説明

ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

【課題】大口径比、広画角でしかも光線入射角度が小さく高い光学性能が得られるズームレンズを得ること。
【解決手段】物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、開口絞りを含む正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群より構成され、ズーミングに際して前記第1、第2、第3レンズ群が移動し、フォーカシングに際して前記第3レンズ群が移動するズームレンズであって、前記第2レンズ群は物体側から像側へ順に2以上の正レンズと1以上の負レンズを有し、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端及び望遠端における全系の焦点距離を各々fw、ft、広角端及び望遠端におけるFナンバーを各々Fnow、Fnot、望遠端における最終レンズ面から像面までの空気換算距離をBFtとするとき、0.20<Fnow*fw/f3<0.43、0.4<BFt*Fnot/ft<0.9なる条件式を満足すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はズームレンズに関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視用カメラ、TVカメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
最近、固体撮像素子を用いた撮像装置に用いられる撮影光学系には被写体の広い範囲が撮影可能な広画角で、しかも明るい(大口径比)ズームレンズであることが求められている。広画角の撮影が容易なズームレンズとして、負の屈折力のレンズ群が先行する(最も物体側に位置する)ネガティブリード型のズームレンズが知られている。ネガティブリード型のズームレンズとして、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、および正の屈折力の第3レンズ群より成る3群ズームレンズが知られている(特許文献1、2)。
【0003】
特許文献1は広角端の撮影半画角が22度、広角端のFナンバー1.0程度、望遠端のFナンバー1.7程度のズームレンズを開示している。また特許文献1は光線入射角度(軸外主光線が像面に入射するときの角度のうち全ズーム範囲で最大の角度)が3.8度程度のテレセントリック性の良いズームレンズを開示している。特許文献2は、広角端の撮影半画角が29度、広角端のFナンバー3.0、望遠端のFナンバー4.9、光線入射角度4.2度程度のテレセントリック性の良いズームレンズを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−046717号公報
【特許文献2】特開2004−318101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ビデオカメラやデジタルカメラ等に用いるズームレンズには、大口径比、広画角で、しかも光線入射角度が小さいことが強く要望されている。前述した3群ズームレンズにおいて、大口径比化(Fナンバー2.5程度)、広画角化(撮影画角70度程度)、そして光線入射角度を小さくするためには、各レンズ群の屈折力やレンズ構成等を適切に設定することが重要になってくる。特に正の屈折力の第2レンズ群のレンズ構成や、第3レンズ群のパワー(屈折力)、そしてバックフォーカスの長さ等を適切に設定することが重要になってくる。
【0006】
これらの各要素が不適切であると、高い光学性能を維持しつつ、大口径比化、広画角化そして光線入射角度を小さくするのが難しくなってくる。
【0007】
本発明は、大口径比、広画角でしかも光線入射角度が小さく高い光学性能が得られるズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、開口絞りを含む正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群より構成され、
ズーミングに際して前記第1、第2、第3レンズ群が移動し、フォーカシングに際して前記第3レンズ群が移動するズームレンズであって、
前記第2レンズ群は物体側から像側へ順に2以上の正レンズと1以上の負レンズを有し、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端及び望遠端における全系の焦点距離を各々fw、ft、広角端及び望遠端におけるFナンバーを各々Fnow、Fnot、望遠端における最終レンズ面から像面までの空気換算距離をBFtとするとき、
0.20<Fnow*fw/f3<0.43
0.4<BFt*Fnot/ft<0.9
なる条件式を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大口径比、広画角でしかも光線入射角度が小さく高い光学性能が得られるズームレンズが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の数値実施例1のレンズ断面図
【図2】(A),(B) 本発明の数値実施例1の広角端,望遠端における収差図
【図3】本発明の数値実施例2のレンズ断面図
【図4】(A),(B) 本発明の数値実施例2の広角端,望遠端における収差図
【図5】本発明の数値実施例3のレンズ断面図
【図6】(A),(B) 本発明の数値実施例3の広角端,望遠端における収差図
【図7】本発明の数値実施例4のレンズ断面図
【図8】(A),(B) 本発明の数値実施例4の広角端,望遠端における収差図
【図9】本発明の数値実施例5のレンズ断面図
【図10】(A),(B) 本発明の数値実施例5の広角端,望遠端における収差図
【図11】本発明の撮像装置の要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、開口絞りを含む正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群より構成されている。そしてズーミングに際して、各レンズ群が移動する。具体的には広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群と第2レンズ群との間隔は狭まり、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔は広がるように第1、第2、第3レンズ群が移動する。フォーカシングに際して、第3レンズ群が移動する。
【0012】
図1は、本発明の実施例1のズームレンズの広角端(短焦点距離端)におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)はそれぞれ実施例1のズームレンズの広角端、望遠端(長焦点距離端)における収差図である。実施例1はズーム比2.37、開口比1.80〜3.30程度のズームレンズである。図3は、本発明の実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図4(A)、(B)はそれぞれ実施例2のズームレンズの広角端、望遠端における収差図である。実施例2はズーム比2.37、開口比2.33〜3.60程度のズームレンズである。
【0013】
図5は、本発明の実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図6(A)、(B)はそれぞれ実施例3のズームレンズの広角端、望遠端における収差図である。実施例3はズーム比2.72、開口比2.06〜3.60程度のズームレンズである。図7は、本発明の実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図8(A)、(B)はそれぞれ実施例4のズームレンズの広角端、望遠端における収差図である。実施例4はズーム比2.37、開口比1.40〜2.71程度のズームレンズである。
【0014】
図9は、本発明の実施例5のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図10(A)、(B)はそれぞれ実施例5のズームレンズの広角端、望遠端における収差図である。実施例5はズーム比2.72、開口比2.06〜3.60程度のズームレンズである。図11は本発明のズームレンズを備えるデジタルカメラの要部概略図である。
【0015】
