説明

ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

【課題】 レンズ系全体がコンパクトで、広画角、高ズーム比で、高い光学性能が容易に得られるズームレンズを得ること。
【解決手段】 物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、望遠端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔D12T、広角端に比べ望遠端での前記第2レンズ群の光軸方向の移動量m2、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の焦点距離f1、f2を各々適切に設定すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はズームレンズに関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、TVカメラ、監視用カメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置の撮像系として好適なものである。
【背景技術】
【0002】
最近、固体撮像素子を用いたビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置(カメラ)は、小型化及び高機能化されている。そして撮像装置の小型化及び高機能化にともない、それに用いる撮像光学系には広い画角(撮影画角)を包含し、高ズーム比(高変倍比)大口径比でしかも高い光学性能を有した小型のズームレンズであることが求められている。
【0003】
この種の撮像装置には、レンズ最後部と撮像素子との間に、ローパスフィルターや色補正フィルターなどの各種の光学部材が配置される。この為、それに用いるズームレンズには、比較的バックフォーカスが長いことが要求される。さらに、カラー画像用の撮像素子を用いた撮像装置の場合には、色シェーディングを避けるため、像側のテレセントリック特性の良いことが望まれている。
【0004】
全系が小型でバックフォーカスが長く、しかも像側のテレセントリック特性の良いズームレンズとして、負の屈折力のレンズ群が先行する(最も物体側に位置する)ネガティブリード型のズームレンズが知られている。
【0005】
ネガティブリード型のズームレンズとして、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折率の第4レンズ群を有する4群ズームレンズが知られている(例えば、特許文献1)。この4群ズームレンズにおいてFナンバー決定用の光束を制限する開口絞りを第2レンズ群の最も物体側のレンズ面よりも像側に配置したズームレンズが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−318110号公報
【特許文献2】特開2003−015039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ネガティブリード型のズームレンズにおいて、高ズーム比化と全系の小型化を図るには、変倍用のレンズ群の屈折力を強め、少ない移動量で高いズーム比が得られるようにするのが有効である。しかしながら、変倍用のレンズ群の屈折力を単に強めると、ズーミングに伴う収差変動が増大し、全ズーム範囲において高い光学性能を得るのが困難になってくる。
【0008】
また前述したネガティブリード型の4群ズームレンズにおいてはズーミングに際して第1レンズ群と第2レンズ群が望遠端において最も近接するように移動する。このとき第2レンズ群の物体側に開口絞りが配置される構成では、望遠端において双方が機構上干渉するのを避けるために、開口絞りを配置した分だけ開口絞りの前後の間隔を予め確保しておく必要がある。その結果、主変倍レンズ群である第2レンズ群の移動量が、開口絞りを配置した分だけ制限され、その分ズーム比が得られず高いズーム比を得ることが困難になる。
【0009】
このようにネガティブリード型の4群ズームレンズにおいて、全系の小型化と高ズーム比化を達成しつつ、ズーム全域における収差変動を抑制するためには、各レンズ群のレンズ構成を適切に設定することが重要となってくる。特に正の屈折力の第2レンズ群のズーミングに際しての移動量を適切に設定することが高ズーム比で広画角化を図る際に重要になってくる。
【0010】
この他、第1、第2レンズ群の屈折力やズーミングに際しての第1レンズ群の移動量等を適切に設定することが重要になってくる。更に第2レンズ群のズーミングに際しての移動範囲を制限することとなる開口絞りの位置を光路中の適切なる位置に配置することも高ズーム比を得るのに重要になってくる。
【0011】
本発明は、レンズ系全体がコンパクトで、広画角、高ズーム比で、高い光学性能が容易に得られるズームレンズ及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、望遠端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔をD12T、広角端に比べ望遠端での前記第2レンズ群の光軸方向の移動量をm2、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の焦点距離を各々f1、f2とするとき、
0.004<D12T/m2<0.040
1.45<|f2/f1|<3.00
なる条件を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レンズ系全体がコンパクトで、広画角、高ズーム比で、高い光学性能が容易に得られるズームレンズが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【図2】(A)(B)実施例1のズームレンズの広角端、望遠端における収差図
【図3】実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【図4】(A)(B)実施例2のズームレンズの広角端、望遠端における収差図
【図5】実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【図6】(A)(B)実施例3のズームレンズの広角端、望遠端における収差図
【図7】実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【図8】(A)(B)実施例4のズームレンズの広角端、望遠端における収差図
