説明

スパッタリング装置及び方法

【課題】高アスペクト比の貫通穴であっても、貫通穴内部に薄膜をカバレッジ良く形成することができ、かつ成膜レートを低下させないスパッタリング装置及び方法を提供する。
【解決手段】基板保持部20に、基板ホルダ2と基板11とOリング4によって囲まれる閉空間21を形成し、その空間に流量及び圧力を制御した散乱用ガスを導入する。そのガスを基板11の貫通穴33を通じて真空チャンバー1内に流出させることにより、真空チャンバー全体のガス圧力を上昇させずに、貫通穴内部及びその近傍のみの圧力を上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体装置における、基板を貫通して基板の表裏の配線を電気的に接続するいわゆる貫通電極の製造において、貫通穴内部側壁への薄膜の付着効率を向上させることができるスパッタリング装置及び方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置における配線方法として、シリコン基板表面側に形成された電極若しくは配線を、基板の裏面側から基板を貫通して穿孔された穴を介して基板裏面側に引き出し、基板裏面において再配線と実装用のバンプを設ける回路基板間配線方法が採用されている。これは、従来のワイヤーによる回路基板間配線に比べて外部配線が不必要な分、パッケージの小型化が可能であり、同時に高周波信号を送信する際の外部ワイヤーでの遅延、損失をなくすことができるというメリットもある。
【0003】
ここで、一般的に用いられている貫通電極の構造について説明する。まず、厚さおよそ250μmのシリコン基板に貫通穴を加工する。基板上に、フォトレジストにより貫通穴用のパターンを形成する。基板間配線のためのバンプに貫通穴用のパターンを接続する必要があるので、貫通穴はチップの外周部に形成されることが多い。次に、ドライエッチング装置を用い、先ほど形成したフォトレジストパターンを利用して、穴あけ加工を行う。こうして形成された貫通穴の寸法は、穴の直径が80〜100μm程度、深さはシリコン基板の厚みである250μm、深さ方向の形状は垂直に近いか若しくはやや傾斜した形状となっている。なお、基板間配線用の貫通穴の基板に対する面積比は数%であることが多い。次なる工程は、貫通穴の内面に対する電気的バリア層(バリア膜)の形成である。後に形成する電極層とシリコン基板とを電気的に絶縁するために、SiOなどの酸化膜が貫通穴の内面に形成される。貫通穴の内面に酸化膜をカバレッジ良く(万遍無く)形成するために、プラズマCVD法が用いられることが多い。次に、酸化膜の上に拡散防止層を形成する。これは、後に形成する電極層の膜が下地膜又は他の電極層へ拡散することを防止するためである。材料はチタンが用いられることが多い。次の電極層となる銅薄膜の形成と合わせて、スパッタリング法で形成されることが多い。
【0004】
このスパッタリング法であるが、ほぼ垂直な形状を持った貫通穴などの立体形状物へカバレッジ良く薄膜を形成する上において、課題が多い。一般的なスパッタリング法を用いて、貫通穴への成膜を行うと、基板表面に多くの膜が付着するが、貫通穴の内部においては、成膜レートが著しく遅くなる。これは、スパッタリング粒子が様々な方向で貫通穴へ入射してくるためであり、貫通穴の内面など他の構造の影となるような部分では、成膜レートが低くなってしまう。貫通電極形成用穴の直径の深さに対する比であるアスペクト比が高くなるほど、その差は顕著になる。
【0005】
この貫通穴の底部並びに側壁への膜の形成速度を向上させる取組みは、幾つかなされている。ここで、貫通電極形成用穴の内部の底面と側面に付着する薄膜の厚みをほぼ同じにするという先行技術について説明する。この先行技術に関する先行技術文献情報として、特許文献1を示す。
【0006】
図5A〜図5Cは、前記特許文献1に記載されているスパッタリング方法と半導体装置の製造方法を示す図である。以下、図5A〜図5Cを用いて従来例を説明する。
【0007】
スパッタ法でバリア膜43を成膜する際の、貫通電極形成用穴42に向けてターゲット(図示せず)から飛来する膜成分は、半導体基板41の貫通電極形成用穴42の真上の部分から飛来しかつ半導体基板41の表面に対して直交する成分と、貫通電極形成用穴42の真上の部分以外の他の部分から飛来しかつ半導体基板41の表面に対して傾斜した入射角度を有する成分とを含む。ターゲットと半導体基板41との距離が近いと、半導体基板41の平たい表面部分41aにおけるバリア膜43の成膜速度は速くなるものの、バリア膜43のうち、前記傾斜した成分が前記直交する成分よりも多くなり、貫通電極形成用穴42の底面42bまで届く成分(前記直交する成分)の比率が前記傾斜した成分よりも少なくなる。従って、前記平たい表面部分41aに比較して、前記貫通電極形成用穴42の底面42bでは、成膜されたバリア膜43の厚さが薄くなる。