説明

シルクステントグラフト

腔内ステントおよびグラフトを含むシルク含有ステントグラフトが提供され、ここでシルクは、ステントグラフトの血管壁へのインビボ接着を誘導するか、さもなければ、インビボ線維形成反応を誘導または促進し、該ステントグラフトを血管壁に接着させる。このようなステントグラフトの製造法および使用法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、概して薬学的組成物、方法および装置に関し、より詳細にはステントグラフトに関し、特にシルクを含むステントグラフトならびにそのようなステントグラフトの製造法および使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ステントグラフトは、開放通路を維持するのみではなく、健康な血管から健康な血管へと罹患した血管を超えて架橋するために使用される。ステントグラフトの一般的適用は、腹部大動脈瘤(AAA)のバイパスである。簡単に述べると、ステントグラフトは、大腿動脈または腸骨動脈から、ガイドワイヤ上に挿入され、動脈瘤内に留置され、動脈瘤の上側の許容される(通常正常な)管腔直径の大動脈から、動脈瘤の下側の許容される(通常正常な)管腔直径の大動脈または腸骨動脈の部分への血流の維持を生じる。これにより血流は、動脈瘤嚢に進入することが排除される。従ってこの排除された嚢の血栓および動脈瘤内の血液は、その中で流れず、恐らく圧力を低下し、結果的にこれを破壊する傾向がある。
【0003】
現在利用可能なステントグラフトは、概して有用ではあるが、多くの欠点がある。例えば現在のステントグラフトは、ステントグラフト領域の周囲の漏出を持続する傾向がある。ここで動脈瘤嚢内の圧力は、動脈圧またはその近傍に維持され、嚢が破裂するリスクが依然存在する。グラフト周囲の漏出には3つの型がある。第一の型は、ステントグラフトの周囲への直接漏出である。これは、ステントグラフトと血管壁の間の封鎖不良のために、挿入時から続くか、または封鎖が喪失されるために遅れて発生することがある。加えて、この問題点は、処置後の経時的な動脈瘤の成長、縮小、伸長または短縮のため、動脈瘤に対するステントグラフトの位置および方向の変化のために生じ得る。第二の型のグラフト周囲漏出は、血管の処置したセグメントから伸びている側枝動脈が存在するために生じ得る。一旦この装置が動脈瘤を排除したならば、流れはこれらの血管内を逆行し、ステントグラフトの周りの動脈瘤嚢を充満し続ける。第三の型のグラフト周囲漏出は、装置(モジュラー式装置の場合)の離断のため、またはグラフト材料内の孔の発達のために引き起こされることがある。血管の連続拍動により、グラフト材料に金属製ステントの歯(tyne)に対する摩擦が生じ、これは穴の形成につながり、最終的にはグラフトの不具合を引き起こす。加えてこの装置の分解は、処置後に経時的に動脈瘤が成長、縮小、伸長または短縮するにつれ形状が変化するために発生し得る。
【0004】
ステントグラフトはまた、選択された動脈瘤患者についてのみにそれらの適用が制限されている。例えば、血管内ステントは、著しい罹患率、死亡率、長期入院、長い回復期間を伴う大手術である標準療法を回避することができるので、これらはAAAの治療において有利である。しかし、(a)装置の挿入を妨げるような意図された留置部位への血管を介した適切なアクセス経路が存在しないために、および(b)患者の解剖学的構造のために、血管内手技は、ある種のAAA患者にのみ適用可能である。
【0005】
動脈瘤を効率的に排除するために、グラフト材料は、ある程度の強度および耐久性があることが必要であり、そうでないとこれは裂ける。典型的には、これらの特性を実現するために、通常の「手術用」厚のポリエステル(例として、例えば商標DACRON(E. I. DuPont De Nemours and Company, Wilmington, DE)で販売されているポリエステル、またはポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE))グラフト材料を使用することができる。このレベルの厚さは、材料に適当な強度を伝達するために必要である。この材料厚は結果として典型的には24〜27フレンチ(直径8〜9mm)および時には最高32フレンチの送達装置の必要を生じる。これは、通常総大腿動脈である挿入部位の外科的露出が必要であり、ならびにより大きい送達装置は、腸骨動脈を介して意図された送達部位への操作がより困難であるので、この技術の適用を制限する。例えより薄いグラフト材料が使用される「薄型(low profile)」の装置が十分なサイズであっても、装置が挿入される血管の外科的露出が必要である。腸骨動脈または大動脈が非常に屈曲している場合(AAAにおいて頻発する症例のように)、または重度に石灰化および罹患したもの(AAAに頻繁に関連する別のもの)である場合、装置を留置部位に進行することが不可能であるかまたは腸骨動脈破裂の可能性のために、これは、治療に対する禁忌であるか、または企図された治療の不具合の原因であることがある。
【0006】
ステントグラフトは、典型的には、罹患領域の上側の許容される管腔直径の動脈部分から、罹患領域の下側の許容される管腔直径の動脈へと伸びる、罹患した動脈(通常動脈瘤)を架橋するために使用される。長期持続される封鎖を実現するために、罹患領域の上側の許容される管腔直径の動脈部分(「近位首」)は、そこから派生する太い分岐血管を伴わず、少なくとも長さ1.5cmでなければならない。罹患領域の下側の許容される管腔直径の動脈(「遠位首」)は、そこから派生する長さ1cmの太い分岐血管を伴わず、少なくとも長さ1.0cmでなければならない。罹患したセグメントのいずれかの末端のより短い「首」、円筒形よりもむしろ斜めの首、または動脈瘤よりもより小さいがその位置の血管の正常な直径と比べ依然拡張された首は、ステントグラフトの周囲の封鎖の不具合または遅れたグラフト周囲の漏出が生じやすい。さらにこのステントグラフトの難点のひとつは、ある種の装置は、経時的に、腹部大動脈内で遠位側へ移動する傾向があることである。このような移動は、装置の不具合、グラフト周囲の漏出および血管閉塞を生じる。
【0007】
本発明は、現存するステントグラフトに関連した問題点を克服するステントグラフトを提供する。
【発明の開示】
【0008】
発明の簡単な概要
簡単に述べると、本発明は、シルク含有ステントグラフト、シルクを用いてステントグラフトを修飾またはコーティングするための組成物、ならびにこれらのグラフトの製造法および使用法を提供する。
【0009】
本発明のひとつの局面において、腔内ステントおよびグラフトを含むステントグラフトが提供され、ここでこのステントグラフトはシルクを含んでいる。シルクは、このステントグラフトを受け取った宿主において、反応を誘導し、この反応は、シルクステントグラフトと、シルクステントグラフトのシルクに隣接した宿主組織の間の増強された接着につながり得る。様々な局面において、シルクは、フィブロインおよび/またはセリシンを含む。シルクは、天然の、未改変のシルクであるか、または化学的に改変されたシルク、例えばアシル化されたシルクであることができる。しかしシルクは、宿主が、ステントグラフトとシルクステントグラフトのシルクに隣接している宿主組織との接着を増加することができる生物学的反応を生じるように誘導するシルクの能力を排除するようには、改変されてはならない。シルクは、様々な供給源から、例えば、カイコもしくはクモから、または組換え供給源に由来することができる。シルクは、様々な手段により、例えばシルクのグラフトへの織り合わせ、またはシルクのグラフトへの接着(例えば、接着剤もしくは縫合による)により、グラフトに付着されてよい。シルクは、スレッド、ブレード、シート、粉末などの形状であってよい。ステントグラフト上のシルクの位置について、ひとつの局面において、シルクは、ステントの外側のみに付着され、および/または別の局面において、シルクは、ステントグラフトの遠位領域を宿主の隣接組織に固定するために、そのような遠位領域に付着している。ひとつの局面において、複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している。シルクは、ステントグラフトのステント部分、および/またはステントグラフトのグラフト部分に付着されてよい。
【0010】
多種多様なステントグラフトを、望ましい治療の部位および性質に応じて、本発明の状況において使用することができる。ステントグラフトは、例えば、二股に分れているかまたは管状のグラフト、円筒形または先細の、自己拡張型またはバルーン拡張型の、単一体またはモジュラー式などであることができる。
【0011】
本発明のステントグラフトは、シルクに加え、シルクの一部または全てのコーティングを含むことができ、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングは、シルクと宿主の接触を遅らせる。適当なコーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル(例えば、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物)、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、多糖(例えば、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、キトサン)、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコール(PVA)を含むが、これらに限定されない。
【0012】
本発明のシルク含有ステントグラフトは、ひとつの局面において、生物活性物質を含み、ここでこの物質は、ステントグラフトから放出され、次にステントグラフトが挿入された宿主において増強された細胞反応(例えば、細胞または細胞外マトリックスの沈着)および/または線維形成反応を誘導する。この物質の例は、ブレオマイシンまたはそれらの類似体もしくは誘導体、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびそれらの酸化物、硝酸銀、銅、シルク、シリカ、結晶シリケート、石英粉塵、および塩化ビニルを含むが、これらに限定されない。高分子物質の例は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、アクリル酸のポリマーおよびコポリマー、塩化ビニルのポリマーを含む。この物質は、接着剤、例えばシアノアクリレート、架橋されたポリ(エチレングリコール)、メチル化されたコラーゲン、およびそれらの誘導体;細胞接着配列を含む、タンパク質、炭水化物またはペプチド;炎症サイトカイン(例えば、TGFβ、PDGF、VEGF、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF、CTGF、ならびにペプチドおよび非ペプチドのアゴニスト、類似体およびそれらの誘導体);細胞外マトリックスの成分(例えば、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜にみられるタンパク質、フィブロシン、またはコラーゲン);ポリリシン、キトサン、またはN-カルボキシブチルキトサン;免疫細胞により生成された因子(例えば、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドのアゴニスト、類似体および誘導体、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、および細胞接着分子;RGD残基配列を含む、天然のおよび合成のペプチド;骨形成因子(BMP)(例えば、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、またはBMP-7);無機および有機の小型陰イオン分子刺激剤;ならびに、細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進することが可能であるDNA配列およびRNA配列であってよい。
【0013】
ひとつの局面において、本発明のステントグラフトはさらに、細胞増殖を刺激する増殖性物質を含む。増殖性物質の代表例は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール(diethylstibesterol)、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体を含む。
【0014】
別の局面において、本発明のステントグラフトは、動脈瘤の拡張を阻害または抑制する生物活性物質、例えばカスパーゼ阻害剤(例えば、VX-799);MMP阻害剤(例えば、バチマスタットまたはマリミスタット(MARIMISTAT));組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP);サイトカイン阻害剤(例えば、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3);MCP-1アンタゴニスト(例えば、ニトロナプロキセン、ビンダリット(Bindarit)、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3);TNFαアンタゴニストまたはTACE阻害剤(例えば、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプト);IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニスト(例えば、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、またはトラネキサム酸);ケモカイン受容体アンタゴニスト(例えば、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120);または、抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメサゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体)をさらに含む。
【0015】
加えて本発明は、シルク含有ステントグラフトを形成する方法を提供する。単に例証するものである、様々な局面において、シルクは、シルクをグラフトに織り合わせることによりステントグラフトに付着されるか、またはシルクは、接着剤によりステントグラフトに付着しているか、またはシルクは、縫合によりステントグラフトへ付着されてよい。ひとつの局面において、シルクは、ステントグラフトの外側のみに付着しているか、および/またはシルクは、ステントグラフトの遠位領域に付着されてよい。ひとつの局面において、シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効な量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の、細胞マトリックス沈着である。関連した局面において、シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において、生物学的反応を誘導するのに有効な量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の、細胞または細胞外マトリックスの沈着である。任意に、シルクの存在は、増強された生物学的反応、すなわちステントグラフト上にシルクが存在しない場合に生じるものよりも、より大きい生物学的反応を誘導する。
【0016】
本発明は、動脈瘤(例えば、腹部大動脈、胸部大動脈、または腸骨大動脈(iliac aortic)の動脈瘤)を有する患者を治療する方法、動脈瘤の破裂のリスクが低下するように、血管の罹患した部分のバイパス術、またはひとつの血管と別のもの(例えば、動脈から静脈またはその逆、または動脈から動脈もしくは静脈から静脈)の間に連絡もしくは通路を作製する方法も提供する。ひとつの態様において、ステントグラフトは、拘束された形で(例えば、バルーンカテーテルにより)患者に送達され、拘束装置が解除された後自己拡張する。これらの方法は、本発明のシルク含有ステントグラフトを利用する。本明細書において利用される「破裂のリスクの低下」または「破裂のリスクの防止」は、数、時期、または破裂率が統計学的に有意に低下することを意味し、あらゆる破裂の永久的予防ではないことが理解されなければならない。同様に、「グラフト周囲漏出のリスクの低下」は、ステントグラフトの有効性および/または有効寿命の統計学的に有意な増強を意味し、グラフト周囲漏出の永久のまたは完全な停止ではない。
【0017】
本発明は、シルク含有ステントグラフトに関連した新規組成物、調製法、および関連装置を提供することにより、現在のステントグラフト技術の欠点に対処する。本発明は、以下に説明されるような他の関連した利点をさらに提供する。
【0018】
これらおよび他の本発明の局面は、以下の詳細な説明および添付図面を参照して明らかになる。加えてより詳細なある種の手法および/または組成物(例えばポリマー)を説明する様々な参考文献が、本明細書において言及されており、これらの参考文献はその全体が本明細書に参照として組入れられている。
【0019】
発明の詳細な説明
定義
本発明の説明をする前に、最初に以下に使用される特定の用語の定義を説明するためにそれらを理解することは有用であろう。
【0020】
「ステントグラフト」は、血管の一部から別の部分への液体(例えば、血液)の流れを維持するグラフトまたはラップ(織物、ポリマー、または生物学的組織のような他の適当な材料で構成された)、ならびに体通路の開放を維持しかつ/またはグラフトもしくはラップを支持する血管内足場またはステント(拡張型および膨張型ステント構造を含む)を含む装置を意味する。グラフトまたはラップは、ステント内に織り込まれるか、ステントの腔内に含まれるか、および/またはステントの外側に配置されるかであってよい。
【0021】
「線維形成」または「瘢痕化」は、外傷または医療介入に反応した線維組織の形成を意味する。線維形成または瘢痕化を促進する治療的物質(本明細書において線維形成物質または線維形成誘導物質とも称される)は、下記を含む1つまたは複数の機構を介して作用することができる:血管新生の誘導または促進、結合組織細胞(例えば線維芽細胞、および/もしくは平滑筋細胞)の移動または増殖の刺激、ECM(細胞外マトリックス)生成の誘導、ならびに/または組織リモデリングの促進。加えて、本発明において説明された多くの治療的物質は、組織再生(損傷した細胞の同じ型の細胞による置き換え)も促進するさらなる恩典を有する。
【0022】
シルクは、線維性のタンパク質を意味し、多くの供給源、典型的にはクモおよびカイコから得られる。代表的シルクは、フィブロインと称される実際の線維を約75%、およびフィラメントを互いに保持するゴム状タンパク質であるセリシンを約25%含む。シルクフィラメントは一般に、非常に細く、長く300〜900mと非常に長い。商業的絹製造業において使用される飼育されたカイコにはいくつかの種類があるが、Bombyx moriが最も一般的であり、ほとんどのシルクはこの供給源に由来している。他の適当なカイコは、Philosamia cynthia ricini、Antheraea yamamai、Antheraea pernyi、およびAntheraea mylittaを含む。シルクは加工され、生糸または繭綿を製造することができる。これらの加工の一部は、シルクの脱ゴムに関連している。様々な種類のシルクを製造する工程は、セリシンの一部または全てを除去する工程を含むことができる。しかしクモシルクは、経済的価格でクモシルクを得るための手段として期待できる組換え技術を得ることがかなり困難である(例えば、U.S. Patent Nos. 6,268,169;5,994,099;5,989,894;および5,728,810参照、これらは単なる例証である)。バイオテクノロジーは、研究者が、動物(例えばヤギ)および植物(例えばジャガイモ)を含む、シルク製造の他の供給源を開発することを可能にした。これらの供給源のいずれかに由来するシルクを、本発明において使用することができるが、しかし本発明のひとつの局面において、シルクは、例えばU.S. Patent application No. 2001/0053931 A1に開示されたような、クモ-由来のシルクまたは遺伝子操作されたクモシルクだけではない。本発明のひとつの局面において、シルクは、Nephila clavipes由来のクモシルク、またはそれらの遺伝子操作されたコピーもしくは変種のような、生物学的または遺伝子操作されたクモシルクまたはそれらの誘導体だけではない。別の本発明の局面において、ステントグラフトは、いずれのクモシルクも含まない。別の局面において、本発明のステントグラフトに存在する50%未満のシルクは、生物学的にまたは遺伝子操作されたクモシルクもしくはそれらの誘導体である。
【0023】
生糸は、典型的には織りまたは編みのための十分な強度のあるストランドに撚られれいる。緒撚糸(organzine)、駒撚糸(crepe)、片撚糸(tram)および壁撚糸(thrown single)の4種の異なるシルクスレッドが、この手法により製造される。緒撚糸は、生糸が一方向に予備的に撚られ、その後これらのスレッドの2本が互いに反対方向に撚られることにより製造されたスレッドである。駒撚糸は、緒撚糸に類似しているが、より強度に撚られる。2本またはそれ以上の生糸スレッドの一方向のみの撚りは、片撚糸を形成する。壁撚糸は、一方向のみに撚られた個別の生糸スレッドである。これらの種類のシルクスレッドのいずれかを、本発明において使用してよい。
【0024】
このシルクは、スレッド、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、ブレード、粉末、さらにはシルクタンパク質のオリゴマーの形で使用することができる。
【0025】
生糸に加え、手術縫合の用途に使用される市販のシルク縫合糸も、本発明において使用することができる。このような市販のシルク縫合糸の例は、Ethicon Inc.(Somerville, NJ)、USSC/David&Geck/Tyco(Norwalk, CT)およびSuru International(India)により販売されているものを含むが、これらに限定されない。
【0026】
シルクスレッド、繊維および糸に加え、他の形のシルクを使用することができる。市販のシルクタンパク質は、Croda, Inc.(Parsippany, NJ)から入手され、商標CROSILK LIQUID(シルクアミノ酸)、CROSILK 10,000(加水分解したシルク)、CROSILK POWDER(粉末化したシルク)、およびCROSILKQUAT(ココジアンモニウム(cocodiammonium)ヒドロキシプロピルシルクアミノ酸)で販売されている。別の市販のシルクタンパク質の例は、オランダのPentapharm社Kordia, BV事業部から入手可能な、SERICINである。このようなシルクタンパク質混合物の更なる詳細は、Sorencoに譲渡された、KimらのU.S. Patent No. 4,906,460に認めることができる。本発明において有用なシルクは、天然のシルク(生糸)、加水分解されたシルク、および改変されたシルク、すなわち化学処理、機械処理もしくは蒸気処理を受けた、例えば酸処理またはアシル化を受けたシルクを含む(例えばU.S. Patent No. 5,747,015参照)。しかし前述のように、本発明のひとつの局面において、シルクは、クモ-由来のシルクまたは遺伝子操作されたクモシルクではない。さらに任意の局面においては、本発明のステントグラフトは、クモシルクよりもより多くの組織炎症反応を誘導するシルクを含んでいる。さらに別の任意の態様において、本発明のステントグラフト中に存在するシルクは、組織炎症反応を促進する。
【0027】
本発明において使用されるシルクは、シルクが、ステントグラフトと(例えば物理的、機械的、化学的またはコーティングにより)連結されることを可能にするいずれか適当な形であってよく、例えばこのシルクは、スレッドまたは粉末ベースの形であってよい。一般にシルクは、患者への挿入後には、ステントグラフトから放出されないが、ある種の適用においては、シルクがステントグラフトから放出されることが望ましいことがある。
【0028】
さらにシルクは、あらゆる分子量を有することができる。この分子量は、天然にみられるものから、典型的には天然のシルクの加水分解により得ることができる分子量までの範囲であることができ、ここで加水分解条件の程度および厳しさは、生成物の分子量を決定する。例えばシルクパウダーは、分子量約100,000〜300,000Daを有することができるが、可溶性シルクは、(数または質量)平均分子量200〜5,000を有する。例えば、シルクを加水分解するために使用することができる条件の説明については、(日本国特許公開において審査された)JP-B-59-29199を参照のこと。
【0029】
シルクの考察は、下記の文献において認めることができるが、これらは単なる例である:Hinman, M. B., et al. 「Synthetic spider silk: a modular fibre」, Trends in Biotechnology, 18(9)374-379(2000);Vollrath, F.およびKnight, D. P. 「Liquid crystalline spinning of spider silk」, Nature, 410(6828)541-548(2001);ならびに、Hayashi, C. Y., et al., 「Hypotheses that correlate the sequence, structure, and mechanical properties of spider silk proteins」, Int. J. Biol. Macromolecules, 24(2-3)265-270(1999);およびU.S. Patent No. 6,427,933。
【0030】
本発明において利用されるシルクは、ステントグラフトを受け取っている宿主により生物学的反応を引き起こすまたは誘導することが意図されている。ひとつの局面において、シルクは、線維形成反応を誘導し、その結果ステントグラフトの近傍に瘢痕化が生じるために使用される。この点で、シルクは非生分解性である。
【0031】
前述のように、本発明は、シルク含有ステントグラフトの組成物、方法および装置を提供し、ここで本発明のシルクは、ステントグラフトの成功および適用を大きく増大する。シルク含有ステントグラフトの構築、組成物、および血管壁に接着するシルク含有ステントグラフトの製造法、そのようなステントグラフトの使用法が、以下により詳細に説明される。
【0032】
ステントグラフト
前述のように、ステントグラフトは、血管のひとつの部分から別の部分への、またはひとつの血管から別の血管への液体(例えば血液)の流れを維持するグラフトまたはラップ、ならびに体の通路の開放を維持しかつ/またはグラフトもしくはラップを支持する足場またはステントを含む装置である。ある代表的ステントグラフトは、図1および2に図示されている。
【0033】
このステントのグラフト部分は、織物、ポリマー、または生物学的組織のような他の適当な材料で構成することができる。適当なグラフト材料の代表例は、ポリマー繊維から製造された織物(例えば織りおよび非織りの材料を含む)を含む。織物において使用するためのポリマー繊維は、例えば、ナイロン、アクリロニトリルポリマーおよびコポリマー(例えば商標ORLON(E. I. DuPont De Nemours and Company, Wilmington, DE)で入手可能)、ポリエステル(例えば商標DACRON(E. I. DuPont De Nemours and Company)で入手可能)、およびポリ(テトラフルオロエチレン)(例えば商標TEFLON(E. I. DuPont De Nemours and Company)で入手可能)を含む、様々なポリマーから形成することができる。他の代表的グラフト材料の例は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のような、不織物である。グラフトまたはラップは、ステント内に織り込まれるか、ステント腔内に含まれるか、および/またはステントの外側に配置される。
【0034】
ステントグラフトの代表例、そのようなグラフトの製造法および利用法は、以下の名称の特許により詳細に開示されている:U.S. Patent No. 5,810,870、「Intraluminal Stent Graft」;U.S. Patent No. 5,776,180、「Bifurcated Endoluminal Prosthesis」;U.S. Patent No. 5,755,774、「Bistable Luminal Graft Endoprosthesis」;U.S. Patent No. 5,735,892および5,700,285、「Intraluminal Stent Graft」;U.S. Patent No. 5,723,004、「Expandable Supportive Endoluminal Grafts」;U.S. Patent No. 5,718,973、「Tubular Intraluminal Graft」;U.S. Patent No. 5,716,365、「Bifurcated Endoluminal Prosthesis」;U.S. Patent No. 5,713,917、「Apparatus and Method for Engrafting a Blood Vessel」;U.S. Patent No. 5,693,087、「Method for Repairing an Abdominal Aortic Aneurysm」;U.S. Patent No. 5,683,452、「Method for Repairing an Abdominal Aortic Aneurysm」;U.S. Patent No. 5,683,448、「Intraluminal Stent and Graft」;U.S. Patent No. 5,653,747、「Luminal Graft Endoprosthesis and Manufacture Thereof」;U.S. Patent No. 5,643,208、「Balloon Device of Use in Repairing an Abdominal Aortic Aneurysm」;U.S. Patent No. 5,639,278、「Expandable Supportive Bifurcated Endoluminal Grafts」;U.S. Patent No. 5,632,772、「Expandable Supportive Branched Endoluminal Grafts」;U.S. Patent No. 5,628,788、「Self-Expanding Endoluminal Stent-Graft」;U.S. Patent No. 5,591,229、「Aortic Graft for Repairing an Abdominal Aortic Aneurysm」;U.S. Patent No. 5,591,195、「Apparatus and Methods for Engrafting a Blood Vessel」;U.S. Patent No. 5,578,072、「Aortic Graft and Apparatus for Repairing an Abdominal Aortic Aneurysm」;U.S. Patent No. 5,578,071、「Aortic Graft」;U.S. Patent No. 5,571,173、「Graft to Repair a Body Passageway」;U.S. Patent No. 5,571,171、「Method for Repairing an Artery in a Body」;U.S. Patent No. 5,522,880、「Method for Repairing an Abdominal Aortic Aneurysm」;U.S. Patent No. 5,405,377、「Intraluminal Stent」;U.S. Patent No. 5,360,443、「Aortic Graft for Repairing an Abdominal Aortic Aneurysm」;U.S. Patent No. 6,488,701、「Stent-graft assembly with thin-walled graft component and method of manufacture」;U.S. Patent No. 6,482,227、「Stent graft having improved attachment within a body Vessel」;U.S. Patent No. 6,458,152、「Coiled sheet graft for single and bifurcated lumens and methods of making and use」;U.S. Patent No. 6,451,050、「Stent gfraft and method」;U.S. Patent No. 6,395,018、「Endovascular graft and process for bridging a defect in a main vessel near one of more branch vessels」;U.S. Patent No. 6,390,098、「Percutaneous bypass with branching vessel」;U.S. Patent No. 6,361,637、「Method of making a kink resistant stent-graft」;U.S. Patent No. 6,348,066、「Modular endoluminal stent-grafts and methods for their use」;U.S. Patent No. 6,344,054、「Endoluminal prosthesis comprising stent and overlying graft cover, and system and method for deployment thereof」;U.S. Patent No. 6,325,820、「Coiled-sheet stent-graft with exo-skeleton」;U.S. Patent No. 6,322,585、「Coiled-sheet stent-graft with slidable exo-skeleton」;U.S. Patent No. 6,319,278、「Low profile device for the treatment of vascular abnormalities」;U.S. Patent No. 6,296,661、「Self-expanding stent-graft」;U.S. Patent No. 6,245,100、「Method for making a self-expanding stent-graft」;U.S. Patent No. 6,238,432、「Stent graft device for treating abdominal aortic aneurysms」;U.S. Patent No. 6,214,039、「Covered endoluminal stent and method of assembly」;U.S. Patent No. 6,168,610、「Method for endoluminally excluding an aortic aneurysm」;U.S. Patent No. 6,165,213、「System and method for assembling an endoluminal prosthesis」;U.S. Patent No. 6,165,210、「Self-expandable helical intravascular stent and stent-graft」;U.S. Patent No. 6,143,022、「Stent-graft assembly with dual configuration graft component and method of manufacture」;U.S. Patent No. 6,123,722、「Stitched stent grafts and methods for their fabrication」;U.S. Patent No. 6,117,167、「Endoluminal prosthesis and system for joining」;U.S. Patent No. 6,099,559、「Endoluminal support assembly with capped ends」;U.S. Patent No. 6,042,605、「Kink resistant stent-graft」;U.S. Patent No. 6,015,431、「Endolumenal stent-graft with leak-resistant seal」;U.S. Patent No. 5,957,974、「Stent graft with braided polymeric sleeve」;U.S. Patent No. 5,916,264、「Stent graft」;U.S. Patent No. 5,906,641、「Bifurcated stent graft」;U.S. Patent No. 5,891,191、「Cobalt-chromium-molybdenum alloy stent and stent-graft」;U.S. Patent No. 5,824,037、「Modular intraluminal prostheses construction and methods」;U.S. Patent No. 5,824,036、「Stent for intraluminal grafts and device and methods for delivering and assembling same」;U.S. Publication Nos. 2003/0120331;2003/120338;および2003/0125797;U.S. Patent No. 6,334,867、およびPCT公報WO 99/37242。
【0035】