【図9】本発明の撮像装置の要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有している。そしてズーミングに際して各レンズ群が移動する。
【0016】
具体的には、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群は像側に凸状の軌跡で移動し、第2レンズ群、第3レンズ群は物体側に移動する。第4レンズ群は物体側又は像側へ移動する。第1レンズ群の物体側又は第4レンズ群の像側の少なくとも一方に屈折力のあるレンズ群が配置されていても良い。
【0017】
図1は本発明の実施例1のズームレンズの広角端(短焦点距離端)におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)は実施例1のズームレンズの広角端と望遠端(長焦点距離端)における収差図である。実施例1はズーム比4.75、開口比2.06〜5.59、撮影半画角37.55°〜10.46°のズームレンズである。図3は本発明の実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図4(A)、(B)は実施例2のズームレンズの広角端と望遠端における収差図である。実施例2はズーム比4.9、開口比2.06〜5.9、撮影半画角38.43°〜10.45°のズームレンズである。
【0018】
図5は本発明の実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図6(A)、(B)は実施例3のズームレンズの広角端と望遠端における収差図である。実施例3はズーム比5.62、開口比2.06〜6.6、撮影半画角38.56°〜9.18°のズームレンズである。図7は本発明の実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。図8(A)、(B)は実施例4のズームレンズの広角端と望遠端における収差図である。実施例4はズーム比4.76、開口比2.06〜6.01、撮影画角37.64°〜10.46°のズームレンズである。
【0019】
図9は本発明のズームレンズを備えるデジタルスチルカメラの要部概略図である。各実施例のズームレンズは撮像装置に用いられる撮影レンズ系であり、レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。尚、各実施例のズームレンズをプロジェクター等の光学機器に用いるときは、左方がスクリーン、右方が被投影画像となる。
【0020】
レンズ断面図において、L1は負の屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)の第1レンズ群、L2は正の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群である。SPは開放Fナンバー(Fno)光束を決定(制限)する開口絞りの作用をするFナンバー決定部材(以下「開口絞り」ともいう。)である。FPは開口径不変の副絞り(フレアーカット絞り)である。
【0021】
Gは光学フィルター、フェースプレート、水晶ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が置かれる。
【0022】
収差図のうち、球面収差図においては、d線及びg線を示している。FnoはFナンバーである。非点収差図において、M、Sはメリディオナル像面、サジタル像面である。倍率色収差はg線によって表している。ωは半画角(度)である。尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用レンズ群(第2レンズ群L2)が機構上、光軸上移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。レンズ断面図において、矢印は広角端から望遠端へのズーミングに際しての各レンズ群の移動軌跡と、矢印Fは無限遠被写体から近距離被写体へフォーカスするときの移動方向の一例として表している。
【0023】
各実施例のズームレンズでは、広角端から望遠端のズーム位置へのズーミングに際して、第1レンズ群L1が像側に凸状の軌跡の一部を描いて移動して、変倍に伴う像面変動を補正している。第2レンズ群L2が物体側に単調に移動して主たる変倍を行っている。第3レンズ群L3は物体側に移動している。第4レンズ群L4は物体側又は像側へ移動している。このとき広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔は小さくなる。
【0024】
また第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔は大きくなり、その後小さくなる。第3レンズ群L3と第4レンズ群L4との間隔が大きくなる。ズーム全域において、第4レンズ群L4を矢印Fの如く物体側に移動させて無限遠被写体から近距離被写体へのフォーカシングを行っている。Fナンバー決定部材SPは、第2レンズ群L2の最も物体側のレンズ面と最も像側のレンズ面との間に位置し、ズーミングに際して第2レンズ群L2と一体的に移動する。
【0025】
次に各実施例のズームレンズでは、次の構成をとることにより、良好なる光学性能を得ている。
【0026】
望遠端における第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔をD12Tとする。広角端に比べ望遠端での第2レンズ群L2の光軸方向の移動量をm2とする。第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の焦点距離を各々f1、f2とする。
【0027】
このとき、
0.004<D12T/m2<0.040 ・・・(1)
1.45<|f2/f1|<3.00 ・・・(2)
なる条件を満足している。ここで移動量とは広角端における位置と望遠端における位置の差である。また移動量の符号は、広角端に比べ望遠端において物体側に移動したときを正、像側に移動したときを負としている。
【0028】
条件式(1)は、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2が最も近接する変倍位置(望遠端)での第1、第2レンズ群L1、L2の間隔と、第2レンズ群L2のズーミングに際しての移動量との比を規定したものである。
【0029】
