説明

スパッタリング装置及びそれを用いた光記録媒体の製造方法並びに光記録媒体

【課題】成膜対象物の最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することができるスパッタリング装置、及び、それを用いた光記録媒体の製造方法、並びに、光記録媒体を提供すること目的とする。
【解決手段】スパッタターゲットと円形の成膜対象物との間に、前記スパッタターゲットから前記成膜対象物に射出される粒子の一部を遮蔽する遮蔽部材を設けたスパッタリング装置であって、前記遮蔽部材の遮蔽率は、前記成膜対象物の中心を基準とする第1の半径領域では外周側に行くほど上昇し、第1の半径領域よりも外周側の第2の半径領域では外周側に行くほど下降し、第2の半径領域よりも外周側の第3の半径領域では外周側に行くほど第2の半径領域よりも大きな下降率で下降することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパッタターゲットと円形の成膜対象物との間に、スパッタターゲットから成膜対象物に射出される粒子の一部を遮蔽する遮蔽部材を設けたスパッタリング装置、及び、それを用いた光記録媒体の製造方法、並びに、光記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光記録媒体における誘電体層等の成膜には枚葉式スパッタリング装置が用いられている。枚葉式スパッタリング装置とは、一つの成膜対象物(ディスク基板等)に順次に成膜を行う装置である。枚葉式スパッタリング装置において、均一な膜厚分布を実現することは極めて重要である。膜厚分布は、成膜対象物の性能に大きく影響を及ぼすからである。
【0003】
例えば、成膜対象物が光記録媒体を構成するディスク基板である場合に、ディスク基板上に成膜された誘電体層の膜厚分布の変動が大きいと反射率が大きく変動し、記録感度等に影響を及ぼす。従って、光記録媒体における誘電体層において、最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することは極めて重要である。
【0004】
膜厚分布は、主に成膜対象物に対するスパッタターゲットのサイズや距離、プラズマ密度と分布を制御しているマグネトロンの磁界形状によって決まる。通常内周から外周に亘って膜厚を調整するためには、プラズマ密度の分布を変更する必要があり、そのために磁界分布(マグネットの配列)の再設計や、スパッタターゲットと成膜対象物との位置関係の変更等、スパッタリング装置自体の大幅な改造を必要とする。基本的に、スパッタターゲットやマグネトロンのサイズが大きくなれば、膜厚の均一性は改善されるが、必然的にスパッタリグ装置の大型化や、装置価格の上昇、装置の設置面積の拡大等をともない、成膜対象物の生産コストに影響を及ぼす。
【0005】
このような枚葉式スパッタリング装置の一例として、ディスク基板とスパッタターゲットの間に、ディスク基板の成膜領域の一部を遮蔽した構成で、薄膜の成長を間欠的に行うためのチョッパーの役割を担う遮蔽板を設置し、ディスク基板を自転させることにより、間欠的な薄膜の成長(微小層状の積層成膜)を可能とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
又、枚葉式スパッタリング装置の他の例として、遮蔽部材エッジ近傍のスパッタ膜厚が減少し、所望の膜厚が得られず反射率などに影響を及ぼすという課題に対して、多層膜の積層途中で外周マスクを取り外して成膜を行う技術が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
【特許文献1】WO2003/036633
【特許文献2】特開2002−324335
【特許文献3】特開2004−241055
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の枚葉式スパッタリング装置においては、スパッタターゲットの裏側にてマグネットを回転させることにより、内外周の膜厚均一性を実現しようとしているが、最外周部まではマグネットが届かず、最外周部にて大きな膜厚分布が現れ、成膜対象物の最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することはできないという問題があった。
【0008】
又、この問題を解決するために、スパッタ時のアルゴンガス流量を調節したり、マグネトロンの磁界の位置を調節したりすることも試みられたが、成膜対象物の最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することはできなかった。
【0009】
又、特許文献1に開示されているスパッタリング装置では、薄膜の成長を間欠的に行うためのチョッパーの役割を担う遮蔽板を設けているが、膜厚分布の制御を目的とした遮蔽板ではなく、膜厚分布の制御を可能とする形状でもないため、成膜対象物の最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することは困難であった。
【0010】
