説明

スロットマシン

【課題】当選した権利を消滅させる契機を、入賞の有無の確定前の遊技者のストップスイッチの押下態様に起因して設けることで、新たな遊技性を発生させることができる。
【解決手段】当選抽選手段(110)の抽選結果により所定の複数の役が当選して、入賞可能となっている状態で、回転している回転リール(40)の回転をストップスイッチ(50)によって停止させるための押下態様に起因して、複数の当選の権利のうちの、一部の当選の権利を入賞の有無の確定前に消滅可能に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の役が当選した状態で、停止操作の押下態様により入賞によらずに当選の権利の一部を消滅させるスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスロットマシンとしては、当選抽選手段の抽選により、所定の図柄の組み合わせから構成される役に当選して、当選フラグが成立し、当選フラグが成立している状態で、遊技者のストップスイッチの押下操作によって回転リールを停止させ、所定の入賞有効ライン上に、その当選役の図柄の組み合わせを停止させることができたときに入賞し、遊技者にメダル払い出し等の特典(遊技者の利益となるもの)が与えられる。すなわち、当選の権利である当選フラグは、成立している状態で、その当選中の当選図柄を入賞有効ライン上に停止させて入賞することにより、その目的を終了して、当選フラグは消滅するように形成されている。
【0003】
また、役には、小役と呼ばれ、当選しても当該遊技で入賞できなかった場合には、当選の権利が持ち越されないものと、遊技者に大きな利益を付与するBBゲームへ移行することが可能で、当選しても当該遊技で入賞できなかった場合には、次の遊技にも持ち越し可能なBB移行役等とがある。すなわち、当選の権利が次の遊技に持ち越されない小役の当選フラグが成立して、当該遊技で所定の図柄を揃えることができず、入賞できなかった場合には、その当選フラグは当該遊技で消滅するように形成されている。また、持ち越し可能なBB移行役等の当選フラグが成立して、当該遊技で所定の図柄を揃えることができず、入賞できなかった場合には、その当選フラグは当該遊技で消滅せずに、次の遊技に持ち越されるように形成されている。
【0004】
また、回転リールの押下位置に関する技術では、回転リールの押下位置を所定遊技数、監視し、その遊技数間の押下位置によって、目押しを行っている遊技者と、そうでない遊技者とを判別し、それぞれに応じた演出に切り替えるものが知られている(例えば、特許文献1。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−237493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記した従来のスロットマシンでは、当選した権利としての当選フラグは、上述したように入賞することができた場合や、持ち越し不可の役が入賞できなかった場合等に、消滅するが、当選した権利であるフラグを設けた目的を入賞により達成したことで、或いは持ち越し不可という制限下、当該遊技の終了により消滅させているもので、消滅させる契機に特に面白みがなく、遊技性の変化に乏しいといった問題点があった。
そこで、本発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、当選した権利を消滅させる契機を、入賞の有無の確定前の遊技者のストップスイッチの押下態様に起因して設けることで、新たな遊技性を発生させることができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、複数の図柄(61)を周囲に配置した回転リール(40)と、前記回転リール(40)の回転を開始させるためのスタートスイッチ(30)と、前記回転リール(40)の回転を停止させるためのストップスイッチ(50)と、前記図柄(61)の組み合わせにより構成される役を抽選により当選として決定するための当選抽選手段(110)と、当選に基づく停止制御を前記回転リール(40)に対して行うための停止制御手段(120)とを備え、メダル投入の後の前記スタートスイッチ(30)の押下により、前記当選抽選手段(110)による当選の抽選を行うと共に、3つの前記回転リール(40)が回転を開始し、前記当選抽選手段(110)の抽選の結果、所定の前記役に当選し、且つ各回転リール(40)に対応した前記ストップスイッチ(50)の押下によって回転している前記回転リール(40)の回転を停止させ、入賞有効ライン上の停止時の図柄(61)の組合せが、予め定められた図柄(61)表示態様になることにより入賞と判断するスロットマシン(10)において、前記当選抽選手段(110)の抽選結果により所定の複数の役が当選して、入賞可能となっている状態で、回転している前記回転リール(40)の回転を前記ストップスイッチ(50)によって停止させるための押下態様に起因して、複数の当選の権利のうちの、一部の当選の権利を入賞の有無の確定前に消滅可能に形成されていることを特徴とする。
【0008】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、所定の複数の役が当選している場合、入賞させることに関する優先順位が決定されてあり、その優先順位に基づいて、複数の当選の権利のうちの、一部の当選の権利を消滅可能に形成されていることを特徴とする。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、所定の複数の役が当選している場合、入賞させることに関する優先順位が決定されてあり、複数の役が当選して、入賞可能となっている状態で、入賞させることに関する前記優先順位が後の役ほど、遊技者へ大きな利益を付与可能に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1記載の発明によれば、所定の複数の役が当選している状態で、ストップスイッチの押下態様に起因して、一部の当選した権利を入賞の有無の確定前に消滅させることができる。このため、当選した権利を、今までにない契機で消滅させることができ、新たな遊技性を発生させることができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項2記載の発明によれば、所定の複数の役が当選している場合に、入賞させることに関する優先順位が決定されているため、複数の当選している役のうち遊技者が希望する役を入賞させるために、優先順位に基づく所定の当選の権利を消滅させるための押下態様を行うという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
【0010】
(請求項3)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項3記載の発明によれば、遊技者がより大きな利益を獲得すべく、入賞させることに関する優先順位の可能な限り後の役を入賞させるために、それ以前の優先順位の役の当選の権利を消滅させるという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態であって、スロットマシンを示す外観正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態であって、スロットマシンの入力、制御及び出力を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態であって、通常遊技中又は内部中の当選判定テーブルを示す概略図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態であって、成立している複数の当選フラグの種類によって、使用する停止テーブルを示すテーブルである。
【図5】本発明の第1の実施の形態であって、スロットマシンの遊技の動作の概略を示すフローである。
【図6】本発明の第1の実施の形態であって、スロットマシンの動作のうち、当選抽選処理の概略を示すフローである。
【図7】本発明の第1の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の一例の概略図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の一例の概略図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の一例の概略図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の一例の概略図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の一例の概略図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【図13】本発明の第2の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の一例の概略図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態であって、押下態様取得手段を示すブロック図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【図16】本発明の第4の実施の形態であって、押下態様取得手段を示すブロック図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【図18】本発明の第5の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【図19】本発明の第6の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【図20】本発明の第7の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【図21】本発明の第8の実施の形態であって、成立している複数の当選フラグの種類によって、使用する停止テーブルを示すテーブルである。
