説明

シリコーン複合粒子及びその製造方法、ならびに化粧料

【課題】化粧料に配合した場合、紫外線遮蔽性又は殺菌性といった無機微粒子の特性を発揮させると共に、良好な使用感を満足させるシリコーン複合粒子及びその製造方法、ならびにこのシリコーン複合粒子を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が100nm以下の無機微粒子を含むことを特徴とするシリコーン複合粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン複合粒子及びその製造方法、ならびに化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧料にさらさら感、なめらかさ等の使用感及び伸展性を付与する目的で、シリコーン粒子が用いられている。特に、シリコーンエラストマー球状微粒子をポリオルガノシルセスキオキサンで被覆した微粒子(特許文献1:特開平07−196815号公報)は、柔らかい感触が得られ、かつ凝集性がなく、分散性に優れることから、多くの化粧料に使用されている。
【0003】
上記のシリコーン粒子は、紫外線遮蔽効果を有していない。そのため、これらを、紫外線遮蔽を目的とする化粧料に配合した場合、化粧料塗布膜中、当該粒子を紫外線が貫通し、化粧料の紫外線遮蔽性を低下させてしまう問題があった。特に、シリコーン粒子の粒径が大きいときには問題があった。
【0004】
一方、シリコーン粒子表面を無機粒子で被覆した粒子が提案されている。例えば、特開昭63−27410号公報(特許文献2)には、熱硬化性シリコーン樹脂粒子の表面を微粒子化した酸化チタン、酸化鉄又はその他の顔料でコーティングした球状粒子、特開昭63−68513号公報(特許文献3)には、熱硬化性シリコーン樹脂粒子の表面を微粒子化した金属化合物、金属、又はその他の顔料でコーティングした球状粒子、特開平4−348143号公報(特許文献4)には、シリコーンゴム粒子の表面が金属酸化物微粒子により被覆された粒子、特開平6−1709号公報(特許文献5)には、シリコーン樹脂粉末の表面を無機粉末で被覆した粒子、国際公開第2004/055099号パンフレット(特許文献6)には、硬化シリコーン粉末に界面活性剤が付着した無機質微粉末が付着している粉末、特開2006−188592号公報(特許文献7)には、シリコーンゴム粉末の表面が無機質微粉末により被覆され、さらにケイ素結合の加水分解性基を有する有機ケイ素化合物により処理した粒子が提案されている。これら粒子において、紫外線遮蔽性のある粒子を使用した場合、化粧料の紫外線遮蔽性を低下させないことが期待される。また、抗菌性のある粒子を使用した場合には、制汗化粧料に防臭性を付与できることが期待される。しかしながら、これらシリコーン粒子は、粒子表面がシリコーンではないため、使用感及び伸展性の付与効果がなかった。
【0005】
一方、粒子をケイ素結合の加水分解性基を有する有機ケイ素化合物により処理する技術が提案されているが(特開2006−188592号公報(特許文献7))、使用感及び伸展性を付与する効果は極めて小さい。
【0006】
上述の如き、無機粒子を含有しつつも、使用感及び伸展性の付与をも目的にした粒子として、シリコーン粒子中に無機粒子を含有した粒子が提案されている。例えば、特開平5−32914号公報(特許文献8)には、無機充填剤の表面をエチレン性不飽和基含有のポリオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応物で被覆した粒子、特開平5−221640号公報(特許文献9)には、酸化チタン微粒子表面をトリアルコキシシランの加水分解縮合生成物で被覆した粒子、特開平10−324817号公報(特許文献10)には、酸化チタンの粒子表面に有機シラン化合物の加水分解生成物を固着した粒子、特開2001−354776号公報(特許文献11)には、酸化チタン微粒子を含有したシリコーンエラストマー球状粒子、特開2004−203780号公報(特許文献12)には、紫外線遮蔽性無機系微粒子を含有したポリオルガノシルセスキオキサン球状粒子が提案されている。これら粒子は、粒子表面がシリコーンであるため、使用感及び伸展性が付与でき、無機粒子の特性も付与される。しかしながら、シリコーン粒子中に無機粒子を含有するため、紫外線遮蔽性等の特性を十分とするには多量の無機粒子を必要とし、そのため着色度が高くなる問題がある。例えば、酸化チタン微粒子を含有するシリコーン粒子の場合、化粧料が白くなりすぎるため化粧料に多く配合できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−196815号公報
【特許文献2】特開昭63−27410号公報
【特許文献3】特開昭63−68513号公報
【特許文献4】特開平4−348143号公報
【特許文献5】特開平6−1709号公報
【特許文献6】国際公開第2004/055099号パンフレット
【特許文献7】特開2006−188592号公報
【特許文献8】特開平5−32914号公報
【特許文献9】特開平5−221640号公報
【特許文献10】特開平10−324817号公報
【特許文献11】特開2001−354776号公報
【特許文献12】特開2004−203780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、例えば、紫外線遮蔽性効能を有する化粧料に配合しても、紫外線遮蔽性効能を低下させることなく、又は、例えば殺菌性能等の無機微粒子の効能を発揮すると共に、「のび」、「つき」、「さらさら感」、「柔らかさ」といった使用感を付与することができるシリコーン複合粒子及びその製造方法、ならびにこのシリコーン複合粒子を含有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、シリコーンエラストマー球状粒子表面を特定量のシリコーンレジンで被覆してなる粒子において、このシリコーンレジン中に無機微粒子を含有させることにより、上記目的を達成できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。つまり、シリコーン複合粒子を化粧料に配合することで、シリコーン複合粒子特有の「のび」、「つき」、「さらさら感」、「柔らかさ」といった使用感を付与が期待できる。しかしながら、シリコーン複合粒子を紫外線防止化粧料に配合した場合、シリコーン複合粒子は粒径が大きいために、シリコーン複合粒子中に酸化チタン等の紫外線遮蔽性のある材料を含有していないと、紫外線がシリコーン複合粒子部分を透過してしまい、紫外線防止化粧料の紫外線遮蔽性能が低下してしまう。これに対し、上記本発明のシリコーン複合粒子を配合することにより、紫外線防止化粧料の紫外線遮蔽性能を低下させることなく、シリコーン複合粒子特有の上記使用感を付与することができるものである。また、配合する無機微粒子の効能を化粧品に付加できると共に、シリコーン複合粒子特有の上記使用感を付与することができるものである。例えば、殺菌性を有する無機微粒子を使用した場合には、例えば、デオドラント化粧品に配合することで、殺菌性を付与すると共にシリコーン複合粒子特有の上記使用感を付与することができるものである。
【0010】
従って、本発明は、下記シリコーン複合粒子及びその製造方法、ならびに化粧料を提供する。
[1].体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が100nm以下の無機微粒子を含むことを特徴とするシリコーン複合粒子。
[2].上記無機微粒子が、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛及び銀から選ばれる無機微粒子である[1]記載のシリコーン複合粒子。
[3].シリコーンエラストマー球状粒子及び無機微粒子が分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることにより、シリコーンエラストマー球状粒子の表面を無機微粒子含有のシリコーンレジンで被覆してなる[1]又は[2]記載のシリコーン複合粒子。
[4].上記無機微粒子が、酸化チタン、酸化鉄及び酸化亜鉛から選ばれる無機微粒子であり、紫外線防止化粧料配合用であることを特徴とする[2]又は[3]記載のシリコーン複合粒子。
[5].上記無機微粒子が銀であり、デオドラント化粧料配合用であることを特徴とする[2]又は[3]記載のシリコーン複合粒子。
[6].シリコーンエラストマー球状粒子及び無機微粒子が分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることを特徴とする、シリコーンエラストマー球状粒子の表面を無機微粒子含有のシリコーンレジンで被覆してなる、[1]記載のシリコーン複合粒子の製造方法。
[7].[1]、[2]又は[3]記載のシリコーン複合粒子を含有することを特徴とする化粧料。
[8].体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が100nm以下の酸化チタン、酸化鉄及び酸化亜鉛から選ばれる無機微粒子を含むシリコーン複合粒子を配合してなる紫外線防止化粧料。
[9].体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が100nm以下の銀からなる無機微粒子を含むシリコーン複合粒子を配合してなるデオドラント化粧料。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、化粧料に配合した場合、紫外線遮蔽性又は殺菌性といった無機微粒子の特性を発揮させると共に、良好な使用感を満足させるシリコーン複合粒子及びその製造方法、ならびにこのシリコーン複合粒子を含有する化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について、I.シリコーン複合粒子、II.シリコーン複合粒子の製造方法、III.シリコーン複合粒子を含有する化粧料の順に詳細に説明する。
【0013】
I.シリコーン複合粒子
本発明のシリコーン複合粒子は、体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が1〜100nmの無機微粒子を含むものである。
【0014】
シリコーンエラストマー粒子は、形状が略球状であり、体積平均粒径が0.1〜100μmである。体積平均粒径が0.1μm未満であると、さらさら感、なめらかさが不十分となり、100μmを超えると、さらさら感、なめらかさが低下し、またざらつき感が出る場合がある。好ましくは0.5〜40μmの範囲であり、より好ましくは1〜40μmである。なお、体積平均粒径は、1μm以上は電気抵抗法、1μm未満はレーザー回折法によって測定したものである。電気抵抗法では、測定試料がシリコーンエラストマー粒子の水分散液であれば、指定の電解質水溶液にそのまま添加し、撹拌分散させて測定することができる。電気抵抗法の粒度分布測定装置としては、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)等が挙げられる。レーザー回折・散乱法では、測定試料がシリコーンエラストマー粒子の水分散液であれば、水にそのまま添加し、撹拌分散させて測定することができる。いずれの測定法においても、測定試料がシリコーンエラストマー粒子の場合には、界面活性剤や水溶性高分子を併用して、水に分散させる必要がある。
【0015】
シリコーンエラストマーは、エラストマー特有のゴム弾性と略球状による良好な使用感を発現できれば、特にその組成に限定を受けないが、化粧料に配合した際にゴム弾性による使用感を強く発現させ、べたつきがないシリコーンエラストマーにしたい場合には、化学式−(R12SiO2/2n−で示される線状オルガノシロキサンブロックを有するものがよい。式中、R1は、置換もしくは非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、nは、5〜5,000の正数である。
【0016】
1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。
【0017】
シリコーンエラストマーの上記エラストマー特有のゴム弾性とは、ゴム硬度で表すことができる。すなわち、該ゴム硬度は、JIS K6253に規定されているタイプAデュロメータによる測定で、5〜90が好ましい。5未満では凝集性が強く、5以上とすることで、流動性、分散性、さらさら感、なめらかさがより向上する。また、90を超えると柔らかな感触が乏しくなる場合がある。より好ましくは10〜80の範囲である。シリコーンエラストマーは、その粒子中に、本発明の効果を損なわない範囲で、シリコーンオイル、オルガノシラン、シリコーンレジン、無機粒子、有機粒子、炭化水素系の液体油等、化粧品に許容される成分を含有していてもよい。
【0018】
シリコーンエラストマーは、硬化性液状シリコーン組成物から得られるものであるが、その硬化は、メトキシシリル基(≡SiOCH3)とヒドロキシシリル基(≡SiOH)等との縮合反応、メルカプトプロピルシリル基(≡Si−C36SH)とビニルシリル基(≡SiCH=CH2)とのラジカル反応、ビニルシリル基(≡SiCH=CH2)とヒドロシリル基(≡SiH)との付加反応によるもの等が例示されるが、反応性の点から、縮合反応又は付加反応によるものとすることが好ましい。
【0019】
付加反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、平均式R2a3bSiO(4-a-b)/2で示される一分子中に1価オレフィン性不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと平均式R4cdSiO(4-c-d)/2で示される一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる組み合わせ、又は、平均式R2a3bSiO(4-a-b)/2で示される一分子中に1価オレフィン性不飽和基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキサンと平均式R4cdSiO(4-c-d)/2で示される一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる組み合わせのいずれか一方において、1価オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、1価オレフィン性不飽和基1個に対しヒドロシリル基が0.5〜2個となるような比率で配合された液状シリコーン組成物を白金系触媒の存在下において付加重合させればよい。