又、特許文献2、特許文献3に開示されているスパッタリング装置では、外周マスクの影響で膜厚が減少する量を半減、又は緩和させるだけのものであり、膜厚分布を積極的に制御するものではなく、成膜対象物の最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することはできなかった。
【0011】
又、外周マスクを外して成膜を行うということは、成膜対象物の外周部に膜が形成されない部分を残すという外周マスク本来の役割を失うものであり、外周部に膜が形成されない部分を持たないディスク基板等では、その後のプロセスで付加されるUV硬化樹脂コーティングやフィルム貼り合わせ等との十分な密着性が期待できず、外周部から剥がれる可能性が高くなるとう問題も生じる。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、成膜対象物の最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することができるスパッタリング装置、及び、それを用いた光記録媒体の製造方法、並びに、光記録媒体を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、第1の発明は、スパッタターゲットと円形の成膜対象物との間に、前記スパッタターゲットから前記成膜対象物に射出される粒子の一部を遮蔽する遮蔽部材を設けたスパッタリング装置であって、前記遮蔽部材の遮蔽率は、前記成膜対象物の中心を基準とする第1の半径領域では外周側に行くほど上昇し、第1の半径領域よりも外周側の第2の半径領域では外周側に行くほど下降し、第2の半径領域よりも外周側の第3の半径領域では外周側に行くほど第2の半径領域よりも大きな下降率で下降することを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、請求項1乃至7の何れか一項記載のスパッタリング装置を用いた光記録媒体の製造方法であって、スパッタターゲットから成膜対象物に射出される粒子の一部を遮蔽部材により遮蔽する工程を有することを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、請求項8記載の光記録媒体の製造方法により製造された光記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、成膜対象物の最内周から最外周に向かって均一な膜厚分布を実現することができるスパッタリング装置、及び、それを用いた光記録媒体の製造方法、並びに、光記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0018】
〈実施例1〉
図1は、本発明に係るスパッタリング装置10の概略構成を例示する断面図である。図1を参照するに、スパッタリング装置10は、真空チャンバー11と、スパッタリングカソード12と、基板ホルダー13と、遮蔽部材14と、バッキングプレート15と、マグネット16と、内周マスク17と、外周マスク18と、回転駆動部19とを有する。11aは真空チャンバー11の開口部を、20はスパッタターゲットを、21はディスク基板を示している。スパッタリング装置10は、一つの成膜対象物(ディスク基板等)に順次に成膜を行う枚葉式スパッタリング装置である。
【0019】
図1に示すスパッタリング装置10において、成膜室である真空チャンバー11は、内部が所定の真空状態に維持されたチャンバーであり、真空チャンバー11内には、スパッタリングカソード12が配置されている。真空チャンバー11の開口部11aは、円形形状の基板ホルダー13により蓋止されている。スパッタリングカソード12は、ZX断面がT形状の部材であり、基板ホルダー13と対向するように配置されている。
【0020】
スパッタリングカソード12には、ディスク基板21上に成膜される薄膜の原料となるスパッタターゲット20がバッキングプレート15を介して装着されている。バッキングプレート15は、例えば、内部に冷却水が循環され、スパッタターゲット20及びスパッタリングカソード12と、冷却水との間で熱交換を行うことで、スパッタターゲット20及びスパッタリングカソード12の温度上昇を抑制する。又、スパッタターゲット20は、ディスク基板21上に成膜される薄膜の種類に対応して選択され、バッキングプレート15を介してスパッタリングカソード12に装着される。
【0021】
スパッタリングカソード12が通電されることで、スパッタターゲット20から、成膜対象物であるディスク基板21に成膜される薄膜の原料となる粒子が射出される。バッキングプレート15の後方にはマグネット16が配置されている。マグネット16は、スパッタリングカソード12の延設部が挿入された環状の電磁石であり、真空チャンバー11内のプラズマ密度を、スパッタリングに最適な状態に制御する。
【0022】
基板ホルダー13は、ディスク基板21の内周端をマスキングする内周マスク17及びディスク基板21の外周端をマスキングする外周マスク18を保持する機構を備えている。
