ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法及び装置
本発明は、熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法に関する。本発明によれば、前記鋼帯は焼鈍に引き続く冷却後に、接続されたプラズマスケール除去設備内でスケール除去され、前記プラズマスケール除去が真空下に複数の段階で行われ、前記鋼帯はこれらの段階の間及び最終段階後に冷却ロールによる被制御冷却を施され、これによって、前記鋼帯が前記プラズマスケール除去設備から進出するとき100℃以下の温度を有することとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延ステンレス鋼帯又は冷間圧延ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱間圧延ステンレス鋼帯及び冷間圧延ステンレス鋼帯を、例えば、熱延鋼帯の冷間圧延によって継続加工する際には、又は冷延鋼帯を最終製品に製造する際には、鋼帯を焼鈍して、スケールのない表面にしなければならない。それゆえに、熱間圧延時又は焼鈍時に発生するスケールは完全に除去される必要がある。フェライト系熱延鋼帯を除くステンレス鋼帯の焼鈍とスケール除去とは、公知の方法では、連続焼鈍酸洗ラインにてインラインで行われる。オーステナイト系ステンレス熱延鋼帯又は冷延鋼帯の焼鈍、及びフェライト系ステンレス冷延鋼帯の焼鈍は、水平連続炉にて行われ、引き続き冷却ゾーンにて鋼帯が100℃以下の温度に冷却される。
【0003】
これに対して、フェライト系ステンレス熱延鋼帯は、冶金上の諸般の理由から焼鈍酸洗ラインの外側でコイルとして長期間箱焼鈍を施され、引き続きコイルが空気冷却される。この材料のスケール除去は、通常では上記した連続焼鈍酸洗ラインにて行われ、この場合、箱焼鈍が既に行われているためにスケール除去のみが必要となっており、又は焼鈍炉の無い特殊な酸洗ラインにて行われる。
【0004】
特に、熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び熱間圧延フェライト系ステンレス鋼帯のスケール除去は極めて労力を要し、公知の方法では、複数の段階が必要となっている。鋼帯は先ず鋼粒ショットブラストとブラッシングとによって機械的に予備スケール除去が行われ、これによって、スケールの大部分が除去される。その後に、鋼帯は電気分解式にて、引き続き化学式にて、温度を高めて複数種の酸によって酸洗され、尚も存在するスケールが完全に除去されることとなる。冷間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び冷間圧延フェライト系ステンレス鋼帯ではスケール層が著しく薄いので、機械的予備スケール除去は必要でないが、これによって、さらに粗さが過度に増加することになる。
【0005】
現在利用される方法は、熱延鋼帯の場合スケール層が比較的厚く、クロムに富んだ酸化鉄が難溶性であって、このことによって取り除くことが困難であるので、極めて労力を要する。さらに、使用済みの酸、廃水、及び酸洗時に発生する有毒排ガスの廃棄処理に大きな労力が必要になる。
【0006】
ステンレス鋼帯のスケール除去は依然として環境負荷と結び付いており、環境負荷を最少化することが高い費用と結び付いている。
【0007】
ステンレス鋼帯をスケール除去するための環境に優しい新たな一方法が、プラズマ技術である。例えば、特許文献1と、特許文献2と、特許文献3とを参照のこと。
【0008】
これらに開示されたプラズマスケール除去技術では、スケール除去されるべき鋼帯は真空室内にある特殊な電極の間を通過する。スケール除去は、電極と鋼帯との間にあるプラズマによって行われ、スケール除去プロセスの終了後に金属的に清浄な状態の鋼帯表面が存在することとなる。
【0009】
プラズマスケール除去後、鋼帯は真空中で冷却ロールによって冷却され、これによって、プラズマスケール除去時に発生した鋼帯熱は真空室から進出する前に最高100℃の温度に下げられることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1814678号明細書
【特許文献2】国際公開第00/056949号パンフレット
