説明

スクリーン印刷装置およびスクリーン印刷装置におけるクリーニングペーパのペーパ送り方法

【課題】回転円板と光学センサによる簡易的な回動量の検出を採用する場合において、ペーパ送り量を安定して制御することができるスクリーン印刷装置およびスクリーン印刷装置におけるクリーニングペーパのペーパ切れ検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ペーパ送り処理においてペーパロール35Aの回転を阻止するブレーキ機構38の作動を解除してペーパ送りを開始し、ペーパ送り量を計測するスリット検出信号Sを所定回数反復して検出した後にブレーキ機構38を再度作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間T2において、ブレーキ機構38の作動解除に伴って発生する不安定時間として設定されるカウント待ち時間T3の経過の後に、スリット検出信号Sのカウントを開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にクリーム半田や導電性ペーストなどのペーストを印刷するスクリーン印刷装置およびこのスクリーン印刷装置においてマスククリーニング用のクリーニングペーパを送るペーパ送り検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装工程において、基板上にクリーム半田や導電性ペーストなどのペーストを印刷する方法としてスクリーン印刷が用いられている。この方法は、印刷対象部位に応じてパターン孔が設けられたマスクプレートを基板に当接させ、マスクプレート上にペーストを供給してスキージを摺動させることにより、パターン孔を介して基板上にペーストを印刷するものである。
【0003】
印刷作業中には、マスクプレートの下面側には基板上で印刷部位からはみ出したクリーム半田が付着したり、基板上に完全に転写されなかったクリーム半田がマスクプレートの開口部に残留するなどの汚損が発生する。このようなクリーム半田による汚損は後続の基板への正常な印刷を妨げるため、これらのクリーム半田を除去するためのクリーニングを行う必要がある。
【0004】
このため従来より、マスクプレートを下面側から専用のクリーニングぺーパ(以下単に「ペーパ」と略記する。)を用いて拭き取ることによって残余のクリーム半田を除去するクリーニング機構を備えたスクリーン印刷装置が知られている。このクリーニング機構においては、ぺーパを紙管に巻回したペーパロールの形態の供給ロールによって供給され、クリーニング動作の度毎にぺーパを供給ロールからまず引き出す。そしてこのペーパをクリーニングヘッドによってマスク下面に押し付けて拭き取るクリーニング動作を実行し、使用された後の使用済みペーパは巻き取り機構によって巻き取って回収される(例えば特許文献1参照)。
【0005】
クリーニング動作は、ペーパをマスク下面のクリーニング面に対して摺動させることによって行われるため、供給ロールに設けられたブレーキ機構を作動させることによってクリーニング動作中においてペーパを固定するようにしている。そして次のクリーニング動作の開始に先立って、使用によって汚損されたペーパを巻き取り新たなペーパを引き出すペーパ送りが実行される。すなわち、ブレーキ機構の作動を解除して供給ロールからのペーパの巻き出しを可能な状態にし、次のクリーニング動作に必要な所定長さのペーパを巻き出してペーパ送り経路に沿って送る。
【0006】
このペーパ送りにおいては、1回のクリーニング動作に必要な長さのテープが供給されるよう、ペーパの送り量を制御する必要がある。特許文献例を含め従来技術においては、供給ロールまたは巻き取りロールの回動量を検出した結果に基づいてペーパ送り量を制御するようにしている。そして回動量の検出機構としては、回動軸に結合された回転円板と光センサとを組み合わせ、回転円板の外周に沿って定ピッチで形成されたスリットを光センサがカウントすることによって回動量を検出する構成が多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−199768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述構成の回動量の検出機構は、回転円板と光センサの組み合わせという簡易的な構成で安価であるという利点がある反面、その構成に起因して以下のような難点がある。すなわち回動量の検出は、ブレーキ機構の作動を解除して供給ロールからのペーパの巻き出しを可能な状態にした後、回転円板のスリットが検出用の光学センサの検査光軸を横切る回数をカウントすることによって行われる。上述の回動量の検出において、ブレーキ機構が作動している状態では、ペーパには常に張力が作用しているため、ペーパ送りのためにブレーキ機構を解除したタイミングにてペーパは張力によって不安定な挙動を示す。
【0009】
このため、検出対象のスリットが検査光軸の近傍に位置している状態でブレーキ機構の作動を解除すると、まだテープ送り動作が開始していないにも拘わらず、スリットが検出されてカウントされる事態が発生する場合がある。このようなスリットの誤カウントが発生すると、規定カウント数を以て所定のペーパ送り完了と判定するテープ送り方式では、ペーパ送りにおける送り量に誤差が生じ、安定したペーパ送りが行えない結果となる。このように、従来技術においては、回転円板と光学センサによる簡易的な回動量の検出を採用する場合に、ペーパ送り量を安定して制御することが困難であるという課題があった。
