説明

ステージ装置及びその制御方法

【課題】貼り合わせられる上部基板Wuに対して搭載する下部基板Wdの高い平行度を出すことが可能なステージ装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】ステージ装置34は、下部基板Wdを保持する基板保持テーブル36と、一方の軸の周りに基板保持テーブル36を傾動させる第1駆動機構46と、他方の軸の周りに基板保持テーブル36を傾動させる第2駆動機構48と、第1及び第2駆動機構46,48の駆動を制御する制御装置90を備える。そして、制御装置90は、基板保持テーブル36に保持された下部基板Wdが上部基板Wuに当接した際、下部基板Wdから基板保持テーブル36に作用する力の一方の軸周りの力成分と他方の軸周りの力成分とをそれぞれ算出し、各力成分に基づいて下部基板Wdが上部基板Wuに平行になるように第1及び第2駆動機構46,48を駆動して、両基板を平行にさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板保持テーブルの傾斜を調整して、搭載された基板を他の基板に貼り合わせるためのステージ装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板などの基板同士の貼り合わせにおいて、ステージ装置が用いられる。このステージ装置は、一般的に、水平面内におけるXY方向の位置決めを行うXYステージ上に搭載され、XYステージによりXY方向について基板の位置決めがなされた後で、回転(θ)方向及び鉛直(Z)方向の位置決めを行うと共に、傾斜の調整を行うものである。
【0003】
ここで、基板同士を貼り合わせる際には、貼り合わせ不良や破損を防ぐため、基板の高い平行度が要求される。従来、このような基板同士の平行度を出す技術として、例えば特許文献1に開示されたものがある(なお、この特許文献1に開示の技術は、基板同士の貼り合わせに関するものではなく、半導体チップとTABテープとのボンディングに関するものである)。このステージ装置では、レーザ変位計やダイヤルゲージなどにより計測用部材33を介してボンディングツール下面の傾斜を計測し、この計測値に基づいてチルトテーブル(プレート16)の傾斜を調整することで、チップ搭載ステージ20をボンディングツールの下面の平行度に倣い合わせている。
【特許文献1】特開平9−64094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の技術を基板の貼り合わせに利用したのでは、ある程度の平行度まで倣い合わせることはできるものの、達成できる平行度に限界があるため、残った微小な傾斜により過度な反力が作用して基板を破損させたり、貼り合わせ不良が生じたりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであり、貼り合わせられる他の基板に対して搭載する基板の高い平行度を出すことが可能なステージ装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るステージ装置は、基板を保持するための基板保持テーブルと、基板保持テーブルの平面視において互いに交差する二つの軸のうち一方の軸の周りに基板保持テーブルを傾動させるための第1駆動機構と、一方の軸とは異なる他方の軸の周りに基板保持テーブルを傾動させるための第2駆動機構と、第1駆動機構及び第2駆動機構のそれぞれの駆動を制御する制御装置とを備える。そして、この制御装置は、基板保持テーブルに保持された基板とこの基板に対向する他の基板とが互いに当接した際、基板から基板保持テーブルに作用する力の一方の軸周りの力成分と他方の軸周りの力成分とをそれぞれ算出し、これら各力成分に基づいて、基板が他の基板に平行になるように第1駆動機構及び第2駆動機構を駆動することを特徴とする。
【0007】
このステージ装置では、基板保持テーブルに保持された基板とこの基板に対向する他の基板とが互いに当接した際、基板から基板保持テーブルに作用する力の一方の軸周りの力成分と他方の軸周りの力成分とをそれぞれ算出し、これら各力成分に基づいて、基板が他の基板に平行になるように第1駆動機構及び第2駆動機構を駆動する制御装置を備えている。このため、貼り合わせられる他の基板に対する基板の微小な傾斜を、基板から基板保持テーブルに作用する力の一方及び他方の軸周りの力成分として算出することが可能となり、これら各力成分に基づいて第1及び第2駆動機構を駆動して基板保持テーブルの傾斜を調整することで、両基板の高い平行度を出すことが可能となる。
【0008】
本発明に係るステージ装置において、二つの軸は、基板保持テーブルの平面視における保持中心である原点を通り且つ互いに直交しており、制御装置は、各力成分に基づいて、基板に対して他の基板から作用する力の重心位置を算出し、この重心位置が原点上でない場合、重心位置を利用して、第1駆動機構及び第2駆動機構の駆動量を算出することが好ましい。このようにすれば、複雑な測定が不要な各力成分から算出される重心位置に基づいて駆動量を算出することができるため、第1駆動機構及び第2駆動機構による基板保持テーブルの傾斜調整を容易に制御することができる。なお、保持中心とは、基板保持テーブル上の点であって、基板における重心に対応する点を意味する。
【0009】
