説明

セキュリティー装置

【課題】セキュリティー性の低下を抑制することができるセキュリティー装置を提供すること。
【解決手段】メカキー20cによるロック、アンロック、及び携帯機20から送信される信号によるロック、アンロックが可能な車両ドア1a〜1dを有する車両のセキュリティー装置であって、車両ドア1a〜1dがアンロックされた場合は、監視状態を解除すると共にアラームアンセットし(ステップS10〜S12)、車両ドア1a〜1dのアンロックがメカキー20cによってなされたか、携帯機20から送信される信号を用いてなされたかを判定し、メカキー20cにて車両ドア1a〜1dがアンロックされたと判定した場合はユーザーに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカキーによるロック、アンロック、及び携帯機から送信される信号によるロック、アンロックが可能な開閉機構を有するセキュリティー対象物のセキュリティー装置である。
【背景技術】
【0002】
従来、セキュリティー装置の一例として、特許文献1に示すように車両の盗難を検出して警報を発する車両用盗難警報装置があった。
【0003】
特許文献1に示す車両用盗難警報装置は、運転者が車両を利用するために、キーレスエントリーシステムによりドアがアンロックされたことなどを条件に、非警報待機状態へ移行する。一方、全てのドアが閉じられており、かつキーレスエントリーシステムによりドアがロックされたことなどを条件に、強制的にドアが開けられるなど異常を検出した場合に警報を発するためにドアの状態を監視する警報待機状態へ移行する。
【特許文献1】特開2000−85535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、キーレスエントリーシステムのかわりにメカキーを用いることも考えられる。つまり、メカキーによりドアがアンロックされたことなどを条件に非警報待機状態へ移行し、全てのドアが閉じられており、かつメカキーによりドアがロックされたことなどを条件に警報待機状態へ移行する。
【0005】
しかしながら、このメカキーの場合、メカキーが偽造されると容易にドアがアンロックされ非警報待機状態に移行してしまう。つまり、偽造されたメカキーによってドアがアンロックされるとセキュリティー対象物の異常が監視されなくなってしまい、セキュリティー性が低下する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、セキュリティー性の低下を抑制することができるセキュリティー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載のセキュリティー装置は、メカキーによるロック、アンロック、及び携帯機から送信される信号によるロック、アンロックが可能な開閉機構を有するセキュリティー対象物のセキュリティー装置であって、セキュリティー対象物の異常を検出する異常検出手段と、開閉機構がロックされた場合は異常検出手段の検出結果に基づいてセキュリティー対象物の異常を監視する監視状態とすると共に、開閉機構がアンロックされた場合は前記監視状態を解除する設定手段と、開閉機構のロック、アンロックがメカキーによってなされたか、携帯機から送信される信号を用いてなされたかを判定する判定手段と、メカキーにて開閉機構がアンロックされた場合は、ユーザーに通知する通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
このように、メカキーにて開閉機構がアンロックされた場合は、ユーザーに通知することによって、偽造などされたメカキーにて開閉機構がアンロックされて監視状態が解除されたとしてもユーザーに知らせることができるので、セキュリティー性の低下を抑制することができる。
【0009】
また、通知手段は、請求項2に示すように、無線にて通信可能な通信手段を備えるようにすると容易にユーザーに通知することができるので好ましい。
【0010】
また、請求項3に示すように、セキュリティー対象物は車両、開閉機構は車両のドアとすることによって、セキュリティー装置を車両に適用することができる。
【0011】
また、請求項4に記載のセキュリティー装置は、バッテリーからの電源供給によって動作するものであり、メカキーによるロック、アンロック、及び携帯機から送信される信号によるロック、アンロックが可能なドアを有する車両のセキュリティー装置であって、車両の異常を検出する異常検出手段と、車両のボンネットが開扉されたことを検出するボンネット開センサと、ドアがロックされた場合は異常検出手段の検出結果に基づいて車両の異常を監視する監視状態とすると共に、ドアがアンロックされた場合は監視状態を解除する設定手段と、ドアのロック、アンロックがメカキーによってなされたか、携帯機から送信される信号を用いてなされたかを判定する判定手段と、メカキーにてドアがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合はユーザーに通知する通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
メカキーが偽造などされ、ドアがアンロックされ監視状態が解除された場合、まず、バッテリーを一旦取り外すためにボンネットが開けられることがある。したがって、請求項4に示すように、メカキーにてドアがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合は、ユーザーに通知することのよって、偽造されたメカキーにてドアがアンロックされて監視状態が解除されたとしてもユーザーに知らせることができるので、セキュリティー性の低下を抑制することができる。さらに、メカキーにてドアがアンロックされただけでユーザーに通知する場合に比べて、不要な通知を減らすことが出来るので好ましい。
【0013】
また、請求項5に示すように、電池によって動作するものであり、バッテリーが取り外されたか否かを検出するバッテリー検出手段を備え、通知手段は、電池によって動作するものであり、メカキーにてドアがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合で、バッテリーが取り外されていない場合はユーザーへの通知を中止し、バッテリーが取り外された場合はユーザーに通知するようにしてもよい。
【0014】
このようにすることによって、メカキーにてドアがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合にユーザーに通知する場合に比べて不要な通知を減らすことができる。
【0015】
