セラミック多層基板
【課題】セラミック多層基板をプリント基板等の他の部材に接合する際に、接続不良や接合不良が生じ難いセラミック多層基板を提供すること。
【解決手段】セラミック多層基板1は、四角形の角部19が切り欠かれた切欠部21を有しており、その切欠部21の側面側の端面は、セラミック層3ごとに凹凸を有する形状である。しかも、その凹凸は、セラミック多層基板1を厚み方向に見たときに、複数方向に形成されているとともに、厚み方向における中央部分のセラミック層3が内側に凹んだコ字状に形成されている。従って、セラミック多層基板1を接着剤を用いてプリント基板13に接合する際には、接着剤が凹部に入り込むので、アンカー効果によって、セラミック多層基板1をプリント基板13に強固に接合することができる。その結果、プリント基板13が撓む場合でも、接続不良や接合不良が発生し難い。
【解決手段】セラミック多層基板1は、四角形の角部19が切り欠かれた切欠部21を有しており、その切欠部21の側面側の端面は、セラミック層3ごとに凹凸を有する形状である。しかも、その凹凸は、セラミック多層基板1を厚み方向に見たときに、複数方向に形成されているとともに、厚み方向における中央部分のセラミック層3が内側に凹んだコ字状に形成されている。従って、セラミック多層基板1を接着剤を用いてプリント基板13に接合する際には、接着剤が凹部に入り込むので、アンカー効果によって、セラミック多層基板1をプリント基板13に強固に接合することができる。その結果、プリント基板13が撓む場合でも、接続不良や接合不良が発生し難い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセラミック層からなり、例えばLSIや光素子等が配置されるとともにプリント基板等に搭載されるセラミック多層基板に関し、例えばチップスケールパッケージングなどの小型のデバイスをハンドリングする際に好適なセラミック多層基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のセラミック層が積層された構造を有するとともに、その一方の主面側にLSIや光素子を実装したセラミック多層基板が知られている。この種のセラミック多層基板は、例えばプリント基板の表面などに実装されている(下記特許文献1〜4参照)。
【0003】
上述したセラミック多層基板をプリント基板に実装する場合には、例えば図17(a)に模式的に示す様に、プリント基板P1上に(LSI等の電子部品や光素子等の光部品P2を備えた)セラミック多層基板P3を配置し、ワイヤ接続を行った後、セラミック多層基板P3の側面とプリント基板P1の上面とを液状硬化性樹脂(例えば封止材、アンダーフィル、サイドフィル、非導電性フィルム・シート)等の接着剤P4によって接合していた。
【0004】
また、図17(b)に模式的に示す様に、セラミック多層基板P5とプリント基板P6とを半田ボールP7によるフリップチップによって電気的に接続するとともに、半田ボールP7の周囲を含む様に、同様に接着剤P8によってセラミック多層基板P5とプリント基板P6とを接合していた。
【0005】
更に、図17(c)に模式的に示す様に、セラミック多層基板P9とプリント基板P10と各パッドP11、P12とを異方導電性フィルムP13に圧着することによって、各パッドP11、P12を電気的に接続するとともに、セラミック多層基板P9とプリント基板P10とを接合していた。
【0006】
また、図17(d)に模式的に示す様に、セラミック多層基板P14とプリント基板P15との各パッドP16、P17を電気的に接続するとともに、各パッドP16、P17の周囲を含む様に、非導電性の接着剤P18によってセラミック多層基板P14とプリント基板P15とを接合し固定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3076215号公報
【特許文献2】特公平4−77663号公報
【特許文献3】特開2005−311254号公報
【特許文献4】特開2005−32787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術の場合には、セラミック多層基板をプリント基板に接合する際に、その接合強度が十分ではなく、使用条件などによっては、熱応力の発生によって、セラミック多層基板とプリント基板との間の電気的な接続不良が発生するという問題や、セラミック多層基板とプリント基板とを接合する接着剤が剥がれるという問題が生じる恐れがあった。
【0009】
特に、プリント基板が大きく撓む様な場合には、電気的接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生することがあり、その対策が望まれていた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、セラミック多層基板をプリント基板等の他の部材に接合する際に、電気的接続不良や接合不良が生じ難いセラミック多層基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は、第1態様として、複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板を厚み方向から見たときに、複数方向に形成されていることを特徴とする。
【0011】
なお、ここで厚み方向とは、平板状のセラミック層が積層された平板状のセラミック多層基板において、その基板の主面が広がる方向(平面方向)に対して、垂直な方向を示している(以下同様)。
【0012】
また、厚み方向から見た場合の凹凸の方向については、手前のセラミック層が大きな場合には、実際には目視できないが、手前のセラミック層にかかわらず(透視したとして)、実施の凹凸の方向を示している(以下同様)。
【0013】
本発明のセラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有しており、その切欠部の側面は、セラミック層ごとに凹凸を有する形状であり、しかも、その凹凸は、セラミック多層基板を厚み方向から見たときに、複数方向に形成されている。
【0014】
従って、このセラミック多層基板を、接着剤を用いて他の基板、例えばマザーボードなどのプリント基板に接合する際には、接着剤が(複数の方向に凹んだ)凹部に入り込むので、接着面積が増加するとともに、アンカー効果によって、セラミック多層基板を他の基板に強固に接合することができる。
【0015】
その結果、例えば他の基板が大きく撓む様な場合でも、電気的な接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生し難いという顕著な効果を奏する。
なお、前記切欠部は、セラミック多層基板の厚み方向において複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、セラミック多層基板の厚み方向の全体わたって形成されることが一層好ましい。つまり、切欠部は、厚み方向においてどちらかの主面側に偏って形成されるよりも、厚み方向全体にわたって形成された方が、セラミック多層基板の上部と下部との接着強度の偏りを防ぐことができる。
【0016】
また、前記切欠部は、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、等間隔に又は対称に配置されることが一層好ましい。
【0017】
(2)本発明は、第2態様として、複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板の厚み方向における中央部分のセラミック層が内側に凹んだコ字状に形成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明のセラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有しており、その切欠部の側面は、セラミック層ごとに凹凸を有する形状であり、しかも、その凹凸は、厚み方向における中央部分のセラミック層が内側(側面における露出側と反対側)に凹んだコ字状に形成されている。
【0019】
従って、このセラミック多層基板を、接着剤を用いて他の基板、例えばマザーボードなどのプリント基板に接合する際には、接着剤がコ字状に凹んだ凹部に入り込むので、、接着面積が増加するとともに、アンカー効果によって、セラミック多層基板を他の基板に強固に接合することができる。
【0020】
その結果、例えば他の基板が大きく撓む様な場合でも、電気的な接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生し難いという顕著な効果を奏する。
なお、前記切欠部は、セラミック多層基板の厚み方向において複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、セラミック多層基板の厚み方向の全体わたって形成されることが一層好ましい。つまり、切欠部は、厚み方向においてどちらかの主面側に偏って形成されるよりも、厚み方向全体にわたって形成された方が、セラミック多層基板の上部と下部との接着強度の偏りを防ぐことができる。
【0021】
また、前記切欠部は、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、等間隔に又は対称に配置されることが一層好ましい。
【0022】
(3)本発明では、第3態様として、前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの角部に形成されていることを特徴とする。
【0023】
本態様では、図1(a)に例示するように、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、角部に切欠部が形成されているので、角部において接着剤が剥がれにくいという利点がある。また、角部に切欠部を設けても、主面に部品を実装する場合に妨げにならない。さらには、セラミック多層基板を他の基板に実装する作業の妨げにならないという利点がある。
【0024】