本発明に係るステージ装置において、第1駆動機構は他方の軸上で基板保持テーブルを傾動させるものであり、第2駆動機構は一方の軸上で基板保持テーブルを傾動させるものである。そして、制御装置は、基板と他の基板とが互いに当接した際、第1駆動機構及び第2駆動機構に生じる各反力をそれぞれ各力成分として算出することが好ましい。このようにすれば、両基板が平行になるよう基板保持テーブルを傾動させるために必要である第1駆動機構及び第2駆動機構を用いて、それら機構に生じる各反力を力成分として算出することができるため、簡易な構成のステージ装置とすることができる。
【0010】
本発明に係るステージ装置において、第1駆動機構及び第2駆動機構は流体圧を利用した駆動機構であり、制御装置は、この流体圧の変化に基づいて各反力を算出することが好ましい。このようにすれば、微小な変化が検出しやすい流体圧の変化に基づいて各反力を算出することができ、算出精度が向上する。しかも、このように算出精度が高い反力に基づいて基板保持テーブルの傾斜を調整することができるため、微小な傾斜調整を行うことができる。
【0011】
本発明に係るステージ装置は、基板保持テーブルに保持された基板が他の基板に近づく方向及び離れる方向へ移動するように基板保持テーブルを移動させるための移動機構を更に備えていることが好ましい。そして、制御装置は、基板と他の基板とが互いに当接した際、移動機構に生じる力成分を算出し、この力成分と基板保持テーブルに作用する各力成分と第1駆動機構及び第2駆動機構による基板保持テーブルを傾動させる位置とに基づいて、重心位置を算出することが好ましい。このようにすれば、移動機構に生じる力成分と基板保持テーブルに作用する各力成分と第1,第2駆動機構による基板保持テーブルを傾動させる位置とに基づいて重心位置を算出して、第1,第2駆動機構の駆動量を算出することができるため、算出精度を向上させることができ、しかも、重心位置の算出を容易に行うことができる。
【0012】
本発明に係るステージ装置において、制御装置は、基板と他の基板とが互いに当接した際、移動機構に生じる反力を力成分として算出することが好ましい。このようにすれば、両基板を当接させるための移動機構を用いて、この機構に生じる反力を力成分として算出することができるため、簡易な構成のステージ装置とすることができる。
【0013】
本発明に係るステージ装置において、移動機構は流体圧を利用した駆動機構であり、制御装置は、流体圧の変化に基づいて移動機構に生じる反力を算出することが好ましい。このようにすれば、微小な変化が検出しやすい流体圧の変化に基づいて反力を算出することができ、算出精度が向上する。しかも、このように算出精度が高い反力に基づいて基板保持テーブルの傾斜を調整することができるため、微小な傾斜調整を行うことができる。
【0014】
本発明に係るステージ装置において、制御装置は、他の基板から基板に作用する荷重が上限値を超える場合、基板が他の基板から離れる方向へ基板保持テーブルが移動するように移動機構を駆動することが好ましい。このようにすれば、両基板を倣い制御させる際、基板を破損させるような荷重が両基板にかからないようにすることができる。その結果、基板の破損を防止でき、歩留まりを向上させることができる。
【0015】
本発明に係るステージ装置において、制御装置は、重心位置が原点上である場合であって、且つ、基板への荷重が下限値を超えていない場合、基板が他の基板に近づく方向へ基板保持テーブルが移動するように移動機構を駆動することが好ましい。このようにすれば、両基板を倣い制御させる際、基板の貼り合わせに必要な荷重が両基板に適切にかかるようにすることができる。その結果、不十分な荷重による貼り合わせ不良を避けることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0016】
本発明に係るステージ装置の制御方法は、基板を保持するための基板保持テーブルと、この基板保持テーブルの平面視において互いに交差する二つの軸のうち一方の軸周りに基板保持テーブルを傾動させるための第1駆動機構と、他方の軸周りに基板保持テーブルを傾動させるための第2駆動機構とを備えるステージ装置の制御方法である。そして、このステージ装置の制御方法は、基板保持テーブルに保持された基板とこの基板に対向する他の基板とが互いに当接した際、基板から基板保持テーブルに作用する力の一方の軸周りの力成分と他方の軸周りの力成分とをそれぞれ算出する算出工程と、各力成分に基づいて、基板が他の基板と平行になるように、第1駆動機構及び第2駆動機構を駆動して基板保持テーブルの傾斜を調整する傾斜調整工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
このステージ装置の制御方法では、各力成分に基づいて、基板が他の基板と平行になるように、第1駆動機構及び第2駆動機構を駆動して基板保持テーブルの傾斜を調整する傾斜調整工程を含んでいる。このため、貼り合わせられる他の基板に対する基板の微小な傾斜を、基板から基板保持テーブルに作用する力の一方及び他方の軸周りの力成分として算出することが可能となり、これら各力成分に基づいて第1及び第2駆動機構を駆動して基板保持テーブルの傾斜を調整することで、両基板の高い平行度を出すことが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、貼り合わせられる他の基板に対して搭載する基板の高い平行度を出すことが可能なステージ装置及びその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るステージ装置を備えた基板貼り合わせ装置の構成を模式的に示す概略図である。図1に示すように、基板貼り合わせ装置1は、除振器12、定盤14、ボディー16、上部ステージ20、下部ステージ30、及び制御装置90を備えている。