【図22】本発明の第8の実施の形態であって、回転リールの回転停止処理の概略を示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
(スロットマシン10の概要)
図1に示すように、本実施の形態に係る遊技機としてのスロットマシンであって、正面に向かって開口する正面開口部を有する四角箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口部を開閉自在に塞ぐ前扉14とを有する。前記前扉14は、正面開口部の上部を開閉自在に塞ぐ上扉3と、正面開口部の下部を開閉自在に塞ぐ下扉4とを備えている。
前記上扉3には、遊技者側に向かって臨む略四角窓状の表示窓12が形成されている。そして、この表示窓12の略中央には、三個の回転リール40の図柄61、いわゆる停止図柄61を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。
【0013】
前記図柄表示窓13の奥には、3個の駆動モータによって図柄表示手段としての回転リール40を回転させるためのリールユニット60が配置されてある。前記回転リール40は、左端側に位置する左側回転リール43と、右端側に位置する右側回転リール45と、この左側回転リール43及び右側回転リール45の間に位置する中央回転リール44とからなる。
そして、スロットマシン10の前面側には、横方向に3本、左右の対角線上の斜め方向に2本の合計5本の入賞ラインA〜Eが形成されている。本実施の形態に係るスロットマシン10は、メダルの投入枚数が1枚及び2枚はなく、3枚専用のもので、対角線も含めた五本の入賞ラインの全部が、入賞有効ラインとなる。
【0014】
前記前扉14には、遊技者に入賞等を音や光や映像で報知させる報知手段66が形成されてあり、この報知手段66は、上下左右のスピーカー67と、表示窓12の上部中央に配置された液晶表示装置68と、表示窓12の周囲縁に配置された報知ランプ69とを備えている。
前記下扉4には、メダルを投入するためのメダル投入口18と、メダルのメダル投入口18から投入されたメダルを検知するための投入スイッチ15と、貯留メダル数を減じてメダル投入に代えるベットスイッチ16と、クレジットしたメダルを払い出すための精算スイッチ17と、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の投入を条件に回転リール40の回転を開始させるための変動表示開始手段としてのスタートスイッチ30と、操作により対応する回転リール40の回転を停止させるための変動表示停止手段としてのストップスイッチ50とを備えている。
【0015】
前記下扉4の奥には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払い出し手段65と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ71を有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置70とが配置されている。
そして、下扉4の下部には、入賞した場合に、貯留払い出し手段65からメダルが払い出される払い出し口32が形成され、この払い出し口32の下方には、払い出し口32から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状の払い出し皿33が形成されている。
【0016】
本実施の形態に係るスロットマシン10は、原則として、ベットスイッチ16操作又はメダル投入後のスタートスイッチ30の押下により、回転リール40の回転を開始すると共に、当選抽選を行い、各回転リール40のストップスイッチ50の押下タイミング及び当選抽選の結果に基づいて、回転リール40の回転を当選抽選の結果に沿うように停止させ、停止時の図柄の組み合わせによって、入賞の有無を判断し、入賞した場合には所定枚数のメダルを払い出す等の特典を付与するスロットマシンである。
なお、本明細書において、「前面」や「前」や「手前」とは、遊技者が、スロットマシン10の正面側の前にスロットマシン10の方に顔を向けているような場合のかかる遊技者から見た場合の奥から手前への方向を意味する。同様に「背面」や「後方向」や「奥方向」とは、遊技者が、スロットマシン10の正面側にスロットマシン10の方を向いているような場合のかかる遊技者から見たときの手前から奥への方向を意味する。同様に「左方向」や「右方向」等の左右方向も、かかるスロットマシン10の前面の方を向いて位置している者から見た場合の方向を意味する。
【0017】
(電源装置70)
前記電源装置70は、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ71を有すると共に各部品に電力を供給するためのものである。
(制御装置20)
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が形成されている。前記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAMを備えている。そして、ROMに記憶されたデータやプログラムを、RAMが読み込むことで、動作可能に形成されている。
【0018】
前記制御装置20の入力段には、上述した投入スイッチ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50が接続され、出力段には、上述した貯留払い出し手段65、リールユニット60及び報知手段66が接続されている。
前記制御装置20は、遊技を進行させて遊技状態を制御する主制御装置21と、この主制御装置21からの信号を受けて、遊技の演出を行うために演出状態を制御する副制御装置22とを備えている。
(主制御装置21)
前記主制御装置21は、スタートスイッチ30の遊技者による操作により、乱数抽選を行い、ストップスイッチ50の操作により、その抽選結果を反映させた回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。
【0019】
前記主制御装置21は、遊技制御手段27と、当選抽選手段110と、停止制御手段120と、押下態様取得手段130と、権利消滅手段140とを備えている。
なお、本スロットマシンにより行う遊技は、一般的(通常)に行われる通常遊技と、同一の遊技回数を基準として遊技期間で比較した場合に、この通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能な特別遊技とを備えている。この特別遊技は、通常遊技中に予め定めた所定の役に入賞することにより移行するとともに通常遊技よりも単位時間あたりの獲得可能なメダル数が多くなることが可能に形成されている。この特別遊技は、具体的には、所定枚数までのメダルの獲得が可能なBB遊技(ビッグボーナス遊技)を備えている。もちろん、この特別遊技は、上述したものに限定されず、他の遊技でもよいものであって、例えば、停止操作順番や当選図柄等の種々の報知をすることによって遊技者をアシストするAT遊技(アシストタイム遊技)や、当選役リプレイの抽選確率が通常遊技よりも高く設定されたRT遊技(リプレイタイム遊技)や、このAT遊技と、RT遊技とを組み合わせたART遊技(アシストリプレイタイム遊技)でもよい。
【0020】
ここで、「役」とは、原則として図柄の組み合わせにより構成されるもので、予め定めた入賞態様を意味するものであって、例えば、左、中、右の回転リール40の停止図柄が、それぞれ7、7、7のように、通常、回転リールに表示される図柄を、3つ揃えた形が基本形となる。
役には、入賞によりメダルの払い出しを伴う小役(小役a、小役b、小役c)と、入賞によりメダル払い出しは無いがBB遊技に移行するBB遊技移行役(ビッグボーナスゲーム移行役)と、メダルの払い出しは無いが、メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができるリプレイ(再遊技)役とを備えている。
【0021】
(遊技制御手段27)
前記遊技制御手段27は、遊技を行わせるためのものである。ここで、遊技制御手段27が行わせる遊技は、メダルの投入を条件として遊技が開始可能となり、当選抽選手段の抽選の結果、所定の役に当選し、且つ遊技状況が役に応じて予め定められた図柄表示の態様になること(役に対応する図柄が入賞有効ライン上に揃うこと)により入賞となり、或いは、かかる図柄表示の態様にならないこと(役に対応する図柄が入賞有効ライン上に揃わないこと)により外れとなって1回の遊技が終了するように設定されている。なお、入賞有効ラインとは、入賞ラインのうち、投入メダル枚数によって設定されるラインであって、当該ラインに当選した役を構成する図柄が揃うことにより、当該役の入賞となるものである。
【0022】
そして、その抽選の結果がいずれかの当選となった場合(内部入賞とも言う。)、その当選に対応した当選フラグが成立する。ここで、「当選フラグ」とは、当選抽選手段110の抽選の結果が所定の役に当選の場合に、当選であることを記憶しておくためのメモリーであって、当選フラグが成立している状態で、当選の権利が発生していることを意味する。そして、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄61の組み合わせが、予め定められた所定の入賞図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が三個揃うもの)と一致したことを条件に入賞するように形成されている。
当選には、小役当選(小役a、小役b及び小役cの各当選)と、BB遊技当選(ビッグボーナスゲーム当選)と、リプレイ(再遊技)当選とを備えている。なお、小役当選及びリプレイ当選の当選フラグは、入賞しない場合に、次の遊技に持ち越されない持越不可フラグであるが、BB遊技の当選フラグは、入賞しない場合に、次の遊技に持ち越される持越可能フラグになっている。
【0023】
(当選抽選手段110)
前記当選抽選手段110は、抽選用の乱数を所定の領域内(十進数で0〜65535)で発生させ、その乱数を、スタートスイッチ30の操作タイミングで取得し、予め定めた当選領域のデータテーブルを有する当選判定テーブルに基づいて、当選の有無や、種類を決定している。