ディスク基板21は内周マスク17と外周マスク18により、基板ホルダー13上に保持される。ディスク基板21において、内周マスク17及び外周マスク18によりマスキングされていない領域は、スパッタにより薄膜が形成される成膜領域となる。更に、基板ホルダー13は、回転駆動部19に連結されており、基板ホルダー13は、ディスク基板21、内周マスク17及び外周マスク18と一体となって、X軸に平行な軸周りに所定の回転数で回転(自転)する機構を有する。
【0023】
遮蔽部材14は、スパッタターゲット20と基板ホルダー13との間に、遮蔽部材14の中心とディスク基板21及び基板ホルダー13の回転中心とが一致するように設置されている。遮蔽部材14は、ディスク基板21とともに自転しないように、真空チャンバー11の内壁に直接固定されている。なお、遮蔽部材14は、スパッタリング装置10に真空チャンバー11の内壁にスパッタ膜が直接付着することを防ぐための防着板(シールド)が設置されている場合には、防着板(シールド)に固定しても構わない。遮蔽部材14は、スパッタターゲット20からディスク基板21に射出される粒子の一部を遮蔽する機能を有する。ディスク基板21は、例えば、直径120mm、厚さ0.6mm程度の円形板状の基板であり、例えば、中央に直径15mmの貫通穴が形成されている。
【0024】
スパッタリング装置10を用いてディスク基板21に薄膜を成膜する場合には、始めに、成膜対象物であるディスク基板21に内周マスク17及び外周マスク18を装着して基板ホルダー13上に保持する。又、真空チャンバー11にマスク14及びスパッタターゲット20を装着する。次いで、真空チャンバー11の開口部11aを基板ホルダー13により蓋止する。
【0025】
次いで、真空チャンバー11内のプラズマ密度を、マグネット16によって、スパッタリングに最適な状態に調整する。次いで、上位装置又はユーザからの運転開始指令に基づいて、制御装置(図示せず)により制御された回転駆動部19によって、基板ホルダー13は、ディスク基板21、内周マスク17及び外周マスク18と一体となって、X軸に平行な軸周りに所定の回転数で回転(自転)する。
【0026】
次いで、スパッタリングカソード12が通電され、スパッタターゲット20から、ディスク基板21に成膜される薄膜の原料となる粒子が射出される。射出された粒子のうち、一部は遮蔽部材14によって遮蔽され、残りが回転するディスク基板21の成膜領域に到達し付着することで、ディスク基板21の表面に薄膜が形成される。
【0027】
図2は、図1においてX+方向から見た遮蔽部材14、内周マスク17、外周マスク18及びディスク基板21を例示する図である。図2において、内周マスク17と外周マスク18とに囲まれた半径領域は、スパッタにより薄膜が形成される成膜領域である。Aはディスク基板21の所定の半径位置における円周の長さを、Bは、Aの中で遮蔽部材14により遮蔽される円弧の長さを示しており、B/A×100を遮蔽率(%)と定義する。又、ディスク基板21の所定の半径位置とは、ディスク基板21の中心から所定の半径にある位置を意味する。半径領域とはある半径位置における円周と、他の半径位置における円周とで囲まれたドーナツ状の領域を意味する。
【0028】
遮蔽部材14は、スパッタターゲット20から、ディスク基板21に射出される粒子の一部を遮蔽するために、ディスク基板21の半径位置に対応した所定の遮蔽率を持つような所定の形状14aを有する板状の部材である。便宜上、所定の形状14aを扇状部という。遮蔽部材14は、2つの扇状部14aを有し、長手方向が図1におけるZ軸方向に対応するように固定されている。遮蔽部材14の材料としては、例えば、SUS303,SUS304,SUS403,SUS404等を用いることができる。
【0029】
又、遮蔽部材14の表裏面に、例えば、アルミニウムによる溶射処理を施しても構わない。なお、溶射処理とは、溶融、又は軟化したコーティング材料(金属、セラミック、プラスチックなど)を、対象物に吹き付けることにより、被膜を形成する表面処理技術の一つである。遮蔽部材14に溶射処理を施すことにより、その表面に、微粒子が重なり合った構造の、表面が粗い多孔質の膜を形成することができる。一般的な溶射処理の方法としては、アーク溶射、フレイム溶射、プラズマ溶射などが挙げられ、コーティング材料の種類や対象物の種類によって使い分けられている。
【0030】
図3〜図5は、遮蔽部材の他の構成を例示する図である。図2に例示する遮蔽部材14は扇状部14aを2つ有する構成であるが、図3に例示する遮蔽部材24は扇状部24aを1つ有する構成である。又、図4に例示する遮蔽部材34は扇状部34aを3つ有する構成である。又、図5に例示する遮蔽部材44は扇状部44aを4つ有する構成である。
【0031】
図2〜図5に示す遮蔽部材を用いて、遮蔽部材は扇状部をいくつ有することが適切であるかの確認を行った。始めに、図2〜図5に示す遮蔽部材14,24,34,44において、扇状部14a,24a,34a,44aの寸法を調整し、何れの半径位置においても遮蔽率が25%となるような遮蔽部材を作製した。次いで、スパッタリング装置10に図2〜図5に示す遮蔽部材14,24,34,44を順番に装着し、スパッタターゲットとしてZnS・SiOを用い、膜厚の目標値を50nmに設定して、ディスク基板21の半径22mmから半径59mmの範囲にスパッタし成膜した。なお、周内膜厚分布を均一にするために、スパッタ中はディスク基板21を回転させた。