そして、貫通電極形成用穴42の側面42cでは、底面42bに近づくほど、バリア膜43の厚さが薄くなる傾向が強い。ターゲットと半導体基板41との距離を充分に大きくすると、半導体基板41の平たい表面部分41aにおける成膜速度は遅くなり、前記傾斜した成分が前記直交する成分よりも少なくなり、貫通電極形成用穴42の底面42bまで届く成分(前記直交する成分)の比率が前記傾斜した成分よりも多くなる。従って、成膜されたバリア膜43の膜厚は、平たい表面部分41aに比較して、貫通電極形成用穴42の底面42bで薄くなる傾向は残るものの、両者の差は小さくなる。そして、貫通電極形成用穴42の側面42cでは、底面42bに近づくほど膜厚が薄くなる傾向は残るが、貫通電極形成用穴42の上部開口側と底面側との膜厚の差は少なくなり、全体に、バリア膜43の平たい表面部分41aの膜厚に比較して、貫通電極形成用穴42の側面42cのバリア膜43の膜厚は薄くなる。
【0008】
このスパッタリング装置における、ターゲットと半導体基板41との間の距離により、スパッタされた粒子の飛来角度分布が制御できるという性質を用いて、貫通電極形成用穴42の底面42bと側面42cに付着する膜の膜厚差を小さくし、結果的に、半導体基板41の表面部分41aに付着する膜の膜厚を最小にするものである。
【0009】
まずは、ターゲットと半導体基板41間の距離を例えば300mmというような比較的長い距離に設定し、スパッタリング法による成膜を行う。この場合、基板41に飛来する粒子の入射角度は、半導体基板41の表面に対してほぼ垂直に揃っているので、貫通電極形成用穴42の底面42bに第1段階目のバリア膜43が優先的に付着する(図5B参照)。
【0010】
次に、前記の距離を例えば80mmというような比較的短い距離に設定し、スパッタリング法による成膜を行う。この場合、半導体基板41に飛来する粒子の入射角度は、斜め成分を多く含んだ分布を持っており、貫通電極形成用穴42の底面42bにはほとんど到達せず、貫通電極形成用穴42の側面42cに第2段階目のバリア膜44が優先的に付着する(図5C参照)。
【0011】
このように第1段階目のバリア膜43及び第2段階目のバリア膜44を形成する結果として、貫通電極形成用穴42の底面42bと側面42cに、万遍無く(カバレッジ良く)、薄膜のバリア膜を形成することができ、通常のスパッタリングでは、成膜レートが最も遅い面に付着した膜の膜厚が所定の値に達するまで成膜を行う必要がなくなるので、結果的に、表面部分41aの膜の膜厚を最小にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−267269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記先行技術においては、確かに、基板の表面の平たい部分に付着する膜の膜厚を最小に抑える手段としては有効であるが、貫通穴のアスペクト比(貫通孔の深さと径の比)が大きくなると、スパッタリング装置における基板−ターゲット間の距離の調整によるスパッタ粒子の入射角度制御では対応しきれなくなる。この基板−ターゲット間の距離以外に、スパッタリング圧力の調整によりスパッタ粒子の入射角度を制御しようとする試みもされているが、同様にアスペクト比が高くなると対応しきれない。さらに、スパッタ圧力を上げると、スパッタガスによるスパッタ粒子の散乱が促進されて入射角度分布が増大するので、貫通穴側面への付着確率は向上すると予測されるが、一方で、スパッタ圧力増大により、成膜レートそのものが顕著に低下するという問題も併せ持っている。
【0014】
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、高アスペクト比(例えば、5を超え10程度までのアスペクト比)の貫通穴であっても、貫通穴内部に薄膜をカバレッジ良く(万遍無く)形成することができ、かつ成膜レートを低下させないスパッタリング装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0016】
本発明の第1態様によれば、真空チャンバー内にガスを導入し所定の圧力に調整して、ターゲットに対向して基板保持部に保持された基板に成膜を行うスパッタリング装置において、
前記基板保持部は、前記基板の裏面と向かい合う基板ホルダと、前記基板ホルダの表面に設けられかつ前記基板の外形よりも小さな直径を有するリング状弾性部材とを備えて、前記基板の裏面と前記基板ホルダの表面と前記リング状弾性部材とによって囲まれた閉空間を形成可能であり、
前記基板ホルダの表面に一端が開口するガス導入管を介して前記閉空間にガスを導入可能なガス導入装置と、前記ガス導入管に設けられて前記閉空間内のガスの圧力を調整するガス圧力調整装置とを備えることを特徴とするスパッタリング装置を提供する。
【0017】
本発明の第2態様によれば、前記真空チャンバー内の圧力を一定に保持する調圧手段をさらに備えて、