なお、図1(c)は図1(a)の切欠部が無い箇所(点線部)におけるa1−a1断面を模式的に示し、図1(d)は図1(a)の切欠部がある箇所(実線部)におけるa2−a2断面を模式的に示している。
【0025】
(4)本発明では、第4態様として、前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの辺に形成されていることを特徴とする。
【0026】
本態様では、図1(b)に例示するように、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、その辺に切欠部が形成されているので、(角部に設ける場合より)セラミック多層基板から接着剤が一層剥がれにくいという利点がある。これは、接着される側面の面積が増加するためである。
【0027】
(5)本発明では、第5態様として、前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、前記複数のセラミック層のうち、前記他の基板に対して最も離れた位置に配置されたセラミック層の少なくとも一部が、他のセラミック層より平面方向外側に張り出していることを特徴とする。
【0028】
この様に、(接合される)他の基板に対して最も離れた位置に配置された(即ち最上層の)セラミック層の少なくとも一部が、他のセラミック層より外側に張り出していることにより、LSI等の電子部品の実装面積が増加するという効果がある。また、最上層のセラミック層の表面に接着剤が回り込みにくいという効果がある。つまり、最上層のセラミック層の表面や実装されたLSI等の部品が接着剤によって汚染されにくいので、LSI等の電子部品の実装面積が増加するという効果がある。
【0029】
(6)本発明では、第6態様として、前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、前記各セラミック層の外周側において、前記他の基板側の縁部が該他の基板と反対側の縁部より平面方向外側に張り出していることを特徴とする。
【0030】
この様に、各セラミック層において、(接合される)他の基板側の縁部が、他の基板と反対側の縁部より外側に張り出していることにより、接着剤を塗布した際に、接着剤が剥がれ難いという利点がある。
【0031】
以下に、上述した発明の構成について更に説明する。
・例えば、前記接着剤とは、セラミック多層基板と他の基板とを接合する材料を示しており、加熱等によって接合するいわゆる硬化性樹脂(例えば封止材、アンダーフィル、サイドフィル、非導電性フィルム・シート)などを含む概念である。
【0032】
・また、図1(e)、(f)に例示する様に、セラミック多層基板の平面形状において、縦D、Cの寸法としては、0.5〜100mm(好ましくは2〜50mm)の範囲の基板を採用できる。
【0033】
・更に、図1(e)、(f)に例示する様に、平面形状における切欠部の縦横の寸法A、Bとしては、0.1〜3mm(好ましくは、0.5〜1.5mm)の範囲を採用できる。
【0034】
これは、切り欠きの寸法が小さすぎると、凹凸を有する端面の面積が少なく、接合強度向上の効果が少ないからである。一方、切り欠きの寸法が大きすぎると、基板上面の面積が減少し、LSI等の電子部品の実装や表面の配線の形成の妨げになるからである。
【0035】
・また、切欠部の寸法A、Bと基板外形の寸法C、Dとの関係は、A/C(B/D)で表すと、例えば0.01〜0.2(好ましくは0.05〜0.1)の範囲を採用できる。
なお、比A/Cと比B/Dは、接合強度を同じにするために、辺毎に同じであることが好ましいが、デバイスの形状、大きさ、配置、数、並びに、電極の数、配置など、必要に応じて異なっていてもよい。
【0036】
・更に、図1(g)に例示する様に、複数のセラミック層が積層されたセラミック多層基板において、隣り合うセラミック層の平面方向における凹凸のずれEとしては、10〜500μm(好ましくは20〜200μm)の範囲を採用できる。
【0037】
これは、凹凸のずれが小さすぎると、接着剤の入り込む量が少なく、接合強度向上の効果が少ないからである。一方、凹凸のずれが大きすぎると、基板上面の平坦度が低下し、LSI等の電子部品の実装の妨げになるからである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は角に切欠部を有する基板の平面図、(b)は辺に切欠部を有する基板の平面図、(c)は切欠部の無い箇所の側面図、(d)は切欠部がある箇所の側面図、(e)及び(f)は基板の長さ及び切欠部の長さを示す平面図、(g)は凹凸の長さを示す側面図である。
【図2】実施例1のセラミック多層基板を実装したプリント基板を図3のB−Bにて厚み方向に破断した状態を示す説明図である。
【図3】(a)はセラミック多層基板の平面図、(b)はセラミック多層基板を(a)のB−Bにて破断した断面図である。
【図4】(a)は切欠部を示す斜視図、(b)は切欠部を分解して示す斜視図、(c)は切欠部をY方向から見た側面図、(d)は切欠部をX方向から見た側面図である。
【図5】(a)は各グリーンシートを分解して示す斜視図、(b)はグリーンシート積層体の切断を示す説明図である。
【図6】実施例1のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図7】実施例2のセラミック多層基板を実装したプリント基板を図10のG−Gにて厚み方向に破断した状態を示す説明図である。
【図8】実施例2のセラミック多層基板を製造する手順を示す説明図である。
【図9】実施例2のセラミック多層基板を製造する手順を示す説明図である。
【図10】(a)は実施例3のセラミック多層基板の平面図、(b)はセラミック多層基板を(a)のG−Gにて破断した断面図である。
【図11】(a)は切欠部を示す斜視図、(b)は切欠部を(a)のH−Hで破断した状態を示す断面図である。
【図12】(a)は各グリーンシートを分解して示す斜視図、(b)はグリーンシート積層体の切断を示す説明図である。
【図13】実施例4のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図14】実施例5のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図15】実施例5のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図16】(a)は他の実施例のセラミック多層基板を示す側面図、(b)は更に他の実施例のセラミック多層基板を示す側面図、(c)はプリント基板の貫通孔にセラミック多層基板を埋設した状態を厚み方向に破断して示す説明図、(d)はプリント基板の凹部にセラミック多層基板を埋設した状態を厚み方向に破断して示す説明図である。
【図17】従来技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態の例(実施例)について説明する。
【実施例1】
【0040】
a)まず、本実施例のセラミック多層基板の構成等について、図2〜図4に基づいて説明する。
図2に模式的に示す様に、本実施例のセラミック多層基板1は、(図示しない)ビアや配線層などを有する複数個(例えば6枚)のセラミック層3a、3b、3c、3d、3e、3f(3と総称する)が、その厚み方向に積層された構成を有している。
【0041】
このセラミック多層基板1の厚み方向の第1主面5側(同図上側)には、例えばCPUやレーザやフォトダイオード等の光素子等を含めた電子部品7が、接着剤、はんだ、導電性ペースト等(図示せず)によって接合されて実装されている。
【0042】
一方、セラミック多層基板1の第2主面9側(同図下方)には、半田からなる半田バンプ11及び接着剤からなる接着部12によってプリント基板13が接合されている。
詳しくは、セラミック多層基板1の第2主面9にはパッド15が形成され、プリント基板13の表面にもパッド17が形成されており、これらの両パッド15、17間を接合して電気的に接続するように半田バンプ11が配置されている。更に、半田バンプ11をモールドする様に、セラミック多層基板1の側方の外周には、例えばアンダーフィル材の様な液状硬化性樹脂からなる接着剤が充填されており、この接着剤によって、セラミック多層基板1がプリント基板13に接合されて搭載されている。
【0043】
ここで、前記セラミック多層基板1の形状について説明する。
図3に示す様に、前記セラミック多層基板1は、その平面形状(第1主面5側から見た形状:厚み方向から見た形状)が略四角形であり、その四隅の角部19には、略L字状に切り欠かれた形状の切欠部21が形成されている。
【0044】
この切欠部21は、図4(a)に拡大して示す様に、セラミック多層基板1の角部19における側面側(厚み方向と垂直の側)が、X方向から見た場合とY方向から見た場合に、共に凹凸があるように、各セラミック層3の側面側が異なる寸法にて切り欠かれたものである。そのため、図4(b)に分解して示す様に、各セラミック層3の平面形状(即ち各セラミック層3における切欠部21を構成する部分の平面形状)は、前記各セラミック層3毎にそれぞれ異なっている。
【0045】
詳しくは、図4(c)、(d)に示す様に、セラミック多層基板1を側面側(X方向及びY方向)から見た場合に、各セラミック層3の側面が凹凸を有する様に(ここでは凹字状に凹んだ形状を有する様に)形成されている。しかも、この凹凸の形状は、X方向及びY方向の異なる2方向(X方向とY方向は垂直に交差する)から見た場合にも、同様に側面が凹凸を有する様に形成されている。
【0046】
つまり、X方向から見た場合に、図4(d)に示す様な左端の凹凸が現れるとともに、Y方向から見た場合に、図4(c)に示す様な右端の凹凸が現れるように、隣接するセラミック層3の切欠寸法が異なるように設定されている。
【0047】
なお、本実施例では、切欠部21において最上層のセラミック層3が、他のセラミック層3より、平面方向(側方)において外側に張り出している。
b)次に、前記セラミック多層基板1の製造方法について、図5に基づいて説明する。
【0048】