【0032】
図6は、スパッタリング装置10によってディスク基板21に成膜されたZnS・SiO薄膜のディスク基板21の中心から40mmの位置における周内膜厚分布を示す図である。図6に示すように、扇状部14aを2つ有する構成である遮蔽部材14、扇状部34aを3つ有する構成である遮蔽部材34、扇状部44aを4つ有する構成である遮蔽部材44を用いた場合には、周内膜厚分布はほぼ均一になるが、扇状部24aを1つ有する構成である遮蔽部材24を用いた場合には、周内の一部に膜厚が厚くなる箇所が発生することが分かった。
【0033】
すなわち、前述のように、周内膜厚分布を均一にするために、スパッタ中はディスク基板21を回転させたが、扇状部24aを1つ有する構成である遮蔽部材24を用いた場合には、それだけでは不十分であり、スパッタむらが発生したということである。以上より、周内膜厚分布をほぼ均一にするためには、扇状部を2つ以上有する構成の遮蔽部材を用いる必要がある。
【0034】
スパッタリング装置10に遮蔽部材を装着せずに、ディスク基板21に薄膜を成膜した場合の、ディスク基板21の半径位置に対する膜厚分布は凸状の弓型形状になり、その膜厚の均一性は、平均膜厚に対して約±3%以下程度であることが知られている。より具体的には、ディスク基板21の中周部(ディスク基板21の中心から半径35mm〜50mmの位置)で膜厚は最も厚くなり、内周部及び外周部では膜厚が薄くなる。特に、ディスク基板21の外周端付近(ディスク基板21の中心から半径50mm〜57mm)では、外周マスク18の影響を受け、急激に膜厚が低下する傾向にある。
【0035】
前述のように、周内膜厚分布をほぼ均一にするためには、扇状部を2つ以上有する構成の遮蔽部材を用いる必要があるが、ここでは、扇状部を2つ有する構成の遮蔽部材を用いて、ディスク基板21の半径位置に対する膜厚分布を均一にするための形状について検討を行った。その結果、図7に示す形状が好適であることを見出した。図7は、本発明に係る遮蔽部材54を例示する図である。図8は、本発明に係る遮蔽部材54における半径位置と遮蔽率の関係を例示する図である。
【0036】
図7において、54は本発明に係る遮蔽部材である。又、Cはディスク基板21の成膜領域の最内周部の半径を、Dは第1の遮蔽率転換点の半径を、Eは第2の遮蔽率転換点の半径を、Fはディスク基板21の成膜領域の最外周部の半径を示している。又、CDは第1の半径領域を、DEは第2の半径領域を、EFは第3の半径領域を示している。ここで、遮蔽率転換点とは、本発明に係る遮蔽部材54において、遮蔽率の上昇又は下降の傾向が変化(転換)する点である。なお、本発明に係る遮蔽部材54は、遮蔽部材54の中心が成膜対象物であるディスク基板21の中心と一致するように装着される。
【0037】
図7及び図8を参照するに、遮蔽部材54の遮蔽率は、成膜対象物であるディスク基板21の中心を基準とする第1の半径領域CDでは外周側に行くほど上昇し、第1の半径領域CDよりも外周側の第2の半径領域DEでは外周側に行くほど下降し、第2の半径領域DEよりも外周側の第3の半径領域EFでは外周側に行くほど第2の半径領域DEよりも大きな下降率で下降する。
【0038】
第1の半径領域CDは、ディスク基板21の成膜領域の最内周部Cに対応する半径から半径40mm(D)までの領域であり、第2の半径領域DEは、半径40mm(D)を超えて半径55mm(E)までの領域であり、第3の半径領域EFは、半径55mm(E)を超えてディスク基板21の成膜領域の最外周部(F)に対応する半径までの領域である。第1の半径領域CDと第2の半径領域DEとの境界が第1の遮蔽率転換点D、第2の半径領域DEと第3の半径領域EFとの境界が第2の遮蔽率転換点Eである。
【0039】
なお、図7は本発明に係る遮蔽部材の形状の一例であり、前述のように、スパッタリング装置10に遮蔽部材を装着せずに、ディスク基板21に薄膜を成膜した場合の、ディスク基板21の半径位置に対する膜厚分布において、ディスク基板21の中周部(ディスク基板21の中心から半径35mm〜50mmの位置)で膜厚が最も厚くなることから、本発明に係る遮蔽部材においては、半径35mm〜50mmのいずれかの位置を第1の遮蔽率転換点Dとすることが重要である。本発明に係る遮蔽部材54では、一例として半径40mmの位置を第1の遮蔽率転換点Dとしている。
【0040】
又、前述のように、スパッタリング装置10に遮蔽部材を装着せずに、ディスク基板21に薄膜を成膜した場合の、ディスク基板21の半径位置に対する膜厚分布において、特に、ディスク基板21の外周端付近(ディスク基板21の中心から半径55mm〜57mm)で急激に膜厚が低下する傾向にあることから、本発明に係る遮蔽部材においては、半径55mm〜57mmのいずれかの位置を第2の遮蔽率転換点Eとすることが重要である。本発明に係る遮蔽部材54では、一例として半径55mmの位置を第2の遮蔽率転換点Eとしている。
【0041】
