説明

シートクッションパッドの製造装置及び製造方法

【課題】成形されるシートクッションパッドの表面に硬化部及びエアポケットが生じるのを効果的に防止することができるシートクッションパッドの製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】上型3の下面におけるキャビティ23を形成する領域(凹部22)の外側に、第1溝部26を形成し、第1溝部26の外側に第2溝部27を形成する。少なくとも第2溝部27にシール部材25を収容し、キャビティ23が形成された状態ではシール部材25を下型2の上面に当接させる。キャビティ23が形成された状態では、シール部材25が下型2の上面に当接するため、シール性が向上し、硬化部が生じるのを効果的に防止することができる。また、第2溝部27よりも内側に第1溝部26が形成されていることにより、当該第1溝部26が発泡硬化時におけるキャビティ23内の空気の逃げ場として機能するため、エアポケットが生じるのを効果的に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1対の金型を互いに対向させることにより形成されたキャビティ内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを製造するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、シートクッションパッドを製造するための成形金型の一例を示す断面図である。この成形金型は、シートクッションパッドの表面側を成形するための下型31と、シートクッションパッドの裏面側を成形するための上型32とを備えている。下型31の上方に上型32を対向させることにより、成形金型内に閉塞されたキャビティ33を形成することができる。このキャビティ33内に供給された発泡樹脂原液34を発泡硬化させることにより、キャビティ33の形状に対応するシートクッションパッドが成形される。上型32の下面には、図5に示すように不織布などの繊維体35が取り付けられる場合があり、この場合には、繊維体35が裏面に一体化されたシートクッションパッドを成形することができる。
【0003】
図5のようにキャビティ33が形成された状態では、下型31におけるキャビティ33の外側の表面(外周面36)と、上型32におけるキャビティ33の外側の表面(外周面37)とが、互いに当接した状態となる。このとき、下型31及び上型32の互いに当接する外周面36,37同士のシール性が不十分である場合には、外周面36,37間の隙間に発泡樹脂原液が入り込み、成形されたシートクッションパッドの表面にバリが発生するという問題がある。特に、上記のような金型間の狭い隙間で形成されたバリは、緻密な発泡構造になりやすく、硬いバリ(硬化部)が形成されてしまう場合がある。
【0004】
そこで、上型32の外周面37にシール部材を設けることにより、キャビティ33が形成された状態では、前記シール部材を下型31の外周面36に当接させ、シール性を向上させるような構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−81574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようにシール部材を用いた構成では、発泡硬化時におけるキャビティ内の空気の逃げ場がなくなることにより、成形されたシートクッションパッドの表面に、エアポケットと呼ばれる空気溜りが発生してしまう場合がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、成形されるシートクッションパッドの表面に硬化部及びエアポケットが生じるのを効果的に防止することができるシートクッションパッドの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るシートクッションパッドの製造装置は、少なくとも1対の金型を互いに対向させることにより形成されたキャビティ内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを製造するための装置であって、前記1対の金型のうち少なくとも一方の金型における他方の金型に対向する表面には、前記キャビティを形成する領域の外側に形成された第1溝部と、前記第1溝部の外側に形成され、内部にシール部材が収容された第2溝部とが形成されており、前記キャビティが形成された状態では、前記第2溝部に収容された前記シール部材が、対向する前記他方の金型の表面に当接することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、キャビティが形成された状態では、第2溝部に収容されたシール部材が、対向する他方の金型の表面に当接するため、シール性が向上し、成形されるシートクッションパッドの表面に硬化部が生じるのを効果的に防止することができる。