・まず、セラミック層3を形成するための原料粉末として、SiO2、Al2O3、B2O3を主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末(平均粒径:3μm、比表面積:1.0m2/g)と、ムライト粉末(平均粒径:2μm、比表面積:3.0m2/g)とを用意した。また、セラミックのグリーンシートを形成する際のバインダ成分及び可塑剤成分として、アクリル系バインダとDOP(ジ・オチクル・フタレート)を用意した。
【0049】
次に、前記ホウケイ酸系ガラス粉末とムライト粉末とを、重量比で50:50、総量で1kgとなるように秤量して、ポットに入れた。
これに、前記アクリル樹脂(バインダ)を120gと、適当な粘度とシート強度を持たせるのに必要な溶剤(MEK:メチルエチルケトン)及び可塑剤(DOP)の適量を、前記ポットに入れ、5時間混合することにより、セラミックスラリーを得た。
【0050】
得られたセラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により、図5(a)に示す様に、厚み0.15mmの(6枚の)グリーンシート31を得た。
なお、このグリーンシート31に対しては、周知の方法により、層間を電気的に接続するためのビアや各層上に配線層を形成するが、ここでは、その説明は省略する。なお、複数個の基板を同時に製造するように配置してもよい。
【0051】
・次に、各グリーンシート31に対して、前記切欠部21を形成するために、パンチングによる穴開け加工を行って、各グリーンシート31の四隅の方向に、それぞれ正方形の開口部33を形成する。このとき、各セラミック層3の形状に対応して、各グリーンシート31の開口部33の位置及び大きさを設定する。
【0052】
なお、開口部33の位置及び大きさや、後述する各セラミック層3の各辺に対応した縦横の切断ラインC1〜C4は、各グリーンシート31の四隅にあけた共通のスルーホール35の位置を基準として設定することができる。つまり、所定の形状をした長方形の四隅に各グリーンシート31共通のスルーホール35を形成することにより、このスルーホール35の位置を基準として、開口部33や切断ラインC1〜C4を設定することができる。
【0053】
・次に、図5(b)に示す様に、各グリーンシート31の各スルーホール35の位置が、厚み方向(図の上下方向)に一致する様にして、各グリーンシート31を積層してグリーンシート積層体37を形成する。
【0054】
・次に、全てのグリーンシート31の開口部33が重なった位置を通る様に、即ち、上述した側面に凹凸のある切欠部21を有するセラミック多層基板1の形状となる様に、グリーンシート積層体37を厚み方向に切断する。
【0055】
詳しくは、全ての開口部33が厚み方向に連なって貫通する貫通孔39の(平面形状における)例えば中心を通る様に、グリーンシート積層体37の縦横の辺と平行なカットラインC1〜C4を設定し、カッターを用いて、このカットラインC1〜C4に沿って、グリーンシート積層体37を切断する。
【0056】
・その後、周知の様に、この切断されたグリーンシート積層体37を所定の温度(例えば1000℃)で焼成することにより、切欠部21を有するセラミック多層基板1を得た。
【0057】
なお、セラミック多層基板1上のパッド15は、セラミック多層基板1の表面の配線層に対して、(例えばNiAuの)メッキを施すことにより形成することができる。
c)次に、上述の様に製造されたセラミック多層基板1をプリント基板13に実装する方法について、図6に基づいて説明する。
【0058】
・図6(a)に示す様に、電子部品7が下方になる様に、セラミック多層基板1を上下逆にし、セラミック多層基板1の第2主面9側において、治具(図示せず)を用いて、パッド15に重なる様に半田バンプ材料を位置決めして保持する。
【0059】
この半田バンプ材料の形成方法としては、周知の技術を用いることができ、例えばマスクを用いてパッド15上に半田ボールを乗せても良いし、クリーム半田を印刷してもよい。
【0060】
・次に、(溶融する前の)半田バンプ材料を保持した状態で、全体を半田バンプ材料の融点以上まで昇温し半球状の半田バンプ11とし、その半田バンプ11の片側をパッド15に接合した状態とする。
【0061】
・次に、図6(b)に示す様に、半田バンプ11がパッド15に接合した状態で、セラミック多層基板1を裏返し、半田バンプ11がプリント基板13のパッド17と接する様に、セラミック多層基板1とプリント基板13との位置決めを行う。
【0062】
・次に、この様に位置決めされた状態で、再度昇温し、半田バンプ11とパッド17とを接合する。
・次に、図6(c)に示す様に、セラミック多層基板1の側方の外周に、詳しくは、角部19の切欠部21を含む外周全体に、例えばニードル41を用いて、適度な粘度を有する接着剤を供給する。
【0063】
・次に、全体を昇温することにより、この接着剤を硬化させて接着部12を形成し、セラミック多層基板1とプリント基板13とを接合する。
このとき、接着剤は、最上層のセラミック層3より下の各セラミック層3の側面全体を覆う様に供給する。
【0064】
d)この様に、本実施例のセラミック多層基板1は、(平面形状において)四角形の角部19が切り欠かれた切欠部21を有しており、その切欠部21の側面側の端面は、セラミック層3ごとに凹凸を有する形状である。しかも、その凹凸は、セラミック多層基板1を厚み方向に見たときに、複数方向に形成されているとともに、側面側においてセラミック層3の中央部分にて内側に凹んでコ字状の凹部となっている箇所が複数個形成されている。
【0065】
従って、このセラミック多層基板1を、接着剤を用いてプリント基板13に接合する際には、接着剤が凹部に入り込むので、接着面積が増加するとともに、アンカー効果によって、セラミック多層基板1をプリント基板13に強固に接合することができる。
【0066】
その結果、例えばプリント基板13が大きく撓む様な場合でも、電気的な接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生し難いという顕著な効果を奏する。
更に、本実施例では、最上層のセラミック層3aが、他のセラミック層3b〜3fより外側に張り出しているので、部品実装のための有効面積が増加するという効果がある。また、最上層のセラミック層3aの表面に接着剤が回り込みにくいので、最上層のセラミック層3aの表面が接着剤によって汚染されにくいという効果がある。
【0067】
なお、切欠部21における最上層のセラミック層3aが、他のセラミック層3b〜3fより外側に張り出していることが好ましいが、一部でも張り出していれば効果はある。
また、本実施例では、各切欠部21は、セラミック多層基板1の所定箇所にて、基板全体を厚み方向に切り欠くように形成されているが、同じ厚み方向において特定のセラミック層3に1箇所又は複数箇所に離散的に切欠部21を設けてもよい。
【実施例2】
【0068】
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1とは、切欠部の凹凸の形状が異なるので、異なる内容について説明する。
【0069】
a)まず、本実施例のセラミック多層基板の構成について、図7に基づいて説明する。
図7に示す様に、本実施例のセラミック多層基板51は、前記実施例1とほぼ同様に、複数(例えば5枚)のセラミック層53が積層された基板であり、このセラミック多層基板51の(平面方向における四隅の)角部には、切欠部55が形成されている。
【0070】
また、セラミック多層基板51にはLSI等の電子部品57が実装されており、このセラミック多層基板51は、半田バンプ59や(例えば切欠部55に充填された接着剤からなる)接着部61によってプリント基板63に実装されている。
【0071】
特に本実施例では、5枚のセラミック層53のうち、3枚のセラミック層53a、53c、53eの平面形状が同じで、その間の2枚のセラミック層53b、53dの平面形状が同じように設定されている。これにより、切欠部55の側面の凹凸形状が規則的になっている。
【0072】
b)次に、本実施例のセラミック多層基板51の製造方法について、図8及び図9に基づいて説明する。なお、図8及び図9の各分図において上図が平面図であり、下図が(各C−C、D−D、E−E、C1、F−Fのラインで切断した)断面図である。
【0073】
・まず、図8(a)に示す様に、前記実施例1と同様にして、グリーンシート71を得た。
・次に、図8(b)に示す様に、このグリーンシート71に対して、切欠部55を形成するために、パンチングによる穴開け加工を行って、グリーンシート71の四隅の方向に、それぞれ正方形の開口部73を形成する。ここでは、この様なグリーンシート71を、セラミック層73の枚数に対応して例えば5枚作製する。
【0074】
・次に、図8(c)に示す様に、各グリーンシート71を積層してグリーンシート積層体75を形成するが、その際には、開口部73の位置を(貫通孔77が積層方向に貫通する様に)厚み方向に揃えるとともに、開口部73を平面方向(X方向及びY方向に)に若干ずらすようにする。
【0075】
詳しくは、厚み方向から見た場合に、第1グリーンシート71aと第3グリーンシート71cと第5グリーンシート71eとの位置を一致させて、各グリーンシート71a、71c、71eの開口部73の位置を一致させる。同様に、第2グリーンシート71bと第4グリーンシート71dとの位置を一致させて、各グリーンシート71b、71dの開口部73の位置を一致させる。このとき、第1、3、5グリーンシート71a、71c、71eの開口部73の位置と、第2、4グリーンシート71b、71dの開口部73の位置を、X方向及びY方向にわずかにずらせる。
【0076】
・次に、図9(a)に示す様に、全てのグリーンシート71の開口部73が重なった位置を通る様に、詳しくは、貫通孔77の(平面形状における)中心を通る様に、グリーンシート71の縦横の辺と平行なカットラインC1〜C4を設定し、カッターを用いて、このカットラインC1〜C4に沿って、グリーンシート積層体75を切断する。
【0077】
・これによって、図9(b)に示す様に、四隅の切欠部55に対応した未焼成切欠部79を有するグリーンシート積層体75が形成される。
その後、周知の様に、この(カット後の)グリーンシート積層体75を所定の温度で焼成することにより、切欠部55を有するセラミック多層基板71を得た。