高ズーム比化に伴い、主変倍レンズ群である第2レンズ群L2の移動量m2の値は大きくなるほど、各レンズ群の屈折力は小さくて済むので、収差補正に際しては有利である。一方で移動量m2が大きくなると、望遠端においてレンズ全長(第1レンズ面から像面までの距離)は必然的に長くなるため、全系が大型化してくる。それを抑制するためには、望遠端において第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔を極小値となるようにレンズ群を移動することが好ましい。
【0030】
第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔を小さくすると、レンズ全長が短縮される事で入射瞳位置が第1レンズ面から短くなり、前玉有効径を小さくできるという効果も得られる。
【0031】
条件式(1)の下限を超えて移動量m2が大きくなると、必然的にレンズ全長が長くなる。特定のレンズ群の移動量が大きくなると、レンズ鏡筒を沈胴収納するためには、多段化する必要が生じるため、鏡筒径の小型化が難しくなる。条件式(1)の上限を超えて、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2が望遠端において十分に近接しきれていないと、同じレンズ全長でも第2レンズ群L2の変倍ストロークが十分に確保できなく高ズーム比化が困難になる。
【0032】
条件式(2)は、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の焦点距離の比率を規定したものである。高ズーム比化を実現するためには、各レンズ群の屈折力(焦点距離の逆数)は大きい方が好ましいが、その場合、一般に各レンズ群内のレンズ枚数を増やさないと収差補正が困難である。そこで各実施例では、条件式(1)を満たすように第2レンズ群L2の変倍ストロークを確保しつつ、第1、第2レンズ群の屈折力比を条件式(2)の如く適切に設定している。
【0033】
条件式(2)の下限を超えて屈折力の大きくなった第2レンズ群L2を、長い変倍ストロークで動かすと、第2レンズ群L2より発生する諸収差の変動を、少ないレンズ枚数で抑制するのが困難になる。このため、第2レンズ群L2を構成するレンズ枚数を増やす必要が生じ、結果的に全系の小型化が難しくなってくる。また、下限を超えて、第1レンズ群L1の屈折力が相対的に弱くなると、広画角化が難しくなってくる。
【0034】
逆に条件式(2)の上限を超えて第2レンズ群L2の焦点距離が長くなると、高ズーム比化を達成するためには、主変倍レンズ群である第2レンズ群L2の変倍ストロークを大きくする必要がある。そうすると前述の条件式(1)で述べたように、レンズ全長が増大してくるので良くない。
【0035】
更に好ましくは、条件式(1)、(2)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
【0036】
0.004<D12T/m2<0.035 ・・・(1a)
1.5<|f2/f1|<2.4 ・・・(2a)
これによれば、特に広画角化及び高ズーム比化を図りつつ全系の小型化が容易になる。
【0037】
以上のように各構成要件を特定することによってレンズ系全体が小型で、全ズーム範囲で高い光学性能を有した広画角のズームレンズを得ているが、更に好ましくは次の諸条件のうちの1以上を満足するのが良い。
【0038】
第2レンズ群L2中の最も広いレンズ間隔をD2aとする。広角端に比べ望遠端での第1レンズ群L1及び第3レンズ群L3の光軸方向の移動量を各々m1、m3とする。広角端及び望遠端における全系の焦点距離を各々fW、fTとする。
【0039】
fm=√(fW・fT)
で表わされる焦点距離fmにおける第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔をD23mとする。広角端における第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔をD23Wとする。
【0040】
このとき、
2.8<D2a/D12T<8.0 ・・・(3)
0.4<m1/fW<4.0 ・・・(4)
0.9<m2/m3<2.0 ・・・(5)
0.1<m1/m2<0.6 ・・・(6)
0.00<D12T/fT<0.05 ・・・(7)
1.0<D23m/D23W<3.0 ・・・(8)
なる条件式のうち1以上を満足するのが良い。
【0041】
次に、前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(3)は、第2レンズ群L2内の隣接するレンズ間隔のうち最も広いレンズ間隔に対する望遠端での第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔との比に関する条件式である。
【0042】
前述した条件式(1)で示すように、間隔D12Tは、小さい方がレンズ全長を短くしつつ第2レンズ群L2の変倍ストロークを十分多く確保する事が出来るため、より高ズーム比のズームレンズを実現するのが容易となる。またレンズ間隔D2aは、小さい方がレンズ沈胴長を短くし、コンパクトな撮像装置を実現する上で好ましい。
【0043】
そこで各実施例では間隔D12Tを小さくしてレンズ全長を短くしたとき、開口絞りSPを第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間に設ける事が困難になるので、開口絞りSPを第2レンズ群L2のレンズ間に設けている。
【0044】
各実施例において、レンズ間隔D2aは第2レンズ群L2のレンズ中に配置された、開口絞りSPの前後の空気間隔の和を意味する。条件式(3)の下限を超えると、間隔D12Tが大きくなりすぎるため、望遠端においてレンズ全長が増大してくる。一方、上限を超えるとレンズ間隔D2aが大きくなりすぎるため、沈胴時のカメラ厚が増大してくる。
【0045】
条件式(4)は第1レンズ群L1のズーミングに際しての移動量を広角端における全系の焦点距離で規格化したもので有る。移動量m1が条件式(4)の下限を超えて小さくなると、第1レンズ群L1が往復移動に近い軌跡を描くことになり、高ズーム比を得るのが難しくなる。また、広画角化を図る際に、広角端において入射瞳距離を第1レンズ面から短くすると前玉有効径が小さくなる。このため、広角端においては第1レンズ群L1が開口絞りSPに近いほど好ましい。この状態でズーム比を大きくするためには、主変倍レンズ群である第2レンズ群L2のズーミングに際しての移動量を多く確保する必要がある。
【0046】
このため、下限値を超えて移動量m1が小さくなると、望遠端において第1レンズ群L1が物体側に繰出す量が少なくなり良くない。同様に、広角端における全系の焦点距離fWが大きくなっても下限値を超えると全体が大型化してくるので良くない。逆に条件式(4)の上限を超えると、移動量m1が大きくなりすぎるので、第1レンズ群L1を繰出すための鏡筒長が長くなり、沈胴時のカメラ厚が増大するので良くない。
