説明

ジアリール誘導体の製造方法

【課題】 ジアリール誘導体を低コストかつ短時間で製造する。
【解決手段】
一般式(1)
Ar−Ar ・・・・・・・・・(1)
(ここで、Ar、Arは、1個以上の置換基を有しても良いフェニル基、縮合環基又は複素環基を表し、ArとArとは同じでもよいし、異なっていてもよい。)
で示されるジアリール誘導体の製造方法であって、水系溶媒中で、塩基とパラジウム触媒との存在下、一般式(2)
Ar−B(OR ・・・・・(2)
(ここで、Arは前記と同じものを表す。Rは、水素原子、アルキル基、環状アルキル基又はアリール基を表す。)
で示されるホウ素誘導体と、一般式(3)
X−Ar ・・・・・・・・・(3)
(ここで、Xは沃素、臭素、R−SO−を表し、Rはアルキル基、フッ化アルキル基又はアリール基を表す。Arは前記と同じものを表す。)
で示されるアリール誘導体とを反応させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアリール誘導体の製造方法に関し、工業的に有利にジアリール誘導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジアリール誘導体は抗血栓症活性等を示す化合物の医薬中間体あるいは液晶、有機EL等の電子材料に有用なことが知られている。このジアリールスルホン酸誘導体の製造方法としては、特許文献1に、2―アミノベンゼンスルホン酸誘導体ならびに2−アミノベンゼンスルホニルクロリド誘導体の製造方法が開示されている。特許文献1の方法においては、製造工程の一部に、ホウ酸誘導体を、スルホン酸基を有するアリール誘導体と縮合させる工程が含まれている。
【0003】
具体的には、1,2−ジメトキシエタン300mLおよび水150mL中の2−アミノ−5−ブロモ−3−ヨードベンゼンスルホン酸37.8g(100mmol)および炭酸ナトリウム32g(300mmol)の混合液に、窒素環境下で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5.8g(5mmol)およびフェニルホウ酸19.5g(160mmol)を連続して加え、この混合液を4時間加熱還流することによって、2−アミノ−5−ブロモ[1,1'−ビフェニル]−3−スルホン酸を製造する方法が記載されている。なお、生成物は、融点が197.5℃であり、収率が60%であった。
【特許文献1】特開平8−208591(公開日:1996年8月13日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では触媒として、高価なテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを多量に(数mol%程度)使用しており、製造にコストがかかるため、工業的製造方法としては適さないという問題があった。また、混合液を比較的長時間加熱還流する必要があり、効率的な生産ができないと言う問題があった。
【0005】
このような事情から、本発明者らは、先にジアリールスルホン酸誘導体を工業的に有利に製造できる、効率的な製造方法を見出し、特許出願をした(特願2004-072416号)。
さらに鋭意、研究・検討の結果、前記発明の対象化合物を、スルホン酸誘導体以外のジアリール誘導体についても適用可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、一般式(1)
Ar−Ar ・・・・・・・(1)
(ここで、Ar、Arは、1個以上の置換基を有しても良いフェニル基、縮合環基又は複素環基を表し、ArとArとは同じでもよいし、異なっていてもよい。)
で示されるジアリール誘導体の製造方法であって、水系溶媒中で、塩基とパラジウム触媒との存在下、一般式(2)
Ar−B(OR ・・・・・(2)
(ここで、Arは前記と同じものを表す。Rは、水素原子、アルキル基、環状アルキル基又はアリール基を表す。)
で示されるホウ素誘導体と、一般式(3)
X−Ar ・・・・・・・・・(3)
(ここで、Xは沃素、臭素、R−SO−を表し、Rはアルキル基、フッ化アルキル基又はアリール基を表す。Arは前記と同じものを表す。)
で示されるアリール誘導体とを反応させることを特徴とするジアリール誘導体の製造方法である。
【0007】
本発明においては、水系溶媒中で反応させることを特徴としている。このように、水系溶媒を用いて反応させることで、一般式(2)で示されるホウ素誘導体と一般式(3)で示されるアリール誘導体との反応性が高まり、反応速度が飛躍的に高まる。したがって、本発明によれば、一般式(1)で示されるジアリール誘導体を比較的短時間で合成でき、特に工業生産を行う上で非常に有利である。なお、ここで言う「水系溶媒」とは、水を50重量%以上含む溶媒を意味する。
【0008】
