説明

ターボチャージャ

【課題】ターボチャージャを小型化でき、駆動軸と軸受との間からの排気ガスの漏出並びに駆動軸及び軸受の局所的な摩耗を防止することができるターボチャージャを提供する。
【解決手段】回転により複数の翼を同期して駆動する駆動リング62と、一方向に延びて駆動リング62に接続され駆動リング62を回転させる駆動軸65と、駆動軸65を回転自在に保持する軸受66と、駆動軸65の一端側に設けられ上記一方向と略直交する方向に延びてアクチュエータ70に接続される駆動レバー67とを備えるターボチャージャであって、アクチュエータ70と駆動レバー67との接続部Cは、上記一方向に関して軸受66が駆動軸65を保持する保持範囲に位置して設けられるという構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンから排出される排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給するターボチャージャに関わり、特に可変容量型のターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、低回転域から高回転域までの広い範囲に亘りエンジンの性能向上を図ることができる可変容量型のターボチャージャが知られている。
ここで、特許文献1には、可変容量型のターボチャージャが開示されている。
【0003】
上記ターボチャージャは、タービン容量を増減させるための可変ノズルユニットを有している。可変ノズルユニットは、翼状に形成された複数のノズルベーンを有しており、排気ガスの流れに対する各ノズルベーンの向きを変化させることで、可変ノズルユニット内の排気ガスの流量を変化させ、ターボチャージャのタービン容量を増減させている。
また、ターボチャージャは、各ノズルベーンを同期して回転駆動させるための同期機構を有している。
同期機構は、各ノズルベーンを同期して回転駆動させるための駆動リングと、駆動リングに接続され駆動リングを回転させる駆動軸と、駆動軸を回転自在に保持する軸受と、駆動リングと接続された駆動軸の一端部に対する他端部に接続され駆動軸の軸方向と略直交する方向に延びる駆動レバーと、駆動レバーに接続され同期機構を作動させるためのシリンダ等のアクチュエータとを有している。
なお、駆動レバーは、駆動軸の軸方向と略直交する方向に延びるレバー本体と、駆動軸の軸方向に沿ってレバー本体から駆動軸と逆側に突出する第2駆動軸とを有しており、アクチュエータは第2駆動軸に接続されている。
【0004】
アクチュエータの作動により、駆動レバー及び駆動軸が駆動軸の軸を中心として回転し、それに伴い駆動リングが回転する。駆動リングの回転により各ノズルベーンが同期して回転駆動し、可変ノズルユニット内の排気ガスの流量を変化させ、ターボチャージャのタービン容量を増減させる。
【特許文献1】特開2006−29148号公報(第6頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に示されるターボチャージャでは、第2駆動軸とアクチュエータとの接続部は、駆動軸の軸方向に関して軸受が駆動軸を保持する保持範囲の外に位置している。
すなわち、レバー本体と第2駆動軸とは略L字状を呈し、第2駆動軸はレバー本体の駆動軸と逆側に突出して接続されることから、第2駆動軸を介してアクチュエータをレバー本体に取り付ける作業においては一定の作業空間が必要となり、この作業空間の確保のためにターボチャージャを小型化することが難しいという問題があった。
【0006】
また、上記構成においてアクチュエータを作動させると、駆動軸を軸受の内部で傾ける力が発生し、軸受内で駆動軸が傾き軸受の両端部が駆動軸を支持していた。そのため、駆動軸と軸受との間の隙間が大きくなる虞があり、該隙間が大きくなることで排気ガスが漏出する虞があった。また、駆動軸が軸受けの内部で傾きすぎると、軸受の両端部及びその部分と接する駆動軸に局所的な摩耗が発生する虞があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ターボチャージャを小型化でき、駆動軸と軸受との間からの排気ガスの漏出並びに駆動軸及び軸受の局所的な摩耗を防止することができるターボチャージャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明のターボチャージャは、回転により複数の翼を同期して駆動する駆動リングと、一方向に延びて駆動リングに接続され駆動リングを回転させる駆動軸と、駆動軸を回転自在に保持する軸受と、駆動軸の一端側に設けられ上記一方向と略直交する方向に延びてアクチュエータに接続される駆動レバーとを備えるターボチャージャであって、アクチュエータと駆動レバーとの接続部は、上記一方向に関して軸受が駆動軸を保持する保持範囲に位置して設けられるという構成を採用する。
