センサ装置およびその製造方法
【課題】センシング部を内面側にしてバンプを介して接合された2つの基板を、バンプを介してパッケージに接合してなるセンサ装置において、基板面積を増加させることなく且つセンシング部に影響を与えることなく、両基板の支持強度を向上させる。
【解決手段】一面にセンシング部としての可動部11を有するセンサ基板10の一面に回路基板20の一面を対向させ、第1のバンプ31を介して接合し、さらに、回路基板20の一面の周辺部にて第2のバンプ32を介して両基板10、20をパッケージ40に接合・支持してなる加速度センサ装置S1において、センサ基板10における可動部11側の一面とは反対側の他面、および、回路基板20における第2のバンプ32側の一面とは反対側の他面を、支持部材としての接着剤50を介してパッケージ40に接着し、支持している。
【解決手段】一面にセンシング部としての可動部11を有するセンサ基板10の一面に回路基板20の一面を対向させ、第1のバンプ31を介して接合し、さらに、回路基板20の一面の周辺部にて第2のバンプ32を介して両基板10、20をパッケージ40に接合・支持してなる加速度センサ装置S1において、センサ基板10における可動部11側の一面とは反対側の他面、および、回路基板20における第2のバンプ32側の一面とは反対側の他面を、支持部材としての接着剤50を介してパッケージ40に接着し、支持している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサチップと回路チップなど、2つの基板を、バンプを介して接合するとともに、これら基板を、バンプを介してパッケージに接合してなるセンサ装置およびその製造方法に関し、たとえば角速度センサや加速度センサなどに適用可能なものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のセンサ装置としては、たとえば特許文献1に記載のものが提案されている。このものは、一面にセンシングを行うセンシング部を有する第1の基板に対して、回路チップなどよりなる第2の基板の一面を、第1の基板の一面に対向して配置し、これら両基板の一面同士を、第1のバンプを介して接合している。
【0003】
そして、第1のバンプを介して接続された両基板においては、両基板のうちの一方の基板における一面の周辺部が他方の基板における一面からはみ出しており、この一方の基板における一面の周辺部を、第2のバンプを介して、パッケージに接合することにより、両基板をパッケージに支持している。
【特許文献1】特開2004−311951号公報、図8、図9
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のセンサ装置においては、両基板において互いに対向する両一面のうち相手側の一面からはみ出している周辺部に設けた第2のバンプを介して、パッケージに接合し、上記支持を行っており、この第2のバンプの数や接合面積が小さい場合には、両基板をパッケージへ支持する強度が弱くなる。
【0005】
その結果、パッケージに振動を与えた場合やパッケージを落下した場合など、その衝撃に耐えられずに保持することができなくなる。また、冷熱サイクルに対しても耐えることができなくなる可能性がある。
【0006】
これを解消するために、第2のバンプの数を増加したり、第2のバンプの面積を増大したりすることが考えられる。しかしながら、いずれの場合にも、上記したはみ出し部としての基板周辺部の面積を増加する必要があり、結果的に、基板面積が増加し、経済的に望ましいものではない。
【0007】
また、パッケージ内に両基板を収納した状態で、両基板とパッケージとの間にゲル材料などの充填材を充填することが考えられる。しかし、この場合、充填材が両基板の一面の間に入り込み、第1の基板の一面に設けられているセンシング部に付着し、センサ特性に影響を与えるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、センシング部を内面側にしてバンプを介して接合された2つの基板を、バンプを介してパッケージに接合してなるセンサ装置において、基板面積を増加させることなく且つセンシング部に影響を与えることなく、両基板の支持強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、センシング部(11)を内面側にして第1のバンプ(31)を介して接合された2つの基板(10、20)を、第2のバンプ(32)を介してパッケージ(40)に接合してなるセンサ装置において、第1の基板(10)におけるセンシング部(11)側の一面とは反対側の他面、および、第2の基板(20)における第2のバンプ(32)側の一面とは反対側の他面のうち少なくとも一方の他面を、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に連結して支持したことを特徴とする。
【0010】
それによれば、それぞれの基板(10、20)において第1のバンプ(31)と接続される一面とは反対側の他面を利用し、当該他面を、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に連結して支持しているため、基板面積を増加させることなく且つセンシング部(11)に影響を与えることなく、両基板(10、20)の支持強度を向上させることができる。
【0011】
ここで、パッケージ(40)としては、両基板(10、20)が収納される開口部(41)とこの開口部(41)を覆う蓋部(42)とを有するものにした場合において、両基板(10、20)の各他面のうちの一方を開口部(41)の底部に対向させ、他方を蓋部(42)に対向させた状態としたとき、開口部(41)の底部とこれに対向する他面との間、および、蓋部(42)とこれに対向する他面との間のうちの少なくとも一方の間に、支持部材(50)を介在させ当該間を支持させることができる。
【0012】
なお、本欄において、以下、このようなパッケージ(10)を用いた場合の支持の構成を、「開口部(41)と蓋部(42)を有するパッケージ(40)に係る構成」ということにする。
【0013】
また、上記構成においては、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に連結・支持されるのは、第1の基板(10)における他面のみでもよいし、第2の基板(20)における他面のみでもよいし、両方でもよい。
【0014】
また、上記各構成を有するセンサ装置においては、両基板(10、20)のうち支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の一面に位置する第1のバンプ(31)と他面に位置する支持部材(50)とを、同一の位置に設けるようにしてもよい。
【0015】
それによれば、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板(10、20)において、第1のバンプ(31)による一面側の固定部と他面側の支持部材(50)による支持部とが当該基板(10、20)を挟んで同じ位置となり、これら両部が異なる位置である場合に比べて強度的な向上が可能となる。
【0016】
また、上記各構成を有するセンサ装置においては、両基板(10、20)のうち支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の他面に設けられる支持部材(50)を、当該基板の他面の中心に対して対称形状となるように配置すれば、支持部材(50)で支持されている基板(10、20)に加わる応力を緩和しやすくできる。
【0017】
また、上記各構成を有するセンサ装置において、両基板(10、20)のうち支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板の一面の周辺部が、第2のバンプ(32)を介してパッケージ(40)に接合されている場合には、当該基板の一面に位置する第2のバンプ(32)と他面に位置する支持部材(50)とを同一の位置に設けることが好ましい。
【0018】
それによれば、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板(10、20)において、第2のバンプ(32)による一面側の固定部と他面側の支持部材(50)による支持部とが当該基板(10、20)を挟んで同じ位置となり、これら両部が異なる位置である場合に比べて強度的な向上が可能となる。
【0019】
また、支持部材(50)としては、第1および第2のバンプ(31、32)よりも低弾性な材料であることが好ましく、それによれば、パッケージ(40)から伝わってくる衝撃を緩和しやすい。
【0020】
また、支持部材(50)を、当該支持部材(50)が設けられる他面の1つに対して断続的に複数個設けるようにすれば、支持部材(50)で支持される基板(10、20)の1つの他面に対して、当該支持部材(50)で支持されている部分と支持されていない部分とが存在するため、応力を緩和しやすい。
【0021】
また、上記開口部(41)と蓋部(42)を有するパッケージ(40)に係る構成において、支持部材として接着剤(50)を用い、開口部(41)の底部とこれに対向する他面との間に、支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるセンサ装置を適切に製造する方法としては、次のようなものが挙げられる。
【0022】
1つは、パッケージ(40)における開口部(41)の底部に、接着剤(50)を配設した後、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)を、接着剤(50)を介して開口部(41)の底部に搭載して接着する方法である。
【0023】
もう一つは、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)のうち、パッケージ(40)における開口部(41)の底部に対向する基板の他面に、接着剤(50)を配設した後、両基板(10、20)を、接着剤(50)を介して前記開口部(41)の底部に搭載して接着する方法である。
【0024】
また、上記開口部(41)と蓋部(42)を有するパッケージ(40)に係る構成において、支持部材として接着剤(50)を用い、蓋部(42)とこれに対向する他面との間に、支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるセンサ装置を適切に製造する方法としては、次のようなものが挙げられる。
【0025】
1つは、パッケージ(40)における蓋部(42)に接着剤(50)を配設するとともに、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)を、パッケージ(40)における開口部(41)に収納した後、開口部(41)を覆うように蓋部(42)を取り付けるとともに、接着剤(50)による蓋部(42)の接着を行う方法である。
【0026】
もう一つは、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)のうちパッケージ(40)における蓋部(42)に対向する基板の他面に、接着剤(50)を配設するとともに、両基板(10、20)を、パッケージ(40)の開口部(41)に収納した後、開口部(41)を覆うように蓋部(42)を取り付けるとともに、接着剤(50)による蓋部(42)の接着を行う方法である。
【0027】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0029】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S1の概略断面構成を示す図である。この加速度センサ装置S1は、たとえば自動車に搭載されて自動車に印加される加速度を検出するものとして適用される。