また、請求項6に示すように、バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段による検出結果を記憶する記憶手段とを備え、通知手段は、メカキーにてドアがアンロックされ、かつボンネットが開扉され、かつバッテリーが取り外された場合で、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合はユーザーへの通知を中止し、バッテリーの電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにしてもよい。
【0016】
一般的にボンネットを開扉して、バッテリーを交換することもある。したがって、請求項6に示すように、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合はユーザーへの通知を中止し、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにすることによって、より一層不要な通知を減らすことができる。すなわち、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合は、バッテリー交換とみなすことができるのでユーザーへの通知を中止することができる。
【0017】
また、請求項7に示すように、バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段による検出結果を記憶する記憶手段とを備え、通知手段は、メカキーにてドアがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合で、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合はユーザーへの通知を中止し、バッテリーの電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにしてもよい。
【0018】
このように、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合はバッテリー交換とみなすことができるのでユーザーへの通知を中止し、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにすることによっても、より一層不要な通知を減らすことができる。
【0019】
また、請求項8に記載のセキュリティー装置は、バッテリーからの電源供給によって動作するものであり、メカキーによるロック、アンロック、及び携帯機から送信される信号によるロック、アンロックが可能なドアを有する車両のセキュリティー装置であって、車両の異常を検出する異常検出手段と、ドアがロックされた場合は異常検出手段の検出結果に基づいて車両の異常を監視する監視状態とすると共に、ドアがアンロックされた場合は監視状態を解除する設定手段と、ドアのロック、アンロックがメカキーによってなされたか、携帯機から送信される信号を用いてなされたかを判定する判定手段と、電池によって動作するものであり、バッテリーが取り外されたか否かを検出するバッテリー検出手段と、電池によって動作するものであり、メカキーにてドアがアンロックされ、かつバッテリーが取り外された場合はユーザーに通知する通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【0020】
メカキーが偽造などされ、ドアがアンロックされ監視状態が解除された場合、まず、バッテリーを一旦取り外すためにボンネットが開けられることがある。したがって、請求項8に示すように、メカキーにてドアがアンロックされ、かつバッテリーが取り外された場合はユーザーに通知することのよって、偽造されたメカキーにてドアがアンロックされて監視状態が解除されたとしてもユーザーに知らせることができるので、セキュリティー性の低下を抑制することができる。さらに、メカキーにてドアがアンロックされただけでユーザーに通知する場合に比べて、不要な通知を減らすことが出来るので好ましい。
【0021】
また、請求項9に示すように、バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段による検出結果を記憶する記憶手段とを備え、通知手段は、電池によって動作するものであり、メカキーにてドアがアンロックされ、かつバッテリーが取り外された場合で、バッテリーが取り外される前のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合はユーザーへの通知を中止し、バッテリーの電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにしてもよい。
【0022】
一般的にボンネットを開扉して、バッテリーを交換することもある。したがって、請求項9に示すように、バッテリーが取り外される前のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合はユーザーへの通知を中止し、バッテリーが取り外される前のバッテリーの電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにすることによって、より一層不要な通知を減らすことができる。すなわち、バッテリーが取り外される前のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合は、バッテリー交換とみなすことができるのでユーザーへの通知を中止することができる。
【0023】
また、請求項10に示すように、警報を発生する警報手段を備え、設定手段は、監視状態において異常検出手段にて異常が検出されると警報手段にて警報を発生させるようにしてもよい。
【0024】
このようにすることによって、より一層セキュリティー性の低下を抑制することができる。
【0025】
また、異常検出手段としては、請求項11に示すように、車両の盗難を検出する盗難検出手段を含むようにしてもよい。
【0026】
このようにすることによって、車両の盗難を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるセキュリティー装置の概略構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態においては、本発明のセキュリティー装置を車両に適用した例を用いて説明する。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態におけるセキュリティー装置11は、車両(セキュリティー対象物)に設けられた各車両ドア(開閉機構)1a〜1dにメカキー20cが挿入されるキーシリンダ2a〜2d、キーシリンダ2a〜2d内に設けられるキースイッチ2a1〜2d1、キースイッチ2a1〜2d1と電気的に接続されるドアECU4a〜4d、ドアECU4a〜4dと電気的に接続されるドアロックモータ3a〜3dなどを備える。また、セキュリティー装置11は、ドアECU4a〜4dと電気的に接続されるアラームECU5、このアラームECU5と電気的に接続されるワイヤレスチューナ6、盗難検出装置7、ボンネット開センサ8、アラーム9、及び通信ECU10などを備える。