【0021】
除振器12は、基板貼り合わせ装置1へ伝わる振動を取り除く。この除振器12の上に、定盤14が設けられている。ボディー16は、側壁部と上壁部とを有し、定盤14上で密閉空間を形成する。
【0022】
上部ステージ20は、ボディー16の上壁部の内面に搭載されている。上部ステージ20は、XYθステージ22と基板保持テーブル24とを有している。基板保持テーブル24は、貼り合わせの対象である上部基板(他の基板)Wuを、静電吸着や真空吸着により保持する。XYθステージ22は、水平面内で基板保持テーブル24に保持された上部基板WuのXYθ方向の位置決めを行う
【0023】
下部ステージ30は、定盤14上に搭載されている。下部ステージ30は、XYステージ32と本実施形態に係るステージ装置34とを有している。ステージ装置34は、基板保持テーブル36、チルトテーブル38、支持テーブル45、第1駆動機構46及び第2駆動機構48、θ駆動機構50、及び移動機構52を備えている。
【0024】
このステージ装置34は、チルトテーブル38を第1及び第2駆動機構46,48で駆動し、支持テーブル45をθ駆動機構50で駆動することによって、載置面38a(すなわち、載置面38a上に搭載された基板保持テーブル36に保持される下部基板(基板)Wd)の傾斜角度調整及び回動角度調整が行われる。また、エアシリンダである移動機構52によって、高さ位置の調整も行われる。なお、図3及び図4に示すように、水平面内で互いに90度をなすようにX軸及びY軸を設定し、鉛直方向にZ軸を定めて3次元直交座標系を設定し、以下必要な場合にXYZ座標系を用いて説明する。
【0025】
基板保持テーブル36は、図1及び図2に示すように、貼り合わせの対象である下部基板Wdを保持する。この基板保持テーブル36は、静電力によりウェハを吸着する静電チャックESCと、静電チャックESCを真空吸着する真空チャックVACとを有している。
【0026】
チルトテーブル38は、図3から図5に示すように、円板状のテーブルであり、基板保持テーブル36を載置するための平面状の載置面38aを上面側に有し、凸球面状の軸受面38bを下面側に有する。この軸受面38bの鉛直方向の中心軸線Lはチルトテーブルの中心軸線と一致する。
【0027】
チルトテーブルの側面38cには、中心軸線Lから見てX軸方向の位置に、断面L字型の作動部60が設けられる。図3から図5に示すように、作動部60は、支持テーブル45よりも低い位置でX軸方向に突出する第1の作動片60cと、第1の作動片60cの中心軸線L側の端部と側面38cとを連結させるための鉛直方向に延びる連結部60dとを有している。また、側面38cには、中心軸線Lから見てY軸方向の位置に、断面L字型の作動部62が設けられている。図4に示すように、作動部62は、支持テーブル45よりも低い位置でY軸方向に突出する第2の作動片62cと、第2の作動片62cの中心軸線L側の端部と側面38cとを連結させるための鉛直方向に延びる連結部62dとを有している。なお、第1の及び第2の作動片60c,62cはXY平面上に広がる矩形板とされている。
【0028】
矩形状の支持テーブル45は、エアシリンダである移動機構52に設けられたロッド53の上端に形成されている。図5に示すように、支持テーブル45の上面の略中央部には、チルトテーブル38の軸受面38bを支持するために凹球面状とされた軸受面45bが形成されている。
【0029】
また、支持テーブル45には、軸受面45bを形成するように多孔部45cが埋設され、軸受面45bには多数の微小な孔が形成されている。この多孔部45cからは、パイプP45が導出されて外部の空気圧源(図示せず)と接続されている。空気圧源は、多孔部45cへ圧縮空気を供給し、その圧縮空気が軸受面45bの多数の孔から軸受面38bに対して吹きつけられる。これによって、軸受面38bと軸受面45bの間に空気膜が形成され、軸受面38bは、軸受面45bから抵抗を受けることなく非接触状態で支持されることとなる。
【0030】
支持テーブルの側面45dには、図3に示すように、中心軸線Lから見てY軸の反対方向の位置に、断面L字型の作動部64が設けられる。作動部64は、Y軸の負の方向へ突出する連結部64dと、連結部64dの自由端部から下方へ突出する第3の作動片64cを有している。なお、第3の作動片64cは、YZ平面上に広がる矩形板とされている。
【0031】
第1駆動機構46は、図3から図5に示すように、第1の作動片60cの上方に配置された支持片66a及び下方に配置された支持片66bとを有する支持部材66と、支持片66aと第1の作動片60cとの間に延在するベローズアクチュエータ68と、支持片66bと第1の作動片60cとの間に延在するベローズアクチュエータ70とからなる。そして、第1の作動片60cは、ベローズアクチュエータ68の先端とベローズアクチュエータ70の先端とで挟み込まれる。また、支持部材66は、支持片66a,66bを連結させる矩形板状の連結部66cを有しており、連結部66cの支持テーブル45側の側面は、支持テーブル45に固定されている。