【0020】
ここで、式中のR2は、脂肪族不飽和基を除く、置換もしくは非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、R3は炭素数2〜6の1価オレフィン性不飽和基である。a、bは、0<a<3、0<b≦3、0.1≦a+b≦3で示される正数であり、好ましくは0<a≦2.295、0.005≦b≦2.3、0.5≦a+b≦2.3である。R4は脂肪族不飽和基を除く置換又は非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基である。c、dは0<c<3、0<d≦3、0.1≦c+d≦3で示される正数であり、好ましくは0<c≦2.295、0.005≦d≦2.3、0.5≦c+d≦2.3である。
【0021】
2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。R2は、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基等の反応性のない基であることが好ましい。
【0022】
3としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられるが、工業的にはビニル基であることが好ましい。
4としては、R2と同じものが例示される。
【0023】
このオレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、100,000mm2/sを超えると、後記の製造方法において、分布の狭い粒子を得ることができなくなることから、100,000mm2/s以下が好ましく、より好ましくは10,000mm2/s以下である。また、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造としては、直鎖状、環状、分岐状いずれであってもよい。この粘度は、毛管粘度計による測定値である。
【0024】
前記したように、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンを用いる場合には、一分子中に1価オレフィン性不飽和基を少なくとも2個有し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンはケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個以上有する組み合わせとするか、又は、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンは一分子中に1価オレフィン性不飽和基を少なくとも3個以上有し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンはケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個以上有する組み合わせとすることが好ましい。一分子中のオレフィン性不飽和基及びヒドロシリル基が、上記する組合せでないと、べたつきのないエラストマー硬化物とすることができない場合がある。
【0025】
前記したように、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合比率は、オレフィン性不飽和基1個に対し水素原子が0.5〜2個となるようにすることが必要である。水素原子が0.5個未満、又は2個より多くなる比率では、べたつきのないエラストマー硬化物とすることができなかったり、反応活性の高いエラストマーとなったりし、好ましくは0.7〜1.5である。
【0026】
白金系触媒は、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・kH2O、H2PtCl6・kH2O、NaHPtCl6・kH2O、KHPtCl6・kH2O、Na2PtCl6・kH2O、K2PtCl4・kH2O、PtCl4・kH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・kH2O(但し、式中、kは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
【0027】
例えば、縮合反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、一分子中にケイ素原子に結合したヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと一分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基を少なくとも3個有するシロキサンからなる液状シリコーン組成物を縮合触媒の存在下において縮合重合させればよい。
【0028】
本発明のシリコーン複合粒子は、シリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部で被覆されている。シリコーンレジンが0.5質量部未満であると凝集性が強く、流動性、分散性、さらさら感、なめらかさが乏しくなり、25質量部を超えると、柔らかな感触が乏しくなる。好ましくは1〜15質量部の範囲である。
【0029】
オルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジンは、シリコーンエラストマー球状粒子表面にどのような形状で被覆してもよい。また、シリコーンエラストマー球状粒子の表面に付着している密度も、本発明が達成するところの効果を発現する場合においては、特に限定はない。すなわち、粒子状のシリコーンレジンがシリコーンエラストマー球状粒子表面にまばらに付着、粒子状のシリコーンレジンがシリコーンエラストマー球状粒子を隙間なく被覆付着、粒子形状を持たないシリコーンレジンがネット状でシリコーンエラストマー球状粒子表面に付着、シリコーンレジンが皮膜状でリコーンエラストマー球状粒子表面を隙間なく被覆付着してもよく、これらが組み合わさった状態であってもよい。
【0030】
本発明におけるシリコーンレジンは、〔R5SiO3/2〕、〔R52SiO2/2〕、〔R53SiO1/2〕及び〔SiO4/2〕から選択され、少なくとも〔R5SiO3/2〕を80モル%以上含む1種又は2種以上の構造単位からなるオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とする共重合体である。ここで、R5は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価有機基である。後述の方法によって、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応によりシリコーンレジンを製造するが、一部縮合反応せずにシラノール基が残存するため、正確には、下記シラノール基を含有する構造単位から選択されるものも含む共重合体である。
【0031】
【化1】

【0032】
〔R5SiO3/2〕又は〔SiO4/2〕を含む構造体でないと、レジン状の固体物となり得ない。〔SiO4/2〕の割合が多いとなめらかさが乏しくなる場合がある。少なくとも〔R5SiO3/2〕単位を80モル%含み、常温でレジン状の固体物で、かつ後記に示すような化粧料に用いられる油剤に不溶であるならば、〔R5SiO3/2〕単位以外の構造単位の比率、重合度及び硬度は特に限定されない。中でも、〔R5SiO3/2〕単位が90モル%以上が好ましい。また、融点が低いと、気温の高い雰囲気での保管時、また乾燥工程において、複合粒子同士が融着するので、共重合体の融点は50℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上である。
【0033】
式中、R5としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。後記の方法によって、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応によりレジン状シリコーンを製造するが、その縮合反応性の点から、R5は50モル%以上がメチル基であることが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
【0034】
本発明のシリコーン複合粒子は、シリコーンエラストマー球状粒子表面を被覆しているシリコーンレジン中に無機微粒子を含有した粒子である。
【0035】
無機微粒子は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、化粧料に実質的に使用可能なものが適用できる。また、その幾何学的態様が、通常化粧料に用いられるものであれば、球状、多面体状、紡錘状、針状、板状等いずれの形状でもよく、また、無孔質、多孔質のいずれでもよい。
【0036】
無機微粒子の体積平均粒径は100nm以下であり、1〜100nmが好ましく、より好ましくは1〜50nmである。体積平均粒径が100nmを超えると、紫外線遮蔽性や殺菌性等の無機微粒子の特性が低下し、また、着色が濃くなる場合がある。なお、体積平均粒径は、動的光散乱法によって測定したものである。測定試料が無機微粒子の水分散液であれば、水にそのまま添加し、撹拌分散させて測定することができる。測定試料が無機微粒子の場合には、水への分散性が良好であれば水にそのまま添加し、撹拌分散させて測定することができる。水への分散性が悪い試料の場合には、界面活性剤や水溶性高分子等の分散剤を併用して、水に分散させる必要がある。測定装置としては、サブミクロン粒子アナライザー(N4PLUS:ベックマン・コールター(株)製)により測定することができる。
【0037】
無機微粒子としては、本発明によるところの方法に依り、所望する機能に応じて、種々の微粒子を採用することができる。すなわち、酸化チタン、雲母チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等の微粒子が挙げられる。
【0038】
また、顔料系の無機微粒子が挙げられ、具体例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料;マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;紺青、群青等の無機青色系顔料;タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料が挙げられる。
さらに、アルミニウム、カッパー、ステンレス、銀等の金属微粒子が挙げられる。
【0039】
上記のうち、紫外線遮蔽効果のある無機微粒子としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等が好適であり、抗菌効果のある無機微粒子としては、銀等が好適である。本発明のシリコーン複合粒子は、シリコーンエラストマー球状粒子の表面を無機微粒子含有のシリコーンレジンで被覆してなる粒子であるが、撥水性の付与、向上や油剤への分散性の向上のために、粒子表面をシリル化剤、シリコーンオイル、ワックス類、パラフィン類、有機フッ素化合物、界面活性剤等で処理されていてもよい。
【0040】
無機微粒子の量は付与する特性によって異なるが、例えば、紫外線遮蔽性を付与する場合には、シリコーンエラストマー100質量部に対して無機微粒子0.1〜25質量部が好ましい。0.1質量部未満であると紫外線遮蔽性が不十分となる場合があり、25質量部より多いと無機微粒子による着色が濃くなり化粧料への配合量が制限される場合がある。また、抗菌性を付与する場合には、僅かな量でも効果があるので、1×10-5質量部以上が好ましい。上限は特に限定されないが、シリコーンエラストマー100質量部に対して無機微粒子1×10-2質量部以下とするとよい。
【0041】
シリコーン複合粒子の体積平均粒径は、0.1〜100μmが好ましく、1〜40μmがより好ましい。なお、体積平均粒径の測定方法は、上記シリコーンエラストマー球状粒子と同様である。
【0042】
II.シリコーン複合粒子の製造方法
本発明のシリコーン複合粒子は、例えば、シリコーンエラストマー球状粒子及び無機微粒子が分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させる方法が挙げられる。
【0043】
シリコーンエラストマー球状粒子の製造方法には特に限定はなく、公知のシリコーンエラストマーの分散液を調製する方法が用いられる。例えば、硬化性液状シリコーン組成物を、界面活性剤を用いて水中に乳化した後、硬化反応させることによって製造することができる。例えば、付加反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、前記したオレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる硬化性液状シリコーン組成物に、界面活性剤と水を添加して乳化を行い、エマルジョンとした後に白金系触媒を添加して付加重合させる方法が挙げられる。
【0044】
また、別の方法として、乳化重合で製造した硬化性液状シリコーン組成物を使用する方法が挙げられる。例えば、縮合反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、一般式[R62SiO]m(R6は置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基、mは3〜7の数)で示されるシクロポリシロキサンに、界面活性剤と水を添加して乳化を行い、次いで、酸を添加して重合反応させた後、アルカリを添加して中和し、直鎖状の分子の両末端にケイ素原子に結合したヒドロキシル基が含有したオルガノポリシロキサンのエマルジョンを製造する。これにオルガノトリアルコキシシラン及び縮合触媒を添加して縮合重合させる方法が挙げられる。