【0078】
上述した様にして得られたセラミック多層基板71は、前記実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例3】
【0079】
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1とは、切欠部を形成する位置が異なるので、異なる内容について説明する。
【0080】
a)まず、本実施例のセラミック多層基板の構成について、図10及び図11に基づいて説明する。
図10に示す様に、本実施例のセラミック多層基板81は、前記実施例1と同様に、複数のセラミック層83が積層された基板である。
【0081】
特に本実施例では、セラミック多層基板81の各辺の中央部分に、1箇所づつ(平面形状が)略コ字状の切欠部85が形成されている。
図11に示す様に、この切欠部85においても、前記実施例1と同様に、各セラミック層83の側方の端面は、X方向及びY方向において凹凸のある形状となっている。
【0082】
つまり、各セラミック層83の切欠部85側では、X方向及びY方向において内側に引き込む寸法を、隣接するセラミック層83同士で異なるように設定することにより、切欠部85の側方(三方向)の端面において、凹凸を形成するようにしている。
【0083】
b)次に、セラミック多層基板81の製造方法について説明する。
本実施例のセラミック多層基板81を製造する場合には、図12(a)に示す様に、前記実施例1と同様に、各セラミック層83に対応した各グリーンシート91に、それぞれ切欠部85の側面の形状に対応した開口部93を設ける。そして、図12(b)に示す様に、各グリーンシート91を積層してグリーンシート積層体95を形成し、次に、(セラミック多層基板81と対応した形状となる様に)開口部93が重なりあって形成される貫通孔97の位置で各辺に沿ってC1〜C4で切断し、その後焼成する。
【0084】
なお、切欠部85の側面における凹凸の状態が実施例2と同様に規則的な場合には、実施例2の製造方法の様に、同じ開口部の配置のグリーンシートを作製して積層する際に、X方向及びY方向にわずかにずらすことによって製造することもできる。
【0085】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、各辺の中央部に切欠部85が形成されて接着剤が充填されているので、接着面積が増えて一層接合強度が高いという利点がある。
【実施例4】
【0086】
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1と同様な構成であるが、このセラミック多層基板をプリント基板に実装する方法が異なるので、異なる内容について説明する。
【0087】
本実施例は、電極(パッド)同士を押しつけて接続するとともに、非導電性接着剤によって接合するものである。
具体的には、まず、図13(a)に模式的に示す様に、プリント基板101の表面のパッド103を覆うように、非導電性接着剤105を配置する。
【0088】
次に、図13(b)に模式的に示す様に、(電子部品106を実装した)セラミック多層基板107を非導電性接着剤105の中に押し入れるとともに、セラミック多層基板107のパッド109をプリント基板101のパッド103に押し当てる。
【0089】
次に、図13(c)に模式的に示す様に、この状態で加熱し、アンダーフィル105を硬化させて(接着部111とし)、この接着部111によって、セラミック多層基板107とプリント基板101とを接合する。
【0090】
なお、他の方法として、電極に凸部を形成しておいても良い。凸部の形成方法は、周知の方法を用いることができ、例えばワイヤボンディングを行った後、ワイヤをネック部分から切断することでパッドに凸部を取り付けることができる。
【0091】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例5】
【0092】
次に、実施例5について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1と同様な構成であるが、このセラミック多層基板をプリント基板に実装する方法が異なるので、異なる内容について説明する。
【0093】
本実施例は、異方導電性フィルムによって接合するものである。
具体的には、まず、図14(a)に模式的に示す様に、プリント基板121の表面のパッド123を覆うように、熱硬化性の接着シート125の中に導電性微粒子(通常は銀粒子)127が分散した異方導電性フィルム129を配置する。
【0094】
次に、図14(b)に模式的に示す様に、(電子部品130が実装された)セラミック多層基板131を異方導電性フィルム129の中に押し入れるとともに、セラミック多層基板131のパッド133を(導電性微粒子127を挟んで)プリント基板121のパッド123に押し当てる。
【0095】
次に、図14(c)に模式的に示す様に、この状態で加熱し、異方導電性フィルム129を硬化させて(接着部135とし)、この接着部135によって、セラミック多層基板131とプリント基板121とを接合する。
【0096】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例6】
【0097】
次に、実施例6について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1と同様な構成であるが、このセラミック多層基板をプリント基板に実装する方法が異なるので、異なる内容について説明する。
【0098】
本実施例は、ワイヤボンディングにより電気接続を行うものである。
具体的には、図15(a)に示すように、接着剤137によりセラミック多層基板139とプリント基板141とを接合する。接着剤137としては、非導電性の接着剤や銀ペーストなど通常の接着剤を用いることができる。
【0099】
その後、図15(b)に示すように、セラミック多層基板139とプリント基板141をワイヤボンディング143により電気的に接続する。
その後、図15(c)に示すように、接着剤145で、ワイヤボンディング143を含むセラミック多層基板139とプリント基板141との接続部を覆う。接着剤145としては、非導電性の接着剤が使用される。なお、非導電性であれば前記接着剤137と同じでも良い。
【0100】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0101】
(1)例えば、図16に示す様に、各セラミック層151、153は、グリーンシートから切断する際に、一方の主面側(最初にカッターが当たる側と反対側)の方が、外周側(側方)に張り出す形状となるが、特に、図16(b)に示す様に、各セラミック層153の外周に張り出す側をプリント基板155側とすると、その先端に接着剤が引っかかり易く、よって、接合強度が一層向上するので、好適である。
【0102】
(2)また、セラミック多層基板に実装する電子部品としては、光素子以外に、例えばLSIやCPU等の各種の電子部品が挙げられる。
(3)更に、セラミック多層基板が実装される他の基板としては、プリント基板に限らず、例えばセラミック配線基板が挙げられる。
【0103】
(4)また、セラミック多層基板を他の基板に実装する場合には、他の基板の表面(主面)にセラミック多層基板を接合する場合に限らず、図16(c)、(d)に示す様に、他の基板(プリント基板161、163等)に貫通孔165や凹部167を設け、その貫通孔165や凹部167内に、接着剤からなる接着部169、171によって、(切欠部172、173を有する)セラミック多層基板175、177を埋設してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1、51、81、107、131、139、175、177…セラミック多層基板
3、53、83、151、153…セラミック層
5…第1主面
7、57、106、130…電子部品
9…第2主面
11…半田バンプ
12、111、135、169、171…接着部
13、63、101、121、141、155、161、163…プリント基板
15、17、103、109…パッド
19…角部
21、55、85、172、173…切欠部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセラミック層からなり、例えばLSIや光素子等が配置されるとともにプリント基板等に搭載されるセラミック多層基板に関し、例えばチップスケールパッケージングなどの小型のデバイスをハンドリングする際に好適なセラミック多層基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のセラミック層が積層された構造を有するとともに、その一方の主面側にLSIや光素子を実装したセラミック多層基板が知られている。この種のセラミック多層基板は、例えばプリント基板の表面などに実装されている(下記特許文献1〜4参照)。
【0003】
上述したセラミック多層基板をプリント基板に実装する場合には、例えば図17(a)に模式的に示す様に、プリント基板P1上に(LSI等の電子部品や光素子等の光部品P2を備えた)セラミック多層基板P3を配置し、ワイヤ接続を行った後、セラミック多層基板P3の側面とプリント基板P1の上面とを液状硬化性樹脂(例えば封止材、アンダーフィル、サイドフィル、非導電性フィルム・シート)等の接着剤P4によって接合していた。
【0004】
また、図17(b)に模式的に示す様に、セラミック多層基板P5とプリント基板P6とを半田ボールP7によるフリップチップによって電気的に接続するとともに、半田ボールP7の周囲を含む様に、同様に接着剤P8によってセラミック多層基板P5とプリント基板P6とを接合していた。
【0005】
更に、図17(c)に模式的に示す様に、セラミック多層基板P9とプリント基板P10と各パッドP11、P12とを異方導電性フィルムP13に圧着することによって、各パッドP11、P12を電気的に接続するとともに、セラミック多層基板P9とプリント基板P10とを接合していた。
【0006】