【0030】
また、図2は図1中のB矢視図であって蓋部42を省略してバンプ31、32の配置構成を示す概略平面図、図3は図1中のC矢視図であってパッケージ40における開口部41の底部を透過してセンサ基板10側の接着剤50の配置構成を示す概略平面図、図4は図1中のB矢視図であって蓋部42を透過して回路基板20側の接着剤50の配置構成を示す概略平面図である。なお、上記図1は、これら平面図2、3、4におけるA−A概略断面図である。
【0031】
[センサ装置の構成等]
この加速度センサ装置S1は、大きくは、センサ基板10と、回路基板20と、これら両基板10、20を接続する第1のバンプ31と、これら両基板10、20を収納するパッケージ40と、両基板10、20とパッケージ40とを接合する第2のバンプ32とを備えている。
【0032】
センサ基板10は矩形板状をなしており(図3参照)、第1の基板として構成されている。センサ基板10の一面(図1中のセンサ基板10の上面)には、センシングを行うセンシング部としての可動部11が設けられている。
【0033】
可動部11は、具体的に、一般に知られている櫛歯状の可動電極として構成することができる。この場合、可動部11には対向して固定電極(図示せず)が設けられている。そして、可動部11は加速度の印加に伴って変位し、この変位に伴い、可動部11に対向する固定電極との間の容量変化が発生し、この容量変化の信号を検出することで、印加加速度を検出するようになっている。
【0034】
また、図1に示されるように、センサ基板10の一面には、外部との電気的な信号のやりとりを行うためのパッド12が設けられている。このようなセンサ基板10は、たとえばSOI(シリコン−オン−インシュレータ)基板などの半導体基板に対して周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成されたものである。
【0035】
回路基板20は、センサ基板10よりも一回り大きな矩形板状をなしており(図2参照)、センサ基板10の一面と対向して配置されている。この回路基板20は第2の基板として構成されるものである。
【0036】
回路基板20の一面(図1中の回路基板20の下面)は、センサ基板10の一面に対向しており、当該一面には、センサ基板10のパッド12に対向する位置にパッド22が設けられている。
【0037】
この回路基板20は、センサ基板10へ入力信号を送ったり、センサ基板10からの出力信号を処理して外部へ出力する等の機能を有する信号処理チップとして構成されたものである。
【0038】
このような回路基板20は、たとえばシリコン基板等に対してMOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等が、周知の半導体プロセスを用いて形成されているICチップなどにより構成されたものである。
【0039】
そして、第1のバンプ31は、両基板10、20の両一面の間に介在し、両基板10、20の一面同士を接合している。具体的には、第1のバンプ31は、センサ基板10のパッド12とこれに対向する回路基板20のパッド22との間に介在し、これら両パッド12、22を電気的・機械的に接続している。
【0040】
この第1のバンプ31は導電性接着剤や金、銅などの金属バンプなどにより構成されたものであり、その形成方法や部材間の接合方法については、これら構成材料を用いた公知の方法を採用することができる。
【0041】
ここで、図2〜図4には、センサ基板10の平面の幾何学的な中心Kおよび回路基板20の平面の幾何学的な中心Kを黒丸Kにて示してある。これら両中心Kは互いにずれていてもよいが、ここでは、両基板10、20は互いの中心Kを実質的に一致させた状態で重ね合わされている。そして、第1のバンプ31は、複数個設けられており、両基板10、20の中心Kに対して略対称な配置構成となっている。
【0042】
そして、これら第1のバンプ31を介して接続された両基板10、20は、パッケージ40に収納され、支持されている。本実施形態では、パッケージ40は、両基板10、20が収納される開口部41と開口部41を覆う蓋部42とを有するものである。ここで、図1〜図3に示されるように、開口部41は、段付きの四角形状の穴であり、開口部41の側面の途中部分には、段差面41aが形成されている(図1参照)。
【0043】
このパッケージ40は、たとえばアルミナなどのセラミック層が複数積層された積層基板として構成されており、各セラミック層の表面や各セラミック層に形成されたスルーホールの内部に配線43が形成されたものである。
【0044】
また、蓋部42は金属や樹脂あるいはセラミックなどより構成されるもので、開口部41を覆うように開口部41の縁部に対して溶接やロウ付けなどにより取り付けられている。それにより、開口部41の内部は、蓋部42により封止され外部から保護された空間となっている。
【0045】
また、このパッケージ40において、配線43は、開口部41の上記段差面41aおよび開口部41の底部側の面に露出している。そして、図1に示されるように、パッケージ40の上記配線43のうち段差面41aに露出する部分は、第2のバンプ32を介して両基板10、20と電気的・機械的に接続されている。
【0046】
ここでは、両基板10、20のうちの大きい方の回路基板20における一面の周辺部がセンサ基板10における一面からはみ出しており、このはみ出した回路基板20の一面の周辺部が、段差面41aに対向している。
【0047】
そして、第2のバンプ32は、この回路基板20の一面の周辺部に複数個配置されている。ここでは、図2に示されるように、第2のバンプ32は、両基板10、20の中心Kに対して略対称な配置構成となっている。
【0048】
具体的には、回路基板20の一面の周辺部にも回路基板20のパッド22が設けられており、第2のバンプ32は、回路基板20のパッド22とこれに対向する段差面41aの配線43との間に介在し、これらを電気的・機械的に接続している。この第2のバンプ32についても、上記第1のバンプ31と同様の材質、形成方法、接合方法を採用することができる。
【0049】
こうして、本加速度センサ装置S1においては、両基板10、20およびパッケージ40が、各バンプ31、32を介して電気的・機械的に接合されており、センサ基板10からの信号は、パッケージ40の配線43を介して外部に取り出されるようになっている。また、両基板10、20は、第2のバンプ32を介してパッケージ40に接合されて支持されている。
【0050】
さらに、この加速度センサ装置S1において、センサ基板10の他面および回路基板20の他面の両方の他面が、支持部材50を介してパッケージ40に連結されて支持されている。
【0051】
つまり、これら両基板10、20の各他面とこれに対向するパッケージ40の部分との間に支持部材50が介在し、支持部材50は当該他面とパッケージ40とに接触した状態となることで、上記の連結・支持を行っている。
【0052】
ここでは、支持部材50は、第1および第2のバンプ31、32よりも低弾性な材料であり、具体的には、その程度に弾性率の低いものとして、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などよりなる接着剤50を用いている。
【0053】
本実施形態では、図1に示されるように、センサ基板10における他面が、パッケージ40の開口部41の底部に対向し、回路基板20における他面が蓋部42に対向した状態となっている。そして、開口部41の底部とこれに対向する他面との間、および、蓋部42とこれに対向する他面との間の両方の間に、接着剤50が介在し、これらの間が接着されている。
【0054】
それにより、これらの間は、支持部材としての接着剤50によって連結され、第2のバンプ32による支持に加えて、この接着剤50による両基板10、20のパッケージ40への支持も行われている。
【0055】
ここで、センサ基板10の他面側および回路基板20の他面側の両方において、接着剤50は、当該接着剤50が設けられる他面の1つに対して断続的に複数個設けられている。つまり、図3、図4に示されるように、1つの他面に対して、互いに離れた状態で複数個の接着剤50が設けられている。
【0056】
また、図1、図3に示されるように、センサ基板10において、センサ基板10の一面に位置する第1のバンプ31と他面に位置する接着剤50とが同一の位置に設けられている。つまり、これら第1のバンプ31と接着剤50とは、センサ基板10を挟んで対向する位置にある。
【0057】
ここで、第1のバンプ31と接着剤50とが同一の位置であることとは、完全同一であることだけを意味するものではない。具体的には、図5に示されるように、お互いが多少ずれていても一部互いに重なる部分があればよく、このような場合も、同一の位置であるとみなすものである。
【0058】
また、図3に示されるように、センサ基板10において、センサ基板10の他面に設けられる複数個の接着剤50は、当該センサ基板10の他面の中心Kに対して対称形状となるように(つまり点対称となるように)配置されている。
【0059】
また、図4に示されるように、回路基板20においても、回路基板20の他面に設けられる複数個の接着剤50は、当該回路基板20の他面の中心Kに対して対称形状となるように配置されている。
【0060】
さらに、上述したが、回路基板20においては、第1のバンプ31が設けられる一面の周辺部が、第2のバンプ32を介してパッケージ40に接合されている。ここにおいて、図4に示されるように、回路基板20の一面に位置する第2のバンプ32と他面に位置する接着剤50とが同一の位置に設けられている。ここで、同一の位置の意味は、上記図5の場合と同様である。
【0061】
[センサ装置の製造方法等]
次に、本実施形態の加速度センサ装置S1を製造する製造方法等について述べるが、特に、支持部材としての接着剤50を配設する方法を中心に述べる。
【0062】
従来の方法と同様にして、第1のバンプ31を介して接続された上記両基板10、20を用意するとともに、上記パッケージ40を用意する。このとき、両基板10、20には上記第2のバンプ32も形成しておく。
【0063】
次に、本製造方法では、パッケージ40の開口部41の底部とこれに対向するセンサ基板10の他面との間に、接着剤50を介在させて当該間を接着して連結・支持する。図6、図7は、それぞれ、このセンサ基板10の他面側の接着剤50を配設する第1の方法、第2の方法を示す工程図である。
【0064】
図6に示される第1の方法では、パッケージ40における開口部41の底部に、接着剤50を塗布により配設する。その後、上記両基板10、20を、センサ基板10の他面を開口部41の底部に向けた状態としつつ、接着剤50を介して、開口部41の底部に搭載する。
【0065】
続いて、接着剤50を加熱して硬化させることによりセンサ基板10の他面と開口部41の底部とを接着する。また、一方で、第2のバンプ32を介して、回路基板20の一面の周辺部と段差面41aの配線43とを、接合する。
【0066】
なお、この接着剤50による接合と第2のバンプ32による接合とは、条件が合えば同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。こうして、両基板10、20のパッケージ40への取り付けが完了する。
【0067】
図7に示される第2の方法では、第1のバンプ31を介して接続された両基板10、20のうち開口部41の底部に対向するセンサ基板10の他面に、接着剤50を配設する。この接着剤50の配設は、センサ基板10の他面に接着剤50を塗布することにより行うことができる。
【0068】
