説明

ステアロイルコエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼの阻害剤としてのヘテロ芳香族化合物

構造式(I)を有するヘテロ芳香族化合物は、他の公知のステアロイル−コエンザイムAデサチュラーゼに比較したステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ(SCD1)の選択的阻害剤である。本発明の化合物は、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、脂質障害、肥満、糖尿病、神経疾患、メタボリック症候群、インスリン抵抗性及び脂肪肝疾患を含めた異常な脂質合成及び代謝に関連する状態の予防及び治療のために有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ(SCD)の阻害剤であるヘテロ芳香族化合物及びSCD活性により媒介される状態または疾患をコントロール、予防及び/または治療するための前記化合物の使用に関する。本発明の化合物は、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、肥満、糖尿病、神経疾患、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、癌及び肝脂肪症を含めた異常な脂質合成及び代謝に関連する状態及び疾患をコントロール、予防及び治療するために有用である。
【背景技術】
【0002】
少なくとも3つのクラスの脂肪アシル−コエンザイムA(CoA)デサチュラーゼ(デルタ−5、デルタ−6及びデルタ−9デサチュラーゼ)が食物源または哺乳動物におけるデノボ合成のいずれかから誘導されるモノ−及びポリ不飽和脂肪アシル−CoA中の二重結合の形成に関与している。デルタ−9特異的ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)はモノ不飽和脂肪アシル−CoA中のC9−C10位のシス−二重結合の律速形成を触媒する。好ましい基質はステアロイル−CoA及びパルミトイル−CoAであり、リン脂質、トリグリセリド、コレステロールエステル及びワックスエステルの生合成の主成分としてオレオイル及びパルミトレオイル−CoAが生ずる(Dobrzyn and Natami,Obesity Reviews,6:169−174(2005))。
【0003】
1974年にラット肝ミクロソームSCDタンパク質が最初に単離され、解析された(Strittmatter et al.,PNAS,71:4565−4569(1974))。それ以来多数の哺乳動物SCD遺伝子が各種種からクローン化され、研究された。例えば、ラットから2つの遺伝子(SCD1及びSCD2)(Thiede et al.,J.Biol.Chem.,261,13230−13235(1986);Mihara K.,J.Biochem.(Tokyo),108:1022−1029(1990)));マウスから4つの遺伝子(SCD1、SCD2、SCD3及びSCD4)(Miyazaki et al.,J.Biol.Chem.,278:33904−33911(2003);ヒトから2つの遺伝子(SCD1及びACOD4(SCD2))(Zhang et al.,Biochem.J.,340:255−264(1991);Beiraghi.,Gene,309:11−21(2003);Zhang et al.,Biochem.J.,388:135−142(2005))が同定された。1970年代以来ラット及びマウスの脂肪酸代謝におけるSCDの関与が公知となった(Oshino N.,Arch.Biochem.Biophys.,149:378−387(1972))。このことは、a)SCD1遺伝子中に自然変異を有するAsebiaマウス(Zheng et al.,Nature Genetics,23:268−270(1999))、b)標的遺伝子を欠失させたSCD1ヌルマウス(Ntambi et al.,PNAS,99:11482−11486(2002)、及びc)レプチン誘導体重低下中のSCD1発現の抑制(Cohen et al.,Science,297:240−243(2002))の生物学的研究により更に裏付けられた。SCD活性の薬理学的阻害の潜在的効果はマウスでアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤(ASO)を用いて立証された(Jiang et al.,J.Clin.Invest.,115:1030−1038(2005))。SCD活性をASO阻害すると一次マウス肝細胞における脂肪酸合成が減少し、脂肪酸酸化が増加した。マウスをSCD−ASOで治療すると、食餌誘発性肥満を予防し;肥満症、肝臓肥大、脂肪症、食後血漿インスリン及びグルコースレベルを低下させ;デノボ脂肪酸合成を減少させ;脂質生成遺伝子の発現を抑制し;肝臓及び脂肪組織におけるエネルギー出費を促進する遺伝子の発現を増加させた。よって、SCD阻害は肥満及び関連代謝障害の治療における新規な治療手段となる。
【0004】
ヒトでの高いSCD活性が幾つかの一般的な病気経過に直接関与していることを裏付ける説得力のある証拠はある。例えば、非アルコール性脂肪肝疾患患者ではトリグリセリド分泌に対する肝臓脂質生成が高い(Diraison et al.,Diabetes Metabolism,29:478−485(2003));Donnelly et al.,J.Clin.Invest.,115:1343−1351(2005))。肥満被験者では食後デノボ脂質生成が非常に高い(Marques−Lopes et al.,American Journal of Clinical Nutrition,73:252−261(2001))。高いSCD活性と高い血漿トリグリセリド、高いボディマスインデックス及び低い血漿HDLを含めた高い心血管リスクプロフィールの間に有意な相関関係がある(Attie et al.,J.Lipid Res.,43:1899−1907(2002))。SCD活性はヒト形質転換細胞の増殖及び生存のコントロールにおいて重要な役割を発揮する(Scaglia and Igal,J.Biol.Chem.,(2005))。
【0005】
上記したアンチセンスオリゴヌクレオチド以外に、SCD活性の阻害剤には非選択的チア脂肪酸基質アナログ(B.Behrouzian and P.H.Buist,Prostaglandins,Leukotrienes,and Essential Fatty Acids,68:107−112(2003))、シクロプロペノイド脂肪酸(Raju and Reiser,J.Biol.Chem.,242:379−384(1967))、特定の共役長鎖脂肪酸異性体(Park et al.,Biochim.Biophys.Acta,1486:285−292(2000))、及びいずれもXenon Pharmaceuticals,Inc.に譲渡されている国際特許出願WO 2005/011653、WO 2005/011654、WO 2005/011656、WO 2005/011656、WO 2005/011657及び米国特許出願公開2005/0119251に開示されている一連のピリダジン誘導体が含まれる。
【0006】
本発明は、SCD活性により媒介される各種状態及び疾患の治療及び/または予防において有用であるステアロイル−CoAデルタ−9デサチュラーゼの阻害剤としての新規なヘテロ芳香族化合物に関する。前記各種状態及び疾患には、非アルコール性脂肪肝疾患、心血管疾患、肥満、糖尿病、メタボリック症候群及びインスリン抵抗性において見られるような高い脂質レベルに関するものが含まれるが、これらに限定されない。
【0007】
脂質代謝におけるステアロイル−コエンザイムAデサチュラーゼの役割はM.Miyazaki and J.M.Ntambi,Prostaglandins,Leukotrienes,and Essential Fatty Acids,68:113−121(2003)に記載されている。SCD活性の薬理学的操作の治療可能性はA.Dobryzn and J.M.Ntambi,“Stearoyl−CoA desaturase as a new drug target for obesity treatment”,Obesity Reviews,6:169−174(2005)に記載されている。
【発明の開示】
【0008】
本発明はまた、構造式I:
【0009】
【化4】

を有するヘテロ芳香族化合物に関する。
【0010】
前記ヘテロ芳香族化合物はSCD阻害剤として有効である。従って、前記ヘテロ芳香族化合物はSCDの阻害に対して応答性の障害(例えば、糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、アテローム性動脈硬化症、メタボリック症候群及び脂肪肝疾患)の治療、コントロールまたは予防のために有用である。
【0011】
本発明はまた、本発明の化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物に関する。
【0012】
本発明はまた、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによるSCDの阻害に対して応答性の障害、疾患または状態の治療、コントロールまたは予防を要する哺乳動物におけるSCDの阻害に対して応答性の障害、疾患または状態の治療、コントロールまたは予防方法に関する。
【0013】
本発明はまた、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することを含む2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満、脂質障害、アテローム性動脈硬化症、メタボリック症候群及び脂肪肝疾患の治療、コントロールまたは予防を要する哺乳動物における前記疾患の治療、コントロールまたは予防方法に関する。
【0014】
本発明はまた、本発明の化合物を治療有効量の肥満の治療に有用であることが公知の他の物質と共に投与することを含む肥満の治療、コントロールまたは予防を要する哺乳動物における肥満の治療、コントロールまたは予防方法に関する。
【0015】
本発明はまた、本発明の化合物を治療有効量の2型糖尿病の治療に有用であることが公知の他の物質と共に投与することを含む2型糖尿病の治療、コントロールまたは予防を要する哺乳動物における2型糖尿病の治療、コントロールまたは予防方法に関する。
【0016】
本発明はまた、本発明の化合物を治療有効量のアテローム性動脈硬化症の治療に有用であることが公知の他の物質と共に投与することを含むアテローム性動脈硬化症の治療、コントロールまたは予防を要する哺乳動物におけるアテローム性動脈硬化症の治療、コントロールまたは予防方法に関する。
【0017】
本発明はまた、本発明の化合物を治療有効量の脂質障害の治療に有用であることが公知の他の物質と共に投与することを含む脂質障害の治療、コントロールまたは予防を要する哺乳動物における脂質障害の治療、コントロールまたは予防方法に関する。
【0018】
本発明はまた、本発明の化合物を治療有効量のメタボリック症候群の治療に有用であることが公知の他の物質と共に投与することを含むメタボリック症候群の治療を要する哺乳動物におけるメタボリック症候群の治療方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、デルタ−9特異的ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)の阻害を要する哺乳動物に対して治療有効量の構造式1:
【0020】
【化5】

[式中、
各nは独立して0、1または2であり;
各pは独立して0、1または2であり;
mは1、2または3であり;
W及びZの少なくとも1つはNである条件で、W及びZは各々独立してCHまたはNであり;
X−YはN−C(O)、N−S(O)、N−CR、CH−O、CH−S(O)、CH−NRまたはCH−CRであり;
Arはフェニル、ベンジル、ナフチルまたはヘテロアリールであり、その各々は場合により1〜5個のR置換基で置換されており;
はフェニル、ナフチル、またはオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−オキサジアゾル−5−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、1,2,4−チアジアゾル−3−イル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル及びイミダゾ[1,2−a]ピリジルからなる群から選択されるヘテロ芳香族環であり、フェニル、ナフチル及びヘテロ芳香族環は場合によりRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
及びRは各々独立して水素、または場合によりハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC1−3アルキルであり;
各Rは独立してC1−6アルキル、C2−4アルケニル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHOC(O)R、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、(CHP(=O)(OR、(CHOP(=O)(OR、(CHO(CHP(=O)(OR、O(CHC(O)N(R、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立してC1−6アルキル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、O(CHC(O)N(R、(CHP(=O)(OR、(CHOP(=O)(OR、(CHO(CHP(=O)(OR、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立して水素、C1−6アルキル、(CH−フェニル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ナフチル及び(CH−C3−7シクロアルキルからなる群から選択され、アルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されているか、または2個のR基はこれらが結合している原子と一緒に、場合によりO、S及びNC1−4アルキルから選択される追加ヘテロ原子を含有する4〜8員の単環式または二環式環系を形成し;
は水素または場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−6アルキルである]
を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む前記哺乳動物におけるデルタ−9特異的ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)の阻害方法を提供する。
【0021】
SCDの阻害は、SCDの阻害に対して応答性の障害(例えば、糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、アテローム性動脈硬化症、メタボリック症候群及び脂肪肝疾患)の治療、コントロールまたは予防のために有用である。
【0022】
本発明の方法の第1実施態様において、W及びZは共にNである。
【0023】
本発明の方法の第2実施態様において、WはCHであり、ZはNである。
【0024】
本発明の方法の第3実施態様において、mは2である。
【0025】
本発明の方法の第4実施態様において、mは1である。
【0026】
本発明の方法の第5実施態様において、X−YはN−C(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0027】
本発明の方法の第6実施態様において、X−YはN−S(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。
【0028】
本発明の方法の第7実施態様において、X−YはCH−Oである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。
【0029】
本発明の方法の第8実施態様において、X−YはCH−S(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、pは0である。
【0030】
本発明の方法の第9実施態様において、X−YはN−CRである。この実施態様のクラスにおて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、R及びRは水素であり、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個のR置換基で置換されている。
【0031】
本発明の方法の第10実施態様において、X−YはCH−NRである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。
【0032】
本発明の方法の第11実施態様において、X−YはCH−CRである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、R及びRは水素であり、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個のR置換基で置換されている。
【0033】
本発明の方法の更に別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはCH−Oである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0034】
本発明の方法の更に別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは1であり、X−YはCH−Oである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0035】
本発明の方法の更に別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはN−C(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0036】
本発明の方法の更に別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはCH−CRである。この実施態様のクラスにおいて、R及びRは水素であり、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0037】
本発明の方法の別の実施態様において、Rは1,3−ベンゾチアゾル−2−イル、1H−ベンゾイミダゾル−2−イル、1,3−チアゾル−4−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、1,2,4−チアジアゾル−3−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1H−イミダゾル−1−イル、1H−ピロル−1−イル、1H−インドル−3−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル及び2H−1,2,3−トリアゾル−2−イルからなる群から選択されるヘテロ芳香族環であり、その各々は場合によりRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0038】
別の実施態様において、Rはフェニルまたはナフチルであり、その各々は場合によりRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0039】
本発明の化合物の更なる実施態様において、各Rは独立してハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルキルスルホニル、シアノ及びC1−4アルコキシからなる群から選択される。
【0040】
本発明の化合物の更に別の実施態様において、各Rは独立してハロゲン、ヒドロキシ、場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキル、CH−シクロプロピル、シクロプロピル、シアノ、N(R、CHN(R、C(O)N(R、C(O)R、CO、CHCO、CHOCOR、OR、CHOR、NRC(O)R、SON(R、(CHS(O)、フェニル、ピリジル及びチエニルからなる群から選択され、フェニル、ピリジル及びチエニルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、R中の各メチレン(CH)炭素原子は場合によりヒドロキシ、フッ素及びメチルから独立して選択される1〜個の置換基で置換されている。
【0041】
本発明はまた、SCD阻害剤として有用な新規ヘテロ芳香族化合物に関する。本発明の新規化合物は構造式I:
【0042】
【化6】

