説明

スケジューリングシステム、スケジューリング装置および方法

【課題】 ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことのできるスケジューリングシステムを提供する。
【解決手段】 スケジューリングシステムは、車載装置1と携帯装置2とで構成される。携帯装置2のスケジューリング部8で、インターネット検索を行った結果に基づいて、ドライブで訪れる予定の目的地と日時を決定してドライブ予定をたてると、携帯装置2の記憶部9に、ドライブ予定のスケジュール情報として、目的地と日時の情報とともに、ドライブ予定をたてたときに情報検索で取得した関連情報が記憶される。ドライブ予定に変更が生じたときには、車載装置1のリスケジューリング提案部16で、携帯装置2から受信したスケジュール情報に含まれる関連情報に基づいて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載装置とユーザが携帯する携帯装置とで構成され、ドライブ予定のリスケジューリングを提案する機能を備えるスケジューリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるカーナビゲーション装置と、車外でスケジュールを管理するために使用される外部スケジューラとを備えたシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。この従来のシステムでは、カーナビゲーション装置に設定すべき目的地の情報を含んだスケジュールを外部スケジューラに登録しておくと、その目的地の情報が外部スケジューラからカーナビゲーション装置へ送られ、カーナビゲーション装置での目的地設定に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−269268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムにおいては、外部スケジューラからカーナビゲーション装置へ送られるのは目的地と日時の情報のみである。すなわち、ドライブの予定をたてるときには、自宅のパーソナルコンピュータでインターネット検索をするなどして、様々な情報(例えば、○月○日に○○という会場で開催されるイベントの情報など)を取得して、ドライブで訪れる予定の目的地やその目的地を訪れる予定の日時を決定するが、カーナビゲーション装置へ送信されるのは目的地と日時の情報のみである。
【0005】
このような従来のシステムでは、例えば当日にドライブ予定に変更が生じた場合、そのドライブ予定のリスケジューリング(再スケジューリング)をするためには、カーナビゲーション装置で、新しい経由地(目的地の周辺の店舗や施設、目的地までの途中の経路の近くにある店舗や施設など)を検索しなければならない。しかし、カーナビゲーション装置は、自宅のパーソナルコンピュータでのインターネット検索などに比べると検索能力が低く、十分な検索ができるとは言い難い。このような場合に、ユーザが以前に自宅のパーソナルコンピュータでインターネット検索した結果を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができれば理想的であるが、そのようなシステムはこれまでにまったく提案されていない。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことのできるスケジューリングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスケジューリングシステムは、車両に搭載される車載装置と、ユーザが携帯する携帯装置とで構成され、前記携帯装置は、外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたてるスケジューリング部と、前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶する記憶部と、前記スケジュール情報を、前記車載装置へ送信する送信部と、を備え、前記車載装置は、前記スケジュール情報を、前記携帯装置から受信する受信部と、前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うリスケジューリング提案部と、を備えている。
【0008】
これにより、ユーザは携帯装置を用いて情報検索を行ってドライブ予定をたてると、そのときに情報検索で取得した関連情報が、目的地と日時の情報とともに、ドライブ予定のスケジュール情報として記憶される。このスケジュール情報が携帯装置から車載装置へ送信され、ドライブ予定に変更が生じたときに、このスケジュール情報に含まれる関連情報を用いて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案がなされる。したがって、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【0009】
また、本発明のスケジューリングシステムでは、前記車載装置は、前記スケジュール情報に含まれる前記目的地と前記日時の情報に基づいて、前記目的地に前記日時までに到着するような案内経路を探索し、前記案内経路のナビゲーションを行うナビゲーション部を備えてもよい。
【0010】
これにより、車載装置は、携帯装置から受信したスケジュール情報に含まれる目的地と日時の情報に基づいて、予定の日時までに目的地に到着するような案内経路のナビゲーションを行うことができる。例えば、目的地までの案内経路が経路探索によって決定され、その案内経路を通ったときに要する移動時間が算出されると、予定の日時と移動時間から出発時刻が算出される。
【0011】
また、本発明のスケジューリングシステムでは、前記リスケジューリング提案部は、前記ドライブ予定に時間的余裕ができたときに、前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定に新たな経由地の追加を提案してもよい。