さらに、本発明では、水系溶媒を用いて反応を起こさせることで一般式(2)で示されるホウ素誘導体と一般式(3)で示されるアリール誘導体との反応性が高まるので、従来、多量に(5mol%程度)使用する必要があったパラジウム触媒を、10分の1以下、場合によっては100分の1以下に削減することができる。パラジウム触媒は非常に高価であり、その使用量を削減することができる本発明の方法は、製造コストの面ですぐれた製造方法となる。 したがって、本発明の製造方法によれば、一般式(1)で示されるジアリール誘導体を短時間かつ低コストで製造することができ、工業的に極めて有利である。
【0009】
また、本発明のジアリール誘導体の製造方法は、上記パラジウム触媒の添加量が、一般式(3)で示されるアリール誘導体に対して0.0001mol%以上1mol%以下であることが好ましく、0.001mol%を超え、0.1mol%未満であることがより好ましい。 パラジウム触媒の添加量が上記範囲より少ないと良好な触媒作用が得られず、上記範囲より多くしても収率の向上や反応時間の短縮、反応条件の緩和などに寄与せずコスト面で何らの利益も無く、一般式(1)で示されるジアリール誘導体の製造にコストがかかってしまう。そこでパラジウム触媒の添加量を上記範囲とすることで、良好な反応速度を保ちつつ最小限のコストで良好に一般式(1)で示されるジアリール誘導体を製造できる。
【0010】
また、本発明の一般式(1)で示されるジアリール誘導体の製造方法は、上記パラジウム触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムであることが好ましい。本発明によれば、より良好な触媒作用を示し、一般式(1)で示されるジアリール誘導体を効率的に製造できる。
【0011】
また、本発明の一般式(1)で示されるジアリール誘導体の製造方法は、水系溶媒が水を80重量%以上含むことが好ましく、90重量%以上含むことがより好ましい。
本発明の一般式(1)で示されるジアリール誘導体の製造方法は塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選ばれたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る一般式(1)で示されるジアリール誘導体の製造方法は、塩基とパラジウム触媒との存在下にて、一般式(2)で示されるホウ素誘導体と一般式(3)で示されるアリール誘導体とを水系溶媒中で反応させるので、一般式(2)で示されるホウ素誘導体と一般式(3)で示されるアリール誘導体との反応性が飛躍的に高まり、少量のパラジウム触媒で、十分な反応速度を得ることができる。それゆえ、一般式(1)で示されるジアリール誘導体を短時間かつ高収率で合成することができ、特に工業生産を行う上で非常に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明は、一般式(1)
Ar−Ar ・・・・・・・・・(1)
(ここで、Ar、Arは、1個以上の置換基を有しても良いフェニル基、縮合環基又は複素環基を表し、ArとArとは同じでもよいし、異なっていてもよい。)
で示されるジアリール誘導体の製造方法であって、これは、水系溶媒中で、塩基とパラジウム触媒との存在下、一般式(2)
Ar−B(OR ・・・・・(2)
(ここで、Arは前記と同じものを表す。Rは、水素原子、アルキル基、環状アルキル基又はアリール基を表す。)
で示されるホウ素誘導体と、一般式(3)
X−Ar ・・・・・・・・・(3)
(ここで、Xは沃素、臭素、R−SO−を表し、Rはアルキル基、フッ化アルキル基又はアリール基を表す。Arは前記と同じものを表す。)
で示されるアリール誘導体とを反応させることによって達成される。
【0014】
以下、本発明の製造方法について、更に詳細に説明する。
上記一般式(1)において、ArおよびArは、1個以上の置換基を有しても良いフェニル基、縮合環基又は複素環基を表し、ここで縮合環基としては、具体的にはナフタレン環基又はアントラセン環基等が挙げられ、また、複素環基としては、具体的にはピリジル基、チエニル基、フリル基、チアゾリル基及びピリミジル基等から選ばれる複素環基が挙げられる。
【0015】
また、以上に示したフェニル基、縮合環基又は複素環基は、1個以上の置換基を有しても良く、該置換基としては、更に置換されていても良い炭素数1から8の分岐若しくは直鎖状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はシクロアルキル基、ハロゲン基、−OR、−OM、−CHO、−COOR、−COOM、−OCOR、−COR、−NR、−CONR、−NHCOR、−NHCOOR、−CN、−NO、−PO、−POM、−PO、−POM、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−SOM及び−SO(ここで、RおよびRは水素原子又は炭素数1から5の分岐していても良いアルキル基を表し、RとRとはそれぞれ独立の意味を表し、RとRは同じでもよいし、異なっていてもよい。またMは金属原子を表す)から選ばれる1個以上の置換基が挙げられる。ここで、Mはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛等の金属原子でもよい。また、Mは金属原子の中ではアルカリ金属原子であることが好ましい。