【0010】
また、第2溝部よりも内側に第1溝部が形成されていることにより、当該第1溝部が発泡硬化時におけるキャビティ内の空気の逃げ場として機能するため、成形されるシートクッションパッドの表面にエアポケットが生じるのを効果的に防止することができる。
【0011】
前記1対の金型は、上型及び下型からなり、前記第1溝部及び前記第2溝部は、それぞれ前記上型にのみ形成されていてもよい。
【0012】
本発明によれば、第1溝部及び第2溝部がいずれも上型にのみ形成されているため、発泡樹脂原液を金型に注入する際、第1溝部又は第2溝部に発泡樹脂原液が入り込むのを防止することができ、シートクッションパッドをより良好に製造することができる。
【0013】
前記第1溝部には、内部にシール部材が収容されており、前記キャビティが形成された状態では、前記第1溝部及び前記第2溝部にそれぞれ収容された前記シール部材が、対向する前記他方の金型の表面に当接し、前記第2溝部に収容された前記シール部材の方が、前記第1溝部に収容された前記シール部材よりも前記他方の金型の表面に対する押圧力が大きくてもよい。
【0014】
本発明によれば、第2溝部に収容されたシール部材よりも内側に、第1溝部に収容されたシール部材が配置されるため、シール性がより向上し、成形されるシートクッションパッドの表面に硬化部が生じるのを効果的に防止することができる。
【0015】
また、本発明のように2つのシール部材が設けられた構成であっても、第1溝部に収容されたシール部材が、第2溝部に収容されたシール部材よりも小さい押圧力で他方の金型の表面に当接するため、第1溝部及びその外側の領域が発泡硬化時におけるキャビティ内の空気の逃げ場として機能する。したがって、成形されるシートクッションパッドの表面にエアポケットが生じるのも効果的に防止することができる。
【0016】
前記少なくとも一方の金型における前記第1溝部及び前記第2溝部が形成されている表面、並びに、前記他方の金型における前記第1溝部及び前記第2溝部に対向する表面は、それぞれ放電加工により形成されていてもよい。
【0017】
本発明によれば、放電加工を用いた高精度の表面加工により、キャビティが形成された状態で互いに対向する表面同士の隙間をより小さくすることができる。したがって、成形されるシートクッションパッドの表面にバリが発生しにくく、シートクッションパッドをより良好に製造することができる。
【0018】
本発明に係るシートクッションパッドの製造方法は、少なくとも1対の金型を互いに対向させることにより形成されたキャビティ内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを製造するための方法であって、前記1対の金型のうち少なくとも一方の金型における他方の金型に対向する表面に対して、前記キャビティを形成する領域の外側に第1溝部を形成するとともに、前記第1溝部の外側に第2溝部を形成する溝部形成工程と、少なくとも前記第2溝部の内部に前記シール部材を配置するシール部材配置工程と、前記1対の金型を互いに対向させることにより、少なくとも前記第2溝部の内部に配置された前記シール部材を前記他方の金型の表面に当接させた状態で、前記キャビティを形成するキャビティ形成工程と、前記キャビティ内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを成形する発泡成形工程とを含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るシートクッションパッドの製造装置の一例を示す側面図である。
【図2】上型の下面の形状の一例を示す平面図である。
【図3】下型と上型を対向させた状態における図2のA−A断面を示す部分断面図である。
【図4】シートクッションパッドの製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】シートクッションパッドを製造するための成形金型の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るシートクッションパッドの製造装置1の一例を示す側面図である。当該製造装置1は、1対の金型2,3を備えており、これらの金型2,3を互いに対向させることにより形成されたキャビティ23内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを製造することができる。
【0021】
当該製造装置1により製造されるシートクッションパッドは、発泡樹脂の成形体からなり、例えば軟質ポリウレタンフォーム(以下、単に「ウレタンフォーム」と呼ぶ。)などにより形成することができる。製造されたシートクッションパッドは、例えばウレタンフォームが表皮により被覆された状態で車両(例えば、自動車)に取り付けられることにより、車両の座席シートとして用いられる。ただし、シートクッションパッドは、ウレタンフォームにより形成される構成に限らず、他の各種材料により形成することも可能である。
