説明

ゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルおよびその製造方法

【課題】内部に鉄筋等の補強材が配置されたゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの耐熱性をさらに改善するために、加熱寸法変化および熱収縮を低減させたゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】ポルトランドセメントおよび生石灰からなる石灰質原料と、珪酸質原料と、石膏とを、CaO/SiO2のモル比が0.8〜1.1であり、かつ、Al/(Al+Si)の原子比が6%以下となるように配合し、水と混合してスラリーとした後、該スラリーに金属アルミニウム粉末を添加して成形体材料を得て、該成形体材料を、予め補強材を配置した型枠に鋳込み、発泡硬化処理を行い、水蒸気養生処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、断熱性および施工性に優れた建築用材料として用いられるゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体は、ALCとして知られているトバモライト系珪酸カルシウム成形体に比べても特に耐熱性に優れているために、主として高温用の保温材、断熱材、耐火被覆材といった建築用材料に使用されている。
【0003】
従来は、壁材または床材のように強度が要求されるゾノトライト系珪酸カルシウム成形体を得る方法としては、特開昭63−144158号公報に記載されているように、珪酸質原料である珪石と、石灰質原料である消石灰とを配合し、成形体の強度を向上させるために、棒状のワラストナイト、繊維状の石綿やセラミックファイバー等を添加し、さらに水を添加してスラリー状として、得られたスラリーを型枠に流し込んで成形した後、型枠ごとオートクレーブ中で水熱反応させる。
【0004】
特開昭63−144158号公報に記載されているこの方法では、珪石、消石灰およびワラストナイト等の原料からなるスラリーが硬化しにくく、型枠ごとオートクレーブに入れなくてはならないために、要求される成形体の大きさに応じて種々の寸法の型枠を必要とする。そのため、コスト的に問題があるために、大型の成形体を得てから、所望の寸法に、一々、切断して使用に供さなければならず、実際問題として、様々な用途により異なる寸法が要求されるような場合には適さないという欠点もあった。
【0005】
このような問題を解決するための手段として、特許第2757878号公報に記載されているように、ポルトランドセメントおよび生石灰よりなる石灰質原料と、珪石、珪砂等の珪酸質原料と、石膏とを主原料とし、CaO/SiO2のモル比を0.7〜1.1とし、Al/(Al+Si)の原子比を7%以下とし、石膏の添加量を全原料固形物の2質量%〜30質量%となるように調整し、前水和した後、適量の金属アルミニウム粉末を添加し、型枠に鋳込み、発泡硬化させた後、オートクレーブ中で190℃〜240℃の温度で適当な時間の水蒸気養生することにより、ゾノトライト含有率が35質量%以上のゾノトライト系珪酸カルシウム成形体を得ていた。
【0006】
特許第2757878号公報に記載されているこの方法により得られたゾノトライト系珪酸カルシウム成形体は、内部に気泡を有しているので軽量であり、またゾノトライト結晶の存在比率を35質量%以上のように高含有率とすることができるので、耐熱性を向上させることができる。また、型枠内に鋳込まれた原料スラリーは、ポルトランドセメントを原料として用いているために高い硬化性を有しているので、オートクレーブによる水蒸気養生を行う前に、型枠から取り出して、ピアノ線等を用いて容易に所望の寸法形状に切断することができるという利点もある。
【0007】
しかしながら、得られたゾノトライト系珪酸カルシウム成形体は、極めて軽量でありながら圧縮強度が30kg/cm2以上であるように、この種としてはかなり強靭であるが、壁材や床材として使用するには、強度がやや不足するおそれがあり、より一層の強度向上が望まれた。そのため、特開平4−164872号公報には、内部に鉄筋や金網等の補強材を配置させたゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルが記載されている。
【0008】
特開平4−164872号公報に記載されているゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルは、特許第2757878号公報に記載されているゾノトライト系珪酸カルシウム成形体が有する断熱性、耐熱性、強度を有し、かつ内部を鉄筋等で補強しているため、従来から知られているALCよりも、特に耐熱性の面で優れたものである。
【0009】
ALCは、トバモライト(5CaO・6SiO2・5H2O)と呼ばれる珪酸カルシウム鉱物を主要構成成分としており、トバモライトは、5分子の結晶水を有している。そのため、ALCでは700℃までに約2%もの加熱収縮を引き起こす。
【0010】
一方、ゾノトライト(6CaO・6SiO2・H2O)は、結晶水が1分子であり、トバモライトと比して少ない。そのため、ゾノトライトは、トバモライトに比較して、加熱脱水により、結晶の分解で生ずる寸法変化が小さくなる。つまり、ゾノトライト系珪酸カルシウムが耐熱性に優れるのは、ゾノトライト結晶の特性に起因する。
【0011】