続いて、両基板10、20を、センサ基板10の他面を開口部41の底部に向けた状態で、接着剤50を介して開口部41の底部に搭載する。その後は、図6の方法と同様に、接着剤50による接合と第2のバンプ32による接合とを行うことにより、両基板10、20のパッケージ40への取り付けが完了する。
【0069】
次に、本実施形態の製造方法では、パッケージ40の蓋部41を取り付けるとともに、蓋部42とこれに対向する回路基板20の他面との間に、接着剤50を介在させて当該間を接着して連結・支持する。図8、図9は、それぞれ、この回路基板20の他面側の接着剤50を配設する第1の方法、第2の方法を示す工程図である。
【0070】
図8に示される第1の方法では、上記図6、図7に示される方法によって、両基板10、20を、パッケージ40における開口部41に収納するとともに、パッケージ40における蓋部42に接着剤50を塗布などにより配設する。
【0071】
その後は、開口部41を覆うように蓋部42を溶接等にて取り付ける。また、この蓋部42を取り付けたときに、接着剤50を加熱硬化させて、回路基板20の他面と蓋部42とを接着する。こうして、本実施形態の加速度センサ装置S1ができあがる。
【0072】
図9に示される第2の方法では、上記図6、図7に示される方法によって、両基板10、20を開口部41に収納するとともに、第1のバンプ31を介して接続された両基板10、20のうち蓋部42に対向する回路基板20の他面に、接着剤50を塗布により配設する。
【0073】
その後は、図8の場合と同様に、蓋部42の取り付け、接着剤50による蓋部42と回路基板20の他面との接着を行うことにより、本実施形態の加速度センサ装置S1ができあがる。
【0074】
なお、上記図6、図7に示される方法におけるセンサ基板10の他面側の接着剤50の加熱・硬化は、図8、図9に示される方法における回路基板20の他面側の接着剤50の加熱・硬化と同時に行ってもよい。
【0075】
また、接着剤50としては、液状の樹脂を塗布して硬化させるものでもよいが、それ以外にも、たとえばフィルム状に形成された樹脂フィルムでもよい。この場合、樹脂を貼り付けにより配設した後、これを硬化させればよい。
【0076】
[効果等]
ところで、本実施形態によれば、センサ基板10の他面および回路基板20の他面の両方を、接着剤50を介してパッケージ40に連結・支持している。つまり、両基板10、20のそれぞれにおいて、第1のバンプ31および第2のバンプ32が配置される一面とは反対側の他面を利用し、当該他面を、接着剤50を介して、パッケージ10に接着している。
【0077】
そのため、基板面積、特に第2のバンプ32が設けられる回路基板20の面積を増加させることなく、両基板10、20の支持部の面積を増加させることができる。また、接着剤50がセンサ基板10のセンシング部としての可動部11に付着するなどの不具合を防止することができ、当該可動部11に影響を与えることもない。
【0078】
従来構造は、上記図1に示される加速度センサ装置S1において接着剤50を省略したものと同等であり、実質的に第2のバンプ32のみで両基板10、20をパッケージ40に支持していた。それに対して、支持部の面積を増加させた本実施形態においては、両基板10、20の支持強度の向上が実現できる。
【0079】
ここで、本実施形態では、支持部材としての接着剤50を、第1および第2のバンプ31、32よりも低弾性な材料としているため、従来の第2のバンプ32のみによる基板の支持構成に比べて、落下などによってパッケージ40から両基板10、20へ伝わる衝撃が緩和されやすくなる。
【0080】
また、本実施形態では、センサ基板10の他面に位置する接着剤50を、一面に位置する第1のバンプ31と同一の位置に設けており、さらに、回路基板20の他面に位置する接着剤50を、一面に位置する第2のバンプ32と同一の位置に設けている(上記図3および図4参照)。
【0081】
この場合、各基板10、20において、一面側のバンプ31、32による固定部と他面側の接着剤50による固定部とが当該基板10、20を挟んで同じ位置となる。そのため、各基板10、20においてバンプ31、32と接着剤50とが基板10、20を挟んでずれた位置にある場合に比べて、支持強度の向上が可能であると考えられる。また、この場合、基板10、20に加わる応力緩和の面からも有利であると考えられる。
【0082】
また、本実施形態では、それぞれの基板10、20の他面において、接着剤50を当該他面の中心Kに対して対称形状となるように設けているため(上記図3および図4参照)、接着されている基板10、20に加わる応力を緩和しやすくできる。このことは、両基板10、20の支持構造の安定化につながる。
【0083】
また、本実施形態では、接着剤50を、両基板10、20のそれぞれ1つの他面に対して断続的に複数個設けているため(上記図1〜図4参照)、当該1つの他面について、接着剤50で支持されている部分と支持されていない部分が、部分的に存在する。
【0084】
たとえば、接着剤50は、1つの他面に対して連続した1つの環状のものでもよいが、そのような場合、当該他面の周辺部全体が固定されてしまう。そのため、応力の逃げ道がなくなり、かえって大きな応力が基板10、20に加わる可能性があるが、固定されていない部分が存在すれば、そこから応力が逃げて、応力緩和がされやすくなるという効果が期待できる。
【0085】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S2の概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。
【0086】
上記第1実施形態では、センサ基板10の他面および回路基板20の他面の両方の他面が、支持部材としての接着剤50を介してパッケージ40に連結・支持されていた。それに対して、本実施形態では、図10に示されるように、回路基板20における他面側には接着剤50を設けずに、センサ基板10における他面のみが、接着剤50を介してパッケージ40における開口部41の底部に接着されて連結・支持されている。
【0087】
この場合も、上記第1実施形態と同様に、実質的に第2のバンプ32のみで両基板10、20をパッケージ40に支持していた従来構造に比べて、基板面積を増加させることなく且つ可動部11に影響を与えることなく、両基板10、20の支持強度を向上させることができる。
【0088】
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S3の概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。
【0089】
本実施形態も、上記第2実施形態と同様に、両基板10、20のうちの一方の基板の他面のみを接着剤50で連結・支持したものである。ここにおいて、本実施形態のセンサ装置S3では、図11に示されるように、センサ基板10における他面側には接着剤50を設けずに、回路基板20における他面のみが、接着剤50を介してパッケージ40における蓋部42に接着されて連結・支持されている。
【0090】
この場合も、上記第1実施形態と同様に、実質的に第2のバンプ32のみで両基板10、20をパッケージ40に支持していた従来構造に比べて、基板面積を増加させることなく且つ可動部11に影響を与えることなく、両基板10、20の支持強度を向上させることができる。
【0091】
(第4実施形態)
図12は、本発明の第4実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S4の概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。
【0092】
本実施形態の加速度センサ装置S4では、図12に示されるように、回路基板20の他面とパッケージ40の蓋部42との間に介在する接着剤50を、上記第1実施形態に対して付加したものである。
【0093】
それによって、本実施形態では、センサ基板10だけでなく回路基板20においても、回路基板20の一面に位置する第1のバンプ31と他面に位置する接着剤50とが同一の位置に設けられた形となっている。
【0094】
よって、本実施形態によれば、上記第1実施形態にて述べた作用効果を奏することに加えて、この第1のバンプ31と接着剤50とを同一位置としたことによる効果を、センサ基板10だけでなく回路基板20についても発揮することが可能となる。
【0095】
なお、この本実施形態の図12において、回路基板20の他面に位置する接着剤50のうち一面に位置する第1のバンプ31と同一位置にあるもの以外のもの、すなわち、回路基板20の他面に位置する接着剤50のうち一面側の第2のバンプ32と同一位置にあるものは、省略した構成であってもよい。
【0096】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態では、接着剤50の形状について上記第1実施形態とは異なる形状のものを提供する。図13、図14は、それぞれ、本実施形態に係る加速度センサ装置の要部を示す図であって回路基板20側の接着剤50の配置構成の第1の例、第2の例を示す概略平面図である。
【0097】
上記第1実施形態では、上記図3、図4に示されるように接着剤50は、平面円形であったが、接着剤50の平面形状は、図13に示されるように四角形でもよい。なお、この場合、接着剤50は、四角形のものと円形のものとが混在しているが、すべてが四角形のものであってもかまわない。
【0098】
また、接着剤50としては、図14に示されるように、幅を持った線状のものであってもよい。図示例では、回路基板20の他面の中心に対して、対称に2本の接着剤50が配置された形となっている。
【0099】
また、これら各例については、回路基板20の他面に位置する接着剤50以外にも、センサ基板10の他面に位置する接着剤50についても、同様に適用してもよい。このように、接着剤50の形状を変えることは、塗布方法やフィルムの貼り付けなどの工程において容易に実現できる。そして、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0100】
なお、これら図13、図14に示される例は、接着剤50の平面形状を上記第1実施形態とは異ならせたものであり、それ以外の接着剤50に係る構成、たとえば第1のバンプと同一位置にある構成や上記した対称形状とする構成などについては、可能な範囲で適宜適用可能であることは言うまでもない。また、本実施形態は、上記第1実施形態以外にも、上記第2〜第4実施形態についても可能な範囲で適用が可能である。
【0101】
また、上述したように、接着剤50は断続的な複数個のものである方がよいが、その以外にも、円環や矩形額縁状などの1つの連続した環状のものでもよい。ただし、この場合には、さらに、当該接着剤50が配置される他面の中心に対して対称形の環状とすることが望ましい。
【0102】
(他の実施形態)
図15は、本発明の他の実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面構成を示す図である。支持部材50としては、上記したエポキシ、シリコーンなどの樹脂よりなる接着剤を採用できるが、図15に示されるように、内部に空隙51が存在する発泡樹脂(たとえばウレタンフォームなど)などの発泡体よりなるものでもよい。
【0103】
この場合、発泡体よりなる支持部材50としては、各基板10、20とこれに対向するパッケージ40の部分との間に介在して、両者を連結・支持するものであればよく、接着性を有していないものであってもよい。また、これ以外にも、支持部材50としては、弾性的な支持を行うもの、たとえばゴム材料やコイルバネ、板バネなどの弾性部材であってもよい。
【0104】