【0012】
これにより、ドライブ予定に時間的な余裕ができたときには、予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を用いて、新たな経由地を追加することが提案される。このようにして、予定をたてたときに取得した様々な情報が、ドライブ予定のリスケジューリングに有効に利用される。
【0013】
また、本発明のスケジューリングシステムでは、前記リスケジューリング提案部は、前記ドライブ予定に時間的余裕がなくなったときに、前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定に含まれている経由地の変更を提案してもよい。
【0014】
これにより、ドライブ予定に時間的な余裕がなくなったときには、予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を用いて、より時間がかからない経由地に変更することが提案される。なお、そのような経由地がない場合には、経由地の削除が提案されてもよい。このようにして、予定をたてたときに取得した様々な情報が、ドライブ予定のリスケジューリングに有効に利用される。
【0015】
本発明のスケジューリング装置は、外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたてるスケジューリング部と、前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶する記憶部と、前記スケジュール情報に含まれる前記目的地と前記日時の情報に基づいて、前記目的地に前記日時までに到着するような案内経路を探索し、前記案内経路のナビゲーションを行うナビゲーション部と、前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うリスケジューリング提案部と、を備えている。
【0016】
これにより、スケジューリング装置を用いて情報検索を行ってドライブ予定をたてると、そのときに情報検索で取得した関連情報が、目的地と日時の情報とともに、ドライブ予定のスケジュール情報として記憶される。このスケジュール情報に含まれる目的地と日時の情報に基づいて、予定の日時までに目的地に到着するような案内経路のナビゲーションが行われる。そして、ドライブ予定に変更が生じたときに、このスケジュール情報に含まれる関連情報を用いて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案がなされる。したがって、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【0017】
また、本発明のスケジューリング装置は、前記ナビゲーション部によって探索された前記案内経路と前記スケジューリング情報に含まれる前記日時の情報とに基づいて算出された出発時刻までのカウントダウンを表示するカウントダウン表示部を備えてもよい。
【0018】
これにより、ナビゲーション部によって目的地までの案内経路が探索されると、その案内経路を通ったときに要する移動時間が算出される。そして、予定の日時と移動時間から出発時刻が算出され、その出発時刻までのカウントダウンが表示される。したがって、ユーザは、出発時刻までの残り時間を簡単に知ることができ、ドライブ予定の出発時刻に遅れるのを抑えることができる。
【0019】
本発明の方法は、車両に搭載される車載装置と、ユーザが携帯する携帯装置とで構成されるスケジューリングシステムにおいて行われる方法であって、前記携帯装置を用いて、外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたて、前記携帯装置の記憶部に、前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶し、前記携帯装置から前記車載装置へ前記スケジュール情報を送信し、前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記車載装置が、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うものである。
【0020】
この方法によっても、上記のように、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【0021】
本発明の方法は、スケジューリング装置において行われる方法であって、外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたて、前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶し、前記スケジュール情報に含まれる前記目的地と前記日時の情報に基づいて、前記目的地に前記日時までに到着するような案内経路を探索し、前記案内経路のナビゲーションを行い、前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うものである。
【0022】
この方法によっても、上記のように、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ドライブ予定に変更が生じたときに、スケジューリング情報に含まれる関連情報に基づいて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案が行われる。したがって、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態におけるスケジューリングシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】カレンダー画面の一例を示す図である。
【図3】カウントダウン画面の一例を示す図である。