前記ガス圧力調整装置は、前記基板に対する成膜の際に、前記閉空間内の前記ガスの圧力が、前記調圧手段で一定に保持される前記真空チャンバー内の圧力よりも高く保持されるように圧力調整することを特徴とする第1の態様に記載のスパッタリング装置を提供する。
【0018】
本発明の第3態様によれば、前記ガスがアルゴンガスであり、
前記ガス圧力調整装置は、前記閉空間内に供給される前記ガス圧力が、前記真空チャンバー内の前記ガス圧力よりも40Pa以上高く保持されるように圧力調整することを特徴とする第1又は2の態様に記載のスパッタリング装置を提供する。
【0019】
本発明の第4態様によれば、真空チャンバー内にガスを導入し所定の圧力に調整して、ターゲットに対向して基板保持部に保持された基板に成膜を行うスパッタリング方法において、
厚さ方向に貫通する貫通穴を有する前記基板を、前記基板の裏面が前記基板保持部との間で閉空間が形成されるように前記基板保持部に保持し、
前記閉空間内に供給されるガスの圧力を、前記ターゲットと前記ターゲットに対向する前記基板の表面との間の前記真空チャンバー内のガスの圧力よりも高く保持して、前記基板に対する成膜を行うことを特徴とするスパッタリング方法を提供する。
【0020】
本発明の第5態様によれば、前記基板の貫通孔の深さ寸法よりも前記ガスの平均自由工程が短くなるように前記閉空間内のガスの圧力を調整した状態で成膜を行なうこと
を特徴とする第4の態様に記載のスパッタリング方法を提供する。
【0021】
本発明の第6態様によれば、前記ガスがアルゴンガスであり、
前記前記閉空間内に供給される前記ガス圧力が、前記真空チャンバー内の前記ガス圧力よりも40Pa以上高いことを特徴とする第5の態様に記載のスパッタリング方法を提供する。
【0022】
本発明の第7態様によれば、真空チャンバー内にガスを導入し所定の圧力に調整して、ターゲットに対向して基板保持部に保持された基板に成膜を行うスパッタリング方法において、
厚さ方向に貫通する貫通穴が全体の面積の10%以下形成された前記基板を、前記基板の裏面が前記基板保持部との間で閉空間が形成されるように前記基板保持部に保持し、
前記閉空間内に供給されるガスの圧力を、前記ターゲットと前記ターゲットに対向する前記基板の表面との間の前記真空チャンバー内のガスの圧力よりも高く保持して、前記基板に対する成膜を行うことを特徴とするスパッタリング方法を提供する。
【0023】
本発明の第8態様によれば、前記基板の貫通孔の深さ寸法よりも前記ガスの平均自由工程が短くなるように前記閉空間内のガスの圧力を調製した状態で成膜を行なうこと
を特徴とする第7の態様に記載のスパッタリング方法を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によって、基板表面への成膜レートを低下させずに、基板に設けられた貫通電極形成用貫通穴の内部への薄膜の付着効率を向上させ、カバレッジの良い(万遍無い)スパッタリングを行うことができる。これにより、従来は必要以上に付着していた基板の平面部の薄膜層の厚みを低減することができ、後に行う配線パターニングのエッチング時間の短縮が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1における真空チャンバー及び基板保持部の断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるスパッタリング工程のフローチャート
【図3A】本発明の実施の形態1におけるガス流れシミュレーションを計算するときのシミュレーションモデルの説明図
【図3B】図3Aのシミュレーションモデルでガス流れシミュレーションが計算された、貫通穴付近の圧力計算結果を示すグラフ
【図4】本発明の実施の形態2におけるガス流れシミュレーション結果を示すグラフ
【図5A】従来技術(特許文献1)による製造方法を説明するための基板の貫通電極形成用穴の断面図
【図5B】従来技術(特許文献1)において基板の貫通電極形成用穴にバリア膜を形成した後の断面図
【図5C】従来技術(特許文献1)において基板の貫通電極形成用穴にめっきシード膜を形成した後の断面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するためのスパッタリング装置及び方法について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1に、本発明の1つの実施の形態にかかるスパッタリング装置及びその真空チャンバー1内に設けられて基板の一例としてのシリコン製の基板11を保持する基板保持部20の詳細を示す。本実施の形態では、基板11の厚さ方向に完全に貫通する貫通電極用の貫通穴33が形成された基板11を対象としている。
【0028】
