説明

セラミック加熱器及びセラミック加熱器に熱電対を固定する方法

活性鑞材(32)によってセラミック基板(12)に直接接合されたビード(26)の形態の熱接点即ち測定接点を有する熱電対(16)を備えたセラミック加熱器(10)が提供される。別法としては、セラミック基板(12)上に金属化層(42)が形成され、通常の鑞材によって熱電対のビード(26)が金属化層(42)に直接接合される。セラミック基板にビードが直接接合されるため、ビードの温度はセラミック加熱器の温度をほぼ瞬時に反映し、したがって熱電対はセラミック加熱器の温度をより正確に測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は広い意味で言えば電熱器に関するものであり、より詳細にはセラミック加熱器及びこのセラミック加熱器に熱電対を固定する方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
この「背景技術」における記載は、本開示に関連する背景情報を提供するものにすぎず、従来技術を構成しない。
【0003】
通常、典型的なセラミック加熱器は、セラミック基板、及びこのセラミック基板内に埋め込まれ、或いはセラミック基板の外面に固定された抵抗発熱体を備えている。セラミック材料はその熱伝導率が優れているため、抵抗発熱体によって生成された熱を、セラミック基板の近傍に配置された対象物に速やかに伝達させることができる。
【0004】
しかしながら、セラミック材料と金属材料との濡れ性が悪いため、セラミック材料を金属材料に結合することは困難であることが知られている。セラミック材料及び金属材料の多くは濡れ性に劣るため、溶融金属が毛細管圧力に打ち勝ってセラミック材料の細孔へ流入することは難しい。また、セラミック材料と金属材料との熱膨張率の差が大きいため、セラミック材料と金属材料との接合を高温に維持することが困難である。
【0005】
したがって、通常、セラミック加熱器に使用される熱電対は、金属シースを介してセラミック基板に取り付けられる。セラミック加熱器の温度を測定するための熱電対の熱接点即ち測定接点は、金属シース内に収納され、金属シースに溶接され、この金属シースがセラミック基板に固定される。通常、シースは、ばね式デバイスなどの機械的な取付け具によってセラミック基板の近傍に配置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セラミック加熱器に熱電対を固定する従来の方法は、セラミック基板の温度を直接測定するのではなく、熱電対を使用して金属シースの温度を測定するため、温度応答が遅くなるという欠点がある。また、シースの熱容量が大きいため、熱電対の温度変化がさらに遅くなる傾向がある。したがって、熱電対による正確な温度測定は、金属シースの熱特性に依存している。セラミック加熱器が極めて速い速度で昇温される場合、金属シースがセラミック基板の温度変化に迅速に応答しなければ、熱電対はセラミック加熱器の温度を瞬時に正確に測定することはできない。したがって、比較的大きな電力密度で電力が供給され、比較的速い速度で昇温されるセラミック加熱器の場合、「オーバシューティング」が生じることがある。この「オーバシューティング」は、パラメータがより小さい値から最終値を超えてより大きい値へ変化する際のパラメータの望ましくない制御を意味している。セラミック加熱器は、昇温プロファイル全体にわたって温度を正確に測定し、制御することができないため、場合によっては温度が目標温度を超えて上昇し、そのために対象物を不要に加熱することになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一形態では、セラミック基板と、セラミック基板の温度を測定するための少なくとも1つの熱電対とを備えたセラミック加熱器が提供される。少なくとも1つの熱電対は、セラミック基板に直接接合された接点を備えている。
【0008】
他の形態では、セラミック加熱器は、少なくとも1つの凹部を形成しているセラミック基板と、セラミック基板に埋め込まれた抵抗発熱体と、少なくとも1つの熱電対と、活性鑞材とを備えている。熱電対は、遠位端部を形成する一対の線を含み、遠位端部の近傍に配置された接点を有している。接点は凹部に配置される。活性鑞材も凹部に配置され、少なくとも1つの熱電対の接点と接触する。
【0009】
さらに他の形態では、接点を形成する一対の線を含む熱電対をセラミック基板に固定する方法が提供される。この方法には、熱電対の接点をセラミック基板に直接接合する段階が含まれる。
【0010】