【0016】
これらの中でも、本発明に好適な置換基としては、一般式(1)において、Arの1個以上の置換基が、更に置換されていても良い炭素数1から8の分岐若しくは直鎖状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はシクロアルキル基、ハロゲン基、−OR’、−OM、−COOR’、−COOM、−COR’、−CONR、−SONR、−SOM及び−SOR’(ここで、R’は、炭素数1から5の分岐していても良いアルキル基を表し、またR’、RおよびRは水素原子又は炭素数1から5の分岐していても良いアルキル基を表し、R’、R及びRとはそれぞれ独立の意味を表し、R’、R及びRは同じでもよいし、異なっていてもよい。またMは金属原子を表す)
また、本発明に特に好適な置換基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル等の低級アルキル基、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル等のヒドロキシアルキル基、カルボキシメチル、カルボキシエチル等のカルボキシアルキル基、カルボン酸ナトリウム、カルボン酸カルシウム等のカルボン酸塩、アセチル、ベンゾイル等のケトン基、アミノカルボニル、N,N-ジメチルアミノカルボニル等のカルボン酸アミド基、スルホンアミド、N,N-ジメチルスルホンアミド等のスルホンアミド基、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カルシウム等のスルホン酸塩基、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル等のスルホン酸エステル基等が挙げられる。
【0017】
また、上記一般式(2)で示されるホウ素誘導体において、Rは、具体的には、水素原子や、メチル基、エチル基等のアルキル基、ピナコール等の環状アルキル基、又はカテコール等のアリール基が挙げられる。
【0018】
更に、上記一般式(3)で示されるアリール誘導体において、Xは、具体的には、沃素、臭素又はR−SO−を表す(Rは、メチル基、エチル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基等のフッ化アルキル基でもよく、フェニル基、トリル基等のアリール基でもよい)が挙げられる。但し、反応速度の面からはXが沃素であることが望ましい。
【0019】
本発明に適用される一般式(2)で示されるホウ素誘導体を具体的に示すと、フェニルホウ酸、4−クロル−フェニルホウ酸、4−メチル−フェニルホウ酸、4−メトキシ−フェニルホウ酸、3,5−ジメチルフェニルホウ酸、2,4,6−トリメチルフェニルホウ酸、4,4'−ビフェニルジホウ酸、2−フランホウ酸、2−チオフェンホウ酸、1−ナフタレンホウ酸、フェニルホウ酸ジメチルエステルなどが用いられる。中でも特にフェニルホウ酸が好ましい。
【0020】
また、本発明に適用される一般式(3)で示されるアリール誘導体としては、具体的には、3−ヨードベンジルアルコール、4−ブロモベンジルアルコール、4−ヨードフェニル酢酸、4−ヨードベンジルシアナイド、1−ヨード−4−ヒドロキシメチルナフタレン、3−ブロムトルエン、2−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、4−ヨードフェノールナトリウム、2−ヨードアニソール、4−ヨードアニソール、4−ヨードベンズアルデヒド、2−ヨード安息香酸、4−ヨード安息香酸、4−ヨードフェニルアセテート、4−ヨードアセトフェノン、4−ブロモアセトフェノン、2−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、4−ヨードアセトアニリド、4−ヨードフェニルカルバミン酸メチル、3−ヨード−5−クロロ安息香酸、3−ヨード−5−メチルフェノール、2−アミノ−3−ヨード安息香酸、2−カルボキシ−3−ヨードフラン、1−ヨード−4−ヒドロキシナフタレン、4−メタンスルホニルオキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヨード安息香酸カリウム、4−メトキシカルボニルヨードベンゼン、4−ジエチルアミノブロモベンゼン、4−ヨードベンゾニトリル、2−ブロモ−4−ジメチルアミノベンゾニトリル、2−ニトロ−6−ヨードナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ヨードチオフェン、3−ブロモピリジン、3−ブロモ−5−カルボキシルピリジン、2−ブロモ−4−シアノピリジン、3−ブロモチオフェン、2−ブロモ−4−ヒドロキシチアゾール、2−アミノ−4−ヨードピリミジル、4−ヨードフェニルホスフィン酸、4−(N-メチルアミノカルボニル)ヨードベンゼン、4−ヨードベンゼンスルホン酸アミド、4−ヨードフェニルホスホン酸、4−ヨードチオフェノール、4−ヨードフェニルメチルスルホキシド、4−ヨードフェニルメチルスルホン、4−ヨードフェニルスルフィン酸、4−ヨードベンゼンスルホン酸フェニルエステルなどが挙げられる。