【0030】
また、車両ドア1a〜1dは、携帯機20(所謂、ワイヤレスキー)によってロック、アンロックを行うことができる。この携帯機20は、マイコン20a、送信機20b、メカキー20c、電池(図示省略)などを備える。また、携帯機20は、メカキー20cをキーシリンダ2a〜2dに挿入してメカキー20cを回転させることによって車両ドア1a〜1dのロック、アンロックを行うことができる。さらに、この携帯機20は、携帯機20に設けられたロックボタン、アンロックボタン(図示省略)が操作されるとマイコン20aからの指示に基づいて送信機20bからロック信号、アンロック信号をワイヤレスチューナ6に送信することによって車両ドア1a〜1dのロック、アンロックを行うことができる。なお、携帯機20からワイヤレスチューナ6に出力されたロック信号、アンロック信号は、アラームECU5を介してドアECU4a〜4dに出力される。
【0031】
セキュリティー装置11のキースイッチ2a1〜2d1は、メカキー20cの回転操作方向(左右)により車両ドア1a〜1dのロックかアンロックかを検出するスイッチである。そして、キースイッチ2a1〜2d1は、車両ドア1a〜1dがメカキー20cによってロックされたかアンロックされたかを示す信号をドアECU4a〜4dに出力する。
【0032】
セキュリティー装置11のドアECU4a〜4dは、ワイヤレスチューナ6(アラームECU5)からの信号及びキースイッチ2a1〜2d1からの信号に基づき、ドアロックモータ3a〜3dを駆動してロックあるいはアンロックを行う。また、ドアECU4a〜4dは、携帯機20から送信された信号を用いて車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたか、もしくは、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたかを示す信号をアラームECU5に出力する。
【0033】
アラームECU5は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータおよび周辺回路から構成される。そして、アラームECU5は、ドアECU4a〜4dからの信号に基づき、携帯機20から送信された信号を用いて車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたか、もしくはメカキー20cによって車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたかを判定する。また、後ほど説明する盗難検出装置7の検出結果に基づいて車両の異常(盗難)を監視する監視状態とするか、その監視状態を解除するかなどを判定する。さらに、その監視状態とする場合に盗難検出装置7によって異常が検出されるとアラーム9にて警報を発生させる警報待機状態(以下、アラームセットとも称する)を設定し、その監視状態を解除する場合に警報待機状態の設定を解除(以下、アラームアンセットとも称する)する。
【0034】
盗難検出装置7は、本発明の異常検出手段、盗難検出手段に相当するものであり、浸入センサ7a、ガラス割れセンサ7b、傾斜センサ7c、ドアカーテシセンサ7dなどを備える。浸入センサ7aは、赤外線検知や超音波検出の手法により、車内への人の侵入を検知し、検知時にはアラームECU5に検知信号を出力する。ガラス割れセンサ7bは、窓ガラス等が割れた際の音をマイクロホン、超音波センサ等により検出することによってガラス割れを検知し、検知時にはアラームECU5に検知信号を出力する。傾斜センサ7cは、傾けられた車両の角度に応じた可動電極と固定電極間の静電容量変化(電気信号)を検知し、その傾斜角を含めた検知信号をアラームECU5に出力する。ドアカーテシセンサ7dは、車両ドア1a〜1dの開閉を検知し、車両ドア1a〜1dが合鍵を用いて或はこじ開けられた場合、検知信号をアラームECU5に出力する。これらの、浸入センサ7a、ガラス割れセンサ7b、傾斜センサ7c、ドアカーテシセンサ7dは、車両内の適所に設置されるものである。なお、盗難検出装置7は、上記センサに限定されるものではない。
【0035】
また、ボンネット開センサ8は、ボンネットが開扉されたことを検出し、ボンネットの開扉を示す信号をアラームECU5に対して出力する。なお、このボンネット開センサ8は、本実施の形態においては、必ずしも必要な構成ではない。
【0036】
アラーム9は、本発明の警報手段に相当するものであり、サイレン9a、ハザードランプ9b、ルームランプ9cなどを備える。サイレン9a、ハザードランプ9b、ルームランプ9cは、アラームECU5からの指示に基づいて、盗難時に警報音を発生したり、ランプを点灯、点滅したりすることによって警報を発生するものである。また、サイレン9a、ハザードランプ9b、ルームランプ9cなどは、バッテリーを内蔵し、バッテリー30が外された場合でも、警報を継続する構造とすると好ましい。なお、アラーム9は、サイレン9a、ハザードランプ9b、ルームランプ9cに限定されるものではない。
【0037】
通信ECU10は、アラームECU5からの指示に基づいてメカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するものである。すなわち、通信ECU10は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたこと示す信号を送信する。この通信ECU10は、例えば、CPU、ROM、RAMおよびI/Oバスなどから構成される制御部、通信可能な状態(正常に動作可能で且つ通信圏内である状態)において外部(例えば、ユーザーの携帯端末(携帯電話など)やユーザーのパソコンなど)との間で通信可能に構成される通信部などを備える。また、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知する場合、通信ECU10から送信された信号に基づいて、ユーザーの携帯端末、パソコンなどによって音声、インジケータ、文字などを出力することによってなすことができる。
【0038】
また、通信ECU10からユーザーの携帯端末やパソコンに信号を送信する他にも、通信ECU10から送信された信号を一旦サービスセンターで受信し、そのサービスセンターからユーザーに通知するようにしてもよい。
【0039】
また、携帯機20及び通信ECU10は、携帯機20と通信ECU10との間で直接通信が可能となるように構成してもよい。すなわち、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされた場合、通信ECU10は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことを示す信号を携帯機20に送信し、携帯機20は、この信号を出力できるように構成して、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するようにしてもよい。