【0022】
上記1対の金型2,3は、シートクッションパッドの表面部側を成形するための下型2と、シートクッションパッドの裏面部側を成形するための上型3とを備えている。下型2及び上型3は、いずれもアルミ鋳造により形成されている。下型2の周囲には、例えば不図示の温調配管が設けられている。ただし、下型2がシートクッションパッドの裏面部側を成形するためのものであり、上型3がシートクッションパッドの表面部側を成形するためのものであってもよい。
【0023】
この例では、上型3は、下型2に対して回動軸4を中心に回動可能に取り付けられている。図1に示すように、下型2に対して上型3が上方に対向していない状態から、回動軸4を中心に上型3を回動させることにより、上型3の上方に下型2を対向させることができる。
【0024】
下型2の上面(上型3に対向する側の面)には、シートクッションパッドの表面部に対応する形状の凹部21が形成されている。一方、上型3の下面(下型2に対向する側の面)には、シートクッションパッドの裏面部に対応する形状の凹部22が形成されている。上型3が下型2に対向した状態では、凹部21,22によりキャビティ23が形成され、当該キャビティ23内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを製造することができる。
【0025】
図2は、上型3の下面の形状の一例を示す平面図である。この例では、車両の座席シートの背もたれ部として用いられるシートクッションパッドを製造するための製造装置1について説明する。ただし、製造されるシートクッションパッドは、背もたれ部に限らず、着座部などの座席シートの他の部分に用いられるものであってもよい。また、製造されるシートクッションパッドは、自動車用に限らず、他の車両用のものであってもよいし、車両用以外の用途に用いられるものであってもよい。
【0026】
この例では、上型3の下面には、キャビティ23を形成する領域(凹部22)の外側に第1シール部材24が設けられるとともに、当該第1シール部材24の外側に第2シール部材25が設けられている。第1シール部材24は、凹部22の外周全体にわたって設けられているのに対して、第2シール部材25は、凹部22の外周の一部にのみ設けられている。これにより、シール部材を部分的に2重で配置することができる。
【0027】
より具体的には、第2シール部材25は、背もたれ部として用いられるシートクッションパッドの肩部分に対応する位置に設けられている。すなわち、背もたれ部の上部から頭部側に向かう領域に形成される段差部分の角部に沿って、第2シール部材25が設けられている。ただし、このような構成に限らず、第2シール部材25が凹部22の外周の他の部分に設けられていてもよいし、凹部22の外周全体にわたって設けられていてもよい。また、第1シール部材24についても、凹部22の外周全体にわたって設けられた構成に限らず、凹部22の外周の一部にのみ設けられていてもよい。
【0028】
図3は、下型2と上型3を対向させた状態における図2のA−A断面を示す部分断面図である。
【0029】
図3に示すように、第1シール部材24は、上型3の下面におけるキャビティ23を形成する領域(凹部22)の外側に形成された第1溝部26内に収容されている。また、第2シール部材25は、上型3の下面における第1溝部26の外側に形成された第2溝部27内に収容されている。キャビティ23と第1溝部26との距離D1は、例えば5mm程度である。第1溝部26と第2溝部27との距離D2は、上記距離D1以上であることが好ましく、例えば5〜10mm程度である。
【0030】
図3のように下型2と上型3が対向してキャビティ23が形成された状態では、下型2におけるキャビティ23の外側の表面(外周面28)と、上型3におけるキャビティ23の外側の表面(外周面29)とが対向するようになっている。これらの外周面28,29は、それぞれ放電加工により形成された放電加工面(PL面)であることが好ましい。
【0031】
第1溝部26及び第2溝部27は、上型3の外周面29に形成されており、これらの第1溝部26及び第2溝部27に収容された第1シール部材24及び第2シール部材25は、キャビティ23が形成された状態で、それぞれ対向する下型2の外周面28に当接する。ただし、第1溝部26には、第1シール部材24が収容されていなくてもよい。
【0032】
本実施形態では、キャビティ23が形成された状態で、第2溝部27に収容された第2シール部材25が、対向する下型2の表面(外周面28)に当接するため、シール性が向上し、成形されるシートクッションパッドの表面に硬化部が生じるのを効果的に防止することができる。
【0033】
また、第2溝部27よりも内側に第1溝部26が形成されていることにより、当該第1溝部26が発泡硬化時におけるキャビティ23内の空気の逃げ場として機能するため、成形されるシートクッションパッドの表面にエアポケットが生じるのを効果的に防止することができる。