具体的には、当選抽選手段110は、一定範囲の数字を高速で1ずつ加算するカウンタを用いて、抽選用の乱数を所定の領域内(十進数で0〜65535)で発生させる当選乱数発生手段111と、当選乱数発生手段111が発生する乱数を、所定の条件(具体的には、スタートスイッチ30の操作)で取得する当選乱数取得手段112と、当選乱数発生手段111がとる乱数の全領域中、各当選項目の当選領域の当選判定テーブルを有する当選判定テーブル記憶手段113と、所定の取得乱数及び当選判定テーブルの当選領域を照合し、当該取得乱数が属する当選領域に対応する当選を決定する当選判定手段114とを備えている。
【0024】
本実施の形態では、通常遊技と、BB遊技とが設定されているが、取得した乱数の当選の有無及び種類を決定するために、乱数の範囲を予め定めた当選判定テーブルを、これらの各遊技のそれぞれにおいて設けてある。
図3に示すように、通常遊技に用いる当選判定テーブルXでは、小役aと、小役bと、BB移行役との3つの役が重複当選する重複当選領域Sが形成されている。当選乱数取得手段112によって取得した乱数が、この重複当選領域に含まれるような場合には、小役aと、小役bと、BB移行役との3つがそれぞれ当選の権利を獲得し、すなわち、小役aの当選フラグと、小役bの当選フラグと、BB移行役の当選フラグとが成立している状態となる。
【0025】
そして、図3の通常遊技用の当選判定テーブルで抽選を行い、取得乱数が重複当選領域Sに含まれて、BB移行役に入賞できなかった場合、持越可能フラグであるBB移行役の当選フラグは次の遊技に持ち越される。そして、通常遊技中に、BB移行役の当選フラグが成立中、いわゆる内部中には、図3に示すように、当選判定テーブルYが抽選に使用される。この当選判定テーブルでは、ハズレの領域が、当選判定テーブルXと比較して、かなり小さく、また、BB移行役や小役cの当選領域がなく、小役a及び小役bの重複当選領域Tが形成されている。
(停止制御手段120)
前記停止制御手段120は、当選抽選手段110の抽選の結果に対応した停止制御を回転リール40に対して行うためのものである。この停止制御手段120では、当選抽選の結果に対応する停止位置を予め記録した停止テーブルを多数用意して、その中から抽選結果に対応する停止テーブルを選択して、その選択した停止テーブルに基づいて停止させる、いわゆるテーブル停止制御を用いている。なお、この停止テーブルでは、停止位置の図柄の上の図柄から連続する4個の引き込み可能図柄61の中(停止位置の図柄も含めて全部で5個の図柄)のうちから予め設定した所定図柄を引き込んで停止させるような引き込みコマ数が設定されている。
【0026】
このテーブル停止制御は、いずれかの当選フラグが成立中に、優先的に引き込む図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、選択した停止テーブル上に予め記載されている21個の図柄に対応する各停止操作位置(No0〜No20)でのすべりコマ数により決定されるものである。例えば、左側回転リール43、中央回転リール44及び右側回転リール45の入賞有効ライン上の図柄が順にセブン、セブン、セブンと停止することにより、BBゲームに入賞するように設定されている。そして、かかるBBゲームの当選フラグが成立している場合に、中央回転リール44での所定の入賞有効ラインでの停止操作位置がNo6であるとき、選択された停止テーブルのNo6の位置から3コマ後(3コマ回転上流の位置)にセブンが位置して、そのNo6の位置のすべりコマ数には3が予め設定されているとする。かかる場合、その所定の入賞有効ラインには、No6の図柄から3コマだけ回転移動してセブンの入賞図柄が停止することとなるものである。このように、停止テーブルには、各停止操作位置でのすべりコマ数が予め設定されている。
【0027】
当選抽選手段110の抽選結果によって、重複当選領域に関する当選フラグが成立した場合、成立している当選フラグの種類によって、図4に示すように、使用する停止テーブルが選択される。
ここで、小役a及び小役bは、回転リール40の周囲の図柄配置において、いずれの位置で押下操作しても、停止位置の図柄も含めて停止位置から回転上流側に向かって全部で5個の図柄の範囲内に、その役を構成する図柄が含まれているような図柄配置に設定されてある。従って、小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択されている場合、後述する小役aの当選フラグを消滅させる押下位置を除いたいずれの位置であっても、小役aを構成する図柄を入賞有効ライン上に停止させることができる。また、小役bを優先的に引き込む停止テーブルが選択されている場合、後述する小役bの当選フラグを消滅させる押下位置を除いたいずれの位置であっても、小役bを構成する図柄を入賞有効ライン上に停止させることができる。
【0028】
そして、この重複当選領域Sに関する複数の役(小役a、小役b及びBB移行役)が当選している場合、入賞させることに関する優先順位が決定されてある。具体的には、図4に示すように、小役a、小役b及びBB移行役の順に入賞できるように決定されてあり、成立している当選フラグの種類によって、その優先順位に基づいて、停止テーブルが選択されるように設定されている。
すなわち、小役a、小役b及びBB移行役の3つの当選フラグが成立している状態では、小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、後述する押下位置による小役aの当選フラグの消滅で、小役bと、BB移行役との当選フラグが成立している状態では、小役bを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、後述する押下位置による小役bの当選フラグの消滅で、小役aと、BB移行役との当選フラグが成立している状態では、小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、後述する押下位置による小役a及び小役bの当選フラグの消滅で、BB移行役だけの当選フラグが成立している状態になってはじめて、BB移行役を優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、BB移行役を入賞させることができずに当該遊技が終了して、次の遊技にBB移行役の当選フラグだけが持ち越されて、リプレイに当選し、BB移行役及びリプレイの当選フラグが成立している状態では、リプレイを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、BB移行役の当選フラグが持ち越されて、重複当選領域Tに当選した場合は、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している場合には、小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、BB移行役の当選フラグを持ち越している状態で、抽選結果が当選判定テーブルYのハズレになった場合は、BB移行役の当選フラグだけが成立している状態となり、BB移行役を優先的に引き込む停止テーブルが選択される。この当選判定テーブルYでのハズレの割合はかなり小さいので、そのようになる確率はかなり小さなものとなる。なお、当選判定テーブルYのハズレを無しにして、押下位置による当選フラグの消滅を行うことでしか、BB移行役の入賞はあり得ないように形成してもよい。
【0029】
上述したように、小役a又は小役bの当選フラグが成立している状態では、BB移行役の当選フラグが成立している状態であっても、BB移行役の構成図柄を引き込む停止テーブルは選択されないため、そして、小役a及び小役bはいずれの位置であっても引き込み可能な図柄配置となっているため、かかる状態では、BB移行役の構成図柄を入賞有効ライン上に停止させて入賞させることはできないことになる。すなわち、小役a又は小役bの当選フラグが成立している場合には、小役a及び小役bの成立している当選フラグを、後述する所定の押下位置のタイミングで、消滅させない限り、BB移行役を入賞させることはできない。
【0030】
そして、本実施の形態では、入賞させることに関する優先順位が後の役ほど、遊技者へ大きな利益を付与可能に形成されている。すなわち、入賞時のメダルの払い出し枚数が小役a(1枚)よりも小役b(3枚)の方が大きくなるように設定されてあり、また、BB移行役に入賞して、BBゲームで獲得可能なメダル枚数(例えば、最大獲得枚数を350枚に設定しているような場合)は、小役bの払い出し枚数よりもはるかに大きくなるように設定されている。
そして、本実施の形態では、入賞時の遊技者に報知する演出を、小役aと、小役bと、BB移行役とで、異なるものに形成している。特に液晶表示装置68に表示される動画の内容が、それぞれ趣向の異なる内容のものに形成されている。
【0031】
なお、本実施の形態では、回転リール40の図柄配置を、小役a及び小役bは、後述する所定の押下位置を除いていずれの位置でも入賞有効ライン上に停止することが可能となるような図柄配置に形成されてあった。このため、例えば小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択されると、後述する所定の押下位置で当選フラグを消滅させない限り、小役aを必ず引き込むことができるものであったが、図柄配置は特にこれに限定するものではない。すなわち、回転リール40の図柄配置を、フラグ消滅が無いかぎり小役a及び小役bを必ず引き込めるように配置されてないように形成してもよい。かかる場合であっても、優先的に引き込む停止テーブルにおいては、停止位置の図柄も含めて停止位置が回転上流側に向かって全部で5個の図柄の範囲内に、その役を構成する図柄が含まれているような場合には、後述する当選フラグを消滅させる所定の押下位置を除いて当該図柄を所定の停止位置にまで引き込んで停止させるように、予め停止テーブルの引き込みコマ数が設定されてある。そして、その所定範囲内にその役を構成する図柄が含まれていない場合には、その優先的に引き込む役以外の図柄を停止させることができるような引き込みコマ数が設定されている停止テーブルに形成してもよい。
【0032】
