー修飾剤を包含する。1実施形態において、本ゲルは実質的に、充填剤を含有しない(例えば、5重量%未満、あるいは、1重量%未満、あるいは、0.1重量%未満)。もう1つ別の実施形態において、本ゲルは実質的に、溶媒を含有しない(例えば、5重量%未満、あるいは、1重量%未満、あるいは、0.1重量%未満)。
【0045】
本発明において使用される活性成分は、如何なる固体もしくは液体の素材をも包含し得るが、本組成物に結び付き、次いで、望ましい速度で放出され得る。該活性成分は、許容できない程度にまで、本シリコーン製剤の硬化に干渉すべきでもない。適切な活性成分は、化粧料、パーソナルケア、医薬化粧品、治療剤もしくは診断薬、殺虫剤、除草剤、および同様なものを包含する。
【0046】
治療活性成分が用いられてもよく、例えば、抗面皰剤、抗生物質、防腐剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗細菌剤、殺生物剤、抗炎症剤、収斂薬、ホルモン、抗癌剤、禁煙向け組成物、心臓血管薬、ヒスタミンブロッカー、気管支拡張薬、鎮痛剤、抗不整脈薬、抗ヒスタミン、αIブロッカー、βブロッカー、ACE阻害剤(ACEI)、利尿剤、抗集合フェロモン剤、鎮静剤、トランキライザー、抗痙攣薬、抗凝固剤、ビタミン、アンチエイジング剤(老化防止剤)、消化管潰瘍もしくは十二指腸潰瘍治療薬、抗セルライト剤、蛋白分解酵素、治癒因子、細胞成長栄養剤、ペプチド、およびその他を包含する。適切な治療活性成分の特定例は、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、マクロライド、エピネフリン、アンフェタミン、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツール、カテコールアミン、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルヒネ、プロカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルホンアミド、チコナゾール、ペルブテロール、フロザミド、プラゾシン、プロスタグランジン、サルブタモール、インドメタシン、ジクロフェナク、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン、およびレチノールを包含する。
【0047】
治療薬もしくは診断薬に加えて、活性成分は、香料、UV保護剤、シェービング製品、消臭剤、もしくは同様なもののような化粧料とすることもできる。適切な化粧料は、当業者に知られている。
【0048】
これら化粧料、パーソナルケア、および化粧医薬品成分、ならびに、医薬品賦形剤のある幾つかの更なる例が、本明細書において使用されてもよく、CTFA成分データベースおよび医薬品賦形剤ハンドブックに見出されることがあり、例えば、吸収剤、抗ひび割れ剤、固化防止剤、抗酸化剤、静電気防止剤、収斂薬、バインダー、緩衝剤、バルク化剤、キレート剤、着色料、化粧品用収斂薬、化粧品用殺生物剤、消臭剤、皮膚軟化剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、着香料、香り成分、保湿剤、溶菌剤、湿潤剤、閉塞促進剤、不透明化剤、酸化還元剤、浸透促進剤、殺虫剤、可塑剤、保存料、皮膚漂白剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚保護剤、滑り修飾剤、可溶化剤、溶媒、サンスクリーン(日焼け止め)剤、表面修飾剤、界面活性剤および乳化剤、懸濁剤、増粘剤、増加も減少も包含する粘度調節剤、UV光吸収剤を包含し得る。
【0049】
化粧料、パーソナルケア、および化粧医薬品成分、ならびに、医薬品賦形剤が用いられてもよく、例えば、以下の化学分類から選択される。
アルコール、脂肪由来のアルコールおよびポリオール、アルデヒド、アルカノールアミン、アルコキシル化アルコール(例えば、アルコールおよび脂肪由来のアルコールのポリエチレングリコール誘導体)、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルコキシル化カルボン酸、塩も包含するアミド(例えば、セラミド)、アミン、塩、アルキル置換誘導体、エステル、アルキル置換、およびアシル誘導体も包含するアミノ酸、ポリアクリル酸、アクリルアミドコポリマー、アジピン酸コポリマー、アルコール、アミノシリコーン、バイオポリマーおよび誘導体、ブチレンコポリマー、炭水化物(例えば、多糖、キトサン、および誘導体)、カルボン酸、カルボマー、エステル、エーテルおよびポリマーエーテル(例えば、PEG誘導体、PPG誘導体)、グリセリルエステルおよび誘導体、ハロゲン化合物、塩も包含してヘテロ環(複素環)化合物、親水性コロイドおよび塩も包含する誘導体、ゴム(例えば、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタン(ザンタン)ゴム、天然ゴム)、イミダゾリン、無機素材(粘土、TiO、ZnO)、ケトン(例えば、カンファー(カンフル、樟脳))、イセチオナート、ラノリンおよび誘導体、有機塩、塩も包含するフェノール(例えば、パラベン)、燐化合物(例えば、リン酸誘導体)、ポリアクリレートおよびアクリレートコポリマー、蛋白および酵素の誘導体(例えば、コラーゲン)、塩も包含する合成ポリマー、シロキサンおよびシラン、ソルビタン誘導体、ステロール、スルホン酸および誘導体、ならびにワックス
【0050】
抗面皰剤のある幾つかの例は、サリチル酸および硫黄である。抗真菌剤のある幾つかの例は、ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、およびポビドンヨードである。抗細菌剤のある幾つかの例は、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロキサマー188、およびポビドンヨードである。