説明

センサ上での腐食を防止するための方法およびデバイス

【課題】センサ上での、接続部およびワイヤボンドパッド等のメタライゼーション層の腐食を防止するためのデバイスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】デバイスは、メタライゼーション層300の上に配置される絶縁層400と、絶縁層400の上に配置される接着層200を備え、接着層200の上に金から構成される耐食性層100を配置する。これにより、耐食性層100として金を使用することに対応しながら、従来のシリコン−ガラス接着技術を使用することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、機械的応力、化学機械的応力(chemo−mechanical stress)、熱応力および電磁場などのから発生する弱い力または小さい撓みを検出するのに使用され得る、半導体マイクロ電子機械ベースのセンサ(microelectromechanical based sensor(MEMS))に関する。より詳細には、本明細書で開示される主題は、そのようなセンサ上での腐食を防止するための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体マイクロ電子ベースのセンサの進歩により、そのようなセンサのサイズが大幅に縮小されてコストが大幅に減少している。シリコンマイクロセンサの電気的特性および機械的特性の記録は多数ある。シリコンの微細加工技術および半導体マイクロ電子技術は、多数の実用的な用途を有する不可欠なセンサ産業に発展した。例えば、微細加工されたシリコンの圧力センサ、加速度センサ、流量センサ、湿度センサ、マイクロホン、機械的振動子、光学式およびRF式のスイッチおよび減衰器、マイクロバルブ、インクジェット印字ヘッド、ならびに、原子間力顕微チップなどは、巨大な医療市場、航空宇宙市場、産業市場および自動車市場で様々な用途があることが広く知られている。シリコンの高い降伏強度、室温での弾性、および、硬さ特性により、シリコンは、例えば電子的な周波数制御に有用であり得る共振構造、または、センサ構造にとって理想的な母材となっている。腕時計、スキューバダイビングの装置、および、携帯型のタイヤ圧ゲージなどの、コンシューマアイテムにおいても、シリコン微細加工センサが組み込まれ得る。
【0003】
拡大し続ける使用分野におけるシリコンセンサの需要により、特定の環境および用途のために最適化される新たな別のシリコンマイクロセンサの幾何形状および構成の必要性が増大し続けている。多くの用途では、これらのセンサが厳しい環境条件内で動作したり厳しい環境条件にさらされたりすることが要求され、例えばこのような厳しい環境条件には、センサに電気伝導性を与えるまたはセンサから電気伝導性を与える例えば接続部およびワイヤボンドパッドといったようなシリコンセンサのメタライゼーション層の腐食を引き起こす可能性がある高湿度条件または酸性条件がある。このような腐食により、センサが不正確になったり、誤作動を起こしたり、さらには故障したりする可能性がある。このような腐食が起こるのを防止するために、一部のセンサは、耐食性の純金メタライゼーション層を使用している。しかし、金は軟質金属であり、傷つきやすく、損傷しやすい。多くのセンサは、追加で、デバイスを梱包材料から隔離するために、シリコン基板層に接着されるガラス層を使用する。シリコン−ガラスの接着が完了した後でウェットエッチング技術を使用して金メタライゼーション層を処理することはできないことから、金メタライゼーションを使用することは従来の製造プロセスに影響する。さらに、シリコン−ガラスの接着を実施する前に金メタライゼーション層を処理するには、金からシリコンへの拡散を防止するために、接着の質を低下させるような技術が必要となる。
【0004】
したがって、耐久性があることに加えて、シリコン−ガラスの高品質の接着技術を使用することを促進するような耐食性の電気接続部をシリコンセンサ上に製造するための低コストのデバイスおよび方法が必要とされている。
【0005】
上記の考察は単に一般的な背景情報のために提供されており、特許請求される主題の範囲を決定することを補助するものとして使用されること意図しない。
【発明の概要】
【0006】
センサ上での腐食を防止するためのデバイスおよびその製造方法が開示され、ここでは、このデバイスは、絶縁層と、接着層の上に配置される耐食性層を備える、シリコンセンサのメタライゼーション層を覆う接着層とを有する。記載されるデバイスおよび製造方法の一部の実施形態を実施することで実現され得る利点は、耐食性層として金を使用することに対応しながら、従来のシリコン−ガラス接着技術を使用することが可能になることである。