【0047】
条件式(5)は、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3のズーミングに際しての移動量の比を適切に定めたものである。前述したように第2レンズ群L2は主変倍作用を司るため、高ズーム比化のためには、大きな移動量が必要である。一方で第3レンズ群L3は変倍に補助的な役割を担っているので、第2レンズ群L2の移動に伴った軌跡で像倍効果を得たり、物体側に移動して第2レンズ群L2の移動に伴う変倍時の像面変動を補正している。
【0048】
条件式(5)の下限を超えると、第2レンズ群L2の変倍作用が不十分なため、レンズ全系で十分なズーム比を得るのが困難になる。条件式(5)の上限を超えると、第3レンズ群L3の移動による減倍作用が働くと共に、収差補正の効果が不十分になるため好ましくない。
【0049】
条件式(6)は、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2のズーミングに際しての移動量の比を定めたものである。前述のように、第1レンズ群L1は広角端で開口絞りSPに近くなり、また望遠端において物体側に繰出す事が望ましい。また第2レンズ群L2は高い変倍比を得るためには移動量が大きい事が好ましい。
【0050】
条件式(6)の下限を超えると、第1レンズ群L1の移動量が不十分となり、第2レンズ群L2の移動量を多くするためには広角端においてレンズ全長を長くする必要があるので良くない。上限を超えると、第1レンズ群L1の移動量が大きくなるため、ズーミングに際して光線束が大きく変動する軸外収差の補正が困難になる。
【0051】
条件式(7)は望遠端における第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔D12Tと、望遠端における全系の焦点距離fTの比率を規定したものである。高ズーム比化により望遠端における全系の焦点距離を大きくするためには、レンズ群間隔を小さくする事が必要となるため、必然的にその比率は小さい方が好ましい。但し、ネガティブリード方式のズームレンズにおいて、条件式(7)の下限に近づくと高ズーム比化に際して収差補正のために多数のレンズが必要となるため、全系が大型化してくるので良くない。
【0052】
条件式(8)はズーム中間領域において各レンズ面に入射する画面の光束の変動を制限して、像面湾曲を含む諸収差の補正を良好に行うためのものである。条件式(8)の下限値を超えると、ズーム中間域で変動する画面周辺光束によるコマ収差を抑制する事が困難になるとともに、レンズ間が干渉する場合があるので良くない。上限値を超えるとズーム中間域で第2レンズ群L2に対する第3レンズ群L3の相対的な移動が大きくなるため、鏡筒構成が複雑になり、全系が大型化してくるので良くない。
【0053】
各実施例において、収差補正上、及び、広画角化、高ズーム比化とレンズ全体の小型化を達成するため、さらに好ましくは条件式(3)乃至(8)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
【0054】
3.0<D2a/D12T<7.0 ・・・(3a)
0.6<|m1/fw|<3.0 ・・・(4a)
0.95<|m2/m3|<1.10 ・・・(5a)
0.15<|m1/m2|<0.50 ・・・(6a)
0.01<D12T/fT<0.04 ・・・(7a)
1.02<D23m/D23W<2.00 ・・・(8a)
各実施例では以上の様に各要素を設定する事により、特に、固体撮像素子を用いた撮影光学系に好適な、構成レンズ枚数が少なく全系がコンパクトで、特に被写体距離の変動に対し優れた光学性能を有するズームレンズを得ている。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0056】
次に各実施例のレンズ構成の具体的な特徴について説明する。各実施例のズームレンズは、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3の移動により主な変倍を行っている。そして第1レンズ群L1の像側に凸状の軌跡の移動及び第4レンズ群L4による移動によって変倍に伴う像面の移動を補正している。
【0057】
特に、第4レンズ群L4は、全系の小型化に伴う各レンズ群の屈折力の増大を分担し、第1、第2、第3レンズ群L1、L2、L3で構成されるショートズーム系の屈折力を減らしている。これにより第1レンズ群L1を構成する各レンズでの収差の発生を抑え良好な光学性能を達成している。また、固体撮像素子等を用いた撮影装置に必要な像側のテレセントリックな結像を第4レンズ群L4にフィールドレンズの役割を持たせる事で達成している。
【0058】
また、各実施例ではFナンバーを決定する開口絞りSPを第2レンズ群L2の最も物体側のレンズ面と最も像側のレンズ面の間に配置し、像側に入射する光量を調整している。開口絞りSPは被写体の明るさに応じて口径が可変であるため、その動作のためには、前後に適切な空気間隔が必要となる。また、第3レンズ群L3の像側には開口径固定の副絞り(フレアーカット絞り)FPを配置して光学性能を劣化させる有害な光線(フレアー光)をカットしている。
【0059】
具体的には、ズーム領域全域を大口径化することにより軸上光線束径が大きくなるが、同時に軸上光線が通過する高さまで軸外光線も入射する。光線が大量に入ってくる分、軸外光線のマージナル光線がコマフレアとなり光学性能に悪影響を与える。このため、副絞りFPによりこの軸外光線の上方光線をカットしている。
【0060】
この副絞りFPは望遠端において軸上光線をカットしない開口径に設定することにより、全ズーム領域にて軸外光線の上方光線によるコマフレアを最大限にカットしている。これにより全ズーム領域において高い光学性能を得ている。また、開口絞りSPを挟んで第1レンズ群L1と第3レンズ群L3を配置して、これらの各レンズ群で軸外の諸収差を打ち消すことにより、レンズ枚数を増やさずに良好な光学性能を得ている。
【0061】
次に図1の実施例1のレンズ構成について説明する。図1において、第1レンズ群L1を、物体側から像側へ順に、像側に凹面を向けた負レンズ11と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズ12の2枚のレンズで構成している。第1レンズ群L1は、軸外主光線を開口絞りSPの中心に結像させる役割を持っている。第1レンズ群L1は広角側において、軸外主光線の屈折量が大きいために軸外諸収差、特に非点収差と歪曲収差が多く発生し易い。