【0010】
そこで本発明は、回転円板と光学センサによる簡易的な回動量の検出を採用する場合において、ペーパ送り量を安定して制御することができるスクリーン印刷装置およびスクリーン印刷装置におけるクリーニングペーパのペーパ送り方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のスクリーン印刷装置は、パターン孔が設けられたマスクプレートに基板を当接させ、ペーストが供給された前記マスクプレート上でスキージを摺動させることにより、前記パターン孔を介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷機構と、紙管に巻回されたペーパロールの状態で供給されるクリーニングペーパをクリーニングヘッドによって前記マスクプレートの下面に押しつけて拭き取ることによりこのマスクプレートを下面側からクリーニングするクリーニング機構とを有するスクリーン印刷装置であって、前記クリーニング機構は、未使用の前記ペーパロールが第1の回転軸廻りに回転自在に装着される第1のロール装着部と、前記第1の回転軸の回転を阻止するブレーキ機構と、前記第1の回転軸の回転量を検出する回転量検出部と、前記使用済みのクリーニングペーパを紙管に巻回して回収するための回収ロールが第2の回転軸廻りに回転自在に装着される第2のロール装着部と、前記第2のロール装着部に装着された紙管をステッピングモータを駆動源として回転駆動することにより前記クリーニングペーパを巻き取る巻取り駆動機構と、前記回転量検出部の検出結果に基づき、前記ブレーキ機構および前記巻取り駆動機構を制御することにより、前記クリーニング機構によるマスクプレートの下面のクリーニングのためのクリーニングペーパ送り動作を制御するペーパ送り制御部とを備え、前記回転量検出部は、外周部に複数のスリットが定ピッチで形成され前記第1の回転軸に結合されてともに回転する回転円板と、この回転円板の外周部に前記スリットの形成範囲に検出光軸の位置を合わせて配置された光センサと、前記光センサによるスリット検出信号をカウントしたカウント数により前記第1の回転軸の回転量を検出する検出処理部とを有し、前記ペーパ送り制御部は、前記ブレーキ機構の作動を解除してペーパ送りを開始し前記スリット検出信号を所定回数反復して検出した後に再度前記ブレーキ機構を作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間において、前記ブレーキを解除したタイミングからこのブレーキの解除に伴って発生する不安定時間として予め設定される所定時間の経過の後に、前記スリット検出信号のカウントを開始する。
【0012】
本発明のスクリーン印刷装置におけるクリーニングペーパのペーパ送り方法は、パターン孔が設けられたマスクプレートに基板を当接させ、ペーストが供給された前記マスクプレート上でスキージを摺動させることにより、前記パターン孔を介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷機構と、紙管に巻回されたペーパロールの状態で供給されるクリーニングペーパをクリーニングヘッドによって前記マスクプレートの下面に押しつけて拭き取ることによりこのマスクプレートを下面側からクリーニングするクリーニング機構とを有し、前記クリーニング機構は、未使用の前記ペーパロールが第1の回転軸廻りに回転自在に装着される第1のロール装着部と、前記第1の回転軸の回転を阻止するブレーキ機構と、前記第1の回転軸の回転量を検出する回転量検出部と、前記使用済みのクリーニングペーパを紙管に巻回して回収するための回収ロールが第2の回転軸廻りに回転自在に装着される第2のロール装着部と、前記第2のロール装着部に装着された紙管をステッピングモータを駆動源として回転駆動することにより前記クリーニングペーパを巻き取る巻き取り駆動機構と、前記回転量検出部の検出結果に基づき、前記ブレーキ機構、前記巻き取り駆動機構を制御することにより、前記クリーニング機構によるマスクプレートの下面のクリーニングのためのクリーニングペーパ送り動作を制御するペーパ送り制御部とを備え、前記回転量検出部は、外周部に複数のスリットが定ピッチで形成され前記第1の回転軸に結合されてともに回転する回転円板と、この回転円板の外周部に前記スリットの形成範囲に検出光軸の位置を合わせて配置された光センサと、前記光センサによるスリット検出信号をカウントしたカウント数により前記第1の回転軸の回転量を検出する検出処理部とを有する構成のスクリーン印刷装置において、前記クリーニングペーパをペーパロールから巻き出して送るペーパ送り方法であって、前記ブレーキ機構の作動を解除してペーパ送りを開始し前記スリット検出信号を所定回数反復して検出した後に再度前記ブレーキ機構を作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間において、前記ブレーキ機構の作動を解除したタイミングからこの作動解除に伴って発生する不安定時間として予め設定される所定時間の経過の後に、前記スリット検出信号のカウントを開始する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ペーパロールの回転を阻止するブレーキ機構の作動を解除してペーパ送りを開始し、ペーパ送り量を計測するスリット検出信号を所定回数反復して検出した後に再度ブレーキ機構を作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間において、ブレーキ機構の作動を解除したタイミングからこの作動解除に伴って発生する不安定時間として予め設定される所定時間の経過の後に、スリット検出信号のカウントを開始することにより、回転円板と光学センサによる簡易的な回動量の検出を採用する場合において、ペーパ送り量を安定して制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の側面図