【0009】
このような構成を採用する本発明では、アクチュエータと駆動レバーとの接続部は駆動レバーの駆動軸側に設けられることから、アクチュエータを駆動レバーに取り付けるために必要な作業空間を縮小させることができる。また、本発明では、アクチュエータと駆動レバーとの接続部は上記一方向に関して軸受が駆動軸を保持する保持範囲に位置して設けられることから、アクチュエータの作動による駆動軸を軸受の内部で傾ける力は発生せず、軸受と駆動軸とが平行な状態を確保することができる。
【0010】
また、本発明のターボチャージャは、駆動レバーが、上記一方向と略直交する方向に延びるレバー本体と、駆動軸の他端側に向け上記一方向に延びてアクチュエータと接続される第2駆動軸とを有し、駆動軸、レバー本体及び第2駆動軸が略コ字状に設けられるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、アクチュエータ等は従来と同様の構成を採用しつつ、第2駆動軸を介してアクチュエータをレバー本体に取り付けるために必要な作業空間を縮小させ、アクチュエータの作動による駆動軸を軸受の内部で傾ける力の発生を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、ターボチャージャを小型化でき、軸受と駆動軸との間からの排気ガスの漏出並びに軸受及び駆動軸の局所的な摩耗を防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係るターボチャージャを、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態におけるターボチャージャ1の全体構成を示す概略図、図2は、本実施形態における同期機構6の背面図、図3は、本実施形態における駆動軸65周辺の拡大図である。なお、上記図面中の矢印Fは前方向を示す。
【0013】
まず、本実施形態におけるターボチャージャ1の全体構成を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるターボチャージャ1は、不図示のエンジンから導かれる排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する可変容量型のターボチャージャである。
ターボチャージャ1は、軸受けハウジング2と、軸受けハウジング2の前側周縁部に締結ボルト2aにより接続されるタービンハウジング3と、軸受けハウジング2の後側周縁部に締結ボルト2bにより接続されるコンプレッサハウジング4とを備えている。
【0014】
軸受けハウジング2内には、前後方向で延びるタービン軸21がベアリング22を介して回転自在に支持されている。タービン軸21の前端部にはタービンインペラ23が一体的に連結され、後端部にはコンプレッサインペラ24が一体的に連結されている。なお、タービンインペラ23はタービンハウジング3内に設置され、コンプレッサインペラ24はコンプレッサハウジング4内に設置されている。
【0015】
タービンハウジング3内かつタービンインペラ23の径方向外側には、略環状を呈する可変ノズルユニット5が設置されている。
【0016】
タービンハウジング3は、タービンインペラ23の径方向外側に設けられるタービンスクロール流路31と、排気ガスの排気口であるタービンハウジング出口32とを有している。
タービンスクロール流路31は、タービンインペラ23を囲んで略環状に形成され、排気ガスを導入するための不図示のガス流入口と連通している。また、タービンスクロール流路31は、可変ノズルユニット5内のノズル流路5Aと連通している。なお、上記ガス流入口は不図示のエンジンにおける排気口に接続されている。
タービンハウジング出口32は、タービンハウジング3の前側に開口しており、タービンインペラ23の設置箇所を介してノズル流路5Aと連通している。また、タービンハウジング出口32は、不図示の排気ガス浄化装置に接続されている。