アースされた真空容器1A内に形成される真空チャンバー1の内部の底部に、一例として円形板状部材で構成される基板ホルダ2が設置されている。真空チャンバー1内の基板ホルダ2の表面(図1の紙面上側の面)に対向する面であってかつ真空チャンバー1の天井近傍には、円形板状のスパッタリングターゲット9が真空チャンバー1に取り付けられている。基板ホルダ2には円形の基板11が保持される。この基板11の表面に対して薄膜の形成を行う場合は、真空チャンバー1に設けられた真空排気系の一例としての真空排気装置100により排気を行い、次に、スパッタリングに必要なプラズマを発生させるためのガスを、その流量と圧力を制御しながら真空チャンバー1内にガス導入装置105から導入し、スパッタリングターゲット9に直流又は交流の電圧を電圧印加装置102から印加することによって、真空チャンバー1内のスパッタリングターゲット9と基板11との間にプラズマを発生させる。なお、真空チャンバー1のガス圧力は、真空排気装置100に設けられている調圧手段の一例としての調圧装置104によって所定の圧力(スパッタリング圧力)で一定に保たれている。
【0029】
基板ホルダ2の表面の外周部には、基板11に接するリング状の弾性部材の一例としてのOリング4が、下半分が埋設され上半分が基板ホルダ2の表面から突出して配置されている。よって、基板ホルダ2の表面と基板11の裏面(図1の紙面下側の面)とOリング4とによって、後述するガスを滞留させるためのガス溜まり空間21を閉空間として形成可能としている。ガス溜まり空間21を確実に形成するため、Oリング4の直径は、基板11の外径よりも小さく構成しているとともに、Oリング4が基板ホルダ2の表面に対して位置決め固定されるように、Oリング4の下半分が基板ホルダ2の表面に埋設されている。
【0030】
さらに、ガス溜まり空間21を確実に形成するために基板11をOリング4と基板ホルダ2とに固定する手段として、基板11の周囲を機械的に基板保持方向(図1の紙面下側の方向)に押さえ付けるクランプリング3とクランプリング昇降装置103とを用いている。すなわち、基板11は、基板保持部20の基板ホルダ2の周りに、上端が大略リング状に形成された1個のクランプリング3又は複数個に分割されたクランプリング3によって、基板11の裏面がOリング4に密着するように、基板ホルダ2に保持される。クランプリング3の上端には大略リング状の係止爪部3aが有り、モータ又はエアシリンダなどのクランプリング昇降装置103により、クランプリング3が下降することにより、係止爪部3aが基板11の外周部を下向きに押圧して、基板11の裏面がOリング4に密着した状態で保持される。基板11を開放するときには、逆に、クランプリング昇降装置103によりクランプリング3を上昇させることにより、基板11の外周部から係止爪部3aを離し、基板11を基板ホルダ2から分離可能としている。本実施の形態では、クランプリング3を有する機械的なチャック機構を用いているが、本発明はこれに限られるものではなく、基板ホルダ2に対して基板11を静電吸着させる静電吸着方式を用いることもできる。
【0031】
このようにして、Oリング4と、基板11の裏面と、基板ホルダ2の表面とで囲まれる部分に閉空間を形成する。この際、基板を固定する手段として基板の周囲を機械的に基板保持部方向に押さえつけるクランプリングを用いる。
【0032】
また、基板ホルダ2を貫通するガス導入管5がガス溜まり空間21(閉空間)に接続されてその端部が開口し、ガス導入装置105からガス導入管5を介してスパッタ粒子散乱用ガスをガス溜まり空間21に流入させるようにしている。また、基板ホルダ2を貫通するガス排気管6がガス溜まり空間21に接続されてその端部が開口し、ガス排気管6にはガス溜まり空間21の圧力を一定に保持するためのガス調圧手段又はガス圧力調整装置の一例としての調圧機構8が設けられるとともに、調圧機構8での調圧のためにガス排気管6内の圧力を測定する圧力計7が設けられる。さらに、ガス排気管6の端部は排気装置106に接続されて、ガス排気管6を介してガス溜まり空間21から排気装置106で排気しながら、圧力計7で測定されたガス排気管6内の圧力に基づき、調圧機構8で排気流量が制御されてガス溜まり空間21の圧力を一定に保持するようにしている。ガス溜まり空間21に導入されるガスは、マスフローコントローラ107によって一定の流量に制御される。ガス溜まり空間21にあるガスの一部は、基板11に穿孔された貫通穴33(図1には図示していないが、図3の符号33を参照。)を通じて真空チャンバー1内に供給される。
【0033】
また、制御装置1000が備えられて、真空排気装置100と、ガス供給装置101と、電圧印加装置102と、クランプリング昇降装置103と、調圧装置104と、ガス導入装置105と、排気装置106と、マスフローコントローラ107と、調圧機構8との動作を、それぞれ、制御装置1000により制御して、スパッタリング工程を行えるようにしている。
【0034】