【図4】ナビゲーション画面の一例を示す図である。
【図5】リスケジューリングの一例(新たな経由地の追加)を示す図である。
【図6】リスケジューリングの一例(経由地の削除)を示す図である。
【図7】第1の実施の形態におけるスケジューリングシステム全体の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図8】リスケジューリングの提案処理の流れを示すフロー図である。
【図9】第2の実施の形態におけるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態におけるスケジューリング装置の動作の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態のスケジューリングシステムについて、図面を用いて説明する。ここでは、ドライブ予定のリスケジューリングを提案する機能を備えるスケジューリングシステムを例として説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態のスケジューリングシステムについて、図1〜図8を参照して説明する。本実施の形態では、ドライブの予定をたてるために用いられるスケジューリングシステムの場合を例示する。図1は、本実施の形態のスケジューリングシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、スケジューリングシステムは、車両に搭載される車載装置1と、ユーザが携帯する携帯装置2で構成されている。
【0027】
携帯装置2は、入力キーやタッチパネルなどで構成される入力部3と、液晶モニタなどで構成される表示部4と、車載装置1と通信するための通信部5を備えている。この通信部5は、ネットワーク6(例えばインターネット)を介して、外部情報サーバ7とネットワーク通信する機能も備えている。そして、この携帯装置2は、外部情報サーバ7にアクセスして情報検索(例えばインターネット検索)を行う機能を備えている。
【0028】
また、携帯装置2は、ドライブ予定をたてる処理を行うためのスケジューリング部8を備えている。このスケジューリング部8は、外部情報サーバ7にアクセスして情報検索(インターネット検索)を行った結果に基づいて、車両で訪れる予定の目的地と目的地を訪れる予定の日時を決定する。例えば、インターネット検索で、あるイベントのWebサイトを見つけた場合には、画面上の「予定に入れる」アイコン(ドライブ予定をたてる処理を実行するためのアイコン)に、そのWebサイトのURLを示すアイコンやそのWebサイト上の画像やテキストをドラッグ&ドロップする。そうすると、スケジューリング部8は、そのWebサイトから、イベントの会場と開催日時の情報を、ドライブ予定の目的地と日時の情報として抽出する。
【0029】
このようにして取得された目的地と日時の情報は、ドライブ予定のスケジュール情報として、携帯装置2の記憶部9に記憶される。この記憶部9には、スケジュール情報として、目的地と日時の情報とともに、ドライブ予定をたてたときにインターネット検索で取得した関連情報も記憶される。関連情報には、目的地についての情報だけでなく、目的地を検索したときに取得した他の目的地候補の情報(例えば、目的地周辺の店舗や施設、目的地までの途中の経路の近くにある店舗や施設、同日に別の場所で開催されるイベントの情報など)が含まれる。また、ドライブ予定をたてた「とき」に取得した情報とは、目的地を検索した「前後」に検索された情報(例えば「同じ日」に検索された情報など)をいい、検索履歴に基づいて決定される。この関連情報は、テキストデータだけでなく、画像データや動画データも含まれる。そして、このスケジュール情報は、携帯装置2の通信部5から車載装置1へ送信される。したがって、携帯装置2の通信部5は、本発明の送信部に相当する。
【0030】
スケジューリング部8によってドライブ予定をたてる処理が完了すると、携帯装置2の表示部4には、図2に示すようなカレンダー画面が表示される。この図2の例では、2009年9月26日に開催されるイベントの予定が、ドライブ予定として入れられている。カレンダー画面の予定日(9月26日)の部分には、そのイベントを示すアイコン(サムネイル画像など、図2では斜線付きの四角形で示した)が表示され、画面右側の部分には、そのイベントの関連情報(例えば、イベントの開催日時、会場の場所、イベント名、周辺地図などの詳細情報)が表示されている。
【0031】
また、携帯装置2は、ドライブ予定の当日になると、その出発時刻までのカウントダウンを表示するための処理を行うカウントダウン処理部10を備えている。このカウントダウン処理部10は、ドライブ予定の目的地までの案内経路を探索し、案内経路を通ったときに要する移動時間を算出して、予定の日時と移動時間から出発時刻を算出する機能を備えている。この機能は、インターネット上の経路探索サービスなどを利用して実現してもよく、携帯装置2に実装されていてもよい。
【0032】
上記のようにしてカウントダウン処理部10によって出発時刻が算出されると、携帯装置2の表示部4には、図3に示すようなカウントダウン画面が表示される。このカウントダウン画面は、例えば、出発時刻の1時間前から表示されるようにしてもよい。なお、図3の例では、このカウントダウン画面中に、ドライブ予定の情報(出発地Aの出発時刻、経由地BとCの到着時刻、目的地Dの到着時刻などの情報)が表示されている。
【0033】
一方、車載装置1は、図1に示すように、リモコンやタッチパネルなどで構成される入力部11と、液晶モニタなどで構成される表示部12と、携帯装置2と通信するための通信部13を備えている。この車載装置1の通信部13は、携帯装置2から送信されたスケジュール情報を受信する。したがって、車載装置1の通信部13は、本発明の受信部に相当する。
【0034】