シルクステントグラフト
ひとつの局面において、本発明は、シルクが固定されているステントグラフトを提供する。基本的ステントグラフトは、先に説明されたステントグラフト、または他の類似したステントグラフトのいずれかであることができる。ステントグラフト上に存在するシルクは、ステントグラフトとインビボにおいてステントグラフトと隣接する組織の間の増強された線維形成反応を誘導する。従ってひとつの局面において、シルクは、哺乳類との接触時に炎症反応を誘導するという特徴を有する。別の局面において、シルクは、シルクに接触した動物において細胞および/または細胞外マトリックス沈着反応を誘導するという特徴を有する。すなわち、シルクが存在しない場合、ステントグラフトは、隣接組織とステントグラフトの間に「正常な」接着を生じる一方で、シルクの存在下で、同じステント/グラフトは、例えば、シルクの存在に対する増強されたマトリックス沈着反応により、増強された接着を生じることが可能である。本発明のひとつの局面において、シルクは、増強された線維形成反応を誘導しないシルクを排除する。
【0036】
シルクは、例えば、シート、粉末、スレッド、ブレード、フィラメント、繊維、フィルム、泡などのいずれかの形状または形態である。ある態様において、シルクは、スレッドまたは粉末の形状である。下記の考察は主にスレッドに関するが、同じ原理および内容を、シルクの他の形状および形態に適用することができる。
【0037】
シルク含有スレッドは、典型的には、サイズが1nm〜3mmの範囲であるが、他のサイズを使用することができ、同じく有効である。これらのスレッドは、個々のスレッド(モノフィラメント)、複数のスレッド(マルチフィラメント糸)、ブレード、編みスレッドまたは織りスレッドであることができる。スレッドは、「そのまま」使用するか、またはさらに編んだまたは織った材料へ加工され、その後ステントグラフトに付着される。これらのスレッドは、スレッドから突き出している繊維が存在するように作成することができる。これらの突き出している繊維はさらに、露出した表面積を増加し、これによりステントグラフトが宿主へ挿入された場合の、生物学的反応を増強する。スレッドから突き出ている繊維は、スレッド材料と同じ組成であるか、またはこれらはスレッド材料とは異なる組成で構成することができる。
【0038】
以下により詳細に説明されるように、シルクは、ステントグラフトに多くの方法のいずれかにより固定することができる。適当な方法は、シルクのグラフトへの織り合わせ、シルクのステント構造への織り合わせ;ステント構造の周囲の糸結びまたは縫合によるシルクのステントへの付着;シルクのステントグラフトへの接着剤による付着;およびステントグラフト上にシルクを「縫い合わせる」1つまたは複数の縫合糸の使用を含むが、これらに限定されない。ひとつの局面において、複数の別々のシルクブレードまたはスレッドが、ステントグラフトに付着している。
【0039】
シルクそれ自身は、例えば、カイコまたはクモから得られるような、天然のシルクであってよい。あるいは、シルクは、組換えシルク、または化学的に改変されたシルク(例えば、アシル化されたシルク)であってよい。別の局面において、シルクは、市販されているシルク縫合糸であってよい。ひとつの局面において、シルクは、天然シルクの成分であるフィブロインを含む。別の局面において、シルクは、天然シルクの成分であるセリシンを含む。
【0040】
ひとつの態様において、シルクは、ステントグラフトの外側のみに固定される。別の態様において、シルクは、ステントグラフトの遠位領域へ固定される。シルクは、ステントグラフトのステント部分に付着されてもよく、ステントグラフトのグラフト部分へ付着されてもよく、もしくはステントグラフトのステントおよびグラフト部分の両方へ付着されてもよい。
【0041】
シルクスレッドは、ステント-グラフトの外側の部分的被覆または完全な被覆のいずれかを生じる様々な配置でステント-グラフト上に位置することができる。スレッドは、図3に示したように、ステント-グラフトの末端の周りに付着することができる。シルクスレッドは、ステントグラフトに沿ったバンドに付着することができる。付着は、垂直、水平または斜めの様式であってよい。ステントグラフトの具体的設計に応じて、ポリマースレッドが、ステントグラフト装置のステント構成要素またはグラフト構成要素のいずれかに付着している。あるいは、または加えてシルクスレッドは、ステントグラフトからある距離延長することを可能にすることがある。例えば図4に示されたように、シルクスレッドの片端のみが、ステントグラフトに固定され、これによりスレッドの他端は、グラフトから離れて伸びることが可能である。あるいは、スレッドの両端が、ステントグラフトに固定されるが、スレッドの中間部分はステントグラフトに固定されず、スレッドの両端が、中間部分はステントグラフトから離れて伸びるように互いに十分に短い距離で固定することができる。
【0042】
別の態様において、シルクスレッドの末端は、ステントグラフトに付着されるか、および/またはシルクスレッドに沿って1個または複数の点が、ステントグラフトに付着され得る。さらに別の態様において、シルクスレッドの末端は、ステントグラフトに付着されていない。むしろシルクスレッドに沿った1個または複数の点で、ステントグラフトに付着している。さらに別の態様において、シルクスレッドは、予め形成された構造(例えば、メッシュ、ループ束など)に製造され、これは次にステントグラフトに付着する。
【0043】
ひとつの局面において、本発明は、シルクがステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でステントグラフト上に存在する、シルク含有ステントグラフトを提供する。生物学的反応は、ステントグラフトが配置された動脈瘤の破裂リスクの低下として現れる。別の局面において、生物学的反応は、グラフト周囲漏出の低下として現れる。シルク含有ステントグラフトの増強された有効性は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞沈着を誘導するシルクから生じることができる。細胞増殖および/または細胞外マトリックス分泌は、経時的に進行し、細胞または非細胞マトリックス、より一般的には、線維形成性組織(すなわち、線維芽細胞、平滑筋細胞およびコラーゲンのような細胞外マトリックス成分で構成された組織)の形成を促進し、これは、ステント-グラフトを、所定の位置で血管内に保持するかおよび/または動脈瘤の一部または全てを充満するように作用する。
【0044】
ステントグラフトは、シルクに加え、シルクの一部または全てのコーティングを含む。コーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入後に時間をかけて分解または溶解される。コーティングの存在は、シルクと宿主との接触を遅らせるように機能する。この目的に適したコーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル(例えば、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、それらのコポリマーおよび混合物)、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、多糖(例えば、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、キトサン)、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコール(PVA)を含むが、これらに限定されない。例えばひとつの本発明の態様において、シルクは、物理的障壁により被覆される。このような障壁は、ゼラチン、PLGA/MePEGフィルム、PLA、ポリエチレングリコールなどのような、生分解性材料を含むことができる。PLGA/MePEGの場合、一旦PLGA/MePEGが血液に露出されたならば、MePEGはPLGAから溶解し、シルクの下側層へPLGAを通る溝が残る。その後露出したシルク層は、その生物学的活性を開始するように使用される。
【0045】
別の態様において、ステントグラフトは、さらにシルクを含む高分子または非高分子コーティングを含むことができる。シルクは、スレッド、短い繊維、粒子、またはそれらの組合せの形状であることができる。
【0046】
別の態様において、ステントグラフトは、ステントグラフトに付着しているポリマー繊維、糸またはスレッドを含むことができる。これらの繊維は、シルク以外のポリマーで構成されてもよい。使用することができるポリマーは、ポリエステル、例えばDACRON、PTFE、ナイロン、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)または分解性ポリエステル(例えば、PLGA、PCL、およびポリ(ジオキサノン))を含むが、これらに限定されない。これらの繊維は、ポリマー繊維または糸に含まれる1つまたは複数のシルクスレッドを含むことができる。別の態様において、これらのスレッド、繊維または糸は、シルク繊維、スレッドまたは粒子を含むポリマーまたは非ポリマー担体により被覆することができる。このポリマー担体は、分解性または非分解性であることができる。使用することができるポリマー担体および非ポリマー担体の例を以下に説明する。
【0047】
前述のようにコーティングを含むことに加えて、またはその代わりに、本発明のシルク含有ステントグラフトはさらに、ステントグラフトが挿入された宿主において線維形成反応を誘導することが可能である生物活性物質を含むことができる。例えば、生物活性物質は、増強された細胞沈着反応および/または増強された細胞マトリックス沈着を誘導することができる。物質の例は、ブレオマイシンおよび類似体および誘導体である。更なる代表的例は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびそれらの酸化物、銅、シルク、硝酸銀、石英粉塵、結晶シリケートおよびシリカを含む。使用することができる他の物質は、細胞外マトリックスの成分、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜にみられるタンパク質、フィブロシン、コラーゲン、ポリリシン、塩化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、DACRON)、および炎症性サイトカイン、例えばTGFβ、PDGF、VEGF(VEGF-2、VEGF-3、VEGF-A、VEGF-BおよびVEGF-Cを含む)、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF(上皮成長因子)、およびCTGF(結合組織成長因子)、ならびにそれらの類似体および誘導体、ならびに接着剤、例えばシアノアクリレートまたは架橋されたポリ(エチレングリコール)-メチル化したコラーゲン組成物、例えばCT3(Cohesion Technologies, Palo Alto, CA)を含む。追加の物質は、RGD(アルギニン-グリシン-アスパラギン酸)残基配列を含む天然に生じるまたは合成のペプチド、ならびに免疫細胞により生成された因子、例えばインターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、およびインテグリンを含む細胞接着分子、骨形成因子で、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6(Vgr-1)、BMP-7(OP-1)、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12、BMP-13、BMP-14、BMP-15およびBMP-16を含むものである。これらのBMPの中で、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6およびBMP-7は特に有用である。その他の例は、前記因子のペプチドおよび非ペプチドのアゴニスト、それらの類似体および誘導体、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物およびペプチド、無機または有機小型陰イオン分子刺激剤、ならびに細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進するDNA配列またはRNA配列を含む。
【0048】
前述のようにコーティングを含むことに加えて、またはその代わりに、本発明のシルク含有ステントグラフトはさらに、ステントグラフトが挿入された宿主における増強された細胞増殖反応を誘導する、生物活性物質を含んでよい。細胞増殖を刺激する物質の代表例は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンAおよびall-trans型レチノイン酸(ATRA)ならびにこれらの類似体および誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0049】
本発明の別の局面において、生物活性物質は、動脈瘤の拡張を遅延または防止することができる動脈瘤内の組織の破壊を生じるプロセスを阻害するように作用することができる。このような治療的物質の例は、カスパーゼ阻害剤(例えば、VX-799)、MMP阻害剤(例えば、バチマスタット、同じくBB-94およびマリミスタット(両方ともBritish Biotech, UK)ならびにTIMP(組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤)としても公知)、サイトカイン阻害剤(例えば、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、1α-ヒドロキシビタミンD3)、MCP-1アンタゴニスト(例えば、ニトロナプロキセン、ビンダリット、1-α-25ジヒドロキシビタミンD3)、TNFαアンタゴニスト/TACE阻害剤(例えば、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、およびエタネルセプト)、IL-1、ICEおよびIRAKのアンタゴニスト(例えば、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、およびトラネキサム酸)、ケモカイン受容体アンタゴニスト(例えば、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、およびKRH-1120)、ならびに抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、およびベタメサゾン)、またはそれらの類似体および誘導体を含むが、これらに限定されない。当業者には、生物活性物質は、個別にまたは組合わせて使用することができるか、もしくはステント-グラフト内に単独でまたは様々な地点で組合わせて配置することができること、ならびに動脈瘤の拡張を防止するために治療的物質として作用する他の物質を適用することができることは明らかであろう。
【0050】
本発明の更なる局面において、シルク含有ステントグラフトは、治療的物質を含みおよび放出するように適合されたポリマー担体を含むことができる。適当なポリマー担体および治療的物質は以下に説明される。
【0051】
ある態様において、ポリマー担体は、1つまたは複数の疎水性化合物(例えば治療的物質)を含む領域、ポケット、または顆粒を含んでよい。例えば本発明のひとつの態様において、疎水性化合物は、マトリックス中に混入され、引き続きポリマー担体内のマトリックスに混入される。これに関して様々なマトリックスを利用することができ、これは例えば、炭水化物および多糖、例えばデンプン、セルロース、デキストラン、メチルセルロース、キトサンおよびヒアルロン酸、ならびにタンパク質またはポリペプチド、例えばアルブミン、コラーゲンおよびゼラチンを含むことができる。別の態様において、疎水性化合物は、疎水性コア中に含まれ、このコアは親水性シェル中に含まれる。これらおよび他の担体ならびに治療的物質は、次項で考察される。
【0052】
前述のように、ステントグラフトは、意図された医療目的に適したいずれかの型または立体配置であることができる。様々な例証的本発明の局面において、ステントグラフトは二股に分れており、ステントグラフトは管状グラフトであり、ステントグラフトは円筒形であり、ステントグラフトは自己拡張型であり、および/またはステントグラフトはバルーン拡張型である。
【0053】
ひとつの局面において、本発明のステントグラフトは無菌である。多くの医薬品が、無菌であるように製造され、かつこの判定基準は、米国薬局方(USP)XXII<1211>に規定されている。本態様における滅菌は、産業において許容された多くの手段により実現することができ、これはUSP XXII<1211>に列記されているが、ガス滅菌または電離線照射を含む。滅菌は、USP XXII<1211>に規定されたように、無菌加工処理により維持することができる。ガス滅菌に使用される許容されるガスは、酸化エチレンを含む。電離線照射に使用される許容される照射の種類は、γ線、例えばコバルト60線源および電子ビームを含む。典型的γ線量は、2.5MRadである。
【0054】
シルクステントグラフト製造法
シルクは、ステントグラフトとシルクの間に固定結合を作成するいずれかの方法でステントグラフトに付着されてもよい。この「結合」は、化学結合であってよいが、これは以下にさらに詳細に説明される機械的結合であってもよい。以下の説明は、スレッドに関してであるが、他の配置のシルクに同じ技術が適用されてもよい。
【0055】
高分子シルクスレッドは、ステント-グラフトの外側の部分的被覆または完全な被覆のいずれかを生じる様々な配置でステント-グラフトに付着することができる。スレッドは、図3に示されたように、ステント-グラフトの末端の周囲に付着している。付着は、垂直、水平または斜めの様式である。ステントグラフトの具体的な設計に応じて、ポリマースレッドは、ステントグラフト装置のステント構成要素またはグラフト構成要素のいずれかに付着され得る。
【0056】
ひとつの態様において、グラフト材料がステントの外側に存在する場合、好ましい付着法は、グラフト材料に付着されるシルクスレッドについてである。別の態様において、ステントがグラフト材料の外側に存在する場合、好ましい付着法は、ステントに付着されるシルクスレッドについてである。シルクスレッドは、ステントグラフトに1個の点で付着され得るか、またはこれらは複数の点でステントグラフトに付着され得る。加えて、スレッドは、最終的には動脈瘤内に配置されるステントグラフトの中心部分に付着され得る。前述の付着法の全てを組合せて使用することも可能である。
【0057】
これらのスレッドは、下記の例証的方法のいずれかひとつまたは組合せを使用することにより、グラフトおよび/またはステント材料に付着することができる:接着剤の使用、熱溶接、ステッチ溶接、ラッピング、製織、糸結びおよびかがり。ひとつの局面において、シルクをステントグラフトに固定するために、接着剤が使用される。別の局面において、シルクをステントグラフトに固定するために、熱溶接が使用される。別の局面において、シルクをステントグラフトに固定するために、ステッチ溶接が使用される。別の局面において、シルクをステントグラフトに固定するために、ラッピングが使用される。別の局面において、シルクをステントグラフトに固定するために、製織が使用される。別の局面において、シルクをステントグラフトに固定するために、糸結びが使用される。別の局面において、シルクをステントグラフトに固定するために、かがりが使用される。
【0058】
別の局面において、シルクは、シートまたは管状構造へ織られるかまたは編まれ、その後これがステントグラフト構造の外側に付着される。この被覆は、ステントグラフトの外側部分全体を被覆するか、またはこれはステントグラフトの1つまたは複数の特定部分を被覆することができる。ひとつの態様において、被覆は、ステントグラフトに固定される。被覆は、ステントグラフト構造への糸結びまたは縫いつけによるか、それのステントグラフト構造への固定するための接着剤の使用によるか、または前記方法の組合せにより、付着することができる。別の態様において、被覆は、ステントグラフト上に固定されず、ステントグラフト構造上の外側被覆として単純に配置される。
【0059】
ひとつの局面において、ステントグラフトは、シルク含有懸濁液、溶液または乳液により被覆されてよい。適当な乳液または懸濁液の例は、市販のシルクパウダー(例えば、Silk Biochemivcal Co., Ltd. (中国)、Nantong Dongchang Chemical Industrial Co, Ltd.(中国)およびWuxi Smiss Technology Co, Ltd.(中国)から入手可能なシルクパウダー)の水性混合物であり、これは、溶液または乳液のいずれかに形成され得る。好ましい乳液は、約5〜50質量%の固形分を含む。
【0060】
ひとつの態様において、シルクスレッドは、シルクが周囲の組織および血液と接触し始めるのに要する時間を遅らせる材料で被覆することができる。これは、シルクスレッドの結果としての血栓性事象を懸念することなく、ステントグラフトを配置することを可能にするであろう。ひとつの局面においては、コーティング材料は、ステントの留置時に分解または溶解するが、別の局面においては、コーティング材料は、ステントグラフトが移植された後に分解または溶解する。これらのコーティング材料は、高分子または非高分子のいずれかであることができる。コーティング材料の例は、ゼラチン、分解性ポリエステル(例えば、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、それらのコポリマーおよび混合物)、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、多糖(例えば、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、キトサン)、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステル、およびPVAを含むが、これらに限定されない。
【0061】
シルクスレッドは、ステントグラフトに付着する前に被覆されるか、またはこれらは一旦これらがステントグラフトに付着された後に、シルクスレッド上に被覆することができる。これは、噴霧-コーティングまたは浸漬-コーティングのプロセスにより実現することができる。
【0062】
別の態様において、シルク粒子を高分子または非ポリマー担体に混入し、次にステントグラフト上を被覆することができる。ポリマー担体は、分解性または非分解性であってよい。ポリマー担体および非ポリマー担体の例は、以下に説明される。
【0063】
ひとつの態様において、シルク粒子またはシルク繊維が、高分子または非ポリマー担体の溶液に添加される。担体溶液は、シルク粒子またはシルク繊維の添加時に、懸濁液を形成する。この懸濁液は、浸漬、塗装または噴霧により、ステントグラフトの全てまたは一部に塗布することができる。
【0064】
別の態様において、ステントグラフトは、ステントグラフトに付着しているポリマー繊維、糸またはスレッドを含む。これらの繊維は、シルク以外のポリマー、例えば、DACRON、PTFE、ナイロン、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)または分解性ポリエステル(例えば、PLGA、PCL、およびポリ(ジオキサノン))などで構成されてよい。これらの繊維は、ポリマー繊維または糸に含まれた1本または複数のシルクスレッドを有することができる。別の態様において、スレッド、繊維または糸は、さらにシルク繊維、スレッドまたは粒子を含む、高分子または非ポリマー担体で被覆することができる。ポリマー担体は、分解性または非分解性のいずれかであることができる。高分子または非ポリマー担体は、ポリマー繊維の溶媒への曝露時にポリマー繊維を実質的に溶解しない溶媒中に、溶解することができる。シルク繊維もしくはスレッドの小片および/またはシルク粒子は、担体溶液に添加することができる。必要であるならば、繊維、スレッドまたは粒子の懸濁を補助するために、乳化剤または界面活性剤をこの溶液に添加することができる。ポリマースレッド、繊維もしくは糸をシルク/担体懸濁液に浸漬するか、またはシルク/担体懸濁液をポリマースレッド、繊維もしくは糸上に噴霧することにより、ポリマースレッド、繊維、または糸は、シルク含有担体組成物で被覆することができる。次にこれらの被覆されたシステムは、風乾され、必要ならば真空乾燥され得る。被覆されたポリマースレッド、繊維または糸は次に、本明細書に開示された方法によりステントグラフトに付着される。
【0065】
別の態様において、ポリマースレッド、糸、繊維、および/またはステントグラフトは、ポリマーまたは非ポリマー担体を含む溶液で被覆され得る。このコーティングは、部分的に乾燥することができ、その結果コーティングは依然軟質および粘着性である。その後シルクスレッド、シルクスレッドまたはシルクパウダーの小片を、この軟質コーティングに包埋することができる。これは、シルクを軟質コーティング上に噴霧することによるか、被覆された成形品(form)をシルク中で圧延(rolling)することによるか、シルクを被覆された成形品の上に型押(stamping)することによるか、またはこれらのプロセスの組合せにより実現することができる。シルクで被覆された成形品は、残留溶媒を除去するためにさらに乾燥することができる。
【0066】
本発明のひとつの局面において、グラフト(ラップまたはシースとも称す)は、全体がシルクから調製され、ここでひとつの局面において、シルクは、生物学的または遺伝子操作されたクモシルクではない。例えば、グラフト全体を、生物学的または遺伝子操作されたカイコシルクから形成することができる。しかし別の局面において、本発明のステントグラフトは、全体がシルクで形成されていないが、シルクがステントグラフトに取付けられたグラフトを含む。例えばステントグラフトに取付けられたシルク量は、シルクにより誘導される所望の生物学的反応の量を実現するように合わせることができるので、これは好ましい局面である。従って、ひとつの局面において、本発明は、グラフト全体はシルクから調製されない(または全くシルクから製造されない)が、シルクが先に例証した様式でステントグラフトに取付けられたステントグラフトを提供する。例えば、ステントグラフトは、非シルク材料、例えば、ポリエステル、ポリアミド、炭化水素ポリマー(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)、ポリウレタンまたはフルオロポリマー(または他の適当な材料)で製造されたグラフトを含み、ならびにシルクは、ステントグラフトのステントまたはグラフト部分のいずれかに取付けられる。ひとつの局面において、ステントグラフトは1個のグラフトを有し、これは様々な個別の態様において、ステント内に織り込まれるか、ステントの管腔に含まれるか、またはステントの外側に配置されたシルクが、このステントグラフトに取付けられている。別の局面において、ステントグラフトは2個のグラフトを有し、これは様々な個別の態様において、ステント内に織り込まれるか、ステントの管腔に含まれるか、および/またはステントの外側に配置されたシルクが、このステントグラフトに取付けられている。ステントグラフトが2個のグラフトを有する場合、シルクが血管壁と接触することを可能にする様式、例えば、これはステントの外側に位置したシースに取付けられる様式で、シルクがグラフトに取付けられることが好ましい。前述のように、好ましい態様において、シルクはカイコシルクである。例えばカイコシルクの繊維および異なる材料(ポリエステル、ポリアミド、クモシルクなど)の繊維を一緒に組合せ、本発明のステントグラフトを構成するために使用されるシースを形成してもよい。
【0067】
ひとつの態様において、シルクまたはシルク/担体組成物はさらに、即時の血栓性事象の可能性を低下する生物活性物質を含んでもよく、この種の例証的物質は、ヘパリンおよび疎水性4級アミンヘパリン(例えば、ヘパリン-ベンザルコニウムクロリド、ヘパリン-トリドデシルメチルアンモニウムクロリド)複合体を含むが、これらに限定されない。ヘパリンまたはヘパリン複合体は、浸漬コーティングまたは噴霧コーティングにより塗布することができる。
【0068】
別の態様において、シルク含有スレッド、繊維、または糸はさらに、細胞反応および/または線維形成反応を増強する生物活性物質を含む。本発明において使用することができる物質は、以下に説明される。これらの物質は、シルク含有スレッド、繊維、または糸の、生物活性物質を含む溶液による、浸漬コーティングまたは噴霧コーティングにより組込むことができる。この溶液は、真の溶液、懸濁液、分散液または乳液であることができる。生物活性物質は、第二の担体に組込むこともできる。溶液、懸濁液、分散液もしくは乳液または生物活性物質/担体は、浸漬コーティングまたは噴霧コーティングのプロセスにより塗布することができる。これらの物質は、ステントグラフトの外側表面全体に、またはステントグラフト上の1個もしくは複数の特定の位置に塗布することができる。
【0069】
別の態様において、生物活性物質または生物活性物質/二次担体(例えば溶液)は、さらにポリマーを含むことができる。この溶液は、シルク含有スレッド、繊維または糸に塗布することができる。
【0070】
別の態様において、生物活性物質および/または生物活性物質/二次担体は、シルクを含む高分子または非ポリマー担体溶液に混入することができる。担体のための溶媒は、添加された生物活性物質のための溶媒であってもなくともよい。溶媒が生物活性物質のための溶媒ではない場合、生物活性物質は、懸濁液の形状であろう。担体のための溶媒が生物活性物質のための溶媒である場合、この生物活性物質の溶液が形成されるであろう。別の態様においては、溶媒は、生物活性物質のための溶媒であるが、溶液に添加される生物活性物質の量は、その生物活性物質の溶解度限界よりもはるかに大きい。この場合、生物活性物質の飽和懸濁液が形成される。シルク-および生物活性物質-含有溶液は、ステントグラフトまたはポリマースレッド、繊維もしくは糸に、浸漬コーティングまたは噴霧コーティングのプロセスにより塗布することができる。この溶液は、ステントグラフトの外側全体またはステントグラフトまたはポリマースレッド、繊維もしくは糸の1個または複数の領域に塗布することができる。
【0071】
別の態様において、コーティングは、増強された細胞反応を生じるポリマーまたは他の生物活性物質で被覆されている「生体適合性」ポリマーを含む。
【0072】
ひとつの態様において、シルク含有ステントグラフトは、線維形成および/または再狭窄を促進する組成物または化合物により被覆されている。
【0073】
別の態様において、シルク含有ステントグラフトは、ステントグラフトから放出されないが、依然増強された細胞および細胞外マトリックス沈着反応をじる物質により被覆される。これらの物質は、ステントグラフト上に直接被覆することができるか、またはこれらは非分解性ポリマー担体に混入することができる。
【0074】
ひとつの局面において、本発明のシルク含有ステントグラフトは、血管壁への接着を誘導する物質で被覆されているか、さもなければこれを放出するように適合されている。ステントグラフトは、(a)ステントグラフトへの所望の物質または組成物の直接の取付けによるか(例えば、ステントグラフトへのポリマー/物質フィルムの噴霧、またはステントグラフトのポリマー/物質溶液への浸漬、または他の共有的もしくは非共有的手段のいずれかによる);(b)ステントグラフトの、後に所望の物質または組成物を吸収するヒドロゲルなどの物質によるコーティングによるか;(c) 物質-または組成物-被覆されたスレッドのステントグラフトへの織り合わせによるか(例えば、スレッドに形成された物質を放出するポリマー);(d)所望の物質または組成物で構成もしくは被覆されたスリーブまたはメッシュの挿入によるか;(e)所望の物質または組成物によるステントグラフトそれ自身の構成によるか;または、(f)さもなければ、ステントグラフトの所望の物質または組成物による含浸により、そのような物質を放出するように適合されてもよい。適当な線維形成誘導性物質は、実施例9(グラフト周囲反応の評価のためのスクリーニング法)、実施例14(様々なシルク縫合糸材料で被覆された血管周囲のPUフィルムのインビボ評価)、ならびに実施例15(血管周囲のシルクパウダーのインビボ評価)において提供された動物モデルを基に容易に決定することができる。
【0075】
増強された細胞反応および/または増強されたマトリックス沈着反応、もしくはより一般的には瘢痕化反応を生じることができる物質の例は、ブレオマイシンおよび類似体および誘導体を含む。更なる代表例は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウム、銅、シルク、硝酸銀、石英粉塵、結晶シリケートおよびシリカを含む。使用することができる他の物質は、細胞外マトリックスの成分、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜にみられるタンパク質、フィブロシン、コラーゲン、ポリリシン、塩化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、DACRON)、および炎症性サイトカイン、例えばTGFβ、PDGE、VEGF(VEGF-2、VEGF-3、VEGF-A、VEGF-BおよびVEGF-C)、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF(上皮成長因子)、およびCTGF(結合組織成長因子)、ならびにそれらの類似体および誘導体、ならびに接着剤、例えばシアノアクリレートまたは架橋されたポリ(エチレングリコール)-メチル化されたコラーゲン組成物、例えばCT3を含む。追加物質は、RGD(アルギニン-グリシン-アスパラギン酸)残基配列、および免疫細胞により生成された因子、例えばインターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミンおよびインテグリンを含む細胞接着分子、ならびに骨形成因子で、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6(Vgr-1)、BMP-7(OP-1)、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12、BMP-13、BMP-14、BMP-15およびBMP-16を含むものを含む、天然に生じるまたは合成ペプチドを含む。これらのBMPの中で、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6およびBMP-7が、特に有用である。さらに、前述の因子のペプチドおよび非ペプチドのアゴニスト、ならびにそれらの類似体および誘導体、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物またはペプチド、サイトカイン、無機もしくは有機の小型陰イオン分子刺激剤、ならびに細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進するDNAまたはRNA配列が含まれる。
【0076】
別の態様において、シルク含有ステントグラフトは、グラフトの外側表面上が、細胞増殖を刺激する組成物または化合物で被覆される。細胞増殖を刺激する物質の代表例は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0077】