【0034】
図3の例のように、第1溝部26及び第2溝部27の双方にシール部材24,25を収容した場合には、キャビティ23が形成された状態で、第2シール部材25の方が第1シール部材24よりも下型2の表面(外周面28)に対する押圧力が大きいことが好ましい。
【0035】
この場合、第2溝部27に収容された第2シール部材25よりも内側に、第1溝部26に収容された第1シール部材24が配置されるため、シール性がより向上し、成形されるシートクッションパッドの表面に硬化部が生じるのを効果的に防止することができる。
【0036】
また、上記のように2つのシール部材24,25が設けられた構成であっても、第1溝部26に収容された第1シール部材24が、第2溝部27に収容された第2シール部材25よりも小さい押圧力で下型2の表面(外周面28)に当接するため、第1溝部26及びその外側の領域(第1溝部26と第2溝部27の間)が発泡硬化時におけるキャビティ23内の空気の逃げ場として機能する。したがって、成形されるシートクッションパッドの表面にエアポケットが生じるのも効果的に防止することができる。上記押圧力は、4〜18kg/cm程度であることが好ましい。
【0037】
シール部材24,25は、例えばシリコンゴム(SR)、ニトリルゴム(NBR)又はクロロプレンゴム(CR)などの弾性体により形成することができる。ニトリルゴム又はクロロプレンゴムにより形成されたゴムチューブを用いる場合には、上記押圧力の観点から、第2シール部材25として用いることが好ましく、例えば外径が6mm程度(内径3mm程度)であり、「JIS K 6250」に基づく硬さが50A程度、引張強度が5〜25MPa程度、伸長率が100〜800%程度であることが好ましい。
【0038】
シリコンゴムにより形成されたスポンジシリコンを用いる場合には、上記押圧力の観点から、第1シール部材24として用いることが好ましく、例えば外径が6mm程度であり、「JIS K 6250」に基づく硬さが20〜50A程度であることが好ましい。また、シリコンゴムにより形成されたソリッドシリコンを用いる場合には、上記押圧力の観点から、第1シール部材24又は第2シール部材25のいずれにも好適に用いることができ、例えば外径が6±0.2mm程度であり、「JIS K 6250」に基づく硬さが55A程度、引張強度が10.4MPa程度、伸長率が420%程度、引裂強度が20.6N/mm程度であることが好ましい。
【0039】
ただし、シール部材24,25は、上記のような材料により形成されるものに限らず、他の各種材料により形成することができる。また、シール部材24,25は、溝部26,27に対して着脱可能な構成であってもよいし、溝部24,25に直接埋め込まれた構成であってもよい。
【0040】
本実施形態のように第1溝部26及び第2溝部27が上型3にのみ形成された構成であれば、発泡樹脂原液を金型に注入する際、第1溝部26又は第2溝部27に発泡樹脂原液が入り込むのを防止することができ、シートクッションパッドをより良好に製造することができる。
【0041】
また、上述の通り、上型3における第1溝部26及び第2溝部27が形成されている表面(外周面29)、並びに、下型2における第1溝部26及び第2溝部27に対向する表面(外周面28)が、それぞれ放電加工により形成されていれば、放電加工を用いた高精度の表面加工により、キャビティ23が形成された状態で互いに対向する表面同士(外周面28,29同士)の隙間をより小さくすることができる。したがって、成形されるシートクッションパッドの表面にバリが発生しにくく、シートクッションパッドをより良好に製造することができる。この場合、放電加工面の幅D3は、25〜40mm程度であることが好ましく、互いに対向する外周面28,29間の隙間は、0.1mm以下であることが好ましい。
【0042】
図4は、シートクッションパッドの製造方法の一例を示すフローチャートである。シートクッションパッド4を製造する際には、まず、上型3の外周面29に第1溝部26及び第2溝部27を形成する(ステップS101:溝部形成工程)。このようにして形成された第1溝部26及び第2溝部27のうち、少なくとも第2溝部27の内部にシール部材25を配置する(ステップS102:シール部材配置工程)。なお、本実施形態では、第1溝部26及び第2溝部27の双方にシール部材24,25が配置される。
【0043】
その後、下型2の凹部21内に発泡樹脂原液を供給した後(ステップS103)、回動軸4を中心に上型3を回動させることにより、下型2の上方に上型3を対向させて成形金型1を閉塞し、成形金型1内にキャビティ23を形成する(ステップS104:キャビティ形成工程)。このとき、少なくとも第2溝部27の内部に配置されたシール部材25が下型2の外周面28に当接した状態となる。なお、本実施形態では、第1溝部26及び第2溝部27の双方に配置されたシール部材24,25が、下型2の外周面28に当接する。