【図2】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の正面図
【図3】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の平面図
【図4】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置のクリーニングユニットの構造説明図
【図5】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の動作説明図
【図6】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の制御系の構成を示すブロック図
【図7】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置において用いられるペーパ送り制御アルゴリズムを示すタイムチャート
【図8】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置におけるペーパ切れ検出処理のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1、図2、図3を参照して、スクリーン印刷装置の構造を説明する。図1において、スクリーン印刷装置は、基板位置決め部1の上方にスクリーン印刷機構11を配設して構成されている。基板位置決め部1は、Y軸テーブル2、X軸テーブル3およびθ軸テーブル4を段積みし、更にその上に第1のZ軸テーブル5、第2のZ軸テーブル6を組み合わせて構成されている。
【0016】
第1のZ軸テーブル5の構成を説明する。θ軸テーブル4の上面に設けられた水平なベースプレート4aの上面側には、同様に水平なベースプレート5aが昇降ガイド機構(図示省略)によって昇降自在に保持されている。ベースプレート5aは、複数の送りねじ5cをモータ5bによってベルト5dを介して回転駆動する構成のZ軸昇降機構によって昇降する。
【0017】
ベースプレート5aには垂直フレーム5eが立設されており、垂直フレーム5eの上端部には基板搬送機構8が保持されている。基板搬送機構8は基板搬送方向(X方向−−図1において紙面垂直方向)に平行に配設された2条の搬送レールを備えており、これらの搬送レールによって印刷対象の基板10の両端部を支持して搬送する。第1のZ軸テーブル5を駆動することにより、基板搬送機構8によって保持された状態の基板10を、基板搬送機構8とともに後述するスクリーン印刷機構に対して昇降させることができる。図2、図3に示すように、基板搬送機構8は上流側(図2、図3において左側)および下流側に延出し、上流側から搬入された基板10は基板搬送機構8によって搬送され、さらに基板位置決め部1によって位置決めされる。そして後述するスクリーン印刷機構11によって印刷が行われた後の基板10は、基板搬送機構8によって下流側に搬出される。
【0018】
第2のZ軸テーブル6の構成を説明する。基板搬送機構8とベースプレート5aの中間には、水平なベースプレート6aが昇降ガイド機構(図示省略)に沿って昇降自在に配設されている。ベースプレート6aは、複数の送りねじ6cをモータ6bによってベルト6dを介して回転駆動する構成のZ軸昇降機構によって昇降する。ベースプレート6aの上面には、上面に基板10を保持する下受け面が設けられた基板下受部7が配設されている。
【0019】
第2のZ軸テーブル6を駆動することにより、基板下受部7は基板搬送機構8に保持された状態の基板10に対して昇降する。そして基板下受部7の下受け面が基板10の下面に当接することにより、基板下受部7は基板10を下面側から支持する。基板搬送機構8の上面にはクランプ機構9が配設されている。クランプ機構9は、左右対向して配置された2つのクランプ部材9aを備えており、一方側のクランプ部材9aを駆動機構9bによって進退させることにより、基板10を両側からクランプして固定する。
【0020】
次に基板位置決め部1の上方に配設されたスクリーン印刷機構11について説明する。図1,図2において、マスク枠12aにはマスクプレート12が展張されており、マスクプレート12には基板10において印刷対象となる電極10aの形状・位置(図3参照)に対応して、パターン孔12bが設けられている。マスクプレート12上にはスキージユニット13が配設されており、スキージユニット13は、水平なプレート14にスキージ16を昇降させるスキージ昇降機構15を配設した構成となっている。スキージ昇降機構15を駆動することによりスキージ16は昇降して、マスクプレート12の上面に当接する。
【0021】
図2に示すように、縦フレーム25上に配置されたブラケット26上にはガイドレール27がY方向に配設されており、ガイドレール27にスライド自在に嵌合したスライダ28は、プレート14の両端に結合されている。これにより、スキージユニット13はY方向にスライド自在となっている。プレート14は、ナット30、送りねじ29および送りねじ29を回転駆動するスキージ移動用モータ(図示省略)より成るスキージ移動手段によりY方向に水平移動する。