【0021】
これらの中でも3−ヨードベンジルアルコール、4−ブロモベンジルアルコール、4−ブロモアセトフェノン、4−ヨードフェニル酢酸、4−ヨードベンジルシアナイド、3−ブロムトルエン、2−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2−ヨード安息香酸、4−ヨード安息香酸が好ましい。
【0022】
また、一般式(2)で示されるホウ素誘導体と、一般式(3)で示されるアリール誘導体との混合比は、一般式(2)で示されるホウ素誘導体が一般式(3)で示されるアリール誘導体1当量に対して、0.5当量以上3当量以下とすることが好ましく、0.8当量以上、1.5当量以下とすることがより好ましい。
【0023】
本発明の製造方法によって得られる一般式(1)で示されるジアリール誘導体は、一般式(2)で示されるホウ素誘導体と、一般式(3)で示されるアリール誘導体との組み合わせに応じて得られるすべてのものが挙げられるが、特に3−ヒドロキシメチルビフェニル、4−ヒドロキシメチルビフェニル、4−カルボキシメチルビフェニル、4−シアノメチルビフェニル、3−メチルビフェニル、2−カルボキシビフェニル、4−カルボキシビフェニル、2−ヒドロキシビフェニル、4−ヒドロキシビフェニル、4'−クロルフェニルアセトフェノンを製造する場合に適している。
【0024】
更にまた、本発明の特徴である水系溶媒としては、水を50重量%以上含む溶媒であれば限定されるものではないが、水を80重量%以上含むことが好ましく、さらには90重量%以上含むことがより好ましく、99重量%以上が水であることがさらに好ましい。なお、水系溶媒中の水以外の成分としては、メタノール、エタノール等の低級アルコール、ジオキサン、テトラハイドロフラン等のエーテル類、エチレングリコール類等が挙げられる。その混合量は、水系溶媒の50重量%以下であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下であり、全く含まなくてもよい。
【0025】
このような水系溶媒にて反応させることで、一般式(2)で示されるホウ素誘導体と一般式(3)で示されるアリール誘導体との反応性が高まり、反応速度が飛躍的に高まる。したがって、ジアリール誘導体を短時間で合成でき、特に工業生産を行う上で非常に有利である。
【0026】
また、本発明に用いられるパラジウム触媒としては、Pd(0)化合物、すなわち、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、等が挙げられる。また、Pd(II)化合物、すなわち、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(ジフェニルフォスフィノ)エタンパラジウム、ジクロロジフェニルフォスフィノフェロセンパラジウム、等であってもよい。この中でも、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが特に好ましく用いられる。
【0027】
なお、これらのパラジウム触媒を使用する場合、もちろん混合前に触媒として機能する化合物を投入してもよいが、触媒として機能しない1以上の化合物を投入し、水系溶媒中で何らかの化学反応を起こして触媒として作用するパラジウム触媒を合成しても良い。また、高分子に担持された触媒(例えば、Avecia社製 PdEnCatTM(商品名)等)を使用してもよい。
【0028】
パラジウム触媒の添加量は、一般式(3)で示されるアリール誘導体に対して1mol%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.1mol%未満、特に好ましくは0.05mol%以下であることにより、最高の収率が得られる。このことは、従来の知見からすれば、正に驚くべき事である。つまり、0.1mol%未満、特に好ましくは0.05mol%以下であってもそれ以上、例えば0.1mol%以上使用した場合に比して全く遜色が無いということであり、極めて注目すべきことである。
従来、パラジウム触媒の添加量は、一般式(3)で示されるアリール誘導体に対して通常数%という相当な量を使用する必要があったが、本発明の製造方法では、上記した水系溶媒を用いることで、パラジウム触媒の添加量を1mol%以下、特に0.1mol%未満としても十分に反応を促進させることができる。したがって、高価なパラジウム触媒の使用量を減らすことができ、製造コストを低減できるので、工業的製造において非常に有利である。
【0029】