【0045】
上記硬化性液状シリコーン組成物の乳化に用いられる界面活性剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸塩ホルマリン縮合物、カルボキシビニルポリマー、スチレンオキシアルキレン酸無水物共重合体等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩、カチオン化セルロース等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。界面活性剤の使用量は、硬化性液状シリコーン組成物100質量部に対し、0.1〜50質量部の範囲が好ましい。
【0046】
乳化を行う際には、一般的な乳化分散機を用いればよく、その例としては、ホモディスパー等の高速回転遠心放射型撹拌機;ホモミキサー等の高速回転剪断型撹拌機;ホモジナイザー等の高圧噴射式乳化分散機;コロイドミル;超音波乳化機等が挙げられる。
【0047】
得られたシリコーンエラストマーの水分散液は、固液分離させることなく、そのまま使用するのが好ましい。シリコーンエラストマー球状粒子及び無機微粒子が分散された混合水分散液(以下、混合水分散液と略す場合がある)は、例えば、シリコーンエラストマー球状粒子の分散液、無機微粒子、必要に応じて水を混合することにより得ることができる。無機微粒子は、予め水分散液に調製されたものを用いてもよい。また、混合水分散液中には、界面活性剤を配合することが好ましい。上記のようにシリコーンエラストマー球状粒子を、界面活性剤を用いて製造した場合には、シリコーンエラストマー球状粒子の水分散液中に既に界面活性剤は含まれていることになる。シリコーンエラストマー球状粒子の表面に均一にシリコーンレジンを被覆させる、又はシリコーンレジン中に無機微粒子を取り込ませ、シリコーンレジン中に無機微粒子を含有させる点から、さらに追加配合することが好ましい場合がある。追加する界面活性剤は、特には限定されず、上記した硬化性液状シリコーン組成物の乳化に用いる界面活性剤が例示され、シリコーンエラストマーの水分散液中に配合されているものと同じでも異なっていてもよく、2種以上を追加してもよい。混合水分散液中に含有する界面活性剤の量は、水100質量部に対し、0.01〜3質量部が好ましい。さらに、水溶性有機溶剤を配合してもよい。
【0048】
上記混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させる。
【0049】
酸性物質又はアルカリ性物質は、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの部分縮合物の加水分解・縮合反応のための触媒である。酸性物質又はアルカリ性物質は、少なくとも混合水分散液に添加する。添加順序は特に限定されず、先に酸性物質又はアルカリ性物質を仕込んでからその他の成分を添加してもよいし、他の成分の一部を仕込んでから酸性物質又はアルカリ性物質を添加し、残りの成分を逐次添加してもよい。
【0050】
酸性物質の添加量は、少なくとも該酸性物質添加後の混合水分散液のpHが、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.5〜3.5の範囲となる量である。該pHが1.0〜4.0となる量の酸性物質を添加すると、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応が十分なものとなる。
【0051】
アルカリ性物質の添加量は、少なくとも該アルカリ性物質添加後の混合水分散液のpHが、好ましくは10.0〜13.0、より好ましくは10.5〜12.5の範囲となる量である。該pHが10.0〜13.0となる量のアルカリ性物質を添加すると、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応が十分なものとなる。
【0052】
酸性物質は特に限定されず、例えば、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸等の酸型界面活性剤;蟻酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、リンゴ酸等のカルボン酸、塩酸;リン酸;硫酸;メタンスルホン酸;トリフルオロメタンスルホン酸等を使用することができる。
【0053】
アルカリ性物質は特に限定されず、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;アンモニア;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;又はモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等のアミン類等を使用することができる。
【0054】
中でも、揮発させることにより、得られるシリコーン微粒子の粉末から容易に除去できることから、アンモニアが最も適している。アンモニアとしては、市販されているアンモニア水溶液を用いることができる。
【0055】
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの部分縮合物は、前記酸性物質又はアルカリ性物質の触媒作用により、加水分解・縮合反応し、本発明のシリコーンレジンとなる。
【0056】
アルコキシシランは、一般式R5Si(OR73、R52Si(OR72、R53SiOR7及びSi(OR74で示される。式中のR5は前記と同様であり、R7は、非置換の炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、R7としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられるが、反応性の点からメチル基であることが好ましい。アルコキシシランR5Si(OR73、R52Si(OR72、R53SiOR7、Si(OR74は、それぞれ、シリコーンレジンの構造単位〔R5SiO3/2〕、〔R52SiO2/2〕、〔R53SiO1/2〕、〔SiO4/2〕の単位源となる。よって、R5Si(OR73、R52Si(OR72、R53SiOR7、Si(OR74の配合比は、所望とするシリコーンレジンの構造になるように決定すればよい。すなわち、モル比で、所望とする構造単位〔R5SiO3/2〕:〔R52SiO2/2〕:〔R53SiO1/2〕:〔SiO4/2〕=R5Si(OR73:R52Si(OR72:R53SiOR7:Si(OR74とすればよい。前記したように、本発明のシリコーンレジンはオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするものであり、〔R5SiO3/2〕単位の割合は80モル%以上で、好ましくは90モル%以上である。
【0057】
シラノール基含有シランは、前記アルコキシシランの一般式のR7が、水素である化合物である。アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの縮合物から、所望とする構造単位となるように、適宜選択すればよい。
【0058】
少なくともシリコーンエラストマー球状粒子、無機微粒子、及び酸性物質又はアルカリ性物質を含む水分散液を撹拌しながら、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加し、加水分解・縮合反応させる。アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物は、徐々に滴下して添加してもよく、水に溶解させた形態又は水に分散させた形態で添加してもよく、アルコール等の水溶性有機溶剤を配合したものを添加してもよい。加水分解・縮合反応により、シリコーンレジンが、無機微粒子を取り込み、シリコーンエラストマーの表面上に形成され、シリコーンエラストマー球状粒子の表面を無機微粒子含有のシリコーンレジンで被覆した複合粒子が形成される。
【0059】
被覆調製に係る撹拌は、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物が、水分散液中に分散されればよく、速度は特に限定はないが、強撹拌だと、該粒子同士の凝集が起こる場合がある。そのような場合、パドル翼、プロペラ翼、後退翼、錨型翼等を用いる緩い撹拌とすることがよい。
【0060】
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を、混合水分散液に添加する時の温度は、0〜60℃であることが好ましく、より好ましくは0〜39℃である。この温度が、0℃より低いと水分散液が凝固する場合があり、60℃より高くすると得られた粒子が凝集を起こす場合がある。
【0061】
別の方法として、液性を中性又は弱酸性とした混合水分散液に、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加し、加水分解するまで撹拌を行った後、アルカリ性物質を投入し、静置した状態で縮合反応を行う方法が挙げられる。
【0062】
シリル化剤により表面処理した粒子とする場合には、仕上がったシリコーン複合粒子を処理してもよいが、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を混合水分散液に添加した後に、シリル化剤を添加して処理してもよい。シリル化剤としては、例えば、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルシラノール基含有シラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
【0063】
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加終了後、加水分解・縮合反応が終了するまで、しばらく撹拌を続けておくことが好ましい。反応を促進させるために40〜100℃で加熱してもよいし、酸性物質又はアルカリ性物質を追加してもよい。その後必要であれば酸性物質又はアルカリ性物質を投入して中和してもよい。
【0064】
加水分解・縮合反応後、水分を除去する。水分の除去は、例えば、反応後の水分散液を常圧下又は減圧下に加熱することにより行うことができ、具体的には、分散液を加熱下で静置して水分を除去する方法、分散液を加熱下で撹拌流動させながら水分を除去する方法、スプレードライヤーのように熱風気流中に分散液を噴霧、分散させる方法、流動熱媒体を利用する方法等が挙げられる。なお、この操作の前処理として、加熱脱水、加圧ろ過等の濾過分離、遠心分離、デカンテーション等の方法で分散液を濃縮してもよいし、必要ならば分散液を水やアルコール等で洗浄してもよい。
【0065】
反応後の水分散液から水分を除去することにより得られた粉体が凝集している場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル等の粉砕機で解砕又は分級するとよい。
【0066】
III.シリコーン複合粒子を含有する化粧料
本発明のシリコーン複合粒子(以下(A)とする)は、各種の化粧料に使用することができ、例えば、スキンケア製品、メークアップ製品、頭髪製品、制汗剤製品、紫外線防御製品等の、特に皮膚や毛髪に外用される化粧料に好適に使用される。該複合粒子の配合割合やその組み合わせには特に限定はなく、各製剤にあわせて、化粧料全体に対して0.1〜95.0質量%の範囲で適宜選定される。特に、紫外線防止化粧料の場合は通常0.1〜20.0質量%であり、0.5〜10.0質量%が好ましく、デオドラント化粧料の場合は通常0.001〜20.0質量%であり、0.1〜10.0質量%が好ましい。該化粧料は、通常の化粧料に使用される種々の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。成分としては、例えば(B)油剤、(C)水、(D)アルコール性水酸基を有する化合物、(E)水溶性又は水膨潤性高分子化合物、(F)本発明のシリコーン複合粒子以外の粒子、(G)界面活性剤、(H)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物、(I)シリコーン樹脂、(J)シリコーンワックス、その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0067】
(B)油剤は、固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、及びフッ素系油剤を使用することができる。
【0068】
天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
【0069】
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0070】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0071】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等のグリセライド油が挙げられる。
【0072】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、テトラキストリメチルシロキシシラン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。(B)油剤の配合量は、剤型に依存して、化粧料全体の1〜98質量%の範囲から適宜選定される。
【0073】
(C)水の配合量は、剤型に依存するが、化粧料全体の1〜95質量%から適宜選定される。
【0074】
(D)アルコール性水酸基を有する化合物としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等が挙げられる。また、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール;ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。配合量としては、化粧料全体の0.1〜98質量%の範囲から適宜選定される。