図9は、本発明に係るスパッタリング装置10における遮蔽部材54、内周マスク17、外周マスク18及びディスク基板21の位置関係を例示する図である。前述のように、図9に示す遮蔽部材54においては、第1の遮蔽率転換点D及び第2の遮蔽率転換点Eを有する扇状部54aの形状が重要である。平面視において、内周マスク17と重複する部分の形状は重要ではない。又、図9に示す遮蔽部材54は、扇状部54aを2つ有する構成であるが、前述の周内膜厚分布の検討結果(図6参照)より、扇状部を3つ以上有する構成としてもよい。
【0042】
図10は、スパッタリング装置10によってディスク基板21に成膜したZnS・SiO薄膜のディスク基板21の半径位置に対する膜厚の相対値を例示する図である。なお、図10において、「遮蔽部材なし」は、スパッタリング装置10に遮蔽部材を装着せずに、ディスク基板21にZnS・SiO薄膜を成膜した場合の、ディスク基板21の半径位置に対する膜厚の相対値であり、「遮蔽部材54」は、スパッタリング装置10に本発明に係る遮蔽部材54を装着して、ディスク基板21にZnS・SiO薄膜を成膜した場合の、ディスク基板21の半径位置に対する膜厚の相対値である。なお、膜厚の相対値とは、ディスク基板21の中心から半径22mmの位置(半径が22mmの円周上の位置)における膜厚を1としたときの各半径位置における膜厚である。
【0043】
図10における「遮蔽部材なし」の場合には、前述のように、ディスク基板21の中周部(ディスク基板21の中心から半径35mm〜50mmの位置)で膜厚が最も厚く、ディスク基板21の外周端付近(ディスク基板21の中心から半径50mm〜57mm)で急激に膜厚が低下する傾向にあることがわかる。これに対して、図10における「遮蔽部材54」の場合には、内周端から外周端にかけて、ほぼ均一の膜厚分布が得られており、遮蔽部材54には大きな膜厚制御効果のあることが確認された。
【0044】
なお、遮蔽部材54は、半径40mmの位置を第1の遮蔽率転換点D、半径55mmの位置を第2の遮蔽率転換点Eとしているが、第1の遮蔽率転換点Dを半径35mm〜50mmの範囲内で、第2の遮蔽率転換点Eを半径55mm〜57mmの範囲内で変化させた遮蔽部材を作製し、同様の実験を行ったところ、同様の効果が確認された。しかし、第1の遮蔽率転換点Dを半径35mm〜50mmの範囲外で、第2の遮蔽率転換点Eを半径55mm〜57mmの範囲外で変化させた遮蔽部材を作製し、同様の実験を行ったところ、効果は確認できなかった。
【0045】
このように、ディスク基板21の成膜領域の最内周部に対応する半径位置である半径22mmの位置から第1の遮蔽率転換点D(ディスク基板21の中心から半径35mm〜50mmのいずれかの半径位置)までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率は上昇し、第1の遮蔽率転換点Dを超えると、第2の遮蔽率転換点E(ディスク基板21の中心から半径55mm〜57mmのいずれかの半径位置)までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率は第1の下降率で下降し、第2の遮蔽率転換点Eを超えると、ディスク基板21の成膜領域の最外周部に対応する半径位置までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率が第1の下降率よりも大きな第2の下降率で下降するような遮蔽部材54をスパッタリング装置10に装着し、スパッタすることにより、内周端から外周端にかけて、ほぼ均一の膜厚分布を有する層を成膜することができる。
【0046】
なお、実施例1では、直径120mmのディスク基板21に成膜する例を示したが、直径120mm以外の直径Lのディスク基板に成膜する場合(実施例1とは異なる成膜範囲に成膜する場合)には、第1の遮蔽率転換点D及び第2の遮蔽率転換点Eを設ける半径位置の範囲も、上述の直径120mmの場合の範囲に、係数(L/120)をかける必要がある。例えば、直径60mmのディスク基板に成膜する場合には、上述の直径120mmの場合の範囲に、係数1/2をかけて、第1の遮蔽率転換点Dを半径17.5mm〜25mmに設け、第2の遮蔽率転換点Eを半径27.5mm〜28.5mmに設ければよい。
【0047】
次に、遮蔽部材を保持する端部について説明する。図11は、本発明に係る遮蔽部材54の両端部を拡大して例示する図である。スパッタリング装置10において、遮蔽部材54はスパッタターゲット20とディスク基板21との略中間地点に配置されており、その場所はプラズマにより非常な高温となる。金属製の遮蔽部材54は高温にさらされ、遮蔽部材54は特に軸方向(長手方向)に膨張する。この際、遮蔽部材54の両端部が完全に固定されていると、膨張した部分は逃げ場を無くし、遮蔽部材54を変形させる要因となるため、耐久性の観点から、量産に用いることは困難である。
【0048】
そこで図11に示すように、一方の端部には固定するための丸穴54b、もう一方の端部には固定せずに可動できる長穴54cを開けて完全に固定しないようにできる構造とした。これにより、丸穴54bのみをビス等で真空チャンバー11の内壁等に固定し、長穴54cは位置決めピン等に挿入するのみで固定せずに可動できるようにしておけば、遮蔽部材54が熱で膨張しても軸方向に可動し、遮蔽部材54が変形することを防止できる。