一方、パラジウム触媒の添加量の下限値としては、0.0001mol%以上が好ましく、より好ましくは0.001mol%以上、さらに好ましくは0.005mol%以上でる。パラジウム触媒が0.0001mol%より少ないと、十分な触媒作用が得られず、反応が良好に進まない。
【0030】
また、本発明に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、ナトリウムメトキサイド、カリウムエトキサイド等のアルカリ金属アルコラート等、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物等、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩等、アンモニア、アルキルアミンなどの有機アミン類などが使用出来る。中でも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどが好ましく用いられる。
【0031】
この塩基の添加量は、一般式(3)で示されるアリール誘導体1当量に対して、1当量以上であることが好ましく、1.5当量以上10当量以下であることがより好ましく、2当量以上6当量以下であることがより好ましい。塩基の添加量が1当量より少ないと反応が良好に進行しない。一方、塩基の添加量を10当量より多くしても、反応性は向上しないのでコストの面から10当量以下とすることが好ましい。また、Ar、Arが酸性置換基を有する場合は、中和相当量を追加することが好ましい。
【0032】
次に、ジアリール誘導体の製造方法の各工程について詳しく説明する。
本発明の目的とする一般式(1)で示されるジアリール誘導体の製造方法は、水系溶媒に、塩基と、パラジウム触媒と、一般式(2)で示されるホウ素誘導体と、一般式(3)で示されるアリール誘導体とを混合する混合工程と、混合した材料を反応させて一般式(1)で示されるジアリール誘導体を化学合成する反応工程と、合成された一般式(1)で示されるジアリール誘導体を取り出す取り出し工程と、一般式(1)で示されるジアリール誘導体を精製する精製工程からなる。
【0033】
混合工程において、それぞれの原料の添加順序は特に限定されるものではなく、最終的にすべての材料が水系溶媒にて混合されていればよく、その他のどのような順序で加えても差し支えない。例えば、水系溶媒と、塩基と、一般式(3)で示されるアリール誘導体との混合液に、パラジウム触媒と、一般式(2)で示されるホウ素誘導体とを加えてもよい。また、ここで言う混合には、固定されたパラジウム触媒に、塩基と一般式(2)で示されるホウ素誘導体と一般式(3)で示されるアリール誘導体とを含む水系溶媒を接触させることも含まれる。なお、パラジウム触媒はO存在下では失活するので、パラジウム触媒の混合はO非存在下(例えば、窒素環境下)で行うことが好ましい。
【0034】
続いて、反応工程について説明する。反応工程は、混合後、所定の反応温度に保つ期間である。
反応工程において、反応温度は、0℃以上200℃以下の範囲として反応を行うことが好ましく、30℃以上100℃以下とすることがより好ましく、さらに50℃以上95℃以下とすることが好ましい。なお、反応は加圧や減圧下で行っても良い。
【0035】
反応工程における反応時間に制限はないが、原料や混合の条件に応じて、反応が終了した時点で反応工程を終えればよい。本発明の方法によれば、反応は極めて短時間で終了するので、反応時間は従来と比べ格段に短縮できる。なお、確実に反応を完了させる反応時間としては、0.01時間以上10時間以下であり、通常3時間以下で有利に行われる。また、反応が瞬時に終了する原料および反応条件の場合は、混合した直後に反応工程を終えても良い。これによれば反応工程の時間を短縮できるので、効率的に一般式(1)で示されるジアリール誘導体を製造でき、工業的に非常に有利である。
【0036】
また、取り出し工程においては、反応工程で得られた反応生成物を任意の方法、例えば、濃縮、晶析、濾過等によって、水系溶媒から反応生成物を取り出す。
そして、精製工程において、再結晶により、又はカラムクロマトグラフィーなどの分離手段により、あるいはこれらを組み合わせることにより、より純度の高い状態に精製することができる。
【0037】
また、上記の各工程は、バッチ反応をさせて、つまり、混合工程にて1つの容器にすべての原料を混合させて、この容器内で反応工程を行い、取り出し工程にて容器から反応産物を取り出して精製しても良い。これによれば、確実に十分な化学反応させることができ、収率の高い製造方法を実現できる。
【0038】
また、本発明の製造方法は、反応工程を瞬時に完了させることが可能であるので、連続反応をさせることができる。つまり、例えば、パラジウム触媒をカラムに充填させておき、このカラムに、塩基と一般式(2)で示されるホウ素誘導体と一般式(3)で示されるアリール誘導体とを添加した水系溶媒を流して、カラム内のパラジウム触媒と接触させることで、一般式(1)で示されるジアリール誘導体を連続的に製造することができる。このような連続反応をさせれば、連続的に一般式(1)で示されるジアリール誘導体が製造出来るので、材料の混合、生成物の取り出しといった作業を繰り返すことなく、短時間で、より簡単に、大量の一般式(1)で示されるジアリール誘導体を製造できる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0040】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
