説明

スロットマシン

【課題】サブ遊技を実行する場合に、メイン遊技の中断とサブ遊技の進行とを関連づけることで、サブ遊技の演出の内容以外の要素でメイン遊技での抽選結果を反映させる。
【解決手段】遊技制御手段60aは、役抽選手段61による抽選結果が特別役及び小役の重複当選等であったときに、所定時間の間、メイン操作手段を操作しても遊技の進行が許可されない遊技進行不可期間を設定する。演出制御手段60bは、遊技進行不可期間中に、サブ遊技を開始するように制御するとともに、役抽選手段61による抽選結果に応じて、遊技進行不可期間とサブ遊技とが同時期に終了するように設定するか、又は遊技進行不可期間とサブ遊技とが異なる時期に終了するように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の条件を満たしたときに、スロットマシンの遊技の進行ができない遊技進行不可期間を所定時間設け、この遊技進行不可期間中に、スロットマシン本来の遊技とは異なるサブ遊技を行うようにしたスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンでは、遊技者によりメダルが投入された後、スタートスイッチが操作されると、リールが回転されるとともに、役の抽選が行われる。また、遊技者によりストップスイッチが操作されると、役の抽選結果に対応する位置でリールが停止制御される。そして、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。以上のような、メダルの投入、リールの回転、役の抽選、リールの停止制御、メダルの払い出しという一連の動作からなるスロットマシン本来の遊技(以下、「メイン遊技」という。)が実行される。
【0003】
一方、上記のメイン遊技とは異なる遊技であって、例えば画像表示装置に演出画像を表示するとともに、遊技者に所定の操作手段を操作させて、サブ遊技(ミニゲーム)を実行するスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−305269号公報
【0004】
サブ遊技は、通常、メイン遊技の途中で、メイン遊技を中断して行うものである。また、サブ遊技には、予め、複数種類の結末、例えば良い結末(主人公キャラクタと敵キャラクタとが対決して主人公キャラクタが勝利する結末等)と悪い結末(主人公キャラクタと敵キャラクタとが対決して主人公キャラクタが敗戦する結末等)とが予め準備されており、良い結末が出力されたときは、BB等のボーナス役(特別役)に当選していることを意味し、悪い結末が出力されたときは、ボーナス役に当選していないことを意味するものである。すなわち、サブ遊技の結末により、メイン遊技での抽選結果を報知するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述の従来の技術では、サブ遊技の結末が、メイン遊技での役の抽選結果等を報知するものであるので、遊技者が操作手段を操作してサブ遊技を進行させること以外は、通常の遊技で出力されるような役の抽選結果に対応する演出と何ら変わるものではなかった。このため、サブ遊技を実行する場合でも、斬新な演出を提供できるものではなかった。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、メイン遊技とは別個にサブ遊技を実行する場合において、メイン遊技の中断とサブ遊技の進行とを関連づけることで、サブ遊技の演出の内容以外の要素で、メイン遊技での抽選結果を反映させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
請求項1の発明は、複数種類の図柄を表示したリールと、遊技者が遊技を進行する上で操作する操作手段(メイン操作手段)と、前記操作手段が遊技者により操作されることで、遊技媒体の投入、前記リールの回転及び停止を行うとともに、前記リールの停止時に役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、その役に対応する遊技媒体の払出しを行う遊技を進行するように制御する遊技制御手段と、演出出力機器による演出の出力を制御する演出制御手段とを備えるスロットマシンであって、前記遊技制御手段は、当該遊技における役の抽選、又は現在の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するか否かの抽選を行う抽選手段(役抽選手段61)を備え、前記遊技制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果(BB及び小役2、BB及び小役3、並びにRB及びリプレイの各重複当選、並びに小役2、小役3及びリプレイの各単独当選)であったことを条件として、所定時間(5秒、10秒、又は15秒)の間、前記操作手段を操作しても遊技の進行が許可されない遊技進行不可期間を設定し、前記演出制御手段は、前記遊技進行不可期間中に、前記遊技制御手段により進行される遊技とは異なる遊技であって、前記演出出力機器により出力され、前記操作手段又は他の操作手段(サブ操作手段)を遊技者が操作することで進行するサブ遊技を開始するように制御するとともに、前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが同時期に終了するように設定するか、又は前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが異なる時期に終了するように設定することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記演出制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1の結果(特別役非当選時)であるときは前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが同時期に終了するように設定するか又は前記遊技進行不可期間の終了後に前記サブ遊技が終了するように設定し、前記抽選手段による抽選結果が前記第1の結果よりも遊技者にとって有利となる第2の結果(特別役当選時)であることを条件として前記遊技進行不可期間の終了前に前記サブ遊技が終了するように設定することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、前記演出制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1の結果であるときは前記サブ遊技の結末が第1の結末(第1実施形態における「失敗」)となるように前記サブ遊技の出力を制御し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2の結果であることを条件として前記サブ遊技の結末が第2の結末(第1実施形態における「成功」)となるように前記サブ遊技の出力を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記抽選手段は、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するための特別役(BB及びRB)、及び役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときに予め定められた数の遊技媒体の払出しを行う特定小役(小役2、小役3、又はリプレイ)を含めて役の抽選を行うとともに、前記特定小役が単独当選する場合と、前記特別役及び前記特定小役が重複当選する場合とを有するように役の抽選を行い、前記演出制御手段は、前記抽選手段により前記特定小役に単独当選したか又は前記特別役及び前記特定小役に重複当選したかに応じて、前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが同時期に終了するように設定するか、又は前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが異なる時期に終了するように設定することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載のスロットマシンにおいて、前記抽選手段は、前記特定小役として、少なくとも2種類の特定小役A(小役2)及び特定小役B(小役3)を含む役の抽選を行い、前記遊技制御手段は、前記抽選手段で前記特定小役Aに当選したときは前記遊技進行不可期間の時間をT1(5秒)に設定し、前記抽選手段で前記特定小役Bに当選したときは前記遊技進行不可期間の時間をT2(T2≠T1)(10秒)に設定することを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記リールは、複数設けられ、前記操作手段の1つとして、各前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を停止させるための複数のストップスイッチを備え、前記遊技制御手段は、一部の前記ストップスイッチ(第1ストップスイッチ42)が操作された後、他の前記ストップスイッチ(第2ストップスイッチ42)が操作される前に、前記他のストップスイッチが操作されてもそのストップスイッチに対応する前記リールを停止させない前記遊技進行不可期間を設定することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記演出制御手段は、前記遊技進行不可期間の終了後に前記サブ遊技が終了するように設定した場合において、前記遊技進行不可期間の終了後、前記サブ遊技の終了前に特定の前記操作手段が操作されたときは、前記サブ遊技をその時点で終了するように制御することを特徴とする。