【0032】
ベローズアクチュエータ68は、図6に示すように、鉛直方向に伸縮可能なベローズ68aと、ベローズ68aの下端側の開口部を封止する円板状の作動板68bとを備える。ベローズ68aの上端側の開口部は支持片66aに固定されることにより封止される。これによって、ベローズアクチュエータ68の内部空間68cは、ベローズ68aと、支持片66aと作動板68bとによって密閉され、その気密性は保たれている。
【0033】
作動板68bの中央部には、上方へ延びるシャフト68dが形成され、このシャフト68dは、支持片66aに設けられたボス66dのガイド穴に挿入されることによって鉛直方向に移動可能とされている。また、作動板68bの中央部には、第1の作動片60cへ向かって突出する半球面状の押圧部68eが形成され、この押圧部68eは、第1の作動片60cの上面60aと当接することによってベローズアクチュエータ68の鉛直方向の駆動に伴い発生する力を第1の作動片60cに伝達することができる。
【0034】
ベローズアクチュエータ68の内部空間68cからは、パイプP68が導出され、外部に設けられたサーボ弁68fと接続されている。そして、サーボ弁68fを制御することで、内部空間68c内の空気を供給及び排出することができ、内部空間68cの気圧の変化に伴って、作動板68bの鉛直方向の移動量を任意に制御することができる。
【0035】
また、ベローズアクチュエータ68には、内部空間68c内の気圧を継続的に計測する圧力計68gが備えられている。そして、計測された気圧情報は、制御装置90へ送られる。従って、後述する上部基板Wuと下部基板Wdとの貼り合わせの際に発生する荷重によって第1の作動片60cが上昇等させられた場合における内部空間68c内の気圧変化を制御装置90で算出できるようになっている。また、この気圧変化に基づき、ベローズアクチュエータ68に生じる反力を制御装置90で算出できるようになっている。
【0036】
ベローズアクチュエータ70も、上述のベローズアクチュエータ68と同様の構成を有し、サーボ弁70fを制御することで作動板70bの鉛直方向の移動量を任意に制御することができる。また、押圧部70eは、第1の作動片60cの下面60bと当接することによって、ベローズアクチュエータ70の鉛直方向の駆動に伴い発生する力を第1の作動片60cに伝達することができる。なお、ベローズアクチュエータ70は、ベローズ70a、内部空間70c、シャフト70d、を備え、内部空間70cとサーボ弁70fとはパイプP70で連結されている。
【0037】
また、ベローズアクチュエータ70には、内部空間70c内の気圧を継続的に計測する圧力計70gが備えられている。そして、計測された気圧情報は、制御装置90へ送られる。従って、後述する上部基板Wuと下部基板Wdの貼り合わせの際に発生する荷重によって第1の作動片60cが下降等させられた場合における内部空間70c内の気圧変化を制御装置90で算出できるようになっている。また、この気圧変化に基づき、ベローズアクチュエータ70に生じる反力を制御装置90で算出できるようになっている。
【0038】
第2駆動機構48は、図4に示すように、第2の作動片62cの上方に配置された支持片72a及び下方に配置された支持片72bを有する断面コ字型の支持部材72と、支持片72aと第2の作動片62cとの間に延在するベローズアクチュエータ74と、支持片72bと第2の作動片62cとの間に延在するベローズアクチュエータ76とからなる。そして、第2の作動片62cは、ベローズアクチュエータ74の先端とベローズアクチュエータ76の先端とで挟み込まれる。また、支持部材72は、支持片72aと支持片72bとを連結させる矩形板状の連結部72cを有し、連結部72cの支持テーブル45側の側面は、支持テーブル45に固定されている。また、ベローズアクチュエータ74,76は、ベローズアクチュエータ68,70と同様の構成を有しており、ベローズアクチュエータ74,76の内部空間内の気圧を計測する圧力計をそれぞれ備えている。そして、圧力計から制御装置90へ気圧情報を送り、ベローズアクチュエータ74,76に生じる気圧変化及び反力を算出できるようになっている。
【0039】
θ駆動機構50は、図3に示すように、第3の作動片64cを間に挟むようにX軸方向に離間して配置された支持片56a及び支持片56bを有する断面コ字型の支持部材56と、支持片56aと第3の作動片64cとの間に延在するベローズアクチュエータ78と、支持片56bと第3の作動片64cとの間に延在するベローズアクチュエータ80とからなる。そして、第3の作動片64cは、ベローズアクチュエータ78の先端とベローズアクチュエータ80の先端とで挟み込まれている。また、支持部材56は、支持片56aと支持片56bとを連結する矩形板状の連結部56cを有し、連結部56cは、ベースプレート82の上面82aに固定されている。なお、ベローズアクチュエータ78,80の構成は、ベローズアクチュエータ68,70と同様の構成を有している。
【0040】