【特許文献3】ロシア特許第2145912号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ステンレス鋼帯において利用するために、このプラズマスケール除去を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、本発明によれば、請求項1、2、及び4の特徴と請求項8によるこの方法を実施する装置とによって解決される。
【0013】
その他の諸構成は従属請求項から明らかとなる。
【0014】
プラズマ技術は、特にステンレス鋼帯に関して、環境に優しい質的に問題のない経済的なスケール除去技術である。冷却された熱間圧延ステンレス鋼帯又は冷間圧延ステンレス鋼帯は、連続焼鈍酸洗ラインにてプラズマ技術のみによって完全にスケール除去することができる。熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び熱間圧延フェライト系ステンレス鋼帯用の一つの変更された態様は、鋼粒ショットブラストによる予備スケール除去と後続のプラズマスケール除去との組合せであり、これによって、プラズマスケール除去用に必要なプロセス時間は著しく短縮することができる。
【0015】
冷間圧延ステンレス鋼帯では、スケール層が熱間圧延鋼帯の場合よりも著しく薄いので機械的予備スケール除去は問題にならない。
【0016】
以下、図面を参考に本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
鋼帯1は巻出リール11から巻き出される。各後続コイルの鋼帯末端は溶接機12で互いに溶接される。次に鋼帯は鋼帯貯蔵部13を通過し、その後、鋼帯張力を生じさせるS型ロールスタンド14を経由し、その後、水平焼鈍炉2を通過し、そこで最高1200℃以下の温度で焼鈍される。焼鈍後、鋼帯1は冷却ゾーン3を通過し、そこで空気又は空気・水噴霧によって100℃以下の温度に冷却される。次に、鋼帯1は搬送方向Rにおいて転向ローラ15で転向され、S型ロールスタンド16を経由し、延伸曲げ矯正装置4に通され、平らな鋼帯が生成される。その後、鋼帯は鋼粒ショットブラスト装置5を通過する。熱間圧延ステンレス鋼帯1はこの鋼粒ショットブラスト装置で予備スケール除去することができる。相応に高出力な構成である場合、鋼粒ショットブラスト装置5は後続のプラズマスケール除去設備6を必要としない。
【0019】
鋼帯1は、次に、鋼帯張力を生じさせるのに必要な他のS型ロールスタンド17を経由し、多段真空ロック装置7を通過してプラズマスケール除去設備6のプロセス室8に走り込み、この設備内でプラズマスケール除去が行われる。鋼帯1の上方及び下方で鋼帯幅全体にわたって鋼帯に対して所定の距離を置いて、プラズマを生成する電極9が配置されている。ここに略示したプラズマスケール除去設備6は2つのプロセス室8を有する。設備の能力に応じてプロセス室8の数及び長さは種々の形態とすることができる。鋼帯を冷却するための調整可能な冷却ロール10を有する冷却ゾーンがプロセス室の間に配置されており、これらの冷却ロールはやはり真空中にある。鋼帯は冷却ロール10によって主に100℃以下の温度に冷却され、次に第2プロセス室8を通過する。プラズマを発生する電極が第2プロセス室内で、やはり鋼帯1の上方及び下方に配置されている。このプロセス室内で、鋼帯の両側になお存在するスケールの完全除去が行われる。次に、スケール除去された鋼帯は3つの冷却ロール10を有する第2冷却ゾーンを通過し、この冷却ゾーン内で鋼帯は100℃以下の温度に冷却される。そこから鋼帯は多段真空ロック装置7を通過し、その後、空気雰囲気中に入り込む。
【0020】
S型ロールスタンド18と鋼帯貯蔵部19とを介して鋼帯1は巻取リール20へと移動し、そこで巻き取られて完成コイル21とされる。
【0021】
ステンレス鋼帯を焼鈍しスケール除去するための上記方法及び設備でもって、市場の要求条件を満たす質的に価値の高いステンレス鋼帯を製造するための経済的で環境的に極めて有利な技術が全体として得られる。
【符号の説明】
【0022】
R 搬送方向
1 鋼帯
2 連続炉
3 冷却ゾーン
4 延伸矯正装置
5 鋼粒ショットブラスト装置
6 プラズマスケール除去設備
7 真空ロック装置
8 プロセス室
9 プラズマ電極
10 冷却ロール
11 巻出リール
12 溶接機
13 入側鋼帯貯蔵部
14 鋼帯張力付与部
15 転向ローラ
16 鋼帯張力付与部
17 鋼帯張力付与部
18 鋼帯張力付与部
19 出側鋼帯貯蔵部
20 巻取リール
21 完成鋼コイル