別の態様において、シルク含有ステントグラフトは、動脈瘤内の組織の病理変化を生じるプロセスを阻害するように作用する組成物または化合物で被覆される。従ってこの組成物または化合物は、動脈瘤の拡張を防止することができる。そのようなプロセスを阻害する物質は、カスパーゼ阻害剤、MMP阻害剤、MCP-1アンタゴニスト、TNFaアンタゴニスト/TACE 阻害剤、アポトーシス阻害剤、IL-1、ICEおよびIRAKのアンタゴニスト、ケモカイン受容体アンタゴニストおよび抗炎症剤を含むが、これらに限定されない。以下はそのような物質の例である:カスパーゼ阻害剤(例えば、VX-799);MMP阻害剤(例えば、D-9120、デオキシサイクリン(2-ナフタセンカルボキシアミド、4-(ジメチルアミノ)-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-オクタヒドロ-3,5,10,12,12a-ペンタヒドロキシ-6-メチル-1,11-ジオキソ-[4S-(4α,4aα,5α,5aα,6α,12aα)]-[CAS])、BB-2827、BB-1101(2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-(1S-メチルカルバモイル-2-フェニルエチル)-スクシンアミド)、BB-2983、ソリマスタット(N'-[2,2-ジメチル-1(S)-[N-(2-ピリジル)カルバモイル]プロピル]-N4-ヒドロキシ-2(R)-イソブチル-3(S)-メトキシスクシンアミド)、バチマスタット(ブタンジアミド、N4-ヒドロキシ-N1-[2-(メチルアミノ)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-2-(2-メチルプロピル)-3-[(2-チエニルチオ)メチル]-、[2R-[1(S*),2R*,3S*]]-[CAS])、CH-138、CH-5902、D-1927、D-5410、EF-13(γ-リノレン酸リチウム塩)、CMT-3(2-ナフタセンカルボキシアミド、1,4,4a,5,5a,6,11,12a-オクタヒドロ-3,10,12,12a-テトラヒドロキシ-1,11-ジオキソ-、(4aS,5aR,12aS)-[CAS])、マリミスタット(N-[2,2-ジメチル-1(S)-(N-メチルカルバモイル)プロピル]-N,3(S)-ジヒドロキシ-2(R)-イソブチルスクシンアミド)、TIMP(組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤)、ONO-4817、レビマスタット(L-バリンアミド、N-((2S)-2-メルカプト-1-オキソ-4-(3,4,4-トリメチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニル)ブチル)-L-ロイシル-N,3-ジメチル-[CAS])、PS-508、CH-715、ニメスリド(メタンスルホンアミド、N-(4-ニトロ-2-フェノキシフェニル)-[CAS])、ヘキサヒドロ-2-[2(R)-[1(RS)-(ヒドロキシカルバモイル)-4-フェニルブチル]ノナノイル]-N-(2,2,6,6-エトラ(etra)メチル-4-ピペリジニル)-3(S)-ピリダジンカルボキシアミド、Rs-113-080、Ro-1130830、シペマスタット(1-ピペリジンブタンアミド、β-(シクロペンチルメチル)-N-ヒドロキシ-γ-オキソ-α-[(3,4,4-トリメチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニル)メチル]-、(αR,βR)-[CAS])、5-(4'-ビフェニル)-5-[N-(4-ニトロフェニル)ピペラジニル]バルビツール酸、6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ノルハーマン(norharman)-1-カルボン酸、Ro-31-4724(L-アラニン、N-[2-[2-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソエチル]-4-メチル-1-オキソペンチル]-L-ロイシル-、エチルエステル[CAS])、プリノマスタット(prinomastat)(3-チオモルホリンカルボキシアミド、N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-((4-(4-ピリジニルオキシ)フェニル)スルホニル)-、(3R)-[CAS])、AG-3433(1H-ピロール-3-プロパン酸、1-(4'-シアノ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-b-[[[(3S)-テトラヒドロ-4,4-ジメチル-2-オキソ-3-フラニル]アミノ]カルボニル]-、フェニルメチルエステル、(bS)-[CAS])、PNU-142769(2H-イソインドール-2-ブタンアミド、1,3-ジヒドロ-N-ヒドロキシ-α-[(3S)-3-(2-メチルプロピル)-2-オキソ-1-(2-フェニルエチル)-3-ピロリジニル]-1,3-ジオキソ-、(αR)-[CAS])、(S)-1-[2-[[[(4,5-ジヒドロ-5-チオキソ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ]-カルボニル]アミノ]-1-オキソ-3-(ペンタフルオロフェニル)プロピル]-4-(2-ピリジニル)ピペラジン、SU-5402(1H-ピロール-3-プロパン酸、2-[(1,2-ジヒドロ-2-オキソ-3H-インドール-3-イリデン)メチル]-4-メチル-[CAS])、SC-77964、PNU-171829、CGS-27023A、N-ヒドロキシ-2(R)-[(4-メトキシベンゼン-スルホニル)(4-ピコリル)アミノ]-2-(2-テトラヒドロフラニル)-アセトアミド、L-758354((1,1'-ビフェニル)-4-ヘキサン酸、α-ブチル-γ-(((2,2-ジメチル-1-((メチルアミノ)カルボニル)プロピル)アミノ)カルボニル)-4'-フルオロ-、(αS-(αR*,γS*(R*)))-[CAS])、GI-155704A、CPA-926、またはそれらの類似体もしくは誘導体。追加の代表例は、下記に含まれる:


;サイトカイン阻害剤(例えば、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、1a-ヒドロキシビタミンD3);MCP-1アンタゴニスト(例えば、ニトロナプロキセン、ビンダリット);TNFaアンタゴニスト/TACE阻害剤(例えば、E-5531(2-デオキシ-6-0-[2-デオキシ-3-0-[3(R)-[5(Z)-ドデセノイルオキシ]-デシル]-6-0-メチル-2-(3-オキソテトラデカンアミド)-4-0-ホスホノ-β-D-グルコピラノシル]-3-0-[3(R)-ヒドロキシデシル]-2-(3-オキソテトラデカンアミド)-α-D-グルコピラノース-1-O-リン酸)、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715(安息香酸, 2-ヒドロキシ-5-[[4-[3-[4-(2-メチル-1H-イミダゾール[4,5-c]ピリジン-1-イル]メチル]-1-ピペリジニル]-3-オキソ-1-フェニル-1-プロペニル]フェニル]アゾ](Z)[CAS])、PMS-601、AM-87、キシロアデノシン(9H-プリン-6-アミン, 9-β-D-キシロフラノシル-[CAS])、RDP-58、RDP-59、BB2275、ベンジドアミン、E-3330(ウンデカン酸, 2-[(4,5-ジメトキシ-2-メチル-3,6-ジオキソ-1,4-シクロヘキサジエン-1-イル)メチレン]-, (E)-[CAS])、N-[D,L-2-(ヒドロキシアミノカルボニル)メチル-4-メチルペンタノイル]-L-3-(2'-ナフチル)アラニル-L-アラニン、2-アミノエチルアミド、CP-564959、MLN-608、SPC-839、ENMD-0997、Sch-23863((2-[10,11-ジヒドロ-5-エトキシ-5H-ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン-S-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン)、SH-636、PKF-241-466、PKF-242-484、TNF-484A、シロミラスト(Cis-4-シアノ-4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]シクロヘキサン-1-カルボン酸)、GW-3333、GW-4459、BMS-561392、AM-87、クロリクロメン(酢酸, [[8-クロロ-3-[2-(ジエチルアミノ)エチル]-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-7-イル]オキシ]-, エチルエステル[CAS])、タリドミド(1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン, 2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-[CAS])、ベスナリノン(ピペラジン, 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4-(1,2,3,4-テトラヒドロ-2-オキソ-6-キノリニル)-[CAS])、インフリキシマブ、レンチナン、エタネルセプト(236-467-免疫グロブリンG1(ヒトγ1-鎖Fc断片)との1-235-腫瘍壊死因子受容体(ヒト)融合タンパク質[CAS])、ジアセリン(2-アントラセンカルボン酸, 4,5-ビス(アセチルオキシ)-9,10-ジヒドロ-9,10-ジオキソ-[CAS])、またはそれらの類似体もしくは誘導体;IL-1、ICE & IRAKのアンタゴニスト(例えば、E-5090(2-プロペン酸, 3-(5-エチル-4-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-ナフタレニル)-2-メチル-, (Z)-[CAS])、CH-164、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド(N-[3-(ホルミルアミノ)-4-オキソ-6-フェノキシ-4H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド)、AV94-88、プラルナカサン(6H-ピリダジノ(1,2-a)(1,2)ジアゼピン-1-カルボキシアミド、N-((2R,3S)-2-エトキシテトラヒドロ-5-オキソ-3-フラニル)オクタヒドロ-9-((1-イソキノリニルカルボニル)アミノ)-6,10-ジオキソ-, (1S,9S)-[CAS])、(2S-cis)-5-[ベンジルオキシカルボニルアミノ-1,2,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-4-(オキソアゼピノ[3,2,1-ハイ(hi)]インドール-2-カルボニル)-アミノ]-4-オキソブタン酸、AVE-9488、エソナリモド(ベンゼンブタン酸, α-[(アセチルチオ)メチル]-4-メチル-γ-オキソ-[CAS]、大正製薬、日本より入手)、プラルナカサン(6H-ピリダジノ(1,2-a)(1,2)ジアゼピン-1-カルボキシアミド、N-((2R,3S)-2-エトキシテトラヒドロ-5-オキソ-3-フラニル)オクタヒドロ-9-((1-イソキノリニルカルボニル)アミノ)-6,10-ジオキソ-、(1S,9S)-[CAS])、トラネキサム酸(シクロヘキサンカルボン酸, 4-(アミノメチル)-, trans-[CAS])、Win-72052、ロマザリット(Romazarit)(Ro-31-3948)(プロピオン酸, 2-[[2-(4-クロロフェニル)-4-メチル-5-オキサゾリル]メトキシ]-2-メチル-[CAS])、PD-163594、SDZ-224-015(L-アラニンアミドN-((フェニルメトキシ)カルボニル)-L-バリル-N-((1S)-3-((2,6-ジクロロベンゾイル)オキシ)-1-(2-エトキシ-2-オキソエチル)-2-オキソプロピル)-[CAS])、L-709049(L-アラニンアミド、N-アセチル-L-チロシル-L-バリル-N-(2-カルボキシ-1-ホルミルエチル)-、(S)-[CAS])、TA-383(1H-イミダゾール、2-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-4,5-ジフェニル-, 一塩酸塩, cis-[CAS])、EI-1507-1(6a,12a-エポキシベンズ[a]アントラセン-1,12(2H,7H)-ジオン, 3,4-ジヒドロ-3,7-ジヒドロキシ-8-メトキシ-3-メチル-[CAS])、エチル4-(3,4-ジメトキシフェニル)-6,7-ジメトキシ-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)キノリン-3-カルボキシラート、EI-1941-1、TJ-114、アナキンラ(インターロイキン1受容体アンタゴニスト(ヒトアイソフォームx還元型)、N2-L-メチオニル-[CAS]))、またはそれらの類似体もしくは誘導体;ケモカイン受容体アンタゴニスト(例えば、ONO-4128(1,4,9-トリアザスピロ(5.5)ウンデカン-2,5-ジオン、1-ブチル-3-(シクロヘキシルメチル)-9-((2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)メチル-[CAS])、L-381、CT-112(L-アルギニン、L-トレオニル-L-トレオニル-L-セリル-L-グルタミニル-L-バリル-L-アルギニル-L-プロリル-[CAS])、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779(N,N-ジメチル-N-[4-[2-(4-メチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-8-イルカルボキシアミド]ベニル]テトラヒドロ-2H-ピラン-4-塩化アルミニウム(aminium))、TAK-220、KRH-1120)、または類似体もしくは誘導体、ならびに抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメサゾン)、またはそれらの類似体および誘導体。
【0078】
生物活性物質は、個別にもしくは組合せて使用することができるか、または単独でもしくはステント-グラフト内の様々な位置で組合わせて配置することができること、ならびに動脈瘤の拡張を妨げる治療的物質として作用する他の物質を適用することができることは、当業者には明らかである。
【0079】
薬物および用量
使用することができる治療的物質は、以下を含むが、これらに限定されない:(A)細胞増殖の刺激(例えば、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチルベステロール、シクロスポリンAおよびall-transレチノイン酸(ATRA));(B)カスパーゼ阻害剤(例えば、VX-799);(C)MMP阻害剤(例えば、ドキシサイクリン、バチマスタット);(D)サイトカイン阻害剤(例えば、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、1α-ヒドロキシビタミンD3);(E)MCP-1アンタゴニスト(例えば、ニトロナプロキセン、ビンダリット);(F)TNFaアンタゴニスト/TACE阻害剤(例えば、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、およびエタネルセプト);(G)IL1-ICEおよびIRAKのアンタゴニスト(例えば、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、トラネキサム酸);(H)ケモカイン受容体アンタゴニスト(例えば、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、およびKRH-1120);ならびに、(I)抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメサゾン)。
【0080】
薬物は、典型的には単回治療的システムの用量適用において使用される濃度の数倍から、10%、5%まで、または1%未満の濃度でも使用される。好ましくはこの薬物は、1〜90日間の期間有効濃度で放出される。(A)細胞増殖の刺激(例えば、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチルベステロール、シクロスポリンAおよびall-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は、50mgを超えない(0.1μg〜50mgの範囲);好ましくは1μg〜10mg。用量/単位面積は0.01μg〜200μg/mm2;好ましい用量は0.1μg/mm2〜20μg/mm2。物質の最低濃度10-9〜10-4Mが装置表面上で維持される;(B)カスパーゼ阻害剤(例えば、VX-799、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は100mgを超えない(0.1μg〜100mgの範囲);好ましくは1μg〜25mg。用量/単位面積は0.01μg〜500μg/mm2;好ましい用量は0.1μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-9〜10-4Mが装置表面上で維持される;(C)MMP阻害剤(例えば、ドキシサイクリン、バチマスタット、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は100mgを超えない(0.1μg〜100mgの範囲);好ましくは1μg〜25mg。用量/単位面積は0.01μg〜500μg/mm2;好ましい用量は0.1μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-9〜10-4Mが装置表面上で維持される;(D)サイトカイン阻害剤(例えば、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、1α-ヒドロキシビタミンD3、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は100mgを超えない(0.1μg〜100mgの範囲);好ましくは1μg〜25mg。用量/単位面積は0.01μg〜500μg/mm2;好ましい用量は0.1μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-9〜10-4Mが装置表面上で維持される;(E)MCP-1アンタゴニスト(例えば、ニトロナプロキセン、ビンダリット、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は200mgを超えない(1.0μg〜200mgの範囲);好ましくは1μg〜50mg。用量/単位面積は1.0μg〜100μg/mm2;好ましい用量は2.5μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-8〜10-4Mが装置表面上で維持される;(F)TNFaアンタゴニスト/TACE阻害剤(例えば、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、およびエタネルセプト、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は200mgを超えない(1.0μg〜200mgの範囲);好ましくは1μg〜50mg。用量/単位面積は1.0μg〜100μg/mm2;好ましい用量は2.5μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-8〜10-4Mが装置表面上で維持される;(G)IL1-ICEおよびIRAKのアンタゴニスト(例えば、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、トラネキサム酸、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は200mgを超えない(1.0μg〜200mgの範囲);好ましくは1μg〜50mg。用量/単位面積は1.0μg〜100μg/mm2;好ましい用量は2.5μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-8〜10-4Mが装置表面上で維持される;(H)ケモカイン受容体アンタゴニスト(例えば、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、およびKRH-1120、またはそれらの類似体もしくは誘導体):総用量は200mgを超えない(1.0μg〜200mgの範囲);好ましくは1μg〜50mg。用量/単位面積は1.0μg〜100μg/mm2;好ましい用量は2.5μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-8〜10-4Mが装置表面上で維持される;(I)抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメサゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体):総用量は200mgを超えない(1.0μg〜200mgの範囲);好ましくは1μg〜50mg。用量/単位面積は1.0μg〜100μg/mm2;好ましい用量は2.5μg/mm2〜50μg/mm2。物質の最低濃度10-8〜10-4Mが装置表面上で維持される。
【0081】
任意に、本発明のひとつの態様において、本発明のシルク含有ステントグラフトは、生分解性または非生分解性のいずれかであってよいポリマーを含んでよい。生分解性組成物の代表例は、アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、デンプン、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、カゼイン、デキストラン、多糖、フィブリノーゲン、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(ブチレンテレフタレート)をベースとしたポリ(エーテルエステル)マルチブロックコポリマー、チロシン-誘導体化されたポリカーボネート(例えば、US Patent No. 6,120,491)、ポリ(ヒドロキシル酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチラート)、ポリジオキサノン、ポリ(アルキルカーボネート)およびポリ(オルトエステル)、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリジオキサン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(タルトロン酸)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ポリ(アミノ酸)、ポリ(アルキレンオキシド)-ポリ(エステル)ブロックコポリマー(例えば、X-Y、X-Y-XまたはY-X-Y、ここでXはポリアルキレンオキシドであり、Yはポリエステル(例えば、PLGA、PLA、PCL、ポリジオキサンおよびそれらのコポリマーである)、ならびにそれらのコポリマーに加えそれらの混合物がある。[一般的には、Illum, L., Davids, S. S.(eds.) 「Polymers in Controlled Drug Delivery」 Wright, Bristol, 1987;Arshady, J. Controlled Release, 17:1-22,1991;Pitt, Int. J. Phar., 59:173-196,1990;Holland et al., J. Controlled Release, 4:155-0180,1986参照のこと]。線維化物質の送達に関する適当な非分解性ポリマーの代表例は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)(「EVA」)コポリマー、シリコーンゴム、アクリル系ポリマー[ポリアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリ(ブチルメタクリレート)]、ポリ(アルキルシアノアクリレート)[例えば、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(ヘキシルシアノアクリレート)、ポリ(オクチルシアノアクリレート)]、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン6,6)、ポリウレタン、ポリ(エステルウレタン)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステル-尿素)、ポリエーテル[ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリアルキレンオキシド(例えば、PLURONIC化合物、BASF Corporation, Mount Olive, NJ)、およびポリ(テトラメチレングリコール)]、スチレン-ベースのポリマー[ポリスチレン、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(スチレン)-ブロック-ポリ(イソブチレン)-ブロック-ポリ(スチレン)、ポリ(スチレン)-ポリ(イソプレン)ブロックコポリマー]、およびビニルポリマー(ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸フタル酸ビニル)に加え、それらのコポリマーおよび混合物である。ポリマーは、陰イオン(例えば、アルギン酸エステル、カラゲーナン、カルボキシメチルセルロース、ポリ(アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)およびそれらのコポリマー、ポリ(メタクリル酸)およびそれらのコポリマー、ならびにポリ(アクリル酸)およびそれらのコポリマーおよび混合物)、またはカチオン性(例えば、キトサン、ポリ-L-リシン、ポリエチレンイミン、およびポリ(アリルアミン))ならびにそれらのコポリマーおよび混合物である(一般的には、Dunn et al., J. Applied Polymer Sci., 50:353-365,1993;Cascone et al., J. Materials Sci. :Materials in Medicine, 5:770-774,1994;Shiraishi et al., Biol. Pharm. Bull., 16(11):1164-1168,1993;Thacharodi and Rao, Int'l J. Pharm., 120:115-118,1995;Miyazaki et al., Int'l J. Pharm., 118:257-263,1995を参照のこと)。特に好ましいポリマー担体は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ポリ(D,L-乳酸)オリゴマーおよびポリマー、ポリ(L-乳酸)オリゴマーおよびポリマー、ポリ(グリコール酸)、乳酸およびグリコール酸のコポリマー、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)、ポリ無水物、ポリ(カプロラクトン)またはポリ(乳酸)のポリエチレングリコールとのコポリマー(例えば、MePEG)、シリコーンゴム、ポリ(スチレン)ブロック-ポリ(イソブチレン)-ブロック-ポリ(スチレン)、ポリ(アクリレート)ポリマー、および前述のいずれかの配合物、混合物、またはコポリマーである。他の好ましいポリマーは、コラーゲン、ポリ(アルキレンオキシド)-ベースのポリマー、多糖、例えばヒアルロン酸、キトサンおよびフカン、ならびに多糖の分解性ポリマーとのコポリマーを含む。
【0082】
線維形成-誘導物質の持続性の局在化された送達が可能である他の代表的ポリマーは、カルボン酸ポリマー、ポリアセテート、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルブチラル、ポリシラン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリオキシド、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリスルホニド、ポリハロゲン化ビニル、ピロリドン、ゴム、熱硬化性ポリマー、架橋型アクリル系およびメタクリル系ポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、スチレンアクリル酸コポリマー、酢酸ビニルポリマーおよびコポリマー、ビニルアセタールポリマーおよびコポリマー、エポキシ、メラミン、他のアミノ樹脂、フェノールポリマー、およびそれらのコポリマー、水に不溶性のセルロースエステルポリマー(酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、およびそれらの混合物を含む)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、多糖、親水性ポリウレタン、ポリヒドロキシアクリレート、デキストラン、キサンタン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ならびにN-ビニルピロリドン、N-ビニルラクタム、N-ビニルブチロラクタム、N-ビニルカプロラクタム、極性ペンダント基を有する他のビニル化合物のホモポリマーおよびコポリマー、親水性エステル化基を有するアクリル系およびメタクリル系化合物、ヒドロキシアクリレート、およびアクリル酸、ならびにそれらの組合せである。他の例は、セルロースエステルおよびエーテル、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ポリウレタン、ポリアクリレート、天然のおよび合成のエラストマー、ゴム、アセタール、ナイロン、ポリエステル、スチレンポリブタジエン、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ビニル化合物のホモポリマーおよびコポリマー、ポリ塩化ビニル、およびポリ酢酸塩化ビニルがある。
【0083】
薬物-送達ポリマーおよびそれらの調製物に関連する特許の代表例は、PCT公報WO 98/19713、WO 01/17575、WO 01/41821、WO 01/41822、およびWO 01/15526(さらにはそれらに対応する米国特許出願)、

がある。
【0084】
本明細書に説明されたポリマーは、治療的用量の線維形成-阻害物質を送達するために必要な様々な組成物中に配合または共重合することができることは、当業者には明らかであろう。
【0085】
線維形成-阻害物質のポリマー担体は、使用されるステントグラフトまたは組成物に応じて、所望の放出特性および/または特異的特性を伴う様々な形状で形造ることができる。例えば、ポリマー担体は、pHのような、特定の引き金事象に曝露された時点で、線維化または他の治療的物質を放出するように形造ることができる(例えば、

を参照のこと)。pH-感受性ポリマーの代表例は、ポリ(アクリル酸)およびその誘導体(例えば、ホモポリマー、例としてポリ(アミノカルボン酸);ポリ(アクリル酸);ポリ(メチルアクリル酸)、そのようなホモポリマーのコポリマー、ならびにポリ(アクリル酸)および前述のアクリルモノマーのコポリマーである。他のpH感受性ポリマーは、多糖、例えば酢酸フタル酸セルロース;フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース;酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース;酢酸トリメリト酸 セルロース;およびキトサンがある。さらに別のpH感受性ポリマーは、pH感受性ポリマーと水溶性ポリマーの混合物を含む。
【0086】
同様に、線維形成-誘導する物質および他の治療的物質を、温度感受性であるポリマー担体により送達することができる(例えば、

を参照)。
【0087】
サーモゲルポリマーの代表例、およびそれらのゲル化温度[LCST(℃)]は、以下ホモポリマーを含む:例えばポリ(N-メチル-N-プロピルアクリルアミド)、19.8;ポリ(N- プロピルアクリルアミド)、21.5;ポリ(N-メチル-N-イソプロピルアクリルアミド)、22.3;ポリ(N-プロピルメタクリルアミド)、28.0;ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、30.9;ポリ(N,n-ジエチルアクリルアミド)、32.0;ポリ(N-イソプロピルメタクリルアミド)、44.0;ポリ(N-シクロプロピルアクリルアミド)、45.5;ポリ(N-エチルメタクリルアミド)、50.0;ポリ(N-メチル-N-エチルアクリルアミド)、56.0;ポリ(N-シクロプロピルメタクリルアミド)、59.0;ポリ(N-エチルアクリルアミド)、72.0。さらなるサーモゲルポリマーは、前述のモノマーの間で(中で)コポリマーを調製するか、またはそのようなホモポリマーをアクリルモノマー(例えば、アクリル酸およびそれらの誘導体、例えばメチルアクリル酸、アクリレートおよびそれらの誘導体、例えばブチルメタクリレート、アクリルアミド、およびN-ブチルアクリルアミドなど)のような他の水溶性ポリマーと一緒にすることにより作成されてもよい。
【0088】
その他のサーモゲルポリマーの代表例は、セルロースエーテル誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース、41℃;メチルセルロース、55℃;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、66℃;およびエチルヒドロキシエチルセルロース、構造X-Y、Y-X-YおよびX-Y-Xであるポリアルキレンオキシド-ポリエステルブロックコポリマー、ここでXはポリアルキレンオキシドであり、およびYは生分解性ポリエステルであり(例えば、PLG-PEG-PLG)、ならびにポリアルキレンオキシド、例えばPLURONIC F-127、10-15℃;L-122、19℃;L-92、26℃;L-81、20℃;およびL-61、24℃(BASF Corporation, Mount Olive, NJ)がある。
【0089】
サーモゲルポリマーおよびそれらの調製法に関連した特許の代表例は、U.S. Patent Nos. 6,451,346;6,201,072;6,117,949;6,004,573;5,702,717;および5,484,610;ならびに、PCT公報WO 99/07343;WO 99/18142;WO 03/17972;WO 01/82970;WO 00/18821;WO 97/15287;WO 01/41735;WO 00/00222およびWO 00/38651を含む。
【0090】
線維形成-誘導物質は、ポリマーのマトリックス中の吸蔵により連結されるか、共有結合により結合されるか、またはマイクロカプセル中にカプセル封入されることができる。本発明のある態様において、治療的組成物は、ミクロスフェア(サイズがナノメーターからミクロメーターの範囲)、ペースト、様々なサイズのスレッド、フィルムおよび噴霧などの非カプセル製剤中で提供される。
【0091】
本発明のある局面において、治療的組成物は、生体適合性であり、数時間、数日、または数ヶ月にわたり、1つまたは複数の線維形成-誘導物質を放出する。さらに本発明の治療的組成物は、好ましくは数ヶ月は安定し、かつ無菌条件下で製造および維持することが可能でなければならない。
【0092】
本発明のある局面において、治療的組成物は、具体的用途に応じて、50nm〜500μmの範囲のサイズで形造られる。これらの組成物は、ミクロスフェア、ミクロ粒子および/またはナノ粒子の形であることができる。これらの組成物は、噴霧乾燥法、粉砕法、コアセルベート法、W/O(水/油)型乳化法、W/O/W(水/油/水)型乳化法、および溶媒蒸発法により形成することができる。別の態様において、これらの組成物は、マイクロエマルション、エマルション、リポソームおよびミセルを含むことができる。あるいはこのような組成物は、「噴霧」として容易に塗布することもでき、これは装置表面コーティングとして使用するための、または移植部位の組織の裏打ち(line)のために、フィルムまたはコーティングへと固化する。このような噴霧は、例えば0.1μm〜3μm、10μm〜30μm、および30μm〜100μmを含む、サイズが広範なアレイのミクロスフェアから調製してもよい。
【0093】
本発明の治療的組成物は、同じく様々な「ペースト」またはゲルの形状で調製されてもよい。例えば、本発明のひとつの態様において、ひとつの温度(例えば、37℃よりも高い温度、例えば40℃、45℃、50℃、55℃または60℃)で液体であり、別の温度(例えば、周囲体温、または37℃よりも低いいずれかの温度)で固体または半固体であるような治療的組成物が提供される。このような「サーモペースト(thermopaste)」は、様々な技術を利用し容易に製造することができる(例えば、PCT公報WO 98/24427参照)。他のペーストは、体内の水性環境へのペースト内の水溶性成分の溶解およびカプセル封入された薬物の沈殿のためにインビボにおいて固化する、液体として塗布することができる。線維形成-誘導物質を含むこれらの「ペースト」および「ゲル」は、インプラントまたは装置と接触する組織表面への適用のために特に有用である。
【0094】
本発明のさらに別の局面において、本発明の治療的組成物は、フィルムまたは管として形造られる。これらのフィルムまたは管は、多孔質または非孔質である。好ましくはこのようなフィルムまたは管は一般に、厚さ5、4、3、2、または1mm未満、より好ましくは厚さ0.75mm、0.5mm、0.25mm、または0.10mm未満である。フィルムまたは管は、厚さ50μm、25μmまたは10μm未満で作成することもできる。このようなフィルムは、良好な引張り強さ(例えば、50N/cm2より大きい、好ましくは100N/cm2より大きい、より好ましくは150または200N/cm2よりも大きい)、良好な接着特性(すなわち、湿ったまたは濡れた表面への接着)を伴い、柔軟であり、ならびに制御された透過性を有することが好ましい。高分子フィルム内に含まれる線維形成-誘導物質は、ステントグラフトの表面に加え、組織、窩洞または臓器の表面への塗布のために特に有用である。
【0095】
本発明のある態様において、治療的組成物は、界面活性剤(例えば、PLURONIC F-127、L-122、L-101、L-92、L-81、およびL-61)、抗炎症剤、抗血栓性物質、保存剤、酸化防止剤、および/または抗-血小板物質のような、追加の成分を含んでも良い。
【0096】
ある態様において、この組成物は、超音波、蛍光顕微鏡および/またはMRI下での、シルク含有ステントグラフトの視認を補助するために、放射線不透過性または音波発生性の材料ならびに磁気共鳴映像(MRI)反応性材料(すなわち、MRI造影剤)を含んでも良い。例えばステントグラフトは、音波発生性または放射線不透過性の組成物で(例えば、粉末化されたタンタル、タングステン、炭酸バリウム、酸化ビスマス、硫酸バリウム、Metrazimide、イオパミドール、イオヘキソール、イオプロミド、イオビトリドール、イオメプロール、イオペントール、イオベルソール、イオキシラン、イオジキサノール、イオトロラン、アセトリゾ酸誘導体、ジアトリゾ酸誘導体、イオタラム酸誘導体、イオキシラタム酸誘導体、メトリゾ酸誘導体、Iodamide、親液性物質、Iodipamideおよびイオグリカム酸のような材料により音波発生性または放射線不透過性であるように製造されるか、または音境界面(acoustic interface)を示すミクロスフェアまたは泡の添加により)製造またはこれで被覆することができる。MRI下での視認のために、造影剤(例えば、ガドリニウム(III)キレートまたは酸化鉄化合物)を、例えば、コーティング中の、または装置の空隙内(例えば、管腔、貯蔵庫内、または装置の形成に使用される構造材料内)の成分として、ステントグラフトに混入することができる。
【0097】
本発明の更なる局面において、疎水性線維形成-誘導化合物、および/または疎水性化合物を炭水化物、タンパク質もしくはポリペプチドと組合せて含む担体を含有および放出するように適合されたポリマー担体が提供される。ある態様内で、ポリマー担体は、1つまたは複数の疎水性化合物の領域、ポケット、または顆粒を含む。例えば、本発明のひとつの態様において、疎水性化合物は、マトリックス内に組込み、引き続きこのマトリックスをポリマー担体内に組込むことができる。これに関して様々なマトリックスを使用することができ、これは例えば、デンプン、セルロース、デキストラン、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヘパリン、キトサンおよびヒアルロン酸などの、炭水化物および多糖、アルブミン、コラーゲンおよびゼラチンなどの、タンパク質またはポリペプチドを含む。別の態様において、疎水性化合物は、疎水性コア内に含まれ、このコアは親水性シェル内に含まれる。
【0098】