各実施例のズームレンズは撮像装置に用いられる撮影レンズ系であり、レンズ断面図において、左方が被写体側(前方)(物体側)で、右方が像側(後方)である。レンズ断面図において、L1は負の屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)の第1レンズ群、L2は正の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群である。
【0016】
SPは開放Fナンバー(Fno)光束を決定(制限)する開口絞りの作用をするFナンバー決定部材(以下「開口絞り」ともいう。)である。開口絞りSPは第2レンズ群L2のレンズ間に配置されている。Gは光学フィルター、フェースプレート、水晶ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が置かれる。又、銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際にはフィルム面に相当する感光面が置かれている。レンズ面に付した*印はレンズ面が非球面形状であることを表している。
【0017】
収差図において、球面収差の実線はd線、二点鎖線はg線を、非点収差の実線はメリディオナル像面ΔM、破線はサジタル像面ΔSを、倍率色収差はg線によって表している。FnoはFナンバー、ωは撮影半画角(度)を表している。
【0018】
各実施例のズームレンズでは、広角端から望遠端のズーム位置へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が像側に凸状の軌跡で略往復移動する。又、第2レンズ群L2が物体側に移動する。第3レンズ群L3は像側に単調に移動又は像側に凸状の軌跡を描いて移動する。このとき広角端に比べ望遠端での第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が小さく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔が大きくなるようにしてズーミングを行っている。各実施例のズームレンズは、第2レンズ群L2の移動により主な変倍を行い、第1レンズ群L1又は第1、第3レンズ群L1、L3の往復移動によって変倍に伴う像点の移動を補正している。
【0019】
第1レンズ群L1を負の屈折力として負の屈折力先行型の屈折力配置とすることで広画角化と前玉径有効径の小型化を図るとともに必要な長さのバックフォーカスを確保している。また第3レンズ群L3を正の屈折力として射出瞳を像面から十分に遠ざけ、固体撮像素子に入射する光束の入射角度(光線入射角度)を緩めている。これにより固体撮像素子上でおこるシェーディングを低減している。
【0020】
無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは第3レンズ群L3を物体側へ移動させて行っている。Fナンバー決定部材SPは、光軸方向に関して、第2レンズ群L2のレンズ間に配置している。開口絞りSPをこのような位置に配置することにより望遠端における第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔を詰めてレンズ全長を短縮している。
【0021】
各実施例の3群ズームレンズにおいて大口径(広角端のFナンバー2.0程度)でかつ広角端における撮影画角の大きい(撮影画角70度以上)広画角のズームレンズを達成しようとすると、副作用として開口絞り付近のレンズのパワー(屈折力)が増大してくる。この結果、結像性能を良好に保つことが難しくなってくる。大口径かつ広画角のズームレンズにおいて、物体距離全般にわたり、高い光学性能を得るには、各レンズ群への光線入射条件及びフォーカシングを適切に行うことが重要である。
【0022】
各実施例では、第1、第3レンズ群L1、L3のパワーを適切に設定することで広画角化し、開口絞りSP付近の第2レンズ群L2内のレンズ構成を適切に設定することで、大口径化を達成している。また、第3レンズ群L3のパワーと最終レンズから像面までの空気換算距離(バックフォーカス)を適切に規定することで、第3レンズ群L3でフォーカスを行うときの収差変動を軽減している。
【0023】
各実施例において、第2レンズ群L2は物体側から像側へ順に2以上の正レンズと1以上の負レンズを有している。第3レンズ群L3の焦点距離をf3とする。広角端及び望遠端における全系の焦点距離を各々fw、ftとする。広角端及び望遠端におけるFナンバーを各々Fnow、Fnotとする。望遠端における最終レンズ面から像面までの空気換算距離をBFtとする。
【0024】
このとき、
0.20<Fnow*fw/f3<0.43 ・・・(1)
0.4<BFt*Fnot/ft<0.9 ・・・(2)
なる条件式を満足している。なお、光線入射角度は、主光線が像面に入射する角度の中で、全ズーム域で最大の角度を表す。
【0025】
各実施例では以上の如く条件式(1)、(2)を満足するように構成することで、撮像素子(感光面)への入射角度が低減され、広角端の半画角が大きく、大口径のズームレンズを達成している。
【0026】
条件式(1)は、第3レンズ群L3でフォーカシングするのに好ましい第3レンズ群L3のパワー範囲を規定している。条件式(1)の下限を下回ると第3レンズ群L3のパワーが小さくなり、フォーカシングに際して繰り出し量が増大しすぎるために好ましくない。また上限値を上回ると第3レンズ群L3のパワーが大きくなりすぎ、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2のパワーが小さくなってスズーミングに際しての第1、第2レンズ群L1、L2の移動量が増大してくるので好ましくない。
【0027】
条件式(2)は条件式(1)で規定した第3レンズ群L3のパワーの下でレンズ最終面から像面までの空気換算距離(バックフォーカス)の範囲を規定している。上限を超えるとバックフォーカスが大きくなり、ズームレンズが増大し、また第2レンズ群L2との間隔からフォーカシングに際しての繰り出し量が減少するために好ましくない。下限を下回るとバックフォーカスが小さくなり、撮像素子や高周波カットフィルタ等を適切に配置することが困難になるため好ましくない。
【0028】
更に好ましくは条件式(1)、(2)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.205<Fnow*fw/f3<0.430 ・・・(1a)
0.42<BFt*Fnot/ft<0.90 ・・・(2)
以上のように各実施例によれば第3レンズ群L3の焦点距離や第2レンズ群L2のレンズ構成、そして広角端と望遠端におけるFナンバー等を適切に設定することにより、全系の小型化を図りつつ、諸収差を良好に補正した広画角のズームレンズを得ている。各実施例において、更に好ましくは次の諸条件のうちの1以上を満足するのが良い。
【0029】
第2レンズ群L2の物体側から数えて第1番目の第1正レンズの像側のレンズ面の曲率半径をR21bとする。第2番目の第2正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR22aとする。第1正レンズと、第2正レンズの焦点距離を各々f21、f22とする。第1レンズ群L1の焦点距離をf1とする。このとき、
−2.0<(R22a+R21b)/(R22a−R21b)<0.0・・・(3)
1.7<f21/f22<4.0 ・・・(4)
−1.6<Fnow*fw/f1<−0.5 ・・・(5)
なる条件式のうち1以上を満足するのが良い。
【0030】
条件式(3)は第1正レンズと第2正レンズから形成される空気レンズの形状に関し、大口径化する際に発生する画面周辺部のコマ収差を補正するためのものである。条件式(3)の上限値を超えると第2正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径と第1正レンズの像側のレンズ面の曲率半径が近くなり、第1、第2正レンズによるパワー分担を適切に行うことが困難になるため好ましくない。また下限値を下回ると第1正レンズの像側のレンズ面の曲率半径が第2正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径に対して大きくなり、空気レンズによるコマ収差の補正効果が小さくなるので好ましくない。
【0031】
更に好ましくは条件式(3)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−1.8<(R22a+R21b)/(R22a−R21b)<0.0・・・(3a)
条件式(4)は、第2レンズ群L2を構成する物体側から数えて第1、第2番目の第1、第2正レンズのパワー比に関する。条件式(4)の上限値を超えると第2正レンズのパワーが強くなり、画面周辺部でのコマ収差補正が困難になるために好ましくない。また下限値を下回ると第1正レンズのパワーが強くなり、コマ収差を補正するのが困難になるために好ましくない。