【0014】
(作用)
上記発明においては、遊技制御手段の抽選手段による抽選結果が特定の結果であったことを条件として、遊技進行不可期間が設定される。さらに、遊技進行不可期間中には、サブ遊技が実行される。そして、抽選手段による抽選結果に応じて、遊技進行不可期間とサブ遊技とが同時期に終了したり、遊技進行不可期間とサブ遊技とが異なる時期に終了する(例えば、サブ遊技が終了しても遊技進行不可期間は終了しない)ように設定される。
これにより、遊技者は、サブ遊技の内容によって抽選手段による抽選結果を推測できることの他、遊技進行不可期間及びサブ遊技の終了時期に基づいて、抽選手段による抽選結果を推測できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技進行不可期間(メイン遊技の中断期間)とサブ遊技の進行(終了時期)とを関連づけることで、サブ遊技の演出の内容以外の要素で、メイン遊技での抽選結果を報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技制御手段60aと演出制御手段60bとを有する。
遊技制御手段60aは、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものであり、演出制御手段60bは、遊技中又は遊技待機中における演出の出力等を制御するものである。遊技制御手段60aは、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0017】
同様に、演出制御手段60bは、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、演出用のデータ等(演出パターン等)を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
なお、演出制御手段60bは、遊技制御手段60aの下位に属する制御手段であり、遊技制御手段60aと演出制御手段60bとは電気的に接続されている。そして、遊技制御手段60aから演出制御手段60bに信号や情報(コマンド)が送信されるように形成されている。
【0018】
図1に示すように、遊技制御手段60aの入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42からなるメイン操作手段が電気的に接続されている。
ここで、「メイン操作手段」とは、遊技者がメイン遊技を進行する上で操作する必要がある操作手段を指す。
【0019】
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを投入するときに操作するスイッチであり、本実施形態でのベットスイッチ40は、3枚(max)投入専用のスイッチである。なお、図1ではメダル投入口を図示していないが、通常は、ベットスイッチ40とは別個にメダル投入口が設けられている。このメダル投入口は、実際のメダルを投入する部分であり、メダル投入口からのメダルの投入は、ベットスイッチ40の操作と同様の機能を果たす。
【0020】
また、スタートスイッチ41は、リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つのリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0021】
さらに、遊技制御手段60aの出力側(図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0022】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。図示は省略するが、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄が等間隔で配置されている。
【0023】
図2は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、リール31との位置関係を示す図である。リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。
【0024】
また、図2に示すように、スロットマシン10の表示窓11を含む部分には、図柄組合せラインL1〜L5が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段、上段、及び下段の3本の図柄組合せラインL1〜L3と、斜め右下がり方向及び斜め右上がり方向の2本の図柄組合せラインL4及びL5の合計5本の図柄組合せラインを有する。
【0025】
また、図柄組合せラインは、有効ラインと無効ラインとを有する。
ここで、「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0026】
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数に応じて設定されるが、本実施形態では、いずれの遊技中においても、3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、すべての遊技において、5本すべての図柄組合せラインL1〜L5が有効ラインとなり、無効ラインは存在しないように設定されている。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。さらに、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、5本の図柄組合せラインL1〜L5のうち、一部のみを有効ライン(残りを無効ライン)に設定してもよい。
【0027】
また、図1において、演出制御手段60bの入力側には、サブ操作手段が設けられており、特に第1実施形態では、サブ操作手段としてチャンスボタン25が設けられている。チャンスボタン25は、メイン遊技で用いられるものではない。したがって、仮に遊技者がメイン遊技中にチャンスボタン25を操作しても、その操作は無効とされるとともに、メイン遊技に何らの変化をもたらすものではない。
このチャンスボタン25は、後述するサブ遊技が実行されたときに、遊技者がサブ遊技を進行する上で操作するボタンである。
【0028】
さらに、図1において、演出制御手段60bの出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0029】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や所定の情報等を表示するものである。
【0030】
さらに、図1において、演出制御手段60bの出力側には、左、中、及び右ストップスイッチ42に対応する左、中、右ストップスイッチランプ24が設けられている。具体的形状の図示は省略するが、ストップスイッチランプ24は、ストップスイッチ42の周囲(例えばストップスイッチ42の平面形状が円形の場合には、ストップスイッチ42の外周を同心円で囲むように)取り付けられている。そして、ストップスイッチランプ24は、演出制御手段60bにより点灯及び消灯が制御される。
ストップスイッチランプ24は、ストップスイッチ42の受付けが許可されているとき(ストップスイッチ42の操作が可能であるとき)に点灯するランプである。