【0022】
次にスクリーン印刷機構11による印刷動作について説明する。まず基板搬送機構8によって基板10が印刷位置に搬入されると、第2のZ軸テーブル6を駆動して基板下受部7を上昇させ、基板10の下面を下受けする。そしてこの状態で基板位置決め部1を駆動して基板10をマスクプレート12に対して位置合わせする。この後、第1のZ軸テーブル5を駆動して基板10を基板搬送機構8とともに上昇させてマスクプレート12の下面に当接させ、次いで基板10をクランプ機構9によってクランプする。これにより、スキージユニット13によるスキージングにおいて、基板10の水平位置が固定される。そしてこの状態で、ペーストであるクリーム半田が供給されたマスクプレート12上でスキージ16を摺動させることにより、パターン孔12bを介して基板10にはクリーム半田が印刷される。
【0023】
次に、マスクプレート12の下面をクリーニングするクリーニング機構について説明する。このクリーニング機構は、スクリーン印刷動作を反復して実行する過程において、マスクプレート12の下面に付着したクリーム半田を予め定められた規定のインターバル毎にクリーニングペーパ21(図4参照、以下単にペーパ21と略記。)によって拭き取って除去する機能を有しており、マスクプレート12の下面の汚損に起因する印刷品質の低下を防止する役割を果たす。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態においてはクリーニング機構は、基板10およびマスクプレート12を撮像するカメラヘッドユニット17と一体的に移動するクリーニングヘッドユニット18を主体とした構成となっている。カメラヘッドユニット17は、基板10を上方から撮像するための基板認識カメラ17aと、マスクプレート12を下面側から撮像するためのマスク認識カメラ17bとを備えており、カメラヘッドユニット17を移動させることにより、基板10の認識とマスクプレート12の認識とを同時に行うことができる。
【0025】
図3に示すように、クリーニングヘッドユニット18は水平なユニットベース18aに未使用のペーパ21を巻回したペーパロール35Aと、使用済みのペーパ21を巻回した回収ロール35Bおよびクリーニングヘッド36を配設した構成となっており、ペーパロール35Aから引き出されたペーパ21は、クリーニングヘッド36を経由して回収ロール35Bに回収される。カメラヘッドユニット17およびクリーニングヘッドユニット18は、ヘッドX軸テーブル19に装着されてY方向に一体的に移動する。
【0026】
図2において縦フレーム25上にはガイドレール31がY方向に配設されており、ガイドレール31にスライド自在に嵌合したスライダ32は、ヘッドX軸テーブル19にブラケット19aを介して結合されている。これにより、ヘッドX軸テーブル19はY方向にスライド自在となっている。ヘッドX軸テーブル19は、ナット34、送りねじ33および送りねじ33を回転駆動するヘッド移動用モータ(図示省略)より成るヘッドY軸移動機構20によりY方向に水平移動する。ヘッドX軸テーブル19およびヘッドY軸移動機構20は、カメラヘッドユニット17およびクリーニングヘッドユニット18を一体的に水平移動させるヘッド移動手段を構成する。
【0027】
次に図4を参照して、クリーニングヘッドユニット18の詳細構造を説明する。図4(a)は図3に示すクリーニングヘッドユニット18のY方向の断面を示しており、クリーニングヘッドユニット18には、それぞれ第1の回転軸37A、第2の回転軸37Bを備えた第1のロール装着部18b、第2のロール装着部18cが設けられている。第1のロール装着部18bには、未使用のペーパロール35Aが第1の回転軸37A廻りに回転自在に装着される。第2のロール装着部18cには、使用済みのペーパ21を紙管に巻回して回収するための回収ロール35Bが第2の回転軸37B廻りに回転自在に装着される。ペーパロール35A、回収ロール35Bはいずれも紙管35aにペーパ21を卷回して構成されており、紙管35a内に第1の回転軸37A、第2の回転軸37Bを挿通させ、係止機構(図示省略)によって紙管35aを第1の回転軸37A、第2の回転軸37Bに固着することにより、第1のロール装着部18b、第2のロール装着部18cに装着される。
【0028】
ペーパロール35Aから引き出されたペーパ21は、クリーニングヘッド36の上面に設けられた押付面36bを周回して、回収ロール35Bに巻き取られる。クリーニングヘッド36はヘッド昇降機構36aによって昇降自在となっており(矢印a)、通常状態においてはクリーニングヘッド36は下降状態にある。そしてマスクプレート12の下面を清掃するマスククリーニング時には、ヘッド昇降機構36aを駆動してクリーニングヘッド36を上昇させ、ペーパ21をマスクプレート12の下面に押し当てる。
【0029】
図4(b)の平面図に示すように、第1のロール装着部18bには第1の回転軸37Aの回転を阻止するブレーキ機構38と、第1の回転軸37Aの回転量を検出する回転量検出部41が設けられており、第2のロール装着部18cには、第2の回転軸37Bを回転駆動する巻き取り駆動機構42が設けられている。ペーパ21をクリーニングヘッド36によってマスクプレート12に押し付けて摺動させるマスククリーニング動作においては、マスクプレート12へのペーパ21の付着を防止するため、ブレーキ機構38を作動させてペーパロール35Aからペーパ21が引き出されるのを阻止する。そしてクリーニングにより汚損したペーパ21を回収ロール35Bに巻き取って新たな未使用のペーパ21をペーパロール35Aから引き出すテープ送り動作時には、ブレーキ機構38の作動を解除してペーパロール35Aからのペーパ21の引き出しを許容する。