【0007】
例示の一実施形態では、センサ上での腐食を防止するための方法が開示される。この方法は、シリコンから構成される基板層を有するセンサのメタライゼーション層の上に絶縁層を堆積させるステップと、メタライゼーション層の一部分を露出させるために絶縁層を通る少なくとも1つの接点チャネルをエッチングするステップと、絶縁層の一部分および少なくとも1つの接点チャネルの内部表面の上に接着層を堆積させるステップであって、接着層が絶縁層の一部分およびメタライゼーション層の一部分に接触する、ステップと、接着層の上に耐食性層を堆積させるステップとを含む。
【0008】
別の例示の実施形態では、センサ上での腐食を防止するためのデバイスが開示される。このデバイスは、シリコンから構成される基板層を有するセンサのメタライゼーション層の上に配置される絶縁層と、メタライゼーション層の一部分を露出させるために絶縁層を通って延在する少なくとも1つの接点チャネルと、絶縁層の一部分および少なくとも1つの接点チャネルの内部表面の上に配置される接着層であって、この接着層が絶縁層の一部分およびメタライゼーション層の一部分に接触する、接着層と、接着層の上に配置される耐食性層とを有する。
【0009】
別の例示の実施形態では、デバイスは、シリコンから構成される基板層を有するセンサの、アルミニウムを含むメタライゼーション層の上に配置される二酸化ケイ素を含む絶縁層と、基板層の底部に接着されるガラス層と、メタライゼーション層の一部分を露出させるために絶縁層を通って延在する少なくとも1つの接点チャネルと、絶縁層の一部分および少なくとも1つの接点チャネルの内部表面の上に配置されるチタニウムタングステンを含む接着層であって、この接着層が絶縁層の一部分およびメタライゼーション層の一部分に接触する、接着層と、接着層の上に配置される金を含む耐食性層とを有する。
【0010】
本発明のこの簡単な説明は、1つまたは複数の説明的実施形態により本明細書で開示される主題の概要を提供することのみを意図しており、特許請求の範囲を解釈するための、あるいは、添付の特許請求の範囲のみよって定義される本発明の範囲を定義または限定するためのガイドとしての役割はない。この簡単な説明は、以下の詳細な説明でさらに説明される単純化された形態において概念の説明的な選択肢を提示するために提供されるものである。この簡単な説明は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を確認することを意図しておらず、また、特許請求される主題の範囲を決定することを補助するものとして使用されることも意図していない。特許請求される主題は、背景技術で示された一部またはすべての欠点を解決する実装形態のみに限定されない。
【0011】
本発明の特徴を理解することを目的として、一部が添付図面に示されている特定の実施形態を参照することにより、本発明の詳細な説明を得ることができる。しかし、これらの図面が本発明の特定の実施形態のみを示しておりしたがって本発明の範囲を限定するものとして解釈されず、本発明の範囲が別の同様の効果的な実施形態も包含することに留意されたい。これらの図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、本発明の特定の実施形態の特徴を示すことに重点が置かれている。これらの図面では、複数の図を通して同様の部分を示すのに同様の参照符号が使用される。したがって、本発明をさらに理解するために、図面と併せて読まれる以下の詳細な説明を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の例示の実施形態のセンサのボンドパッドを示す例示の断面図である。
【図2】本発明の例示の実施形態のセンサのボンドパッドの製造ステップを示す例示のプロセスフローである。
【図3】本発明の例示の実施形態の基板層、パッシベーション層およびメタライゼーション層を示す例示の断面図である。
【図4】本発明の例示の実施形態の、絶縁層内で覆われるエッチングされたメタライゼーション層を備える、基板層およびパッシベーション層を示す例示の断面図である。
【図5】本発明の例示の実施形態の、基板層と、パッシベーション層と、接点チャネルを有するエッチングされた絶縁層内で覆われるエッチングされたメタライゼーション層とを示す例示の断面図である。
【図6】本発明の例示の実施形態の、基板層と、パッシベーション層と、接着層および耐食性層によって覆われる接点チャネルを有するエッチングされた絶縁層内で覆われるエッチングされたメタライゼーション層とを示す例示の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