さらに他の形態では、一対の線を含む熱電対をセラミック基板に固定する方法が提供される。この方法は、接点を形成するために熱電対の線を溶接する段階と、セラミック加熱器基板の表面を洗浄する段階と、セラミック加熱器基板の表面に活性鑞材を付加する段階と、活性鑞材上に接点を配置する段階と、活性鑞材を乾燥させる段階と、真空チャンバ内で活性鑞材を加熱する段階と、所定の時間の間、活性鑞材を真空チャンバ内で所定温度に維持する段階と、室温まで冷却する段階とが含まれる。
【0011】
適用可能な他の分野については、本明細書の説明から明らかになるであろう。以下の説明及び特定の実施例は、単に説明を目的としたものにすぎず、本開示の範囲を制限するものではないことを理解されたい。
【0012】
本明細書において説明する図面は、単に説明を目的としたものにすぎず、本開示の範囲を何ら制限するものではない。
【0013】
対応する符号示は、いくつかの図面を通して、対応する部品を表している。
【実施例】
【0014】
以下の説明は、単に純然たる例示的なものにすぎず、本開示、適用例又は用法を制限するものではない。すべての図面を通して、対応する符号は、同様又は対応する部品及び特徴を表していることを理解されたい。
【0015】
図1〜図3を参照すると、本開示の教示に従って構成されたセラミック加熱器が、一括して符号10により示されている。セラミック加熱器10は、セラミック基板12、セラミック基板12に埋め込まれた抵抗発熱体14(破線で示されている)及び熱電対16を備えている。抵抗発熱体14は、2つの端子パッド18(破線で示されている)で終端しており、抵抗発熱体14を電力源(図示せず)に接続するためのリード線(図示せず)が端子パッド18に取り付けられている。セラミック基板12は、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)又は窒化ケイ素(Si)でできていることが好ましい。しかしながら、これらの材料は例示的なものにすぎず、本開示の範囲を逸脱することなく他のセラミック材料の使用も可能であることを理解されたい。抵抗発熱体14には、当分野で知られている任意のタイプの抵抗発熱体を使用でき、一例として、とりわけ抵抗コイル又は抵抗フィルムなどがある。図に示されている抵抗発熱体14は、セラミック基板12に埋め込まれているが、本開示の原理を逸脱することなくセラミック基板12の外面に抵抗発熱体14を配置することも可能である。
【0016】
熱電対16は、セラミック基板12に固定されており、セラミック加熱器10が動作している間、セラミック基板12の温度を測定するために、熱電対16は凹部20に配置されることが好ましい。セラミック基板12の寸法及び抵抗発熱体14の構造に応じて、本発明の範囲を逸脱することなく複数の熱電対16をセラミック加熱器10に取り付けることができる。例えば、セラミック加熱器10が複数の加熱ゾーン(図示せず)を有している場合、その複数の加熱ゾーンを個々に測定し、制御するために、場合によっては、セラミック加熱器10は、その複数の加熱ゾーンに対応する複数の熱電対16を有していることが好ましい。
【0017】
図2により明確に示されるとおり、熱電対16は、異種金属でできた一対の導電線22を含んでいる。導電線22は遠位端24を有し、遠位端24は、一体に溶接され、したがってビード26を形成していることが好ましい。さらに、熱電対16は、コントローラ又は他の温度処理デバイス/回路(図示せず)に接続するように適合された近位端28を有しており、したがって、導電線22、ビード26及びコントローラが電気回路を形成している。ビード26は、熱接点即ち測定接点として機能し、セラミック基板12の近傍に配置される。近位端28は、冷接点即ち基準接点として機能する。セラミック基板12の温度、ひいてはビード26の温度が上昇すると、電気回路の両端間に電圧が生成される。電気回路の両端間のこの電圧を測定することにより、ビード26と冷接点との間の温度差を決定でき、したがってビード26の温度、ひいてはセラミック基板12の温度が得られる。
【0018】
さらに、熱電対16は、一対の絶縁スリーブ30を備えていることが好ましい。図4により明確に示されるように、絶縁スリーブ30は導電線22を覆っており、導電線22の遠位端24の一部が、ビード26を形成するために絶縁スリーブ30から突出している。絶縁スリーブ30は、導電線22を絶縁し、保護している。絶縁スリーブ30は、セラミック材料、有機結合ガラス繊維又は重合体系絶縁材料でできていることが好ましい。
【0019】