抗酸化剤のある幾つかの例は、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、ペクチン酸アスコルビルメチルシラノール、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロキノン(ハイドロキノン)、カフェイン酸(コーヒー酸)、Camellia Sinensis油、アスコルビン酸キトサン、グリコール酸キトサン、サリチル酸キトサン、クロロゲン酸、システイン、システインHCl、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリトルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、チオジプロピオン酸ジセチル、ジシクロペンタジエン/t−ブチルクレゾールコポリマー、トリオレイン酸ジガロイル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイン酸トコフェリルメチルシラノール、イソケルシトリン、ジオスミン、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロキノン、ヒドロキシルアミンHCl、ヒドロキシルアミン硫酸塩、チオグリコール酸イソオクチル、麹酸、Madecassicoside、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、メラトニン、メトキシ−PEG−7、琥珀酸ルチニル、メチレンジ−t−ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、クロログルシノール、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ローズマリー酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリルリン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリトルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、茶の木(Melaleuca Aftemifolia)の油、酢酸トコフェリル、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、リノレン酸/オレイン酸トコフェリル、チオジグリコール、琥珀酸トコフェリル、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノレン酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、トコキノン、o−トリルビグアニド、トリス(ノニルフェニル)亜燐酸、ユビキノン、およびジブチルジチオカルバミン酸亜鉛である。化粧品用殺生物剤のある幾つかの例は、フェノールスルホン酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アンモニウム、バクチオール、臭化ベンザルコニウム、セチル燐酸ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、サッカリン酸ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、カリウムフェノキシド、ベンゾキシキン、塩化ベンゾキソニウム、ビスピリチオン、硼酸、ブロモクロロフェン、カンファーメト硫酸ベンザルコニウム、カプタン、塩化セタルコニウム、臭化セテアラルコニウム、臭化セテチルジモニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、メト硫酸セトリモニウム、サッカリン酸セトリモニウム、トシル酸セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、クロラミンT、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸、クロルヘキシジン二グルコン酸、クロルヘキシジン二塩酸、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、クロルフェネジン、シクロピロックス、オラミン、クリムバゾール、クロフルカルバン、クロトリマゾール、コールタール、コロイド硫黄、o−シメン−5−オール、酢酸デカリニウム、塩化デカリニウム、二イセチオン酸ジブロモプロパミジン、ジクロロベンジルアルコール、ジクロロフェン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、ジクロロ−m−キシレノール、ジヨードメチルトリルスルホン、ジメチロールエチレンチオウレア(チオ尿素)、ジフェニルメチルピペラジニルベンズイミダゾール、臭化ドミフェン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、フルオロサラン、ホルムアルデヒド、グルタラール、ヘキサクロロフェン、ヘキサミジン、二イセチオン酸ヘキサミジン、二パラベンヘキサミジン、パラベンヘキサミジン、ヘキセチジン、過酸化水素、ヒドロキシメチルジオキソアザビシクロオクタン、イクタモール、イソプロピルクレゾール、塩化ラピリウム、臭化ラウラルコニウム、塩化ラウラルコニウム、臭化ラウルトリモニウム、塩化ラウルトリモニウム、ラウルトリモニウムトリクロロフェノキシド、臭化ラウリルイソキノリニウム、サッカリン酸ラウリルイソキノリニウム、塩化ラウリルピリジニウム、酸化水銀、メテナミン、塩化メテンアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ミリストアルコニウム、サッカリン酸ミリストアルコニウム、臭化ミルトリモニウム、ノノキシノール−9ヨード(沃素)、ノノキシノール−12ヨード(沃素)、塩化オレアルコニウム、オキシキノリン、安息香酸オキシキノリン、硫酸オキシキノリン、PEG−2椰子油塩化ベンゾニウム、PEG−10椰子油塩化ベンゾニウム、ウンデシレン酸PEG−6、ウンデシレン酸PEG−8、フェノール、o−フェニルフェノール、サリチル酸フェニル、ピロクトンオラミン、スルホ琥珀酸ウンデシレナート、カリウムo−フェニルフェノラート、サリチル酸カリウム、トロクロセンカリウム、プロピオン酸、PVP−ヨード(沃素)、クアテルニウム(Quaternium)−8、クアテルニウム(Quaternium)−14、クアテルニウム(Quaternium)−24、フェノールスルホン酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、ナトリウムo−フェニルフェノラート、けつ岩油スルホン酸ナトリウム、ウスニン酸ナトリウム、チアベンダゾール、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、チラム、トリアセチン、トリクロカルバン、トリクロサン、硼酸トリオクチルドデシル、ウンデシレンアミドプロピルアミンオキシド、ウンデシレネス−6、ウンデシレン酸、酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、硼酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、システイン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、乳酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ピリチオン亜鉛、硫酸亜鉛、およびウンデシレン酸亜鉛である。