【0031】
図3は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せ等を示す図である。図3に示すように、役としては、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(その役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される(ただし、特別役を除く)。
【0032】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技(出玉率が1を超え、通常遊技以上にメダルの獲得が期待できる遊技)に移行させる役である。本実施形態では、図3に示すように、特別役として、BB(第1種ビッグボーナス)、及びRB(レギュラーボーナス)が設けられている。
【0033】
BBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つであるBB遊技に移行する。また、RBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の他の1つであるRB遊技に移行する。
なお、他の特別役としては、2BB(第2種ビッグボーナス。MB(ミドルボーナス)ともいう。)やSB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0034】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、小役1〜小役3の3種類を備えており、各小役ごとに異なる図柄の組合せが設定されている。
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0035】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役であるBB及びRBが挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0036】
このように、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役(小役及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0037】
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。ここで、本明細書では、特別役当選時(後述する重複当選時及び単独当選時の双方を含む)の遊技は、「非内部中」として取り扱う。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0038】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60aに入力される。遊技制御手段60a(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0039】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60aに入力される。遊技制御手段60a(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0040】
図1に示すように、遊技制御手段60aは、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60aは、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0041】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0042】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0043】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が小役1の当選領域に属する場合は、小役1の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0044】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。図4及び図5は、本実施形態における役抽選テーブル62(役抽選テーブル62A及び62B)を示す図である。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられている。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0045】
まず、図4に示す役抽選テーブル62Aは、通常遊技中(特別遊技以外の遊技中をいう)で用いられる役抽選テーブル62である。
役抽選テーブル62Aにおいて、BB、RB、BB+小役2、BB+小役3、RB+リプレイ、小役1、小役2、小役3、及びリプレイの各当選領域が設けられている。なお、図4及び図5において、「+」とは、重複当選を意味する。例えば「BB+小役2」というときは、BBと小役2とが当該遊技で同時に当選(重複当選)することを意味する。また、例えば単に「小役1」というときは、小役1の単独当選を意味する。よって、役抽選テーブル62Aでは、単独当選として、BB、RB、小役1、小役2、小役3、及びリプレイの6つが設けられており、重複当選として、BB+小役2、BB+小役3、及びRB+リプレイの3つが設けられている。
【0046】
また、非内部中では、特別役(BB及びRB)の当選領域(単独当選及び重複当選)が設けられているが、内部中では、特別役の当選領域は、単独当選及び重複当選のいずれも設けられていない。すなわち、内部中では、特別役は抽選されない。
【0047】
また、役抽選テーブル62Bは、BB遊技及びRB遊技で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62Bでは、特別役及びリプレイは抽選されず、単独当選となる小役1〜小役3のみが抽選される。また、小役3の当選確率が1/1.1と極めて高く設定されている。これにより、役抽選テーブル62Bが用いられる特別遊技では、非当選確率は、約4/100となり、低確率である。
【0048】
説明を図1に戻す。
特別役当選持越し手段63は、特別役に当選したときに、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで(特別役が入賞するまで)の遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御するものである。
特別役の当選を記憶するため、特別役ごとに当選フラグが設けられており、例えばBBの当選時には、BBに係る当選フラグがオンとなり、BBが入賞するまで維持されるとともに、BBが入賞したときは、その時点でオフにされる。
【0049】
リール制御手段64は、まず、スタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、ストップスイッチ42が操作されたときに、役抽選手段61による役の抽選結果と、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングとに基づいて、後述する停止位置決定テーブル65を参照してそのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0050】
例えば、リール制御手段64は、役に当選した遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0051】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)に設定されている。
【0052】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0053】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0054】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0055】
停止位置決定テーブル65は、役抽選手段61による役の抽選結果ごとに対応して設けられており(1つの役抽選結果に対して1つ設けられており)、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。
