説明

セキュリティ装置

【課題】施設内部者が外出中であっても来訪者に対する好適なセキュリティ解除を行うことが可能なセキュリティ装置を提供する。
【解決手段】セキュリティ装置50は、来訪者を撮像する撮像装置31aから送信された撮像結果を取得する撮像結果取得部51と、取得された生体情報が施設内部者生体情報記憶部60aに記憶された生体情報と一致するか否かに基づいて、来訪者が施設内部者であるか否かを判定する第一の判定部53と、来訪者が施設内部者ではないと判定された場合に、撮像結果を施設内部者の携帯端末70へ送信する撮像結果出力部54と、携帯端末70から送信されたセキュリティ解除許可信号を取得するセキュリティ解除許可信号取得部55と、セキュリティ解除許可信号が取得された来訪者の生体情報を来訪者生体情報記憶部60bに記憶させる来訪者生体情報更新部56と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設のゲートのセキュリティ解除を行うセキュリティ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設の来訪者に対してセキュリティ解除権を設定する際に、指紋等の生体情報を用いることが行われている。特許文献1に記載された集合住宅用インターホンシステムにおいて、集合住宅の住戸人ではない来訪者が来訪した際には、来訪者は集合玄関機のテンキー及び呼出ボタンを操作して来訪先の集合住宅用居室親機へ連絡する。集合住宅用居室親機への連絡を受けた住戸人は、来訪者の入場を許可する場合には、集合住宅用居室親機の電気錠解錠ボタンを押下する。入場が許可された来訪者は、自身の指紋を指紋読取装置に読み取らせ、その後、集合住宅用インターホンシステムの主制御回路は、読み取られた指紋に基づいて、来訪者は来客であるとみなし、来訪先の集合住宅用居室親機への呼出操作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−286976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の集合住宅用インターホンシステムでは、住戸人すなわち施設内部者が施設内にいない場合には、来訪者は施設内へ入場することができない。すなわち、施設内部者が外出中において来訪者に先に入場してもらいたい場合等には対応することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決すべく創案されたものであり、施設内部者が外出中であっても来訪者に対する好適なセキュリティ解除を行うことが可能なセキュリティ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明のセキュリティ装置は、施設のゲートのセキュリティ解除信号を出力するセキュリティ装置であって、来訪者を撮像する撮像装置から送信された撮像結果を取得する撮像結果取得部と、来訪者の生体情報を読み取る第一の生体情報読取装置から送信された生体情報を取得する第一の生体情報取得部と、施設内部者の生体情報が記憶されている施設内部者生体情報記憶部と、取得された生体情報が前記施設内部者生体情報記憶部に記憶された生体情報と一致するか否かに基づいて、前記来訪者が施設内部者であるか否かを判定する第一の判定部と、前記来訪者が施設内部者ではないと判定された場合に、前記撮像結果を施設内部者の携帯端末へ送信する撮像結果出力部と、前記携帯端末から送信された、施設内部者ではない前記来訪者に対するセキュリティ解除許可信号を取得するセキュリティ解除許可信号取得部と、前記セキュリティ解除許可信号が取得された前記来訪者の生体情報を来訪者生体情報記憶部に記憶させる来訪者生体情報更新部と、施設のゲートに対応して設けられた第二の生体情報読取装置から送信された生体情報を取得する第二の生体情報取得部と、前記第二の生体情報取得部から送信された生体情報が、前記セキュリティ解除許可信号が取得された前記来訪者の生体情報であるか否かを判定する第二の判定部と、前記第二の生体情報取得部から送信された生体情報が、前記セキュリティ解除許可信号が取得された前記来訪者の生体情報であると判定された場合に、前記施設のゲートのセキュリティ解除信号を出力するセキュリティ解除信号出力部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、施設内部者が外出中であっても来訪者に対する好適なセキュリティ解除を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るセキュリティ装置を備えるセキュリティシステムを模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るセキュリティ装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るセキュリティ装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