【0049】
図12は、本発明に係る遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に設置する場合の方向を例示する図である。図12(a)に示すように、遮蔽部材54の長手方向を真空チャンバー11の内壁等に鉛直方向(図1におけるZ方向)に設置する場合と、図12(b)に示すように、遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に水平方向(図1におけるY方向)に設置する場合とでは、遮蔽部材54の寿命が異なる。
【0050】
図13は、本発明に係る遮蔽部材54の固定方法及び設置方向と遮蔽部材54の変形量との関係を例示する図である。図13において、Gは遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に鉛直方向に設置し、丸穴54b及び長穴54cをビス等で完全に固定した場合、Hは遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に鉛直方向に設置し、丸穴54bのみをビス等で固定し、長穴54cを可動できるようにした場合、Iは遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に水平方向に設置し、丸穴54bのみをビス等で固定し、長穴54cを可動できるようにした場合を示している。
【0051】
なお、遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に鉛直方向に設置する場合には、熱による遮蔽部材54の軸方向への膨張をスムーズに行わせるために、遮蔽部材54の丸穴54bが開けられている端部を上側(図1におけるZ+側)に、長穴54cが開けられている端部を下側(図1におけるZ−側)にした。
【0052】
図13に示すように、遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に鉛直方向に設置し、丸穴54bのみをビス等で固定し、長穴54cを可動できるようにした場合(図13の「H」)は、スパッタ回数を増やしても遮蔽部材54の変形量は、ほぼゼロであり、遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に鉛直方向に設置し、丸穴54bのみをビス等で固定し、長穴54cを可動できるようにすることで、遮蔽部材54の寿命を大幅に伸ばせることが確認された。
【0053】
このように、遮蔽部材54を保持する少なくとも一方の端部が完全に固定されることなく、軸方向に可動を許容する構造とすることにより、遮蔽部材54の熱による変形量を小さくすることができる。更に、遮蔽部材54を保持する少なくとも一方の端部が完全に固定されることなく、軸方向に可動を許容する構造を有する遮蔽部材54において、丸穴54bが開けられている端部を上側に、長穴54cが開けられている端部(軸方向に可動を許容する端部)を下側にし、丸穴54bのみをビス等で固定することにより、遮蔽部材54を鉛直方向に保持すると、熱による遮蔽部材54の軸方向への膨張をスムーズに行わせることになり、遮蔽部材54の熱による変形量を更に小さくすることができる。
【0054】
本発明に係るスパッタリング装置によれば、ディスク基板21の成膜領域の最内周部に対応する半径位置である半径22mmの位置から第1の遮蔽率転換点D(ディスク基板21の中心から半径35mm〜50mmのいずれかの半径位置)までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率は上昇し、第1の遮蔽率転換点Dを超えると、第2の遮蔽率転換点E(ディスク基板21の中心から半径55mm〜57mmのいずれかの半径位置)までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率は第1の下降率で下降し、第2の遮蔽率転換点Eを超えると、ディスク基板21の成膜領域の最外周部に対応する半径位置までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率が第1の下降率よりも大きな第2の下降率で下降するような遮蔽部材54をスパッタリング装置10に装着し、スパッタすることにより、内周端から外周端にかけて、ほぼ均一の膜厚分布を有する層を成膜することができる。
【0055】
又、本発明に係るスパッタリング装置によれば、遮蔽部材54を保持する少なくとも一方の端部が完全に固定されることなく、軸方向に可動を許容する構造とし、固定する端部を上側(Z+側)に、軸方向に可動を許容する端部を下側(Z−側)にして遮蔽部材54を鉛直方向(Z軸方向)に保持することにより、熱による遮蔽部材54の軸方向への膨張をスムーズに行わせることが可能となり、遮蔽部材54の熱による変形量を小さくすることができる。
【0056】
〈実施例2〉