【0062】
そこで本実施例では、通常の広画角の撮影レンズと同様、最も物体側のレンズの有効径の増大を軽減するのに好ましいレンズ構成である負レンズ11と正レンズ12より構成している。そして像側のレンズ面をレンズ中心からレンズ周辺にいくに従い負の屈折力が弱くなる非球面形状としている。
【0063】
これにより、非点収差を良好に補正し、2枚のレンズで第1レンズ群L1を構成し、レンズ全体のコンパクト化を図っている。また第1レンズ群L1を2枚のレンズ枚数で構成するために、各レンズに高屈折率材料を用いることにより、各レンズ面の曲率を緩くして、径方向のコンパクト化を図っている。
【0064】
また、第1レンズ群L1を構成する負レンズ11の物体側のレンズ面を除く各レンズ面は、軸外主光線の屈折によって生じる軸外収差の発生を抑えるために、開口絞りSPと光軸が交差する点を中心とする同心球面に近いレンズ形状としている。撮影光学系の広画角化による前玉有効径の増大を抑制する有効な手段の一つとして、当技術分野では撮像素子で得られた画像の歪曲収差を電子的に補正を行う事が知られている。
【0065】
これは負の歪曲収差が発生する広角端近傍で、電子的に歪曲が小さくなるような電子処理を施すと、前玉有効径を通る軸外光束の位置を光軸に近くする事ができるためである。負レンズ11の物体側のレンズ面は歪曲収差が電子的に補正できる程度のレンズ形状としつつ、像面彎曲の補正が容易となる形状としている。
【0066】
具体的には物体側のレンズ面の曲率半径が像側のレンズ面よりも大きくなるようにしている。第2レンズ群L2を物体側から像側へ順に、物体側に凸面を向けた正レンズ(正の屈折力のレンズ成分)21、物体側に凸面を向けた正レンズ22、像側に凹面を向けた負レンズ23より構成している。正レンズ22と負レンズ23は接合されて接合レンズを構成している。広角端にて大口径化を実現すると、開口絞りSP付近の軸上光束が径方向に最も広がり、球面収差やコマ収差などの諸収差が多く発生する。
【0067】
これらの諸収差はレンズ面で光線が屈折する際に発生し、レンズ面での屈折が大きいほど大きく発生する。そのため、開口絞りSPより、物体側において軸上光線が径方向に最も高くなる光軸上の位置に正レンズ21を配置し、正レンズ21を物体側に凸面を向けたレンズ形状とし、かつ屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)を適切に設定している。これにより光線を緩やかに屈折させ、諸収差の発生を低減している。さらに、正レンズ21の両面を非球面形状とすることで、球面収差の補正を効果的に行っている。
【0068】
本実施例においては、最も物体側に配された正レンズ21の物体側のレンズ面をレンズ中心からレンズ周辺にいくに従って正の屈折率が弱くなる非球面形状とすることにより、球面収差、コマ収差等を良好に補正している。また、正レンズ21の像面側に物体側に凸面を向けた正レンズ22を配置することにより、光線の屈折を分割するレンズ構成にしている。正レンズ21と正レンズ22にて光線を屈折することにより発生した球面収差やコマ収差は、負レンズ23の像側のレンズ面形状を像側に凹面を向けたレンズ形状にし、光線を逆側に屈折させている。
【0069】
これにより、正レンズ21と正レンズ22にて発生した球面収差やコマ収差をキャンセル(補正)している。正レンズ21と正レンズ22にて発生した2枚のレンズ分の収差をキャンセルするため、負レンズ23の像側のレンズ面の曲率は、ある程度の屈折力を持つことが必要である。特に球面収差の補正のための正レンズ21、正レンズ22、負レンズ23の各レンズ面形状の最適化が必要となる。
【0070】
また、広角端での第2レンズ群L2の光軸上の位置はレンズ系全体の屈折力配置によって決まってくる。大口径比にて高い光学性能を確保するには正レンズ21、正レンズ22、負レンズ23の位置はある最適な光軸上の位置に決まる。
【0071】
具体的には、大口径化にすると広角端において焦点深度が浅くなるため、像面彎曲の補正が重要となる。全系の屈折力が最適化されていないとペッツバール和が最適値から崩れてしまうため、像面彎曲を良好に補正するのが難しくなり高性能化が困難になる。このように全系の最適な屈折力配分を行うには第2レンズ群L2を構成する正レンズ21、正レンズ22、負レンズ23をある程度像面から離れた位置に配置することが良い。
【0072】
例えば、第2レンズ群L2の正の屈折力を強くすると、正レンズ21、正レンズ22、負レンズ23は像面に近づき、全系のコンパクト化や高ズーム比化には有利になるが、ペッツバール和が小さくなりすぎ、像面彎曲の補正が困難となってしまう。
【0073】
第3レンズ群L3は、正の屈折力を有する。大口径比の撮影レンズにおいて軸上光線は、大口径比になるほど、像面IPに入射するマージナル光線の角度が大きくなる。そのため、広角端において像面付近に正レンズ成分31を配置し、軸上光線を屈折しておかないと、広角端にて最も軸上光線の高くなる第2レンズ群L2が径方向に増大してしまう。
【0074】
この結果、コンパクト化が困難な上、球面収差とコマ収差の補正を良好に行うことが困難となる。よって、像面付近の正の屈折力のレンズ群である第4レンズ群L4に加え、第3レンズ群L3を正レンズ成分31で構成し、正の屈折力を第4レンズ群L4と分割することにより、球面収差の発生とレンズ径の増大を抑えている。
【0075】
以上より、特に大口径化による球面収差の発生を抑えるためには、第2レンズ群L2の正レンズ21、正レンズ22、負レンズ23の光軸方向の位置と、第3レンズ群L3の正レンズ成分31を適切に配置することが重要である。全系のコンパクト化を狙い、正レンズ21、正レンズ22、負レンズ23に対して正レンズ成分31を近接配置し過ぎると、第2レンズ群L2の屈折力配置からくる像面彎曲の補正と、球面収差のズーミングの際の変動を軽減するのが難しくなる。
【0076】
次に第4レンズ群L4は、物体側に凸面を向けた正レンズ41より構成し、像側テレセントリックにするためのフィールドレンズとして作用するようにしている。いま、バックフォーカスをsk’、第4レンズ群L4の焦点距離をf4、第4レンズ群L4の結像倍率をβ4とすると、
sk’=f4(1−β4)
の関係が成り立っている。
【0077】
但し、
0<β4<1.0
である。
【0078】