エアシリンダである移動機構52のロッド53は、図5に示すように、下端に円筒体52aの内周と略同一の径を有する円板状のピストン53aを有する。円筒体52aの内部空間において、ピストン53aよりも上側の内部空間52b及び下側の内部空間52cからは、それぞれパイプP84,P86が導出されている。このパイプP86には、下側の内部空間52cの気圧を継続的に計測する圧力計52dが備えられている。そして、計測された気圧情報は、制御装置90へ送られる。従って、後述する上部基板Wuと下部基板Wdの貼り合わせの際に発生する荷重によって支持テーブル45が下降等させられた場合における内部空間52c内の気圧変化を制御装置90で算出できるようになっている。また、この気圧変化に基づき、移動機構52に生じる反力を制御装置90で算出できるようになっている。
【0041】
次に、第1駆動機構46、第2駆動機構48、移動機構52のXY座標系における配置関係について説明する。図7等に示すように、第1駆動機構46及び第2駆動機構48は互いに略90度の角度をなして配置されている。そして、第1駆動機構46はX軸上に配置されてY軸周りの傾斜調整を行い、第2駆動機構48はY軸上に配置されてX軸周りの傾斜調整を行うようになっている。また、移動機構52は、その中心が中心軸線Lと一致しており、チルトテーブル38のXY座標系における原点Oと同じ位置となっている。
【0042】
なお、図3から図5では、ベースプレート82より下部の構成の図示を省略しているが、かかる構成のステージ装置34が、ベースプレート82を介してXYステージ32に搭載されている。
【0043】
制御装置90は、ステージ装置34の制御も含めて、基板貼り合わせ装置1の制御を行う。この制御装置90による制御の詳細は、後述する。
【0044】
次に、基板貼り合わせ装置1による基板の貼り合わせについて説明する。
【0045】
まず、上部ステージ20の基板保持テーブル24で貼り合わせの対象である上部基板Wuを保持し、XYθステージ22により上部基板WuのXYθ方向の位置決めを行う。次に、下部ステージ30の基板保持テーブル36で貼り合わせの対象である下部基板Wdを保持し、XYステージ32により下部基板WdのXY方向の位置決めを行う。次に、θ駆動機構50により支持テーブル45を駆動し、中心軸線L(Z軸)周りの下部基板Wdの回転位置の位置決めを行う。これらの位置決めは、レーザ干渉計や顕微鏡など、図示しない光学系からの検出信号に基づいて、制御装置90により自動制御される。
【0046】
この状態から、基板の貼り合わせに移る。この場合のステージ装置34の制御方法について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
まず、基板保持テーブル36に保持された下部基板Wdを上部基板Wuに当接させるため、移動機構52により、支持テーブル45を所定量、上昇させ、基板保持テーブル36を基板保持テーブル24に近づく方向に移動させる(ステップS1)。この上昇は、移動機構52の内部空間52c内の気圧を第1の気圧から第2の気圧へパイプP86を介して加圧し、そして、一定圧である第2の気圧を維持することによって行われる。そして、この上昇によって基板保持テーブル36に保持された下部基板Wdと上部基板Wuとが当接すると、内部空間52c内の気圧は、第2の気圧より更に高い圧力である第3の気圧になる。なお、各気圧は圧力計52dで計測され、その気圧情報は制御装置90へ送られる。
【0048】
次に、上述した支持テーブル45の上昇に伴う移動機構52の内部空間52cの気圧変化(差圧)ΔPzを算出し、この差圧が零より大きいか否か判定する(ステップS2)。判定の結果、上昇の途中であれば、気圧変化ΔPが第2の気圧同士の差分になるので零となり、ステップS1に戻って、移動機構52による支持テーブル45の上昇を継続する。一方、両基板が当接していれば、気圧変化ΔPが第3の気圧と第2の気圧の差分になるので零より大きくなり、次のステップS3に移る。
【0049】
次に、上部基板Wuと下部基板Wdとが当接した際の荷重Fを算出する。荷重Fは、次の式(1)により表される。
荷重F=ΔF=ΔF+ΔFAx+ΔFAy・・・(1)
ここで、ΔFは、移動機構52における反力であり、内部空間52c内の気圧変化ΔPにピストン53aの表面積SAを積算した値である。ΔFは、軸受面45bにおける反力であり、例えば、軸受面38bと軸受面45bとの間の気圧変化ΔPに、軸受面45bの表面積SBを積算した値である。ΔFAXは、第1駆動機構46における反力であり、たとえば、内部空間68c又は70c内の気圧変化ΔPに、ベローズの作動板68b又は70bの表面積SCを積算した値である。また、ΔFAYは、第2駆動機構48における反力であり、たとえば、ベローズアクチュエータ74,76の内部空間内の気圧変化ΔPに、ベローズアクチュエータ74,76の作動板の表面積SDを積算した値である。なお、荷重Fの算出にあたっては、算出精度及び算出の容易性を考慮して、ΔFを用いることが好ましいが、必要に応じて、ΔFとΔFAxとΔFAyとの合計値を用いてもよく、ΔFが無視できるほど小さい場合にあっては、ΔFAxとΔFAyとの合計値を用いてもよい。
【0050】
そして、この荷重Fが、上部基板Wu又は下部基板Wdを破損する可能性のある値を考慮して決められる上限値Aより小さいか否かを判断する(ステップS3)。その結果、荷重Fが上限値Aより大きければ、上部基板Wu又は下部基板Wdが破損してしまうおそれがあるので、ステップS4に移り、移動機構52により支持テーブル45を所定量、下降させ、基板保持テーブル36を基板保持テーブル24から離れる方向に移動させる。一方、荷重Fが上限値Aより小さければ次のステップS5に進む。なお、上限値Aとしては、例えば、1[N]を設定することが好ましい。