また、本実施の形態では、重複当選の場合に入賞させることに関する優先順位を、小役aを優先順位1、小役bを優先順位2、BB移行役を優先順位3と3段階に設定したが、必ずしも、これに限定されることなく、小役a及び小役bの優先順位は、同列で優先順位1にして、BB移行役を優先順位2として優先順位を2段階に設定してもよい。すなわち、小役aと小役bとは、BB移行役よりも入賞させることに関する優先順位を先にするが、小役a及び小役bの間では、優先順位は同列で、いずれを入賞させてもよいものである。これにより、優先順位を3段階に設定するよりも、回転リール40の周囲の図柄配置の自由度を増加させることができる。
【0033】
(押下態様取得手段130(押下位置取得手段131))
前記押下態様取得手段130は、回転している回転リール40の回転をストップスイッチ50によって停止させるための押下態様を、取得するためのものである。
前記押下態様取得手段130は、回転している回転リール40の回転をストップスイッチ50によって停止させるための押下位置を取得するための押下位置取得手段131を備えている。
前記押下位置取得手段131は、遊技者が回転している回転リール40に対応するストップスイッチ50を押下した瞬間のタイミング(図柄の引き込みや蹴飛ばし等の行う前のタイミング)の図柄位置を取得する。具体的には、回転リール40の周囲には21個の図柄が配置されてあり、それぞれに0番から20番までの合計21個の図柄位置番号が付されている。この押下位置取得手段131は、上述した所定の場合に、遊技者が押下操作したタイミングにおける所定位置の回転リール40の図柄位置番号を採取するものである。
【0034】
(権利消滅手段140)
前記権利消滅手段140は、当選抽選手段110の抽選結果により複数の役が当選して、入賞可能となっている状態で、回転している回転リール40の回転をストップスイッチ50によって停止させるための押下態様に起因して、複数の当選の権利のうちの、一部の当選の権利を入賞の有無の確定前に消滅させるものである。
具体的には、前記権利消滅手段140は、重複当選領域Sに関連する所定の役(小役a、小役b又はBB移行役)が当選して、それらのうちの少なくとも2つの当選フラグが成立している状態において、押下位置取得手段131により採取された押下位置が、予め定めた所定の図柄位置番号であるときに、複数の当選フラグのうちの1つの当選フラグを、入賞の有無の確定前に消滅させる。
【0035】
更に、具体的には、権利消滅手段140は、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグのうち小役aを含む少なくとも2つの当選フラグが成立している状態において、押下位置取得手段131により採取された押下位置が、左側回転リール43の押下位置A(図柄位置番号10番)であるときに、小役aの当選フラグを消滅させる。
また、権利消滅手段140は、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグのうち小役bを含む少なくとも2つの当選フラグが成立している状態において、押下位置取得手段131により採取された押下位置が、中央回転リール44の押下位置B(図柄位置番号15番)であるときに、小役bの当選フラグを消滅させる。
【0036】
なお、図柄位置番号は、1つの回転リール40において1個だけ設定しているが、特にこれに限定せずに、1個の回転リール40において、図柄位置番号、10番及び20番に特定する等の複数個の図柄位置番号を設定してもよい。
また、本実施の形態では、停止操作する回転リール40の押下順番は、当選フラグを消滅させる条件には含まれていないが、上記消滅の条件に加えて、3個の回転リール40の所定の押下順番で停止操作することを、フラグ消滅の条件に加えてもよい。
また、本実施の形態では、小役aや、小役bを消滅させる押下位置が、特定の回転リール40における特定の図柄位置番号に設定されているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、左側回転リール43、中央回転リール44及び右側回転リール45の図柄位置番号10番等の3個の回転リール40における共通の1個又は複数の図柄位置番号に設定してもよい。
【0037】
また、本実施の形態では、当選フラグ消滅の押下態様を所定の押下操作位置、すなわち遊技者が押下操作したタイミングでの押下位置に設定しているが、特にこれに限定されることなく、引き込みコマ数の実施により最終的に停止した位置に設定してもよく、また、所定の図柄に設定することもできる。
そして、本実施の形態では、BB移行役の当選フラグが成立している状態(今回の遊技で当選した場合と、前回の遊技から持ち越している場合との両方を含む)において、小役a及び小役bを消滅させるための図柄位置番号や、その位置及びその前後にある図柄を、予め遊技者に、液晶表示装置68により報知を行っている。もちろん、かかる報知演出を行わずに、その図柄位置番号等の情報を、スロットマシン10の前面側に貼付した表示シール等によって遊技者に報知するようにしてもよく、また、遊技ホールに置いてある小冊子や、情報雑誌等に掲載して遊技者が知ることができるようにしてもよい。更に、そのような情報を全く提供せずに、遊技者が自ら遊技を何回と繰り返して行ううちに、所定位置の押下タイミングのときに所定の当選フラグが消失することを、遊技の経過の中の経験により知り得るようにしてもしてもよい。
【0038】
(副制御装置22(演出データ記憶手段25、演出制御手段26))
前記副制御装置22は、主として演出データに関するものであって、液晶表示装置68や報知ランプ69やスピーカー67等の報知手段66を制御するためのものである。前記副制御装置22は、液晶表示装置68等の報知手段66の演出データを記憶するROMを有する演出データ記憶手段25と、この演出データ記憶手段25からの各演出データを、RAMに読み込ませて、主制御装置21からの制御信号に基づいて、液晶表示装置68等の報知手段66に出力し、各報知手段66を制御するためのものである。
(スロットマシン10の動作)
次に、上記構成を備えたスロットマシン10の遊技の通常遊技の動作の概略について、図5に示したフローを用いて説明する。
【0039】
先ず、ステップ111において、遊技者によりスタートスイッチ30が操作されてON状態となる。そして、次のステップ112に進む。
ステップ112において、当選抽選手段110により当選の抽選処理が行われる。そして、次のステップ113に進む。
ステップ113において、回転リール40の回転が開始する。そして、次のステップ114に進む。
ステップ114において、遊技者によりストップスイッチ50の操作が行われて、ストップスイッチ50がON状態となる。そして、次のステップ115に進む。
【0040】
ステップ115において、回転リール40の停止操作処理が行われる。そして、次のステップ116に進む。
ステップ116において、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたと判定された場合、次のステップ117に進む。
ステップ117において、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する入賞図柄が入賞有効ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合、次のステップ118に進む。
【0041】
ステップ118において、入賞時処理が行われる。具体的には、BB移行役に入賞した場合は、メダル払い出しは行われずに遊技状態の移行処理が設定され、リプレイに入賞した場合には、リプレイ処理(当該遊技で投入したメダル枚数と同じ枚数を自動的に次の遊技の投入枚数として投入する処理)が行われ、小役に入賞した場合は、小役の入賞図柄に相当する予め定めた特定の枚数のメダルの払い出し処理が行われる。そして、遊技が終了する。
前記ステップ116において、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われていないと判定された場合、ステップ114に戻る。
【0042】
前記ステップ117において、入賞していないと判定された場合、ステップ118を飛び越して、遊技が終了する。
上述したステップ112の当選抽選処理について、図6のフローを用いて説明する。
ステップ200において、当選抽選手段110の当選乱数発生手段111により発生された乱数の中から当選乱数取得手段112により乱数が取得される。そして、次のステップ201に進む。
ステップ201において、取得された乱数が当選乱数取得手段112の内部に記憶される。そして、次のステップ202に進む。
【0043】
ステップ202において、当選判定手段114により、取得された乱数と、当選判定テーブル記憶手段113の当選判定領域データとの比較が行われる。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、当選判定手段114により、取得された乱数が、当選判定テーブル記憶手段113のどの当選領域に含まれるか決定され、抽選処理の評価が決定される。なお、通常遊技においては、内部中の場合を除いて図3に示す当選判定テーブルXが使用され、また、BB移行役の当選フラグが成立している状態(いわゆる内部中)では、当選判定テーブルYが使用される。そして、次のステップ204に進む。
【0044】
ステップ204において、抽選結果に対応する停止テーブルが選択される。成立している当選フラグの種類によって、図4に示すような、使用する停止テーブルが選択される。
具体的には、当選判定テーブルXを使用している場合、重複当選領域Sに当選している場合、3つの当選フラグが成立しているため、小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、小役cやリプレイの当選フラグが成立している場合は、成立している当選フラグの役(小役cやリプレイ)を優先的に引き込む停止テーブルが選択されるものであり、また、ハズレの場合は、入賞とならないような図柄の組み合わせとなるような引き込みコマ数を設定した停止テーブルが選択される。
【0045】