また、センサ装置としては、一面にセンシング部を有する第1の基板と、一面が第1の基板の一面に対向して配置された第2の基板とが、両基板の間に介在する第1のバンプによって接合され、且つ、一方の基板における一面の周辺部が他方の基板における一面からはみ出し、このはみ出し部分とパッケージとが、第2のバンプを介して接合されているものであればよい。
【0105】
つまり、2つの基板の少なくとも1つはセンシング部を有する第1の基板であることが必要だが、第2の基板は、特に制約はなく、第2の基板も一面にセンシング部をもつものであってもよい。
【0106】
このことは、たとえば上記図1に示される加速度センサ装置S1において、センサ基板10と回路基板20との組ではなく、2枚ともセンサ基板10であってもよいということである。なお、この場合、2枚のセンサ基板10の一方を他方よりも一回り大きくして、第2のバンプ32によるパッケージ10への接合を可能とするとともに、両センサ基板10の対向する一面に可動部11を設ければよい。
【0107】
また、上記各図に示した加速度センサ装置においては、2枚の基板10、20のうち大きい方が回路基板20であり小さい方がセンサ基板10である構成としているが、これとは逆に、大きい方をセンサ基板10、小さい方を回路基板20とし、センサ基板10の一面の周辺部において、上記した第2のバンプ32によるパッケージ10との接合を行うようにしてもよい。
【0108】
このような場合、上記した各図とは逆に、回路基板20における他面が開口部41の底部に対向し、センサ基板10における他面が蓋部42に対向した状態となる。そして、この場合にも、支持部材50による各他面とパッケージ40との間の連結・支持は、上記と同様の要領で行うことができる。
【0109】
また、支持部材50や各バンプ31、32の配置パターンは、両基板10、20の少なくとも一方の他面とパッケージ40とを連結・支持することが実現できるならば、上記の図示例以外のものであってもよい。
【0110】
また、パッケージ40は、両基板10、20を第2のバンプ32によって支持するとともに、両基板10、20の少なくとも一方の他面と対向する部位を持ち、その部位にて上記した支持部材50による連結・支持が行えるものであれば、上記各実施形態に示したものに限定されない。
【0111】
つまり、パッケージ40としては、上記した開口部41と蓋部42とを有するものでなくてもよい。たとえば、上記第2実施形態においては、センサ基板10における他面のみが、接着剤50を介してパッケージ40における開口部41の底部に接着されているが(上記図10参照)、このような構成の場合、パッケージ40は蓋部42が省略されたものであってもよい。また、パッケージ40としては、板状のものであってもよい。
【0112】
また、上記各実施形態では、センサ装置として、センサ基板10が加速度検出素子である加速度センサ装置の例を示したが、これに限定されるものではなく、それ以外にも、センシング部が振動体である角速度センサ装置やセンシング部がダイアフラムである圧力センサ装置などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図2】図1に示されるセンサ装置における第1および第2のバンプの配置構成を示す概略平面図である。
【図3】図1に示されるセンサ装置におけるセンサ基板側の接着剤の配置構成を示す概略平面図である。
【図4】図1に示されるセンサ装置における回路基板側の接着剤の配置構成を示す概略平面図である。
【図5】第1のバンプと接着剤とが一部重なった状態で位置ずれしている状態を示す概略平面図である。
【図6】センサ基板の他面側の接着剤を配設する第1の方法を示す工程図である。
【図7】センサ基板の他面側の接着剤を配設する第2の方法を示す工程図である。
【図8】回路基板の他面側の接着剤を配設する第1の方法を示す工程図である。
【図9】回路基板の他面側の接着剤を配設する第2の方法を示す工程図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態にかかる回路基板側の接着剤の配置構成の第1の例を示す概略平面図である。
【図14】上記第5実施形態にかかる回路基板側の接着剤の配置構成の第2の例を示す概略平面図である。
【図15】本発明の他の実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0114】
10…第1の基板としてのセンサ基板、11…センシング部としての可動部、
20…第2の基板としての回路基板、31…第1のバンプ、32…第2のバンプ、
40…パッケージ、41…パッケージの開口部、42…パッケージの蓋部、
50…支持部材としての接着剤。
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサチップと回路チップなど、2つの基板を、バンプを介して接合するとともに、これら基板を、バンプを介してパッケージに接合してなるセンサ装置およびその製造方法に関し、たとえば角速度センサや加速度センサなどに適用可能なものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のセンサ装置としては、たとえば特許文献1に記載のものが提案されている。このものは、一面にセンシングを行うセンシング部を有する第1の基板に対して、回路チップなどよりなる第2の基板の一面を、第1の基板の一面に対向して配置し、これら両基板の一面同士を、第1のバンプを介して接合している。
【0003】
そして、第1のバンプを介して接続された両基板においては、両基板のうちの一方の基板における一面の周辺部が他方の基板における一面からはみ出しており、この一方の基板における一面の周辺部を、第2のバンプを介して、パッケージに接合することにより、両基板をパッケージに支持している。
【特許文献1】特開2004−311951号公報、図8、図9
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のセンサ装置においては、両基板において互いに対向する両一面のうち相手側の一面からはみ出している周辺部に設けた第2のバンプを介して、パッケージに接合し、上記支持を行っており、この第2のバンプの数や接合面積が小さい場合には、両基板をパッケージへ支持する強度が弱くなる。
【0005】
その結果、パッケージに振動を与えた場合やパッケージを落下した場合など、その衝撃に耐えられずに保持することができなくなる。また、冷熱サイクルに対しても耐えることができなくなる可能性がある。
【0006】
これを解消するために、第2のバンプの数を増加したり、第2のバンプの面積を増大したりすることが考えられる。しかしながら、いずれの場合にも、上記したはみ出し部としての基板周辺部の面積を増加する必要があり、結果的に、基板面積が増加し、経済的に望ましいものではない。
【0007】
また、パッケージ内に両基板を収納した状態で、両基板とパッケージとの間にゲル材料などの充填材を充填することが考えられる。しかし、この場合、充填材が両基板の一面の間に入り込み、第1の基板の一面に設けられているセンシング部に付着し、センサ特性に影響を与えるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、センシング部を内面側にしてバンプを介して接合された2つの基板を、バンプを介してパッケージに接合してなるセンサ装置において、基板面積を増加させることなく且つセンシング部に影響を与えることなく、両基板の支持強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、センシング部(11)を内面側にして第1のバンプ(31)を介して接合された2つの基板(10、20)を、第2のバンプ(32)を介してパッケージ(40)に接合してなるセンサ装置において、第1の基板(10)におけるセンシング部(11)側の一面とは反対側の他面、および、第2の基板(20)における第2のバンプ(32)側の一面とは反対側の他面のうち少なくとも一方の他面を、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に連結して支持したことを特徴とする。
【0010】
それによれば、それぞれの基板(10、20)において第1のバンプ(31)と接続される一面とは反対側の他面を利用し、当該他面を、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に連結して支持しているため、基板面積を増加させることなく且つセンシング部(11)に影響を与えることなく、両基板(10、20)の支持強度を向上させることができる。
【0011】
ここで、パッケージ(40)としては、両基板(10、20)が収納される開口部(41)とこの開口部(41)を覆う蓋部(42)とを有するものにした場合において、両基板(10、20)の各他面のうちの一方を開口部(41)の底部に対向させ、他方を蓋部(42)に対向させた状態としたとき、開口部(41)の底部とこれに対向する他面との間、および、蓋部(42)とこれに対向する他面との間のうちの少なくとも一方の間に、支持部材(50)を介在させ当該間を支持させることができる。
【0012】
なお、本欄において、以下、このようなパッケージ(10)を用いた場合の支持の構成を、「開口部(41)と蓋部(42)を有するパッケージ(40)に係る構成」ということにする。
【0013】
また、上記構成においては、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に連結・支持されるのは、第1の基板(10)における他面のみでもよいし、第2の基板(20)における他面のみでもよいし、両方でもよい。
【0014】
また、上記各構成を有するセンサ装置においては、両基板(10、20)のうち支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の一面に位置する第1のバンプ(31)と他面に位置する支持部材(50)とを、同一の位置に設けるようにしてもよい。
【0015】
それによれば、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板(10、20)において、第1のバンプ(31)による一面側の固定部と他面側の支持部材(50)による支持部とが当該基板(10、20)を挟んで同じ位置となり、これら両部が異なる位置である場合に比べて強度的な向上が可能となる。
【0016】
また、上記各構成を有するセンサ装置においては、両基板(10、20)のうち支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の他面に設けられる支持部材(50)を、当該基板の他面の中心に対して対称形状となるように配置すれば、支持部材(50)で支持されている基板(10、20)に加わる応力を緩和しやすくできる。
【0017】
また、上記各構成を有するセンサ装置において、両基板(10、20)のうち支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板の一面の周辺部が、第2のバンプ(32)を介してパッケージ(40)に接合されている場合には、当該基板の一面に位置する第2のバンプ(32)と他面に位置する支持部材(50)とを同一の位置に設けることが好ましい。
【0018】
それによれば、支持部材(50)を介してパッケージ(40)に支持される基板(10、20)において、第2のバンプ(32)による一面側の固定部と他面側の支持部材(50)による支持部とが当該基板(10、20)を挟んで同じ位置となり、これら両部が異なる位置である場合に比べて強度的な向上が可能となる。
【0019】
また、支持部材(50)としては、第1および第2のバンプ(31、32)よりも低弾性な材料であることが好ましく、それによれば、パッケージ(40)から伝わってくる衝撃を緩和しやすい。
【0020】