【0051】
ステップS5では、上部基板Wuと下部基板Wdとが当接した接触位置T(X,Y)を、第1駆動機構46、第2駆動機構48、及び移動機構52の位置関係、各駆動機構における反力、並びに基板への荷重に基づいて、次のとおり算出する。なお、接触位置Tを算出するにあたり、チルトテーブル38の平面視において中心を原点OとしたXY座標系を設定している。
【0052】
まず、図9に示すように、上部基板Wuと下部基板Wdとは、XY平面内の1点T(X,Y)で接触し、その接触部に荷重Fが加わっているとして、次のようなモーメントの釣り合い式(2)(3)を考える。この接触位置には、すべての荷重Fが加わっており、このような接触位置が1つの場合は、この接触位置は重心位置に相当する。なお、接触位置が複数ある場合は、それら複数の接触位置から重心位置を算出して、この重心位置を仮想上の接触位置とし、この仮想上の接触位置を接触位置T(X,Y))として以下の算出を行う。
−F・X+ΔFAX・XAY=0(Y軸周りのモーメント)・・・(2)
−F・Y+ΔFAY・YAX=0(X軸周りのモーメント)・・・(3)
【0053】
そして、この釣り合い式(2)(3)を、X及びYを基準としてまとめると、荷重Fが作用している接触位置T(X,Y)は次のような式として導き出され、各値を算出することが可能となる。
=ΔFAX・XAY/F・・・(4)
=ΔFAY・YAX/F・・・(5)
【0054】
次に、上記で算出された接触位置T(X,Y)が原点O上であるか否かを判断する(ステップS6)。なお、ステップS6における「X=Y=0」とは、完全同一だけではなく、位置整定範囲(E>0)を設定し、誤差範囲(±E)内にある実質的に等しい場合も含むものである。その結果、接触位置T(X,Y)が原点Oでない場合、上部基板Wuと下部基板Wdとは平行でないので、両基板を平行にするため、ステップS7、S8に進む。
【0055】
ステップS7では、下部基板Wdを上部基板Wuと平行に調整するためのX軸周りの回転角θの駆動量(ΔθAX)と、Y軸周りの回転角θの駆動量(ΔθAY)を算出する。各駆動量を算出するにあたり、まず、図10(a)(b)のように、上部基板Wuと下部基板WdとのX軸周りの傾きをΔθ、Y軸周りの傾きをΔθと仮定する。どちらの傾きも極めて微小であると仮定すると、両者の傾きは次の式により表される。
Δθ=Zmax/Y・・・(6)
Δθ=−Zmax/X・・・(7)
ここで、Zmaxとは、基板を貼り合わせる際に通常、発生する基板の傾きにおけるZ軸方向のずれ量として想定される値の内、最も大きい数値である。
【0056】
そして、この傾きと逆向きになるように、X軸周りの回転駆動量ΔθAX及びY軸周りの回転駆動量ΔθAYを算出すると、次の式(8)(9)として表される。
ΔθAX=−Z/Y・・・(8)
ΔθAY=Z/X・・・(9)
ここで、Zとは、Zmaxより小さい値であり、かつ、基板を貼り合わせる際に発生する基板の傾きにおけるZ方向のずれ量として問題ない範囲の数値であり、例えば、Zmaxの10分の1程度の数値である。
【0057】
次に、上記の回転駆動量ΔθAXを第2駆動機構48によって駆動し、X軸周りの傾斜を調整するとともに、回転駆動量ΔθAYを第1駆動機構46によって駆動し、Y軸周りの傾斜を調整する(ステップS8)。その後、ステップS2に戻る。
【0058】
そして、再度、ステップS3、ステップS5、ステップS6と進み、ステップS6でX=Y=0となるまで、駆動量を算出するステップS7、算出された駆動量に基づき駆動機構を駆動させるステップS8、ステップS2,ステップS3、基板の接触位置を算出するステップS5、及びステップS6を繰り返し行う。このような制御により、第1駆動機構46、第2駆動機構48及び移動機構52に生じる各反力に基づいて、下部基板Wdが上部基板Wuに対して徐々に平行になるようにしている。つまり、各反力に基づいて、重心位置に相当する接触位置を算出し、この接触位置によって両基板が平行であるか否かを算出し、接触位置が原点に近づくようにしている。
【0059】
そして、ステップS6の判定において、接触位置(X,Y)が原点Oであれば、両基板は平行であり、ステップS9に進む。そして、荷重Fが、上部基板Wuと下部基板Wdとが貼り合わせされるのに十分な値を考慮して定められた下限値Bより大きいか否かを判断する(ステップS9)。下限値Bとしては、例えば、0.5[N]を設定することが好ましい。荷重Fが下限値Bより小さければ、ステップS1に戻る。一方、荷重Fが下限値Bより大きければ、この状態で貼り合わせを継続し、所定時間経過後、貼り合わせ加工を完了させる。
【0060】
以上詳述したように、本実施形態のステージ装置34の制御装置90は、上部基板Wuと下部基板Wdとが互いに当接した際、第1駆動機構46、第2駆動機構48、及び移動機構52に生じる各反力を算出し、この各反力から算出した駆動量に基づき、第1及び第2駆動機構46,48を駆動して、上部基板Wuに対する下部基板Wdの平行度が等しくなるように基板保持テーブル36の傾斜を調整することができる。
【0061】