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延ステンレス鋼帯又は冷間圧延ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱間圧延ステンレス鋼帯及び冷間圧延ステンレス鋼帯を、例えば、熱延鋼帯の冷間圧延によって継続加工する際には、又は冷延鋼帯を最終製品に製造する際には、鋼帯を焼鈍して、スケールのない表面にしなければならない。それゆえに、熱間圧延時又は焼鈍時に発生するスケールは完全に除去される必要がある。フェライト系熱延鋼帯を除くステンレス鋼帯の焼鈍とスケール除去とは、公知の方法では、連続焼鈍酸洗ラインにてインラインで行われる。オーステナイト系ステンレス熱延鋼帯又は冷延鋼帯の焼鈍、及びフェライト系ステンレス冷延鋼帯の焼鈍は、水平連続炉にて行われ、引き続き冷却ゾーンにて鋼帯が100℃以下の温度に冷却される。
【0003】
これに対して、フェライト系ステンレス熱延鋼帯は、冶金上の諸般の理由から焼鈍酸洗ラインの外側でコイルとして長期間箱焼鈍を施され、引き続きコイルが空気冷却される。この材料のスケール除去は、通常では上記した連続焼鈍酸洗ラインにて行われ、この場合、箱焼鈍が既に行われているためにスケール除去のみが必要となっており、又は焼鈍炉の無い特殊な酸洗ラインにて行われる。
【0004】
特に、熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び熱間圧延フェライト系ステンレス鋼帯のスケール除去は極めて労力を要し、公知の方法では、複数の段階が必要となっている。鋼帯は先ず鋼粒ショットブラストとブラッシングとによって機械的に予備スケール除去が行われ、これによって、スケールの大部分が除去される。その後に、鋼帯は電気分解式にて、引き続き化学式にて、温度を高めて複数種の酸によって酸洗され、尚も存在するスケールが完全に除去されることとなる。冷間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び冷間圧延フェライト系ステンレス鋼帯ではスケール層が著しく薄いので、機械的予備スケール除去は必要でないが、これによって、さらに粗さが過度に増加することになる。
【0005】
現在利用される方法は、熱延鋼帯の場合スケール層が比較的厚く、クロムに富んだ酸化鉄が難溶性であって、このことによって取り除くことが困難であるので、極めて労力を要する。さらに、使用済みの酸、廃水、及び酸洗時に発生する有毒排ガスの廃棄処理に大きな労力が必要になる。
【0006】
ステンレス鋼帯のスケール除去は依然として環境負荷と結び付いており、環境負荷を最少化することが高い費用と結び付いている。
【0007】
ステンレス鋼帯をスケール除去するための環境に優しい新たな一方法が、プラズマ技術である。例えば、特許文献1と、特許文献2と、特許文献3とを参照のこと。
【0008】
これらに開示されたプラズマスケール除去技術では、スケール除去されるべき鋼帯は真空室内にある特殊な電極の間を通過する。スケール除去は、電極と鋼帯との間にあるプラズマによって行われ、スケール除去プロセスの終了後に金属的に清浄な状態の鋼帯表面が存在することとなる。
【0009】
プラズマスケール除去後、鋼帯は真空中で冷却ロールによって冷却され、これによって、プラズマスケール除去時に発生した鋼帯熱は真空室から進出する前に最高100℃の温度に下げられることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1814678号明細書
【特許文献2】国際公開第00/056949号パンフレット
【特許文献3】ロシア特許第2145912号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ステンレス鋼帯において利用するために、このプラズマスケール除去を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、本発明によれば、請求項1、2、及び4の特徴と請求項8によるこの方法を実施する装置とによって解決される。
【0013】
その他の諸構成は従属請求項から明らかとなる。
【0014】