水系溶媒としての水125mlに、塩基としての炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、アリール誘導体としての4−ヨード安息香酸12.4g(50mmol)とを混合した。この混合液に、窒素環境下で、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5.8mg(0.005mmol=4−ヨード安息香酸に対して0.01mol%)、ホウ素誘導体としてフェニルホウ酸6.7g(55mmol)を加えた。混合液を90℃に加熱し、2時間保温することにより完全に反応をさせた。このとき高速液体クロマトグラフィ(以下、HPLCという)分析でアリール誘導体である4−ヨード安息香酸の残存率は0%であった。そして、析出している結晶を含む反応後の混合液を室温まで冷却し、濾過した。取り出した結晶を熱水に溶解し、再結晶により精製して、生成物9.4gを得た。得られた生成物をNMR(核磁気共鳴分析法)およびMS(質量分析)で確認したところ、ジアリール誘導体である、4−カルボキシビフェニルであった。
このときの品質はHPLC分析で99%、収率は95%と高く、短時間で、効率的にジアリール誘導体が得られたことが分かった。
【0041】
実施例2
水系溶媒としての水125mlに、塩基としての炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、アリール誘導体としての2−ヨードフェノール11.0g(50mmol)とを混合した。この混合液に、窒素環境下で、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5.8mg(0.005mmol=4−ヨードフェノールに対して0.01mol%)、ホウ素誘導体としてフェニルホウ酸6.7g(55mmol)を加えた。混合液を90℃に加熱し、2時間保温することにより完全に反応をさせた。このときHPLC分析でアリール誘導体である2−ヨードフェノールの残存率は0%であった。そして、混合液を室温まで冷却し、析出している結晶を濾過した。取り出した結晶を熱水に溶解し、再結晶により精製して、生成物7.9gを得た。この生成物をNMRおよびMSで確認したところ、ジアリール誘導体である、2−ヒドロキシビフェニルであった。
このときの品質はHPLC分析で99%、収率は93%と高く、短時間で、効率的にジアリール誘導体が得られたことが分かった。
【0042】
実施例3
水系溶媒としての水60mlに、塩基としての炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、アリール誘導体としての2−ブロモトルエン8.6g(50mmol)とを混合した。この混合液に、窒素環境下で、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム58.0mg(0.05mmol=2−ブロモトルエンに対して0.1mol%)、ホウ素誘導体としてフェニルホウ酸6.7g(55mmol)を加えた。混合液を90℃に加熱し、2時間保温することにより完全に反応をさせた。このとき高速液体クロマトグラフィ(以下、HPLCという)分析でアリール誘導体である2−ブロモトルエンの残存率は0%であった。そして、混合液を室温まで冷却し、析出している結晶を濾過した。取り出した結晶を熱水に溶解し、再結晶により精製して、生成物7.8gを得た。この生成物をNMRおよびMSで確認したところ、ジアリール誘導体である、2−フェニルトルエンであった。
このときの品質はHPLC分析で99%、収率は93%と高く、短時間で効率的にジアリール誘導体が得られることが分かった。
【0043】
実施例4
水系溶媒としての水65mlに、塩基としての炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、アリール誘導体としての2−ブロモベンジルアルコール9.4g(50mmol)とを混合した。この混合液に、窒素環境下で、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5.8mg(0.005mmol=2−ブロモベンジルアルコールに対して0.01mol%)、ホウ素誘導体としてフェニルホウ酸6.7g(55mmol)を加えた。混合液を90℃に加熱し、2時間保温することにより完全に反応をさせた。このときHPLC分析でアリール誘導体である2−ブロモベンジルアルコールの残存率は0%であった。そして、混合液を室温まで冷却し、析出している結晶を濾過した。取り出した結晶を熱水に溶解し、再結晶により精製して、生成物8.8gを得た。この生成物をNMRおよびMSで確認したところ、ジアリール誘導体である、2−フェニルベンジルアルコールであった。