また、図17(d)に模式的に示す様に、セラミック多層基板P14とプリント基板P15との各パッドP16、P17を電気的に接続するとともに、各パッドP16、P17の周囲を含む様に、非導電性の接着剤P18によってセラミック多層基板P14とプリント基板P15とを接合し固定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3076215号公報
【特許文献2】特公平4−77663号公報
【特許文献3】特開2005−311254号公報
【特許文献4】特開2005−32787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術の場合には、セラミック多層基板をプリント基板に接合する際に、その接合強度が十分ではなく、使用条件などによっては、熱応力の発生によって、セラミック多層基板とプリント基板との間の電気的な接続不良が発生するという問題や、セラミック多層基板とプリント基板とを接合する接着剤が剥がれるという問題が生じる恐れがあった。
【0009】
特に、プリント基板が大きく撓む様な場合には、電気的接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生することがあり、その対策が望まれていた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、セラミック多層基板をプリント基板等の他の部材に接合する際に、電気的接続不良や接合不良が生じ難いセラミック多層基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は、第1態様として、複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板を厚み方向から見たときに、複数方向に形成されていることを特徴とする。
【0011】
なお、ここで厚み方向とは、平板状のセラミック層が積層された平板状のセラミック多層基板において、その基板の主面が広がる方向(平面方向)に対して、垂直な方向を示している(以下同様)。
【0012】
また、厚み方向から見た場合の凹凸の方向については、手前のセラミック層が大きな場合には、実際には目視できないが、手前のセラミック層にかかわらず(透視したとして)、実施の凹凸の方向を示している(以下同様)。
【0013】
本発明のセラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有しており、その切欠部の側面は、セラミック層ごとに凹凸を有する形状であり、しかも、その凹凸は、セラミック多層基板を厚み方向から見たときに、複数方向に形成されている。
【0014】
従って、このセラミック多層基板を、接着剤を用いて他の基板、例えばマザーボードなどのプリント基板に接合する際には、接着剤が(複数の方向に凹んだ)凹部に入り込むので、接着面積が増加するとともに、アンカー効果によって、セラミック多層基板を他の基板に強固に接合することができる。
【0015】
その結果、例えば他の基板が大きく撓む様な場合でも、電気的な接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生し難いという顕著な効果を奏する。
なお、前記切欠部は、セラミック多層基板の厚み方向において複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、セラミック多層基板の厚み方向の全体わたって形成されることが一層好ましい。つまり、切欠部は、厚み方向においてどちらかの主面側に偏って形成されるよりも、厚み方向全体にわたって形成された方が、セラミック多層基板の上部と下部との接着強度の偏りを防ぐことができる。
【0016】
また、前記切欠部は、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、等間隔に又は対称に配置されることが一層好ましい。
【0017】
(2)本発明は、第2態様として、複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板の厚み方向における中央部分のセラミック層が内側に凹んだコ字状に形成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明のセラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有しており、その切欠部の側面は、セラミック層ごとに凹凸を有する形状であり、しかも、その凹凸は、厚み方向における中央部分のセラミック層が内側(側面における露出側と反対側)に凹んだコ字状に形成されている。
【0019】
従って、このセラミック多層基板を、接着剤を用いて他の基板、例えばマザーボードなどのプリント基板に接合する際には、接着剤がコ字状に凹んだ凹部に入り込むので、、接着面積が増加するとともに、アンカー効果によって、セラミック多層基板を他の基板に強固に接合することができる。
【0020】
その結果、例えば他の基板が大きく撓む様な場合でも、電気的な接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生し難いという顕著な効果を奏する。
なお、前記切欠部は、セラミック多層基板の厚み方向において複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、セラミック多層基板の厚み方向の全体わたって形成されることが一層好ましい。つまり、切欠部は、厚み方向においてどちらかの主面側に偏って形成されるよりも、厚み方向全体にわたって形成された方が、セラミック多層基板の上部と下部との接着強度の偏りを防ぐことができる。
【0021】
また、前記切欠部は、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、複数存在することが、電気的接続不良や接合不良の改善にとって好ましく、更に、等間隔に又は対称に配置されることが一層好ましい。
【0022】
(3)本発明では、第3態様として、前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの角部に形成されていることを特徴とする。
【0023】
本態様では、図1(a)に例示するように、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、角部に切欠部が形成されているので、角部において接着剤が剥がれにくいという利点がある。また、角部に切欠部を設けても、主面に部品を実装する場合に妨げにならない。さらには、セラミック多層基板を他の基板に実装する作業の妨げにならないという利点がある。
【0024】
なお、図1(c)は図1(a)の切欠部が無い箇所(点線部)におけるa1−a1断面を模式的に示し、図1(d)は図1(a)の切欠部がある箇所(実線部)におけるa2−a2断面を模式的に示している。
【0025】
(4)本発明では、第4態様として、前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの辺に形成されていることを特徴とする。
【0026】
本態様では、図1(b)に例示するように、セラミック多層基板を厚み方向から見た場合に、その辺に切欠部が形成されているので、(角部に設ける場合より)セラミック多層基板から接着剤が一層剥がれにくいという利点がある。これは、接着される側面の面積が増加するためである。
【0027】
(5)本発明では、第5態様として、前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、前記複数のセラミック層のうち、前記他の基板に対して最も離れた位置に配置されたセラミック層の少なくとも一部が、他のセラミック層より平面方向外側に張り出していることを特徴とする。
【0028】
この様に、(接合される)他の基板に対して最も離れた位置に配置された(即ち最上層の)セラミック層の少なくとも一部が、他のセラミック層より外側に張り出していることにより、LSI等の電子部品の実装面積が増加するという効果がある。また、最上層のセラミック層の表面に接着剤が回り込みにくいという効果がある。つまり、最上層のセラミック層の表面や実装されたLSI等の部品が接着剤によって汚染されにくいので、LSI等の電子部品の実装面積が増加するという効果がある。
【0029】
(6)本発明では、第6態様として、前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、前記各セラミック層の外周側において、前記他の基板側の縁部が該他の基板と反対側の縁部より平面方向外側に張り出していることを特徴とする。
【0030】
この様に、各セラミック層において、(接合される)他の基板側の縁部が、他の基板と反対側の縁部より外側に張り出していることにより、接着剤を塗布した際に、接着剤が剥がれ難いという利点がある。
【0031】
以下に、上述した発明の構成について更に説明する。
・例えば、前記接着剤とは、セラミック多層基板と他の基板とを接合する材料を示しており、加熱等によって接合するいわゆる硬化性樹脂(例えば封止材、アンダーフィル、サイドフィル、非導電性フィルム・シート)などを含む概念である。
【0032】
・また、図1(e)、(f)に例示する様に、セラミック多層基板の平面形状において、縦D、Cの寸法としては、0.5〜100mm(好ましくは2〜50mm)の範囲の基板を採用できる。
【0033】
・更に、図1(e)、(f)に例示する様に、平面形状における切欠部の縦横の寸法A、Bとしては、0.1〜3mm(好ましくは、0.5〜1.5mm)の範囲を採用できる。
【0034】
これは、切り欠きの寸法が小さすぎると、凹凸を有する端面の面積が少なく、接合強度向上の効果が少ないからである。一方、切り欠きの寸法が大きすぎると、基板上面の面積が減少し、LSI等の電子部品の実装や表面の配線の形成の妨げになるからである。
【0035】
・また、切欠部の寸法A、Bと基板外形の寸法C、Dとの関係は、A/C(B/D)で表すと、例えば0.01〜0.2(好ましくは0.05〜0.1)の範囲を採用できる。