次に、本実施の形態におけるスパッタリング装置を使用して行うスパッタリング方法の各工程をフローチャートとして図2に示す。このスパッタリング方法は、制御装置1000の制御の下に前述のスパッタリング装置を動作制御して実施することができる。
【0035】
まず、基板11の一例として、貫通穴33付きのシリコン基板11を前述の基板保持部20の基板ホルダ2に載置する(ステップS1)。
【0036】
次いで、制御装置1000の制御の下に、クランプリング3及びクランプリング昇降装置103などの機構を用いてシリコン基板11を基板ホルダ2に機械的にチャッキングを行う(ステップS2)。
【0037】
次いで、制御装置1000の制御の下に、基板11と基板ホルダ2によって形成されるガス溜まり空間21にスパッタ粒子拡散用ガスをガス導入装置106から導入し、調圧機構8などを使用して調圧を行う(ステップS3)。
【0038】
次に、制御装置1000の制御の下に、シリコン基板11の貫通穴33から真空チャンバー1に供給されたガスを用いて、真空チャンバー1の真空排気系の一例としての真空排気装置100に設けられている調圧手段の一例としての調圧装置104によって、所定のスパッタ圧力に調整する(ステップS4)。本実施の形態では、一例として、所定のスパッタ圧力は、一般的なスパッタリングのガス圧力である0.5Paとしている。例えば、調圧機構8によるスパッタ圧力の調整だけでは所定時間内に調整できないなど、前述の基板11の貫通穴33から供給されるガスのみでは所定のスパッタ圧力に調圧できないと制御装置1000で判断した場合は、制御装置1000の制御の下に、真空チャンバー1側にある第2のガス供給装置101よりガスを真空チャンバー1内に導入した後(ステップS5)、再びステップS4に戻り、調圧を行う。
【0039】
ステップS4で、制御装置1000の制御の下に、真空チャンバー1内の調圧が完了した時点で、スパッタリングターゲット9に電圧印加装置102から電力供給を開始し、スパッタリング成膜を開始する(ステップS6)。
【0040】
予め決められた時間が経過したことを制御装置1000で検出すると、スパッタリングを終了し、制御装置1000により、スパッタリング処理を完了する(ステップS7)。その後、制御装置1000の制御の下に、すべてのガスの供給を停止し、真空チャンバー1内の調圧を終了し、真空排気状態に戻す(ステップS8)。
【0041】
制御装置1000の制御の下に、基板11を機械的にチャッキングしていたクランプリング3を及びクランプリング昇降装置103により開放し(ステップS9)、公知の搬送機構等により基板11を基板保持部20から取り外す(ステップS10)。
【0042】
ここで、ガス溜まり空間21のガス圧力の制御について説明する。
【0043】
本実施の形態においては、基板11の貫通穴33の内部のガス圧力を高めることにより、スパッタリングターゲット9から飛来したスパッタ粒子の散乱を促進させ、入射角度分布を増大させることにより、前述の課題を解決しようとしている。そのためには、ガスの分子の平均自由行程が、少なくとも貫通穴33の深さよりも短いことが要求される。
【0044】
ここで、気体の分子の平均自由行程:λは、以下の式(1)で求めることができる
【0045】
【数1】

.....(1)
ただし、k:ボルツマン定数
T:温度
P:圧力
r:原子(分子)半径
本実施の形態における貫通穴33の寸法は、一例として、直径100μm、深さが250μmである。スパッタリングで一般的に用いられているアルゴンガスの場合、そのアルゴンガスの分子の平均自由行程は、100Paで113μm、200Paで57μmであることは計算で求められる。貫通穴33の寸法から考えると(貫通穴33の深さが250μmであることを考えると)、100Pa程度の圧力が必要であることがわかる。すなわち、アルゴンガスの分子の平均自由行程が100Paで113μmであれば、貫通穴33の深さが250μmであるのに対して小さくなり、貫通穴33内でアルゴンガスの分子が効果的に散乱することができる。
【0046】
他に、分子半径がより大きいガスを用いることにより、低い圧力で同等の平均自由行程を得ることもできる。例えばキセノンガスを用いた場合、100Paで48μmであり、貫通穴33の深さが250μmであるのに対して十分小さく、貫通穴33内でキセノンガスの分子が効果的に散乱することができる。
【0047】
つまり、基板11の貫通穴33の内部のガス圧力を高めて、ターゲット9から飛来したスパッタ粒子の散乱を促進し、入射角度分布を増大させるためには、(貫通穴の深さ寸法:D)>>(気体の分子の平均自由行程:λ)であることが求められる。
本実施の形態では、ガス流れシミュレーションを用いて、圧力制御性の検証を行ったので、以下に説明する。
【0048】