また、当選判定テーブルYを使用している場合、重複当選領域Tに当選している場合、持ち越しているBB移行役の当選フラグに加えて、小役a及び小役bの当選フラグの合計3つの当選フラグが成立しているため、小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。また、BB移行役及びリプレイの2つの当選フラグが成立している場合は、リプレイを優先的に引き込む停止テーブルが選択されるものであり、また、ハズレの場合は、持ち越しているBB移行役の当選フラグだけが成立しているため、BB移行役を優先的に引き込む停止テーブルが選択される。
そして、次のステップ205に進む。
【0046】
ステップ205において、BB移行役の当選フラグが成立している状態(今回の抽選でBB移行役の当選フラグが成立している場合と、前回遊技から当選フラグが持ち越されている場合との両方を含む)か否かが判定される。そして、BB移行役の当選フラグが成立している状態であると判定された場合、次のステップ206に進む。
ステップ206において、液晶表示装置68により、遊技者に向かってBB移行役の当選フラグが成立している状態である旨の報知演出が行われる。そして、当該処理が終了する。
前記ステップ205において、BB移行役の当選フラグが成立していない状態であると判定された場合、当該処理が終了する。
【0047】
上述したステップ115のリール回転停止処理について、図7のフローを用いて説明する。
ステップ310において、小役aの当選フラグ成立であって、且つ、遊技者による今回の停止操作が、左側回転リール43であり、その押下位置が予め定めた図柄位置番号10番の位置(押下位置A)の押下タイミングであるか否かが判定される。そして、上記条件を満たす場合には、次のステップ311に進む。
ステップ311において、権利消滅手段140により、小役aの当選フラグを消滅させる。そして、次のステップ312に進む。
【0048】
ステップ312において、小役bの当選フラグ成立であって、且つ、遊技者による今回の停止操作が、中央回転リール44であり、その押下位置が予め定めた図柄位置番号15番の位置(押下位置B)の押下タイミングであるか否かが判定される。そして、上記条件を満たす場合には、次のステップ313に進む。
ステップ313において、権利消滅手段140により、小役bの当選フラグを消滅させる。そして、次のステップ314に進む。
ステップ314において、いずれかの当選フラグが消滅したか否かが判定される。そして、いずれかの当選フラグが消滅したと判定された場合、次のステップ315に進む。
【0049】
ステップ315において、停止テーブルの変更処理が実施される。具体的には、停止制御手段120は、重複当選に関する当選フラグに関して図4に示すように、成立している当選フラグの種類によって、使用する停止テーブルを変更する。そして、次のステップ316に進む。
ステップ316において、選択された停止テーブルに基づく停止処理が行われる。すなわち、選択された停止テーブルに記載された押下タイミングにおける引き込みコマ数だけ、回転リール40が回転して停止する。そして、第3番目の停止操作である第3停止操作に基づく停止処理が行われて、3個の回転リール40が停止した状態で、入賞の有無、すなわち、入賞していること、或いは、入賞していないことが確定する。結果として、入賞の確定の前のステップ311や312において当選フラグを消滅していることになる。そして、当該処理が終了する。
【0050】
前記ステップ310において、小役aの当選フラグ成立であって、且つ、遊技者による今回の停止操作が、左側回転リール43であり、その押下位置が予め定めた図柄位置番号10番の位置(押下位置A)の押下タイミングでないと判定された場合、ステップ312に進む。
前記ステップ312において、小役bの当選フラグ成立であって、且つ、遊技者による今回の停止操作が、中央回転リール44であり、その押下位置が予め定めた図柄位置番号15番の位置(押下位置B)の押下タイミングでないと判定された場合、ステップ314に進む。
【0051】
前記ステップ314において、いずれの当選フラグも消滅していないと判定された場合、ステップ316に進む。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ50の押下位置により予め引き込みコマ数を設定した停止テーブルを多数、準備して、その中から抽選結果や成立している当選フラグに適合したものを選択して停止処理を行うテーブル停止制御を使用しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、抽選結果や成立している当選フラグによって決定される停止制御の蹴飛ばし設定及び引き込み設定に基づいて、ストップスイッチ50を操作した後、1図柄ずつ蹴飛ばし設定及び引き込み設定の条件判断を行いながら、最大で回転リール40を回転させてずらした図柄の数が4個目まで判断して、停止制御を行う条件判断停止制御を使用してもよい。
【0052】
(作用)
本実施の形態は、複数の役が当選している状態で、ストップスイッチ50の押下位置に起因して、一部の当選した権利を入賞の有無の確定前に消滅させる。このため、当選した権利を、ストップスイッチ50を押下したタイミングという、今までにない契機で消滅させることができ、新たな遊技性を発生させることができる。
複数の役が当選している場合に、入賞させることに関する優先順位が決定されている。すなわち、図4に示すように、重複当選の場合には、小役a、小役b、BB移行役の順で、優先的に引き込む停止テーブルが選択されることにより、その順番で入賞するように設定されてある。このため、複数の当選している役のうち遊技者が希望する役を入賞させるために、その役よりも優先順位の前の当選の権利を消滅させるための押下態様を行うという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
【0053】
そして、入賞させることに関する優先順位の前のものと比較して、払い出しメダル枚数の違いや最終的に獲得できるメダル数等により遊技者への利益が、大きなものを、入賞させることに関する優先順位の後ろに配置している。これにより、大きな利益が得られる優先順位の後の役を入賞させるために、優先順位の前の役の当選の権利を消滅させるという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
また、重複当選に関する役の入賞時の演出に種々のものを設けているため、遊技者が見たい演出を実施しようとして、それより優先順位の前の役の当選の権利を消滅させるという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
【0054】
本実施の形態では、当選抽選手段110の抽選の結果、重複当選領域Sで当選している場合、入賞させることに関する優先順位が、小役a、小役b、BB移行役の順に設定されてあり、また、小役a及び小役bは、図柄配列において、いずれの押下位置でも入賞できるように回転リール40の周囲に構成する図柄が多数配置されているため、小役a又は小役bの当選フラグが成立している状態のままでは、小役a又は小役bを優先的に引き込む停止テーブルが選択されてBB移行役を入賞させることができない。このため、所定の押下位置番号の図柄が所定位置(具体的には、中央ライン)にきたときにストップスイッチ50を押下することで、小役a及び小役bの当選フラグを消滅させて、BB移行役を入賞可能な状態にする。このような新たな遊技性を得ることができる。
【0055】
具体的には、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態において、例えば、図8に示すように、第1番目に停止操作する第1停止操作で、左側回転リール43の図柄位置番号10番の位置で、遊技者が対応するストップスイッチ50を押下すると、小役aの当選フラグが消滅する。これにより、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態となって、図4に示すように、小役bを優先的に引き込む停止テーブルが選択されて、その停止テーブルに基づいて停止することになる。その押下位置における停止制御では、小役bを構成する図柄が入賞有効ライン上に停止するが、同時に、入賞有効ライン上には、BB移行役を構成する図柄「7」も入賞有効ライン上に停止することができるように、小役bの構成する図柄に隣接してBB移行役を構成する図柄が配置されるような回転リール40上の図柄配置に形成されてある。これにより、BB移行役も入賞可能な状態となる。
【0056】
もちろん、そのような小役b及びBB移行役の構成図柄を隣接するような図柄配置に限定されるものではなく、そのような図柄配置にしなくてもよい。かかる場合には、当該遊技でBB移行役を入賞させることはできないが、BB移行役の当選フラグを持ち越した状態で、次の内部中の遊技において、抽選結果がハズレとなることにより、BB移行役だけの当選フラグ成立状態となり、BB移行役を優先的に引き込む停止テーブルが選択され、BB移行役を入賞させることが可能となるからである。
そして、第2番目に停止操作する第2停止操作で、図8に示すように、中央回転リール44の図柄位置番号15番の位置で、遊技者が対応するストップスイッチ50を押下すると、小役bの当選フラグが消滅する。これにより、小役a及び小役bの当選フラグが消滅して、BB移行役の当選フラグだけが成立している状態となり、BB移行役を優先的に引き込む停止テーブルが選択され、その押下位置における停止制御では、BB移行役を構成する図柄「7」が第1停止操作で「7」が停止した入賞有効ライン上に停止することが可能となる。予め、当該押下位置での押下タイミングでBB移行役の構成図柄「7」を引き込むことができるような図柄配列に設定することにより、当該遊技でBB移行役の入賞が可能となる。
【0057】
もちろん、当該遊技で、かかる場合の「7」を停止させることができるような図柄配置に限定するものではなく、そのような図柄配置にしなくても、内部中の遊技において、BB移行役の入賞が可能となるのは、上述した第1停止操作での場合と同様である。