プラズマ技術は、特にステンレス鋼帯に関して、環境に優しい質的に問題のない経済的なスケール除去技術である。冷却された熱間圧延ステンレス鋼帯又は冷間圧延ステンレス鋼帯は、連続焼鈍酸洗ラインにてプラズマ技術のみによって完全にスケール除去することができる。熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び熱間圧延フェライト系ステンレス鋼帯用の一つの変更された態様は、鋼粒ショットブラストによる予備スケール除去と後続のプラズマスケール除去との組合せであり、これによって、プラズマスケール除去用に必要なプロセス時間は著しく短縮することができる。
【0015】
冷間圧延ステンレス鋼帯では、スケール層が熱間圧延鋼帯の場合よりも著しく薄いので機械的予備スケール除去は問題にならない。
【0016】
以下、図面を参考に本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
鋼帯1は巻出リール11から巻き出される。各後続コイルの鋼帯末端は溶接機12で互いに溶接される。次に鋼帯は鋼帯貯蔵部13を通過し、その後、鋼帯張力を生じさせるS型ロールスタンド14を経由し、その後、水平焼鈍炉2を通過し、そこで最高1200℃以下の温度で焼鈍される。焼鈍後、鋼帯1は冷却ゾーン3を通過し、そこで空気又は空気・水噴霧によって100℃以下の温度に冷却される。次に、鋼帯1は搬送方向Rにおいて転向ローラ15で転向され、S型ロールスタンド16を経由し、延伸曲げ矯正装置4に通され、平らな鋼帯が生成される。その後、鋼帯は鋼粒ショットブラスト装置5を通過する。熱間圧延ステンレス鋼帯1はこの鋼粒ショットブラスト装置で予備スケール除去することができる。相応に高出力な構成である場合、鋼粒ショットブラスト装置5は後続のプラズマスケール除去設備6を必要としない。
【0019】
鋼帯1は、次に、鋼帯張力を生じさせるのに必要な他のS型ロールスタンド17を経由し、多段真空ロック装置7を通過してプラズマスケール除去設備6のプロセス室8に走り込み、この設備内でプラズマスケール除去が行われる。鋼帯1の上方及び下方で鋼帯幅全体にわたって鋼帯に対して所定の距離を置いて、プラズマを生成する電極9が配置されている。ここに略示したプラズマスケール除去設備6は2つのプロセス室8を有する。設備の能力に応じてプロセス室8の数及び長さは種々の形態とすることができる。鋼帯を冷却するための調整可能な冷却ロール10を有する冷却ゾーンがプロセス室の間に配置されており、これらの冷却ロールはやはり真空中にある。鋼帯は冷却ロール10によって主に100℃以下の温度に冷却され、次に第2プロセス室8を通過する。プラズマを発生する電極が第2プロセス室内で、やはり鋼帯1の上方及び下方に配置されている。このプロセス室内で、鋼帯の両側になお存在するスケールの完全除去が行われる。次に、スケール除去された鋼帯は3つの冷却ロール10を有する第2冷却ゾーンを通過し、この冷却ゾーン内で鋼帯は100℃以下の温度に冷却される。そこから鋼帯は多段真空ロック装置7を通過し、その後、空気雰囲気中に入り込む。
【0020】
S型ロールスタンド18と鋼帯貯蔵部19とを介して鋼帯1は巻取リール20へと移動し、そこで巻き取られて完成コイル21とされる。
【0021】
ステンレス鋼帯を焼鈍しスケール除去するための上記方法及び設備でもって、市場の要求条件を満たす質的に価値の高いステンレス鋼帯を製造するための経済的で環境的に極めて有利な技術が全体として得られる。
【符号の説明】
【0022】
R 搬送方向
1 鋼帯
2 連続炉
3 冷却ゾーン
4 延伸矯正装置
5 鋼粒ショットブラスト装置
6 プラズマスケール除去設備
7 真空ロック装置
8 プロセス室
9 プラズマ電極
10 冷却ロール
11 巻出リール
12 溶接機
13 入側鋼帯貯蔵部
14 鋼帯張力付与部
15 転向ローラ
16 鋼帯張力付与部
17 鋼帯張力付与部
18 鋼帯張力付与部
19 出側鋼帯貯蔵部
20 巻取リール
21 完成鋼コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法において、
前記鋼帯(1)が、
連続ラインにて先ず最高1200℃の温度にて連続炉(2)内で短時間焼鈍され、
次に引き続く冷却区間(3)にて100℃以下の温度に冷却され、
次に延伸曲げ矯正装置(4)にて矯正され、
引き続き接続されたプラズマスケール除去設備(6)内でスケール除去され、前記プラズマスケール除去は真空下にて複数の段階で行われており、
前記鋼帯が、これらの段階の間及び最終段階後に冷却ロール(10)による被制御冷却を施され、