外用鎮痛剤のある幾つかの例は、ベンジルアルコール、カプシクムオレオレシン(蕃椒脂油)、サリチル酸メチル、カンファー(カンフル、樟脳)、フェノール、カプサイシン、ネズノキタール、ナトリウムフェノラート(ナトリウムフェノキシド)、カプシクム(唐辛子(の実))、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチル、およびテレピン油(松脂)である。酸化剤のある幾つかの例は、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、メラミン過酸化物、臭素酸カリウム、カロー酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、沃素酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、尿素過酸化物、および過酸化亜鉛である。還元剤のある幾つかの例は、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システインアミンHCl、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロキノン(ハイドロキノン)、p−ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、および亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレートである。皮膚漂白剤の例は、ヒドロキノン(ハイドロキノン)である。皮膚保護剤のある幾つかの例は、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、ココアバター、鱈肝油、コロイド状オートミール、ジメチコン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、ワセリン、鮫肝油、重炭酸ナトリウム、タルク、魔女の木、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、および酸化亜鉛である。日焼け止め剤のある幾つかの例は、アミノ安息香酸、チノキサート、メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン、トリオレイン酸二没食子酸、ジオキシベンゾン、4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサリチル酸、ローソン試薬+ジヒドロキシアセトン、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パジメートO、スルホン酸フェニルベンズイミダゾール、赤ワセリン、スリゾベンゾン、二酸化チタン、およびサリチル酸トロラミンである。UV光吸収剤のある幾つかの例は、アセトアミノザロール、アラトインPABA、ベンザールフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1−12、3−ベンジリデンカンファー(カンフル、樟脳)、ベンジリデンカンファー(カンフル、樟脳)加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファー(カンフル、樟脳)スルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリオゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカタルク、チノキサート、メトキシ桂皮酸DEA、ジベンゾキサゾールナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、トリオレイン酸二没食子酸、ジイソプロピル桂皮酸メチル、ジメチルPABA、トシル酸エチルセテアリルジモニウム、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニル二スルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピル桂皮酸エチル、メトキシ桂皮酸エチル、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸、オクタン酸ジメトキシ桂皮酸グリセリル、グリセリルPABA、サリチル酸グリコール、ホモサリチル酸(誘導体)、p−メトキシ桂皮酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、4−メチルベンジリデンカンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG−25PABA、ペンチルジメチルPABA、硫酸フェニルベンズイミダゾール、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシ桂皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、赤ワセリン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸TEA、サリチル酸TEA、硫酸テレフタリリデンジカン
ファー、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸、およびVA/クロトン酸誘導体/メタクリロキシベンゾフェノン−1コポリマーである。
【0051】