【0044】
このようにして形成されたキャビティ23内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを成形する(ステップS105:発泡成形工程)。そして、回動軸4を中心に上型3を回動させることにより成形金型1を開放し(ステップS106)、下型2の凹部21内からシートクッションパッドを取り出すことにより(ステップS107)、成形体としてのシートクッションパッドを得ることができる。
【0045】
第1溝部及び第2溝部は、上型3でなく下型2に形成されてもよく、この場合、少なくとも第2溝部にシール部材が収容されてもよい。このような構成の場合には、下型2と上型3が対向してキャビティ23が形成された状態では、下型2に設けられたシール部材が、上型3の外周面29に当接する。
【0046】
また、下型2及び上型3の双方に第1溝部及び第2溝部が形成された構成であってもよい。この場合、少なくとも下型2の第2溝部及び上型3の第2溝部にシール部材が収容されていればよい。
【0047】
以上の実施形態では、製造装置1が1対の金型2,3を備えた構成について説明したが、1対の金型2,3に加えて例えば中子を含む3つ割り型の製造装置のように、少なくとも1対の金型を含む構成であればよい。
【符号の説明】
【0048】
1 製造装置
2 下型
3 上型
4 回動軸
21 凹部
22 凹部
23 キャビティ
24 第1シール部材
25 第2シール部材
26 第1溝部
27 第2溝部
28 外周面
29 外周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対の金型を互いに対向させることにより形成されたキャビティ内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを製造するための装置であって、
前記1対の金型のうち少なくとも一方の金型における他方の金型に対向する表面には、前記キャビティを形成する領域の外側に形成された第1溝部と、前記第1溝部の外側に形成され、内部にシール部材が収容された第2溝部とが形成されており、
前記キャビティが形成された状態では、前記第2溝部に収容された前記シール部材が、対向する前記他方の金型の表面に当接することを特徴とするシートクッションパッドの製造装置。
【請求項2】
前記1対の金型は、上型及び下型からなり、
前記第1溝部及び前記第2溝部は、それぞれ前記上型にのみ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシートクッションパッドの製造装置。
【請求項3】
前記第1溝部には、内部にシール部材が収容されており、
前記キャビティが形成された状態では、前記第1溝部及び前記第2溝部にそれぞれ収容された前記シール部材が、対向する前記他方の金型の表面に当接し、前記第2溝部に収容された前記シール部材の方が、前記第1溝部に収容された前記シール部材よりも前記他方の金型の表面に対する押圧力が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のシートクッションパッドの製造装置。
【請求項4】
前記少なくとも一方の金型における前記第1溝部及び前記第2溝部が形成されている表面、並びに、前記他方の金型における前記第1溝部及び前記第2溝部に対向する表面は、それぞれ放電加工により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシートクッションパッドの製造装置。
【請求項5】
少なくとも1対の金型を互いに対向させることにより形成されたキャビティ内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを製造するための方法であって、
前記1対の金型のうち少なくとも一方の金型における他方の金型に対向する表面に対して、前記キャビティを形成する領域の外側に第1溝部を形成するとともに、前記第1溝部の外側に第2溝部を形成する溝部形成工程と、
少なくとも前記第2溝部の内部に前記シール部材を配置するシール部材配置工程と、
前記1対の金型を互いに対向させることにより、少なくとも前記第2溝部の内部に配置された前記シール部材を前記他方の金型の表面に当接させた状態で、前記キャビティを形成するキャビティ形成工程と、
前記キャビティ内で発泡樹脂原液を発泡硬化させることにより、シートクッションパッドを成形する発泡成形工程とを含むことを特徴とするシートクッションパッドの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−187711(P2012−187711A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50434(P2011−50434)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】