【0032】
更に好ましくは条件式(4)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
2.0<f21/f22<4.0 ・・・(4a)
第2レンズ群L2の構成を例えば1つの正レンズと1つの負レンズで構成すると、広画角化、大口径化した際に、第2レンズ群L2のパワーが強くなり、特に正レンズのパワーが増大する。また正レンズの枚数が1つだとレンズ形状の自由度も少ないために画面周辺部の球面収差、コマ収差を補正するのが困難となる。
【0033】
そこで各実施例では第2レンズ群L2を物体側から順に、2以上の正レンズと1以上の負レンズより構成することで、レンズ形状の自由度を増やすと共に正レンズのパワー分担を適切に行っている。具体的には第1、第2正レンズの形状を条件式(3)を満たすように設定し、正レンズのパワー分担を条件式(4)を満たすように設定することで大口径化、広画角化した際のコマ収差、球面収差を良好に補正している。
【0034】
条件式(5)は第1レンズ群L1のパワーに関し、条件式(1)、(2)で規定されたズームレンズのパワー配置がさらに適切に設定し、広画角化、大口径化を容易にするためのものである。
【0035】
条件式(5)の上限値を超えると第1レンズ群L1のパワーが強くなりすぎ、特に歪曲収差や倍率色収差が増大するために好ましくない。下限値を下回ると第1レンズ群L1のパワーが弱くなり、広画角化が困難になるために好ましくない。更に好ましくは条件式(5)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
−1.5<Fnow*fw/f1<−0.6 ・・・(5a)
各実施例においては、第3レンズ群L3を1つの正レンズ又は正レンズと負レンズとを接合した接合レンズから構成するのが良い。これによればフォーカスレンズ群の小型化、軽量化が容易となる。フォーカスレンズ群が軽量であると一般に合焦するまでの時間が短縮され、移動する被写体や一瞬の情景を撮影する場合に有利となる。
【0036】
開口絞りSPは第2レンズ群L2のレンズ間に配置されており、第2レンズ群L2において開口絞りSPの像側に配置されているレンズの合成屈折力は正である。これによって第2レンズ群L2から発生する諸収差の軽減を図っている。
【0037】
本発明によれば以上の如く構成することによって、広角端のFナンバーで2.4以下、望遠端のFナンバーで3.8以下の大口径で撮像素子への光線入射角度が18°以下に低減され、広角端の撮影半画角が36°以上の広画角のズームレンズを達成している。以下、各実施例のレンズ構成について説明する。
【0038】
(実施例1)
図1の実施例1のレンズ構成について説明する。実施例1は、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3から構成されている。開口絞りSPは第2レンズ群L2中に含まれている。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群L1は像が世に凸状の軌跡を描いて移動する。第2レンズ群L2は物体側へ、第3レンズ群L3は像側へ移動する。
【0039】
フォーカシングは第3レンズ群L3を移動させて行っている。第2レンズ群L2は物体側から像側へ順に、正レンズ、正レンズ、正レンズ、負レンズ、負レンズ、開口絞りSP、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズより構成している。物体側から順に3つの正レンズ、2つの負レンズのレンズ構成としている。広画角化を行うと、第2レンズ群L2の焦点距離は短くなり第2レンズ群L2内のレンズのパワーは増大する。大口径化する際に、開口絞りSP付近のレンズの有効径が増大し、レンズ面の曲率半径が小さいと一般に画面周辺部での収差が飛躍的に増大する傾向がある。そのため開口絞りSP付近のレンズのパワーはなるべく小さい方が好ましい。
【0040】
本実施例では3つの正レンズを用いることで個々のレンズのパワーを低減すると共に、各レンズのパワー分担を適切に行い、レンズ形状を適切に設定することで大口径化に伴うコマ収差を補正している。また、本実施例では開口絞りSPを第2レンズ群L2内部に配置している。これにより第1レンズ群L1で発散した光束が第2レンズ群L2の物体側の正レンズで収斂し、負レンズで発散して略アフォーカルになり、第3レンズ群L3で収斂して像面に結像する。
【0041】
その為、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間に開口絞りSPを配置すると、第1レンズ群L1で発散した光速が入射する為に絞り有効径は増大してしまう。FナンバーFnoの大きいズームレンズであればそこまで絞り有効径の増大は影響がないが、本実施例のような大口径のズームレンズにおいて絞り有効径は大きく、更に増大させることはズームレンズを搭載する撮像装置等の大型化につながるため好ましくない。それゆえに第2レンズ群L2の正レンズよりも像側に配置することで、大口径でありながら絞り有効径を小さくし撮像装置の小型化を図っている。
【0042】
本実施例は広角端のFナンバーFnoが1.8、望遠端のFナンバーFnoが3.3と大口径としている。第3レンズ群L3のパワーを適切に配置することで像面への光線入射角度を低減している。尚、広角端における負の歪曲収差を電子歪曲補正で補正しても良い。
【0043】
(実施例2)
図3の実施例2のレンズ構成について説明する。実施例2のズームレンズのズームタイプ、フォーカシング方式は実施例1と同じである。また第2レンズ群L2のレンズ構成も実施例1と同じである。広画角化と大口径化、光線入射角度の低減等に関しても実施例1と同様である。
【0044】
(実施例3)
図5の実施例3のレンズ構成について説明する。実施例3は、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3から構成されている。開口絞りSPは第2レンズ群L2中に配置されている。広角端から望遠端へのズーミングに際して第1、第3レンズ群L1、L3は像側に凸状の軌跡を描いて移動する。第2レンズ群L2は物体側へ移動する。フォーカシングは第3レンズ群L3を移動させて行っている。
【0045】
広画角化と大口径化、光線入射角度の低減等に関しては実施例1と同様である。第2レンズ群L2は物体側から像側へ順に、正レンズ、正レンズ、負レンズ、開口絞りSP、正レンズより構成している。物体側から2つの正レンズ、1つの負レンズ、1つの正レンズのレンズ構成となっている。第2レンズ群L2のレンズ枚数を少なくすることでコマ収差、球面収差等の補正を、正レンズと負レンズに非球面を用いることで補正し、画面周辺部の諸収差を良好に補正している。本実施例では第2レンズ群L2のレンズ枚数を削減することで第2レンズ群L2の厚さを低減している。
【0046】
(実施例4)
図7の実施例4のレンズ構成について説明する。実施例4のズームレンズのズームタイプ、フォーカシング方式は実施例1と同じである。広画角化と大口径化、光線入射角度の低減等に関しても実施例1と同様である。第2レンズ群L2は、物体側から像側へ順に、正レンズ、正レンズ、正レンズ、負レンズ、開口絞り、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズから構成されている。3つの正レンズ、1つの負レンズ、接合レンズの構成にしている。本実施例は、広角端のFナンバーが1.4と明るい。
【0047】
(実施例5)
図9の実施例5のレンズ構成について説明する。実施例5のズームレンズのズームタイプ、フォーカシング方式は実施例3と同じである。広画角化と大口径化、光線入射角度の低減等に関しては実施例1と同様である。第2レンズ群L2のレンズ構成は実施例3と同じである。本実施例は大口径かつ広角端の撮影半画角37度程度の広画角化を達成している。なお各実施例においては任意のレンズ群を光軸に対して垂直な方向に移動させて結像位置を変位させ手ぶれ補正を行っても良い。
【0048】
次に本発明の各実施例の数値実施例を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順序を示す。数値実施例においてriは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径である。diは物体側より順に第i番目のレンズ厚及び空気間隔である。ndiとνdiは各々物体側より順に第i番目の材料のd線に対する屈折率、アッベ数である。非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を各々非球面係数としたとき
【0049】
【数1】