本明細書に説明された線維形成-誘導物質を含みおよび送達するために同様に利用され得る他の担体は、以下を含む:ヒドロキシプロピルシクロデキストリン(Cserhati and Hollo, Int. J. Pharm., 108:69-75,1994)、リポソーム(例えば、Sharma et al., Cancer Res. 53:5877-5881,1993;Sharma and Straubinger, Pharm. Res., 11(60):889-896,1994;WO 93/18751;U.S. Patent No. 5,242,073参照)、リポソーム/ゲル(WO 94/26254)、ナノカプセル(Bartoli et al., J Microencapsulation, 7(2):191-197,1990)、ミセル(Alkan-Onyuksel et al., Pharm. Res., 11(2):206-212,1994)、インプラント(Jampel et al., Invest. Ophthalm. Vis. Science, 34(11):3076-3083,1993;Walter et al., Cancer Res. 54:22017-2212,1994、およびU.S. Patent No. 4,882,168)、ナノ粒子(Violante and Lanzafame PAACR)、ナノ粒子-修飾型(U.S. Patent No. 5,145,684)、ナノ粒子(表面修飾)(U.S. Patent No. 5,399,363)、ミセル(界面活性剤)(U.S. Patent No. 5,403,858)、合成リン脂質化合物(U.S. Patent No. 4,534,899)、ボロンガス分散体(U.S. Patent No. 5,301,664)、液体乳剤、泡剤、噴霧剤、ゲル剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、分散した小胞、粒子または液滴、固形-もしくは液体-エアゾール、マイクロエマルション(U.S. Patent No. 5,330,756)、高分子シェル(ナノ-およびミクロ-カプセル)(U.S. Patent No. 5,439,686)、エマルション(Tarr et al., Pharm. Res., 4:62-165,1987)、およびナノスフェア(Hagan et al., Proc. Intern. Symp. Control Rel. Bioact. Mater., 22,1995;Kwon et al., Pharm Res. 12(2):192-195;Kwon et al., Pharm Res., 10(7):970-974;Yokoyama et al., J. Contr. Rel., 32:269-277,1994;Gref et al., Science, 263:1600-1603,1994;Bazile et al., J. Pharm. Sci., 84:493-498,1994)。
【0099】
本発明の別の局面において、ポリマー担体は、インサイチューで形成された材料であってよい。ひとつの態様において、前駆体は、重合され得る不飽和基を含むモノマーまたはマクロマーであることができる。モノマーまたはマクロマーは次に、例えば、治療領域または治療領域の表面上に注射され、放射線源(例えば、可視光またはUV光)またはフリーラジカルシステム(例えば過硫酸カリウムおよびアスコルビン酸または鉄および過酸化水素)を用い、インサイチューで重合される。この重合工程は、試薬の治療部位への注射の直前、注射と同時にまたは注射後に行うことができる。フリーラジカル重合反応を受ける組成物の代表例は、以下のPCT公報:WO 01/44307、WO 01/68720、WO 02/072166、WO 03/043552、WO 93/17669、およびWO 00/64977、U.S. Patent Nos. 5,900,245;6,051,248;6,083,524、6,177,095;6,201,065;6,217,894;6,166,130;6,323,278;6,639,014;6,352,710;6,410,645;6,531,147;5,567,435;5,986,043;および6,602,975、ならびにU.S. Publication Nos. 2002/012796、2002/0127266、2002/0151650、2003/0104032、2002/0091229、および2003/0059906に開示されている。
【0100】
別の態様において、試薬は、架橋されたマトリックスを生成するために、親電子-求核反応を受ける。例えば、4本アームのチオール誘導体化されたポリエチレングリコールは、塩基性条件下(pH>約8)で4本アームのNHS-由来のポリエチレングリコールと反応することができる。親電子-求核架橋反応を受ける組成物の代表例は、以下のU.S. Patent Nos. 5,752,974;5,807,581;5,874,500;5,936,035;6,051,648;6,165,489;6,312,725;6,458,889;6,495,127;6,534,591;6,624,245;6,566,406;6,610,033;6,632,457;U.S. Publication No. 2003/0077272;および同時係属出願で「Tissue Reactive Compounds and Compositions and Uses Thereof」(U.S. Serial No. 60/437,384、2002年12月30日出願、およびU.S. Serial No. 60/44,924、2003年1月17日出願)、ならびに「Drug Delivery from Rapid Gelling Polymer Composition」(U.S. Serial No. 60/437,471、2002年12月30日に出願、ならびにU.S. Serial No. 60/440,875、2003年1月17日出願)に開示されている。使用することができるインサイチューで形成される材料の他の例は、タンパク質の架橋を基にしたものを含む(例えば、U.S. Patent Nos. RE38158;4,839,345;5,514,379;5,583,114;6,458,147;6,371,975、U.S. Publication Nos. 2002/0161399および2001/0018598、ならびにPCT公報WO 03/090683;WO 01/45761;WO 99/66964、およびWO 96/03159に開示されている)。
【0101】
別の態様において、線維化物質は、ステントグラフトの全体またはステントグラフトの一部を被覆することができる。これは、浸漬、噴霧、塗装または真空蒸着により実現することができる。
【0102】
前述のように、線維化物質は、前述の高分子コーティングを用い、ステントグラフト上に被覆することができる。前述のコーティング組成物および方法に加え、様々な他のコーティング組成物および方法が当該技術分野において公知である。これらのコーティング組成物および方法の代表例は、

に開示されている。
【0103】
本発明の別の局面において、生物活性物質は、非高分子物質により送達することができる。これらの非高分子物質は、ショ糖誘導体(例えば、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル);ステロール、例えばコレステロール、スチグマステロール、β-シトステロール、およびエストラジオール;コレステリルエステル、例えばステアリン酸コレステリル;C12-C24脂肪酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、およびリグノセリン酸;C18-C36モノ-、ジ-およびトリアシルグリセリド、例えばグリセリルモノオレエート、グリセリルモノリノレート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノドコサノエート、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノジセノエート、グリセリルジパルミテート、グリセリルジドコサノエート、グリセリルジミリステート、グリセリルジデセノエート、グリセリルトリドコサノエート、グリセリルトリミリステート、グリセリルトリデセノエート、グリセロールトリステアレート、およびそれらの混合物;ショ糖脂肪酸エステル、例えばショ糖ジステアリン酸エステルおよびショ糖パルミチン酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、およびソルビタントリステアレート;C16-C18脂肪族アルコール、例えばセチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、およびセトステアリルアルコール;脂肪族アルコールと脂肪酸のエステル、例えばセチルパルミテートおよびセテアリールパルミテート;脂肪酸無水物、例えば、ステアリン酸無水物;リン脂質、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、およびそれらのリゾ誘導体;スフィンゴシンおよびそれらの誘導体;スフィンゴミエリン、例えばステアリル、パルミトイル、およびトリコサニルスフィンゴミエリン;セラミド、例えばステアリルセラミドおよびパルミトイルセラミド;スフィンゴ糖脂質;ラノリンおよびラノリンアルコール、リン酸カルシウム、焼結および非焼結ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、パラフィンワックス;およびそれらの組合せおよび混合物を含むことができる。
【0104】
非高分子送達システムおよびそれらの調製に関連した特許の代表例は、U.S. Patent Nos. 5,736,152;5,888,533;6,120,789;5,968,542;および5,747,058を含む。
【0105】
線維形成-誘導物質は、溶液として送達され、および均質な溶液または分散液を提供するために溶液に直接混入することができる。ある態様において、溶液は水溶液である。この水溶液はさらに、緩衝塩に加え、粘度調節剤(例えば、ヒアルロン酸、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)など)を含んでもよい。別の本発明の局面において、この溶液は、生体適合性溶媒、例えばエタノール、DMSO、グリセロール、PEG-200、PEG-300またはNMPを含む。
【0106】
本発明の別の局面において、線維形成-阻害物質はさらに、二次担体を含むことができる。二次担体は、ミクロスフェア(例えば、PLGA、PLLA、PDLLA、PCL、ゼラチン、ポリジオキサノン、ポリ(アルキルシアノアクリレート))、ナノスフェア(PLGA、PLLA、PDLLA、PCL、ゼラチン、ポリジオキサン、ポリ(アルキルシアノアクリレート))、リポソーム、エマルション、マイクロエマルション、ミセル(SDS、X-Y、X-Y-XまたはY-X-Y型のブロックコポリマー(ここでXはポリ(アルキレンオキシド)またはそれらのアルキルエーテルであり、Yはポリエステル(例えば、PLGA、PLLA、PDLLA、PCL、およびポリジオキサノン)、ゼオライトまたはシクロデキストリンである)の形であることができる。
【0107】
この組成物はさらに、保存剤、安定剤および色素を含んでもよい。ひとつの局面において、本発明の組成物は、組成物を保存および/または組成物中の細菌の成長を阻害するのに有効量で存在する、1つまたは複数の保存剤または静菌剤、例えばビスマストリブロモフェネート、ヒドロキシ安息香酸メチル、バシトラシン、ヒドロキシ安息香酸エチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、エリスロマイシン、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウムなどを含む。保存剤の例は、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などを含む。ひとつの局面において、本発明の組成物は、1つまたは複数の殺菌剤(bactericidal)(除菌剤(bacteriacidal)としても公知)も含む。
【0108】
具体的特性を付与するために、例えば、着色剤、酸化防止剤、保存剤、顆粒を形成するための結合剤、細孔形成剤、密度調節剤、等張化剤、pH調節剤、浸透圧調節剤、または酸もしくは塩基のような分解促進剤を含む、様々な賦形剤を製剤に添加してもよい。ある態様において、本発明の組成物はさらに水を含み、および/またはpH約3-9を有することができる。
【0109】
ステントグラフト利用法
本発明のシルクステントグラフトを利用し、血管内プロテーゼと宿主の血管壁の間に、グラフト周囲反応を誘導するか、さもなければ密な接着結合を形成することができる。このようなグラフトは、下記の血管内ステントグラフト技術に関連した一般的問題点の解決を提供することが可能である。
【0110】
1.ステント周囲グラフト周囲の漏出
ステントグラフトのステント部分と血管壁の間の近位境界面と遠位境界面の間の線維形成反応または接着または密な接着結合の形成は、この装置の周囲により効果的な封鎖を生じ、ならびに動脈瘤形態の変化を伴いながらも装置のいずれかの末端に生じる遅れたグラフト周囲の漏出を防ぐ。さらに、グラフト本体と動脈瘤それ自身の間の線維性の反応または密な接着の形成は、閉塞を生じるか、または逆流によるグラフト周囲の漏出を防ぐ(すなわち、動脈瘤へと伸びている下行腸間膜動脈または腰動脈の維持、または遅れた再開放)。
【0111】
2.送達装置のサイズ
現在の送達装置のひとつの難点は、これらはステントグラフトに必要な厚さのために、極めて大きいことである。ステントグラフトプロテーゼのグラフト部分へ強度をそれ自身伝達する壁内で反応を誘導することにより、標準のステントグラフトと比べ、より薄いグラフト材料を、本発明のステントグラフトにおいて使用することができる。従って、本発明の様々な局面において、シルクステントグラフトは、厚さ24フレンチ未満、または23フレンチ未満、または22フレンチ未満、または21フレンチ未満、または20フレンチ未満である。
【0112】
3.血管内ステントグラフトによる治療の候補となる動脈瘤疾患を伴う患者を制限する解剖学的要因
プロテーゼのグラフトされた部分の近位縁および遠位縁でプロテーゼと血管壁の間に線維形成反応を誘導するかまたは密な耐久性のある接着結合を形成することにより、首の長さ、特に近位首の長さを、現在示されている1.5cmよりも短くすることができる。この利点は、グラフトと血管壁の間の線維形成反応または密な接着は、例えグラフトと血管壁の間の接触した長さが短くとも、グラフトの封鎖を増強することである。動脈瘤において、血管壁は、拡張され、その結果グラフトから離れる。長い首が存在する場合、グラフト材料と血管壁の間の付着(apposition)は、単に「正常な」直径の血管壁の部分間である。場合によっては、この装置が係留される血管部分は、拡張され、例えば腹部大動脈瘤に対して遠位の拡張された腸骨動脈である。この血管セグメントが拡張されすぎると、グラフト挿入後も拡張が続く傾向があり、これは遅いグラフト周囲漏出につながる。拡張された腸骨動脈または大動脈の首を有する患者は、被覆されない装置による治療は拒否するが、有利なことに本発明のシルク含有ステントグラフトは受け付ける。グラフトと血管壁の間の堅固な結合の形成は、この首がさらに拡張することを防ぐであろう。
【0113】
4.ステントグラフト移動
本発明のシルクステントグラフトは、ステントグラフトと血管壁の間の単なるフックまたは拡張力によるよりも、血管壁に対して堅固に固定され始めるので、ステントグラフトまたはステントグラフトの一部の移動が防止または減少される。
【0114】
5.ステントグラフトの適用の拡大
本ステントグラフトの実践目的への適用は、ステントグラフト全体が血管内に留置される状況に制限される。血管壁と装置の間の封鎖を強化することにより、この装置が、動脈間、動脈と静脈間、または静脈間、または静脈と腹腔間などであるが、これらに限定されない、血管外導管または解剖学的構造外導管としてさえも使用される可能性を拡大する。これらの目的のためのステントグラフトの拡張は、ステントグラフトが進入が血管のような体管または窩洞を残存する部位の封鎖不良による、血液のような体液の漏出リスクにより、少なくとも一部制限される。
【0115】
従って血管壁に接着するためにシルクの封入により適合されるステントグラフトは、多種多様な治療的適用において利用することができる。例えば、シルクステントグラフトは、1本の動脈を別の動脈に連結するため、解剖学的構造内的に、例えば動脈瘤(例えば、頸動脈、胸部大動脈、腹部大動脈、鎖骨下動脈、腸骨動脈、冠動脈、静脈)を迂回するため;切開を治療するため(例えば、頸動脈、冠動脈、腸骨動脈、鎖骨下動脈);長いセグメント疾患を迂回するため(例えば、頸動脈、冠動脈、大動脈、腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈)、または局部破裂を治療するため(例えば、頸動脈、大動脈、腸骨動脈、腎動脈、大腿動脈)に使用することができる。シルクステントグラフトは、例えば、動脈と動脈の透析フィステル;または経皮バイパスグラフトなどの、解剖学的構造外で使用することもできる。
【0116】
本発明のステントグラフトは、動脈を静脈(例えば、透析フィステル)、または1本の静脈を別のものへ(例えば、門脈大静脈シャントまたは静脈バイパス)に連結するために利用することもできる。
【0117】
A.腹部大動脈瘤
ひとつの代表例において、腹部大動脈の破裂を治療または予防するために、シルクステントグラフトは、腹部大動脈瘤(AAA)に挿入することができる。簡単に述べると、無菌条件を用い、適当な麻酔および無痛覚下で、総大腿動脈を外科的に露出させ、この動脈をクランプした後、動脈切開術を行う。ガイドワイヤを、腸骨動脈システムを通して操作し、これに沿って、カテーテルを近位腹部大動脈に挿入し、ならびに血管造影または血管内超音波検査を行う。引き続き診断用カテーテルを、ステントグラフトシステムの大動脈部分を含む、通常シースである送達システムのガイドワイヤに沿って交換する。この装置が、接合部のある(articulated)二股に分れているシステムである場合、このプロテーゼの同側腸管部分よりも、最も一般的な管状通路(iteration)が、大動脈部分に連結される。自己拡張型ステントで構成されたステントグラフトの場合、この装置は、その拘束された立体配置からそれを解除することにより留置される。ステントグラフト骨格がバルーン拡張型ステントで構成される場合、シースを引き抜くことにより解除され、所定の位置でステントグラフトを拡張するようにバルーンを膨張する。大動脈およびプロテーゼの同側腸管部分の解除後、反対の腸骨動脈の外科的露出および切断を行い、プロテーゼの留置された部分をガイドワイヤが通過するようにガイドワイヤを操作する。次にプロテーゼの対側の腸骨動脈の肢部(iliac limb)を含む同様の送達装置を、プロテーゼの留置された大動脈部分へと操作し、蛍光顕微鏡下で適当な位置で解除する。その位置は、ステントグラフトのグラフト部分全体が腎動脈の下側に位置し、好ましくは1方または両方が閉塞されるにもかかわらず内腸骨動脈上に留置されるように、選択される。患者の解剖学的構造に応じて、いずれかの側にさらなる肢部拡張具(limb extension)が挿入される。この装置が管状グラフト、またはひとつの小片の二股に分れている装置である場合、1本の大腿動脈のみ通じて挿入することが必要である。最後の血管造影は、通常、上側腹部大動脈の遠位部分による血管造影用カテーテル位置により得られる。
【0118】
B.胸部大動脈瘤または切開
別の代表例において、ステントグラフトは、胸部大動脈瘤を治療または予防するために利用することができる。簡単に述べると、無菌手技を用い、適当な麻酔および無痛覚下で、カテーテルを、右上腕動脈を介して、上行胸部大動脈へ挿入し、血管造影を行う。一旦治療される罹患した大動脈セグメントの近位境界および遠位境界が規定されたならば、通常右側である1本の総大腿動脈を外科的に露出し、および外科的動脈切開が行われる。ガイドワイヤは、大動脈の罹患したセグメントを通って操作され、ならびにこれに沿って、送達装置、通常シースが前進され、その結果この装置は、左鎖骨下動脈の起点の直下のステントのグラフト部分により、罹患したセグメントを横切る位置に置かれる。ステントグラフトの正確な位置を規定するために造影剤を注射した後、この装置は、自己拡張型ステントの場合は、通常外側シースを引き抜くことにより留置され、その結果この装置は、左鎖骨下動脈に対し直ぐ遠位に(immediately distal)位置し、その遠位部分は胸部大動脈の罹患部分を超えて伸びるが、腹腔動脈の上には伸びない。最後の血管造影を、右上腕動脈により挿入されたカテーテルにより行う。血管アクセス用創傷を、その後閉鎖する。
【0119】
C.ステントコーティング活性の発生の遅延
この装置の挿入に要する時間は非常に長い。例えば理論上は、装置の第一の部分(通常大動脈セグメント)が留置されてから、装置の第二の部分が留置されるまで、数時間かかる。この時点ではまだ、動脈瘤の適切な排除を実現する装置の全ての部分は挿入されない。別の表現をすると、装置上のコーティングは、装置の上またはその周辺に血液凝塊形成を引き起こすことがある。装置が完全に留置されるまでは、血液は装置の周りをさらには装置を通って流れるので、これにより動脈瘤を除去し、そのような血液凝塊は、移動し下流に流されるか、もしくは遠位へと広げられる。このことは、操作者は開放し続けることを意図している、装置挿入の意図された位置の下流の血管の不注意からの望ましくない閉塞または部分的閉塞を生じることがある。いくつかの戦略を用い、このような困難に対処することができる。
【0120】
例えばより詳細に先に論じたように、線維形成誘導活性の開始および/またはシルクに対する線維形成形成反応を遅らせるように設計された(例えば、ステントグラフトの接着または線維形成を遅らせるヘパリンまたはPLGAのような材料によるコーティング)ステントグラフトを構築することができる。
下記の実施例は、例証のためであり、限定のためではない。
【0121】
実施例
実施例1
シルクブレードのステントグラフトへの付着−ホットメルト接着剤
シルクブレード(Ethicon Inc., 4-0, 638)を、約10cm長に切断した。長いシルクブレードの末端を、ステントグラフト(WALLGRAFT Endoprosthesis, Ref:50019, Boston Scientific, Natick, MA)のグラフト材料へ、ホットメルト接着剤を用いて固定した。その後ステントグラフトを延長し、シルクブレードを、ホットメルト接着剤で、約2cm間隔で、ステントグラフトのグラフト部分に固定した。末端の過剰なシルクを、鋏を用いて除去した。シルクの付着は、8ストランドのシルクがステントグラフトに付着されるまで、続けた。延長された配置からのステントグラフトの放出時に、ステントグラフトの収縮は、グラフトの表面からの突き出ているループを形成しているシルクブレードを生じた。
【0122】
実施例2
シルクブレードのステントグラフトへの付着−縫合
シルクブレード(Ethicon Inc., 4-0, 638)を、約10cm長に切断した。長いシルクブレードの末端を、ステントグラフト(WALLGRAFT Endoprosthesis, Ref:50019, Boston Scientific)のグラフト材料へ、PROLENE 7-0縫合糸(Ethicon Inc.)を用い固定した。シルクブレードが、ステントグラフトの外側表面から突き出たループを形成するように、このシルクブレードを、追加のPROLENE 7-0縫合糸を用い、約2cm間隔で、ステントグラフトのグラフト部分に固定した。末端の過剰なシルクを、鋏を用いて除去した。シルクの付着は、8ストランドのシルクがステントグラフトに付着されるまで、続けた。
【0123】
実施例3
生物学的物質によるシルクブレードのコーティング−直接浸漬
シルクブレード(Ethicon Inc., 4-0, 638)を、約10cm長に切断した。シルクブレードを、ブレオマイシンのメタノール溶液に浸漬した。メタノール溶液中のブレオマイシン濃度は、0.1%から飽和溶液まで変動した。シルクブレードは、ブレオマイシン溶液に5分間浸漬した。その後シルクブレードを取り出し、風乾した。次にブレオマイシン-負荷したシルクブレードは、さらに真空乾燥した。その後シルクブレードを、実施例2に説明したように、PROLENE 7-0縫合糸を用い、ステントグラフトのグラフト部分に付着した。
【0124】
実施例4
ポリマー/生物学的物質によるシルクブレードのコーティング−直接浸漬
シルクブレード(Ethicon, 4-0, 638)を、約10cm長に切断した。シルクブレードを、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)[PLGA](9K, 50:50, Birmingham Polymers)およびブレオマイシンの酢酸エチル溶液に浸漬した。この溶液中のPLGA濃度は0.1%から20%(w/v)まで、および溶液中のブレオマイシン濃度は、0.1%から飽和溶液まで変動した。シルクブレードは、PLGA/ブレオマイシン溶液に5分間浸漬した。その後シルクブレードを取り出し、風乾した。次にブレオマイシン-負荷したシルクブレードは、さらに真空乾燥した。その後シルクブレードを、実施例2に説明したように、Prolene 7-0縫合糸を用い、ステントグラフトのグラフト部分に付着した。
【0125】
実施例5
生物活性物質によるステントグラフトのコーティングおよびポリマースレッドの付着
ステントグラフト(WALLGRAFT Endoprosthesis, Ref:50019, Boston Scientific)を、1mLのプラスチック製ピペットチップに押し込んだ。このピペットチップの開放端を、水平方向に向いたFisherオーバーヘッドスターラーに取り付けられたステンレス製棒に付着した。このスターラーを30rpmで回転するように設定した。ブレオマイシンを含む2%PLGA(9K, 50:50, Birmingham Polymers)溶液(酢酸エチル)を、回転しているステントグラフトへ、エアブラシスプレー装置を用い、噴霧した。PLGA溶液中のブレオマイシン濃度は、0.1%から飽和溶液まで変動した。噴霧プロセスの後、ステントグラフトを、依然回転しながら、30分間風乾させた。その後ステントグラフトを、ピペットチップから取り外し、さらに24時間真空乾燥した。その後シルクブレードを、実施例2に説明したように、被覆されたステントグラフトに付着した。
【0126】
実施例6
シルクパウダーの調製
シルクブレード(Ethicon Inc., 4-0, 638)の小片数個を、約0.4cm長に切断した。これらの切断小片を、2M NaOHが50mLが入った100mL丸底フラスコに入れた。この試料を、磁気攪拌子を用い、室温で24時間攪拌した。濃HClを用い、試料を中和した。その後中和した内容物を、セルロース-ベースの透析チューブ(WMCO approx 3000) (NBS Biologicals-Spectrum Laboratories)を用い、脱イオン水に対して透析した。この試料は、5回水を交換し、48時間透析した。透析した試料をその後100mL丸底フラスコに注いだ。試料を凍結し、かつ凍結乾燥し、綿毛状に粉末化された材料を得た。
【0127】
実施例7
粉末化したシルク/PLGAコーティングによるステントグラフトのコーティング
ステントグラフト(WALLGRAFT Endoprosthesis, Ref:50019, Boston Scientific)を、1mLのプラスチック製ピペットチップに押し込んだ。このピペットチップの開放端を、水平方向に向いたFisherオーバーヘッドスターラーに取り付けられたステンレス製棒に付着した。このスターラーを30rpmで回転するように設定した。粉末化したシルクを含む2%PLGA(9K, 50:50, Birmingham Polymers, Birmingham, AL)溶液(酢酸エチル)を、回転しているステントグラフトへ、エアブラシスプレー装置を用い、噴霧した。PLGA溶液中の粉末化したシルクの濃度は、0.1%から50%まで変動した。噴霧プロセスの後、ステントグラフトを、依然回転しながら、30分間風乾させた。その後ステントグラフトを、ピペットチップから取り外し、さらに24時間真空乾燥した。
【0128】
実施例8
シルクパウダー/担体によるポリマースレッドのコーティング
THF中の2.5%(w/v)ChonoFlex AL 85A(CardioTech International Inc., Woburn, MA)溶液を調製した。様々な量のシルクパウダー(ChronoFlexと比べ5〜60%(w/w))を、このポリマー溶液に添加した。ナイロン縫合糸(4-0 Black Monofilament Nylon (Ethicon Inc.)を、ポリマーシルク溶液を通して引き出した。この被覆された縫合糸を風乾させ、その後さらに真空乾燥した。その後被覆された縫合糸を、実施例2に説明したように、PROLENE 7-0縫合糸を用い、ステントグラフトのグラフト部分に付着した。
【0129】
実施例9
グラフト周囲反応の評価のためのスクリーニング法
大きい家兎に、全身麻酔をかけた。無菌的予防措置を用い、腎臓下側の腹部大動脈を露出させ、その上面および下面をクランプした。縦方向の動脈壁の動脈切開を行い、PTFEグラフトの直径2mm、長さ1cmのセグメントを、この大動脈内に挿入し、このグラフトの近位面および遠位面を縫いつけ、ヒトにおける開放外科腹部大動脈修復術において腹部大動脈に含まれるグラフトを全大動脈血流が通るようにした(このモデルでは動脈瘤が存在しない点が異なる)。その後大動脈切開部を、外科的に閉鎖し、腹部創傷を閉鎖し、動物を回復させた。
【0130】
これらの動物は、標準PTFEグラフト、シルクステントグラフト、または前述の他の物質で被覆されたシルクステントグラフトにランダムに分けた。
【0131】
これらの動物は、手術後1〜6週間の間に屠殺し、大動脈を一塊りとして取り出し、グラフトに関連した領域を、接着反応について肉眼により調べた。グラフトを含まない動脈部分、コーティングを含まないグラフトを含む部分、およびコーティングを含むグラフトを伴う部分による、血管壁の形態学的または組織学的差異が認められる。
【0132】
実施例10
細胞増殖に対するシクロスポリンAの作用を評価するためのスクリーニングアッセイ
集密度70〜90%の平滑筋細胞をトリプシン処理し、96-ウェルプレート中の培地中に600個細胞/ウェルで播種し、一晩付着させた。シクロスポリンAを、DMSO中に、濃度10-2Mで調製し、10-倍希釈し、幅のあるストック濃度(10-8M〜10-2M)を作成した。薬物希釈は、培地中に1/1000希釈し、細胞に添加し、総容量200μL/ウェルとした。各薬物濃度を、3つ組のウェルで試験した。平滑筋細胞およびシクロスポリンAを含むプレートを、37℃で72時間インキュベーションした。アッセイを終了するために、培地を、穏やかに吸引することにより除去した。CYQUANT 400X GR色素インジケーター(Molecular Probes;Eugene, OR)の1/400希釈を、1X細胞溶解緩衝液に添加し、混合液200μLを、このプレートのウェルに添加した。プレートは、室温でインキュベーションし、3〜5分間光から保護した。蛍光マイクロプレートリーダーにおいて、〜480nm励起波長および〜520nm最大放出波長で、蛍光を読取った。増殖の活性化は、3つ組のウェルの平均をとり、DMSO対照の平均相対蛍光単位と比較することにより決定した。アッセイの結果は図5に示した。参考文献:In vitro toxicol. (1990) 3:219;Biotech. Histochem. (1993) 68:29;Anal. Biochem. (1993) 213:426。
【0133】
実施例11
平滑筋細胞移動に対するPDGFの作用を評価するためのスクリーニングアッセイ
初代ヒト平滑筋細胞を、インスリンおよびヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を含む平滑筋細胞基本培地において、16時間血清涸渇し、その後アッセイした。移動アッセイに関して、細胞をトリプシン処理し、フラスコから細胞を除去し、移動培地で洗浄し、移動培地中濃度2〜2.5X105個細胞/mLに希釈した。移動培地は、0.35%ヒト血清アルブミンを含む、フェノールレッド非含有ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)からなる。容量100μLの平滑筋細胞(約20,000-25,000個細胞)を、Boydenチャンバーアッセンブリ(QCM Chemotaxis 96-ウェル移動プレート;Chemicon International Inc., Temecula, CA)の上側に添加した。下側のウェルに、走化性物質、組換えヒト血小板由来増殖因子(rhPDGF-BB)を、総容量150μLで濃度10ng/mLで添加した。パクリタキセルを、DMSO中に濃度10-2Mとなるよう調製し、10-倍で段階希釈し、ストック濃度範囲(10-8M〜10-2M)を得た。パクリタキセルを、上側チャンバー中の細胞に、1/1000希釈で先に調製したパクリタキセルDMSOストック溶液を直接添加することにより、細胞に添加した。プレートを、4時間インキュベーションし、細胞を移動させた。
【0134】
4時間経過した後、上側チャンバーの細胞を廃棄し、フィルターの下側に付着した平滑筋細胞を、細胞剥離液(Chemicon)中で37℃で30分間剥離した。取り除かれた細胞を、DNA結合CYQUANT GR色素を含む溶解緩衝液中で溶解し、室温で15分間インキュベーションした。蛍光マイクロプレートリーダーにおいて、〜480nm励起波長および〜520nm最大放出波長で、蛍光を読みとった。3つ組のウェルから得た相対蛍光単位について、バックグラウンド蛍光(走化性物質を含まない対照チャンバー)を減算した後、平均をとり、ならびに移動細胞の平均数を、25,000個細胞/ウェルから98個細胞/ウェルまで段階希釈した平滑筋細胞の標準曲線から得た。パクリタキセル存在下での移動細胞の平均数を、陽性対照(rhPDGF-BBに反応し走化する平滑筋細胞)と比較することにより、50%阻害濃度(IC50)を決定した。アッセイ結果を図6に示した。参考文献:Biotechniques (2000) 29:81;J. Immunol Methods (2001) 254:85。
【0135】
実施例12
動物腹部大動脈瘤モデル
ブタまたはヒツジに、全身麻酔をかけた。無菌的予防措置を用い、腹部大動脈を露出した。動物をヘパリン処理し、大動脈を腎動脈下および大動脈分岐の上でクロス-クランプした。この手技の完了時には取り除かれる血管ループまたはクリップにより、側副動脈を一時的に制御した。縦方向の大動脈切開を、大動脈の動脈面に作成し、および同じ動物から得た腹直筋鞘の楕円形のパッチを、大動脈切開に縫合し、動脈瘤を作成した。この大動脈は、腰動脈からクランプし、および側副動脈を取り除き、および腹部を閉鎖した。30日後、動物を再度麻酔し、腹壁を再度開腹した。腸骨動脈を血管切開し、これを通じて、ステントグラフトを、手術により作成した動脈瘤の上側の正常な腎臓下の腹部大動脈からその下側の正常な腎臓下の腹部大動脈へ伸びている腎臓下の腹部大動脈瘤を横断して配置し、この装置を、通常の方法で解除した。
【0136】
動物は、被覆されないステントグラフトを受け取る5匹、およびシルク含有ステントグラフトを受け取る5匹の動物の群にランダムに分けた。動脈切開部および腹部創傷を閉じた後、動物を回復させた。ステントグラフト挿入の6週間および3ヶ月後、動物を屠殺し、大動脈を一塊りとして取り除いた。腎臓下の腹部大動脈を、組織学的反応およびグラフト周囲漏出の証拠について調べた。
【0137】
実施例13
シルク被覆された血管周囲のPUフィルムのインビボ評価
体重300g〜400gのWistarラットに、ハロタンで麻酔をかけた。首領域の周りの皮膚を剃毛し、皮膚を消毒した。気管上に垂直方向の切開を作成し、左頸動脈を露出した。シルクストランドで被覆されたポリウレタンフィルムまたは対照の被覆されないPUフィルムで、総頸動脈の遠位セグメントの周囲を取り囲んだ。この創傷を閉鎖し、動物を回復させた。28日後、二酸化炭素でラットを屠殺し、10%緩衝したホルムアルデヒドで100mmHgで加圧-灌流した。両方の頸動脈を採取し、組織学的に処理した。連続切片を、処理した左頸動脈から2mm毎に、および未処理の右頸動脈から対応するレベルで、切断した。頸動脈周囲の組織成長を評価するために、切片を、H&EおよびMovat染色液により染色した。血管周囲の肉芽組織の面積は、コンピュータ支援形態学解析により定量化した。肉芽組織の面積は、シルク被覆群のほうが、対照非被覆群よりも有意に高かった。図7参照のこと。
【0138】
実施例14
様々なシルク縫合糸材料で被覆された血管周囲のPUフィルムのインビボ評価
体重300g〜400gのWistarラットに、ハロタンで麻酔をかけた。首領域の周りの皮膚を剃毛し、皮膚を消毒した。気管上に垂直方向の切開を作成し、左頸動脈を露出した。3つの製造業者の異なるシルク縫合糸(3-0シルク-ブラックブレードした縫合糸(Davis & Geck)、3-0シルク縫合糸(US Surgical/Davis & Geck、商標SOFSILKで販売)、および3-0シルク-ブラックブレードした縫合糸(Ethicon Inc.、商標LIGAPAKで販売))のひとつで被覆されたポリウレタンフィルムで、総頸動脈の遠位セグメントの周囲を取り囲んだ。(ポリウレタンフィルムは、線維形成を誘導し得る他の物質でも被覆することができる)この創傷を閉鎖し、動物を回復させた。
【0139】
28日後、二酸化炭素でラットを屠殺し、10%緩衝したホルムアルデヒドで100mmHgで加圧-灌流した。両方の頸動脈を採取し、組織学的に処理した。連続切片を、処理した左頸動脈から2mm毎に、および未処理の右頸動脈から対応するレベルで、切断した。頸動脈周囲の組織成長を評価するために、切片を、H&EおよびMovat染色液により染色した。血管周囲の肉芽組織の面積は、コンピュータ支援形態学解析により定量化した。肉芽組織の厚さは、3群間でほぼ同じであり、これはシルク縫合糸の周りの組織増殖は製造工程とは無関係であることを示している。図8参照のこと。
【0140】
実施例15
血管周囲のシルクパウダーのインビボ評価