[式中、
各nは独立して0、1または2であり;
各pは独立して0、1または2であり;
mは1、2または3であり;
W及びZの少なくとも1つはNである条件で、W及びZは各々独立してCHまたはNであり;
X−YはN−C(O)、N−S(O)、N−CR、CH−O、CH−S(O)、CH−NRまたはCH−CRであり;
Arはフェニル、ベンジル、ナフチルまたはヘテロアリールであり、その各々は場合により1〜5個のR置換基で置換されており;
はフェニル、ナフチル、またはオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−オキサジアゾル−5−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、1,2,4−チアジアゾル−3−イル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル及びイミダゾ[1,2−a]ピリジルからなる群から選択されるヘテロ芳香族環であり、フェニル、ナフチル及びヘテロ芳香族環は場合によりRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
及びRは各々独立して水素、または場合によりハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC1−3アルキルであり;
各Rは独立してC1−6アルキル、C2−4アルケニル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHOC(O)R、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、(CHP(=O)(OR、(CHOP(=O)(OR、(CHOCH2nP(=O)(OR、O(CHC(O)N(R、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立してC1−6アルキル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、O(CHC(O)N(R、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立して水素、C1−6アルキル、(CH−フェニル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ナフチル及び(CH−C3−7シクロアルキルからなる群から選択され、アルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されているか、または2個のR基はこれらが結合している原子と一緒に、場合によりO、S及びNC1−4アルキルから選択される追加ヘテロ原子を含有する4〜8員の単環式または二環式環系を形成し;
は水素または場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−6アルキルであり;
ただしX−YがCH−CHを表すときRはフェニルでない]
で表される化合物またはその医薬的に許容され得る塩である。
【0043】
本発明化合物の1つの実施態様において、W及びZは共にNである。
【0044】
本発明化合物の第2実施態様において、WはCHであり、ZはNである。
【0045】
本発明化合物の第3実施態様において、mは2である。
【0046】
本発明化合物の第4実施態様において、mは1である。
【0047】
本発明化合物の第5実施態様において、X−YはN−C(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0048】
本発明化合物の第6実施態様において、X−YはN−S(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。
【0049】
本発明化合物の第7実施態様において、X−YはCH−Oである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。
【0050】
本発明化合物の第8実施態様において、X−YはCH−S(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、pは0である。
【0051】
本発明化合物の第9実施態様において、X−YはN−CRである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、R及びRは水素であり、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個のR置換基で置換されている。
【0052】
本発明化合物の第10実施態様において、X−YはCH−NRである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。
【0053】
本発明化合物の第11実施態様において、X−YがCH−CHを表すときRはフェニルでない条件でX−YはCH−CRである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個の上に定義したR置換基で置換されている。この実施態様の別のクラスにおいて、R及びRは水素であり、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により1〜3個のR置換基で置換されている。
【0054】
本発明の方法の別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはCH−Oである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0055】
本発明の方法の別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは1であり、X−YはCH−Oである。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0056】
本発明の方法の別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはN−C(O)である。この実施態様のクラスにおいて、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0057】
本発明の方法の別の実施態様において、W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはCH−CRである。この実施態様のクラスにおいて、R及びRは水素であり、Arはフェニルまたはピリジルであり、その各々は場合により上に定義したRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0058】
別の実施態様において、Rは1,3−ベンゾチアゾル−2−イル、1H−ベンゾイミダゾル−2−イル、1,3−チアゾル−4−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−3−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1H−イミダゾル−1−イル、1H−ピロル−1−イル、1H−インドル−3−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル及び2H−1,2,3−トリアゾル−2−イルからなる群から選択されるヘテロ芳香族環であり、その各々は未置換であるかまたはRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0059】
別の実施態様において、Rはフェニルまたはナフチルであり、その各々は未置換であるかまたはRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0060】
本発明化合物の更に別の実施態様において、各Rは独立してハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルキルスルホニル、シアノ及びC1−4アルコキシからなる群から選択される.
本発明化合物の更に別の実施態様において、各Rは独立してハロゲン、ヒドロキシ、場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキル、CH−シクロプロピル、シクロプロピル、シアノ、N(R、CHN(R、C(O)N(R、C(O)R、CO、CHCO、CHOCOR、OR、CHOR、NRC(O)R、SON(R、(CHS(O)、フェニル、ピリジル及びチエニルからなる群から選択され、フェニル、ピリジル及びチエニルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、R中の各メチレン(CH)炭素原子は場合によりヒドロキシ、フッ素及びメチルから独立して選択される1〜の置換基で置換されている。
【0061】
SCD阻害剤として有用な本発明化合物の非限定的例は、
【0062】
【化7】