【0075】
(E)水溶性又は水膨潤性高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子化合物;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子化合物;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子化合物;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子化合物;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子化合物;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子化合物;ポリオキシエチレン系高分子化合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子化合物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子化合物;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等他の合成水溶性高分子化合物、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子化合物等が挙げられる。また、これらの水溶性高分子化合物には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。配合量としては、化粧料全体の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
【0076】
(F)本発明のシリコーン複合粒子以外の粒子としては、無機粒子、有機粒子、無機・有機複合粉体、シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、前記した本発明で用いられる無機粒子と同じものが例示される。
有機粒子としては、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメタクリル酸メチル等のポリメチルメタクリレート、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等の粉体が挙げられる。
【0077】
さらに、界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)が挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
【0078】
さらに、有機系色素が挙げられ、具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素;カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素が挙げられる。
【0079】
無機・有機複合粉体としては、化粧品に汎用の無機粉体表面が、公知公用の方法により有機粉体で被覆された複合粉体であってよい。
【0080】
シリコーン樹脂粒子としては、シリコーンエラストマー粒子、ポリメチルシルセスキオキサン粒子、シリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被覆してなる粒子等が挙げられる。これらの粉体は、粒子表面をシリル化剤、シリコーンオイル、ワックス類、パラフィン類、有機フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用できる。
【0081】
(G)界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、前記した本発明のシリコーン複合粒子の製造に用いられるものと同じものが例示される。それらの界面活性剤の中でも、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10〜70質量%を占めることが好ましい。配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。界面活性剤のHLBは、限定されないが2〜14.5が好ましい。
【0082】
(H)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油を含んで膨潤することが好ましい。液状油としては、(B)成分中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65mm2/s(25℃)〜100.0mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N−アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより、架橋構造を形成することが好ましい。分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に二つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α,ω−アルケニルジエン等が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン部分、ポリグリセリン部分、長鎖アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種を架橋分子中に含有する架橋型オルガノポリシロキサンを使用することもできる。架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いる場合の配合量としては、化粧料全体の0.1〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜50質量%である。
【0083】
(I)シリコーン樹脂は、アクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸等のアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。さらにこのシリコーン樹脂は、R83SiO0.5単位とSiO2単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位とR82SiO単位及びSiO2単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位とR8SiO1.5単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位とR82SiO単位及びR8SiO1.5単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位、R82SiO単位、R8SiO1.5単位及びSiO2単位から構成される樹脂からなるシリコーン網状化合物であることが好ましい。式中のR8は、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基である。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分、ポリグリセリン部分、フルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するシリコーン網状化合物を使用することもできる。アクリルシリコーン樹脂やシリコーン網状化合物等のシリコーン樹脂を用いる場合の配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10質量%である。
【0084】
(J)シリコーンワックスは、アクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸等のアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。また、このシリコーンワックスは、5員環以上のラクトン化合物が開環重合物であるポリラクトンを結合させたポリラクトン変性ポリシロキサンであることが好ましい。さらに、このシリコーンワックスは、α−オレフィンとジエンからなる不飽和基を有するオレフィンワックスと1分子1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスである。オレフィンワックスのα−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素原子数2〜12が好ましく、ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が好ましい。SiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状やシロキサン分岐型等の構造のものが使用できる。
【0085】
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、抗菌防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等が挙げられる。
【0086】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0087】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等が挙げられる。
【0088】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粒子を予め油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0089】
保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン等のグリセリン縮合物、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0090】
抗菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0091】
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、さらには、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0092】
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられ、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等挙げられ、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0093】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤;ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤;ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤;イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0094】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類;リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0095】
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられ、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0096】
毛髪用固定化剤としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子化合物、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロース又はその誘導体、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0097】
本発明の化粧料は、粉体、油性、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、非水エマルジョン、W/O/WやO/W/O等のマルチエマルジョン等の形態であってよく、また、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等であってよい。また、化粧料の例としては、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料、メークアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料、シャンプ−、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、体臭抑制剤等のデオドラント化粧品、日焼け止めオイル、サンケアミルク(日焼け止め乳液)、日焼け止めクリーム等の紫外線防止化粧料が挙げられる。特に、紫外線遮蔽効果のある酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の無機微粒子を用いた場合には、本発明のシリコーン複合粒子は紫外線防止化粧料配合用として好適であり、これを配合する化粧料は紫外線防止化粧料として好適である。また、殺菌効果のある銀を用いた場合には、本発明のシリコーン複合粒子はデオドラント化粧料配合用として好適であり、これを配合する化粧料はデオドラント化粧料として好適である。
【0098】
また、これらの化粧料の形状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等、種々の形態を選択することができる。
【実施例】
【0099】