体重300g〜400gのWistarラットに、ハロタンで麻酔をかけた。首領域の周りの皮膚を剃毛し、皮膚を消毒した。気管上に垂直方向の切開を作成し、左頸動脈を露出した。シルクパウダーを露出した動脈上に散布し、その後これをPUフィルムで包んだ。天然のシルクパウダーまたは精製したシルクパウダー(夾雑タンパク質非含有)を、異なる動物群で使用した。PUフィルムでのみ包んだ頸動脈を対照群として使用した。この創傷を閉鎖し、動物を回復させた。28日後、二酸化炭素でラットを屠殺し、10%緩衝したホルムアルデヒドで100mmHgで加圧-灌流した。両方の頸動脈を採取し、組織学的に処理した。連続切片を、処理した左頸動脈から2mm毎に、および未処理の右頸動脈から対応するレベルで、切断した。頸動脈周囲の組織成長を評価するために、切片を、H&EおよびMovat染色液により染色した。内膜、中膜、および血管周囲の肉芽組織の面積を、コンピュータ支援形態学解析により定量化した。
【0141】
天然のシルクは、主に細胞外マトリックスまたは血管を伴わないフィブリン網への好中球およびリンパ球浸潤からなる、重度の細胞炎症を引き起こした。加えて処理した動脈は、低細胞数の中膜、断片化された弾性層板および厚い内膜過形成を伴う、重度の損傷を受けた。内膜過形成は、多くの炎症細胞を含み、2/6症例において閉塞した。この重度の免疫応答は、恐らくこの配合中のシルクタンパク質を被覆している抗原性タンパク質により引き起こされたであろう。他方で、再生されたシルクパウダーは、処理した動脈を取り囲む軽度の異物反応のみを生じた。この組織反応は、細胞外マトリックス、巨細胞および血管中の炎症細胞により特徴付けられた。処理された動脈は無傷であった。これらの結果は、天然のシルクからのコーティングタンパク質の除去は、免疫応答を防止し、良性の組織成長を促進することを示している。再生されたシルクパウダーの分解は、いくつかの組織学的切片で進行中であり、組織反応が恐らく成熟し、かつ時間をかけて治癒することを示している。図9参照のこと。
【0142】
実施例16
血管周囲のタルカムパウダーのインビボ評価
体重300g〜400gのWistarラットに、ハロタンで麻酔をかけた。首領域の周りの皮膚を剃毛し、皮膚を消毒した。気管上に垂直方向の切開を作成し、左頸動脈を露出した。タルカムパウダーを露出した動脈上に散布し、その後PUフィルムで包んだ。PUフィルムでのみ包んだ頸動脈を対照群として使用した。この創傷を閉鎖し、動物を回復させた。1または3ヶ月後、二酸化炭素でラットを屠殺し、10%緩衝したホルムアルデヒドにより100mmHgで加圧-灌流した。両方の頸動脈を採取し、組織学的に処理した。連続切片を、処理した左頸動脈から2mm毎に、および未処理の右頸動脈から対応するレベルで、切断した。頸動脈周囲の組織成長を評価するために、切片を、H&EおよびMovat染色液により染色した。内膜、中膜、および血管周囲の肉芽組織の厚さを、コンピュータ支援形態学解析により定量化した。組織学的結果および形態学的解析は、1ヶ月および3ヶ月後で、タルカムパウダーに対する同じ局所反応を示した。大きい組織反応が、タルカムパウダーを血管周囲の塗布部位で捕獲していた。この組織は、好中球、リンパ球および血管をほとんど伴わない濃染細胞外マトリックス内の非常に多数のマクロファージを特徴としていた。処理された血管は無傷であり、この処理の影響を受けないように見えた。全般的にこの結果は、タルカムパウダーは、事実上亜臨床的である軽度の長期の維症性反応を誘導し、および隣接組織には有害でないことを示している。図10参照のこと。
【0143】
実施例17
シルク被覆されたステント-グラフトのインビボ評価
ヒツジを、Penthotaを静脈内注射し麻酔をかけ、ハロタンで麻酔を維持した。首の上の皮膚を、無菌手術のために処置した。垂直方向の皮膚切開を、首の片側上の胸鎖乳突筋上に作成した。総頸動脈および外頸静脈を露出した。この動脈をクランプした後、長さ2cmの動脈切開を行った。静脈のセグメントを切除した。静脈グラフトの片端を、動脈切開部へ、末端−側面吻合により縫合した。他端を縫合糸により封鎖し、その結果小嚢性動脈瘤を作成した。クランプの解除後、創傷をレーザーで封鎖し、その後動物を回復させた。
【0144】
2週間後、動物に先に説明したように麻酔をかけた。無菌手術法を用い、右大腿動脈を露出し、血管用シースを挿入した。カテーテルを、シースを通して進め、蛍光顕微鏡により頸動脈へと導いた。この動脈瘤の最初の血管造影を行った。シルクストランドで被覆されたDACRONステント-グラフトまたは対照のシルクで被覆されないDACRONステント-グラフトを、動脈瘤療法により挿入し、これにより動脈瘤を排除した。2回目の血管造影を行い、グラフト位置を確認した。カテーテルおよびシースを取り外した。大腿動脈を修復し、創傷を封鎖し、動物を回復させた。
【0145】
ステント-移植の1ヶ月後、動物に先に説明したように麻酔をかけた。左大腿動脈を露出し、血管用シースを挿入した。最後の血管造影を行った。その後動物を安楽死させ、ホルマリンで加圧-灌流した。グラフトおよび動脈瘤を収集し、切片とし、H&EおよびMovat染色液により染色した。このステントされた動脈の組織病理学的評価は、シルクストランド20、ステントグラフト30(ステントグラフト30のステントの歯の除去後円形領域35は残存する)および血管壁40の間の空隙10は、グラフト留置後に存在する空間を満たす組織成長50(すなわち肉芽組織)で満たされ、かつ密な封鎖を提供する(図12参照)ことを明らかにしている。対照的に、シルクストランドを伴わない対照グラフト60(図11に示した、ステントグラフト60のステントの歯の除去後円形領域70は残存する)は、グラフト60と血管壁40の間に組織成長を示さなかった。
【0146】
前記米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許公開は全て、本明細書において参照とされ、および/または本出願のデータシート中に列記されており、それらの全体が本明細書に参照として組入れられている。
【0147】
前述から明らかであるように、本発明の具体的態様は、例証を目的として説明されているが、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。従って本発明は、添付の特許請求の範囲以外には制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】代表的ステントグラフトの概略図である。点線は、グラフトの各末端の所望の物質を伴うグラフトのコーティングを示している。
【図2】図1に図示されたステントグラフトの断面図である。
【図3】ステントグラフトに水平、斜めまたは垂直に固定されているシルク縫合糸を有する本発明のシルクステントグラフトの概略図である。
【図4】シルクスレッドの片端または両端のいずれかに付着しているシルク縫合糸を有する本発明のシルクステントグラフトの概略図であり、ここでシルクはステントグラフトからある距離伸びている。
【図5】シクロスポリンA濃度の関数として平滑筋細胞増殖の活性化の割合(%)を示すグラフである。
【図6】未処理のおよびパクリタキセル処理した初代平滑筋細胞についてのrhPDDF-BBに対する反応で移動する細胞の平均数を示す棒グラフである。
【図7】シルクで被覆された血管周囲のPUフィルムに曝露された頸動脈における肉芽組織の面積の、被覆されないPUフィルムに曝露された動脈との比較を示す棒グラフである。
【図8】シルク縫合糸で被覆された血管周囲のPUフィルムに曝露された頸動脈における肉芽組織の面積の、被覆されないPUフィルムに曝露された動脈との比較を示す棒グラフである。
【図9】天然のおよび精製したシルクパウダーに曝露されたおよび血管周囲のPUフィルムで包まれた頸動脈の肉芽組織の面積の、動脈が血管周囲のPUフィルムで包まれたのみの対照群との比較を示す、棒グラフである。
【図10】タルカムパウダーが散布されおよび血管周囲のPUフィルムで包まれた頸動脈における肉芽組織の面積(1ヶ月および3ヶ月の時点)の、動脈が血管周囲のPUフィルムで包まれたのみの対照群との比較を示す棒グラフである。
【図11】ステントグラフト挿入の1ヶ月後の頸動脈の断面を示す写真(100×)である(対照)。
【図12】シルク被覆したステントグラフトの挿入の1ヶ月後の頸動脈の断面を示す写真(100×)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シルクを含む、腔内ステントおよびグラフトを含むステントグラフト。
【請求項2】
シルクは、ステントグラフトと動物組織の間に線維形成(fibrosis)を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項3】
生物活性物質をさらに含み、該物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応(fibrotic response)を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項4】
シルクは天然もしくは組換えカイコシルクまたはその誘導体である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項5】
シルクはフィブロインを含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項6】
シルクはセリシンを含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項7】
シルクは組換えシルクである、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項8】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項9】
シルクはスレッドの形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項10】
シルクはブレードの形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項11】
シルクはシートの形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項12】
シルクは粉末の形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項13】
シルクはアシル化されている、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項14】
シルクは、シルクをグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項15】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項16】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項17】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項18】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項19】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項20】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項21】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項22】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項23】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項24】
シルクの一部または全てのコーティングをさらに含み、ここでコーティングが、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングはシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項25】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項24記載のステントグラフト。
【請求項26】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項25記載のステントグラフト。
【請求項27】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項25記載のステントグラフト。
【請求項28】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項25記載のステントグラフト。
【請求項29】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項30】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項31】
物質は、ブレオマイシンまたはその類似体もしくは誘導体である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項32】
物質は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびそれらの酸化物、硝酸銀、銅、シルク、シリカ、結晶シリケート、および石英粉塵からなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項33】
物質は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ならびにアクリル酸のポリマーおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項34】
物質は、塩化ビニルまたは塩化ビニルのポリマーである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項35】
物質は、シアノアクリレート、架橋されたポリ(エチレングリコール)、メチル化されたコラーゲン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される接着剤である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項36】
物質は、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物、およびペプチドからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項37】
物質は、炎症性サイトカインである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項38】
炎症性サイトカインは、TGFβ、PDGF、VEGF、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF、CTGF、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項37記載のステントグラフト。
【請求項39】
物質は細胞外マトリックスの成分である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項40】
成分は、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜においてみられるタンパク質、フィブロシン、またはコラーゲンである、請求項39記載のステントグラフト。
【請求項41】
物質が、ポリリシン、キトサン、およびN-カルボキシブチルキトサンからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項42】
物質が、免疫細胞により生成される因子である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項43】
因子が、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項42記載のステントグラフト。
【請求項44】
因子が、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、および細胞接着分子からなる群より選択される、請求項42記載のステントグラフト。
【請求項45】
物質は、RGD残基配列を含む、天然および合成のペプチドからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項46】
物質は骨形成因子(BMP)である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項47】
BMPは、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、またはBMP-7である、請求項46記載のステントグラフト。
【請求項48】
物質は、無機および有機の小型陰イオン分子刺激剤からなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項49】
物質は、細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進することができるDNA配列およびRNA配列からなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項50】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項51】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール(diethylstibesterol)、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項50記載のステントグラフト。
【請求項52】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項53】
物質はカスパーゼ阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項54】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項53記載のステントグラフト。
【請求項55】
物質はMMP阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項56】
MMP阻害剤は、バチマスタット(BATIMASTAT)またはマリミスタット(MARIMISTAT)である、請求項55記載のステントグラフト。
【請求項57】
物質は、組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項58】
物質は、サイトカイン阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項59】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項58記載のステントグラフト。
【請求項60】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項61】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項60記載のステントグラフト。
【請求項62】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項63】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項62記載のステントグラフト。
【請求項64】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項65】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド(ESONARIMOD)、またはトラネキサム酸である、請求項64記載のステントグラフト。
【請求項66】
物質はケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項67】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項66記載のステントグラフト。
【請求項68】
物質は抗炎症剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項69】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項68記載のステントグラフト。
【請求項70】
二股に分れている、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項71】
管状グラフトである、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項72】
円筒形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項73】
自己拡張型である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項74】
バルーン拡張型である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項75】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項76】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項77】
無菌である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項78】
ステントグラフトは、腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項79】
拡張可能部分は膨張可能である、請求項78記載のステントグラフト。
【請求項80】
シルクはフィブロインを含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項81】
シルクはセリシンを含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項82】
シルクは組換えシルクである、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項83】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはその誘導体である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項84】
シルクは天然もしくは組換えカイコシルクまたはその誘導体である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項85】
シルクはスレッドの形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項86】
シルクはブレードの形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項87】
シルクはシートの形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項88】
シルクは粉末の形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項89】
シルクはアシル化されている、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項90】
シルクはグラフトに織り合わせることによりステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項91】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項92】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項93】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項94】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項95】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項96】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項97】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項98】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項99】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項100】
シルクの一部または全体のコーティングをさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項101】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項100記載のステントグラフト。
【請求項102】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項101記載のステントグラフト。
【請求項103】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項100記載のステントグラフト。
【請求項104】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項100記載のステントグラフト。
【請求項105】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項106】
生物活性物質をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項107】
物質は、ブレオマイシンまたはその類似体もしくは誘導体である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項108】
物質は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびその酸化物、硝酸銀、銅、シルク、シリカ、結晶シリケート、および石英粉塵からなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項109】
物質は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ならびにアクリル酸のポリマーおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項110】
物質は、塩化ビニルまたは塩化ビニルのポリマーである、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項111】
物質は、シアノアクリレート、架橋されたポリ(エチレングリコール)、メチル化されたコラーゲン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される接着剤である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項112】
物質は、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物およびペプチドからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項113】
物質は、炎症性サイトカインである、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項114】
炎症性サイトカインは、TGFβ、PDGF、VEGF、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF、CTGF、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項113記載のステントグラフト。
【請求項115】
物質は、細胞外マトリックスの成分である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項116】
成分は、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜においてみられるタンパク質、フィブロシン、またはコラーゲンである、請求項115記載のステントグラフト。
【請求項117】
物質が、ポリリシン、キトサン、およびN-カルボキシブチルキトサンからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項118】
物質が、免疫細胞により生成される因子である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項119】
因子が、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項118記載のステントグラフト。
【請求項120】
因子が、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、および細胞接着分子からなる群より選択される、請求項118記載のステントグラフト。
【請求項121】
物質は、RGD残基配列を含む、天然および合成のペプチドからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項122】
物質は、骨形成因子(BMP)である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項123】
BMPは、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、またはBMP-7である、請求項122記載のステントグラフト。
【請求項124】
物質は、無機および有機の小型陰イオン分子刺激剤からなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項125】
物質は、細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進することができるDNA配列およびRNA配列からなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項126】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項127】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項126記載のステントグラフト。
【請求項128】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項129】
物質はカスパーゼ阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項130】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項129記載のステントグラフト。
【請求項131】
物質はMMP阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項132】
MMP阻害剤は、バチマスタットまたはマリミスタットである、請求項131記載のステントグラフト。
【請求項133】
物質は組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項134】
物質はサイトカイン阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項135】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項134記載のステントグラフト。
【請求項136】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項137】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項136記載のステントグラフト。
【請求項138】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項139】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項138記載のステントグラフト。
【請求項140】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項141】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、またはトラネキサム酸である、請求項140記載のステントグラフト。
【請求項142】
物質は、ケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項143】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項142記載のステントグラフト。
【請求項144】
物質は、抗炎症剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項145】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項144記載のステントグラフト。
【請求項146】
二股に分れている、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項147】
管状グラフトである、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項148】
円筒形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項149】
自己拡張型である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項150】
バルーン拡張型である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項151】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項152】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項153】
無菌である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項154】
腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項155】
拡張可能部分は膨張可能である、請求項154記載のステントグラフト。
【請求項156】
シルクはフィブロインを含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項157】
シルクはセリシンを含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項158】
シルクは組換えシルクである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項159】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはその誘導体である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項160】
シルクはスレッドの形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項161】
シルクはブレードの形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項162】
シルクはシートの形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項163】
シルクは粉末の形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項164】
シルクはアシル化されている、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項165】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項166】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項167】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項168】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項169】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項170】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項171】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項172】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項173】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項174】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項175】
シルクの一部または全体のコーティングをさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項176】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項175記載のステントグラフト。