【0056】
停止位置決定テーブル65は、以下のBBテーブル等を備える。
BBテーブルは、当該遊技でBBに単独当選したこと、又は当該遊技以前にBBに当選(重複当選又は単独当選)し、かつ当該遊技で非当選であることを条件として用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、BB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0057】
また、RBテーブルは、当該遊技でRBに単独当選したこと、又は当該遊技以前にRBに当選(重複当選又は単独当選)し、かつ当該遊技で非当選であることを条件として用いられるものであり、上記BBテーブル中、「BB」を「RB」と読み替えたものに相当する。
【0058】
また、小役1テーブルは、当該遊技で小役1に単独当選したことを条件として用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0059】
小役2テーブル、小役3テーブル、及びリプレイテーブルについても上記小役1テーブルと同様であり、それぞれ、小役1テーブルにおける「小役1」を、「小役2」、「小役3」、及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
【0060】
また、BB+小役2テーブルは、当該遊技でBB及び小役2に重複当選したことを条件として用いられ、先ず、当選した小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先するとともに、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、当選したBBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。さらに、BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めている。
【0061】
また、BB及び小役3の重複当選時に用いられるBB+小役3テーブルについても上記BB+小役2テーブルと同様であり、BB+小役2テーブルにおける「小役2」を、「小役3」と読み替えたものに相当する。
さらに、RB及びリプレイの重複当選時に用いられるRB+リプレイテーブルについても上記BB+小役2テーブルと同様であり、BB+小役2テーブルにおける「BB」及び「小役2」を、それぞれ「RB」及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
【0062】
なお、本実施形態では、リールの詳細な図柄配列の図示を省略するが、「7」、「BAR」、「チェリー」、及び「スイカ」については、6図柄以上の間隔を隔てて配置されている箇所が、少なくとも1つのリール31( 「チェリー」の図柄については左リール31)の少なくとも1箇所に設定されている。このため、当選役に対応する停止位置決定テーブル65が用いられたときであっても、BB、RB、小役1、及び小役2については、当選役に対応する図柄が有効ラインに停止するように狙ってストップスイッチ42を操作しなければ、当選役に対応する図柄が有効ラインに停止しない。
【0063】
これに対し、「ベル」の図柄については、すべてのリール31において、5図柄以内の間隔で配置されている。このため、小役3の当選時には、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても、常に、小役3に係る「ベル」の図柄を有効ラインに停止させることができる。
よって、小役3テーブルが用いられたときは、常に小役が3入賞する。また、BB+小役3テーブルが用いられたときは、優先される小役3が常に入賞し、BBが入賞する場合はない。
【0064】
さらに、「RP」の図柄は、上記「ベル」の図柄と同様に配置されている。したがって、リプレイテーブルが用いられたときは、常にリプレイが入賞する。また、RB+リプレイテーブルが用いられたときは、優先されるリプレイが常に入賞し、RBが入賞する場合はない。
【0065】
さらにまた、内部中の遊技において小役1〜小役3又はリプレイに当選したときは、特別役当選持越し時役当選テーブルが用いられる。
特別役当選持越し時役当選テーブルは、特別役(BB又はRB)の当選を持ち越している状態で小役1〜小役3又はリプレイに当選した遊技で用いられ、先ず、当該遊技で当選した小役1〜小役3又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先するとともに、当該遊技で当選した小役1〜小役3又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、当選を持ち越している特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。さらに、当選を持ち越している特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めている。
【0066】
なお、特別役と小役又はリプレイとの重複当選時や、内部中の遊技で小役やリプレイに当選したときに、小役等よりも特別役を優先して入賞させるように制御することも可能である。
【0067】
また、非当選テーブルは、通常遊技の非内部中又は特別遊技中における役の非当選時の遊技で用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0068】
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0069】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
【0070】
特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
通常遊技中に、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からBB遊技を開始するように制御する。
BB遊技では、上述した役抽選テーブル62Bを用いて役の抽選が行われる。これにより、BB遊技中は、小役3の当選確率が高くなる。
【0071】
また、本実施形態では、BB遊技の終了条件として、BB遊技中に払い出されたメダル枚数が450枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が450枚以上となったと判断したときは、BB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0072】
同様に、特別遊技制御手段68は、通常遊技中に、RBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、RBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からRB遊技を開始するように制御する。RB遊技では、BB遊技と同様に、役抽選テーブル62Bを用いて役の抽選が行われる。
【0073】
また、本実施形態では、RB遊技の終了条件として、RB遊技中に払い出されたメダル枚数が120枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、RB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が120枚以上となったと判断したときは、RB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0074】
遊技進行不可期間設定手段69は、ベットスイッチ40(メダル投入口からのメダルの投入を含む)、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42の操作を受け付けない(操作されても無効とする)遊技進行不可期間(メイン遊技の中断期間)を設定するものである。
【0075】
特に本実施形態では、遊技進行不可期間設定手段69は、先ず、役抽選手段61による役の抽選結果が特定の結果であるときに、遊技進行不可期間を設定するか否かの抽選を行い、この抽選に当選したときは、遊技進行不可期間を設定する。なお、遊技進行不可期間の設定は、通常遊技の非内部中のときに行われ、通常遊技の内部中の遊技や特別遊技中では行われない。