このときの品質はHPLC分析で99%、収率は95%と高く、短時間で効率的にジアリール誘導体が得られることが分かった。
【0044】
実施例5
水系溶媒としての水100mlに、塩基としての炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、アリール誘導体としての4−ブロモアセトフェノン10.0g(50mmol)とを混合した。この混合液に、窒素環境下で、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5.8mg(0.005mmol=4−ブロモアセトフェノンに対して0.01mol%)、ホウ素誘導体として4−クロルフェニルホウ酸8.6g(55mmol)を加えた。混合液を90℃に加熱し、2時間保温することにより完全に反応をさせた。このとき高速液体クロマトグラフィ(以下、HPLCという)分析でアリール誘導体である4−ブロモアセトフェノンの残存率は0%であった。そして、析出している結晶を含む反応後の混合液を室温まで冷却し、濾過した。取り出した結晶を熱水に溶解し、再結晶により精製して、生成物10.9gを得た。得られた生成物をNMR(核磁気共鳴分析法)およびMS(質量分析)で確認したところ、ジアリール誘導体である、4'−クロルフェニルアセトフェノンであった。
このときの品質はHPLC分析で99%、収率は94%と高く、短時間で、効率的にジアリール誘導体が得られたことが分かった。
【0045】
実施例6
水系溶媒としての水60mlに、塩基としての炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、アリール誘導体としての3−ブロモピリジン7.9g(50mmol)とを混合した。この混合液に、窒素環境下で、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム5.8mg(0.005mmol=3−ブロモピリジンに対して0.01mol%)、ホウ素誘導体として4−メチルフェニルホウ酸7.5g(55mmol)を加えた。混合液を90℃に加熱し、2時間保温することにより完全に反応をさせた。このとき高速液体クロマトグラフィ(以下、HPLCという)分析でアリール誘導体である3−ブロモピリジンの残存率は0%であった。そして、析出している結晶を含む反応後の混合液を室温まで冷却し、濾過した。取り出した結晶を熱水に溶解し、再結晶により精製して、生成物8.0gを得た。得られた生成物をNMR(核磁気共鳴分析法)およびMS(質量分析)で確認したところ、ジアリール誘導体である、3−(4−メチルフェニル)ピリジンであった。
このときの品質はHPLC分析で99%、収率は94%と高く、短時間で、効率的にジアリール誘導体が得られたことが分かった。
【0046】
実施例7
水系溶媒としての水80mlに、塩基としての炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、アリール誘導体としての3−ブロモチオフェン8.2g(50mmol)とを混合した。この混合液に、窒素環境下で、パラジウム触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.9mg(0.0025mmol=3−ブロモピリジンに対して0.005mol%)、ホウ素誘導体として4−メトキシフェニルホウ酸8.4g(55mmol)を加えた。混合液を90℃に加熱し、2時間保温することにより完全に反応をさせた。このとき高速液体クロマトグラフィ(以下、HPLCという)分析でアリール誘導体である3−ブロモチオフェンの残存率は0%であった。そして、析出している結晶を含む反応後の混合液を室温まで冷却し、濾過した。取り出した結晶を熱水に溶解し、再結晶により精製して、生成物9.0gを得た。得られた生成物をNMR(核磁気共鳴分析法)およびMS(質量分析)で確認したところ、ジアリール誘導体である、3−(4−メトキシフェニル)チオフェンであった。
このときの品質はHPLC分析で99%、収率は95%と高く、短時間で、効率的にジアリール誘導体が得られたことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の一般式(1)で示されるジアリール誘導体の製造方法は、溶媒として水系溶媒を使用することによって、少量のパラジウム触媒にて短時間で効率的に製造ができる。したがって、一般式(1)で示されるジアリール誘導体の工業的な製造に好適である。また、一般式(1)で示されるジアリール誘導体は抗血栓症活性等を示す化合物の医薬中間体あるいは液晶、有機EL等の電子材料として使用されるので、これらの製造において、好適に利用できる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