また、支持部材(50)を、当該支持部材(50)が設けられる他面の1つに対して断続的に複数個設けるようにすれば、支持部材(50)で支持される基板(10、20)の1つの他面に対して、当該支持部材(50)で支持されている部分と支持されていない部分とが存在するため、応力を緩和しやすい。
【0021】
また、上記開口部(41)と蓋部(42)を有するパッケージ(40)に係る構成において、支持部材として接着剤(50)を用い、開口部(41)の底部とこれに対向する他面との間に、支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるセンサ装置を適切に製造する方法としては、次のようなものが挙げられる。
【0022】
1つは、パッケージ(40)における開口部(41)の底部に、接着剤(50)を配設した後、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)を、接着剤(50)を介して開口部(41)の底部に搭載して接着する方法である。
【0023】
もう一つは、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)のうち、パッケージ(40)における開口部(41)の底部に対向する基板の他面に、接着剤(50)を配設した後、両基板(10、20)を、接着剤(50)を介して前記開口部(41)の底部に搭載して接着する方法である。
【0024】
また、上記開口部(41)と蓋部(42)を有するパッケージ(40)に係る構成において、支持部材として接着剤(50)を用い、蓋部(42)とこれに対向する他面との間に、支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるセンサ装置を適切に製造する方法としては、次のようなものが挙げられる。
【0025】
1つは、パッケージ(40)における蓋部(42)に接着剤(50)を配設するとともに、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)を、パッケージ(40)における開口部(41)に収納した後、開口部(41)を覆うように蓋部(42)を取り付けるとともに、接着剤(50)による蓋部(42)の接着を行う方法である。
【0026】
もう一つは、第1のバンプ(31)を介して接続された両基板(10、20)のうちパッケージ(40)における蓋部(42)に対向する基板の他面に、接着剤(50)を配設するとともに、両基板(10、20)を、パッケージ(40)の開口部(41)に収納した後、開口部(41)を覆うように蓋部(42)を取り付けるとともに、接着剤(50)による蓋部(42)の接着を行う方法である。
【0027】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0029】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S1の概略断面構成を示す図である。この加速度センサ装置S1は、たとえば自動車に搭載されて自動車に印加される加速度を検出するものとして適用される。
【0030】
また、図2は図1中のB矢視図であって蓋部42を省略してバンプ31、32の配置構成を示す概略平面図、図3は図1中のC矢視図であってパッケージ40における開口部41の底部を透過してセンサ基板10側の接着剤50の配置構成を示す概略平面図、図4は図1中のB矢視図であって蓋部42を透過して回路基板20側の接着剤50の配置構成を示す概略平面図である。なお、上記図1は、これら平面図2、3、4におけるA−A概略断面図である。
【0031】
[センサ装置の構成等]
この加速度センサ装置S1は、大きくは、センサ基板10と、回路基板20と、これら両基板10、20を接続する第1のバンプ31と、これら両基板10、20を収納するパッケージ40と、両基板10、20とパッケージ40とを接合する第2のバンプ32とを備えている。
【0032】
センサ基板10は矩形板状をなしており(図3参照)、第1の基板として構成されている。センサ基板10の一面(図1中のセンサ基板10の上面)には、センシングを行うセンシング部としての可動部11が設けられている。
【0033】
可動部11は、具体的に、一般に知られている櫛歯状の可動電極として構成することができる。この場合、可動部11には対向して固定電極(図示せず)が設けられている。そして、可動部11は加速度の印加に伴って変位し、この変位に伴い、可動部11に対向する固定電極との間の容量変化が発生し、この容量変化の信号を検出することで、印加加速度を検出するようになっている。
【0034】
また、図1に示されるように、センサ基板10の一面には、外部との電気的な信号のやりとりを行うためのパッド12が設けられている。このようなセンサ基板10は、たとえばSOI(シリコン−オン−インシュレータ)基板などの半導体基板に対して周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成されたものである。
【0035】
回路基板20は、センサ基板10よりも一回り大きな矩形板状をなしており(図2参照)、センサ基板10の一面と対向して配置されている。この回路基板20は第2の基板として構成されるものである。
【0036】
回路基板20の一面(図1中の回路基板20の下面)は、センサ基板10の一面に対向しており、当該一面には、センサ基板10のパッド12に対向する位置にパッド22が設けられている。
【0037】
この回路基板20は、センサ基板10へ入力信号を送ったり、センサ基板10からの出力信号を処理して外部へ出力する等の機能を有する信号処理チップとして構成されたものである。
【0038】
このような回路基板20は、たとえばシリコン基板等に対してMOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等が、周知の半導体プロセスを用いて形成されているICチップなどにより構成されたものである。
【0039】
そして、第1のバンプ31は、両基板10、20の両一面の間に介在し、両基板10、20の一面同士を接合している。具体的には、第1のバンプ31は、センサ基板10のパッド12とこれに対向する回路基板20のパッド22との間に介在し、これら両パッド12、22を電気的・機械的に接続している。
【0040】
この第1のバンプ31は導電性接着剤や金、銅などの金属バンプなどにより構成されたものであり、その形成方法や部材間の接合方法については、これら構成材料を用いた公知の方法を採用することができる。
【0041】
ここで、図2〜図4には、センサ基板10の平面の幾何学的な中心Kおよび回路基板20の平面の幾何学的な中心Kを黒丸Kにて示してある。これら両中心Kは互いにずれていてもよいが、ここでは、両基板10、20は互いの中心Kを実質的に一致させた状態で重ね合わされている。そして、第1のバンプ31は、複数個設けられており、両基板10、20の中心Kに対して略対称な配置構成となっている。
【0042】
そして、これら第1のバンプ31を介して接続された両基板10、20は、パッケージ40に収納され、支持されている。本実施形態では、パッケージ40は、両基板10、20が収納される開口部41と開口部41を覆う蓋部42とを有するものである。ここで、図1〜図3に示されるように、開口部41は、段付きの四角形状の穴であり、開口部41の側面の途中部分には、段差面41aが形成されている(図1参照)。
【0043】
このパッケージ40は、たとえばアルミナなどのセラミック層が複数積層された積層基板として構成されており、各セラミック層の表面や各セラミック層に形成されたスルーホールの内部に配線43が形成されたものである。
【0044】
また、蓋部42は金属や樹脂あるいはセラミックなどより構成されるもので、開口部41を覆うように開口部41の縁部に対して溶接やロウ付けなどにより取り付けられている。それにより、開口部41の内部は、蓋部42により封止され外部から保護された空間となっている。
【0045】
また、このパッケージ40において、配線43は、開口部41の上記段差面41aおよび開口部41の底部側の面に露出している。そして、図1に示されるように、パッケージ40の上記配線43のうち段差面41aに露出する部分は、第2のバンプ32を介して両基板10、20と電気的・機械的に接続されている。
【0046】
ここでは、両基板10、20のうちの大きい方の回路基板20における一面の周辺部がセンサ基板10における一面からはみ出しており、このはみ出した回路基板20の一面の周辺部が、段差面41aに対向している。
【0047】
そして、第2のバンプ32は、この回路基板20の一面の周辺部に複数個配置されている。ここでは、図2に示されるように、第2のバンプ32は、両基板10、20の中心Kに対して略対称な配置構成となっている。
【0048】
具体的には、回路基板20の一面の周辺部にも回路基板20のパッド22が設けられており、第2のバンプ32は、回路基板20のパッド22とこれに対向する段差面41aの配線43との間に介在し、これらを電気的・機械的に接続している。この第2のバンプ32についても、上記第1のバンプ31と同様の材質、形成方法、接合方法を採用することができる。
【0049】
こうして、本加速度センサ装置S1においては、両基板10、20およびパッケージ40が、各バンプ31、32を介して電気的・機械的に接合されており、センサ基板10からの信号は、パッケージ40の配線43を介して外部に取り出されるようになっている。また、両基板10、20は、第2のバンプ32を介してパッケージ40に接合されて支持されている。
【0050】
さらに、この加速度センサ装置S1において、センサ基板10の他面および回路基板20の他面の両方の他面が、支持部材50を介してパッケージ40に連結されて支持されている。
【0051】
つまり、これら両基板10、20の各他面とこれに対向するパッケージ40の部分との間に支持部材50が介在し、支持部材50は当該他面とパッケージ40とに接触した状態となることで、上記の連結・支持を行っている。
【0052】
ここでは、支持部材50は、第1および第2のバンプ31、32よりも低弾性な材料であり、具体的には、その程度に弾性率の低いものとして、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などよりなる接着剤50を用いている。
【0053】
本実施形態では、図1に示されるように、センサ基板10における他面が、パッケージ40の開口部41の底部に対向し、回路基板20における他面が蓋部42に対向した状態となっている。そして、開口部41の底部とこれに対向する他面との間、および、蓋部42とこれに対向する他面との間の両方の間に、接着剤50が介在し、これらの間が接着されている。
【0054】
それにより、これらの間は、支持部材としての接着剤50によって連結され、第2のバンプ32による支持に加えて、この接着剤50による両基板10、20のパッケージ40への支持も行われている。
【0055】
ここで、センサ基板10の他面側および回路基板20の他面側の両方において、接着剤50は、当該接着剤50が設けられる他面の1つに対して断続的に複数個設けられている。つまり、図3、図4に示されるように、1つの他面に対して、互いに離れた状態で複数個の接着剤50が設けられている。
【0056】
また、図1、図3に示されるように、センサ基板10において、センサ基板10の一面に位置する第1のバンプ31と他面に位置する接着剤50とが同一の位置に設けられている。つまり、これら第1のバンプ31と接着剤50とは、センサ基板10を挟んで対向する位置にある。
【0057】
ここで、第1のバンプ31と接着剤50とが同一の位置であることとは、完全同一であることだけを意味するものではない。具体的には、図5に示されるように、お互いが多少ずれていても一部互いに重なる部分があればよく、このような場合も、同一の位置であるとみなすものである。
