説明

セラミックヒータ、加熱装置、画像形成装置

【課題】セラミックヒータの、長手方向の温度分布の均一化を図る。
【解決手段】長尺板状のセラミック基板11の長手方向が幅で短手方向が長さの発熱抵抗体22と電力供給用の電極12,13を形成する。発熱抵抗体22の両端には、セラミック基板11上に形成された配線パターン14,15を接続する。電極12に形成されたスルーホール181と配線パターン14の長手方向の両端側と中央に形成されたスルーホール182〜184とを接続パターンを介してそれぞれ接続する。電極13に形成されたスルーホール191と配線パターン15の長手方向の両端側と中央に形成されたスルーホール192〜194とを接続パターンを介してそれぞれ接続する。電極12とスルーホール182〜184を接続する接続パターンの抵抗値を同じようにし、電極13とスルーホール192〜194を接続する接続パターンの抵抗値を同じようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報機器、家電製品や製造設備などの小型機器類に装着されて用いられる薄型のセラミックヒータおよびこのセラミックヒータを実装したプリンタ、複写機、ファクシミリやリライタブルカードリーダライタなどの加熱装置ならびにこの加熱装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセラミックヒータは、セラミック基板の長手方向が幅で短手方向が長さの発熱抵抗体の発熱を、セラミック基板の長手方向に対して均一にするために、発熱抵抗体の長さ方向両端は、配線パターンにそれぞれ接続している。電極から配線パターンに電力を供給させる場合に、複数のスルーホールを用いて配線パターンと電極とを接続することで電流の傾きを小さくすることで、セラミック基板の長手方向の発熱量の均一化が図られている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−311135公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の技術は、電力が供給される電極から配線パターンに形成された各スルーホールとの距離の違いによる抵抗値に違いで温度分布の傾きが生じ、ヒータ全体としては長手方向の温度分布に傾きが生じてしまう、という問題があった。
【0005】
この発明の目的は、長手方向の温度分布の均一化を図ることが可能なセラミックヒータ、このヒータを用いた加熱装置、この加熱装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、この発明の請求項1のセラミックヒータは、長尺平板状の耐熱性で絶縁性のセラミック基板と、前記セラミック基板上の短手方向が長さで長手方向が幅の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の長手方向両端に沿って形成し、前記発熱抵抗体の両端と接続した第1および第2の配線パターンと、前記セラミック基板上の一端側にそれぞれ形成し、電力が供給される第1および第2の電極と、前記発熱抵抗体が形成された反対面に形成された接続パターンに、前記第1の電極と前記第2の配線パターンの複数箇所を、前記発熱抵抗体が形成された反対面に形成された接続パターンに、前記第2の電極と前記第2の配線パターンの複数箇所を、それぞれ接続するスルーホールと、前記発熱抵抗体を保護する絶縁性のオーバーコート層と、を具備し、前記第1および第2の電極から複数の前記スルーホールに接続させる接続パターンは、同じ抵抗値となるように設定したことを特徴とする。
【0007】
この発明の加熱装置は、請求項1〜6の何れかに記載のセラミックヒータと、前記セラミック基板に対向配置し、該セラミック基板を圧接するように回転可能に支持された加圧ローラと、前記セラミック基板と前記加圧ローラとの間を設けられ、前記加圧ローラの回転に伴い前記セラミック基板上を摺動する定着フィルムと、を具備したことを特徴とする。
【0008】
この発明の画像形成装置は、媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、画像が形成された用紙を加圧ローラにより定着フィルムを介して前記ヒータに圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項7記載の加熱装置と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、セラミックヒータの、長手方向の温度分布の均一化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明のセラミックヒータに関する第1の実施形態について説明するための、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】図1のIa−Ib線断面図である。
【図3】図1のIc−Id線断面図である。
【図4】図1のIe−If線断面図である。
【図5】この発明の効果について説明するために模式的に示した説明図である。
【図6】この発明のセラミックヒータに関する第2の実施形態について説明するための図1(b)に相当する背面図である。
【図7】この発明のセラミックヒータの第3の実施形態について説明するための図1(b)に相当する背面図である。