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳しく具体的に説明する。但し、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、体積平均粒径の測定方法は上記に記載した通りである。
【0100】
[実施例1]酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
下記式(1)で示される、粘度が580mm2/sのメチルビニルポリシロキサン500gと下記式(2)で示される、粘度が30mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン19g(オレフィン性不飽和基1個に対しヒドロシリル基が1.06個となる配合量)を容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。次いで、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)3gと水55gを加え、ホモミキサーを用いて6,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められた。さらに、15分間撹拌を継続した。次いで、2,000rpmで撹拌しながら、水421gを加えたところ、均一な白色エマルジョンが得られた。このエマルジョンを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量1リットルのガラスフラスコに移し、15〜20℃に温調した後、撹拌下に塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5質量%)0.8g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.6gの混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、シリコーンエラストマー微粒子の水分散液を得た。シリコーンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であり、体積平均粒径を、粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、5μmであった。
【0101】
得られたシリコーンエラストマー球状微粒子の水分散液867gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、酸化チタン微粒子水分散液(商品名:ネオサンベールPW−6030A−20、触媒化成工業(株)製、酸化チタン濃度:21質量%、平均粒径:60nm)153g(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、酸化チタンが7.1質量部となる量)、水1,865g及び28質量%アンモニア水57gを添加した。このときの液のpHは、11.3であった。5〜10℃に温調した後、メチルトリメトキシシラン54g及びγ−アミノプロピルトリメトキシシラン4gの混合溶解物(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のポリオルガノシルセスキオキサンが6.5質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間撹拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。
【0102】
加水分解・縮合反応させた液を、加圧ろ過器を用いてろ紙(商品名:定量ろ紙No.5C、アドバンテック東洋(株)製、保留粒子径:1μm)でろ過脱水した。脱水物を錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量5リットルのガラスフラスコに移し、水3,000gを添加し、30分間撹拌を行った後、加圧ろ過器を用いてろ過脱水した。脱水物を再度、同様の操作で洗浄・脱水した。脱水物を熱風流動乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、流動性のある粒子を得た。
【0103】
粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子表面が約100nmの粒状形状物で被覆された球状粒子であり、シリコーンエラストマー球状粒子をポリオルガノシルセスキオキサンで被覆した粒子となっていることが確認された。上記の脱水操作で、そのろ液は無色透明であったことから、ろ液中に酸化チタン微粒子は存在せず、酸化チタン微粒子がポリオルガノシルセスキオキサン中に含有していると示唆された。さらに、粒子を、エネルギー分散型X線分光分析装置を取り付けた透過型電子顕微鏡にてチタン原子マッピングを行ったところ、粒子全体に渡りチタン原子が観察され、酸化チタン微粒子がポリオルガノシルセスキオキサン中に含有していると判断された。さらに、粒子を、界面活性剤を用いて水に分散させて、体積平均粒径を粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、5μmであった。
【0104】
下記式(1)で示される、粘度が580mm2/sのメチルビニルポリシロキサン、下記式(2)で示される、粘度が30mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5質量%)を前記の配合割合で混合し、厚みが10mmになるようアルミシャーレに流し込んだ。25℃で24時間放置後、50℃の恒温槽内で1時間加熱し、べたつきのないシリコーンエラストマーを得た。シリコーンエラストマーの硬度を、デュロメータA硬度計で測定したところ、29であった。
【0105】
【化2】

【0106】
[実施例2]酸化鉄含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
実施例1と同様にしてシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液を製造し、このシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液867gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、酸化鉄微粒子(商品名:JC−FH04、JFEケミカル(株)製、平均粒径:70nm)33g(シリコーンエラストマー球状粒子100質量部に対し、酸化鉄が7.3質量部となる量)、30質量%ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液10g、水1,975g7及び28質量%アンモニア水57gを添加した。このときの液のpHは、11.2であった。5〜10℃に温調した後、メチルトリメトキシシラン58g(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のポリオルガノシルセスキオキサンが6.3質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間撹拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間撹拌を行い、メチルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を完結させた。
【0107】
加水分解・縮合反応させた液を、加圧ろ過器を用いてろ紙(商品名:定量ろ紙No.5C、アドバンテック東洋(株)製、保留粒子径:1μm)でろ過脱水した。脱水物を錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量5リットルのガラスフラスコに移し、水3,000gを添加し、30分間撹拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を再度、同様の操作で洗浄・脱水した。脱水物を熱風流動乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、流動性のある粒子を得た。
【0108】
粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子表面が約100nmの粒状形状物で被覆された球状粒子であり、シリコーンエラストマー球状微粒子をポリオルガノシルセスキオキサンで被覆した粒子となっていることが確認された。前記の脱水操作で、そのろ液は無色透明であったことから、ろ液中に酸化鉄微粒子は存在せず、酸化鉄微粒子がポリオルガノシルセスキオキサン中に含有していると示唆された。粒子を界面活性剤を用いて水に分散させて、体積平均粒径を粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、5μmであった。
【0109】
[実施例3]酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
実施例1と同様にしてシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液を製造し、このシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液867gを、錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、酸化亜鉛微粒子水分散液(商品名:ZW−143、住友大阪セメント(株)製、酸化亜鉛濃度:30質量%、平均粒径:20nm)51g(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、酸化亜鉛が3.4質量部となる量)、水1,967g、及び28質量%アンモニア水57gを添加した。このときの液のpHは、11.3であった。5〜10℃に温調した後、メチルトリメトキシシラン56g及びγ−アミノプロピルトリメトキシシラン2gの混合溶解物(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のポリオルガノシルセスキオキサンが6.4質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間撹拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を完結させた。
【0110】
加水分解・縮合反応させた液を、加圧ろ過器を用いてろ紙(商品名:定量ろ紙No.5C、アドバンテック東洋(株)製、保留粒子径:1μm)でろ過脱水した。脱水物を錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量5リットルのガラスフラスコに移し、水3,000gを添加し、30分間撹拌を行った後、加圧ろ過器を用いてろ過脱水した。脱水物を再度、同様の操作で洗浄・脱水した。脱水物を熱風流動乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、流動性のある粒子を得た。
【0111】
粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子表面が約100nmの粒状形状物で被覆された球状粒子であり、シリコーンエラストマー球状微粒子をポリオルガノシルセスキオキサンで被覆した粒子となっていることが確認された。前記の脱水操作で、そのろ液は無色透明であったことから、ろ液中に酸化亜鉛微粒子は存在せず、酸化亜鉛微粒子がポリオルガノシルセスキオキサン中に含有していると示唆された。粒子を界面活性剤を用いて水に分散させて、体積平均粒径を粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、5μmであった。
【0112】
[実施例4]銀含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
実施例1と同様にしてシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液を製造し、このシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液867gを、錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、銀微粒子水分散液(商品名:シルバーコロイド溶液、(株)ジョーゼン製、銀濃度:0.0075質量%、平均粒径:10nm)600g(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、銀が0.01質量部となる量)、水1,418g及び28質量%アンモニア水57gを添加した。このときの液のpHは、11.5であった。5〜10℃に温調した後、メチルトリメトキシシラン57g及びγ−アミノプロピルトリメトキシシラン1gの混合溶解物(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のポリオルガノシルセスキオキサンが6.4質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間撹拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を完結させた。
【0113】
加水分解・縮合反応させた液を、加圧ろ過器を用いてろ紙(商品名:定量ろ紙No.5C、アドバンテック東洋(株)製、保留粒子径:1μm)でろ過脱水した。脱水物を錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量5リットルのガラスフラスコに移し、水3,000gを添加し、30分間撹拌を行った後、加圧ろ過器を用いてろ過脱水した。脱水物を再度、同様の操作で洗浄・脱水した。脱水物を熱風流動乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、流動性のある粒子を得た。
【0114】
粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子表面が約100nmの粒状形状物で被覆された球状粒子であり、シリコーンエラストマー球状微粒子をポリオルガノシルセスキオキサンで被覆した粒子となっていることが確認された。前記の脱水操作で、そのろ液は無色透明であったことから、ろ液中に銀微粒子は存在せず、銀微粒子がポリオルガノシルセスキオキサン中に含有していると示唆された。粒子を界面活性剤を用いて水に分散させて、体積平均粒径を粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、5μmであった。
【0115】
[比較例1]シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
実施例1と同様にしてシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液を製造し、このシリコーンエラストマー球状粒子の水分散液867gを、錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水2,017g及び28質量%アンモニア水57gを添加した。このときの液のpHは、11.2であった。5〜10℃に温調した後、メチルトリメトキシシラン59g(シリコーンエラストマー球状微粒子100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のポリオルガノシルセスキオキサンが6.5質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間撹拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間撹拌を行い、メチルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を完結させた。
【0116】
加水分解・縮合反応させた液を、加圧ろ過器を用いてろ紙(商品名:定量ろ紙No.5C、アドバンテック東洋(株)製、保留粒子径:1μm)でろ過脱水した。脱水物を錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量5リットルのガラスフラスコに移し、水3,000gを添加し、30分間撹拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を再度、同様の操作で洗浄・脱水した。脱水物を熱風流動乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕し、流動性のある粒子を得た。
【0117】
粒子を電子顕微鏡で観察したところ、粒子表面が約100nmの粒状形状物で被覆された球状粒子であり、シリコーンエラストマー球状微粒子をポリオルガノシルセスキオキサンで被覆した粒子となっていることが確認された。粒子を界面活性剤を用いて水に分散させて、体積平均粒径を粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定したところ、5μmであった。
【0118】
[実施例5、比較例2,3]サンケアミルク
上記実施例1及び比較例1で得られた粒子を用い、表1に示す配合組成質量%により、下記調製方法で、サンケアミルクを調製した。得られたサンケアミルクについて、以下の評価を行った。
【0119】
【表1】

(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン;KSG−210(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ジメチルポリシロキサン;KSG−15(信越化学工業(株)製)
(注3)ポリエーテル変性分岐状シリコーン;KF−6028(信越化学工業(株)製)
(注4)微粒子酸化チタンシリコーン分散物;SPD−T5(信越化学工業(株)製)
(注5)微粒子酸化亜鉛シリコーン分散物;SPD−Z5(信越化学工業(株)製)
【0120】
<サンケアミルクの調製方法>
成分(1)〜(8)をビーカー中、撹拌・混合した。これに別途溶解させた成分(11)〜(14)を添加して、さらに撹拌・混合を続け、乳化ベースを調製した。これに成分(9)と(10)の混合物を添加し、撹拌・混合してサンケアミルを得た。
【0121】
<紫外線遮蔽効果評価>
得られたサンケアミルクの紫外線遮蔽効果について評価した。SPFは、被験者数2名で試験を実施した以外、日本化粧品工業会:JCIA合意の国際SPF測定法基準に準拠した。また、PAは、被験者数2名で試験を実施した以外、日本化粧品工業連合(JCIA)法により評価した。結果を表2に示す。
【0122】
【表2】

【0123】
<使用性評価>
得られたサンケアミルクについて、紫外線遮蔽効果を測定した。また、20名の女性の専門パネラーにより、化粧料試験品塗布時の、「のび(伸展性)」、「つき(付着性・均質性)」、「さらさら感」、「柔らかさ」について、表3に示される評価点に従って評価し、得られた平均点に基づき、下記評価基準に従って、結果を表4に示す。
【0124】
【表3】

【0125】
[評価基準]
◎ :平均点が4.5点以上
○ :平均点が3.5点以上4.5点未満
△ :平均点が2.5点以上3.5点未満
× :平均点が1.5点以上2.5点未満
××:平均点が1.5点未満
【0126】
【表4】

【0127】
表2の結果からすれば、比較例2は比較例3に比べ紫外線遮蔽効果が劣り、表3の結果からすれば、比較例2は比較例3に比べ使用性が優れている。シリコーン複合粒子の配合により使用性が向上するものの、紫外線遮蔽効果が劣ってしまうという結果であった。これに対して、本発明のシリコーン複合体を配合した実施例5は、紫外線防止化粧料の紫外線遮蔽効果を低下させることなく、シリコーン複合粒子特有の上記使用感を付与し、使用感を改善できることが明らかになった。同様に、実施例4の銀含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子をスプレータイプの制汗剤に5.0質量%配合したところ、殺菌効果とシリコーン複合粒子特有の上記使用感を付与することができた。
【0128】
以下、実施例で得られた粒子を用いて、下記化粧料を常法に基づいて調製した。
【0129】
[実施例6]パウダーファンデーション
組成 質量%
1.流動パラフィン 2.0
2.スクワラン 2.0
3.ジメチルポリシロキサン(20mm2/s(25℃)) 3.0
4.ポリエチレン 1.5
5.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理マイカ 40.0
6.硫酸バリウム 10.0
7.金属石鹸処理酸化チタン 9.0
8.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
3.0
9.実施例3の酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
3.0
10.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理タルク 26.5
11.トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン処理
酸化鉄顔料 適量
合計 100.0
(注1)トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン:KF−9909(信越化学工業(株)製)
【0130】
(製造方法)
A:成分4〜11をヘンシェルミキサーに投入し、撹拌・混合した。
B:成分1〜3を加熱溶解し、これをAに添加して、撹拌・混合した。
C:得られた混合物をハンマーミルにて粉砕し、所定のアルミパンにプレス成型してパウダーファンデーションを得た。
以上のようにして得られたパウダーファンデーションは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、化粧持ちも非常によいことが確認された。
【0131】
[実施例7]水中油型クリーム
(成分) 質量(%)
1.架橋型ジメチルポリシロキサン(注1) 10.0
2.トリオクタン酸グリセリル 5.0
3.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
1.0
4.ジプロピレングリコール 7.0
5.グリセリン 5.0
6.メチルセルロース(2質量%水溶液)(注2) 7.0
7.ポリアクリルアミド系乳化剤(注3) 2.0
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
10.精製水 残量
合計 100.0
(注1)架橋型ジメチルポリシロキサン;KSG−16(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルセルロース;メトローズSM−4000(信越化学工業(株)製)
(注3):ポリアクリルアミド系乳化剤;セピゲル305(SEPIC製)
【0132】
(製造方法)
A:成分4〜10を混合した。
B:成分1〜3を混合し、これをAに加えて撹拌乳化した。
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0133】
[実施例8]油中水型クリーム
組成 質量%
1.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 6.0
2.メチルフェニルポリシロキサン 4.0
3.スクワラン 5.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
6.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
2.0
7.グリセリン 10.0
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
10.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6012(信越化学工業(株)製)
【0134】
(製造方法)
A:成分1〜5を混合し、成分6を添加して均一に混合した。
B:成分7,8及び10を混合溶解した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化した後、成分9を添加してクリームを得た。
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0135】
[実施例9]油中水型クリーム
組成 質量%
1.アルキル変性架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注1) 6.0
2.流動パラフィン 13.5
3.マカデミアナッツ油 5.0
4.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 0.5
5.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注3) 3.0
6.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
2.0
7.クエン酸ナトリウム 0.2
8.プロピレングリコール 8.0
9.グリセリン 3.0
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
12.精製水 残量
合計 100.0
(注1)アルキル変性架橋型ポリエーテル変性シリコーン;KSG−310(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注3)ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−100(信越化学工業(株)製)
【0136】
(製造方法)
A:成分1〜6を混合した。
B:成分7〜12を混合溶解し、Aに加えて撹拌乳化した。
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0137】
[実施例10]油中水型クリーム
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.5
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 4.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 5.0
4.POE(5)オクチルドデシルエーテル 1.0
5.モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)
0.5
6.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
5.0
7.流動パラフィン 2.0
8.マカデミアンナッツ油 1.0
9.オウゴンエキス(注2) 1.0
10.ゲンチアナエキス(注3) 0.5
11.エタノール 5.0
12.1,3−ブチレングリコール 2.0
13.防腐剤 適量
14.香料 適量
15.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)オウゴンエキス;50% 1,3−ブチレングリコール水で抽出したもの
(注3)ゲンチアナエキス;20% エタノール水で抽出したもの
【0138】
(製造方法)
A:成分1〜8を混合し、均一に混合分散した。
B:成分9〜13及び15を混合した後、Bを加えて乳化した。
C:Bに成分14を加えてクリームを得た。
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、べたつきがないだけでなく、のび広がりが軽い上、密着感に優れ、化粧持ちも非常に優れていた。また、温度変化や経時によって変化することがなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0139】
[実施例11]アイライナー
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 39.0
2.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