及びその医薬的に許容され得る塩である。
【0063】
SCD阻害剤として有用な本発明の化合物の更なる例は、
【0064】
【化8】

及びその医薬的に許容され得る塩である。
【0065】
本明細書中で使用する場合、以下の定義が適用され得る。
【0066】
「アルキル」及び接頭語「アルカ」を有する他の基(例えば、アルコキシ及びアルカノイル)は、炭素鎖が他の方法で定義されていない限り直鎖状または分岐状及びその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。例えばC3−10のように炭素原子数が特定され得る場合、この用語はシクロアルキル基並びに直鎖状または分岐状アルキル鎖とシクロアルキル構造の組合せをも含む。炭素原子が特定されていない場合にはC1−6が意図される。
【0067】
「シクロアルキル」はアルキルの部分集合であり、特定の炭素原子数を有する飽和炭素環式環を意味する。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が含まれる。別段の記載がない限り、シクロアルキル基は通常単環である。別段の定義がない限り、シクロアルキル基は飽和である。
【0068】
用語「アルケニル」は、特定の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルケンを指し、例えばビニル、1−プロペニル及び1−ブテニルである。
【0069】
用語「アルコキシ」は、特定の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルコキシド(例えば、C1−6アルコキシ)またはこの範囲内の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルコキシド[すなわち、メトキシ(MeO−)、エトキシ、イソプロポキシ等]を指す。
【0070】
用語「アルキルチオ」は、特定の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルスルフィド(例えば、C1−6アルキルチオ)またはこの範囲内の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルスルフィド[すなわち、メチルチオ(MeS−)、エチルチオ、イソプロピルチオ等]を指す。
【0071】
用語「アルキルアミノ」は、特定の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルアミン(例えば、C1−6アルキルアミノ)またはこの範囲内の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルアミン[すなわち、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ等]を指す。
【0072】
用語「アルキルスルホニル」は、特定の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルスルホン(例えば、C1−6アルキルスルホニル)またはこの範囲内の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルスルホン[すなわち、メチルスルホニル(MeSO−)、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル等]を指す。
【0073】
用語「アルキルスルフィニル」は、特定の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルスルホキシド(例えば、C1−6アルキルスルフィニル)またはこの範囲内の炭素原子数を有する直鎖状または分岐状アルキルスルホキシド[すなわち、メチルスルフィニル(MeSO−)、エチルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル等]を指す。
【0074】
用語「アルキルオキシカルボニル」は、特定の炭素原子数を有する本発明のカルボン酸誘導体の直鎖状または分岐状エステル(例えば、C1−6アルキルオキシカルボニル)またはこの範囲内の炭素原子数を有する本発明のカルボン酸誘導体の直鎖状または分岐状エステル[すなわち、メチルオキシカルボニル(MeOCO−)、エチルオキシカルボニルまたはブチルオキシカルボニル]を指す。
【0075】
「アリール」は、炭素環原子を含有する単環式または多環式芳香族環系を意味する。好ましいアリールは単環式または二環式6〜10員芳香族環系である。フェニル及びナフチルが好ましいアリールである。最も好ましいアリールはフェニルである。
【0076】
「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個のO、S及びNから選択されるヘテロ原子(硫黄の酸化形態、すなわちSO及びSOを含む)を含有する飽和または不飽和の非芳香族環または環系を指す。ヘテロ環の例にはテトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン等が含まれる。
【0077】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のO、S及びNから選択される環ヘテロ原子を含有する芳香族または部分芳香族ヘテロ環を意味する。よって、ヘテロアリールはヘテロアリールが他の種類の環、例えばアリール、シクロアルキル及び非芳香族ヘテロ環に縮合しているものを含む。ヘテロアリール基の例にはピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、2−オキソ−(1H)ピリジニル(2−ヒドロキシ−ピリジニル)、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾジオキソリル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、[1,2,4−トリアゾロ][4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、[1,2,4−トリアゾロ][1,5−a]ピリジニル、2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾリル、4−オキソ−3H−キナゾリニル、3−オキソ−[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−a]−2H−ピリジニル、5−オキソ−[1,2,4]−4H−オキサジアゾリル、2−オキソ−[1,3,4]−3H−オキサジアゾリル、2−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾリル、3−オキソ−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾリル等が含まれる。ヘテロシクリル及びヘテロアリール基の場合、3〜15個の原子を含有して1〜3個の環を形成している環及び環系が含まれる。
【0078】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。塩素及びフッ素が通常好ましい。アルキルまたはアルコキシ基上にハロゲン置換基を有している場合フッ素が最も好ましい(例えば、CFO及びCFCHO)。
【0079】
構造式Iを有する化合物は1つ以上の不斉中心を含み得、よってラセミ化合物及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得る。本発明は構造式Iを有する化合物の前記異性体のすべてを包含することを意味する。
【0080】
構造式Iを有する化合物は、例えば適当な溶媒(例えば、メタノール及び/または酢酸エチル)からの分別結晶により、または光学的に活性な固定相を用いるキラルクロマトグラフィーにより個々のジアステレオマーに分離され得る。絶対立体化学は、結晶生成物、または所要により公知の絶対配置を有する不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化される結晶性中間体をX線結晶学にかけることにより決定され得る。
【0081】
或いは、一般構造式Iを有する化合物の立体異性体は、公知の絶対配置を有する光学的に純粋な出発物質または試薬を用いて立体特異的合成により得られ得る。
【0082】
所望により、化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマーが単離されるように分離され得る。この分離は当業界で公知の方法により、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマ的に純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後標準方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により個々のジアステレオマーに分離することにより実施される。カップリング反応は、多くの場合エナンチオマ的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。次いで、ジアステレオマー誘導体は付加キラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換され得る。化合物のラセミ混合物はキラル固定相を用いるクロマトグラフィー方法により直接分離することもできる。この方法は当業界で公知である。
【0083】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかはオレフィン性二重結合を含み、別段の記載がない限りE及びZ幾何異性体を含むことを意味する。
【0084】
本明細書中に記載されている化合物の幾つかは、1つ以上の二重結合シフトを伴う水素の結合点が異なる互変異性体として存在し得る。例えば、ケトン及びそのエノール形態はケト−エノール互変異性体である。個々の互変異性体及びその混合物も本発明の化合物に包含される。
【0085】
本明細書中で使用する場合、構造式Iを有する化合物についての言及は医薬的に許容され得る塩及び遊離化合物またはその医薬的に許容され得る塩に対する前駆体としてまたは他の合成方法で使用する場合医薬的に許容され得ない塩も含むと意味する。
【0086】
本発明化合物は医薬的に許容され得る塩の形態で投与され得る。用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機または有機塩基及び無機または有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性塩基または酸から製造される塩を指す。用語「医薬的に許容され得る塩」に包含される塩基性化合物の塩は、通常遊離塩基を適当な有機または無機酸と反応させることにより製造される本発明化合物の非毒性塩を指す。本発明の塩基性化合物の代表的塩には酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カムシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシレート、エストレート、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エモボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/ジリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシレート、トリエチオジド及び吉草酸塩が含まれるが、これらに限定されない。更に、本発明化合物が酸性部分を有している場合、その適当な医薬的に許容され得る塩にはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第一マンガン、第二マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を含めた無機塩基から誘導される塩が含まれるが、これらに限定されない。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩には第1級、第2級及び第3級アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂(例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が含まれる。
【0087】
また、本発明化合物中にカルボン酸(−COOH)またはアルコール基が存在する場合、カルボン酸誘導体の医薬的に許容され得るエステル(例えば、メチル、エチルまたはピバロイルオキシメチル)またはアルコールのアシル誘導体(例えば、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル及びアミノアシル)が使用され得る。持続放出またはプロドラッグ製剤として使用するために溶解度または加水分解特性を改良するために当業界で公知のエステルが含まれる。
【0088】
構造式Iを有する化合物の溶媒和物、特に水和物も本発明に含まれる。
【0089】
本発明化合物は、有効量の化合物を投与することを含むステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ酵素(SCD)の阻害を要する患者(例えば、哺乳動物)における前記酵素の阻害方法において有用である。従って、本発明化合物は、高いまたは異常なSCD酵素活性により媒介される状態及び疾患をコントロール、予防及び/または治療するために有用である。
【0090】
よって、本発明の1つの態様は、高血糖症、糖尿病またはインスリン抵抗性の治療を要する哺乳動物患者に対して有効量の構造式Iを有する化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または溶媒和物を投与することを含む前記哺乳動物患者における高血糖症、糖尿病またはインスリン抵抗性の治療方法に関する。
【0091】
本発明の第2態様は、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)の治療を要する哺乳動物患者に対して抗糖尿病有効量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む前記哺乳動物患者におけるインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)の治療方法に関する
【0092】
本発明の第3態様は、肥満の治療を要する哺乳動物患者に対して肥満の治療に有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む前記哺乳動物患者における肥満の治療方法に関する。
【0093】
本発明の第4態様は、メタボリック症候群及びその後遺症の治療を要する哺乳動物患者に対してメタボリック症候群及びその後遺症の治療に有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む前記哺乳動物患者におけるメタボリック症候群及びその後遺症の治療方法に関する。メタボリック症候群の後遺症には高い血圧、高い血中グルコースレベル、高いトリグリセリド及び低いHDLコレステロールレベルが含まれる。
【0094】
本発明の第5態様は、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される脂質障害の治療を要する哺乳動物患者に対して脂質障害の治療に有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む前記哺乳動物患者における脂質障害の治療方法に関する。
【0095】
本発明の第6態様は、アテローム性動脈硬化症の治療を要する哺乳動物患者に対してアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む前記哺乳動物患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法に関する。
【0096】
本発明の第7態様は、癌の治療を要する哺乳動物患者に対して癌の治療に有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む前記哺乳動物患者における癌の治療方法に関する。
【0097】
本発明の更なる態様は、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)メタボリック症候群、及び(24)インスリン抵抗性が要素である他の状態及び障害からなる群から選択される状態の治療を要する哺乳動物患者における前記状態の治療方法に関し、その方法は前記患者に対して前記状態の治療に有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む。
【0098】
本発明の別の更なる態様は、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)メタボリック症候群、及び(24)インスリン抵抗性が要素である他の状態及び障害からなる群から選択される状態の治療を要する哺乳動物患者における前記状態の発症を遅らす方法に関し、その方法は前記患者に対して前記状態の発症を遅らすのに有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む。
【0099】
本発明の更なる態様は、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)メタボリック症候群、及び(24)インスリン抵抗性が要素である他の状態及び障害からなる群から選択される状態の治療を要する哺乳動物患者における前記状態が発生するリスクを低減させる方法に関し、その方法は前記患者に対して前記状態の発生リスクを低減させるのに有効な量の構造式Iを有する化合物を投与することを含む。
【0100】
霊長類(例えば、ヒト)に加えて、各種の他の哺乳動物が本発明の方法に従って治療され得る。例えば、治療され得る哺乳動物にはウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたは他のウシ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、げっ歯類(例えば、マウス)種が含まれるが、これらに限定されない。しかしながら、本発明の方法は他の種(例えば、ニワトリのような鳥類種)において実施され得る。
【0101】
本発明は更に、本発明化合物を医薬的に許容され得る担体または希釈剤と組み合わせることを含むヒト及び動物においてステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性を阻害するための薬剤の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、哺乳動物における高血糖症、2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満、並びに脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDL脂質からなる群から選択される脂質障害からなる群から選択される状態の治療用薬剤の製造における構造式Iを有する化合物の使用に関する。
【0102】
本発明の方法において治療される被験者は通常、ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性を阻害したい哺乳動物、好ましくは男性または女性のヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す本発明化合物の量を意味する。
【0103】
本明細書中で使用される用語「組成物」は、特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。医薬組成物に関連してこの用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。従って、本発明の医薬組成物は本発明化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより作成される組成物を包含する。「医薬的に許容され得る」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と相容性でなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
【0104】
用語「化合物の投与」及び/または「化合物を投与する」は、本発明化合物または本発明化合物のプロドラッグを治療を要する個人に対して与えることを意味すると理解すべきである。
【0105】
本発明化合物のステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ(SCD)酵素活性の阻害剤としての有用性は、以下のミクロソーム及び全細胞ベースアッセイにより立証され得る。
【0106】
I.SCD誘導ラット肝ミクロソームアッセイ
式Iを有する化合物のSCD酵素に対する活性を、SCD1誘導ラット肝臓ミクロソーム及び若干の改変を加えた既に公開されている手順(Joshi et al.,J.Lipid Res.,18:32−36(1977))を用いる放射標識したステアロイル−CoAのオレイル−CoAへの変換に従って調べる。ラットに高炭水化物/無脂肪げっ歯類用餌(LabDiet #5803,Purina)を3日間与えた後、SCD誘導肝臓を250mM スクロース、1mM EDTA、5mM DTT及び50mM トリス−HCl(pH7.5)中でホモジナイズ(1:10 w/v)した。20分間遠心(18,000×g/4℃)して組織及び細胞細片を除去した後、生じたペレットを100mM リン酸ナトリウム、20% グリセロール及び2mM DTT中に懸濁させたものと100,000×gで60分間遠心することによりミクロソームを作成した。DMSO(2μL)中の試験化合物を180μLのミクロソームと(典型的にはトリス−HCl緩衝液(100mM,pH7.5)、ATP(5mM)、コエンザイムA(0.1mM)、トリトンX−100(0.5mM)及びNADH(2mM)中で約100pg/mLで)室温で15分間インキュベートした。20μLの[H]−ステアロイル−CoA(放射活性濃度1μCi/mLで2μMの最終濃度)を添加することにより反応を開始し、150μLの1N 水酸化ナトリウムを添加することにより停止した。オレイル−CoA及びステアロイル−CoAを加水分解するために室温で60分後、0.5mg/mL ステアリン酸及び0.5mg/mL オレイン酸を補充したエタノール中150μLの15% リン酸(v/v)を添加することにより溶液を酸性化した。次いで、[H]−オレイン酸及び[H]−ステアリン酸をC−18逆相カラムを備えたHPLC及びPackardフローシンチレーションアナライザーを用いて定量した。或いは、反応混合物(80μL)を塩化カルシウム/チャーコール水性懸濁液(100μLの15%(w/v) チャーコール+20μLの2N CaCl)と混合した。生じた混合物を遠心して、放射活性脂肪酸物質を安定なペレットに沈澱させた。9,10−[H]−ステアロイル−CoAのSCD触媒不飽和化に由来するトリチウム化水を50μLの上清をシンチレーションカウンターを用いて計数することにより定量した。
【0107】
II.全細胞ベースのSCD(デルタ−9)、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼアッセイ
ヒトHepG2細胞を加湿したインキュベータ中、37℃、5% CO下で24ウェルプレートを用いて10% 熱失活させたウシ胎児血清を補充したMEM培地(Gibcoカタログ番号11095−072)において増殖させた。培地中に溶解させた試験化合物をサブコンフルエントな細胞と37℃で15分間インキュベートした。各ウェルに[1−14C]−ステアリン酸を0.05μCi/mLの最終濃度まで添加して、SCD触媒[14C]−オレイン酸形成を検出した。0.05μCi/mLの[1−14C]−エイコサトリエン酸または[1−14C]−リノレン酸+10μMの2−アミノ−N−(3−クロロフェニル)ベンズアミド(デルタ−5デサチュラーゼ阻害剤)を使用して、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼ活性をそれぞれ示した。37℃で4時間インキュベーションした後、培地を除き、標識細胞を室温でPBS(3×1mL)で洗浄した。標識細胞脂質を窒素下65℃で400μLの2N 水酸化ナトリウム+50μLのL−α−ホスファチジルコリン(イソプロパノール中2mg/mL,Sigma #P−3556)を用いて1時間加水分解した。リン酸(60μL)を用いて酸性化した後、放射活性物質を300μLのアセトニトリルで抽出し、C−18逆相カラムを備えたHPLC及びPackardフローシンチレーションアナライザーを用いて定量した。[14C]−オレイン酸対[14C]−ステアリン酸、[14C]−アラキドン酸対[14C]−エイコサトリエン酸、及び[14C]−エイコサテトラエン酸(8,11,14,17)対[14C]−リノレン酸のレベルをそれぞれSCD、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼの対応活性指標として使用した。
【0108】
式Iを有するSCD阻害剤は通常1μM未満、より典型的には0.1μM未満の阻害定数IC50を示す。通常、式Iを有する化合物についてのデルタ−5またはデルタ−6デサチュラーゼ対SCDのIC50比は少なくとも約10以上、好ましくは約100以上である。
【0109】
本発明化合物のインビボ効果
式Iを有する化合物のインビボ効果は、以下に例示するように動物における[1−14C]−ステアリン酸の[1−14C]−オレイン酸への変換に従って測定した。マウスに式Iを有する化合物を投与し、1時間後に放射活性トレーサー[1−14C]−ステアリン酸を20μCi/kgの量で静脈内投与した。化合物を投与してから3時間目に肝臓を採取し、次いで10N 水酸化ナトリウムを用いて80℃で24時間加水分解して、全肝脂肪酸プールを得た。抽出物をリン酸酸性化した後、[1−14C]−ステアリン酸及び[1−14C]−オレインの量をC−18逆相カラムを備えたHPLC及びPackardフローシンチレーションアナライザーを用いて定量した。
【0110】
更に、本発明化合物は他の物質との組合せで上記した疾患、障害及び状態の予防または治療方法において有用である。
【0111】
本発明化合物は、式Iを有する化合物または他の薬物が有用であり得る疾患または状態の治療、予防、抑制または改善において1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、薬物の組合せはいずれかの薬物単独の場合に比してより安全であるかまたはより有効である。前記した他の薬物は通常使用されているルート及び量で式Iを有する化合物と同時または順次投与され得る。式Iを有する化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、他の薬物及び式Iを有する化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかしながら、併用治療には式Iを有する化合物及び1つ以上の他の薬物を異なる重複スケジーュールで投与する治療も含まれ得る。また、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用するときには本発明化合物及び他の活性成分は各成分を単独で使用する場合よりも低い用量で使用され得ると考えられる。従って、本発明の医薬組成物には式Iを有する化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含むものが含まれる。
【0112】
式Iを有する化合物と組み合わせて別々にまたは同一の医薬組成物の形態で投与され得る他の活性成分の例には、
(a)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤;
(b)(i)PPARγアゴニスト、例えばグリタゾン(例:トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン等)、及びPPARα/γ二重アゴニスト(例:KRP−297、ムラグリタザール、ナベグリタザール、Galida、TAK−559)、PPARαアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)、及びWO 02/060388、WO 02/08188、WO 2004/019869、WO 2004/020409、WO 2004/020408及びWO 2004/066963に開示されているような選択的PPARγモジュレーター(SPPARγM)を含めた他のPPARリガンド、(ii)ビグアニド、例えばメトフォルミン及びフェンフォルミン、及び(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤を含めたインスリン増感剤;
(c)インスリンまたはインスリンミメティクス;
(d)スルホニル尿素及び他のインスリン分泌促進物質、例えばトルブタミド、グリブリド、グリピジド、グリメピリド及びメグリチニド(例:ナテグリニド及びレパグリニド);
(e)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース及びミグリトール;
(f)グルカゴン受容体アンタゴニスト、例えばWO 98/04528、WO 99/01423、WO 00/39088及びWO 00/69810に開示されているもの;
(g)GLP−1、GLP−1アナログまたはミメティクス及びGLP−1受容体アゴニスト、例えばエキセンディン−4(エキセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131、LY−307161、並びにWO 00/42026及びWO 00/59887に開示されているもの;
(h)GIP及びGIPミメティクス、例えばWO 00/58360に開示されているもの、並びにGIP受容体アゴニスト;
(i)PACAP、PACAPミメティクス及びPACAP受容体アゴニスト、例えばWO 01/23420に開示されているもの;
(j)コレステロール低下薬、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスチタン、シンバスチタン、プラバスタチン、セリバスチタン、フルバスチタン、アトルバスチタン、イタバスチタン及びロスバスチタン、並びに他のスチタン)、(ii)シクエストラント(コレスチルアミン、コレスチポル及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはその塩、(iv)PPARαアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)、(v)PPARα/γ二重アゴニスト、例えばナベグリタザール及びムラグリタザール、(vi)コレステロール吸収阻害剤、例えばβ−シトステロール及びエゼチミベ、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばアバシミベ、及び(viii)抗酸化剤、例えばプロブコール;
(k)PPARδアゴニスト、例えばWO 97/28149に開示されているもの;