【0017】
コンプレッサハウジング4には、後側に開口し不図示のエアクリーナに接続される吸気口41が形成されている。また、軸受けハウジング2とコンプレッサハウジング4との間には、空気を圧縮して昇圧するディフューザ流路42がコンプレッサインペラ24の径方向外側で略環状に形成されている。また、ディフューザ流路42は、コンプレッサインペラ24の設置箇所を介して吸気口41と連通している。
さらに、コンプレッサハウジング4は、コンプレッサインペラ24の径方向外側で略環状に形成されるコンプレッサスクロール流路43を有しており、コンプレッサスクロール流路43は、ディフューザ流路42と連通している。なお、コンプレッサスクロール流路43は、不図示のエンジンにおける吸気口と連通している。
【0018】
図1に示すように、可変ノズルユニット5は、タービンハウジング3側に設置されるシュラウドリング51と、シュラウドリング51に対向して軸受けハウジング2側に設置されるノズルリング52と、シュラウドリング51とノズルリング52との間に保持される複数のノズルベーン53とを有している。なお、ノズル流路5Aは、シュラウドリング51とノズルリング52との間に形成されている。
【0019】
シュラウドリング51は、略リング状に形成された板状部材の内周縁部に、タービンハウジング出口32側に延出する略円筒状を呈する部材が接続された形状を呈している。また、シュラウドリング51には、上記板状部材の厚さ方向で貫通する複数の第1孔部51aが形成されている。
【0020】
ノズルリング52は、略リング状に形成された板状部材であり、厚さ方向で貫通する複数の第2孔部52aが形成されている。
【0021】
シュラウドリング51及びノズルリング52は、複数の連結ピン57を介して所定の間隔を形成するように連結されている。なお、連結ピン57は、シュラウドリング51に貫入し、ノズルリング52を貫通して後側に突出している。
ノズルリング52の後側には、取付リング58が連結ピン57を介して一体的に設けられており、取付リング58の外周縁部は、軸受けハウジング2とタービンハウジング3とにより挟持されて支持されている。すなわち、ノズルリング52は、取付リング58を介して軸受けハウジング2及びタービンハウジング3に支持されている。
【0022】
ノズルベーン53は、シュラウドリング51とノズルリング52との間に周方向で等間隔に複数設けられており、タービンインペラ23の回転軸と平行な軸回りに各々回転自在である。
また、各ノズルベーン53は、略矩形を呈する板状部材であり所定の一辺からその対辺に向かうに従って漸次厚みが減少するように形成されているノズルベーン本体(翼)54と、ノズルベーン本体54の上記一辺に直交する一側面から前側に突出する第1ベーン軸55と、上記一側面に対向する側面から後側に突出する第2ベーン軸56とを有している。
第1ベーン軸55は、シュラウドリング51の第1孔部51aに回転自在に貫入しており、第2ベーン軸56は、ノズルリング52の第2孔部52aに回転自在に貫通しノズルリング52の後側に突出している。
【0023】
図1に示すように、タービンハウジング3とシュラウドリング51との間には、タービンハウジング3が熱変形を起こした場合にシュラウドリング51に対する相対移動を吸収するための隙間Sが形成されている。そして、隙間Sからの排気ガスの漏出を防止するために、シュラウドリング51の上記円筒部の外周面とタービンハウジング3の内周面との間には2枚のCリングからなるシール部S1が設けられている。
【0024】
次に、本実施形態における各ノズルベーン53を同期して回転させる同期機構6の構成を、図1ないし図3に基づいて説明する。
図1に示すように、可変ノズルユニット5の後側には、各ノズルベーン53を同期して回転させるための同期機構6が設けられている。
【0025】
同期機構6は、略リング状を呈しノズルリング52の後側に複数の連結ピン57を介して設けられるガイドリング61と、ガイドリング61の径方向外側に回転自在に設けられる駆動リング62と、各ノズルベーン53を同期して回転させる複数の同期用伝達リンク63と、駆動リング62を回転させる駆動用伝達リンク64と、軸受けハウジング2の前側下部でタービン軸21に平行な軸回りに軸受66により回転自在に支持される駆動軸65と、駆動軸65の一端側に設けられる駆動レバー67と、アクチュエータロッド69を介して駆動レバー67に設けられるシリンダ等のアクチュエータ70とを有している。