そして、BB移行役を優先的に引き込む停止テーブルが選択されている状態で、第3番目に停止操作する第3停止操作により、「7」をかかる入賞有効ライン上に引き込んで停止させることができるような押下タイミングで操作することができて、BB移行役を構成する図柄を入賞有効ライン上に揃えることができた場合には、BB移行役の入賞となって、BBゲームへ移行することになり、小役aや小役bの入賞よりも多数のメダルを最終的に獲得することが可能となる。
【0058】
また、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態において、例えば、図9に示すように、第1停止操作で、中央回転リール44の図柄位置番号15番の位置で、遊技者が対応するストップスイッチ50を押下すると、小役bの当選フラグが消滅する。そして、第2停止操作で、左側回転リール43の図柄位置番号10番の位置で、遊技者が対応するストップスイッチ50を押下すると、小役aの当選フラグが消滅する。かかる場合にも図8で説明した内容と同様の手順で、BB移行役の図柄を揃えることが可能となる。
また、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態において、例えば、図10に示すように、第1停止操作で、左側回転リール43の図柄位置番号10番の位置のストップスイッチ50の押下に失敗して、他の位置で押下した場合、第1停止操作での当選フラグの消滅は発生せず、3つの当選フラグが成立している状態が維持され、小役aを優先的に引き込む停止テーブルにより、停止が実行される。これにより、小役aを構成する図柄が入賞有効ライン上に停止する。そして、第2停止操作で、中央回転リール44の図柄位置番号15番の位置の押下に失敗して、他の位置で押下した場合、当選フラグの消滅は発生せず、3つの当選フラグが成立している状態で、小役aを優先的に引き込む停止テーブルにより、停止が実行される。これにより、小役aを構成する図柄が、同じ入賞有効ライン上に停止する。その状態で、第3停止操作を行うと、小役b及びBB移行役は入賞できずに、小役aが入賞して、メダルが1枚、払い出されることになる。
【0059】
また、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態において、例えば、図11に示すように、第1番目に停止操作する第1停止操作で、左側回転リール43の図柄位置番号10番の位置で、遊技者が対応するストップスイッチ50を押下すると、小役aの当選フラグが消滅する。これにより、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態となって、図4に示すように、小役bを優先的に引き込む停止テーブルが選択されて停止する。そして、第2停止操作で、中央回転リール44の図柄位置番号15番の位置の押下に失敗して、他の位置で押下した場合、小役bの当選フラグの消滅は発生せず、小役b及びBB移行役の2つの当選フラグが成立している状態となり、小役bを優先的に引き込む停止テーブルにより、停止が実行される。これにより、小役bを構成する図柄が、同じ入賞有効ライン上に停止する。その状態で、第3停止操作を行うと、小役a及びBB移行役は入賞できずに、小役bが入賞して、メダルが5枚、払い出されることになる。
【0060】
本実施の形態では、重複当選の当選フラグに関して、小役a、小役b、BB移行役の順番で入賞により、最終的に獲得可能な利益が大きくなるように形成されている。そして、停止制御により入賞させることに関する優先順位も、同じ順番で設定されている。小役aよりも小役bの入賞を獲得するために、小役aの当選フラグを消滅させるような押下操作を行い、そして、小役bよりもBB移行役の入賞を獲得するために、小役bの当選フラグを消滅させるような押下操作を行うことになる。このため、遊技者がより大きな利益を獲得すべく、入賞させることに関する優先順位の可能な限り後の役を入賞させるために、それ以前の優先順位の役の当選の権利を消滅させるという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
【0061】
本実施の形態では、所定の場合に、停止操作の押下位置だけで判断して、当選フラグを消滅させているが、上述した内容に、停止操作させる回転リール40の停止操作順番を、左、中、右のように予め決めておいて、フラグ消滅の条件として、上述した押下位置の内容に加えて、且つ、その停止操作順番で停止させた場合に限って、当選フラグを停止させることができるように形成することもできる。
また、本実施の形態では、重複当選は3つの役の当選フラグを成立させていたが、これに限定されることなく、重複当選で、小役a及びBB移行役や、小役b及びBB移行役や、小役a及び小役bのように2つの当選フラグを成立させて、上述したような所定の押下位置で一方の当選フラグを消滅させるようにしてもよい。また、逆にリプレイも加えて、重複当選において、3つ以上の役の当選フラグを成立させるように設定して、それらのうちの一部の当選の権利を、所定条件を満足することで消滅させるように形成してもよい。
【0062】
また、本実施の形態では、ストップスイッチ50を所定の位置で押下したことで、所定の当選フラグを消滅させ、それに基づき停止テーブルを変更して、その後、その押下位置に基づく停止制御を行って、回転リール40の回転停止処理を行っている。しかし、処理の順番は、これに限定されることなく、ストップスイッチ50を所定の位置で押下した際に、所定の当選フラグを消滅させる前、すなわち停止テーブルを変更する前に、その押下位置に基づく停止制御を行って、回転リール40の回転停止処理を行い、その後に、その押下位置が所定の場合には、当選フラグを消滅させ、それに基づき停止テーブルを変更するようにしてもよい。このようにすると、当選フラグを消滅させる前に停止させるため、かかる押下操作したときの停止操作では、消滅後に停止させたい役の図柄を優先的に引き込むことができずに、その停止操作の後の停止操作から引き込むことが可能となるため、希望の役の図柄を入賞有効ライン上に停止させることが図柄配置によっては難しくなる。しかし、引き込んだ希望しない図柄に隣接して、希望する役の図柄が配置されているような図柄配置であった場合には、希望する役も入賞有効ライン上に同時に停止する可能性があり、入賞の可能性が発生する。
【0063】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、重複当選に関する3つの役、小役a、小役b及びBB移行役のうち、小役a及び小役bの2つの当選フラグに関して、所定の押下操作位置で、当選フラグが消滅するように形成されていたが、本実施の形態では、それに加えて、BB移行役の当選フラグも、所定の押下操作位置で、当選フラグを消滅させるようにしているものである。BB移行役は、かかる3つの役のうちで、最も遊技者への利益が大きくなるものであるため、遊技者が自ら希望して当選フラグを消滅させるようなことはなく、いずれの押下位置で消失するか予め報知しないようにした場合に、意外性が増して、遊技の面白みを増加させることができるものである。
【0064】
図12は、第2の実施の形態に係るリール回転停止処理のフローを示すものであって、第1の実施の形態の図7に代わるものである。具体的には、図7と異なる点を以下に説明する。
ステップ409において、複数の当選フラグが成立しているか否か、すなわち、2つ以上の当選フラグが成立しているか否かが判定される。そして、複数の当選フラグが成立していると判定された場合には、次のステップ410に進み、成立していないと判定された場合には、ステップ418に進む。これにより、押下位置が全て所定の場合に適合した場合、3つの重複当選フラグが全て消滅する可能性を回避するものである。
【0065】
また、ステップ414において、BB移行役の当選フラグ成立中であって、且つ、遊技者による今回の停止操作が、右側回転リール45であり、その押下位置が予め定めた図柄位置番号20番の位置(押下位置C)の押下タイミングであるか否かが判定される。そして、上記条件を満たす場合には、次のステップ415に進む。
ステップ415において、権利消滅手段140により、BB移行役の当選フラグを消滅させる。そして、次のステップ416に進む。その他は、図7と同様である。
また、図7を除いて、第1の実施の形態で説明した図1〜図6、図8〜図11は、本実施の形態でも同様に適用するものである。また、本実施の形態は、その他の構成も、第1の実施の形態で説明した構成と同様であって、作用及び効果も、第1の実施の形態で説明したものと同様に得ることができるものである。
【0066】
図13は、第2の実施の形態に係る停止処理の一例である。具体的には、BB移行役の当選フラグが消滅する押下位置を予め報知していない環境下で、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態において、図13に示すように、第1停止操作で、右側回転リール45の図柄位置番号20番の位置で、遊技者が対応するストップスイッチ50を押下すると、BB移行役の当選フラグが消滅する。かかる場合には、小役a及び小役bの当選フラグが成立している状態となって、小役aを優先的に引き込む停止テーブルが選択されて停止処理が行われるように形成されている。その押下位置における停止制御では、小役aを構成する図柄が入賞有効ライン上に停止するが、小役aの図柄に隣接して小役bの図柄が配置されている場合には、同時に、入賞有効ライン上には、小役bを構成する図柄も他の入賞有効ライン上に停止することになる。
【0067】
そして、第2番目に停止操作する第2停止操作で、左側回転リール43の図柄位置番号10番の位置で、遊技者が対応するストップスイッチ50を押下すると、小役aの当選フラグが消滅する。これにより、小役a及びBB移行役の当選フラグが消滅して、小役bの当選フラグだけが成立している状態となり、小役bを優先的に引き込む停止テーブルが選択される。そして、第1停止操作で小役bを入賞有効ライン上に停止させることができている場合には、第2停止操作で、小役bを同じ入賞有効ライン上に揃えて停止させることができる。
そして、小役bを優先的に引き込む停止テーブルが選択されている状態で、第3停止操作により、小役bを入賞有効ライン上に停止させることができて、小役bを入賞させることができる。
【0068】