3.有機シリコーン樹脂(注2) 15.0
4.ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト
3.0
5.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理黒酸化鉄 8.0
6.実施例2の酸化鉄含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
2.0
7.1,3−ブチレングリコール 5.0
8.デヒドロ酢酸ナトリウム 適量
9.防腐剤 適量
10.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)有機シリコーン樹脂;KF−7312J(信越化学工業(株)製)
【0140】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5及び6を加えて均一に混合分散した。
B:成分7〜10を混合した。
C:BをAに徐添して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとし、さらにべたつきがない使用感であった。また、温度変化や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れており、耐水性、耐汗性に優れることはもとより、化粧持ちも非常によいことが確認された。
【0141】
[実施例12]ファンデーション
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 45.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 15.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.5
4.オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩変性モンモリロナイト
1.5
5.実施例3の酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
4.5
6.トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシル
ジメチコン(注2)処理酸化鉄 2.5
7.トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシル
ジメチコン(注2)処理酸化チタン 7.5
8.ジプロピレングリコール 5.0
9.パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.3
10.香料 適量
11.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン:KF−9909(信越化学工業(株)製)
【0142】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜7を添加して均一にした。
B:成分8〜9及び11を溶解した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化した後、成分10を添加してファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、キメが細かい上、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、化粧持ちもよく、温度変化や経時による変化がなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0143】
[実施例13]アイシャドウ
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 10.0
3.ポリエーテル変性分岐状シリコーン(注1) 2.0
4.PEG(10)ラウリルエ−テル 0.5
5.実施例2の酸化鉄含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
6.0
6.メチルハイドレジェンポリシロキサン処理無機着色顔料 適量
7.塩化ナトリウム 2.0
8.プロピレングリコール 8.0
9.防腐剤 適量
10.香料 適量
11.精製水 残量
合計 100.0
(注1) ポリエーテル変性分岐状シリコーン;KF−6028(信越化学工業(株)製)
【0144】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5,6を添加して均一に分散した。
B:成分7〜9及び11を均一溶解した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化し、成分10を添加してアイシャドウを得た。
以上のようにして得られたアイシャドウは、のび広がりが軽い上油っぽさや粉っぽさがない使用感のものであった。また、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちもよく、化粧崩れしにくい上、温度変化や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0145】
[実施例14]口紅
組成 質量%
1.キャンデリラワックス 8.0
2.ポリエチレンワックス 8.0
3.長鎖アルキル含有アクリルシリコーン樹脂(注1) 12.0
4.メチルフェニルポリシロキサン(注2) 3.0
5.イソノナン酸イソトリデシル 20.0
6.イソステアリン酸グリセリル 16.0
7.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 28.5
8.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
1.5
9.有機顔料 適量
10.香料 適量
合計 100.0
(注1)長鎖アルキル含有アクリルシリコーン樹脂;KP−561P(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルフェニルポリシロキサン;KF−54(信越化学工業(株)製)
【0146】
(製造方法)
A:成分1〜6及び7の一部を加熱混合、溶解した。
B:成分8,9及び7の残部を均一混合し、Aに加えて均一にした。
C:Bに成分10を添加して口紅を得た。
以上のようにして得られた口紅は、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがない上、耐水性や撥水性が良好で持ちもよく、安定性にも優れているものであった。
【0147】
[実施例15]アイライナー
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 6.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 5.0
3.ホホバ油 2.0
4.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.0
5.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 1.0
6.アクリルシリコーン樹脂(注3) 15.0
7.実施例2の酸化鉄含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
2.0
8.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理黒酸化鉄 18.0
9.エタノール 5.0
10.防腐剤 適量
11.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注3)アクリルシリコーン樹脂;KP−545(信越化学工業(株)製)
【0148】
(製造方法)
A:成分1〜6を撹拌混合し、これに成分7,8を加えて均一に分散した。
B:成分9〜11を撹拌溶解した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがない上、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちもよく、化粧崩れしにくいものであった。また、温度変化や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0149】
[実施例16]液状乳化ファンデーション
組成 質量%
1.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 4.5
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
3.スクワラン 4.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5.ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド 2.0
6.α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 1.0
7.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.0
8.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 0.5
9.ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
10.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
4.0
11.実施例3の酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
3.0
12.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化鉄顔料 適量
13.グリセリン 3.0
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
16.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2) アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
【0150】
(製造方法)
A:成分1〜9を加熱混合し、成分10〜12を添加して均一にした。
B:成分13,14及び16を加熱溶解した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分15を添加し液状乳化ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた液状乳化ファンデーションは、粘度が低くキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、肌の形態補正効果も有り、化粧持ちがよい上、温度変化や経時による変化がなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0151】
[実施例17]液状ファンデーション
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 16.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 8.0
3.パラメトキシケイ皮酸オクチル 3.0
4.12−ヒドロキシステアリン酸 1.0
5.フッ素変性シリコーン(注1) 15.0
6.フッ素アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 5.0
7.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注3) 1.0
8.実施例1の酸化チタン含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
3.0
9.実施例3の酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
3.0
10.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化鉄顔料 適量
11.エタノール 15.0
12.グリセリン 3.0
13.硫酸マグネシウム 1.0
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
16.精製水 残量
合計 100.0
(注1)フッ素変性シリコーン;FL−50(信越化学工業(株)製)
(注2)フッ素アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;FPD−4694(信越化学工業(株)製)
(注3)球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体;KMP−590(信越化学工業(株)製)
【0152】
(製造方法)
A:成分7〜10を均一に混合した。
B:成分1〜6を70℃に加熱混合し、Aを加えて均一に分散混合した。
C:成分11〜14及び16を40℃に加温、Bに徐添して乳化し、冷却して成分15を加え、液状ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた液状ファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上、温度変化や経時による変化がなく、安定性の非常に優れたものであることが確認された。
【0153】
[実施例18]アイライナー
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 22.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 5.0
3.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理黒酸化鉄 20.0