【0030】
巻き取り駆動機構42は、第2のロール装着部18cに装着された紙管35aをステッピングモータを駆動源として回転駆動することによりペーパ21を巻き取る機能を有している。すなわち巻き取り駆動機構42を駆動して第2の回転軸37Bを回転させることによりペーパ21が回収ロール35Bに巻き取られ、これにより押付面36bを周回するペーパ21は、回収ロール35Bに巻き取られた分だけペーパロール35Aから引き出される。そしてペーパロール35Aからペーパ21が引き出されることにより、第1の回転軸37Aはペーパ21の引き出し量に応じた回転量で回転する。したがって、第1の回転軸37Aの回転量を回転量検出部41で検出することにより、ペーパロール35Aから引き出されたペーパ21の引き出し量を検出することができる。
【0031】
回転量検出部41は、第1の回転軸37Aに結合されてともに回転する回転円板39と、この回転円板39の外周部に配置された光センサ40とを組み合わせた構成となっている。図4(c)に示すように、回転円板39の外周部には、板部材を櫛歯状に切り欠いた複数のスリット39aが定ピッチで全周にわたって形成されており、光センサ40はスリット39aの形成範囲に検出光軸40cの位置を合わせて配置されている。
【0032】
第1の回転軸37Aととともに回転円板39が回転する過程において、スリット39aが光センサ40の検出光軸の位置に一致することにより、投光部40aから投射される光が受光部40bによって受光される。これにより光センサ40はON状態となり、スリット検出信号Sを出力する。また非スリット部39bが光センサ40の検出光軸40cの位置にあって投光部40aから投射される光が遮光された状態では、光センサ40はOFF状態となりスリット検出信号Sは出力されない。したがって、このスリット検出信号Sを検出処理部41a(図6参照)によって受信してカウントすることにより、第1の回転軸37Aの回転量を検出することができる。そして本実施の形態においては、回転量検出部41の検出結果に基づき、ブレーキ機構38および巻き取り駆動機構42を制御することにより、クリーニングヘッドユニット18によるマスクプレート12の下面のクリーニングのためのペーパ送り動作を制御するようにしている。
【0033】
ペーパ21をペーパロール35Aから引き出すテープ送り動作時には、前述のようにブレーキ機構38の作動を解除する。このとき、第1の回転軸37Aはフリー状態となるため、ブレーキ解除に伴うペーパ21の張力の変動により、実際にペーパ21のテープ送りが行われてないにも拘わらず回転円板39が不安定な回転動作を行う場合がある。この不安定動作において、回転円板39のスリット39aが光センサ40の検出光軸40cを横切ると、光センサ40はスリット検出信号Sを出力する。すなわち、ブレーキ解除に伴う回転円板39の不安定回転によって出力されるスリット検出信号Sは、ペーパ21のペーパ送り量を示すものではなく、このときに出力されるスリット検出信号Sをペーパ送り動作の制御にそのまま取り込むと、ペーパ21のペーパ送り量に誤差を生じる要因となる。このため本実施の形態においては、後述するように、ブレーキ解除に伴う回転円板39の不安定回転によって出力されるスリット検出信号Sをカウントから除外して、ペーパ送り量を安定させるようにしている。
【0034】
次に図5を参照して、マスククリーニング動作の概略について説明する。カメラヘッドユニット17による基板10やマスクプレート12の認識を行わず、またクリーニングヘッドユニット18によるマスククリーニングを行わないときには、図5(a)に示すように、カメラヘッドユニット17、クリーニングヘッドユニット18はともに基板位置決め部1の上方から側方に退避する。そしてマスククリーニングを実行する際には、図5(b)に示すように、クリーニングヘッドユニット18をカメラヘッドユニット17とともにマスクプレート12の下方に進出させ、次いでクリーニングヘッド36を上昇させる。そしてクリーニングヘッド36によってペーパ21をマスクプレート12の下面に押し当てた状態で、クリーニングヘッドユニット18を水平移動させることにより、ペーパ21によってマスクプレート12の下面を拭き取ってクリーニングする。
【0035】
したがって、クリーニングヘッドユニット18およびクリーニングヘッドユニット18を移動させるヘッド移動手段は、紙管35aに巻回されたペーパロール35Aの状態で供給されるペーパ21をクリーニングヘッド36によってマスクプレート12の下面に押しつけて拭き取ることにより、このマスクプレート12を下面側からクリーニングするクリーニング機構を構成する。
【0036】
次に、図6を参照して、制御系の構成を説明する。制御部43はCPU機能であり、記憶部44に記憶された各種の演算・動作プログラムを作業実行用データに基づいて実行することのより、以下の各部の動作や処理を制御する。これにより、スクリーン印刷動作やマスククリーニング動作が実行される。記憶部44は上述の演算・動作プログラムや作業実行用データのほか、クリーニングヘッドユニット18におけるペーパ送り動作を制御するために用いられるしきい値についてのしきい値データ44aが記憶されている。
【0037】