図13の押下操作の例では、BB移行役の当選フラグを消滅させてしまったことにより、BB移行役を入賞させることができなくなったものである。このように、重複当選でせっかく成立した獲得利益が大きなBB移行役の当選フラグを、自らのストップスイッチ50の押下位置によって、消滅させてしまうというスリルが発生し、遊技の面白みを増すことができる。
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態では、ストップスイッチ50の押下位置によって、重複当選の当選フラグを消滅させていたが、本実施の形態では、回転中の回転リール40を停止させる順番によって、重複当選の当選フラグを消滅させるものである。
【0069】
図14及び図15は、本実施の形態に係るものであって、図14は押下態様取得手段のブロック図、図15は、本実施の形態に係る回転リール40の回転停止処理を示すフローであって、第1の実施の形態の図7に代わるものである。その他は、第1の実施の形態で説明した図1〜図6が適用されるものである。
前記押下態様取得手段130は、遊技者によって回転している回転リール40の回転をストップスイッチ50によって停止させる際の停止操作順番を取得するための押下順番取得手段132を備えている。
前記押下順番取得手段132は、3個の回転リール40のうち、今回停止操作したストップスイッチ50が、何番目に停止操作したものであるか取得する。具体的には、今回の停止操作が、第1停止操作であるか、第2停止操作であるか、第3停止操作であるかを取得する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0070】
本実施の形態では、第1停止操作であって(ステップ610)、小役aの当選フラグが成立中、且つ、遊技者が左側回転リール43に対応するストップスイッチ50を押下した場合に限って(ステップ611)、小役aの当選フラグを消滅させるものである。
また、第2停止操作であって(ステップ613)、小役bの当選フラグが成立中、且つ、遊技者が中央回転リール44に対応するストップスイッチ50を押下した場合に限って(ステップ614)、小役bの当選フラグを消滅させるものである。その他は、図7で説明したものと同様である。また、上記異なる点を除いて、その他の構成は、第1の実施の形態で説明した構成と略同様であって、作用及び効果も、第1の実施の形態で説明したものと同様に得ることができるものである。
【0071】
更に、本実施の形態でも、第2の実施の形態のように、BB移行役の当選フラグを消滅させる押下位置や、特定の停止操作順番を設定して、遊技者の押下位置や、特定の停止操作順番によっては、せっかく成立させたBB移行役の当選フラグを消滅させるスリルを与えるようにしてもよい。
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態では、ストップスイッチ50の押下位置によって、重複当選の当選フラグを消滅させてあり、第3の実施の形態では、回転中の回転リール40を停止させる順番によって、重複当選の当選フラグを消滅させていたが、本実施の形態では、第1及び第3の実施の形態の当選フラグを消滅させる条件を合わせたものである。すなわち、本実施の形態では、重複当選に関する当選フラグが成立し、回転中の回転リール40の回転停止操作順番が所定の停止操作順番であって、且つ、その停止操作が、所定の停止押下位置である場合に限って、所定の当選フラグを消滅させるものである。
【0072】
図16及び図17は、本実施の形態に係るものであって、図16は押下態様取得手段のブロック図、図17は、本実施の形態に係る回転リール40の回転停止処理を示すフローであって、第1の実施の形態の図7に代わるものである。
前記押下態様取得手段130は、第1の実施の形態で説明した押下位置取得手段131と、第3の実施の形態で説明した押下順番取得手段132との両方を備えているものである。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、第1停止操作であって(ステップ710)、小役aの当選フラグが成立中、且つ、小役aの当選フラグ成立であって、遊技者による今回の停止操作が、左側回転リール43であり、その押下位置が予め定めた図柄位置番号10番の位置(押下位置A)の押下タイミングである場合に限って(ステップ711)、小役aの当選フラグを消滅(ステップ712)させるものである。
【0073】
また、第2停止操作であって(ステップ713)、小役bの当選フラグが成立中、且つ、小役bの当選フラグ成立であって、遊技者による今回の停止操作が、中央回転リール44であり、その押下位置が予め定めた図柄位置番号15番の位置(押下位置B)の押下タイミングである場合に限って(ステップ714)、小役bを消滅(ステップ715)させるものである。その他は、図7で説明したものと同様である。また、第1の実施の形態で説明した図1〜図6や、図8、図10、図11は、本実施の形態でも同様に適用される。また、本実施の形態は、上述した当選フラグを消滅させる条件が異なる点を除いて、その他の構成は、第1の実施の形態で説明した構成と同様である。
【0074】
本実施の形態は、当選フラグを消滅させる条件を、停止操作順番と、押下操作位置との組み合わせによって、形成している。このため、第1の実施の形態の押下操作位置だけによる場合や、第3の実施の形態の停止操作順番だけによる場合よりも、組み合わせのパターン数を多くすることができ、当選フラグ消滅の条件をより複雑なものにすることができる。また、組み合わせのパターン数が数多くとることができるため、重複当選領域SやTの当初の抽選領域を、第1や第3の実施の形態の場合よりも広くすることができ、最終的に入賞することができる確率は、第1や第3の実施の形態と同等若しくはそれ以下に設定することも可能となる。
【0075】
なお、本実施の形態は、当選フラグを消滅させる順番は制限されていないため、第1の停止操作で小役aの当選フラグを消滅させることができなくても、第2停止操作で、中央回転リール44の所定の押下位置Bのタイミングで押下することにより、小役bの当選フラグだけは消滅することになる。これにより、多様な消滅パターンの発生が可能となる。
更に、本実施の形態でも、第2の実施の形態のようなBB移行役の当選フラグを消滅させる押下位置、或いは所定の停止操作順番を設定して、遊技者の押下位置や停止操作順番によっては、せっかく成立させたBB移行役の当選フラグを消滅させるスリルを与えるようにしてもよい。
【0076】
(第5の実施の形態)
本実施の形態では、所定(重複当選に関連する役)の複数の役が当選している場合、入賞させることに関する優先順位が、決定されてあり、その優先順位に基づいて、複数の当選の権利のうちの一部の当選の権利を消滅させるものである。本実施の形態では、入賞させることに関する優先順位が前の役から、所定条件を満足した場合に、当選の権利を消滅させている。その他は、第1の実施の形態と同様のものである。
図18は、本実施の形態に係る回転リール40の回転停止処理を示すフローであって、第1の実施の形態の図7に代わるものである。本実施の形態では、図1〜図6、図8、図10、図11をそのまま適用することができ、それらの説明箇所も第1の実施の形態の説明が適用される。
【0077】
本実施の形態に係る図18のフローは、第1の実施の形態のフローの内容に、ステップ812の判断が挿入されているものであって、その他は、図7と同一のものである。
ステップ812において、小役aの当選フラグを今回の遊技のステップ811で消滅させているか否かの判断を行っている。そして、小役aの当選フラグを、今回の遊技で消滅させていると判断した場合は、次のステップ813に進み、消滅させていないと判断した場合は、ステップ815に進むものである。
本実施の形態では、図4に示すように使用する停止テーブルを選択することにより、重複当選領域Sの3つの役(小役a、小役b及びBB移行役)のうち少なくとも2つ(2又は3)が当選している場合、入賞させる優先順位は、小役a、小役b、BB移行役の順番に設定されてある。そして、本実施の形態では、ステップ812に示すように、小役aの当選フラグを、ステップ811で消滅させていない限り、ステップ814で小役bの当選フラグを消滅させることができないように形成されている。これにより、当選フラグを消滅させる順番も、前記優先順位と同様に、小役aから小役bの順番で消滅させない限り、BB移行役の入賞が可能な状態にたどり着かないように形成されている。
【0078】
所定の複数の役が当選している場合に、入賞させることに関する優先順位が決定され、更に、その優先順位に基づいて、当選の権利を消滅させるように形成されているため、複数の当選している役のうち遊技者が希望する役を入賞させるために、その役よりも優先順位の前の当選の権利を、その優先順位どうりに消滅させるための押下態様を行うという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
また、本実施の形態でも第2の実施の形態のように、BB移行役の当選フラグを消滅させるようにすることもできる。また、第3の実施の形態のように、消滅条件を押下位置ではなく、押下順番にすることもできる。また、第4の実施の形態のように、フラグ消滅の条件を押下位置と押下順番とを合わせたものにすることもできる。
【0079】
(第6の実施の形態)
図19は、本実施の形態に係るものであって、本実施の形態に係る回転リール40の回転停止処理を示すフローであって、第3の実施の形態の図15に代わるものである。
本実施の形態は、第3の実施の形態の図15のフローの内容に、ステップ863の判断が挿入されているものであって、その他は、図15と同一のものである。
ステップ863において、小役aの当選フラグを今回の遊技のステップ862で消滅させているか否かの判断を行っている。そして、小役aの当選フラグを、今回の遊技で消滅させていると判断した場合は、次のステップ864に進み、消滅させていないと判断した場合は、ステップ867に進むものである。
【0080】
本実施の形態は、フラグ消滅の条件を、押下順番が必要である第3の実施の形態の特徴に、更に、重複当選の役(小役a、小役b、BB移行役)において、入賞させることに関する優先順位(小役a、小役b、BB移行役の順に入賞可能)に基づいて、当選の権利を消滅させる順番も、小役a、小役bの順に消滅させるように形成されているものである。