【0040】
ここで、本実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作に関して説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。なお、図2に示すフローは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0041】
ステップS10では、アラームECU5は、ドアECU4a〜4dからの信号に基づき、車両ドア1a〜1d(全ドア)がロックされたか否かを判定し、ロックされたと判定した場合はステップS15へ進み、ロックされたと判定してない場合はステップS11へ進む。
【0042】
ステップS10での判定において車両ドア1a〜1d(全ドア)がロックされたと判定した場合はステップS15において、アラームECU5は、アラームセットしてステップS10へ戻る。すなわち、アラームECU5は、盗難検出装置7の検出結果に基づいて車両の異常(盗難)を監視する監視状態とし、盗難検出装置7によって異常が検出されるとアラーム9にて警報を発生させる警報待機状態を設定する(設定手段)。
【0043】
一方、ステップS10での判定において車両ドア1a〜1d(全ドア)がロックされたと判定してない場合はステップS11において、アラームECU5は、ドアECU4a〜4dからの信号に基づき、車両ドア1a〜1dがアンロックされたか否かを判定し、アンロックされたと判定した場合はステップS12へ進み、アンロックされたと判定してない場合はステップS10へ戻る。
【0044】
そして、ステップS12では、アラームECU5は、アラームアンセットしてステップS13へ進む。すなわち、アラームECU5は、盗難検出装置7の検出結果に基づいて車両の異常(盗難)を監視する監視状態を解除し、盗難検出装置7によって異常が検出されるとアラーム9にて警報を発生させる警報待機状態の設定を解除する(設定手段)。
【0045】
ステップS13では、アラームECU5は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するか否かを判定するために、ドアECU4a〜4dからの信号に基づき、ワイヤレスキーによってアンロックされたか、メカキーによってアンロックされたかを判定する(判定手段)。すなわち、アラームECU5は、携帯機20から送信された信号を用いて車両ドア1a〜1dがアンロックされたか、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたかを判定し、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたと判定した場合はステップS14へ進み、携帯機20から送信された信号を用いて車両ドア1a〜1dがアンロックされたと判定した場合はステップS10へ戻る。
【0046】
そして、ステップS14では、アラームECU5は、通信ECU10を用いてメカキーによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知する(通知手段)。
【0047】
このように、メカキーにて車両ドア1a〜1dがアンロックされた場合は、ユーザーに通知することによって、偽造などされたメカキーにて車両ドア1a〜1dがアンロックされて監視状態が解除されたとしてもユーザーに知らせることができるので、セキュリティー性の低下を抑制することができる。
【0048】
また、本実施の形態においては、本発明のセキュリティー装置を車両に適用した例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、家屋などにも適用することも可能である。
【0049】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。なお、セキュリティー装置の構成に関しては、上述の第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0050】
第2の実施の形態におけるセキュリティー装置は、上述の第1の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と異なる点はユーザーに通知する際にボンネットの開扉も考慮して通知する点である。
【0051】
本実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作に関して説明する。図3におけるステップS20と図2のS10、図3のS21と図2のS11、図3のS22と図2のS12、図3のS23と図2のS13、図3のS25と図2のS14、図3のS26と図2のS15は、同様であるため詳しい説明を省略する。なお、図3に示すフローは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0052】
メカキーにてドアアンロック(S23にてメカキー判定)された状態で判定処理を実行するステップS24では、アラームECU5は、ボンネット開センサ8からの検出結果に基づいて、ボンネット開(開扉)されたか否かを判定する。アラームECU5は、ボンネット開と判定した場合ステップS25へ進み、ステップS25にて通信ECU10を用いてメカキーによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知する。一方、アラームECU5は、ボンネット開と判定してない場合はユーザーへの通知を中止してステップS20へ戻る。
【0053】
メカキー20cが偽造などされ、車両ドア1a〜1dがアンロックされ監視状態が解除された場合、まず、バッテリーを一旦取り外すためにボンネットが開けられることがある。したがって、本実施の形態に示すように、メカキーにて車両ドア1a〜1dがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合は、ユーザーに通知することのよって、偽造されたメカキーにて車両ドア1a〜1dがアンロックされて監視状態が解除されたとしてもユーザーに知らせることができるので、セキュリティー性の低下を抑制することができる。
【0054】
さらに、本実施の形態は、ボンネットが開扉されたか否かを判定することによって、偽造されたメカキーで車両ドア1a〜1dがアンロックされた可能性を判断して、その可能性が高い場合のみユーザーに通知するものである。つまり、メカキーにて車両ドア1a〜1dがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合は、その可能性が高いとみなしてユーザーに通知するものである。したがって、メカキー20cにて車両ドア1a〜1dがアンロックされただけでユーザーに通知する場合に比べて、不要な通知を減らすことが出来るので好ましい。