【0076】
図6は、当選役、遊技進行不可期間を設定するか否かの実行確率(当選確率)、及び遊技進行不可期間を設定するときの時間との関係を示す図である。図6に示すように、役抽選手段61による役の抽選で、BB+小役2、BB+小役3、RB+リプレイ、小役2、小役3、又はリプレイの当選となったときは、遊技進行不可期間設定手段69は、ソフトウエア乱数を用いて遊技進行不可期間を設定するか否かの抽選を行う。さらに、当選役に応じて、遊技進行不可期間を設定するか否かの抽選での当選確率が異なる。例えば、BB+小役2となったときは、図6に示すように、80%の確率で実行(当選)するように抽選を行う。一方、例えばリプレイの単独当選時は、3%の確率で実行(当選)する抽選を行う。図6に示すような当選確率に設定することで、遊技中は、
1/900×80%+1/800×80%+1/700×90%+1/30×20%+1/10×5%+1/7.3×3%
=1.9%
の確率で、遊技進行不可期間が設定されることとなる。
【0077】
また、遊技進行不可期間設定手段69は、遊技進行不可期間を設定するときは、何秒間、遊技進行不可期間にするかを設定する。図6に示すように、小役2当選時(単独当選時及びBBとの重複当選時の双方を含む)は5秒間、小役3当選時(単独当選時及びBBとの重複当選時の双方を含む)は10秒間、リプレイ当選時(単独当選時及びRBとの重複当選時の双方を含む)は15秒間に設定する。すなわち、当選役である小役又はリプレイの種類に応じて遊技進行不可期間を設定している。
【0078】
さらにまた、遊技進行不可期間設定手段69は、遊技進行不可期間を設定することに決定した遊技では、第1(最初の)ストップスイッチ42の操作直後(第1ストップスイッチ42が操作された旨の信号を受信した直後)から、遊技進行不可期間を設定する。そして、遊技進行不可期間設定手段69は、タイマーを備えており、所定時間(例えばBB+小役2の当選時では、5秒間)を経過するまでタイマーにより時間をカウントし、所定時間の経過後、遊技進行不可期間を終了する。なお、遊技進行不可期間の終了と同時にタイマーをリセットする。
【0079】
以上より、第1ストップスイッチ42の操作後、遊技進行不可期間が設定されたときは、第2ストップスイッチ42の操作ができなくなる(無効となる)。よって、遊技者は、遊技を進行することができず、第2リール31及び第3リール31は、回転中の状態が続く。そして、所定時間経過後、遊技進行不可期間が終了すると、第2ストップスイッチ42の操作が有効となり、第2リール31を停止可能となる。
【0080】
なお、遊技制御手段60aは、遊技中における各種の遊技情報を演出制御手段60bに送信する。送信する情報としては、メダル投入口からメダルが投入された旨の情報、ベットスイッチ40が操作された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、リール31の回転が開始した旨の情報、役抽選手段61による役の抽選結果の情報、ストップスイッチ42が操作された旨の情報、リール31が停止した旨の情報、すべてのリール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せの情報、メダルの払出し情報、遊技進行不可期間が開始された旨の情報、及び遊技進行不可期間が終了した旨の情報等である。
【0081】
演出制御手段60bは、上述した演出出力機器(ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23)からの演出の出力を制御するものである。
図1に示すように、演出制御手段60bには、演出パターン記憶手段71が設けられており、この演出パターン記憶手段71の中に複数種類の演出パターンが設けられている。演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
【0082】
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
【0083】
演出制御手段60bは、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に係る情報を受信して、演出パターン記憶手段71の中から演出パターンを選択する。特に本実施形態では、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によっていずれか1つの演出パターンを選択する。
そして、演出制御手段60bは、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0084】
また、演出制御手段60bは、遊技進行不可期間が設定されたときは、ストップスイッチランプ24を、それまでの点灯から消灯に制御する。演出制御手段60bは、スタートスイッチ41が操作される前は、ストップスイッチ42の操作(受付け)が許可されていないので、すべてのストップスイッチランプ24を消灯するように制御する。
【0085】
スタートスイッチ41が操作されると、リール31は、その回転を開始するが、最初に加速域を経た後、等速(定速)域に到達する。この場合に、リール31の加速域ではストップスイッチ42の操作を許可しないため、ストップスイッチランプ24は消灯のままである。そして、リール31が等速となり、停止可能となった時に、その旨の情報が遊技制御手段60aから送信されてくるので、この情報を受信したときに、演出制御手段60bは、すべてのストップスイッチランプ24を点灯させるように制御する。
【0086】
これにより、遊技者に対し、ストップスイッチ42の操作が可能である旨を報知する。そして、第1ストップスイッチ42が操作された旨の情報を受信したときは、第1ストップスイッチ42に対応するストップスイッチランプ24を消灯するように制御する。そして、この時点では、残り2つのストップスイッチランプ24は、点灯のままである。
【0087】
さらに、第1ストップスイッチ42が操作された旨の情報を受信した後、遊技進行不可期間が開始された旨の情報を受信すると、第2及び第3ストップスイッチ42に対応するストップスイッチランプ24を消灯するように制御する。なお、遊技進行不可期間が開始されなければ、第2及び第3ストップスイッチ42に対応するストップスイッチランプ24は点灯状態を維持し、第2及び第3ストップスイッチ42が操作された旨の情報を受信したときに、それぞれ対応するストップスイッチランプ24を消灯するように制御する。
また、演出制御手段60bは、遊技進行不可期間が終了した旨の情報を受信したときは、第2及び第3ストップスイッチ42に対応するストップスイッチランプ24を点灯するように制御する。
【0088】
また、演出制御手段60bは、サブ遊技制御手段72を備える。
先ず、演出制御手段60bは、遊技制御手段60aから送信されてくる役抽選結果に係る情報と、遊技進行不可期間に係る情報を受信する。そして、サブ遊技制御手段72は、遊技進行不可期間が例えば10秒であるときは、その10秒に対応する所定時間、サブ遊技を実行するように制御する。
【0089】
ここで、「サブ遊技」とは、スロットマシン本来のメイン遊技(ベットスイッチ40を操作してメダルを操作するか又はメダル投入口からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作することでリール31を回転させるとともに役の抽選を行い、ストップスイッチ42を操作することで役の抽選結果に対応するようにリール31を停止させ、役の入賞となったときはメダルを払い出す、という一連の遊技)とは異なる遊技である。そして、サブ遊技は、ベットスイッチ40等のメイン操作手段を用いず、チャンスボタン25(サブ操作手段)を用いて行う遊技である。
【0090】
以下に、本実施形態のサブ遊技の例を説明する。
図7は、サブ遊技の画像表示内容を示す図である。先ず、サブ遊技制御手段72は、遊技進行不可期間に係る情報を受信すると、それまで演出を画像表示していた画像表示装置23の全画面を真っ黒にする演出を行う。具体的には、テレビ画面の電源を落としたときのように、画面がフリーズする演出を出力する。その後、図7に示す画像表示を行う。これにより、遊技者は、サブ遊技が開始されることを知ることができる。
【0091】