なお、比A/Cと比B/Dは、接合強度を同じにするために、辺毎に同じであることが好ましいが、デバイスの形状、大きさ、配置、数、並びに、電極の数、配置など、必要に応じて異なっていてもよい。
【0036】
・更に、図1(g)に例示する様に、複数のセラミック層が積層されたセラミック多層基板において、隣り合うセラミック層の平面方向における凹凸のずれEとしては、10〜500μm(好ましくは20〜200μm)の範囲を採用できる。
【0037】
これは、凹凸のずれが小さすぎると、接着剤の入り込む量が少なく、接合強度向上の効果が少ないからである。一方、凹凸のずれが大きすぎると、基板上面の平坦度が低下し、LSI等の電子部品の実装の妨げになるからである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は角に切欠部を有する基板の平面図、(b)は辺に切欠部を有する基板の平面図、(c)は切欠部の無い箇所の側面図、(d)は切欠部がある箇所の側面図、(e)及び(f)は基板の長さ及び切欠部の長さを示す平面図、(g)は凹凸の長さを示す側面図である。
【図2】実施例1のセラミック多層基板を実装したプリント基板を図3のB−Bにて厚み方向に破断した状態を示す説明図である。
【図3】(a)はセラミック多層基板の平面図、(b)はセラミック多層基板を(a)のB−Bにて破断した断面図である。
【図4】(a)は切欠部を示す斜視図、(b)は切欠部を分解して示す斜視図、(c)は切欠部をY方向から見た側面図、(d)は切欠部をX方向から見た側面図である。
【図5】(a)は各グリーンシートを分解して示す斜視図、(b)はグリーンシート積層体の切断を示す説明図である。
【図6】実施例1のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図7】実施例2のセラミック多層基板を実装したプリント基板を図10のG−Gにて厚み方向に破断した状態を示す説明図である。
【図8】実施例2のセラミック多層基板を製造する手順を示す説明図である。
【図9】実施例2のセラミック多層基板を製造する手順を示す説明図である。
【図10】(a)は実施例3のセラミック多層基板の平面図、(b)はセラミック多層基板を(a)のG−Gにて破断した断面図である。
【図11】(a)は切欠部を示す斜視図、(b)は切欠部を(a)のH−Hで破断した状態を示す断面図である。
【図12】(a)は各グリーンシートを分解して示す斜視図、(b)はグリーンシート積層体の切断を示す説明図である。
【図13】実施例4のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図14】実施例5のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図15】実施例5のセラミック多層基板をプリント基板に実装する手順を示す説明図である。
【図16】(a)は他の実施例のセラミック多層基板を示す側面図、(b)は更に他の実施例のセラミック多層基板を示す側面図、(c)はプリント基板の貫通孔にセラミック多層基板を埋設した状態を厚み方向に破断して示す説明図、(d)はプリント基板の凹部にセラミック多層基板を埋設した状態を厚み方向に破断して示す説明図である。
【図17】従来技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態の例(実施例)について説明する。
【実施例1】
【0040】
a)まず、本実施例のセラミック多層基板の構成等について、図2〜図4に基づいて説明する。
図2に模式的に示す様に、本実施例のセラミック多層基板1は、(図示しない)ビアや配線層などを有する複数個(例えば6枚)のセラミック層3a、3b、3c、3d、3e、3f(3と総称する)が、その厚み方向に積層された構成を有している。
【0041】
このセラミック多層基板1の厚み方向の第1主面5側(同図上側)には、例えばCPUやレーザやフォトダイオード等の光素子等を含めた電子部品7が、接着剤、はんだ、導電性ペースト等(図示せず)によって接合されて実装されている。
【0042】
一方、セラミック多層基板1の第2主面9側(同図下方)には、半田からなる半田バンプ11及び接着剤からなる接着部12によってプリント基板13が接合されている。
詳しくは、セラミック多層基板1の第2主面9にはパッド15が形成され、プリント基板13の表面にもパッド17が形成されており、これらの両パッド15、17間を接合して電気的に接続するように半田バンプ11が配置されている。更に、半田バンプ11をモールドする様に、セラミック多層基板1の側方の外周には、例えばアンダーフィル材の様な液状硬化性樹脂からなる接着剤が充填されており、この接着剤によって、セラミック多層基板1がプリント基板13に接合されて搭載されている。
【0043】
ここで、前記セラミック多層基板1の形状について説明する。
図3に示す様に、前記セラミック多層基板1は、その平面形状(第1主面5側から見た形状:厚み方向から見た形状)が略四角形であり、その四隅の角部19には、略L字状に切り欠かれた形状の切欠部21が形成されている。
【0044】
この切欠部21は、図4(a)に拡大して示す様に、セラミック多層基板1の角部19における側面側(厚み方向と垂直の側)が、X方向から見た場合とY方向から見た場合に、共に凹凸があるように、各セラミック層3の側面側が異なる寸法にて切り欠かれたものである。そのため、図4(b)に分解して示す様に、各セラミック層3の平面形状(即ち各セラミック層3における切欠部21を構成する部分の平面形状)は、前記各セラミック層3毎にそれぞれ異なっている。
【0045】
詳しくは、図4(c)、(d)に示す様に、セラミック多層基板1を側面側(X方向及びY方向)から見た場合に、各セラミック層3の側面が凹凸を有する様に(ここでは凹字状に凹んだ形状を有する様に)形成されている。しかも、この凹凸の形状は、X方向及びY方向の異なる2方向(X方向とY方向は垂直に交差する)から見た場合にも、同様に側面が凹凸を有する様に形成されている。
【0046】
つまり、X方向から見た場合に、図4(d)に示す様な左端の凹凸が現れるとともに、Y方向から見た場合に、図4(c)に示す様な右端の凹凸が現れるように、隣接するセラミック層3の切欠寸法が異なるように設定されている。
【0047】
なお、本実施例では、切欠部21において最上層のセラミック層3が、他のセラミック層3より、平面方向(側方)において外側に張り出している。
b)次に、前記セラミック多層基板1の製造方法について、図5に基づいて説明する。
【0048】
・まず、セラミック層3を形成するための原料粉末として、SiO2、Al2O3、B2O3を主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末(平均粒径:3μm、比表面積:1.0m2/g)と、ムライト粉末(平均粒径:2μm、比表面積:3.0m2/g)とを用意した。また、セラミックのグリーンシートを形成する際のバインダ成分及び可塑剤成分として、アクリル系バインダとDOP(ジ・オチクル・フタレート)を用意した。
【0049】
次に、前記ホウケイ酸系ガラス粉末とムライト粉末とを、重量比で50:50、総量で1kgとなるように秤量して、ポットに入れた。
これに、前記アクリル樹脂(バインダ)を120gと、適当な粘度とシート強度を持たせるのに必要な溶剤(MEK:メチルエチルケトン)及び可塑剤(DOP)の適量を、前記ポットに入れ、5時間混合することにより、セラミックスラリーを得た。
【0050】
得られたセラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により、図5(a)に示す様に、厚み0.15mmの(6枚の)グリーンシート31を得た。
なお、このグリーンシート31に対しては、周知の方法により、層間を電気的に接続するためのビアや各層上に配線層を形成するが、ここでは、その説明は省略する。なお、複数個の基板を同時に製造するように配置してもよい。
【0051】
・次に、各グリーンシート31に対して、前記切欠部21を形成するために、パンチングによる穴開け加工を行って、各グリーンシート31の四隅の方向に、それぞれ正方形の開口部33を形成する。このとき、各セラミック層3の形状に対応して、各グリーンシート31の開口部33の位置及び大きさを設定する。
【0052】
なお、開口部33の位置及び大きさや、後述する各セラミック層3の各辺に対応した縦横の切断ラインC1〜C4は、各グリーンシート31の四隅にあけた共通のスルーホール35の位置を基準として設定することができる。つまり、所定の形状をした長方形の四隅に各グリーンシート31共通のスルーホール35を形成することにより、このスルーホール35の位置を基準として、開口部33や切断ラインC1〜C4を設定することができる。
【0053】
・次に、図5(b)に示す様に、各グリーンシート31の各スルーホール35の位置が、厚み方向(図の上下方向)に一致する様にして、各グリーンシート31を積層してグリーンシート積層体37を形成する。
【0054】
・次に、全てのグリーンシート31の開口部33が重なった位置を通る様に、即ち、上述した側面に凹凸のある切欠部21を有するセラミック多層基板1の形状となる様に、グリーンシート積層体37を厚み方向に切断する。
【0055】
詳しくは、全ての開口部33が厚み方向に連なって貫通する貫通孔39の(平面形状における)例えば中心を通る様に、グリーンシート積層体37の縦横の辺と平行なカットラインC1〜C4を設定し、カッターを用いて、このカットラインC1〜C4に沿って、グリーンシート積層体37を切断する。
【0056】
・その後、周知の様に、この切断されたグリーンシート積層体37を所定の温度(例えば1000℃)で焼成することにより、切欠部21を有するセラミック多層基板1を得た。
【0057】
なお、セラミック多層基板1上のパッド15は、セラミック多層基板1の表面の配線層に対して、(例えばNiAuの)メッキを施すことにより形成することができる。
c)次に、上述の様に製造されたセラミック多層基板1をプリント基板13に実装する方法について、図6に基づいて説明する。
【0058】
・図6(a)に示す様に、電子部品7が下方になる様に、セラミック多層基板1を上下逆にし、セラミック多層基板1の第2主面9側において、治具(図示せず)を用いて、パッド15に重なる様に半田バンプ材料を位置決めして保持する。