【請求項177】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項176記載のステントグラフト。
【請求項178】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項176記載のステントグラフト。
【請求項179】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項178記載のステントグラフト。
【請求項180】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項181】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項182】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項183】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項182記載のステントグラフト。
【請求項184】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項185】
物質は、カスパーゼ阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項186】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項185記載のステントグラフト。
【請求項187】
物質は、MMP阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項188】
MMP阻害剤は、バチマスタットまたはマリミスタットである、請求項187記載のステントグラフト。
【請求項189】
物質は、組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項190】
物質は、サイトカイン阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項191】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項190記載のステントグラフト。
【請求項192】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項193】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項192記載のステントグラフト。
【請求項194】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項195】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項194記載のステントグラフト。
【請求項196】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項197】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、またはトラネキサム酸である、請求項196記載のステントグラフト。
【請求項198】
物質は、ケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項199】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項198記載のステントグラフト。
【請求項200】
物質は、抗炎症剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項201】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項200記載のステントグラフト。
【請求項202】
二股に分れている、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項203】
管状グラフトである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項204】
円筒形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項205】
自己拡張型である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項206】
バルーン拡張型である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項207】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項208】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項209】
無菌である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項210】
腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項211】
拡張可能部分は、膨張可能である、請求項210記載のステントグラフト。
【請求項212】
シルクはフィブロインを含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項213】
シルクはセリシンを含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項214】
シルクは組換えシルクである、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項215】
シルクはスレッドの形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項216】
シルクはブレードの形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項217】
シルクはシートの形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項218】
シルクは粉末の形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項219】
シルクはアシル化されている、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項220】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項221】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項222】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項223】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項224】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項225】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項226】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項227】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項228】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項229】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項230】
シルクの一部または全体のコーティングをさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項231】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項230記載のステントグラフト。
【請求項232】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項231記載のステントグラフト。
【請求項233】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項231記載のステントグラフト。
【請求項234】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項231記載のステントグラフト。
【請求項235】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項236】
ステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項237】
生物活性物質をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項238】
物質は、ブレオマイシンまたはそれらの類似体もしくは誘導体である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項239】
物質は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびその酸化物、硝酸銀、銅、シルク、シリカ、結晶シリケート、および石英粉塵からなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項240】
物質は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ならびにアクリル酸のポリマーおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項241】
物質は、塩化ビニルまたは塩化ビニルのポリマーである、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項242】
物質は、シアノアクリレート、架橋されたポリ(エチレングリコール)、メチル化されたコラーゲン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される接着剤である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項243】
物質は、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物、およびペプチドからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項244】
物質は、炎症性サイトカインである、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項245】
炎症性サイトカインは、TGFβ、PDGF、VEGF、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF、CTGF、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項244記載のステントグラフト。
【請求項246】
物質は、細胞外マトリックスの成分である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項247】
成分は、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜においてみられるタンパク質、フィブロシン、またはコラーゲンである、請求項246記載のステントグラフト。
【請求項248】
物質が、ポリリシン、キトサン、およびN-カルボキシブチルキトサンからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項249】
物質が、免疫細胞により生成される因子である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項250】
因子が、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項249記載のステントグラフト。
【請求項251】
因子が、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、および細胞接着分子からなる群より選択される、請求項249記載のステントグラフト。
【請求項252】
物質は、RGD残基配列を含む、天然および合成のペプチドからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項253】
物質は骨形成因子(BMP)である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項254】
BMPは、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、またはBMP-7である、請求項253記載のステントグラフト。
【請求項255】
物質は、無機および有機の小型陰イオン分子刺激剤からなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項256】
物質は、細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進することができるDNA配列およびRNA配列からなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項257】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項258】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項257記載のステントグラフト。
【請求項259】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項260】
物質は、カスパーゼ阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項261】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項260記載のステントグラフト。
【請求項262】
物質は、MMP阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項263】
MMP阻害剤は、バチマスタットまたはマリミスタットである、請求項262記載のステントグラフト。
【請求項264】
物質は、組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項265】
物質は、サイトカイン阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項266】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項265記載のステントグラフト。
【請求項267】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項268】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項267記載のステントグラフト。
【請求項269】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項270】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項269記載のステントグラフト。
【請求項271】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項272】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、またはトラネキサム酸である、請求項271記載のステントグラフト。
【請求項273】
物質は、ケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項274】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項273記載のステントグラフト。
【請求項275】
物質は、抗炎症剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項276】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項175記載のステントグラフト。
【請求項277】
二股に分れている、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項278】
管状グラフトである、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項279】
円筒形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項280】
自己拡張型である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項281】
バルーン拡張型である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項282】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項283】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項284】
無菌である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項285】
腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項286】
拡張可能部分は、膨張可能である、請求項285記載のステントグラフト。
【請求項287】
(a)シルクおよびステントグラフトを提供する工程;ならびに
(b)シルクをステントグラフトに接着させる工程
を含む、ステントグラフトを形成する方法。
【請求項288】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項287記載の方法。
【請求項289】
生物活性物質をステントグラフトと組合せる工程をさらに含み、該物質は、ステントグラフトが挿入された宿主における増強された線維形成反応を誘導する、請求項287記載の方法。
【請求項290】
シルクは天然もしくは組換えカイコシルクまたはそれらの誘導体である、請求項287記載の方法。
【請求項291】
シルクはフィブロインを含む、請求項287記載の方法。
【請求項292】
シルクはセリシンを含む、請求項287記載の方法。
【請求項293】
シルクは組換えシルクである、請求項287記載の方法。
【請求項294】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項287記載の方法。
【請求項295】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項287記載の方法。
【請求項296】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項297】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項298】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項299】
シルクは組換えシルクである、請求項287記載の方法。
【請求項300】
シルクはスレッドの形である、請求項287記載の方法。
【請求項301】
シルクはブレードの形である、請求項287記載の方法。
【請求項302】
シルクはシートの形である、請求項287記載の方法。
【請求項303】
シルクは粉末の形である、請求項287記載の方法。
【請求項304】
シルクはアシル化されている、請求項287記載の方法。
【請求項305】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項287記載の方法。
【請求項306】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項287記載の方法。
【請求項307】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項308】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項287記載の方法。
【請求項309】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項287記載の方法。
【請求項310】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項287記載の方法。
【請求項311】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項287記載の方法。
【請求項312】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項287記載の方法。
【請求項313】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項312記載の方法。
【請求項314】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項313記載の方法。
【請求項315】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項313記載の方法。
【請求項316】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項313記載の方法。
【請求項317】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項287記載の方法。
【請求項318】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項287記載の方法。
【請求項319】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項287載の方法。
【請求項320】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項287記載の方法。
【請求項321】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項287記載の方法。
【請求項322】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項287記載の方法。
【請求項323】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項287記載の方法。
【請求項324】
シルクはフィブロインを含む、請求項288記載の方法。
【請求項325】
シルクはセリシンを含む、請求項288記載の方法。
【請求項326】
シルクは組換えシルクである、請求項288記載の方法。
【請求項327】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項288記載の方法。
【請求項328】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項288記載の方法。
【請求項329】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項330】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項331】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項332】
シルクは組換えシルクである、請求項288記載の方法。
【請求項333】
シルクはスレッドの形である、請求項288記載の方法。
【請求項334】
シルクはブレードの形である、請求項288記載の方法。
【請求項335】
シルクはシートの形である、請求項288記載の方法。
【請求項336】
シルクは粉末の形である、請求項288記載の方法。
【請求項337】
シルクはアシル化されている、請求項288記載の方法。
【請求項338】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項288記載の方法。
【請求項339】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項288記載の方法。
【請求項340】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項341】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項288記載の方法。
【請求項342】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項288記載の方法。
【請求項343】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項288記載の方法。
【請求項344】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項288記載の方法。
【請求項345】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項288記載の方法。
【請求項346】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項345記載の方法。
【請求項347】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、およびコポリマーならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項346記載の方法。
【請求項348】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項346記載の方法。
【請求項349】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項346記載の方法。
【請求項350】
生物活性物質をステントグラフトと組合わせる工程をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項288記載の方法。
【請求項351】
物質は、ステントグラフトから放出される、請求項350記載の方法。
【請求項352】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項288記載の方法。
【請求項353】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項288記載の方法。
【請求項354】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項288載の方法。
【請求項355】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項288記載の方法。
【請求項356】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項288記載の方法。
【請求項357】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項288記載の方法。
【請求項358】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項288記載の方法。
【請求項359】
シルクはフィブロインを含む、請求項289記載の方法。
【請求項360】
シルクはセリシンを含む、請求項289記載の方法。
【請求項361】
シルクは組換えシルクである、請求項289記載の方法。
【請求項362】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項289記載の方法。
【請求項363】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項289記載の方法。
【請求項364】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項365】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項366】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項367】
シルクは組換えシルクである、請求項289記載の方法。
【請求項368】
シルクはスレッドの形である、請求項289記載の方法。
【請求項369】
シルクはブレードの形である、請求項289記載の方法。
【請求項370】
シルクはシートの形である、請求項289記載の方法。
【請求項371】
シルクは粉末の形である、請求項289記載の方法。
【請求項372】
シルクはアシル化されている、請求項289記載の方法。
【請求項373】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項289記載の方法。
【請求項374】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項289記載の方法。
【請求項375】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項376】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項289記載の方法。
【請求項377】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項289記載の方法。
【請求項378】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項289記載の方法。
【請求項379】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項289記載の方法。
【請求項380】
生物活性物質が、ステントグラフトから放出される、請求項289記載の方法。
【請求項381】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項289記載の方法。
【請求項382】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項381記載の方法。
【請求項383】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、およびコポリマーならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項382記載の方法。
【請求項384】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項382記載の方法。
【請求項385】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項382記載の方法。
【請求項386】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項289記載の方法。
【請求項387】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項289記載の方法。
【請求項388】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項289記載の方法。
【請求項389】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項289記載の方法。
【請求項390】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項289記載の方法。
【請求項391】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項289記載の方法。
【請求項392】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項289記載の方法。
【請求項393】
シルクはフィブロインを含む、請求項290記載の方法。
【請求項394】
シルクはセリシンを含む、請求項290記載の方法。
【請求項395】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項290記載の方法。
【請求項396】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項397】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項398】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項399】
シルクはスレッドの形である、請求項290記載の方法。
【請求項400】
シルクはブレードの形である、請求項290記載の方法。
【請求項401】
シルクはシートの形である、請求項290記載の方法。
【請求項402】
シルクは粉末の形である、請求項290記載の方法。
【請求項403】
シルクはアシル化されている、請求項290記載の方法。
【請求項404】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項290記載の方法。
【請求項405】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項290記載の方法。
【請求項406】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項407】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項290記載の方法。
【請求項408】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項290記載の方法。
【請求項409】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項290記載の方法。
【請求項410】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項290記載の方法。
【請求項411】
生物活性物質をステントグラフトと組合せる工程をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項290記載の方法。
【請求項412】
物質がステントグラフトから放出される、請求項411記載の方法。
【請求項413】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項290記載の方法。
【請求項414】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項413記載の方法。
【請求項415】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項414記載の方法。
【請求項416】
セルロース誘導体がヒドロキシプロピルセルロースである、請求項414記載の方法。
【請求項417】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項414記載の方法。
【請求項418】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項290記載の方法。
【請求項419】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項290記載の方法。
【請求項420】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項290記載の方法。
【請求項421】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項290記載の方法。
【請求項422】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項290記載の方法。
【請求項423】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項290記載の方法。
【請求項424】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項290記載の方法。
【請求項425】
グラフトは、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、炭化水素または過フッ化炭化水素から調製される、請求項287記載の方法。
【請求項426】
患者に、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトを送達する工程を含む、動脈瘤を有する患者を治療する方法。
【請求項427】
動脈瘤が、腹部大動脈瘤である、請求項426記載の方法。
【請求項428】
動脈瘤が、胸部大動脈瘤である、請求項426記載の方法。
【請求項429】
動脈瘤が、腸骨大動脈瘤である、請求項426記載の方法。
【請求項430】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項426記載の方法。
【請求項431】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項426記載の方法。