【0058】
また、図3に示されるように、センサ基板10において、センサ基板10の他面に設けられる複数個の接着剤50は、当該センサ基板10の他面の中心Kに対して対称形状となるように(つまり点対称となるように)配置されている。
【0059】
また、図4に示されるように、回路基板20においても、回路基板20の他面に設けられる複数個の接着剤50は、当該回路基板20の他面の中心Kに対して対称形状となるように配置されている。
【0060】
さらに、上述したが、回路基板20においては、第1のバンプ31が設けられる一面の周辺部が、第2のバンプ32を介してパッケージ40に接合されている。ここにおいて、図4に示されるように、回路基板20の一面に位置する第2のバンプ32と他面に位置する接着剤50とが同一の位置に設けられている。ここで、同一の位置の意味は、上記図5の場合と同様である。
【0061】
[センサ装置の製造方法等]
次に、本実施形態の加速度センサ装置S1を製造する製造方法等について述べるが、特に、支持部材としての接着剤50を配設する方法を中心に述べる。
【0062】
従来の方法と同様にして、第1のバンプ31を介して接続された上記両基板10、20を用意するとともに、上記パッケージ40を用意する。このとき、両基板10、20には上記第2のバンプ32も形成しておく。
【0063】
次に、本製造方法では、パッケージ40の開口部41の底部とこれに対向するセンサ基板10の他面との間に、接着剤50を介在させて当該間を接着して連結・支持する。図6、図7は、それぞれ、このセンサ基板10の他面側の接着剤50を配設する第1の方法、第2の方法を示す工程図である。
【0064】
図6に示される第1の方法では、パッケージ40における開口部41の底部に、接着剤50を塗布により配設する。その後、上記両基板10、20を、センサ基板10の他面を開口部41の底部に向けた状態としつつ、接着剤50を介して、開口部41の底部に搭載する。
【0065】
続いて、接着剤50を加熱して硬化させることによりセンサ基板10の他面と開口部41の底部とを接着する。また、一方で、第2のバンプ32を介して、回路基板20の一面の周辺部と段差面41aの配線43とを、接合する。
【0066】
なお、この接着剤50による接合と第2のバンプ32による接合とは、条件が合えば同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。こうして、両基板10、20のパッケージ40への取り付けが完了する。
【0067】
図7に示される第2の方法では、第1のバンプ31を介して接続された両基板10、20のうち開口部41の底部に対向するセンサ基板10の他面に、接着剤50を配設する。この接着剤50の配設は、センサ基板10の他面に接着剤50を塗布することにより行うことができる。
【0068】
続いて、両基板10、20を、センサ基板10の他面を開口部41の底部に向けた状態で、接着剤50を介して開口部41の底部に搭載する。その後は、図6の方法と同様に、接着剤50による接合と第2のバンプ32による接合とを行うことにより、両基板10、20のパッケージ40への取り付けが完了する。
【0069】
次に、本実施形態の製造方法では、パッケージ40の蓋部41を取り付けるとともに、蓋部42とこれに対向する回路基板20の他面との間に、接着剤50を介在させて当該間を接着して連結・支持する。図8、図9は、それぞれ、この回路基板20の他面側の接着剤50を配設する第1の方法、第2の方法を示す工程図である。
【0070】
図8に示される第1の方法では、上記図6、図7に示される方法によって、両基板10、20を、パッケージ40における開口部41に収納するとともに、パッケージ40における蓋部42に接着剤50を塗布などにより配設する。
【0071】
その後は、開口部41を覆うように蓋部42を溶接等にて取り付ける。また、この蓋部42を取り付けたときに、接着剤50を加熱硬化させて、回路基板20の他面と蓋部42とを接着する。こうして、本実施形態の加速度センサ装置S1ができあがる。
【0072】
図9に示される第2の方法では、上記図6、図7に示される方法によって、両基板10、20を開口部41に収納するとともに、第1のバンプ31を介して接続された両基板10、20のうち蓋部42に対向する回路基板20の他面に、接着剤50を塗布により配設する。
【0073】
その後は、図8の場合と同様に、蓋部42の取り付け、接着剤50による蓋部42と回路基板20の他面との接着を行うことにより、本実施形態の加速度センサ装置S1ができあがる。
【0074】
なお、上記図6、図7に示される方法におけるセンサ基板10の他面側の接着剤50の加熱・硬化は、図8、図9に示される方法における回路基板20の他面側の接着剤50の加熱・硬化と同時に行ってもよい。
【0075】
また、接着剤50としては、液状の樹脂を塗布して硬化させるものでもよいが、それ以外にも、たとえばフィルム状に形成された樹脂フィルムでもよい。この場合、樹脂を貼り付けにより配設した後、これを硬化させればよい。
【0076】
[効果等]
ところで、本実施形態によれば、センサ基板10の他面および回路基板20の他面の両方を、接着剤50を介してパッケージ40に連結・支持している。つまり、両基板10、20のそれぞれにおいて、第1のバンプ31および第2のバンプ32が配置される一面とは反対側の他面を利用し、当該他面を、接着剤50を介して、パッケージ10に接着している。
【0077】
そのため、基板面積、特に第2のバンプ32が設けられる回路基板20の面積を増加させることなく、両基板10、20の支持部の面積を増加させることができる。また、接着剤50がセンサ基板10のセンシング部としての可動部11に付着するなどの不具合を防止することができ、当該可動部11に影響を与えることもない。
【0078】
従来構造は、上記図1に示される加速度センサ装置S1において接着剤50を省略したものと同等であり、実質的に第2のバンプ32のみで両基板10、20をパッケージ40に支持していた。それに対して、支持部の面積を増加させた本実施形態においては、両基板10、20の支持強度の向上が実現できる。
【0079】
ここで、本実施形態では、支持部材としての接着剤50を、第1および第2のバンプ31、32よりも低弾性な材料としているため、従来の第2のバンプ32のみによる基板の支持構成に比べて、落下などによってパッケージ40から両基板10、20へ伝わる衝撃が緩和されやすくなる。
【0080】
また、本実施形態では、センサ基板10の他面に位置する接着剤50を、一面に位置する第1のバンプ31と同一の位置に設けており、さらに、回路基板20の他面に位置する接着剤50を、一面に位置する第2のバンプ32と同一の位置に設けている(上記図3および図4参照)。
【0081】
この場合、各基板10、20において、一面側のバンプ31、32による固定部と他面側の接着剤50による固定部とが当該基板10、20を挟んで同じ位置となる。そのため、各基板10、20においてバンプ31、32と接着剤50とが基板10、20を挟んでずれた位置にある場合に比べて、支持強度の向上が可能であると考えられる。また、この場合、基板10、20に加わる応力緩和の面からも有利であると考えられる。
【0082】
また、本実施形態では、それぞれの基板10、20の他面において、接着剤50を当該他面の中心Kに対して対称形状となるように設けているため(上記図3および図4参照)、接着されている基板10、20に加わる応力を緩和しやすくできる。このことは、両基板10、20の支持構造の安定化につながる。
【0083】
また、本実施形態では、接着剤50を、両基板10、20のそれぞれ1つの他面に対して断続的に複数個設けているため(上記図1〜図4参照)、当該1つの他面について、接着剤50で支持されている部分と支持されていない部分が、部分的に存在する。
【0084】
たとえば、接着剤50は、1つの他面に対して連続した1つの環状のものでもよいが、そのような場合、当該他面の周辺部全体が固定されてしまう。そのため、応力の逃げ道がなくなり、かえって大きな応力が基板10、20に加わる可能性があるが、固定されていない部分が存在すれば、そこから応力が逃げて、応力緩和がされやすくなるという効果が期待できる。
【0085】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S2の概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。
【0086】
上記第1実施形態では、センサ基板10の他面および回路基板20の他面の両方の他面が、支持部材としての接着剤50を介してパッケージ40に連結・支持されていた。それに対して、本実施形態では、図10に示されるように、回路基板20における他面側には接着剤50を設けずに、センサ基板10における他面のみが、接着剤50を介してパッケージ40における開口部41の底部に接着されて連結・支持されている。
【0087】
この場合も、上記第1実施形態と同様に、実質的に第2のバンプ32のみで両基板10、20をパッケージ40に支持していた従来構造に比べて、基板面積を増加させることなく且つ可動部11に影響を与えることなく、両基板10、20の支持強度を向上させることができる。
【0088】
(第3実施形態)
図11は、本発明の第3実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S3の概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。
【0089】
本実施形態も、上記第2実施形態と同様に、両基板10、20のうちの一方の基板の他面のみを接着剤50で連結・支持したものである。ここにおいて、本実施形態のセンサ装置S3では、図11に示されるように、センサ基板10における他面側には接着剤50を設けずに、回路基板20における他面のみが、接着剤50を介してパッケージ40における蓋部42に接着されて連結・支持されている。
【0090】
この場合も、上記第1実施形態と同様に、実質的に第2のバンプ32のみで両基板10、20をパッケージ40に支持していた従来構造に比べて、基板面積を増加させることなく且つ可動部11に影響を与えることなく、両基板10、20の支持強度を向上させることができる。
【0091】
(第4実施形態)
図12は、本発明の第4実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置S4の概略断面構成を示す図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。
【0092】
本実施形態の加速度センサ装置S4では、図12に示されるように、回路基板20の他面とパッケージ40の蓋部42との間に介在する接着剤50を、上記第1実施形態に対して付加したものである。
【0093】
それによって、本実施形態では、センサ基板10だけでなく回路基板20においても、回路基板20の一面に位置する第1のバンプ31と他面に位置する接着剤50とが同一の位置に設けられた形となっている。
【0094】
よって、本実施形態によれば、上記第1実施形態にて述べた作用効果を奏することに加えて、この第1のバンプ31と接着剤50とを同一位置としたことによる効果を、センサ基板10だけでなく回路基板20についても発揮することが可能となる。
【0095】
なお、この本実施形態の図12において、回路基板20の他面に位置する接着剤50のうち一面に位置する第1のバンプ31と同一位置にあるもの以外のもの、すなわち、回路基板20の他面に位置する接着剤50のうち一面側の第2のバンプ32と同一位置にあるものは、省略した構成であってもよい。