また、車載装置1は、車両の現在位置を検出する位置検出部14と、目的地までの案内経路を探索してナビゲーションを行うナビゲーション部15を備えている。このナビゲーション部15は、携帯装置2から送信されたスケジュール情報に含まれる目的地と日時の情報に基づいて、その日時までにその目的地に到着するような案内経路を探索し、案内経路のナビゲーションを行う。
【0035】
ナビゲーション部15によって案内経路のナビゲーションが行われると、車載装置1の表示部12には、図4に示すようなナビゲーション画面が表示される。この図4の例では、探索された案内経路(出発地Aから目的地Dまでの経路)と、出発時刻や到着時刻などの情報(出発地Aの出発時刻、経由地BとCの到着時刻、目的地Dの到着時刻などの情報)が表示されている。
【0036】
また、車載装置1は、ドライブ予定に変更が生じたときに、ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うリスケジューリング提案部16を備えている。このリスケジューリング提案部16は、携帯装置2から受信したスケジュール情報に含まれる関連情報に基づいて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行う。
【0037】
例えば、リスケジューリング提案部16は、ドライブ予定に時間的余裕ができたときに、スケジュール情報に含まれる関連情報に基づいて、図5に示すように、ドライブ予定に新たな経由地の追加を提案する。この図5の例では、経由地BとCの間に、新たな経由地Xを追加することが提案されている。この経由地Xは、例えば、このドライブ予定をたてたときにインターネット検索で関連サイトを見つけて、目的地候補の一つとして考えていた場所であり、このドライブ予定の案内経路(出発地Aから目的地Dまでの経路)の近くに位置している。
【0038】
また、リスケジューリング提案部16は、ドライブ予定に時間的余裕がなくなったときに、スケジュール情報に含まれる関連情報に基づいて、ドライブ予定に含まれている経由地の変更を提案する。例えば、図6に示すように、ドライブ予定から経由地Cを削除することを提案する。あるいは、経由地Cを、全体の移動時間が短くなるような他の経由地(例えば経由地X)に変更することを提案する。
【0039】
以上のように構成された第1の実施の形態のスケジューリングシステムについて、図面を参照してその動作を説明する。
【0040】
図7は、スケジューリングシステム全体の動作の流れを示すシーケンス図である。図7に示すように、携帯装置2を用いてユーザがドライブ予定をたてると(S1)、スケジュール情報が記憶部9に記憶される(S2)。そして、携帯装置2の表示部4には、図2に示すようなカレンダー画面が表示される(S3)。
【0041】
ドライブ予定の当日になると、携帯装置2では、目的地までの案内経路の探索が行われ(S4)、ドライブ予定の出発時刻が算出される(S5)。そして、携帯装置2の表示部4に、図3に示すようなカウントダウン画面が表示される(S6)。その後、ユーザが車両に乗り込むと、携帯装置2から車載装置1へスケジュール情報が送信され(S7)、車載装置1で、案内経路の探索(携帯装置2よりも高度な経路探索)が行われ(S8)、車載装置1の表示部12に、図4に示すようなナビゲーション画面が表示される(S9)。なお、この場合、携帯装置2で経路探索が行われているので、車載装置1は、その経路探索の情報を携帯装置2から受信してそれを利用してもよい。
【0042】
図8は、車載装置1で行われるリスケジューリングの提案処理の流れを示すフロー図である。ユーザが車両に乗り込んだ後、図8に示すように、ドライブ予定に変更があった場合に(S10)、このリスケジューリングの提案処理が実行される。例えば、ユーザが出発地Aを予定より早く出発した場合には、時間的余裕ができたと判断され(S11)、携帯装置2から受信したスケジューリング情報に含まれる関連情報に基づいて、新たな経由地を追加した案内経路の探索が行われる(S12)。そして、例えば、図5に示すように、新たな経由地Xの追加が提案される(S13)。
【0043】
また、例えば、ユーザが出発地Aを予定より遅れて出発した場合には、時間的余裕がなくなったと判断され(S11)、携帯装置2から受信したスケジューリング情報に含まれる関連情報に基づいて、経由地を変更または削除した案内経路の探索が行われる(S14)。そして、例えば、図6に示すように、経由地Cの削除が提案される(S13)。
【0044】
このような第1の実施の形態のスケジューリングシステムによれば、ドライブ予定に変更が生じたときに、スケジューリング情報に含まれる関連情報に基づいて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案が行われる。したがって、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【0045】
すなわち、本実施の形態では、例えば、ドライブの1週間前などに、ユーザは携帯装置2を用いて情報検索(インターネット検索)を行ってドライブ予定をたてると、そのときに情報検索で取得した関連情報が、目的地と日時の情報とともに、ドライブ予定のスケジュール情報として記憶される。そして、ドライブの当日になり、ユーザが車両に乗り込むと、このスケジュール情報が携帯装置2から車載装置1へ送信され、ドライブ予定に変更が生じたときに、このスケジュール情報に含まれる関連情報を用いて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案がなされる。したがって、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【0046】
例えば、ドライブ予定に時間的な余裕ができたときには、予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を用いて、新たな経由地を追加することが提案される。このようにして、予定をたてたときに取得した様々な情報が、ドライブ予定のリスケジューリングに有効に利用される。