センサ上での腐食を防止するためのデバイスおよびその製造方法が開示され、ここでは、このデバイスは、絶縁層と、接着層の上に配置される耐食性層を備える、シリコンセンサのメタライゼーション層を覆う接着層とを有する。記載されるデバイスおよび製造方法の一部の実施形態を実施することで実現され得る利点は、耐食性層として金を使用することに対応しながら、従来のシリコン−ガラス接着技術を使用することが可能になることである。製造時、高品質のシリコン−ガラスのアノードボンドを作るのに十分な熱が必要となる。したがって、純金メタライゼーション層を使用する従来の技術を用いてガラス層を基板層に接着する場合では、高品質のアノードボンドを作るのに必要となる熱により、金がシリコン内に拡散する可能性がある。より低い温度を使用することによりシリコン−ガラスの接着プロセスを変更すると、ボンドの質が低下する可能性がある。別法として、金を使用する従来のメタライゼーションの前にガラス層を基板層に接着する場合では、ガラスが湿潤加工に化学的に適合しないため、金メタライゼーション層が存在することで、メタライゼーション層のパターン形成の際に湿潤加工技術を使用することが排除されてしまう。
【0014】
記載されるデバイスおよび製造方法の一部の実施形態を実施することで実現され得る別の利点は、絶縁層が耐食性層と同様に耐食性であることに加えて、耐傷性であることである。したがって、絶縁層を使用することにより、得られるセンサの全体の耐久性を向上させることができ、特に、例えばワイヤまたは別の物理的接続部から傷を受けやすいボンドパッド接合部(bond pad junction)の耐久性を向上させることができる。記載されるデバイスおよび製造方法の一部の実施形態を実施することで実現され得る別の利点は、耐食性層が非常に薄く作られ得ることである。耐食性材料として金が使用される状況では、メタライゼーション層は例えば低コストのアルミニウムのままでよいことから、上記のことにより、センサを製造するのに必要となる金の量を減少させることができ、全体のコストを減少させることができる。
【0015】
図1は、本発明の例示の実施形態のセンサのボンドパッド10の断面図を示している。ボンドパッド10は、シリコンセンサのメタライゼーション層300と例えばワイヤまたは接続ピンなどの種々の外部部品との間に電気接続を形成することができる。ボンドパッド10は、パッシベーション層600を有するシリコンの基板層700を有することができる。一実施形態では、基板層700は、nタイプまたはpタイプのドーピングを有することができるシリコンウエハであってよく、製造されるシリコンセンサの設計要求条件および動作要求条件を満たすような適切な厚さであってよい。パッシベーション層600は、例えば、二酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、または、それらの両方の組み合わせから構成されてよい。パッシベーション層600は、基板層700に対する電気的絶縁および保護を実現することができる。
【0016】
ボンドパッド10はメタライゼーション層300をさらに有することができる。メタライゼーション層300は、シリコンセンサの外側表面から検出素子に電気伝導性を与えることができ、例えばアルミニウムから構成されてよい。メタライゼーション層300は絶縁層400によって覆われてよく、絶縁層400は、例えば、耐傷性の二酸化ケイ素などの低温酸化物の層を含むことができる。絶縁層400の特性は以下のことを条件として選択され得る:絶縁層400が例えば400℃といったような比較的低温でメタライゼーション層300の上に堆積され得、それにより、絶縁層400が、メタライゼーション層300が腐食することおよび傷つくことの両方を防止するためにメタライゼーション層300の露出表面全体を被覆すること。絶縁層400は電気伝導性であってはいけないことから、絶縁層400を通したメタライゼーション層300へのアクセスを可能にするために、1つまたは複数の接点チャネル450が絶縁層400を通してエッチングされていてよい。
【0017】