熱電対16には、とりわけ、K型、J型、T型、R型、C型又はB型の熱電対を使用できる。これらの型の熱電対は、導電線の組成によって特徴付けられており、感度が異なり、異なる温度範囲に適している。例えば、クロメル(Ni−Cr合金)線及びアルメル(Ni−Al合金)線を含むK型熱電対は、温度範囲が約200℃〜約1200℃、感度が約41μV/℃の汎用熱電対である。R型熱電対は貴金属線を含み、すべての熱電対のうちで最も安定しているが、感度が比較的小さい(約10μV/℃)。B型熱電対は、白金線及びロジウム線を含み、約1800℃までの高温測定に適している。
【0020】
図4に明確に示されるように、ビード26はセラミック基板12の凹部20に配置される。凹部20には、活性鑞材32が実質的に充填されており、ビード26を取り囲んでビード26をセラミック基板12に固定する。ビード26は、本開示の範囲を逸脱することなく凹部20の内部表面34に直接接触させることができ、或いは活性鑞材32で完全に取り囲むこともできることを理解されたい。
【0021】
別法としては、図5に示されるとおり、ビード26は、上記で説明した凹部20の中ではなく、セラミック基板12の外面36に接合される。熱電対16のビード26は、活性鑞材32と接触していることが好ましく、また、活性鑞材32は、セラミック基板12の外面36と接触していることが好ましい。この場合も、ビード26は、本開示の範囲を逸脱することなく凹部20の内部表面34に直接接触させることができ、或いは活性鑞材32で完全に取り囲むこともできることを理解されたい。活性鑞材32は、活性硬鑞であることが好ましい。好ましい活性硬鑞には、Wesgo(登録商標)社が販売しているTicusil(登録商標)合金(Ag−Cu−Ti合金)、Wesgo(登録商標)社が販売しているsilver−ABA(登録商標)合金(Ag−Ti合金)、Au−Ni−Ti合金及びAu−Ti合金がある。
【0022】
次に図6を参照して、本開示の教示による、セラミック基板12に熱電対16を固定する方法について説明する。本明細書において示され、説明される工程の順序は、本発明の範囲を逸脱することなく変更でき、したがってこれらの工程は、本開示の単なる例示的一形態にすぎないことを理解されたい。最初に、熱電対16を接合させるべきセラミック基板12の表面を洗浄する。この表面は、上記で説明したように、凹部20の内部表面34であっても、或いはセラミック基板12の外面36であってもよい。超音波洗浄器及びアセトン又はアルコールを使用して、表面に付着した塵粒子及び油脂を除去することが好ましい。熱電対16の導電線22の遠位端24を溶接して、熱接点即ち測定接点として機能することになるビード26を形成する。
【0023】
次に、凹部20又はセラミック基板12の外面36に活性鑞材32を付加して、引き続いて活性鑞材32上に熱電対16のビード26を配置する。活性鑞材32は、ペースト又は箔の形態で付加することが好ましいが、本開示の範囲を逸脱することなく他の形態で使用することも可能である。ペースト状の活性鑞材32を付加する場合、活性鑞材32を付加する前にビード26を凹部20に挿入することができ、したがってビード26をセラミック基板12つまり凹部20の内部表面34に直接接触させることができる。また、活性鑞材ペーストを乾燥させるための乾燥工程を使用することが好ましい。この乾燥工程は、ペースト中の溶媒を蒸発させるだけの十分な時間、室温で実施することが好ましい。
【0024】
次に、加熱のために、熱電対16とともにセラミック基板12を真空チャンバ(図示せず)に配置する。真空は、加熱工程の間、約5×10−6torr未満の圧力に制御することが好ましい。活性鑞材32及びビード26を約950℃〜約1080℃に加熱する。所望の温度に到達すると、約5分〜約60分の間、その温度を維持する。一形態によれば、活性鑞材32を、約950℃に加熱して、加熱工程の間、約15分間にわたってこの温度を維持する。
【0025】
加熱工程が終了すると、活性鑞材32を凝固させるために真空チャンバを室温まで冷却する。活性鑞材32が凝固すると、熱電対16のビード26がセラミック基板12に直接接合される。
【0026】
図7を参照すると、本開示の教示による他の方法によって熱電対が固定されたセラミック加熱器が、一括して符号40で示されている。セラミック加熱器40は、セラミック基板12と熱電対16との接続を除き、図3〜図5に示されているセラミック加熱器10の構造に類似した構造を有している。以下の説明では、対応する符号は、同様又は対応する部品及び図1〜図5に関連して上記で説明した特徴を表している。
【0027】
図7は、熱電対16のビード26がセラミック基板12の凹部20に配置されていることを示している。凹部20の内部表面36は金属化層42で被覆されている。ビード26は凹部20内に配置され、活性鑞材32ではない通常の鑞材44が、ビード26と金属化層42の間の空間を実質的に充填している。