このように、特開平4−164872号公報に記載されている製造方法で得られたゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルは、ゾノトライト結晶の特性を反映し、高温加熱時の寸法安定性が優れているため、従来のALCに比較して耐熱性能により優れているが、近年、耐熱性能に対する要求がさらに高まり、ゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルとして、さらに耐熱性に優れたものが要求されている。
【0012】
特に、内部に鉄筋等の補強材が配置されているゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルは、加熱によって内部の補強鉄筋が熱膨張するため、加熱収縮を低減させることが要求される。
【0013】
【特許文献1】特開昭63−144158号公報
【0014】
【特許文献2】特許第2757878号公報
【0015】
【特許文献3】特開平4−164872公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、内部に鉄筋等の補強材が配置されたゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの耐熱性をさらに改善するために、加熱寸法変化および熱収縮を低減させたゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの一態様では、ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体と、その内部に配置された補強材とからなる。
【0018】
具体的には、内部に補強材が配置されており、ゾノトライト生成率が50質量%〜80質量%であり、室温から700℃までの加熱寸法変化が0.0%〜+1.0%の範囲にあり、かつ、700℃〜900℃における熱収縮率が1.0%以下である。
【0019】
さらに、前記補強材が、炭素鋼からなる鉄筋もしくは金網であることが望ましい。
【0020】
本発明のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの製造方法では、ポルトランドセメントおよび生石灰からなる石灰質原料と、珪酸質原料と、石膏とを、CaO/SiO2のモル比が0.8〜1.1であり、かつ、Al/(Al+Si)の原子比が6%以下となるように配合し、水と混合してスラリーとした後、該スラリーに金属アルミニウム粉末を添加して成形体材料を得て、該成形体材料を、予め補強材を配置した型枠に鋳込み、発泡硬化処理を行い、水蒸気養生処理を施す。
【0021】
前記成形体材料の原料として、さらに石膏を添加することが望ましい。
【0022】
さらに、前記補強材として、炭素鋼からなる鉄筋もしくは金網を用いることが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、内部に鉄筋が配置されていても、加熱による寸法変化によりクラックが発生する可能性は極めて小さくなり、耐熱性が要求される壁材や床材などへ適用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルは、ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体と、その内部に配置された補強材とからなる。
【0025】
さらに、室温から700℃までの加熱寸法変化は0.0%〜+1.0%の範囲とした。また、700〜900℃における熱収縮率は1.0%以下とした。なお、加熱寸法変化の「+」記号は、膨張を示す。
【0026】
ゾノトライトそのものの熱分解の挙動は、700℃までは分解することなく安定であることが知られており、700℃までは加熱により膨張する。約750℃から850℃で、ゾノトライト結晶の結晶水を失い、結晶自体が収縮する。
【0027】
工業的に得られるゾノトライトの場合は、結晶性に幅があるため、一般的に結晶水が失われるとされる温度範囲750℃〜850℃よりもやや広い範囲、すなわち700℃〜900℃で結晶水が脱水する。
【0028】
本発明のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルは、前記ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体の内部に、補強材を備える。補強材として、炭素鋼からなる鉄筋または金網が使用され、鉄筋を溶接したマット状でよい。一般的には、ALCパネル等で用いられている鉄線であり、JISG3532に規定されるSWM−Bが好ましい。これは、JISG3505に規定されている軟鋼線材であり、炭素の含有量は0.1%程度である。
【0029】
炭素鋼は、室温から700℃までの平均熱膨張係数が15×10-6程度であるから、室温から700℃までの炭素鋼を用いた補強材の熱膨張率は、約1%となる。
【0030】
内部に補強材を配置したゾノトライト系珪酸カルシウム成形体を加熱した場合、該ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体自体の断熱性により、内蔵される補強材の温度は、ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体の表面の近傍の温度よりも10℃〜50℃程度、低くなっている。このため、補強材を内蔵したゾノトライト系珪酸カルシウム成形体を加熱処理した場合、室温から700℃までの加熱においては、鉄筋の熱膨張率が、前述の1%を下回ることとなる。
【0031】