ボンドパッド10は接着層200をさらに有することができ、接着層200は、絶縁層400の一部分の上および接点チャネル450の中に堆積されてよく、したがって、接着層200は図1に示されるように接点チャネル450の内部表面を覆う。一部の実施形態では、接着層200は接点チャネル450内のみに堆積されてよい。さらに、耐食性層100が接着層200の上に堆積されてよく、結果的に、接着層200は、図1に示されるように、耐食性層100と絶縁層400およびメタライゼーション層300の組み合わせとの間に配置される。接着層200は、例えば、チタニウムタングステン(TiW)または別の任意適当な合金の層から構成されてよく、耐食性層100のための接着層として機能し得ることに加えて、耐食性層100が基板層700内に拡散するのを防止するためのバリアとしても機能することができる。接着層200は電気伝導性であってよい。耐食性層100は、例えば、電気伝導性であってよくかつ例えば高湿度または強い酸性といったような環境要因により容易に腐食しないような金または別の材料の層であってよい。耐食性層100は、例えばワイヤまたは接続ピン(図示せず)などの外部部品に物理的に接触するように配置されてよく、それによりボンドパッド10と外部部品との間に電気伝導性を与えることができる。
【0018】
図1に示されるようなボンドパッド10を製造するための例示のプロセスを図1から6を参照して説明する。図2は、本発明の一実施形態のセンサのボンドパッド10を製造するための例示のプロセスフロー900である。図3は、本発明の例示の実施形態の基板層700、パッシベーション層600およびメタライゼーション300の例示の断面図である。図3を参照すると、図2のプロセスステップ910において、メタライゼーション層300がシリコンウエハ50の所望の部分の上に堆積され得る。シリコンウエハ50は、パッシベーション層600を有する基板層700を有することができる。基板層700は、nタイプまたはpタイプのドーピングを有することができるシリコンであってよく、製造されるシリコンセンサの設計要求条件および製造要求条件を満たすような適切な厚さであってよい。基板層700はシリコンセンサの任意のデバイスまたは別の層であってよい。パッシベーション層600は、例えば、二酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、または、それらの両方の組み合わせから構成されてよい。パッシベーション層600は、製造時および動作時に基板層700に対する電気的絶縁および保護の両方を実現することができる。メタライゼーション層300はスパッタリング技術または蒸着技術を使用して堆積されてよく、例えばアルミニウムから構成されてよい。メタライゼーション層300は、デバイスの設計要求条件および製作要求条件に適するような任意の所望の厚さとなるように堆積されてよい。
【0019】
図2のプロセスステップ920では、メタライゼーション層300が、製造されるシリコンセンサの設計仕様に適合するようにエッチングおよびパターン形成される。メタライゼーション層300は、フォトレジストマスク(photoresistive mask)と、例えば、DRIEなど、あるいは、KOHまたはTMAHを用いたウェットエッチングなどの、ドライエッチング技術またはウェットエッチング技術とを使用して、パターン形成される。図4は、本発明の例示の実施形態の、絶縁層400内で覆われるエッチングされたメタイライゼーション層300を備える、基板層700およびパッシベーション層600の例示の断面図である。図2のプロセスステップ930では、図4に示されるように、例えば二酸化ケイ素などの低温酸化物の絶縁層400が、メタライゼーション層300およびパッシベーション層600の上に堆積され得る。絶縁層400は低圧化学蒸着(low pressure chemical vapor deposition(LPCVD))を使用して堆積されてよく、それにより、メタライゼーション層300のステップカバレージを適切することができる。
【0020】
図5は、本発明の例示の実施形態の、基板層700と、パッシベーション層600と、接点チャネル450を有するエッチングされた絶縁層400内で覆われるエッチングされたメタライゼーション層300との例示の断面図である。図2のプロセスステップ940では、図5に示されるように、フォトレジストマスク500と、例えば、DRIEなど、あるいは、KOHまたはTMAHを用いたウェットエッチングなどの、ドライエッチングまたはウェットエッチング技術とを使用して、絶縁層400がエッチングおよびパターン形成される。プロセスステップ940の間に実施されるエッチングは、メタライゼーション層300から選択された距離で、パッシベーション層600の表面から絶縁層400を除去することができる。さらに、絶縁層400を通ってメタライゼーション層300まで下方に延在する中空のキャビティであってよい1つまたは複数の垂直の接点チャネル450が、例えばウェットエッチング技術またはドライエッチング技術を使用して形成され得る。接点チャネル450は、接点チャネル450を通してメタライゼーション層300の一部分の露出することを実現することができる。