機構駆動部45は、制御部43によって制御されて基板位置決め部1、スクリーン印刷機構11、クリーニングヘッドユニット18を駆動する。これにより、基板10を対象とするスクリーン印刷動作およびマスクプレート12を対象とするマスククリーニング動作が実行される。回転量検出部41は、光センサ40によるスリット検出信号Sを検出処理部41aによって受信して、ペーパロール35Aとともに回転する第1の回転軸37Aの回転量を検出する。これにより、ペーパロール35Aから送り出されるペーパ21の長さを検出することができる。
【0038】
ペーパ送り制御部46は、回転量検出部41の検出結果に基づき、ブレーキ機構38および巻き取り駆動機構42を制御することにより、クリーニングヘッドユニット18によるマスクプレート12の下面のクリーニングのためのペーパ送り動作を制御する。操作・入力部47はキーボードやタッチパネルスイッチなどの入力手段であり、スクリーン印刷装置の操作指令や各種データの入力などの操作を行う。表示部48は液晶パネルなどの表示装置であり、操作・入力部47による操作入力時の案内画面や、クリーニングヘッドユニット18におけるペーパ切れ検出時の報知画面など各種の画面を表示する。
【0039】
ペーパ送り制御部46によるペーパ送り動作の制御について、図7を参照して説明する。図7は、クリーニングヘッドユニット18においてマスククリーニング動作実行後に行われるペーパ送り時の光センサ40の検出結果およびブレーキ機構38の動作状態をタイムチャートにて示している。図7(a)は、ペーパロール35Aからペーパ21が規定量だけ引き出されて正常にペーパ送りが行われている状態におけるタイムチャートを示している。
【0040】
すなわちこの場合には、ブレーキ機構38の作動を解除してペーパロール35Aからのペーパ21の引き出しが許容される状態にした後、巻き取り駆動機構42を駆動して回収ロール35Bにペーパ21を巻き取る。このとき、巻き取り駆動機構42による巻き取り速度に追従して第1の回転軸37Aが回転することから、第1の回転軸37Aとともに回転する回転円板39のスリット39aが光センサ40によって検出され、スリット検出信号Sが出力される。
【0041】
このとき、スリット検出信号Sは予め設定された規定のペーパ送り量に応じた所定回数(図7に示す例では3回)だけ反復して検出された後に、ブレーキ機構38を作動させてペーパロール35Aからのペーパ21の引き出しを停止することにより、ペーパ送り動作の1サイクルが完了する。したがって、スリット検出信号Sの検出回数が所定回数に満たない場合には、ペーパロール35Aからペーパ21が正常に引き出されていないこと、すなわちペーパ切れが発生したと判断される。このようなペーパ切れの発生は、ペーパロール35Aにてペーパ21の終端部の紙管35aへの貼着力が十分でなく、ペーパ21が巻き取りによって紙管35aから容易に剥離する結果、第1の回転軸37Aの回転が停止する場合や、その反対にペーパ21が紙管35aに強固に貼着されている場合のいずれにおいても、第1の回転軸37Aの正常な回転が停止することによって検出される。
【0042】
またスリット検出信号Sの継続時間T1は、正常なペーパ送り動作時においては、巻き取り速度に対応した所定時間となる。したがって、スリット検出信号Sの継続時間T1を監視することにより、ペーパ送り動作の正常・異常を判断することができる。すなわち、スリット検出信号Sの継続時間T1を予め設定された第1のしきい値と比較し、継続時間T1が第1のしきい値を超えた場合には、ペーパロール35Aからのペーパ21の引き出しが正常に行われておらずペーパ切れが発生したと判断する。第1のしきい値は、継続時間T1の正常な検出時間の上限として経験値に基づいて設定されるものであり(例えば200ms.)、記憶部44にしきい値データ44aとして記憶される。
【0043】
またペーパ送り動作が正常に行われている場合には、ペーパ送り動作の1サイクル時間T2は、スリット検出信号Sの所定の検出回数に応じた時間となり、所定のばらつき範囲にある。ここでペーパ送り動作の1サイクル時間T2は、ブレーキ機構38の作動を解除してペーパ送りを開始し、スリット検出信号Sを所定回数反復して検出した後にブレーキ機構38を再度作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義される。したがって、ペーパ送り動作の1サイクル時間T2が動作遅延限界時間として設定される第2のしきい値を超えた場合には、ペーパロール35Aにおいてペーパ切れが発生したと判断する。第2のしきい値は、1サイクル時間T2の正常な動作遅延限界時間として経験値に基づいて設定されるものであり、記憶部44にしきい値データ44aとして記憶される。ここでは、スリット検出信号Sの所定の検出回数に単位時間(例えば40ms.)を乗じた比例時間部分に、固定時間部分(例えば1080ms.)を加算することにより第2のしきい値を設定している。
【0044】
すなわち、ペーパ送り制御部46は、スリット検出信号Sが所定回数だけ反復して検出されない場合、スリット検出信号Sの継続時間T1が正常な検出時間の上限として設定される第1のしきい値を超えた場合、ブレーキ機構38の作動を解除してペーパ送りを開始しスリット検出信号Sを所定回数反復して検出した後にブレーキ機構38を再度作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間T2が、動作遅延限界時間として設定される第2のしきい値を超えた場合のいずれかに該当するならば、ペーパロール35Aにおけるペーパ切れが発生したと判断し、その旨を表示部48によって報知する処理を行う。