(1)抗肥満化合物、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オルリスタット、ニューロペプチドYまたはYアンタゴニスト、CB1受容体逆アゴニスト及びアンタアゴニスト、βアドレナリン作動性受容体アゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニスト(特に、メラノコルチン4受容体アゴニスト)、ゲレリンアンタゴニスト、ボンベシン受容体アゴニスト(例えば、ボンベシン受容体サブタイプ−3アゴニスト)及びメラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;
(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(n)炎症状態での使用を意図する物質、例えばアスピリン、非ステロイド系抗消炎薬(NSAID)、グルココルチコイド、アズルフィジン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤;
(o)降圧剤、例えばACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、タンドラプリル)、A−II受容体ブロッカー(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン)、β−ブロッカー及びカルシウムチャネルブロッカー;
(p)グルコキナーゼ活性化剤(GKA)、例えばWO 03/015774、WO 04/076420及びWO 04/081001に開示されているもの;
(q)11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1阻害剤、例えば米国特許6,730,690、WO 03/104207及びWO 04/058741に開示されているもの;
(r)コレステリルエステル輸送タンパク質(CM)阻害剤、例えばトルセトラピブ;及び
(s)フルクトース1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、例えば米国特許6,054,587、6,110,903、6,284,748、6,399,782及び6,489,476に開示されているもの;
が含まれるが、これらに限定されない。
【0113】
構造式Iを有する化合物と組み合わされ得るジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤には、米国特許6,699,871、WO 02/076450(2002年10月3日)、WO 03/004498(2003年1月16日)、WO 03/004496(2003年1月16日)、EP 1258476(2002年11月20日)、WO 02/083128(2002年10月24日)、WO 02/062764(2002年8月15日)、WO 03/000250(2003年1月3日)、WO 03/002530(2003年1月9日)、WO 03/002531(2003年1月9日)、WO 03/002553(2003年1月9日)、WO 03/002593(2003年1月9日)、WO 03/000180(2003年1月3日)、WO 03/082817(2003年10月9日)、WO 03/000181(2003年1月3日)、WO 04/007468(2004年1月22日)、WO 04/032836(2004年4月24日)、WO 04/037169(2004年5月6日)及びWO 04/043940(2004年5月27日)に開示されているものが含まれる。具体的なDPP−1V阻害剤化合物には、US 6,699,871に開示されているシタグリプチン(MK−0431)、ビルダグリプチン(LAF237)、サクサグリプチン(BMS477118)、デナグリプチン、SYR322及びPSN9301が含まれる。
【0114】
構造式Iを有する化合物と組み合わされ得る抗肥満化合物には、フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オルリスタット、ニューロペプチドYまたはYアンタゴニスト、カンナビノイドCB1受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニスト(特に、メラノコルチン−4受容体アゴニスト)、ゲレリンアンタゴニスト、ボンベシン受容体アゴニスト及びメラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニストが含まれる。構造式Iを有する化合物と組み合わされ得る抗肥満化合物を検討するためには、S.Chaki et al.,“Recent advances in feeding suppressing agents:potential therapeutic strategy for the treatment of obesity”,Expert Opin.Ther.Patents,11:1677−1692(2001);D.Spanswick and K.Lee,“Emerging antiobesity drugs”,Expert Opin.Emerging Drugs,8:217−237(2003);及びJ.A.Fernandez−Lopez et al.,“Pharmacological Approaches for the Treatment of Obesity”,Drugs,62:915−944(2002)を参照されたい。
【0115】
構造式Iを有する化合物と組み合わされ得るニューロペプチドY5アンタゴニストには、米国特許6,335,345(2002年1月1日)及びWO 01/14376(2001年3月1日)に開示されているもの、並びにGW59884A、GW569180A、LY366377及びCGP−71683Aとして同定される具体的化合物が含まれる。
【0116】
構造式Iを有する化合物と組み合わされ得るカンナビノイドCB1受容体アンタゴニストには、PCT出願WO 03/007887、米国特許5,624,941(例えば、リモナバント)、PCT出願WO 02/076949(例えば、SLV−319)、米国特許6,028,084、PCT出願WO 98/41519、PCT出願WO 00/10968、PCT出願WO 99/02499、米国特許5,532,237、米国特許5,292,736、PCT出願WO 03/086288、PCT出願WO 03/087037、PCT出願WO 04/048317、PCT出願WO 03/007887、PCT出願WO 03/063781、PCT出願WO 03/075660、PCT出願WO 03/077847、PCT出願WO 03/082190、PCT出願WO 03/082191、PCT出願WO 03/087037、PCT出願WO 03/086288、PCT出願WO 04/012671、PCT出願WO 04/029204、PCT出願WO 04/040040、PCT出願WO 01/64632、PCT出願WO 01/64633及びPCT出願WO 01/64634に開示されているものが含まれる。
【0117】
本発明において有用なメラノコルチン−4受容体(MC4R)アゴニストには、いずれも本明細書中に全文援用されるUS 6,294,534、US 6,350,760、US 6,376,509、US 6,410,548、US 6,458,790、US 6,472,398、US 5837521、US 6699873;いずれも本明細書中に全文援用される米国特許出願公開US 2002/0004512、US 2002/0019523、US 2002/0137664、US 2003/0236262、US 2003/0225060、US 2003/0092732、US 2003/109556、US 2002/0177151、US 2002/187932、US 2003/0113263;並びにWO 99/64002、WO 00/74679、WO 02/15909、WO 01/70708、WO 01/70337、WO 01/91752、WO 02/068387、WO 02/068388、WO 02/067869、WO 03/007949、WO 2004/024720、WO 2004/089307、WO 2004/078716、WO 2004/078717、WO 2004/037797、WO 01/58891、WO 02/070511、WO 02/079146、WO 03/009847、WO 03/057671、WO 03/068738、WO 03/092690、WO 02/059095、WO 02/059107、WO 02/059108、WO 02/059117、WO 02/085925、WO 03/004480、WO 03/009850、WO 03/013571、WO 03/031410、WO 03/053927、WO 03/061660、WO 03/066597、WO 03/094918、WO 03/099818、WO 04/037797、WO 04/048345、WO 02/018327、WO 02/080896、WO 02/081443、WO 03/066587、WO 03/066597、WO 03/099818、WO 02/062766、WO 03/000663、WO 03/000666、WO 03/003977、WO 03/040107、WO 03/040117、WO 03/040118、WO 03/013509、WO 03/057671、WO 02/079753、WO 02/092566、WO 03/093234、WO 03/095474及びWO 03/104761に開示されているものが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
併用治療の1つの具体的態様は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群から選択される状態の治療を要する哺乳動物患者に対して治療有効量の構造式Iを有する化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することを含む前記患者における前記状態の治療方法に関する。
【0119】
より具体的には、併用治療のこの態様は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びロスバスタチンからなる群から選択されるスタチンである高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群から選択される状態の治療を要する哺乳動物患者における前記状態の治療方法に関する。
【0120】
本発明の別の態様では、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群から選択される状態及び前記状態の後遺症の治療を要する哺乳動物患者に対して治療有効量の構造式Iを有する化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することを含む前記状態及び前記状態の後遺症の発生のリスクの低減方法が開示されている。
【0121】
本発明の別の態様では、アテローム性動脈硬化症の発症の遅延または発生のリスクの低減を要するヒト患者に対して治療有効量の構造式Iを有する化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することを含む前記患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症を遅らせるかまたは発生のリスクを低減させる方法が開示されている。
【0122】
より具体的には、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びロスバスタチンからなる群から選択されるスタチンであるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延または発生のリスクの低減を要するヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症を遅らせるかまたは発生のリスクを低減させる方法が開示されている。
【0123】
本発明の別の態様では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンであり、更にコレステロール吸収阻害剤を投与することを含むアテローム性動脈硬化症の発症の遅延または発生のリスクの低減を要するヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症を遅らせるかまたは発生のリスクを低減させる方法が開示されている。
【0124】
より具体的には、本発明の別の態様で、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンであり、コレステロール吸収阻害剤がエゼチミベであるアテローム性動脈硬化症の発症の遅延または発生のリスクの低減を要するヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発症を遅らせるかまたは発生のリスクを低減させる方法が開示されている。
【0125】
本発明の別の態様で、
(1)構造式Iを有する化合物、
(2)
(a)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤;
(b)(i)PPARγアゴニスト、例えばグリタゾン(例:トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン等)、及びPPARα/γ二重アゴニスト(例:KRP−297、ムラグリタザール、ナベグリタザール、Galida、TAK−559)、PPARαアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)、及びWO 02/060388、WO 02/08188、WO 2004/019869、WO 2004/020409、WO 2004/020408及びWO 2004/066963に開示されているような選択的PPARγモジュレーター(SPPARγM)を含めた他のPPARリガンド、(ii)ビグアニド、例えばメトフォルミン及びフェンフォルミン、及び(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤を含めたインスリン増感剤;
(c)インスリンまたはインスリンミメティクス;
(d)スルホニル尿素及び他のインスリン分泌促進物質、例えばトルブタミド、グリブリド、グリピジド、グリメピリド及びメグリチニド(例:ナテグリニド及びレパグリニド);
(e)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース及びミグリトール;
(f)グルカゴン受容体アンタゴニスト、例えばWO 98/04528、WO 99/01423、WO 00/39088及びWO 00/69810に開示されているもの;
(g)GLP−1、GLP−1アナログまたはミメティクス及びGLP−1受容体アゴニスト、例えばエキセンディン−4(エキセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131、LY−307161、並びにWO 00/42026及びWO 00/59887に開示されているもの;
(h)GIP及びGIPミメティクス、例えばWO 00/58360に開示されているもの、並びにGIP受容体アゴニスト;
(i)PACAP、PACAPミメティクス及びPACAP受容体アゴニスト、例えばWO 01/23420に開示されているもの;
(j)コレステロール低下薬、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスチタン、シンバスチタン、プラバスタチン、セリバスチタン、フルバスチタン、アトルバスチタン、イタバスチタン及びロスバスチタン、並びに他のスチタン)、(ii)シクエストラント(コレスチルアミン、コレスチポル及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはその塩、(iv)PPARαアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)、(v)PPARα/γ二重アゴニスト、例えばナベグリタザール及びムラグリタザール、(vi)コレステロール吸収阻害剤、例えばβ−シトステロール及びエゼチミベ、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばアバシミベ、及び(viii)抗酸化剤、例えばプロブコール;
(k)PPARδアゴニスト、例えばWO 97/28149に開示されているもの;
(l)抗肥満化合物、例えばフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オルリスタット、ニューロペプチドYまたはYアンタゴニスト、CB1受容体逆アゴニスト及びアンタアゴニスト、βアドレナリン作動性受容体アゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニスト(特に、メラノコルチン−4受容体アゴニスト)、ゲレリンアンタゴニスト、ボンベシン受容体アゴニスト(例えば、ボンベシン受容体サブタイプ−3アゴニスト)及びメラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;
(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(n)炎症状態での使用を意図する物質、例えばアスピリン、非ステロイド系抗消炎薬(NSAID)、グルココルチコイド、アズルフィジン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤;
(o)降圧剤、例えばACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、タンドラプリル)、A−II受容体ブロッカー(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン)、β−ブロッカー及びカルシウムチャネルブロッカー;
(p)グルコキナーゼ活性化剤(GKA)、例えばWO 03/015774、WO 04/076420及びWO 04/081001に開示されているもの;
(q)11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1阻害剤、例えば米国特許6,730,690、WO 03/104207及び同第04/058741に開示されているもの;
(r)コレステリルエステル輸送タンパク質(CM)阻害剤、例えばトルセトラピブ;及び
(s)フルクトース1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、例えば米国特許6,054,587、6,110,903、6,284,748、6,399,782及び6,489,476に開示されているもの;
からなる群から選択される化合物、及び
(3)医薬的に許容され得る担体
を含む医薬組成物が開示されている。
【0126】
本発明化合物を1つ以上の他の薬物と同時に使用する場合、本発明化合物に加えて前記した他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には本発明化合物に加えて1つ以上の他の活性成分をも含有するものが含まれる。
【0127】
本発明化合物:第2活性成分の重量比は変更可能であり、各成分の有効用量に依存する。通常、各成分の有効用量が使用される。よって、例えば本発明化合物を他の物質と組み合わせるとき、本発明化合物:他の物質の重量比は通常約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲である。本発明化合物と他の活性成分の組合せも通常上記範囲内であるが、いずれの場合も各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0128】
上記組合せにおいて、本発明化合物と他の活性物質を別々に投与しても、一緒に投与してもよい。また、1つの成分を他の物質の投与前、投与と同時または投与後に投与してもよい。
【0129】
本発明化合物は経口により、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射または注入、皮下注射またはインプラント)により、吸入スプレー、経鼻、経膣、直腸内、舌下または局所投与ルートにより投与され得、単独でまたは組み合わせて各投与ルートに適した慣用の非毒性で医薬的に許容され得る担体、佐剤及びビヒクルを含む適当な投与単位製剤に製剤化され得る。温血動物(例えば、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル等)の治療に加えて、本発明化合物はヒトに使用するのに効果的である。
【0130】
本発明化合物を投与するための医薬組成物は有利には投与単位形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。いずれの方法も活性成分を1つ以上の補助成分からなる担体と混合するステップを含む。通常、医薬組成物は活性成分を液体担体及び/または微細な固体担体と均一及び均密に混合した後、所要により生成物を所望の製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には病気の経過または状態に対して所望の効果を与えるのに十分な量の活性化合物が含まれている。本明細書中で使用されている用語「組成物」は特定量の特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品が含まれると意図される。
【0131】
活性成分を含有する医薬組成物は錠剤、トローチ剤、口内錠、水性または油性懸濁液剤、分散性散剤または顆粒剤、エマルション剤、硬または軟カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤のような経口用に適した形態をとり得る。経口用に意図されている組成物は医薬組成物を製造するために当業界で公知の方法に従って製造され得、医薬的に上品で口に合う製剤を提供するために前記組成物に甘味剤、着香剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ以上の物質を配合してもよい。錠剤は活性成分を錠剤の製造に適している非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤と混合して含有している。前記賦形剤の例は、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化/崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤にコーティングが被せられていなくても、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて長時間にわたり作用を持続させるために公知の技術を用いてコーティングを被せてもよい。例えば徐放性材料(例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル)が使用され得る。米国特許4,256,108、4,166,452及び4,265,874に記載されている技術によりコーティングして、制御放出用浸透圧性治療錠剤を形成してもよい。
【0132】
経口用製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されてなる硬ゼラチンカプセル剤;または活性成分が水または油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合されてなる軟ゼラチンカプセル剤としても提供され得る。
【0133】
水性懸濁液剤は、活性物質を水性懸濁液を製造するのに適した賦形剤と混合して含有している。前記賦形剤は懸濁剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガム)である。分散または湿潤剤は天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。水性懸濁液剤は1つ以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル)、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤及び1つ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)をも含有し得る。
【0134】
油性懸濁液剤は、活性成分を植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油)または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に懸濁させることにより製剤化され得る。この油性懸濁液剤は増粘剤(例えば、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコール)も含有し得る。上品な経口製剤を提供するために上記したような甘味剤及び着香剤を添加してもよい。抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)を添加することにより上記組成物を保存することができる。
【0135】
水を添加することにより水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は、分散/湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の保存剤と混合して活性成分を含む。適当な分散/湿潤剤及び懸濁剤の例は既に上記されている。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤及び着色剤を存在させてもよい。
【0136】
本発明の医薬組成物は水中油型エマルションの形態もとり得る。油相は植物油(例えば、オリーブ油またはラッカセイ油)及び/または鉱油(例えば、流動パラフィン)であり得る。適当な乳化剤は天然に存在するガム(例えば、アカシアガムまたはトラガカントガム)、天然に存在するリン脂質(例えば、大豆レシチン)、脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。エマルションは甘味剤及び着香剤をも含有し得る。
【0137】
シロップ剤及びエリキシル剤は甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロース)を用いて製剤化され得る。前記製剤は粘滑剤、保存剤、着香剤及び着色剤をも含み得る。
【0138】
医薬組成物は滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態をとり得る。この懸濁液は、上に挙げた適当な分散/湿潤剤及び懸濁剤を用いて当業界で公知の方法に従って製剤化され得る。滅菌注射剤は滅菌注射用の非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の溶液または懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール溶液)でもあり得る。許容され得るビヒクル及び溶媒として水、リンガー液及び等張性塩化ナトリウム溶液が使用され得る。加えて、滅菌の固定油が通常溶媒または懸濁媒体として使用されている。この目的で、合成モノ−またはジグリセリドを含めた無刺激性固定油が使用され得る。加えて、注射剤の製造に脂肪酸(例えば、オレイン酸)が使用される。
【0139】
本発明の化合物は薬物を直腸内投与するための座剤の形態でも投与され得る。前記組成物は、常温では固体であるが直腸温で液体であり、よって直腸で溶融して薬物を放出する適当な非刺激性賦形剤と薬物を混合することにより製造され得る。前記物質はカカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0140】
局所用に、本発明化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、溶液剤または懸濁液剤等が使用される(本発明の目的で、局所適用はマウスウオッシュまたは含嗽薬を含む)。
【0141】
本発明の医薬組成物及び方法は更に、上記した病的状態の治療に通常使用されている本明細書中に記載されている他の治療上活性化合物を含み得る。
【0142】
ステアロイル−CoAデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性の阻害を要する状態の治療または予防において、適切な用量レベルは通常約0.01〜500mg/患者の体重kg/日であり、これを1回でまたは複数回で投与し得る。用量レベルは、好ましくは約0.1〜約250mg/kg/日、より好ましくは約0.5〜約100mg/kg/日である。適当な用量レベルは約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日または約0.1〜50mg/kg/日であり得る。この範囲内での用量は0.05〜0.5、0.5〜5または5〜50mg/kg/日であり得る。経口投与のためには、治療しようとする患者に対する用量を症状に合わせて調節するために組成物を1.0〜1000mgの活性成分、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することが好ましい。化合物は1日1〜4回、好ましくは1日1〜2回のレジメンで投与され得る。
【0143】
糖尿病及び/または高血糖症または高トリグリセリド血症、或いは本発明化合物が適応される他の疾患を治療または予防する際、本発明化合物を約0.1mg〜約100mg/動物の体重kgの1日用量で投与したときに通常満足な結果が得られ、この用量を1日1回用量として、1日2〜6回の分割用量で、または持続放出形態で投与することが好ましい。大型の哺乳動物に対する1日総用量は約1.0mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約50mgである。70kgの成人の場合の1日総用量は通常約7〜約350mgである。この投与レジメンは最適の治療応答が得られるように調節され得る。
【0144】
しかしながら、特定患者に対する具体的用量レベル及び投与頻度は変更可能であり、使用する具体的化合物の活性、該化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与モード、投与時間、排泄率、薬物の組合せ、具体的状態の重症度及び治療を受ける宿主を含めた各種要因に依存する。
【0145】
本発明の化合物の製造
構造式Iを有する化合物は適切な材料を用いて以下のスキーム及び実施例の手順に従って製造され得、以下の具体例により更に説明されている。しかしながら、実施例に例示されている化合物は発明として見なされる唯一の属を形成すると解釈されない。実施例は、更に本発明化合物の製造を詳細に説明する。当業者は、これらの化合物を製造するために以下の製造手順の条件及びプロセスの公知の変更が使用され得ることを容易に理解するであろう。別段の記載がない限り、温度はすべて℃である。マススペクトル(MS)はエレクトロスプレーイオン−質量分析(ESI)または大気圧化学イオン化(APCI)により測定した。
【0146】
【表1】