【0055】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図4は、本発明の第3の実施の形態におけるセキュリティー装置の概略構成を示すブロック図である。図5は、本発明の第3の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【0056】
第3の実施の形態におけるセキュリティー装置110は、上述の第1の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第3の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と異なる点はユーザーに通知する際にバッテリーの取り外しも考慮して通知する点である。
【0057】
本実施の形態におけるセキュリティー装置110は、アラームECU50、電池で動作する通信ECU100、電池で動作する電源ECU40などを備える。
【0058】
アラームECU50は、携帯機20から送信された信号を用いて車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたか、もしくは、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたかを示す信号を通信ECU100に出力する。また、アラームECU50は、監視状態、監視状態の解除、アラームセット、アラームアンセットする際には、その監視状態、監視状態の解除、アラームセット、アラームアンセットであることを示す信号を通信ECU100に出力する。なお、アラームECU50は、ボンネット開センサ8によってボンネットが開扉されたことを示す信号を通信ECU100に出力するようにしてもよい。
【0059】
電源ECU40は、例えば、CPU、ROM、RAMおよびI/Oバスなどから構成されるものであり、バッテリー30が取り外されたか否かを検出したり、バッテリー30の電圧を検出(電圧検出手段)したり、その電圧を記憶装置(図示省略)に記憶(記憶手段)したりするものである。なお、本実施の形態においては、電源ECU40は、バッテリー30が取り外されたか否かを検出できれば目的は達成できるものである。また、電源ECU40は、バッテリー30が取り外されたか否かの検出結果、及び、バッテリー30の電圧を通信ECU100に出力するものである。
【0060】
通信ECU100は、アラームECU50及び電源ECU40からの信号に基づいて、ユーザーへの通知を行うか否かを判定、ユーザーへの通知を行うと判定した場合は、ユーザーへの通知を実行する。
【0061】
ここで、本実施の形態におけるセキュリティー装置110の処理動作に関して説明する。図5におけるステップS30と図2のS10、図5のS31と図2のS11、図5のS32と図2のS12、図5のS36と図2のS15は、同様であるため詳しい説明を省略する。なお、図5に示すフローは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0062】
アラームアンセット(S32)した状態で判定処理を実行するステップS33では、通信ECU100は、アラームECU50からの信号に基づいて、ワイヤレスキーによってアンロックされたか、メカキーによってアンロックされたかを判定する(判定手段)。すなわち、通信ECU100は、アラームECU50から出力されるものであり、携帯機20から送信された信号を用いて車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたか、もしくは、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがロック、アンロックされたかを示す信号に基づいて判定し、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたと判定した場合はステップS34へ進み、携帯機20から送信された信号を用いて車両ドア1a〜1dがアンロックされたと判定した場合はステップS30へ戻る。
【0063】
ステップS34では、通信ECU100は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するか否かを判定するために、電源ECU40からの信号に基づいて、バッテリー30が取り外されたか否かを判定する(バッテリー検出手段)。通信ECU100がバッテリー30が取り外されたと判定しない場合はユーザーへの通知を中止してステップS30へ戻り、バッテリー30が取り外されたと判定した場合はステップS35へ進む。
【0064】
ステップS35では、通信ECU100は、メカキーによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知する(通知手段)。
【0065】
メカキー20cが偽造などされ、車両ドア1a〜1dがアンロックされ監視状態が解除された場合、まず、ボンネットが開けられてバッテリー30が一旦取り外されることがある。したがって、メカキー20cにて車両ドア1a〜1dがアンロックされ、かつバッテリー30が取り外された場合はユーザーに通知することのよって、偽造されたメカキーにて車両ドア1a〜1dがアンロックされて監視状態が解除されたとしてもユーザーに知らせることができるので、セキュリティー性の低下を抑制することができる。さらに、メカキー20cにて車両ドア1a〜1dがアンロックされただけでユーザーに通知する場合に比べて、不要な通知を減らすことが出来るので好ましい。
【0066】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図6は、本発明の第4の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。なお、セキュリティー装置の構成に関しては、上述の第3の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0067】
第4の実施の形態におけるセキュリティー装置110は、上述の第3の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第4の実施の形態において、上述の第3の実施の形態と異なる点はユーザーに通知する際にバッテリーの電圧も考慮して通知する点である。
【0068】
本実施の形態におけるセキュリティー装置110の処理動作に関して説明する。図6におけるステップS40と図5のS30、図6のS41と図5の31、図6のS42と図5の32、図6のS43と図5の33、図6のS44と図5の34、図6のS46と図5の35、図6のS47と図5の36は、同様であるため詳しい説明を省略する。なお、図6に示すフローは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0069】