ここで、広角端から望遠端へのズーミングに際して第4レンズ群L4を像側に移動するとバックフォーカスsk’が減少することになり、第4レンズ群L4の結像倍率β4は望遠側で増大する。すると、結果的に第4レンズ群L4で変倍を分担できるため、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3のズーミングに際しての移動量を減少させることができる。そして、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3の移動量が減少することにより、スペースが節約できるためにズームレンズ全系の小型化が容易になる。
【0079】
本実施例において無限遠被写体から近距離被写体へのフォーカシングに際しては第4レンズ群L4を矢印Fの如く物体側に移動させている。第4レンズ群L4でフォーカスを行うと、最も物体側に配置した第1レンズ群L1でフォーカスを行う場合に比べて、前玉有効径の増大を軽減することができる。更にレンズ重量が最も重い第1レンズ群L1を移動させるとアクチュエーターの負荷が増大する。
【0080】
これに比べて軽量な第4レンズ群L4でフォーカスを行うと、アクチュエーターの負荷を軽減することができる。さらに、ズーミングに際して第1レンズ群L1と第2レンズ群L2、第3レンズ群L3とをカム等で単純に連携して移動させることが容易となり、メカ構造の簡素化及び精度の向上が容易になる。また、本実施例では広角端から望遠端へのズーミングに際して第4レンズ群L4は物体側に移動している。光学性能上の観点からは、第4レンズL4をフォーカシング時に固定し、第3レンズ群L3を光軸方向に移動させる事でフォーカシングを行う事も可能である。
【0081】
実施例2乃至4は実施例1に比べてズームタイプとして広角端から望遠端へのズーミングに際して第4レンズ群L4が像側に移動している点が異なっている。実施例2乃至4はこれにより、フォーカシングの際に第4レンズ群L4の移動量が大きくなる望遠端において第4レンズ群L4の移動のためスペースを多くとることができるようにしている。この為、ズーミング及びフォーカシングで必要となる第4レンズ群L4の移動に関するスペースを最小とする事ができて、レンズ系のコンパクト化を容易にしている。実施例2、3の各レンズ群のレンズ構成は実施例1と略同じである。
【0082】
実施例4は実施例1に比べて、第3レンズ群L3に正レンズ31と負レンズ32を接合した正の屈折力の接合レンズ(レンズ成分)より構成した点が異なっており、この他の構成は同じである。実施例4では接合レンズ面による高次のコマ収差の抑制や、ズーム全域にわたる軸上色収差と倍率色収差を同時に良好に補正している。特に、撮影時の手振れによる像面上での像ブレ補正のために、第2レンズ群L2或いは第3レンズ群L3を光軸と直交する方向に移動させる、所謂防振動作の際に発生する収差を補正するのに有効である。
【0083】
各実施例においては、機構の簡略化のために副絞りFPを、ズーミングに際して第3レンズ群L3と一体に移動させているが、適切な移動軌跡で移動させても良い。これによれば、軸外光束のマージナル光束を効果的に制限する事ができるため、更なるズーム中間域での良好なる収差補正が容易になる。
【0084】
以上のように各実施例によれば、レンズ系全体がコンパクトで、広画角、高ズーム比で、被写体距離の変動に対し高い光学性能を有するズームレンズが得られる。
【0085】
次に本発明のズームレンズを撮影光学系として用いたデジタルカメラ(撮像装置)の実施形態を図9を用いて説明する。図9において、90はデジタルカメラ本体、91は上述の各実施例のズームレンズによって構成された撮影光学系である。92は撮影光学系91によって被写体像を受光するCCD等の撮像素子(固体撮像素子)である。
【0086】
本実施例では撮像素子92における画像記録領域が広角端と望遠端で異なるようにしている。具体的には望遠端で大きくなるようにしている。これにより画面全体の光学性能のバランスを良好に維持している。93は撮像素子92が受光した被写体像を記録する記録手段である。94は不図示の表示素子に表示された被写体像を観察するためのファインダーである。
【0087】
上記表示素子は液晶パネル等によって構成され、撮像素子92上に形成された被写体像が表示される。このように本発明のズームレンズをデジタルカメラ等の撮像装置に適用することにより、小型で高い光学性能を有する撮像装置を実現している。また本発明のズームレンズはミラーレスの一眼レフカメラにも同様に適用することができる。
【0088】
次に、本発明の各実施例に対応する数値実施例を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順序を示す。riはレンズ面の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間のレンズ肉厚および空気間隔、ndi、νdiはそれぞれd線に対する屈折率、アッベ数を示す。
【0089】
また、最も像側の2つの面はフェースプレート等のガラス材である。また、k、A4,A6,A8,A10は非球面係数である。非球面形状は光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、
x=(h2/R)/[1+{1−(1+k)(h/R)21/2]+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10
で表される。但しRは曲率半径である。
【0090】
尚、バックフォーカスBFは最も像側のレンズ面から像面までの長さを空気換算長で示している。又、前述の各条件式と各数値実施例との関係を表1に示す。
【0091】
[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1* ∞ 1.15 1.84954 40.1
2* 5.324 1.52
3 8.303 2.05 1.92286 18.9
4 15.535 (可変)
5* 10.207 2.00 1.68966 53.0
6* 90.257 1.40
7(絞り) ∞ 0.80
8 5.584 1.90 1.69680 55.5
9 44.579 0.60 1.80518 25.4
10 4.210 (可変)
11 9.473 1.50 1.80610 40.9
12 184.327 0.80
13副絞り ∞ (可変)
14* 13.675 1.80 1.58313 59.4
15 37.410 (可変)
16 ∞ 0.80 1.51633 64.1
17 ∞ 1.23
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-7.54512e+008 A 4=-1.55796e-004 A 6= 9.96871e-006 A 8=-1.61573e-007 A10= 8.99813e-010