本ゲルの一貫性、強度、柔らかさ、および粘着性は、数ある要因により決定され、これらの素材中の反応性基の比、これらのコポリマーの粘度、樹脂および同様なものも包含する成分の量を包含する。本発明の1実施形態において、本発明において使用される組成物は、65〜75重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン、1〜3重量%の第2アルケニル置換ポリジ有機シロキサン、3〜6重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂、9〜15重量%の水酸基置換シロキサン樹脂、末端シリコン結合水素原子を含有している9〜15重量%の有機シロキサン、および、皮膚に対して相対的に低い接着性を持つヒドロシリル化触媒を含む。本発明のもう1つ別の実施形態において、本発明において使用される組成物は、60〜70重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン、5〜7重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂、6〜10重量%の水酸基置換シロキサン樹脂、末端シリコン結合水素原子を含有している8〜12重量%の有機シロキサン、および、皮膚に対して相対的に中庸な接着性を持つヒドロシリル化触媒を含む。本発明のもう1つ別の実施形態において、本発明において使用される組成物は、70〜80重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン、3〜8重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂、9〜15重量%の水酸基置換シロキサン樹脂、末端シリコン結合水素原子を含有している8〜12重量%の有機シロキサン、および、皮膚に対して相対的に中庸〜高い接着性を持つヒドロシリル化触媒を含む。本発明のもう1つ別の実施形態において、本発明において使用される組成物は、50〜70重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン、12〜18重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂、12〜18重量%の水酸基置換シロキサン樹脂、末端シリコン結合水素原子を含有している6〜10重量%の有機シロキサン、および、皮膚に対して相対的に高い接着性を持つヒドロシリル化触媒を含む。本発明のもう1つ別の実施形態において、本発明において使用される組成物は、25〜45重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン、10〜20重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂、15〜25重量%の水酸基置換シロキサン樹脂、末端シリコン結合水素原子を含有している6〜10重量%の有機シロキサン、および、皮膚に対して相対的に高い接着性を持つヒドロシリル化触媒を含む。
【0052】
Cone浸透テスト方法により、ASTM D−217−88に基づき測定すると、本発明の1実施形態におけるゲルは、浸透度50mm〜300mmを持ち、Coneのカテゴリー(分類)は1806−1であり、重量62.5gを有する。
【0053】
一般的に、本ゲルは、約100〜4500g/mの範囲中のコーティング重量を持つ。本発明の1実施形態において、その密度は、約150〜1200g/mの範囲中にある。このようなゲルは一般的に、約0.15〜約5mmの範囲中の厚さを持つものであり、本発明の1実施形態において、本ゲルは、0.2〜1.5mmの厚さを持つ。
【0054】
本シリコーンゲルの接着強度は、医療用基材に対する接着を維持するに充分たるべきである。同様に、もし本ゲルが、ヒトもしくは動物に接着されるものであれば、該ゲルの接着強度は、該ヒトもしくは動物に確実に接着されたままであるに充分たるべきであり、尚かつ、該ゲル除去時に、該ヒトもしくは動物がひどく損傷されないようさほど強くないべきである。上記のように、伝統的なシリコーンゲルはしばしば、プラスチックのようなある種の基材に良好に接着せず、これゆえ、剥離してしまう。このように、本願出願人は本明細書において、水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を本シリコーンゲルに加えることにより、プラスチック基材に対する本シリコーンゲルの接着強度が増強されることを発見している。
Probe Tack Testerを用いて測定された場合、粘着性は一般的に、50g〜500gであり、本発明の1実施形態において、該粘着性は150g〜350gの範囲中にある。接着性は、Texture Analyzer(直径1/2インチの円筒Derlinプローブ、100gfを5秒間かけ、分離スピード10mm/秒)を使用しても、測定され得る。粘着性は一般的に、50gf〜500gfである。
【0055】
ヒトもしくは動物に使用される場合、本シリコーンゲルは充分柔らかく、柔軟でもあるべきであり、そのユーザーに対する快適さを確実にする。しかしながら、柔らかさは一般的に、結果的により弱いゲルをも与えるので、これら2つの要因は、本ゲルの選択および処方に鑑みられるべきである。
【0056】
もし望まれれば、医療用基材もしくは患者に接着されるべき本ゲルの表面は、使用前に、解離ライナーを用いて被覆され、もしくは、保護され得る。本シリコーンゲルと各解離ライナーとの間での接着強度は明らかに、該ゲルと該基材との間でのものよりも小さく、該解離ライナーは、該シリコーンゲルからはがされ得、その下に横たわっている粘着性ゲルをあらわにする。適切な解離ライナー素材は、当業界において知られており、例えば、シリコーン、フッ素化シリコーン、フッ素ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチルビニルアセテートポリマー、PVC、もしくは同様なもののような、プラスチックもしくは複合素材を包含し得る。加えて、該解離ライナーは、広範な種々の素材(例えば、紙)から作られ得、適切な解離コーティングで被覆される。最後に、該解離コーティングの表面は滑らかであり、エンボス加工されるか、もしくは如何なる他の望ましい形でもあり得る。
【0057】
もし本ゲルの接着強度が尚、医療用基材に接着するに充分でなければ、該ゲルの表面もしくは前記プラスチックの表面に、きっかけが与えられ得る。きっかけが与える適切なもの(プライマー)は、DuPont(登録商標)により商品名Tyzor(登録商標)として商業化されている有機チタン酸のようなチタン酸素材;有機ジルコン酸;ジメチルメチル水素シロキサン、トリメチルシロキシ末端化メチル水素シロキサン、トリメチルシロキシ末端化ジメチルシロキサン、および水素末端化メチル水素シクロシロキサンのような水素官能基化シロキサン;ならびに、1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のような白金誘導体を包含する。
【0058】
本発明の組成物は、望まれる比で本成分を混合して調製され得る。これは、静置ミキサーおよび同様なもののような従来の混合設備でなされ得る。典型的には、前記Si−H、Si−ビニル、およびヒドロシリル化触媒が混合される場合に硬化が始まることがあること以外、該混合の順序は重要でない。もし望まれれば、本組成物は予め化合され得、多重部からなる系、好ましくは2つの部<<A&B>>系として、供給され得る。