また、制御装置90は、上部基板Wuと下部基板Wdとの接触位置に作用する荷重Fと、第1駆動機構46及び第2駆動機構48に生じる各反力と、第1駆動機構46のX軸上の位置と第2駆動機構48のY軸上の位置とに基づき、上部基板Wuと下部基板Wdとの接触位置を算出し、接触位置が原点上でない場合、この接触位置を利用して、下部基板Wdが上部基板Wuと平行になるように、第1及び第2駆動機構46,48を駆動するようになっている。これにより、制御装置90による、傾斜調整のための第1及び第2駆動機構46,48の制御が容易になる。
【0062】
また、制御装置90は、上部基板Wuから下部基板Wdに作用する荷重が上限値を超える場合、チルトテーブル38を下降させて基板保持テーブル36が基板保持テーブル24から離れる方向に移動するように、移動機構52を駆動させるようになっている。このため、貼り合わせされる基板同士に過度の力が加わって基板が破損してしまうことを防止できる。
【0063】
また、制御装置90は、基板への荷重が下限値を超えていない場合、チルトテーブル38を上昇させて基板保持テーブル36が基板保持テーブル24に近づく方向に移動するように、移動機構52を駆動させるようになっている。このため、不十分な力での基板の貼り合わせを避けることができる。
【0064】
また、ステージ装置34は、第1駆動機構46、第2駆動機構48、及び移動機構52が流体圧、例えば、空気圧を利用した駆動機構であり、この流体圧の変化に基づいて反力を制御装置90で算出するようになっている。このため、微小な変化が検出しやすい流体圧の変化に基づいて微妙な傾斜を検出でき、高度な傾斜調整を行うことができる。
【0065】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1駆動機構46、第2駆動機構48及び移動機構52で生じる各反力に基づいて、第1の基板Wuと第2の基板Wdとの接触位置を算出していたが、この接触位置を算出できるようであれば、反力以外の力成分を用いて接触位置を算出してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、移動機構52に対する反力を算出するにあたり、図5に示すように、圧力計52dをパイプP86に設ける構成としたが、移動機構52に対する反力が算出できれば、他の部分に圧力計52dを設ける構成としてもよい。また、第1駆動機構46及び第2駆動機構48に対する反力を算出するにあたり、図6等に示すように、圧力計をパイプP68,P70等に設ける構成としたが、第1駆動機構46及び第2駆動機構48に対する反力が算出できれば、他の部分に圧力計を設ける構成としてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、第1駆動機構46、第2駆動機構48、及び移動機構52は空気圧を使った駆動機構とし、空気圧の変動により反力を検出する構成としたが、これらを油圧など他の流体を使った駆動機構とし、その流体圧の変動により反力を検出する構成としてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、下部基板Wdを上昇させて上部基板Wuに当接させていたが、上部ステージ20に別の移動機構を設けて上部基板Wuを下降させて下部基板Wdに当接させるようにしてもよい。この場合でも、反力に基づく高度な傾斜調整が可能である。
【0069】
また、上記実施形態では、半導体基板の貼り合わせについて説明したが、ガラス基板など他の基板同士の貼り合わせにも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態に係るステージ装置を備えた基板貼り合わせ装置の構成を模式的に示す概略図である。
【図2】基板保持テーブルとチルトテーブルの構成を示す部分拡大図である。
【図3】ステージ装置(チルトテーブルより上部の構成を図示略)の斜視図である。
【図4】ステージ装置(チルトテーブルより上部の構成を図示略)を別の角度から見た斜視図である。
【図5】図3のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図5の第1駆動機構の部分拡大図である。
【図7】第1駆動機構、第2駆動機構、及び移動機構のXY座標系における配置関係を示す図である。
【図8】図1の基板貼り合わせ装置により基板を貼り合わせるときのステージ装置の制御方法を示すフローチャートである。
【図9】両基板の接触位置T(重心位置)を示した図である。
【図10】X、Y軸周りの下部基板の傾斜角度を示した図である。
【符号の説明】
【0071】
1…基板貼り合わせ装置、20…上部ステージ、30…下部ステージ、34…ステージ装置、36…基板保持テーブル、38…チルトテーブル、45…支持テーブル、46…第1駆動機構、48…第2駆動機構、52…移動機構、52d,68g,70g…圧力計、90…制御装置、O…原点、T…接触位置(重心位置)、Wu…上部基板、Wd…下部基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するための基板保持テーブルと、
該基板保持テーブルの平面視において互いに交差する二つの軸のうち一方の軸の周りに前記基板保持テーブルを傾動させるための第1駆動機構と、
前記一方の軸とは異なる他方の軸の周りに前記基板保持テーブルを傾動させるための第2駆動機構と、