【0147】
方法A
適切に置換されているヘテロアリールハライドを溶媒(例えば、THF、1,4−ジオキサンまたはDMF)中、塩基(例えば、DBUまたは炭酸アルカリ金属(K、Na、Cs))の存在下でほぼ室温〜ほぼ還流温度の温度範囲で適切に置換されている環状アミンと反応させる。抽出後処理し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、所望生成物が得られる。
【0148】
【化9】

【0149】
方法B
適切に置換されているヘテロアリールハライドを溶媒(例えば、THF、1,4−ジオキサン及びDMF)中、塩基(例えば、DBUまたは炭酸アルカリ金属(K、Na、Cs))の存在下でほぼ室温〜ほぼ還流温度の温度範囲で適切に置換されている環状アミンと反応させる。抽出後処理し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、所望の生成物が得られる。エステルを溶媒(例えば、THFまたはMeOH)中、アルカリ塩基(例えば、水性LiOH、NaOHまたはKOH)を用いてケン化すると、対応のカルボン酸(M=OH)が生ずる。この酸はオキサリルクロリド、チオニルクロリドまたは1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミンを用いて酸クロリド(M=Cl)に活性化され得る。或いは、混合無水物(M=iBuO(CO)O−)はN−メチルモルホリン(NMM)の存在下でクロロギ酸イソブチルを用いて形成され得る。活性化酸を溶媒(例えば、N−メチルピロリジノン(NMP))中、20〜150℃の温度で1,2−ジ置換オレフィン(またはその互変異性体)と反応させると、所望の生成物が得られる。R及びRが連結して環が形成されている場合には、二環式誘導体が得られる。
【0150】
【化10】

【0151】
方法C
活性化カルボン酸(M=OH)をジアゾメタン及びHBrで順次処理すると、ブロモメチルケトンが生じ得る。溶媒(例えば、EtOHまたはN−メチルピロリジノン(NWP))中、二官能化試薬10で処理すると、所望のヘテロ環11が得られる。
【0152】
【化11】

【0153】
方法D
(例えば、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)で)モノ保護されている環状ジアミン12を塩基(例えば、DBU、NaHまたはCsCO)の存在下でアルキルハライドで処理すると、第3級アミン13が形成する。酸(例えば、ニートなTFA及びHCl/MeOH)を用いてBoc保護基を除去すると、アミンが生ずる。このアミンを方法AまたはBで使用すると、本発明の化合物が製造され得る。
【0154】
【化12】

【0155】
方法E
メチルエステルをヒドラジンで処理するとヒドラジド14が生じ得る。このヒドラジド14を酸(例えば、p−トルエンスルホン酸(pTSA)またはBF−エーテレート)の存在下で適切なオルトギ酸エステルと反応させると、オキサジアゾール15が生ずる。或いは、ヒドラジド14を酸クロリドで処理すると、16が生じ得る。その後、16を試薬(例えば、p−トルエンスルホニルクロリド(TsCl))を用いて脱水すると、オキサジアゾール15が生じ得る。中間体16をPまたはローソン試薬で処理しても対応のチアジアゾール17が生じ得る。
【0156】
【化13】

【0157】
方法F
メチルエステルをLiOHまたはNaOHを用いてケン化し得、対応の酸をNHCl及び適切なカップリング剤(例えば、HATU)で処理すると、アミド18を生じ得る。アミド18は試薬(例えば、TFAA及びピリジン)を用いることによりニトリル19に脱水され得る。ヘテロアリールシアニド19は溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、EtOH、THF及び1,4−ジオキサン)中、塩基(例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)及び炭酸アルカリ金属(K、Na、Cs))の存在下で適切なアミンと反応させることによりアミデート20に変換される。このアミデート20を酸(例えば、p−トルエンスルホン酸またはBF−エーテレート)の存在下で適切なオルトギ酸エステルと反応させると、ビヘテロアリール21が得られる。
【0158】
【化14】

【0159】
方法G
3,6−ジクロロピリダジン23を溶媒(例えば、THF、1,4−ジオキサンまたはDMF)中、塩基(例えば、DBUまたは炭酸アルカリ金属(K、Na、Cs))の存在下でほぼ室温〜ほぼ還流温度の温度範囲で窒素含有ヘテロ環22で処理し得る。抽出後処理し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、所望生成物24が得られる。ヘテロアリールクロリド24を溶媒(例えば、THF、1,4−ジオキサンまたはDMF)中、塩基(例えば、DBUまたは炭酸アルカリ金属(K、Na、Cs))の存在下で適切に置換されている環状アミンと反応させると、所望生成物25が得られる。
【0160】
【化15】

【0161】
方法H
3,6−ジクロロピリダジン23を溶媒(例えば、THF、1,4−ジオキサンまたはDMF)中、塩基(例えば、DBUまたは炭酸アルカリ金属(K、Na、Cs))の存在下で適切に置換されている環状アミンで処理すると、所望生成物26が得られ得る。次いで、化合物26は標準スズキカップリング条件を用いることにより、すなわちパラジウム触媒(例えば、PdCl(dppf))及び塩基(例えば、NaCO)の存在下でRB(OH)と反応させることにより生成物27に変換され得る。
【0162】
【化16】

【0163】
以下の実施例は本発明を説明するために提示されており、本発明の範囲を限定するものと決して解釈されない。
【0164】
実施例1
【0165】
【化17】

【0166】
2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール
ステップ16−クロロピリダジン−3−カルボン酸
撹拌機を備えたフラスコ中の濃硫酸(175mL)に3−クロロ−6−メチルピリダジン(25g,194ミリモル)を添加した。内部温度を65℃以下に維持するために冷水浴を用いて生じた溶液にKCr(69g,234ミリモル)を40分間かけて少しずつ添加した。次いで、反応物を60℃で3時間維持した。混合物を冷却し、氷を添加することによりクエンチした後、氷(200g)に注ぎ、EtOAcで8回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、蒸発させて、標記化合物を得た。
【0167】
ステップ26−クロロピリダジン−3−カルボン酸メチル
6−クロロピリダジン−3−カルボン酸(4.2g,26.5ミリモル)をジクロロメタン(100mL)と酢酸エチル(30mL)の混合物中に含む懸濁液にDMF(数滴)、塩化オキサリル(3mL,34ミリモル)を添加した。溶液が得られるまで混合物を室温で4時間撹拌した後、メタノール(20mL)でクエンチした。15分後、混合物を濃縮し、生じた固体をエーテル中で渦撹拌し、濾過した。固体をジクロロメタンと摩砕し、濾液を蒸発して、標記化合物を得た。
【0168】
ステップ34−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(34g,183ミリモル)及びトリエチルアミン(31mL,221ミリモル)をCHCl(400mL)中に含む溶液に0℃で2−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドを5〜10分間かけて1滴ずつ添加した。冷却浴を外し、混合物を室温で2時間撹拌した。水で希釈した後、混合物をCHClで抽出した。CHCl抽出物を水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮して、4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルを淡黄色ガムとして得た。これは一晩放置すると固化した。
【0169】
ステップ41−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン
上記4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルをCHCl(500mL)中に含む溶液にTFA(67.5mL)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。揮発物を真空下で除去した。残渣をCHClで希釈し、飽和水性NaHCOで洗浄した。水性層をCHClで5回抽出した。合わせたCHCl抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮して、標記化合物を淡黄色ガムとして得た。これは放置すると固化した。H NMR(CDCl):δ 7.71(m,1H),7.61(m,1H),7.52(m,1H),7.34(m,1H),3.83(m,2H),3.17(t,2H),2.96(t,2H),2.80(m,2H)。
【0170】
ステップ56−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル
6−クロロピリダジン−3−カルボン酸メチル(3.9g,22.6ミリモル)、1−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン(7.0g,27.1ミリモル)及び炭酸カリウム(6.5g,47ミリモル)の混合物にジオキサン(100mL)を添加し、混合物を71時間還流加熱した。混合物を室温まで冷却し、固体を濾過し、還流下で4:1 エーテル:酢酸エチル中で45分間渦撹拌した。固体を濾過して、標記化合物を得た。
【0171】
ステップ66−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボニルクロリド
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル(3.0g,7.9ミリモル)を塩化チオニル(15mL)中に溶解し、1時間還流加熱した。溶液を冷却し、濃縮して、標記化合物を硬い泡状物として得た。
【0172】
ステップ72−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボニルクロリド(340mg,0.85ミリモル)をNMP(2mL)中に含む溶液に2−アミノチオフェノール(0.1mL,0.93ミリモル)を添加した。混合物を100℃に2時間加熱した後、冷却し、酢酸エチルと水性NaHPOに分配した。有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 60%→100% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 8.25(d,1H),8.13(m,1H),8.06(m,1H),7.88(m,1H),7.80(m,1H),7.72(m,1H),7.58(m,2H),7.51(m,1H),7.44(d,1H),4.0(m,6H),3.48(m,2H)ppm。
【0173】
実施例2
【0174】
【化18】

【0175】
2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)1H−ベンゾイミダゾール
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボニルクロリド(340mg,0.85ミリモル)をNMP(2mL)中に含む溶液に1,2−ジアミノベンゼン(130mg,1.2ミリモル)及びピリジン(3滴)を添加した。混合物を室温で45分間撹拌した後、100℃に18時間加熱した。溶液を冷却し、EtOAcと水性NaHCO溶液に分配した。有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 1%→10% メタノール:ジクロロメタン)により精製して、標記化合物を得た。MS(+ESI)453(M+1)。
【0176】
実施例3
【0177】
【化19】

【0178】
3−[2−(ピリジン−3−イル)−1,3−チアゾル−4−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン
ステップ12−ブロモ−1−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)エタノン
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボニルクロリド(340mg,0.85ミリモル)をTHF(10mL)中に含む溶液にエーテル性ジアゾメタン溶液を添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌した後、窒素流下で2/3に濃縮した。48% HBrと氷酢酸の1:1混合物(2mL)を0℃で添加した。溶液を5分間撹拌した後、EtOAcで抽出した。水性相を10N NaOH及びリン酸緩衝液を用いてpH5に中和した後、EtOAcで再び抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥して、標記化合物を暗い油状物として得た。
【0179】
ステップ23−[2−(ピリジン−3−イル)−1,3−チアゾル−4−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン
EtOH(3mL)中の2−ブロモ−1−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)エタノン(68mg,0.14ミリモル)にピリジンチオアミド(25mg,0.18ミリモル)を添加し、混合物を6時間還流加熱した。反応物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 60%→100% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た。MS(+ESI)497(M+1)。
【0180】
実施例4
【0181】
【化20】

【0182】
3−(2−メチル−1,3−チアゾル−4−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン
EtOH(3mL)中の2−ブロモ−1−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイルオキシ]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)エタノン(65mg,0.14ミリモル)にメチルチオアミド(65mg,0.86ミリモル)を添加し、混合物を5時間還流加熱した。反応物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 60%→100% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た。MS(+ESI)434(M+1)。
【0183】
実施例5
【0184】
【化21】

【0185】
2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール
ステップ14−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(5g,24.84ミリモル)、2−(トリフルオロメチル)フェノール(4.43g,27.3ミリモル,1.1当量)及びトリフェニルホスフィン(7.82g,29.8ミリモル,1.2当量)をテトラヒドロフラン(75mL,0.331M)中に含む溶液にDEAD(アゾジカルボン酸ジエチル)(4.72mL,29.8ミリモル,1.2当量)を10分間かけて少しずつ添加した。次いで、反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N NaOH及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン,15:85)により精製して、標記化合物を得た。
【0186】
ステップ24−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン
4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(7g,20.27ミリモル)をジクロロメタン(100mL,0.203M)中に含む溶液にTFA(トリフルオロ酢酸)(7.78mL,101ミリモル,5当量)を添加した、3時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N NaOH及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、標記化合物を得た。
【0187】
ステップ36−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル
6−クロロピリダジン−3−カルボン酸メチル(345mg,2.0ミリモル)、4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン(588mg,2.4ミリモル)、ヨウ化トリエチルアンモニウム(16mg,0.043ミリモル)及び炭酸カリウム(573mg,4.1ミリモル)の混合物にジオキサン(100mL)を添加し、混合物を一晩還流加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機相をNaSOで乾燥し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 50%→90% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た。
【0188】
ステップ46−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル(608mg,1.6ミリモル)をTHF(10mL)及びMeOH(4mL)中に含む室温溶液に1N LiOH(3mL,3ミリモル)を添加し、混合物を室温で2日間撹拌した。1M HCl(3.5mL)を添加し、混合物をEtOAc(5×20mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥し、濃縮して、標記化合物を得た。
【0189】
ステップ52−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸(140mg,0.38ミリモル)をジクロロメタン(5mL)中に含む懸濁液に塩化オキサリル(0.05mL,0.57ミリモル)及びDMF(1滴)を添加した。緑色混合物を室温で30分間撹拌した後、濃縮した。次いで、粗な酸クロリドをNMP(2mL)中に溶解し、2−アミノチオフェノール(0.05mL,0.47ミリモル)で処理した。混合物を一晩撹拌した後、酢酸エチルと水に分配した。有機相をNaSOで乾燥し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 25%→50% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た。MS(±ESI)457(M+1)。
【0190】
実施例6
【0191】
【化22】