【請求項432】
血管内の疾患を迂回する方法であって、血管の内容物は、血管患部を迂回するように、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトをそれを必要とする患者へ送達する工程を含む方法。
【請求項433】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項432記載の方法。
【請求項434】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項432記載の方法。
【請求項435】
動脈と静脈の間の連絡を取らせる(creating communication)方法であって、動脈と静脈の間に経路が作製されるように、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトをそれを必要とする患者へ送達する工程を含む方法。
【請求項436】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項435記載の方法。
【請求項437】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項435記載の方法。
【請求項438】
第一の静脈と第二の静脈の間の連絡を取らせる方法であって、第一および第二の静脈の間に経路が作製されるように、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトをそれを必要とする患者へ送達する工程を含む方法。
【請求項439】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項438記載の方法。
【請求項440】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項435記載の方法。
【請求項441】
請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトを患者へ送達する工程を含む、患者におけるステントグラフト送達に関連したグラフト周辺の漏出を減少させる方法。
【請求項442】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項441記載の方法。
【請求項443】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項441記載の方法。
【請求項444】
請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトを患者へ挿入する工程を含む、それを必要とする患者にステントグラフトを接着する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シルクを含む、腔内ステントおよびグラフトを含むステントグラフト。
【請求項2】
シルクは非生体適合性であり、ステントグラフトと動物組織の間に線維形成(fibrosis)を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項3】
生物活性物質をさらに含み、該物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応(fibrotic response)を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項4】
シルクは天然もしくは組換えカイコシルクまたはその誘導体である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項5】
シルクはフィブロインを含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項6】
シルクはセリシンを含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項7】
シルクは組換えシルクである、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項8】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項9】
シルクはスレッドの形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項10】
シルクはブレードの形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項11】
シルクはシートの形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項12】
シルクは粉末の形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項13】
シルクはアシル化されている、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項14】
シルクは、シルクをグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項15】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項16】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項17】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項18】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項19】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項20】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項21】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項22】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項23】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項24】
シルクの一部または全てのコーティングをさらに含み、ここでコーティングが、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングはシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項25】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項24記載のステントグラフト。
【請求項26】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項25記載のステントグラフト。
【請求項27】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項25記載のステントグラフト。
【請求項28】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項25記載のステントグラフト。
【請求項29】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項30】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項31】
物質は、ブレオマイシンまたはその類似体もしくは誘導体である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項32】
物質は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびそれらの酸化物、硝酸銀、銅、シルク、シリカ、結晶シリケート、および石英粉塵からなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項33】
物質は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ならびにアクリル酸のポリマーおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項34】
物質は、塩化ビニルまたは塩化ビニルのポリマーである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項35】
物質は、シアノアクリレート、架橋されたポリ(エチレングリコール)、メチル化されたコラーゲン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される接着剤である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項36】
物質は、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物、およびペプチドからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項37】
物質は、炎症性サイトカインである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項38】
炎症性サイトカインは、TGFβ、PDGF、VEGF、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF、CTGF、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項37記載のステントグラフト。
【請求項39】
物質は細胞外マトリックスの成分である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項40】
成分は、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜においてみられるタンパク質、フィブロシン、またはコラーゲンである、請求項39記載のステントグラフト。
【請求項41】
物質が、ポリリシン、キトサン、およびN-カルボキシブチルキトサンからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項42】
物質が、免疫細胞により生成される因子である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項43】
因子が、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項42記載のステントグラフト。
【請求項44】
因子が、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、および細胞接着分子からなる群より選択される、請求項42記載のステントグラフト。
【請求項45】
物質は、RGD残基配列を含む、天然および合成のペプチドからなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項46】
物質は骨形成因子(BMP)である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項47】
BMPは、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、またはBMP-7である、請求項46記載のステントグラフト。
【請求項48】
物質は、無機および有機の小型陰イオン分子刺激剤からなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項49】
物質は、細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進することができるDNA配列およびRNA配列からなる群より選択される、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項50】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項51】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール(diethylstibesterol)、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項50記載のステントグラフト。
【請求項52】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項53】
物質はカスパーゼ阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項54】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項53記載のステントグラフト。
【請求項55】
物質はMMP阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項56】
MMP阻害剤は、バチマスタット(BATIMASTAT)またはマリミスタット(MARIMISTAT)である、請求項55記載のステントグラフト。
【請求項57】
物質は、組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項58】
物質は、サイトカイン阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項59】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項58記載のステントグラフト。
【請求項60】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項61】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項60記載のステントグラフト。
【請求項62】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項63】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項62記載のステントグラフト。
【請求項64】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項65】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド(ESONARIMOD)、またはトラネキサム酸である、請求項64記載のステントグラフト。
【請求項66】
物質はケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項67】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項66記載のステントグラフト。
【請求項68】
物質は抗炎症剤である、請求項52記載のステントグラフト。
【請求項69】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項68記載のステントグラフト。
【請求項70】
二股に分れている、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項71】
管状グラフトである、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項72】
円筒形である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項73】
自己拡張型である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項74】
バルーン拡張型である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項75】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項76】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項77】
無菌である、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項78】
ステントグラフトは、腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項79】
拡張可能部分は膨張可能である、請求項78記載のステントグラフト。
【請求項80】
シルクはフィブロインを含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項81】
シルクはセリシンを含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項82】
シルクは組換えシルクである、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項83】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはその誘導体である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項84】
シルクは天然もしくは組換えカイコシルクまたはその誘導体である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項85】
シルクはスレッドの形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項86】
シルクはブレードの形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項87】
シルクはシートの形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項88】
シルクは粉末の形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項89】
シルクはアシル化されている、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項90】
シルクはグラフトに織り合わせることによりステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項91】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項92】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項93】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項94】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項95】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項96】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項97】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項98】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項99】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項100】
シルクの一部または全体のコーティングをさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項101】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項100記載のステントグラフト。
【請求項102】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項101記載のステントグラフト。
【請求項103】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項100記載のステントグラフト。
【請求項104】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項100記載のステントグラフト。
【請求項105】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項106】
生物活性物質をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項107】
物質は、ブレオマイシンまたはその類似体もしくは誘導体である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項108】
物質は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびその酸化物、硝酸銀、銅、シルク、シリカ、結晶シリケート、および石英粉塵からなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項109】
物質は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ならびにアクリル酸のポリマーおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項110】
物質は、塩化ビニルまたは塩化ビニルのポリマーである、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項111】
物質は、シアノアクリレート、架橋されたポリ(エチレングリコール)、メチル化されたコラーゲン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される接着剤である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項112】
物質は、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物およびペプチドからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項113】
物質は、炎症性サイトカインである、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項114】
炎症性サイトカインは、TGFβ、PDGF、VEGF、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF、CTGF、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項113記載のステントグラフト。
【請求項115】
物質は、細胞外マトリックスの成分である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項116】
成分は、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜においてみられるタンパク質、フィブロシン、またはコラーゲンである、請求項115記載のステントグラフト。
【請求項117】
物質が、ポリリシン、キトサン、およびN-カルボキシブチルキトサンからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項118】
物質が、免疫細胞により生成される因子である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項119】
因子が、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項118記載のステントグラフト。
【請求項120】
因子が、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、および細胞接着分子からなる群より選択される、請求項118記載のステントグラフト。
【請求項121】
物質は、RGD残基配列を含む、天然および合成のペプチドからなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項122】
物質は、骨形成因子(BMP)である、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項123】
BMPは、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、またはBMP-7である、請求項122記載のステントグラフト。
【請求項124】
物質は、無機および有機の小型陰イオン分子刺激剤からなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項125】
物質は、細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進することができるDNA配列およびRNA配列からなる群より選択される、請求項106記載のステントグラフト。
【請求項126】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項127】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項126記載のステントグラフト。
【請求項128】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項129】
物質はカスパーゼ阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項130】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項129記載のステントグラフト。
【請求項131】
物質はMMP阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項132】
MMP阻害剤は、バチマスタットまたはマリミスタットである、請求項131記載のステントグラフト。
【請求項133】
物質は組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項134】
物質はサイトカイン阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項135】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項134記載のステントグラフト。
【請求項136】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項137】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項136記載のステントグラフト。
【請求項138】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項139】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項138記載のステントグラフト。
【請求項140】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項141】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、またはトラネキサム酸である、請求項140記載のステントグラフト。
【請求項142】
物質は、ケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項143】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項142記載のステントグラフト。
【請求項144】
物質は、抗炎症剤である、請求項128記載のステントグラフト。
【請求項145】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項144記載のステントグラフト。
【請求項146】
二股に分れている、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項147】
管状グラフトである、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項148】
円筒形である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項149】
自己拡張型である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項150】
バルーン拡張型である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項151】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項152】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項153】
無菌である、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項154】
腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項2記載のステントグラフト。
【請求項155】
拡張可能部分は膨張可能である、請求項154記載のステントグラフト。
【請求項156】
シルクはフィブロインを含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項157】
シルクはセリシンを含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項158】
シルクは組換えシルクである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項159】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはその誘導体である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項160】
シルクはスレッドの形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項161】
シルクはブレードの形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項162】
シルクはシートの形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項163】
シルクは粉末の形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項164】
シルクはアシル化されている、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項165】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項166】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項167】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項168】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項169】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項170】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項171】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項172】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項173】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項174】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項175】
シルクの一部または全体のコーティングをさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項176】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項175記載のステントグラフト。
【請求項177】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項176記載のステントグラフト。
【請求項178】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項176記載のステントグラフト。
【請求項179】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項178記載のステントグラフト。
【請求項180】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項181】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項182】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項183】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項182記載のステントグラフト。
【請求項184】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項185】
物質は、カスパーゼ阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項186】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項185記載のステントグラフト。
【請求項187】
物質は、MMP阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項188】
MMP阻害剤は、バチマスタットまたはマリミスタットである、請求項187記載のステントグラフト。
【請求項189】
物質は、組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項190】
物質は、サイトカイン阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項191】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項190記載のステントグラフト。
【請求項192】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項193】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項192記載のステントグラフト。
【請求項194】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項195】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項194記載のステントグラフト。
【請求項196】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項197】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、またはトラネキサム酸である、請求項196記載のステントグラフト。
【請求項198】
物質は、ケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項199】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項198記載のステントグラフト。
【請求項200】
物質は、抗炎症剤である、請求項184記載のステントグラフト。
【請求項201】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項200記載のステントグラフト。
【請求項202】
二股に分れている、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項203】
管状グラフトである、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項204】
円筒形である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項205】
自己拡張型である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項206】
バルーン拡張型である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項207】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項208】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項209】
無菌である、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項210】
腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項3記載のステントグラフト。
【請求項211】
拡張可能部分は、膨張可能である、請求項210記載のステントグラフト。