【0026】
図2に示すように、駆動リング62の内周縁部には、各ノズルベーン53と対応する位置に同期用係合凹部62aが形成されている。同期用伝達リンク63の一端部は同期用係合凹部62aに係合し、他端部は各ノズルベーン53の第2ベーン軸56に一体的に連結されている。
また、駆動リング62の内周縁部には、同期用係合凹部62aの他に駆動用係合凹部62bが形成されている。駆動用伝達リンク64の一端部は駆動用係合凹部62bに係合し、他端部は駆動軸65に一体的に連結している。
【0027】
図3に示すように、駆動軸65は前後方向で延びる棒状部材であり、略円筒状を呈する軸受66を介して前後方向で延びる軸回りに回転自在に軸受ハウジング2に設置されている。
駆動レバー67は、前後方向と略直交する方向に延びる部材であるレバー本体67Aと、前後方向に沿って延びる部材である第2駆動軸67Bとを有している。レバー本体67Aは、駆動用伝達リンク64と連結している駆動軸65の一端側に対する他端側に一体的に連結されている。第2駆動軸67Bは、駆動軸65と連結しているレバー本体67Aの一端側に対する他端側に設けられ、レバー本体67Aから駆動軸65側に突出している。なお、駆動軸65、レバー本体67A及び第2駆動軸67Bは、略コ字状に設けられている。
【0028】
アクチュエータロッド69は、前後方向と直交する方向で延びる棒状部材であり、アクチュエータロッド69と第2駆動軸67Bの接続部Cは、前後方向に関して軸受66が駆動軸65を保持する保持範囲に位置している。
【0029】
続いて、本実施形態におけるターボチャージャ1の動作を説明する。
まず、ターボチャージャ1の排気ガスのエネルギーを利用してエンジンに供給される空気を過給する動作について説明する。
【0030】
エンジンの排気口から排出された排気ガスは、タービンハウジング3のガス流入口を通ってタービンスクロール流路31へ導入される。そして、排気ガスは、タービンスクロール流路31からノズル流路5Aに導入される。
この時、エンジンの回転数、すなわち、ノズル流路5Aに導入される排気ガスの流量に応じてアクチュエータ70及び同期機構6の作動により各ノズルベーン53を回転させ、ノズル流路5Aの開口面積を変化させる。この開口面積の変化によりノズル流路5Aを通る排気ガスの流量は調節され、結果として低回転域から高回転域までの広い範囲に亘りエンジンの性能向上を図ることができる。
ノズル流路5Aを通った排気ガスは、タービンインペラ23の設置箇所に導入され、タービンインペラ23を回転させる。その後、排気ガスはタービンハウジング出口32より排出される。
【0031】
タービンインペラ23は、タービン軸21を介してコンプレッサインペラ24と連結されているため、タービンインペラ23が回転することでコンプレッサインペラ24が回転する。
コンプレッサインペラ24の回転により、吸気口41から導入された空気がディフューザ流路42に供給される。空気は、ディフューザ流路42を通ることで圧縮され昇圧される。昇圧された空気は、コンプレッサスクロール流路43を通ってエンジンの吸気口に供給される。結果として、エンジンに空気を過給し、エンジンの出力を向上させることができる。
以上で、ターボチャージャ1の過給動作は終了する。
【0032】
次に、レバー本体67Aに第2駆動軸67Bを介してアクチュエータロッド69を組み付ける作業の特徴について説明する。
図3に示すように、第2駆動軸67Bは、レバー本体67Aの駆動軸65側すなわち前側の面から突出して設けられているため、レバー本体67Aの前側周辺の作業空間は必要であるが、レバー本体67Aの後側周辺の作業空間は従来のターボチャージャに比べ縮小してよい。したがって、軸受ハウジング2を前後方向で縮小すること等が可能になり、ターボチャージャ1を小型化できる。
【0033】
最後に、アクチュエータ70の作動による駆動軸65及び軸受66に作用する力について、図4を参照して説明する。
図4は、アクチュエータ70の作動による駆動軸65及び軸受66に作用する力について示した概略図であり、(a)は本実施形態における概略図、(b)は従来の構成における概略図である。
【0034】