【0192】
3−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
ステップ16−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド
実施例5のステップ3からの6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル(212mg,0.56ミリモル)をMeOH(2mL)中に含む溶液にヒドラジン水和物(1mL)を添加し、反応混合物を85℃で2.5時間加熱した。混合物を濃縮して、標記化合物を得た。これを更に精製することなく次ステップに使用した。
【0193】
ステップ23−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(212mg,0.56ミリモル)をオルトギ酸トリメチル(1mL)中に含む溶液にp−トルエンスルホン酸1水和物(11mg,0.056ミリモル)を添加し、反応混合物を100℃で20時間加熱した。混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 60%→100% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 9.06(1H,s),8.07(1H,d,J=9.6Hz),7.66(2H,dd,J=7.6,11.9Hz),7.43(2H,dd,J=9.6,19.2Hz),7.13(1H,t,J=7.7Hz),5.09−5.05(1H,m),4.10−3.99(4H,m),2.23−2.17(2H,m),1.99−1.95(2H,m)ppm。MS(+ESI)392.2(M+1)。
【0194】
実施例7
【0195】
【化23】

【0196】
3−(1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
ステップ16−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル(7.1g,18.6ミリモル)をTHF(90mL)及びMeOH(30mL)中に含む室温溶液に2N NaOH(93mL,186ミリモル)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。2N HCl(100mL)を添加し、混合物をEtOAc(5×250mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥し、濃縮して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 7.83(1H,d,J=9.4Hz),7.63(2H,t,J=7.3Hz),7.38(1H,d,J=8.7Hz),7.27(1H,d,J=9.4Hz),7.09(1H,t,J=7.6Hz),4.95−4.93(1H,m),3.89−3.83(2H,m),3.74−3.68(2H,m),1.99(2H,t,J=4.0Hz),1.76−1.70(2H,m)ppm。
【0197】
ステップ26−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボキサミド
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸(1.42g,3.87ミリモル)、HATU(2.35g,6.29ミリモル)及びHOBt(522mg,3.87ミリモル)をDMF(19mL)中に含む溶液に0℃で塩化アンモニウム(1.03g,19.3ミリモル)及びトリエチルアミン(2.2mL,15.5ミリモル)を順次添加した。混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。水性飽和NaHCOを添加した後、水及び酢酸エチルを添加した。層を分離し、水性相を酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 100% 酢酸エチル→5% メタノール/酢酸エチル)により精製して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 7.93(1H,d,J=9.5Hz),7.83(1H,s),7.68−7.62(2H,m),7.37(2H,dd,J=8.3,16.8Hz),7.12(1H,t,J=7.6Hz),6.71(1H,s),5.06−5.02(1H,m),4.07−3.93(4H,m),2.20−2.14(2 ,m),1.98−1.92(2H,m)ppm。
【0198】
ステップ36−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボニトリル
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボキサミド(1.35g,3.69ミリモル)及びピリジン(1.49mL,18.43ミリモル)を1,4−ジオキサン(30mL)中に含む溶液に0℃で無水トリフルオロ酢酸(1.04mL,7.37ミリモル)を添加した。混合物を室温まで加温し、2日間撹拌した。水性飽和NaHCO及び酢酸エチルを添加した。層を分離し、水性相を酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 60% 酢酸エチル:ヘキサン→100% 酢酸エチル)により精製して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 7.75(1H,d,J=9.6Hz),7.68−7.62(2H,m),7.37(2H,dd,J=8.4,13.9Hz),7.13(1H,t,J=7.6Hz),5.08−5.04(1H,m),4.06−4.02(4H,m),2.20−2.14(2H,m),2.00−1.94(2H,m)ppm。
【0199】
ステップ4N’−ヒドロキシ−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボキシミドアミド
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボニトリル(720mg,2.07ミリモル)をエタノール(32mL)中に含む懸濁液に水(8mL)を添加した後、NHOH・HCl(574mg,8.27ミリモル)及びNaCO(438mg,4.13ミリモル)を添加した。懸濁液を80℃に1.5時間加熱した。溶媒を蒸発させ、生じた残渣に水及び酢酸エチルを添加した。層を分離し、水性相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮して、標記化合物を得た。これをそのまま次の反応に使用した。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 9.11(1H,s),7.79(1H,d,J=9.6Hz),7.66−7.62(2H,m),7.38(1H,d,J=8.4Hz),7.28(1H,d,J=9.6Hz),7.11(1H,t,J=7.6Hz),5.76(2H,s),5.03−4.99(1H,m),4.10−3.96(2H,m),3.89−3.83(2H,m),2.18−2.12(2H,m),1.98−1.90(2H,m)ppm。
【0200】
ステップ53−(1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
N’−ヒドロキシ−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボキシミドアミド(715mg,1.88ミリモル)をTHF(10mL)中に含む溶液にオルトギ酸トリエチル(0.93mL,5.63ミリモル)及びBF・EtO(0.28mL,2.25ミリモル)を順次添加した。反応混合物を室温で1.25時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、生じた残渣に水及び酢酸エチルを添加した。層を分離し、水性相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 80% 酢酸エチル/ヘキサン→100% 酢酸エチル)により精製して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 9.42(1H,s),7.98(1H,d,J=9.5Hz),7.67−7.63(2H,m),7.41(2H,dd,J=6.5,9.6Hz),7.12(1H,t,J=7.6Hz),5.07−5.03(1H,m),4.10−4.04(2H,m),4.01−3.95(2H,m),2.22−2.16(2H,m),2.00−1.94(2H,m)ppm。MS(+ESI)392.2(M+1)。
【0201】
実施例8
【0202】
【化24】

【0203】
3−(1H−イミダゾル−1−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
3−クロロ−6−(1H−イミダゾル−1−イル)ピリダジン(182mg,1.0ミリモル)、4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン(302mg,1.2ミリモル)、炭酸カリウム(278mg,2.0ミリモル)及びヨウ化テトラn−ブチルアンモニウム(6mg,0.016ミリモル)を1,4−ジオキサン(5mL)中に含む混合物を撹拌し、2日間還流した。生じた懸濁液を撹拌し、2時間かけて室温に戻した。反応混合物をEtOAcと水に分配し、有機相をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗な生成物を熱酢酸エチル(10mL)中でスイッシュし、室温まで冷却し、撹拌しながらヘキサン(10mL)を添加した。生じた明るいベージュ色固体を濾過により集め、真空下で乾燥して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 8.32(s,1H),7.84−7.80(m,2H),7.67−7.61(m,2H),7.55(d,1H),7.39(d,1H),7.14−7.10(m,2H),5.04−5.00(m,1H),4.02−3.96(m,2H),3.87−3.81(m,2H),2.20−2.14(m,2H),1.98−1.92(m,2H)ppm。MS(+ESI)390.2(M+1)。
【0204】
実施例9
【0205】
【化25】

【0206】
3−(2−メチル−1,3−チアゾル−4−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
ステップ12−ブロモ−1−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)エタノン
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸(1.47g,4.0ミリモル)を塩化チオニル(40mL)中に含む溶液を85℃に1時間加熱した。混合物を冷却し、濃縮し、微量の塩化チオニルを除去するために残渣を高真空下で1時間放置した。残渣をTHF(40mL)中に溶解し、過剰のCHを添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、N流下で約2/3容量に濃縮した。次いで、混合物を0℃まで冷却し、HOAc(4mL)及び48% 水性HBr(4mL)を添加した。反応物を室温で5分間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。水性層を10N NaOHを用いて注意深くpH5に中和した後、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、粘性な褐色油状物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 30% 酢酸エチル:ヘキサン→50% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を得た。
【0207】
ステップ23−(2−メチル−1,3−チアゾル−4−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
2−ブロモ−1−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)エタノン(107mg,0.25ミリモル)及びチオアセトアミド(23mg,0.30ミリモル)をエタノール(3mL)中に含む溶液を85℃で一晩加熱した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 30% 酢酸エチル:ヘキサン→100% 酢酸エチル→10% MeOH:CHCl)により精製して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 8.07(2H,t,J=7.8Hz),7.68−7.62(2H,m),7.41(2H,dd,J=6.8,9.5Hz),7.13(1H,t,J=7.6Hz),5.06−5.00(1H,m),4.11−4.01(2H,m),3.93−3.87(2H,m),2.77(3H,s),2.25−2.15(2H,m),1.99−1.93(2H,m)ppm。MS(+APCI)421.2(M+1)。
【0208】
実施例10
【0209】
【化26】

【0210】
3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
ステップ1N’−アセチル−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド
実施例6のステップ2からの6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(250mg,0.65ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL,1.4ミリモル)をCHC1(2mL)中に含む溶液に0℃で塩化アセチル(70μL,1.0ミリモル)を1滴ずつ添加した。次いで、溶液を室温まで加温し、3時間撹拌した。次いで、混合物を酢酸エチル/水とNHOAc緩衝液に分配した。有機層を分離し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 0:100:0→10:90:1→10:89:1 エタノール:CHCl:濃NHOH)により精製して、標記化合物を得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 9.84(1H,s),9.34(1H,s),7.90(1H,d,J=9.5Hz),7.66−7.62(2H,m),7.41−7.35(2H,m),7.12(1H,t,J=7.6Hz),5.05−5.03(1H,m),4.09−3.95(4H,m),2.19−2.13(2H,m),2.08(3H,s),1.98−1.94(2H,m)ppm。
【0211】
ステップ23−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
N’−アセチル−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(210mg,0.5ミリモル)及び五硫化リン(240mg,1.1ミリモル)をキシレン中に含む溶液に160℃に16時間加熱した。次いで、混合物を酢酸エチルとNHOAc緩衝液に分配した。有機層を分離し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 10分で45:55→70:30 酢酸エチル/ヘキサン、次いで20分で70:30→100:0 酢酸エチル/ヘキサン;35mL/分)により精製して、標記化合物を明橙色固体として得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 8.11(1H,d,J=9.6Hz),7.67−7.63(2H,m),7.42(2H,dd,J=9.6,23.1Hz),7.12(1H,t,J=7.6Hz),5.05(1H,dd,J=3.0,6.3Hz),4.08−3.94(4H,m),2.81(3H,s),2.21−2.15(2H,m),2.00−1.94(2H,m)ppm。MS(+ESI)422.1(M+1)。
【0212】
実施例11
【0213】
【化27】

【0214】
3−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
実施例10のステップ1からのN’−アセチル−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(240mg,0.57ミリモル)、p−トルエンスルホニルクロリド(190mg,1.0ミリモル)及び4−ジメチルアミノピリジン(7.4mg,0.06ミリモル)をTHF(3mL)中に含む溶液にピリジン(92μL,1.14ミリモル)を添加した。混合物を16時間還流した後、酢酸エチルとNHOAc緩衝液に分配した。有機相を分離し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 12分で70:30→100:0 酢酸エチル/ヘキサン、次いで13分で100:0 酢酸エチル/ヘキサン;35mL/分)により精製して、標記化合物を明黄色固体として得た。H NMR(d−アセトン,500MHz):δ 8.00(1H,d,J=9.6Hz),7.67−7.63(2H,m),7.41(2H,dd,J=9.6,14.9Hz),7.13(1H,t,J=7.6Hz),5.07−5.03(1H,m),4.09−3.97(4H,m),2.63(3H,s),2.21−2.15(2H,m),1.99−1.95(2H,m)ppm。MS(+ESI)406.2(M+1)。
【0215】
上記実施例に示した手順を用いて以下の追加実施例を製造した。
【0216】
実施例12
【0217】
【化28】

【0218】
4−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−チアゾル−2−アミン
MS(+ESI)435(M+1)。
【0219】
実施例13
【0220】
【化29】

【0221】
6−クロロ−2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
MS(+ESI)487(M+1)。
【0222】
実施例14
【0223】
【化30】

【0224】
3−(2−フェニル−1,3−チアゾル−4−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)496(M+1)。
【0225】
実施例15
【0226】
【化31】

【0227】
5−(トリフルオロメチル)−2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール
MS(+ESI)538(M+1)。
【0228】
実施例16
【0229】
【化32】

【0230】
1−メチル−2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
MS(+ESI)467(M+1)。
【0231】
実施例17
【0232】
【化33】

【0233】
2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
MS(+ESI)453(M+1)。
【0234】
実施例18
【0235】
【化34】

【0236】
2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−ベンゾチアゾール
MS(+ESI)456.2(M+1)。
【0237】
実施例19
【0238】
【化35】

【0239】
3−(1H−ピロル−1−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)389.2(M+1)。
【0240】
実施例20
【0241】
【化36】

【0242】
3−フェニル−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)400.1(M+1)。
【0243】
実施例21
【0244】
【化37】

【0245】
3−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1H−インドール
MS(+ESI)439.1(M+1)。
【0246】
実施例22
【0247】
【化38】

【0248】
4−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3−チアゾル−2−アミン
MS(+APCI)421.8(M+1)。
【0249】
実施例23
【0250】
【化39】

【0251】
2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
MS(+ESI)440.2(M+1)。
【0252】
実施例24
【0253】
【化40】

【0254】
3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)391.2(M+1)。
【0255】
実施例25
【0256】
【化41】

【0257】
6−クロロ−2−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
MS(+ESI)474.3(M+1)。
【0258】
実施例26
【0259】
【化42】

【0260】
3−(1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+APCI)391.1(M+1)。
【0261】
実施例27
【0262】
【化43】