4.実施例2の酸化鉄含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
1.0
5.有機シリコーン樹脂(注1) 10.0
6.ビタミンEアセテート 0.2
7.ホホバ油 2.0
8.ベントナイト 3.0
9.ポリエーテル変性シリコーン(注2) 2.0
10.エタノール 3.0
11.1,3−ブチレングリコール 5.0
12.防腐剤 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1)有機シリコーン樹脂;;KF−7312J(信越化学工業(株)製)
(注2)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
【0154】
(製造方法)
A:成分1〜2、5〜9を混合し、成分3,4を加えて均一に混合分散した。
B:成分10〜13を混合した。
C:BをAに徐添して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすい上清涼感があってさっぱりとし、べたつかずない使用感で、耐水性、耐汗性にも共に優れ、化粧持ちも非常によいことが確認された。また、温度変化や経時によって変化することもなかった。
【0155】
[実施例19]ファンデーション
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 27.0
2.メチルフェニルポリシロキサン 3.0
3.トリオクタン酸グリセリル 10.0
4.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 4.0
5.モノイソステアリン酸ポリグリセリル 3.0
6.実施例3の酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
4.0
7.ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン 6.0
8.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化鉄顔料 適量
9.1,3−ブチレングリコール 7.0
10.塩化ナトリウム 0.5
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
【0156】
(製造方法)
A:成分1〜5を混合溶解し、成分6〜8を均一に分散した。
B:成分9〜11及び13を混合した後、Aに加えて乳化した。
C:Bに成分12を加えてファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上密着感に優れ、化粧持ちも非常に優れていることが確認できた。また、温度変化や経時によって変化することがなく、安定性にも優れていることがわかった。
【0157】
[実施例20]油中水型タイプ制汗剤
組成 質量%
1.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注1) 7.0
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
3.トリオクタン酸グリセリル 7.0
4.ジプロピレングリコール 5.0
5.クエン酸ナトリウム 0.2
6.アルミニウム・ジルコニウムテトラクロロハイドレイト 18.0
7.実施例4の銀含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
5.0
8.フェニル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体(注2) 2.0
9.香料 適量
10.精製水 45.8
合計 100.0
(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン;KSG−210(信越化学工業(株)製)
(注2)フェニル変性ハイブリッドシリコーン複合粉体;KSP−300(信越化学工業(株)製)
【0158】
(製造方法)
A:成分1〜3を混合した。
B:成分4〜10を混合した。
C:BをAに加えて混合乳化した。
以上のようにして得られた油中水型タイプの制汗剤は、のびが軽く、べたつきや油感がなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れるものであった。
【0159】
[実施例21]ロールオンタイプ制汗剤
組成 質量%
1.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注1) 20.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 10.0
3.架橋型ジメチルポリシロキサン(注2) 15.0
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
5.アルミニウム・ジルコニウムテトラクロロハイドレイト 20.0
6.実施例4の銀含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
5.0
7.香料 適量
合計 100.0
(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーン;KSG−210(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ジメチルポリシロキサン;KSG−15(信越化学工業(株)製)
【0160】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合した。
B:Aに成分5〜7を加え、均一に分散した。
以上のようにして得られたロールオンタイプの制汗剤は、のびが軽く、べたつきや油感がなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているものであった。
【0161】
[実施例22]日焼け止め乳液
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
2.メチルフェニルポリシロキサン 3.0
3.モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
4.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 0.5
5.トリメチルシロキシケイ酸(注2) 1.0
6.パラメトキシケイ皮酸オクチル 4.0
7.実施例3の酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
2.0
8.ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 6.0
9.ソルビトール 2.0
10.塩化ナトリウム 2.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6015(信越化学工業(株)製)
(注2)トリメチルシロキシケイ酸;X−21−5250(信越化学工業(株)製)
【0162】
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱混合し、成分7,8を均一分散した。
B:成分9〜11及び13を加熱混合した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分12を添加し日焼け止め乳液を得た。
以上のようにして得られた日焼け止め乳液は、キメが細かく、のび広がりが軽く、べたつきがなかった。さらに、化粧持ちがよいため紫外線防止効果も持続する上、温度変化や経時による変化がなく非常に安定性にも優れていることが確認された。
【0163】
[実施例23]サンカットクリーム
組成 質量%
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 17.5
2.アクリルシリコーン樹脂(注1) 12.0
3.トリオクタン酸グリセリル 5.0
4.パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
5.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注2) 5.0
6.アルキル・シリコーン/ポリエーテル共変性シリコーン(注3)
2.5
7.実施例3の酸化亜鉛含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
2.0
8.ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 15.0
9.塩化ナトリウム 0.5
10.1,3−ブチレングリコール 2.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1)アクリルシリコーン樹脂;KP−545(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ポリエーテル変性シリコーン;KSG−210(信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
【0164】
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし、成分8を添加してビーズミルで分散した。
B:成分1の残部及び3〜7を混合して均一にした。
C:成分9〜11及び13を混合、溶解した。
D:BにCを加えて乳化し、Aを分散させ、さらに、成分12を添加してサンカットクリームを得た。
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上密着感に優れ、肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に優れていた。また、温度変化や経時に対しても非常に安定であることが確認された。
【0165】
[実施例24]ネイルエナメル
組成 質量%
1.アクリルシリコーン樹脂(注1) 45.0
2.メチルトリメチコン(注2) 5.0
3.ニトロセルロース 3.0
4.カンファ 0.5
5.クエン酸アセチルトリブチル 1.0
6.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
7.酢酸ブチル 30.0
8.酢酸エチル 10.0
9.イソプロピルアルコール 5.0
10.実施例2の酸化鉄含有シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー複合粒子
適量
合計 100.0
(注1)アクリルシリコーン樹脂;KP−549(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルトリメチコン;TMF−1.5(信越化学工業(株)製)
【0166】
(製造方法)
A:成分7〜9を混合し、これに成分4〜6を添加して均一に混合する。
B:Aに成分1〜3を添加して混合する。
C:Bに成分10を添加混合して、ネイルエナメルを得た。
以上のようにして得られたネイルエナメルは、のび広がりが軽く、視覚的に滑らかさを与え、耐水性、耐油性があり持ちもよく、さらに、爪への圧迫感や爪の黄変や温度や経時による化粧膜の変化もなく安定性にも非常に優れていることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が100nm以下の無機微粒子を含むことを特徴とするシリコーン複合粒子。
【請求項2】
上記無機微粒子が、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛及び銀から選ばれる無機微粒子である請求項1記載のシリコーン複合粒子。
【請求項3】
シリコーンエラストマー球状粒子及び無機微粒子が分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることにより、シリコーンエラストマー球状粒子の表面を無機微粒子含有のシリコーンレジンで被覆してなる請求項1又は2記載のシリコーン複合粒子。
【請求項4】
上記無機微粒子が、酸化チタン、酸化鉄及び酸化亜鉛から選ばれる無機微粒子であり、紫外線防止化粧料配合用であることを特徴とする請求項2又は3記載のシリコーン複合粒子。
【請求項5】
上記無機微粒子が銀であり、デオドラント化粧料配合用であることを特徴とする請求項2又は3記載のシリコーン複合粒子。
【請求項6】
シリコーンエラストマー球状粒子及び無機微粒子が分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることを特徴とする、シリコーンエラストマー球状粒子の表面を無機微粒子含有のシリコーンレジンで被覆してなる、請求項1記載のシリコーン複合粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1、2又は3記載のシリコーン複合粒子を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項8】
体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が100nm以下の酸化チタン、酸化鉄及び酸化亜鉛から選ばれる無機微粒子を含むシリコーン複合粒子を配合してなる紫外線防止化粧料。
【請求項9】
体積平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンエラストマー球状粒子100質量部にオルガノシルセスキオキサン単位を主成分とするシリコーンレジン0.5〜25質量部を被覆してなり、上記シリコーンレジン中に体積平均粒径が100nm以下の銀からなる無機微粒子を含むシリコーン複合粒子を配合してなるデオドラント化粧料。

【公開番号】特開2011−102354(P2011−102354A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257867(P2009−257867)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】