【請求項212】
シルクはフィブロインを含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項213】
シルクはセリシンを含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項214】
シルクは組換えシルクである、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項215】
シルクはスレッドの形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項216】
シルクはブレードの形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項217】
シルクはシートの形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項218】
シルクは粉末の形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項219】
シルクはアシル化されている、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項220】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項221】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項222】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項223】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項224】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項225】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項226】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項227】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項228】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項229】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項230】
シルクの一部または全体のコーティングをさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項231】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される化合物を含む、請求項230記載のステントグラフト。
【請求項232】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項231記載のステントグラフト。
【請求項233】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項231記載のステントグラフト。
【請求項234】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項231記載のステントグラフト。
【請求項235】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項236】
ステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項237】
生物活性物質をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項238】
物質は、ブレオマイシンまたはそれらの類似体もしくは誘導体である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項239】
物質は、タルカムパウダー、タルク、エタノール、金属ベリリウムおよびその酸化物、硝酸銀、銅、シルク、シリカ、結晶シリケート、および石英粉塵からなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項240】
物質は、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、ならびにアクリル酸のポリマーおよびコポリマーからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項241】
物質は、塩化ビニルまたは塩化ビニルのポリマーである、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項242】
物質は、シアノアクリレート、架橋されたポリ(エチレングリコール)、メチル化されたコラーゲン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される接着剤である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項243】
物質は、細胞接着配列を含むタンパク質、炭水化物、およびペプチドからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項244】
物質は、炎症性サイトカインである、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項245】
炎症性サイトカインは、TGFβ、PDGF、VEGF、aFGF、bFGF、TNFα、NGF、GM-CSF、IGF-a、IL-1、IL-8、IL-6、成長ホルモン、EDGF、CTGF、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項244記載のステントグラフト。
【請求項246】
物質は、細胞外マトリックスの成分である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項247】
成分は、ビトロネクチン(vitronectin)、フィブロネクチン、硫酸コンドロイチン、ラミニン、ヒアルロン酸、エラスチン、フィブリン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン(bitronectin)、基底膜においてみられるタンパク質、フィブロシン、またはコラーゲンである、請求項246記載のステントグラフト。
【請求項248】
物質が、ポリリシン、キトサン、およびN-カルボキシブチルキトサンからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項249】
物質が、免疫細胞により生成される因子である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項250】
因子が、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-8(IL-8)、インターロイキン-6(IL-6)、ならびにそれらのペプチドおよび非ペプチドアゴニスト、類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項249記載のステントグラフト。
【請求項251】
因子が、顆粒球-単球コロニー刺激因子(GM-CSM)、単球走化性タンパク質、ヒスタミン、および細胞接着分子からなる群より選択される、請求項249記載のステントグラフト。
【請求項252】
物質は、RGD残基配列を含む、天然および合成のペプチドからなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項253】
物質は骨形成因子(BMP)である、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項254】
BMPは、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、またはBMP-7である、請求項253記載のステントグラフト。
【請求項255】
物質は、無機および有機の小型陰イオン分子刺激剤からなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項256】
物質は、細胞成長を刺激するタンパク質の合成を促進することができるDNA配列およびRNA配列からなる群より選択される、請求項237記載のステントグラフト。
【請求項257】
細胞増殖を刺激する増殖性物質をさらに含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項258】
増殖性物質は、デキサメタゾン、イソトレチノイン、17-β-エストラジオール、ジエチルスチベステロール、シクロスポリンA、all-transレチノイン酸(ATRA)、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項257記載のステントグラフト。
【請求項259】
動脈瘤の拡張を阻害または防止する生物活性物質をさらに含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項260】
物質は、カスパーゼ阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項261】
カスパーゼ阻害剤はVX-799である、請求項260記載のステントグラフト。
【請求項262】
物質は、MMP阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項263】
MMP阻害剤は、バチマスタットまたはマリミスタットである、請求項262記載のステントグラフト。
【請求項264】
物質は、組織性マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項265】
物質は、サイトカイン阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項266】
サイトカイン阻害剤は、クロロプロマジン、マイコフェノール酸、ラパマイシン、または1α-ヒドロキシビタミンD3である、請求項265記載のステントグラフト。
【請求項267】
物質は、MCP-1アンタゴニストである、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項268】
MCP-1アンタゴニストは、ニトロナプロキセン、ビンダリット、または1-α-25ジヒドロキシビタミンD3である、請求項267記載のステントグラフト。
【請求項269】
物質は、TNFaアンタゴニストまたはTACE阻害剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項270】
TACE阻害剤は、E-5531、AZD-4717、グリコホスホペプチカル、UR-12715、シロミラスト、インフリキシマブ、レンチナン、またはエタネルセプトである、請求項269記載のステントグラフト。
【請求項271】
物質は、IL-1、ICE、およびIRAKのアンタゴニストからなる群より選択される、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項272】
物質は、E-5090、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド、AV94-88、プラルナカサン、エソナリモド、またはトラネキサム酸である、請求項271記載のステントグラフト。
【請求項273】
物質は、ケモカイン受容体アンタゴニストである、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項274】
ケモカイン受容体アンタゴニストは、ONO-4128、L-381、CT-112、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779、TAK-220、またはKRH-1120である、請求項273記載のステントグラフト。
【請求項275】
物質は、抗炎症剤である、請求項259記載のステントグラフト。
【請求項276】
抗炎症剤は、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、6α-メチルプレドニソロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、請求項175記載のステントグラフト。
【請求項277】
二股に分れている、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項278】
管状グラフトである、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項279】
円筒形である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項280】
自己拡張型である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項281】
バルーン拡張型である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項282】
線維形成を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項283】
ステントグラフトの全体が、線維形成を誘導する物質を放出するように適合された、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項284】
無菌である、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項285】
腔内ステントおよびグラフトを含み、ここでグラフトは、ステントグラフトの拡張時の剛性を増強する拡張可能な部分を含む、請求項4記載のステントグラフト。
【請求項286】
拡張可能部分は、膨張可能である、請求項285記載のステントグラフト。
【請求項287】
(a)シルクおよびステントグラフトを提供する工程;ならびに
(b)シルクをステントグラフトに接着させる工程
を含む、ステントグラフトを形成する方法。
【請求項288】
シルクはステントグラフトと動物組織の間に線維形成を誘導する、請求項287記載の方法。
【請求項289】
生物活性物質をステントグラフトと組合せる工程をさらに含み、該物質は、ステントグラフトが挿入された宿主における増強された線維形成反応を誘導する、請求項287記載の方法。
【請求項290】
シルクは天然もしくは組換えカイコシルクまたはそれらの誘導体である、請求項287記載の方法。
【請求項291】
シルクはフィブロインを含む、請求項287記載の方法。
【請求項292】
シルクはセリシンを含む、請求項287記載の方法。
【請求項293】
シルクは組換えシルクである、請求項287記載の方法。
【請求項294】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項287記載の方法。
【請求項295】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項287記載の方法。
【請求項296】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項297】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項298】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項299】
シルクは組換えシルクである、請求項287記載の方法。
【請求項300】
シルクはスレッドの形である、請求項287記載の方法。
【請求項301】
シルクはブレードの形である、請求項287記載の方法。
【請求項302】
シルクはシートの形である、請求項287記載の方法。
【請求項303】
シルクは粉末の形である、請求項287記載の方法。
【請求項304】
シルクはアシル化されている、請求項287記載の方法。
【請求項305】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項287記載の方法。
【請求項306】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項287記載の方法。
【請求項307】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項287記載の方法。
【請求項308】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項287記載の方法。
【請求項309】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項287記載の方法。
【請求項310】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項287記載の方法。
【請求項311】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量でグラフト上に存在し、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項287記載の方法。
【請求項312】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項287記載の方法。
【請求項313】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項312記載の方法。
【請求項314】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項313記載の方法。
【請求項315】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項313記載の方法。
【請求項316】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項313記載の方法。
【請求項317】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項287記載の方法。
【請求項318】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項287記載の方法。
【請求項319】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項287載の方法。
【請求項320】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項287記載の方法。
【請求項321】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項287記載の方法。
【請求項322】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項287記載の方法。
【請求項323】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項287記載の方法。
【請求項324】
シルクはフィブロインを含む、請求項288記載の方法。
【請求項325】
シルクはセリシンを含む、請求項288記載の方法。
【請求項326】
シルクは組換えシルクである、請求項288記載の方法。
【請求項327】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項288記載の方法。
【請求項328】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項288記載の方法。
【請求項329】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項330】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項331】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項332】
シルクは組換えシルクである、請求項288記載の方法。
【請求項333】
シルクはスレッドの形である、請求項288記載の方法。
【請求項334】
シルクはブレードの形である、請求項288記載の方法。
【請求項335】
シルクはシートの形である、請求項288記載の方法。
【請求項336】
シルクは粉末の形である、請求項288記載の方法。
【請求項337】
シルクはアシル化されている、請求項288記載の方法。
【請求項338】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項288記載の方法。
【請求項339】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項288記載の方法。
【請求項340】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項288記載の方法。
【請求項341】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項288記載の方法。
【請求項342】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項288記載の方法。
【請求項343】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項288記載の方法。
【請求項344】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項288記載の方法。
【請求項345】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項288記載の方法。
【請求項346】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項345記載の方法。
【請求項347】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、およびコポリマーならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項346記載の方法。
【請求項348】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項346記載の方法。
【請求項349】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項346記載の方法。
【請求項350】
生物活性物質をステントグラフトと組合わせる工程をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項288記載の方法。
【請求項351】
物質は、ステントグラフトから放出される、請求項350記載の方法。
【請求項352】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項288記載の方法。
【請求項353】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項288記載の方法。
【請求項354】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項288載の方法。
【請求項355】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項288記載の方法。
【請求項356】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項288記載の方法。
【請求項357】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項288記載の方法。
【請求項358】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項288記載の方法。
【請求項359】
シルクはフィブロインを含む、請求項289記載の方法。
【請求項360】
シルクはセリシンを含む、請求項289記載の方法。
【請求項361】
シルクは組換えシルクである、請求項289記載の方法。
【請求項362】
シルクは天然もしくは組換えクモシルクまたはそれらの誘導体である、請求項289記載の方法。
【請求項363】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項289記載の方法。
【請求項364】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項365】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項366】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項367】
シルクは組換えシルクである、請求項289記載の方法。
【請求項368】
シルクはスレッドの形である、請求項289記載の方法。
【請求項369】
シルクはブレードの形である、請求項289記載の方法。
【請求項370】
シルクはシートの形である、請求項289記載の方法。
【請求項371】
シルクは粉末の形である、請求項289記載の方法。
【請求項372】
シルクはアシル化されている、請求項289記載の方法。
【請求項373】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項289記載の方法。
【請求項374】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項289記載の方法。
【請求項375】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項289記載の方法。
【請求項376】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項289記載の方法。
【請求項377】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項289記載の方法。
【請求項378】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項289記載の方法。
【請求項379】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項289記載の方法。
【請求項380】
生物活性物質が、ステントグラフトから放出される、請求項289記載の方法。
【請求項381】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項289記載の方法。
【請求項382】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項381記載の方法。
【請求項383】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、およびコポリマーならびにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項382記載の方法。
【請求項384】
セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項382記載の方法。
【請求項385】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項382記載の方法。
【請求項386】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項289記載の方法。
【請求項387】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項289記載の方法。
【請求項388】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項289記載の方法。
【請求項389】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項289記載の方法。
【請求項390】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項289記載の方法。
【請求項391】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項289記載の方法。
【請求項392】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項289記載の方法。
【請求項393】
シルクはフィブロインを含む、請求項290記載の方法。
【請求項394】
シルクはセリシンを含む、請求項290記載の方法。
【請求項395】
シルクはステントグラフトと動物組織との接着を誘導する、請求項290記載の方法。
【請求項396】
シルクはグラフトに織り合わせることにより、ステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項397】
シルクは接着剤によりステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項398】
シルクは縫合によりステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項399】
シルクはスレッドの形である、請求項290記載の方法。
【請求項400】
シルクはブレードの形である、請求項290記載の方法。
【請求項401】
シルクはシートの形である、請求項290記載の方法。
【請求項402】
シルクは粉末の形である、請求項290記載の方法。
【請求項403】
シルクはアシル化されている、請求項290記載の方法。
【請求項404】
シルクはステントグラフトの外側にのみ付着されている、請求項290記載の方法。
【請求項405】
シルクはステントグラフトの遠位領域に付着している、請求項290記載の方法。
【請求項406】
複数の別々のシルクブレードが、ステントグラフトに付着している、請求項290記載の方法。
【請求項407】
シルクはステントグラフトのステント部分に付着している、請求項290記載の方法。
【請求項408】
シルクはステントグラフトのグラフト部分に付着している、請求項290記載の方法。
【請求項409】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞マトリックス沈着である、請求項290記載の方法。
【請求項410】
シルクは、ステントグラフトが挿入された宿主において生物学的反応を誘導するのに有効量で、ステントグラフトに添加され、ここで生物学的反応は、ステントグラフトとステントグラフトに隣接する組織の間の細胞外マトリックス沈着である、請求項290記載の方法。
【請求項411】
生物活性物質をステントグラフトと組合せる工程をさらに含み、ここで物質は、ステントグラフトが挿入された宿主において増強された線維形成反応を誘導する、請求項290記載の方法。
【請求項412】
物質がステントグラフトから放出される、請求項411記載の方法。
【請求項413】
シルクの一部または全体にコーティングを行う工程をさらに含み、ここでコーティングは、ステントグラフトの宿主への挿入時に分解し、これによりコーティングがシルクと宿主との接触を遅らせる、請求項290記載の方法。
【請求項414】
コーティングは、ゼラチン、分解性ポリエステル、セルロースおよびセルロース誘導体、多糖、脂質、脂肪酸、糖エステル、核酸エステル、ポリ無水物、ポリオルトエステルおよびポリビニルアルコールからなる群より選択される材料を含む、請求項413記載の方法。
【請求項415】
分解性ポリエステルは、PLGA、PLA、MePEG-PLGA、PLGA-PEG-PLGA、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物からなる群より選択される、請求項414記載の方法。
【請求項416】
セルロース誘導体がヒドロキシプロピルセルロースである、請求項414記載の方法。
【請求項417】
多糖は、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸デキストラン、およびキトサンからなる群より選択される、請求項414記載の方法。
【請求項418】
ステントグラフトは、二股に分れている、請求項290記載の方法。
【請求項419】
ステントグラフトは、管状グラフトである、請求項290記載の方法。
【請求項420】
ステントグラフトは、円筒形である、請求項290記載の方法。
【請求項421】
ステントグラフトは、自己拡張型である、請求項290記載の方法。
【請求項422】
ステントグラフトは、バルーン拡張型である、請求項290記載の方法。
【請求項423】
接着を誘導する物質を放出するように適合された遠位端を含む、請求項290記載の方法。
【請求項424】
ステントグラフトの全体が、接着を誘導する物質を放出するように適合された、請求項290記載の方法。
【請求項425】
グラフトは、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、炭化水素または過フッ化炭化水素から調製される、請求項287記載の方法。
【請求項426】
患者に、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトを送達する工程を含む、動脈瘤を有する患者を治療する方法。
【請求項427】
動脈瘤が、腹部大動脈瘤である、請求項426記載の方法。
【請求項428】
動脈瘤が、胸部大動脈瘤である、請求項426記載の方法。
【請求項429】
動脈瘤が、腸骨大動脈瘤である、請求項426記載の方法。
【請求項430】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項426記載の方法。
【請求項431】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項426記載の方法。
【請求項432】
血管内の疾患を迂回する方法であって、血管の内容物は、血管患部を迂回するように、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトをそれを必要とする患者へ送達する工程を含む方法。
【請求項433】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項432記載の方法。
【請求項434】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項432記載の方法。
【請求項435】
動脈と静脈の間の連絡を取らせる(creating communication)方法であって、動脈と静脈の間に経路が作製されるように、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトをそれを必要とする患者へ送達する工程を含む方法。
【請求項436】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項435記載の方法。
【請求項437】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項435記載の方法。
【請求項438】
第一の静脈と第二の静脈の間の連絡を取らせる方法であって、第一および第二の静脈の間に経路が作製されるように、請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトをそれを必要とする患者へ送達する工程を含む方法。
【請求項439】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項438記載の方法。
【請求項440】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項435記載の方法。
【請求項441】
請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトを患者へ送達する工程を含む、患者におけるステントグラフト送達に関連したグラフト周辺の漏出を減少させる方法。
【請求項442】
ステントグラフトが、患者へ拘束された形で送達され、拘束装置の解除後に所定の位置へ自己拡張する、請求項441記載の方法。
【請求項443】
ステントグラフトが、患者へバルーンカテーテルにより送達される、請求項441記載の方法。
【請求項444】
請求項1から286のいずれか一項記載のステントグラフトを患者へ挿入する工程を含む、それを必要とする患者にステントグラフトを接着する方法。
【請求項445】
シルクは非生体適合性であり、動物組織に接触した時に炎症反応を誘導する、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項446】
シルクはクモシルクではない、請求項1記載のステントグラフト。
【請求項447】
シルクは非生体適合性であり、動物組織に接触した時に炎症反応を誘導する、請求項287記載の方法。
【請求項448】
シルクはクモシルクではない、請求項287記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−516202(P2006−516202A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565789(P2004−565789)
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/041494
【国際公開番号】WO2004/060424
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(505111753)アンジオテック インターナショナル アクツィエン ゲゼルシャフト (4)
【Fターム(参考)】