【0050】
なる式で表している。また、[e+X]は[×10+x]を意味し、[e-X]は[×10-x]を意味している。BFは最終面(ガラスブロックGの像側の面)から近軸像面までの距離である。レンズ全長はレンズ最前面から最終面までの距離に距離BFを加えたものである。非球面は面番号の後に*を付加して示す。表1に各実施例における広角端における撮影半画角(度)、広角端と望遠端におけるFナンバー、光線入射角度(度)を示す。また前述の各条件式と数値実施例との関係を表−2に示す。
【0051】
(数値実施例1)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 38.092 1.79 1.80400 46.6 27.30
2* 12.182 7.00 22.01
3 -49.521 1.30 1.80400 46.6 21.78
4 1001.106 0.16 21.83
5 33.884 2.44 2.01960 21.5 21.94
6 96.924 (可変) 21.56
7 400.000 1.80 1.88300 40.8 17.54
8 -80.000 0.04 17.72
9 15.532 2.30 1.88300 40.8 17.98
10 29.784 0.16 17.54
11* 14.934 3.30 1.59240 68.3 16.82
12 32.444 0.90 15.41
13 22.599 0.81 1.92286 18.9 14.31
14 10.453 2.93 12.80
15 43.072 1.05 1.80100 35.0 12.51
16 21.584 1.96 12.12
17(絞り) ∞ 1.10 12.10
18* 30.147 3.00 1.80400 46.6 12.08
19 -27.269 0.80 1.80610 33.3 11.76
20 -65.282 (可変) 11.67
21 21.412 3.30 1.48749 70.2 21.72
22 53.046 (可変) 21.51
23 ∞ 2.73 1.51633 64.1 36.07
24 ∞ 1.46 36.07
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-6.46526e-005 A 6= 3.78456e-007 A 8=-9.53194e-010
A10=-1.63322e-012 A12= 1.82150e-014 A14=-3.87131e-017