これによって、前記鋼帯が前記プラズマスケール除去設備から進出するときに100℃以下の温度を有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
熱間圧延フェライト系ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法において、
前記鋼帯が先ずコイルとして箱焼鈍装置内で長期間箱焼鈍を施され、
引き続き前記コイルが100℃以下の温度に冷却され、
引き続き前記鋼帯が接続されたプラズマスケール除去設備(6)内でスケール除去され、
前記プラズマスケール除去が真空下に複数の段階で行われ、
前記鋼帯が、これらの段階の間及び最終段階後に冷却ロール(10)による被制御冷却を施され、
これによって、前記鋼帯が前記プラズマスケール除去設備から進出するときに100℃以下の温度を有することを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記プラズマスケール除去前にショットブラスト装置(5)内で鋼粒ショットブラストによって機械的予備スケール除去が行われることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
冷間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び冷間圧延フェライト系ステンレス鋼帯を焼鈍しスケール除去する方法において、
前記冷間圧延鋼帯が、前記焼鈍及び冷却後に、前記焼鈍及びスケール除去のプロセスパラメータを考慮して、冷間圧延鋼帯用の特殊な要求条件で連続ラインにて、接続されたプラズマスケール除去設備(6)内でスケール除去され、前記プラズマスケール除去は真空下に複数の段階で行われ、
前記鋼帯が、これらの段階の間及び最終段階後に冷却ロール(10)による被制御冷却を施され、
これによって、前記鋼帯が前記プラズマスケール除去設備から進出するときに100℃以下の温度を有することを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記鋼帯の両側で完璧にスケール除去して極力高い生産が得られるように、プラズマ電極(9)のオンオフによってプラズマスケール除去活性区間の全長を制御することによって、前記プラズマスケール除去設備の生産能力が、焼鈍炉内での所要鋼帯速度と複数種の材料の異なるスケール層の要求条件とに適合可能となっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プラズマスケール除去後、スケール除去された前記鋼帯の延伸矯正及び/又はスキンパス圧延がラインにて連続的に行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プラズマスケール除去時に両方の鋼帯表面にわたる陰極点の運動が可動電磁界によって制御されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法を実施する装置において、
鋼帯(1)の搬送方向(R)にて略水平な連続炉(2)に後続する冷却区間(3)と、
延伸曲げ矯正装置(4)と、
鋼粒ショットブラストによって機械的に予備スケール除去する装置(5)と、
鋼帯冷却装置(10)を備えたプラズマスケール除去設備(6)と
が配設されていることを特徴とする、装置。
【請求項1】
熱間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法において、
前記鋼帯(1)が、
連続ラインにて先ず最高1200℃の温度にて連続炉(2)内で短時間焼鈍され、
次に引き続く冷却区間(3)にて100℃以下の温度に冷却され、
次に延伸曲げ矯正装置(4)にて矯正され、
引き続き接続されたプラズマスケール除去設備(6)内でスケール除去され、前記プラズマスケール除去は真空下にて複数の段階で行われており、
前記鋼帯が、これらの段階の間及び最終段階後に冷却ロール(10)による被制御冷却を施され、
これによって、前記鋼帯が前記プラズマスケール除去設備から進出するときに100℃以下の温度を有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
熱間圧延フェライト系ステンレス鋼帯を焼鈍してスケール除去する方法において、
前記鋼帯が先ずコイルとして箱焼鈍装置内で長期間箱焼鈍を施され、
引き続き前記コイルが100℃以下の温度に冷却され、
引き続き前記鋼帯が接続されたプラズマスケール除去設備(6)内でスケール除去され、