図14は、実施例2で作製した追記型光記録媒体60の断面図である。図14を参照するに、追記型光記録媒体60は、ディスク基板61上に、第1誘電体層62、記録層63、第2誘電体層64、反射層65が順次積層され、反射層65上に貼り合わせ層66を介してダミー基板67が接着されている。
【0057】
追記型光記録媒体60の作製方法について説明する。始めに、表面にトラックピッチ0.40μm、深さ21nmの案内溝を有する直径120mm、厚さ0.59mmのポリカーボネート樹脂製のディスク基板61を用意した。次いで、Balzers社製の枚葉スパッタリング装置を用いて、ディスク基板61上に、ZnS・SiO(80:20モル%)からなる膜厚40nmの第1誘電体層62、Biからなる膜厚20nmの記録層63、ZnS・SiO(80:20モル%)からなる膜厚20nmの第2誘電体層64、Agからなる膜厚60nmの反射層65を順次成膜した。
【0058】
次いで、反射層65上に紫外線硬化樹脂(日本化薬株式会社 DVD003)を含む塗布液をスピンコートにより塗布し、同様にしてダミー基板67(厚さ0.59mm)にも紫外線硬化樹脂を塗布した後、減圧雰囲気下で貼り合わせた。その後、ダミー基板67側から紫外線光を照射し紫外線硬化樹脂を硬化させて厚さ25μmの貼り合わせ層66を形成した。このようにして、図14に示す追記型光記録媒体60を作製した。
【0059】
なお、追記型光記録媒体60は、第1誘電体層62及び第2誘電体層64を成膜する際に、遮蔽部材を一切使用しない追記型光記録媒体60aと、本発明に係る遮蔽部材54を使用した追記型光記録媒体60bの2種類を作製した。
【0060】
図15は、追記型光記録媒体60aと追記型光記録媒体60bにおける内外周の反射率の変化を測定した結果を示す図である。なお、図15のデータは、最内周の反射率で規格化している。図15に示すように、遮蔽部材を一切使用しない追記型光記録媒体60aでは、図10に示した「遮蔽部材なし」の場合の半径位置に対する膜厚の変動から予想される以上に反射率が大きく変動していることが分かる。特に外周部における反射率の変動が顕著である。
【0061】
これに対して、本発明に係る遮蔽部材54を使用した追記型光記録媒体60bでは、内周端から外周端にかけての反射率の変動が抑制されていることが確認された。反射率は、第1誘電体層62及び第2誘電体層64の膜厚に大きく依存するが、本発明に係る遮蔽部材54を使用することにより、第1誘電体層62及び第2誘電体層64が、内周端から外周端にかけて、ほぼ均一の膜厚分布で成膜されたためと考えられる。
【0062】
本発明に係るスパッタリング装置によれば、ディスク基板61の成膜領域の最内周部に対応する半径位置である半径22mmの位置から第1の遮蔽率転換点D(ディスク基板61の中心から半径35mm〜50mmのいずれかの半径位置)までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率は上昇し、第1の遮蔽率転換点Dを超えると、第2の遮蔽率転換点E(ディスク基板61の中心から半径55mm〜57mmのいずれかの半径位置)までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率は第1の下降率で下降し、第2の遮蔽率転換点Eを超えると、ディスク基板61の成膜領域の最外周部に対応する半径位置までの範囲内では外周側に向かって遮蔽率が第1の下降率よりも大きな第2の下降率で下降するような遮蔽部材54をスパッタリング装置10に装着し、スパッタすることにより、内周端から外周端にかけて、ほぼ均一の膜厚分布を有する層を成膜することができる。
【0063】
又、本発明に係るスパッタリング装置によれば、ディスク基板61に、ほぼ均一の膜厚分布を有する誘電体層を成膜することが可能となり、ディスク基板61の内周端から外周端にかけての反射率の変動を抑制することができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0065】
例えば、図8に示す遮蔽率は、それぞれの半径領域において直線的に変化しているが、遮蔽率は必ずしも直線的に変化する必要はなく、請求項1に記載の範囲内で、例えば、曲線部を有する凸状の弓型形状や、凹状の弓型形状等としても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るスパッタリング装置10の概略構成を例示する断面図である。
【図2】図1においてX+の方向から見た遮蔽部材14、内周マスク17、外周マスク18及びディスク基板21を例示する図である。
【図3】遮蔽部材の他の構成を例示する図(その1)である。
【図4】遮蔽部材の他の構成を例示する図(その2)である。
【図5】遮蔽部材の他の構成を例示する図(その3)である。
【図6】スパッタリング装置10によってディスク基板21に成膜されたZnS・SiO薄膜のディスク基板21の中心から40mmの位置における周内膜厚分布を示す図である。
【図7】本発明に係る遮蔽部材54を例示する図である。
【図8】本発明に係る遮蔽部材54における半径位置と遮蔽率の関係を例示する図である。
【図9】本発明に係るスパッタリング装置10における遮蔽部材54、内周マスク17、外周マスク18及びディスク基板21の位置関係を例示する図である。