図7に示すように、サブ遊技では、キャラクタがポンプの上げ下げを繰り返すことでメーターを上昇させるものである。そして、このサブ遊技の結末としては、2種類設けられている。その1つは、メーター表示が最大(MAX)の20段階目(ボーナス)に到達し、ボーナス(BB又はRB)の当選が確定した旨の演出を行うとともに、画面の天面側から紙吹雪が降り、ボーナスの当選に喜ぶキャラクタを画像表示するものである。
一方、もう1つは、メーター表示が最大の20段階目に到達せず、メーターを0に戻す画像表示を行うとともに、がっくりして地面に手をついているキャラクタを画像表示するものである。
【0092】
そして、ポンプの上げ下げは、遊技者によるチャンスボタン25の連打により行わせる。このため、図7に示すように、「チャンスボタン25を連打してメーターをMAXにしろ!」と表示し、チャンスボタン25の連打によりメーターが上昇する旨の解説も併せて画像表示する。
【0093】
さらに、サブ遊技制御手段72は、サブ遊技の遊技時間を画像表示する。図7の例では、サブ遊技の残り時間が「5秒」である旨を表示した例を示している。
サブ遊技制御手段72は、サブ遊技の遊技時間を決定する。図8は、当選役、遊技進行不可期間の時間、サブ遊技の時間、サブ遊技の結末等を示す図である。図8に示すように、例えばBB+小役2に当選した場合においては、サブ遊技制御手段72は、サブ遊技の時間を5秒又は10秒に決定する。いずれを選択するかは、サブ遊技制御手段72は、ソフトウエア乱数を用いた抽選によって決定する。この抽選で、図8に示すように、サブ遊技制御手段72は、サブ遊技の時間を、80%の確率で5秒に決定し、20%の確率で10秒に決定する。
【0094】
また、サブ遊技制御手段72は、サブ遊技の最後の結末を決定する。図8に示すように、BB+小役2当選時は、サブ遊技の結末として「成功」が選択される。ここで、「成功」とは、メーター表示が最大の20段階目に到達する画像表示を行うものである。これに対し、図8中、「失敗」とは、メーター表示が最大の20段階目に到達せず、メーターを0に戻す画像表示を行うものである。
以上のようにして、サブ遊技が実行されるときは、サブ遊技制御手段72は、サブ遊技の時間と、サブ遊技の結末を決定するとともに、決定したサブ遊技の時間及び結末となるように、演出画像を制御する。
【0095】
ここで、図8中、サブ遊技番号の1番、3番、7番、8番、10番、及び12番が選択されたときは、遊技進行不可期間とサブ遊技の時間とが同一となる。すなわち、サブ遊技が終了した時点で、同時に、遊技進行不可期間も終了する。
これに対し、サブ遊技番号の2番、4番、9番、及び11番が選択されたときは、サブ遊技の時間は、遊技進行不可期間よりも長く設定される。したがって、遊技進行不可期間が終了し、第2及び第3ストップスイッチ42の受付けが許可(操作が可能)となった後(このときは、ストップスイッチランプ24も点灯する)も、サブ遊技に係る演出が出力される。
【0096】
ただし、遊技進行不可期間終了後、サブ遊技の進行中に、第2ストップスイッチ42が操作されたときは、遊技制御手段60aは、遊技を再開する。すなわち、第2ストップスイッチ42が操作されると、リール制御手段64は、第2ストップスイッチ42に対応するリール31の停止制御を行う。さらに、第3リール31の停止後は、停止図柄判断手段66により、役が入賞したか否かが判断され、役が入賞したと判断されたときは、払出し手段67は、当選役に対応するメダルの払出しを行う。
【0097】
そして、サブ遊技制御手段72は、サブ遊技中に遊技が再開されたとき(遊技進行不可期間の終了後、第2ストップスイッチ42が操作されたとき)は、サブ遊技の出力をその時点で終了する。すなわち、サブ遊技は、第2ストップスイッチ42が操作された時点で中止とするように制御する。
なお、これに限らず、第2及び第3ストップスイッチ42が操作されてもサブ遊技を継続し、次遊技のためのメダルが投入された時(ベットスイッチ40が操作されるか、又はメダル投入口から投入された時)に、サブ遊技を中止するようにしてもよい。
【0098】
また、図8中、サブ遊技番号の5番及び6番が選択されたときは、遊技進行不可期間中にサブ遊技が終了する。すなわち、サブ遊技が終了した後、遊技者が第2ストップスイッチ42を操作しても、遊技を進行できない(このときは、第2ストップスイッチ42に対応するストップスイッチランプ24は消灯のままである)。そして、本実施形態では、このような状況が生じたときを、特別役当選確定演出に設定している。すなわち、サブ遊技が終了しても遊技進行不可期間が続くケースは、特別役当選時を条件として選択されるように設定している。
【0099】
さらにまた、サブ遊技番号の4番又は6番が選択されたときは、特別役に当選しているにもかかわらず、サブ遊技の結末が「失敗」に設定されている。ここで、本実施形態では、特別役当選時は、サブ遊技の結末が「成功」となる確率が高く設定しており、特別役非当選時は、サブ遊技の結末が「失敗」となる確率が高く設定している。このため、サブ遊技の結末が「失敗」となったときは、遊技者は、特別役非当選の確率が高いと判断するが、次遊技以降で、特別役に当選していることを知ることとなる。さらに、サブ遊技番号が6番の場合には、遊技者は、サブ遊技が終了した時点では、結末が「失敗」であるため特別役非当選の確率が高いと判断するが、その直後に、サブ遊技が終了しても遊技進行不可期間が終了していないことを知るので、この時点で、特別役の当選を知ることとなる。以上のように設定することで、サブ遊技の結末だけでは、特別役に当選しているか否かが遊技者にわからないようにすることができる。
【0100】
以上の構成からなるスロットマシン10において、遊技者は、第2ストップスイッチ42の操作ができなくなること、及びサブ遊技が開始されることから、遊技進行不可期間が設定されたことを知ることができる。
【0101】
また、例えばRB及びリプレイの重複当選時や、リプレイの単独当選時において、RB+リプレイテーブル又はリプレイテーブルが用いられたときは、リプレイに係る「RP」の図柄が有効ラインに停止するようにリール31が停止制御される。したがって、表示窓11よりも上の位置に「RP」の図柄が存在する瞬間に第1ストップスイッチ42を操作した場合において、第1リール31が移動制御され、「RP」の図柄が有効ラインに停止したとき(「RP」の図柄を有効ラインまで引き込んだとき)は、リプレイに当選している可能性が高いと推測できる。したがって、遊技者は、図6に示した当選役と遊技進行不可期間の時間との対応関係を事前に知っていれば、遊技進行不可期間が設定されたときは、15秒間の遊技進行不可期間が設定される可能性が高いと推測することができる。
【0102】
このように、遊技者は、第1リール31の停止位置(停止制御時の移動図柄数)を見ることで、遊技進行不可期間が設定されたときに、遊技進行不可期間の時間を推測することが可能となる。
【0103】
リプレイに当選していると推測した後、遊技進行不可期間が設定されたときは、遊技者は、サブ遊技が15秒よりも前に終了することを期待することができる。サブ遊技が5秒又は10秒で終了すれば、サブ遊技の結末を見るまでもなく、その時点で、特別役(RB)に重複当選していることが確定するからである。
【0104】
また、サブ遊技が出力された遊技で特別役の当選を知ったときでも、当該遊技では、重複当選している小役又はリプレイが入賞する確率が高いので、当該遊技で特別役を入賞させることはほとんどできない。したがって、遊技者は、次遊技(すなわち、サブ遊技が出力されない遊技)で、小役やリプレイに当選していないことを条件に、当選を持ち越している特別役を入賞させることができる。このように設定することで、サブ遊技が行われた遊技では、特別役に当選しているか否かをわかりにくくすることができる。
【0105】
BB及び小役2の重複当選時、並びにBB及び小役3の重複当選時においても、上記と同様に、遊技者は、第1リール31の停止出目を見て、当該遊技における当選役を推測することができる。そして、対応する当選役の遊技進行不可期間よりも前にサブ遊技が終了することを期待することができる。
【0106】
さらに、図6に示すように、BB+小役2の重複当選時と、小役2の単独当選時の遊技進行不可期間はいずれも5秒であり、BB+小役3の重複当選時と、小役3の単独当選時の遊技進行不可期間はいずれも10秒であり、さらに、RB+リプレイの重複当選時と、リプレイの単独当選時の遊技進行不可期間はいずれも15秒である。したがって、特別役に当選しているか否かにかかわらず、入賞役(小役2、小役3又はリプレイ)に対応する遊技進行不可期間は同一であるので、遊技進行不可期間と入賞役とから、特別役に当選しているか否かを判断することはできない。