<セキュリティシステム>
図1に示すように、本発明の実施形態に係るセキュリティシステム1は、共用スペースである通路11と、この通路11に面する複数の部屋12(12A,12B)と、を備える施設10に適用されるシステムである。このセキュリティシステム1は、施設外10から通路11への出入口である扉21と、通路11から部屋12Aへの出入口である扉22(22A)と、通路11から部屋12Bへの出入口である扉22(22B)と、を備える。これらの扉21,22A,22Bは、特許請求の範囲における「ゲート」の一例であり、通常時にはヒトの通行を規制するように閉じられており、後記するセキュリティ装置50から出力されたセキュリティ解除信号に基づいて当該扉21,22A,22Bに設けられた電気錠を解錠することによってヒトの通行を許容するように構成されている。なお、本発明におけるゲートは、前記した扉21,22A,22Bに限定されず、エレベータ、シャッタ等、セキュリティ解除信号に基づいて制御されてヒトの移動を許容したり規制したりすることができるものであればよい。
【0011】
また、セキュリティシステム1は、扉21に対応して施設10の外側に設けられた撮像装置31a及び入力装置31bを有する施設外インターホン31をさらに備える。撮像装置31aは、来訪者を撮像し、撮像結果である来訪者画像を後記するセキュリティ装置50へ出力する。入力装置31bは、来訪者が押下した際に来訪信号を出力する来訪ボタンと、来訪者が部屋12の部屋番号を入力するためのテンキーと、を備える。
【0012】
また、セキュリティシステム1は、部屋12Aに設けられたモニタ32a及び入力装置32bを有する施設内インターホン32(32A)と、部屋12Bに設けられたモニタ32a及び入力装置32bを有する施設内インターホン32(32B)と、をさらに備える。モニタ32aは、撮像装置31aによって撮像された来訪者画像を表示するためものである。入力装置32bは、部屋12内の居住者が押下した際にセキュリティ解除許可信号をセキュリティ装置50へ出力する解錠ボタンを備えている。
【0013】
また、セキュリティシステム1は、複数の生体情報読取装置41,42,43(43A,43B),44(44A,44B)を備える。生体情報読取装置41は、扉21に対応して施設10の外側の壁面に設けられており、生体情報読取装置42は、扉21に対応して通路11の壁面に設けられており、生体情報読取装置43(43A,43B)は、扉22(22A,22B)に対応して通路11の壁面に設けられており、生体情報読取装置44(44A,44B)は、扉22(22A,22B)に対応して部屋12(12A,12B)の壁面に設けられている。これらの生体情報読取装置41,42,43,44は、手の指の指紋、静脈パターン等といった来訪者の生体情報を読み取り、読み取られた生体情報をセキュリティ装置50へ出力する。
【0014】
また、セキュリティシステム1は、セキュリティ装置50と、複数の携帯端末70(67A,70B)と、をさらに備える。セキュリティ装置50は、施設内部者ではない来訪者に対してセキュリティ解除権を設定するとともに、セキュリティ解除権が設定された来訪者に対して、当該来訪者の生体情報に基づいてセキュリティ解除信号を出力する装置であり、その詳細については後記する。携帯端末70(70A,70B)は、部屋12(12A,12B)の居住者(施設内部者)が所有する端末であり、例えば、携帯電話である。これらの携帯端末70は、インターネット等といったネットワークNWを介してセキュリティ装置50と通信可能に接続されている。
【0015】
<セキュリティ装置>
セキュリティ装置50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、入出力回路等から構成されており、図2に示すように、機能ブロックとして、撮像結果取得部51と、第一の生体情報取得部52と、第一の判定部53と、撮像結果出力部54と、セキュリティ解除許可信号取得部55と、来訪者生体情報更新部56と、第二の生体情報取得部57と、第二の判定部58と、セキュリティ解除信号出力部59と、記憶部60と、を備える。
【0016】
ここで、記憶部60は、施設内部者生体情報記憶部60aと、来訪者生体情報記憶部60bと、を備える。施設内部者生体情報記憶部60aは、施設内部者の生体情報と、当該施設内部者が居住している部屋12の部屋番号と、を関連付けて記憶するデータベースであり、来訪者生体情報記憶部60bは、施設内部者ではない来訪者の生体情報と、当該来訪者の来訪先の部屋12の部屋番号と、を関連付けて記憶するデータベースである。