【図8】図7のIIa−IIb線断面図である。
【図9】この発明の加熱装置に関する一実施形態について説明するための説明図である。
【図10】この発明の画像形成装置に関する一実施形態について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1〜図4は、この発明のセラミックヒータに関する第1の実施形態について説明するための、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図、図2は図1のIa−Ib線の断面図、図3は図1のIc−Id線の断面図、図4は図1のIe−If線の断面図である。
【0013】
以下の各実施形態において、この実施形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0014】
まず、図1(a)において、11は、厚みが0.5mm〜1.0mm程度の耐熱、電気絶縁性材料で、高い熱伝導性を有する例えばアルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)等の高剛性のセラミック製の平板短冊状のセラミック基板である。セラミック基板11の長手方向の一端側に形成された12,13は、それぞれ銀系等を主体とする良導電体膜からなる給電用の電極である。14,15は、セラミック基板11の長手方向の両側に非接触状態で並行させ、銀(Ag)の含有率が90wt%以上の材料で形成された配線パターンである。
【0015】
電極12,13および配線パターン14,15は、セラミック基板11長手方向の片側の面に別々の状態でそれぞれが形成する。これら電極12,13および配線パターン14,15は、導電ペーストをセラミック基板11上に塗り、これを焼成することによりセラミック基板11上に固着させた状態で形成することができる。
【0016】
図1(b)に示すように、配線パターン14の長手方向とセラミック基板11を挟んで対向する位置には、電極12と配線パターン14を接続させるための接続パターン16を形成する。同様に、配線パターン15の長手方向とセラミック基板11を挟んで対向する位置には、電極13と配線パターン15を接続させるための接続パターン17を形成する。
【0017】
そして、図2〜図4にも示すように、電極12と接続パターン16はスルーホール181を介して電気的に接続する。電極13と接続パターン17はスルーホール191を介して電気的に接続する。さらに、配線パターン14の長手方向には、電極12と近い位置と中間と遠い位置にそれぞれスルーホール182〜184がそれぞれ形成される。配線パターン15の長手方向には、電極13と近い位置と中間と遠い位置にそれぞれスルーホール192〜194がそれぞれ形成される。
【0018】
スルーホール182の配線パターン14形成面の反対側は、接続パターン201を介して接続パターン16に一体的に接続する。スルーホール183の配線パターン14形成面の反対側は、接続パターン202を介して接続パターン16に一体的に接続される。スルーホール184の配線パターン14形成面の反対側は、接続パターン203を介して接続パターン16に一体的に接続する。
【0019】
ここで、スルーホール182から電極12までの抵抗をR1、スルーホール183から電極12までの抵抗をR2、スルーホール184から電極12までの抵抗をR3とした場合、R1〜R3の抵抗値は、R1=R2=R3の関係となるように接続パターン201〜203の長さを調整する。具体的には、接続パターン201〜203の幅と厚みが同じ場合は、その長さは201>202>203の関係となる。
【0020】
スルーホール192の配線パターン15形成面の反対側は、接続パターン211を介して接続パターン17に一体的に接続される。スルーホール193の配線パターン15形成面の反対側は、接続パターン212を介して接続パターン17に一体的に接続する。スルーホール194の配線パターン15形成面の反対側は、接続パターン213を介して接続パターン17に一体的に接続する。
【0021】
ここで、スルーホール192から電極13までの抵抗をR1’、スルーホール193から電極13までの抵抗をR2’、スルーホール194から電極12までの抵抗をR3’とした場合、R1’〜R3’の抵抗値は、R1’=R2’=R3’の関係となるように接続パターン201〜203の長さを調整する。具体的には、接続パターン211〜213の幅と厚みを同じとした場合は、その長さは211>212>213の関係となる。
【0022】
接続パターンの抵抗値R1とR1’、抵抗値R2とR2’、抵抗値R3とR3’は、それぞれ同じ値となるように長さが設定されている。
【0023】
22は、配線パターン14,15との間のセラミック基板11の長手方向に沿って平行に形成された比較的抵抗値の高い酸化ルテニウム(RuO)等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷した後、高温で焼成して所定の抵抗値を有する膜厚が10μm程度の幅広の発熱抵抗体である。
【0024】
配線パターン14および発熱抵抗体22と配線パターン15と発熱抵抗体22は、図3、図4に示すように、一部が重層形成されている。この場合の重層部分は、発熱抵抗体22を配線パターン14,15に対して上側に配置する関係にしてある。この関係は逆でも構わない。