【0047】
また、例えば、ドライブ予定に時間的な余裕がなくなったときには、予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を用いて、より時間がかからない経由地に変更することが提案される。なお、そのような経由地がない場合には、経由地の削除が提案されてもよい。このようにして、予定をたてたときに取得した様々な情報が、ドライブ予定のリスケジューリングに有効に利用される。
【0048】
また、本実施の形態では、車載装置1が、ナビゲーション機能を備えており、携帯装置2から受信したスケジュール情報に含まれる目的地と日時の情報に基づいて、予定の日時までに目的地に到着するような案内経路のナビゲーションを行うことができる(図4参照)。この場合、車載装置1のナビゲーション部15によって、スケジュール情報に含まれる目的地までの案内経路が経路探索によって決定され、その案内経路を通ったときに要する移動時間が算出され、予定の日時と移動時間から出発時刻が算出される。
【0049】
また、本実施の形態では、携帯装置2が、カウントダウン機能を備えており、携帯装置2の表示部4に、出発時刻までのカウントダウンが表示される(図3参照)。したがって、ユーザは、出発時刻までの残り時間を簡単に知ることができ、ドライブ予定の出発時刻に遅れるのを抑えることができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態のスケジューリング装置20について、図9および図10を参照して説明する。ここでは、第2の実施の形態のスケジューリング装置20が、第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。したがって、ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0051】
図9は、本実施の形態のスケジューリング装置20の構成を示すブロック図である。図9に示すように、スケジューリング装置20は、第1の実施の形態の携帯装置2と同様の入力部3と表示部4と通信部5とスケジューリング部8と記憶部9とカウントダウン処理部10を備えている。また、このスケジューリング装置20は、第1の実施の車載装置1と同様の位置検出部14とナビゲーション部15とリスケジューリング提案部16を備えている。つまり、第1の実施の形態では、車載装置1と携帯装置2という二つの装置(別体の装置)でスケジューリングシステムが構成されていたのに対して、本実施の形態のスケジューリング装置20は、一つの装置(一体の装置)で構成されている。
【0052】
以上のように構成された第2の実施の形態のスケジューリング装置20について、図10を用いてその動作を説明する。
【0053】
図10は、本実施の形態のスケジューリング装置20の動作の流れを示すフロー図である。図10に示すように、スケジューリング装置20を用いてユーザがドライブ予定をたてると(S20)、スケジュール情報が記憶部9に記憶される(S21)。このスケジューリング装置20では、目的地までの案内経路の探索が行われ(S22)、ドライブ予定の出発時刻が算出され(S23)、そして、スケジューリング装置20の表示部4に、図2に示すようなカレンダー画面が表示される(S24)。
【0054】
ドライブ予定の当日になると(S25)、図3に示すようなカウントダウン画面が、スケジューリング装置20の表示部4に表示され(S26)、出発時刻になると(S27)、図4に示すようなナビゲーション画面が、スケジューリング装置20の表示部4に表示される(S28)。
【0055】
そして、本実施の形態のスケジューリング装置20でも、第1の実施の形態と同様に、リスケジューリングの提案処理が行われる。すなわち、図8に示すように、ドライブ予定に変更があった場合に(S10)、このリスケジューリングの提案処理が実行され、例えば、ユーザが出発地Aを予定より早く出発した場合には、時間的余裕ができたと判断され(S11)、携帯装置2から受信したスケジューリング情報に含まれる関連情報に基づいて、新たな経由地を追加した案内経路の探索が行われる(S12)。そして、例えば、図5に示すように、新たな経由地Xの追加が提案される(S13)。
【0056】
また、例えば、ユーザが出発地Aを予定より遅れて出発した場合には、時間的余裕がなくなったと判断され(S11)、携帯装置2から受信したスケジューリング情報に含まれる関連情報に基づいて、経由地を変更または削除した案内経路の探索が行われる(S14)。そして、例えば、図6に示すように、経由地Cの削除が提案される(S13)。
【0057】
このような第2の実施の形態のスケジューリング装置20によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が奏される。
【0058】
本実施の形態では、例えば、ドライブの1週間前などに、スケジューリング装置20を用いて情報検索を行ってドライブ予定をたてると、そのときに情報検索で取得した関連情報が、目的地と日時の情報とともに、ドライブ予定のスケジュール情報として記憶される。そして、ドライブの当日になると、このスケジュール情報に含まれる目的地と日時の情報に基づいて、予定の日時までに目的地に到着するような案内経路のナビゲーションが行われる。そして、ドライブ予定に変更が生じたときに、このスケジュール情報に含まれる関連情報を用いて、ドライブ予定のリスケジューリングの提案がなされる。したがって、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができる。
【0059】