【0017】
撮像結果取得部51は、撮像装置31aから出力された撮像結果を取得し、撮像結果出力部54へ出力する。
【0018】
第一の生体情報取得部52は、生体情報読取装置41から出力された生体情報を取得し、第一の判定部53へ出力する。
【0019】
第一の判定部53は、生体情報読取装置41から出力された生体情報に基づいて施設内部者生体情報記憶部60aを参照することによって、来訪者が施設内部者であるか否かを判定し、判定結果を撮像結果出力部54へ出力する。より詳細には、第一の判定部53は、生体情報読取装置41から出力された生体情報が施設内部者生体情報記憶部60aに記憶された生体情報と一致する場合には、来訪者は施設内部者であると判定し、生体情報読取装置41から出力された生体情報が施設内部者生体情報記憶部60aに記憶された生体情報と一致しない場合には、来訪者は施設内部者ではないと判定する。
【0020】
撮像結果出力部54は、撮像結果取得部51によって取得された撮像結果を部屋12の施設内インターホン32のモニタ32a、又は、部屋12の居住者である施設内部者の携帯端末70へ出力する。より詳細には、撮像結果出力部54は、第一の判定部53によって来訪者は施設内部者ではないと判定された場合には、撮像結果をモニタ32aへ出力する。その後、一定時間内に施設内インターホン32からの応答がない場合には、撮像結果出力部54は、撮像結果を携帯端末70へ出力する。撮像結果を携帯端末70へ出力する際には、撮像結果出力部54は、例えば電子メールに撮像結果を添付することによって出力することができる。
【0021】
セキュリティ解除許可信号取得部55は、撮像結果の出力先である施設外インターホン32の入力装置32b、又は、携帯端末70からセキュリティ解除許可信号を取得し、セキュリティ解除許可信号を取得した旨を来訪者生体情報更新部56へ通知する。携帯端末70からセキュリティ解除許可信号を取得する際には、例えば、施設内部者は、携帯端末70に送信された電子メールを携帯端末70のモニタに表示させ、かかる表示画面におけるYesボタンを選択して押下することによって、携帯端末70がセキュリティ解除許可信号を出力することができる。
【0022】
来訪者生体情報更新部56は、セキュリティ解除許可信号を取得した旨が通知された場合に、生体情報と(当該生体情報を有する来訪者に対してセキュリティ解除が許可された旨を示す)セキュリティ解除権とを関連付けて来訪者生体情報記憶部60bに記憶させる。
【0023】
第二の生体情報取得部57は、施設10内に設けられた生体情報読取装置42,43,44から出力された生体情報を取得し、第二の判定部58へ出力する。
【0024】
第二の判定部58は、第二の生体情報取得部57から出力された生体情報に基づいて来訪者生体情報記憶部60bを参照することによって、当該生体情報を有する来訪者に対して扉21,22のセキュリティを解除するか否かを判定し、判定結果をセキュリティ解除信号出力部59へ出力する。より詳細には、第二の判定部58は、生体情報読取装置42,43,44から出力された生体情報が来訪者生体情報記憶部60bに記憶された生体情報と一致する場合には、来訪者に対して生体情報読取装置42,43,44に対応する扉21,22のセキュリティを解除すると判定し、生体情報読取装置42,43,44から出力された生体情報が来訪者生体情報記憶部60bに記憶された生体情報と一致しない場合には、来訪者に対して生体情報読取装置42,43,44に対応する扉21,22のセキュリティを解除しないと判定する。
【0025】
セキュリティ解除信号出力部59は、第二の判定部58によってセキュリティを解除すると判定された場合に、対応する扉21,22へセキュリティ解除信号を出力する。
【0026】
<動作例>
続いて、本発明の実施形態に係るセキュリティ装置50の動作例について、図3のフローチャートを参照し、施設内部者ではない来訪者の生体情報を記憶するまでの動作例を中心に説明する(適宜図1及び図2参照)。
【0027】
施設10を来訪した来訪者が、施設外インターホン31の入力装置31bにおける来訪ボタンを押下すると、入力装置31bは、来訪者信号をセキュリティ装置50の第一の生体情報取得部52へ出力する。第一の生体情報取得部52は、来訪者信号を取得し、一定時間、来訪者生体情報の受信待ち状態となる(ステップS1)。
【0028】
ここで、来訪者が、施設10の入口である扉21近傍に設けられた生体情報読取装置41に自身の生体情報を読み取らせると、生体情報読取装置41は、読み取られた生体情報を第一の生体情報取得部52へ出力する。
【0029】
なお、第一の生体情報取得部52が来訪者信号を取得してから一定時間内に生体情報を取得しなかった場合には(ステップS2でNoかつステップS3でYes)、本フローは終了する。