【0025】
23は、配線パターン14,15および発熱抵抗体22を覆うように形成され、ガラス層厚が20μm〜100μm程度で、熱伝導率が例えば2W/m・K以上のアルミナ等熱伝導性の優れた無機酸化物フィラーを25wt%〜35wt%加えることで、摺動性を向上させたガラス等のオーバーコート層である。オーバーコート層23は、配線パターン14,15および発熱抵抗体22を機械的、化学的、電気的に保護する。
【0026】
ここで、電極12からスルーホール181、接続パターン16,201、スルーホール182、配線パターン14を介して発熱抵抗体22の一方に、電極12からスルーホール181、接続パターン16,202、スルーホール183、配線パターン14を介して発熱抵抗体22の一方に、電極12からスルーホール181、接続パターン16,203、スルーホール184、配線パターン14を介して発熱抵抗体22の一方にそれぞれ電力の一方が供給される。
【0027】
また、電極13からスルーホール191、接続パターン17,211、スルーホール192、配線パターン15を介して発熱抵抗体22の他方に、電極13からスルーホール191、接続パターン17,212、スルーホール193、配線パターン15を介して発熱抵抗体22の他方に、電極13からスルーホール191、接続パターン17,213、スルーホール194、配線パターン15を介して発熱抵抗体22の他方にそれぞれ電力の他方が供給される。
【0028】
セラミック基板11の短手方向が長さの発熱抵抗体22の両端に電力が通電されると、発熱抵抗体22は発熱される。
【0029】
このとき、電極12とスルーホール182〜184の各ポイントまでの抵抗R1〜R3が同値で、電極13とスルーホール192〜194の各ポイントまでの抵抗R1’〜R3’が同値であることから、セラミック基板11の長手方向における均一な発熱分布を得ることができる。
【0030】
さらに、通紙側の配線パターン14,15は、同形状であることから、通紙により配線パターン14,15の温度変化にともなうセラミック基板11の長手方向の抵抗値の変動も抑えることが可能となり、通紙状態下においても確実にセラミック基板11の長手方向における均一な発熱分布の実現が可能となる。
【0031】
図5は、この発明の効果について説明するために模式的に示した説明図である。
図5に示すように、従来のセラミックヒータは電極に近い側と遠い側との接続パターンの長さの違い、換言すれば抵抗値の違いにより温度分布に傾きが生じるが、この発明の場合のセラミックヒータの場合は、電極に近い側と遠い側との接続パターンの長さの違いをなくしたことで、温度分布の傾きを解消しセラミックヒータの長手方向の温度分布の均一化を実現している。
【0032】
この実施形態では、セラミック基板の長手方向における温度分布の均一化を図ることができるとともに、この温度分布を均一化する手段を通紙面と反対側に施していることから通紙にともなう温度分布の変化の影響を抑えることが可能となる。
【0033】
図6は、この発明のセラミックヒータに関する第2の実施形態について説明するための、図1(b)に相当する背面図である。なお、図6の正面図は図1(a)と同様の構成となっている。
【0034】
この実施形態は、スルーホール182〜184と接続パターン16との接続パターン51〜53の幅を異ならせるとともに、スルーホール192〜194と接続パターン17との接続パターン54〜56の幅を異ならせたものである。
【0035】
接続パターン51〜53の幅は、51>52>53とした。これにより、電極12からスルーホール182、スルーホール183、スルーホール184までの接続パターンの抵抗を同じような値に設定することができる。
【0036】
同様に、接続パターン54〜56の幅は、54>55>56とした。電極13からスルーホール192、スルーホール193、スルーホール194までの接続パターンの抵抗を同じような値に設定することができる。
【0037】
そして、電極12からスルーホール182までの抵抗値R1と電極13からスルーホール192までの抵抗値R1’をR1=R1’とし、電極12からスルーホール183までの抵抗値R2と電極13からスルーホール193までの抵抗値R2’をR2=R2’とし、電極12からスルーホール184までの抵抗値R3と電極13からスルーホール194までの抵抗値R3’をR3=R3’とする。なお、R1=R2=R3となるように設定する。
【0038】
これにより、電極12からスルーホール182〜184までの抵抗値と電極12からスルーホール182〜184までの抵抗値はそれぞれ同様の値に設定できる。このため、電極12,13に電力が供給された場合に、発熱抵抗体22に発生する温度分布は、セラミック基板11の長手方向に対して均一化された温度分布を得ることができる。
【0039】
図7、図8は、この発明のセラミックヒータの第3の実施形態について説明するための、図7は図1(b)に相当する背面図、図8は図7のIIa−IIb線断面図である。なお、図7の正面図は図1(a)と同様の構成となっている。
【0040】
この実施形態は、接続パターン16からスルーホール182〜184までの接続パターン61〜63の幅を同じにし、厚みを漸次厚くなるようにし、さらに、接続パターン61〜63の厚みを、61>62>63の関係とした。同様に、接続パターン17からスルーホール192〜194までの接続パターン64〜66の幅を同じにし、厚みを漸次厚くなるようにし、さらに、接続パターン64〜66の厚みを、64>63>64の関係とした。