第2面
K =-1.25737e+000 A 4=-1.49004e-005 A 6= 2.03486e-007 A 8= 4.28089e-009
A10=-6.21944e-011 A12= 4.54644e-013 A14=-1.34923e-015

第11面
K =-4.06303e-001 A 4=-1.25288e-005 A 6= 1.30352e-008 A 8= 1.93763e-011
A10=-3.60096e-011 A12= 6.19231e-013 A14=-3.33094e-015

第18面
K = 6.35103e+000 A 4=-2.95961e-005 A 6=-5.59963e-007 A 8= 1.20780e-008
A10=-1.58962e-010

各種データ
ズーム比 2.37

焦点距離 14.20 23.82 33.60 18.94 28.74
Fナンバー 1.80 2.55 3.30 2.17 2.93
画角 37.13 24.29 17.74 29.58 20.51
像高 10.75 10.75 10.75 10.75 10.75
レンズ全長 77.26 73.75 77.74 73.93 75.24
BF 1.46 1.46 1.46 1.46 1.46

d 6 20.81 7.03 0.76 12.35 3.40
d20 12.51 24.25 34.60 18.55 29.60
d22 3.61 2.13 2.04 2.70 1.91

入射瞳位置 18.49 16.95 16.02 17.61 16.43
射出瞳位置 -27.10 -48.90 -82.42 -36.83 -63.86
前側主点位置 25.63 29.50 36.16 27.18 32.52
後側主点位置 -12.74 -22.36 -32.14 -17.49 -27.28

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -25.32 12.69 0.90 -9.39
2 7 23.27 20.15 3.14 -15.24
3 21 71.22 3.30 -1.45 -3.60


単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -22.98
2 3 -58.66
3 5 50.12
4 7 75.63
5 9 34.17
6 11 43.65
7 13 -21.77
8 15 -55.21
9 18 18.23
10 19 -58.65
11 21 71.22
12 23 0.00