本発明のゾノトライト系珪酸カルシウム成形体は、室温から700℃までの加熱寸法変化が0.0%〜+1.0%の範囲にあるので、鉄筋の熱膨張率との差によりクラックが生ずる可能性を、極めて低くすることができる。
【0032】
また、750℃〜850℃の加熱処理において、ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体は、ゾノトライト結晶の結晶水の脱水に伴い収縮する。この収縮は、ゾノトライト系珪酸カルシウムである限り、避けることはできないが、700℃〜900℃における熱収縮率が1.0%以下であれば、鉄筋を内蔵するゾノトライト系珪酸カルシウム成形体は、クラックが極めて生じにくくなる。特に、内部の鉄筋の温度が700℃以上であれば、クラックを生ずることなくゾノトライトからワラストナイトへ変成する。
【0033】
理由の詳細は不明であるが、内蔵されている鉄筋が、700℃以上の高温下で軟化し、ゾノトライトがワラストナイトに転移する際の収縮に、ある程度、追随するためと考えられる。
【0034】
室温から700℃までの加熱寸法変化が0.0%〜+1.0%の範囲にあり、700℃〜900℃における熱収縮率が1.0%以下であるゾノトライト系珪酸カルシウム成形体は、ゾノトライト生成率が50質量%〜80質量%であることが必要である。ゾノトライト生成率が50質量%未満では、ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体を構成する物質中にトバモライト結晶やCSHと称される非晶質物質の占める割合が大きくなり、特に、室温から700℃までの加熱時の脱水に伴い、収縮が著しく大きくなる。ゾノトライト生成率が80質量%を超えると、ゾノトライト成分が主体となるため、従来は好ましいと予想されていたが、室温から700℃まで膨張する度合いが高まり、750℃〜850℃での熱収縮率が1.0%よりも大きくなるので、好ましくないことが判明した。
【0035】
本発明のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの製造方法では、ポルトランドセメントおよび生石灰からなる石灰質原料と、珪酸質原料と、石膏とを、CaO/SiO2のモル比が0.8〜1.1であり、かつ、Al/(Al+Si)の原子比が6%以下となるように配合し、水と混合してスラリーとした後、該スラリーに金属アルミニウム粉末を添加して成形体材料を得て、該成形体材料を、予め補強材を配置した型枠に鋳込み、発泡硬化処理を行い、水蒸気養生処理を施す。
【0036】
原料としては、石灰質原料と、珪酸質原料を主成分とするが、いずれも通常のALCの製造原料を、そのまま使用することができる。また、前述の特許第2757878号公報に開示されているように、石膏を添加することにより、ゾノトライト成形体の強度を高めることが可能となる。
【0037】
配合条件の一方は、CaO/SiO2のモル比を0.8〜1.1とする。0.8を下回ると、ゾノトライト以外の珪酸カルシウム系成分として、トバモライトやCSHと称される非晶質物質が生成し、ゾノトライト生成率を50質量%以上とすることができず、特に、室温から700℃までの加熱に伴う熱収縮率が大きくなる。1.1を超えても、ゾノトライト以外の珪酸カルシウム系成分が生成し、ゾノトライト生成率を50質量%以上とするこができない。
【0038】
配合条件の他方は、全原料中に含まれるAl23とSiO2とから求められたAl/(Al+Si)の原子比を6%以下とする。ゾノトライト成分は、Al/(Al+Si)の原子比が高くなると生成しにくくなり、代わってトバモライトが生成しやすくなる。なお、Al原子は、主としてセメントから混入するため、セメントの配合割合を調整することによって達成される。
【0039】
原料を、水と混合してスラリー化する際には、前述の特許第2757878号公報に記載されているように、ポルトランドセメントと珪酸質原料の混合物、および生石灰と石膏の混合物について、それぞれの混合物に水を加え、スラリー化する前水和をして、鋳込むことがより好ましい。
【0040】
発泡硬化処理で使用される金属アルミニウム粉末として、一般のALC用のものが使用される。金属アルミニウム粉末の量は、ゾノトライト系珪酸カルシウム成形体に要求される嵩比重を考慮して、適宜、調整すればよく、通常は嵩比重が0.3〜0.7程度となるように調整する。
【0041】
水蒸気養生処理は、オートクレーブを使用して、飽和水蒸気圧下で行われる。水蒸気養生の温度は、190℃〜240℃の温度範囲が好ましいが、この温度範囲より低い場合でも、オートクレーブ中での水蒸気養生の時間を長くすることによって、ゾノトライト成分の生成率を高めることは可能である。また、高温であれば、水蒸気養生の時間が短くても、ゾノトライト成分の生成率は高まるが、200℃を超えると、オートクレーブ内の圧力が高くなりすぎ、設備コストの面で問題となる。ゾノトライト成分の生成速度、設備コストの面からは、195℃、6時間程度の水蒸気養生が最も好ましい。
【0042】
加熱処理の時間については、製造するパネルの厚さおよび大きさによって変わるため、一概に規定できないが、内部の鉄筋と成形体表面との温度差をできるだけ下げるように、昇温速度は極力、小さい方が好ましい。
【実施例】
【0043】
(実施例1)
使用する原料の組成を、表1に示した。
【0044】
表2に示した原料配合で混合を行い、全固体量を100質量部として、70質量部の水を加えてスラリーとして、4分間、混合した後、製品の嵩比重が0.50となるように量を調整した金属アルミニウム粉末(約0.06%)を添加し、30秒、攪拌した後、予め鉄筋を配置した長さ7m、幅1.5m、高さ0.7mの型枠に鋳込んだ。