【0045】
上述のスリット検出信号Sをカウントすることによってテープ送り量を制御する方式においては、前述のように、ブレーキ機構38の作動を解除する際の回転円板39の不安定回転によって、テープ送りに無関係なスリット検出信号Sが出力される場合がある。すなわち、ブレーキ機構38がOFF操作された時点における検出光軸40cとスリット39aの位置関係によっては、回転円板39が僅かに回転することにより、図7(b)に示すように、テープ送り動作によらないスリット検出信号S*が出力される場合がある。そしてこのようなスリット検出信号S*をペーパ送り制御部46がカウントすると、テープ送りに関与しないスリット検出信号Sが余分にカウントされる結果、1つのスリット検出信号Sがカウントされる時間ΔTに相当する時間だけ、正常なテープ送り時間に誤差が生じて、テープ送り量がばらつく要因となる。
【0046】
このため本実施の形態に示すクリーニングヘッドユニット18においては、ブレーキ機構38がOFF操作されたタイミングからこのブレーキの解除に伴って発生する不安定時間としてカウント待ち時間T3を、経験値に基づいて設定して予め記憶部44に記憶するようにしている。そしてこのカウント待ち時間T3が経過したタイミングt*までに検出されたスリット検出信号S*をテープ送り制御のためのカウントから除外するために、ペーパ送り制御部46は上述のタイミングt*が経過した後に、テープ送り制御のためのスリット検出信号Sのカウントを開始する。
【0047】
すなわちペーパ送り制御部46は、ブレーキ機構38の作動を解除してペーパ送りを開始しスリット検出信号Sを所定回数反復して検出した後にブレーキ機構38を再度作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間T2において、ブレーキ機構38を解除したタイミングからこのブレーキの解除に伴って発生する不安定時間として予め設定される所定時間、すなわちカウント待ち時間T3の経過の後に、スリット検出信号Sのカウントを開始する。
【0048】
次に図8を参照して、スクリーン印刷におけるペーパ送り処理について、時系列的に説明する。このペーパ送り処理は、クリーニングヘッドユニット18に装着されるペーパロール35Aから未使用のペーパ21を引き出して回収ロール35Bによって巻き取るものである。まず、スクリーン印刷動作を反復する過程で実行されるクリーニング動作が終了すると、その後にペーパ送り動作が開始される(ST1)。このペーパ送り動作では、まずブレーキ機構38の作動を解除する(ST2)。これにより、ペーパロール35Aからのペーパ21の引き出しが可能な状態となる。
【0049】
次いで巻き取り駆動機構42の作動を開始し(ST3)、回収ロール35Bによってペーパ21を巻き取ることにより、ペーパロール35Aからペーパ21を引き出す。そしてこのテープ巻き取りの過程において、ブレーキ解除に伴って発生する不安定時間としてのカウント待ち時間T3が経過したか否か監視する(ST4)。次いでカウント待ち時間T3が経過したならば、テープ送り量制御用のスリット検出信号Sのカウントを開始し(ST5)、その後、規定のテープ送り量に対応した所定回数のスリット検出信号Sが検出されたか否かを監視する(ST6)。そして所定回数(ここでは3回)だけスリット検出信号Sが検出されたならば、ブレーキ機構38を作動させ(ST7)、テープ送りを停止する。これにより規定のテープ送り量だけペーパ21が正常に送られたと判断して、次のクリーニング動作まで待機する(ST8)。
【0050】
上記説明したように、本実施の形態に示すスクリーン印刷装置におけるペーパ21のペーパ送り処理においては、ペーパロール35Aの回転を阻止するブレーキ機構38の作動を解除してペーパ送りを開始し、ペーパ送り量を計測するスリット検出信号Sを所定回数反復して検出した後にブレーキ機構38を再度作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間T2において、ブレーキ機構38の作動を解除したタイミングからこの作動解除に伴って発生する不安定時間として予め設定される所定時間であるカウント待ち時間T3の経過の後に、スリット検出信号Sのカウントを開始することにより、回転円板39と光センサ40による簡易的な回動量の検出を採用する場合において、ペーパ送り量を安定して制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のスクリーン印刷装置およびスクリーン印刷装置におけるクリーニングペーパのペーパ送り方法は、回転円板と光学センサによる簡易的な回動量の検出を採用する場合において、ペーパ送り量を安定して制御することができるという効果を有し、基板にクリーム半田や導電性ペーストなどのペーストを印刷するスクリーン印刷の分野に有用である。
【符号の説明】
【0052】
1 基板位置決め部
10 基板
12 マスクプレート
12b パターン孔
13 スキージユニット
16 スキージ
18 クリーニングヘッドユニット
18b 第1のロール装着部
18c 第2のロール装着部
19 ヘッドX軸テーブル
20 ヘッドY軸移動機構
21 ペーパ(クリーニングペーパ)
35A ペーパロール
35B 回収ロール
36 クリーニングヘッド
37A 第1の回転軸
37B 第2の回転軸
38 ブレーキ機構