【0052】
(数値実施例2)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 43.797 1.79 1.80400 46.6 26.88
2* 12.368 7.00 21.57
3 -47.887 1.30 1.80400 46.6 21.38
4 -1155.809 0.16 21.52
5 31.334 2.44 2.01960 21.5 21.70
6 77.808 (可変) 21.30
7 -661.553 1.50 1.65160 58.5 13.78
8 -55.322 0.04 14.04
9 19.722 2.30 1.69680 55.5 14.45
10 126.677 0.16 14.24
11* 12.048 3.60 1.69680 55.5 13.72
12 24.080 0.90 12.21
13 28.778 0.81 1.80518 25.4 11.66
14 9.173 2.93 10.52
15 43.072 1.05 1.80610 33.3 10.47
16 21.584 1.96 10.30
17(絞り) ∞ 1.10 10.53
18* 32.094 3.00 1.80400 46.6 10.80
19 -18.410 0.80 1.80610 33.3 10.70
20 -60.132 (可変) 10.62
21 27.803 3.30 1.48749 70.2 21.07
22 97.657 (可変) 21.04
23 ∞ 2.73 1.51633 64.1 36.07
24 ∞ 1.48 36.07
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.73699e-005 A 6= 3.14578e-007 A 8=-8.99102e-010
A10=-2.55306e-013 A12= 5.05769e-015 A14=-4.91644e-018

第2面
K =-1.01349e+000 A 4=-8.97969e-006 A 6= 2.40896e-007 A 8= 2.14985e-009
A10=-1.20553e-011 A12=-1.53484e-014 A14= 9.20599e-017

第11面
K =-4.77208e-001 A 4= 2.44578e-005 A 6= 7.32471e-008 A 8= 1.51705e-009
A10= 1.23094e-011 A12=-4.41484e-013 A14= 3.12571e-015

第18面
K = 7.85377e+000 A 4=-3.20955e-005 A 6=-9.64357e-008 A 8=-4.15401e-009
A10= 6.55633e-011

各種データ
ズーム比 2.37

焦点距離 14.20 23.83 33.60 18.95 28.74
Fナンバー 2.33 2.97 3.60 2.65 3.29
画角 37.13 24.28 17.74 29.56 20.51
像高 10.75 10.75 10.75 10.75 10.75
レンズ全長 77.14 73.70 77.78 73.84 75.24
BF 1.48 1.48 1.48 1.48 1.48

d 6 21.36 7.66 1.48 12.93 4.07
d20 11.27 23.01 33.36 17.31 28.36
d22 4.16 2.68 2.58 3.24 2.46

入射瞳位置 18.33 16.95 16.15 17.54 16.50
射出瞳位置 -25.73 -45.34 -73.50 -34.62 -58.19
前側主点位置 25.12 28.66 34.69 26.54 31.40
後側主点位置 -12.72 -22.35 -32.12 -17.48 -27.26

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -24.82 12.69 0.72 -9.58
2 7 23.13 20.15 2.39 -15.90
3 21 78.52 3.30 -0.87 -3.05


単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -21.99
2 3 -62.17
3 5 50.12
4 7 92.56
5 9 33.23
6 11 30.82
7 13 -17.04
8 15 -54.87
9 18 14.95
10 19 -33.20
11 21 78.52
12 23 0.00


【0053】
(数値実施例3)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 31.796 1.79 1.80400 46.6 29.42
2* 9.830 8.30 22.81
3 -35.096 1.30 1.80400 46.6 22.81
4 -64.769 0.16 23.24
5 32.516 3.00 2.01960 21.5 23.46
6 71.814 (可変) 22.85
7* 31.170 2.80 1.86400 40.6 16.62
8* 85.586 0.05 16.19
9 11.242 6.00 1.59240 68.3 16.74
10 135.733 1.20 15.14
11* 24.226 1.05 2.01960 21.5 13.13
12* 10.498 4.41 11.49
13(絞り) ∞ 1.59 11.46
14* 34.437 2.80 1.80400 46.6 11.43
15 270.327 (可変) 11.06
16 41.118 3.20 1.49700 81.5 20.86
17 681.715 (可変) 20.95
18 ∞ 2.73 1.51633 64.1 36.07
19 ∞ 1.21 36.07
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.28658e-004 A 6= 1.32872e-006 A 8=-1.01281e-008
A10= 4.75459e-011 A12=-1.23253e-013 A14= 1.34569e-016

第2面
K =-7.62406e-001 A 4=-1.13721e-004 A 6= 2.10161e-006 A 8=-1.36238e-008
A10= 4.31973e-011 A12= 1.65975e-014 A14=-3.15666e-016
A 3= 3.47969e-006 A 5=-5.89859e-006

第7面
K = 0.00000e+000 A 4= 3.53516e-005 A 6= 1.38152e-007 A 8= 1.25903e-009

第8面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.83141e-005 A 6= 1.68920e-007 A 8= 2.17542e-009

第11面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.57155e-005 A 6= 1.50883e-007 A 8=-8.95593e-009

第12面
K = 1.06567e+000 A 4= 5.28623e-006 A 6= 2.02951e-007 A 8=-1.37196e-008
A 3=-2.27696e-005

第14面
K = 0.00000e+000 A 4=-8.18854e-006 A 6=-3.07774e-007 A 8= 1.80660e-008
A10=-1.75598e-010