【0028】
別法としては、熱電対16のビード26は、図8に示されているとおり、セラミック基板12の外面36に接合される。金属化層42は、外面34と通常の鑞材44との間に配置される。
【0029】
金属化層42は、図8に示されているような単層構造にすることも、或いは図9に示されているような2層構造にすることもできる。単層構造が好ましい場合、金属化層42は、厚さ約0.1μm〜1μmのTi層であることが好ましく、金属化層42は無電解被覆(めっき)法によって形成される。2層構造が好ましい場合、金属化層42は、セラミック基板12と接触する第1の層46、及び第1の層46と通常の鑞材44との間に配置された第2の層48を有することが好ましい。第1の層46は一次層であり、Mo、MnO、ガラス・フリット及び有機結合剤の混合物から形成されることが好ましい。第2の層48は、Ni層、Cu層又はAu層であることが好ましく、厚さが第1の層の厚さよりも薄い薄層である。第2の層48の厚さは、約2μm〜5μmであることが好ましい。第1の層46は、第2の金属層48をセラミック基板12に接合するための接合層の役割を果たしており、したがって通常の鑞材44を使用して熱電対16を第2の層48を介してセラミック基板12に接合することができる。
【0030】
好ましい通常の鑞材44には、Ag−Cu合金又はAu−Ni合金がある。
【0031】
次に図10を参照して、本開示の教示による、セラミック基板12に熱電対16を固定する第2の方法について説明する。既に説明したように、本明細書において示され、説明されている工程の順序は、本発明の範囲を逸脱することなく変更できる。最初に、熱電対16を接合すべきセラミック基板12の表面を洗浄する。この表面は、上記で説明したように、凹部20の内部表面34であっても、或いはセラミック基板12の外面36であってもよい。次に、熱電対16の線22を溶接して、ビード26を形成する。
【0032】
次に、凹部20の内部表面34又はセラミック基板12の外面36に金属化層42を形成する。金属化層42は、薄いTi層をスパッタリングすることによって形成できる。別法としては、最初に第1の層46をセラミック基板12上に形成し、次に第2の層48を第1の層46上に形成することによって金属化層42を形成することも可能である。第1の層46の形成に際しては、Mo、MnO、ガラス・フリット、有機結合剤及び溶媒の混合物を含んだペーストが準備され、セラミック基板12に塗布される。次に、セラミック基板12及びペーストを成形ガスの雰囲気中で焼成する。成形ガスは、分子比率で4:1の窒素及び水素の混合物であるか、或いは分子比率が3:1の水素及び窒素の混合物である分解アンモニアが好ましい。焼成工程が完了すると、ペーストから溶媒が除去され、ペーストが凝固してセラミック基板12に付着する。
【0033】
第1の層46を形成すると、無電極被覆(めっき)法によって、Ni層、Cu層又はAu層であることのできる第2の層48を第1の層46上に付加して、それにより金属化層42が完成する。
【0034】
単層構造であれ、或いは2層構造であれ、金属化層42が完成すると、金属化層42上に通常の鑞材44を配置し、その通常の鑞材44上に熱電対16のビード26を配置する。次に、通常の鑞材44を融解して、凝固させ、それによりセラミック基板12への熱電対16の接合を完了する。通常の鑞材44を加熱し、凝固させる工程は、図4〜図8に関連して説明した、活性鑞材32を加熱し、凝固させる工程に実質的に類似しているため、本明細書においては、簡潔にするためにその説明は省略する。
【0035】
本開示によれば、熱電対16のビード26がセラミック基板12に直接接合されるため、セラミック基板12からの熱が熱電対16のビード26へ直接伝達される。したがって、ビード26の温度はセラミック基板12の温度をほぼ瞬時に反映し、したがってセラミック加熱器10の温度をより正確に測定することができる。さらに、活性鑞材、又は金属化層と共に通常の鑞材を使用することにより、熱電対16は、たとえ高温に露出されても、長期間にわたって安定性を有している。
【0036】
本開示によるセラミック加熱器10は、様々な応用例を有している。例えば、セラミック加熱器10は、半導体のバックエンドのダイ結合装置及び医療デバイスに使用することができる。セラミック加熱器10は、比較的速い昇温速度で対象を加熱するために使用されることが好ましい。
【0037】