【0059】
この半田バンプ材料の形成方法としては、周知の技術を用いることができ、例えばマスクを用いてパッド15上に半田ボールを乗せても良いし、クリーム半田を印刷してもよい。
【0060】
・次に、(溶融する前の)半田バンプ材料を保持した状態で、全体を半田バンプ材料の融点以上まで昇温し半球状の半田バンプ11とし、その半田バンプ11の片側をパッド15に接合した状態とする。
【0061】
・次に、図6(b)に示す様に、半田バンプ11がパッド15に接合した状態で、セラミック多層基板1を裏返し、半田バンプ11がプリント基板13のパッド17と接する様に、セラミック多層基板1とプリント基板13との位置決めを行う。
【0062】
・次に、この様に位置決めされた状態で、再度昇温し、半田バンプ11とパッド17とを接合する。
・次に、図6(c)に示す様に、セラミック多層基板1の側方の外周に、詳しくは、角部19の切欠部21を含む外周全体に、例えばニードル41を用いて、適度な粘度を有する接着剤を供給する。
【0063】
・次に、全体を昇温することにより、この接着剤を硬化させて接着部12を形成し、セラミック多層基板1とプリント基板13とを接合する。
このとき、接着剤は、最上層のセラミック層3より下の各セラミック層3の側面全体を覆う様に供給する。
【0064】
d)この様に、本実施例のセラミック多層基板1は、(平面形状において)四角形の角部19が切り欠かれた切欠部21を有しており、その切欠部21の側面側の端面は、セラミック層3ごとに凹凸を有する形状である。しかも、その凹凸は、セラミック多層基板1を厚み方向に見たときに、複数方向に形成されているとともに、側面側においてセラミック層3の中央部分にて内側に凹んでコ字状の凹部となっている箇所が複数個形成されている。
【0065】
従って、このセラミック多層基板1を、接着剤を用いてプリント基板13に接合する際には、接着剤が凹部に入り込むので、接着面積が増加するとともに、アンカー効果によって、セラミック多層基板1をプリント基板13に強固に接合することができる。
【0066】
その結果、例えばプリント基板13が大きく撓む様な場合でも、電気的な接続不良や接着剤が剥がれる等の接合不良が発生し難いという顕著な効果を奏する。
更に、本実施例では、最上層のセラミック層3aが、他のセラミック層3b〜3fより外側に張り出しているので、部品実装のための有効面積が増加するという効果がある。また、最上層のセラミック層3aの表面に接着剤が回り込みにくいので、最上層のセラミック層3aの表面が接着剤によって汚染されにくいという効果がある。
【0067】
なお、切欠部21における最上層のセラミック層3aが、他のセラミック層3b〜3fより外側に張り出していることが好ましいが、一部でも張り出していれば効果はある。
また、本実施例では、各切欠部21は、セラミック多層基板1の所定箇所にて、基板全体を厚み方向に切り欠くように形成されているが、同じ厚み方向において特定のセラミック層3に1箇所又は複数箇所に離散的に切欠部21を設けてもよい。
【実施例2】
【0068】
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1とは、切欠部の凹凸の形状が異なるので、異なる内容について説明する。
【0069】
a)まず、本実施例のセラミック多層基板の構成について、図7に基づいて説明する。
図7に示す様に、本実施例のセラミック多層基板51は、前記実施例1とほぼ同様に、複数(例えば5枚)のセラミック層53が積層された基板であり、このセラミック多層基板51の(平面方向における四隅の)角部には、切欠部55が形成されている。
【0070】
また、セラミック多層基板51にはLSI等の電子部品57が実装されており、このセラミック多層基板51は、半田バンプ59や(例えば切欠部55に充填された接着剤からなる)接着部61によってプリント基板63に実装されている。
【0071】
特に本実施例では、5枚のセラミック層53のうち、3枚のセラミック層53a、53c、53eの平面形状が同じで、その間の2枚のセラミック層53b、53dの平面形状が同じように設定されている。これにより、切欠部55の側面の凹凸形状が規則的になっている。
【0072】
b)次に、本実施例のセラミック多層基板51の製造方法について、図8及び図9に基づいて説明する。なお、図8及び図9の各分図において上図が平面図であり、下図が(各C−C、D−D、E−E、C1、F−Fのラインで切断した)断面図である。
【0073】
・まず、図8(a)に示す様に、前記実施例1と同様にして、グリーンシート71を得た。
・次に、図8(b)に示す様に、このグリーンシート71に対して、切欠部55を形成するために、パンチングによる穴開け加工を行って、グリーンシート71の四隅の方向に、それぞれ正方形の開口部73を形成する。ここでは、この様なグリーンシート71を、セラミック層73の枚数に対応して例えば5枚作製する。
【0074】
・次に、図8(c)に示す様に、各グリーンシート71を積層してグリーンシート積層体75を形成するが、その際には、開口部73の位置を(貫通孔77が積層方向に貫通する様に)厚み方向に揃えるとともに、開口部73を平面方向(X方向及びY方向に)に若干ずらすようにする。
【0075】
詳しくは、厚み方向から見た場合に、第1グリーンシート71aと第3グリーンシート71cと第5グリーンシート71eとの位置を一致させて、各グリーンシート71a、71c、71eの開口部73の位置を一致させる。同様に、第2グリーンシート71bと第4グリーンシート71dとの位置を一致させて、各グリーンシート71b、71dの開口部73の位置を一致させる。このとき、第1、3、5グリーンシート71a、71c、71eの開口部73の位置と、第2、4グリーンシート71b、71dの開口部73の位置を、X方向及びY方向にわずかにずらせる。
【0076】
・次に、図9(a)に示す様に、全てのグリーンシート71の開口部73が重なった位置を通る様に、詳しくは、貫通孔77の(平面形状における)中心を通る様に、グリーンシート71の縦横の辺と平行なカットラインC1〜C4を設定し、カッターを用いて、このカットラインC1〜C4に沿って、グリーンシート積層体75を切断する。
【0077】
・これによって、図9(b)に示す様に、四隅の切欠部55に対応した未焼成切欠部79を有するグリーンシート積層体75が形成される。
その後、周知の様に、この(カット後の)グリーンシート積層体75を所定の温度で焼成することにより、切欠部55を有するセラミック多層基板71を得た。
【0078】
上述した様にして得られたセラミック多層基板71は、前記実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例3】
【0079】
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1とは、切欠部を形成する位置が異なるので、異なる内容について説明する。
【0080】
a)まず、本実施例のセラミック多層基板の構成について、図10及び図11に基づいて説明する。
図10に示す様に、本実施例のセラミック多層基板81は、前記実施例1と同様に、複数のセラミック層83が積層された基板である。
【0081】
特に本実施例では、セラミック多層基板81の各辺の中央部分に、1箇所づつ(平面形状が)略コ字状の切欠部85が形成されている。
図11に示す様に、この切欠部85においても、前記実施例1と同様に、各セラミック層83の側方の端面は、X方向及びY方向において凹凸のある形状となっている。
【0082】
つまり、各セラミック層83の切欠部85側では、X方向及びY方向において内側に引き込む寸法を、隣接するセラミック層83同士で異なるように設定することにより、切欠部85の側方(三方向)の端面において、凹凸を形成するようにしている。
【0083】
b)次に、セラミック多層基板81の製造方法について説明する。
本実施例のセラミック多層基板81を製造する場合には、図12(a)に示す様に、前記実施例1と同様に、各セラミック層83に対応した各グリーンシート91に、それぞれ切欠部85の側面の形状に対応した開口部93を設ける。そして、図12(b)に示す様に、各グリーンシート91を積層してグリーンシート積層体95を形成し、次に、(セラミック多層基板81と対応した形状となる様に)開口部93が重なりあって形成される貫通孔97の位置で各辺に沿ってC1〜C4で切断し、その後焼成する。
【0084】
なお、切欠部85の側面における凹凸の状態が実施例2と同様に規則的な場合には、実施例2の製造方法の様に、同じ開口部の配置のグリーンシートを作製して積層する際に、X方向及びY方向にわずかにずらすことによって製造することもできる。
【0085】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、各辺の中央部に切欠部85が形成されて接着剤が充填されているので、接着面積が増えて一層接合強度が高いという利点がある。
【実施例4】
【0086】
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1と同様な構成であるが、このセラミック多層基板をプリント基板に実装する方法が異なるので、異なる内容について説明する。
【0087】
本実施例は、電極(パッド)同士を押しつけて接続するとともに、非導電性接着剤によって接合するものである。
具体的には、まず、図13(a)に模式的に示す様に、プリント基板101の表面のパッド103を覆うように、非導電性接着剤105を配置する。
【0088】
次に、図13(b)に模式的に示す様に、(電子部品106を実装した)セラミック多層基板107を非導電性接着剤105の中に押し入れるとともに、セラミック多層基板107のパッド109をプリント基板101のパッド103に押し当てる。
【0089】
次に、図13(c)に模式的に示す様に、この状態で加熱し、アンダーフィル105を硬化させて(接着部111とし)、この接着部111によって、セラミック多層基板107とプリント基板101とを接合する。
【0090】