【0059】
本ゲルの層も、如何なる望ましい技術によっても調製され得る。1例は、本ゲルを予め既知の手順により、例えば、モールド、カレンダー、押し出し、噴霧、ブラシ、手による適用、コーティング、もしくはキャスティングしていくことにより形成(例えばシートとして)させることを含み、例えば、解離可能な基材である。本ゲルは次いで、医療用基材と一緒にされる。あるいは、本ゲルは、本ゲル形成組成物を、医療用基材上でキャスティングし硬化させていくことにより、予め形成されてよい(例えばシートとして)。
【0060】
上記プロセスにおいて、本ゲル形成組成物は、噴霧、コーティング、バーコーティング等のような技術により適用されてよい。もし望まれれば、本ゲル形成組成物は、有機溶媒、低分子量シリコーン、もしくは他の適切な溶媒のような揮発性溶媒に分散もしくは溶液として、使用され得、その後、該溶媒がエバポレーションされ得る。代わりの方法は、実質的な量の溶媒を必要としない、例えば、5重量%未満、あるいは、1重量%未満の溶媒量のゲル形成組成物を使用することである。
【0061】
上記プロセスにおいて、本ゲル形成組成物は、連続層、空隙領域を有するコーティング、有孔層、パターン化層、あるいは、線、点、丸、網等のような種々のデザイン(柄)を形作っている不連続層等として、適用されてよい。
【0062】
上記プロセスにおいて、本ゲルがその上に適用される基材は、望まれる形状を本組成物に付与する筈の如何なる表面でもあり得る。これゆえ、本ゲル形成組成物がその上に広げられる連続ベルトであってもよい。本組成物の一貫性に依って、該基材はその端にバリア(障壁)を持ってもよく、硬化が起きるまで、本組成物の流動性を制限する。本発明の1実施形態において、該基材は解離可能な基材であり、本ゲルが容易に除去され使用されるようにする。
【0063】
もし望まれれば、該基材は、従来のブリスターパッケージ用素材のいずれかでできた、予め形作られたブリスターパッケージであり得、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、紙、または、適切な解離コーティングを有するかもしくは有さない複合素材を包含する。
【0064】
上で形成された組成物は、最終的な使用に基づき、如何なるサイズおよび望まれる形でもあり得る。例えば、円、四角、もしくは矩形であり得、数平方センチメートル〜数百平方センチメートル(cm)超で変動し得る。
【0065】
本発明の組成物は、シリコーンゲルにより与えられる接着が有用である適用において、有用である。本発明のシリコーンゲル接着剤は、しかしながら、特に患者に医療用基材を接着させるのに応用される。このような基材の例は、人工胸、カテーテル、カニューラ、排泄物バッグ、溲瓶、失禁用装置、衛生ナプキン、パウチ、擬毛髪束(例えば、鬘)、チューブ、浸透圧および関連装置、外科シーツ、フェイシャルマスク、手袋、他の医療装置、および同様なもののような装置を包含する。例えば、これらの素材は、シリコーン接着テープ(例えば、その上にゲルを有するPU不織布)、ゲルシート(例えば、その上にゲルを有するPUフィルム)、絆創膏(例えば、その上にゲルを有するPUフィルムもしくはPU泡)、包帯、接着片、外科シーツ(その上にゲルを有するPEフィルム)、接着医療装置(例えば、ゲルを有するPVCチューブ、その上にゲルを有するラテックスカテーテル)、衛生ナプキン(ゲルを有するPEフィルム)、外部人工器官(例えば、その上にゲルを有するPU外部人工胸)、皮膚表面もしくは経皮パッチ(例えば、ドラッグデリバリー)、香り/化粧品パッチ、および同様なものの製造に、有用たり得る。
【実施例】
【0066】
以下の実施例が、本発明を例示する。他に指し示されなければ、全ての%は重量により、全ての粘度は25℃におけるものである。
【0067】
サンプル調製およびテスト
硬化前の素材の粘度は、Brookfield粘度計を使用して、測定される。
ゲルの柔らかさはmmで測定され、直径65mm/62.5gの円錐プローブを有するPNRG浸透計を使用している。テストサンプルは、各成分を混合し、該サンプル100gのうちの80gをプラスチックのカップ中に注ぎ、これを103℃〜140℃で60分間硬化させることにより調製される。
粘着はグラム力(gf)で測定され、プローブP/0.5R(1/2”直径のDelrinシリンダー(円筒))を備えたTA−XT+Texture Analyzerを使用している。サンプルは、各成分を混合し、これらを適切な基材上にコーティングし、該コーティングを硬化させることにより調製される。テストパラメーターは:
テストスピード=1.0mm/秒(s);
かける力=100g;
保つ時間=5.0秒(s);
誘発力=1.0g
引き剥がし接着性はニュートン(N)で測定され、TA−XT+Texture AnalyzerもしくはTensile Testing設備(例えば、Instron)を使用している。サンプルは、各成分を混合し、これらを適切な基材上にコーティングし、該コーティングを硬化させることにより調製される。コーティングされた基材が次いで、2.5cm片に切り出され、ポリエステルフィルム(Mylar)が、その表面に積層される。テストパラメーターは:
180°引き剥がし解離テスト(剥離試験);
テストスピード=10.0mm/秒(s);
距離=110.0mm
ポリウレタン接着性はニュートン(N)で測定され、TA−XT+Texture AnalyzerもしくはTensile Testing設備(例えば、Instron)を用いている。サンプルは、シリコーンPSA(Dow Corning(登録商標)7−4602)をポリエステル(Mylar)上にコーティングすることにより調製され、テーブル表面コーターを使用し、シム(棒)サイズ=3ミル(mil)を使用している。Mylar上のPSAは、適切な解離ライナーで被覆され、片として切り出される(片サイズ=2.5cm幅×17.5cm長)。各成分を混合し、これらを該ポリウレタン上にコーティングし、テーブル表面コーターを使用し、シム(棒)サイズ=10ミル(mil)を使用し、該コーティングを硬化させ、該ゲルを保護するポリエチレンで被覆することにより、接着ゲルがポリウレタンシート上に載せられる。該シートが次いで、片として切り出される(片サイズ=2.5cm幅×12.5cm長)。テストするために、空気の取り込みを最小化しつつ、該ゲル片がPSA片に積層され、ローラーを使用して、サンプルを接着して一緒にする(くっつける)。積層された片はオーブン中で、20分間50℃とされ、完全に放冷し(最低限10分)、次いで、Texture Analyzerでテストされ、このゲル積層体の接着性のテスト(180°引き剥がしテスト)を実施する。各サンプルは3通り試行され、その平均の力(N)が報告された。観察された如何なる特徴も、メモされた。