各種データ
ズーム比 2.72

焦点距離 12.36 23.10 33.60 17.58 28.53
Fナンバー 2.06 2.87 3.60 2.46 3.26
画角 41.01 24.95 17.74 31.45 20.65
像高 10.75 10.75 10.75 10.75 10.75
レンズ全長 82.03 77.35 82.29 77.66 79.22
BF 1.21 1.21 1.21 1.21 1.21

d 6 26.35 9.76 2.79 16.02 5.67
d15 8.61 24.19 34.07 17.12 29.85
d17 5.47 1.80 3.83 2.92 2.10

入射瞳位置 17.29 16.01 15.29 16.55 15.60
射出瞳位置 -22.96 -45.32 -72.12 -33.14 -58.71
前側主点位置 23.33 27.64 33.49 25.14 30.55
後側主点位置 -11.15 -21.89 -32.39 -16.37 -27.32

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -23.07 14.55 0.02 -12.29
2 7 23.04 19.90 -0.93 -16.38
3 16 87.90 3.20 -0.14 -2.27


単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -18.37
2 3 -97.18
3 5 56.12
4 7 55.42
5 9 20.33
6 11 -18.90
7 14 48.83
8 16 87.90
9 18 0.00


【0054】
(数値実施例4)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 411.705 1.79 1.80400 46.6 27.48
2* 16.998 7.00 22.59
3 -54.572 1.30 1.80400 46.6 22.09
4 637.541 0.16 22.17
5 42.173 2.44 2.01960 21.5 22.31
6 170.229 (可変) 22.01
7 94.243 2.50 1.65160 58.5 23.70
8 2462.574 0.04 23.97
9 21.635 4.50 1.69680 55.5 25.02
10 78.686 0.16 24.40
11* 14.822 5.50 1.72916 54.7 22.48
12 61.287 0.90 20.81
13 54.610 0.81 1.80518 25.4 19.33
14 10.698 5.00 15.89
15(絞り) ∞ 1.10 15.57
16* 27.248 4.00 1.80400 46.6 15.11
17 -23.475 0.80 1.80610 33.3 14.46
18 10682.757 (可変) 13.77
19 28.314 3.00 1.48749 70.2 20.99
20 70.327 (可変) 20.93
21 ∞ 2.73 1.51633 64.1 36.07
22 ∞ 1.51 36.07
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-7.02211e-006 A 6= 1.24864e-007 A 8=-1.74666e-009
A10= 9.65150e-012 A12=-1.87220e-014 A14= 8.54640e-018

第2面
K =-9.42934e-001 A 4= 5.71875e-006 A 6= 1.57767e-007 A 8= 8.28848e-010
A10=-4.39092e-011 A12= 3.35921e-013 A14=-5.91689e-016

第11面
K =-4.77208e-001 A 4= 1.40167e-006 A 6= 1.12170e-007 A 8=-1.62654e-009
A10= 1.68412e-011 A12=-9.03498e-014 A14= 1.88274e-016

第16面
K = 1.19088e+000 A 4=-1.96436e-005 A 6=-8.60556e-008 A 8= 1.34813e-009
A10=-6.18519e-012

各種データ
ズーム比 2.37

焦点距離 14.20 23.85 33.60 18.97 28.74
Fナンバー 1.40 2.05 2.71 1.72 2.39
画角 37.13 24.27 17.74 29.53 20.51
像高 10.75 10.75 10.75 10.75 10.75
レンズ全長 79.63 76.32 80.53 76.37 77.94
BF 1.51 1.51 1.51 1.51 1.51

d 6 20.41 6.83 0.79 12.02 3.32
d18 10.06 21.80 32.16 16.10 27.15
d20 3.91 2.43 2.34 3.00 2.21

入射瞳位置 18.17 17.08 16.46 17.54 16.74
射出瞳位置 -23.44 -40.13 -61.92 -31.18 -50.35
前側主点位置 24.29 27.27 32.27 25.50 29.55
後側主点位置 -12.69 -22.33 -32.09 -17.46 -27.23

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -24.02 12.69 0.43 -9.91
2 7 22.91 25.32 3.03 -17.57
3 19 95.00 3.00 -1.33 -3.30


単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -22.10
2 3 -62.47
3 5 54.46
4 7 150.33
5 9 41.48
6 11 25.54
7 13 -16.66
8 16 16.26
9 17 -29.06
10 19 95.00
11 21 0.00

【0055】
(数値実施例5)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 31.621 1.79 1.80400 46.6 28.34
2* 9.861 8.30 22.12
3 -33.760 1.30 1.80400 46.6 22.04
4 -68.932 0.16 22.43
5 32.791 3.00 2.01960 21.5 22.59
6 75.983 (可変) 21.98
7* 35.410 2.80 1.86400 40.6 16.80
8* 84.338 0.05 16.43
9 11.609 6.00 1.59240 68.3 17.26
10 536.924 1.20 15.93
11* 24.966 1.05 2.01960 21.5 13.69
12* 11.428 4.41 12.12
13(絞り) ∞ 1.59 12.02
14* 31.582 2.80 1.80400 46.6 11.92
15 129.053 (可変) 11.49
16 92.742 3.20 1.49700 81.5 20.16
17 -127.139 (可変) 20.47
18 ∞ 2.73 1.51633 64.1 36.07
19 ∞ 1.08 36.07
像面 ∞