図4(a)に示すように、アクチュエータ70の作動により、第2駆動軸67Bとアクチュエータロッド69との接続部Cには紙面下向きの力が作用する。この力は、第2駆動軸67B及びレバー本体67Aを介して駆動軸65に作用するのであるが、力の作用線は軸受66が駆動軸65を保持する保持範囲内を通過し、かつ、上記力の作用線と軸受66の軸とが直交しているため、アクチュエータ70が作動しても駆動軸65を軸受66の内部で傾ける力は発生しない。
【0035】
すなわち、アクチュエータ70が作動しても駆動軸65と軸受66との位置関係は平行を維持し、軸受66の内部における軸方向の全ての部分には駆動軸65から紙面下向きの力が作用することになる。そのため、軸受66が駆動軸65から受ける圧力を低減させることができる。また、駆動軸65と軸受66との間の隙間を最小化することができる。
なお、図4(a)に示すように、アクチュエータ70の作動による力の作用線は上記保持範囲における紙面右寄りであるため、軸受66の紙面右端部に作用する力は紙面左端部に作用する力よりも大きいものとなる。
【0036】
一方、図4(b)に示すように、従来のターボチャージャにおいては、第2駆動軸67Bとアクチュエータロッド69との接続部C2は軸受66が駆動軸65を保持する保持範囲の外に位置していることから、アクチュエータ70の作動により駆動軸65を軸受66の内部で紙面時計回りに傾ける力が発生する。
したがって、駆動軸65は軸受66の内部で紙面時計回りに傾き、軸受66の両端部が駆動軸65を支持することになる。結果として、従来のターボチャージャにおいては、排気ガスが駆動軸65と軸受66との間の隙間から漏出する虞や、駆動軸65及び軸受66に局所的な摩耗が発生する虞がある。
【0037】
したがって、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、ターボチャージャ1を小型化でき、駆動軸65と軸受66との間からの排気ガスの漏出並びに駆動軸65及び軸受66の局所的な摩耗を防止することができるという効果がある。
【0038】
なお、前述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、同期機構6は複数の部材を有しているが、接続される複数の部材を単一の部材として構成してもよい。例えば、レバー本体67A及び第2駆動軸67Bからなる駆動レバー67を、単一の部材として構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態におけるターボチャージャ1の全体構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態における同期機構6の背面図である。
【図3】本実施形態における駆動軸65周辺の拡大図である。
【図4】アクチュエータ70の作動による駆動軸65及び軸受66に作用する力について示した概略図である。
【符号の説明】
【0041】
1…ターボチャージャ、54…ノズルベーン本体(翼)、62…駆動リング、65…駆動軸、66…軸受、67…駆動レバー、67A…レバー本体、67B…第2駆動軸、70…アクチュエータ、C…接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転により複数の翼を同期して駆動する駆動リングと、一方向に延びて前記駆動リングに接続され前記駆動リングを回転させる駆動軸と、前記駆動軸を回転自在に保持する軸受と、前記駆動軸の一端側に設けられ前記一方向と略直交する方向に延びてアクチュエータに接続される駆動レバーとを備えるターボチャージャであって、
前記アクチュエータと前記駆動レバーとの接続部は、前記一方向に関して前記軸受が前記駆動軸を保持する保持範囲に位置して設けられることを特徴とするターボチャージャ。
【請求項2】
前記駆動レバーは、前記一方向と略直交する方向に延びるレバー本体と、前記駆動軸の他端側に向け前記一方向に延びて前記アクチュエータと接続される第2駆動軸とを有し、
前記駆動軸、前記レバー本体及び前記第2駆動軸が略コ字状に設けられることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−90714(P2010−90714A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258378(P2008−258378)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】