【0068】
使用された素材
ビニル末端化ポリジメチルシロキサン(PDMS) 400mPa.s
ジメチルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端化
0.40重量/重量%ビニル
粘度=400mPa.s
ビニル末端化PDMS 2,100mPa.s
ジメチルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端化
0.23重量/重量%ビニル
粘度=2,100mPa.s
ビニル末端化PDMS 9,500mPa.s
ジメチルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端化
0.17重量/重量%ビニル
粘度=9,500mPa.s
ビニル置換MQ樹脂
ジメチルビニル化およびトリメチル化シリカ
1.5〜2.0重量/重量%ビニル
1.0〜1.5重量/重量%OH、SiOHとして
固体
MQ樹脂
珪酸、ナトリウム塩、クロロトリメチルシランとイソプロピルアルコールとの反応生成物
0重量/重量%ビニル
2.0〜2.5重量/重量%OH、SiOHとして
固体
白金触媒
1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体
0.5重量/重量%白金
2.3重量/重量%ビニル
粘度=400mPa.s
水素末端化PDMS
ジメチルシロキサン、水素末端化
0.15重量/重量%H、SiHとして
粘度=15mPa.s
水素置換PDMS
ジメチル、メチル水素シロキサン、トリメチルシロキシ末端化
0.75重量/重量%H、SiHとして
粘度=5mPa.s
PDMS 100,000mPa.s
ジメチルシロキサン、トリメチルシロキシ末端化
粘度=100,000mPa.s
チタナート
テトラブトキシチタナート
ウンデシレニルアルコール(UDA)
Undec−10−en−1−ol
【0069】
実施例1〜17
実施例1(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 7部
水素置換PDMS 0.25%
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 400
柔らかさ(浸透mm/10) 90
粘着性(gf) 120
引き剥がし接着性(N) 0.196
PU接着性(N) 1.104〜PU表面から剥離
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(創傷を被覆する
応用を提案中)ゲルが、PUに対して低い接着性を持っていたことを示す。
【0070】
実施例2(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
PDMS 100,000mPa.s 8部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 7部
水素置換PDMS 0.25%
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 1200
柔らかさ(浸透mm/10) 99
粘着性(gf) 137
引き剥がし接着性(N) 0.297
PU接着性(N) 1.218〜PU表面から剥離
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(しかし、皮膚接
着促進剤を包含している)ゲルが、PUに対して低い接着性を持っていたことを示す。
【0071】
実施例3(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 9,500mPa.s 100部
ビニル末端化PDMS 2,100mPa.s 34部
白金触媒 0.01%
水素置換PDMS 0.3 %
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 7000
柔らかさ(浸透mm/10) 191
粘着性(gf) 89
引き剥がし接着性(N) 0.171
PU接着性(N) 0.540〜PU表面から剥離
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(しかし、より高
分子量(Mw)のビニル末端化PDMSを包含している)ゲルが、PUに対して低い接
着性を持っていたことを示す。
【0072】
実施例4(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル置換MQ樹脂 44部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 18部
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 1200
柔らかさ(浸透mm/10) 135
粘着性(gf) 51
引き剥がし接着性(N) 0.306
PU接着性(N) 1.162〜PU表面から剥離
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(しかし、より少
量のビニル樹脂を包含している)ゲルが、PUに対して低い接着性を持っていたことを示
す。
【0073】
実施例5(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル置換MQ樹脂 100部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 25部
水素置換PDMS 0.15%
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 5000
柔らかさ(浸透mm/10) 139
粘着性(gf) 162
引き剥がし接着性(N) 0.733
PU接着性(N) 1.982〜PU表面から剥離
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(しかし、より多
量のビニル樹脂を包含している)ゲルが、PUに対する引き剥がし接着性を向上させるの
を助けるが、剥離を防がないことを示す。
【0074】
実施例6(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル置換樹脂 12部