【0045】
発泡硬化の後、厚さ50mm、長さ1800mm、幅600mmのサイズにピアノ線で切断し、オートクレーブに挿入して、195℃の飽和水蒸気圧下で、6時間、養生して、ゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルを得た。
【0046】
得られたゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルについて、以下の測定を行った。
【0047】
(1)鉄筋を除いた成形体部分を採取し、採取した成形体部分を十分に粉砕した後、105℃で2時間、乾燥させ、絶乾状態とした。イニシャル質量:M(mg)のサンプルについて、示差熱質量分析装置(TG−DTA)を用いて20℃/分の昇温速度で1000℃までの熱質量減少曲線から、室温から1000℃までの熱質量減少量:A(mg)、および750℃から850℃までの熱質量減少量:B(mg)、を求めた。ゾノトライト生成率(%)は、以下の式で計算することができる(特許第2757878号公報参照)。
【0048】
ゾノトライト生成率(%)={B/(M−A)}/{18/(714−18)}×100
【0049】
(2)採取した成形体部分を、5mm角、長さ15mmの角柱状に成形し、20℃/minの昇温速度にて、室温から700℃までの寸法変化、および750℃から850℃までにおける収縮率を測定した。
【0050】
(3)内部に鉄筋が配置された部分から、鉄筋ごと300mm角に切断し、これを電気炉中で加熱処理をした。まず、室温から700℃まで、昇温して、クラックの発生状況を観察し、その後、900℃まで加熱した。加熱昇温速度は、900℃までの昇温時間を1時間とした。
【0051】
評価項目として、700℃におけるクラック発生の有無、900℃におけるクラック発生の有無について比較した。
【0052】
得られた測定結果を、表3に示す。
【0053】
(実施例2、3、比較例1〜4)
表2に示した原料配合で混合を行った以外は、実施例1と同様にして、ゾノトライト系珪酸カルシウムパネルを得た。
【0054】
また、実施例1と同様の評価を行った。
【0055】
得られた測定結果を、表3に示す。
【0056】
比較例1では、CaO/SiO2モル比が0.70と低いため、ゾノトライト生成率も45%にとどまり、その結果、室温から700℃までの寸法変化も−1.4%と大きくなった。これにより、電気炉中で700℃まで加熱した際にクラックが発生した。
【0057】
実施例1〜3では、ゾノトライト生成率が52%、78%および70%となり、加熱中の寸法変化、750℃〜850℃における熱収縮率のいずれも小さくなり、その結果、900℃までの加熱においても、クラックの発生は認められなかった。
【0058】
比較例2は、CaO/SiO2モル比が1.19と高く、その結果、ゾノトライト生成率が41%と低下し、加熱時の寸法変化が大きくなり、クラックが発生した。
【0059】
比較例3では、Al/(Si+Al)を2.0%と低くすることで、ゾノトライト生成率が85%と高くなったが、700℃までの熱膨張が+1.0%を超え、750℃〜850℃における熱収縮率も大きくなり、クラックが生じた。
【0060】
比較例4では、Al/(Si+Al)を6.9%と高くしたため、ゾノトライト生成率が38%に低下し、特に、700℃までの収縮が大きくなり、クラックが多数発生した。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に補強材が配置されており、ゾノトライト生成率が50質量%〜80質量%であり、室温から700℃までの加熱寸法変化が0.0%〜+1.0%の範囲にあり、かつ、700℃〜900℃における熱収縮率が1.0%以下であることを特徴とするゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネル。
【請求項2】
前記補強材が、炭素鋼からなる鉄筋もしくは金網である請求項1に記載のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネル。
【請求項3】
ポルトランドセメントおよび生石灰からなる石灰質原料と、珪酸質原料とを、CaO/SiO2のモル比が0.8〜1.1であり、かつ、Al/(Al+Si)の原子比が6%以下となるように配合し、水と混合してスラリーとした後、該スラリーに金属アルミニウム粉末を添加して成形体材料を得て、該成形体材料を、予め補強材を配置した型枠に鋳込み、発泡硬化処理を行い、水蒸気養生処理を施すことを特徴とするゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの製造方法。
【請求項4】
前記成形体材料の原料として、さらに石膏を添加することを特徴とする請求項3に記載のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの製造方法。
【請求項5】
前記補強材として、炭素鋼からなる鉄筋もしくは金網を用いる請求項3または4に記載のゾノトライト系珪酸カルシウム軽量パネルの製造方法。

【公開番号】特開2007−153687(P2007−153687A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352053(P2005−352053)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(399117730)住友金属鉱山シポレックス株式会社 (195)
【Fターム(参考)】