前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構のそれぞれの駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記基板保持テーブルに保持された前記基板と該基板に対向する他の基板とが互いに当接した際、前記基板から前記基板保持テーブルに作用する力の前記一方の軸周りの力成分と前記他方の軸周りの力成分とをそれぞれ算出し、該各力成分に基づいて、前記基板が前記他の基板に平行になるように前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構を駆動することを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
前記二つの軸は、前記基板保持テーブルの平面視における保持中心である原点を通り且つ互いに直交しており、
前記制御装置は、前記各力成分に基づいて、前記基板に対して前記他の基板から作用する力の重心位置を算出し、該重心位置が前記原点上でない場合、前記重心位置を利用して、前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構の駆動量を算出することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
【請求項3】
前記第1駆動機構は、前記他方の軸上で前記基板保持テーブルを傾動させるものであり、前記第2駆動機構は、前記一方の軸上で前記基板保持テーブルを傾動させるものであり、
前記制御装置は、前記基板と前記他の基板とが互いに当接した際、前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構に生じる各反力をそれぞれ前記各力成分として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のステージ装置。
【請求項4】
前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構は流体圧を利用した駆動機構であって、前記制御装置は、前記流体圧の変化に基づいて前記各反力を算出することを特徴とする請求項3に記載のステージ装置。
【請求項5】
前記基板保持テーブルに保持された前記基板が前記他の基板に近づく方向及び離れる方向へ移動するように前記基板保持テーブルを移動させるための移動機構を更に備え、
前記制御装置は、前記基板と前記他の基板とが互いに当接した際、前記移動機構に生じる力成分を算出し、該力成分と前記基板保持テーブルに作用する前記各力成分と前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構による前記基板保持テーブルを傾動させる位置とに基づいて、前記重心位置を算出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のステージ装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記基板と前記他の基板とが互いに当接した際、前記移動機構に生じる反力を前記力成分として算出することを特徴とする請求項5に記載のステージ装置。
【請求項7】
前記移動機構は流体圧を利用した駆動機構であって、
前記制御装置は、前記流体圧の変化に基づいて前記移動機構に生じる前記反力を算出することを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記他の基板から前記基板に作用する荷重が上限値を超える場合、前記基板が前記他の基板から離れる方向へ前記基板保持テーブルが移動するように前記移動機構を駆動することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載のステージ装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記重心位置が前記原点上である場合であって、且つ、前記基板への荷重が下限値を超えていない場合、前記基板が前記他の基板に近づく方向へ前記基板保持テーブルが移動するように前記移動機構を駆動することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載のステージ装置。
【請求項10】
基板を保持するための基板保持テーブルと、該基板保持テーブルの平面視において互いに交差する二つの軸のうち一方の軸周りに前記基板保持テーブルを傾動させるための第1駆動機構と、他方の軸周りに前記基板保持テーブルを傾動させるための第2駆動機構とを備えるステージ装置の制御方法であって、
前記基板保持テーブルに保持された前記基板と前記基板に対向する他の基板とが互いに当接した際、前記基板から前記基板保持テーブルに作用する力の前記一方の軸周りの力成分と前記他方の軸周りの力成分とをそれぞれ算出する算出工程と、
前記各力成分に基づいて、前記基板が前記他の基板と平行になるように、前記第1駆動機構及び前記第2駆動機構を駆動して前記基板保持テーブルの傾斜を調整する傾斜調整工程とを含むことを特徴とするステージ装置の制御方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−164246(P2009−164246A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340329(P2007−340329)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】