バッテリー30が取り外された(S44でYES判定)状態で判定処理を実行するステップS45では、通信ECU100は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するか否かを判定するために、電源ECU40から出力されたバッテリー30の電圧を示す信号に基づいて、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定する。
【0070】
すなわち、通信ECU100は、電源ECU40からバッテリー30が取り外されたことを示す信号が出力された直前のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定する。そして、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値に達していないと判定した場合は、ユーザーによるバッテリー30の交換とみなしてユーザーへの通知を中止してステップS40へ戻り、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値以上であると判定した場合は、車両の異常(盗難)のためにバッテリー30が取り外されたとみなしてステップS46へ進む。
【0071】
一般的にボンネットを開扉して、バッテリー30を交換することもある。したがって、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値に達していない場合はユーザーへの通知を中止し、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにすることによって、より一層不要な通知を減らすことができる。すなわち、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値に達していない場合は、バッテリー交換とみなすことができるのでユーザーへの通知を中止することができる。
【0072】
なお、電源ECU40は、バッテリー30が取り外されたと判定した時点で、記憶装置に記憶している最新のバッテリー30の電圧を示す信号を通信ECU100に出力するようにしてもよい。
【0073】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図7は、本発明の第5の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。なお、セキュリティー装置の構成に関しては、上述の第3の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0074】
第5の実施の形態におけるセキュリティー装置110は、上述の第3及び第4の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第5の実施の形態において、上述の第3及び第4の実施の形態と異なる点はユーザーに通知する際にボンネットが開扉したときのバッテリーの電圧を考慮して通知する点である。
【0075】
本実施の形態におけるセキュリティー装置110の処理動作に関して説明する。図7におけるステップS50と図5のS30、図7のS51と図5の31、図7のS52と図5の32、図7のS53と図5の33、図7のS56と図5の35、図7のS57と図5の36は、同様であるため詳しい説明を省略する。なお、図7に示すフローは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0076】
メカキーで車両ドア1a〜1dがアンロックされた(S53でメカキーと判定)状態で判定処理を実行するステップS54では、通信ECU100は、アラームECU50から出力されたボンネット開センサ8での検出結果に基づいて、ボンネット開(開扉)されたか否かを判定する。通信ECU100は、ボンネット開と判定した場合ステップS55へ進み、ボンネット開と判定してない場合はユーザーへの通知を中止してステップS50へ戻る。
【0077】
ステップS55では、通信ECU100は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するか否かを判定するために、電源ECU40から出力されたバッテリー30の電圧を示す信号に基づいて、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定する。すなわち、通信ECU100は、アラームECU50からボンネットが開扉されたことを示す信号が出力された時のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定する。そして、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値に達していないと判定した場合は、ユーザーによるバッテリー30の交換のためにボンネットが開扉されたとみなしてユーザーへの通知を中止してステップS50へ戻り、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値以上であると判定した場合は、車両の異常(盗難)のためにボンネットが開扉されたとみなしてステップS56へ進む。
【0078】
このように、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値に達していない場合はバッテリー交換とみなすことができるのでユーザーへの通知を中止し、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにすることによっても、より一層不要な通知を減らすことができる。
【0079】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図8は、本発明の第6の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。なお、セキュリティー装置の構成に関しては、上述の第3の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0080】
第6の実施の形態におけるセキュリティー装置110は、上述の第3乃至第5の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第6の実施の形態において、上述の第3乃至第5の実施の形態と異なる点はユーザーに通知する際にボンネットが開扉したこととバッテリーが取り外されたことを考慮して通知する点である。
【0081】