第2面
K =-1.47967e+000 A 4= 5.49336e-004 A 6= 1.31814e-005 A 8= 2.02299e-007 A10=-7.71354e-009

第5面
K =-1.30343e+000 A 4=-1.08965e-004 A 6= 1.35003e-005 A 8=-6.55777e-007 A10= 1.80922e-008

第6面
K =-1.09112e+003 A 4= 1.10575e-007 A 6= 4.42611e-006 A 8=-9.42457e-008

第14面
K = 2.04255e+000 A 4=-1.15965e-004 A 6=-6.15430e-006 A 8= 9.73861e-008

各種データ
ズーム比 4.75
広角 中間 望遠
焦点距離 4.42 9.61 20.99
Fナンバー 2.06 4.60 5.59
半画角 37.55 21.95 10.46
像高 3.40 3.88 3.88
レンズ全長 42.25 36.91 46.13
BF 3.72 4.04 4.76

d 4 17.95 5.99 0.49
d10 1.97 2.04 1.97
d13 3.08 9.31 23.39
d15 1.97 2.29 3.00

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -10.35
2 5 18.56
3 11 12.34
4 14 35.96
5 16 ∞

【0092】
[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1* 26504.927 1.20 1.84954 40.1
2* 5.110 2.01
3 9.241 2.00 1.92286 18.9
4 20.827 (可変)
5* 10.520 2.00 1.68966 53.0
6* 140.928 1.00
7(絞り) ∞ 1.30
8 5.174 1.90 1.69680 55.5
9 56.668 0.60 1.80518 25.4
10 4.001 (可変)
11 10.955 1.50 1.80610 40.9
12 78.522 0.30
13副絞り ∞ (可変)
14 15.683 1.80 1.69680 55.5
15 -36.659 (可変)
16 ∞ 0.80 1.51633 64.1
17 ∞ 1.23
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-7.54512e+008 A 4=-1.67403e-004 A 6= 9.33429e-006 A 8=-1.51735e-007 A10= 8.75846e-010

第2面
K =-1.43605e+000 A 4= 5.35449e-004 A 6= 6.14913e-006 A 8= 2.38775e-007 A10=-6.71424e-009

第5面
K =-9.82652e-001 A 4= 5.05540e-005 A 6= 1.84778e-005 A 8=-3.47736e-007 A10= 5.88634e-008

第6面
K =-2.93631e+003 A 4= 2.30409e-004 A 6= 5.21384e-006 A 8= 1.50372e-006

各種データ
ズーム比 4.90
広角 中間 望遠
焦点距離 4.29 9.57 21.01
Fナンバー 2.06 4.90 5.90
半画角 38.43 22.05 10.45
像高 3.40 3.88 3.88
レンズ全長 41.01 39.45 50.34
BF 4.15 4.01 3.78

d 4 16.34 5.29 0.71
d10 1.86 2.96 1.67
d13 3.06 11.58 28.57
d15 2.40 2.26 2.03

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -10.68
2 5 17.00
3 11 15.64
4 14 15.99
5 16 ∞

【0093】
[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1* ∞ 1.20 1.84954 40.1
2* 5.149 1.97
3 9.154 2.00 1.92286 18.9
4 20.225 (可変)
5* 10.287 2.00 1.68966 53.0
6* 123.420 1.00
7(絞り) ∞ 1.30
8 5.269 1.90 1.69680 55.5
9 46.496 0.60 1.80518 25.4
10 3.964 (可変)
11 9.494 1.50 1.80610 40.9
12 46.126 0.30
13副絞り ∞ (可変)
14 20.907 1.80 1.69680 55.5
15 -29.032 (可変)
16 ∞ 0.80 1.51633 64.1
17 ∞ 1.23
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-7.54512e+008 A 4=-1.46732e-004 A 6= 9.66392e-006 A 8=-1.60727e-007 A10= 8.84822e-010