本発明についての説明は、単に純然たる例示的なものにすぎず、したがって本発明の骨子を逸脱しない変形形態は、本発明の範囲に包含されるものとする。このような変形形態は、本発明の原理及び範囲を逸脱するとは見なされない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本開示の教示に従って構成された、熱電対の固定されたセラミック加熱器の斜視図。
【図2】本開示の教示による、図1の熱電対を有するセラミック加熱器の分解斜視図。
【図3】本開示の教示による、図1の線3−3に沿って取ったセラミック加熱器及び熱電対の横断面図。
【図4】本開示の第1の実施例による、セラミック基板と熱電対との接続を示す、図3の詳細Aの拡大図。
【図5】本開示の第2の実施例による、セラミック基板と熱電対との代替接続を示す、図4と同様の拡大図。
【図6】本開示の教示による、セラミック加熱器に熱電対を固定する方法を示す流れ図。
【図7】本開示の第3の実施例による、セラミック基板と熱電対との代替接続を示す、図4と同様の拡大図。
【図8】本開示の第4の実施例による、セラミック基板と熱電対との代替接続を示す、図7と同様の拡大図。
【図9】金属化層及びそのセラミック基板及び熱電対との結合の代替2層構造であって、分かり易くするために熱電対の線及び絶縁材が除去された図。
【図10】本開示の教示による、セラミック加熱器に熱電対を固定する他の方法を示す流れ図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック基板と、
前記セラミック基板の温度を測定するための少なくとも1つの熱電対であって、前記セラミック基板に直接接合された接点を有する、少なくとも1つの熱電対と
を含むセラミック加熱器。
【請求項2】
前記接点が、活性鑞材によって前記セラミック基板に接合されている請求項1に記載されたセラミック加熱器。
【請求項3】
前記活性鑞材が、Au−Cu−Ti合金、Ag−Ti合金、Au−Ni−Ti合金及びAu−Ti合金からなる群から選択される請求項2に記載されたセラミック加熱器。
【請求項4】
前記セラミック基板が、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)及び窒化ケイ素(Si)からなる群から選択された材料でできている請求項1に記載されたセラミック加熱器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱電対が、K型熱電対、J型熱電対、T型熱電対、R型熱電対、C型熱電対及びB型熱電対からなる群から選択される請求項1に記載されたセラミック加熱器。
【請求項6】
前記セラミック基板が凹部を有し、該凹部に前記少なくとも1つの熱電対の前記接点が配置される請求項1に記載されたセラミック加熱器。
【請求項7】
前記セラミック基板の前記凹部が活性鑞材により実質的に充填されている請求項6に記載されたセラミック加熱器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの熱電対が、遠位端部を有する一対の線を含み、前記接点が前記遠位端部の近傍に配置されている請求項1に記載されたセラミック加熱器。
【請求項9】
前記遠位端部が結合されてビードを形成し、前記ビードが前記セラミック基板に配置された活性鑞材と接触し、それにより前記熱電対を前記セラミック基板に接合している請求項8に記載されたセラミック加熱器。
【請求項10】
前記一対の線の少なくとも一部が絶縁材により覆われている請求項8に記載されたセラミック加熱器。
【請求項11】
前記絶縁材が、前記一対の線を覆って配置された一対のセラミック・スリーブを含む請求項10に記載されたセラミック加熱器。
【請求項12】
前記セラミック基板と接触している金属化層をさらに含み、前記接点が前記金属化層に接合されている請求項1に記載されたセラミック加熱器。
【請求項13】
前記金属化層が、Mo、MnO、ガラス・フリット及び有機結合剤の混合物から構成された第1の層を有する請求項12に記載されたセラミック加熱器。
【請求項14】
前記金属化層が、Ni、Cu及びAuからなる群から選択された材料でできた第2の層をさらに有する請求項13に記載されたセラミック加熱器。
【請求項15】
前記金属化層がTi層である請求項12に記載されたセラミック加熱器。
【請求項16】
前記接点が鑞材によって前記金属化層に接合されている請求項12に記載されたセラミック加熱器。
【請求項17】
前記鑞材が、Ag−Cu合金及びAu−Ni合金からなる群から選択される請求項16に記載されたセラミック加熱器。
【請求項18】
少なくとも1つの凹部を有するセラミック基板と、
前記セラミック基板に埋め込まれた抵抗発熱体と、
遠位端部及び前記遠位端部の近傍に配置された接点を有する一対の線を含み、前記接点が前記凹部に配置された少なくとも1つの熱電対と、