本実施の形態におけるセキュリティー装置110の処理動作に関して説明する。図8におけるステップS60と図7のS50、図7のS61と図5の51、図7のS62と図5の52、図7のS63と図5の53、図7のS64と図5の54、図7のS66と図5の56、図7のS67と図5の57は、同様であるため詳しい説明を省略する。なお、図8に示すフローは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0082】
ボンネットが開扉された(S64でYES判定)状態で判定処理を実行するステップS65では、通信ECU100は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するか否かを判定するために、電源ECU40からの信号に基づいて、バッテリー30が取り外されたか否かを判定する(バッテリー検出手段)。通信ECU100がバッテリー30が取り外されたと判定しない場合はユーザーへの通知を中止してステップS60へ戻り、バッテリー30が取り外されたと判定した場合はステップS66へ進む。
【0083】
このようにすることによって、メカキー20cにて車両ドア1a〜1dがアンロックされ、かつボンネットが開扉された場合にユーザーに通知する場合などに比べて不要な通知を減らすことができる。
【0084】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図9は、本発明の第7の実施形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。なお、セキュリティー装置の構成に関しては、上述の第3の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0085】
第7の実施の形態におけるセキュリティー装置110は、上述の第3乃至第6の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第7の実施の形態において、上述の第3乃至第6の実施の形態と異なる点はユーザーに通知する際にボンネットが開扉したこと、バッテリーが取り外されたこと、バッテリーの電圧を考慮して通知する点である。
【0086】
本実施の形態におけるセキュリティー装置110の処理動作に関して説明する。図9におけるステップS70と図8のS60、図9のS71と図8の61、図9のS72と図8の62、図9のS73と図8の63、図9のS74と図8の64、図9のS75と図8の65、図9のS77と図8の66、図9のS78と図8の67は、同様であるため詳しい説明を省略する。なお、図9に示すフローは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0087】
バッテリー30が取り外された(S75でYES判定)状態で判定処理を実行するステップS76では、通信ECU100は、メカキー20cによって車両ドア1a〜1dがアンロックされたことをユーザーに通知するか否かを判定するために、電源ECU40から出力されたバッテリー30の電圧を示す信号に基づいて、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定する。すなわち、通信ECU100は、アラームECU50からボンネットが開扉されたことを示す信号が出力された時のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定する。そして、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値に達していないと判定した場合は、ユーザーによるバッテリー30の交換のためにボンネットが開扉されたとみなしてユーザーへの通知を中止してステップS70へ戻り、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値以上であると判定した場合は、車両の異常(盗難)のためにボンネットが開扉されたとみなしてステップS77へ進む。
【0088】
なお、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定するかわりに、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値以上か否かを判定するようにしてもよい。この場合、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値に達していないと判定した場合はユーザーへの通知を中止してステップS70へ戻り、バッテリー30が取り外される前のバッテリー30の電圧が所定値以上であると判定した場合は、車両の異常(盗難)のためにボンネットが開扉されたとみなしてステップS77へ進む。
【0089】
一般的にボンネットを開扉して、バッテリーを交換することもある。したがって、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値に達していない場合はユーザーへの通知を中止し、ボンネットが開扉された時のバッテリー30の電圧が所定値以上であった場合はユーザーに通知するようにすることによって、より一層不要な通知を減らすことができる。すなわち、ボンネットが開扉された時のバッテリーの電圧が所定値に達していない場合は、バッテリー交換とみなすことができるのでユーザーへの通知を中止することができる。
【0090】
なお、本実施の形態においては、携帯機20としてワイヤレスキーを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、携帯機としてはスマートエントリーキーなどであってもよい。この場合、車両は、ユーザーによって操作されるスイッチと携帯機に対してリクエスト信号を送信する通信部を備える。携帯機は、リクエスト信号に応答してレスポンス信号を送信する。車両ドアは、携帯機からのレスポンス信号が送信され、かつスイッチが操作された場合にロックされる。そして、アラームECUは、メカキーによって車両ドアがロックされた状態で携帯機からのレスポンス信号が送信され、かつスイッチが操作された場合は、警報待機状態を設定しないようにする。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるセキュリティー装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態におけるセキュリティー装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態におけるセキュリティー装置の処理動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0092】