図3A及び図3Bは、シミュレーションでの計算モデルの例とその計算結果を示したものである。本実施の形態にかかる計算モデルの例では、ペガサスソフトウェア株式会社製の「中性粒子連続体モジュール(NMEM)」を用いて計算を行った。図3Aに計算モデルを示す。図3Aの左端32を回転対称軸(基板11の中心軸と仮定する。)とした円柱座標系のモデルである。本計算モデルにおいて、真空チャンバー1に見立てた計算領域31の寸法は、半径100mm、高さ30mmである。貫通穴33付き基板11を計算領域31の下部におき、基板保持部20の基板ホルダ2の上面である計算領域31の底面との間でガス溜まり空間21を形成する。基板11の一部を切り欠き、貫通穴33を表現している。本来の貫通穴33のように直径100μmの多数の貫通穴33の開口をモデル化するのは困難であるので、ここでは、計算を簡単にするために、1ヶ所の貫通穴33の開口に代表させ、全体の開口率を揃えるようにした。本計算モデルにおいては、開口率を4%に設定した。前述のように、この計算モデルは、回転対称であるので、環状の貫通穴33が開いているモデルになるが、計算上問題はない。ガス溜まり空間21に対してガス導入管5の先端のスパッタ粒子拡散用のガス導入口34を設け、本計算モデルでは、アルゴンガス2000sccmを流量として設定した。この流量は予備計算において、ガス溜まり空間21の圧力がおよそ100Paとなるように調整したものであり、ガス溜まり空間21の容積又は基板上の貫通穴33の開口率によって調整する必要がある。一方の真空チャンバー1側にもガス供給装置101からのガス供給管の先端のスパッタ用ガス導入口35を設け、本計算モデルでは、アルゴンガス100sccmを流量として設定した。調圧機構8の一例としてスパッタ圧力の調節バルブ36を設け、本計算モデルでは、一般的なスパッタリング圧力である0.5Paに設定した。また、この計算モデルでのメッシュ分割数を横100、縦30として計算を行った。
【0049】
図3Bに、図3Aの計算モデルでの計算結果を示す。図3A中に37で示した二点鎖線に沿った圧力変化を図3Bは示したものである。図3A及び図3Bとも、上下方向は同じであり、図3B中に38で示した2本の線分で囲まれた領域が図3Aの基板11の位置を表している。図3Bでは、横軸が圧力、縦軸が図3Aに示した計算領域31の底面からの距離である。
【0050】
この計算結果より、本実施の形態の計算モデルにおいて、真空チャンバー1を0.5Paにし、ガス溜まり空間21を100Pa程度に調圧することにより、貫通穴33の内部は深さ方向の場所によって圧力の傾斜が生じるが、おおよそ40から60Pa程度の圧力を実現できることがわかる。この40から60Paの圧力領域での平均自由行程λは、アルゴンガスの分子の場合は約200μmである。深さ250μmの貫通穴33においては、アルゴンガスの分子の平均自由行程λが貫通穴33の深さよりも短いため、スパッタ粒子は貫通穴33の内部の側面に対して平均1回は衝突することになり、スパッタ粒子を貫通穴33内で拡散する効果があると言える。さらに、スパッタ粒子を効果的に拡散するために、原子半径のより大きなガスを用いることができ、例えばキセノンガスの場合であれば、キセノンガスの分子の平均自由行程は約100μmまで短くすることができる。さらに、質量も大きくなるので、スパッタ粒子の拡散には、より効果的である。
【0051】
本実施の形態によれば、基板11の裏面と基板保持部20との間で閉空間としてのガス溜まり空間21を形成し、ガス導入装置105を使用してガスをガス溜まり空間21内に供給するが、供給されたガスの一部は、ガス溜まり空間21内から基板11の複数の貫通穴33を通じて真空チャンバー1内へと流出する。このとき、ガス溜まり空間21内のガスの圧力をガス排気管6に設けられた調圧機構8によって一定に保つと共に、真空チャンバー1のガス圧力を、真空排気装置100に設けられた調圧装置104によって一定に保持する。このようなスパッタリング装置の構成を用いることによって、真空チャンバー1内のガス圧力(基板11の表面の圧力)に比べて、基板11の貫通穴33の内部のみのガス圧力を高めることが可能であり、貫通穴33の内部でのみ、スパッタ粒子のスパッタガスによる散乱が促進させることができる。これにより、貫通穴33の内部の側面に薄膜をカバレッジ良く(基板11の表面と同様な厚みの膜を)形成することができる。この時、真空チャンバー1内のガス圧力は、一般的なスパッタの圧力に保持されているので、成膜レートの低下を引き起こすこともない。このようにして、基板11の貫通穴33の内部とその近傍のガス圧力を局所的に増大させることにより、全体の成膜レートを低下させずに、貫通穴33の内部ではスパッタ粒子の拡散を促進させることができる。そして、これにより、カバレッジの良い(基板11の表面と側面で万遍無い)成膜を実現することができる。言い換えれば、基板11に設けられた貫通電極形成用貫通穴33の内部への薄膜の付着効率を向上させ、カバレッジの良いスパッタリングを行うことができる。これにより、従来は必要以上に付着していた基板の平面部の薄膜層の厚みを低減することができ、後に行う配線パターニングのエッチング時間の短縮が可能になる。