Ar−Ar ・・・・・・・・・(1)
(ここで、Ar、Arは、1個以上の置換基を有しても良いフェニル基、縮合環基又は複素環基を表し、ArとArとは同じでもよいし、異なっていてもよい。)
で示されるジアリール誘導体の製造方法であって、水系溶媒中で、塩基とパラジウム触媒との存在下、一般式(2)
Ar−B(OR ・・・・・(2)
(ここで、Arは前記と同じものを表す。Rは、水素原子、アルキル基、環状アルキル基又はアリール基を表す。)
で示されるホウ素誘導体と、一般式(3)
X−Ar ・・・・・・・・・(3)
(ここで、Xは沃素、臭素、R−SO−を表し、Rはアルキル基、フッ化アルキル基又はアリール基を表す。Arは前記と同じものを表す。)
で示されるアリール誘導体とを反応させることを特徴とするジアリール誘導体の製造方法。
【請求項2】
一般式(1)において、Ar及びArの1個以上の置換基が、更に置換されていても良い炭素数1から8の分岐若しくは直鎖状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はシクロアルキル基、ハロゲン基、−OR、−OM、−CHO、−COOR、−COOM、−OCOR、−COR、−NR、−CONR、−NHCOR、−NHCOOR、−CN、−NO、−PO、−POM、−PO、−POM、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−SOM及び−SO(ここで、RおよびRは水素原子又は炭素数1から5の分岐していても良いアルキル基を表し、RとRとはそれぞれ独立の意味を表し、RとRは同じでもよいし、異なっていてもよい。またMは金属原子を表す)から選ばれる請求項1に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項3】
パラジウム触媒の添加量が、一般式(3)で示されるアリール誘導体に対して0.0001mol%以上1mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項4】
パラジウム触媒の添加量が、一般式(3)で示されるアリール誘導体に対して0.001mol%を超え、0.1mol%未満であることを特徴とする請求項1に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項5】
一般式(1)において、Arの1個以上の置換基が、更に置換されていても良い炭素数1から8の分岐若しくは直鎖状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はシクロアルキル基、ハロゲン基、−OR’、−OM、−COOR’、−COOM、−COR’、−CONR、−SONR、−SOM及び−SOR’(ここで、R’は、炭素数1から5の分岐していても良いアルキル基を表し、またR’、RおよびRは水素原子又は炭素数1から5の分岐していても良いアルキル基を表し、R’、R及びRとはそれぞれ独立の意味を表し、R’、R及びRは同じでもよいし、異なっていてもよい。またMは金属原子を表す)から選ばれる請求項1に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項6】
パラジウム触媒の添加量が、一般式(3)で示されるアリール誘導体に対して0.0001mol%以上1mol%以下であることを特徴とする請求項5に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項7】
パラジウム触媒の添加量が、一般式(3)で示されるアリール誘導体に対して0.001mol%を超え0.1mol%未満であることを特徴とする請求項5に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項8】
パラジウム触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項9】
水系溶媒が、水を80重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項10】
水系溶媒が、水を90重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のジアリール誘導体の製造方法。
【請求項11】
塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のジアリール誘導体の製造方法。





【公開番号】特開2006−151946(P2006−151946A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126368(P2005−126368)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(391010895)小西化学工業株式会社 (19)
【Fターム(参考)】