【0096】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態では、接着剤50の形状について上記第1実施形態とは異なる形状のものを提供する。図13、図14は、それぞれ、本実施形態に係る加速度センサ装置の要部を示す図であって回路基板20側の接着剤50の配置構成の第1の例、第2の例を示す概略平面図である。
【0097】
上記第1実施形態では、上記図3、図4に示されるように接着剤50は、平面円形であったが、接着剤50の平面形状は、図13に示されるように四角形でもよい。なお、この場合、接着剤50は、四角形のものと円形のものとが混在しているが、すべてが四角形のものであってもかまわない。
【0098】
また、接着剤50としては、図14に示されるように、幅を持った線状のものであってもよい。図示例では、回路基板20の他面の中心に対して、対称に2本の接着剤50が配置された形となっている。
【0099】
また、これら各例については、回路基板20の他面に位置する接着剤50以外にも、センサ基板10の他面に位置する接着剤50についても、同様に適用してもよい。このように、接着剤50の形状を変えることは、塗布方法やフィルムの貼り付けなどの工程において容易に実現できる。そして、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0100】
なお、これら図13、図14に示される例は、接着剤50の平面形状を上記第1実施形態とは異ならせたものであり、それ以外の接着剤50に係る構成、たとえば第1のバンプと同一位置にある構成や上記した対称形状とする構成などについては、可能な範囲で適宜適用可能であることは言うまでもない。また、本実施形態は、上記第1実施形態以外にも、上記第2〜第4実施形態についても可能な範囲で適用が可能である。
【0101】
また、上述したように、接着剤50は断続的な複数個のものである方がよいが、その以外にも、円環や矩形額縁状などの1つの連続した環状のものでもよい。ただし、この場合には、さらに、当該接着剤50が配置される他面の中心に対して対称形の環状とすることが望ましい。
【0102】
(他の実施形態)
図15は、本発明の他の実施形態に係るセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面構成を示す図である。支持部材50としては、上記したエポキシ、シリコーンなどの樹脂よりなる接着剤を採用できるが、図15に示されるように、内部に空隙51が存在する発泡樹脂(たとえばウレタンフォームなど)などの発泡体よりなるものでもよい。
【0103】
この場合、発泡体よりなる支持部材50としては、各基板10、20とこれに対向するパッケージ40の部分との間に介在して、両者を連結・支持するものであればよく、接着性を有していないものであってもよい。また、これ以外にも、支持部材50としては、弾性的な支持を行うもの、たとえばゴム材料やコイルバネ、板バネなどの弾性部材であってもよい。
【0104】
また、センサ装置としては、一面にセンシング部を有する第1の基板と、一面が第1の基板の一面に対向して配置された第2の基板とが、両基板の間に介在する第1のバンプによって接合され、且つ、一方の基板における一面の周辺部が他方の基板における一面からはみ出し、このはみ出し部分とパッケージとが、第2のバンプを介して接合されているものであればよい。
【0105】
つまり、2つの基板の少なくとも1つはセンシング部を有する第1の基板であることが必要だが、第2の基板は、特に制約はなく、第2の基板も一面にセンシング部をもつものであってもよい。
【0106】
このことは、たとえば上記図1に示される加速度センサ装置S1において、センサ基板10と回路基板20との組ではなく、2枚ともセンサ基板10であってもよいということである。なお、この場合、2枚のセンサ基板10の一方を他方よりも一回り大きくして、第2のバンプ32によるパッケージ10への接合を可能とするとともに、両センサ基板10の対向する一面に可動部11を設ければよい。
【0107】
また、上記各図に示した加速度センサ装置においては、2枚の基板10、20のうち大きい方が回路基板20であり小さい方がセンサ基板10である構成としているが、これとは逆に、大きい方をセンサ基板10、小さい方を回路基板20とし、センサ基板10の一面の周辺部において、上記した第2のバンプ32によるパッケージ10との接合を行うようにしてもよい。
【0108】
このような場合、上記した各図とは逆に、回路基板20における他面が開口部41の底部に対向し、センサ基板10における他面が蓋部42に対向した状態となる。そして、この場合にも、支持部材50による各他面とパッケージ40との間の連結・支持は、上記と同様の要領で行うことができる。
【0109】
また、支持部材50や各バンプ31、32の配置パターンは、両基板10、20の少なくとも一方の他面とパッケージ40とを連結・支持することが実現できるならば、上記の図示例以外のものであってもよい。
【0110】
また、パッケージ40は、両基板10、20を第2のバンプ32によって支持するとともに、両基板10、20の少なくとも一方の他面と対向する部位を持ち、その部位にて上記した支持部材50による連結・支持が行えるものであれば、上記各実施形態に示したものに限定されない。
【0111】
つまり、パッケージ40としては、上記した開口部41と蓋部42とを有するものでなくてもよい。たとえば、上記第2実施形態においては、センサ基板10における他面のみが、接着剤50を介してパッケージ40における開口部41の底部に接着されているが(上記図10参照)、このような構成の場合、パッケージ40は蓋部42が省略されたものであってもよい。また、パッケージ40としては、板状のものであってもよい。
【0112】
また、上記各実施形態では、センサ装置として、センサ基板10が加速度検出素子である加速度センサ装置の例を示したが、これに限定されるものではなく、それ以外にも、センシング部が振動体である角速度センサ装置やセンシング部がダイアフラムである圧力センサ装置などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図2】図1に示されるセンサ装置における第1および第2のバンプの配置構成を示す概略平面図である。
【図3】図1に示されるセンサ装置におけるセンサ基板側の接着剤の配置構成を示す概略平面図である。
【図4】図1に示されるセンサ装置における回路基板側の接着剤の配置構成を示す概略平面図である。
【図5】第1のバンプと接着剤とが一部重なった状態で位置ずれしている状態を示す概略平面図である。
【図6】センサ基板の他面側の接着剤を配設する第1の方法を示す工程図である。
【図7】センサ基板の他面側の接着剤を配設する第2の方法を示す工程図である。
【図8】回路基板の他面側の接着剤を配設する第1の方法を示す工程図である。
【図9】回路基板の他面側の接着剤を配設する第2の方法を示す工程図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図12】本発明の第4実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【図13】本発明の第5実施形態にかかる回路基板側の接着剤の配置構成の第1の例を示す概略平面図である。
【図14】上記第5実施形態にかかる回路基板側の接着剤の配置構成の第2の例を示す概略平面図である。
【図15】本発明の他の実施形態にかかるセンサ装置としての加速度センサ装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0114】
10…第1の基板としてのセンサ基板、11…センシング部としての可動部、
20…第2の基板としての回路基板、31…第1のバンプ、32…第2のバンプ、
40…パッケージ、41…パッケージの開口部、42…パッケージの蓋部、
50…支持部材としての接着剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面にセンシングを行うセンシング部(11)を有する第1の基板(10)と、
一面が前記第1の基板(10)の一面に対向して配置された第2の基板(20)と、
前記両基板(10、20)の間に介在し前記両基板(10、20)の一面同士を接合する第1のバンプ(31)と、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)を支持するパッケージ(40)とを備え、
前記両基板(10、20)のうちの一方の基板における前記一面の周辺部が他方の基板における前記一面からはみ出しており、
この一方の基板における前記一面の周辺部と前記パッケージ(40)とが、第2のバンプ(32)を介して接合されることで前記両基板(10、20)の前記パッケージ(40)への支持がなされているセンサ装置において、
前記第1の基板(10)における前記一面とは反対側の他面、および、前記第2の基板(20)における前記一面とは反対側の他面のうち少なくとも一方の他面は、支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結されて支持されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記パッケージ(40)は、前記両基板(10、20)が収納される開口部(41)と前記開口部(41)を覆う蓋部(42)とを有するものであり、
前記第1の基板(10)における前記他面および前記第2の基板(20)における前記他面のうちの一方が前記開口部(41)の底部に対向し、他方が前記蓋部(42)に対向した状態となっており、
前記開口部(41)の底部とこれに対向する前記他面との間、および、前記蓋部(42)とこれに対向する前記他面との間のうちの少なくとも一方の間に、前記支持部材(50)が介在し当該間を支持していることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記第1の基板(10)における前記他面のみが、前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結され支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記第2の基板(20)における前記他面のみが、前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結され支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記第1の基板(10)における前記他面および前記第2の基板(20)における前記他面の両方が、前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結され支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記両基板(10、20)のうち前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の前記一面に位置する前記第1のバンプ(31)と前記他面に位置する前記支持部材(50)とが同一の位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記両基板(10、20)のうち前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の前記他面に設けられる前記支持部材(50)は、当該基板の前記他面の中心に対して対称形状となるように配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記両基板(10、20)のうち前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の前記一面の周辺部が、前記第2のバンプ(32)を介して前記パッケージ(40)に接合されており、