前記凹部に配置された、前記少なくとも1つの熱電対の前記接点と接触している活性鑞材と
を含むセラミック加熱器。
【請求項19】
接点を有する一対の線を含む熱電対をセラミック基板に固定する方法において、前記熱電対の前記接点を前記セラミック基板に直接接合する段階を含む、熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項20】
前記直接接合する段階が、活性鑞材を使用して達成される請求項19に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項21】
ペースト状の前記活性鑞材を前記セラミック基板に塗布する段階と、前記活性鑞材のペースト上に前記熱電対の前記接点を配置する段階とをさらに含む、請求項20に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項22】
前記熱電対の前記接点の配置された前記活性鑞材を約950℃〜約1080℃の温度に加熱する段階と、約5分〜60分間、前記温度を維持する段階とをさらに含む請求項21に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項23】
前記加熱する段階を、5×10−6torr未満の真空チャンバ内で実施する請求項22に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項24】
前記活性鑞材を前記セラミック基板の凹部に充填する請求項20に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項25】
前記活性鑞材を前記セラミック基板の外部表面に付加する請求項20に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項26】
前記線を前記線の遠位端部で溶接することによって、前記接点を形成する請求項19に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項27】
前記直接接合する段階が、前記セラミック基板上に金属化層を形成する段階及び鑞材によって前記接点を前記金属化層に接合する段階を含む請求項19に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項28】
金属化層を形成する段階が、第1の層を形成するために、Mo、MnO、ガラス・フリット、有機結合剤及び溶媒の混合物を前記セラミック基板に付加する段階、及び第2の層を形成するために、Ni、Cu及びAuからなる群から選択された材料を付加する段階を含む請求項27に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項29】
金属化層を形成する段階が、前記セラミック基板上にTi層を形成する段階を含む請求項27に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項30】
一対の線を含む熱電対をセラミック基板に固定する方法において、
接点を形成するために前記熱電対の前記線を溶接する段階と、
前記セラミック基板の表面を洗浄する段階と、
前記セラミック基板の前記表面に活性鑞材を付加する段階と、
前記活性鑞材上に前記接点を配置する段階と、
前記活性鑞材を乾燥させる段階と、
真空チャンバ内で前記活性鑞材を加熱する段階と、
所定時間、前記活性鑞材を前記真空チャンバ内で所定温度に維持する段階と、
前記活性鑞材を室温まで冷却する段階と
を含む、熱電対をセラミック基板に固定する方法。
【請求項31】
前記活性鑞材が、箔及びペーストからなる群から選択された形態である請求項30に記載された熱電対をセラミック基板に固定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−535291(P2009−535291A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507806(P2009−507806)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/010157
【国際公開番号】WO2008/054519
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(500157653)ワトロウ エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー (25)
【Fターム(参考)】