【図10】スパッタリング装置10によってディスク基板21に成膜したZnS・SiO薄膜のディスク基板21の半径位置に対する膜厚の相対値を例示する図である。
【図11】本発明に係る遮蔽部材54の両端部を拡大して例示する図である。
【図12】本発明に係る遮蔽部材54を真空チャンバー11の内壁等に設置する場合の方向を例示する図である。
【図13】本発明に係る遮蔽部材54の固定方法及び設置方向と変形量との関係を例示する図である。
【図14】実施例2で作製した追記型光記録媒体60の断面図である。
【図15】追記型光記録媒体60aと追記型光記録媒体60bにおける内外周の反射率の変化を測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10 スパッタリング装置
11 真空チャンバー
11a 真空チャンバー11の開口部
12 スパッタリングカソード
13 基板ホルダー
14,24,34,44,54 遮蔽部材
14a,24a,34a,44a,54a 扇状部
15 バッキングプレート
16 マグネット
17 内周マスク
18 外周マスク
19 回転駆動部
20 スパッタターゲット
21 ディスク基板
54b 丸穴
54c 長穴
60 追記型光記録媒体
61 ディスク基板
62 第1誘電体層
63 記録層
64 第2誘電体層
65 反射層
66 貼り合わせ層
67 ダミー基板
A 所定の半径位置における円周の長さ
B Aの中で遮蔽部材に遮蔽される円弧の長さ
C ディスク基板21の成膜領域の最内周部の半径
D 第1の遮蔽率転換点の半径
E 第2の遮蔽率転換点の半径
F ディスク基板21の成膜領域の最外周部の半径
CD 第1の半径領域
DE 第2の半径領域
EF 第3の半径領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパッタターゲットと円形の成膜対象物との間に、前記スパッタターゲットから前記成膜対象物に射出される粒子の一部を遮蔽する遮蔽部材を設けたスパッタリング装置であって、
前記遮蔽部材の遮蔽率は、前記成膜対象物の中心を基準とする第1の半径領域では外周側に行くほど上昇し、第1の半径領域よりも外周側の第2の半径領域では外周側に行くほど下降し、第2の半径領域よりも外周側の第3の半径領域では外周側に行くほど第2の半径領域よりも大きな下降率で下降することを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項2】
前記第1の半径領域と前記第2の半径領域との境界は、前記成膜対象物の前記中心から半径35〜50mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項3】
前記第2の半径領域と前記第3の半径領域との境界は、前記成膜対象物の前記中心から半径55〜57mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリング装置。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、略扇形状の部分を2つ以上有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のスパッタリング装置。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、2つの端部を有し、前記2つの端部のうちの少なくとも一方の端部は、長手方向に可動できる構造であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のスパッタリング装置。
【請求項6】
前記遮蔽部材は、前記少なくとも一方の端部を下側にして鉛直方向に保持されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載のスパッタリング装置。
【請求項7】
前記成膜対象物に成膜する複数の層に対応した複数のチャンバーを有し、前記遮蔽部材は、前記成膜対象物に誘電体層を成膜する前記チャンバーに設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載のスパッタリング装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項記載のスパッタリング装置を用いた光記録媒体の製造方法であって、
スパッタターゲットから成膜対象物に射出される粒子の一部を遮蔽部材により遮蔽する工程を有することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の光記録媒体の製造方法により製造された光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−199685(P2009−199685A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41751(P2008−41751)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】