【0107】
なお、演出制御手段60bは、非遊技時(スタートスイッチ41が操作される前や、1遊技の終了後)にはデフォルトの演出内容を出力しているとともに、上述したように、遊技の開始時に、役の抽選結果に基づいて演出パターンを選択し、その演出パターンに従って演出を出力している。そして、サブ遊技を実行するときは、その時点まで出力していた演出パターンによる演出を中断して、サブ遊技に基づく演出に切り替える。さらに、サブ遊技に基づく演出が終了したときは、その終了時点以降の演出パターンに基づく演出に切り替えるように画像表示を制御する。
【0108】
また、図1では図示していないが、スロットマシン10は、精算ボタンを備える。ここで、「精算ボタン」とは、遊技の終了時等に、貯留されたクレジット数に相当する枚数のメダルの払出しを受けるときに遊技者が操作するボタンである。
そして、遊技進行不可期間設定手段69は、遊技進行不可期間中に精算ボタンが遊技者によって操作されたときは、遊技進行不可期間を中止(終了)するように制御する。さらに、払出し手段67は、貯留クレジット数に対応する枚数のメダルを払い出すように制御する。
【0109】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を主として説明する。
第2実施形態では、サブ操作手段が第1実施形態と異なる。図9は、第2実施形態におけるスロットマシン10’の制御の概略を示すブロック図である。図9に示すように、第2実施形態では、サブ操作手段として、十字キー26及び決定キー27を備える。十字キー26は、上下左右にカーソルを移動させるためのキーであり、後述するように、サブ遊技において、キャラクタを左右に移動させてルートを選択させるときに用いられるキー(ボタン)である。また、決定(Enter )キー27は、それをオンすることで、十字キー26で操作した現在の位置を確定するときに用いられるキー(ボタン)である。
【0110】
図10は、第2実施形態のサブ遊技の画像表示内容を示す図である。
図10に示すように、第2実施形態のサブ遊技では、キャラクタが、「1」〜「3」のルートのうち、いずれか1つを選択してゴールまで進むものである。そして、各ルートは、それぞれあみだくじのように形成されている。ルートが選択される前は、図10(a)に示すように画像表示され、ルートが最後にたどり着くゴール(結末)が見えないようになっている。
【0111】
そして、画面には、あと何秒以内にルートを選択すべきかを示している。この制限時間内において、遊技者は、十字キー26を操作して、キャラクタを左又は右に移動させ、希望するルートの上にキャラクタを配置し、決定キー27を押す。これにより、サブ遊技でのルートが決定する。なお、遊技者によりサブ操作手段が操作されずにルートが制限時間内に選択されなかったときは、デフォルトして、「1」のルートを選択するように制御する。
【0112】
そして、遊技者によりルートが選択され、制限時間が終了すると、選択されたルートを下に降りていく画像演出が出力され(図10(b))、最後には、図10(c)に示すように、「ボーナス」か「チャンス」のいずれかのゴールに到達する。「ボーナス」にゴールしたときは、当該遊技での特別役の当選が確定する。これに対し、「チャンス」であるときは、特別役の当選可能性は低いことを意味する。
【0113】
図11は、第2実施形態における当選役、遊技進行不可期間、サブ遊技の時間、及びサブ遊技の結末(ゴール地点)等を示す図である。
第2実施形態においても、サブ遊技の終了前に遊技進行不可期間が終了したときは、特別役の当選が確定する。また、ゴール地点が「ボーナス」であったときは、特別役の当選が確定する。さらにまた、ゴール地点が「チャンス」であるときは、特別役当選時と特別役非当選時の双方を有する。
【0114】
なお、第2実施形態においては、図11中、サブ遊技番号の1番、2番、3番、5番又は7番が選択されたときは、遊技者が選択したルートのゴールが「ボーナス」となるように画像演出を制御する。これに対し、上記以外の番号が選択されたときは、ゴールが「チャンス」となるように画像演出を制御する。
【0115】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態では、特別役当選時は、遊技進行不可期間>サブ遊技期間、遊技進行不可期間=サブ遊技期間、及び遊技進行不可期間<サブ遊技期間の3種類を設け、特別役非当選時は、遊技進行不可期間=サブ遊技期間、及び遊技進行不可期間<サブ遊技期間の2種類を設けた。しかし、特別役当選時には、遊技進行不可期間>サブ遊技期間を設けるとともに、特別役非当選時には、遊技進行不可期間>サブ遊技期間を設けなければ、その他は、どのようなパターンとしてもよい。
【0116】
例えば、特別役当選時及び非当選のいずれも、遊技進行不可期間<サブ遊技期間を設けないようにし、特別役非当選時には常に遊技進行不可期間=サブ遊技期間となるようにするととももに、特別役当選時を条件として遊技進行不可期間>サブ遊技期間となるようにしてもよい。あるいは、遊技進行不可期間=サブ遊技期間を設けないようにし、特別役当選時は遊技進行不可期間>サブ遊技期間又は遊技進行不可期間<サブ遊技期間とし、特別役非当選時は常に遊技進行不可期間<サブ遊技期間としてもよい。
【0117】
(2)第1実施形態において、特別役非当選時の場合に、サブ遊技において、低確率であれば、「成功」の結末を設けてもよい。
(3)遊技進行不可期間の開始のタイミングは、上記実施形態に限定されることなく、種々設定することができる。例えば、当該遊技で特別役に当選したときは、次遊技においてベットスイッチ40を操作しても貯留メダルを投入できない遊技進行不可期間を設けたり、あるいはスタートスイッチ41を操作しても遊技を開始できない遊技進行不可期間を設けることも可能である。また、第2リール31の停止後に遊技進行不可期間を設けることも可能である。
【0118】
(4)どの特別役に当選したときに遊技進行不可期間を設定するかは、任意である。また、小役同士の重複当選時や、特別役の単独当選時に遊技進行不可期間を設けることも可能である。さらにまた、役の非当選時にも遊技進行不可期間を設けてもよい。
(5)上記実施形態では、遊技進行不可期間を設けたときは、必ずサブ遊技を実行するようにしたが、これに限らず、プレミア演出として、サブ遊技を行わない遊技進行不可期間を設けてもよい。
(6)遊技進行不可期間の時間をどの程度に設定するかは任意である。また、役の当選時に、遊技進行不可期間の長さを抽選等によって決定してもよい。さらにまた、特別役非当選時には短い時間が選択されやすく設定し、特別役当選時には長い時間が選択されやすく設定すること等も可能である。
【0119】
(7)サブ遊技は、通常遊技の非内部中に実行するようにしたが、これに限らず、特定の遊技でのみ行うようにしてもよい。例えば、リプレイの当選確率を通常遊技よりも高く設定したRT(Replay Time )遊技を設け、このRT遊技中に遊技進行不可期間を設定してサブ遊技を実行するようにしてもよい。また、特別遊技中に遊技進行不可期間を設定するとともにサブ遊技を実行し、このサブ遊技の結果に基づいて、特別遊技終了後の遊技状態(遊技者にとって有利又は不利な遊技状態)を設定してもよい。
【0120】
(8)遊技進行不可期間の終了は、ストップスイッチランプ24の点灯によって遊技者に報知するようにしたが、遊技進行不可期間の終了のガセ演出を設けてもよい。例えば、遊技進行不可期間が未だ終了していないにもかかわらず、ストップスイッチランプ24を点灯する演出を行うことが挙げられる。なお、このような演出が選択されるためには、特別役に当選していることが望ましい。
【0121】
(9)上記実施形態では、ストップスイッチランプ24の点灯/消灯によって、遊技進行不可期間中であるか否かを遊技者に報知した。しかし、この方法以外に、例えば他のランプ21の点灯・点滅・消灯や、スピーカ22からのサウンドの出力によって報知することも可能である。
【0122】
(10)例えば第1実施形態では、サブ操作手段としてチャンスボタン25を設けたが、このようにサブ遊技専用のボタンを設けることなく、メイン操作手段の一部がサブ操作手段を兼ねるようにすることも可能である。例えば、第1実施形態において、サブ遊技が開始されたときは、ベットスイッチ40がサブ操作手段(チャンスボタン25)を兼ねるようにしてもよい。
【0123】