また、エッチングする膜の膜厚が減少することで、フォトレジストの線幅よりも実際の配線パターンが細くなってしまう寸法シフト量も抑制することができ、配線の微細化を可能にすることができる。また、同じくエッチング液の入り込みが抑制されることで、ある薄膜層の下部の空洞部分を低減することができ、膜剥がれを防止し、信頼性を向上させることができる。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、基板11に設けられた貫通穴33をガス流路におけるオリフィスと見立て、貫通穴33を境界として圧力差を発生させることにより、成膜レートを保持したまま貫通穴33の内部の薄膜付着効率を向上させることができる。
【0053】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、調圧機構8による調圧無しの例を実施の形態2として、以下に説明する。
【0054】
(実施の形態2)
実施の形態2は、調圧機構8を備えていないこと以外は、実施の形態1と同様のものである。本実施の形態について、図3Aと同様のモデルで、貫通穴33の開口率を変化させて計算した結果を図4に示す。図4では、横軸は貫通穴33の開口率、縦軸はガス溜まり空間21の圧力である。図4では、ガス溜まり空間21へはガスを流入させるだけであって、調圧機構8による調圧を行っていないので、開口率が大きくなるほど、貫通穴33を通じて真空チャンバー1に流出する確率が増え、ガス溜まり空間21の圧力が低下する結果となっている。
【0055】
しかしながら、開口率10%においても40Pa程度のガスをガス溜まり空間21に溜めることができているので、条件又はガスの種類を選べば、スパッタ粒子の拡散を実現することができる。これは、前述のように、アルゴンガスを用いる場合に、貫通孔33の深さ250μmより短い平均自由工程200μmを実現するためのアルゴンガスの圧力40Paを、調圧機構8を用いずに実現できることを意味する。すなわち、基板11の面積に対する、基板11の厚さ方向に貫通する貫通穴33が基板11上に占める面積を10%以下にすれば、40Pa程度のガスをガス溜まり空間21に確実に溜めることができ、調圧機構8による調圧無しでも(言い換えれば、調圧機構8を備えなくても)、アルゴンガスにおいては、先の実施の形態1とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
【0056】
ガス溜まり空間21内のガスの圧力が、調圧装置104で一定に保持される真空チャンバー1内の圧力よりも高く保持できるように、ガス導入装置105でガスをガス溜まり空間21内に供給すれば、先の実施の形態1とほぼ同様に、基板11に対する成膜を行うことが可能となる。一例として、ガス溜まり空間21内に供給されるガス圧力が、真空チャンバー1内のガス圧力よりも40Pa以上高くなるように、ガス導入装置105でガスをガス溜まり空間21内に供給すればよい。このようにすれば、先の実施の形態1とほぼ同様な作用効果を奏することができる。
【0057】
このように、本発明の前述の種々の実施の形態によれば、前述のような優れた作用効果を奏することができる。これに対して、従来、基板の厚さ方向に穿孔された貫通穴の内部側壁などにスパッタリング法で成膜を行う際、カバレッジ向上のための手段として、基板とターゲットの距離の調整によるスパッタ粒子の入射角度分布制御又はスパッタリング圧力の調整によるガス粒子によるスパッタ粒子の散乱促進などが用いられてきた。しかしながら、貫通穴のアスペクト比が高くなるにつれて、基板とターゲットの距離の調整では実現が困難になってきている。また、真空チャンバー内のスパッタ圧力を調整して圧力を高くすると、ガス粒子とスパッタ粒子の衝突確率が増大し、散乱は促進されるが、同時に成膜レートが低下してしまうという問題も生じてしまう。そこで、本発明によれば、高アスペクト比の貫通穴にも対応でき、生産性の低下を招かないようなスパッタリング装置及び方法を提供することができる。
【0058】
なお、前述の種々の実施の形態では、基板11の厚さ方向に完全に貫通する貫通電極用の貫通穴33を例として挙げているが、本発明は、直線的に貫通する貫通穴33に限定されるものではなく、例えば、厚さ方向には屈曲するなど、基板11の厚さ方向に物理的に空間としてつながっていれば、他の例に本発明を応用することは可能である。
【0059】
なお、前述の様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のスパッタリング装置及びスパッタリング方法を用いることで、基板の深さ方向に貫通する穴を持つ基板に対して、貫通穴内部へ薄膜をカバレッジ良く形成することができる。デバイスとしては、回路基板同士を接続するためのインターポーザ又はチップ内で表裏の配線を接続する貫通電極の製造に有効である。