白金触媒 0.01%
接着プロモーター(促進剤、チタナート) 1 %
水素末端化PDMS 14部
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 500
柔らかさ(浸透mm/10) 149
粘着性(gf) 104
引き剥がし接着性(N) 0.419
PU接着性(N) 2.018〜接着できず
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(しかし、チタナ
ート接着促進剤を包含している)ゲルが、PUに対する良好な接着性を持っていることを
示す。
【0075】
実施例7(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
UDAを有するditto6
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル置換MQ樹脂 11部
白金触媒 0.01%
接着プロモーター(促進剤、UDA) 2 %
水素末端化PDMS 10部
水素置換PDMS 1 %
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 500
柔らかさ(浸透mm/10) 124
粘着性(gf) 29
引き剥がし接着性(N) 0.114
PU接着性(N) 3.076〜接着できず
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(しかし、UND
ECYLENYL ALCOHOL接着促進剤を包含している)ゲルが、PUに対する良
好な接着性を持っていることを示す。
【0076】
実施例8(コントロール)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル置換MQ樹脂 11部
白金触媒 0.01%
接着プロモーター(促進剤、チタナート) 1 %
水素末端化PDMS 14部
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 450
柔らかさ(浸透mm/10) 148
粘着性(gf) 56
引き剥がし接着性(N) テストせず
PU接着性(N) 1.746〜PU表面から剥離
この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂なしの(しかし、チタナ
ート接着促進剤を包含している)ゲルが、PUに対する良好な接着性を持っていることを
示す。
【0077】
実施例9
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル末端化PDMS 2,100mPa.s 22部
ビニル置換MQ樹脂 25部
MQ樹脂 19部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 17部
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 750
柔らかさ(浸透mm/10) 87
粘着性(gf) 132
引き剥がし接着性(N) 0.717
PU接着性(N) 4.978〜テスト基材から剥

この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を有するゲルが、PUに
対する良好な接着性を持っていたことを示す。
【0078】
実施例10(実施例9の繰り返し)
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル末端化PDMS 2,100mPa.s 22部
ビニル置換MQ樹脂 25部
MQ樹脂 19部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 17部
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 900
柔らかさ(浸透mm/10) 102
粘着性(gf) 142
引き剥がし接着性(N) 0.737
PU接着性(N) 4.451〜テスト基材から剥

この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を有するゲルが、PUに
対する良好な接着性を持っていたことを示す。
【0079】
実施例11
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル末端化PDMS 2,100mPa.s 18部
ビニル置換PDMS 2部
ビニル置換MQ樹脂 9部
MQ樹脂 20部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 18部
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 800
柔らかさ(浸透mm/10) 96
粘着性(gf) 131
引き剥がし接着性(N) 0.283
PU接着性(N) 1.977〜テスト基材から剥

この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を有するゲルが、PUに
対する良好な接着性を持っていたことを示す。
【0080】
実施例12
以下の成分が、指し示される量で、混合された。
ビニル末端化PDMS 400mPa.s 100部
ビニル末端化PDMS 2,100mPa.s 16部
ビニル置換MQ樹脂 18部
MQ樹脂 20部
白金触媒 0.01%
水素末端化PDMS 20部
これら素材がテストされ、以下の結果であった。
粘度(mPa.s) 750
柔らかさ(浸透mm/10) 86
粘着性(gf) 79
引き剥がし接着性(N) 0.105
PU接着性(N) 1.170〜テスト基材から剥

この実施例は、前記水酸基(ヒドロキシ)置換シロキサン樹脂を有するゲルが、PUに
対する良好な接着性を持っていたことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用基材を、ヒトもしくは動物に接着させる方法であって:
シリコーンゲル層を、医療用基材とヒトもしくは動物との間に固定すること
を含み、該シリコーンゲルが、約2〜約45重量%の少なくとも1種の水酸基置換シロキサン樹脂を含有する、方法。
【請求項2】
前記シリコーンゲルが:
10〜90重量%の少なくとも1種のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
2〜45重量%の少なくとも1種の水酸基シロキサン樹脂;
1〜30重量%の少なくとも1種の有機シロキサンであって、シリコン結合水素原子含有;および