【0263】
3−(2H−1,2,3−トリアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)391.2(M+1)。
【0264】
実施例28
【0265】
【化44】

【0266】
3−(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
ステップ1N’−(2,2−ジメチルプロパノイル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド
実施例6のステップ1からの6−(4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル)ピリダジン−3−カルボヒドラジド(500mg,1.30ミリモル)をCHCl(3mL)及び水(18mL)中に含む混合物に0℃で撹拌しながらピバロイルクロリド(194μL,1.57ミリモル)を添加した。室温で15分後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。標記化合物を次ステップにそのまま使用した。
【0267】
ステップ23−(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
N’−(2,2−ジメチルプロパノイル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(450mg,0.97ミリモル)をTHF(4mL)中に含む溶液に五硫化リンを添加した。混合物をマイクロ波を用いて150℃で15分間加熱した。反応混合物を若干のDMSOを含有する酢酸エチル−水で抽出した。次いで、有機相を分離し、乾燥し、濾過し、蒸発させた。標記化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル及びヘキサンを添加した後濾過した。H NMR(d−アセトン,400MHz):δ 8.15(1H,d),7.65(2H,m),7.45(1H,d),7.40(1H,m),7.15(1H,t),5.10(1H,m),4.05(4H,m),2.20(2H,m),1.99(2H,m),1.50(9H,s)ppm。MS(+ESI)464.2(M+1)。
【0268】
上記実施例に示した手順を用いて以下の追加実施例を製造した。
【0269】
実施例29
【0270】
【化45】

【0271】
3−(5−イソブチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物をイソバレリルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)464.1(M+1)。
【0272】
実施例30
【0273】
【化46】

【0274】
3−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物を4−フルオロベンゾイルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)502.2(M+1)。
【0275】
実施例31
【0276】
【化47】

【0277】
3−{5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,4−チアジアゾル−2−イル}−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物を4−メチルスルホニルベンゾイルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+APCI)561.8(M+1)。
【0278】
実施例32
【0279】
【化48】

【0280】
3−(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物をシクロプロパンカルボニルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)448.0(M+1)。
【0281】
実施例33
【0282】
【化49】

【0283】
3−[5−(シクロプロピルメチル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
ステップ1シクロプロピルアセチルクロリド
シクロプロピル酢酸(141uL,1.5ミリモル)をジクロロメタン(2.5mL,0.6M)中に含む溶液にオキサリルクロリド(144μL,1.65ミリモル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(25μL,0.323ミリモル)を添加した。次いで、反応物を室温で1時間撹拌した。生じた溶液を用いて、標記化合物を実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)461.9(M+1)。
【0284】
実施例34
【0285】
【化50】

【0286】
3−(5−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物をイソブチリルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)450.1(M+1)。
【0287】
実施例35
【0288】
【化51】

【0289】
5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボン酸エチル
標記化合物をエチルオキサリルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)480.1(M+1)。
【0290】
実施例36
【0291】
【化52】

【0292】
メチル−1−[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]エチルアセテート
標記化合物を1−クロロカルボニル−1−メチルエチルアセテートを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)507.9(M+1)。
【0293】
実施例37
【0294】
【化53】

【0295】
2−[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]プロパン−2−オール
メチル−1−[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]エチルアセテート(200mg,0.40ミリモル)をMeOH(10mL)中に含む混合物にヒドラジン(3mL)を添加した。室温で18時間後、混合物を60℃で1時間加熱した。反応混合物を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチル及びヘキサンを添加した後、標記化合物を濾過し、乾燥した。MS(+ESI)466.1(M+1)。
【0296】
実施例38
【0297】
【化54】

【0298】
3−{5−[2−(メチルチオ)エチル]−1,3,4−チアジアゾル−2−イル}−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物を3−(メチルチオ)プロパノイルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)482.1(M+1)。
【0299】
実施例39
【0300】
【化55】

【0301】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]メチルアセテート
標記化合物をアセトキシアセチルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+APCI)480.0(M+1)。
【0302】
実施例40
【0303】
【化56】

【0304】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]メタノール
標記化合物を[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]メチルアセテートから実施例37に記載されているように製造した。MS(+ESI)438.1(M+1)。
【0305】
実施例41
【0306】
【化57】

【0307】
3−[5−(2−チエニル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物をチオフェンカルボニルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)490.1(M+1)。
【0308】
実施例42
【0309】
【化58】

【0310】
5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−オール
標記化合物をイソプロピルクロロホルメートを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)424.0(M+1)。
【0311】
実施例43
【0312】
【化59】

【0313】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]酢酸メチル
標記化合物をメチルマロニルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)479.9(M+1)。
【0314】
実施例44
【0315】
【化60】

【0316】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]酢酸
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]酢酸メチル(30mg,0.06ミリモル)をTHF(1mL)/MeOH(1mL)中に含む溶液に1N LiOH(0.125mL,120ミリモル)を添加した。1時間後、反応混合物を酢酸エチルと水の混合物に注いだ。酢酸エチルを分離し、水相をNHC1で酸性化した。水を酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥し、蒸発させた。酢酸エチル及びヘキサンを添加した後、標記化合物を濾過し、乾燥した。MS(+ESI)466(M+1)。
【0317】
実施例45
【0318】
【化61】

【0319】
3−(5−ピリジン−4−イル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物をイソニコチン酸を用いて実施例33に記載されているように製造した。MS(+APCI)485.1(M+1)。
【0320】
実施例46
【0321】
【化62】

【0322】
3−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物をプロピオニルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)436.1(M+1)。
【0323】
実施例47
【0324】
【化63】

【0325】
3−(5−プロピル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
標記化合物をブタノイルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。MS(+ESI)450.1(M+1)。
【0326】
実施例48
【0327】
【化64】

【0328】
(5−{6−[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)メタノール
ステップ14−[2−ブロモフェノキシ]ピペリジン
標記化合物を2−ブロモフェノールを用いて実施例5のステップ1に記載されているように製造した。
【0329】
ステップ26−{4−[2−ブロモフェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル
標記化合物を実施例5のステップ3に記載されているように製造した。
【0330】
ステップ36−[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボヒドラジド
標記化合物を実施例6のステップ1に記載されているように製造した。
【0331】
ステップ4(5−{6−[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)メチルアセテート
標記化合物をアセトキシアセチルクロリドを用いて実施例28に記載されているように製造した。
【0332】
ステップ5(5−{6−[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)メタノール
標記化合物を(5−{6−[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)メチルアセテートを用いて実施例37に記載されているように製造した。MS(+ESI)449(M+1)。
【0333】
実施例49
【0334】
【化65】

【0335】
(5−{6−[4−(3−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)メタノール
標記化合物を4−[3−ブロモフェノキシ]ピペリジンを用いて実施例48に記載されているように製造した。MS(+ESI)449(M+1)。
【0336】
実施例50
【0337】
【化66】

【0338】
3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
ステップ1トリフェニル[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ホスホニウムブロミド
2−(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド(100g,418ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(110g,420ミリモル)をアセトニトリル(400mL)中に含む混合物を撹拌し、80℃に24時間加熱した。次いで、反応溶液を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗な油状物をEtOと混合し、数分後ホスホニウム塩の結晶化が生じた。生じた白色固体を濾過により集め、EtOで洗浄し、真空下で乾燥して、標記化合物を得た。
【0339】
ステップ24−[2−(トリフルオロメチル)ベンジリデン]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
トリフェニル[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ホスホニウムブロミド(51g,102ミリモル)をTHF(200mL)中に含む懸濁液に0℃でNaH(油中60%)(4.48g,112ミリモル)を添加した。冷却浴を外し、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、黄色懸濁液を再び0℃に冷却し、N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン(22.3g,112ミリモル)で処理した。反応混合物が室温に達したら、50℃に3時間加熱した後、60℃に18時間加熱した。懸濁液を冷却し、EtOAcと水性NaHCO溶液に分配した。水性相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配 1%→10% 酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、標記化合物を無色油状物として得た。
【0340】
ステップ34−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジニウムクロリド
4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジリデン]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(14.3g,41.7ミリモル)及び炭素担持10% Pd(2.63g)をEtOAc(250mL)中に含む脱ガス懸濁液を水素雰囲気下(1気圧)に置いた。懸濁液を室温で6時間撹拌した。次いで、反応混合物をセライトパッドを介して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗な油状物をEtOH(100mL)で希釈し、室温で1,4−ジオキサン中4N HCl(100mL,400ミリモル)で処理した。1.5時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去した。粗な物質をEtOと摩砕し、生じた白色固体を濾過により集め、EtOで洗浄し、減圧下で乾燥して、標記化合物を得た。
【0341】
ステップ46−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド
実施例1のステップ2からの6−クロロピリダジン−3−カルボン酸メチル(1.01g,5.87ミリモル)及び4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジニウムクロリド(2.01g,7.17ミリモル)を1,4−ジオキサン(50mL)中に含む混合物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4mL,23.0ミリモル)を添加し、最終混合物を一晩還流加熱した。溶液を冷却し、EtOAcと水中1N 希HCl(25mL,25ミリモル)に分配した。水性相をEtOAcで2回抽出し、有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。得られた粗な油状物をMeOH(50mL)で希釈し、ヒドラジン水和物(7mL)で処理し、反応混合物を85℃で0.5時間加熱した。混合物を濃縮し、トルエンと複数回共蒸発させることにより過剰のヒドラジン及び水を除去した。粗な物質をEtO:ヘキサン混合物と摩砕し、生じた白色固体を濾過により集め、EtO/ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、標記化合物を得た。
【0342】
ステップ5N’−アセチル−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド
6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(238mg,0.63ミリモル)をCHCl(16mL)及び水(8mL)中に含む混合物を0℃で撹拌しながら、ここにアセチルクロリドに(60μL,0.84ミリモル)を添加した。室温で20分後、反応混合物をCHClと水性NaHCO溶液に分配した。有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗な物質をEtO:ヘキサン混合物と摩砕し、生じた白色固体を濾過により集め、EtO/ヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥して、標記化合物を得た。
【0343】
ステップ63−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
N’−アセチル−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(196mg,0.47ミリモル)をトルエン(10mL)中に含む溶液に五硫化リン(421mg,0.95ミリモル)を添加した。混合物を密封管において155℃で1時間加熱した。粗な混合物を0℃に冷却し、ここにDMSOを注意深く添加した。発熱が観察された。次いで、反応混合物を酢酸エチル:ヘキサン(勾配 10%→50%)を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーにより精製するために直接シリカゲルに注いだ。フラッシュクロマトグラフィー(勾配 10%→50% 酢酸エチル:ヘキサン)に複数回かけ、EtO:ヘキサンを添加した後、標記化合物をオフホワイト色固体として濾別した。H NMR(d−アセトン,400MHz):δ 8.08(1H,d),7.74(1H,d),7.65(1H,t),7.56(1H,d),7.47(1H,t),7.37(1H,d),4.67(2H,m),3.04(2H,m),2.86−2.80(5H,m),2.10(1H,m),1.82(2H,m),1.47−1.39(2H,m)ppm。MS(+ESI)420.1(M+1)。
【0344】
実施例51
【0345】
【化67】

【0346】
[5−(6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]メタノール
ステップ1(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン
(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(5g,26.7ミリモル)、2−(トリフルオロメチル)フェノール(4.8g,29.4ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(8.4g,32ミリモル)をTHF(75mL)中に含む溶液に室温でDEAD(5.1mL,32ミリモル)を〜5−10分間かけて添加した。混合物を室温で2日間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAcで希釈し、1N 水性NaOH、ブラインで順次洗浄した。EtOAc層を分離し、乾燥(NaSO)し、濃縮した、H:E(10:1→3:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより、(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを無色油状物として得た。この油状物は放置すると固化した。
【0347】
上記からの(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルをCHCl(80mL)中に含む溶液に室温でTFA(8mL)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAcで希釈し、1N 水性NaOH,ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮して、標記化合物を明褐色油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ 7.58(d,1H),7.49(t,1H),7.03−6.99(m,2H),4.97(t,1H),3.27−3.19(m,2H),3.02−2.92(m,2H),2.13−1.99(m,2H)。
【0348】
ステップ26−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル
6−クロロピリダジン−3−カルボン酸メチル(1.1g,6.4ミリモル)、(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン(1.6g,6.9ミリモル)、炭酸カリウム(1.8g,12.7ミリモル)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(47mg,0.13ミリモル)をジオキサン(60mL)中に含む混合物を90〜95℃浴で24時間加熱した。冷却した後、混合物をセライトを介して濾過し、EtOAcで洗浄し、濃縮した。残渣をEtOAc中に再溶解し、水で2回洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮し、EtO:ヘキサンとスイッシュして、標記化合物を褐色粉末として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ 7.88(d,1H),7.69−7.63(m,2H),7.43(d,1H),7.15(t,1H),6.96(d,1H),5.53(s,1H),4.00(m,3H),3.90(s,3H),3.75(m,1H),2.54−2.44(m,2H)。
【0349】
ステップ36−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド
ステップ2からの6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボン酸メチル(400mg,1.1ミリモル)をMeOH(5mL)中に含む懸濁液にヒドラジン(1.6mL,32.7ミリモル)を添加した。混合物を30分間還流した。溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOとスイッシュして、標記化合物を淡黄色固体として得た。
【0350】
ステップ42−オキソ−2−{2−[(6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)カルボニル]ヒドラジノ}エチルアセテート
ステップ3からの6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(150mg,0.408ミリモル)をCHCl−HO(7.5mL,2:1,0.054M)中に含む混合物に0℃でアセトキシアセチルクロリド(57μL,0.53ミリモル)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。追加のCHClで希釈した後、混合物を飽和NaHCOで洗浄した。CHCl層を分離し、乾燥(NaSO)し、濃縮して、標記化合物を得た。
【0351】
ステップ5[5−(6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]メタノール
ステップ4からの2−オキソ−2−{2−[(6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)カルボニル]ヒドラジノ}エチルアセテート(160mg,0.342ミリモル)及びローソン試薬(180mg,0.445ミリモル)をCHCN(5mL,0.068M)中に含む混合物を約65〜70℃で3時間加熱した。冷却した後、溶媒を真空下で蒸発させた。Combi−Flash(10g,20分で50→100% EtOAc/ヘキサン,20mL/分,15mL/画分)により、次の反応のための部分的に精製した中間体[5−(6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]メチルアセテートを得た。
【0352】
[5−(6−{(3S)−3−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピロリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]メチルアセテート(159mg,0.342ミリモル)をMeOH−THF(6mL,1:1,0.057M)中に含む溶液に室温で1M NaOH(684μL,0.684ミリモル)を添加した。混合物を30分間撹拌し、溶媒を真空下で除去した。残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を希ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。Combi−Flash(10g,100% EtOAcで20分間,20mL/分,15mL/画分)により、標記化合物を白色粉末として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ 8.14(d,1H),7.67(m,2H),7.44(d,1H),7.18−7.10(m,2H),5.55(s,1H),5.29(t,1H),5.05(d,2H),4.04−3.75(m,4H),2.59−2.49(m,2H)。MS(+ESI) m/z=424(MH)。
【0353】
実施例52
【0354】
【化68】