【0041】
そして、電極12からスルーホール182までの抵抗値R1と電極13からスルーホール192までの抵抗値R1’をR1=R1’とし、電極12からスルーホール183までの抵抗値R2と電極13からスルーホール193までの抵抗値R2’をR2=R2’とし、電極12からスルーホール184までの抵抗値R3と電極13からスルーホール194までの抵抗値R3’をR3=R3’とする。なお、R1=R2=R3となるように設定する。
【0042】
この場合も、電極12からスルーホール182〜184までの抵抗値と電極12からスルーホール182〜184までの抵抗値は、それぞれ同じような値に設定できるため、電極12,13に電力が供給された場合の発熱抵抗体22に発生する温度分布は、セラミック基板11の長手方向に対して均一化が図られた温度分布を得ることができる。
【0043】
この発明のセラミックヒータは、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、図6、図7の実施形態ではスルーホールと接続パターン16,17とを接続させるための接続パターンの幅を変えたり、幅を同じにして厚みを変えたりしたが、スルーホールと接続パターン16,17を接続する接続パターンとして抵抗値の異なる材料を使用することで電極と各スルーホール間の抵抗値を合わせ込んだ場合でもこれらの実施形態と同様の効果を奏する。
【0044】
図9は、この発明の加熱装置に関する一実施形態について説明するための上記したセラミックヒータ100をヒータ支持体に取り付けたヒータユニットを加熱装置300に実装した場合の断面図である。図中100については、図1〜図4で説明したセラミックヒータであり、同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0045】
図9において、301は、ポリイミド樹脂等の耐熱性のフィルムをロール状にして循環自在に巻装された円筒状の定着フィルムである。この定着フィルム301は、支持体302の底部にセラミックヒータ100を固着させ、セラミックヒータ100に電力を供給させ、加熱したセラミックヒータ100に形成されたオーバーコート層21に圧接加熱しながら移動させる。
【0046】
303は、その表面に耐熱性弾性材料である、たとえばシリコーンゴム層304が嵌合してある加圧ローラであり、加圧ローラ303の回転軸305と対向してセラミックヒータ100が、定着フィルム301と並置して図示しない基台内に取り付けられている。加圧ローラ303は、定着フィルム301と相互に圧接させることで、発熱抵抗体20と加圧ローラ303とで形成されるニップ部Nを形成するとともに、作動時にはそれぞれを矢印の方向に回転させる。
【0047】
このとき、オーバーコート層20上に配置された定着フィルム301面とシリコーンゴム層304との間で、トナー像To1がまず定着フィルム301を介してセラミックヒータ100により加熱溶融され、少なくともその表面部は融点を大きく上回り完全に軟化して溶融する。この後、加圧ローラ303の用紙排出側では複写用紙Pがセラミックヒータ100から離れ、トナー像To2は自然放熱して再び冷却固化し、定着フィルム301も複写用紙Pから離反される。
【0048】
この実施形態では、セラミックヒータの発熱抵抗体の全域の温度分布の均一化が図れることから加熱むらの発生を防止することが可能となる。
【0049】
次に、図10を参照しながら、この発明の加熱装置300が搭載された複写機を例に挙げた場合の、この発明の画像形成装置について説明する。図中、加熱装置300の部分は、図9で説明したもの同じであり、同一部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
図10において、401は複写機400の筐体、402は筐体401の上面に設けられたガラス等の透明部材からなる原稿載置台で、矢印Z方向に往復動作させて原稿P1を走査する。
【0051】
筐体401内の上方向には光照射用のランプと反射鏡とからなる照明装置402が設けられており、この照明装置402により照射された原稿P1からの反射光源が短焦点小径結像素子アレイ403によって感光ドラム404上スリット露光される。なお、この感光ドラム404は矢印方向に回転する。
【0052】
また、405は帯電器で、例えば酸化亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層が被覆された感光ドラム404上に一様に帯電を行う。この帯電器405により帯電された感光ドラム404には、結像素子アレイ403によって画像露光が行われた静電画像が形成される。この静電画像は、現像器406による加熱で軟化溶融する樹脂等からなるトナーを用いて顕像化される。
【0053】
カセット407内に収納されている複写用紙Pは、給送ローラ408と感光ドラム404上の画像と同期するタイミングをとって上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラ409によって、感光ドラム404上に送り込まれる。そして、転写放電器410によって感光ドラム404上に形成されているトナー像は複写用紙P上に転写される。