【0030】
一定時間内に第一の生体情報取得部52が生体情報を取得すると(ステップS2でYes)、第一の判定部53が、施設内部者生体情報記憶部60aを参照することによって、生体情報が取得された来訪者が施設内部者であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0031】
来訪者が施設内部者である場合には(ステップS4でYes)、本フローは終了する。この場合には、セキュリティ解除信号出力部58は、セキュリティ解除信号を扉21へ出力する。
【0032】
一方、来訪者が施設内部者ではない場合において(ステップS4でNo)、来訪者が入力装置31bのテンキーを操作して来訪先の部屋22の部屋番号を入力すると、来訪先の部屋22の施設内インターホン32が呼び出される。続いて、部屋22内にいる施設内部者が、呼び出しを受けた施設内インターホン32を操作すると、施設内インターホン32が応答信号を出力する。
【0033】
一定時間内にセキュリティ装置50が応答信号を取得すると(ステップS5でYes)、撮像結果取得部51が撮像装置31aによる撮像結果を取得し(ステップS7)、撮像結果出力部54が、撮像結果を施設内インターホン32のモニタ32aへ出力する(ステップS8)。
【0034】
続いて、施設内部者がモニタ32aに映された撮像結果すなわち来訪者画像を確認し、施設内インターホン32の入力装置32bにおける解錠ボタンを押下すると、入力装置32bは、セキュリティ解除許可信号をセキュリティ装置50のセキュリティ解除許可信号取得部55へ出力する。
【0035】
一定時間内にセキュリティ解除許可信号取得部55がセキュリティ解除許可信号を取得すると(ステップS9)、来訪者生体情報更新部56は、来訪先の部屋番号と来訪者の生体情報とセキュリティ解除権とを関連付けて来訪者生体情報記憶部60bに記憶させる(ステップS11)。
【0036】
なお、撮像結果出力部54が撮像結果を出力してから一定時間内にセキュリティ解除許可信号を取得しなかった場合には(ステップS9でNoかつステップS10でYes)、本フローは終了する。
【0037】
一方、一定時間内にセキュリティ装置50が応答信号を取得しない場合には(ステップS5でNoかつステップS6でYes)、来訪先の施設内部者が部屋12にいないということなので、撮像結果取得部51が撮像装置31aによる撮像結果を取得し(ステップS12)、撮像結果出力部54が、撮像結果を施設内部者の携帯端末70へ出力する(ステップS13)。
【0038】
続いて、外出中の施設内部者が携帯端末70のモニタに移された撮像結果すなわち来訪者画像を確認し、携帯端末70を操作すると、携帯端末70は、セキュリティ解除許可信号をセキュリティ装置50のセキュリティ解除許可信号取得部55へ出力する。
【0039】
一定時間内にセキュリティ解除許可信号取得部55がセキュリティ解除許可信号を取得すると(ステップS14)、来訪者生体情報更新部56は、来訪先の部屋番号と来訪者の生体情報とセキュリティ解除権とを関連付けて来訪者生体情報記憶部60bに記憶させる(ステップS11)。
【0040】
なお、撮像結果出力部54が撮像結果を出力してから一定時間内にセキュリティ解除許可信号を取得しなかった場合には(ステップS14でNoかつステップS15でYes)、本フローは終了する。
【0041】
ステップS11の実行後、セキュリティ解除信号出力部59は、扉21へセキュリティ解除信号を出力する。来訪者は、扉21を開けて施設10内に入り、来訪先まで移動する。その際、来訪者は、来訪先までの間に存在する扉22に対応する生体情報読取装置43に自身の生体情報を読み取らせ、セキュリティ装置50は、かかる生体情報と来訪者生体情報記憶部60bに記憶された情報とに基づいて、セキュリティを解除するか否かを判定し、セキュリティ解除動作を行う。来訪者が来訪先から帰る場合には、来訪者は来訪先から施設10外までの間に存在する扉21,22に対応する生体情報読取装置43に自身の生体情報を読み取らせ、セキュリティ装置50は、かかる生体情報と来訪者生体情報記憶部60bに記憶された情報とに基づいて、セキュリティを解除するか否かを判定し、セキュリティ解除動作を行う。ここで、記憶部60には、部屋番号とセキュリティ解除権が付与される扉21,22との関係が予め記憶されており、第二の判定部58は、かかる関係を用いて来訪者が生体情報を読み取らせた生体情報読取装置42〜44に対応する扉21,22が来訪先に対応するものである場合に、当該扉21,22のセキュリティを解除すると判定することができる。
【0042】
なお、来訪者が来訪先とは関係ない扉22の生体情報読取装置43に自身の生体情報を読み取らせた場合には、セキュリティ装置50は、かかる扉22に対してセキュリティ解除信号を出力することはない。