39 回転円板
39a スリット
40 光センサ
41 回転量検出部
42 巻き取り駆動機構
S スリット検出信号
T1 継続時間
T2 1サイクル時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン孔が設けられたマスクプレートに基板を当接させ、ペーストが供給された前記マスクプレート上でスキージを摺動させることにより、前記パターン孔を介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷機構と、紙管に巻回されたペーパロールの状態で供給されるクリーニングペーパをクリーニングヘッドによって前記マスクプレートの下面に押しつけて拭き取ることによりこのマスクプレートを下面側からクリーニングするクリーニング機構とを有するスクリーン印刷装置であって、
前記クリーニング機構は、未使用の前記ペーパロールが第1の回転軸廻りに回転自在に装着される第1のロール装着部と、前記第1の回転軸の回転を阻止するブレーキ機構と、前記第1の回転軸の回転量を検出する回転量検出部と、
前記使用済みのクリーニングペーパを紙管に巻回して回収するための回収ロールが第2の回転軸廻りに回転自在に装着される第2のロール装着部と、
前記第2のロール装着部に装着された紙管をステッピングモータを駆動源として回転駆動することにより前記クリーニングペーパを巻き取る巻取り駆動機構と、
前記回転量検出部の検出結果に基づき、前記ブレーキ機構および前記巻取り駆動機構を制御することにより、前記クリーニング機構によるマスクプレートの下面のクリーニングのためのクリーニングペーパ送り動作を制御するペーパ送り制御部とを備え、
前記回転量検出部は、外周部に複数のスリットが定ピッチで形成され前記第1の回転軸に結合されてともに回転する回転円板と、この回転円板の外周部に前記スリットの形成範囲に検出光軸の位置を合わせて配置された光センサと、前記光センサによるスリット検出信号をカウントしたカウント数により前記第1の回転軸の回転量を検出する検出処理部とを有し、
前記ペーパ送り制御部は、前記ブレーキ機構の作動を解除してペーパ送りを開始し前記スリット検出信号を所定回数反復して検出した後に再度前記ブレーキ機構を作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間において、前記ブレーキを解除したタイミングからこのブレーキの解除に伴って発生する不安定時間として予め設定される所定時間の経過の後に、前記スリット検出信号のカウントを開始することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
パターン孔が設けられたマスクプレートに基板を当接させ、ペーストが供給された前記マスクプレート上でスキージを摺動させることにより、前記パターン孔を介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷機構と、紙管に巻回されたペーパロールの状態で供給されるクリーニングペーパをクリーニングヘッドによって前記マスクプレートの下面に押しつけて拭き取ることによりこのマスクプレートを下面側からクリーニングするクリーニング機構とを有し、前記クリーニング機構は、未使用の前記ペーパロールが第1の回転軸廻りに回転自在に装着される第1のロール装着部と、前記第1の回転軸の回転を阻止するブレーキ機構と、前記第1の回転軸の回転量を検出する回転量検出部と、前記使用済みのクリーニングペーパを紙管に巻回して回収するための回収ロールが第2の回転軸廻りに回転自在に装着される第2のロール装着部と、前記第2のロール装着部に装着された紙管をステッピングモータを駆動源として回転駆動することにより前記クリーニングペーパを巻き取る巻き取り駆動機構と、前記回転量検出部の検出結果に基づき、前記ブレーキ機構、前記巻き取り駆動機構を制御することにより、前記クリーニング機構によるマスクプレートの下面のクリーニングのためのクリーニングペーパ送り動作を制御するペーパ送り制御部とを備え、前記回転量検出部は、外周部に複数のスリットが定ピッチで形成され前記第1の回転軸に結合されてともに回転する回転円板と、この回転円板の外周部に前記スリットの形成範囲に検出光軸の位置を合わせて配置された光センサと、前記光センサによるスリット検出信号をカウントしたカウント数により前記第1の回転軸の回転量を検出する検出処理部とを有する構成のスクリーン印刷印刷装置において、前記クリーニングペーパをペーパロールから巻き出して送るペーパ送り方法であって、
前記ブレーキ機構の作動を解除してペーパ送りを開始し前記スリット検出信号を所定回数反復して検出した後に再度前記ブレーキ機構を作動させてペーパ送りを停止するまでの時間で定義されるペーパ送り動作の1サイクル時間において、前記ブレーキ機構の作動を解除したタイミングからこの作動解除に伴って発生する不安定時間として予め設定される所定時間の経過の後に、前記スリット検出信号のカウントを開始することを特徴とするスクリーン印刷装置におけるクリーニングペーパのペーパ送り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−76432(P2012−76432A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226334(P2010−226334)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】