【符号の説明】
【0061】
1 真空チャンバー
1A 真空容器
2 基板ホルダ
3 クランプリング
3a 係止爪部
4 Oリング
5 ガス導入管
6 排気管
7 圧力計
8 調圧機構
9 スパッタリングターゲット
11 基板
20 基板保持部
21 ガス溜まり空間
31 計算領域
32 回転対称軸
33 貫通穴モデル
34 拡散用ガス導入口
35 スパッタ用ガス導入口
36 スパッタ圧力調整バルブ
37 圧力計算を行った線分
38 基板の位置
41 基板
42 貫通電極形成用穴
43 第1段階目のバリア膜
44 第2段階目のバリア膜
41a 基板裏面側の平面
42b 貫通電極形成用穴底面
42c 貫通電極形成用穴側面
100 真空排気装置
101 ガス供給装置
102 電圧印加装置
103 クランプリング昇降装置
104 調圧装置
105 ガス導入装置
106 排気装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバー内にガスを導入し所定の圧力に調整して、ターゲットに対向して基板保持部に保持された基板に成膜を行うスパッタリング装置において、
前記基板保持部は、前記基板の裏面と向かい合う基板ホルダと、前記基板ホルダの表面に設けられかつ前記基板の外形よりも小さな直径を有するリング状弾性部材とを備えて、前記基板の裏面と前記基板ホルダの表面と前記リング状弾性部材とによって囲まれた閉空間を形成可能であり、
前記基板ホルダの表面に一端が開口するガス導入管を介して前記閉空間にガスを導入可能なガス導入装置と、前記ガス導入管に設けられて前記閉空間内のガスの圧力を調整するガス圧力調整装置とを備えることを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項2】
前記真空チャンバー内の圧力を一定に保持する調圧手段をさらに備えて、
前記ガス圧力調整装置は、前記基板に対する成膜の際に、前記閉空間内の前記ガスの圧力が、前記調圧手段で一定に保持される前記真空チャンバー内の圧力よりも高く保持されるように圧力調整することを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング装置。
【請求項3】
前記ガスがアルゴンガスであり、
前記ガス圧力調整装置は、前記閉空間内に供給される前記ガス圧力が、前記真空チャンバー内の前記ガス圧力よりも40Pa以上高く保持されるように圧力調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリング装置。
【請求項4】
真空チャンバー内にガスを導入し所定の圧力に調整して、ターゲットに対向して基板保持部に保持された基板に成膜を行うスパッタリング方法において、
厚さ方向に貫通する貫通穴を有する前記基板を、前記基板の裏面が前記基板保持部との間で閉空間が形成されるように前記基板保持部に保持し、
前記閉空間内に供給されるガスの圧力を、前記ターゲットと前記ターゲットに対向する前記基板の表面との間の前記真空チャンバー内のガスの圧力よりも高く保持して、前記基板に対する成膜を行うことを特徴とするスパッタリング方法。
【請求項5】
前記基板の貫通孔の深さ寸法よりも前記ガスの平均自由工程が短くなるように前記閉空間内のガスの圧力を調整した状態で成膜を行なうこと
を特徴とする請求項4に記載のスパッタリング方法。
【請求項6】
前記ガスがアルゴンガスであり、
前記前記閉空間内に供給される前記ガス圧力が、前記真空チャンバー内の前記ガス圧力よりも40Pa以上高いことを特徴とする請求項5に記載のスパッタリング方法。
【請求項7】
真空チャンバー内にガスを導入し所定の圧力に調整して、ターゲットに対向して基板保持部に保持された基板に成膜を行うスパッタリング方法において、
厚さ方向に貫通する貫通穴が全体の面積の10%以下形成された前記基板を、前記基板の裏面が前記基板保持部との間で閉空間が形成されるように前記基板保持部に保持し、
前記閉空間内に供給されるガスの圧力を、前記ターゲットと前記ターゲットに対向する前記基板の表面との間の前記真空チャンバー内のガスの圧力よりも高く保持して、前記基板に対する成膜を行うことを特徴とするスパッタリング方法。
【請求項8】
前記基板の貫通孔の深さ寸法よりも前記ガスの平均自由工程が短くなるように前記閉空間内のガスの圧力を調製した状態で成膜を行なうこと
を特徴とする請求項7に記載のスパッタリング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2010−245408(P2010−245408A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94477(P2009−94477)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】