当該基板の前記一面に位置する前記第2のバンプ(32)と前記他面に位置する前記支持部材(50)とが同一の位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記支持部材(50)は前記第1および第2のバンプ(31、32)よりも低弾性な材料であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記支持部材(50)は、当該支持部材(50)が設けられる前記他面の1つに対して断続的に複数個設けられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項11】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記開口部(41)の底部とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記パッケージ(40)における前記開口部(41)の底部に、前記接着剤(50)を配設した後、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)を、前記接着剤(50)を介して前記開口部(41)の底部に搭載して接着することを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項12】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記開口部(41)の底部とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)のうち、前記パッケージ(40)における前記開口部(41)の底部に対向する基板の前記他面に、前記接着剤(50)を配設した後、
前記両基板(10、20)を、前記接着剤(50)を介して前記開口部(41)の底部に搭載して接着することを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項13】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記蓋部(42)とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記パッケージ(40)における前記蓋部(42)に前記接着剤(50)を配設するとともに、前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)を、前記パッケージ(40)における前記開口部(41)に収納した後、
前記開口部(41)を覆うように前記蓋部(42)を取り付けるとともに、前記接着剤(50)による前記蓋部(42)の接着を行うことを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項14】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記蓋部(42)とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)のうち前記パッケージ(40)における前記蓋部(42)に対向する基板の前記他面に、前記接着剤(50)を配設するとともに、前記両基板(10、20)を、前記パッケージ(40)の前記開口部(41)に収納した後、
前記開口部(41)を覆うように前記蓋部(42)を取り付けるとともに、前記接着剤(50)による前記蓋部(42)の接着を行うことを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項1】
一面にセンシングを行うセンシング部(11)を有する第1の基板(10)と、
一面が前記第1の基板(10)の一面に対向して配置された第2の基板(20)と、
前記両基板(10、20)の間に介在し前記両基板(10、20)の一面同士を接合する第1のバンプ(31)と、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)を支持するパッケージ(40)とを備え、
前記両基板(10、20)のうちの一方の基板における前記一面の周辺部が他方の基板における前記一面からはみ出しており、
この一方の基板における前記一面の周辺部と前記パッケージ(40)とが、第2のバンプ(32)を介して接合されることで前記両基板(10、20)の前記パッケージ(40)への支持がなされているセンサ装置において、
前記第1の基板(10)における前記一面とは反対側の他面、および、前記第2の基板(20)における前記一面とは反対側の他面のうち少なくとも一方の他面は、支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結されて支持されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記パッケージ(40)は、前記両基板(10、20)が収納される開口部(41)と前記開口部(41)を覆う蓋部(42)とを有するものであり、
前記第1の基板(10)における前記他面および前記第2の基板(20)における前記他面のうちの一方が前記開口部(41)の底部に対向し、他方が前記蓋部(42)に対向した状態となっており、
前記開口部(41)の底部とこれに対向する前記他面との間、および、前記蓋部(42)とこれに対向する前記他面との間のうちの少なくとも一方の間に、前記支持部材(50)が介在し当該間を支持していることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記第1の基板(10)における前記他面のみが、前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結され支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記第2の基板(20)における前記他面のみが、前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結され支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記第1の基板(10)における前記他面および前記第2の基板(20)における前記他面の両方が、前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に連結され支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記両基板(10、20)のうち前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の前記一面に位置する前記第1のバンプ(31)と前記他面に位置する前記支持部材(50)とが同一の位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記両基板(10、20)のうち前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の前記他面に設けられる前記支持部材(50)は、当該基板の前記他面の中心に対して対称形状となるように配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記両基板(10、20)のうち前記支持部材(50)を介して前記パッケージ(40)に支持される基板において、当該基板の前記一面の周辺部が、前記第2のバンプ(32)を介して前記パッケージ(40)に接合されており、
当該基板の前記一面に位置する前記第2のバンプ(32)と前記他面に位置する前記支持部材(50)とが同一の位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記支持部材(50)は前記第1および第2のバンプ(31、32)よりも低弾性な材料であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記支持部材(50)は、当該支持部材(50)が設けられる前記他面の1つに対して断続的に複数個設けられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項11】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記開口部(41)の底部とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記パッケージ(40)における前記開口部(41)の底部に、前記接着剤(50)を配設した後、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)を、前記接着剤(50)を介して前記開口部(41)の底部に搭載して接着することを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項12】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記開口部(41)の底部とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)のうち、前記パッケージ(40)における前記開口部(41)の底部に対向する基板の前記他面に、前記接着剤(50)を配設した後、
前記両基板(10、20)を、前記接着剤(50)を介して前記開口部(41)の底部に搭載して接着することを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項13】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記蓋部(42)とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記パッケージ(40)における前記蓋部(42)に前記接着剤(50)を配設するとともに、前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)を、前記パッケージ(40)における前記開口部(41)に収納した後、
前記開口部(41)を覆うように前記蓋部(42)を取り付けるとともに、前記接着剤(50)による前記蓋部(42)の接着を行うことを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【請求項14】
請求項2に記載のセンサ装置を製造するセンサ装置の製造方法であって、
前記蓋部(42)とこれに対向する前記他面との間に、前記支持部材(50)を介在させて当該間を支持させるものであり、
前記支持部材として接着剤(50)を用い、
前記第1のバンプ(31)を介して接続された前記両基板(10、20)のうち前記パッケージ(40)における前記蓋部(42)に対向する基板の前記他面に、前記接着剤(50)を配設するとともに、前記両基板(10、20)を、前記パッケージ(40)の前記開口部(41)に収納した後、
前記開口部(41)を覆うように前記蓋部(42)を取り付けるとともに、前記接着剤(50)による前記蓋部(42)の接着を行うことを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−53350(P2008−53350A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−226503(P2006−226503)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]