(11)上記実施形態では、役抽選手段61による役の抽選結果を報知する演出としてサブ遊技を行うようにしたが、これに限らず、役抽選手段61以外の抽選を行うようにして、その抽選結果を報知するためにサブ遊技を行うようにしてもよい。例えば、上述したRT遊技、特定小役の当選時に特定小役を入賞させるための情報(ストップスイッチ42の押し順の情報や、当選役の図柄情報)を報知することで特定小役の入賞率を高めることができるAT(Assist Time )遊技、又はRT遊技とAT遊技とを組み合わせたART遊技を設けておき、これらの特定遊技(出玉率が通常遊技よりも高くなることで遊技者によって有利となる遊技)に移行するか否かの抽選を行う。そして、その抽選結果を、サブ遊技によって報知してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】第1実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
【図2】スロットマシンの表示窓と、リールとの位置関係を示す図である。
【図3】役の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
【図4】通常遊技で用いられる役抽選テーブルを示す図である。
【図5】特別遊技で用いられる役抽選テーブルを示す図である。
【図6】当選役、遊技進行不可期間を設定するか否かの実行確率(当選確率)、及び遊技進行不可期間を設定するときの時間との関係を示す図である。
【図7】第1実施形態のサブ遊技の画像表示内容を示す図である。
【図8】第1実施形態における当選役、遊技進行不可期間の時間、サブ遊技の時間、サブ遊技の結末等を示す図である。
【図9】第2実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態のサブ遊技の画像表示内容を示す図である。
【図11】第2実施形態における当選役、遊技進行不可期間、サブ遊技の時間、及びサブ遊技の結末(ゴール地点)等を示す図である。
【符号の説明】
【0125】
10、10’ スロットマシン
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
24 ストップスイッチランプ
25 チャンスボタン
26 十字キー
27 決定キー
31 リール
32 モータ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
60a 遊技制御手段
60b 演出制御手段
61 役抽選手段
62(62A、62B) 役抽選テーブル
63 特別役当選持越し手段
64 リール制御手段
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 特別遊技制御手段
69 遊技進行不可期間設定手段
71 演出パターン記憶手段
72 サブ遊技制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を表示したリールと、
遊技者が遊技を進行する上で操作する操作手段と、
前記操作手段が遊技者により操作されることで、遊技媒体の投入、前記リールの回転及び停止を行うとともに、前記リールの停止時に役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、その役に対応する遊技媒体の払出しを行う遊技を進行するように制御する遊技制御手段と、
演出出力機器による演出の出力を制御する演出制御手段と
を備えるスロットマシンであって、
前記遊技制御手段は、当該遊技における役の抽選、又は現在の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するか否かの抽選を行う抽選手段を備え、
前記遊技制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が特定の結果であったことを条件として、所定時間の間、前記操作手段を操作しても遊技の進行が許可されない遊技進行不可期間を設定し、
前記演出制御手段は、前記遊技進行不可期間中に、前記遊技制御手段により進行される遊技とは異なる遊技であって、前記演出出力機器により出力され、前記操作手段又は他の操作手段を遊技者が操作することで進行するサブ遊技を開始するように制御するとともに、前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが同時期に終了するように設定するか、又は前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが異なる時期に終了するように設定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が第1の結果であるときは前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが同時期に終了するように設定するか又は前記遊技進行不可期間の終了後に前記サブ遊技が終了するように設定し、前記抽選手段による抽選結果が前記第1の結果よりも遊技者にとって有利となる第2の結果であることを条件として前記遊技進行不可期間の終了前に前記サブ遊技が終了するように設定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1の結果であるときは前記サブ遊技の結末が第1の結末となるように前記サブ遊技の出力を制御し、前記抽選手段による抽選結果が前記第2の結果であることを条件として前記サブ遊技の結末が第2の結末となるように前記サブ遊技の出力を制御する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
前記抽選手段は、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するための特別役、及び役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときに予め定められた数の遊技媒体の払出しを行う特定小役を含めて役の抽選を行うとともに、前記特定小役が単独当選する場合と、前記特別役及び前記特定小役が重複当選する場合とを有するように役の抽選を行い、
前記演出制御手段は、前記抽選手段により前記特定小役に単独当選したか又は前記特別役及び前記特定小役に重複当選したかに応じて、前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが同時期に終了するように設定するか、又は前記遊技進行不可期間と前記サブ遊技とが異なる時期に終了するように設定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項5】
請求項4に記載のスロットマシンにおいて、
前記抽選手段は、前記特定小役として、少なくとも2種類の特定小役A及び特定小役Bを含む役の抽選を行い、
前記遊技制御手段は、前記抽選手段で前記特定小役Aに当選したときは前記遊技進行不可期間の時間をT1に設定し、前記抽選手段で前記特定小役Bに当選したときは前記遊技進行不可期間の時間をT2(T2≠T1)に設定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
前記リールは、複数設けられ、
前記操作手段の1つとして、各前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を停止させるための複数のストップスイッチを備え、
前記遊技制御手段は、一部の前記ストップスイッチが操作された後、他の前記ストップスイッチが操作される前に、前記他のストップスイッチが操作されてもそのストップスイッチに対応する前記リールを停止させない前記遊技進行不可期間を設定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記遊技進行不可期間の終了後に前記サブ遊技が終了するように設定した場合において、前記遊技進行不可期間の終了後、前記サブ遊技の終了前に特定の前記操作手段が操作されたときは、前記サブ遊技をその時点で終了するように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−88549(P2010−88549A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259286(P2008−259286)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】