したがって、重複当選の役(小役a、小役b、BB移行役)のフラグ成立中、第1停止操作で、左側回転リール43を操作して、小役aの当選フラグを消滅させなければ、第2停止操作で、中央回転リール44を操作して、小役bの当選フラグを消滅させることができず、その小役bを消滅させて、BB移行役だけが当選フラグ成立状態にしなければ、BB移行役を入賞することができないように形成されている。
【0081】
また、本実施の形態でも第2の実施の形態のように、BB移行役の当選フラグを、消滅させるようにすることもできる。その際には、BB移行役のフラグ消滅の条件を、所定の押下位置で操作した場合や、予め定めた特定の停止操作順番における特定の回転リール40の停止操作に特定することにより、BB移行役のフラグを消滅させてしまうというスリルを与えることが可能となる。また、第4の実施の形態のようなフラグ消滅の条件を押下位置と押下順番とを合わせたものに、本実施の形態のような入賞させることの優先順位に沿って消滅させるような構成としてもよい。
(第7の実施の形態)
図20は、本発明の第7の実施の形態であって、図20は、第4の実施の形態の図17の代わりに、使用するものであって、その他は、第4の実施の形態と同様のものである。図20のフローでは、図17のフローの内容に、ステップ913の判断を加えているものであって、その他は、図17と同様のものであり、また、第1及び第4の実施の形態で使用した図1〜図6や、図8、図10、図11は、本実施の形態でも同様に適用される。また、その他の構成は、第4の実施の形態と同様である。
【0082】
ステップ913において、小役aの当選フラグを、今回の遊技のステップ912で消滅させているか否かの判断を行っている。そして、小役aの当選フラグを、今回の遊技で消滅させていると判断した場合は、次のステップ914に進み、消滅させていないと判断した場合は、ステップ917に進むものである。
本実施の形態では、重複当選に関する当選フラグが成立し、回転中の回転リール40の回転停止操作順番が所定の停止操作順番であって、且つ、その停止操作が、所定の停止押下位置である場合に加えて、更に、重複当選の役(小役a、小役b、BB移行役)において、入賞させることに関する優先順位(小役a、小役b、BB移行役の順に入賞可能)に基づいて、当選の権利を消滅させる順番も、小役a、小役bの順に消滅させるように形成されているものである。
【0083】
したがって、重複当選の役(小役a、小役b、BB移行役)のフラグ成立中、第1停止操作で、左側回転リール43を所定押下位置Aで押下操作して、小役aの当選フラグを消滅させなければ、第2停止操作で、中央回転リール44を所定押下位置Bで押下操作して、小役bの当選フラグを消滅させることができない。この小役bを消滅させて、BB移行役だけが当選フラグ成立状態にしなければ、BB移行役を入賞することができないように形成されている。このように、BB移行役を入賞させるためには、所定の押下順番、押下位置で、所定の優先順位に基づいた順番で当選フラグを消滅させる必要があり、新たな遊技性のある遊技にすることができる。
【0084】
(第8の実施の形態)
図21及び図22は、本実施の形態であって、図21は、図4に代わるものであり、図22は、第3の実施の形態の図15に代わるものであり、その他は、図1〜図3、図5、図6が適用されるものである。
本実施の形態は、第3の実施の形態と同様に、回転中の回転リール40の押下操作順番によって、重複当選の当選フラグを消滅させるものである。本実施の形態が、第3の実施の形態と異なる点は、図21に示すように成立している当選フラグの種類によって、優先的に引き込む役が第3の実施の形態とは異なる停止テーブルを使用している。本実施の形態では、重複当選のフラグが当選している場合、BB移行役を優先的に引き込むように形成されている。
【0085】
本実施の形態では、第1停止操作(ステップ960)において、BB移行役の当選フラグが成立中であって、且つ、中央回転リール44又は右側回転リール45の押下操作が行われた場合(ステップ961)に、BB移行役の当選フラグが消滅する。すなわち、第1停止操作では、左側回転リール43の押下操作をした場合にだけ、BB移行役の当選フラグは消滅しない。
そして、第2停止操作(ステップ963)において、BB移行役の当選フラグが成立中であって、且つ、左側回転リール43又は右側回転リール45の押下操作が行われた場合(ステップ964)に、BB移行役の当選フラグが消滅する。すなわち、第2停止操作では、中央回転リール44の押下操作をした場合にだけ、BB移行役の当選フラグは消滅しない。なお、当該スロットマシン10では、既に停止した回転リール40のストップスイッチ50を押下操作しても当該操作は有効とはならないように形成されている。
【0086】
これにより、本実施の形態では、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作の押下順番が、左側回転リール43、中央回転リール44、右側回転リール45の押下順番で遊技者により停止操作されたときだけ、BB移行役の当選フラグを消滅させずに遊技を行えることができる。そして、遊技者による停止操作の押し順が、上記と異なる押し順で操作された場合には、BB移行役の当選フラグが消滅することになる。すなわち、本実施の形態では、BB移行役の当選フラグが成立していて、その構成図柄を優先的に引き込むように設定されているが、予め定めた所定の押し順と違う停止操作を行うと、そのBB移行役の当選フラグが消えてしまうという新たな遊技性のある遊技を行うことができる。
【0087】
ここで、本実施の形態における回転リール40の周囲の小役a及び小役bの図柄配置は、全ての押下位置で、小役bの当選フラグが成立していたら必ず小役bの構成図柄を引き込んで停止させるような図柄配置に形成されてなく、また、小役aの当選フラグが成立していたら必ず小役aの構成図柄を引き込んで停止させることができるような図柄配置に形成されてない。このため、BB移行役の当選フラグが消滅して、小役a及び小役bの当選フラグが成立している状態では、優先的に小役bを優先的に引き込むような停止テーブルが選択されるが、小役bの構成図柄を引き込むことができないような箇所では、小役aが引き込まれて小役aの入賞が可能となっている。このため、小役a、小役b及びBB移行役の当選フラグが成立している状態で、BB移行役の当選フラグが消滅した場合、押下位置によって、小役a又は小役bの入賞が可能な状態となる。もちろん、小役bの当選フラグが成立していたら必ず小役bの構成図柄を引き込んで停止させることができるような図柄配置に形成されてあり、小役bを揃えることができるような停止テーブルを使用して、BB移行役の当選フラグを消滅させたら必ず小役bを引き込んで入賞させることができるように形成してもよい。
【0088】
なお、本実施の形態では、重複当選として、小役a、小役b、BB移行役の3つを採用しているが、特にこれに限定されることなく、小役a、BB移行役のように2つを採用してもよい。また、小役aの代わりに、リプレイを採用して、リプレイ、小役b、BB移行役の3つを採用してもよい。
また、上述した第1〜第8の実施の形態では、リプレイは、当選フラグの消滅は設定されていないが、リプレイの当選フラグも成立しているときは、所定の押下位置や、押下順番等の所定の条件を満足することによって、消滅させるように形成してもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 スロットマシン 30 スタートスイッチ
40 回転リール 50 ストップスイッチ
61 図柄 110 当選抽選手段
120 停止制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を周囲に配置した回転リールと、
前記回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
前記回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、
前記図柄の組み合わせにより構成される役を抽選により当選として決定するための当選抽選手段と、
当選に基づく停止制御を前記回転リールに対して行うための停止制御手段とを備え、
メダル投入の後の前記スタートスイッチの押下により、前記当選抽選手段による当選の抽選を行うと共に、3つの前記回転リールが回転を開始し、
前記当選抽選手段の抽選の結果、所定の前記役に当選し、且つ各回転リールに対応した前記ストップスイッチの押下によって回転している前記回転リールの回転を停止させ、入賞有効ライン上の停止時の図柄の組合せが、予め定められた図柄表示態様になることにより入賞と判断するスロットマシンにおいて、
前記当選抽選手段の抽選結果により所定の複数の役が当選して、入賞可能となっている状態で、
回転している前記回転リールの回転を前記ストップスイッチによって停止させるための押下態様に起因して、複数の当選の権利のうちの、一部の当選の権利を入賞の有無の確定前に消滅可能に形成されていることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
所定の複数の役が当選している場合、入賞させることに関する優先順位が決定されてあり、
その優先順位に基づいて、複数の当選の権利のうちの、一部の当選の権利を消滅可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
所定の複数の役が当選している場合、入賞させることに関する優先順位が決定されてあり、
複数の役が当選して、入賞可能となっている状態で、入賞させることに関する前記優先順位が後の役ほど、遊技者へ大きな利益を付与可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−259652(P2010−259652A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113568(P2009−113568)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】