なお、他の方法として、電極に凸部を形成しておいても良い。凸部の形成方法は、周知の方法を用いることができ、例えばワイヤボンディングを行った後、ワイヤをネック部分から切断することでパッドに凸部を取り付けることができる。
【0091】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例5】
【0092】
次に、実施例5について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1と同様な構成であるが、このセラミック多層基板をプリント基板に実装する方法が異なるので、異なる内容について説明する。
【0093】
本実施例は、異方導電性フィルムによって接合するものである。
具体的には、まず、図14(a)に模式的に示す様に、プリント基板121の表面のパッド123を覆うように、熱硬化性の接着シート125の中に導電性微粒子(通常は銀粒子)127が分散した異方導電性フィルム129を配置する。
【0094】
次に、図14(b)に模式的に示す様に、(電子部品130が実装された)セラミック多層基板131を異方導電性フィルム129の中に押し入れるとともに、セラミック多層基板131のパッド133を(導電性微粒子127を挟んで)プリント基板121のパッド123に押し当てる。
【0095】
次に、図14(c)に模式的に示す様に、この状態で加熱し、異方導電性フィルム129を硬化させて(接着部135とし)、この接着部135によって、セラミック多層基板131とプリント基板121とを接合する。
【0096】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
【実施例6】
【0097】
次に、実施例6について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例のセラミック多層基板は、前記実施例1と同様な構成であるが、このセラミック多層基板をプリント基板に実装する方法が異なるので、異なる内容について説明する。
【0098】
本実施例は、ワイヤボンディングにより電気接続を行うものである。
具体的には、図15(a)に示すように、接着剤137によりセラミック多層基板139とプリント基板141とを接合する。接着剤137としては、非導電性の接着剤や銀ペーストなど通常の接着剤を用いることができる。
【0099】
その後、図15(b)に示すように、セラミック多層基板139とプリント基板141をワイヤボンディング143により電気的に接続する。
その後、図15(c)に示すように、接着剤145で、ワイヤボンディング143を含むセラミック多層基板139とプリント基板141との接続部を覆う。接着剤145としては、非導電性の接着剤が使用される。なお、非導電性であれば前記接着剤137と同じでも良い。
【0100】
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0101】
(1)例えば、図16に示す様に、各セラミック層151、153は、グリーンシートから切断する際に、一方の主面側(最初にカッターが当たる側と反対側)の方が、外周側(側方)に張り出す形状となるが、特に、図16(b)に示す様に、各セラミック層153の外周に張り出す側をプリント基板155側とすると、その先端に接着剤が引っかかり易く、よって、接合強度が一層向上するので、好適である。
【0102】
(2)また、セラミック多層基板に実装する電子部品としては、光素子以外に、例えばLSIやCPU等の各種の電子部品が挙げられる。
(3)更に、セラミック多層基板が実装される他の基板としては、プリント基板に限らず、例えばセラミック配線基板が挙げられる。
【0103】
(4)また、セラミック多層基板を他の基板に実装する場合には、他の基板の表面(主面)にセラミック多層基板を接合する場合に限らず、図16(c)、(d)に示す様に、他の基板(プリント基板161、163等)に貫通孔165や凹部167を設け、その貫通孔165や凹部167内に、接着剤からなる接着部169、171によって、(切欠部172、173を有する)セラミック多層基板175、177を埋設してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1、51、81、107、131、139、175、177…セラミック多層基板
3、53、83、151、153…セラミック層
5…第1主面
7、57、106、130…電子部品
9…第2主面
11…半田バンプ
12、111、135、169、171…接着部
13、63、101、121、141、155、161、163…プリント基板
15、17、103、109…パッド
19…角部
21、55、85、172、173…切欠部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、
前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、
前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板を厚み方向から見たときに、複数方向に形成されていることを特徴とするセラミック多層基板。
【請求項2】
複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、
前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、
前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板の厚み方向における中央部分のセラミック層が内側に凹んだコ字状に形成されていることを特徴とするセラミック多層基板。
【請求項3】
前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの角部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミック多層基板。
【請求項4】
前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの辺に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミック多層基板。
【請求項5】
前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、
前記複数のセラミック層のうち、前記他の基板に対して最も離れた位置に配置されたセラミック層の少なくとも一部が、他のセラミック層より平面方向外側に張り出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミック多層基板。
【請求項6】
前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、
前記各セラミック層の外周側において、前記他の基板側の縁部が該他の基板と反対側の縁部より平面方向外側に張り出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミック多層基板。
【請求項1】
複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、
前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、
前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板を厚み方向から見たときに、複数方向に形成されていることを特徴とするセラミック多層基板。
【請求項2】
複数の平板状のセラミック層が積層された構造を有するセラミック多層基板において、
前記セラミック多層基板は、自身の側面に少なくとも一つの切欠部を有し、
前記切欠部は、前記1又は複数のセラミック層ごとに凹凸を有することで形成され、且つ、その凹凸は、前記セラミック多層基板の厚み方向における中央部分のセラミック層が内側に凹んだコ字状に形成されていることを特徴とするセラミック多層基板。
【請求項3】
前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの角部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミック多層基板。
【請求項4】
前記セラミック多層基板は、前記厚み方向から見た場合に多角形であり、前記切欠部が、前記多角形の少なくとも一つの辺に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミック多層基板。
【請求項5】
前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、
前記複数のセラミック層のうち、前記他の基板に対して最も離れた位置に配置されたセラミック層の少なくとも一部が、他のセラミック層より平面方向外側に張り出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミック多層基板。
【請求項6】
前記セラミック多層基板が接着剤によって他の基板に接合される基板であり、
前記各セラミック層の外周側において、前記他の基板側の縁部が該他の基板と反対側の縁部より平面方向外側に張り出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミック多層基板。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1】
【図14】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1】
【図14】
【公開番号】特開2013−4580(P2013−4580A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131407(P2011−131407)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】
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