【0054】
その後、感光ドラム404上から離れた用紙Pは、搬送ガイド411によって加熱装置300に導かれて加熱定着処理された後に、トレイ412内に排出される。なお、トナー像が転写された後、感光ドラム404上の残留トナーはクリーナ413を用いて除去される。
【0055】
加熱装置300は、複写用紙Pの移動方向と直交する方向に、この複写機400が複写できる最大判用紙の幅(長さ)に合わせた有効長、すなわち最大判用紙の幅(長さ)より長い発熱抵抗体を備えたセラミックヒータ100が、加圧ローラ303の外周に取り付けられたシリコーンゴム層304に加圧された状態で設けられている。
【0056】
そして、セラミックヒータ100と加圧ローラ303との間を送られる用紙P上の未定着トナー像T1は、発熱抵抗体20の熱を受け溶融して複写用紙P面上に文字、英数字、記号、図面等の複写像を現出させる。
【0057】
この実施形態では、セラミックヒータの長手方向の温度分布の均一化を図ることで、定着むらが防止することが可能となる。
【0058】
セラミックヒータの用途としては、複写機等の画像形成装置の定着用に用いたが、これに限らず、家庭用の電気製品、業務用や実験用の精密機器や化学反応用の機器等に装着して加熱や保温の熱源としても使用できる。
【符号の説明】
【0059】
11 セラミック基板
12,13 電極
14,15 配線パターン
16,17,201〜203,211〜213 接続パターン
181〜184,191〜194 スルーホール
22 発熱抵抗体
23 オーバーコート層
100 セラミックヒータ
300 加熱装置
301 定着フィルム
303 加圧ローラ
400 複写機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺平板状の耐熱性で絶縁性のセラミック基板と、
前記セラミック基板上の短手方向が長さで長手方向が幅の発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体の長手方向両端に沿って形成し、前記発熱抵抗体の両端と接続した第1および第2の配線パターンと、
前記セラミック基板上の一端側にそれぞれ形成し、電力が供給される第1および第2の電極と、
前記発熱抵抗体が形成された反対面に形成された接続パターンに、前記第1の電極と前記第2の配線パターンの複数箇所を、前記発熱抵抗体が形成された反対面に形成された接続パターンに、前記第2の電極と前記第2の配線パターンの複数箇所を、それぞれ接続するスルーホールと、
前記発熱抵抗体を保護する絶縁性のオーバーコート層と、を具備し、
前記第1および第2の電極から複数の前記スルーホールに接続させる接続パターンは、同じ抵抗値となるように設定したことを特徴とするセラミックヒータ。
【請求項2】
前記接続パターンは、前記電極と前記スルーホールまでの抵抗値が同じになるように接続パターンの長さを設定したことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
【請求項3】
前記接続パターンは、前記電極と前記スルーホールまでの抵抗値が同じになるように、前記接続パターン幅を設定したことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
【請求項4】
前記接続パターンは、前記電極と前記スルーホールまでの抵抗値が同じになるように、前記接続パターン幅を設定したことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
【請求項5】
前記接続パターンは、前記電極と前記スルーホールまでの抵抗値が同じになるように、前記接続パターンの厚みを漸次変更するようにしたことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
【請求項6】
前記接続パターンは、前記電極と前記スルーホールまでの抵抗値が同じになるように、前記接続パターンの抵抗値を変更したことを特徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のセラミックヒータと、
前記セラミック基板に対向配置し、該セラミック基板を圧接するように回転可能に支持された加圧ローラと、
前記セラミック基板と前記加圧ローラとの間を設けられ、前記加圧ローラの回転に伴い前記セラミック基板上を摺動する定着フィルムと、を具備したことを特徴とする加熱装置。
【請求項8】
媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させてこのトナーを用紙に転写して所定の画像を形成する形成手段と、
画像が形成された用紙を加圧ローラにより定着フィルムを介して前記ヒータに圧接しながら通過させることによって、トナーを定着するようにした請求項7記載の加熱装置と、を具備したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−29087(P2011−29087A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175780(P2009−175780)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】