非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.17723e-004 A 6= 1.30724e-006 A 8=-1.03830e-008
A10= 4.81826e-011 A12=-1.21430e-013 A14= 1.28713e-016

第2面
K =-7.17671e-001 A 4=-1.03685e-004 A 6= 2.18514e-006 A 8=-1.44776e-008
A10= 3.82105e-011 A12= 3.09270e-014 A14=-2.97724e-016
A 3= 3.47969e-006 A 5=-5.89859e-006

第7面
K = 2.56441e+000 A 4= 3.10775e-005 A 6= 6.72064e-008 A 8= 1.09326e-009
A10=-2.67539e-011 A12= 7.60732e-014 A14=-7.66065e-016

第8面
K = 6.32387e+000 A 4= 6.69255e-005 A 6= 1.23190e-007 A 8= 1.30193e-009
A10=-2.32117e-011 A12=-1.14906e-013 A14=-4.46849e-016

第11面
K = 2.18150e+000 A 4= 5.84737e-005 A 6= 3.59674e-007 A 8=-1.38457e-008
A10=-1.79369e-011 A12=-1.50742e-012 A14=-1.11107e-014

第12面
K = 1.26842e+000 A 4= 6.25151e-006 A 6= 4.68781e-007 A 8=-1.66033e-008
A10= 5.49280e-010 A12=-3.69030e-012 A14=-4.12629e-013
A 3=-2.27696e-005

第14面
K =-3.20384e+000 A 4=-1.46844e-005 A 6=-2.49416e-007 A 8= 1.75294e-008
A10=-1.90957e-010

各種データ
ズーム比 2.72

焦点距離 12.36 23.09 33.60 17.61 28.49
Fナンバー 2.06 2.86 3.60 2.46 3.25
画角 41.01 24.96 17.74 31.40 20.67
像高 10.75 10.75 10.75 10.75 10.75
レンズ全長 82.93 78.13 83.23 78.37 80.09
BF 1.08 1.08 1.08 1.08 1.08

d 6 26.35 9.65 2.84 15.84 5.65
d15 8.61 24.19 34.07 17.12 29.85
d17 6.50 2.83 4.86 3.95 3.13

入射瞳位置 16.98 15.65 14.91 16.21 15.23
射出瞳位置 -23.88 -44.07 -66.70 -33.29 -55.49
前側主点位置 23.22 26.93 31.85 24.80 29.37
後側主点位置 -11.28 -22.01 -32.52 -16.53 -27.41

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -22.42 14.55 0.25 -11.97
2 7 22.96 19.90 -0.22 -15.70
3 16 108.42 3.20 0.91 -1.24


単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -18.50
2 3 -83.67
3 5 54.66
4 7 68.82
5 9 19.95
6 11 -21.51
7 14 51.35
8 16 108.42
9 18 0.00

【0056】
【表1】

【0057】
次に本発明のズームレンズを撮影光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例を図11を用いて説明する。図11において、20はカメラ本体、21は本発明のズームレンズによって構成された撮影光学系である。22はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。23は撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリである。24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するためのファインダーである。このように本発明のズームレンズをデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、小型で高い光学性能を有する撮像装置を実現している。
【符号の説明】
【0058】
L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群 L3 第3レンズ群
SP 開口絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、開口絞りを含む正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群より構成され、
ズーミングに際して前記第1、第2、第3レンズ群が移動し、フォーカシングに際して前記第3レンズ群が移動するズームレンズであって、
前記第2レンズ群は物体側から像側へ順に2以上の正レンズと1以上の負レンズを有し、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端及び望遠端における全系の焦点距離を各々fw、ft、広角端及び望遠端におけるFナンバーを各々Fnow、Fnot、望遠端における最終レンズ面から像面までの空気換算距離をBFtとするとき、
0.20<Fnow*fw/f3<0.43
0.4<BFt*Fnot/ft<0.9
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記第2レンズ群の物体側から数えて第1番目の第1正レンズの像側のレンズ面の曲率半径をR21b、第2番目の第2正レンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR22aとするとき、
−2.0<(R22a+R21b)/(R22a−R21b)<0.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第2レンズ群の物体側から数えて第1番目の第1正レンズと、第2番目の第2正レンズの焦点距離を各々f21、f22とするとき、
1.7<f21/f22<4.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
−1.6<Fnow*fw/f1<−0.5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第3レンズ群は1つの正レンズ又は正レンズと負レンズを接合した接合レンズよりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記開口絞りは前記第2レンズ群のレンズ間に配置されており、第2レンズ群において前記開口絞りの像側に配置されているレンズの合成屈折力は正であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が小さくなり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が大きくなるように前記第1、第2、第3レンズ群が移動し、前記第3レンズ群は、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して物体側に移動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成される像を受光する光電変換素子を有することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−226042(P2012−226042A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91957(P2011−91957)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】