前記プラズマスケール除去が真空下に複数の段階で行われ、
前記鋼帯が、これらの段階の間及び最終段階後に冷却ロール(10)による被制御冷却を施され、
これによって、前記鋼帯が前記プラズマスケール除去設備から進出するときに100℃以下の温度を有することを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記プラズマスケール除去前にショットブラスト装置(5)内で鋼粒ショットブラストによって機械的予備スケール除去が行われることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
冷間圧延オーステナイト系ステンレス鋼帯及び冷間圧延フェライト系ステンレス鋼帯を焼鈍しスケール除去する方法において、
前記冷間圧延鋼帯が、前記焼鈍及び冷却後に、前記焼鈍及びスケール除去のプロセスパラメータを考慮して、冷間圧延鋼帯用の特殊な要求条件で連続ラインにて、接続されたプラズマスケール除去設備(6)内でスケール除去され、前記プラズマスケール除去は真空下に複数の段階で行われ、
前記鋼帯が、これらの段階の間及び最終段階後に冷却ロール(10)による被制御冷却を施され、
これによって、前記鋼帯が前記プラズマスケール除去設備から進出するときに100℃以下の温度を有することを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記鋼帯の両側で完璧にスケール除去して極力高い生産が得られるように、プラズマ電極(9)のオンオフによってプラズマスケール除去活性区間の全長を制御することによって、前記プラズマスケール除去設備の生産能力が、焼鈍炉内での所要鋼帯速度と複数種の材料の異なるスケール層の要求条件とに適合可能となっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プラズマスケール除去後、スケール除去された前記鋼帯の延伸矯正及び/又はスキンパス圧延がラインにて連続的に行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プラズマスケール除去時に両方の鋼帯表面にわたる陰極点の運動が可動電磁界によって制御されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法を実施する装置において、
鋼帯(1)の搬送方向(R)にて略水平な連続炉(2)に後続する冷却区間(3)と、
延伸曲げ矯正装置(4)と、
鋼粒ショットブラストによって機械的に予備スケール除去する装置(5)と、
鋼帯冷却装置(10)を備えたプラズマスケール除去設備(6)と
が配設されていることを特徴とする、装置。
【図1】
【公表番号】特表2012−515843(P2012−515843A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546584(P2011−546584)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001832
【国際公開番号】WO2010/083797
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(500031054)エスエムエス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト (31)
【氏名又は名称原語表記】SMS Siemag AG
【住所又は居所原語表記】Eduard−Schloemann−Strasse 4, D−40237 Duesseldof, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001832
【国際公開番号】WO2010/083797
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(500031054)エスエムエス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト (31)
【氏名又は名称原語表記】SMS Siemag AG
【住所又は居所原語表記】Eduard−Schloemann−Strasse 4, D−40237 Duesseldof, Germany
【Fターム(参考)】
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