1a〜1d 車両ドア、2a〜2d キーシリンダ、2a1〜2d1 キースイッチ、3a〜3d ドアロックモータ、4a〜4d ドアECU、5 アラームECU、6 ワイヤレスチューナ、7 盗難検出装置、7a 浸入センサ、7b ガラス割れセンサ、7c 傾斜センサ、7d ドアカーテシセンサ、8 ボンネット開センサ、9 アラーム、9a サイレン、9b ハザードランプ、9c ルームランプ、10 通信ECU、11,110 セキュリティー装置、20 携帯機、20a マイコン、20b 送信機、20c メカキー、30 バッテリー、40 電源ECU、100 通信ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メカキーによるロック、アンロック、及び携帯機から送信される信号によるロック、アンロックが可能な開閉機構を有するセキュリティー対象物のセキュリティー装置であって、
前記セキュリティー対象物の異常を検出する異常検出手段と、
前記開閉機構がロックされた場合は前記異常検出手段の検出結果に基づいて前記セキュリティー対象物の異常を監視する監視状態とすると共に、前記開閉機構がアンロックされた場合は前記監視状態を解除する設定手段と、
前記開閉機構のロック、アンロックが前記メカキーによってなされたか、前記携帯機から送信される信号を用いてなされたかを判定する判定手段と、
前記メカキーにて前記開閉機構がアンロックされた場合は、ユーザーに通知する通知手段と、
を備えることを特徴とするセキュリティー装置。
【請求項2】
前記通知手段は、無線にて通信可能な通信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のセキュリティー装置。
【請求項3】
前記セキュリティー対象物は車両であり、前記開閉機構は当該車両のドアであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセキュリティー装置。
【請求項4】
バッテリーからの電源供給によって動作するものであり、メカキーによるロック、アンロック、及び携帯機から送信される信号によるロック、アンロックが可能なドアを有する車両のセキュリティー装置であって、
前記車両の異常を検出する異常検出手段と、
前記車両のボンネットが開扉されたことを検出するボンネット開センサと、
前記ドアがロックされた場合は前記異常検出手段の検出結果に基づいて前記車両の異常を監視する監視状態とすると共に、前記ドアがアンロックされた場合は前記監視状態を解除する設定手段と、
前記ドアのロック、アンロックが前記メカキーによってなされたか、前記携帯機から送信される信号を用いてなされたかを判定する判定手段と、
前記メカキーにて前記ドアがアンロックされ、かつ前記ボンネットが開扉された場合はユーザーに通知する通知手段と、
を備えることを特徴とするセキュリティー装置。
【請求項5】
電池によって動作するものであり、前記バッテリーが取り外されたか否かを検出するバッテリー検出手段を備え、前記通知手段は、電池によって動作するものであり、前記メカキーにて前記ドアがアンロックされ、かつ前記ボンネットが開扉された場合で、前記バッテリーが取り外されていない場合は前記ユーザーへの通知を中止し、前記バッテリーが取り外された場合は前記ユーザーに通知することを特徴とする請求項4に記載のセキュリティー装置。
【請求項6】
前記バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段による検出結果を記憶する記憶手段とを備え、前記通知手段は、前記メカキーにて前記ドアがアンロックされ、かつ前記ボンネットが開扉され、かつ前記バッテリーが取り外された場合で、前記ボンネットが開扉された時の前記バッテリーの電圧が所定値に達していない場合は前記ユーザーへの通知を中止し、前記バッテリーの電圧が所定値以上であった場合は前記ユーザーに通知することを特徴とする請求項5に記載のセキュリティー装置。
【請求項7】
前記バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段による検出結果を記憶する記憶手段とを備え、前記通知手段は、前記メカキーにて前記ドアがアンロックされ、かつ前記ボンネットが開扉された場合で、前記ボンネットが開扉された時の前記バッテリーの電圧が所定値に達していない場合は前記ユーザーへの通知を中止し、前記バッテリーの電圧が所定値以上であった場合は前記ユーザーに通知することを特徴とする請求項4に記載のセキュリティー装置。
【請求項8】
バッテリーからの電源供給によって動作するものであり、メカキーによるロック、アンロック、及び携帯機から送信される信号によるロック、アンロックが可能なドアを有する車両のセキュリティー装置であって、
前記車両の異常を検出する異常検出手段と、
前記ドアがロックされた場合は前記異常検出手段の検出結果に基づいて前記車両の異常を監視する監視状態とすると共に、前記ドアがアンロックされた場合は前記監視状態を解除する設定手段と、
前記ドアのロック、アンロックが前記メカキーによってなされたか、前記携帯機から送信される信号を用いてなされたかを判定する判定手段と、
電池によって動作するものであり、前記バッテリーが取り外されたか否かを検出するバッテリー検出手段と、
電池によって動作するものであり、前記メカキーにて前記ドアがアンロックされ、かつ前記バッテリーが取り外された場合はユーザーに通知する通知手段と、
を備えることを特徴とするセキュリティー装置。
【請求項9】
前記バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段による検出結果を記憶する記憶手段とを備え、前記通知手段は、電池によって動作するものであり、前記メカキーにて前記ドアがアンロックされ、かつ前記バッテリーが取り外された場合で、前記バッテリーが取り外される前の前記バッテリーの電圧が所定値に達していない場合は前記ユーザーへの通知を中止し、前記バッテリーの電圧が所定値以上であった場合は前記ユーザーに通知することを特徴とする請求項8に記載のセキュリティー装置。
【請求項10】
警報を発生する警報手段を備え、前記設定手段は、前記監視状態において前記異常検出手段にて異常が検出されると前記警報手段にて警報を発生させることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のセキュリティー装置。
【請求項11】
前記異常検出手段は、前記車両の盗難を検出する盗難検出手段を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のセキュリティー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−149865(P2008−149865A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339218(P2006−339218)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】