【0043】
ここで、来訪者生体情報更新部56は、セキュリティ解除信号出力部59がセキュリティ解除信号を所定回数出力した場合(例えば、生体情報読取装置41〜44に対応して各扉21,22を1回ずつ)、又は、来訪者生体情報記憶部60bに来訪者の生体情報が記憶されてから所定時間経過した場合に、来訪者生体情報記憶部60bに記憶された来訪者の生体情報を削除する構成であってもよい。この場合には、施設内部者ではない来訪者に対するセキュリティ解除権を一時的なものに制限することができ、施設10のセキュリティを高めることができる。
【0044】
本実施形態に係るセキュリティ装置50は、施設内部者が外出中であっても施設内部者の携帯端末70へ撮像結果である来訪者画像を出力し、施設内部者が来訪者画像を確認してセキュリティを解除するか否かを決定することができるようにするので、来訪者に対する好適なセキュリティ解除を行うことできる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、施設内部者が外出する際に施設内インターホン32の入力装置32bを操作することによって、入力装置32bが、施設内部者が外出している旨を通知する信号をセキュリティ装置50へ出力する構成であってもよい。この場合には、セキュリティ装置50は、かかる信号を取得している場合には、施設内インターホン32のモニタ32aへ撮像装置31aによる撮像結果である来訪者画像を出力することなく、始めから携帯端末へ出力することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 セキュリティシステム
21,22,22A,22B 扉(ゲート)
31a 撮像装置
41 生体情報読取装置(第一の生体情報読取装置)
42,43,43A,43B,44,44A,44B 生体情報読取装置(第二の生体情報読取装置)
50 セキュリティ装置
51 撮像結果取得部
52 第一の生体情報取得部
53 第一の判定部
54 撮像結果出力部
55 セキュリティ解除許可信号取得部
56 来訪者生体情報更新部
57 第二の生体情報取得部
58 第二の判定部
59 セキュリティ解除信号出力部
60a 施設内部者生体情報記憶部
60b 来訪者生体情報記憶部
70,70A,70B 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設のゲートのセキュリティ解除信号を出力するセキュリティ装置であって、
来訪者を撮像する撮像装置から送信された撮像結果を取得する撮像結果取得部と、
来訪者の生体情報を読み取る第一の生体情報読取装置から送信された生体情報を取得する第一の生体情報取得部と、
施設内部者の生体情報が記憶されている施設内部者生体情報記憶部と、
取得された生体情報が前記施設内部者生体情報記憶部に記憶された生体情報と一致するか否かに基づいて、前記来訪者が施設内部者であるか否かを判定する第一の判定部と、
前記来訪者が施設内部者ではないと判定された場合に、前記撮像結果を施設内部者の携帯端末へ送信する撮像結果出力部と、
前記携帯端末から送信された、施設内部者ではない前記来訪者に対するセキュリティ解除許可信号を取得するセキュリティ解除許可信号取得部と、
前記セキュリティ解除許可信号が取得された前記来訪者の生体情報を来訪者生体情報記憶部に記憶させる来訪者生体情報更新部と、
施設のゲートに対応して設けられた第二の生体情報読取装置から送信された生体情報を取得する第二の生体情報取得部と、
前記第二の生体情報取得部から送信された生体情報が、前記セキュリティ解除許可信号が取得された前記来訪者の生体情報であるか否かを判定する第二の判定部と、
前記第二の生体情報取得部から送信された生体情報が、前記セキュリティ解除許可信号が取得された前記来訪者の生体情報であると判定された場合に、前記施設のゲートのセキュリティ解除信号を出力するセキュリティ解除信号出力部と、
を備えることを特徴とするセキュリティ装置。
【請求項2】
前記来訪者生体情報更新部は、前記セキュリティ解除信号出力部が前記セキュリティ解除信号を所定回数出力した場合、又は、前記来訪者生体情報記憶部に前記来訪者の生体情報が記憶されてから所定時間経過した場合に、前記来訪者生体情報記憶部に記憶された前記来訪者の生体情報を削除する
ことを特徴とする請求項1に記載のセキュリティ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−205091(P2010−205091A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51420(P2009−51420)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】