【0021】
図6は、本発明の例示の実施形態の、ガラス層800と、基板層700と、パッシベーション層600と、接着層200および耐食性層100によって覆われる接点チャネル450を有するエッチングされた絶縁層400内で覆われるエッチングされたメタライゼーション層300との例示の断面図である。図2のプロセスステップ950では、アノードボンディングなどのシリコン−ガラスの接着技術を使用して、ガラス層800が基板層700の底側に接着される。ガラス層800は、完成したセンサを囲むことができるデバイス梱包材料から基板層700のシリコンを分離することができる。
【0022】
図2のプロセスステップ960では、例えばシャドウマスクなどのハードマスク850がボンドパッド10の上に配置され得、結果的に、図6に示されるように、ハードマスク850の開部分が、エッチングされた絶縁層400の一部分および接点チャネル450を露出したままの状態にする。ハードマスク850が定位置に配置された後、スパッタプロセスまたは蒸着プロセスを使用して、図6に示されるように、接着層200が、絶縁層400の露出された部分および接点チャネル450の内部表面の上に堆積され得る。一部の実施形態では、接着層200は接点チャネル450内のみに堆積されてよい。接着層200は、例えば、チタニウムタングステン(TiW)または別の任意適当な導電性合金の層から構成されてよく、耐食性層100のための接着層として機能し得ることに加えて、耐食性層100がシリコン内に拡散するのを防止するためのバリアとしても機能することができる。接着層200は、設計仕様に適合するように任意の厚さで堆積されてよく、必要に応じて、例えば100オングストロームくらいに非常に薄く作られ得る。
【0023】
最後に、図2のプロセスステップ970で、スパッタプロセスまたは蒸着プロセスを使用して、図6に示されるように、耐食性層100が接着層200の露出された部分および接点チャネル450の上に堆積され得る。耐食性層100は、例えば、金または別の耐食性の導電材料の層から構成されてよい。耐食性層100は例えば0.1μm程度の薄さであってよいが、所与の設計パラメータに適合するような任意の厚さで堆積されてよい。加えて、接着層200および耐食性層100は、ボンドパッド10の上側表面からメタライゼーション層300への導電性経路を提供することができる。接着層200および耐食性層100の形状は、絶縁層400の厚さ、ならびに、接点チャネル450のサイズ、形状および数によって決定されてよい。耐食性層100が堆積された後、ハードマスク850は除去されてよい。
【0024】
上述の詳細な説明は例示の実施形態を示すために提供されており、限定することを意図しない。ボンドパッドを含む実施形態を基準にして、耐食性センサを製造するための方法を示して説明してきたが、任意の形態のシリコンセンサのメタライゼーションまたは電気接触部に対して腐食を防止するために同様の技術が使用され得ることは当業者には明白であろう。したがって、本明細書で説明されるデバイスおよび製造方法が、本明細書で明確に説明されない様々な別の用途でも有用であることを認識されたい。また、本発明の範囲内で多くの修正および変更が可能であることは当業者には明白であろう。さらに、当業者が認識するように、説明される例示の方法および構造の範囲内で、多数の別の材料およびプロセスが使用され得る。加えて、種々の例示の実施形態で確認および説明されたステップの順序が説明された順序で行われる必要がないこと、ならびに、別の実施形態において、種々のステップが、組み合わされたり、別の順番で実施されたり、連続的または非連続的いずれかで実施されたり、あるいは、並行して実施されたりしてもよく、それでも同様の結果を得ることができることは、当業者には明白であろう。
【0025】
ここに記載される説明は、最良の形態を含めた本発明を開示するために、さらには、任意のデバイスまたはシステムを製造および使用することならびに採用される任意の方法を実施することを含めて、当業者が本発明を実施するのを可能にするために、複数の実施例を使用する。特許を受けることができる本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者には思い付く別の実施例を含むことができる。このような別の実施例は、特許請求の範囲の文字通りの意味と違わない構造的要素を有する場合には、または、特許請求の範囲の文字通りの意味とほぼ違わない等価の構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【符号の説明】
【0026】
10 ボンドパッド
50 シリコンウエハ