また、本実施の形態では、携帯装置2のナビゲーション部15によって目的地までの案内経路が探索され、その案内経路を通ったときに要する移動時間が算出される。そして、予定の日時と移動時間から出発時刻が算出され、その出発時刻までのカウントダウンが表示される。したがって、ユーザは、出発時刻までの残り時間を簡単に知ることができ、ドライブ予定の出発時刻に遅れるのを抑えることができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明にかかるスケジューリングシステムは、ドライブ予定をたてたときに取得した様々な情報(例えば、目的地の周辺の情報など)を利用して、再度ドライブ予定をたて直すことができるという効果を有し、ドライブなどの外出の予定をたてるシステム等として有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 車載装置
2 携帯装置
3 入力部
4 表示部
5 通信部
6 ネットワーク
7 外部情報サーバ
8 スケジューリング部
9 記憶部
10 カウントダウン処理部
11 入力部
12 表示部
13 通信部
14 位置検出部
15 ナビゲーション部
16 リスケジューリング提案部
20 スケジューリング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置と、ユーザが携帯する携帯装置とで構成され、
前記携帯装置は、
外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたてるスケジューリング部と、
前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶する記憶部と、
前記スケジュール情報を、前記車載装置へ送信する送信部と、
を備え、
前記車載装置は、
前記スケジュール情報を、前記携帯装置から受信する受信部と、
前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うリスケジューリング提案部と、
を備えることを特徴とするスケジューリングシステム。
【請求項2】
前記車載装置は、
前記スケジュール情報に含まれる前記目的地と前記日時の情報に基づいて、前記目的地に前記日時までに到着するような案内経路を探索し、前記案内経路のナビゲーションを行うナビゲーション部を備える、請求項1に記載のスケジューリングシステム。
【請求項3】
前記リスケジューリング提案部は、
前記ドライブ予定に時間的余裕ができたときに、前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定に新たな経由地の追加を提案する、請求項1または請求項2に記載のスケジューリングシステム。
【請求項4】
前記リスケジューリング提案部は、
前記ドライブ予定に時間的余裕がなくなったときに、前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定に含まれている経由地の変更を提案する、請求項1または請求項2に記載のスケジューリングシステム。
【請求項5】
外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたてるスケジューリング部と、
前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶する記憶部と、
前記スケジュール情報に含まれる前記目的地と前記日時の情報に基づいて、前記目的地に前記日時までに到着するような案内経路を探索し、前記案内経路のナビゲーションを行うナビゲーション部と、
前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うリスケジューリング提案部と、
を備えることを特徴とするスケジューリング装置。
【請求項6】
前記ナビゲーション部によって探索された前記案内経路と前記スケジューリング情報に含まれる前記日時の情報とに基づいて算出された出発時刻までのカウントダウンを表示するカウントダウン表示部を備える、請求項5に記載のスケジューリング装置。
【請求項7】
車両に搭載される車載装置と、ユーザが携帯する携帯装置とで構成されるスケジューリングシステムにおいて行われる方法であって、
前記携帯装置を用いて、外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたて、
前記携帯装置の記憶部に、前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶し、
前記携帯装置から前記車載装置へ前記スケジュール情報を送信し、
前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記車載装置が、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うことを特徴とする方法。
【請求項8】
スケジューリング装置において行われる方法であって、
外部情報サーバにアクセスして情報検索を行った結果に基づいて、前記車両で訪れる予定の目的地と前記目的地を訪れる予定の日時を決定することによってドライブ予定をたて、
前記ドライブ予定のスケジュール情報として、前記目的地と前記日時の情報とともに、前記ドライブ予定をたてたときに前記情報検索で取得した関連情報を記憶し、
前記スケジュール情報に含まれる前記目的地と前記日時の情報に基づいて、前記目的地に前記日時までに到着するような案内経路を探索し、前記案内経路のナビゲーションを行い、
前記ドライブ予定に変更が生じたときに、前記スケジュール情報に含まれる前記関連情報に基づいて、前記ドライブ予定のリスケジューリングの提案を行うことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−58958(P2011−58958A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209152(P2009−209152)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】