【0355】
3−(5−tert−ブチル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
実施例28のステップ1からのN’−(2,2−ジメチルブロパノイル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−カルボヒドラジド(320mg,0.69ミリモル)をTHF(4mL)中に含む溶液に過剰のバージェス試薬(320mg)を添加した。混合物をマイクロ波を用いて150℃で15分間加熱した。反応混合物を酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチル及びヘキサンを添加した後、標記化合物を濾過した。H NMR(d−アセトン,400MHz):δ 8.05(1H,d),7.65(2H,m),7.45(1H,d),7.40(1H,m),7.15(1H,t),5.10(1H,m),4.05(4H,m),2.20(2H,m),1.99(2H,m),1.50(9H,s)ppm。MS(+ESI)448.1(M+1)。
【0356】
上記実施例に示した手順を用い、以下の追加実施例を適切なアシルクロリド及び置換ピペリジン誘導体を用いて製造した。
【0357】
実施例53
【0358】
【化69】

【0359】
3−(5−イソブチル1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)448.1(M+1)。
【0360】
実施例54
【0361】
【化70】

【0362】
3−[5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)486.0(M+1)。
【0363】
実施例55
【0364】
【化71】

【0365】
3−{5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル}−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)546.1(M+1)。
【0366】
実施例56
【0367】
【化72】

【0368】
3−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)431.8(M+1)。
【0369】
実施例57
【0370】
【化73】

【0371】
3−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−6−(5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)ピリダジン
MS(+ESI)418.2(M+1)。
【0372】
実施例58
【0373】
【化74】

【0374】
3−[5−(シクロプロピルメチル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+APCI)446.0(M+1)。
【0375】
実施例59
【0376】
【化75】

【0377】
3−(5−イソプロピル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)434.2(M+1)。
【0378】
実施例60
【0379】
【化76】

【0380】
5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸エチル
MS(+ESI)464.0(M+1)。
【0381】
実施例61
【0382】
【化77】

【0383】
1−[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]エチル酢酸メチル
MS(+ESI)491.9(M+1)。
【0384】
実施例62
【0385】
【化78】

【0386】
2−[5−(6−{4−[2−トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]プロパン−2−オール
MS(+ESI)450.1(M+1)。
【0387】
実施例63
【0388】
【化79】

【0389】
3−{5−[2−(メチルチオ)エチル]−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル}−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)466.1(M+1)。
【0390】
実施例64
【0391】
【化80】

【0392】
3−{5−[2−(メチルスルホニル)エチル]−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル}−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)498.1(M+1)。
【0393】
実施例65
【0394】
【化81】

【0395】
3−{5−[2−(メチルスルフィニル)エチル]−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル}−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)482.1(M+1)。
【0396】
実施例66
【0397】
【化82】

【0398】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]メチルアセテート
MS(+ESI)464.0(M+1)。
【0399】
実施例67
【0400】
【化83】

【0401】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]メタノール
H NMR(d−アセトン,400MHz):δ 8.05(d,1H),7.70−7.60(m,2H),7.45(d,1H),7.38(d,1H),7.12(t,1H),5.10−5.0(m,2H),4.88(d,2H),4.13−3.92(m,4H),2.22−2.12(m,2H),2.05−1.95(m,2H)ppm。MS(+ESI)422.0(M+1)。
【0402】
実施例68
【0403】
【化84】

【0404】
3−(5−イソプロポキシ−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)450.2(M+1)。
【0405】
実施例69
【0406】
【化85】

【0407】
3−[5−(2−チエニル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)474.3(M+1)。
【0408】
実施例70
【0409】
【化86】

【0410】
5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−オール
MS(−APCI)406.2(M−1)。
【0411】
実施例71
【0412】
【化87】

【0413】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]酢酸メチル
MS(+ESI)464(M+1)。
【0414】
実施例72
【0415】
【化88】

【0416】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]酢酸
MS(+ESI)450.1(M+1)。
【0417】
実施例73
【0418】
【化89】

【0419】
N−イソプロピル−5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−アミン
MS(+ESI)449.2(M+1)。
【0420】
実施例74
【0421】
【化90】

【0422】
3−(5−ピリジン−4−イル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+APCI)469.1(M+1)。
【0423】
実施例75
【0424】
【化91】

【0425】
3−(5−エチル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)420.1(M+1)
実施例76
【0426】
【化92】

【0427】
3−(5−プロピル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン
MS(+ESI)434.2(M+1)。
【0428】
実施例77
【0429】
【化93】

【0430】
3−[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−6−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)ピリダジン
MS(+ESI)416.1(M+1)。
【0431】
実施例78
【0432】
【化94】

【0433】
(5−{6−[4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)メタノール
MS(+ESI)432.0(M+1)
実施例79
【0434】
【化95】

【0435】
(5−{6−[4−(3−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)メタノール
MS(+ESI)432(M+1)。
【0436】
実施例80
【0437】
【化96】

【0438】
5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)−2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリジン
MS(+ESI)405(M+1)。
【0439】
実施例81
【0440】
【化97】

【0441】
[5−(6−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}ピリダジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル]メタノール
MS(+ESI)421(M+1)。
【0442】
以下の表I〜IVに示す追加実施例を実施例1〜81について記載した方法に従って製造した。
【0443】
【表2】

【表3】




【表4】


【表5】



【0444】
薬剤の例
本発明化合物の経口組成物の具体例として、いずれかの実施例の化合物(50mg)を十分に微細なラクトースを用いて製剤化して全量を580〜590mgとし、これをサイズOの硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0445】
本発明をその具体的実施態様を参照して記載し、説明してきたが、当業者は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく各種変化、修飾及び置換を加え得ることを認識している。例えば、特定状態に対する治療対象のヒトの応答性が異なるために上記した好ましい用量以外の有効用量を適用することも可能であり得る。同様に、観察される薬理応答は選択した特定の活性化合物または医薬用担体の存在の有無、製剤の種類及び使用する投与モードに従って、これらに応じて異なり得る。結果の予想される変化及び差は本発明の目的及び実施に従って考えられる。従って、本発明は請求の範囲によってのみ限定され、請求の範囲は合理的な限り広く解釈されると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
各nは独立して0、1または2であり;
各pは独立して0、1または2であり;
mは1、2または3であり;
W及びZの少なくとも1つはNである条件で、W及びZは各々独立してCHまたはNであり;
X−YはN−C(O)、N−S(O)、N−CR、CH−O、CH−S(O)、CH−NRまたはCH−CRであり;
Arはフェニル、ベンジル、ナフチルまたはヘテロアリールであり、その各々は場合により1〜5個のR置換基で置換されており;
はフェニル、ナフチル、またはオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−オキサジアゾル−5−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、1,2,4−チアジアゾル−3−イル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル及びイミダゾ[1,2−a]ピリジルからなる群から選択されるヘテロ芳香族環であり、前記したフェニル、ナフチル及びヘテロ芳香族環は場合によりRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
及びRは各々独立して水素、または場合によりハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC1−3アルキルであり;
各Rは独立してC1−6アルキル、C2−4アルケニル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHOC(O)R、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、(CHP(=O)(OR、(CHOP(=O)(OR、(CHO(CHP(=O)(OR、O(CHC(O)N(R、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、前記したフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立してC1−6アルキル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、O(CHC(O)N(R、(CHP(=O)(OR、(CHOP(=O)(OR、(CHO(CHP(=O)(OR、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、前記したフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立して水素、C1−6アルキル、(CH−フェニル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ナフチル及び(CH−C3−7シクロアルキルからなる群から選択され、前記したアルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されているか、または2個のR基はこれらが結合している原子と一緒に、場合によりO、S及びNC1−4アルキルから選択される追加ヘテロ原子を含有する4〜8員の単環式または二環式環系を形成し;
は水素または場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−6アルキルであり;
ただしX−YがCH−CHを表すときRはフェニルでない]
を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
W及びZは共にNである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
WはCHであり、ZはNである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
mは2である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
mは1である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
X−YはN−C(O)であり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
X−YはCH−Oであり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
X−YはN−CRであり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
X−YはCH−CRであり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルであり、ただしX−YがCH−CHのときRはフェニルでない請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはCH−Oであり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
W及びZは共にNであり、mは1であり、X−YはCH−Oであり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはN−C(O)であり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
W及びZは共にNであり、mは2であり、X−YはCH−CRであり、R及びRは水素であり、Arは各々が場合により1〜3個のR置換基で置換されているフェニルまたはピリジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
は各々が未置換であるかまたはRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている1,3−ベンゾチアゾル−2−イル、1H−ベンゾイミダゾル−2−イル、1,3−チアゾル−4−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、1,3,4−オキサジアゾル−2−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1,2,4−チアジアゾル−3−イル、1,3,4−チアジアゾル−2−イル、1H−イミダゾル−1−イル、1H−ピロル−1−イル、1H−インドル−3−イル、1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル、1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル及び2H−1,2,3−トリアゾル−2−イルからなる群から選択されるヘテロ芳香族環である請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
各Rは独立してハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルキルスルホニル、シアノ及びC1−4アルコキシからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
各Rは独立してハロゲン、ヒドロキシ、場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキル、CH−シクロプロピル、シクロプロピル、シアノ、N(R、CHN(R、C(O)N(R、C(O)R、CO、CHCO、CHOCOR、OR、CHOR、NRC(O)R、SON(R、(CHS(O)、フェニル、ピリジル及びチエニルからなる群から選択され、フェニル、ピリジル及びチエニルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、R中の各メチレン(CH)炭素原子は場合によりヒドロキシ、フッ素及びメチルから独立して選択される1〜個の置換基で置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
【化2】





からなる群から選択される化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物を医薬的に許容され得る担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項19】
SCDの阻害に対して応答性の障害、疾患または状態の治療、コントロールまたは予防を要する哺乳動物に対して治療有効量の構造式I:
【化3】

[式中、
各nは独立して0、1または2であり;
各pは独立して0、1または2であり;
mは1、2または3であり;
W及びZの少なくとも1つはNである条件で、W及びZは各々独立してCHまたはNであり;
X−YはN−C(O)、N−S(O)、N−CR、CH−O、CH−S(O)、CH−NRまたはCH−CRであり;
Arはフェニル、ベンジル、ナフチルまたはヘテロアリールであり、その各々は場合により1〜5個のR置換基で置換されており;
はフェニル、ナフチル、またはオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−オキサジアゾル−5−イル、1,2,4−オキサジアゾル−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾル−5−イル、1,2,4−チアジアゾル−3−イル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル及びイミダゾ[1,2−a]ピリジルからなる群から選択されるヘテロ芳香族環であり、フェニル、ナフチル及びヘテロ芳香族環は場合によりRから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
及びRは各々独立して水素、または場合によりハロゲン及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されているC1−3アルキルであり;
各Rは独立してC1−6アルキル、C2−4アルケニル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHOC(O)R、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、(CHP(=O)(OR、(CHOP(=O)(OR、(CHOCHP(=O)(OR、O(CHC(O)N(R、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルスルホニル、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立してC1−6アルキル、(CHOR、(CH−フェニル、(CH−ナフチル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ヘテロシクリル、(CH−C3−7シクロアルキル、ハロゲン、(CHN(R、(CHC≡N、(CHCO、(CHCOR、NO、(CHNRSO、(CHSON(R、(CHS(O)、(CHNRC(O)N(R、(CHC(O)N(R、(CHC(O)N(OR)R、(CHC(O)N(NH)R、(CHNRC(O)R、(CHNRCO、O(CHC(O)N(R、CF、CHCF、OCF及びOCHCFからなる群から選択され、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合によりハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル、及び場合によりヒドロキシまたは1〜3個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)炭素原子は場合によりフッ素、ヒドロキシ、及び場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されているか、または同一メチレン(CH)基上にある2個の置換基はこれらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル基を形成し;
各Rは独立して水素、C1−6アルキル、(CH−フェニル、(CH−ヘテロアリール、(CH−ナフチル及び(CH−C3−7シクロアルキルからなる群から選択され、アルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されているか、または2個のR基はこれらが結合している原子と一緒に、場合によりO、S及びNC1−4アルキルから選択される追加ヘテロ原子を含有する4〜8員の単環式または二環式環系を形成し;
は水素または場合により1〜5個のフッ素で置換されているC1−6アルキルである]
を有する化合物を投与することを含む前記哺乳動物におけるSCDの阻害に対して応答性の障害、疾患または状態の治療、コントロールまたは予防方法。
【請求項20】
障害、状態または疾患は2型糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、メタボリック症候群及び脂肪肝疾患からなる群から選択される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
哺乳動物においてステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼの阻害に対して応答性の障害、状態または疾患の治療のための請求項19に記載の化合物の使用。
【請求項22】
障害、状態または疾患は2型糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、メタボリック症候群及び脂肪肝疾患からなる群から選択される請求項21に記載の使用。
【請求項23】
脂質障害は脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される請求項22に記載の使用。
【請求項24】
哺乳動物における2型糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、メタボリック症候群及び脂肪肝疾患の治療用薬剤の製造における請求項19に記載の化合物の使用。
【請求項25】
脂質障害は脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される請求項24に記載の使用。

【公表番号】特表2009−501733(P2009−501733A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521759(P2008−521759)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/CA2006/001175
【国際公開番号】WO2007/009236
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】