100 耐食性層
200 接着層
300 メタライゼーション層
400 絶縁層
450 接点チャネル
500 フォトレジストマスク
600 パッシベーション層
700 基板層
800 ガラス層
850 ハードマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ上での腐食を防止するためのデバイスであって:
シリコンから構成される基板層(700)を有する前記センサのメタライゼーション層(300)の上に配置される絶縁層(400)と;
前記メタライゼーション層(300)の一部分を露出させるために前記絶縁層(400)を通って延在する少なくとも1つの接点チャネル(450)と;
前記絶縁層(400)の一部分および前記少なくとも1つの接点チャネル(450)の内部表面の上に配置される接着層(200)であって、前記接着層(200)が前記絶縁層(400)の一部分および前記メタライゼーション層(300)の一部分に接触する、接着層(200)と;
前記接着層(200)の上に配置される耐食性層(100)と
を有するデバイス。
【請求項2】
前記基板層(700)の底部に接着されるガラス層(800)をさらに有する、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記絶縁層(400)が二酸化ケイ素から構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記メタライゼーション層(300)がアルミニウムから構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項5】
前記耐食性層(100)が金から構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項6】
前記接着層(200)がチタニウムタングステンから構成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスがボンドパッド(10)である、請求項1記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスが電気接触部である、請求項1記載のデバイス。
【請求項9】
センサ上での腐食を防止するための方法であって:
シリコンから構成される基板層(700)を有する前記センサのメタライゼーション層(300)の上に絶縁層(400)を堆積させるステップと;
前記メタライゼーション層(300)の一部分を露出させるために前記絶縁層(400)を通る少なくとも1つの接点チャネル(450)を形成するステップと;
前記絶縁層(400)の一部分および前記少なくとも1つの接点チャネル(450)の内部表面の上に接着層(200)を堆積させるステップであって、前記接着層(200)が前記絶縁層(400)の一部分および前記メタライゼーション層(300)の一部分の接触する、ステップと;
前記接着層(200)の上に耐食性層(100)を堆積させるステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの接点チャネル(450)を形成するステップが、前記センサの前記基板層(700)にガラス層(800)を接着させるステップをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記絶縁層(400)が二酸化ケイ素から構成される、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記メタライゼーション層(300)がアルミニウムから構成される、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記耐食性層(100)が金から構成される、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記接着層(200)がチタニウムタングステンから構成される、請求項9記載の方法。
【請求項15】
接着層(200)を堆積させる前記ステップおよび前記耐食性層(100)を堆積させる前記ステップが、ハードマスクおよびスパッタプロセスを使用して実施される、請求項9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−247413(P2012−247413A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−113925(P2012−113925)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】