少なくとも1種のヒドロシリル化触媒
を含むゲル形成組成物の反応生成物である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記医療用基材が、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリウレタンおよびポリウレタン尿素、ポリ塩化ビニル誘導体、ポリアクリル酸およびポリアクリレート誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、セルロースフィルム、ポリイミド、ポリアミド、エポキシおよびフェノールプラスチック、ポリカーボネート、フェノール性プラスチック、エポキシ樹脂、フッ素化ポリマー、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリフェニルスルフィド、シリコーン、ならびに、多糖主体の素材からなる群から選択されるプラスチックでできている、請求項1の方法。
【請求項4】
前記医療用基材が、ポリウレタンでできている、請求項3の方法。
【請求項5】
前記ゲル形成組成物が、ビニル置換MQ樹脂も含む、請求項2の方法。
【請求項6】
前記ゲル形成組成物が、活性成分も含む、請求項2の方法。
【請求項7】
前記ゲル形成組成物が、溶媒も含む、請求項2の方法。
【請求項8】
前記ゲル形成組成物が、無溶媒である、請求項2の方法。
【請求項9】
ヒトもしくは動物を処置する方法であって:
シリコーンゲル層を、ヒトもしくは動物に固定すること
を含み、該シリコーンゲルが、約2〜約45重量%の少なくとも1種の水酸基置換シロキ
サン樹脂を含有する、方法。
【請求項10】
前記シリコーンゲルが:
10〜90重量%の少なくとも1種のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
2〜45重量%の少なくとも1種の水酸基シロキサン樹脂;
1〜30重量%の少なくとも1種の有機シロキサンであって、シリコン結合水素原子含有;および
少なくとも1種のヒドロシリル化触媒
を含むゲル形成組成物の反応生成物である、請求項9の方法。
【請求項11】
10〜90重量%の少なくとも1種のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
2〜45重量%の少なくとも1種の水酸基シロキサン樹脂;
1〜30重量%の少なくとも1種の有機シロキサンであって、シリコン結合水素原子含有;および
少なくとも1種のヒドロシリル化触媒
を含む組成物の反応生成物を含む、シリコーンゲル。
【請求項12】
前記組成物が、ビニル置換MQ樹脂も含む、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項13】
前記組成物が、活性成分も含む、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項14】
前記組成物が、溶媒も含む、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項15】
前記組成物が、無溶媒である、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項16】
前記組成物が:
65〜75重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
1〜 3重量%の第2アルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
3〜 6重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂;
9〜15重量%の水酸基置換シロキサン樹脂;
9〜15重量%の有機シロキサンであって、末端シリコン結合水素原子含有;およびヒドロシリル化触媒
を含む、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項17】
前記組成物が:
60〜70重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
5〜 7重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂;
6〜10重量%の水酸基置換シロキサン樹脂;
8〜12重量%の有機シロキサンであって、末端シリコン結合水素原子含有;およびヒドロシリル化触媒
を含む、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項18】
前記組成物が:
70〜80重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
3〜 8重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂;
9〜15重量%の水酸基置換シロキサン樹脂;
8〜12重量%の有機シロキサンであって、末端シリコン結合水素原子含有;およびヒドロシリル化触媒
を含む、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項19】
前記組成物が:
50〜70重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
12〜18重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂;
12〜18重量%の水酸基置換シロキサン樹脂;
6〜10重量%の有機シロキサンであって、末端シリコン結合水素原子含有;およびヒドロシリル化触媒
を含む、請求項11のシリコーンゲル。
【請求項20】
前記組成物が:
25〜45重量%のアルケニル置換ポリジ有機シロキサン;
10〜20重量%のビニル置換水酸基置換シロキサン樹脂;
15〜25重量%の水酸基置換シロキサン樹脂;
6〜10重量%の有機シロキサンであって、末端シリコン結合水素原子含有;およびヒドロシリル化触媒
を含む、請求項11のシリコーンゲル。

【公表番号】特表2007−532179(P2007−532179A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507334(P2007−507334)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/009518
【国際公開番号】WO2005/102403
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】