第2面
K =-1.41390e+000 A 4= 5.48707e-004 A 6= 7.63648e-006 A 8= 3.27757e-007 A10=-1.05966e-008

第5面
K =-1.41951e+000 A 4=-3.28500e-005 A 6= 1.59160e-005 A 8=-6.03687e-007 A10= 5.71648e-008

第6面
K =-2.19846e+003 A 4= 6.76682e-005 A 6= 5.75374e-007 A 8= 1.15484e-006

各種データ
ズーム比 5.62
広角 中間 望遠
焦点距離 4.27 10.19 23.98
Fナンバー 2.06 4.90 6.60
半画角 38.56 20.83 9.18
像高 3.40 3.88 3.88
レンズ全長 41.92 38.51 52.20
BF 4.12 3.99 3.73

d 4 17.36 5.22 0.37
d10 1.81 1.92 1.46
d13 3.06 11.80 31.08
d15 2.37 2.24 1.97

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -10.72
2 5 17.60
3 11 14.56
4 14 17.71
5 16 ∞

【0094】
[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1* ∞ 1.15 1.84954 40.1
2* 4.994 1.94
3 9.368 2.05 1.92286 18.9
4 21.997 (可変)
5* 11.070 2.00 1.68966 53.0
6* 103.853 1.40
7(絞り) ∞ 0.80
8 5.657 1.90 1.69680 55.5
9 19.750 0.60 1.80518 25.4
10 4.388 (可変)
11 11.288 1.20 1.60311 60.6
12 -30.000 0.50 1.80518 25.4
13 -36.239 0.80
14副絞り ∞ (可変)
15* 11.358 1.80 1.58313 59.4
16 220.698 (可変)
17 ∞ 0.80 1.51633 64.1
18 ∞ 1.23
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-7.54512e+008 A 4=-2.02941e-004 A 6= 9.78702e-006 A 8=-1.56315e-007 A10= 8.79719e-010

第2面
K =-1.51427e+000 A 4= 5.69352e-004 A 6= 3.18920e-006 A 8= 2.71423e-007 A10=-7.40922e-009

第5面
K =-8.21821e-001 A 4=-8.58877e-005 A 6= 9.93973e-006 A 8=-1.17417e-008 A10= 1.14713e-008

第6面
K =-1.03904e+003 A 4= 5.46182e-005 A 6= 8.48909e-006 A 8= 2.54040e-007

第15面
K = 2.70428e+000 A 4=-2.78093e-004 A 6= 8.57569e-006 A 8=-4.68119e-007

各種データ
ズーム比 4.76

焦点距離 4.41 9.64 20.99
Fナンバー 2.06 4.60 6.01
半画角 37.64 21.89 10.46
像高 3.40 3.88 3.88
レンズ全長 42.25 39.95 51.41
BF 4.49 4.24 3.77

d 4 16.25 5.22 0.49
d10 2.29 2.53 1.82
d14 3.08 11.82 29.18
d16 2.73 2.48 2.02

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -10.35
2 5 18.97
3 11 14.70
4 15 20.47
5 17 ∞


【0095】
【表1】

【符号の説明】
【0096】
L1は第1レンズ群、L2は第2レンズ群、L3は第3レンズ群、L4は第4レンズ群、SPは絞り、FPは副絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、望遠端における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔をD12T、広角端に比べ望遠端での前記第2レンズ群の光軸方向の移動量をm2、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の焦点距離を各々f1、f2とするとき、
0.004<D12T/m2<0.040
1.45<|f2/f1|<3.00
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記第2レンズ群の最も広いレンズ間隔をD2aとするとき、
2.8<D2a/D12T<8.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1のズームレンズ。
【請求項3】
広角端における全系の焦点距離をfW、広角端に比べ望遠端での前記第1レンズ群の光軸方向の移動量をm1とするとき、
0.4<m1/fW<4.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2のズームレンズ。
【請求項4】
前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面の間に開口絞りが配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項のズームレンズ。
【請求項5】
広角端に比べ望遠端での前記第3レンズ群の光軸方向の移動量をm3とするとき、
0.9<m2/m3<2.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項のズームレンズ。
【請求項6】
広角端に比べ望遠端での前記第1レンズ群の光軸方向の移動量をm1とするとき、
0.1<m1/m2<0.6
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項のズームレンズ。
【請求項7】
望遠端における全系の焦点距離をfTとするとき、
0.00<D12T/fT<0.05
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項のズームレンズ。
【請求項8】
広角端及び望遠端における全系の焦点距離を各々fW、fTとするとき、 fm=√(fW・fT)
で表わされる焦点距離fmにおける前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔をD23m、広角端における前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔をD23Wとするとき、
1.0<D23m/D23W<3.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項のズームレンズ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項のズームレンズと、該ズームレンズによって形成される像を受光する固体撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記固体撮像素子における画像記録領域が広角端と望遠端とで異なることを特徴とする請求項9の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
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【公開番号】特開2012−252253(P2012−252253A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126122(P2011−126122)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】